JP2014183945A - フィルタを内蔵した中空糸膜型人工肺 - Google Patents

フィルタを内蔵した中空糸膜型人工肺 Download PDF

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Abstract

【課題】低血液充填量で大フィルタ膜面積を機能させ、一次側血液を二次側に漏洩させることなく捕捉した気泡を効果的に外部に排出可能とする。
【解決手段】中空糸膜12を通して酸素含有ガスが流通し、中空糸膜の束を横断する血液流路4を有する人工肺。中空糸膜の束に隣接するフィルタ空間15にフィルタ16が挿入され、フィルタ空間を外部空間と連通させる排気ポート部17が設けられる。フィルタは複数葉に折り返されたシート状濾材18からなり、各葉間に膜面間隙21を設け、プリーツ稜線19と血液流路内周面の間に稜線間隙22を設ける。シート状濾材の周縁部は、血液流路内周面に密着し、フィルタ空間が一次側空間36と二次側空間37に分離される。シート状濾材を貫通し膜面間隙と排気ポート部を連通させる排気路が、一次側空間の膜面間隙と連通する一次側排気路40aと、二次側空間の膜面間隙と連通する二次側排気路40bとに分離されている。
【選択図】図15B

Description

本発明は、体外循環中の血液に対するガス交換を行う中空糸膜型人工肺、特に、血液中に混入、発生した異物や血栓を排除するフィルタ装置を内蔵した中空糸膜型人工肺に関する。
心臓手術においては、患者の心臓を停止させ、その間の呼吸及び血液循環機能を代行するために、体外血液循環用の人工心肺回路が用いられる。人工心肺回路の要部を構成する人工肺は、患者の肺に代わって血液に対するガス交換機能(血液に酸素を供給し、二酸化炭素を排出させる機能)を提供するものである。人工肺の例としては、気泡型人工肺と中空糸膜型人工肺が知られている。
中空糸膜型人工肺は、酸素を含むガスと血液を多孔質中空糸膜を介在させて流動させ、血液とガスとの間でガス交換が行われるように構成される。すなわち、多数本の中空糸膜を積層した中空糸膜積層体をハウジング内に収納し、中空糸膜積層体を横切って通過する血液流路を形成する。中空糸膜中に酸素含有ガスを流し、血液流路を流れる血液が各中空糸膜の間の隙間を通過するときに、中空糸膜を通してガス交換、すなわち酸素加、脱炭酸ガスが行われる。中空糸膜型人工肺は、気泡型人工肺に比べて血液損傷が少なく、プライミング量が小さくて済むなどの利点を有することから、広く用いられている。
一方、人工肺を使用する場合は、予め、血液回路から気泡や異物を除去し、また、ガス交換部の中空糸膜を液体と馴染ませるために、生理食塩水等のプライミング液によるプライミングを行った後に血液循環に供される。プライミングの際に発生した気泡や混入した異物を除去するために、血液フィルタ装置が用いられる。また、プライミングを行った後も、血液循環中の血液に異物や血栓が混入することがあるため、人工心肺回路には、血液フィルタ装置が組み込まれる場合が多い。
血液フィルタ装置は、一般的には、シート状濾材を折り畳み、あるいは巻回して構成されたフィルタをハウジング内に内蔵し、そのハウジング内を血液の流路として、血液が濾材を通過する際に血栓等の異物や気泡を捕捉し排出するように構成される。一方、血液フィルタ装置を独立して設けずに、人工肺に内蔵し一体化して人工心肺回路を簡素化し、また接続チューブの短縮等による血液充填量を低減する構成も知られている。
そのような、中空糸膜型人工肺に血液フィルタの機能を一体的に設けた構成が、例えば、特許文献1に開示されている。図16は、特許文献1の第1実施形態の人工肺を示す断面図である。この人工肺は、血液に対しガス交換を行うガス交換部100Aと、熱交換部(熱交換器)100Bとを備えている。ガス交換部100Aはハウジング101内に構成され、熱交換部100Bは熱交換器ハウジング102内に構成されている。流入する血液は、先ず熱交換器100Bを、次にガス交換部100Aを順に通過して流出する。
熱交換部100Bのハウジング102の下端には、熱媒体である冷温水を流入させるための管状の冷温水流入ポート103、および冷温水を流出させるための冷温水流出ポート(図では隠れている)が形成されている。また、ハウジング102の左側の下部には、管状の血液導入ポート104が形成されている。ハウジング102の内部には、全体形状が筒状をなす熱交換体105と、熱交換体105の内周に沿って配置された円筒状の熱媒体室形成部材(円筒壁)106とが設置されている。
冷温水流入ポート103より流入した熱媒体は、熱媒体室形成部材106に流れ込み、熱交換体105の蛇腹の多数の凹部に入る。これにより、熱媒体に接触した熱交換体105は加温または冷却され、熱交換体105の外周側を流れる血液との間で熱交換(加温または冷却)が行われる。
ガス交換部100Aのハウジング101には、血液流出側の側面下部に血液導出ポート107が形成されている。また、ハウジング101の上部にガス流入ポート108が形成され、下部には、ガス流出ポート109と、排気ポート(排気口)110とが形成されている。ハウジング101の内部には、中空糸膜が多数本集積された中空糸膜層111と、フィルタ部材112および排気用中空糸膜層113からなる気泡除去手段が収納されている。
中空糸膜層111の中空糸膜の上下端部は、それぞれ、ポッティング材からなる隔壁114、115により固定されている。これにより、隔壁114と隔壁115との間における中空糸膜層111及び排気用中空糸膜層113の各中空糸膜間を通過して血液が流れる血液流路が形成されている。隔壁114の上部及び隔壁115の下部の空間は、中空糸膜層111と排気用中空糸膜層113との境界部に設けられた仕切部116、117により区分されている。
排気用中空糸膜層113は中空糸膜を多数本集積して構成され、フィルタ部材112で捕捉された気泡を構成する気体を透過し排出する機能を有する。フィルタ部材112は、ほぼ長方形をなす平坦なシート状の部材で構成され、排気用中空糸膜層113の下流側の面に接して設けられ、当該面のほぼ全面を覆っている。
フィルタ部材112により、血液流路を流れる血液中の気泡を捕捉し、血液導出ポート107から流出することを防止する。フィルタ部材112により捕捉された気泡は、上流側に位置する排気用中空糸膜層113によって、排気ポート110を通して血液流路から除去される。
特開2007−190217号公報
特許文献1に開示された人工肺のフィルタ部材112は、シート状のものを1枚用いても、あるいはこれを2枚以上重ねて用いてもよいとされている。但し、その場合でも、血液流路に対して順次配列され、血液は2枚以上重ねられた各シートを順次通過するように構成される。これは、特許文献1の段落0056に「例えば、フィルタ部材112として、目開きの異なる2枚のメッシュを重ねて用いた場合(上流側に目開きの大きいメッシュを配置)、目開きの大きいメッシュでまず比較的大きい気泡を捕捉し、該メッシュを通過した細かい気泡を目開きの小さいメッシュで捕捉することができ、」と記載されていることから明白である。
従って、特許文献1のフィルタ部材112は、排気用中空糸膜層113の下流側の面のほぼ全面を覆っているとは言え、血液流に対するフィルタ部材112の最大膜面積は、血液流路の断面積を上限とし、フィルタ膜面積を十分に大きく取ることは困難である。
フィルタ部材の膜面積を大きくすることは、気泡を捕捉する能力を十分に発揮するために有利である。すなわち、十分な膜面積があることは、流路の横断面積が大きいことに相当し、膜面に対する血液の流速を実質的に低下させ、気液分離が容易になる。また、十分な膜面積があれば、一部に目詰まりが生じたとしても、全体として、血液の流れに対する影響を軽減できる。
例えば、フィルタ部材(メッシュ、濾材)を円筒形に配置した構造のフィルタ装置は、上述のようなシート状のフィルタ部材と比べると、十分なフィルタ膜面積を確保できる。但し、この場合、フィルタ部分における血液充填量も大きくならざるを得ない。従って、血液充填量を低く維持しながら、十分に大きなフィルタ膜面積を機能させるための構造が望まれる。
本発明者らは、そのような課題を解決するために、フィルタが、複数葉に折り返されたシート状濾材により構成され、折り返されたシート状濾材の各葉の膜面の間に膜面間隙を設けてフィルタ空間に装着された構造を着想した。このフィルタの装着構造を更に、折り返しによって形成されたプリーツの稜線と血液流路の内周面との間には稜線間隙が形成され、シート状濾材の各葉におけるプリーツの稜線以外の周縁部は、血液流路の内周面に密着している形態とすることにより、血液充填量を低く維持しながら実質的に十分大きなフィルタ膜面積を機能させることが可能である。
一方、大きなフィルタ膜面積を機能させて十分な気泡捕捉能力を持たせた上で、捕捉した気泡を外部に効果的に排出できることが、血液から気泡を除去する能力を十分に発揮させるために必要である。そのため、折り返されたシート状濾材の各葉間の膜面間隙に連通させて、気泡を外部に導く排気路を設ける。但し、この構成によれば、フィルタ通過前の一次側空間と、通過後の二次側空間の各々に属する膜面間隙に対して、排気路が通じることになる。そのため、フィルタ処理前の一次側空間の血液が、排気路を経由してフィルタ処理後の二次側空間の血液に漏洩する惧れがあり、これを回避する手段を設けることが望ましい。
従って本発明は、低血液充填量で実質的に十分大きなフィルタ膜面積を機能させ、また、一次側血液を二次側に漏洩させることなく、捕捉した気泡を効果的に外部に排出可能なフィルタ装置を内蔵した中空糸膜型人工肺を提供することを目的とする。
本発明の中空糸膜型人工肺は、ガス交換部を形成する空間領域を有するハウジングと、前記ガス交換部に収納された複数本の中空糸膜の束と、前記中空糸膜の内腔を通して酸素を含むガスを流通させるように前記ハウジングに設けられたガスポートと、前記中空糸膜の束を横断し前記中空糸膜の外表面に接するように血液を流通させる血液流路と、前記血液流路の両端の前記ハウジングの外壁に設けられた血液導入ポートおよび血液導出ポートと、前記中空糸膜の束の血液導出側に隣接して設けられたフィルタ空間と、前記血液流路の横断面全体を覆って前記フィルタ空間に挿入されたフィルタと、前記フィルタ空間を外部空間と連通させて気泡の排出を可能とする排気ポート部とを備える。
上記課題を解決するために、本発明の中空糸膜型人工肺は、前記フィルタが、複数葉に折り返されたシート状濾材により構成され、折り返された前記シート状濾材の各葉の膜面の間に膜面間隙を設けて装着され、前記折り返しによって形成されたプリーツの稜線と前記血液流路の内周面との間には稜線間隙が形成され、前記シート状濾材の各葉における前記プリーツの稜線以外の周縁部は、前記血液流路の内周面に密着して、前記フィルタ空間が前記シート状濾材によって前記ガス交換部側の一次側空間と前記血液導出ポート側の二次側空間に分離され、前記シート状濾材を貫通して前記膜面間隙と前記排気ポート部を連通させる排気路が設けられ、前記排気路は、前記一次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な一次側排気路と、前記二次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な二次側排気路とに分離されていることを特徴とする。
上記構成の中空糸膜型人工肺によれば、プライミング液または血液はシート状濾材の各膜面間隙を経由し、膜面の全面積が実質的に同時にフィルタ膜面として機能する。従って、折り返し数の増加により膜面積を増大させて、実質的に十分大きなフィルタ膜面積を機能させることが可能である。しかも、膜面間隙を設けることによるフィルタ空間の容積増大は僅かであり、血液充填量を十分に低く維持することが可能である。
さらに、膜面間隙と排気ポート部を連通させる排気路が、一次側排気路と二次側排気路とに分離されているので、フィルタ処理前の一次側血液が、排気路を経由してフィルタ処理後の二次側血液に漏洩する惧れを回避することができる。
本発明の一実施の形態における中空糸膜型人工肺の斜視図 同人工肺の正面図 同人工肺の側面図 同人工肺の側面から見た断面図 同人工肺の上面から見た断面図 同人工肺の断面を示した斜視図 同人工肺に含まれるフィルタを構成するシート状濾材を示す正面図 同シート状濾材にインサート成形を施した後の形態を示す正面図 同シート状濾材を用いてフィルタを作製する工程の途中の状態を示す斜視図 同フィルタの作製工程の終了時の状態を示す斜視図 本発明の実施の形態の人工肺における排気ポート部の構造及び動作を示す一部断面で示した要部斜視図 同排気ポート部の図11Aとは異なる動作状態を示す一部断面で示した要部斜視図 本発明の実施の形態の人工肺におけるシート状濾材に設けられたリング状リブの構造を示す斜視図 同リング状リブの構造を示す側面図 本発明が解決する問題点を説明するために中空糸膜型人工肺を簡略化した図であり、一部分解した状態を断面で示した平面図 図14Aの中空糸膜型人工肺の組み立てた状態を断面で示した平面図 本発明の実施の形態における中空糸膜型人工肺を簡略化し一部分解した状態を断面で示した平面図 図15Aの中空糸膜型人工肺の組み立てた状態を断面で示した平面図 従来例の中空糸膜型人工肺を示す断面図
本発明の中空糸膜型人工肺は、上記構成を基本として以下のような態様をとることができる。
すなわち、前記一次側排気路と前記二次側排気路とは、前記排気ポート部において合流しており、前記排気ポート部または前記排気ポート部に接続された外部排気路に、前記フィルタ空間内に向かう流れを阻止する逆止弁が設けられている。
また、前記各膜面間隙と前記排気路との間は、連通状態と閉鎖状態との間で切替え可能な通気開閉部を介して接続され、前記通気開閉部の切替えを操作するための開閉栓が設けられている。
また、前記排気ポート部は、前記フィルタの血液導出側の面に対向する位置から外方へ向かって前記シート状濾材に交差する方向に延在する水平管状部を有し、前記水平管状部の側部にはその内腔を外部空間と連通させる外側開口が設けられ、前記排気路は、前記シート状濾材を貫通する管路壁の内腔である円形断面の貫通穴により形成され、前記貫通穴は端部において前記水平管状部の内腔と整列し、前記管路壁の周方向には、一定の角度範囲に亘って前記膜面間隙と連通する通気スリットが設けられており、前記開閉栓は前記水平管状部及び前記貫通穴に亘って挿入された管状の内管部を有し、前記内管部の内腔は、その断面を2分割して軸方向に延在する隔壁により前記一次側排気路と前記二次側排気路に分離され、前記内管部の管壁には、前記一次側排気路及び前記二次側排気路でそれぞれ通気孔が設けられ、前記一次側排気路の通気孔は前記一次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な位置に、前記二次側排気路の通気孔は前記二次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な位置に配置されて、前記通気スリットと前記通気孔により前記通気開閉部が構成され、前記開閉栓の回動角度に応じて、前記通気孔と前記通気スリットとの間の連通状態と閉鎖状態が切替えられる。
また、前記排気ポート部の内腔と外部空間との間には、連通状態と閉鎖状態との間で切替可能な排気制御部が設けられ、前記排気制御部の切替えは前記開閉栓により操作可能であり、前記開閉栓の操作により、前記通気開閉部と前記排気制御部は、その連通状態と閉鎖状態が一致するように設定される。
また、前記開閉栓の外端は封鎖されて外端近傍の管壁に前記外側開口と連通可能な制御孔が設けられて、前記外側開口と前記制御孔により排気制御部が構成され、前記開閉栓の回動角度に応じて前記外側開口と前記制御孔との間の連通状態と閉鎖状態が切替えられる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
<実施の形態>
本発明の一実施の形態における中空糸膜型人工肺の斜視図を、図1に示す。この人工肺の正面図を図2に、側面図を図3に示す。図2におけるA−A線に沿った断面図、すなわち、人工肺の側面から見た断面図を図4に示す。また、図2におけるB−B線に沿った断面図、すなわち、人工肺の上面から見た断面図を図5に示す。図6は、この人工肺の断面を示した斜視図である。
この人工肺では、図3、図4に明瞭に示されるように、ハウジング1内に熱交換部2及びガス交換部3の空間領域が形成され、それぞれ、熱交換及びガス交換のための要素が収納されている。熱交換部2及びガス交換部3が形成する内腔を水平方向に貫通して、断面が円形の血液流路4(図4〜図6にのみ図示)が形成されている。血液流路4の両端に対応するハウジング1の外殻壁には各々、血液導入ポート5(図3〜6参照)、および血液導出ポート6が設けられている。血液導入ポート5は、血液流路4の円形断面の中央部に開口するように配置されている。一方、血液導出ポート6は、血液流路4の円形断面の底部に隣接して開口するように配置されている。
熱交換部2の左右端部のハウジング1の外殻壁には各々、下方に向けて、冷水または温水(冷温水)を流入させるための冷温水流入ポート7、流出させるための冷温水流出ポート8が、設けられている。ガス交換部3の上下端部のハウジング1の外殻壁には各々、酸素含有ガスを流入させるためのガス流入ポート9、流出させるためのガス流出ポート10が設けられている。
図3、4に示すように、熱交換部2の内腔には、熱交換のための熱媒体(冷温水)を流通させる伝熱細管として、ステンレスパイプ11の束が管軸を水平方向に向けて配置されている。冷温水流入ポート7、冷温水流出ポート8を介して、ステンレスパイプ11中を冷温水が流通する。ガス交換部3の内腔には、複数本の中空糸膜12を積層して形成された中空糸膜の束が、中空糸膜12の管軸を垂直方向に向けて配置されている。ガス流入ポート9、ガス流出ポート10を介して、酸素を含むガスが中空糸膜12の内腔を流通する。
図4〜図6に示すように、ハウジング1内の熱交換部2及びガス交換部3の外周縁領域に位置し、ステンレスパイプ11及び中空糸膜12をその両端を露出させて封止したシール部材13が設けられている。このシール部材13の内腔が血液流路4を形成しており、血液流路4は、水平方向にステンレスパイプ11及び中空糸膜12の束を横断して延在している。それによりステンレスパイプ11及び中空糸膜12の束を横断し、ステンレスパイプ11及び中空糸膜12の外表面に接するように血液を流通させることができる。図1、図6に示すように、ハウジング1の正面側には円形の透明窓14が設けられている。
ガス交換部3の下流、すなわち、中空糸膜12の束の血液導出ポート6に面した側とハウジング1の内壁面の間には、フィルタ空間15が形成されている。フィルタ空間15には、血液流路4の横断面全体を覆ってフィルタ16が挿入されている。シール部材13は、フィルタ空間15の外周縁領域にも亘って設けられており、フィルタ16の周縁部の一部は、シール部材13中に埋設されている。また、ハウジング1の上部に排気ポート部17が設けられており、フィルタ空間15を外部空間と連通させて、フィルタ16が捕捉した気泡の排出を可能とする排気路を形成している。以上のように配置されたフィルタ16と排気ポート部17により、血液中の気泡をハウジング1の外部へ排出するための気泡除去部が構成されている。
フィルタ16は、血液流路4を流動する血液中の異物を除去する機能とともに、気泡を捕捉する機能も有する。フィルタ16は、図4、図5に示すように、メッシュ状のシート状濾材18により構成され、プリーツを形成して複数葉に折り返されている。本実施の形態では、図5に明瞭に示されるように、プリーツ稜線19がハウジング1の左右の位置において縦方向(上下方向)に延在するように配置されている。
排気ポート部17は、ハウジング1の外表面から横方向に延びた管状の水平管状部17aと、水平管状部17aから上方に分岐した管状の垂直分岐管部17bとからなる。水平管状部17aの内腔の管路は、フィルタ空間15に位置する血液流路4の内壁面の最上部に開口しており、フィルタ空間15とハウジング1の外部とを連通させる排気路を形成している。水平管状部17aはまた、開閉栓20が装着される領域を形成している。開閉栓20は排気路の開放と閉鎖を操作するために設けられ、体外血液循環の際に必要に応じて、フィルタ空間15を外部空間との連通から遮断する機能を提供する。排気ポート部17及び開閉栓20の具体的な構造、および機能については後述する。
フィルタ16は、折り返されたシート状濾材18が形成する各葉の膜面の間に、膜面間隙21(図5参照)を設けてフィルタ空間15に装着されている。また、プリーツ稜線19と血液流路4の内周面との間には稜線間隙22が設けられている。シート状濾材18の各葉におけるプリーツ稜線19以外の周縁部、すなわち、折り返された各葉の最前面および最後面の縦方向の辺、及び全葉の横方向の辺は、血液流路4の内周面に密着している。ここで、「密着」とは、シート状濾材18の周縁部と、血液流路4を形成するシール部材13の内周面との間を血液が流動しないように封止されていることを意味する。密着の態様としては、上述のように、シート状濾材18の周縁部がシール部材13中に埋設された状態でも、あるいはシール部材13の内周面に対して接合されている状態でもよい。
上記構成において、プライミング時には、プライミング液を血液導入ポート5から導入し、熱交換部2からガス交換部3に亘る血液流路4を通過させ、更に、フィルタ空間15を経由させて血液導出ポート6から導出する。プライミング終了後の体外血液循環に際しても、血液を血液導入ポート5から導入し、熱交換部2からガス交換部3に亘る血液流路4を通過させた後、更に、フィルタ空間15を経由して血液導出ポート6から流出させる。
冷温水入口ポート8から流入する熱交換液である冷水または温水は、各ステンレスパイプ11の一端から内腔に進入し、各ステンレスパイプ11の他端を経由して冷温水出口ポート7から流出する。その間に、熱交換部2内の血液との間で熱交換が行われる。一方、ガス入口ポート9から流入する酸素含有ガスは、各中空糸膜12の一端から内腔に進入し、各中空糸膜12の他端を経由してガス出口ポート10から流出する。その間に、ガス交換部3内の血液との間でガス交換が行われる。ガス交換を終えた血液は、フィルタ空間15に達し、血液中に混入、発生した異物や血栓がフィルタ16によりトラップされて、気泡や異物を除去された血液が、血液導出ポート6からハウジング1外に導出される。
プライミング液または血液がフィルタ空間15を通過するとき、プライミング液中の気泡は、フィルタ16により捕捉され、シート状濾材18に沿って上昇してフィルタ空間15における血液流路4の上部領域に達する。この領域には排気ポート部17が開口しているので、気泡は排気ポート部17を通って外部に排気される。
フィルタ空間15を通過するとき、プライミング液/血液は、シート状濾材18の折り返された各膜面の全てを通過する。何故ならば、複数のプリーツ稜線19と血液流路4の内周面との間には稜線間隙22が存在し、また、折り返されたシート状濾材18の各膜面の間には膜面間隙21が存在するからである。すなわち、プライミング液/血液はプリーツ稜線19と血液流路4の内周面との間の稜線間隙22を通過し、さらに、シート状濾材18の各膜面間の膜面間隙21を経由して、シート状濾材18の全ての膜面に対して流れ込む。
これにより、血液流路4内に位置するシート状濾材18の全面積を実質的に同時に、プライミング液/血液に対するフィルタ膜面として機能させることができる。従って、膜面積は血液流路4の断面積による制限を受けることなく、十分に大きく設定可能であり、実質的に流路の横断面積が大きいことと類似の効果が得られる。すなわち、プライミング液/血液の膜面に対する流速を低下させて気液分離を容易にし、気泡を捕捉する能力を十分に発揮することができる。
開閉栓20の操作は、必要に応じて、プライミングが終了して体外血液循環を開始する際に、フィルタ空間15とハウジング1の外部との連通を遮断するために行われる。これにより、体外血液循環中に排気ポート部17から血液が漏洩することを防止することができる。
上述のとおり、体外血液循環の際、血液流路4内に位置するシート状濾材18の全面積が、血液を濾過する膜面として機能する。これにより、シート状濾材18の一部に目詰まりが生じたとしても、全体として、血液の流れに対する影響を軽減できる。
しかも、上記構成によれば、シート状濾材18を折り返して隙間を確保して装着しても、気泡除去部を形成するためのフィルタ空間15の容積増大は僅かである。すなわち、血液充填量を十分に低く維持しながら、実質的に十分大きなフィルタ膜面積を機能させることが可能である。
上記構成において、排気ポート部17が、フィルタ空間15の最上部に開口するように設けられていることにより、シート状濾材18に沿って上昇した気泡が容易に排出される。そのため、自然排気が可能であり、排気ポート部17からの排気のための吸引が不要である。但し、排気手段を設けることにより、仕様によっては、排気ポート部17を他の位置に配置することもできる。
また、血液導出ポート6は、血液流路4の円形断面の底部に隣接して開口するように配置されていることにより、ハウジング1外に導出される血液からの気泡の分離が効果的になる。但し、血液導出ポート6を他の態様で設けることも可能である。
更に、血液流路4の流路断面が円形であることにより、排気ポート部17からの空気排出の効果が大きい。何故ならば、フィルタ空間15に面する血液流路4の内壁面の最上部に設けられた排気ポート部17は、フィルタ空間15の頂点に位置するので、上昇した気泡が集まるからである。但し、円形の流路断面は、排気ポート部17に集約する外周縁形状の一例である。排気ポート部17に集約する外周縁形状とは、流路中心軸を含む垂直面と流路断面の外周縁との交点を最上位周縁とし、最上位周縁の両側では外周縁の接線の方向が下方に向かっている形状として定義される。
次に、フィルタ16を構成するシート状濾材18の形状、及びフィルタの作製工程について、図7〜図10を参照して説明する。図7は、フィルタの構成に用いるシート状濾材18を示す正面図である。図8は、シート状濾材18にインサート成形を施した後の形態を示す正面図である。図9は、フィルタ16の作製工程の途中の状態を示す斜視図、図10は、作製工程の終了時の状態を示す斜視図である。
図7に示すように、シート状濾材18にはその長手方向の側縁に沿って、透孔23が設けられている。このシート状濾材18に対して、図8に示すように、樹脂のインサート成形により、側縁リブ24及び側縁リブ24と一体化したリング状リブ25が設けられている。側縁リブ24は、シート状濾材18の長手方向の側縁に沿って膜面から突出している。リング状リブ25は側縁リブ24と同一の材質により、透孔23を包囲し被覆するように設けられている。側縁リブ24には、シート状濾材18を折り返す際の折り目に対応する切れ目26が設けられている。切れ目26での折り返しによって形成される各葉の幅方向の中央に位置するように、透孔23が配置されている。
このシート状濾材18を切れ目26の箇所で、図9に示すようにプリーツ稜線19を形成して折り返す(図では2回折り返されている)。最終的には、図10に示すように、折り返された各葉の側縁リブ24どうしが当接する状態まで折り畳まれる。各葉の側縁リブ24どうしが当接することにより、各葉の膜面間の膜面間隙21(図5参照)が設けられ、確実に維持される。また、シート状濾材18が折り返された状態で、各葉のリング状リブ25が一体的に組み合わさることにより、折り返された各葉を横断する円形断面の貫通穴27の管路壁が形成される。このような、シート状濾材18の長手方向の側縁に沿った側縁リブ24を設けることにより、折り返されたシート状濾材18の形状を維持するにも効果的である。
シート状濾材18の各葉間の膜面間隙21を形成するためのリブは、側縁リブ24のような、長手方向の側縁に沿って設けた形状に限定されることはない。例えば、折り返される各葉の中心部に、放射状のリブを設けた構成としてもよい。
次に、排気ポート部17及び開閉栓20の基本的な構造及び動作について、図11A及び図11Bを参照して説明する。図11Aは、フィルタ空間15とハウジング1の外部空間との間が、排気ポート部17を介して連通した状態における、排気ポート部17の近傍を一部断面で示した斜視図である。図11Bは、開閉栓20により排気ポート部17を介した連通が閉鎖された状態における斜視図である。
排気ポート部17は、フィルタ16の血液導出側の面に対向する位置でフィルタ空間15に開口した内側開口28を形成し、水平管状部17aは、この内側開口28から外方へ向かって横方向に延在している。水平管状部17aの側部(周壁部)には外側開口29が設けられ、垂直分岐管部17bが外側開口29と連通して上方に伸び、その先端(上端)は外部空間に開口している。但し、垂直分岐管部17bは必ずしも設ける必要はなく、水平管状部17aの側部に外側開口29が形成されただけの構造であってもよい。
シート状濾材18において複数のリング状リブ25の集合体からなる管路壁が形成する貫通穴27(図8参照)は、水平管状部17aの内腔と整列している。リング状リブ25からなる管路壁の下部には、管路壁の周方向に一定の角度範囲に亘って膜面間隙21と連通する通気スリット30が設けられている。
通気スリット30の構造を、図12及び図13に詳細に示す。図12は、リング状リブ25を拡大して示した斜視図である。図13は、インサート成形によりシート状濾材18と一体となった形態のリング状リブ25を示す側面図である。
リング状リブ25の各々の下端部からシート状濾材18が延在することにより、膜面間隙21が形成されている。リング状リブ25は、上部に比べて下部の厚さが薄くなっており、段差31が形成されている。この段差31により、複数のリング状リブ25からなる管路壁に通気スリット30が形成されて、膜面間隙21と通気スリット30が連通する状態となっている。
図11A及び図11Bに示すように、開閉栓20は先端側の内管部32と後端側の把持部33とを有し、内管部32が、排気ポート部17の水平管状部17aからシート状濾材18のリング状リブ25の内腔(貫通穴27)に亘って装着されている。内管部32は排気路の一部を形成し、リング状リブ25内に位置する先端部に通気孔34a、34bを有する。通気孔34a、34bは、開閉栓20の回動によって、リング状リブ25の通気スリット30と連通する位置に設定可能である。
通気スリット30と通気孔34a、34bにより、膜面間隙21と内管部32の内腔との間を、連通状態と閉鎖状態との間で切替え可能な通気開閉部が構成される。また。内管部32の後端は封鎖されており、後端近傍の周面に垂直分岐管部17bと連通可能な制御孔35を有する。外側開口29と制御孔35により、排気ポート部17の内腔と外部空間との間を、連通状態と閉鎖状態との間で切替えるための排気制御部が構成される。
開閉栓20により、垂直分岐管部17bと通気スリット30との間を、内管部32を介して連通させる操作が可能である。すなわち、把持部33を介して内管部32を回動させることにより、内管部32の回動角度に応じて、制御孔35と垂直分岐管部17bとの間の連通状態と閉鎖状態が切換えられ、排気路の外部空間に対する開放と閉鎖が操作される。その連通状態では、開閉栓20の通気孔34a、34bと管路壁の通気スリット30との間が連通状態となり、従って、排気路が膜面間隙21と連通する。
また、制御孔35と垂直分岐管部17b(外側開口部)との間が閉鎖状態にあるときは、開閉栓20の通気孔34a、34bとリング状リブ25の通気スリット30との間も閉鎖状態となるように構成されている。但し、この条件は必須ではない。すなわち、膜面間隙21を外部空間に対して閉鎖する場合は、制御孔35または通気孔34a、34bの少なくとも一方が閉鎖状態となれば、実用的な効果を得ることが可能である。
本実施の形態の中空糸膜型人工肺は、以上のようなフィルタ空間15とフィルタ16の構成を基本的な特徴とし、更に、気泡の排出に関わる問題を解決した構成を有する。これについて、図14A〜図15Bを参照して説明する。これらの図は、本実施の形態の特徴が判りやすいように、上記構成の中空糸膜型人工肺を簡略化し、断面で示した平面図である。また、図示の便宜上、上述の説明で参照した図面に記載の構造と若干相違する部分もある。上記構成における要素と同様な要素については、同一の参照番号を付して説明の繰り返しを省略する。
まず、図14A、図14Bを参照して、本実施の形態により解決しようとする課題について説明する。図14Aは、中空糸膜型人工肺を簡略化した図であり、一部分解した状態を断面で示した平面図である。図14Bは、図14Aの中空糸膜型人工肺の組み立てた状態を断面で示した平面図である。図14Aには、開閉栓20の内管部32の構造が明瞭に示される。但し、この図に示した構造では、図示の便宜上、図11A、図11Bに示した通気孔34a、34bに代えて、多数の円孔状の通気孔34が設けられている。通気孔34の説明に関わる機能は、通気孔34a、34bと同様である。また、外側開口29及び制御孔35は、それぞれ水平管状部17a及び内管部32の上部周面に位置し図14Aには表れないので、説明の便宜上、一点鎖線で示した。
フィルタ空間15は、シート状濾材18によって、ガス交換部3側の一次側空間36と血液導出ポート6側の二次側空間37に分離されている。従って、膜面間隙21は各々、一次側空間36に属するものと、二次側空間37に属するものに分かれる。膜面間隙21と水平管状部17aを連通させる排気路が、リング状リブ25の貫通穴により形成されている。貫通穴は端部において、水平管状部17aの内腔と整列している。
図14Aの状態から、中空糸膜型人工肺を組立てた状態、すなわち、開閉栓20の内管部32を、水平管状部17a及びリング状リブ25が形成する貫通穴内に亘って装着すると、図14Bに示す状態になる。これにより、各通気孔34は、それぞれ膜面間隙21(シート状濾材18外の一次側空間36、二次側空間37も含む)と対向し、リング状リブ25が形成する排気路が膜面間隙21と連通する。制御孔35は外側開口29と整列しているので、水平管状部17aの内腔が外部空間と連通している。
各通気孔34には、一次側空間36に属する膜面間隙21と対向するものと、二次側空間37に属する膜面間隙21と対向するものがあるが、この構成では、内管部32は、一次側空間36と二次側空間37の双方と連通している。そのため、一次側空間36の血液が内管部32を経由して二次側空間37に移動する可能性がある。その結果、シート状濾材18による異物及び気泡除去の処理がされていない血液の一部が血液導出ポート6に漏れ出す惧れを生じる。本実施の形態の中空糸膜型人工肺は、このような問題を解消するための構造を有する。
図15Aは、本実施の形態の中空糸膜型人工肺の一部分解した状態を、簡略化して断面で示した平面図である。図15Bは、組立てた状態を断面で示した平面図である。この構成では、開閉栓20の内管部38の構成が、図14Aに示した内管部32とは異なっている。すなわち、内管部38の内腔は、その断面を2分割して軸方向に延在する隔壁39により、一次側排気路40aと二次側排気路40bに分離されている。
内管部38の管壁には、一次側排気路40aの通気孔41a、及び二次側排気路40bの通気孔41bが設けられている。通気孔41aは一次側空間36に属する膜面間隙21と連通可能な位置に、通気孔41bは二次側空間37に属する膜面間隙21と連通可能な位置に配置されている。これにより、一次側排気路40aと二次側排気路40bとは、互いに分離された状態となっている。一次側排気路40aと二次側排気路40bとは、水平管状部17aにおいて合流し、外部空間に排出される。
この構成によれば、内管部38は、フィルタ空間15内では一次側排気路40aと二次側排気路40bとに分離されているので、通気孔41aと通気孔41bを経由して、血液が一次側空間36から二次側空間37に移動することはない。従って、シート状濾材18による異物及び気泡除去の処理がされていない血液の一部が血液導出ポート6に漏れ出す惧れが解消される。
但し、一次側排気路40aと二次側排気路40bとは水平管状部17aにおいて合流するので、その合流部位以降のいずれかの箇所に逆止弁を設けることが望ましい。すなわち、フィルタ空間15内に向かう流れを阻止する逆止弁を、排気ポート部17または排気ポート部17に接続された外部排気路、例えば制御孔35の近傍に設ける。これにより、排気ポート部17で二次側空間37の血液に混合された一次側空間36の血液が、フィルタ空間15を経由して血液導出ポート6に漏れ出す惧れが解消される。
本発明の中空糸膜型人工肺は、低血液充填量で実質的に十分大きなフィルタ膜面積を機能させ、また、一次側血液を二次側に漏洩させることなく、捕捉した気泡を効果的に外部に排出可能なフィルタ装置を内蔵しているので、体外血液循環のための人工心肺装置として有用である。
1、101、102 ハウジング
2、100B 熱交換部
3、100A ガス交換部
4 血液流路
5、104 血液導入ポート
6、107 血液導出ポート
7、103 冷温水流入ポート
8 冷温水流出ポート
9、108 ガス流入ポート
10、109 ガス流出ポート
11 ステンレスパイプ
12 中空糸膜
13 シール部材
14 透明窓
15 フィルタ空間
16 フィルタ
17 排気ポート部
17a 水平管状部
17b 垂直分岐管部
18 シート状濾材
19 プリーツ稜線
20 開閉栓
21 膜面間隙
22 稜線間隙
23 透孔
24 側縁リブ
25 リング状リブ
26 切れ目
27 貫通穴
28 内側開口
29 外側開口
30 通気スリット
31 段差
32、38 内管部
33 把持部
34、34a、34b 通気孔
35 制御孔
36 一次側空間
37 二次側空間
39 隔壁
40a 一次側排気路
40b 二次側排気路
41a、41b 通気孔
105 熱交換体
110 排気ポート
111 中空糸膜層
112 フィルタ部材
113 排気用中空糸膜層
114、115 隔壁
116、117 仕切部

Claims (6)

  1. ガス交換部を形成する空間領域を有するハウジングと、
    前記ガス交換部に収納された複数本の中空糸膜の束と、
    前記中空糸膜の内腔を通して酸素を含むガスを流通させるように前記ハウジングに設けられたガスポートと、
    前記中空糸膜の束を横断し前記中空糸膜の外表面に接するように血液を流通させる血液流路と、
    前記血液流路の両端の前記ハウジングの外壁に設けられた血液導入ポートおよび血液導出ポートと、
    前記中空糸膜の束の血液導出側に隣接して設けられたフィルタ空間と、
    前記血液流路の横断面全体を覆って前記フィルタ空間に挿入されたフィルタと、
    前記フィルタ空間を外部空間と連通させて気泡の排出を可能とする排気ポート部とを備えた中空糸膜型人工肺において、
    前記フィルタは、複数葉に折り返されたシート状濾材により構成され、折り返された前記シート状濾材の各葉の膜面の間に膜面間隙を設けて装着され、前記折り返しによって形成されたプリーツの稜線と前記血液流路の内周面との間には稜線間隙が形成され、
    前記シート状濾材の各葉における前記プリーツの稜線以外の周縁部は、前記血液流路の内周面に密着して、前記フィルタ空間が前記シート状濾材によって前記ガス交換部側の一次側空間と前記血液導出ポート側の二次側空間に分離され、
    前記シート状濾材を貫通して前記膜面間隙と前記排気ポート部を連通させる排気路が設けられ、前記排気路は、前記一次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な一次側排気路と、前記二次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な二次側排気路とに分離されていることを特徴とする中空糸膜型人工肺。
  2. 前記一次側排気路と前記二次側排気路とは、前記排気ポート部において合流しており、
    前記排気ポート部または前記排気ポート部に接続された外部排気路に、前記フィルタ空間内に向かう流れを阻止する逆止弁が設けられている請求項1に記載の中空糸膜型人工肺。
  3. 前記各膜面間隙と前記排気路との間は、連通状態と閉鎖状態との間で切替え可能な通気開閉部を介して接続され、前記通気開閉部の切替えを操作するための開閉栓が設けられている請求項1または2に記載の中空糸膜型人工肺。
  4. 前記排気ポート部は、前記フィルタの血液導出側の面に対向する位置から外方へ向かって前記シート状濾材に交差する方向に延在する水平管状部を有し、前記水平管状部の側部にはその内腔を外部空間と連通させる外側開口が設けられ、
    前記排気路は、前記シート状濾材を貫通する管路壁の内腔である円形断面の貫通穴により形成され、前記貫通穴は端部において前記水平管状部の内腔と整列し、前記管路壁の周方向には、一定の角度範囲に亘って前記膜面間隙と連通する通気スリットが設けられており、
    前記開閉栓は前記水平管状部及び前記貫通穴に亘って挿入された管状の内管部を有し、前記内管部の内腔は、その断面を2分割して軸方向に延在する隔壁により前記一次側排気路と前記二次側排気路に分離され、
    前記内管部の管壁には、前記一次側排気路及び前記二次側排気路でそれぞれ通気孔が設けられ、前記一次側排気路の通気孔は前記一次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な位置に、前記二次側排気路の通気孔は前記二次側空間に属する前記膜面間隙と連通可能な位置に配置されて、前記通気スリットと前記通気孔により前記通気開閉部が構成され、
    前記開閉栓の回動角度に応じて、前記通気孔と前記通気スリットとの間の連通状態と閉鎖状態が切替えられる請求項3に記載の中空糸膜型人工肺。
  5. 前記排気ポート部の内腔と外部空間との間には、連通状態と閉鎖状態との間で切替可能な排気制御部が設けられ、前記排気制御部の切替えは前記開閉栓により操作可能であり、
    前記開閉栓の操作により、前記通気開閉部と前記排気制御部は、その連通状態と閉鎖状態が一致するように設定される請求項3または4に記載の中空糸膜型人工肺。
  6. 前記開閉栓の外端は封鎖されて外端近傍の管壁に前記外側開口と連通可能な制御孔が設けられて、前記外側開口と前記制御孔により排気制御部が構成され、前記開閉栓の回動角度に応じて前記外側開口と前記制御孔との間の連通状態と閉鎖状態が切替えられる請求項5に記載の中空糸膜型人工肺。
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