JP2014193423A - 親和力差を利用した孔拡散膜分離方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】水溶液中に溶解した分子、特にイオン状態や分子分散した化合物を対象にした分離あるいは濃縮が、大容量かつ連続で効率的に処理することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】粒子を溶解または分散した水溶液に対して、平均孔径10 nm以上、5μm以下で空孔率が60%以上で多層構造を持つ埋め込み加工前の多孔性平膜の層間に濃縮対象の該粒子との親和力の大きい物質を埋め込むことで作製された複合体膜を装着した孔拡散型膜分離装置で該水溶液の膜面上での流れによる圧力損失を0.1気圧以下の条件下で膜間差圧を0.15気圧以下に保つことによって実現される孔拡散法で該粒子を除去した液部と該粒子を濃縮した液部とに分離する。
【選択図】図1
【解決手段】粒子を溶解または分散した水溶液に対して、平均孔径10 nm以上、5μm以下で空孔率が60%以上で多層構造を持つ埋め込み加工前の多孔性平膜の層間に濃縮対象の該粒子との親和力の大きい物質を埋め込むことで作製された複合体膜を装着した孔拡散型膜分離装置で該水溶液の膜面上での流れによる圧力損失を0.1気圧以下の条件下で膜間差圧を0.15気圧以下に保つことによって実現される孔拡散法で該粒子を除去した液部と該粒子を濃縮した液部とに分離する。
【選択図】図1
Description
本発明は水溶液中に溶解または分散した分子あるいは粒子(以下両者を粒子と略称)の膜分離方法に関する。膜分離方法はエネルギ-消費を極小化することが可能な技術として利用する。さらに詳しくは多孔性高分子膜の孔拡散技術を利用して、水中に溶解または分散した化合物等の粒子を膜分離する技術に関する。水と膜材料と微粒子との少なくとも3種類の成分分子間に働く親和力差に基づく孔拡散時の拡散係数の変化に注目した膜分離方法に関する。
水中に溶解または分散した化合物を分離除去したり濃縮するのに該化合物の物理化学的な特性を利用して今までに多くの技術が開発されてきた。例えば、水中で溶解した化合物がイオン化されている場合にはイオン交換樹脂でイオンを吸着して分離や濃縮が行われる。陰イオンに対しては陰イオン交換樹脂を、陽イオンに対しては陽イオン交換樹脂を利用する。化合物としての水への溶解度を利用して溶解度が低くなる条件を設定し沈殿化させて沈殿物を回収することで分離除去ができる。例えばpHを変化させて溶解度積の小さな物質に変化させたり、化学反応で溶解度の低い物質へ変化させるなどである。イオン交換樹脂を利用する場合にはその樹脂のイオン交換容量に限界があるため通常吸着/再生処理の間歇運転にならざるを得ず、また沈殿法では沈殿に時間を必要とするためバッチ工程となり処理用の大容量の液溜めが必要である。処理工程としての連続運転が可能な改良が計られている。
イオン化せずに水に溶解している化合物に対しては親和力の差を利用するアフィニテイクロマトグラフや活性炭などの吸着剤を利用して分離・濃縮が可能である。この処理法も工程上バッチ処理工程となる。処理容量が小さいため工程として連続化するには吸着/再生処理の間歇運転となるのが一般的である。この処理法では大量処理が難しい。吸着剤そのものを利用する場合にはイオン交換樹脂と同様に吸着/再生処理工程の間歇運転かあるいは目的物質を吸着した吸着剤を焼却や埋め立て処分したりする。アフィニテイクロマトグラフの場合には処理対象物質に対する選択性が高い特徴を持つが処理量が少なくまた目的物質以外の微粒子が混在すると該粒子によるクロマト担体の汚染が起こる。すなわちこれらの技術では長期運転が可能な大容量化が計られる。
高分子量物質の水溶液あるいは微粒子を分散した水溶液より該物質や微粒子を除去したり濃縮する方法として遠心分離法や膜ろ過法がある。遠心分離法では大量処理が困難であり連続処理が出来ない。膜ろ過法は固液分離に最適であるが膜中の孔は目詰まりを起こし、安定したろ過性能を維持するのは難しく原液は限られる(特許文献1および特許文献2)。大容量で目詰まりしない固液膜分離法の開発が求められる。
膜ろ過法では利用する膜の平均孔径を変化させることにより種々の物質の分離や濃縮が可能になった。平均孔径が0.1 nm近傍の膜は逆浸透膜として脱塩に利用され、平均孔径が1 ~ 10 nmの膜では限外ろ過膜として分子量分画を、さらに平均孔径が大きくなるとミクロフィルターとして微粒子の分離用として利用できる。ただしいずれの膜もろ過用として膜間差圧を物質移動の駆動力としているため膜内部の孔での目詰まりは必然的に起こる。さらにいずれのろ過膜も分離対象の立体的な大きさによって分離する篩効果が中心である。目詰まりを防止するために原液の流れによる膜表面の目詰まり物質(ケーク層を構成する成分)の離脱を目的としてタンジェンシャルフロ-ろ過が採用されている。しかしタンジェンシャルフローろ過用のモジュールとしての最適設計の基礎原理が不明である。そのため単に膜面に堆積した大粒子の固形物(ケーク層)を剥ぎ取る効果を想定した処理法としてタンジェンシャルフローろ過が位置付けられているのが現状である。(非特許文献1)。膜表面の堆積物を除去する方法として例えば流動する原液中に固体の微粒子としてスポンジ状物や砂状物を混入したりあるいは泡状の気体を混入させる方法がある。しかし固形物のはぎ取り効果は固形物の大きさが数ミクロン単位の大きさの物質であり、タンパク質などの高分子量の分子は膜表面にも濃縮する。これは濃度分極といわれる現象であり、膜の内部の孔の目詰まりに対してはタンジェンシャルフローろ過でも防ぎようがない。膜分離技術において目詰まりしない技術の開発が重要である。
上述のような膜ろ過の欠点である目詰まりを解消する方法として定常状態での孔拡散法が提案された(特許文献3)。定常状態での孔拡散法(定常孔拡散法と略称されている)とは膜中の孔を介した拡散において膜表面と膜裏面との物質の濃度の差が時間的にほぼ一定に保たれている拡散を意味する。膜としては平均孔径5nm以上で2ミクロン以下、空孔率40
% 以上90% 以下、膜厚30 μ味条で1mm以下の親水性高分子を素材とした膜が採用されている。定常孔拡散法では原液の体積が経時的に減少しない特徴があるが拡散液中の目的物質の濃度は処理前に比べて例外なく減少している。しかしこの方法では膜の素材が限られている場合(たとえば親水性素材など)、分子量が近く化学構造に差がある分子種を分離することが難しい。定常孔拡散の特徴すなわち目詰まりすることなく分子種を分子の大きさで分離可能な点を生かしつつ、化学構造の差に基づいた分離が可能な膜分離技術を開発することにより孔拡散技術の適用範囲が拡がる。
膜の素材を変化させる方法として、多孔膜を製膜後にその孔特性を維持したままで化学反応により素材高分子を改質する方法が知られている。例えば疎水性膜を親水性膜にするためには親水基をグラフト反応により結合させて膜表面を親水化する。これらの膜の改質を行う目的はいずれもろ過工程で起こる膜表面での汚染防止や吸着によるろ過速度の低下防止であり、孔拡散への影響については明らかではない。膜の素材面からの改質が簡単に可能となれば孔拡散技術における親和力の影響が明らかであるので、孔拡散技術の適用範囲が大幅に拡がる。すなわち除去または濃縮対象ごとの膜設計が可能となる。
ミクロ相分離法による製膜法を利用すれば平均孔径が5nm ~ 2μmにわたる多層構造膜を作製できる(非特許文献2)。ミクロ相分離法が適用できる高分子物質として、セルロース誘導体、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等の低結晶性高分子がある。良溶媒として低沸点で分子量が50 ~ 1000程度の溶媒でこれらの高分子を濃度15wt%以下で溶解し、流延法で製膜すると多孔性平膜が作製されることが知られている。この方法で作製された膜の孔形状は非円形孔となる場合が多く、特に流延用溶液中の高分子濃度が低い場合に非円形状孔となる。
膜分離プロセスの理論と設計(酒井清孝監修)、アイピーシー、155頁(1993) 新高分子実験学第10巻高分子の物性(高分子学会編)、共立出版、533頁〜559頁(1994)
水溶液中に溶解した分子、特にイオン状態や分子分散した化合物を効率的に分離・濃縮したり、あるいは分散した微粒子を除去するのに蒸留のような相分離を経ることなく、多量の熱エネルギを使用することなく可能とする技術を提供する。すなわちエネルギ-消費を極小化した分離技術を提供する。この技術を用いて従来はバッチ処理であったのを連続工程に組み込める技術を提供する。
分離技術としては従来のクロマトグラフのような処理対象物質に対する高度な選択性を持たせながら処理量が多く長期運転が可能な技術が望ましい。すなわち例え分子量が類似していても親和力の差が活用できる分離技術が望まれる。遠心分離のように分散した微粒子を除去できるがスケールアップに十分適応する技術でない点を克服し、工業的なスケールでの分散粒子の除去技術が望まれる。
水中に溶解または分散した物質を相分離を経ることなく分離するのに本発明では平膜を利用する点にある。該平膜は後述される方法で複合体膜へ加工される。加工前の膜の形状として平膜、中空糸膜、チューブ状膜に大別されるが、平膜である必要性は孔拡散膜分離を実現するモジュール設計が容易であること、特に膜平面に沿って原液を流した場合に該流れによる圧力損失を0.1気圧以下にするための膜間距離の設定が容易であること、モジュール内の膜のみを更新することが容易であること、モジュールを構成する素材の選択の幅が広がるので、原液の組成変化に対応できることと後述する膜の改質加工が容易な点にある。
複合体膜への加工前の平膜としては多層構造を持つ膜が望ましい。あるいは直径20μm以下の長繊維で構成される不織布で空孔率が50%以上で水ろ過速度法での平均孔径が0.5μm〜5μmの不織布状の膜も加工前の膜として利用できる。本発明でいう多層構造を持つ膜とは、(1)膜面方向からの平膜の電子顕微鏡(透過型あるいは走査型)観察では網目状または繊維の積層状であったりあるいはこれらの構造を埋める微粒子の堆積構造が観察される。この孔形状は非円形孔に分類される膜で、さらに(2)断面方向からの透過型電子顕微鏡観察では厚さ0.1μm〜0.5 μmの縞状物(膜面方向の観察で網目状の孔が観察される膜について)または1μm〜20μmの繊維状物(膜面方向の観察で繊維の積層状の孔の膜について)が膜面に平行に走る構造体とその構造体に平行に走る直径0.1μm ~ 0.5μmの楕円形状物が観察される膜である。膜面に平行に走る構造体の存在が多層構造の存在を意味している。このような多層構造を持つ膜は以下の2方法で作製される。
膜面方向からの電子顕微鏡観察で網目状の非円形孔が観察され断面方向からの観察では縞状物が観察される多層構造を持つ平膜はミクロ相分離法で作製できる。すなわち沸点が貧溶媒よりも低い良溶媒に高分子を溶解させた高分子溶液(高分子濃度15wt%以下)をガラス板上に流延し半乾式あるいは乾式あるいは湿式法によりミクロ相分離を起こさせ、その後固化/洗浄/乾燥工程を経ることにより作製される。
膜面方向からの電子顕微鏡観察で繊維の積層状の非円形孔が観察され、断面方向からの観察では繊維状物が膜面に平行に走る構造体の多層構造を持つ平膜は単繊維としては5デニール以下の長繊維を積層して成形した不織布を複数枚積層しこれを加圧成型することにより作製できる。単繊維のデニールは小さければ小さいほど好ましい。
本発明で複合体膜への加工前の平膜として採用される膜の平均孔径は10 nm以上で5 μm以下で空孔率は60%以上で膜厚は50μm以上であることが特徴である。該平膜は複合体膜へ加工されるが、平膜の平均孔径が大きければ大きいほど、空孔率が大きいほど加工方法の選択範囲の自由度が大きくなる。平均孔径の下限値の存在は複合体膜へ加工後に孔拡散型の膜分離が実施できるには下限値が存在するためである。加工前の平膜の平均孔径が10 nm未満であれば加工後には水ろ過速度法による複合体膜の平均孔径が5 nm未満となることが多いので孔拡散型の膜分離から溶解・拡散型の膜分離となる。溶解・拡散型の拡散では拡散の見かけの活性化エネルギーが15 kcal/mole以上となり拡散係数は孔拡散の場合の値の1万分の1以下となる。
水溶液中に溶解または分散した物質の分離を目的とする場合には加工前の平膜は親水性高分子で構成されていることが望ましい。親水性高分子であることにより、複合体膜を作製する処理法に水を利用することが可能となる。さらに加工後の複合体膜として利用する際に分離対象の液が水溶液の場合が多いので、平膜として親水性高分子を利用すると膜の汚染が防止できる。埋め込み加工の容易さは埋め込む化合物の性質を考慮して親水性高分子の具体的な素材を選定する。例えば再生セルロースやナイロン、アセテートなどである。
本発明方法の最大の特徴は、多層構造を持つ平膜の層間に濃縮対象あるいは分離対象である分子あるいは粒子(分子あるいは粒子を以降粒子と略称)との親和力の大きい物質を挿入(埋め込み)した複合体膜を用いた孔拡散型膜分離装置を用いる点にある。孔拡散型膜分離とは平均孔径が10 nm以上で10μm以下の空孔率50%以上で90%以下の多孔膜を用いて膜間差圧が0.15気圧以下の条件で、物質の分離の駆動力が濃度勾配(すなわち拡散)であり、原液体が膜面に平行に流れその際の流れによるひずみ速度が2/sec以上である条件で起こる膜分離である。孔拡散は定常孔拡散を特別な条件で実現する場合の孔拡散として含む。該孔拡散法膜分離では膜中の孔を通過する物質は粒子径が小さい成分が選択され、そのため膜中の孔を目詰まりさせることはほとんど起こらない。膜を構成する素材の実体部を拡散する溶解・拡散とは異なり、孔拡散は膜の孔内部を満たす液体(通常水)中を拡散する。両拡散のいずれが起こっているかは拡散の見かけの活性化エネルギーを測定すれば明らかである。孔拡散の場合には0 ~ 4 kcal/moleである。
孔拡散型膜分離装置では処理対象の液は膜面に平行に流動させる回路を持ち、膜面における原液体のひずみ速度は通常2 /secを超えるように装置として設計される。膜間差圧が0.15気圧を超えない機構を持つ。この機構の例として、原液が流れることによって生じる流路に沿った圧力低下が0.1気圧以下である流路設計がなされる。この圧力低下の極小化が重要であり、従来のろ過型の膜分離装置では達成不可能の場合が多い。特に中空糸膜を利用したろ過型の装置、あるいは人工透析装置では流路に沿った圧力低下は0.1気圧を超える場合が多い。膜間差圧を制御する装置上の工夫として、膜表面での原液の速度と膜の孔を通過してくる液速度の比を制御する機構を回収液の流れ回路の中で設けるのが装置的には簡便である。
層間に挿入する物質は水への溶解度が低い物質である。例えば無機物質としては水酸化第二鉄粒子、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、水酸化アルミニウム等、無機顔料としてプルシアンブル、炭酸カルシウム、酸化チタン等、金属として鉄、金、銀、銅など、有機物質としてはグロブリンやポリ乳酸などの高分子、あるいは染料分子などがある。これらの物質を挿入するには、種々の溶媒でこれらの物質を溶解し、一旦溶液状態とした後に該溶液を平膜内部に浸透させる。浸透後に沈殿反応、酸化反応、還元反応、中和反応、キレート反応などを起こして、水への溶解度の小さい化合物に変化させる。
水溶液中の分離あるいは濃縮対象が1価の陽イオンの場合には鉄錯化合物を層間に埋入する化合物として採用する。その他クロム、銅、コバルトの錯体化合物が適する。これらの錯体化合物を層間に埋め込むと膜の孔拡散による1価の陽イオンの拡散係数が著しく減少する。これらの錯体化合物を埋め込んだ平膜を装着した孔拡散型膜分離装置で1価の陽イオンを含む水溶液を孔拡散処理すると回収液中の陽イオンはほぼ消失し、1価の陽イオンは原液中に濃縮残留する。
1価の陽イオンがセシウムイオンの場合には鉄錯体化合物として鉄シアン錯体が適する。鉄シアン錯体はフェロシアン化カリウムやフェリィシアン化カリウムとそれぞれFe3+とFe2+との化合物である。Fe4[Fe(CN)6]3・xH2O(x=1〜16)が埋め込み用の化合物として利用できる。該化合物を平膜内に埋め込むには2価のカリウム塩の状態で水溶液として膜内に浸透させ、その後3価の鉄イオンを含む溶液に含浸した平膜を浸漬することにより平膜の層内に鉄シアン錯体を沈澱化させることができる。
本発明方法のさらなる特徴は孔拡散型膜分離装置において原液を膜面に平行にひずみ速度2/秒以上で流しながら濃縮した成分を回収しつつ流れに伴う圧力勾配の発生を0.1気圧以内におさえる回路の設計がなされている点にある。この設計の重要な要素は該回路の容積と膜面積との比が0.04〜0.4であるモジュールの回路の空間形状と膜を介して生じる液体の流れ速度を制御する回路を持つことである。
分離あるいは濃縮される成分に原因して生じる浸透圧が0.1気圧以下になるように分離濃縮液側あるいは膜を透過した回収液側の組成を設定しておくことが必要である。組成の設定の際に使用される物質は溶媒への溶解度が高く、かつ沸点または気体成分への分解温度が低い成分、例えば炭酸水素アンモニウムなどの炭酸塩である。その他溶媒への溶解度が高い気体成分、あるいは溶解度の温度変化の大きな成分がその例である。
本発明を採用することにより、水溶液中に溶解した分子、特にイオン状態や分子分散した化合物を対象にした分離あるいは濃縮が、大容量かつ連続で効率的に処理することが可能となる。具体的な用途として、水処理や排ガス処理、住空間の環境改善、化学工業などへ使用される。特に水処理用途ではこれまで吸着材、イオン交換樹脂に頼らざるを得なかったイオンの分離・濃縮に膜分離が利用できるようになり、連続処理ができるだけでなく、使用済み吸着材、イオン交換樹脂の発生が無くなり、廃棄物が大幅に削減される。造水処理では、これまで熱処理(多段フラッシュ法)や高圧処理(RO膜法)など多大なエネルギーが必要であったが、本発明により非加熱、低圧処理が可能となり大幅な省エネルギー化が達成される。
本発明で使用する多孔性平膜1は、孔拡散あるいは流導分別膜分離が可能な孔特性を持つ分離膜が一般的で、平均孔径5nm以上100μm以下、望ましくは平均孔径10nm〜10μmで、空孔率40%以上90%以下、膜厚1μm以上3mm未満の親水性高分子である多層構造セルロース膜で、膜の再生の容易さと、目詰まりの起こりにくさが特徴である。平均孔径が1μmを超える場合には親水性のろ紙状物や親水性の不織布を用いる場合もある。平均孔径が2nm未満であれば溶解・拡散機構による寄与が大きく、拡散係数が小さくなりすぎる。空孔率の上限は90%以下であり、これを超えると膜の力学的性質の低下が著しく、ピンホールなど欠陥の発生確率も高くなる。膜厚は望ましくは30μm以上で、膜厚を厚くすることで膜の強度、取り扱いやすさが増し、ピンホールの発生が減少する点から微生物除去にも効果的である。
親水性平膜あるいは親水性不織布を、水への溶解度が低い物質の水溶液に浸し、特定の物質を担持させることによって、該物質と親和性の高い物質の分離に利用できる孔拡散膜を得ることができる。水への溶解度が低い物質とは、例えば無機物質としては水酸化第二鉄粒子、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、水酸化アルミニウム等、無機顔料としてプルシアンブル、炭酸カルシウム、酸化チタン等、金属として鉄、金、銀、銅など、有機物質としてはグロブリンやポリ乳酸などの高分子、あるいは染料分子などがある。これらの物質を挿入するには、種々の溶媒でこれらの物質を溶解し、一旦溶液状態とした後に該溶液を平膜内部に浸透させる。浸透後に沈殿反応、酸化反応、還元反応、中和反応、キレート反応などを起こして、水への溶解度の小さい化合物に変化させる。具体的には、例えばセシウムイオンを分離するためには、セシウムイオンに対して親和性の高いフェロシアン化鉄Fe4[Fe(CN)6]3・xH2Oをナイロン製不織布平膜に埋め込むことによって、親和力を利用できる孔拡散膜が得られる。フェロシアン化鉄は水への溶解度が小さいため、まず溶解度が大きなフェロシアン化カリウム(黄血塩)を水に溶かし、平膜を浸漬する。平膜にフェロシアン化カリウムを浸透させ、その後3価の鉄イオンを含む溶液に含浸した平膜を浸漬することにより平膜の層内に鉄シアン錯体を沈澱化させることができる。
平膜の平均孔径は「粘度・膜厚・濾過速度/膜間差圧・空孔率」の平方根で与えられる。ここで濾過速度は一平方メートル当りの純水の濾過速度でml/minの単位で測定され、膜厚はミクロン単位、粘度はセンチポイズ、膜間差圧はmmHg単位で、空孔率は無次元単位である。この際の平均孔径はnm単位となる。空孔率は「1−膜の密度/素材高分子の密度」で与えられる。膜の密度は「膜の重量/膜の面積*膜の厚さ」で算出される。素材高分子の密度は空孔率0%の時の膜の密度で、これはすでに文献で与えられている。多層構造膜とは膜の断面方向から電子顕微鏡で観察すると10〜1000nmの厚さの層が認められ、膜の表面からの観察では網目状または粒子間の隙間が孔として、また粒子相互は融着した様子が観察される膜である。
また、セルロース誘導体をケン化して得られる再生セルロース多層構造平膜で、平均孔径が5nm〜500nm、膜厚は20μm〜500μm、1層の厚さが0.05μm〜0.5μmが100層以上の積層された多層構造体である膜を作製する原液を、特定の物質を担持させた不織布上に塗布することによっても親和性を高めた孔拡散膜を得ることができる。
多層構造を持つ多孔性平膜とは、フィールドエミッション型走査型電子顕微鏡によって膜中に孔の存在が認められる膜で平均孔径2nm以上、空孔率が40%以上で、厚さ約0.2μmの層が10層以上に積層された膜を意味する。
原液とは分離対象分子あるいは粒子を含む溶液であり、被拡散液と定常孔拡散の場合に呼称される。拡散液とは、該分離対象分子あるいは粒子を拡散させる溶液のことであり、流導分別効果を伴う孔拡散の場合には二次流路に満たされる液体(これは外部から供給される場合および原液より膜を介して流入した液体)が拡散液の役割を果たす場合もある。
本発明で使用する多孔性平膜1は親水性平膜あるいはろ紙状物あるいは不織布であり、素材としては再生セルロース、ナイロン、アセテートなどである。製膜法として湿式または乾式のミクロ相分離法で作製される。例えば銅安法再生セルロース製の多孔性平膜は親水性素材として最適であるが膜厚を100μm以上にまた平均孔径を100nm以上にするのが難しい。該膜の製法は特公昭62−044019号及び特公昭62−044017号と特公昭62−044018号に与えられている。広い範囲の平均孔径を持つ再生セルロース製の多孔性平膜の製法として多孔性アセテート膜を作成しこれを0.1規定の苛性ソーダでケン化処理することによって作製できる。アセテート膜の製法は上出健二,真鍋征一,松井敏彦,坂本富男,梶田修司,高分子論文集,34巻3号205頁〜216頁(1977年)に与えられている。この方法により0.01〜数ミクロンの平均孔径を持つ多孔性膜が得られ、膜厚は20μm〜数mmまで可能である。
得られた親和性を利用できる孔拡散用の多孔性平膜1を図1に示すような支持体2に固定する。支持体2には(イ)平膜1の変形や破膜を防止する役割と、(ロ)一次側の流体を層流化させる役割を持つ。該平膜を固定する際に、厚さ0.1mm〜1mm程度の薄いプラスチック板の額縁を用いてあらかじめ固定しておいてもよい。ピンホール発生を防止するためには該平膜を複数枚を重ね合わせた方が望ましい。二枚の多孔性平膜を両側に固定した支持体を膜セット5と呼ぶ。
膜セット5をベース4上にて並べ連ねることで膜カートリッジ6が作製できる。この膜カートリッジ6の側面全体がそれぞれ一次側流路3となり、原水が一次側流体流れ8のように流れる。膜カートリッジ6の側面のうち、ベース4に連結される面が二次側流路7につながり、浸出液10は二次側流体流れ9のように流れる。二次側流路7には開閉弁11が設置され、浸出液10の排出速度が調整される。浸出液10が膜セット5の二次側の空間を満たすように開閉弁11で調節することにより膜間差圧を精密にコントロールできる。この膜カートリッジ6が分離装置12のポンプ1手前、原水流れ8の途中にセットされる。膜セット5は望ましくは接着せずに積層し、面に対して垂直方向に面圧をかけて膜カートリッジ5とする。あるいは少量の接着剤、たとえばシリコンやポリウレタン樹脂や溶剤などを用いて積層し、膜カートリッジ6とする。
以上の手順で組み立てた分離装置12に、開閉弁11を全開として浸出液10の圧力が大気圧である場合には、原液と拡散液との静圧の差が該平膜の平均孔径によって指定される圧力以下となるように流体(液体)を供給する。該静圧の差△Pは次式で与えられる。「 △P≦kdDη/rf 2 」ここでdは膜厚、Dは微粒子の拡散係数、ηは分離対象とする液体の粘度rfは平均孔径、kは膜の孔構造を反映した定数で非多層構造膜では4000、多層構造膜では2×105である。この式を満足する△Pでの孔拡散分離法あるいは流導分別ろ過法では目詰まりがほぼ完全に防止できる。
分離装置12には、流体を循環させるためのポンプ13と循環流路14、流体用タンク15があり、場合によってポンプ16、あるいは気体圧源を有する場合もある。流体用タンク15に導入された流体は、ポンプ13(場合によってはポンプ16を働かせる)によって一定のひずみ速度以上で膜カートリッジ5と分離装置内を一次側流体流れ8、循環流路14の方向に循環する。ひずみ速度τは次式で与えられる。「τ=V/T (秒-1)」ここでVは流速(mm/秒)、Tは流路幅(mm)である。ひずみ速度の条件は除去対象粒子によるが、たとえば除去対象粒子が0.数μmである場合、ひずみ速度を20秒-1以上、およびろ過圧力を0.15気圧に設定することによって目詰まりをほぼ起こさずにろ過を行うことができる。膜セット間の流路幅と、分離装置内の流路とポンプは、一定のひずみ速度で流体が流すことができるように、流体の粘度、流路の圧力損失から決定される。流路幅は通常1〜10mmの範囲で選定される。
ポンプ13およびポンプ16を同時に用いる場合は、二つのポンプの吐出力と流速、および開閉弁11を調整することで、膜カートリッジ5の一次側流路における流速と膜間差圧を制御する。その結果、十分なひずみ速度で流れる流体によって分離対象粒子は膜表面に堆積せずに一定のろ過速度を得ることができる。ポンプ13のみを用いる場合は、開閉弁11の調整と、一次側流路に接続された流体用タンク15に気体圧源19から気体圧をかけることによって、膜間差圧を制御する。あるいは、流体用タンク15に貯められた流体の水頭圧20を調節することによって膜間差圧を制御する。
そのような孔拡散型膜分離装置において原液を膜面に平行にひずみ速度2/秒以上で流しながら濃縮した成分を回収しつつ流れに伴う圧力勾配の発生を0.1気圧以内におさえる。この条件を満足するために、該回路の空間形状容積と膜面積との比が0.04〜0.4であり、かつ膜を介して生じる液体の流れ速度を制御することが必要である。該比を図2の膜カートリッジに当てはめると、流路幅0.05〜0.5cmとなる。
一次側流路を流れる原液内の成分のうち、多孔性平膜に埋め込まれた物質と親和性を有する物質の拡散速度は遅くなり、結果として該成分は一次側の原液中に濃縮されることとなる。具体的には、たとえば一次側の原液中にセシウムイオン粒子が一定量存在し、かつ平膜中にフェロシアン化鉄(プルシアンブルー)が担持されている場合、平膜表面においてセシウムイオン粒子の拡散速度が小さくなり、その結果、二次側へ透過するセシウムイオンの量が小さくなり、一次側のセシウムイオン濃度が大きくなる。
分離あるいは濃縮される成分の濃度が100ppmを越える場合に、濃縮に原因して生じる浸透圧が0.1気圧以下になるように分離濃縮液側あるいは膜を透過した回収液側の組成を設定しておくことが必要である。組成の設定の際に使用される物質は溶媒への溶解度が高く、かつ沸点または気体成分への分解温度が低い成分、例えば炭酸水素アンモニウムなどの炭酸塩である。その他溶媒への溶解度が高い気体成分、あるいは溶解度の温度変化の大きな成分がその例である。分離あるいは濃縮される成分の濃度が50ppm以下あるいは微粒子であれば浸透圧の発生の可能性は低いので、この場合には回収液側には特別な組成調整は必要ない。
ナイロン不織布(旭化成繊維社製NO5070)を、フェロシアン化カリウム(黄血塩)の水溶液に浸漬し、十分に浸透させた。その後3価の鉄イオン水溶液に、該平膜を浸漬することにより平膜の層内に鉄シアン錯体を沈澱化させ、担持させた。
この多孔性平膜1を、200mm角に切り取り、塩化ビニル製支持体2にセットし、10層に積層して膜カートリッジを作製した。膜カートリッジの各膜セット5間の一次側流路の幅は4mmである。
膜カートリッジを膜分離装置にセットし、まず装置内および膜を洗浄するために蒸留水を循環させた。蒸留水をタンク15に入れ、ポンプ13によって装置内を循環させ、電気伝導度が2μS/cm以下であることを確認した。確認後、装置内から蒸留水を全て排出した。
処理用原水(原液)として塩化セシウム1重量%水溶液を作成した。その原液をタンク15に入れ、80L/分の送液ポンプをポンプ13として使用し、装置内を循環させた。一次側流路における流速は9.8cm/秒、ひずみ速度は24.5/秒である。一次側を原水が定常的に流れていることを確認後、コック11をゆっくり開き、二次側浸出液流速を約12L/平米に調整することにより、一次側流路における膜間差圧を0.1気圧以下に設定した。
72時間処理を継続し、原液と浸出液のセシウム濃度を電気伝導率計 (堀場製作所、B-173)にて測定した。その結果、24時間後において原液側3200μS/cm、浸出液側2800μS/cm、除去率12%、50時間後において原液側3500μS/cm、浸出液側3100μS/cm、除去率11%、72時間後において原液側4200μS/cm、浸出液側3900μS/cm、除去率7%であった。
ナイロン不織布(旭化成繊維社製NO5070)を、フェロシアン化カリウム(黄血塩)の水溶液に浸漬し、十分に浸透させた。その後3価の鉄イオン水溶液に、該平膜を浸漬することにより平膜の層内に鉄シアン錯体を沈澱化させ、担持させた。
この多孔性平膜1を、200mm角に切り取り、塩化ビニル製支持体2にセットし、10層に積層して膜カートリッジを作製した。膜カートリッジの各膜セット5間の一次側流路の幅は4mmである。
フェロシアン化カリウム(黄血塩)の水溶液に3価の鉄イオン水溶液を滴下し、鉄シアン錯体の大粒子を含む懸濁液を作成した。該懸濁液をタンク15に入れ、ポンプ13によって装置内を循環させながら、ゆるやかにろ過した。多孔性平膜1の表面には均一に鉄シアン錯体の大粒子が蓄積され、ケークが形成された。
タンク15から懸濁液を取り出し、かわりに蒸留水をタンク15に入れ、装置内および多孔性平膜1を洗浄するためポンプ13によって装置内を循環させた。洗浄後、装置内から蒸留水を全て排出した。
処理用原水(原液)として塩化セシウム1重量%水溶液を作成した。その原液をタンク15に入れ、80L/分の送液ポンプをポンプ13として使用し、装置内を循環させた。一次側流路における流速は9.8cm/秒、ひずみ速度は24.5/秒である。一次側を原水が定常的に流れていることを確認後、コック11をゆっくり開き、二次側浸出液流速を約12L/平米に調整することにより、一次側流路における膜間差圧を0.1気圧以下に設定した。
3時間処理を継続し、原液と浸出液のセシウム濃度を原子吸光光度計(日立製Z-2300)にて測定した。その結果、1.5時間後において原液側58.3ppm、浸出液側55.9ppm、除去率4%、3時間後において原液側62.0ppm、浸出液側58.8ppm、除去率5%であった。
1,多孔性平膜あるいは不織布
2,二次側支持体
3,一次側流路
4,ベース
5,膜セット
6,膜カートリッジ
7,二次側浸出液出口
8,一次側流体流れ
9,二次側流体流れ
10,浸出液
11,開閉弁
12,膜分離装置
13,ポンプ1
14,循環流路
15,タンク
16,ポンプ2
17,気体圧源
18,水頭圧
19,洗浄水タンク
Claims (3)
- 粒子を溶解または分散した水溶液に対して、平均孔径10 nm以上、5μm以下で空孔率が60%以上で多層構造を持つ埋め込み加工前の多孔性平膜の層間に濃縮対象の該粒子との親和力の大きい物質を埋め込むことで作製された複合体膜を装着した孔拡散型膜分離装置で該水溶液の膜面上での流れによる圧力損失を0.1気圧以下の条件下で膜間差圧を0.15気圧以下に保つことによって実現される孔拡散法で該粒子を除去した液部と該粒子を濃縮した液部とに分離することを特徴とする分離濃縮方法。
- 請求項1において濃縮対象の粒子として1価の陽イオンでありその際に平膜の層間に埋め込む物質として鉄錯体化合物であることを特徴とする1価の陽イオンの分離濃縮方法。
- 請求項2において1価の陽イオンがセシウムであり、鉄錯体化合物として鉄シアン錯体であり、埋め込み前の平膜の素材がナイロンであることを特徴とするセシウムイオンの分離濃縮方法。
Priority Applications (1)
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JP2013070034A JP2014193423A (ja) | 2013-03-28 | 2013-03-28 | 親和力差を利用した孔拡散膜分離方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017087097A (ja) * | 2015-11-04 | 2017-05-25 | 日本特殊膜開発株式会社 | 流動分別型の濃縮用孔拡散膜分離モジュール |
JP2017095549A (ja) * | 2015-11-19 | 2017-06-01 | 東洋紡株式会社 | 耐熱老化性ポリアミド樹脂組成物及びその製造方法 |
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2013
- 2013-03-28 JP JP2013070034A patent/JP2014193423A/ja active Pending
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