JP2014193849A - ポルフィリン誘導体の殺菌作用増強方法 - Google Patents

ポルフィリン誘導体の殺菌作用増強方法 Download PDF

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能伸 大崎
Koji Ogasawara
浩二 小笠原
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泰一郎 近間
Isao Sakata
功 阪田
Susumu Nakajima
進 中島
Hideo Hayashi
秀雄 林
Akira Obana
明 尾花
Ryuji Asano
龍二 浅野
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【課題】黄色ブドウ球菌やMRSAなどの抗生物質耐性菌を含むグラム陽性菌に対しては顕著な抗菌効果を示すポルフィリン誘導体のグラム陰性菌や真菌に対する抗菌効果を増強する方法の提供。
【解決手段】特定のポルフィリン誘導体とともにEDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択されるキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を使用すること。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポルフィリン誘導体の抗菌作用を増強する方法に関する。
癌の新しい治療法として、光物理化学的診断・治療法(以下、「光線力学療法」と記す:PDT:Photodynamic Therapy)が行われている。この方法は、ある種のポルフィリン誘導体を静脈内注射などの方法により投与して、癌(腫瘍)組織に選択的に集積させた後、レーザー光を照射することにより癌組織のみを選択的に破壊することによって癌細胞を消滅させる治療法である。これは、ポルフィリン誘導体が有する癌組織への選択的集積性と、光増感作用という2つの特性を利用した治療法である。また、PDT療法は炎症性角化症(乾癬などの皮膚炎)や日光角化症の治療薬としても有効であることが示されている。
本発明者らは、ある種のポルフィリン誘導体が、細菌類やウイルス類に対して抗菌作用を示し、PDT療法用の薬剤として、皮膚疾患のみならず、感染症に対しても有効であることを見いだした(特開2012−92024)。これらのポルフィリン誘導体は、黄色ブドウ球菌やMRSA などの抗生物質耐性菌に対しても抗菌効果を示すため、薬剤や各種医療器具の滅菌にも有用である。
しかしながら、これらのポルフィリン誘導体は、グラム陽性菌に対しては顕著な抗菌作用を示すが、グラム陰性菌や真菌に対してはその効果が劣ることがわかった。したがって、本発明の目的は、グラム陰性菌や真菌に対するポルフィリン誘導体の抗菌効果を増強する方法を提供することである。
特開2012−92024 特開2009−263317
本発明者らは、ポルフィリン誘導体とともにキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を用いることにより、ポルフィリン誘導体の抗菌活性を増強しうることを見いだした。すなわち、本発明は、以下を提供する:
[1] 次式(I):

[式中、
Xは、Oを表し、
Yは、−(CH2)nを表し、
Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
または
を表し、
nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
で表されるポルフィリン誘導体の抗菌作用を増強する方法であって、ポルフィリン誘導体とともにキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を使用することを特徴とする方法;
[2] 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
である、[1]の方法;
[3] キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、[1]または[2]の方法;
[4] 次式(I):
[式中、
Xは、Oを表し、
Yは、−(CH2)nを表し、
Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
または
を表し、
nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
で表されるポルフィリン誘導体の抗菌作用の増強剤であって、キレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を含有することを特徴とする増強剤;
[5] 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
である、[4]の増強剤;
[6] キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、[4]または[5]の増強剤;
[7] 次式(I):
[式中、
Xは、Oを表し、
Yは、−(CH2)nを表し、
Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
または
を表し、
nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
で表されるポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上との組み合わせからなる抗菌剤;
[8] 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
である、[7]の抗菌剤;
[9] キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、[7]または[8]の抗菌剤;
[10] 微生物の殺菌方法であって、
次式(I):
[式中、
Xは、Oを表し、
Yは、−(CH2)n−を表し、
Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
または
を表し、
nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
で表されるポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上とを該微生物と接触させ、光を照射することを特徴とする方法;
[11] 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
である、[10]の方法;
[12] キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、[10]または[11]の方法。
本発明にしたがえば、ポルフィリン誘導体を用いる微生物の殺菌において、ポルフィリン誘導体とともにキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を使用することにより、ポルフィリン誘導体の抗菌作用を増強することができる。
本発明において用いるポルフィリン誘導体は、次式(I):
[式中、
Xは、Oを表し、
Yは、−(CH2)nを表し、
Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
または
を表し、
nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
で表される。
式(I)のポルフィリン誘導体は、皮膚疾患治療剤として、および抗菌剤として有用な化合物として、特開2012−92024に開示されている。これらのポルフィリン誘導体は、例えば、特開2009−263317に記載される方法により製造することができる。
本発明において特に好ましいポルフィリン誘導体は、式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
であるものである。そのうち、A型であるものが特に好ましく、かかる化合物を本明細書においてTONS504と称する。
キレート剤とは、複数の配位子をもち金属イオンと錯体を形成しうる分子をいう。代表的なキレート剤としては、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)、PDTA(1,3−プロパンジアミン四酢酸)、NTA(ニトリロ三酢酸)、TTHA(トリエチレンテトラミン六酢酸)、DTPA−OH(1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸)などのアミノカルボン酸系のキレート剤、および、アスコルビン酸、アスコルビン酸−2−グリコシド、アスコルビン酸リン酸エステルなどのアスコルビン酸系のキレート剤が挙げられる。本発明で用いるキレート剤としては、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸が好ましく、EDTAが特に好ましい。
キレート剤の添加量は、微生物に適用するときの最終濃度として、4〜100mM、好ましくは10〜75mM、特に好ましくは約50mMである。
メントール(2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノール)は揮発性の無色結晶で、いくつかのジアステレオマー、鏡像異性体がある。本発明で用いられるメントールはポルフィリン誘導体を含む培地に可溶である限り特に限定されないが、食品や医薬品等において汎用されるl-メントールが安全性の点から特に好ましい。
メントールの添加量は、微生物に適用するときのメントールの最終濃度として、0.001〜0.2%、好ましくは0.008〜0.1%、特に好ましくは約0.05%である。
銀または銀イオンは、ポルフィリン誘導体を含む培地に可溶である限り特に限定されないが、銀としてはナノシルバー(ナノ銀)が好ましい。ナノシルバーとは、純粋な銀をナノサイズ化したもので、溶剤中にコロイド化した状態で市販されているものが多く、コロイド銀とも称される。
銀または銀イオンの添加量は、微生物に適用するときの銀または銀イオンの最終濃度として、0.05〜1ppm、好ましくは0.08〜0.8ppm、特に好ましくは約0.1ppmであり、ナノシルバーの終濃度としては0.5〜20ppm、好ましくは0.8〜5ppm、特に好ましくは約1ppmである。
ヒスチジン(2-アミノ-3-(1H-イミダゾ-4-イル)プロピオン酸)は、側鎖にイミダゾイル基を有する塩基性アミノ酸である。ヒスチジンは、側鎖であるイミダゾイル基の特殊な性質により酵素の活性中心や、タンパク質分子内でのプロトン移動に関与する。ヒスチジンはタンパク質中では金属との結合部位として、あるいは水素結合やイオン結合を介して、その高次構造の維持に重要な役割を果たすことが知られている。
本発明で用いられるヒスチジンは、ポルフィリン誘導体を含む培地に可溶である限り特に限定されず、D−ヒスチジンでもL−ヒスチジンでもよい。また、ヒスチジンの添加量は、微生物に適用するときのヒスチジンの最終濃度として、3〜20mM、好ましくは3〜15mM、特に好ましくは約3.8mMである。
マンニトールは、糖アルコールの一種でマンニットとも称される。マンニトールは、水溶液中ではプロトンを放出するため、その水溶液は酸性になる。本発明で用いられるマンニトールは、ポルフィリン誘導体を含む培地に可溶である限り特に限定されないが、D−マンニトールが好ましい。
マンニトールの添加量は、微生物に適用するときのマンニトールの最終濃度として、0.01〜1.5%、好ましくは0.05〜1%、特に好ましくは約0.08%である。
塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムは、ポルフィリン誘導体を含む培地に可溶である限り特に限定されず、例えば塩化マグネシウムとして、ニガリを添加してもよい。
塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムの添加量は、微生物に適用するときの塩化ナトリウムおよび塩化マグネシウムの最終濃度として、0.05〜2%、好ましくは0.1〜1%、特に好ましくは約0.3%である。
本発明のさらに別の観点においては、微生物の殺菌方法が提供される。この方法は、式(I)で表されるポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上とを該微生物と接触させ、光を照射することを特徴とする。接触は、ポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上とを含む溶液を、微生物を含有するかまたは含有すると疑われる試料と混合するか、試料に塗布するか、またはかかる溶液に試料を浸漬することにより行うことができる。
光源としては、PDT療法に使用される種々のレーザー光源やランプを用いることができる。例えば、チタンサファイヤレーザー、半導体レーザー、OPO−YAGレーザー、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、発光ダイオード等を用いることができる。式(I)で表されるポルフィリン誘導体は、660〜670nm付近に吸収波長を持つため、この波長の半導体レーザーを用いることが特に好ましい。光の強度および照射時間は、殺菌すべき微生物の種類および数に応じて、適宜選択することができる。
別の観点においては、本発明は、式(I)で表されるポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上との組み合わせからなる抗菌剤を提供する。本発明の抗菌剤は、ポルフィリン誘導体の入った容器と、キレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上の入った容器との組み合わせでもよく、別々の容器に入ったポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上とを含むキットの形でもよい。
本発明の抗菌剤は、さらに他の抗菌剤や抗ウイルス剤と組み合わせて用いてもよい。
以下に実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例1:キレート剤によるポルフィリン誘導体の抗菌効果の増強
抗菌活性試験は以下のようにして実施した。試験菌種は、グラム陰性菌として大腸菌(Escherichia coli)および緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、真菌としてマラセチア菌(Malassezia sp.)を選択し、それぞれ滅菌水に懸濁して、2.0×108/mLに調整した。ポルフィリン誘導体(TONS504)は、特開2009−263317に記載される方法により製造した。EDTAとしては、Wako純薬工製 EDTA・2Na solution0.05M滴定液を滅菌水で希釈して用いた。アスコルビン酸(AA)としては、Wako純薬工業製 (+)-Ascorbic Acidを滅菌水で希釈して用いた。なお、AAは当日調製し、当日のみ使用した。
光源としては、LED 660nmデスクスタンドタイプ(ME-PT-DSRD660-0201(2世代目)シーシーエス株式会社製)を使用した。
寒天培地に試験菌懸濁液20μlと、ポルフィリン誘導体(TONS504)溶液100μl(最終濃度0〜100μg/ml)と、EDTA溶液またはアスコルビン酸(AA)溶液または対照として滅菌水10μlを添加し、コンラージ棒で培地に均等塗布し、5分間暗所に放置した。
次に、光源(LED)を距離5cmに固定して照射した。照射時間は、0秒(0J/cm2)、160秒(10J/cm2)、240秒(15J/cm2)、320秒(20J/cm2))、480秒(30J/cm2)とした。その後、インキュベータ(35℃)にて24時間培養し、24時間後の各培地の生存コロニー数を計測した。
結果を下記の表に示す。表中、+は生菌が確認されたことを、−は試験菌が死滅したことを表す。空欄は実験未実施を示す。なお、対照として、TONS504を添加しなかった場合、および光照射をしなかった場合には、いずれも全く抗菌効果が認められなかった。

上述の結果から、本発明の方法ならびに増強剤は、グラム陰性菌および真菌の殺菌に有用であることがわかる。
実施例2:各種添加剤によるポルフィリン誘導体の抗菌効果の増強
キレート剤以外の添加でもポルフィリン誘導体の抗菌作用が増強されるのではないかと考え、探索を行った。特にピロリ菌を重要なターゲットとして捉え、胃の蠕動運動を抑制し菌体内への浸透化を期待できるメントール等を用いて、ポルフィリン濃度の低量化の可能性を検討した。
抗菌活性試験は以下のようにして実施した。試験菌種は、グラム陰性菌としてピロリ菌(Helicobacter pylori)、大腸菌(Escherichia coli)およびメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus、MRSA))を選択し、それぞれ滅菌水に懸濁して、2.0×108/mLに調整した。ポルフィリン誘導体(TONS504)は、特開2009−263317に記載される方法により製造し、各1, 3, 5, 8, 10, 20, 30, 50μg/mLに調整た。添加剤としては、メントール、ナノシルバー(日本イオン株式会社製)、銀イオン、D−ヒスチジン、L−ヒスチジン、D−マンニトール、塩化ナトリウム、およびニガリ液(塩化マグネシウム)を用いた。
実施例1にしたがい、菌20μLに各濃度のポルフィリン誘導体100μLを加えた後、各濃度の添加剤10μL を添加した。上記全量130μLをコンラージ棒で培地に均等塗布し、5分間 暗所に放置した。光源(660nm LED)を距離 5cm に固定して、0分または4分照射し、24時間培養(35℃)した後、各培地のコロニー数を計測した。
結果を下記の表に示す。表中、+は生菌が確認されたことを、−は試験菌が死滅したことを表す。空欄は実験未実施を示す。なお、対照として、TONS504を添加しなかった場合、および光照射をしなかった場合には、いずれも全く抗菌効果が認められなかった。
以上の結果から、銀イオン、L−ヒスチジン、D−マンニトール、塩化ナトリウム、およびニガリ液(塩化マグネシウム)は本発明の増強剤として利用可能なことが確認された。本増強剤を用いれば薬剤濃度を1/5程度に減量することができ、10μg/mL程度の濃度でも効果を発揮できる。本増強剤を添加したポルフィリン誘導体は大腸菌やMRSAにも著効を示し、特にピロリ菌殺菌に有効であることも判明した。本増強剤を用いることで、ピロリ菌の内視鏡的除菌等も可能となることが期待される。
本発明は、微生物の殺菌ならびに感染症の治療に有用である。

Claims (12)

  1. 次式(I):
    [式中、
    Xは、Oを表し、
    Yは、−(CH2)nを表し、
    Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
    または
    を表し、
    nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
    で表されるポルフィリン誘導体の抗菌作用を増強する方法であって、ポルフィリン誘導体とともにキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を使用することを特徴とする方法。
  2. 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
    である、請求項1に記載の方法。
  3. キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 次式(I):
    [式中、
    Xは、Oを表し、
    Yは、−(CH2)nを表し、
    Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
    または
    を表し、
    nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
    で表されるポルフィリン誘導体の抗菌作用の増強剤であって、キレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上を含有することを特徴とする増強剤。
  5. 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
    である、請求項4に記載の増強剤。
  6. キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、請求項4または5に記載の増強剤。
  7. 次式(I):
    [式中、
    Xは、Oを表し、
    Yは、−(CH2)nを表し、
    Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
    または
    を表し、
    nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
    で表されるポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上との組み合わせからなる抗菌剤。
  8. 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
    である、請求項7に記載の抗菌剤。
  9. キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、請求項7または8に記載の抗菌剤。
  10. 微生物の殺菌方法であって、
    次式(I):
    [式中、
    Xは、Oを表し、
    Yは、−(CH2)n−を表し、
    Rは、−OH、−O(CH2)mCH3、−O(CH2)m−OH、
    または
    を表し、
    nおよびmは、独立して、0〜10の整数を表す]
    で表されるポルフィリン誘導体とキレート剤、メントール、銀または銀イオン、ヒスチジン、マンニトール、塩化ナトリウム、および塩化マグネシウムから選ばれる1以上とを該微生物と接触させ、光を照射することを特徴とする方法。
  11. 式(I)において、XがOであり、Yが−CH2−であり、Rが両方とも
    である、請求項10に記載の方法。
  12. キレート剤が、EDTA、DTPAおよびアスコルビン酸から選択される、請求項10または11に記載の方法。
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