JP2014185117A - α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行った後の反応液からの環状エステル及び溶媒の回収方法、並びに、環状エステルの製造方法 - Google Patents

α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行った後の反応液からの環状エステル及び溶媒の回収方法、並びに、環状エステルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合する環状エステルの製造方法において、環状エステル製造の原単位抑制、経済性向上ができる環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法を提供すること。
【解決手段】α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルの製造方法において、解重合反応後の反応液から環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法であって、反応液をオリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する環状エステルを回収する工程1;極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2;粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3;及び洗浄後の粗極性有機溶媒を、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒を回収する工程4;を含む反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法:並びに、該回収方法を備える2量体環状エステルの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法に関し、具体的には、解重合反応を行った後の反応液からの環状エステル及び溶媒の回収方法、並びに、該回収方法を備える環状エステルの製造方法に関する。
ポリグリコール酸やポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルは、生分解性や加水分解性、強度などに優れた樹脂材料であり、広範な技術分野への使用が試みられている。
ポリグリコール酸やポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルは、グリコール酸や乳酸等のα−ヒドロキシカルボン酸の脱水重縮合により形成される構造の繰り返し単位を有する樹脂である。強度や耐久性、溶融加工性、自然環境下や生体内における適度な分解速度を有する高重合度の脂肪族ポリエステルを得るためには、α−ヒドロキシカルボン酸を出発原料として脱水重縮合させる方法よりも、2分子のα−ヒドロキシカルボン酸から2分子の水が脱離した環状2量体構造を有する、グリコリドやラクチド等のα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル(以下、「2量体環状エステル」または「環状エステル」ということがある。)を出発原料として、該2量体環状エステルを開環重合させる方法が好適である。
しかしながら、グリコール酸または乳酸等のα−ヒドロキシカルボン酸を脱水反応させても、グリコリドやラクチド等の2量体環状エステルを合成することはできず、低重合度のα−ヒドロキシカルボン酸重合体が得られるだけである。
そこで、グリコリドやラクチド等の2量体環状エステルの製造方法として、グリコール酸オリゴマーや乳酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合させる方法が知られている。例えば、グリコール酸オリゴマーの解重合によりグリコリドを得て、次いで、グリコリドの開環重合によりポリグリコール酸を製造する場合について説明する。まず、下記反応式(1)
Figure 2014185117
に従って、グリコール酸を重縮合させて、低重合度のグリコール酸オリゴマーを合成する。次いで、下記反応式(2)
Figure 2014185117
に従って、グリコール酸オリゴマーを解重合させて、グリコリド(すなわち、2量体環状エステル)を合成する。続いて、グリコリドを開環重合させると、下記反応式(3)
Figure 2014185117
に従って、ポリグリコール酸を製造することができる。
グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合によりグリコリド等の環状エステルを合成する方法について、様々な提案がされている。例えば、グリコリド等の環状エステルの量産に適した方法として、溶液相解重合法が提案されている。溶液相解重合法とは、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと高沸点極性有機溶媒とを含有する混合物を加熱して、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの溶液相を形成し、その状態で加熱を継続して、解重合反応を行う方法である。高沸点極性有機溶媒に対するグリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの溶解度を高める必要がある場合には、該混合物中に可溶化剤を含有させる。
特許文献1には、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを高沸点極性有機溶媒中で加熱して溶解させ、その状態で加熱を継続して解重合を行い、生成した環状エステルを高沸点極性有機溶媒と共に留出させ、留出物からグリコリド等の環状エステルを回収する環状エステルの製造方法が開示されている。
特許文献2には、低分子量ポリグリコール酸等の脂肪族ポリエステル(α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーに属する。)と特定のポリアルキレングリコールジエーテル(極性有機溶媒に属する。)とを含有する混合物を、該脂肪族ポリエステルの解重合が起こる温度に加熱して、均一な溶液相とした状態で該脂肪族ポリエステルの解重合を行い、解重合により生成した環状エステルをポリアルキレングリコールジエーテルと共に留出させて、留出物からグリコリド等の環状エステルを回収する環状エステルの製造方法が開示されている。
特許文献1及び2に開示される方法によれば、グリコリド等の環状エステルの量産化が可能であることに加えて、解重合反応を安定的に実施することができる。しかし、この方法により同じ反応容器内で解重合反応の連続運転を行うと、次第に解重合反応系が不安定になり、グリコリド等の環状エステルの生成速度が低下し、また、重質化物の蓄積による解重合反応系の粘稠化が進行して、熱伝達が低下する結果、突沸が生じやすくなることがある。特許文献3には、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー、具体的にはグリコール酸オリゴマーを加熱して解重合させる工程を含むグリコリド(すなわち、環状エステル)の製造方法において、解重合反応系内にアルコール性水酸基を持つ化合物を存在させ、その際、解重合反応系内での該化合物の量を所定割合に維持するよう制御する環状エステルの製造方法が開示されている。特許文献3記載の方法によれば、グリコリド(環状エステル)の生成速度の低下を効果的に抑制することができる。
定期的に、または、環状エステルの生成速度が所定値以下に低下したときには、反応装置(反応釜等)から、解重合反応に使用したα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー、極性有機溶媒のほかに、未反応の原料や反応中に生成した副生成物、更には目的物である環状エステル(グリコリド等)などを含有する解重合反応を行った後の反応液(以下、「解重合反応液」または単に「反応液」ということがある。)を取り出し、解重合反応液の入れ換えが行われる。取り出された解重合反応液から、グリコリド等の環状エステルや、解重合反応に使用した極性有機溶媒を取得することができる。取得された環状エステルは、通常、再結晶等により精製を行った後に、製品グリコリドとして回収される。取得された極性有機溶媒は、通常、解重合反応を妨げる水分含有量を低減させるために、更に蒸留を繰り返す等の操作により精製を行った後に、環状エステルを製造するための解重合反応に使用する極性有機溶媒として、再利用することができる。
解重合反応液から取得されたグリコリド等の環状エステルや解重合反応に使用した極性有機溶媒の精製には、多くの時間や溶剤や熱エネルギーが必要であるので、環状エステルの製造方法におけるコストや原単位(すなわち、製品の一定量を生産するのに必要な原料・動力・労働力などの基準量)が増大する要因の一つともなっている。そこで、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うグリコリド等の環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から、より短時間で効率的に、環状エステルを更に回収し、また、水分含有量が少ない極性有機溶媒を回収することができる方法が、環状エステルの収率の向上、及び、環状エステル製造における原単位の抑制や経済性の向上の観点から望まれていた。
特開平9−328481号 国際公開第2002/014303号 特表2004−523596号
本発明の課題は、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行うグリコリド等の環状エステルの製造方法において、解重合反応後の反応液から、より短時間で効率的に、環状エステルや水分含有量が少ない極性有機溶媒を回収することができ、その結果、環状エステル製造における収率を向上し、原単位を抑制し、経済性を向上させることができる反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法、並びに環状エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を解決すべく研究するなかで、解重合反応後の反応液を、常圧下または減圧下に加熱することによって環状エステルを更に回収し、同様にして回収された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄した後に、再度蒸留して精製された極性有機溶媒を回収する反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法とすることにより課題を解決できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から前記環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法であって、
以下の工程1〜4
I.前記の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する前記環状エステルを回収する工程1;
II.環状エステルを回収した後の反応液を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2;
III.取得された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3;及び
IV.洗浄後の粗極性有機溶媒を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒を回収する工程4;
を含むことを特徴とする前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法が提供される。
また、本発明によれば、実施態様として、以下(1)〜(6)の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法が提供される。
(1)環状エステルがグリコリドであり、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーがグリコール酸オリゴマーである前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
(2)工程1に先だって、反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する工程を含む前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
(3)極性有機溶媒が、230〜450℃の沸点を有する高沸点極性有機溶媒である前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
(4)極性有機溶媒が、ポリアルキレングリコールジエーテルを含有する前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
(5)α−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法が、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒及び可溶化剤とともに加熱して解重合反応を行うものである前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
(6)回収された極性有機溶媒の水分含有量が0.2質量%以下である前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
さらに、本発明によれば、前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法を備えるα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法が提供され、さらにまた、前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法によって回収された極性有機溶媒を使用するα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法が提供される。
本発明によれば、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から前記環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法であって、
以下の工程1〜4
I.前記の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する前記環状エステルを回収する工程1;
II.環状エステルを回収した後の反応液を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2;
III.取得された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3;及び
IV.洗浄後の粗極性有機溶媒を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒を回収する工程4;
を含むことを特徴とする前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法であることによって、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行うグリコリド等の環状エステルの製造方法において、解重合反応後の反応液から、より短時間で効率的に、更に環状エステルや水分含有量が少ない極性有機溶媒を回収することができ、その結果、環状エステル製造における収率を向上し、原単位を抑制し、経済性を向上させることができる反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法、並びに環状エステルの製造方法を提供することができるという効果が奏される。
本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から前記環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法に関する。
1.α−ヒドロキシカルボン酸
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法におけるα−ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸、乳酸、α−ヒドロキシ酪酸、α−ヒドロキシ吉草酸等が挙げられる。すなわち、本発明は、これらのα−ヒドロキシカルボン酸のオリゴマーを、極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う2量体環状エステルの製造方法、いわゆる溶液相解重合法における、解重合反応を行った後の反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法である。本発明の回収方法は、特に環状エステルがグリコリドまたはラクチドであるときに有効であるので、本発明の回収方法において好ましいα−ヒドロキシカルボン酸は、グリコール酸または乳酸(L−乳酸、D−乳酸またはD,L−乳酸)であり、最も好ましくはグリコール酸である。α−ヒドロキシカルボン酸は、水溶液、例えばグリコール酸水溶液(グリコール酸濃度70質量%)等の形態として入手することができる。
2.α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法において、極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーは、グリコール酸や乳酸等のα−ヒドロキシカルボン酸(そのエステルまたは塩でもよい。)を縮合反応させて得られる、α−ヒドロキシカルボン酸の(共)重合体である。その重量平均分子量は、通常3000以上、好ましくは5000以上、より好ましくは7000以上である。重量平均分子量の上限は、通常20000程度、多くの場合15000程度である。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した値である。本発明の回収方法において好ましいα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーは、グリコール酸オリゴマーまたは乳酸オリゴマーであり、最も好ましくはグリコール酸オリゴマー(以下、「GAO」ということがある。)である。
3.極性有機溶媒
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法において、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合するに際して、使用する極性有機溶媒としては、例えば、芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸ジエステル、ポリアルキレングリコールジエーテル、芳香族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルエステル、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルエステル、ポリアルキレングリコールジエステル、芳香族リン酸エステルなどが挙げられる。また、極性有機溶媒としては、常圧下の沸点が230〜450℃、好ましくは255〜430℃、より好ましくは280〜430℃の範囲内である高沸点極性有機溶媒を用いることができる。極性有機溶媒の分子量は、好ましくは150〜450、より好ましくは180〜420、更に好ましくは200〜400の範囲内である。
これらの極性有機溶媒の中でも、芳香族ジカルボン酸ジエステル、芳香族カルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸ジエステル、及びポリアルキレングリコールジエーテルが好ましく、熱劣化を起こし難い点で、ポリアルキレングリコールジエーテルがより好ましく、分子量150〜450のポリアルキレングリコールジエーテルが特に好ましい。
芳香族ジカルボン酸ジエステルとしては、例えば、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジベンジルフタレート、ベンジルブチルフタレート等のフタル酸エステルが挙げられる。芳香族カルボン酸エステルとしては、例えば、ベンジルベンゾエート等の安息香酸エステルが挙げられる。脂肪族ジカルボン酸ジエステルとしては、ジオクチルアジペート等のアジピン酸エステル、ジブチルセバケート等のセバシン酸エステルが挙げられる。
特に好ましく使用される分子量150〜450のポリアルキレングリコールジエーテルとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオクチルエーテル、ブチルヘキシルエーテル、ブチルオクチルエーテル、ブチルデシルエーテル、ブチル2−クロロフェニルエーテルまたはヘキシルオクチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル;該ポリエチレングリコールジアルキルエーテルにおいて、エチレンオキシ基に代えて、プロピレンオキシ基またはブチレンオキシ基を含むポリプロピレングリコールジアルキルエーテルまたはポリブチレングリコールジアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのブチルフェニルエーテル、ヘキシルフェニルエーテルまたはオクチルフェニルエーテル、あるいはこれらの化合物のフェニル基の水素基がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン基等で置換されたポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル;該ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテルにおいて、エチレンオキシ基に代えて、プロピレンオキシ基またはブチレンオキシ基を含むポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテルまたはポリブチレングリコールアルキルアリールエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテル;ジエチレングリコール、トリエチレングリコールまたはテトラエチレングリコールのジフェニルエーテルまたはこれらの化合物のフェニル基がアルキル、アルコキシ、ハロゲン等で置換された化合物等のポリエチレングリコールジアリールエーテル;該ポリエチレングリコールジアリールエーテルにおいて、エチレンオキシ基に代えて、プロピレンオキシ基またはブチレンオキシ基を含むポリプロピレングリコールジアリールエーテルまたはポリブチレングリコールジアリールエーテル等のポリアルキレングリコールジアリールエーテル;などが挙げられる。
4.可溶化剤
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法において、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルを製造する際には、前記した極性有機溶媒を単独で使用することができるが、解重合反応によって得られる2量体環状エステルの純度が更に向上することから、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒及び可溶化剤とともに加熱して解重合反応を行うことが好ましい。
可溶化剤とは、極性有機溶媒よりも、GAO等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーとの親和性が高い溶媒を意味し、次の要件のいずれか1つ以上を満たす化合物であることがより好ましい。
(1)非塩基性化合物であること。アミン、ピリジン、キノリンなどの塩基性化合物は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーや生成する環状エステルと反応するおそれがあるため、好ましくない。
(2)ポリアルキレングリコールジエーテルなどの極性有機溶媒に相溶性または可溶性の化合物であること。極性有機溶媒に相溶性または可溶性の化合物であれば、常温で液体でも固体でもよい。
(3)沸点が180℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上、特に好ましくは250℃以上の化合物であること。
(4)例えば、OH基、COOH基、CONH基などの官能基を有する化合物であること。
可溶化剤としては、一価アルコール及び多価アルコールは、特に効果的である。一価または多価アルコールとしては、沸点が180℃以上、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上、特に好ましくは250℃以上の一価または多価アルコールを用いることができる。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリアルキレングリコール;ポリアルキレングリコールモノエーテルなどが、更に好ましく、沸点が180℃以上のポリアルキレングリコールモノエーテルが最も好ましい。
前記のポリアルキレングリコールモノエーテルの具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテルなどのポリエチレングリコールモノエーテル(以下、「ポリオキシエチレンモノエーテル」ということがある。);該ポリエチレングリコールモノエーテルにおいて、エチレンオキシ基をプロピレンオキシ基またはブチレンオキシ基に代えたポリプロピレングリコールモノエーテルやポリブチレングリコールモノエーテルなどのポリアルキレングリコールモノエーテル;などが挙げられる。
ポリアルキレングリコールモノエーテルは、そのエーテル基として炭素数1〜18のアルキル基を有するものがより好ましく、炭素数6〜18のアルキル基を有するものが更に好ましく、例えば、炭素数8のオクチル基(エチルヘキシル基等の分枝状のものでもよい。)が特に好ましい。これらは、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。ポリアルキレングリコールモノエーテルの中でも、トリエチレングリコールモノオクチルエーテルなどのポリエチレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。また、市販のポリアルキレングリコールモノエーテルとして入手できる、オキシエチレン単位の繰り返し数が異なるポリエチレングリコールモノエーテルの混合物、例えば、ポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製のニューコール1006)などを使用してもよい。
5.α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合して環状エステルを製造する方法
本発明は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から前記環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法に関する。前記のα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法は、具体的には、
A.α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと極性有機溶媒とを含有する混合物を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する加熱工程;
B:前記温度で更に加熱を継続して、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行うとともに、該混合物を含有する解重合反応系から解重合により生成したα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルを極性有機溶媒と共に解重合反応系外に共留出させる留出工程;並びに
C:共留出物からα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルを取得する回収工程;
の各工程を含む2量体環状エステルの製造方法などを採用することができるが、この製造方法には限定されない。以下、2量体環状エステルの製造方法における工程について説明する。
〔加熱工程〕
前記の加熱工程は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと極性有機溶媒、所望により更に可溶化剤とを含有する混合物を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する工程である。極性有機溶媒は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー100質量部に対して、通常30〜5000質量部、好ましくは50〜2000質量部の割合で使用する。極性有機溶媒の割合が小さすぎると、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合温度条件下で、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと極性有機溶媒とを含有する混合物中でのα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの溶液相の比率が低下し(α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの融液相の比率が増大し)、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応性が低下する。極性有機溶媒の割合が大きくなりすぎると、解重合反応における熱効率が低下し、解重合反応による2量体環状エステルの生産性が低下する。
加熱工程における混合物は、更に可溶化剤を含有するものであってもよい。可溶化剤を含有する場合は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー100質量部に対して、可溶化剤を、通常0.1 〜500質量部、好ましくは1〜300質量部の割合で使用する。α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと可溶化剤とのモル比(α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー/可溶化剤)を、好ましくは1〜99、より好ましくは3〜70、さらに好ましくは5〜50の範囲内に調節すると、より高純度の2量体環状エステルを得ることができる。また、加熱工程における混合物は、更に触媒を含有するものであってもよい。触媒としては、塩化錫等の錫化合物やアンチモン化合物などを使用することができる。
加熱工程においては、上記のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーと極性有機溶媒と、更に必要に応じて、可溶化剤及び/または触媒とを含有する混合物を、常圧下または減圧下に、好ましくは不活性雰囲気下で、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する。α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度は、減圧度や極性有機溶媒の種類などにより異なるが、一般に200℃以上の温度であり、したがって、加熱温度は、通常200〜350℃、好ましくは210〜310℃、より好ましくは220〜300℃、特に好ましくは230〜290℃の範囲内である。
加熱工程においては、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの溶液相を形成することが好ましく、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの融液相の残存率が0.5以下、更に好ましくは0.3以下、特に好ましくはゼロとなる条件で解重合反応を実施することが望ましい。すなわち、解重合反応を、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの融液相の残存率が実質的にゼロであって、実質的に均一な溶液相の状態で実施することが、高純度の2量体環状エステルを効率良く得る上で特に好ましい。
〔留出工程〕
本発明におけるα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合して2量体環状エステルを製造する方法は、加熱工程の加熱温度で更に加熱を継続して、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行うとともに、該混合物を含有する解重合反応系から解重合により生成した2量体環状エステルを極性有機溶媒と共に解重合反応系外に共留出させる留出工程を含む。すなわち、留出工程においては、解重合反応系から生成した2量体環状エステルが極性有機溶媒と共に留出することによって、留出ラインの内壁に2量体環状エステルが析出して付着しラインが閉塞するような問題が生じなくなり、解重合反応を長時間継続することが可能となる。α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応は可逆反応であるため、2量体環状エステルを解重合反応系から留出させて、解重合反応系外に排出させると、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応が効率的に進行する。
留出工程における加熱は、常圧下または減圧下に行うが、低い温度で解重合反応を行うことができることから、0.1〜90kPaの減圧下に行うことが好ましく、より好ましくは1〜60kPa、更に好ましくは1.5〜40kPa、特に好ましくは2〜30kPaである。
〔回収工程〕
本発明におけるα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合して2量体環状エステルを製造する方法は、留出工程に続いて、共留出物から2量体環状エステルを取得する回収工程を含む。具体的には、共留出物を熱交換器(冷却器)により冷却して液状化し、2量体環状エステルと極性有機溶媒を液状で相分離させる。共留出物を相分離させると、下層に環状エステル相(環状エステル層)が形成され、上層は、極性有機溶媒相(極性有機溶媒を含む層)となる。下層の環状エステルを液状のままで分離回収して、環状エステルを取得することができる。液状で環状エステルと極性有機溶媒を相分離させるには、冷却温度を、通常70〜180℃、好ましくは75〜150℃、より好ましくは80〜120℃の範囲内に制御する。冷却温度が高すぎると、分離回収操作の間に環状エステル相において開環反応などの副反応が起こりやすくなる。冷却温度が低すぎると、液状で相分離させることが困難になる。
熱交換器により共留出物の温度制御を行いながら解重合反応を継続すると、極性有機溶媒と共に共留出した環状エステルが、共留出物上層の溶媒相を液滴となって通過し、下層の環状エステル相へと凝縮する。回収取得された環状エステルは、所望により、更に再結晶や洗浄などを行って精製してもよい。共留出物から環状エステルを除去した残りの極性有機溶媒は、そのまま解重合反応系に還流させてもよいし、一旦、ライン外に貯留し、所望により活性炭吸着による精製や蒸留による精製をした後に、解重合反応系に追加して供給してもよい。また、後述する解重合反応を行った後の反応液から極性有機溶媒を回収する際に、併せて処理を行ってもよい。極性有機溶媒として、熱安定性に優れたポリアルキレングリコールジエーテルを用いると、共留出物から回収したほぼ全量を再利用することができる。
解重合反応系に供給したα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して行う解重合は、2量体環状エステルの生成がなくなるまで、または、2量体環状エステルの生成速度が所定値以下に低下するまで、すなわち、留出ラインで回収取得される2量体環状エステルの量が、ゼロまたは所定値以下となるまで、継続される。また、2量体環状エステルの生成速度が低下したときには、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー及び/または極性有機溶媒を、それらの留出量に対応する量だけ、解重合反応系に追加供給することによって、更に解重合反応を繰り返し継続することができる。留出ラインで回収取得される2量体環状エステルの量が、ゼロまたは所定値以下となったときには、反応装置(反応釜等)から、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー、極性有機溶媒のほかに、未反応の原料や反応中に生成した副生成物、更には目的物である環状エステル(グリコリド等)などを含有する解重合反応を行った後の反応液を取り出し、解重合反応を行うための別の反応液との入れ換えを行うことが必要となる。
6.解重合反応後の反応液から環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法は、前記したα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行う環状エステルの製造方法を繰り返し実施して、定期的に、または、環状エステルの生成速度が所定値以下に低下したときに、反応装置(反応釜等)から、解重合反応に使用したα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー、極性有機溶媒のほかに、未反応の原料や反応中に生成した副生成物、更には目的物である環状エステル(グリコリド等)などを含有する解重合反応を行った後の反応液を取り出して、解重合反応を行うための別の反応液との入れ換えを行う際の、取り出した反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法に関するものであって、以下の工程1〜4:
I.前記の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する前記環状エステルを回収する工程1;
II.環状エステルを回収した後の反応液を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2;
III.取得された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3;及び
IV.洗浄後の粗極性有機溶媒を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒を回収する工程4;
を含むことを特徴とする。
〔工程1〕
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法は、解重合反応を行った後の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する前記環状エステルを回収する工程1を行う。工程1は、好ましくは0.1〜90kPa、より好ましくは0.5〜10kPaの減圧下において行い、また、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。加熱温度は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合が起こる温度であり、減圧度や極性有機溶媒の種類などにより異なるが、通常180〜350℃、好ましくは190〜290℃、より好ましくは200〜280℃、特に好ましくは210〜270℃の範囲内である。工程1により、反応液中に残存するα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応が始まり、α−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの生成が始まる。工程1において、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合により生成する環状エステルを留出させ、これを冷却して環状エステルを回収し、取得する。回収取得された環状エステルは、所望により再結晶や精製することにより、ポリグリコール酸等の脂肪族ポリエステルを製造するための出発原料などとして使用することができる。工程1においては、温度及び圧力を調整して、極性有機溶媒が留出せず、環状エステルのみが留出するようにしてもよいが、生成した環状エステルを極性有機溶媒と共に解重合反応系外に共留出させる共留出工程として行ってもよい。共留出工程においては、生成した環状エステルが極性有機溶媒と共に留出することによって、留出ラインの内壁への環状エステルの析出や付着がなくなるので、環状エステルの回収取得量を増大させることができる。共留出した極性有機溶媒は、環状エステルと分離した後、後述する工程3及び/または4において併せて処理してもよいし、そのまま回収し必要に応じて精製してもよいが、再び解重合反応系に還流させることが好ましく、全量を還流させることがより好ましい。
本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法は、工程1に先だって、解重合反応後の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する工程を含むものとしてもよい。すなわち、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う際の該解重合反応が終了してすぐに、または、解重合反応を繰り返して行った後すぐに、本発明の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法を行う場合は、解重合反応を行った後の反応液は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度またはその近傍の温度にあるので、先に述べた工程1に先だって加熱する工程は必要ない。ただし、解重合反応または解重合反応の繰り返しが終了してから、ある程度の時間が経過している場合や、別途貯留していた極性有機溶媒を併せて処理するような場合には、解重合反応を行った後の反応液が、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度より低温であることが通常であるので、工程1に先だって、解重合反応後の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する工程を含むことが好ましい。このα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する工程における加熱は、常圧下、または、0.1〜90kPa、好ましくは0.5〜10kPaの減圧下において行うが、常圧下で行うことが好ましく、また、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。加熱温度は、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合が起こる温度であり、減圧度や極性有機溶媒の種類などにより異なるが、通常180〜350℃、好ましくは190〜290℃、より好ましくは200〜280℃、特に好ましくは210〜270℃の範囲内である。
〔工程2〕
次に、工程1において、環状エステルを回収した後の反応液を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2を行う。工程2においては、反応液に残存している極性有機溶媒、及び、前記したように必要により工程1において環状エステルと共に共留出した後に還流された極性有機溶媒が留出する温度及び圧力条件で加熱して、極性有機溶媒を留出させ、これを冷却して粗極性有機溶媒を取得する。工程2における加熱は、常圧下、または、0.1〜90kPa、好ましくは0.5〜10kPaの減圧下において行うことができるが、減圧下で行うことが好ましく、また、不活性雰囲気下で行うことが好ましい。加熱温度は、極性有機溶媒の留出が起こる温度であり、減圧度や極性有機溶媒の種類などにより異なるが、通常200〜400℃、好ましくは205〜380℃、より好ましくは210〜350℃、特に好ましくは215〜340℃の範囲内であり、通常は工程1より高温とする。α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合を、極性有機溶媒及び可溶化剤の混合物を使用して実施していた場合は、可溶化剤(多くの場合、極性有機溶媒より高沸点である。)の留出が生じない温度及び圧力条件でもよいが、極性有機溶媒及び可溶化剤が共留出する温度及び圧力条件でもよい。
〔工程3〕
続いて、工程2において取得された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3を行う。工程3によって、取得された粗極性有機溶媒に含有されている水分がアルカリ水溶液相に移行し、また、残存しているα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーや2量体環状エステル等は加水分解されてアルカリ水溶液相に移行し、極性有機溶媒から除去される。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の水溶液を使用することができるが、水酸化ナトリウム水溶液が好ましく、その濃度は0.01〜10N、好ましくは0.1〜8N、より好ましくは0.5〜5Nである。極性有機溶媒に対するアルカリ水溶液の使用量は、アルカリ水溶液/極性有機溶媒の比率(質量比率)で、通常20/1〜1/10、好ましくは15/1〜1/5、より好ましくは10/1〜1/3である。工程3は、常温(通常10〜25℃)で、または加温(通常25〜90℃、好ましくは30〜70℃)して行うことができるが、常温が好ましく、処理時間は、30分間〜48時間、好ましくは1〜36時間、より好ましくは5〜24時間である。工程3の実施方法としては、取得された粗極性有機溶媒とアルカリ水溶液とが接触することができる限り特に限定されないが、撹拌機を使用するなどにより、粗極性有機溶媒とアルカリ水溶液とが十分接触ができる手段によることが好ましい。攪拌機としては、常用のものが使用できるが、例えば、平板パドル、傾斜パドル、プルマージン翼、ウオールウエッター翼等の撹拌翼を備える攪拌機を使用することができる。なお、アルカリ水溶液で洗浄した粗極性有機溶媒は、アルカリ除去のために、水洗を1回または複数回、通常は常温常圧環境下で行ってもよい。
〔工程4〕
最後に、アルカリ水溶液で処理した洗浄後の粗極性有機溶媒を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒(精製された極性有機溶媒)を回収する工程4を行う。工程4における温度や圧力等の条件は、工程2と同様である。工程4は、極性有機溶媒の留出が終了するまで実施する。
上記した工程1〜4を含む反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法によって、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを解重合して環状エステルを製造する方法を繰り返し実施して、定期的に、または、環状エステルの生成速度が所定値以下に低下したときに、反応装置(反応釜等)から、解重合反応に使用したα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー、極性有機溶媒、未反応の原料や反応中に生成した副生成物、更には目的物である環状エステル(グリコリド等)などを含有する解重合反応を行った後の反応液を取り出し、解重合反応を行うための別の反応液との入れ換えを行う際の、取り出した反応液から、環状エステル及び極性有機溶媒を回収し、取得することができる。
本発明の反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法によって回収取得される環状エステルは、本発明のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルを製造する方法の目的製品であり、所望により再結晶や精製して、ポリグリコール酸やポリ乳酸等の脂肪族ポリエステルを製造する出発原料として使用することができる。また、本発明の回収方法によって回収取得される極性有機溶媒(精製された極性有機溶媒)は、水分含有量が0.2質量%以下、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下、更に好ましくは0.08質量%以下であり、市販の極性有機溶媒の水分規格を下回る精製された極性有機溶媒である。極性有機溶媒の水分含有量の下限値は0質量%であるが、通常0.01質量%である。このように、本発明の反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法によって回収取得される極性有機溶媒は、水分含有量が少ない精製された極性有機溶媒であるので、本発明のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルを製造する方法において使用する極性有機溶媒の一部または全部として再利用したり、その他の極性有機溶媒を使用する種々の処理等に使用する極性有機溶媒の一部または全部として利用したりすることができる。
7.本発明の回収方法を備える環状エステルの製造方法
本発明によれば、本発明の反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法を備える、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルの製造方法が提供され、該環状エステルの製造方法は、環状エステルの収率が高く、また、原単位が抑制された環状エステルの製造方法である。また、本発明によれば、本発明の反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法によって回収された極性有機溶媒を使用する、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルの製造方法が提供される。
すなわち、本発明の前記回収方法によって回収取得される環状エステルは、本発明のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルを製造する方法の目的製品であるから、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルの製造方法における環状エステルの収率の向上に寄与する。また、本発明の前記回収方法によって回収取得される極性有機溶媒は、本発明のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行う環状エステルを製造する方法において使用する極性有機溶媒として繰り返し再利用することができるから、先に述べた環状エステルの収率の向上も相まって、環状エステルの製造方法における原単位の抑制に寄与する。
以下に、参考例及び実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものではない。
[参考例1](α−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造)
容積500mlのフラスコに、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーとして、グリコール酸オリゴマー(GAO)100g、極性有機溶媒としてテトラエチレングリコールジブチルエーテル(以下「DBTG」ということがある。)100g及び可溶化剤としてポリオキシエチレン2−エチルヘキシルエーテル(日本乳化剤株式会社製のニューコール1006。以下、「OTeG」ということがある。)50gを注入し、常圧下で温度235℃まで加熱して、反応系を均一な溶液にした(加熱工程)。この溶液を、温度235℃を維持したまま圧力3.0kPaに減圧し、生成したグリコリドとDBTGとを共留出させた(留出工程)。解重合反応を5時間継続し、共留出物からグリコリドを回収した(回収工程)。DBTGは、全量、フラスコに還流させた。上記によるGAOを加熱して解重合反応を行うグリコリドの製造方法を3回繰り返して行った。その際、留出による減少に対応する量のGAOとDBTGとを解重合反応系に追加した。
[実施例1]
参考例1の解重合反応を終了した後に、フラスコに残った解重合反応を行った後の反応液を取り出して、回収反応槽に注入した。反応液の組成は以下のとおりであった。
(反応液の組成)
GAO 28.5質量%
DBTG 31.2質量%
OTeG 30.2質量%
その他不純物 10.1質量%
この反応液を、常圧下で温度235℃まで加熱して、反応系を均一な溶液にした。
温度235℃を維持したまま圧力3.0kPaに減圧して、解重合反応を開始させ、生成したグリコリドとDBTGとを共留出させて、留出するグリコリドを回収した。DBTGは、全量回収反応槽に還流させた。解重合反応を5時間継続した。(工程1)。
グリコリドを回収した後に残った反応液(グリコリドとともに共留出したDBTGは、全量回収反応槽に還流されている。)に対して、前記の圧力を維持したまま更に加熱を継続して、DBTGの留出を開始させ、留出する粗DBTGを取得した。粗DBTGの留出に連れてフラスコ内の温度が上昇し、温度が300℃となるまで、粗DBTGの留出及び取得を継続した(工程2)。
工程2によって取得した粗DBTGを、同量の2NのNaOH水溶液と混合し、温度20℃で12時間ウオールウエッター翼を備える攪拌機中で撹拌した後に静置した。下層のNaOH水溶液相と上層のDBTG相とに分離したので、上層のDBTG相を分取した(工程3)。分取したDBTG相の組成は以下のとおりであった。
(DBTG相の組成)
DBTG 81.9質量%
OTeG 15.1質量%
水 2.1質量%
その他不純物 1.0質量%
続いて、工程3によって分取した粗DBTGを、圧力3.0kPaで加熱(加熱温度の上限は300℃とした。)して留出させ、留出するDBTG(精製されたDBTG)を回収した(工程4)。工程4によって、留出させて回収されたDBTG(以下、「回収DBTG」ということがある。)の組成は以下のとおりであり、回収DBTGの水分量は、市販のDBTGの水分規格0.2質量%を下回るものだった。
(回収DBTGの組成)
DBTG 82.2質量%
OTeG 17.7質量%
水 0.06質量%
その他不純物 0.06質量%
回収DBTGを使用して、参考例1に述べた方法によって、GAOをDBTGとともに加熱して解重合反応を行ってグリコリドを製造したところ、問題なくグリコリドを製造することができた。なお、回収DBTGには、DBTG及びOTeGが含有されているので、それらの量を考慮して、前記のGAOの解重合反応を行ってグリコリドを製造するために加えるDBTG及びOTeGの量を調整した。
本発明によれば、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から前記環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法であって、
以下の工程1〜4
I.前記の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する前記環状エステルを回収する工程1;
II.環状エステルを回収した後の反応液を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2;
III.取得された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3;及び
IV.洗浄後の粗極性有機溶媒を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒を回収する工程4;
を含むことを特徴とする前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法であることによって、グリコール酸オリゴマー等のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行うグリコリド等の環状エステルの製造方法において、解重合反応後の反応液から、より短時間で効率的に、環状エステルや水分含有量が少ない極性有機溶媒を回収することができ、その結果、環状エステル製造における収率を向上し、原単位を抑制し、経済性を向上させることができる反応液からの環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法、並びに環状エステルの製造方法を提供することができるので、産業上の利用可能性が高い。

Claims (9)

  1. α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、解重合反応を行った後の反応液から前記環状エステル及び極性有機溶媒を回収する方法であって、
    以下の工程1〜4
    I.前記の反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度で加熱して、留出する前記環状エステルを回収する工程1;
    II.環状エステルを回収した後の反応液を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、粗極性有機溶媒を取得する工程2;
    III.取得された粗極性有機溶媒をアルカリ水溶液で洗浄する工程3;及び
    IV.洗浄後の粗極性有機溶媒を、常圧下または減圧下に、極性有機溶媒が留出する温度に加熱して、極性有機溶媒を回収する工程4;
    を含むことを特徴とする前記の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  2. 環状エステルがグリコリドであり、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーがグリコール酸オリゴマーである請求項1記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  3. 工程1に先だって、反応液を、常圧下または減圧下に、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーが解重合する温度に加熱する工程を含む請求項1または2記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  4. 極性有機溶媒が、230〜450℃の沸点を有する高沸点極性有機溶媒である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  5. 極性有機溶媒が、ポリアルキレングリコールジエーテルを含有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  6. α−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法が、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒及び可溶化剤とともに加熱して解重合反応を行うものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  7. 回収された極性有機溶媒の水分含有量が0.2質量%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法を備えるα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法。
  9. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の反応液からのα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステル及び極性有機溶媒の回収方法によって回収された極性有機溶媒を使用するα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーを極性有機溶媒とともに加熱して解重合反応を行うα−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法。
JP2013061745A 2013-03-25 2013-03-25 α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの解重合反応を行った後の反応液からの環状エステル及び溶媒の回収方法、並びに、環状エステルの製造方法 Pending JP2014185117A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10160741B2 (en) * 2016-02-29 2018-12-25 Regents Of The University Of Minnesota Recovery of monomer from polyurethane materials by depolymerization

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