JP2014190302A - 小水力駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 課題は、都市部においては大量に下水設備を経て浄水場に送られ、一部は上水として再利用されているが動力としては利用されていない集合住宅や商業ビルや傾斜地の戸建て団地などの排水や雨水や、水量や落差の少ない小川などの水を、無為に廃棄するのではなく動力源として使用し定常的な動力として駆動装置を駆動させることである。
【解決手段】 集合住宅や商業ビルや傾斜地の戸建て団地などの排水や雨水や、水量や落差の少ない小川などの水を一旦水溜めタンクに連続的に溜める手段を用意する。水溜めタンクの内部にフロートタンクを挿入し、水溜めと排水をコントロールしてフロートタンクを動かし、動力として取り出す。
【選択図】 図1

Description

本発明は、排水や雨水等の小水力を動力源とする駆動装置に関する。
一般に居住施設において、生活用水として上水道から供給される水は、主として調理用や洗濯用、或いは風呂水や水洗トイレなどに使用される。飲料水として人体やペットなどに取り込む水や植栽に与えて蒸発する水もあるがこれらはほんの僅かであって、全体の生活用水から見れば仮にそれを5%と見ても少な過ぎるということはない。つまり、上水道から供給される水の大部分は排水として下水に放流されている。
平均的に、成人一人あたりの1日に必要な生活用水は200リットルから400リットルと言われている。仮に一人あたりの1日に必要な生活用水を300リットルとすると、1軒では僅かであるが、複数の世帯が共同の排水ラインを使う環境、例えば、100世帯300人規模の集合住宅の総用水量は約90トンとなり、前述のとおり、ほとんど90トンが個別の集合住宅ごとに毎日排水として下水に放流されている。
中規模の集合住宅1棟においてさえこの量の排水が、都市部においては大量に下水設備を経て浄水場に送られ、一部は上水として再利用されているが、質としての水の再利用は技術的に確立されてはいても、動力としての排水の利用は少なくとも中規模以下の集合住宅毎になされている事例は極めて少ない。ちなみに、広島市や仙台市クラスの都市で、分譲マンションの数は約7万棟といわれており、それに商業ビルも含めると、全国では膨大な資源が無為に廃棄されているのが現状である。また、マンションなどの集合住宅に準じ複数の世帯が共同の排水ラインを使う環境としては、傾斜地に建てられた戸建て団地の排水も対象となる。
不定期ではあるが、集合住宅や商業ビルの屋上に降る雨や雪などの降水もまた下水に流し、無為に廃棄しているため、これらの降水や、水量や落差の少ない小川などの水も含めて「利用可能水」ということにするが、「利用可能水」の比重は水の比重に極めて近く、質的には多少の不純物が含まれていても本発明には影響はないので、以下、「水」という表記も「利用可能水」の意味とする。このような小水力を利用する「マイクロ水力発電」と呼ばれる方法もあるが、ほとんどが水車式で、ある程度の水の落差や流速を必要とし、しかも出力が小さく、小水力を確実に駆動エネルギーに変換する技術は、これまで強く切望されていたが有効な手段は無かった。
特開2012−193730号公報
特開2013−024190号公報
課題は、都市部においては大量に下水設備を経て浄水場に送られ、一部は上水として再利用されているが動力としては利用されていない集合住宅や商業ビルや傾斜地の戸建て団地などの排水や雨水や、水量や落差の少ない小川などの水などを含む「利用可能水」を、無為に廃棄するのではなく動力源として使用することである。
集合住宅や商業ビルや傾斜地の戸建て団地などから排出される「利用可能水」を動力源として利用する場合の問題は、これらの施設では単位時間における流量にムラがあり、いわゆる「マイクロ水力発電」のように、通常の水車型やプロペラ型の水力駆動装置を使用しても動力としては水量と落差が不十分で、効率が非常に悪く実用的ではない。そこで本発明では、通常の水車型やプロペラ型の水力駆動装置を使用するのではなく、「利用可能水」を効率的に利用し、定常的な動力として駆動装置を駆動させることを課題とする。
「利用可能水」を「マイクロ水力発電」のように直接に水車型やプロペラ型の機構の動力源として使用するのではなく、「水」を一旦水溜めタンクに溜める手段を用意する。水溜めタンクの内部には、「水」に対して容積比重量が小さい、つまり「水」に浮かぶフロートタンクが挿入されていて、水溜めタンクの排水を止め、持続的に溜まる「水」による浮力でフロートタンクを浮かせ、次に排水制御手段により「水」を排水させて重力によりフロートタンクを下降させ、再び排水制御手段により排水を止め、水溜めタンクに持続的に流入して溜まる「水」による浮力でフロートタンクを浮かせるという、フロートタンクの繰り返し上下運動の手段を構成し、この上下運動によって課題を解決する。
前段落で述べる解決手段は、一定の容器に水を溜め、その水がある量に達すると天秤系の一方が重くなってバランスが変わり天秤系を半回転させる、という古来より日本の庭園などで見かける「ししおどし」をイメージさせる。その原理は力学では「連続弛緩運動」として知られており、供給される自然流水が尽きるまで極めて長時間にわたり半回転しては音を発する仕掛けである。
本発明は、この「連続弛緩運動」の原理を応用したものであって、「ししおどし」とは異なるが、イメージで言えば、動力源の「自然流水」ではなく「利用可能水」を用い、「竹筒」ではなく「タンク装置」を用い、獣を驚かして退散させる「コーンという音のエネルギー」ではなく「駆動力エネルギー」を得ることができるという、従来にはない新規性と実用性と進歩性を持つ発明である。
古来から存在する仕掛けの類をこれまで動力源に使うことができなかった理由は、小規模の設備では得られる動力が微弱であり、一方、もしも大規模にすることを考えた場合、それに見合う水量が必要となり、仮に水量を確保できるのであれば、むしろ既存技術である「水車式駆動装置」などのほうが効率的であるというものであった。
本発明においては、「マイクロ水力発電」のように「水車型やプロペラ型の機構」を使うのではなく、「連続弛緩運動」の原理に従い、持続的に供給される「水」と、フロートタンクに働く浮力と重力をコントロールして構成するものであって、「利用可能水」という現代の自然流水をおおいに利用するものである。
本発明によれば、身近にある「利用可能水」を無為に廃棄するのではなく、動力源として使用することにより廃物資源を有効に使うことができる。「利用可能水」を、「マイクロ水力発電」のように直接に水車型やプロペラ型の機構の動力源として使用するのではなく、本発明の、大きな落差を必要とせず小水力で駆動させる手段を特徴とする装置により実用可能なエネルギーに変換して、油圧モーターを駆動させ、発電や蓄電を行えば、集合住宅での非常用電源や、災害地での無燃料発電装置として活用できるなどという極めて有用な効果がある。
本発明の水溜めタンクの矢視図である。 実施例1のフロートタンクと「ピストン構造部」と「水栓構造部」の矢視図である。 実施例1の構造システム図及び説明断面図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例1の説明断面図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の説明断面図である。 実施例2の接点付フロートタンクの矢視図である。 実施例2の制御フローの説明図である。 実施例2の説明グラフ1である。 実施例2の説明グラフ2である。
本段落から段落番号(0022)までは第1の形態を説明する。支脚(14)で支持された、「水」を持続的に溜めることができる水溜めタンク(11)を図1に示す。水溜めタンク(11)の内部には、図2に示すフロートタンク(20)が組み込まれていて、フロートタンク(20)上部にピストンロッド支え(21)を固定し、ピストンロッド支え(21)にピストンロッド(22)がピンジョイント(27)で連結されている。ピストンロッド(22)にはプランジャー(23)が連結されている。ピストンロッド支え(21)とピストンロッド(22)とプランジャー(23)とが連結されている構造部を「ピストン構造部」ということにする。「ピストン構造部」は水溜めタンク(11)に接触せずに上下運動をすることが出来る。
図2の左側のF1と右側のF2は同じフロートタンク(20)の説明図である。フロートタンク(20)には中央部分に垂直方向の貫通孔が設けられているが、フロートタンク(20)は水密構造であって当該貫通孔から流体などがタンク内に浸入することはない。フロートタンク(20)の貫通孔に、フロート水栓(26)と水栓ロッド(25)と水栓フック(24)とが一体になった構造部を組み込んでいる。図2の水栓ロッド(25)の長さはフロートタンク(20)の高さより長く取り、フロートタンク(20)の貫通孔内を上下に動けるようになっている。この、フロート水栓(26)と水栓ロッド(25)と水栓フック(24)との一体構造部を「水栓構造部」ということにする。図2のF1は「水栓構造部」が上方に移動しフロート水栓(26)がフロートタンク(20)下部に接触している状態を示し、図2のF2は「水栓構造部」が下方に移動しフロート水栓(26)がフロートタンク(20)下部から離れている状態を示している。
図2のフロートタンク(20)と「ピストン構造部」と「水栓構造部」を水溜めタンク(11)の内部に組み込んだ状態を示す図1の断面図を、一部を省略して図3から図8までの図中に使用する。フロートタンク(20)は「水」に対して容積比重量が小さい、つまり「水」に浮かぶ構造である。図3のフロートタンク(20)に「丸に横棒」の印で喫水線(44)の位置を示すが、喫水線(44)とは船舶などの重量と浮力が釣り合う位置であって、フロートタンク(20)の容積、重量及び形状と「水」の比重が変わらない限り、一般的にはフロートタンク(20)側面の定位置にあるものである。図1及び図3から図9までの図に示すように、水溜めタンク(11)にはフロートタンク(20)の上下運動を妨げない位置に流入水口(12)が設けられているが、水溜めタンク(11)と流入水口(12)との隔壁には開口部があり、流入水口(12)から入った「水」は滞りなく水溜めタンク(11)に移動できる。
図3から図9までの図に示すように、水溜めタンク(11)の底部には水溜めタンク(11)に溜められる「水」を排水することができる排出水口(13)が設けられている。排出水口(13)の開口部はフロート水栓(26)との接触面よりも小さく、フロート水栓(26)が塞げば水溜めタンク(11)から「水」が漏れない構造とする。フロート水栓(26)が排出水口(13)を塞ぐことができさえすれば、排出水口(13)は、必ずしも水溜めタンク(11)の底の中央部に単数のみ設けられなければならないとは限らない。水溜めタンク(11)に接続した流入水口(12)は、図は省略するが、上流の集合住宅や商業ビルや商業ビルや傾斜地の戸建て団地の各戸から集中されている排水管ラインなどの設備に接続されていて、一方、排出水口(13)は浄化槽や下水道など下流設備に接続されていてもよい。水溜めタンク(11)は立方形状でも円柱形状でも、タンクとして有効なその他の形状でもよいが、壁面から底部の排出水口(13)に向かって下り傾斜を付け、内部の「水」が排出水口(13)に向かって流れ易くなる構造であることが望ましい。フロートタンク(20)の形状は立方形状でも円柱形状でも、タンクとして有効なその他の形状でも良いが、水溜めタンク(11)の内部に挿入できる大きさで、場合によっては水溜めタンク(11)の内壁とフロートタンク(20)の外殻との間に摩擦を軽減するためのガイドローラー等を取り付けてもよい。「水栓構造部」の一部であるフロート水栓(26)もまた「水」に対して容積比重量が小さい、つまり「水」に浮かぶ構造になっていて、しかも、「水栓構造部」の合計重量よりも水による浮力が大になるように構成されている。また、フロートタンク(20)は必ずしも中空体でなく、比重が1より小さい物質で構成される固体でも良い。
図3から図5までの図のように、「水栓構造部」の一部であるフロート水栓(26)が水溜めタンク(11)の底に着いているときはフロート水栓(26)が水溜めタンク(11)底部の排出水口(13)を塞ぐことができるし、図6から図8までの図のようにフロートタンク(20)が水溜めタンク(11)の底を離れ、「水栓構造部」を持ち上げてフロート水栓(26)が水溜めタンク(11)の底を離れたときには排出水口(13)を開くことができる。フロート水栓(26)の形状は、下面側は排出水口(13)に密着できる形状であり、上面側はフロート水栓(26)が浮かび上がるときに「水」の抵抗を少なくできる形状、例えば図2に示すような上下紡錘型の算盤玉形状などが望ましいが、或いは図9に示すような球状フロート水栓(62)も効果がある。また、水栓ロッド(25)に代えて図9に示す水栓鎖(61)やワイヤーなど柔軟な引っ張り具をフロートタンク(20)に固定させて使用した場合でも、フロート水栓(26)が水溜めタンク(11)に着底或いは離底するときに水栓鎖(61)が伸延したり収縮したりすることができるので、前述水栓ロッド(25)の上下運動と同様の効果がある。
図4に示すように、フロート水栓(26)が排出水口(13)を塞いだ状態で、流入水口(12)より流入する「水」が水溜めタンク(11)に溜まり始めると、「水栓構造部」に働く浮力よりも溜まる水の水圧が勝ってフロート水栓(26)を排出水口(13)に押し付けて塞ぎ、「水」の排出は遮断されたままである。「水」が水溜めタンク(11)に溜まり続け、水面(42)がフロートタンク(20)の喫水線(44)に達するとフロートタンク(20)が浮き上がり始めるが、水栓ロッド(25)の長さをフロートタンク(20)の高さより長く形成しているため、水面(42)が低い間はフロートタンク(20)は水栓フック(24)に当たらない。しかし、水かさが増えて、図5のようにフロートタンク(20)がさらに上昇すると、フロートタンク(20)が水栓フック(24)に衝突し、水栓フック(24)を押し上げるように上方への力が働く。さらに水かさが増えてフロートタンク(20)が上昇し、上方への浮力が貯まってフロート水栓(26)を排出水口(13)に押し付けている水圧に勝ると、図6のように「水栓構造部」は浮き上がり、フロート水栓(26)は排出水口(13)から離れて排出水口(13)が開き、水溜めタンク(11)から「水」が排出されるという形態を構成する。
本段落から段落番号(0029)までは、第2の形態を説明する。支脚(14)で支持された、「水」を持続的に溜めることができる水溜めタンク(11)を図1に示す。水溜めタンク(11)の内部には、第1の形態で説明した図2のフロートタンク(20)に代えて、図16に示す接点付フロートタンク(28)が組み込まれていて、接点付フロートタンク(28)上部にピストンロッド(22)がピンジョイント(27)で連結されている。ピストンロッド(22)にはプランジャー(23)が連結され、水溜めタンク(11)に接触せずに上下運動をすることが出来る。ピストンロッド(22)とプランジャー(23)とが連結されている構造部を「固定ピストン構造部」ということにする。
図16に示す本形態の接点付フロートタンク(28)には第1の形態で述べた「水栓構造部」に相当する部分は無く、中央部分の貫通孔も無く、接点付フロートタンク(28)の底部には水溜めタンク(11)の底の排出水口(13)を確実に塞ぐ水密のためのパッキン(29)が貼り付けられている。また、接点付フロートタンク(28)の側面には、図16に示すように、上部タンク接点(53)と下部タンク接点(54)が設けられている。
図16の接点付フロートタンク(28)と「固定ピストン構造部」を、図1の水溜めタンク(11)の内部に組み込んだ状態を示す断面図を、一部を省略して図10から図15までの図中に使用する。接点付フロートタンク(28)は「水」に対して容積比重量が小さい、つまり「水」に浮かぶ構造である。図10の接点付フロートタンク(28)に「丸に横棒」の印で喫水線(44)の位置を示すが、喫水線(44)とは船舶などの重量と浮力が釣り合う位置であって、接点付フロートタンク(28)の容積、重量及び形状と「水」の比重が変わらない限り接点付フロートタンク(28)の定位置にあるものである。図1及び図10から図15までの図に示すように、水溜めタンク(11)には接点付フロートタンク(28)の上下運動を妨げない位置に流入水口(12)が設けられているが、水溜めタンク(11)と流入水口(12)との隔壁には開口部があり、流入水口(12)から入った「水」は滞りなく水溜めタンク(11)に移動できる。
図10から図15までの図に示すように、水溜めタンク(11)の底部には水溜めタンク(11)に溜まる「水」を排水することができる排出水口(13)が設けられ、排出水口(13)には排水用電磁バルブ(65)が接続されていて、排出水(43)は排水用電磁バルブ(65)を通過して排出することができる。また、排出水口(13)の開口部は、パッキン(29)部分を挟んで接点付フロートタンク(28)の底部が塞いだ場合でも水溜めタンク(11)から水が漏れない構造とする。排出水口(13)と排水用電磁バルブ(65)は、必ずしも水溜めタンク(11)の底の中央部に各々単数のみ設けられなければならないとは限らない。図10から図13までの図では排水用電磁バルブ(65)が弁閉鎖状態となっていて排水を遮断することができる形態であることを示し、図14及び図15では排水用電磁バルブ(65)が弁開放状態となっていて「水」を排水することができる形態であることを示す。
図10から図15までの図に示すように、流入水調整タンク(63)から流入水用電磁バルブ(64)を経由し、水溜めタンク(11)の流入水口(12)に「水」が供給される構造を形成する。流入水調整タンク(63)は、図は省略するが、上流の集合住宅や商業ビルや商業ビルや傾斜地の戸建て団地の各戸から集中されている排水管ラインなどの設備に接続されていて、一方、排出水口(13)は浄化槽や下水道など下流設備に接続されていてもよい。図11から図13までの図では、流入水用電磁バルブ(64)が弁開放状態になっていて「水」が流入水口(12)に送られることを示し、図14及び図15では、流入水用電磁バルブ(64)が弁閉鎖状態になっていて「水」を遮断している形態であることを示す。水溜めタンク(11)は立方形状でも円柱形状でも、タンクとして有効なその他の形状でもよいが、壁面から底部の排出水口(13)に向かって下り傾斜を付け、内部の「水」が排出水口(13)に向かって流れ易くなる構造であることが望ましい。接点付フロートタンク(28)の形状は立方形状でも円柱形状でも、タンクとして有効なその他の形状でも良いが、水溜めタンク(11)の内部に挿入できる大きさで、場合によっては水溜めタンク(11)の内壁と接点付フロートタンク(28)の外殻との間に摩擦を軽減するためのガイドローラー等を取り付けてもよい。また、接点付フロートタンク(28)は必ずしも中空体でなく、比重が1より小さい物質で構成される固体でも良い。流入水調整タンク(63)には「利用可能水」から固形物や異物などを漉し取るストレーナーやフィルターなどを組み込んで下流の詰まりなどを防止することもできる。
本発明の装置は図10から図15までの図に示す制御部(41)によって電子的に制御される。装置の制御フローを示す図17において、(V1)は排水用電磁バルブ(65)、(V2)は流入水用電磁バルブ(64)、(F)は接点付フロートタンク(28)の上部タンク接点(53)と下部タンク接点(54)が上限リミッタースイッチ(51)と下限リミッタースイッチ(52)に接触又は影響する機構部と、上限リミッタースイッチ(51)と下限リミッタースイッチ(52)から送られる信号によって本発明の装置を電子的に制御する制御部(41)とで構成される制御機構部である。場合によっては、上部タンク接点(53)や下部タンク接点(54)や上限リミッタースイッチ(51)や下限リミッタースイッチ(52)を設けず、接点付フロートタンク(28)の位置を感知し、そのデータを制御部(41)に送る手段を用いても良い。(P)は電源であって、電源は制御部(41)と流入水用電磁バルブ(64)と排水用電磁バルブ(65)などを動かすのに必要な小電力を供給できれば足りる。
図10から図15までの図に示すように、水溜めタンク(11)の側面の一部に、上限リミッタースイッチ(51)と下限リミッタースイッチ(52)を取り付け、図16の接点付フロートタンク(28)側面の上部タンク接点(53)と下部タンク接点(54)が、上限リミッタースイッチ(51)と下限リミッタースイッチ(52)にそれぞれ接触又は影響できる形態を構成している。下限リミッタースイッチ(52)がオンのときには、上限リミッタースイッチ(51)はオフとなって、排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態になり、流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態になる。上限リミッタースイッチ(51) がオンのときには、下限リミッタースイッチ(52)はオフとなって、流入水用電磁バルブ(64)は弁閉鎖状態になり、排水用電磁バルブ(65)は弁開放状態になる。
図18のグラフの縦軸Hは水溜めタンク(11)の排出水口(13)の位置をゼロとした場合の接点付フロートタンク(28)の喫水線(44)位置を示し、Hの数値信号は図10から図15までの図に示す制御部(41)に送られる。喫水線(44)は接点付フロートタンク(28)の位置を特定する指標であって、指標は接点付フロートタンク(28)上の定点であれば他の位置でも良い。Hはゼロ以上1以下の間で変化するものとするが数値はパラメーターであって、他の数値を使用することもできる。接点付フロートタンク(28)の下部タンク接点(54)が下限リミッタースイッチ(52)に接触又は影響している状態のときはHがゼロに等しく、接点付フロートタンク(28)の上部タンク接点(53)が上限リミッタースイッチ(51)に接触又は影響している状態のときはHが1に等しいとする。図18のグラフの横軸Tは時間軸であって、説明上、排水用電磁バルブ(65) と流入水用電磁バルブ(64)の弁の閉鎖時間を実線で示し、実線が途切れている部分は弁が開放されている時間である。
接点付フロートタンク(28)の喫水線(44)の位置は、時間の経過に伴い図18のグラフの点線矢印の軌跡で推移する。制御部(41)は、Hがゼロ以上1未満まで増加する間のみ排水用電磁バルブ(65)を弁閉鎖状態にし、Hが1以下ゼロ超まで減少する間のみ流入水用電磁バルブ(64)を弁閉鎖状態に制御するものとする。本実施例では、図18のグラフのように、各弁の閉鎖と開放が連続的になるように制御部(41)の制御回路を設定しているが、場合によっては、図19のグラフに例示するように、制御部(41)の制御回路を、H値の範囲を変更するなどの手段を用い、排水用電磁バルブ(65)を弁閉鎖状態の終了位置と流入水用電磁バルブ(64)を弁閉鎖状態の開始位置、又は流入水用電磁バルブ(64)を弁閉鎖状態の終了位置と排水用電磁バルブ(65) の開始位置が重複するように設定しても良い。或いは、図は省略するが、各バルブの弁閉鎖状態の終了位置と開始位置の間隔が開くように設定しても良い。
図10及び図11のように、接点付フロートタンク(28)の下部タンク接点(54)が下限リミッタースイッチ(52)に接触又は影響した後、図12及び図13のように、接点付フロートタンク(28)が上昇し、上部タンク接点(53)が上限リミッタースイッチ(51)に接触又は影響するまでの間は、排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態を維持し、かつ流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態を維持するように制御部(41)の制御回路を設定する。また、図13に示すように、接点付フロートタンク(28)の上部タンク接点(53)が上限リミッタースイッチ(51)に 接触又は影響した後、図14及び図15のように、接点付フロートタンク(28)が降下し下部タンク接点(54)が下限リミッタースイッチ(52)に接触又は影響するまでの間は、排水用電磁バルブ(65)は弁開放状態を維持し、かつ流入水用電磁バルブ(64)は弁閉鎖状態を維持するように制御部(41)の制御回路を設定する。
本発明では、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)の浮力と重力を利用するため、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)は「水」の浮力で浮かぶ容積を持つが、重量は大である方が効果がある。従って、実務的には、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)を構成する材料として、例えば、薄鋼板や合成樹脂を使って容積を保ち、内部に水、石、金属などの重量バラストを封入するという手段などを用いれば取り扱いや製造コストの面で効果がある。
本発明の第1の形態又は第2の形態の駆動装置によって油圧システムを駆動させる場合の形態を説明する。図3に示す「ピストン構造部」又は図10に示す「固定ピストン構造部」のプランジャー(23)は油圧シリンダー(31)の内部を上下することができる。油圧シリンダー(31)は水溜めタンク(11)と相対的に固定されていて、その一方の端部は、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)が水溜めタンク(11)内の設定最下部の位置にあるときに、油圧シリンダー(31)の最下端部の位置で圧縮油管(33)に連結され、圧縮油管(33)は蓄圧装置であるアキュムレータ(35)に連結され、アキュムレータ(35)は圧力コントローラ(36)に連結され、圧力コントローラ(36)は油圧モーター(37)に連結されている。一方、油圧シリンダー(31)の他の端部は、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)が水溜めタンク(11)内の設定最上部の位置にあるときに、油圧シリンダー(31)の最上端部の位置で給油管(32)に連結され、給油管(32)は戻り油タンク(34)に連結され、戻り油タンク(34)は連結管を経て油圧モーター(37)に連結されている。「プランジャー」とは油圧シリンダーの内部にあって、弁の動きによりポンプの役割を果たすピストン装置であるが、油圧シリンダー(31)内をプランジャー(23)が圧縮油管(33)側から給油管(32)側に移動する場合には作動油が留まるように弁が開く(これを「弁開放」とする)。逆に、プランジャー(23)が給油管(32)側から圧縮油管(33)側に移動する場合には弁が閉じて(これを「弁閉鎖」とする)、油圧シリンダー(31)内部の作動油を圧縮する。油圧シリンダー(31)、圧縮油管(33)、アキュムレータ(35)、油圧モーター(37)、戻り油タンク(34)、給油管(32)及びその他の連結管の各部は油密構造として作動油で満たされていて、全体として一連の油圧システム系を構成している。
前段落に述べた形態では、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)が、図8や図14のように重力によって降下するときに油圧シリンダー(31)に作動油の圧縮力を生じさせる場合の説明であるが、油圧システムの配管を組み変えて、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)が浮力によって上昇するときに油圧シリンダー(31)に作動油の圧縮力を生じさせる形態や、フロートタンク(20)又は接点付フロートタンク(28)の下降と上昇の両方の運動を作動油の圧縮に使用する形態も有効である。本形態の油圧システムは一例であって、他のピストンシリンダー方式の油圧システム系の形態であっても本発明の装置により駆動させることができる。また、油圧に代え空気圧でも有効である。
図3は本発明の装置に「水」が入っていない状態を示している。この状態では、フロートタンク(20)は水溜めタンク(11)の底部に接して鎮座している。「水栓構造部」も水溜めタンク(11)の最下部の位置にあり、フロート水栓(26)は水溜めタンク(11)底部の排出水口(13)を塞いでいる。そこで、図4に示すように、水溜めタンク(11)に連結した流入水口(12)に下向き実線矢印で示すように「水」が流入し、水溜めタンク(11)の内部に溜まっていき、水面(42)が上昇してフロートタンク(20)の喫水線(44)到達したときにフロートタンク(20)が浮き上がり始め、上向き点線矢印の方向に上昇し始める。しかし、フロート水栓(26)は水圧によって排出水口(13)に押し付けられ排出水口(13)から直ぐには離れず排出水口(13)を塞いでいる。
「水」がさらに水溜めタンク(11)の内部に溜まり水面(42)が上昇すると、図5に示すように、フロートタンク(20)が水栓ロッド(25)の先端の水栓フック(24)に当たり、さらに水面(42)が上昇すると、図6に示すように、フロートタンク(20)の浮力が、フロート水栓(26)を排出水口(13)に押し付けている水圧に勝り、フロートタンク(20)は水栓フック(24)と一体になっている「水栓構造部」を急速に持ち上げ、フロート水栓(26)は排出水口(13)から引き離され、排出水口(13)が開き始める。
このとき、段落番号(0021)後段の形態で述べたように、フロート水栓(26)に代え、図9に示すような球状フロート水栓(62)を使用し実施することができる。球状フロート水栓(62)を使用すると、排出水口(13)の開口部が円形の場合、密着し易いという利点がある。また、図3から図8に示す水栓ロッド(25)に代えて図9に示す水栓鎖(61)やワイヤーなど柔軟な引っ張り具をフロートタンク(20)に固定させて使用した場合でも、フロート水栓が水溜めタンク(11)に着底或いは離底するときに水栓鎖(61)が伸延したり収縮したりする機能により、水栓ロッド(25)の上下運動と同様の効果を得ることができる。
段落番号(0037)で述べるように、「水栓構造部」全体が持ち上がると、図7に示すように、さらにフロート水栓(26)が自らの浮力と浮き始めの慣性力で急速に排出水口(13)を離れ、排出水口(13)が全面的に開いて水溜めタンク(11)内の「水」は排出水(43)となって排出水口(13)から一気に排出される。
いわゆる「連続弛緩運動」とは、力学系にある閾値を越える作用が働いたときに系のバランスが急に変化する運動であるが、この作用と同様、本発明においても「適切な閾値」を設定すれば、図5に示すように、フロートタンク(20)が上昇しても即座にはフロート水栓(26)は離れず、さらなるフロートタンク(20)の上昇により水面(42)と喫水線(44)の差がある閾値を越えたときに、フロートタンク(20)の浮力がフロート水栓(26)を排出水口(13)に押し付けている水圧を上回り、フロート水栓(26)は排出水口(13)を離れて、「水栓構造部」が自らの浮力と動き始めた後の慣性力で急激に上昇する。「適切な閾値」とは、本発明の手段構成の下で、水溜めタンク(11)の容量、フロートタンク(20)の容積と重量、フロート水栓(26)の容積と重量、水栓フック(24)の位置、水栓ロッド(25)の長さなどにより個別の設計毎に決められるものである。
図7に示すように、「水栓構造部」が自らの浮力と、浮き始めの慣性力でフロートタンク(20)の間通孔内を上昇した後、フロート水栓(26)がフロートタンク(20)に当たって止まるが、全面開口となった排出水口(13)から排出水(43)が一気に排出されると、次に図8に示すように、水面(42)が下がり始めるので、フロートタンク(20)が図8の下向き点線矢印の方向に重力で下がり始め、フロートタンク(20)は「水栓構造部」を下向きに押し、フロート水栓(26)をフロートタンク(20)の重量で引き下げる。
図4から図7までの図には「水」の流入を下向き実線矢印で示しているが、単位時間に流入する「水」の量よりも排出水(43)の量が多くなるように設定しさえすれば「水」の流入を止めずに連続的に「水」を排出できる。しかし、図9に示すように、「水」の流量と流入速度を安定させる目的で、流入水口(12)の前工程に一旦「利用可能水」を溜める流入水調整タンク(63)を設置することもできる。流入水調整タンク(63)には流入水用電磁バルブ(64)を取付け、排出水口(13)が開けば「水」の流入が一時的に止まり、また排出水口(13)が閉じると流入が再開するなどの手段を用いれば排出水(43)の排出を速め、フロートタンク(20)の下降を速めることも可能である。また、流入水調整タンク(63)には「利用可能水」から固形物や異物などを漉し取るストレーナーやフィルターなどを組み込んで下流の詰まりなどを防止することもできる。
図8の状態から、「水」が排出され続けると、フロートタンク(20)が下がって「水栓構造部」下部のフロート水栓(26)を押し下げて水溜めタンク(11)の底まで下降させて排出水口(13)に密着させ、排出水口(13)が全部閉じて排出水(43)の排水が止まると、段落番号(0036)に示す図3の状態に至って、再び「水」が水溜めタンク(11)内に溜まり始める。このように段落番号(0036)から本段落までに記述の工程を繰り返し、フロートタンク(20)は繰り返し浮力で上昇しまた重力で下降し、「ピストン構造部」はピストン運動を行う。ピストン運動をクランク構造に伝え回転運動に変換することもできる。
本実施例の具体的なシミュレーションとして実際に数値を当てはめ計算を試みる。平均的な300人規模の集合住宅(又はマンション)に於ける1日に排出される排水水量を90トンと仮定し、本発明による装置として内径2mの円筒型水溜めタンクと重量300kgのフロートタンクとを使用して設計すると、次の(数1)、(数2)、(数3)の計算式で明らかなようにフロートタンクは1時間に2サイクル往復して、本発明の装置は5000Whの仕事をし、一日16時間稼動では80kWhの仕事をするというシミュレーション結果が得られた。ただし、本シミュレーション結果はフロートタンクの重力による下降の運動を利用した場合の数値であって、フロートタンクの浮力による上昇の運動も利用する場合にはさらに数値を加算することができる。
図10は本発明の装置に「水」が入っていない状態を示している。この状態では、接点付フロートタンク(28)は水溜めタンク(11)の底部に鎮座し、パッキン(29)を挟んで水溜めタンク(11)底部の排出水口(13)を塞いでいる。同時に、接点付フロートタンク(28)の下部タンク接点(54)が下限リミッタースイッチ(52)に接触又は影響して、接点付フロートタンク(28)の底部の位置を示すHの数値信号が制御部(41)に送られ、排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態になっていて排出は遮断されて、流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態になって「水」は通過する。図11中の下向き実線矢印で示すように、水溜めタンク(11)に連結した流入水口(12)に「水」が流入すると、「水」は水溜めタンク(11)の内部に溜まって水位を上げ、水面(42)が上昇して接点付フロートタンク(28)の喫水線(44)に達したときに接点付フロートタンク(28)が浮き上がり、図12に示すように、上向き点線矢印の方向に上昇し始める。図12及び図13のように、接点付フロートタンク(28)が上昇し、上部タンク接点(53)が上限リミッタースイッチ(51)に接触又は影響するまでの間は、制御部(41)が排水用電磁バルブ(65)の弁閉鎖状態を維持し、かつ流入水用電磁バルブ(64)の弁開放状態を維持する。
前項で、接点付フロートタンク(28)がパッキン(29)を挟んで水溜めタンク(11)底部の排出水口(13)を塞ぎ、同時に排水用電磁バルブ(65)が弁閉鎖状態になって、2重に遮断する構造を呈しているが、これは、排水用電磁バルブ(65)の開閉の追従が遅延し排水が遅くなることを防ぐ手段である。つまり、排出水口(13)の口径を十分に大きく設計し排水速度を上げるとき、接点付フロートタンク(28)が水溜めタンク(11)底部から離脱する直前に排水用電磁バルブ(65)が弁開放を開始するように制御部(41)を設定しておけば、排水用電磁バルブ(65)が全開した状態で一気に排水することが可能になるという相乗効果の理由による。また、上記の相乗効果が必要なければ、接点付フロートタンク(28)がパッキン(29)を挟んで水溜めタンク(11)底部の排出水口(13)を塞ぐ構造ではなく、排水用電磁バルブ(65)の開閉のみで排水と遮断を行うことも出来る。
「水」がさらに水溜めタンク(11)の内部に溜まり水面(42)が上昇すると、図13に示すように、接点付フロートタンク(28)の上部タンク接点(53)が上限リミッタースイッチ(51)に 接触又は影響して信号が制御部(41)に送られる。そうすると、流入水用電磁バルブ(64)は弁閉鎖状態となって「水」の流入が止まり、排水用電磁バルブ(65)は弁開放状態になって、水溜めタンク(11)内の「水」は排出水(43)となって排出水口(13)から一気に排出され始める。
段落番号(0048)で述べたように、制御部(41)は排水用電磁バルブ(65)の弁開放状態を維持し、流入水用電磁バルブ(64)の弁閉鎖状態を維持しているので、水溜めタンク(11)内の水が排出され続け、図14に示すように、水面(42)が下がり始めるので、接点付フロートタンク(28)が図14の下向き点線矢印の方向に重力で下がり始める。
図14の状態から、「水」が排出され続けると、図15のように、接点付フロートタンク(28)が水溜めタンク(11)の底まで下がってパッキン(29)部分を挟んで排出水口(13)に密着し、下部タンク接点(54)が下限リミッタースイッチ(52)に接触又は影響して信号が制御部(41)に送られ、排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態となって排出水口(13)からの排水が止まる。同時に、流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態になって、「水」が水溜めタンク(11)内に溜まり始める。
図18で説明すると、時間Tがゼロのとき接点付フロートタンク(28)の底部は水溜めタンク(11)の最低部位置にあり、下限リミッタースイッチ(52)はオンになっていて図18の排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態となり、流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態になっている。時間Tがゼロからt1まで経過する間に水位が上がり、接点付フロートタンク(28)が上昇すると、Hはゼロから1へと増加するので、下限リミッタースイッチ(52)はオンを維持し、排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態を維持し、流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態を維持して水溜めタンク(11)内に「水」が溜まっていく。時間がt1のときに接点付フロートタンク(28)の上部タンク接点(53)が上限リミッタースイッチ(51)をオンにして排水用電磁バルブ(65)は弁開放状態となり、流入水用電磁バルブ(64)は弁閉鎖状態となって水溜めタンク(11)内の「水」は排水され始める。水溜めタンク(11)内の水位が下がると、Hは1からゼロへと減少するので、排水用電磁バルブ(65)の弁開放状態と、流入水用電磁バルブ(64)の弁閉鎖状態は維持される。時間がt2になると接点付フロートタンク(28)の喫水線(44)が最低位置となって、接点付フロートタンク(28)の下部タンク接点(54)が下限リミッタースイッチ(52)をオンにして排水用電磁バルブ(65)は弁閉鎖状態となり、流入水用電磁バルブ(64)は弁開放状態となって水溜めタンク(11)内に「水」が溜まり始める。さらに、Hはゼロから1へと増加するので、排水用電磁バルブ(65)の弁閉鎖状態と、流入水用電磁バルブ(64)の弁開放状態は維持される。図18のグラフに示すように、時間がt2、t3、t4と変化するパターンは時間がゼロ、t1、t2と変化するパターンの繰り返しであり、以降も同様である。従って、排水用電磁バルブ(65)と流入水用電磁バルブ(64)の開閉は周期的に制御部(41)によりコントロールされて、接点付フロートタンク(28)は繰り返し浮力で上昇しまた重力で下降し、「固定ピストン構造部」はピストン運動を行う。ピストン運動をクランク機構に伝え回転運動に変換することもできる。
本発明の第2の形態の駆動装置によって油圧システムを駆動させる実施例を説明する。図10は本発明の装置に「水」が入っていない状態を示している。この状態では、接点付フロートタンク(28)は水溜めタンク(11)の底部に接して鎮座し、水溜めタンク(11)底部の排出水口(13)を塞いでいる。「固定ピストン構造部」の先端のプランジャー(23)はこの状態のとき油圧シリンダー(31)の圧縮油管(33)側に在り、油圧システム系には作動油が流れず油圧モーター(37)は駆動していない。水溜めタンク(11)に「水」が溜まることにより接点付フロートタンク(28)が上昇すると、図12に示すように「固定ピストン構造部」の先端のプランジャー(23)が油圧シリンダー(31)の内部を下から上に移動し始めるが、プランジャー(23)は「弁開放」となっていて油圧シリンダー(31)内の作動油は弁を通過するだけで圧力はかからずプランジャー(23)は給油管(32)側に達する。接点付フロートタンク(28)に位置エネルギーが付与された後、次に図14、図15に示すように「水」が排出され始めると接点付フロートタンク(28)が下降して位置エネルギーが運動エネルギーに変換されるが、プランジャー(23)は「弁閉鎖」となって、図14に示すように油圧シリンダー(31)内の作動油を圧縮して圧縮油管(33)の中に送り込み、矢印Aの向きに作動油が流れる。同時に戻り油タンク(34)からは給油管(32)を通って矢印Bの向きに作動油が流れる。このようにして、油圧シリンダー(31)から圧縮油管(33)を経由して流れる作動油は圧力を高めながらアキュムレータ(35)に蓄積される。
段落番号(0052)に記述するように、図15の状態から図10の状態へと移行し、水溜めタンク(11)からの排水が止まると、再び「水」が水溜めタンク(11)内に溜まり始める。このように記述の工程を繰り返し接点付フロートタンク(28)と「固定ピストン構造部」は繰り返し上下し、同時にプランジャー(23)が油圧シリンダー(31)の内部を上下して繰り返し作動油を圧縮油管(33)に送り、さらに作動油はアキュムレータ(35)へと送られ圧力を高めながら次々と蓄積される。
プランジャー(23)により油圧シリンダー(31)からアキュムレータ(35)に送られる作動油は間欠的であっても、アキュムレータ(35)に次々と蓄積されて高圧になった作動油を圧力コントローラ(36)で圧力調整して出力すれば、油圧モーター(37)を持続的かつ安定した回転数で回転させることができる。さらに、油圧モーター(37)を回転させたあと低圧になった作動油は図8に示すように戻り油タンク(34)に戻り、戻り油タンク(34)から給油管(32)を矢印Bの向きに流れて油圧シリンダー(31)に送り込まれて油圧システムが循環する。
実施例3では、接点付フロートタンク(28)が重力によって降下するときに油圧シリンダー(31)に作動油の圧縮力を生じさせる場合の説明であるが、油圧システムの配管を組み変えて、接点付フロートタンク(28)が浮力によって上昇するときに油圧シリンダー(31)に作動油の圧縮力を生じさせる手段や、接点付フロートタンク(28)の下降と上昇の両方の運動を作動油の圧縮に使用する手段も有効である。本実施例の油圧システムは一例であって、他のピストンシリンダー方式の油圧システム系であっても本発明の装置により駆動させることができる。また、油圧に代え空気圧で駆動させることもできる。
本実施例は、実施例1又は実施例2に使用した本発明の装置によって、実施例3の油圧システムを駆動させ、油圧モーター(37)の回転で発電機(38)を駆動して発電する装置を、自動車などの運搬手段によって可搬式として実施するものである。以下、実施例4の装置を「可搬式小水力発電装置」という。実施例1の装置を用いた場合、水溜めタンク(11)からの排水はフロートタンク(20)とフロート水栓(26)などの機械的機構で行えるので、「可搬式小水力発電装置」は別電源等はなくても駆動させることが可能である。一方、実施例2の装置を用いた場合、電磁バルブやリミッタースイッチや制御部(41)を動かすために別電源が必要であるが、その電力は、「可搬式小水力発電装置」が発電する電力に比べ微少なので、起動時には自動車などのバッテリーを使用し、「可搬式小水力発電装置」が発電を開始した後、「可搬式小水力発電装置」が発電する電力の一部を電磁バルブやリミッタースイッチや電気的制御部を動かす電力に使用できる電気回路を組み込むことにより装置を駆動させることができる。実施例4の「可搬式小水力発電装置」によれば、小水力さえ供給できれば、無燃料もしくは、燃料が極めて少なくても稼動できる非常用発電装置を提供できる。
本発明によれば、身近にある集合住宅や商業ビルや傾斜地の戸建て団地などの排水や雨水や水量や落差の少ない小川などの水などを含む「利用可能水」を無為に廃棄せず、動力源として使用することにより廃物資源を有効に使うことができる。「利用可能水」を、「マイクロ水力発電」のように直接に水車型やプロペラ型の機構の動力源として使用するのではなく、本発明の、大きな落差を必要とせず小水力で駆動させる手段を特徴とする装置により、実用可能なエネルギーに変換することができる。また、そのエネルギーを利用して、油圧モーターを駆動させ、発電や蓄電を行えば、集合住宅での非常用電源装置や、災害地での無燃料発電装置として活用できるなどという極めて有用な効果があり産業上の利用可能性は極めて高い。
11 水溜めタンク
12 流入水口
13 排出水口
14 支脚
20 フロートタンク
21 ピストンロッド支え
22 ピストンロッド
23 プランジャー
24 水栓フック
25 水栓ロッド
26 フロート水栓
27 ピンジョイント
28 接点付フロートタンク
29 パッキン
31 油圧シリンダー
32 給油管
33 圧縮油管
34 戻り油タンク
35 アキュムレータ
36 圧力コントローラ
37 油圧モーター
38 発電機
41 制御部
42 水面
43 排出水
44 喫水線
51 上限リミッタースイッチ
52 下限リミッタースイッチ
53 上部タンク接点
54 下部タンク接点
61 水栓鎖
62 球状フロート水栓
63 流入水調整タンク
64 流入水用電磁バルブ
65 排水用電磁バルブ

Claims (3)

  1. 水力による駆動装置であって、フロート水栓と水栓フックと水栓ロッド又は水栓鎖などから構成される水栓構造部と、ピストンロッドなどから構成されるピストン構造部とを組み込んだフロート構造物と、水溜めタンクと、水溜めタンクに水を溜め又は水を排出することによりフロート構造物を浮かせ又はフロート構造物を下降させて、フロート構造物の上昇と下降に連動するフロート水栓によって水溜めタンクの水を排水し又は排水を遮断する制御機構とで構成し、浮力と重力によるフロート構造物の上昇と下降によってピストン運動を発生させる手段を用いることを主たる特徴とする装置。
  2. 水力による駆動装置であって、ピストンロッドなどから構成されるピストン構造部を組み込んだフロート構造物と、リミッタースイッチなどと排水用電磁バルブと流入水用電磁バルブを取付けた水溜めタンクと、水溜めタンクに水を溜め又は水を排出することによりフロート構造物を浮かせ又はフロート構造物を下降させる制御手段と、流入水用電磁バルブの弁と排水用電磁バルブの弁の開閉をフロート構造物の上昇と下降に連動させて制御する制御手段とで構成し、浮力と重力によるフロート構造物の上昇と下降によってピストン運動を発生させる手段を用いることを主たる特徴とする装置。
  3. 請求項1又は請求項2の装置と、発電システムと、当該装置及び発電システムを運搬できる手段とを組み合せて構成することを主たる特徴とする装置。
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