JP2014188273A - 眼科装置、その制御方法、及びプログラム - Google Patents

眼科装置、その制御方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 安価でコンパクトな構成にて測定誤差を抑え、精度の良い測定結果を得ることができる眼科装置を提供する。
【解決手段】 被検眼の眼底に光束を投光する投光光学系と、眼底からの反射光を撮像素子にて受光する受光光学系と、を有する測定光学系と、撮像素子の出力に基づいて前記被検眼の眼屈折力を得る演算手段と、を有する眼科装置において、測定光学系に、光束の光路における被検眼の眼底共役位置から外れた位置かつ被検眼の瞳孔共役位置から外れた位置に配置されて光束を偏向させる光束偏向部材と、光束偏向部材を測定光学系の光軸中心に回転させる回転手段と、を配し、光束を被検眼に導く際の被検眼の瞳孔での位置が瞳孔の中心に対して偏心した状態を維持するように、光束偏向部材を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は被検眼を測定する眼科装置、その制御方法、及びプログラムに関する。
従来から被検眼の眼底に指標を投影し、その眼底反射像の光量分布特性から被検眼の球面屈折力、乱視屈折力、乱視軸角度を測定する眼科装置としてオートレフラクトメータが知られている。
この種の眼科装置においては、被検眼眼底からの反射光の光量を増加させるために、眼底に投影する光束の光源として、輝度の高いLD(Laser Diode)或いは、SLD(Super Luminecent Diode)を使用することが望ましい。
その使用の際に発生するスペックルノイズの測定への影響を避けるために、光束偏向部材を装置光路中に配置する。これを高速回転することで、受光素子上に形成される像のスペックルノイズ成分が像検出の蓄積時間の中で時間平均化され、光量むらの少ない像として検出でき、精度の良い測定を可能にする工夫がされている(特許文献1参照)。
特開2001−340299号公報
しかしながら、光束偏向部材の作用としては、被検眼の眼底に投影する視標位置を光軸中心に回転偏心させることであるが、同時に瞳孔上で光束が偏心してしまうと、虹彩で光束がけられやすくなり、小瞳孔眼の正確な測定が困難になってしまう。また、光束偏向部材の配置位置を被検眼の瞳と共役位置にすることでこれを抑制することは可能だが、一般に装置内部の瞳孔共役位置は光束分割部材などの部材が密集し、配置そのものが困難である。さらにはレンズを追加し共役位置をリレーして余分に配置スペースを確保することも方法の一つであるが、装置の大型化やコストアップにつながる問題を有している。
本発明は、この従来技術の問題点を解決することを目的にするものであり、安価かつコンパクトな装置構成で、虹彩でけられることなく被検眼の眼底上で光束を回転偏心させ、スペックルノイズが低減された検出像から精度の良い測定を行うことができる眼科装置、その制御方法、及びプログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明における眼科装置は、被検眼の眼底に光束を投光する投光光学系と、
前記眼底からの反射光を撮像素子にて受光する受光光学系と
前記光束の光路に配置されて前記光束を偏向させる光束偏向部材と、
前記光束偏向部材を前記受光光学系の光軸中心に回転させる回転手段と、を有し、
前記光束を前記眼底に投光する際に通過する前記被検眼の瞳孔での位置が前記瞳孔の中心に対して偏心した状態を維持するように、前記光束偏向部材が構成されることを特徴とする。
以上の様に構成された本発明によれば、測定光源に可干渉性の高い光源を用いた場合であっても、スペックルノイズによる測定誤差を良好に低減でき、さらには光束の偏心による被検眼瞳孔上での測定光束のけられを安価、コンパクトに抑えることができ、瞳孔の小さい被検眼に対しても良好な測定が可能になる。
より詳細には、光束を偏向する光束偏向部材を光束の光路における被検眼の眼底共役位置から外れた位置かつ被検眼の瞳孔共役位置から外れた位置に配置することにより、当該部材を配する際のスペース的な制約を無くすことが可能になる。また、当該部材を光軸中心に回転させることにより受光素子上に形成される像のスペックルノイズを平均化して画像中の光量むらを抑制し、瞳孔中心に対する光束の偏心を維持することにより眼底に至った光束により構成される点光源とその背景の表面状態との関係を変化させることが可能となる。
第一の実施形態に係る眼屈折力計における測定ユニットの光学系の配置図及びその外観図である。 第一及び第二の実施形態に係る偏向プリズムの条件を説明する図である。 第一の実施形態に係る被検眼に乱視がある場合の撮像素子で受光されたリング像を示す図である。 リング像に対するスペックルノイズの影響に対し、(a)は光源に非可干渉を用いた場合のリング像を示す図、(b)は光源に可干渉性光源を用いた場合のリング像を示す図である。 第一の実施形態に係る偏向プリズムと主光線光路との関係に対し、(a)は偏向プリズムを瞳孔共役面に正対させて配置した場合の主光線光路を示す図、(b)は偏向プリズムを瞳孔共役面上に配置した場合の主光線光路を示す図、(c)は偏向プリズムを瞳孔共役面と眼底共役面との間に、傾斜を持たせて配置した場合の主光線光路を示す図である。 第一の実施形態に係る被検眼瞳孔部分と測定光束との関係に対し、(a)は測定光束が瞳孔面上で偏心し、虹彩でけられている様子を示す図、(b)は測定光束が瞳孔面上で偏心せず、虹彩でのけられが生じない様子を示す図である。 第一の実施形態に係る偏向プリズムの構成の例を説明する図である。
(第一の実施形態)
次に、本発明の眼科装置の一例である眼屈折力測定装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(装置本体)
図1(b)は、本実施形態に係る眼屈折力測定装置としての眼屈折力計の概略構成図を示している。フレーム102は、ベース100に対して左右方向(以下、X軸方向)に移動可能である。X軸方向の駆動機構は、ベース100上に固定されたX軸駆動モータ103と、モータ出力軸に連結された送りねじ(不図示)と、送りねじ上をX軸方向に移動可能でフレーム102に固定されたナット(不図示)で構成されている。モータ103の回転により、送りねじ、ナットを介してフレーム102がX軸方向に移動する。
フレーム106は、フレーム102に対して上下方向(以下、Y軸方向)に移動可能である。Y軸方向の駆動機構は、フレーム102上に固定されたY軸駆動モータ104と、モータ出力軸に連結された送りねじ105と、送りねじ上をY軸方向に移動可能でフレーム106に固定されたナット114で構成されている。モータ104の回転により、送りねじ105、ナット114を介してフレーム106がY軸方向に移動する。
フレーム107は、フレーム106に対して前後方向(以下、Z軸方向)に移動可能である。Z軸方向の駆動機構は、フレーム107上に固定されたZ軸駆動モータ108と、モータ出力軸に連結された送りねじ109と、送りねじ上をZ軸方向に移動可能でフレーム106に固定されたナット115で構成されている。
モータ108の回転により、送りねじ109、ナット115を介して、フレーム107がZ軸方向に移動する。フレーム107上には固有情報取得部として眼屈折力測定を行う測定ユニット110が固定されている。
測定ユニット110の被検者側端部には、アライメントを行うための光源(不図示)や角膜曲率を測定するための光源ユニット111が設けられている。
また、ベース100には、被検眼に対して測定ユニット110を位置合わせするための操作部材であるジョイスティック101が設けられている。位置合わせ時にはジョイスティック101を左右方向(x方向)、前後方向(z方向)に傾倒させて夫々の方向の位置調整を行い、またジョイスティック101を回転することで上下方向(y方向)の位置調整を行う。ベース100は、該ジョイスティック101の操作に応じて各駆動モータを動作させるために、CPU120に例示される制御装置に包含される駆動制御手段を有する。
眼屈折力の測定を行う際には、被検者は顎受け112上に顎を乗せ、かつベース100に固定されている顔受けフレーム(不図示)の額受け部分に額を押し当てることで被検眼の位置を固定させることができる。また、顎受け112は、被検者の顔のサイズに応じて顎受け駆動機構113によりY軸方向に調整可能である。
測定ユニット110の検者側端部には、被検眼を観察するための表示部材であるLCDモニタ116が設けられており、測定結果等を表示することができる。
(眼屈折力測定原理)
図1(a)は測定ユニット110の内部の光学系配置図である。波長880nmの照射光束で被検眼眼底に指標光束を照射するために、眼屈折力測定用光源201から被検眼Eに至る第1の光学系の光路01上には、レンズ202、被検眼Eの瞳孔Epとほぼ共役な絞り203、孔あきミラー204、偏向プリズム230、レンズ205が順次に配列される。更に、被検眼E側から波長880nm未満の赤外および可視光を全反射し、波長880nm以上の光束を一部反射するダイクロイックミラー206が配置されている。
孔あきミラー204の反射方向の光路02上には、瞳孔Epとほぼ共役でリング状のスリットを備えたリング状絞り207、光束分光プリズム208、レンズ209、撮像素子210が順次に配列されている。上述した光学系は眼屈折力測定用であり、測定光源201から発せられた光束は、絞り203で光束が絞られつつ、レンズ202により対物レンズ205の手前で1次結像される。そして、対物レンズ205、ダイクロイックミラー206を透過して被検眼Eの瞳中心に投光される。これら測定光源201から被検眼Eに至る光路上に配置される構成は、本発明において被検眼の眼底に光束を投光する投光光学系に対応する。
投光された光束は眼底Erで反射し、眼底反射光は瞳周辺を通って再び対物レンズ205に入射される。入射された光束は対物レンズ205を透過後に、孔あきミラー204の周辺で反射される。反射された光束は、対物レンズ205を備える第2の光学系を介して、被検眼瞳孔Epと略共役なリング状絞り207および光束分光プリズム208で瞳分離され、撮像素子210の受光面にリング像として投影される。これら被検眼Eより撮像素子210に至る光路上に配置される構成は、本発明において眼底からの反射光を撮像素子にて受光する受光光学系に対応する。また、前述した投光光学系及び受光光学系は、本発明における測定光学系に含まれる。
被検眼Eが正視眼であれば、このリング状の像出力は所定の円になり、近視眼では正視眼に対して円が小さく、遠視眼では正視眼に対して円が大きくなり投影される。図3は被検眼Eに乱視がある場合の撮像素子210で受光されたリング像を示す図である。図3(a)は乱視のある被検眼Eの様子を示すもので、角膜Efの形状が正視眼の球体状に比べて、より回転楕円体状に近づく。さらに、その長径と水平軸とがなす角度をθで表している。この場合は図3(b)のようにリング状の像出力が楕円になり、長径をa、短径をbとすれば、水平軸と長径aとのなす角度θが乱視軸角度となる。長径は乱視の弱主経線、短径は強主経線に対応する。このリング状の像出力を基に眼屈折力情報を求める。前述したCPU120は、以上の撮像素子210からの出力に基づいて眼屈折力等の眼屈折力情報を演算する演算手段として機能するモジュール領域を有する。
(固視標及びアライメント)
ダイクロイックミラー206の反射方向には、固視標投影光学系と、被検眼の前眼部観察とアライメント検出が共用されるアライメント受光光学系が配置されている。
固視標投影光学系の光路03上には、レンズ211、ダイクロイックミラー212、レンズ213、折り返しミラー214、レンズ215、固視標216、固視標照明用光源217が順次に配列されている。
固視誘導時に、点灯された固視標照明用光源217の投影光束は、固視標216を裏側から照明し、レンズ215、折り返しミラー214、レンズ213、ダイクロイックミラー212、レンズ211を介して被検眼Eの眼底Erに投影される。
なお、レンズ215は被検眼Eの視度誘導を行い、雲霧状態を実現するために、固視誘導モータ224により光軸方向に移動できるようになっている。
前眼部観察とアライメント観察のために、前眼部照明用光源221a、221bが配置される。当該光源より被検眼に射出された照明光は前眼部により反射され、ダイクロイックミラー206、レンズ211を介し、ダイクロイックミラー212により光路04に導かれて分光プリズム223及び218を経て撮像素子220上に複数の輝点像として結像される。これら複数の輝点像の配置より、測定ユニット110と被検眼とのアライメントが実行される。
(LD、SLDの使用についての説明)
本実施形態の眼屈折力測定用光源201は、被検眼眼底からの反射光の光量を増加させるために、より高い照射光量を必要とされるために、可干渉性の高いLD(Laser Diode)或いはSLD(SuperLuminecent Diode)が使用される。
(スペックルの発生についての説明)
図4は撮像素子210で出力される像を、可干渉性の低いLED光源の場合と可干渉性の高い光源の場合とで比較したものである。図4(a)の様にLED光源を使用した場合は所定の像が検出され、精度の良い測定が可能になる。図4(b)の様に可干渉性の高い光源を使用した場合には、眼底面での光散乱の影響を受け、撮像素子210上にスペックルノイズが発生する。スペックルノイズの状態は照射された眼底面の表面状態によって様々に変化する。所定のリング像と、このランダムなスペックルノイズ成分とが重なると、リングの径や形状の検出に大きな誤差を与え、測定精度を著しく低下させる。
(偏向プリズムについての説明)
ここで測定光学系に配置された偏向プリズム230について説明する。図1(b)中、偏向プリズム230は、投影光学系光路01と受光光学系02との共用光路に配置されており、ガラス等の透光材料からなる楔形状のプリズムである。偏向プリズム230は回転機構225とユニット構成され、光軸を中心として回転可能となっている。回転機構225は、偏向プリズム230を測定光学系の光軸中心に回転させる回転手段として機能する。
偏向プリズム230は、被検眼眼底共役位置から離れた位置に配置され、光源201からの光束を微小角度偏向させる作用を持ち、被検眼Eの眼底Erにおいては光軸中心から微小変位された位置に点光源像が形成される。この点光源からの光束は再び偏向プリズム230を通過することで偏向が戻され、孔あきミラー204の反射方向の光路02においては光軸と平行な光束として撮像素子210に向かって投影される。すなわち、偏向プリズム230の回転状態により、撮像素子210上に形成されるリング像の外形は不変だが、眼底Erにおける点光源と背景の表面状態の関係とが変化し、リング像内部領域のむらの状態が変化することを意味する。
撮像素子210から不図示のフレームメモリ等の記憶手段に1フレームの画像を取り込む間に偏向プリズム230を高速回転させると、記憶手段にはスペックルノイズが平均化され、光量むらの少ない像が記録されて、この画像信号に基づき、精度の良い演算処理が可能になる。従って、回転機構225は、撮像素子210の出力画像の1フレームの取り込み時間よりも短い周期で偏向プリズム230を回転させることが好ましい。また偏向プリズム230の回転速度がより低速であっても、複数フレームの画像の重ね合わせ手段を行うことで、同様の効果が得られる。従って、前述した演算手段は回転機構225の回転中に撮像素子210の出力画像の連続した複数フレームを重ね合わせた画像から被検眼Eの眼屈折力を得ることがより好ましい。
(瞳孔面での光束についての説明)
ここで、偏向された光束と被検眼の瞳位置との関係について図5を用いて説明する。図5は偏向プリズム230付近の光学原理を説明する図である。図中、右方向が光源201側、左方向が被検眼E側である。瞳孔共役面Spは絞り203とほぼ一致し、眼底共役面Srは孔あきミラー204と対物レンズ205の間の光路中に光源201の一次結像面として形成されている。L0は光学系の光軸、L1は偏向プリズム230を通過して実際に光束がたどる光路の主光線を示している。偏向プリズム230は瞳孔共役面Spと眼底共役面Srとの間に配置され、眼底共役面Sr上での偏向光束L1の主光線高さh1が所定量になるようにプリズム形状が決定される。ここで言う所定量とは被検眼Eの眼底Erにおける光束の所望の微小変位量に一対一で対応し、光学系の倍率換算により適宜決まる量である。
図5(a)は偏向プリズム230を単純に瞳孔共役面Sp側に正対させ、眼底共役面Sr側に傾斜面を与えて屈折作用を持たせた場合である。この場合においては、眼底共役面Srにおける所定の主光線高さh1は得られ、眼底Er上で微小変位させるという目的は達成される。しかしながら、被検眼側(左方向)からみた見かけの光路L2は、瞳孔共役面Sp上ではh2だけ偏心してしまう。このことは、被検眼Eの瞳孔Ep上で偏心が生じることを意味し、瞳孔Epが小さい場合には光束がけられることになり、測定時に問題となる。
(配置の制約についての説明)
図5(b)は偏向プリズム230を瞳孔共役面Sp上に配置した場合である。この場合においては、眼底共役面Srにおける所定の主光線高さh1が得られるとともに、瞳孔共役面Sp上の光軸を中心として光線を屈折させるために、瞳孔共役面Sp上での偏心は生じず、被検眼Eの瞳孔Ep上で光束がけられることはない。
しかしながら、瞳孔共役面Sp付近には、実際には瞳孔Ep上での光束を規定する絞り203や、照射光束01と受光光束02を空間分離する孔あきミラー204が密集して配置されるために、スペース的制約が非常に多い。また、新たにレンズを追加して瞳孔共役面Srをリレーすることにより瞳孔共役面を別の空間に生み出すことも考えられるが、部材コストの増加や全長の増加につながり、装置構成上不都合である。
(プリズムの工夫についての説明)
図5(c)は偏向プリズム230を瞳孔共役面Spと眼底共役面Srとの間に、傾斜を持たせて配置した場合である。この場合においては、偏向プリズム230の両面の光線の屈折効果の関係により、眼底共役面Srにおける所定の主光線高さh1が得られるとともに、被検眼側(左方向)からみた見かけの光路L2が瞳孔共役面Sp上の光軸中心を通過するために、瞳孔共役面Sp上での偏心は生じない。すなわち、被検眼Eの瞳孔Ep上で光束がけられることはない。このとき偏向プリズム230の位置関係は、絞り203や孔あきミラー204から離れた位置にあるために、スペース的自由度が高く、好適に装置構成が可能になる。
図6は、これらの場合に対する、被検眼Eの光束の様子を表したものである。図6(a)は図5(a)の場合に相当し、瞳孔Ep上で光束が偏心してけられている様子を表している。図6(b)は図5(b)および(c)の場合に相当し、瞳孔Ep上での光束の偏心が生じず、けられない様子を表している。
(プリズム条件についての説明)
図2(a)は、上記特性を実現するための、偏向プリズム230の配置と通過する光線の条件を説明する図である。偏向プリズム230は瞳孔共役面Spと眼底共役面Srとの間にあり、L0は光軸、L1は光束主光線の光路、L2は、図左方向から光路L1を延長した見かけの光束主光線の光路である。光路L1は被検眼に向かって、図中A、B、C、Dの順に通過する。点Aは瞳孔共役面Sp上の光軸上にあり、点Dは眼底共役面Sr上の所定の偏心量hの位置にある。偏向プリズム230には点Bで入射し、その後点Cから射出して眼底共役面Sr上の点Dに向かう。このとき、プリズム射出後の光路L1の傾角および光路L2の傾角が、点Aと点Dとを結ぶ直線の傾角に一致する場合に所望の特性が得られることになる。これらの関係を定式化すれば次のようになる。
瞳孔共役面Spと眼底共役面Srとの距離をL、点Dの光軸L0からの高さをhとし、さらにこれらの正接をtanα(=h/L)とした場合に、プリズム射出点Cの光軸L0からの高さd、プリズム射出点Cの瞳孔共役面Srからの距離P、およびプリズム射出後の光線角度uに対し、
d/P=tanα、かつu=α ・・・・・(条件A)
の関係になることである。
(プリズム構成パラメータについての説明)
光束偏向部材としての偏向プリズム230は、光束の光路における被検眼の眼底共役位置から外れた位置かつ被検眼の瞳孔共役位置から外れた位置に配置される。更に、該偏向プリズム230の形状、屈折率、および配置は上記条件Aを満たすように構成される。すなわち、前提となる瞳孔共役面と眼底共役面との距離、および眼底共役面における光線の所定の偏心量に対して、偏向プリズム230の配置角度、くさび角度、中心厚さ、配置位置、および屈折率が決まる。
図7は、本実施形態における具体的数値例を示す。装置構成の光学系の配置から瞳孔共役面Spと眼底共役面Srまでの距離を80mmとしている。眼底面Ep上での偏心量を0.08mmとすれば、眼底共役面Sr上での偏心量は倍率換算から0.24mmになる。これらを前提条件として幾何光学計算を行った。それぞれのパラメータは、配置角度θは光軸L0と偏向プリズム230の第一面とのなす角度、くさび角度Δθは偏向プリズム230の二つの面の角度の差、中心厚さtは偏向プリズム230の中心厚、配置位置Wは瞳孔共役面Spから偏向プリズム230の第一面までの距離、および屈折率Nは偏向プリズム230に使用される透光材料の屈折率である。
図中パターンAは、配置位置W=20mm、屈折率N=1.5として指定した場合である。このとき、配置角度θ=9.92deg、くさび角度Δθ=0.34deg、中心厚さt=1.08mmのとき、条件Aが満たされる。
図中パターンBは、偏向プリズム230に使用される透光材料を光屈折材料に変更し、配置位置W=20mm、屈折率N=1.7として指定した場合である。このとき、配置角度θ=10.02deg、くさび角度Δθ=0.24deg、中心厚さt=0.86mmのとき、条件Aが満たされる。
図中パターンCは、偏向プリズム230の配置位置Wをよりスペース間隔の広い位置に変更し、配置位置W=30mm、屈折率N=1.5として指定した場合である。このとき、配置角度θ=10.08deg、くさび角度Δθ=0.34deg、中心厚さt=1.60mmのとき、条件Aが満たされる。
図中パターンDは、異なる装置光学系レイアウトを考慮し、瞳孔共役面Spと眼底共役面Srまでの距離を60mmに変更し、配置位置W=20mm、屈折率N=1.5として指定した場合である。このとき、配置角度θ=10.06deg、くさび角度Δθ=0.45deg、中心厚さt=1.46mmのとき、条件Aが満たされる。
即ち、偏向プリズム230が被検眼の瞳孔中心にたいして光束の偏心を維持するように、より詳細には、光束を被検眼に導く際の被検眼の瞳孔での光束入射位置が該瞳孔の中心に対して偏心した状態を維持するように、構成される。また、回転機構225は、被検眼の眼底上での光束を測定光学系の光軸を中心に偏心回転させることとなる。
以上のように、適宜装置レイアウトや使用材料に応じて、条件Aを満たすように偏向プリズム230のパラメータを決定すれば、瞳孔Ep上での光束のけられを抑えるという、本実施形態の効果を得ることができる。
なお、本実施形態にて偏向プリズム230とこれを回転させる回転機構225とを、スペックルノイズを抑制する構成として示しているが、耐久性等の観点から当該構成は画像データの取得時に動作することが好ましい。このため、本実施形態では、測定ユニット110に包含されてこれら構成等を制御する不図示の制御手段により、受光光学系に対する画像データ取得の指示が受け付けられたこと等の動作に応じて回転動作の開始が指示され、画像データ取得の終了の指示が受け付けられたことに応じて、回転動作の停止が指示される。
(第二の実施形態)
測定光軸は装置構成上の様々な事情により、視軸にたいしてわずかに傾斜を与える場合がある。例えば、レンズ表面反射の戻り光の受光光学系への混入を防止する場合や、眼底上の投光位置を被検眼の視線方向からずらすことにより、被検眼が感じる煩わしさを避ける場合などである。このような場合、上述した第一の実施形態によっても実際に被検眼に導かれる測定光は視軸に対して傾くことから、この視線方向からずらすことと同等の効果が得られる。しかし、けられの抑制、まつげ影響を避ける等の要求により更に視軸に対して傾斜させて測定光を導くことが求められることも考えられる。本実施形態はこのような場合に対応するものである。具体的には、図2(b)に示すように、測定光学系の光軸が、視線方向にあたる視軸にたいして傾斜している点が第一の実施形態と異なる。
図中L0´は光学系の光軸であり、第一の実施形態における光軸L0に比べてわずかに傾斜を持っている。偏向プリズム230はこの光軸L0´を回転中心として回転する。この場合においても、瞳孔共役面Spと眼底共役面Srとの距離L、眼底共役面Sr上の光軸L0´からの所定の偏心量hに対して条件Aが適用できる。これを満たすことにより、前述した実施形態と同様に、可干渉性光源によるスペックルノイズが低減されつつ、さらに瞳孔Ep上での光束のけられは抑制され、良好な測定結果が得られることになる。
以上述べた実施形態においては、光束偏向部材は透光材料からなる楔形状のプリズムであることを特徴とする。また、光束偏向部材を通過する光線は、瞳孔共役位置から眼底共役位置までの距離をL 、眼底共役面偏心量をhとし、それらの正接をtanα(=h/L)とした場合に、光束偏向部材の光線射出部の光軸からの高さd、瞳孔共役面からの距離P、光束偏向部材光線射出後の光線角度uに対し、d/P=tanαかつu=αの関係になっていることが好ましい。さらに、投光光学系に用いられる光源は可干渉性光源であり、LD(Laser Diode)或いはSLD(Super Luminecent Diode)であることが好ましい。また、測定光学系の光軸は傾斜を有していることが好ましく、更に回転手段は撮像素子の出力画像の1フレームの取り込み時間よりも短い周期で回転することがより好ましく、演算手段は回転手段の回転中に撮像素子の出力画像の連続した複数フレームを重ね合わせた画像から被検眼の眼屈折力を得ることがより好ましい。
なお、上述した実施形態では、本発明を適用する上で好適な眼屈折力測定装置を例としている。しかし、本発明は当該形態に限定されず、可干渉性光を測定光として用いる種々の眼科装置においても適用可能である。
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
201 測定光源
203 絞り
204 孔あきミラー
205 対物レンズ
207 リング状絞り
210 撮像素子
230 偏向プリズム

Claims (13)

  1. 被検眼の眼底に光束を投光する投光光学系と、
    前記眼底からの反射光を撮像素子にて受光する受光光学系と
    前記光束の光路に配置されて前記光束を偏向させる光束偏向部材と、
    前記光束偏向部材を前記受光光学系の光軸中心に回転させる回転手段と、を有し、
    前記光束を前記眼底に投光する際に通過する前記被検眼の瞳孔での位置が前記瞳孔の中心に対して偏心した状態を維持するように、前記光束偏向部材が構成されることを特徴とする眼科装置。
  2. 前記光束偏向部材は、前記光束の光路における前記被検眼の眼底共役位置から外れた位置かつ前記被検眼の瞳孔共役位置から外れた位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
  3. 前記撮像素子の出力に基づいて前記被検眼の眼屈折力を得る演算手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の眼科装置。
  4. 前記回転手段は、前記被検眼の眼底上での光束を前記受光光学系の光軸を中心に偏心回転させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の眼科装置。
  5. 前記光束偏向部材は透光材料からなる楔形状のプリズムであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の眼科装置。
  6. 前記光束偏向部材を通過する光線は、前記瞳孔共役位置から前記眼底共役位置までの距離をL 、前記眼底共役面における偏心量をhとし、前記距離Lと前記偏心量hとの正接をtanα(=h/L)とした場合に、前記光束偏向部材の光線射出部の光軸からの高さd、前記瞳孔共役面からの距離P、前記光束偏向部材から光線を射出した後の光線角度uに対し、d/P=tanαかつu=αの関係になっていることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか一項に記載の眼科装置。
  7. 前記投光光学系に用いられる光源は可干渉性光源であり、LD(Laser Diode)或いはSLD(Super Luminecent Diode)であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の眼科装置。
  8. 前記投光光学系の光軸は傾斜を有していることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の眼科装置。
  9. 前記回転手段は前記撮像素子の出力画像の1フレームの取り込み時間よりも短い周期で回転することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の眼科装置。
  10. 前記演算手段は前記回転手段の回転中に前記撮像素子の出力画像の連続した複数フレームを重ね合わせた画像から前記被検眼の眼屈折力を得ることを特徴とする請求項3に記載の眼科装置。
  11. 前記回転手段の回転動作の開始及び停止を指示する制御手段を更に有し、
    前記制御手段は前記受光光学系の動作に応じて前記回転動作の開始及び停止を指示することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の眼科装置。
  12. 被検眼の眼底に光束を投光する投光工程と、
    前記眼底からの反射光を撮像素子にて受光する受光工程と、を有する眼科装置の制御方法において、
    前記光束の光路に配置されて前記光束を偏向させる光束偏向部材と
    前記光束偏向部材を前記撮像素子の光軸中心に回転させる回転手段と、を有し、
    前記光束偏向部材により、前記光束を前記眼底に投光する際に通過する前記被検眼の瞳孔での位置が前記瞳孔の中心に対して偏心した状態を維持する、ことを特徴とする眼科装置の制御方法。
  13. 請求項12に記載の眼科装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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