JP2014184374A - 濾過方法および濾過装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】油滴やTEPなど洗浄され難い濁質成分を含む原水の濾過にあたっても、濾過効率の低下を招いたり、分離膜の交換間隔の短期化を招いたりすることがない濾過方法および濾過装置を提供する。
【解決手段】濁質成分を含む原水を分離膜を用いて濾過する濾過方法であって、分離膜の表面に、原水に含まれている濁質成分を捕捉するためのケーキ層を形成するケーキ層形成工程と、分離膜に形成されたケーキ層側から原水を通過させることにより、原水を濾過する濾過工程と、濁質成分を捕捉したケーキ層を分離膜の表面から除去するケーキ層除去工程とを繰り返して、原水を濾過する濾過方法および前記濾過方法を実施するための濾過装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、濁質成分を含む原水を適切に濾過する濾過方法および濾過装置に関する。
海水や河川水の飲料水化、排水の無害化など種々の水処理を行う装置として、分離膜を備えた濾過モジュールが容器内に収納された濾過装置が広く用いられており、含油水や石油随伴水の油水分離にも適用が検討されている。
この濾過装置では、濾過モジュールの分離膜に対して、一方向から原水(被処理水)を通過させることにより、原水に含まれていた濁質成分(有機分子、微粒子、油滴、プランクトン等の生物、および微生物が細胞外に分泌するTEP(transparent exopolymer particle:透明細胞外高分子粒子)等)が除去されて濾過が行われる。
具体的な一例として、例えば、分離膜として中空糸膜を用いた場合には、外部から供給された原水を中空糸膜の外側から内側の中空部に向かって通過させることにより、濾過が行われる。
しかし、このような分離膜を備えた濾過装置を使用した場合、濾過の継続に伴って、上記した濁質成分が分離膜の表面に付着して、分離膜に目詰りを生じさせて濾過能力を低下させる。
そこで、このような目詰まりを解消し、低下した濾過能力を回復させるために、例えば、濾過時とは逆方向に通水を行って、分離膜の表面に付着した濁質成分を除去すること(逆洗)が広く行われている。
しかし、濁質成分の内には、このような逆洗では除去することが難しい油滴やTEPなどの濁質成分もあるため、逆洗に加えて、洗浄水を分離膜の表面に高圧力で吹き付けて濾過モジュールを洗浄するスプレー洗浄や、エダクターノズルやバブリングジェットノズルから洗浄水を噴出させることにより濾過容器内に洗浄水のジェット水流を生じさせて濾過モジュールを洗浄するジェット洗浄なども行われている(例えば特許文献1)。
国際公開第2012/043433号
しかしながら、上記のような洗浄を行ったとしても、油滴やTEPなどの濁質成分を除去することは容易ではなく、濾過装置の使用を長期間継続した場合、濾過能力が適切に回復せず、濾過効率の低下を招いたり、分離膜の交換間隔の短期化を招く。
そこで、本発明は、油滴やTEPなど洗浄され難い濁質成分を含む原水の濾過にあたっても、濾過効率の低下を招いたり、分離膜の交換間隔の短期化を招いたりすることがない濾過方法および濾過装置を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題の解決について鋭意検討を行った結果、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
請求項1に記載の発明は、
濁質成分を含む原水を分離膜を用いて濾過する濾過方法であって、
前記分離膜の表面に、原水に含まれている濁質成分を捕捉するためのケーキ層を形成するケーキ層形成工程と、
前記分離膜に形成された前記ケーキ層側から前記原水を通過させることにより、前記原水を濾過する濾過工程と、
前記濁質成分を捕捉した前記ケーキ層を前記分離膜の表面から除去するケーキ層除去工程とを繰り返して、前記原水を濾過する濾過方法である。
本請求項の発明においては、原水の濾過を開始するに先立って、分離膜の表面に、原水に含まれている濁質成分を捕捉するためのケーキ層を設けている。このケーキ層と分離膜との2層を用いて濾過を行うことにより、油滴やTEPなど洗浄され難い濁質成分の大半を先に通過するケーキ層で捕捉することができる。
そして、これらの洗浄され難い濁質成分を捕捉したケーキ層を除去することにより、これらの濁質成分を分離膜の表面から効率的に除去することができる。
このように、本請求項の発明によれば、分離膜の表面に原水に含まれている濁質成分を捕捉するケーキ層を形成させて、このケーキ層に濁質成分を捕捉させながら濾過を行った後、濁質成分が捕捉されたケーキ層を除去するため、油滴やTEPなど洗浄され難い濁質成分を効率的に除去することができる。
そして、前記した通り、濁質成分の大半がケーキ層に捕捉されるため、分離膜の表面には濁質成分が付着されにくく、長時間継続して濾過を行うことができる。その結果、濾過効率の低下や分離膜の交換間隔の短期化を防止することができる。
請求項2に記載の発明は、
前記ケーキ層形成工程が、濾材を分散させた分散液を前記分離膜により濾過することにより、前記分離膜の表面に前記濾材のケーキ層を形成する工程である請求項1に記載の濾過方法である。
濾材を分散させた分散液を濾過するだけで、容易に濾材のケーキ層を形成することができる。そして、形成された濾材のケーキ層は、濁質成分の捕捉性に優れている一方、分離膜の表面から容易に除去することができる。
請求項3に記載の発明は、
前記ケーキ層除去工程が、前記濾過工程において前記分離膜の流入側と流出側との差圧が所定の値を超えた時に前記分離膜の洗浄を行うことにより、前記分離膜の表面から前記濾材のケーキ層を除去する工程である請求項2に記載の濾過方法である。
分離膜の表面に形成された濾材のケーキ層は、前記したように、分離膜の表面から容易に除去することができるため、所定の差圧を超えた場合に行われる分離膜表面の洗浄により、濁質成分が捕捉された濾材のケーキ層を効率的に除去することができる。
請求項4に記載の発明は、
前記ケーキ層除去工程が、前記濾材のケーキ層が形成された面の反対側から洗浄水を通過させて逆洗することにより、前記濾材のケーキ層を前記分離膜の表面から剥離させて除去する工程である請求項3に記載の濾過方法である。
濾材のケーキ層は、濾材の分散液を濾過した時に加えられる水圧によって、分離膜の表面に圧縮して形成されているのみであるため、逆洗を行うことによって、濁質成分の大半が捕捉された濾材のケーキ層をそのまま分離膜の表面から容易に剥離させて、除去することができる。この結果、差圧を容易に回復させて、継続して濾過を行うことができる。
請求項5に記載の発明は、
前記ケーキ層除去工程が、前記分離膜をジェット洗浄することにより、前記分離膜の表面から前記濾材のケーキ層を除去する工程である請求項3に記載の濾過方法である。
本請求項の発明においては、通常の逆洗よりも洗浄効果の高いジェット洗浄で分離膜を洗浄するため、濁質成分が付着した濾材のケーキ層をより容易に除去して、差圧を容易に回復させて、継続して濾過を行うことができる。
請求項6に記載の発明は、
前記ケーキ層除去工程が、
前記濾材のケーキ層が形成された面の反対側から洗浄水を通過させて逆洗することにより、前記濾材のケーキ層を前記分離膜の表面から剥離させて除去する工程と、
前記分離膜をジェット洗浄することにより、前記分離膜の表面から剥離されずに残った前記濾材のケーキ層の残渣を除去する工程と
により行われる請求項3に記載の濾過方法である。
逆洗により、濾材のケーキ層を分離膜の表面から剥離させて除去して、差圧を回復させた後、分離膜をジェット洗浄することにより、分離膜の表面に残った濾材のケーキ層の残渣まで除去することができる。
請求項7に記載の発明は、
前記濾材として、前記分離膜の平均孔径の10倍以上の平均粒子径を有する粒状の濾材を用いる請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の濾過方法である。
濾過能力の高さと洗浄時の除去し易さの両面において好適なケーキ層を形成することができる濾材としては、分離膜の孔径よりも大きな粒子径の濾材が好ましく、特に、分離膜の平均孔径の10倍以上の平均粒子径を有する粒状の濾材が好ましい。
請求項8に記載の発明は、
前記分離膜として平均孔径が1μm以下の分離膜を用い、前記濾材として平均粒子径が10μm以上の濾材を用いる請求項7に記載の濾過方法である。
より微細な濁質成分を濾過することを考慮すると、分離膜としては平均孔径が1μm以下の分離膜が好ましく、一方、濁質成分の付着と洗浄時の除去し易さを考慮すると、濾材としては平均粒子径が10μm以上の濾材が好ましい。
請求項9に記載の発明は、
前記濾材として珪藻土を用いる請求項2ないし請求項8のいずれか1項に記載の濾過方法である。
珪藻土は、適度な水圧によって圧縮されてケーキ層を形成する被圧縮性を有しており、珪藻土を分散させた分散水を濾過することによって分離膜の表面に容易にケーキ層を形成することができる。
また、珪藻土は多孔質の部材であり、濁質成分の捕捉性に優れている材料であるため、ケーキ層を形成させる濾材として好ましい。
請求項10に記載の発明は、
前記分離膜として、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンのいずれかにより形成された分離膜を用いる請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の濾過方法である。
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレン(PE)は、疎水性であり、分離膜の素材として好ましいが、油分が付着しやすいため、原水が濁質成分として油分を多く含んでいる場合には、従来の洗浄では、濾過性能の回復を図ることが難しく、交換間隔が短くなりやすい。
しかし、本発明においては、ケーキ層が油分を捕捉して分離膜への付着を抑制しているため、これらの材料を分離膜の素材として使用した場合、本発明の顕著な効果を発揮させることができる。
請求項11に記載の発明は、
前記濾過工程において、海水、含油水、石油随伴水および排水の少なくとも1種類を原水として濾過する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の濾過方法である。
前記の通り、本発明の濾過方法は、油やTEPなど洗浄され難い濁質成分を含む原水の濾過にあたっても、濾過効率の低下を招いたり、分離膜の交換間隔の短期化を招いたりすることがないため、海水や河川水の飲料水化、排水の無害化、含油水や石油随伴水の油水分離など種々の水処理において、顕著な効果を発揮させることができる。
請求項12に記載の発明は、
濁質成分を含む原水を濾過する分離膜と、
前記分離膜に濾材を分散させた分散液を供給し、前記分離膜の表面に前記濾材のケーキ層を形成する濾材供給部と、
前記ケーキ層を前記分離膜の表面から除去するケーキ層除去部と
を備えた濾過装置である。
本請求項に係る濾過装置によれば、上記の通り、分離膜の表面に原水に含まれている濁質成分を捕捉するケーキ層を形成させて、このケーキ層に濁質成分を捕捉させながら濾過を行った後、濁質成分が捕捉されたケーキ層を除去するため、油滴やTEPなど洗浄され難い濁質成分を効率的に除去することができる。
請求項13に記載の発明は、
前記ケーキ層除去部が、前記分離膜をジェット洗浄することにより、前記分離膜の表面から前記濾材のケーキ層を除去するジェット洗浄機構を備えている請求項12に記載の濾過装置である。
本請求項に係る濾過装置においては、上記の通り、通常の逆洗よりも洗浄効果の高いジェット洗浄で分離膜を洗浄するため、濁質成分が付着した濾材のケーキ層をより容易に除去して、差圧を容易に回復させて、継続して濾過を行うことができる。
本発明によれば、油滴やTEPなど洗浄され難い濁質成分を含む原水の濾過にあたっても、濾過効率の低下を招いたり、分離膜の交換間隔の短期化を招いたりすることがない濾過方法および濾過装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る濾過方法の態様を説明する図である。 本発明の一実施の形態に係る濾過装置の構成の一例を説明する図である。 従来の濾過方法を用いて濾過した場合の原水および濾過水の濁度の測定結果の一例を示す図である。 従来の濾過方法を用いて濾過した場合の濾過水の濁度および差圧の測定結果の一例を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る濾過方法を用いて濾過した場合の原水および濾過水の濁度の測定結果を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る濾過方法を用いて濾過した場合の濾過水の濁度および差圧の測定結果を示す図である。 従来の濾過方法を用いて濾過した場合の原水および濾過水の濁度の別の測定結果を示す図である。 従来の濾過方法を用いて濾過した場合の濾過水の濁度および差圧の別の測定結果を示す図である。 本発明の別の一実施の形態に係る濾過方法を用いて濾過した場合の原水および濾過水の濁度の測定結果を示す図である。 本発明の別の一実施の形態に係る濾過方法を用いて濾過した場合の濾過水の濁度および差圧の測定結果を示す図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
はじめに、分離膜として中空糸膜を用いた濾過モジュールを備える濾過装置を例に採り、本実施の形態に係る濾過装置および濾過方法について説明する。図1は本発明の一実施の形態に係る濾過方法の態様を説明する図であって、図1の上段は濾過装置1全体に着目した図であり、図1の下段は1本の中空糸膜3aに着目した図である。
1.濾過装置
図1に示すように、濾過装置1は、中空糸膜3aが複数束ねられた中空糸膜束3を有する濾過モジュール2と、濾過モジュール2を収容する濾過容器6とを備えている。
また、本実施の形態に係る濾過装置1は、濾材を分散させた分散液を濾過モジュール2内に供給する濾材供給部(図示省略)をさらに備えている。濾材供給部から供給される濾材としては、中空糸膜3aの表面に積層してケーキ層を形成する粒状の濾材(珪藻土など)が好ましい。
濾材供給部は、濾材の分散液を濾過モジュール2内に供給し、中空糸膜3aの表面に濾材のケーキ層を形成することができるものであればよく、その構成は特に限定されるものではない。例えば、珪藻土などの濾材を分散させた分散液を貯蔵するタンクと、分散液を濾過容器6内に供給する分散液供給ラインとを備えた構成にすることができる。
また、濾材供給部は、原水を濾過容器6内に供給するラインや、別途清浄な水を濾過容器6内に供給するラインなどに、濾材を投入するような構成を有していてもよい。この場合、ラインへの濾材の投入が手作業であってもよいし、投入用の装置などにより自動化されていてもよい。
中空糸膜3aは、PTFE、PVDF等のフッ素樹脂やPE、PP(ポリプロピレン)等の疎水性樹脂から形成されており、本実施の形態においては平均孔径が0.45μmの膜が採用されている。
なお、本実施の形態においては、分離膜として中空糸膜3aを用いているが、これに限らず平板状の分離膜を用いてもよい。平板状の分離膜を用いる場合、支持体として筒状のものであれば、上記中空糸膜と同じような構成をとることができる(代表的な構成は特開2009−101311号に記載の構成であり、その内容は本願明細書に当然に取り込まれる)。また、平板状の支持体であれば、濾過モジュールの構成をWO2009/004962に記載の構成にすることもでき、その内容は本願明細書に当然に取り込まれる。
2.濾過方法
次に上記した濾過装置1を用いた濾過方法について説明する。
(1)ケーキ層Cの形成(プロセス1)
まず、原水の濾過に先立って、プロセス1で中空糸膜3aの外側表面に、珪藻土のケーキ層Cを形成する。
具体的には、珪藻土(例えば、ラジオライト(登録商標)#700)を分散させた分散水を中空糸膜3aで濾過することにより、各中空糸膜3aの外側表面に珪藻土が付着し、濾過の水圧により珪藻土が圧縮されて珪藻土のケーキ層Cが形成される。
なお、前記したとおり、濾材の平均粒子径は、分離膜の平均孔径の10倍以上が好ましいため、平均孔径が0.45μmの中空糸膜3aを用いた本実施の形態では、平均粒子経が31μmの珪藻土を用いている。
珪藻土のケーキ層Cの厚みは、濾過装置1の用途、例えば被処理水に含まれる濁質成分、濁度等を考慮して適宜適切な厚みに設定され、本実施の形態においては、厚さ20μmの珪藻土のケーキ層が形成されている。
(2)対象水の濾過(プロセス2)
予めプロセス1で珪藻土のケーキ層Cを形成した後、プロセス2で原水(対象水)を濾過する。このとき、原水は中空糸膜3aの外側から内側に向かって移動していくため、濁質成分Dの大半が先に通過する珪藻土のケーキ層Cに捕捉され、残った濁質成分Dが次いで通過する中空糸膜3aに捕捉されることにより、濁質成分Dが十分に除去された濾過水を得ることができる。
(3)洗浄(プロセス3、4)
濾過の継続に伴い、濁質成分による目詰まりが発生して、差圧が上昇して処理量が低下した場合、ケーキ層除去部を用いて洗浄を行い、ケーキ層Cを除去することにより濁質成分Dを除去する。本実施の形態では、ケーキ層Cは、前記の通り水圧により珪藻土を圧縮して、剥離しやすいように形成されているため、洗浄により容易にケーキ層Cが剥離され、ケーキ層Cに捕捉された濁質成分も効率的に除去される。
具体的には、先ず、プロセス3の逆洗が行われる。即ち、中空糸膜3aの内部空洞から外側に向かって洗浄水を通過させことにより、濁質成分Dが捕捉されたケーキ層Cが剥離し、差圧の大半が初期状態に回復する。
次に、プロセス4で、ジェット水流Jにより中空糸膜3aを洗浄するジェット洗浄が行われ、中空糸膜3aの表面の珪藻土のケーキ層Cの残渣が除去される。
ジェット洗浄の一例を図2を参照しながら説明する。図2は、ジェット洗浄として内部洗浄流J1を生じさせる内部洗浄と、旋回洗浄流J2を生じさせる外部洗浄とを行うジェット洗浄機構を備えた濾過装置1の構成を説明する図である。
図2に示すように、濾過装置1は、中空糸膜束3内に挿入されて中空糸膜束3の長手方向に沿って洗浄水を噴射する直交ノズル4と、濾過モジュール2の周囲を旋回するような洗浄水を噴射する斜めノズル5とを備えたジェット洗浄機構を備えている。
直交ノズル4から洗浄水が噴射されることにより、中空糸膜束3内部において中空糸膜束3の長手方向に沿った内部洗浄流J1が発生する。これによって、中空糸膜束3が内部から適切に洗浄される。
一方、斜めノズル5から洗浄水が噴射されることにより、中空糸膜束3の周囲を旋回する旋回洗浄流J2が濾過容器6内に発生する。これにより、中空糸膜束3が外部から洗浄される。
上記のように洗浄を行うことにより、濁質成分Dの大半が容易に除去され濾過モジュール2の差圧が回復する。
その後、ケーキ層Cの形成(プロセス1)に戻り、プロセス1から4を繰り返すことにより濾過を継続する。
本実施の形態によれば、中空糸膜の表面に形成した珪藻土のケーキ層に濁質成分の大半を捕捉させてから、ケーキ層に捕捉された濁質成分をケーキ層と一緒に除去することにより、洗浄し難い濁質成分を含む原水の濾過にあたっても、濁質成分の分離膜への付着を少なくすると共に、効率的に分離膜から濁質成分を除去できるため、濾過性能の低下を招いたり、中空糸膜の交換間隔の短期化を招いたりすることがない。
次に、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。なお、以下の実施例では、実験の簡便性のため、分離膜として、中空糸膜ではなく平膜を用いた。
(実験1)
実験1では、濾材のケーキ層を形成しない分離膜を用い、原水としてC重油分散液を濾過し、濾過水の濁度および濾過時の差圧を測定した。
具体的には、分離膜にPTFE延伸膜(平均孔径0.45μm、厚さ30μm、表面親水化)を用い、膜面積1m当たり1日に2.5mの処理流束でC重油500ppm分散液を濾過した。また、差圧が50kPaを超えた時点で目詰まりが生じているとみなして逆洗を行った。
原水の濁度および濾過水の濁度の測定結果を図3に、濾過水の濁度と差圧の測定結果を図4にそれぞれ示す。図3の縦軸は濁度(NTU)であり、横軸は濾過時間(min)である。また、図4の左右の縦軸がそれぞれ濁度(NTU)、差圧(kPa)であり、横軸は濾過時間(min)である。
図3に示すように、原水濁度370NTUに対して濾過水濁度は1NTUであり、清浄な濾過水が得られているが、図4に示すように濾過開始後30分を経過したあたりから差圧が急上昇した。そして、目詰まりが生じたため、濾過を停止して逆洗を行ったが、差圧が回復しなかったため、実験を打ち切った。
(実験2)
実験2では、表面にラジオライトのケーキ層が形成されている分離膜を用いてC重油分散液を濾過した。具体的には、上記と同じPTFE延伸膜を用いてラジオライト(平均粒子径31μm)の分散水を濾過し、分離膜の原水流入側の面を厚さ20μm相当のケーキ層で被覆した。その後、上記と同様に、C重油500ppm分散液を濾過し、濾過水の濁度および濾過時の差圧を測定した。
原水の濁度および濾過水の濁度の測定結果を図5に、濾過水の濁度と差圧を図6にそれぞれ示す。
図5に示すように、原水濁度300NTUに対して濾過水濁度が1NTUであり、清浄な濾過水が得られた。また、図6に示すように、逆洗を行わなくても約120分間低い差圧を維持することができた。そして、120分および240分の時点で、逆洗を行うことにより差圧が回復し、その後ケーキ層を形成することにより、目詰まりすることなく継続的に濾過できることが確認された。
(実験3)
実験3では、PTFE製に替えてPVDF製で、濾材のケーキ層が形成されていない従来の分離膜を用いてC重油分散液を濾過し、濾過水の濁度および濾過時の差圧を測定した。
具体的にはPVDF膜(平均孔径0.45μm、表面親水化)を用い、C重油500ppm分散液を濾過した。原水の濁度および濾過水の濁度の測定結果を図7に、濾過水の濁度と差圧の測定結果を図8にそれぞれ示す。
図7に示すように、原水濁度170〜320NTUに対して濾過水濁度が1NTUであり、清浄な濾過水が得られた。しかし、図8に示すように、時間経過に伴って差圧が上昇し、120分後、240分後、360分後に逆洗を行ったが差圧の回復は鈍く、360分で目詰まりした。
(実験4)
実験4では、表面にラジオライトのケーキ層が形成されている分離膜を用いてC重油分散液を濾過した。具体的には実験3と同じPVDF膜(平均孔径0.45μm)を用い、実験2と同じ方法で分離膜の原水流入側の面を厚さ20μm相当のケーキ層で被覆した。その後、C重油500ppm分散液を濾過し、濾過水の濁度および濾過時の差圧を測定した。
原水の濁度および濾過水の濁度の測定結果を図9に、濾過水の濁度と差圧を図10にそれぞれ示す。
図9に示すように、原水濁度300NTUに対して濾過水濁度が1NTUであり、清浄な濾過水が得られた。また、図10に示すように、逆洗を行わなくても約1080分もの間低い差圧の下で濾過することができた。また、1080分および1260分の時点で、逆洗を行うことにより差圧が回復し、その後ケーキ層を形成することにより、目詰まりすることなく継続的に濾過できることが確認された。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 濾過装置
2 濾過モジュール
3 中空糸膜束
3a 中空糸膜
4 直交ノズル
5 斜めノズル
6 濾過容器
C ケーキ層
D 濁質成分
J ジェット水流
J1 内部洗浄流
J2 旋回洗浄流

Claims (13)

  1. 濁質成分を含む原水を分離膜を用いて濾過する濾過方法であって、
    前記分離膜の表面に、原水に含まれている濁質成分を捕捉するためのケーキ層を形成するケーキ層形成工程と、
    前記分離膜に形成された前記ケーキ層側から前記原水を通過させることにより、前記原水を濾過する濾過工程と、
    前記濁質成分を捕捉した前記ケーキ層を前記分離膜の表面から除去するケーキ層除去工程とを繰り返して、前記原水を濾過する濾過方法。
  2. 前記ケーキ層形成工程が、濾材を分散させた分散液を前記分離膜により濾過することにより、前記分離膜の表面に前記濾材のケーキ層を形成する工程である請求項1に記載の濾過方法。
  3. 前記ケーキ層除去工程が、前記濾過工程において前記分離膜の流入側と流出側との差圧が所定の値を超えた時に前記分離膜の洗浄を行うことにより、前記分離膜の表面から前記濾材のケーキ層を除去する工程である請求項2に記載の濾過方法。
  4. 前記ケーキ層除去工程が、前記濾材のケーキ層が形成された面の反対側から洗浄水を通過させて逆洗することにより、前記濾材のケーキ層を前記分離膜の表面から剥離させて除去する工程である請求項3に記載の濾過方法。
  5. 前記ケーキ層除去工程が、前記分離膜をジェット洗浄することにより、前記分離膜の表面から前記濾材のケーキ層を除去する工程である請求項3に記載の濾過方法。
  6. 前記ケーキ層除去工程が、
    前記濾材のケーキ層が形成された面の反対側から洗浄水を通過させて逆洗することにより、前記濾材のケーキ層を前記分離膜の表面から剥離させて除去する工程と、
    前記分離膜をジェット洗浄することにより、前記分離膜の表面から剥離されずに残った前記濾材のケーキ層の残渣を除去する工程と
    により行われる請求項3に記載の濾過方法。
  7. 前記濾材として、前記分離膜の平均孔径の10倍以上の平均粒子径を有する粒状の濾材を用いる請求項2ないし請求項6のいずれか1項に記載の濾過方法。
  8. 前記分離膜として平均孔径が1μm以下の分離膜を用い、前記濾材として平均粒子径が10μm以上の濾材を用いる請求項7に記載の濾過方法。
  9. 前記濾材として珪藻土を用いる請求項2ないし請求項8のいずれか1項に記載の濾過方法。
  10. 前記分離膜として、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレンのいずれかにより形成された分離膜を用いる請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の濾過方法。
  11. 前記濾過工程において、海水、含油水、石油随伴水および排水の少なくとも1種類を原水として濾過する請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の濾過方法。
  12. 濁質成分を含む原水を濾過する分離膜と、
    前記分離膜に濾材を分散させた分散液を供給し、前記分離膜の表面に前記濾材のケーキ層を形成する濾材供給部と、
    前記ケーキ層を前記分離膜の表面から除去するケーキ層除去部と
    を備えた濾過装置。
  13. 前記ケーキ層除去部が、前記分離膜をジェット洗浄することにより、前記分離膜の表面から前記濾材のケーキ層を除去するジェット洗浄機構を備えている請求項12に記載の濾過装置。
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