JP2014181350A - 金属層付きアルミニウム箔及びその製造方法 - Google Patents

金属層付きアルミニウム箔及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストの増加、環境の悪化、生産性の悪化を招く化成処理やめっき処理を用いることなく、真空成膜法にてアルミニウム箔の表面に十分な密着力をもつ金属層を、最適な厚みで、提供する。
【解決手段】表面の水接触角が85°以下のアルミニウム箔を用い、真空成膜法にて金属層を形成した金属層付きアルミニウム箔であって、第1の金属層と第2の金属層を設けることによって金属層とアルミニウム箔との密着性を高めた金属層付きアルミニウム箔である。
【選択図】図2

Description

本発明は、金属層付きアルミニウム箔及びその製造方法に関する。
アルミニウム箔は衛生的であり、美しい光沢があり、熱伝導性・断熱性が優れ、印刷や施工が簡単であり、防湿性・遮光性が優れ、電気機器用途、食料品用途、化学用途、日用品用途、建設用途、機械器具用途、たばこ用途等、非常に多くの用途に広く使われている。
しかし、用途によっては、アルミニウム箔の上に金属層を設け、アルミニウム箔の表面を改質することが求められている。
たとえば、近年、注目されている用途として、電気自動車、ハイブリッド自動車、電気自動二輪車等に使用されるリチウムイオン二次電池の外装材がある。この外装材はアルミニウム箔をバリア構成とするラミネート材が使用されつつある。このラミネート材は外装樹脂フィルム/アルミニウム箔/シーラントフィルムを基本構成とするが、リチウムイオン電池の内部電解液はエチレンカーボネート、エチレンメチルカーボネート、六フッ化リン酸リチウム塩等を含み、侵食性であり、外装を通じて浸入する水分と反応しフッ酸を生じ、アルミニウム箔を腐食しがちであり、腐食を防止するため、アルミニウム箔にはクロムを含む化合物により化成処理が施され、アルミニウム箔保護層としてのクロム含有皮膜が形成されている(特許文献1、特許文献2)。これら化成処理は、溶液に溶解された、腐食性の、毒性の高い物質を必要とし、処理が複雑であり、残液の廃棄処理等にコストがかかる等の困難性がある。
この問題を解決するために、アルミニウム箔に真空蒸着法やスパッタリング法等の物理的気相蒸着法によってクロム層のような金属保護膜層を設け、リチウムイオン二次電池用外装材として用いることが提案されている(特許文献3)。この中で、アルミニウム箔は、例えばアルゴン(Ar)、窒素(N)、NH、NO(酸化窒素)を使用して、好ましくは酸素プラズマを介して、真空装置の中でプラズマ予備処理することが、特に有用であることが開示されている。
他方、金属層を形成する手段としてはめっき処理があるが、めっき処理でアルミニウム箔上へ金属層を設けようとすると金属層厚みが必要以上に厚く、生産速度も遅くなってしまうという問題があった(特許文献4)。
特開2003-288865号公報 特開2003-288866号公報 特表2009-544492号公報 特開平05-106004号公報
特許文献3に示されるように、化成処理をすることなく、真空成膜法にて金属層をアルミニウム箔表面に設けようとし、開示された条件で、ロール・ツー・ロール方式で長尺のアルミニウム箔シートを連続的に設けようとしても、金属層とアルミニウム箔の密着性が不良であるという問題があった。例えばクロム含有被膜などの金属層とアルミニウム箔との密着性が悪い場合、金属層とアルミニウム箔の間に電解液が浸透してしまい、結局アルミニウム箔が腐食してしまうという課題が発生する。この課題を改善する為の金属層の密着性について筆者が鋭意検討した結果、下記の通り、ニチバン(株)製24mm幅のセロテープ(登録商標)(No.405)にてテスター産業(株)製「高速剥離試験機」を用い100m/minの速度で180°剥離を行った際、金属層の剥離面積が20%以下となるような強固な密着性が必要であることを確認した。
使用テープ: ニチバン(株)セロテープ(登録商標)24mm幅(No.405)
テープ剥離要領 : 上記テープを硬度70°のゴムローラー付き貼り付け治具を用いて5kgf/24mmの圧力にてアルミニウム箔の金属成膜面へ貼り付け、その後、180°方向へ100m/minの速度でテープを引き剥がし、金属膜の剥離面積を確認する。
テープ剥離試験装置 : テスター産業株式会社製 高速軽量剥離試験機。
また、めっき処理で金属層を薄膜化する手段については、特許文献4に示すガスワイピング法などによってめっき膜厚の薄膜化する手段などがあるが、めっき付着量が50g/m程度(亜鉛膜厚換算で7μm程度)となる。すなわち、保護層として金属原子が充分にアルミニウム箔表面を覆う厚み(数10〜数100nm)があれば充分であるにも関わらず、必要以上に厚い金属層となってしまい、その結果、アルミニウム箔を積層して使用する場合の重ね厚みの増加や金属層の材料コストの増加、生産性の悪化を招いていた。
よって本発明の課題は、コストの増加、環境の悪化、生産性の悪化を招く化成処理やめっき処理を用いることなく、真空成膜法にてアルミニウム箔の表面に十分な密着力をもつ金属層を、最適な厚みで、提供するものである。また、これのロール・ツー・ロール方式での製造方法を提供することである。
本発明者らは、前記課題を解決するために検討した結果、金属層とアルミニウム箔との密着性が前記テープ剥離試験において金属層剥離面積を20%以下となる真空成膜法を用いた金属層付きアルミニウム箔を見いだした。本発明の金属層付きアルミニウム箔は、表面の水接触角が85°以下のアルミニウム箔を用い、真空成膜法にて金属層を形成した金属層付きアルミニウム箔であって、第1の金属層と第2の金属層を設けることによって金属層とアルミニウム箔との密着性を高めた金属層付きアルミニウム箔である。
また、本発明に関わる真空成膜法を用いた金属層付きアルミニウム箔の製造方法は、真空成膜前のアルミニウム箔表面へ水接触角が85°以下となる前処理を施し、その前処理が大気中での誘電体バリア放電処理であることを特徴とする。また前記真空成膜法がスパッタリング法と蒸着法を順次行い第1の金属層と第2の金属層を設けるものであり、前記第1、第2の金属層が亜鉛、錫、銅、チタン、又はクロムであることを特徴とする。
本発明により、コストの増加、環境の悪化、生産性の悪化を招く化成処理やめっき処理を用いることなく、真空成膜法にてアルミニウム箔の表面に十分な密着力をもつ金属層を、最適な厚みで、提供することができる。また、これのロール・ツー・ロール方式での製造方法を提供することである。
本発明の片面金属層付きアルミニウム箔の構成である。 本発明に用いる金属層付きアルミニウム箔の金属層形成装置である。 本発明に用いる金属層付きアルミニウム箔の前処理装置である。 本発明に用いる金属層付きアルミニウム箔の金属層形成装置である。 本発明に用いる金属層付きアルミニウム箔の前処理装置である。 本発明の両面金属層付きアルミニウム箔の構成である。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明において、真空成膜法が好ましく例示され、真空成膜法としてはスパッタリング法と真空蒸着法の物理的気相蒸着法を組み合わせて用いるのが好ましい。詳細については後記する。
本発明において、金属層を形成する金属としては亜鉛、錫、銅、チタン、クロム等の金属が用いられる。金属層厚みはアルミニウム箔のフレキシブル性に追従でき、不必要に厚く金属を付与しない観点から50〜300nmが好適である。また、金属層は片面でも両面でも形成することができる。
本発明において、アルミニウム箔として、厚みは特に問わないが、6〜200μmの間であると加工はさらに好適にできる。材質、純度についても、合金箔、純アルミニウム箔、高純度アルミニウム箔などアルミニウム箔全般において適用できる。アルミニウム箔への熱処理加工の有無も特に問わないが熱処理を行わない硬箔が好適である。幅、長さも特に問わないが搬送シワを防止する観点から、幅1000mm以下で長さ5000m以下がより望ましい。
本発明において、真空成膜前のアルミニウム箔表面の水接触角は85°以下であることが必要である。一般にアルミニウム箔は製造工程である圧延加工時に炭化水素系の圧延油を大量に用いるため、製造したアルミニウム箔表面にはこの圧延油が残留している。このため表面の濡れ性が悪く、純水の接触角は95°程度となる。本発明者はこの圧延油が残留したアルミニウム箔でも前処理でクリーニングし、真空成膜前のアルミニウム箔表面の水接触角を85°以下にすると、表面濡れ性が向上し、真空成膜法による金属成膜を行うと強固な密着を有する金属層が形成でき、アルミニウム箔の保護層等として良好な金属層を形成できることを見出した。水接触角が85°を超えると金属層の密着力が不足しアルミニウム箔の表面改質につながらず好ましくない。なお、真空成膜前のアルミニウム箔表面の水接触角の下限としては好ましくは5°以上である。
本発明で用いられる前処理としては、大気中での誘電体バリア放電処理、真空中でのプラズマ処理若しくはイオンボンバード処理、その他手段の大気圧プラズマ処理、溶媒洗浄処理若しくはその組合せ等が用いられる。
誘電体バリア放電とは、金属製の放電電極の周囲が誘電体に被覆されていて、直接、放電電極の金属部分がプラズマ雰囲気にさらされない放電方法である。一般には大気圧プラズマと呼ばれる放電現象の手段の一つであり、コロナ放電とは区別される。誘電体の内部にある金属電極部分へ電圧を加えていくことにより誘電体を介した放電電極間、あるいは誘電体電極と処理ローラ間で電界を作り、空間の絶縁破壊をして放電させる。誘電体はガラスやチタン酸バリウムなどを用いることが好適であり、誘電体バリア放電装置の内部には放電ガスとしてアルゴンやヘリウムなどを導入する。
図3は誘電体バリア放電前処理装置の一例である。アルミニウム箔の搬送装置として巻き出し軸110と巻き取り軸111を有し、それぞれコア116,117を把持する。コア116の外周はアルミニウム箔が巻き取られアルミニウム箔ロール118となり、巻き出し軸110へ取り付けられる。巻き出し軸110と巻き取り軸111の間に搬送ローラ112,113、処理ローラ114,115を有する。処理ローラは冷却ローラとする。処理ローラ表面には誘電体バリア放電装置121、122が設置され、アルミニウム箔表面へ誘電体バリア放電を実施する。誘電体バリア放電を実施するために放電電極123〜126の表面は誘電体で被覆した電極を用いる。誘電体はガラスやチタン酸バリウムなどを用いることが好適であり、誘電体バリア放電装置121,122の内部には放電ガスとしてアルゴンやヘリウムなどを導入する。(図示無し) 前処理手順としてまずアルミニウム箔ロールを巻き出し軸110へ設置し、搬送ローラ112を介して処理ローラ114へアルミニウム箔を搬送する。処理ローラ114の表面にて誘電体バリア放電装置121によりアルミニウム箔の片面を前処理する。次に処理ローラ115へ搬送させ誘電体バリア放電装置122により反対面の前処理を実施する。その後搬送ローラ113を介して巻き取り軸111にてアルミニウム箔を巻き取り、前処理済みアルミニウム箔ロール120となる。このときアルミニウム箔の搬送速度は0.1〜10m/分程度が好適であり、誘電体バリア放電の電力密度は200W/m/分以上に設定することが重要である。理由は200W/m/分以下では前処理後にアルミニウム箔表面において純水の接触角が85°以下とならない場合がある。よってアルミニウム箔搬送速度と合わせて誘電体バリア放電の電力出力を設定する。
また前処理として真空中のプラズマ処理装置やイオンボンバード処理装置の使用も好適である。プラズマ処理装置やイオンボンバード装置にはアルゴンガスを導入し、交流高周波電源やDC電源、パルスDC電源などによりアルゴンプラズマを発生させるものが好適であるが、窒素ガスや酸素ガスでも適用可能でありそれらの混合ガスでも良い。電力出力はアルミニウム箔の幅や速度によって選択するが、0.1KW〜10KW程度の範囲で選択する事が好ましい。これら誘電体バリア放電処理やプラズマ処理、イオンボンバード処理、その他大気圧プラズマ処理によるアルミニウム箔表面のクリーニングによっておおよそ70°〜85°の水接触角が得られる。
また前処理として、誘電体バリア放電処理、溶媒洗浄処理又はその組合せであることも好ましい。その処理に使用できる装置の一例を図5に示す。300は前処理装置の全体を示す。巻き出し軸310と巻き取り軸311を有し、巻き出し軸310と巻き取り軸311の間に搬送ローラ312,313、処理ローラ314,315を有する。巻き出し軸310、巻き取り軸311は把持機構を有し、それぞれコア316、コア317を把持する。コア316外周にはアルミニウム箔が巻きとられアルミニウム箔ロール318となり、巻き出し軸310へ取り付けられる。アルミニウム箔ロール318から繰り出されたアルミニウム箔319は搬送ローラ312、処理ローラ314、315、搬送ローラ313を介して巻き取り部のコア317へ巻き取られ、前処理済みアルミニウム箔ロール320となる。また巻き出し軸310、処理ローラ314、315、巻き取り軸311は図示しない駆動モータが系合されアルミ箔319を所定の張力で搬送できるようにしている。処理ローラ314の上部には誘電体バリア放電装置321が設置され、アルミ箔319へ誘電体バリア放電処理を実施する。誘電体バリア放電処理の目的はアルミ箔319の表面クリーニング及び濡れ性の向上である。また処理ローラ315の下部には溶媒洗浄処理が実施できる構造となっており、溶媒洗浄槽322と乾燥槽323を有する。この溶媒洗浄処理の目的もアルミニウム箔319の表面クリーニング及び濡れ性の向上である。溶媒洗浄槽322の内部には溶媒吹き付けノズル324が設置され、ポンプ325の圧力によりアルミニウム箔319の表面へ溶媒を吹き付ける。このとき溶媒はエタノールやアセトンが好適であるが、大気中で揮発し、オイル成分を除去出来るものなら使用できる。アルミ箔319表面へ吹き付けられた溶媒はドクターブレード326によって掻き取られ、溶媒洗浄槽322の下部に溜まる。溜まった溶媒はフィルター327を通過し、濾過された上で、再びポンプ325により加圧され、溶媒吹き付けノズル324から噴射する。溶媒抜き取り時は、ポンプ325を停止し、バルブ328を開放して、タンク329へ溶媒を排出する。溶媒が吹き付けられ、掻き取られたアルミニウム箔は乾燥槽323を通過する際に、乾燥ノズル330から温風を吹き付けられ、溶媒は完全に揮発し、アルミニウム箔表面から除去される。乾燥ノズル330には圧空源332から加熱源333を通過した空気が供給される。乾燥ノズル330から吹き付けられ溶媒を含んだ温風は、ブロア331により乾燥槽323から排出される。処理ロール314,315を通過した前処理済みアルミニウム箔334はコア317へ巻き取られ、前処理済みアルミニウム箔ロール320となる。本前処理装置300において、アルミニウム箔319の両面を誘電体バリア放電処理したい場合は、誘電体バリア放電装置321のみ運転し、溶媒洗浄部分は運転せず巻き取った後、再度アルミ箔の反対面が誘電体バリア放電処理できるよう前処理済みアルミニウム箔ロール320を巻き出し軸310へ設置し直し、反対面へ処理を行う。アルミニウム箔319の両面を溶媒洗浄したい場合は、誘電体バリア放電処理を実施せず、溶媒洗浄槽322、乾燥槽323を運転して片面の溶媒洗浄を実施する。その後、再度アルミニウム箔の反対面が溶媒洗浄処理できるよう巻き出し軸310へ前処理済み処理アルミニウム箔ロール320を再度設置し、反対面へ処理を行う。アルミニウム箔の片面が誘電体バリア放電処理、もう一方が溶媒洗浄処理で良い場合は、どちらの装置も運転させ、それぞれ片面ずつを順次処理した後、巻き取ることで前処理が実施できる。
溶媒洗浄処理を行った場合、水接触角は5°程度まで減少し金属層形成に好適であるが、圧延油による防湿層が無くなるため、処理後は早急に金属層形成加工を行うことが望ましい。
次に本発明における真空成膜法について説明する。
図2はアルミニウム箔の金層層形成装置本体である蒸着機10を示す。アルミニウム箔は図3の前処理装置100の誘電体バリア放電装置121、122などによって表面の接触角を95°から85°以下に加工し、その後蒸着機10にて金属層を形成する。金属層の構成は図1に示すとおり、アルミニウム箔1の表面へ第1の金属層2を形成し、更にその表面へ第2の金属層3を形成するものである。またアルミニウム箔の両面へ金属層を設けた構成を図6に示す。アルミニウム箔405の両表面へ第1の金属層401,402を形成し、更にその両表面へ第2の金属層403,404を形成するものである。そのために蒸着機10にはスパッタリング電極40,金属蒸発源41を設け、その金属材料として亜鉛、錫、銅、チタン、クロムなどを設置し、金属層の真空成膜を実施する。また図4は一度の搬送工程でアルミニウム箔の両面を真空成膜出来る蒸着機150を示す。前処理装置100の誘電体バリア放電装置121,122などにて前処理を実施した後、蒸着機150にてアルミニウム箔両面へ一度の搬送工程で両面へ金属層を形成する。
蒸着機10は蒸着機筐体11内部にクーリングドラム12を有し、クーリングドラム12と蒸着機筐体11間に取り付けられた遮蔽板13,14,15によって蒸着機筐体11内部はアルミニウム箔搬送室16及び蒸着室17、18に仕切られている。それぞれの室には真空排気管19,20,21が接続され、開閉弁22,23,24を介して真空ポンプ25,26,27が接続されて、真空排気される。蒸着機10のアルミニウム箔搬送室16の真空度は1000〜1×10-3Pa程度が好適であり、真空ポンプ25と開閉弁22によって真空度を調整する。蒸着室17,18はスパッタリング成膜、金属蒸着を行う為に1×10-0〜1×10-3Pa程度が好適である。真空度は真空ポンプ26,27と開閉弁23,24によって調整する。
アルミニウム箔搬送室16の巻き出し軸30、巻き取り軸31をコアの把持機構を有しそれぞれコア32,33を把持する。巻き出し軸30、巻き取り軸31の下方には搬送ローラ34,35,36,37を有し、その下方にクーリングドラム12を有する。 前記遮蔽板13,14によって仕切られ、クーリングドラム12の周囲に設けられた蒸着室17にはスパッタリング電極40を設置し、スパッタリング成膜を行う。また遮蔽板14,15によって仕切られた蒸着室18には金属蒸発源41を設け、金属蒸着を行う。
また巻き出し軸30、巻き取り軸31、クーリングドラム12には図示しない駆動モータが系合されアルミニウム箔45に張力を与えながら搬送できるようにする。アルミ箔の張力は10N/mm以上が好適である。理由としてロール・ツー・ロール方式の蒸着機では真空成膜時にクーリングドラム表面へ基材(本発明ではアルミニウム箔)の密着が必要である。基材の密着が必要な理由は成膜時に発生する熱を速やかに基材からクーリングドラムへ熱伝導により逃がす必要があるためである。また基材をクーリングドラムへ密着させるためには、基材を若干引き延ばす張力が必要となる。これは基材の平面性が完全に均一でなくクーリングドラム表面で浮き上がる部分が出やすいこと、またクーリングドラム前後のロール平行度も完全に平行ではない為、基材幅方向での張力ムラが大きくなるため、基材の引き延ばしによって幅方向張力ムラを軽減することが目的である。本発明では0.014%以上の基材引き延ばしがクーリングドラムへの密着に有効であることを見いだしており、アルミニウム箔の縦弾性係数を70000N/mmとすると応力=ひずみ×縦弾性係数の関係から10N/mm以上の張力が必要であることを見いだした。したがって駆動モータはアルミニウム箔の張力を10N/mm以上に出来るものを設置する。またクーリングドラム12は図示しない冷温媒循環器と系合され、−10℃以下の温度に表面温度を調整し、スパッタリング成膜、金属蒸着中におけるアルミニウム箔45の冷却を行う。
またクーリングドラム12と搬送ローラ36の間には膜厚計48を設置し、金属層の膜厚を測定し、その測定した膜厚信号を成膜制御装置49へ転送し、成膜制御装置49から発信する制御信号によってスパッタリング装置40あるいは金属蒸発源41の成膜量制御を行うことが出来る。膜厚計は蛍光X線を用いた原子強度を検出して膜厚を測定するものが好適である。
次に金属層付きアルミニウム箔の金属層形成手順を示す。まず巻き出し軸30には前処理済みアルミニウム箔ロール50を取り付ける。取り付けられた前処理済みアルミニウム箔ロール50のアルミニウム箔45は繰り出され、クーリングドラム12へ搬送され、スパッタリング成膜した後、金属蒸着を実施する。理由はスパッタリング成膜によってアルミニウム箔45表面へ金属核付け層を付与した後、金属蒸着を実施すると、金属蒸気が核付け部分を基点に凝集し、均質に膜成長して緻密で密着性の良い金属膜が形成される為である。スパッタリング成膜量は0.01〜1nm程度が核付け量として好ましい。金属蒸着量は50〜300nmが好適である。金属膜を形成されたアルミニウム箔はクーリングドラム12から離れ搬送ローラ36へ向かって搬送される。このときアルミニウム箔上へ成膜された金属層厚みを膜厚計48によって計測し、成膜制御装置49を介して膜厚が所定の値になるようスパッタリング電極40および金属蒸発源41を制御する。その後、金属層付きアルミニウム箔52は巻き取り軸31へ取り付けたコア33へ巻き取られ、亜鉛層付きアルミニウム箔ロール51となる。金属層付きアルミ箔ロール51は、巻き取り軸31から取り外した後、そのまま巻き出し軸30へ取り付け直し、アルミニウム箔裏面の成膜加工を表面と同じ要領で繰り返し実施することにより、両面金属層付きアルミニウム箔を得ることが出来る。但し膜厚計48が蛍光X線によるものである場合、アルミニウム箔両表面の成膜量を検出する為、あらかじめ片面成膜時の膜厚データを蓄積しておき、裏面成膜時の膜厚測定値から片面の膜厚を差し引きし、算出する必要がある。
前記工程においてアルミニウム箔45の搬送速度は特に問わないが搬送シワを防止する観点から10〜200m/分が好適である。搬送ローラ34,35,36,37は表面粗さがRa0.8μm以下の平滑な金属ローラを用いる。ドロー設定などアルミニウム箔とローラの周速差はゼロとする。これらはアルミニウム箔の搬送中に金属層へキズが入ることを防止するためである。またクーリングドラム12は表面粗度Ra0.3μm以下の平滑な金属ローラを用いる。これはクーリングドラムによるアルミニウム箔の冷却効率を向上させるためである。スパッタリング電極40のターゲット純度は99.9%以上が望ましい。金属蒸発源41はヒーター加熱式、誘導加熱式、抵抗加熱式、電子ビーム加熱式などの蒸発設備を用いる。金属材料の純度は99.9%以上が望ましい。
次に一度の搬送工程でアルミニウム箔の両面を金属成膜出来る、アルミニウム箔の金属層形成装置本体である蒸着機150について図4を用いて説明する。蒸着機150は蒸着機筐体151内部にクーリングドラム152,153を有し、クーリングドラム間及びクーリングドラムと蒸着機筐体151との間に取り付けられた遮蔽板154,155,156,157,158によってアルミニウム箔搬送室159及び蒸着室160,161,162に仕切られている。それぞれの室には真空排気管163,164,165,166が接続され、開閉弁167,168,169,170を介して真空ポンプ171,172,173,174が接続されて、真空排気される。アルミニウム箔搬送室159には巻き出し軸175、巻き取り軸176を有する。巻き出し軸175、巻き取り軸176はコア把持機構を有し、それぞれコア177、コア178を把持する。巻き出し軸175、巻き取り軸176の下方には搬送ローラ179〜189を有し、その下方にクーリングドラム152,153を有する。前記遮蔽板154,155,157,158によって仕切られ、クーリングドラム152,153の周囲に設けられた蒸着室160,162にはスパッタリング電極190,191を設置し、スパッタリング成膜を行う。また蒸着室161には金属蒸発源192,193を設け、金属蒸着を行う。巻き出し軸175には前処理済みアルミニウム箔ロール194を取り付ける。取り付けられた前処理済みアルミニウム箔ロール194から繰り出されたアルミニウム箔195は搬送ローラ179及び180を介して、クーリングドラム152へ搬送され、スパッタリング電極190によりスパッタリング成膜され、金属蒸発源192によって金属蒸着されることにより、片面金属層付きアルミニウム箔196となる。片面金属層付きアルミニウム箔196は搬送ローラ181〜187を介してクーリングドラム153へ搬送されスパッタリング電極191で片面金属層付きアルミニウム箔196の未成膜面へスパッタリング成膜し、金属蒸発源193によって蒸着される。その後搬送ローラ188,189を介してコア178へ巻き取られる。コア178へ巻き取られたアルミニウム箔は両面金属層付きアルミニウム箔ロール197となる。このとき巻き出し軸175、巻き取り軸176、クーリングドラム152,153には図示しない駆動モータが系合されアルミニウム箔を10N/mmの張力で搬送できるようにしている。またクーリングドラム152,153は図示しない冷温媒循環器と系合し、−10℃以下の温度に温度調整し、スパッタ成膜、金属蒸着中におけるアルミニウム箔195の冷却を行う。
また搬送ローラ182,183の間、188,189の間には膜厚計202,203を設置し、表裏各面の金属層の膜厚を測定し、その測定した膜厚信号を成膜制御装置204,205へ転送する。成膜制御装置204は膜厚信号に従って所定の膜厚になるようスパッタリング装置190あるいは金属蒸発源192の成膜量制御を行う。また成膜制御装置205も同様にスパッタリング装置191あるいは金属蒸発源193の成膜量制御を行う。膜厚計は蛍光X線を用いた原子強度を検出して膜厚を測定するものが好ましい。
次に本構成による金属層付きアルミニウム箔の製造手順を示す。まず巻き出し軸175へ前処理済みアルミニウム箔ロール194を取り付ける。取り付けられたアルミニウム箔ロール194のアルミニウム箔195は繰り出され、クーリングドラム152へ搬送され、前処理面へスパッタリング成膜された後、金属蒸着が実施される。理由は前記と同様で金属核付け効果により緻密な金属膜が形成できる為である。スパッタリング成膜量は0.01〜1nm程度が核付け量として好ましい。金属蒸着量は50〜300nmが好適である。金属膜が形成された片面金属層付きアルミ箔196はクーリングドラム152から離れ、搬送ローラ181,182、183へと搬送される。搬送された片面金属層付きアルミ箔196は搬送ローラ182,183の間に設置した膜厚計202によって成膜された金属層厚みを計測する。計測した膜厚信号は成膜制御装置204へ発信され、膜厚が所定の値になるよう成膜制御装置204によってスパッタリング電極190および金属蒸発源192を制御する。その後搬送ローラ184,185,186、187を介した後クーリングドラム153へ搬送し、前処理面へスパッタリング成膜し金属蒸着を実施する。その後、搬送ローラ188、189へ搬送し、搬送ローラ188と189の間に設置した膜厚計203により膜厚を計測する。計測した膜厚信号は成膜制御装置205へ発信され、膜厚が所定の値になるよう成膜制御装置205によってスパッタリング電極191および金属蒸発源193を制御する。但し膜厚計203が蛍光X線によるものである場合、アルミニウム箔両表面の成膜量を検出する為、あらかじめ片面成膜時の膜厚データを蓄積しておき、裏面成膜時の膜厚測定値から片面の膜厚を差し引きし、算出する必要がある。両面に金属が成膜された両面金属層付きアルミニウム箔206は、巻き取り軸176へ取り付けたコア178へ巻き取り、両面金属層付きアルミニウム箔ロール197となる。
前記工程でアルミニウム箔195の搬送速度は特に問わないが搬送シワを防止する観点から10〜200m/分が好適である。搬送ローラ179〜189は表面粗さがRa0.8μm以下の平滑な金属ローラを用いる。ドロー設定などアルミニウム箔とローラの周速差はゼロとする。これらはアルミニウム箔の搬送中に金属層へキズが入ることを防止するためである。またクーリングドラム152,153も表面粗度はRa0.3μm以下の平滑な金属ローラを用いる。これはクーリングドラムによるアルミニウム箔の冷却効率を向上させるためである。スパッタリング電極190,191のターゲット純度は99.9%以上が望ましい。金属蒸発源192,193はヒーター加熱式、誘導加熱式、抵抗加熱式、電子ビーム加熱式などの蒸発設備を用いる。金属材料の純度は99.9%以上が望ましい。

以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)前処理後の水接触角測定
水接触角は、通常大気圧下で材料表面にシリンジ等の器具を用いて微小な水滴を滴下し、水滴端部の気液界面と固体面との成す角度を拡大鏡などで観察する、静止接触角測定法で測定した値を意味し、例えば、水接触角計(協和界面科学社製)等を用いて測定できる。
(2)密着性
測定手段:テープ剥離試験
使用テープ:ニチバン(株)セロテープ(登録商標)24mm幅(No.405)
テープ剥離要領:上記テープを硬度70°のゴムローラー付き貼り付け治具を用いて5kgf/24mmの圧力にてアルミニウム箔の金属成膜面へ貼り付け、その後、180°方向へ100m/minの速度でテープを引き剥がし、金属膜の剥離面積を確認する。
テープ剥離試験装置:テスター産業株式会社製高速軽量剥離試験機
評価判定:○=金属膜剥離面積20%未満、×=金属膜剥離面積20%以上。
(3)表面粗さRa値
表面粗さRa値は、JISB0601:2001に規定される算術平均粗さによる。測定は、触針式表面粗さ計により、触針の半径は、2μm、カットオフ値0.8mm、評価長さ4mmで行う。ローラの稜線方向に測定する。
(4)外観品位判定
外観品位判定の合格基準は以下のとおりとした。
アルミニウム箔上の金属膜に目視で色むらが見られないこと
アルミニウム箔上の金属膜に目視でキズ、膜はがれがないこと。
(実施例1)
図3の前処理装置100を用いてアルミニウム箔の前処理を実施した。アルミニウム箔は圧延法によって得られた20μm厚みでかつ純度99.85%、幅250mmの両面が光沢面である硬箔を用い、コア110が樹脂製のものであるアルミニウム箔ロール118を準備し、巻き出し軸110へ取り付けた。誘電体バリア放電装置121、122の放電電極123〜126にはガラス被覆電極を用い、放電ガスとしてアルゴンガスをそれぞれ毎分0.5L導入し、それぞれ500Wの放電をさせながら搬送速度を3m/分としてアルミニウム箔の両面へ前処理を実施した(電力密度667W/m/分)。
その後、図2の蒸着機10を用い、金属層を亜鉛として、狙い厚み100nmをアルミニウム箔の両面へ形成する金属層形成加工を行った。搬送ローラは表面粗さがすべて0.8μm以下の金属ローラとし、クーリングドラム12は表面粗さが0.3μm以下の金属ローラとした。搬送張力は10N/mmとした。またあらかじめ蒸着機10のアルミニウム箔搬送室16の真空度は1×10−1Paに調整し、蒸着室17,18の真空度は1×10−2Paに調整した。前処理済みアルミニウム箔ロール50を巻き出し軸30へ取り付け、アルミニウム箔45を速度30m/分で巻き出し、クーリングドラム12へと搬送させ、スパッタリング電極40にてスパッタリング成膜を行った。スパッタリング電源には図示しないDCパルス電源を接続し、ターゲットには純度99.99%の亜鉛を用い、アルゴンガスを毎分0.5L導入した後、2kWのスパッタ出力で亜鉛スパッタリングを実施した。スパッタリングによる亜鉛成膜厚みは約0.1nmであった。その後、亜鉛スパッタリングされたアルミニウム箔45へ金属蒸発源41によって亜鉛蒸着を実施した。亜鉛材料の純度は99.9%のものを用い、金属蒸発源はヒーター加熱式のものを用いた。
片面へ亜鉛を成膜した金属層付きアルミニウム箔52は搬送ローラ36へと搬送させ、クーリングドラム12と搬送ローラ36の間に設置した膜厚計48にて亜鉛厚みを計測した。このとき膜厚計48は蛍光X線方式によるものを用い、亜鉛原子のピーク強度から膜厚を算出した。膜厚計48にて計測した膜厚信号は成膜制御装置49へ発信され、亜鉛膜厚が100nm厚みになるように金属蒸発源41の出力を制御した。その後、巻き取り軸31と樹脂製のコア33で金属層付きアルミニウム箔52を巻き取り、片面のみ亜鉛成膜した金属層付きアルミニウム箔ロール51を得た。
次に片面のみ亜鉛蒸着された金属層付きアルミニウム箔ロール51を、巻き取り軸31から取り外し、再び巻き出し軸30へ取り付け直し、再度同じ工程を繰り返して両面亜鉛層付きアルミニウム箔を作成した。
そこで得られた両面亜鉛層付きアルミニウム箔において、前処理後の純水接触角、真空成膜後の金属層とアルミニウム箔との密着性、金属層の外観品位の評価を実施した。その結果、純水接触角は80°であり、密着性は剥離面積が0%となり判定は○であった。また外観品位も異常なかった。結果一覧を表1にまとめた。
(実施例2)
実施例1と同様の構成・条件で前処理を行ったが、アルミニウム箔の搬送速度を10m/分とした(電力密度200W/m/分)。その後、実施例1と同様の条件で蒸着機10にて成膜を表裏2回の真空成膜を行い両面亜鉛層付きアルミニウム箔の作成を行った。その結果、前処理後の純水接触角は85°であり密着性評価の結果は剥離面積が10%であったが評価判定として○であった。また外観品位も異常なかった。その内容を表1へまとめた。
(実施例3)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を行った後、実施の形態で示した図4の蒸着機150を用いて一度の搬送工程で両面亜鉛層付きアルミニウム箔の製造を行った。アルミニウム箔の搬送速度、表裏の成膜条件は実施例1と同様とした(両面それぞれの前処理電力密度667W/m/分)。その結果、前処理後の純水接触角は80°であり、密着性評価の結果は剥離面積が0%となり判定は○であった。また外観品位も異常なかった。その内容を表1へまとめた。
(実施例4)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を実施し、その後図3の蒸着機10で金属層形成加工を行ったが、金属層は錫とした。よってスパッタリング電極40には錫製ターゲットを設置し、金属蒸発源41はヒーター加熱式のものを用い、金属材料として錫をセットした。その結果、前処理後の純水接触角は80°であり、金属層の密着性は剥離面積が0%となり判定は○であった。また外観品位も異常なかった。 結果一覧を表1にまとめた。
(実施例5)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を実施し、その後、図2の蒸着機10で金属層形成加工を行ったが、金属層は銅とした。よってスパッタリング電極40には銅製ターゲットを設置し、金属蒸発源41には電子ビーム加熱式のものを用い、金属材料として銅をセットした。その結果、前処理後の純水接触角は80°であり、金属層の密着性は剥離面積が0%となり判定は○であった。また外観品位も異常なかった。 結果一覧を表1にまとめた。
(実施例6)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を実施し、その後、図2の蒸着機10で金属層形成加工を行ったが、金属層はチタンとした。よってスパッタリング電極40にはチタン製ターゲットを設置し、金属蒸発源41には電子ビーム加熱式のものを用い、金属材料としてチタンをセットした。その結果、前処理後の純水接触角は80°であり、金属層の密着性は剥離面積が0%となり判定は○であった。また外観品位も異常なかった。 結果一覧を表1にまとめた。
(実施例7)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を実施し、その後、図2の蒸着機10で金属層形成加工を行ったが、金属層はクロムとした。よってスパッタリング電極40にはクロム製ターゲットを設置し、金属蒸発源41にはビーム加熱式のものを用い、金属材料としてクロムをセットした。その結果、前処理後の純水接触角は80°であり、金属層の密着性は剥離面積が0%となり判定は○であった。また外観品位も異常なかった。 結果一覧を表1にまとめた。
(実施例8)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を実施し、その後、図2の蒸着機10で亜鉛の金属層形成加工を行ったが、搬送ローラ、クーリングドラムはRa=3.2μmの表面粗さのものを用いた。その結果、前処理後の純水接触角は80°であり、金属層の密着性は剥離面積が0%となり判定は○であったものの、搬送工程で発生したと見られる微少なキズが金属層表面に見られ、また冷却不足による金属層の変色が発生し、外観品位は若干悪くなった。
(比較例1)
実施例1と同様な構成で前処理を行ったが、搬送速度を20m/分とした(電力密度100W/m/分)。その後、金属層形成についても実施例1と同様の構成・条件で真空成膜を実施した。 その結果、前処理後の純水接触角は90°であり、密着性評価の結果は剥離面積が50%であり判定は×であった。外観品位は異常なかった。その内容を表1へまとめた。
(比較例2)
前処理を実施せず、未処理のアルミニウム箔へ金属層形成を行った。金属層形成の構成・条件は実施例1と同様とした。その結果、金属層形成前の純水接触角は95°であり、密着性評価の結果は剥離面積が100%であり判定は×であった。外観品位は異常なかった。その内容を表1へまとめた。
(比較例3)
実施例1と同様の構成、条件で前処理を実施し、その後、図2の蒸着機10で亜鉛の金属層形成加工を行ったが、スパッタリング電極40を使用せず、金属蒸発源41のみで金属層形成を行った。すなわち、第1の金属層は形成せず、第2の金属層のみ形成した。その結果、前処理後の純水接触角は80°であったが、密着性は剥離面積が30%であり判定は×であった。外観品位は色むらが発生した。 結果一覧を表1にまとめた。
Figure 2014181350
本発明はアルミニウム箔への金属保護層形成の製造方法に関し、電池の外装材や負極材に好適に用いられる。
1:アルミニウム箔
2:第1の金属層
3:第2の金属層
10:蒸着機
11:蒸着機筐体
12:クーリングドラム
13,14,15:遮蔽板
16:アルミニウム箔搬送室
17,18:蒸着室
19,20,21:真空排気管
22,23,24:開閉弁
25,26,27:真空ポンプ
30:巻き出し軸
31:巻き取り軸
32,33:コア
34,35,36,37:搬送ローラ
40:スパッタリング電極
41:金属蒸発源
45:アルミニウム箔
48:膜厚計
49:成膜制御装置
50:前処理済みアルミニウム箔ロール
51:金属層付きアルミニウム箔ロール
52:金属層付きアルミニウム箔
100:前処理装置(誘電体バリア放電処理)
110:巻き出し軸
111:巻き取り軸
112,113:搬送ローラ
114,115:処理ローラ
116,117:コア
118:アルミニウム箔ロール
119:アルミニウム箔
120:前処理済みアルミニウム箔ロール
121、122:誘電体バリア放電装置
123〜126:放電電極
134:前処理アルミニウム箔
150:蒸着機
151:蒸着機筐体
152,153:クーリングドラム
154,155,156,157,158:遮蔽板
159:アルミニウム箔搬送室
160,161,162:蒸着室
163,164,165,166:真空排気管
167,168,169,170:開閉弁
171,172,173,174:真空ポンプ
175:巻き出し軸
176:巻き取り軸
177,178:コア
179〜189:搬送ローラ
190,191:スパッタリング電極
192,193:金属蒸発源
194:前処理済みアルミニウム箔ロール
195:アルミニウム箔
196:片面金属層付きアルミニウム箔
197:両面金属層付きアルミニウム箔
204,205:成膜制御装置
206:両面金属層付きアルミニウム箔
300:前処理装置(誘電体バリア放電処理、溶媒洗浄処理)
310:巻き出し軸
311:巻き取り軸
312,313:搬送ローラ
314,315:処理ローラ
316,317:コア
318:アルミニウム箔ロール
319:アルミニウム箔
320:前処理済みアルミニウム箔ロール
321:誘電体バリア放電装置
322:溶媒洗浄槽
323:乾燥槽
324:溶媒吹き付けノズル
325:ポンプ
326:ドクターブレード
327:フィルター
328:バルブ
329:タンク
330:乾燥ノズル
331:ブロア
332:圧空源
333:加熱源
334:前処理済みアルミニウム箔
401、402:第1の金属層
403,404:第2の金属層
405:アルミニウム箔

Claims (6)

  1. 表面の水接触角が85°以下のアルミニウム箔を用い、真空成膜法にて金属層を形成した金属層付きアルミニウム箔であって、第1の金属層と第2の金属層を設けることによって金属層とアルミニウム箔との密着性を高めたことを特徴とする金属層付きアルミニウム箔。
  2. 請求項1に記載の金属層付きアルミニウム箔の製造方法であって、真空成膜法にて金属層を形成する真空成膜法における真空成膜前のアルミニウム箔表面へ水接触角が85°以下となる前処理を施し、その前処理が大気中での誘電体バリア放電処理であることを特徴とする金属層付きアルミニウム箔の製造方法。
  3. 前記真空成膜法がスパッタリング法と蒸着法を順次行い第1の金属層と第2の金属層を設けるものであり、前記第1、第2の金属層が亜鉛、錫、銅、チタン、又はクロムであることを特徴とする請求項2に記載の金属層付きアルミニウム箔の製造方法。
  4. 請求項2に記載の金属層付きアルミニウム箔の製造方法の前処理に使用される前処理装置であって、冷却ローラに接して搬送されるアルミニウム箔を覆うように設置され、平行に対向する2本以上の誘電体被覆放電電極と放電ガス導入孔とを備え、放電ガスが導入され、高周波交流電圧が印加されることにより発生するプラズマがアルミニウム箔を洗浄することを特徴とする前処理装置。
  5. 請求項2に記載の金属層付きアルミニウム箔の製造方法の真空成膜法であって、真空成膜装置に使用されるアルミニウム箔搬送ローラは表面粗さRa値が0.8μm以下の金属ローラであり、アルミニウム箔の冷却ローラは表面粗さRa値が0.3μm以下の金属ローラであり、アルミニウム箔の冷却ローラ上での搬送張力が10N/mm以上であり、真空成膜時の冷却ローラ表面温度を−10℃以下にすることを特徴とする真空成膜法。
  6. 請求項2に記載の金属層付きアルミニウム箔の製造方法の真空成膜法により形成される金属層厚みのインラインでの測定方法であって、蛍光X線を用いた原子強度を検出することにより行うことを特徴とする金属層厚み測定方法。
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