JP2014186281A - 人工血管および人工血管の成形方法 - Google Patents

人工血管および人工血管の成形方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014186281A
JP2014186281A JP2013063066A JP2013063066A JP2014186281A JP 2014186281 A JP2014186281 A JP 2014186281A JP 2013063066 A JP2013063066 A JP 2013063066A JP 2013063066 A JP2013063066 A JP 2013063066A JP 2014186281 A JP2014186281 A JP 2014186281A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood vessel
artificial blood
resin
molding
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2013063066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6372049B2 (ja
Inventor
Taketoshi Marui
健敏 圓井
Masayuki Sekikawa
昌之 関川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marui Co Ltd
Original Assignee
Marui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Marui Co Ltd filed Critical Marui Co Ltd
Priority to JP2013063066A priority Critical patent/JP6372049B2/ja
Publication of JP2014186281A publication Critical patent/JP2014186281A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6372049B2 publication Critical patent/JP6372049B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Instructional Devices (AREA)
  • Prostheses (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】FRPを素材とした人工血管および人工血管の成形方法を提供する。
【解決手段】管形状である人工血管51であって、人工血管の素材は、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物とを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体、環動高分子材料を主体とする重合体ブロックおよび、ウレタンを主体とする重合体ブロックのうちのいずれかを繊維強化樹脂の樹脂として含む。
【選択図】図3

Description

本発明は、人工血管および人工血管の成形方法に関する。
人工血管は、生体内への移植に用いる以外にも種々の分野で使用されることがある。例えば、医療従事者が血管に対する穿刺のトレーニングには、人工血管を内側に備えるヒトの腕の形をしたシミュレータが用いられる。
人工血管は、例えば、シリコーンを成形して作製される。また、シリコーン以外であれば、例えば、樹脂を用いることもできる。このような樹脂の成形方法としては、種々の方法が知られている。例えば、繊維強化樹脂(FRP:Fiber Reinforced Plastics)は、繊維と樹脂とから構成される構造を備え、高強度な特性を備える。
上記FRPを簡易に成形できる方法として、VaRTM(Vacuum assist Resin Transfer Molding)法が知られており、特許文献1には、VaRTM法の基礎が開示されている。さらに、特許文献2および3においては、改良型のVaRTM法が開示されている。
特開2002−307463号公報(2002年10月23日公開) 特開2012−45863号公報(2012年3月4日公開) 特開2012−245623号公報(2012年12月13日公開)
上記のシリコーンを素材とした人工血管は、弾性率が人体の血管と大きく異なっており、また、引き裂き強度が弱いという問題がある。また、上記シリコーンを素材とした人工血管において壁の厚みを人体の血管に近似させた場合、壁の厚みに偏りを生じるという問題もある。
上記の問題を解決するためには、人工血管の素材として新規の素材を探す必要がある。ここで、上記新規の素材の成形方法として、これまで樹脂(例えば、上記FRP)を簡易に成形する手法として知られていた上記VaRTM法を使用することが期待できる。このVaRTM法を使用できれば、新たに探し出した素材を用いて、簡易に強度の強い人工血管を成形することが可能となるからである。しかしながら、上記VaRTM法を用いた成形においては、板状の成形例しかこれまでに開示されておらず、人工血管の成形に必要となるチューブ状の成形例は示されていない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、FRPを素材とした人工血管および人工血管の成形方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の管形状である人工血管は、当該人工血管の素材が、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物とを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体、環動高分子材料を主体とする重合体ブロックおよび、ウレタンを主体とする重合体ブロックのうちのいずれかを、繊維強化樹脂の樹脂として含むことを特徴とする。
上記の構成によると、強度の強い人工血管を提供することができる。さらに、特殊エラストマーを繊維強化樹脂の樹脂として使用しているので、当該人工血管の物性を人体の血管に近似させることができる。
さらに、本発明の管形状である人工血管は、複数の層構造を備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、特殊エラストマーを素材として積層構造を備えているため、当該人工血管の物性および構造を人体の血管に近似させることができる。
さらに、本発明の管形状である人工血管の成形方法は、成形型に配置した繊維素材に注入した樹脂を真空下で含浸させて得る繊維強化樹脂を素材とする人工血管の成形方法であって、上記人工血管の成形型が円筒状であり、成形される上記人工血管が管形状の繊維強化樹脂からなることを特徴とする。
上記の構成によると、オートクレーブなどの大掛かりな設備を必要とせずに、気泡の含有を抑えたFRP構造を備える人工血管を簡易に成形することができる。
さらに、本発明の管形状である人工血管の成形方法は、人工血管成形装置を用いた人工血管の成形方法であって、上記人工血管成形装置は、人工血管成形部を備えており、上記人工血管成形部に備わった樹脂注入口の近傍に、樹脂を均一に拡散させるための樹脂拡散リングを備えてもよい。
さらに、本発明の穿刺練習用シミュレータは、上記の本発明に係る人工血管を備えることを特徴とする。
上記の構成によると、上記穿刺練習用シミュレータは人体の血管に近似した構造および物性(弾性率)を備えた人工血管を備える。よって、医療行為における穿刺練習のトレーニングを、人体の血管に近い感覚で効率的に行うことができる。さらに、特殊エラストマーは、従来の人工血管の素材であるシリコーンに比べて柔軟性、伸縮性に富んでいる。したがって、上記穿刺練習用シミュレータは、穿刺の孔道が出来にくい。よって、上記穿刺練習用シミュレータは繰り返しの使用に耐えうる強度を備える。
本発明の管形状である人工血管は、当該人工血管の素材が、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物とを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体、環動高分子材料を主体とする重合体ブロックおよび、ウレタンを主体とする重合体ブロックのうちのいずれかを、繊維強化樹脂の樹脂として含むことを特徴とする。
上記の構成によると、強度の強い人工血管を提供することができる。さらに、特殊エラストマーを繊維強化樹脂の樹脂として使用しているので、当該人工血管の物性を人体の血管に近似させることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る人工血管の成形の一例を示した図である。(a)は、押出成形装置の全体を示しており、(b)は、(a)における領域Pを拡大して示している。 本発明の一実施形態に係る人工血管の成形の他の一例を示した図である。(a)は3層押出成形装置の全体を示しており、(b)は(a)におけるノズル部を拡大して示している。 本発明の他の実施形態に係る人工血管の成形の他の一例を示した図である。(a)は、MT−VaRTM法成形装置の全体を示している。(b)は(a)におけるMT−VaRTM成形部を拡大して示している。 本発明の他の実施形態に係る人工血管の成形の他の一例を示した図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る人工血管を用いた穿刺練習用シミュレータの一例を示した図である。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1に基づいて説明すれば以下のとおりである。図1は、押出成形装置10aによる人工血管の成形の一例を示した図である。図1の(a)は、押出成形装置10aの全体を示しており、図1の(b)は、図1の(a)における連結領域Pを拡大した図である。
図1の(a)に示すように、押出成形装置10aは樹脂容器12およびノズル13を備える。樹脂容器12には樹脂14が充填される。ノズル13は噴出し部133を備える。
本発明において使用される樹脂としては、特殊エラストマーが好ましい。例えば、上記特殊エラストマーは、熱可塑性エラストマーおよび熱硬化性エラストマーである。熱可塑性エラストマーとしては、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物とを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体が好ましく、硬さが1〜30度(JIS K6253に準拠、Aタイプ)であることが好ましい。
また、熱硬化性エラストマーとしては、環動高分子材料またはウレタンを主体とする重合体ブロックが好ましく、硬さが1〜30度(JIS K6253に準拠、Aタイプ)であることが好ましい。
図1の(b)に示すように、噴出し部133は、自身の先端部分に噴出し外側部131および噴出し内側部132を備えている。円柱形の噴出し内側部132を中心として円筒形の噴出し外側部131が配置している。噴出し内側部132の長さL1は、例えば、5mm〜20mmである。また、噴出し内側部132の直径L3は、例えば、4mmである。また、噴出し外側部131の円柱形の内部空間の直径L2は、例えば、6mmである。
チューブ成形部2は内側に芯金21を備えており、噴出し内側部132の中心と芯金21の中心とが重なり合うように、噴出し部133と連結している。チューブ成形部2の内径は、噴出し外側部131の内部空間の直径L2と同じ径であることが好ましく、例えば、本実施形態においては6mmである。また、芯金21の径は噴出し内側部132の直径L3と同じ径であることが好ましく、例えば、本実施形態においては4mmである。
次に、上記押出成形装置10aによる人工血管の成形工程について説明する。樹脂容器12内の圧力を上げることにより、樹脂14は、ノズル13を介してチューブ成形部2に注入される。特殊エラストマーは、その融点よりも高い130℃以上の温度にて、かつ、特殊エラストマーの温度劣化を抑制できる200℃以下の温度にて、溶解するのが好ましい。また、樹脂14のノズル13からチューブ成形部2への押出速度は、例えば、成形される人工血管の壁の厚みを均一にするために約170℃(150〜180℃)において100mm/minであることが好ましい。さらに、樹脂14の注入時におけるチューブ成形部2内の温度は、樹脂14の流動に影響を及ぼす粘度を安定させるために、130℃〜200℃に保持することが好ましい。
上記成形工程によって成形した人工血管の弾性率を測定するために、上記成形工程によって成形した特殊エラストマーおよびシリコーンを素材とする人工血管を成形した。成形したそれぞれの人工血管の弾性率を、引張り試験によって測定した。上記引っ張り試験の結果として、特殊エラストマーを素材とした人工血管の弾性率は50kPaであった。一方、シリコーンを素材とした場合においては、弾性率は、3000kPaであった。人体の血管の弾性率は1kPaから1000kPaであることが公知である。すなわち、シリコーンを素材とした人工血管の弾性率が人体の血管の弾性率の範囲外であった、一方で、特殊エラストマーを素材とした人工血管の弾性率は人体の血管の弾性率の範囲内であった。
上記の構成によると、従来成形が困難であった特殊エラストマーを素材とする人工血管を成形できる。また、上記人工血管は、特殊エラストマーを素材とすることにより、人体の血管に近似した物性(弾性率)を備えることができる。さらに、上記の成形方法においては、人工血管の厚みを人体の血管に近似させても、特殊エラストマーを素材とすることにより、人工血管の壁の厚みの偏りを抑制することができる。
(変形例1)
上記実施形態1が単層構造の人工血管の成形の例であるのに対して、本変形例は積層構造を備えた人工血管の成形の例を示す。なお、本変形例では、便宜上、3層構造の人工血管の成形例を示しているが、特に層の数に制限はない。また、説明の便宜上、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本変形例について図2に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図2は、3層押出成形装置10bによる人工血管の成形の一例を示した図である。図2の(a)は、3層押出成形装置10bの全体を示しており、図2の(b)は、図2の(a)におけるノズル130の一例を示している。
図2の(a)に示すように、3層押出成形装置10bは、3つの樹脂容器12a、樹脂容器12b、樹脂容器12c、および、3つのノズル13a、ノズル13b、ノズル13cからなるノズル130を備える。樹脂容器12aはノズル13aに連結している。
樹脂容器12bは流路15bに接続しており、樹脂容器12cは流路15cに接続している。流路15bはノズル13bに連結しており、流路15cはノズル13cに連結している。樹脂容器12a、樹脂容器12bおよび樹脂容器12cに充填されている樹脂14a、樹脂14bおよび樹脂14cは、ノズル13a、ノズル13bおよびノズル13cにそれぞれ注入される。なお、樹脂14a、樹脂14b、樹脂14cは同一の樹脂であっても、異なる樹脂であってもよい。
図2の(b)に示すように、ノズル13cの噴出し部133cの内側にはノズル13bの噴出し部133bが配置されており、さらに、ノズル13bの噴出し部133bの内側にはノズル13aの噴出し部133aが配置している。樹脂容器12a内の圧力を上げることによって、樹脂容器12a内にそれぞれ充填されている樹脂14aが、噴出し部133aから押し出され、図示しないチューブ成形部に注入される。樹脂14bおよび樹脂14bにおいても同様である。なお、上記チューブ成形部は実施形態1に示したチューブ成形部2と同様な構成であってもよい。樹脂容器12a、樹脂容器12bおよび樹脂容器12c内の圧力をこの順に上げることによって、上記の各噴出し部から押し出された樹脂は、樹脂14cから成る最外層と、樹脂14cから成る層の内側に位置する樹脂14bから成る層と、さらに樹脂14bから成る層の内側に位置する樹脂14aから成る層との3層構造を成形する。すなわち、上記工程によって成形される人工血管は3層構造を備える。
なお、樹脂容器12a、樹脂容器12bおよび樹脂容器12c内の圧力を同時に上げることによって、上記の3層構造を成形してもよい。
上記の構成によると、上記成形工程によって成形した人工血管は人体の血管に近似した積層構造かつ物性(弾性率)を備える。
〔実施形態2〕
本実施形態においては、VaRTM法によって特殊エラストマーを素材とした繊維強化樹脂(FRP)構造を備えた人工血管の成形の一例を示す。また、説明の便宜上、上記実施形態1および変形例1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態について、図3に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
図3は、MT−VaRTM(Mini Tube-Vacuum assist Resin Transfer Molding)法成形装置100による人工血管の成形の一例を示した図である。図3の(a)は、MT−VaRTM法成形装置100の全体を示している。図3の(b)は、図3の(a)におけるMT−VaRTM成形部40を示している。図3の(a)に示すように、MT−VaRTM法成形装置100は、押出成形装置10a、樹脂注入管3およびMT−VaRTM成形部40を備える。
樹脂注入管3は、押出成形装置10aとMT−VaRTM成形部40とを空間的に連結しており、押出成形装置10aから押し出される樹脂14をMT−VaRTM成形部40に注入するための流路である。
図3の(b)に示すように、MT−VaRTM成形部40は、ホールパイプ41、樹脂拡散リング42およびバキュームバック43を備える。
ホールパイプ41は、成形型であり、ホールパイプ41の縦方向に対して所定の間隔毎に孔を備えている。例えば、本実施形態においては、上記所定の間隔は10mmである。また、上記孔は、ホールパイプ41の中心を中心とする円周上に等間隔毎に備わっている。本実施形態においては上記孔の直径は2mmであり、同一円周上に8つ備わっている。円周上における孔の数および大きさ、の各々は、特に限定されない。また、ホールパイプ41は円筒形であり、内部が空洞となっており、真空ポンプ等と連結が可能な構成である。
樹脂拡散リング42は、MT−VaRTM成形部40に注入される樹脂を樹脂注入領域Qに均一に拡散させるためのものである。樹脂拡散リング42は、樹脂注入口47の近傍に配置している。すなわち、樹脂注入口47と、FRPを構成する繊維45が設置されている領域との間に配置している。樹脂拡散リング42はリング状の形状であり、上記リングの中心を中心とした円周上に孔を備える。注入された樹脂は上記孔を介して樹脂注入領域Qに拡散する。
バキュームバック43は、樹脂注入領域Qの全体を覆っている。バキュームバック43に覆われた空間は、真空ポンプ等と連結したホールパイプ41からの真空吸引によって真空状態となる。バキュームバック43は、樹脂14が注入される樹脂注入領域Qと外部空間とを遮断することによって、樹脂注入領域Qの真空状態を保持する。また、バキュームバック43は、樹脂注入管3と連結する樹脂注入口47を備える。
次に、MT−VaRTM成形部40による特殊エラストマーを素材とした人工血管の成形工程について図3に基づいて説明する。樹脂注入領域Qにおいて、ホールパイプ41の表面にピールプライ44を巻き付け、ピールプライ44の周りに繊維45を固定する。繊維45は、例えば、ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、炭素繊維および金属繊維などが使用できる。これらの中でも、安価で強度が比較的高い繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維が好ましい。また、繊維45は、図示しないアルミ治具等によって固定されてもよい。
次に、繊維45の形状を保持するために、半円筒上のセミサークルプレート(加圧プレート)46が繊維45を覆うようにセットする。さらに、セミサークルプレート46の周りを図示しない不織布で覆う。
次に、バキュームバックを樹脂注入管3にシーラントで固定して、樹脂注入口47を確保する。また、注入時の樹脂14の流動に影響を及ぼす粘度を安定させるために、MT−VaRTM成形部40を約170℃(150〜180℃)に保持する。上記の温度の保持は、例えば、電熱線ヒータを用いても、小型環境室を用いてもよい。
次に、押出成形装置10aから樹脂14を樹脂注入領域Qに注入しながら、ホールパイプ41に連結している真空ポンプなどで、樹脂注入領域Qの真空吸引を行う。上記真空吸引によって、樹脂14に含まれる気泡を除去することができる。なお、押出成形装置10aにおける押出しの条件は、上記実施形態1に示した押出しの条件であってもよい。また、樹脂の樹脂注入領域Qへの注入速度については、真空圧を変更することによって調整してもよい。なお、本実施形態によって成形した特殊エラストマーを素材とした人工血管の弾性率は、上記実施形態1において示した押出成形によって成形した特殊エアラストマーを素材とした人工血管と同様の値を示した。
上記の構成によると、オートクレーブなどの大掛かりな設備を必要とせずに、気泡の含有を抑えたFRP構造を備える人工血管を簡易に成形することができる。さらに、一般的にVaRTM法では用いられない熱可塑性エラストマーを含む特殊エラストマーを素材として人工血管を成形することができる。また、特殊エラストマーを素材としているので、当該人工血管の物性を人体の血管に近似させることができる。
(変形例2)
上記実施形態2が、MT−VaRTM法による単層構造の人工血管の成形の例であるのに対して、本変形例は、MT−VaRTM法による積層の構造を備えた人工血管の成形の一例を示す。なお、本変形例では、便宜上、3層構造の人工血管の成形例を示しているが、特に層の数に制限はない。また、説明の便宜上、上記実施形態2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本変形例について図4に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図4は、3層MT−VaRTM法成形装置101による人工血管の成形の一例を示した図である。図4の(a)は、3層MT−VaRTM法成形装置101の全体を示している。図4の(a)に示すように、3層MT−VaRTM法成形装置101は、3層押出成形装置10b、樹脂注入管3およびMT−VaRTM成形部40を備える。本変形例においては、上記実施形態2において説明した「MT−VaRTM成形部40による特殊エラストマーを素材とした人工血管の成形工程」を繰り返しおこなう。上記工程を繰り返すことによって、積層構造を備える人工血管を成形する。
例えば、樹脂容器12a、樹脂容器12bおよび樹脂容器12cに所望の樹脂を充填する。次に、樹脂容器12a内の圧力を上げ、樹脂容器12aに充填されている樹脂14aをMT−VaRTM成形部40に注入し、第1の管形状FRPを成形する。次に、樹脂容器12b内の圧力を上げ、樹脂容器12bに充填されている樹脂14bをMT−VaRTM成形部40に注入し、第1の管形状の外側に第2のFRP管形状のFRPを成形する。次に、樹脂容器12c内の圧力を上げ、樹脂容器12cに充填されている樹脂14cをMT−VaRTM成形部40に注入し、第2の管形状の外側に第3のFRP管形状のFRPを成形する。
なお、積層構造を備える人工血管の成形においては、図3で示す押出成形装置10aを用いて、各層の成形を繰り返すことによって積層構造の人工血管を成形してもよい。また、各層の成形時に押出成形装置10aに充填する樹脂の種類を変えることによって、異なる樹脂を素材としたFRPの積層構造を成形してもよい。
上記の構成によると、オートクレーブなどの大掛かりな設備を必要とせずに、特殊エラストマーを素材として積層のFRP構造を備える人工血管を簡易に成形することができる。また、特殊エラストマーを素材として積層構造を備えているため、当該人工血管の物性および構造を人体の血管に近似させることができる。
〔実施形態3〕
本実施形態においては、上記実施形態1および上記実施形態2の成形工程によって成形された人工血管を用いた穿刺練習用シミュレータの一例を示す。また、説明の便宜上、上記実施形態1および実施形態2にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。本実施形態について図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。
図5は、上記実施形態1および実施形態2の成形工程によって成形された人工血管を用いた穿刺練習用シミュレータの一例を示した図である。図5に示すように、穿刺練習用シミュレータ50は、ヒトの腕の形態をしている。さらに、穿刺練習用シミュレータ50の内部には、人工血管51を備えている。人工血管51においては、模擬血液が循環する構成であってもよい。医療従事者70は、穿刺練習用シミュレータ50に対して注射器60等を用いて穿刺練習を行う。
上記の構成によると、穿刺練習用シミュレータは人体の血管に近似した構造および物性(弾性率)を備えた人工血管を備える。よって、医療行為における穿刺練習のトレーニングを、人体の血管に近い感覚で効率的に行うことができる。さらに、特殊エラストマーは、従来の人工血管の素材であるシリコーンに比べて柔軟性、伸縮性に富んでいる。したがって、上記穿刺練習用シミュレータは、穿刺の孔道が出来にくい。よって、上記穿刺練習用シミュレータは繰り返しの使用に耐えうる強度を備える。
本発明は上述した各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、人工血管の成形方法および人工血管を備える穿刺練習用シミュレータ等に利用することができる。
14・14a・14b・14c 樹脂(素材)、40 MT−VaRTM成形部(人工血管成形部)、41 ホールパイプ(成形型)、42 樹脂拡散リング、45 繊維(繊維素材)、47 樹脂注入口、50 穿刺練習用シミュレータ、51 人工血管、100 MT−VaRTM(Mini Tube-Vacuum assist Resin Transfer Molding)法成形装置(人工血管成形装置)、101 3層MT−VaRTM法成形装置(人工血管成形装置)

Claims (5)

  1. 管形状である人工血管であって、
    上記人工血管の素材は、スチレンを主体とする重合体ブロックと共役ジエン化合物とを主体とする重合体ブロックからなるブロック共重合体、環動高分子材料を主体とする重合体ブロックおよび、ウレタンを主体とする重合体ブロックのうちのいずれかを、繊維強化樹脂の樹脂として含むことを特徴とする人工血管。
  2. 複数の層構造を備えることを特徴とする請求項1に記載の人工血管。
  3. 成形型に配置した繊維素材に注入した樹脂を真空下で含浸させて得る繊維強化樹脂を素材とする請求項1に記載の人工血管の成形方法であって、
    上記人工血管の成形型が円筒状であり、
    成形される上記人工血管が管形状の繊維強化樹脂からなることを特徴とする人工血管の成形方法。
  4. 人工血管成形装置を用いた請求項3に記載の人工血管の成形方法であって、
    上記人工血管成形装置は人工血管成形部を備えており、
    上記人工血管成形部に備わった樹脂注入口の近傍に、樹脂を均一に拡散させるための樹脂拡散リングを備えることを特徴とする人工血管の成形方法。
  5. 請求項1または2に記載の人工血管を備える穿刺練習用シミュレータ。
JP2013063066A 2013-03-25 2013-03-25 人工血管および人工血管の成形方法 Active JP6372049B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063066A JP6372049B2 (ja) 2013-03-25 2013-03-25 人工血管および人工血管の成形方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013063066A JP6372049B2 (ja) 2013-03-25 2013-03-25 人工血管および人工血管の成形方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014186281A true JP2014186281A (ja) 2014-10-02
JP6372049B2 JP6372049B2 (ja) 2018-08-15

Family

ID=51833888

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013063066A Active JP6372049B2 (ja) 2013-03-25 2013-03-25 人工血管および人工血管の成形方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6372049B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018034074A1 (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 テルモ株式会社 手技シミュレータ
WO2020095713A1 (ja) 2018-11-08 2020-05-14 デンカ株式会社 人工血管
JP2021039224A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 学校法人近畿大学 穿刺練習用模型
DE112020003114T5 (de) 2019-06-27 2022-05-19 Denka Company Limited Harzzusammensetzung und modell für läsionierte tubuläre gewebe
US11965096B2 (en) 2018-11-08 2024-04-23 Denka Company Limited Resin composition and biological model using same

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6034450A (ja) * 1983-08-03 1985-02-22 テルモ株式会社 人工血管
JPH08332218A (ja) * 1995-06-08 1996-12-17 Terumo Corp 人工血管
JP2002337244A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Toray Ind Inc Frp製円筒の製造方法
JP2007206379A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Yunimatekku Kk 注射練習器具
JP2009507528A (ja) * 2005-08-15 2009-02-26 アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド 繊維で強化された複合ステント
JP2010261134A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Advanced Softmaterials Inc ポリロタキサン繊維
JP2012187398A (ja) * 2011-02-25 2012-10-04 Shinji Uchida 人工血管

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6034450A (ja) * 1983-08-03 1985-02-22 テルモ株式会社 人工血管
JPH08332218A (ja) * 1995-06-08 1996-12-17 Terumo Corp 人工血管
JP2002337244A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Toray Ind Inc Frp製円筒の製造方法
JP2009507528A (ja) * 2005-08-15 2009-02-26 アボット カーディオヴァスキュラー システムズ インコーポレイテッド 繊維で強化された複合ステント
JP2007206379A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Yunimatekku Kk 注射練習器具
JP2010261134A (ja) * 2009-05-11 2010-11-18 Advanced Softmaterials Inc ポリロタキサン繊維
JP2012187398A (ja) * 2011-02-25 2012-10-04 Shinji Uchida 人工血管

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018034074A1 (ja) * 2016-08-17 2018-02-22 テルモ株式会社 手技シミュレータ
JPWO2018034074A1 (ja) * 2016-08-17 2019-06-13 テルモ株式会社 手技シミュレータ
JP7005500B2 (ja) 2016-08-17 2022-01-21 テルモ株式会社 手技シミュレータ
WO2020095713A1 (ja) 2018-11-08 2020-05-14 デンカ株式会社 人工血管
US11965096B2 (en) 2018-11-08 2024-04-23 Denka Company Limited Resin composition and biological model using same
DE112020003114T5 (de) 2019-06-27 2022-05-19 Denka Company Limited Harzzusammensetzung und modell für läsionierte tubuläre gewebe
JP2021039224A (ja) * 2019-09-03 2021-03-11 学校法人近畿大学 穿刺練習用模型

Also Published As

Publication number Publication date
JP6372049B2 (ja) 2018-08-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6372049B2 (ja) 人工血管および人工血管の成形方法
KR960702381A (ko) 곡관과 그 제조방법 및 장치(curved pipe and process and apparatus for producing the same)
AU647203B2 (en) Catheter balloon and balloon catheter equipped with a balloon
CN107244082B (zh) 一种薄壁变厚度复合材料天线罩的成型方法
DE60228835D1 (de) Formstabile ballons
CA2459932A1 (en) Multi-layered plastic body for medical applications
US8940125B2 (en) Structural element and method for the production thereof
RU2016113157A (ru) Термопластичная повязка, обладающая исключительной деформативностью и жесткостью, и способ ее изготовления
AU2010247012A1 (en) Reinforced flexible hose with high pressure strenght and method for its manufacturing
DE602004028059D1 (de) Herstellungsverfahren für ein katheter für gefässzugang
CN105310796B (zh) 一种人造血管及其制备方法和针刺模具
ES2660991T3 (es) Procedimiento de fabricación de piezas brutas de tubo
CN104903076A (zh) 中空成型品的成型方法及纤维增强塑料的制造方法
CN202128807U (zh) 抗折多腔变径管
CN105835290B (zh) 人体靶生产工艺
WO2007113494A1 (en) Method of producing a multi-layer self-sealing graft
BR112022008740A2 (pt) Pré-formas trançadas de compósito termoplástico para perfis estruturais alongados e métodos para a fabricação das mesmas
PL2025967T3 (pl) Amortyzator i sposób jego wytwarzania
JPH01110379A (ja) 繊維強化プラスチックス製バットの製造方法
US20180128402A1 (en) Resin Line with Circumferential Openings
CN108943537A (zh) 肌内效关节护具与肌内效关节护具的制法
JP4729370B2 (ja) 管状部材の成形方法
CN113274073A (zh) 一种医疗手术用伤口扩张器及其生产工艺
EP2837488A1 (en) Methode of producing a spring made of composite material
CN104354307B (zh) 一种多层气袋结构及其制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170227

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180619

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180702

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6372049

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250