JP2014182112A - NOx濃度測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2セル式のNOxセンサの通路側空間に炭化水素が存在する場合においても、排気中のNOx濃度を高精度に測定可能なNOx濃度測定装置を提供する。
【解決手段】排気通路12を流れる排気温度が低い場合や、酸化触媒16が劣化している場合は、酸化触媒16を通過してNOxセンサの第1室に流入する不飽和炭化水素量が増える。そのため、NOxセンサ22,24の電極間に流れるポンプ電流値(センサ出力)の誤差(センサ誤差)が大きくなるため、第1室に流入する不飽和炭化水素の量を算出し、この量を用いてセンサ出力を補正する。
【選択図】図1

Description

本発明は、NOx濃度測定装置に関し、詳細には、内燃機関の排気中のNOx濃度を測定するNOx濃度測定装置に関する。
従来、例えば特許文献1に開示されているように、内燃機関の排気通路に配設した2セル式のNOxセンサを用いて排気中のNOx濃度を測定することが公知である。このNOxセンサは、排気の導入口に連通して形成される通路側空間と、該通路側空間に連通し、尚且つ、該通路側空間よりもセンサ基部側に形成される基部側空間と、を備えている。また、このNOxセンサは、これら2つの空間に配設された3つのポンプセルを備えている。具体的に、基部側空間に配設された補助ポンプセルおよび測定用ポンプセルと、通路側空間に配設された主ポンプセルと、を備えている。3つのポンプセルは何れも、ポンピング作用により通路側空間、基部側空間のOを外部に汲み出す機能を有している。
このNOxセンサによるNOx濃度の測定は、測定用ポンプセルに所定電圧を印加したときに流れるポンプ電流値を検出することにより行われる。このポンプ電流値は、基部側空間内のNO濃度に応じて変化するものであるが、測定用ポンプセルの近傍に存在するOの影響を受ける。この点、特許文献1のNOxセンサによれば、主ポンプセルによって通路側空間内のOを、補助ポンプセルによって基部側空間のOを、それぞれ外部に汲み出すことができる。特に、補助ポンプセルによれば、測定用ポンプセルよりもセンサ先端側のOを外部に汲み出すことができる。つまり、測定用ポンプセル近傍のO濃度を、NOx濃度の測定に影響を及ぼすことのない低い値に制御できる。よって、Oによる影響を極力排除して排気中のNOx濃度を測定できる。
基部側空間の測定用ポンプセルの近傍に存在するガスの影響については、特許文献2にも開示されている。具体的に、特許文献2には、炭化水素(HC)、CO等の還元性ガスが、測定用ポンプセルにおけるポンプ電流値に影響を及ぼすことが開示されている。この理由は、還元性ガスが測定用ポンプセルで還元されるためであるとしている。この点、特許文献2のNOxセンサは、通路側空間に配設したポンプセルに、Oおよび還元性ガスに活性な電極を用いているので、このポンプセルで還元性ガスを還元できる。つまり、通路側空間で還元性ガスを除去できる。よって、還元性ガスによる影響を極力排除して排気中のNOx濃度を測定できる。
特開2005−283266号公報 特開2002−5883号公報 特開平5−87772号公報 特開2005−207405号公報 特開2007−40130号公報 特開2011−2245号公報
上述したように、特許文献2のNOxセンサによれば、通路側空間で炭化水素を除去できる。しかしながら、この炭化水素の排出量は内燃機関の運転状態によって変動するものであり、大量に排出された場合には、その全てを除去できない可能性がある。また、炭化水素の排出量が少量であるとしても、NOxセンサ上流の触媒の活性状態等によっては、同様の状況となり炭化水素が通路側空間に流入する可能性もある。従って、通路側空間での炭化水素の存在を許容しつつ排気中のNOx濃度を測定可能な新たな手法を開発する必要がある。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものである。即ち、2セル式のNOxセンサの通路側空間に炭化水素が存在する場合においても、排気中のNOx濃度を高精度に測定可能なNOx濃度測定装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、NOx濃度測定装置であって、
内燃機関の排気通路に配設され、排気の導入口に連通して形成された通路側空間に配設された通路側ポンプセルと、前記通路側空間に連通し、且つ、前記通路側空間よりもセンサ基部側に形成された基部側空間に配設された基部側ポンプセルと、を備えるNOxセンサと、
前記基部側ポンプセルに所定電圧を印加したときに流れるポンプ電流値を用いて排気中のNOx濃度を算出するNOx濃度算出手段と、を備え、
前記NOx濃度算出手段は、前記導入口から前記通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を用いて前記ポンプ電流値を補正することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記NOxセンサよりも上流側の前記排気通路に配設され、排気中の不飽和炭化水素を他の物質に変換可能な触媒を更に備え、
前記NOx濃度算出手段は、前記触媒の床温および燃料噴射量と、前記触媒を通過する排気中の不飽和炭化水素量との関係に基づいて、前記通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を算出することを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記NOxセンサよりも上流側の前記排気通路に配設され、排気中の不飽和炭化水素を他の物質に変換可能な触媒を更に備え、
前記NOx濃度算出手段は、前記触媒を通過する排気中の不飽和炭化水素量と、前記触媒の劣化度合いとの関係に基づいて、前記通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を算出することを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3何れか1つの発明において、
前記NOx濃度算出手段は、前記不飽和炭化水素量が設定値以上の場合、前記ポンプ電流値の補正を禁止することを特徴とする。
上述したように、2セル式のNOxセンサによるNOx濃度の測定は、基部側空間に配設された測定用ポンプセルに所定電圧を印加したときに流れるポンプ電流値を検出することにより行われ、このポンプ電流値は、基部側空間内のNOの濃度に応じて変化する。このNOは、通路側空間から基部側空間に流入してくるものであるが、排気中に含まれる不飽和炭化水素と反応し易い。何故なら、不飽和炭化水素は、飽和炭化水素と異なり、炭素−炭素結合間に2重結合や3重結合を有するからである。そのため、排気の導入口から通路側空間に不飽和炭化水素が流入すると、通路側空間にてNOが消失し、その結果、基部側空間内のNOの濃度が低下してしまう。この点、第1の発明によれば、排気の導入口から通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を用いて、基部側ポンプセルに所定電圧を印加したときに流れるポンプ電流値を補正できる。従って、通路側空間に炭化水素が存在する場合においても、排気中のNOx濃度を高精度に測定できる。
排気中の不飽和炭化水素は、ガソリン等の燃料に由来するものである。この不飽和炭化水素は、本来、排気通路に配設した触媒によって不飽和炭化水素以外の他の物質に変換される。しかしながら、この触媒の活性状態が低い場合には、排気中の不飽和炭化水素がこの触媒の下流側に排出され、その結果、通路側空間に流入してしまう。この点、第2の発明によれば、触媒の床温および燃料噴射量と、触媒を通過する排気中の不飽和炭化水素量との関係に基づいて、通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を算出できる。よって、通路側空間に流入し得る不飽和炭化水素量を高精度に算出できる。
上述したように、不飽和炭化水素は、排気通路に配設した触媒によって他の物質に変換される。しかしながら、この触媒の変換機能が劣化しているような場合には、排気中の不飽和炭化水素がこの触媒の下流側に排出され、その結果、通路側空間に流入してしまう。この点、第3の発明によれば、触媒を通過する排気中の不飽和炭化水素量と、触媒の劣化度合いとの関係に基づいて、通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を算出できる。よって、通路側空間に流入し得る不飽和炭化水素量を高精度に算出できる。
第4の発明によれば、不飽和炭化水素量が設定値以上の場合、ポンプ電流値の補正を禁止できる。従って、NOx濃度を誤検出する可能性が高い状況下でのNOx濃度の測定を事前に回避できる。
実施の形態に係るNOx濃度測定装置の主要な構成を説明するための図である。 NOxセンサ22のセンサ素子32の断面図である。 センサ素子32内部での排気成分の挙動を説明するための図である。 NOxセンサのセンサ誤差と排気中のNOx濃度との関係を示した図である。 排気成分とセンサ誤差との関係を示した図である。 エンジン排気に含まれる炭化水素成分の炭素数別の含有量を示した図である。 酸化触媒16の床温および燃料噴射量と、酸化触媒16を通過する不飽和炭化水素の量との関係を示した図である。 酸化触媒16を通過する不飽和炭化水素の量と、運転時間との関係を示した図である。 式(1)から求めたセンサ誤差の予測値および実測値を示した図である。 センサ出力補正制御を実行するための処理ルーチンを説明するフローチャートである。 PM再生時の燃料添加量および排気温度と、不飽和炭化水素量との関係を示した図である。
[NOx濃度測定装置の説明]
以下、図1乃至図11を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、実施の形態に係るNOx濃度測定装置の主要な構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係るNOx濃度測定装置は、車両に動力源として搭載される内燃機関10を備えている。内燃機関10は、複数気筒を備えるディーゼルエンジンである。内燃機関10の各気筒には、排気通路12が連通している。
排気通路12には、触媒コンバータ14が設けられている。触媒コンバータ14は、酸化触媒16とDPF(Diesel Particulate Filter)18とを備えている。酸化触媒16は、排気中のHC、COなどの未燃成分を酸化する機能を有している。DPF18は、排気中に含まれる微粒子物質(PM)を吸着するためのフィルタである。触媒コンバータ14には、酸化触媒16の床温を検出する温度センサ20が取り付けられている。
触媒コンバータ14よりも下流の排気通路12には、2セル式のNOxセンサ22,24が設けられている。NOxセンサ22,24は、それぞれの設置箇所の近傍を流れる排気中のNOx濃度に応じたポンプ電流値をセンサ出力として発するように構成されている。尚、NOxセンサ22,24の主要部の構成と、これらを用いた排気中のNOx濃度の検出手法とについては後述する。
NOxセンサ22,24の間には、尿素添加弁26およびNOx触媒28が設けられている。尿素添加弁26は、尿素水を貯留したタンク(図示しない)に接続され、NOxセンサ22,24のセンサ出力に基づいて算出される量の尿素水をNOx触媒28に向けて添加するように構成されている。NOx触媒28は、尿素水の添加を受けて還元雰囲気となり、排気中のNOxを選択的に還元する選択還元型触媒(SCR)である。
本実施形態に係るNOx濃度測定装置は、制御装置としてのECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30の入力側には、温度センサ20、NOxセンサ22,24の他、内燃機関10の制御に必要な各種センサ(例えば、吸入空気量を検出するエアフロメータ、エンジン回転数を検出するクランク角センサ等)が電気的に接続されている。他方、ECU30の出力側には、尿素添加弁26の他、内燃機関10の各気筒(図示しない)に燃料を噴射する燃料噴射弁等の各種アクチュエータが電気的に接続されている。ECU30は、上述の各種センサからの入力情報に基づいて所定のプログラムを実行し、上述の各種アクチュエータ等を作動させることにより、以下に説明するセンサ出力補正制御をはじめとする内燃機関10の運転に関する種々の制御を実行する。
[NOxセンサ22,24について]
次に、図2乃至図3を参照しながら、NOxセンサ22,24の主要部の構成と、これらを用いた排気中のNOx濃度の検出手法とについて説明する。図2は、NOxセンサ22のセンサ素子32の断面図である。尚、本実施の形態の排気ガス浄化装置は、NOxセンサ22,24を備えるが、これらの素子構成は共通する。そのため、ここでは、NOxセンサ22について説明し、NOxセンサ24についての説明は省略する。
センサ素子32は、第1室34、第2室36および拡散律速通路38,40を備えている。第1室34は、NOxセンサ22の先端部側に形成されており、拡散律速通路38を介して排気通路12と連通している。第2室36は、NOxセンサ22の基部側に形成されており、拡散律速通路40を介して第1室34と連通している。つまり、排気通路12を流れる被測定ガス(排気)がセンサ素子32内部に流入すると、第1室34、第2室36の順に流れることになる。
第1室34には、ポンプセル42が配設されている。ポンプセル42は、固体電解質42aと、この固体電解質42aを挟むように配置された電極42b,42cとを備えており、第1室34に存在する被測定ガス中の余剰Oを第1室34の外部に排出する機能を有している。固体電解質42aは、酸素イオン伝導性の材料(例えばジルコニア、酸化ビスマス、酸化セリウム等)から構成されている。電極42bは、酸素感受性に優れ、尚且つ、NOxの選択還元性の低い材料(例えばPt−Au合金)から構成され、第1室34内に露出している。電極42cは、電極42bと対をなすものであり、外部に連通する内部空間(図示しない)に露出している。電極42b,42cは、外部電源(図示しない)に接続されている。尚、この外部電源は、ECU30の出力側に接続されているものとする。
第2室36には、センサセル44が配設されている。センサセル44は、固体電解質44aと、この固体電解質44aを挟むように配置された電極44b,44cとを備えており、第2室36内のNOx濃度を検知するように構成されている。固体電解質44aはジルコニア等から構成されている。電極44bは、NOの選択還元性の高い材料(例えばPt−Rh合金)から構成され、第2室36内に露出している。電極44cは、電極44bと対をなすものであり、外部に連通する内部空間(図示しない)に露出している。電極44b,44cは、外部電源(図示しない)に接続されている。また、電極44b,44cは、電極44b,44c間に流れるポンプ電流値を検出する電流値検出手段(図示しない)に接続されている。尚、この外部電源はECU30の出力側に、この電流値検出手段は同入力側に、それぞれ接続されているものとする。
図3は、センサ素子32内部での排気成分の挙動を説明するための図である。図3に示すように、排気には、NOx(NO,NO)の他、主に吸気に由来するN、O、HOや、主に燃料の燃焼に由来するCO、CO、H、HCが含まれる。これらの排気成分は、排気通路12から拡散律速通路38を経由して第1室34へと流入し、更に、拡散律速通路40を経由して第2室36に流入する。
第1室34に流入した排気は、電極42bに接触する。外部電源によって電極42b,42c間に所定の電圧が印加されていると、電極42bに接触した未燃成分(CO、HC)が平衡化されてHO、COへと変換される。また、電極42bに接触した余剰Oが固体電解質42aを介して電極42cへと運搬され、電極42cを介して外部に放出される(ポンピング作用)。このポンピング作用により、第1室34内のO分圧が低下する。O分圧が低下することで、第1室34内のNOxからNOが生成する。
第1室34を通過したNOは、第2室36に流入し電極44bに接触する。外部電源によって電極44b,44c間に所定の電圧が印加されていると、このNOがNとOに分解される。そして、分解されたOが固体電解質44aを介して電極44cへと運搬され、電極42cを介して外部に放出される。この際、電極44b,44c間に流れるポンプ電流値は、第2室36内のNO量に比例するものである。そのため、ポンプ電流値を電流値検出手段で検出すれば、排気中のNOx濃度を算出できる。
[実施の形態の特徴]
ところで、NOxセンサ22,24のセンサ出力は、通常、誤差(センサ誤差)を含んでいる。また、このセンサ誤差は、酸化触媒16の劣化状態や、酸化触媒16を通過する排気の温度によって変動する。図4は、NOxセンサのセンサ誤差と排気中のNOx濃度との関係を示した図である。図4の関係は、劣化状態の異なる酸化触媒を排気通路に設け、この排気通路に流す排気中のNOx濃度と排気温度とを変更することにより作成したものである。図4に示すように、低排気温(200℃程度)の場合は、通常(800℃程度)の場合に比べてセンサ誤差が大きくなる。同様に、劣化触媒の場合は、通常(即ち、初期状態の酸化触媒)の場合に比べてセンサ誤差が大きくなる。なお、通常の場合のセンサ誤差(5〜10%)は、センサ個体差に起因するものである。
低排気温の場合や劣化触媒の場合にセンサ誤差が大きくなる理由について、図5乃至図6を参照しながら説明する。図5は、排気成分とセンサ誤差との関係を示した図である。図5の関係は、初期状態の触媒を通過させる排気(NOx濃度500ppm、排気温800℃程度)中の成分を変更することにより作成したものである。図5に示すように、排気成分に炭化水素を含まない場合(炭化水素なし)や、排気成分がプロパン(飽和炭化水素)の場合は、ほぼ同一のセンサ誤差(8%)を示す。一方、エンジン排気(不飽和炭化水素)の場合は、センサ誤差が低くなる(約−4%)。
図6は、エンジン排気に含まれる炭化水素成分の炭素数別の含有量を示した図である。図6に示すように、エンジン排気に含まれる炭化水素成分の多くはオレフィンまたはアロマ、即ち不飽和炭化水素である。飽和炭化水素であるパラフィン、ナフテンは殆ど含まれていない。
図5乃至図6から、低排気温の場合や劣化触媒の場合にセンサ誤差が大きくなるのは、酸化触媒を通過した不飽和炭化水素に起因していることが分かる。飽和炭化水素と異なり、不飽和炭化水素は炭素−炭素結合間に2重結合や3重結合を有する。そのため、不飽和炭化水素は反応性の高いNOと反応し易い。また、低排気温の場合には触媒が活性状態になく、劣化触媒の場合同様、本来浄化されるはずの不飽和炭化水素が、酸化触媒を通過し易い。そのため、不飽和炭化水素がNOxセンサ内部に流入し、第1室34においてNOをNに還元し、第2室36に流入するNOの量を減少させると考えられる。
このように、センサ誤差が大きくなると、尿素添加弁26を用いた尿素添加制御や、NOxセンサ22,24のセンサ出力を用いた各種OBD制御が成立しなくなる可能性がある。そこで、本実施の形態においては、第1室34に流入する不飽和炭化水素の量を算出し、この量を用いてセンサ出力を補正して排気中のNOx濃度を算出することとしている(センサ出力補正制御)。
[センサ出力補正制御]
センサ出力補正制御について、図7乃至図9を参照しながら説明する。図7は、酸化触媒16の床温および燃料噴射量と、酸化触媒16を通過する不飽和炭化水素の量との関係を示した図である。図7に示すように、酸化触媒16の床温が低いほど不飽和炭化水素の量が多くなる。この理由は、図4で説明したとおりである。また、上記燃料噴射弁からの燃料噴射量が多いほど不飽和炭化水素が多くなる。この理由は、燃料噴射量が増えればそれだけ噴射燃料に含まれるオレフィン、アロマの含有量が増えるためである。
図8は、酸化触媒16を通過する不飽和炭化水素の量と、運転時間との関係を示した図である。図8に示すように、運転時間(初期状態の酸化触媒16を配設した後における内燃機関10の総運転時間をいう。)が長くなるほど、不飽和炭化水素の量が多くなる。
センサ出力補正制御においては、図7,図8の関係に基づいて求めた不飽和炭化水素の量と、センサ出力(前回値)に基づいて求めたNOx濃度とからセンサ誤差(予測値)を求め、センサ出力(今回値)を補正する。具体的には、下記式(1),(2)からセンサ出力(補正値)が算出される。
センサ誤差(予測値)=−a×不飽和炭化水素量+b×(不飽和炭化水素量)+c×NOx濃度+d ・・・(1)
センサ出力(補正値)=センサ出力(今回値)−センサ誤差(予測値) ・・・(2)
上記式(1)中、a〜dは回帰係数である。本実施の形態において、a=0.1296,b=0.0003,c=0.0078,d=6.16528である。これらの値は、図4作成時の条件において、上記式(1)のセンサ誤差(予測値)を目的変数、不飽和炭化水素量およびNOx濃度を説明変数とする重回帰分析により求めたものである。なお、重相関係数R=0.927076,自由度調整済み寄与率ρ=0.821144であった。
図9は、上記式(1)から求めたセンサ誤差の予測値および実測値を示した図である。図9の各プロットが実測値に、実線が予測値に、それぞれ相当する。図9に示すように、上記式(1)によれば、高い精度で誤差が予測できる。
なお、本実施の形態においては、図7,図8の関係をデータ化したマップおよび上記式(1),(2)が予めECU30に記憶されているものとする。その他、ECU30には、センサ出力(ポンプ電流値)とNOx濃度との関係をデータ化したNOxマップについて、予め実験等により求めたものも記憶されているものとする。
[本実施形態における具体的処理]
次に、図10を参照しながら、本実施形態において実行されるセンサ出力補正制御について説明する。図10は、センサ出力補正制御を実行するための処理ルーチンを説明するフローチャートである。なお、図10に示すルーチンは、内燃機関10の運転中に繰り返して実行されるものとする。
図10に示すルーチンにおいて、ECU30は、先ず、NOxセンサ22,24が活性状態にあるか否かを判定する(ステップ100)。NOx濃度の検出を精度よく行うためには、NOxセンサ22,24が活性状態であることが必要となる。なお、ここでいう活性状態とは、センサ出力を各種制御に用いることができるようになった状態をいう。本ステップにおいて、NOxセンサ22,24が活性状態でないと判定された場合、ECU30は、本ルーチンを速やかに終了する。
ステップ100において、NOxセンサ22,24が活性状態であると判定された場合、ECU30は、不飽和炭化水素の量を推定する(ステップ102)。具体的に、ECU30は、温度センサ20から取得した酸化触媒16の床温と、別途算出した燃料噴射量と、運転時間と、図7,図8のマップとから不飽和炭化水素量を算出する。なお、燃焼噴射量の算出手法は公知であるためここでは省略する。
続いて、ECU30は、ステップ102で推定した不飽和炭化水素量が設定値以下か否かを判定する(ステップ104)。本ステップで用いる設定値は、不飽和炭化水素量の許容上限値であり、NOxセンサ22,24の仕様に応じて予め定められ、ECU30に記憶されているものである。本ステップにおいて、不飽和炭化水素量が設定値よりも多いと判定された場合、NOx濃度を誤検出する可能性や、次回以降のセンサ誤差の算出に悪影響を及ぼす可能性が高いと判断できる。そのため、ECU30は、本ルーチンを速やかに終了する。
ステップ104において、不飽和炭化水素量が設定値以下と判定された場合、ECU30は、センサ誤差およびセンサ出力(補正値)を算出し、排気中のNOx濃度を算出する(ステップ106,108,110)。具体的に、ECU30は、ステップ102で算出した不飽和炭化水素量と、センサ出力(前回値)に基づいて求めたNOx濃度と、上記式(1)とから、センサ誤差(補正値)を算出する。続いて、算出したセンサ誤差(補正値)と、センサ出力(今回値)と、上記式(2)とから、センサ出力(補正値)を算出する。最後に、ECU30は、センサ出力(補正値)と上記NOxマップとからNOx濃度を算出する。
以上、図10に示したルーチンによれば、センサ出力(補正値)に基づいて、排気中のNOx濃度を求めることができる。従って、低排気温の場合や劣化触媒の場合に不飽和炭化水素が酸化触媒16を通過したとしても、NOx濃度を高精度に検出できる。よって、例えば尿素添加制御の実行中に、NOx触媒28でのNOx浄化率が低下するといったエミッションの悪化を未然に防止できる。
ところで、上述の実施の形態においては、不飽和炭化水素量の算出に際して酸化触媒16の床温、燃料噴射量および運転時間というパラメータを用いたが、不飽和炭化水素量の増減に関与する他のパラメータであれば、これらを考慮することができる。即ち、第1室34に流入する不飽和炭化水素量の増減に関与するパラメータであれば、酸化触媒16の床温と同様に用いることができる。
また、上述の実施の形態においては、運転時間を基準とした図8の関係に基づいて劣化触媒の場合における不飽和炭化水素量を算出したが、酸化触媒16の劣化状態を表す他の関係に基づいて不飽和炭化水素量を算出してもよい。更には、酸化触媒16の劣化状態をDPF18の劣化状態から推定して不飽和炭化水素量を算出してもよい。図11は、PM再生時の燃料添加量および排気温度と、不飽和炭化水素量との関係を示した図である。PM再生とは、DPF18に吸着しているPMをポスト噴射によって強制燃焼させる制御であり、図11に示すように、DPF18の劣化状態に応じてこのポスト噴射量が減じられる。DPF18が劣化していれば酸化触媒16も劣化していると推定できるので、図11の関係から不飽和炭化水素量を算出することもできる。
なお、上述の実施の形態においては、拡散律速通路38が上記第1の発明における「導入口」に、第1室34が同発明における「通路側空間」に、ポンプセル42が同発明における「通路側ポンプセル」に、第2室36が同発明における「基部側空間」に、センサセル44が同発明における「基部側ポンプセル」に、それぞれ相当している。
また、ECU30が図10の一連の処理を実行することにより上記第1の発明の「NOx濃度算出手段が実現されている。
また、酸化触媒16が上記第2,第3の発明における「触媒」に相当している。
10 内燃機関
12 排気通路
14 触媒コンバータ
16 酸化触媒
18 DPF
20 温度センサ
22,24 NOxセンサ
26 尿素添加弁
28 NOx触媒
30 ECU
32 センサ素子
34 第1室
36 第2室
38,40 拡散律速通路
42 ポンプセル
42a,44a 固体電解質
42b,42c,44b,44c 電極
44 センサセル

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に配設され、排気の導入口に連通して形成された通路側空間に配設された通路側ポンプセルと、前記通路側空間に連通し、且つ、前記通路側空間よりもセンサ基部側に形成された基部側空間に配設された基部側ポンプセルと、を備えるNOxセンサと、
    前記基部側ポンプセルに所定電圧を印加したときに流れるポンプ電流値を用いて排気中のNOx濃度を算出するNOx濃度算出手段と、を備え、
    前記NOx濃度算出手段は、前記導入口から前記通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を用いて前記ポンプ電流値を補正することを特徴とするNOx濃度測定装置。
  2. 前記NOxセンサよりも上流側の前記排気通路に配設され、排気中の不飽和炭化水素を他の物質に変換可能な触媒を更に備え、
    前記NOx濃度算出手段は、前記触媒の床温および燃料噴射量と、前記触媒を通過する排気中の不飽和炭化水素量との関係に基づいて、前記通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を算出することを特徴とする請求項1に記載のNOx濃度測定装置。
  3. 前記NOxセンサよりも上流側の前記排気通路に配設され、排気中の不飽和炭化水素を他の物質に変換可能な触媒を更に備え、
    前記NOx濃度算出手段は、前記触媒を通過する排気中の不飽和炭化水素量と、前記触媒の劣化度合いとの関係に基づいて、前記通路側空間に流入する排気中の不飽和炭化水素量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載のNOx濃度測定装置。
  4. 前記NOx濃度算出手段は、前記不飽和炭化水素量が設定値以上の場合、前記ポンプ電流値の補正を禁止することを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載のNOx濃度測定装置。
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