JP2014193262A - アバットメント、フィクスチャー、歯科インプラント用セット、歯科タップ、歯科ガイド、歯科タップセット、および歯科ドリル - Google Patents

アバットメント、フィクスチャー、歯科インプラント用セット、歯科タップ、歯科ガイド、歯科タップセット、および歯科ドリル Download PDF

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Abstract

【課題】フィクスチャーからアバットメントを取り外す作業を、患者に口を大きく開けさせることなく、しかも、外れ落ちたアバットメントの誤飲や誤嚥を抑えつつ簡単に行うことができるアバットメントを得る。
【解決手段】フィクスチャー110とアバットメント120とを含む歯科インプラント100において、アバットメント120の嵌合凹部121がフィクスチャー頭部112の上面112b1と嵌合凹部121の底面121aとの間に隙間が形成されるようにフィクスチャー頭部112に嵌合したとき、フィクスチャー頭部121が嵌合凹部121に摩擦力により固定され、嵌合凹部121の側壁121cには、摩擦力による固定を解除する器具を隙間に挿入するための器具挿入穴129が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、アバットメント、フィクスチャー、歯科インプラント用セット、歯科タップ、歯科ガイド、歯科タップセット、および歯科ドリルに関し、特に、インプラント治療の作業性および安全性を高め、インプラント治療時の患者の負担を軽減するための歯科インプラントおよび歯科用器具の構造に関するものである。
従来から、虫歯や歯周病などで失った天然の歯の代わりに人工の歯を再生する治療方法がある。この治療方法はインプラント治療と呼ばれ、人工歯根を顎骨に埋め込み、この人工歯根に人工歯牙を固定することにより、天然の歯と遜色のない見た目と機能を回復させる方法である。
図38は、このようなインプラント治療で人工の歯として用いられる一般的な歯科インプラントを説明する図であり、図38(a)および図38(b)は、歯科インプラントを顎骨に埋め込んだ状態を示す斜視図および断面図、図38(c)は歯科インプラントの分解斜視図である。
歯科インプラント10は、顎骨(歯槽骨)20に人工歯根として埋め込まれる例えば円柱状のインプラント本体(以下、フィクスチャーという。)2と、フィクスチャー2の頭部に固定される支持台(以下、アバットメントという。)3と、このアバットメント3に接着剤あるいは螺子により人工歯牙として装着される上部構造1とを有している。なお、上部構造1は修復物あるいは補綴冠と呼ばれ、以下修復物ともいう。
ここで、フィクスチャー2とアバットメント3とは、アバットメント3と歯茎21との間の清掃、あるいはアバットメントの交換のために取り外しが可能になるように螺合により接続されている。つまり、フィクスチャー2の頭部2aには、アバットメント3の下部に形成した雄ネジ部3aと螺合する雌ネジ部(ネジ穴)2a1が形成されている。
なお、特許文献1には、図38で説明した一般的なインプラントの構造が開示されている。
特開2007−98054号公報
ところで、従来のインプラントでは、アバットメントとフィクスチャーとは、交換や清掃のためにアバットメントをフィクスチャーから取り外し可能に結合されているが、アバットメントの取り外し作業は、狭い口腔内で行う必要があるため容易ではなく、外れ落ちたアバットメントの誤飲や誤嚥のおそれがある。また、アバットメントの取り外しは、ドライバーとレンチを口腔内に挿入した状態で、ドライバーとレンチを使ってアバットメントをフィクスチャーに固定しているネジを緩めることにより行われるため、アバットメントの取り外しの作業は、作業中、患者には口を大きく開けておいてもらう必要があり、患者への負担も大きいものである。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、フィクスチャーからアバットメントを取り外す作業を、患者に口を大きく開けさせることなく、しかも、外れ落ちたアバットメントの誤飲や誤嚥を抑えつつ簡単に行うことができるアバットメントおよびフィクスチャー、並びにこのようなフィクスチャーとアバットメントとを含む歯科インプラント用セットを得ることを目的とする。
本発明に係るアバットメントは、歯科インプラントのためのアバットメントであって、顎骨と結合するように構成されたフィクスチャーの頭部と嵌合する嵌合凹部を有し、該フィクスチャーの該頭部の上面と該嵌合凹部の底面との間に隙間が形成されるように該フィクスチャーの該頭部が該嵌合凹部に嵌合したとき、該フィクスチャーの該頭部の外側面と該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該フィクスチャーの該頭部が該嵌合凹部に固定され、該嵌合凹部の側壁には、該摩擦力による該嵌合凹部と該フィクスチャーの該頭部との固定を解除する器具を該隙間に挿入するための器具挿入穴が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記アバットメントにおいて、前記嵌合凹部は、前記器具挿入穴から前記嵌合凹部内に入り込んだ物が前記顎骨の側に漏れ出さないように、該嵌合凹部の内側面の少なくとも一部を前記フィクスチャーの頭部の外側面に密着させた構造を有することが好ましい。
本発明は、上記アバットメントにおいて、前記フィクスチャーの頭部が前記嵌合凹部に嵌合したとき、前記フィクスチャーに対する前記アバットメントの回転が規制されるように、該嵌合凹部は、該フィクスチャーの該頭部の形状に合わせた形状を有することが好ましい。
本発明は、上記アバットメントにおいて、前記嵌合凹部の内側面は、前記フィクスチャーの前記頭部の外側面に合うように該嵌合凹部に対する該フィクスチャーの該頭部の挿入方向に対して傾斜させられていることが好ましい。
本発明に係るアバットメントは、歯科インプラントのためのアバットメントであって、顎骨と結合するように構成された複数のフィクスチャーの頭部と嵌合する複数の嵌合凹部を有し、該複数の嵌合凹部のうちの隣接する嵌合凹部同士は連結部により連結されており、該複数の嵌合凹部の各々の底面と、対応するフィクスチャーの該頭部の上面との間に隙間が形成されるように該複数の嵌合凹部の各々に、対応する該フィクスチャーの該頭部が嵌合したとき、該複数のフィクスチャーの各々の該頭部の外側面と、対応する該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該複数のフィクスチャーの各々の頭部が、対応する該嵌合凹部に固定され、該複数の嵌合凹部の少なくとも1つの側壁には、該摩擦力による該嵌合凹部と該フィクスチャーの該頭部との固定を解除する器具を該隙間に挿入するための器具挿入穴が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記アバットメントにおいて、前記嵌合凹部は、該嵌合凹部に前記フィクスチャーの前記頭部が挿入されたとき、該嵌合凹部の内側面の開口側の端部以外の部分と、該フィクスチャーの頭部の外側面との間に隙間ができるように構成されていることが好ましい。
本発明に係るフィクスチャーは、歯科用インプラントのためのフィクスチャーであって、顎骨に埋め込まれる埋設部と、人工歯牙を支持するアバットメントを固定するための頭部とを備え、該アバットメントは、該頭部と嵌合する嵌合凹部であって、該嵌合凹部の側壁に器具を挿入するための器具挿入穴が形成された嵌合凹部を有し、該頭部の上面と該アバットメントの該嵌合凹部の底面との間に隙間が形成されるように該頭部が該アバットメントの嵌合凹部に嵌合したとき、該頭部の外側面と該アバットメントの該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該頭部が該アバットメントの該嵌合凹部に固定され、そのことにより上記目的が達成される。
本発明においては、前記フィクスチャーは、前記頭部を構成する第1の部品と、前記埋設部を構成する第2の部品との2部品から構成されており、該第1の部品に形成した雄ねじ部を、該第2の部品に形成した雌ねじ部に螺合することにより、該頭部と該埋設部とが締結されるように構成されていることが好ましい。
本発明は、上記フィクスチャーにおいて、前記頭部は、前記歯科インプラントの履歴に関連するデータを格納したICチップを含むことが好ましい。
本発明に係る歯科インプラント用セットは、顎骨と結合するように構成されたフィクスチャーと、人工歯牙を支持するアバットメントとを含む歯科インプラント用セットであって、該フィクスチャーは、該顎骨に埋め込まれる埋設部と、該アバットメントを固定するための頭部とを有し、該アバットメントは、該フィクスチャーの該頭部と嵌合する嵌合凹部を有し、該フィクスチャーの頭部の上面と該アバットメントの該嵌合凹部の底面との間に隙間が形成されるように該フィクスチャーの該頭部が該アバットメントの該嵌合凹部に嵌合したとき、該フィクスチャーの該頭部の外側面と該アバットメントの該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該フィクスチャーの該頭部が該アバットメントの該嵌合凹部に固定され、該アバットメントの該嵌合凹部の側壁には、該摩擦力による該アバットメントの該嵌合凹部と該フィクスチャーの該頭部との固定を解除する器具を該隙間に挿入するための器具挿入穴が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記歯科インプラント用セットにおいて、前記アバットメントは、前記顎骨に埋め込まれた既設のフィクスチャーの頭部に、既設のアバットメントに代えて取り付けられる規格化されたアバットメントであり、前記フィクスチャーは、該規格化されたアバットメントが固定される規格化されたフィクスチャーであり、前記歯科インプラント用セットは、該規格化されたアバットメントに嵌合する凹状部を有するステントと、該ステントを該規格化されたアバットメントに固定する固定用ピンとをさらに備え、該ステントは、該既設のフィクスチャーに取り付けた該規格化されたアバットメントに該ステントの凹状部が嵌合したときの姿勢が、該既設のフィクスチャーに代わる、該規格化されたフィクスチャーの方向を規定するように構成されていることが好ましい。
本発明は、上記歯科インプラント用セットにおいて、前記固定用ピンは、前記フィクスチャーおよび該フィクスチャーの頭部に固定された前記アバットメントそれぞれに挿通されることが好ましい。
本発明に係る歯科タップは、歯科ドリルと該歯科ドリルのガイド部材とを用いて顎骨に形成した歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴にねじ溝を形成するための歯科タップであって、該インプラント埋込穴にねじ溝が形成されるように該インプラント埋込穴にねじ込まれるタップ本体と、該タップ本体の一端に設けられたタップ把持部とを有し、該ガイド部材は、該歯科ドリルをガイドするドリルガイド穴を有し、該ドリルガイド穴の内面にはねじ溝が形成されており、該タップ本体の外周面には、該インプラント埋込穴に該ねじ溝を形成するためのねじ山が、該ガイド部材の該ドリルガイド穴の内面に形成されたねじ溝と螺合するように形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記歯科タップにおいて、前記タップ本体の他端には、前記顎骨を構成する皮質骨を切り抜くための切開部が形成されていることが好ましい。
本発明に係る歯科ガイドは、歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴を歯科ドリルで形成する際に該歯科ドリルのガイド部材として用いられ、該インプラント埋込穴にねじ山を歯科タップにより形成する際に該歯科タップのガイド部材として用いられる歯科ガイドであって、該歯科ドリル及び該歯科タップをガイドするガイド穴を有し、該ガイド穴の内面には、該歯科タップの外周面に形成された、該インプラント埋込穴にねじ溝を形成するためのねじ山に螺合するようにねじ溝が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明に係る歯科タップセットは、歯科タップと歯科ガイドとを含み、顎骨に形成した歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴にねじ溝を形成するための歯科タップセットであって、該歯科タップは、該インプラント埋込穴にねじ溝が形成されるように該インプラント埋込穴にねじ込まれるタップ本体と、該タップ本体の一端に設けられたタップ把持部とを有し、該タップ本体の外周面には、該インプラント埋込穴に該ねじ溝を形成するためのねじ山が形成されており、該歯科ガイドは、該インプラント埋込穴を歯科ドリルで形成する際に該歯科ドリルのガイド部材として用いられ、該インプラント埋込穴にねじ山を該歯科タップにより形成する際に該歯科タップのガイド部材として用いられるものであって、該歯科ドリル及び該歯科タップをガイドするガイド穴を有しており、該ガイド穴の内面には、該タップ本体の外周面に形成されたねじ山に螺合するようにねじ溝が形成されており、そのことにより上記目的が達成される。
本発明においては、前記歯科タップセットは、前記歯科タップを複数個含み、該複数個の歯科タップの各々のタップ本体に形成されたねじ山の高さは異なり、該複数の歯科タップのうちの一部の歯科タップのみ、該タップ本体の他端に形成された、前記顎骨を構成する皮質骨を切り抜くための切開部を有していることが好ましい。
本発明に係る歯科ドリルは、歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴を顎骨に形成するための歯科ドリルであって、該顎骨を切削するドリル本体と、該ドリル本体を支持するドリル支持部とを有し、該ドリル本体は、棒状ガイドを挿入するための貫通穴を有し、該貫通穴に該棒状ガイドが挿入された状態で回転可能にかつ該棒状ガイドに沿って移動可能に構成されており、該ドリル本体の回転と該顎骨への侵入とにより該顎骨が切削されることにより該インプラント埋込穴が形成され、そのことにより上記目的が達成される。
本発明は、上記歯科ドリルにおいて、前記ドリル本体は、前記顎骨に固定された前記棒状ガイドが該ドリル本体の側壁を通り抜けるように該側壁の下端部に形成された切込み部を有することが好ましい。
本発明は、上記歯科ドリルにおいて、前記顎骨は、他人の骨を埋め込んだ再生部分を含み、該再生部分に固定された前記棒状ガイドが前記ドリル本体の前記貫通穴に挿入された状態で、該ドリル本体により該再生部分が切削されることにより、該再生部分に前記インプラント埋込穴が形成されることが好ましい。
本発明は、上記歯科ドリルにおいて、前記ドリル本体の外周面には螺旋溝が形成されており、前記インプラント埋込穴の形成時に前記顎骨の切削により生じた切削屑が該螺旋溝から排出されることが好ましい。
本発明は、上記歯科ドリルにおいて、前記ドリル本体は円筒体であり、該円筒体の一方の端部の周縁に沿って切削刃が形成されていることが好ましい。
本発明によれば、フィクスチャーからアバットメントを取り外す作業を、患者に口を大きく開けさせることなく、しかも、外れ落ちたアバットメントの誤飲や誤嚥の発生を抑えつつ簡単に行うことができるアバットメントおよびフィクスチャー、並びにこのようなフィクスチャーとアバットメントとを含む歯科インプラント用セットを実現することができる。
本発明によれば、硬さが不均一な顎骨にフィクスチャーを位置ずれなくねじ込むことを可能とする歯科タップおよび歯科ガイド、並びにこのような歯科タップおよび歯科ガイドを含む歯科タップセットを実現することができる。
本発明によれば、フィクスチャーを埋め込むインプラント埋込穴を適正な位置と方向に形成することができ、しかもインプラント埋込穴の形成の際に、患者に口を大きく開けてもらう必要をなくすための歯科ドリルを実現することができる。
従って、本発明は、歯科インプラントの新設あるいはメンテナンスの際の作業性および安全性を高め、しかも患者にかかる負担を軽減することができるインプラント治療を実現できるものであり、歯科インプラントの普及に不可欠な技術である。
図1は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図であり、歯科インプラントを顎骨に取り付けた状態(図1(a))、及び歯科インプラントをフィクスチャー、アバットメント、及び修復物に分解した状態(図1(b))を示している。 図2は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図であり、歯科インプラントの主要部の断面構造を、フィクスチャーとアバットメントとが分離している状態(図2(a))と、フィクスチャーとアバットメントとが結合している状態(図2(b))とで対比して示している。 図3は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図であり、この歯科インプラントのメンテナンスなどの処置に用いるリムーバ装置を説明する図である。 図4は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図(透視図)であり、図3に示すリムーバ装置の主要部を示す拡大図である。 図5は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図(透視図)であり、アバットメントの器具挿入穴の正面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図5(a)及び図5(b))を概略的に示している。 図6は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図(透視図)であり、アバットメントの器具挿入穴の左側面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図6(a)及び図6(b))を概略的に示している。 図7は、本発明の実施形態1の変形例による歯科インプラントを説明する図であり、変形例1による歯科インプラントのためのアバットメント(図7(a))および変形例2による歯科インプラントのためのアバットメント(図7(b))を示している。 図8は、本発明の実施形態1の変形例3による歯科インプラントを説明する図(透視図)であり、アバットメントの器具挿入穴の正面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図8(a)及び図8(b))を概略的に示している。 図9は、本発明の実施形態1の変形例3による歯科インプラントを説明する図(透視図)であり、アバットメントの器具挿入穴の左側面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図9(a)及び図9(b))を概略的に示している。 図10は、本発明の実施形態1の変形例4による歯科インプラントを説明する図であり、フィクスチャーの表面に歯肉が形成された状態(図10(a))、この歯科インプラントの主要部の構造(図10(b))を示している。 図11は、本発明の実施形態1による変形例5による歯科インプラントを説明する図である。 図12は、本発明の実施形態1の変形例6による歯科インプラントを説明する図であり、この歯科インプラントのためのアバットメントの全体構成を示している。 図13は、本発明の実施形態1の変形例6による歯科インプラントを説明する図であり、この歯科インプラントのためのアバットメントとフィクスチャーとの嵌合状態を示す断面図(図13(a))およびその拡大図(図13(b))である。 図14は、本発明の実施形態2による歯科インプラントセットを説明する図であり、歯科インプラントを顎骨に取り付けた状態(図14(a))、及び歯科インプラントのリポジションに用いるフィクスチャー、アバットメント、ステント及び固定用ピン(図14(b))を示している。 図15は、この実施形態2の歯科インプラントセットを説明する図であり、この歯科インプラントセットに含まれるステントの斜視図(図15(a))及び断面図(図15(b))である。 図16は、本発明の実施形態2による歯科インプラントセットを説明する図であり、この歯科インプラントセットを用いてリポジションを行う方法を工程順(図16(a)〜図16(g))に示している。 図17は、本発明の実施形態2による歯科インプラントセットを説明する図であり、この歯科インプラントセットを用いてリポジションを行う方法を工程順(図17(a)〜図17(e))に示している。 図18は、本発明の実施形態3による歯科タップを説明する側面図(図18(a))及び断面図(図18(b))である。 図19は、本発明の実施形態3による歯科ガイドを説明する図であり、歯科ガイドの全体構成(図19(a))及び歯科ガイドに取り付けられているガイドスリーブ(図19(b))を示している。 図20は、本発明の実施形態3による歯科ガイドを説明する図であり、歯科ガイドのガイドスリーブの側面図(図20(a))及び断面図(図20(b))である。 図21は、本発明の実施形態3による歯科タップセットを用いる方法を説明する図であり、インプラント埋込穴の形成およびタッピング(図21(a)〜図21(f))を工程順に示している。 図22は、本発明の実施形態3による歯科タップセットを用いる方法を説明する図であり、インプラント埋込穴(タップ下穴)を形成する方法を主要工程(図22(a)〜図22(c))の順に示している。 図23は、本発明の実施形態3による歯科タップセットを用いる方法を説明する図であり、インプラント埋込穴(タップ下穴)にねじ溝を形成する方法を主要工程(図23(a)〜図23(d))の順に示している。 図24は、本発明の実施形態3の変形例による歯科ガイドを説明する図であり、歯科ガイドのガイドスリーブの側面図(図24(a))及び断面図(図24(b))である。 図25は、本発明の実施形態3の変形例による歯科タップセットを用いる方法を説明する図であり、インプラント埋込穴の形成およびタッピング(図25(a)〜図25(f))を工程順に示している。 図26は、一般的なソケットリフト法を本発明の実施形態3の変形例による歯科タップセットを用いる方法と対比するための図であり、インプラント埋込穴の形成およびタッピング(図26(a)〜図26(f))を主要工程の順に示している。 図27は、本発明の実施形態3の変形例による歯科タップセットに用いられる歯科タップの他の構成例(図27(a)〜図27(d))を示している。 図28は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを説明する図であり、この歯科ドリル及びこの歯科ドリルをガイドする棒状ガイド(図28(a))、及び歯科ドリルおよび棒状ガイドの使用状態(図28(b)〜図28(d))を示している。 図29は、本発明の実施形態4による歯科ドリルの棒状ガイドを位置決めするのに用いるガイド部材(サージカルガイド)を示す図であり、ガイド部材の全体構成(図29(a))及びガイド部材に取り付けられているガイドスリーブ(図29(b))を示している。 図30は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを用いてインプラント埋込穴を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図30(a)〜図30(d))を示している。 図31は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを用いてインプラント埋込穴を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図31(a)〜図31(c))を示している。 図32は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを用いてインプラント埋込穴を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図32(a)〜図32(b))を示している。 図33は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを用いて形成したインプラント埋込穴にねじ溝を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図33(a)〜図33(c))を示している。 図34は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを用いて形成したインプラント埋込穴に歯科インプラントを取り付ける方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図34(a)〜図34(c))を示している。 図35は、本発明の実施形態4の変形例1による歯科ドリルを用いてインプラント埋込穴を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図35(a)〜図35(c))を示している。 図36は、本発明の実施形態4の変形例1による歯科ドリルを用いてインプラント埋込穴を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図36(a)〜図36(g))を示している。 図37は、本発明の実施形態4の変形例2による歯科ドリルを説明する図であり、この歯科ドリル及びその棒状ガイド(図37(a))、図37(a)のXa−Xa線断面(図37(d))、歯科ドリルを棒状ガイドに係合させる方法(図37(b)、(c))、図37(b)のXb−Xb線断面(図37(e))、及び図37(c)のXc−Xc線断面(図37(f))を示している。 図38は、従来の一般的な歯科インプラントを説明する図であり、図38(a)および図38(b)は、歯科インプラントを顎骨に埋め込んだ状態を示す斜視図および断面図、図38(c)は歯科インプラントの分解斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
〔歯科インプラント〕
図1は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図であり、歯科インプラントを顎骨に取り付けた状態(図1(a))、及び歯科インプラントをフィクスチャー、アバットメント、及び修復物に分解した状態(図1(b))を示している。図2は、この実施形態1の歯科インプラントを構成するフィクスチャー及びアバットメントの主要部を示す図であり、図2(a)はフィクスチャーとアバットメントとを分離した状態、図2(b)はフィクスチャーとアバットメントとを結合した状態を示している。
この実施形態1の歯科インプラント100は、顎骨(歯槽骨)20に埋め込まれ、顎骨20と結合するように構成されたフィクスチャー110と、フィクスチャー110に固定されるように構成されたアバットメント120と、アバットメント120に上部構造として取り付けられるように構成された人工歯牙130とを含んでいる。この人工歯牙は、修復物あるいは補綴冠と呼ばれ、以下修復物ともいう。
なお、このような歯科インプラント100を構成する、フィクスチャー110、アバットメント120、及び修復物130のうちの少なくともフィクスチャー及びアバットメントは、通常、歯科インプラントセットとして歯科インプラントの製造メーカから提供されるものである。また、このような歯科インプラントセットには、インプラント治療に用いる工具などが含まれていてもよい。
ここで、フィクスチャー110及びアバットメント120は共に金属材料、例えば、生体適合性、組織適合性、力学的適合性に優れた純チタンやチタン合金で構成されている。これは、チタンが生体親和性の高い材料であることから、特に、フィクスチャー110が人体に異物として認識されずに、顎骨20がフィクスチャー110に強固に結合するようにするためである。また、フィクスチャー110は、顎骨110に埋め込まれる埋設部(以下、フィクスチャー埋設部ともいう。)111と、アバットメント120を固定するための頭部(以下、フィクスチャー頭部ともいう。)112とを有している。フィクスチャー110の埋設部111の外周面にはフィクスチャー110が顎骨20から抜けにくくなるようにネジ山111aが形成されている。さらに、フィクスチャー頭部112は、円錐台部(以下、アウターテーパ部ともいう。)112aと、円錐台部112a上に形成された六角柱部112bとを有する。またアバットメントの直径は2.5mm〜4.0mmであるが、3.0mmが特に好ましい。
また、アバットメント120は、フィクスチャー頭部112と嵌合する嵌合凹部121を有している。この嵌合凹部121はアバットメント120の下部に縦穴123を形成することにより形成されている。嵌合凹部121は、フィクスチャー110のアウターテーパ部112aを収容する円形溝部(以下、インナーテーパ部ともいう。)121aと、円形溝部121aの底面に形成され、フィクスチャー頭部112の六角柱部112bを収容する六角溝部121bとを有している。この六角溝部121bは、フィクスチャー頭部112をアバットメント120の嵌合凹部121に挿入したとき、フィクスチャー頭部112の六角柱部112bと嵌合するように構成されている。
このアバットメント120では、フィクスチャー頭部112がその上面(つまり六角柱部の上面)112b1とアバットメント120の嵌合凹部121の底面121dとの間に隙間Sが形成されるようにアバットメント120の嵌合凹部121に嵌合したとき、フィクスチャー110のアウターテーパ部112aの外周面114とアバットメント120の嵌合凹部121のインナーテーパ部121aの内周面125との間に生ずる摩擦力によりフィクスチャー頭部112がアバットメント120の嵌合凹部121に固定される。アバットメント120の嵌合凹部121の側壁121cには、摩擦力によるアバットメント120の嵌合凹部121とフィクスチャー110の頭部112との固定を解除する器具(リムーバ)80c(図3参照)を隙間Sに挿入するための器具挿入穴(横穴)129が形成されている。なお、この器具挿入穴129を形成する位置は、アバットメント120の嵌合凹部121の表面における特定の位置に限定されるものではなく、嵌合凹部121の表面の口腔内に向く内側面あるいは口腔外に向く外側面のいずれに形成してもよく、さらに口腔内でのアバットメントの位置に応じた、嵌合凹部121の表面位置に形成してもよい。また、修復物130は、アバットメント120の器具挿入穴129に対応する器具挿入穴139を有しており、修復物130の器具挿入穴139は、修復物130をアバットメント120に装着したとき、アバットメント120の器具挿入穴129に重なるように形成されている。
また、アバットメント120の嵌合凹部121は、インナーテーパ部121aの内周面125の全面がフィクスチャー110のアウターテーパ部112aの外周面114に密着するように構成されている。このため、嵌合凹部121とフィクスチャー頭部112との間は密封され、嵌合凹部121内に入り込んだものや繁殖した細菌などが嵌合凹部121とフィクスチャー頭部112との間を通って歯茎に染み出すことはない。
具体的には、フィクスチャー110のアウターテーパ部112aとアバットメント120のインナーテーパ部121aとのテーパ角(つまり、アウターテーパ部112aの外周面114及びインナーテーパ部121aの内周面125がフィクスチャーの軸に対してなす角)は、例えば0〜10度とすることができ、より好ましくは、1.0〜3.0度であり、さらに、本実施形態では、1.5度として、テーパ結合による強力な維持力が確保されるようにしてある。
また、アウターテーパ部112aの外周面114及びインナーテーパ部121aの内周面125の表面粗さは例えば算術平均粗さRaで1.6μm以下(本実施形態1では0.26μm程度)となるようにすることができ、これにより強力な維持力が確実に獲得される。
さらに、アバットメント120の嵌合凹部121にフィクスチャー110の頭部112が嵌合したとき、フィクスチャー110に対するアバットメント120の回転が規制されるように、嵌合凹部121の形状は、フィクスチャー頭部112の上面112b1の形状に合わせた形状となっている。
具体的には、この実施形態1では、上述のとおり、フィクスチャー頭部112は、円錐台部(アウターテーパ部)112a上に形成された六角柱部112bを有し、アバットメント120の嵌合凹部121は、フィクスチャー頭部112をアバットメント120の嵌合凹部121に挿入したとき、フィクスチャー頭部112の六角柱部112bと嵌合するように円形溝部(インナーテーパ部)121aの底面に形成された六角溝部121bを有している。このため、フィクスチャー頭部112をアバットメント120の嵌合凹部121に固定した状態では、フィクスチャー頭部112の六角柱部112bと、アバットメント120の嵌合凹部121の六角溝部121bとが嵌合することとなり、フィクスチャー110に対するアバットメント120の回転が規制される。
〔リムーバ装置〕
図3及び図4は、本実施形態1の歯科インプラントのメンテナンスなどの処置に用いるリムーバ装置を説明する図であり、図3はこのリムーバ装置の全体構成を示し、図4はこのリムーバ装置の主要部を示している。
このリムーバ装置80は、本体80aと、本体80aに取り付けられたアーム部80bと、アーム部80bの先端に取り付けられた嵌合解除棒(リムーバ)80cとを有している。嵌合解除棒80cは装置本体80aにて電動あるいは手動により発生した駆動力により回転するように構成されている。
また、この嵌合解除棒80cは、回転軸に垂直な断面の形状が楕円形状となっている。従って、フィクスチャー頭部112にアバットメント120の嵌合凹部121が嵌合したとき、フィクスチャー頭部の上面112b1とアバットメント120の嵌合凹部121における六角溝部121bの底面121dとの間に隙間Sが形成されている状態で、嵌合解除棒80cは高さ方向の幅が隙間Sより狭くなるような回転位置のまま隙間Sに挿入される。その後、嵌合解除棒80cの回転により、嵌合解除棒80cの表面がフィクスチャー頭部112の上面112b1とアバットメント121の嵌合凹部121aにおける六角溝部121bの底面121dとの隙間Sが嵌合解除棒80cの最大径まで広がり、これにより嵌合凹部121とフィクスチャー頭部112との摩擦力による固定が解除される。
〔インプラントの埋め込み装着方法〕
次に、この実施形態1の歯科インプラントを顎骨に埋め込む方法について図1(a)を用いて簡単に説明する。
まず、顎骨20に歯科インプラント110を埋め込むためのインプラント埋込穴を形成し、歯科インプラント100のフィクスチャー110をインプラント埋込穴に埋め込む。その後、顎骨20がフィクスチャー110に結合したことを確認した後、フィクスチャー110にアバットメント120を装着する。
具体的には、図2(a)に示すように、アバットメント120には、底面から内部に向けて延びる縦穴123が形成され、これにより嵌合凹部121が形成されている。従って、フィクスチャー110へのアバットメント120の取付は、このアバットメント120の嵌合凹部121内にフィクスチャー頭部112を挿入することにより行う。つまり、フィクスチャー頭部のアウターテーパ部112aがアバットメント120の嵌合凹部121のインナーテーパ部121aに嵌合する。これにより、フィクスチャー110とアバットメント120とは、金属対金属の摩擦により強力に結合した状態となり、フィクスチャー110に嵌合したアバットメント120をフィクスチャー110から素手で引き抜くことは極めて困難ないし不可能な状態となる。
なぜなら、アバットメント120の嵌合凹部121を構成するインナーテーパ部121aは、アバットメント120の底面側に向かって若干拡径し、フィクスチャー頭部112のアウターテーパ部112aは、インナーテーパ部121aにテーパ結合(モールステーパ結合)により、つまり摩擦力により固定されるように構成されており、フィクスチャー頭部112のアウターテーパ部112aとアバットメント120の嵌合凹部121のインナーテーパ部121aの間に隙間は生じないようにしてあるからである。
このようにアバットメント120をフィクスチャー110に固定した後、アバットメント120には人工歯牙としての修復物130が接着剤などにより装着される。このとき、修復物130はその器具挿入穴139がアバットメント120の器具挿入穴129に重なるように位置決めされる。これによりインプラント治療による歯科インプラントの取付が完了する。
次に、フィクスチャー110に固定したアバットメント120を、リムーバ装置80を用いて取り外す方法について図3〜図6を用いて説明する。
なお、図3〜図6では、フィクスチャー110とアバットメント120との嵌合解除を分かりやすく示すため、アバットメント120に装着した上部構造(修復物)130は図示していないが、実際のインプラント治療では、フィクスチャー110に固定されたアバットメント120の取り外しは、図1(a)に示すように、アバットメント120に修復物130が装着された状態で行われる。つまり、フィクスチャー110とアバットメント120との嵌合を解除するリムーバ80cは、修復物130の外部から修復物130の器具挿入穴139及びアバットメント120の器具挿入穴129を順次通り抜けてフィクスチャー頭部112の上面112b1とアバットメント120の嵌合凹部121の底面121dとの隙間Sに至る。
図5および図6は、本発明の実施形態1による歯科インプラントを説明する図(透視図)である。図5は、アバットメントの器具挿入穴の正面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図5(a)及び図5(b))を概略的に示し、図6は、アバットメントの器具挿入穴の左側面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図6(a)及び図6(b))を概略的に示している。
図2に示すように、アバットメント120の嵌合凹部121の側壁には、嵌合凹部120を構成する縦穴123につながるように器具挿入穴(横穴)129が形成されており、図6(a)に示すように、嵌合状態となったときのフィクスチャー110の頭部112の上面112b1は、横穴129の上端から下方に隔離した位置にある(図2(b))。
一方、リムーバ装置80は、図3、図4、図5(a)に示すように、略棒状で縦断面略楕円形状の嵌合解除棒(リムーバ)80cを有する。そして、リムーバ80cをその上下方向の厚みが最小となる向き(楕円の長径が横になるように寝かせた状態)にして横穴129に挿入した場合(図5(a)参照)、リムーバ80cを嵌合状態のフィクスチャー110の頭部112の上面112b1の上方にまで到達させることができる(図3、図4、図6(a)参照)。
言い換えると、リムーバ80cをその上下方向の厚みが最大となる向き(楕円の長径が縦になるように起こした状態、あるいは図5(a)に示す向きのリムーバ80cを軸心回りに90度回転させた状態)にして横穴129に挿入しても、リムーバ80cは嵌合状態のフィクスチャー110の頭部112の側面112b2に衝突し、リムーバ80cをフィクスチャー110の頭部112の上面112b1の上方にまで到達させることはできない。
このようなリムーバ80cを用いて嵌合状態のアバットメント120をフィクスチャー110から離脱させるには、まず、図5(a)、図6(a)に示すように、リムーバ80cをその上下方向の厚みが最小となる向きにして横穴129に挿入し、フィクスチャー110の頭部112の上面112b1の上方にまで到達させる。そして、この状態で、図5(b)、図6(b)に示すように、リムーバ装置80のリムーバ80cをその軸心回りに回転させると、リムーバ80cの向きがリムーバ80cの上下方向の厚みが最大となる向きになるまでの間に、リムーバ80cの先端部分の外面(下面)がフィクスチャー110の頭部112の上面112b1に当接し、かつリムーバ80cの外面(上面)が横穴129の上縁部に当接する状態となる。
この状態で、リムーバ80cをさらに回転させると、このリムーバ80cによってアバットメント120が持ち上げられ、このアバットメント120はフィクスチャー110から離脱することになる。
このように本実施形態1では、フィクスチャー110に固定したアバットメント120の除去作業は、修復物130の器具挿入穴(横穴)139及びアバットメント120の器具挿入穴(横穴)129に挿入したリムーバ80cを回転させるだけで行うことができ、その作業は非常に容易であって患者に大開口を強いる必要もない。また、フィクスチャー110からアバットメント120を外す際に反動なども殆ど生じないので、修復物130及びアバットメント120の誤飲なども生じ難いものとなる。
さらに、本実施形態では、アバットメント120は、その嵌合凹部121にフィクスチャー110の頭部112が嵌合したとき、フィクスチャー頭部112の上面112b1が横穴129の上端から下端までの間に位置するように構成してあるので、フィクスチャー110にアバットメント120を装着した際に、横穴129からフィクスチャー110の頭部112が見えているか否かによって、アバットメント120の装着状態の良否をある程度判別することもできる。
なお、本発明は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々に変形して実施し得ることは勿論である。例えば、以下、本発明の実施形態1の変形例による歯科インプラントについて説明する。
上記実施形態では、アバットメント120として、上端から下端までが直線状に延びたストレートタイプのものを示したが、歯科インプラントのためのアバットメントはこれに限るものではない。
図7は、本発明の実施形態1の変形例を説明する図であり、図7(a)および図7(b)は、それぞれ変形例1および変形例2による歯科インプラントのためのアバットメントを示している。
(実施形態1の変形例1)
例えば、実施形態1の歯科インプラントのためのアバットメントとして、図7(a)に示すように、アバットメント120aの上部120a2がその下部120a1に対して傾斜しているアングルタイプのアバットメント120aを用いてもよい。
(実施形態1の変形例2)
さらに、実施形態1のアバットメント120に代えて、図7(b)に示すように、横穴の構造が実施形態1のものとは異なるアバットメント120bを用いてもよい。
このアバットメント120bは、器具挿入穴129aを、実施形態1のアバットメント120の器具挿入穴129とは異なり、嵌合凹部121を貫通する構造としたものである。
このような構造のアバットメント120bでは、器具挿入穴(横穴)129aがアバットメント120の嵌合凹部121の対向する両側壁に開口を有することとなる。
このアバットメント120bでは、器具挿入穴129aの両側の開口のいずれからもリムーバ装置80のリムーバ80cを挿入可能となり、アバットメント120bの嵌合凹部とフィクスチャー頭部112との固定を解除する作業の作業性が向上する。さらに、器具挿入穴129aにアバットメント120の落下防止のための糸などを通すこともでき、これによりアバットメント120の脱落による誤飲などをより確実に防止することが可能となる。
また、上記実施形態1では、アバットメントとフィクスチャーとの嵌合を解除するリムーバ装置80として、リムーバ(嵌合解除棒)80cの形状が断面略楕円形状でその太さが全長に渡って均一であるリムーバ装置を示したが、リムーバの形状はこれに限定されるものではない。
(実施形態1の変形例3)
図8および図9は、本発明の実施形態1の変形例3による歯科インプラントを説明する図(透視図)である。図8は、アバットメントの器具挿入穴の正面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図8(a)及び図8(b))を概略的に示し、図9は、アバットメントの器具挿入穴の左側面から見たリムーバ装置の操作前後の状態(図9(a)及び図9(b))を概略的に示している。
例えば、図8及び図9に示すように、リムーバ装置のリムーバ81aは、先端部81a1と、これを支持する本体部81a2とで断面形状が異なるものでもよい。
つまり、このリムーバ装置のリムーバ81aでは、アバットメント120cとフィクスチャー110との嵌合を解除するときに、フィクスチャー頭部112の上面112b1及び嵌合凹部121の底面121d1と当接する先端部81a1のみが縦断面略楕円状を有し、この先端部81a1を支持する本体部81a2の断面形状を先端部81a1の断面の楕円形状の短軸よりも小径の円形状としている。また、リムーバの形状の変更に合わせて、アバットメント120cの横穴129bの入口部129b1も、リムーバの先端部81a1の断面楕円形状の短径と同一かそれより若干大きい楕円状としている。ただし、横穴129bの奥部129b2は、入口部129b1よりも大きな大径の真円状としてもよい。
このような構成のアバットメント120cでは、リムーバ81aを用いたアバットメント120cの除去作業は、図5及び図6に示す実施形態1のものと同様に行えるが、横穴129bに挿入したリムーバ81aを回転させ、図8(a)及び図9(a)に示す状態から、図8(b)及び図9(b)に示す状態にすると、リムーバ81aの先端部81a1が横穴129bから抜けなくなり、従って、アバットメント120cの意図しない落下をより効果的に防止することができる。
また、上記実施形態1では、フィクスチャー110に対するアバットメント120の回転を規制するために、フィクスチャー頭部112を六角柱部112b(図2(a)参照)を含む構造とし、アバットメント120の縦穴123内に六角溝部121b(図2(a)参照)を形成しているが、フィクスチャーに対するアバットメントの回転を規制する構成は、上記実施形態1のものに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態1のアバットメント120の縦穴123には、六角溝部121bに代えて、六角以外の角溝部(例えば四角溝部)、小判型の溝部、キー溝部、スプライン溝部等を形成し、その縦穴123に嵌合するようにフィクスチャー110の頭部を構成してもよい。また、フィクスチャー110に対するアバットメント120の回転を規制するための構成を、アバットメント120に設けず、例えばアバットメント120に固定される上部補綴物(クラウン、ブリッジ等)に設けるようにしてもよい。
さらに、フィクスチャー110とアバットメント120とを結合する構造は、両者の嵌合によるテーパ結合のみに限らず、例えば、テーパ結合に加えてねじを用いた締結を併用する方式としてもよい。例えば、フィクスチャーとアバットメントとの嵌合を解除する方向への相対移動を、アバットメントの側壁からフィクスチャーにねじ込んだねじにより規制するようにしてよい。
(実施形態1の変形例4)
図10は、本発明の実施形態1の変形例4による歯科インプラントを説明する図であり、フィクスチャーの表面に歯肉が形成された状態(図10(a))、この歯科インプラントの主要部の構造(図10(b))を示している。
また、2回法インプラントでは、フィクスチャーを先に顎骨に埋入し、2期的にアバットメントをフィクスチャーに固定するが、このアバットメントの固定の際、フィクスチャーは、図10(a)に示すように顎骨20の皮質骨や歯肉21で被覆された状態となっており、例えば、歯肉21の切開によってフィクスチャーの頂面のみを露出(開放)させるのが通常であり、患者の負担も少ない。
しかし、フィクスチャー110とアバットメント120とを直接結合させている上記実施形態では、アバットメント120をフィクスチャー110の外周部にまで進入させる必要があり、アバットメントのフィクスチャーへの装着が困難となるケースも想定される。
そこで、この実施形態1の変形例4のフィクスチャー110aは、例えば、図10(b)に示すように、頭部を構成する第1の部品(コネクタ)1122と、埋設部を構成する第2の部品(本体部)1121との2部品から構成している。
また、このフィクスチャー110aは、第1の部品1122とアバットメント120との結合構造を、上記実施形態におけるフィクスチャー110とアバットメント120との結合構造と同一としてもよい。
すなわち、コネクタ1122は、上記実施形態1におけるフィクスチャー110のものと同一構造のアウターテーパ部1122aと六角柱部1122bとを有する。
また、フィクスチャー110aの本体部1121としては、例えば既存のものや公知のフィクスチャーの構成を有するもの(特に2回法インプラントに対応する構成を有するものが好ましい)を用いることができ、コネクタ1122はこの本体部1121に対して適宜に接続可能に構成すればよい。例えば、コネクタ1122に形成した雄ねじ部を、本体部1121に形成した雌ねじ部に螺合することにより、コネクタ1122と本体部1121とが締結されるように構成してもよい。なお、コネクタ1122と本体部1121との結合は、ねじによる締結に限定されるものではない。
(実施形態1の変形例5)
図11は、本発明の実施形態1の変形例5による歯科インプラントを説明する図である。
この実施形態1の変形例5による歯科インプラントは、実施形態1の歯科インプラントを構成するフィクスチャーに代えて、歯科インプラントの履歴に関連するデータを格納したICチップ113を搭載したIC実装フィクスチャー110bを備えたものである。このIC実装フィクスチャー110bは、ICチップをその頭部110b1に実装している点以外は、実施形態1の歯科インプラントを構成するフィクスチャー110と同一の構成を有する。
このような構成のICチップ実装フィクスチャーでは、歯科インプラントを患者に装着した後でも、ICチップに格納されているデータを電気的に読み出すことにより、歯科インプラントの製造メーカ、製造年代などの情報を知ることができる。
(実施形態1の変形例6)
図12及び図13は、本発明の実施形態1の変形例6による歯科インプラントを説明する図であり、図12は、この歯科インプラントのアバットメントの全体構成を模式的に示している。図13(a)は、アバットメントとインプラントとを結合状態を示す断面図、図13(b)は、図13(a)の一部拡大断面図である。
この実施形態1の変形例6による歯科インプラントは、実施形態1の歯科インプラントを構成するアバットメントに代えて、複数のフィクスチャー110に対応する複数のアバットメント部1120を連結部1130により連結してなる連結型のアバットメント1000を備えたものである。
ここでアバットメント部1120は、実施形態1のアバットメント120と同様に、顎骨20に埋め込まれたフィクスチャー110の頭部112に嵌合する嵌合凹部1121を有している。つまり、嵌合凹部1121は、フィクスチャー頭部112のアウターテーパ部112aと嵌合するインナーテーパ部1121aと、フィクスチャー頭部112の六角柱部112bを収容する溝部1121bとを有している。
この実施形態1の変形例6によるアバットメント1000の嵌合凹部1121は、実施形態1のアバットメントの嵌合凹部121とは、この嵌合凹部1121にフィクスチャーの頭部112を挿入したとき、嵌合凹部1121の内側面1125の開口側の端部以外の部分と、フィクスチャー頭部112のアウターテーパ部112aの外側面114との間に隙間ができるように構成されている点、及び嵌合凹部1121を構成する溝部1121bを円形溝部としている点のみ異なっている。
この嵌合凹部1121におけるその他の構成は、実施形態1のアバットメント120の嵌合凹部121の構成と同一である。
なお、実施形態1の変形例6では、連結型のアバットメント1000として、8個のアバットメント部1120を連結部1130により連結してなるものを示したが、連結型のアバットメントは、少なくとも2つのアバットメント部を連結部により連結したものであればよい。
また、この実施形態1の変形例6では、8個のアバットメント部1120の嵌合凹部がそれぞれ、リムーバを挿入する器具挿入穴(横穴)129を有している連結型のアバットメントを示したが、連結型のアバットメントでは、複数のアバットメント部の一部の嵌合凹部のみが器具挿入穴を有しておればよい。また、器具挿入穴129は、アバットメント部1120の嵌合凹部1121の表面における口腔内に向く内側面に形成しても、あるいはアバットメント部1120の嵌合凹部1121の表面における口腔外に向く外側面に形成してもよく、さらに口腔内での個々の嵌合凹部1121の位置に応じた、嵌合凹部1121の表面位置に形成してもよい。
さらに、この実施形態1の変形例6では、フィクスチャー頭部112の六角柱部112bを収容する溝部を円形溝部1121bとしているので、各アバットメント部の嵌合凹部は、フィクスチャー110に対するアバットメント部1120の回転を規制する構造とはなっていない。
なぜなら、この実施形態1の変形例6による連結型のアバットメント1000では、1つのアバットメント部1120の嵌合凹部1121にフィクスチャー頭部112が嵌合したときに、フィクスチャー110に対するアバットメント部1120の回転は、他のアバットメント部の嵌合凹部1120とフィクスチャー頭部112との嵌合により自ずと規制されるからである。
(実施形態2)
図14は、本発明の実施形態2による歯科インプラント用セットを説明する図であり、歯科インプラントを顎骨に取り付けた状態(図14(a))、及び歯科インプラントのリポジションに用いるフィクスチャー、アバットメント、ステント及び固定用ピン(図14(b))を示している。図15は、この実施形態2の歯科インプラントのリポジションに用いるステントの斜視図(図15(a))及び断面図(図15(b))である。
この実施形態2の歯科インプラント200は、顎骨(歯槽骨)20に埋め込まれ、顎骨20と結合するように構成されたフィクスチャー210と、フィクスチャー210に固定されるように構成されたアバットメント220と、アバットメント220に上部構造として取り付けられるように構成された人工歯牙230とを含んでいる。この人工歯牙は、修復物あるいは補綴冠と呼ばれ、以下修復物ともいう。
また、この実施形態2の歯科インプラント200を構成する、フィクスチャー210、アバットメント220、及び修復物230のうちの少なくともフィクスチャー210及びアバットメント220は、歯科インプラントのリポジションに用いる工具、つまり筒状のステント240及び固定用ピン250とともに、歯科インプラント用セット200sに含まれている。この歯科インプラント用セット200sは、歯科インプラントの製造メーカから提供されるものである。
ここで、ステント240及び固定用ピン250は、既設のフィクスチャー210a及び既設のアバットメント220a(図16(a)参照)に代えて規格化された新たなフィクスチャー及びアバットメントを設置するのに用いる器具であり、この実施形態2の歯科インプラント200を構成するフィクスチャー210、アバットメント220は、それぞれ、実施形態1のフィクスチャー110及び120の構成に加えて、ステント240及び固定用ピン250と係合するように規格化したものである。また、既設のフィクスチャー210a、既設のアバットメント220a、及び歯科インプラント200を構成する既設の修復物230は、実施形態1におけるものと同一の構成を有している。
具体的には、ステント240は、規格化されたアバットメントに嵌合する凹状部242を有し、さらに、この凹状部240に繋がる挿入穴241を有している。また、固定用ピン250は、ステント240を規格化されたアバットメント230に固定するものである。
さらに規格化されたフィクスチャー210及びアバットメント220には、固定用ピン250の挿入穴213および221が形成され、規格化されたアバットメント220の上部はステント240の凹状部242に嵌合するように構成されている。
ここで、上記固定用ピン250は、ステント240の挿入穴241、アバットメント220の挿入穴221およびフィクスチャー210の挿入穴213内に挿入できる程度の大きさに形成されている。固定用ピン250を、ステント240の挿入穴241、アバットメント220の挿入穴221およびフィクスチャー210の挿入穴213内に挿入した際には、相互にぐらつかないように、隙間なく固定用ピン250がステント240の挿入穴241、アバットメント220およびフィクスチャー210内に挿入できるようになっている。
ステント240の長さは限定するものではないが、3〜7mm程度とすることができ、特に5mm前後が好ましい。また、固定用ピン250はアバットメント220の内部に5mm程度入るのがよく、その場合、固定用ピン250の長さは10mm程度が好ましい。ここで、規格化されたアバットメント220およびフィクスチャー210とは、歯科用インプラントの各パーツと互いに適合するように形状、寸法等が決められているものをいう。
また、フィクスチャー210およびアバットメント220の位置は、ステント240の固定用ピン250の挿入穴241、およびそれに誘導されるドリル260の位置に一致している。
〔リポジションの方法〕
次に、この実施形態2の歯科インプラント用セットを用いて、既設のフィクスチャー及び既設のアバットメントを、規格化されたフィクスチャー及び規格化されたアバットメントに置き換え、その際、既設の修復物を再利用する方法について説明する。
図16及び図17は、歯科インプラントのリポジションを説明する図であり、図16(a)〜図16(g)及び図17(a)〜図17(e)は主要段階での歯科インプラントの状態を示している。
顎骨20には既設の歯科インプラントが取り付けられている(図16(a))。この既設の歯科インプラントにおいて、既設のフィクスチャー210aから既設のアバットメント220aを既設の修復物230とともに取り外す。この状態では、既設のフィクスチャー210aは顎骨20に固定されている(図16(b))。なお、既設のフィクスチャー210aから取り外したアバットメント220aと修復物230とは、口腔外での作業により修復物230を再利用するために分離しておく。
次に、新規のアバットメント220を、既設のフィクスチャー210aの上部に、実施形態1と同様に両者の嵌合により生ずる摩擦力により固定する(図16(c))。なお、新規のアバットメント220の形状および寸法等は上記のとおり規格化されている。
続いて、既設のフィクスチャー210aに固定した新規のアバットメント220に筒状のステント240を、その凹状部242がアバットメント220の上部に嵌合するように取り付け、さらに、ステント240の挿入穴241及び凹状部242、さらにアバットメント220の挿入穴221を通して固定用ピン250を既設のフィクスチャー210a内に挿入する(図16(d))。この際、ステント240は、既設の修復物が配置されていた部分の両側に通常配置されている天然の歯などに沿わせて位置決めする。
その後、既設のフィクスチャー210a、新規のアバットメント220、ステント240および固定用ピン250を顎骨20から取り外す。このとき、既設のフィクスチャー210aは顎骨20から引き抜かれ、顎骨20には、既設のフィクスチャー210aの抜け穴20dが残る(図16(e))。
次に、ステント240だけを、先に天然の歯などに沿わせて位置決めしたとおり口腔内に設置し(図16(f))、規格化されたドリル260を、ステント240のピン挿入穴241から顎骨20に向けて挿入し、顎骨20を削る(図16(g))。これにより顎骨20には、新しい規格化されたフィクスチャー210の寸法に合ったインプラント埋込穴20d1が形成される(図17(a))。なお、図中、20d2は、切削された部分である。
ここで、このインプラント埋込穴20d1の大きさは、次のようにして決められる。インプラント埋込穴の大きさは、残存する骨に合わせて顎骨20をドリル260で切削することにより形成する。このときステント240で決めるのは、フィクスチャーの埋め込みの方向のみである。なお、新規のフィクスチャーを埋入するときのインプラント埋込穴の深さは、既設のフィクスチャーを取り外した後の顎骨の状態に合わせて任意に設定され、その深さに応じて、新規のアバットメント220の長さも決定される。
続いて、規格化された新規のフィクスチャー210、規格化された新規のアバットメント220、ステント240、及び固定用ピン250を準備する(図17(b))。
規格化された新規のフィクスチャー210と、規格化された新規のアバットメント220と、ステント240と、固定用ピン250とを組み合わせて、顎骨20のインプラント埋込穴20d1にフィクスチャー210を埋め込む(図17(b))。ここで、新規のフィクスチャー210と新規のアバットメント220とは、実施形態1おけるフィクスチャーとアバットメントとの固定と同様に、嵌合により発生する摩擦力により固定されている。
次に、固定用ピン250を新規のフィクスチャー210、新規のアバットメント220及びステント240から抜き取り(図17(c))、さらにステント240をアバットメント220から取り外す(図17(d))。
その後、既設のアバットメント220aから取り外しておいた修復物230を、新規フィクスチャー210に固定されているアバットメント220に被せる(図17(e))。これにより、既設の歯科インプラントのフィクスチャー及びアバットメントを新たなフィクスチャー及びアバットメントに取替え、その際、既設の修復物は再利用するリポジションを完了する。
このように本実施形態2の歯科インプラントセット200sでは、規格化されたアバットメント220に嵌合する凹状部242を有するステント240と、ステント240を規格化されたアバットメント220に固定する固定用ピン250とを備え、ステント240は、既設のフィクスチャー210aに取り付けた規格化されたアバットメント220にステント240の凹状部242が嵌合したときの姿勢が、既設のフィクスチャー210aに代わる、規格化されたフィクスチャー210の方向を規定するように構成されているので、このステント240を用いて、既設のフィクスチャー210aに代わる規格化された新規のフィクスチャー210を顎骨20に埋め込むことにより、新規のフィクスチャー210に固定したアバットメント220に、既設のアバットメント220aに取り付けられていた修復物を取り付けることが可能となる。このため、歯科インプラントのアバットメント220a及びフィクスチャー210aを取り替えるときに、既存の修復物230が無駄になるのを回避することができる。
ところで、上述した実施形態1で説明した歯科インプラントを用いたインプラント治療では、フィクスチャーを患者の顎骨の状態を考慮して適切な位置かつ適切な方向に埋め込む必要がある。
特に、実施形態1の変形例6で説明した連結型アバットメントでは、アバットメントのフィクスチャーとの固定を解除する場合は、複数のアバットメント部が同時にフィクスチャーから引き抜かれるため、それぞれのフィクスチャーの軸の方向を高い精度で平行にしておくことが要求される。
そこで、このような要求を満たすものとして、以下サージカルガイドを用いてインプラント埋込穴を形成する方法に用いる歯科タップセットを実施形態3として説明する。
(実施形態3)
本発明の実施形態3による歯科タップセットを用いて歯科インプラントを取り付ける方法では、インプラント埋込穴を形成する際には、サージカルガイドを口腔内に装着し、サージカルガイドに形成されているドリルガイド穴に歯科ドリルを装着した状態で、ドリルにより顎骨を切削する。このようにサージカルガイドを用いて顎骨の切削を行うと、ドリルによる切削位置および切削角度はサージカルガイドのドリルガイド穴により決まることとなり、インプラント埋込穴を適切な位置と方向に形成することができる。
なお、このサージカルガイドは、患者の顎骨部のCT撮影により得られた画像に基づいて、コンピューター上で患者の残存歯や骨の状態に合わせて人工歯根、つまりフィクスチャーの最適な埋込位置と埋入方向をシミュレーションして設計したものであり、設計データ(3次元画像データ)を3次元積層造形装置に入力することにより、樹脂を積層してなるサージカルガイドとしての構造体が3次元積層造形装置により造形される。
以下図面を用いて具体的に説明する。
図18は、本発明の実施形態3による歯科タップを説明する図であり、歯科タップの側面及び断面(図18(a)及び図18(b))を示している。また、図19は、本実施形態3の歯科ガイドの全体構成(図19(a))及び歯科ガイドに取り付けられているガイドスリーブ(図19(b))を示している。さらに、図20は、歯科ガイドのガイドスリーブの側面図(図20(a))及び断面図(図20(b))である。
この歯科タップセットは、歯科タップ410と歯科ガイドSGとを含み、歯科インプラントを埋め込むために顎骨に形成したインプラント埋込穴にねじ溝を形成するための歯科タップセットである。
歯科タップ410は、インプラント埋込穴20a(図23(a))にねじ溝が形成されるようにインプラント埋込穴20aにねじ込まれるタップ本体411と、タップ本体411の一端に設けられたタップ把持部412とを有している。タップ本体411の他端側部分Thの外周面には、インプラント埋込穴にねじ溝を形成するためのねじ山411aが形成されている。ここでは、タップ本体411のねじ山411aは2条ねじ(ダブルスレッド)を構成している。また、タップ本体411の外周面には、タッピングによって切削した骨の排出をスムーズにするためのスパイラル状の溝411bも形成されている。
一方、歯科ガイドSGはガイドスリーブ420を含むサージカルガイドであり、ガイドスリーブ420は、インプラント埋込穴20aを歯科ドリルDで形成する際に歯科ドリルDのガイド部材として用いられ、さらに、インプラント埋込穴20aにねじ山を歯科タップ410により形成する際に歯科タップ410のガイド部材として用いられる。ガイドスリーブ420は、歯科ドリルD及び歯科タップ410をガイドするガイド穴420aを有している。ガイド穴420aの内面には、タップ本体411の外周面に形成されたねじ山411aに螺合するようにねじ溝421が形成されている。
なお、ガイドスリーブ420は、コンピューターによる設計データに基づいて造形されたサージカルガイドに、そのガイド穴420aの軸が、埋め込むべきフィクスチャーの軸と一致するように取り付けられている。
次に、歯科タップセットを用いて顎骨20に、ねじ溝を有するインプラント埋込穴20aを形成する方法について説明する。
図21から図23は、本発明の実施形態3による歯科タップセットを用いる方法を説明する図である。なお、図22および図23では、歯科ガイドおよびガイドスリーブを示しているが、図21では、歯科ガイドのガイドスリーブのみ示している。
図21(a)、図22(a)に示すように、顎骨(歯槽骨)20における顎堤(口腔)側の粘膜22を切開した後、歯科ガイドSGを顎骨20に固定し、そのガイドスリーブ420のガイド穴420aに歯科ドリルDを挿入した状態で、歯科ドリルDにより顎骨20の切削を行う。これにより図21(b)、図22(b)および(c)に示すように、顎骨20にインプラント埋込穴20aを形成する。
このとき、ドリルDは、ドリルヘッドDhのドリルチャックDcに装着されており、ドリルヘッドDhとサージカルガイドSGとの両方で、長さLa1の部材が口腔内に挿入される(図22(b)参照)。
ここで、歯科ガイド(サージカルガイド)SGは手で固定してもよいが、例えば遊離端欠損の場合は、歯牙欠損部に隣接する歯に固定するようにしてもよく、この場合、歯牙欠損部に隣接する歯に固定するための部位を歯科ガイドSGに設けるようにしてもよい。
続いて、図21(c)、図23(a)〜図23(c)に示すように、歯科ガイドSGのガイドスリーブ420のガイド穴420aに手で歯科タップ410をねじ込むことにより、歯科タップ410のねじ山411aがガイドスリーブのガイド穴420aに形成されたねじ溝421と螺合する。このため、歯科タップ410を回転させることにより歯科タップ410には顎骨20内に侵入する力が生じ、歯科タップ410は、その外周面のねじ山411aによりインプラント埋込穴20aの内面にねじ溝20a1を形成しながらインプラント埋込穴20a内を進むこととなる。なお、ガイド穴420aに歯科タップ410をねじ込む際には、歯科タップ410とサージカルガイドSGとの両方で、長さLa2の部材が口腔内に挿入される(図23(b)参照)。
インプラント埋込穴20a内の所定の深さまでねじ溝20a1を形成し(図21(d)、図23(c))、その後、歯科タップ410を顎骨20から抜き出し、さらに歯科ガイド420を顎骨20から取り外す(図21(e)、図23(d))。
その後、ねじ溝20a1を形成したインプラント埋込穴20aに、実施形態1で示した歯科インプラントのフィクスチャー100をねじ込むことにより顎骨20に固定する(図21(f))。
その後は、実施形態1で説明したようにこのフィクスチャー100にアバットメント120を嵌合による摩擦力により固定し、さらにフィクスチャー100に固定したアバットメント120に修復物130を取り付けることで歯科インプラントの取付を完了する。
このように本実施形態3では、インプラント埋込穴20aを形成する際には切削ドリルDを歯科ガイド(サージカルガイド)SGによりガイドし、さらに、インプラント埋込穴20aにねじ穴を形成する際には、歯科タップ410を、インプラント埋込穴の形成に用いた歯科ガイドSGと同じ歯科ガイドを用いるので、インプラント埋込穴を設計どおりの位置と方向に形成することができ、しかもこのインプラント埋込穴にねじ溝を形成する際には、歯科タップを、硬さが不均一な顎骨に位置ずれなくねじ込むことができる。その結果、フィクスチャーを、コンピューターによる顎骨の解析により得られた最適な位置に最適な方向に向けて顎骨に埋め込むことが可能となる。
このようにフィクスチャーの埋込位置と埋込方向とを精度よく設定することにより、連結型アバットメントを取り付けるためのフィクスチャーに要求される取付精度を実現することができる。
なお、上記実施形態3における歯科タップ410のねじ山411は、2条ねじ(ダブルスレッド)を構成するものに限らず、1条ねじ(シングルスレッド)を構成するものでもよい。また、歯科タップ410のねじ山411は、2条ねじ以外の多条ねじ(マルチスレッド)を構成するものでもよい。
また、上記実施形態3では、上記歯科タップ410は、タップ本体411の他端側部分の先端には、顎骨を構成する皮質骨を切り抜くための切開部を形成したものでもよい。このような歯科タップは上顎洞底挙上術用タップとして用いることができ、以下、本実施形態3の変形例としてこのような歯科タップを含む歯科タップセットについて説明する。
(実施形態3の変形例)
次に、本発明の実施形態3の変形例による歯科タップセットについて説明する。
図24は、本発明の実施形態3の変形例による歯科タップセットを説明する図であり、この歯科タップセットの歯科ガイドの側面及び断面(図24(a)及び(b))を示している。
本実施形態3の変形例による歯科タップセットは、実施形態3による歯科タップセットにおける歯科タップに代わる上顎洞底挙上術用タップ(以下歯科タップともいう。)を備えたものであり、その他の構成は実施形態3による歯科タップセットと同一である。
この実施形態3の変形例による歯科タップセットの歯科タップ410aは、上記実施形態4における歯科タップ410のタップ本体411の他端に、顎骨を構成する皮質骨を切り抜くための切開部413を形成したものであり、その他の構成は、実施形態3の歯科タップ410と同一である。
次に、本実施形態3の変形例によるタップセットを用いて行うソケットリフト法について説明する。
図25は、本実施形態3の変形例による歯科タップセットを用いる方法を説明する図であり、インプラント埋込穴にねじ穴を形成する工程(図29(a)〜図29(f))を順に示している。
まず、図25(a)に示すように、上顎歯槽骨31における顎堤(口腔)側の粘膜32を切開し、図25(b)に示すように、上顎歯槽骨31における上顎洞33側の皮質骨34の少なくとも一部を残すように上顎歯槽骨31の顎堤側からドリル(及びリーマ)を用いてタップ下穴(インプラント埋込穴)35を形成する。ここで、このタップ下穴35を形成する際には、実施形態3で説明したガイドスリーブ420を含む歯科ガイドSGを用いている。
次に、図25(c)に示すように、歯科タップ410aをガイドするために用いられる歯科ガイドSGをタップ下穴35の外側に固定し、この歯科ガイドSGのガイドスリーブ420のねじ溝(雌ねじ)421に歯科タップ410aの外周面に設けられたタッピング用のねじ山(雄ねじ)411aを螺合させ、歯科タップ410aを手でタップ下穴35内にねじ込み、タッピングを行う。
ここで、歯科タップ410aの雄ねじ411aは、後に用いる歯科インプラントのフィクスチャー110の外周面に設けられている雄ねじ111aと略同一形状のものであり、本実施形態3の変形例では二条ねじ(ダブルスレッド)である。また、歯科タップ410aの外周面には、タッピングによって切削した骨の排出をスムーズにするためのスパイラル状の溝411bも設けられている(図24(a)参照)。
なお、歯科ガイドSGは手で固定してもよいし、例えば遊離端欠損の場合は、歯牙欠損部に隣接する歯に固定するようにしてもよく、この場合、歯牙欠損部に隣接する歯に固定するための部位を歯科ガイドSGに設けるようにしてもよい。
続いて、図25(d)に示すように、タップ下穴35内にねじ込んだ歯科タップ410aが、上顎洞33の手前側に残っている皮質骨34に到達すると、皮質骨34を円盤状に切り抜き、切り抜いた皮質骨34aと共に上顎洞粘膜36を上顎洞33内へと押し上げ、上顎洞粘膜36の一部を上顎歯槽骨31から剥離させる。
ここで、歯科タップ410aの先端部には、上顎洞33の手前側に残っている皮質骨34を切り抜くための切開部413が設けられており、この切開部413は、歯科タップ410aの先端面を椀型に窪ませ、窪んだ部分の内側面を急傾斜面とした形状をしている。
続いて、上顎歯槽骨31と上顎洞粘膜36との間に形成されたスペースに人工骨37を充填し(図25(e)参照)、人工骨37によってインプラント埋入のための骨の深さを補った上で、上顎歯槽骨31に対して、実施形態1の歯科インプラントのためのフィクスチャー110の埋入を行う(図25(f)参照)。
ここで、人工骨37の代わりに、他部位から採取した自家骨を用いるようにしてもよく、さらには他人の骨を用いてもよい。
本実施形態のタップセットを用いて上記のようにして行うソケットリフト法では、以下の効果が得られる。
まず、歯科タップ410aを手でタップ下穴35にねじ込み、歯科タップ410aの切開部13によって皮質骨34の一部を切り抜く際、ねじ込みによって歯科タップ410aを徐々に進ませることができるので、歯科タップ410aが上顎洞粘膜36を突き破る恐れは殆どない。従って、インプラント治療のための作業の容易性及び高い安全性が得られ、加えて、歯科タップ410aをねじ込む際の繊細な指先の感覚を頼りにすることができることから、より一層、作業上の容易性及び安全性が確保される。
また、本実施形態3の変形例による歯科タップセットを用いれば、所望の方向にフィクスチャー110を確実に埋入することが容易となる。
すなわち、本実施形態3の変形例によるソケットリフト法と対比のため、一般的なソケットリフト法について簡単に説明する。
図26は、一般的なソケットリフト法により歯科インプラントのためのフィクスチャー(インプラント体)を埋め込む方法を説明する図であり、主要工程(図26(a)〜図26(f))を順に示している。
一般的なソケットリフト法では、まず、図26(a)に示すように、上顎歯槽骨31における顎堤(口腔)側の粘膜32を切開し、図26(b)に示すように、上顎歯槽骨31における上顎洞33側の皮質骨の少なくとも一部を残すように上顎歯槽骨31の顎堤側からドリル(及びリーマ)を用いてタップ下穴(インプラント埋込穴)50を形成する。
その後、図26(c)及び図26(d)に示すように、器具(オステオトーム)51の先端をタップ下穴50に挿入し、器具51の後端部を槌打(マレッティング)することにより、上顎洞33の手前側に残っている皮質骨34を円盤状に打ち抜き、打ち抜いた歯槽骨34aと共に、上顎歯槽骨31と上顎洞33とを隔てる上顎洞粘膜(ジュナイダー膜)36を上顎洞33内へと押し上げ、上顎洞粘膜36の一部を上顎歯槽骨31から剥離させる。そして、この剥離によって上顎歯槽骨31と上顎洞粘膜36との間に形成されたスペースに人工骨37を充填し(図26(e))、人工骨37によってインプラント埋入のための骨の深さを補った上で、上顎歯槽骨に対してインプラント体38の埋め込みを行う(図26(f))。
このような一般的なソケットリフト法では、図26(f)に示すようにインプラント体(フィクスチャー)110をねじ込みによって上顎歯槽骨31に埋入する際、上顎歯槽骨31の密度や硬さが一様ではなく、例えば、インプラント体38の進行(埋入)方向右側と左側で骨の硬さが異なると、インプラント体は骨の柔らかい方へ傾斜して進んでしまう傾向があり、インプラント体38の直径を大きくし、雄ねじ411aを浅くしなければ所望の方向への埋入が困難となる恐れがある。その上、上顎歯槽骨31にねじ込まれるインプラント体38に対しインプラント体38の軸方向にねじ込みとは無関係な軸方向の外力が加わると、インプラント体38自体によるセルフタッピングにより形成されたねじ溝が破壊されてしまう恐れもある。
これに対し、本実施形態3の変形例による歯科タップセットを用いたソケットリフト法では、インプラント体110の埋入に先立ってタッピングを行い、しかもそのタッピングはサージカルガイド(歯科ガイド)SGのガイドスリーブ420によって歯科タップ410aを所望の方向にガイドしつつ歯科タップ410aに対してねじ込みとは無関係な外力が加わらないように良好に行える。このため、インプラント体110の傾斜進行やねじ溝の破壊を防止して所望方向へのインプラント体の埋入の確実化を容易に図ることができる。また、インプラント体110の直径を大きくし、雄ねじ411aを浅くする必要もなく、インプラント体110の直径を小さくし、雄ねじ411aを深くすることもできる。
なお、上記実施形態における歯科タップ410aの雄ねじ411aは、2条ねじ(ダブルスレッド)に限らず、1条ねじ(シングルスレッド)としてもよいし、2条ねじ以外の多条ねじ(マルチスレッド)としてもよい。
また、雄ねじ411aの高さ(深さ)が互いに異なる複数の歯科タップ410aを歯科タップセットに含むようにし、形成する溝が徐々に深くなるように、複数の歯科タップ410aを順次用いてタッピングするようにしてもよい。この場合、切開部413を全ての複数の歯科タップ410aに設ける必要はなく、例えば、図25(d)に示す工程(切り抜かれた皮質骨34aと上顎洞粘膜36とを拳上する工程)に用いる歯科タップ410には切開部413を設けないようにすれば、切開部413が上顎洞粘膜36を傷つけることを効果的に防止することができる。また、この場合、歯科ガイドSGは、全ての歯科タップ410aをガイドするように構成されたものでもよいし、例えばタップ下穴のタッピングの初期の段階(つまり浅いねじ溝を形成する段階)で用いる歯科タップ410aのみをガイドするように構成されたものでもよい。
さらに、上記実施形態の変形例における歯科タップ410aの切開部413は、歯科タップ410aの先端面を椀型に窪ませ、窪んだ部分の内側面を急傾斜面とした形状(図27(a))を有しているが、切開部の形状はこれに限定されるものではない。
歯科タップ410bの切開部413bは、歯科タップ410aの先端面を円弧状に窪ませ、窪んだ部分の内側面を緩やかな傾斜面とした形状(図27(b))を有している。
また、図27(a)及び(b)に示す歯科タップ410aおよび410bの切開部413a及び413bは、共に縁が鋭利な形状となっているが、歯科タップは、切開部の縁が丸みを帯びた形状としてもよい。
例えば、図27(c)に示す歯科タップ410cの切開部413cは、歯科タップ410aの切開部413aの縁に丸みを持たせたものであり、図27(d)に示す歯科タップ410dの切開部413dは、歯科タップ410bの切開部413bの縁に丸みを持たせたものである。
ところで、上記実施形態3及びその変形例では、インプラント埋込穴の位置と方位を精度よく決めるためにサージカルガイドを用いているが、サージカルガイドを用いてインプラント埋込穴を形成する際には、図22(b)に示すように、患者には口を大きく開けておいてもらう必要がある。なぜなら、サージカルガイドを用いる場合は、サージカルガイドを患者の口腔内に装着した状態で、さらに歯科用駆動ドリルのチャック部分を、インプラント埋込穴の深さに応じた長さの歯科ドリルDがサージカルガイドSGのガイドスリーブ420のガイド穴420aに挿入されるように口腔内に配置する必要があるからである。
そこで、このような患者に対する負担を軽減する方法を実現する歯科ドリルを実施形態4として以下に説明する。
(実施形態4)
次に本発明の実施形態4による歯科ドリルについて説明する。
図28は、本発明の実施形態4による歯科ドリルを説明する図であり、この歯科ドリル及びこの歯科ドリルをガイドする棒状ガイド(図28(a))、及び歯科ドリルおよび棒状ガイドの使用状態(図28(b)〜図28(d))を示している。
この実施形態4の歯科ドリル300は、歯科インプラント100(図34(c)参照)を埋め込むためのインプラント埋込穴20a(図32(b)参照)を顎骨20に形成するための歯科ドリルである。この歯科ドリル300は、顎骨20を切削するドリル本体310と、ドリル本体310を支持するドリル支持部320とを有している。このドリル支持部320は、ドリルヘッドDh1のドリルチャックDc1(図29(b)参照)により保持される部分である。
ここで、ドリル本体310は、棒状ガイド350を挿入するための貫通穴311(図28(c)参照)を有し、貫通穴311に棒状ガイド350が挿入された状態で回転可能にかつ棒状ガイド350に沿って移動可能に構成されている。このドリル本体310の回転と顎骨20への侵入とにより顎骨20が切削されることによりインプラント埋込穴20aが形成される。
このドリル本体310は円筒体であり、円筒体310の一方の端部の周縁に沿って切削刃313が形成されている。また、ドリル本体310の外周面310aには螺旋突条312が形成されており、インプラント埋込穴20aの形成時に顎骨20の切削により生じた切削屑が、隣接する螺旋突条間の領域(つまり、螺旋溝)から排出される。さらに、円筒体であるドリル本体310の側壁には、生理食塩水等を切削部分に注入するための注水孔(図示せず)が複数個形成されていてもよい。
また、歯科ドリル300をガイドする棒状ガイド350は、顎骨20に埋め込まれる埋込部分352と、この埋込部分352と一体に形成され、歯科ドリル300をガイドするガイド部分351とを有している。
図29は、本発明の実施形態4による歯科ドリルの棒状ガイドを位置決めするのに用いるガイド部材(サージカルガイド)を示す図であり、ガイド部材の全体構成(図29(a))及びガイド部材に取り付けられているガイドスリーブ(図29(b))を示している。
このガイド部材SG1は、棒状ガイド350を取り付けるガイド装着穴20cを顎骨20(図30(b)参照)に形成するのに用いられるガイド部材(サージカルガイド)である。このガイド部材SG1は、患者の顎骨部のCT撮影により得られた画像に基づいて、コンピューター上で患者の残存歯や骨の状態に合わせて人工歯根、つまりフィクスチャーの最適な埋込位置と埋入方向をシミュレーションして設計したものであり、設計データ(3次元画像データ)を3次元積層造形装置に入力することにより、樹脂を積層してなるサージカルガイドとしての構造体が3次元積層造形装置により造形されたものである。
このサージカルガイドSG1は例えば患者の歯に装着されるものであり、サージカルガイドSG1には、切削ドリルD1をガイドするガイドスリーブGsが組み込まれている。また、ガイドスリーブGsには、切削ドリルD1を保持するドリルチャック部Dc1をガイドするガイド穴Ghが形成されており、ドリルチャック部Dc1をこのガイド穴Ghに装着したとき、ドリルチャック部Dc1に保持された切削ドリルD1の軸の方向が、埋め込むべき歯科インプラントの軸の方向と一致するようになっている。つまり、サージカルガイドSG1はこれにガイドスリーブGsを装着することにより、ガイド穴Ghの方向が所定の方向(歯科インプラントの軸の方向)を向くように形成されている。また、このガイドスリーブGsは、インプラント埋込穴20a(図32(b)参照)の内面にねじ溝を形成する歯科タップTa(図33(a)参照)を、ガイドスリーブGsに形成したガイド穴Ghによりガイドするものでもある。
次に、この歯科ドリル300を用いて顎骨20にインプラント埋込穴20aを形成する方法について説明する。
図30から図34は、インプラント埋込穴の形成方法、及び歯科インプラントの取付方法を説明する図であり、図30(a)〜図30(d)、図31(a)〜図31(c)、図32(a)〜図32(b)、図33(a)〜図33(c)、図34(a)〜図34(c)は主要工程での処理を示している。
まず、サージカルガイドSG1が歯科インプラントを埋め込む部分の顎骨(歯槽骨)20を覆うようにサージカルガイドSG1を口腔内に装着し、切削ドリルD1を保持するドリルチャック部Dc1をガイドスリーブGsのガイド穴Ghに挿入する(図30(a)および図30(b))。このとき、ドリルチャック部Dc1に保持された切削ドリルD1の軸の方向が、埋め込むべき歯科インプラントの軸の方向と一致する。
この状態で、ドリルチャック部Dc1を顎骨20の側に移動させると(図30(c))、切削ドリルD1が顎骨20を切削することにより、棒状ガイド350を装着するガイド装着穴20cが形成される。
その後、切削ドリルD1を顎骨20及びサージカルガイドGSから抜き取り(図30(d))、さらにサージカルガイドGS1を口腔内から取り除く(図31(a))。
続いて、顎骨20に形成されたガイド装着穴20cに棒状ガイド350を差し込んで顎骨20に固定する(図31(b))。
さらに、ドリルヘッドDh2のドリルチャックDc2に保持した歯科ドリル300を、顎骨20に固定した棒状ガイド350が歯科ドリル300の貫通穴311(図28(c)参照)に挿入されるように配置し(図31(c))、歯科ドリル300を棒状ガイド350に沿って顎骨20の側に移動させる(図32(a))。このように歯科ドリル300を移動させたとき、図28(b)から図28(d)に示すように、歯科ドリル300は棒状ガイド350によりガイドされることにより、顎骨20を歯科インプラントの軸方向に沿って掘り進むこととなる。これにより顎骨20には、棒状ガイド350の軸方向に沿ったインプラント埋込穴20aが形成される。
続いて、歯科ドリル300を棒状ガイド350とともに顎骨20から抜き取り(図32(b))、その後、歯科タップTaと、ガイド装着穴20cの形成に用いたサージカルガイドSG1を用いて、インプラント埋込穴20aの内面にねじ溝を形成する。
ここで、歯科タップTaは、インプラント埋込穴20aの内面にねじ溝を形成するためのねじ山が形成されたねじ形成部Ta1と、把持部Ta2とを有し、ねじ形成部Ta1がガイドスリーブGsのガイド穴Ghの内面によってガイドされ、かつガイド穴Gh内に形成されたねじ溝と歯科タップTaのねじ山が螺合するようになっている。
以下、インプラント埋込穴20aにねじ山を形成して歯科インプラントを取り付ける方法について簡単に説明する。
図33(a)に示すように、顎骨20にサージカルガイドSG1を装着した状態で、歯科タップTaをガイドスリーブGsのガイド穴Ghに挿入し、ガイド穴Ghにガイドされる方向に歯科タップTaをねじ込む(図33(b))。これによりインプラント埋込穴20aの内面にねじ山が形成される。
このとき、歯科タップTaとして、ねじ山の高さ異なる複数の歯科タップをねじ山の低いものから順に用いて、インプラント埋込穴20aの内面に所定の高さのねじ山を形成するようにしてもよい。
次に、歯科タップTaを顎骨20から取り外し(図33(c))、さらにサージカルガイドSG1を取り外した後、図34(a)及び図34(b)に示すように、顎骨20に形成されたインプラント埋込穴20aに、実施形態1の歯科インプラントを構成するフィクスチャー100を埋め込む。その後、顎骨20に埋め込んだフィクスチャー110に実施形態1の歯科インプラントのアバットメント120を固定し、さらにアバットメント120に修復物130を取り付ける。
このように本実施形態4の歯科ドリル300を棒状ガイド350とともに用いることにより、棒状ガイド350を顎骨20に固定するガイド装着穴20cは、インプラント埋込穴を顎骨に形成する場合のように深く形成する必要がないことから、ガイド装着穴20cを形成する切削ドリルD1は短くできる。つまり、図30(b)に示すように、ドリルヘッドDh1とサージカルガイドSG1との両方で、長さLb1の部材が口腔内に挿入されるが、サージカルガイドSG1は、実施形態3で用いたものより薄く、またドリルの長さも実施形態3のものに比べて短いので、患者の口の開きを小さくできる。さらには、インプラント埋込穴を歯科ドリル300で切削する際には、実施形態3のように厚いサージカルガイドSGを用いないので、患者の口の開きを、棒状ガイド350の露出部分とドリルヘッドDhとの両方の高さLb2(図31(c))に抑えることができる。さらに、インプラント埋込穴20aのタッピングを行う際には、棒状ガイド350の挿入孔を開けるときに用いたサージカルガイドSG1を用いることで(図33(c)参照)、患者の口の開きを抑えることができる。
従って、ガイド装着穴20cの形成時に患者に大きく口をあけてもらう必要がなくなる。
また、インプラント埋込穴を形成する歯科ドリル300は、円筒体であり、棒状ガイド350を挿入するための貫通穴311を有しているため、顎骨20に固定した棒状ガイド350を歯科ドリル300の貫通穴311に挿入した状態で顎骨20を切削することにより、フィクスチャーを埋め込むインプラント埋込穴を適正な位置と方向に形成することができる。
また、他人の骨をもらってきて埋め込んで自分の骨の代わりに使う場合は、この実施形態4の歯科ドリル300及び棒状ガイド350を用いることにより、顎骨における他人の骨を埋め込んだ部分に、1回の処置で、フィクスチャーを埋め込むインプラント埋込穴を適正な位置と方向に形成することができ、高価な再生医療を失敗なく行うことが可能となる。
なお、上記実施形態4では、歯科ドリルによりインプラント埋込穴を形成した後、インプラント埋込穴を実施形態3と同様に、棒状ガイドのガイド取付穴の形成に用いた歯科ガイドを用いてインプラント埋込穴にタッピングを行う場合を示しているが、インプラント埋込穴のタッピングを行う方法は、実施形態4で説明した方法に限定されるものではない。
また、埋め込むフィクスチャーの構造によっては、インプラント埋込穴にタッピングを行う必要がない場合もあり、このような場合にはインプラント埋込穴の形成後のタッピングは行われない。
(実施形態4の変形例1)
以下、本発明の実施形態4の変形例1として、実施形態4で用いた歯科ドリルより短い歯科ドリル及びその使用方法について説明する。
図35及び図36は、本発明の実施形態4の変形例1による歯科ドリルを用いてインプラント埋込穴を形成する方法を説明する図であり、この方法の主要工程での処理(図35(a)〜図35(c)、図36(a)〜図36(g))を示している。
この実施形態4の変形例1による歯科ドリル300aは、実施形態4で用いた棒状ガイド350を装着するガイド装着穴20cと同程度の深さの切削穴をインプラント埋込穴の一部(以下、インプラント埋込先導穴ともいう。)20dとして形成するものであり、実施形態4で用いた、ガイド装着穴20cより深いインプラント埋込穴を形成する歯科ドリル300より短いものである。
以下、この歯科ドリル300aと棒状ガイド350とを用いてインプラント埋込穴を形成する方法について説明する。
棒状ガイド350を顎骨20に装着するまでの処理は、実施形態4の歯科ドリルを用いる場合と同様に行われる(図35(a)及び図35(b))。
その後、ドリルヘッドDh2のドリルチャックDc2に保持した歯科ドリル300aを、顎骨20に固定した棒状ガイド350が歯科ドリル300aの貫通穴(図示せず)に挿入されるように配置し(図35(c))、歯科ドリル300aを棒状ガイド350に沿って顎骨20の側に移動させる(図36(a))。このように歯科ドリル300aを移動させたとき、実施形態4で説明したように、歯科ドリル300aは棒状ガイド350によりガイドされることにより、顎骨20を歯科インプラントの軸方向に沿って掘り進むこととなる。
続いて、歯科ドリル300aを棒状ガイド350とともに顎骨20から抜き取る(図36(b))。これにより、顎骨20には、棒状ガイド350の軸方向に沿ったインプラント埋込穴20aの一部がインプラント埋込先導穴20dとして形成される(図36(c))。なお、歯科ドリル300aを棒状ガイド350とともに顎骨20から抜き取ったとき、歯科ドリル300aの内径と棒状ガイド350の外径との差によっては、図36(b)に示すように、ガイド装着穴20cの周りに歯科ドリル300aの切削刃により形成された環状切削溝20bが形成された状態となっている場合もある。このような場合は、通常の歯科ドリルを用いてガイド装着穴20cと環状切削溝20bとの間の円筒状残存顎骨を切削してインプラント埋込先導穴20dを形成する(図36(c))。
さらに、切削深さの深い別の中空ドリル300bを用いてインプラント埋込先導穴20dに挿入し(図36(d))、このインプラント埋込先導穴20dの底部を切削する(図36(e))。これにより、インプラント埋込先導穴20dの底面に環状切削溝20d1が形成される(図36(f))。このようにインプラント埋込先導穴20dの底面に環状切削溝20d1が形成された状態で、さらに、通常の歯科ドリル(図示せず)を用いてインプラント埋込先導穴20dを切削することによりインプラント埋込穴20aを形成する(図32(g))。
その後は、実施形態4と同様に、歯科タップTaと、ガイド装着穴20cの形成に用いたサージカルガイドSG1を用いて、インプラント埋込穴20aの内面にねじ溝を形成する。
このように実施形態4の変形例1による歯科ドリル300aを用いることにより、この歯科ドリル300aが実施形態4のものより短い分、患者の口の開き、つまり、棒状ガイド350の露出部分の寸法とドリルヘッド部分の寸法とを合わせた高さを、実施形態4の寸法(Lb2)に比べてより短い寸法(Lb3)(図35(c))に抑えることができる。これにより、より一層、インプラント治療中に患者に口を開けてもらう負担を軽減することができる。
なお、上記実施形態4の変形例1では、棒状ガイドとともに用いる歯科ドリルの長さを短くすることとで、患者が口を開ける負担を軽減しているが、以下にさらに、実施形態4の変形例2として、患者が口を開ける負担を軽減するための歯科ドリルの他の構造について説明する。
(実施形態4の変形例2)
図37は、本発明の実施形態4の変形例2による歯科ドリルを説明する図であり、この歯科ドリル及びその棒状ガイド(図37(a))、図37(a)のXa−Xa線断面(図37(d))、歯科ドリルを棒状ガイドに係合させる方法(図37(b)、(c))、図37(b)のXb−Xb線断面(図37(e))、及び図37(c)のXc−Xc線断面(図37(f))を示している。
この実施形態4の変形例2による歯科ドリル500は、実施形態4あるいはその変形例1の歯科ドリル300(図32)あるいは300a(図36)と同様に、顎骨に取り付けた棒状ガイド450にガイドされてインプラント埋込穴20a(図32(b)参照)あるいはインプラント埋込先導穴20d(図36(c)参照)を形成するものである。また、棒状ガイド450は、実施形態4(あるいはその変形例1)の歯科ドリル300(あるいは歯科ドリル300a)のガイドとして用いた棒状ガイド350(図31、図35参照)と実質的に同一のものであり、顎骨に埋め込まれる埋込部分(脚部)452と、この埋込部452と一体に形成され、歯科ドリル500をガイドするガイド部分(頭部)451とを有している(図37参照)。
ここで、歯科ドリル500は、図37に示すように、顎骨20を切削するドリル本体510と、ドリル本体510を支持するドリル支持部520とを有している。このドリル支持部520は、実施形態4あるいはその変形例1の歯科ドリルと同様にドリルヘッドDh3に装着される部分である。
また、ドリル本体510は、棒状ガイド450を挿入するための貫通穴510a(図37(d)参照)を有し、貫通穴510aに棒状ガイド450が挿入された状態で回転可能にかつ棒状ガイド450に沿って移動可能に構成されている。このドリル本体510の回転と顎骨20への侵入とにより顎骨20が切削されることによりインプラント埋込穴20a(図32(b)参照)あるいはインプラント埋込先導穴(図36(c)参照)20dが形成される。
この歯科ドリル500のドリル本体510は円筒体であり、実施形態4などのドリル本体310と同様に、円筒体510の一方の端部の周縁に沿って切削刃512が形成されている。また、ドリル本体510の側壁(外周面)510bには、螺旋突条514が形成されており、インプラント埋込穴20aあるいはインプラント埋込先導穴20dの形成時に顎骨20の切削により生じた切削屑が、隣接する螺旋突条514の間の領域、つまり螺旋溝から排出される。さらに、円筒体であるドリル本体510の側壁510bには、図37に示すように、生理食塩水等を切削部分に注入するための注水孔513が複数個形成されていてもよい。
さらに、ドリル本体510は、顎骨に固定された棒状ガイド450がドリル本体510の側壁510bを通り抜けるように側壁510bの下端部に形成された切込み部511を有する。この切込み部511は、切削刃512が形成されたドリル本体510の先端からドリル支持部520の側に向かって、棒状ガイド450のガイド部分451が通過できる程度の幅で形成されている。つまり、この切込み部511の幅は、棒状ガイド450のガイド部分451の幅と同程度とし、また切込み部511の高さ(ドリルの回転軸に沿った方向の寸法)は、棒状ガイド450のガイド部分451の長さと実質的に一致した寸法としている。
このような構成の実施形態4の変形例2による歯科ドリル500では、図37(c)、(f)に示すように、ドリル本体510を棒状ガイド450のガイド部分451がドリル本体510の貫通穴510a内に位置するように配置する際には、図37(b)、(e)に示すように、ドリルヘッドDh3に装着した歯科ドリル500を、その先端を顎骨20に沿わせて平行移動させるだけで、顎骨20に装着されている棒状ガイド450のガイド部分(頭部)451が相対的に歯科ドリル500の切込み部511を通過して歯科ドリル500の貫通穴510a内に侵入することとなる。
このため、歯科ドリル500を口腔内に挿入した状態で歯科ドリル500を棒状ガイド450に装着するときでも、歯科ドリル500を装着したドリルヘッドDh3を、歯科ドリル500の先端と棒状ガイド450のガイド部分451との干渉を避けるために、ガイド部分451の高さ分だけ持ち上げる必要がない。言い換えると、歯科ドリル500に切込み部511を設けることにより、歯科ドリル500を棒状ガイド450に装着するときに、口腔内に棒状ガイド450のガイド部分451の長さに相当するスペースを確保する必要がなくなる。これにより、インプラント治療中に口を大きく開けなければならない患者の負担を実施形態4あるいはその変形例1の歯科ドリルに比べてより一層軽減することができ、特に、確保可能な空間の寸法が限られてくる口腔内の奥深くに位置する部分をインプラント埋込穴の対象部位とする場合には、その優位性が際立ったものとなる。
以上説明したように、本発明は、フィクスチャーを埋め込むインプラント埋込穴を適正な位置と方向に形成することができ、しかもインプラント埋込穴の形成の際に、患者に口を大きく開けてもらう必要をなくすための歯科ドリルを得ることができる。
なお、上記変形例どうしを適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。
また、本発明は、上記の実施形態に何ら限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々に変形して実施し得ることは勿論である。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、アバットメント、フィクスチャー、歯科インプラント用セット、歯科タップ、歯科ガイド、歯科タップセット、および歯科ドリルの分野において、インプラント治療の作業性および安全性を高め、インプラント治療時の患者の負担を軽減することができ、インプラント治療の作業性および安全性を高め、インプラント治療時の患者の負担を軽減するための歯科インプラントおよび歯科用器具を提供するものである。
特に、本発明に係る歯科インプラント用セットを用いることにより、フィクスチャーからアバットメントを取り外す作業を、患者に口を大きく開けさせることなく、しかも、外れ落ちたアバットメントの誤飲や誤嚥の発生を抑えつつ簡単に行うことができる。
また、本発明に係る歯科ドリルを用いることにより、フィクスチャーを埋め込むインプラント埋込穴を適正な位置と方向に形成することができ、しかもインプラント埋込穴の形成の際に、患者に口を大きく開けてもらう必要をなくすことができる。
さらに、本発明に係る歯科タップセットを用いることにより、硬さが不均一な顎骨にフィクスチャーを位置ずれなくねじ込むことができる。
従って、本発明は、虫歯や歯周病などで失った天然の歯の代わりに、天然の歯と遜色のない見た目と機能を備えた人工の歯を再生するインプラント治療を、患者への負担の少ないものとすることができる歯科インプラントおよび歯科用器具に関する技術を提供するものである。
20 顎骨(歯槽骨)
20a インプラント埋込穴
20a1 ねじ溝
21 歯肉
31 上顎歯槽骨
32 粘膜
33 上顎洞
34、34a 皮質骨
35 タップ下穴(インプラント埋込穴)
36 上顎洞粘膜(ジュナイダー膜)
37 人工骨
80 リムーバ装置
80a 装置本体
80b アーム部
80c 嵌合解除棒(リムーバ)
81a 嵌合解除ロッド
81a1 ロッド先端部
81a2 ロッド本体部
100、200 歯科インプラント
110、110a、210 フィクスチャー
112 フィクスチャー頭部
112a 円錐台部(アウターテーパ部)
112b 六角柱部
112b1 フィクスチャー頭部上面(六角柱部の上面)
113 ICチップ
114 外周面
120、120b、1000 アバットメント
121、1121 嵌合凹部
121a 円形溝部(インナーテーパ部)
121b 六角溝部
121c 嵌合凹部側壁
123 縦穴
125 内周面
129 器具挿入穴(横穴)
129b1 開口部
129b2 奥部
130 人工歯牙(修復物)
200s 歯科インプラントセット
210a 既設フィクスチャー
220 アバットメント
220a 既設アバットメント
230 人工歯牙(修復物)
240 ステント
241 挿入穴
242 凹状部
250 固定用ピン
260 ドリル
300、500 歯科ドリル
310、510 ドリル本体
311,510a 貫通穴
313、512 切削刃
310a 外周面
312、514 螺旋突条
320、520 ドリル支持部
350、450 棒状ガイド
351、451 ガイド部分
352、452 埋込部分
410、410a、410b、410c、410d 歯科タップ
411 タップ本体
411a ねじ山(雄ねじ)
411b スパイラル状溝
412 タップ把持部
413、413a、413b、413c、413d 切開部
420 歯科ガイド
420a ガイド穴
421 ねじ溝
511 切込み部
513 注水孔
1120 アバットメント部
1130 連結部
D1 切削ドリル
D4 歯科ドリル
Dc ドリルチャック
Dh、Dh1〜Dh3 ドリルヘッド
Gh ガイド穴
Gs ガイドスリーブ
S 隙間
SG ガイド部材(サージカルガイド)
Ta 歯科タップ

Claims (22)

  1. 歯科インプラントのためのアバットメントであって、
    顎骨と結合するように構成されたフィクスチャーの頭部と嵌合する嵌合凹部を有し、
    該フィクスチャーの該頭部の上面と該嵌合凹部の底面との間に隙間が形成されるように該フィクスチャーの該頭部が該嵌合凹部に嵌合したとき、該フィクスチャーの該頭部の外側面と該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該フィクスチャーの該頭部が該嵌合凹部に固定され、
    該嵌合凹部の側壁には、該摩擦力による該嵌合凹部と該フィクスチャーの該頭部との固定を解除する器具を該隙間に挿入するための器具挿入穴が形成されている、アバットメント。
  2. 前記嵌合凹部は、前記器具挿入穴から前記嵌合凹部内に入り込んだ物が前記顎骨の側に漏れ出さないように、該嵌合凹部の内側面の少なくとも一部を前記フィクスチャーの頭部の外側面に密着させた構造を有する、請求項1に記載のアバットメント。
  3. 前記フィクスチャーの頭部が前記嵌合凹部に嵌合したとき、前記フィクスチャーに対する前記アバットメントの回転が規制されるように、該嵌合凹部は、該フィクスチャーの該頭部の形状に合わせた形状を有する、請求項1または請求項2に記載のアバットメント。
  4. 前記嵌合凹部の内側面は、前記フィクスチャーの前記頭部の外側面に合うように該嵌合凹部に対する該フィクスチャーの該頭部の挿入方向に対して傾斜させられている、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のアバットメント。
  5. 歯科インプラントのためのアバットメントであって、
    顎骨と結合するように構成された複数のフィクスチャーの頭部と嵌合する複数の嵌合凹部を有し、
    該複数の嵌合凹部のうちの隣接する嵌合凹部同士は連結部により連結されており、
    該複数の嵌合凹部の各々の底面と、対応するフィクスチャーの該頭部の上面との間に隙間が形成されるように該複数の嵌合凹部の各々に、対応する該フィクスチャーの該頭部が嵌合したとき、該複数のフィクスチャーの各々の該頭部の外側面と、対応する該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該複数のフィクスチャーの各々の頭部が、対応する該嵌合凹部に固定され、
    該複数の嵌合凹部の少なくとも1つの側壁には、該摩擦力による該嵌合凹部と該フィクスチャーの該頭部との固定を解除する器具を該隙間に挿入するための器具挿入穴が形成されている、アバットメント。
  6. 前記嵌合凹部は、
    該嵌合凹部に前記フィクスチャーの前記頭部が挿入されたとき、該嵌合凹部の内側面の開口側の端部以外の部分と、該フィクスチャーの頭部の外側面との間に隙間ができるように構成されている、請求項5に記載のアバットメント。
  7. 歯科インプラントのためのフィクスチャーであって、
    顎骨に埋め込まれる埋設部と、
    人工歯牙を支持するアバットメントを固定するための頭部と
    を備え、
    該アバットメントは、該頭部と嵌合する嵌合凹部であって、該嵌合凹部の側壁に器具を挿入するための器具挿入穴が形成された嵌合凹部を有し、
    該頭部の上面と該アバットメントの該嵌合凹部の底面との間に隙間が形成されるように該頭部が該アバットメントの嵌合凹部に嵌合したとき、該頭部の外側面と該アバットメントの該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該頭部が該アバットメントの該嵌合凹部に固定される、フィクスチャー。
  8. 前記フィクスチャーは、
    前記頭部を構成する第1の部品と、前記埋設部を構成する第2の部品との2部品から構成されており、
    該第1の部品に形成した雄ねじ部を、該第2の部品に形成した雌ねじ部に螺合することにより、該頭部と該埋設部とが締結されるように構成されている、請求項7に記載のフィクスチャー。
  9. 前記頭部は、前記歯科インプラントの履歴に関連するデータを格納したICチップを含む、請求項7または請求項8に記載のフィクスチャー。
  10. 顎骨と結合するように構成されたフィクスチャーと、人工歯牙を支持するアバットメントとを含む歯科インプラント用セットであって、
    該フィクスチャーは、該顎骨に埋め込まれる埋設部と、該アバットメントを固定するための頭部とを有し、
    該アバットメントは、該フィクスチャーの該頭部と嵌合する嵌合凹部を有し、
    該フィクスチャーの頭部の上面と該アバットメントの該嵌合凹部の底面との間に隙間が形成されるように該フィクスチャーの該頭部が該アバットメントの該嵌合凹部に嵌合したとき、該フィクスチャーの該頭部の外側面と該アバットメントの該嵌合凹部の内側面との間に生ずる摩擦力により該フィクスチャーの該頭部が該アバットメントの該嵌合凹部に固定され、
    該アバットメントの該嵌合凹部の側壁には、該摩擦力による該アバットメントの該嵌合凹部と該フィクスチャーの該頭部との固定を解除する器具を該隙間に挿入するための器具挿入穴が形成されている、歯科インプラント用セット。
  11. 前記アバットメントは、前記顎骨に埋め込まれた既設のフィクスチャーの頭部に、既設のアバットメントに代えて取り付けられる規格化されたアバットメントであり、
    前記フィクスチャーは、該規格化されたアバットメントが固定される規格化されたフィクスチャーであり、
    前記歯科インプラント用セットは、
    該規格化されたアバットメントに嵌合する凹状部を有するステントと、
    該ステントを該規格化されたアバットメントに固定する固定用ピンと
    をさらに備え、
    該ステントは、該既設のフィクスチャーに取り付けた該規格化されたアバットメントに該ステントの凹状部が嵌合したときの姿勢が、該既設のフィクスチャーに代わる、該規格化されたフィクスチャーの方向を規定するように構成されている、請求項10に記載の歯科インプラント用セット。
  12. 前記固定用ピンは、前記フィクスチャーおよび該フィクスチャーの頭部に固定された前記アバットメントそれぞれに挿通される、請求項11に記載の歯科インプラント用セット。
  13. 歯科ドリルと該歯科ドリルのガイド部材とを用いて顎骨に形成した歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴にねじ溝を形成するための歯科タップであって、
    該インプラント埋込穴にねじ溝が形成されるように該インプラント埋込穴にねじ込まれるタップ本体と、
    該タップ本体の一端に設けられたタップ把持部と
    を有し、
    該ガイド部材は、該歯科ドリルをガイドするドリルガイド穴を有し、該ドリルガイド穴の内面にはねじ溝が形成されており、
    該タップ本体の外周面には、該インプラント埋込穴に該ねじ溝を形成するためのねじ山が、該ガイド部材の該ドリルガイド穴の内面に形成されたねじ溝と螺合するように形成されている、歯科タップ。
  14. 前記タップ本体の他端には、前記顎骨を構成する皮質骨を切り抜くための切開部が形成されている、請求項13に記載の歯科タップ。
  15. 歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴を歯科ドリルで形成する際に該歯科ドリルのガイド部材として用いられ、該インプラント埋込穴にねじ山を歯科タップにより形成する際に該歯科タップのガイド部材として用いられる歯科ガイドであって、
    該歯科ドリル及び該歯科タップをガイドするガイド穴を有し、
    該ガイド穴の内面には、該歯科タップの外周面に形成された、該インプラント埋込穴にねじ溝を形成するためのねじ山に螺合するようにねじ溝が形成されている、歯科ガイド。
  16. 歯科タップと歯科ガイドとを含み、顎骨に形成した歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴にねじ溝を形成するための歯科タップセットであって、
    該歯科タップは、該インプラント埋込穴にねじ溝が形成されるように該インプラント埋込穴にねじ込まれるタップ本体と、該タップ本体の一端に設けられたタップ把持部とを有し、該タップ本体の外周面には、該インプラント埋込穴に該ねじ溝を形成するためのねじ山が形成されており、
    該歯科ガイドは、該インプラント埋込穴を歯科ドリルで形成する際に該歯科ドリルのガイド部材として用いられ、該インプラント埋込穴にねじ山を該歯科タップにより形成する際に該歯科タップのガイド部材として用いられるものであって、該歯科ドリル及び該歯科タップをガイドするガイド穴を有しており、
    該ガイド穴の内面には、該タップ本体の外周面に形成されたねじ山に螺合するようにねじ溝が形成されている、歯科タップセット。
  17. 前記歯科タップセットは、前記歯科タップを複数個含み、該複数個の歯科タップの各々のタップ本体に形成されたねじ山の高さは異なり、該複数の歯科タップのうちの一部の歯科タップのみ、該タップ本体の他端に形成された、前記顎骨を構成する皮質骨を切り抜くための切開部を有している、請求項16に記載の歯科タップセット。
  18. 歯科インプラントを埋め込むためのインプラント埋込穴を顎骨に形成するための歯科ドリルであって、
    該顎骨を切削するドリル本体と、
    該ドリル本体を支持するドリル支持部と
    を有し、
    該ドリル本体は、
    棒状ガイドを挿入するための貫通穴を有し、該貫通穴に該棒状ガイドが挿入された状態で回転可能にかつ該棒状ガイドに沿って移動可能に構成されており、
    該ドリル本体の回転と該顎骨への侵入とにより該顎骨が切削されることにより該インプラント埋込穴が形成される、歯科ドリル。
  19. 前記ドリル本体は、前記顎骨に固定された前記棒状ガイドが該ドリル本体の側壁を通り抜けるように該側壁の下端部に形成された切込み部を有する、請求項18に記載の歯科ドリル。
  20. 前記顎骨は、他人の骨を埋め込んだ再生部分を含み、
    該再生部分に固定された前記棒状ガイドが前記ドリル本体の前記貫通穴に挿入された状態で、該ドリル本体により該再生部分が切削されることにより、該再生部分に前記インプラント埋込穴が形成される、請求項18または請求項19に記載の歯科ドリル。
  21. 前記ドリル本体の外周面には螺旋溝が形成されており、前記インプラント埋込穴の形成時に前記顎骨の切削により生じた切削屑が該螺旋溝から排出される、請求項18から請求項20のいずれか1項に記載の歯科ドリル。
  22. 前記ドリル本体は円筒体であり、該円筒体の一方の端部の周縁に沿って切削刃が形成されている、請求項18から請求項21のいずれか1項に記載の歯科ドリル。
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