JP2014181172A - 結晶成長用ルツボ及び半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶欠陥を低減することが可能な結晶成長用ルツボ及び半導体単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】結晶成長用ルツボは、半導体の種結晶を配置する種結晶収容部と、種結晶収容部から増径した傾斜部と、傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部と、を有する。直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、各々の辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、を有する。角部の曲率半径をr、直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、r≧0.1Lを満たす。
【選択図】図1

Description

本発明は、結晶成長用ルツボ及び半導体単結晶の製造方法に関する。
半導体の単結晶の製造方法として、垂直温度勾配凝固(Vertical Gradient Freeze:VGF)法や垂直ブリッジマン(Vertical Bridgman:VB)法などの方法が知られている。これらの方法では、縦型のルツボの先端部に種結晶を配置し、半導体の融液を種結晶から固化させ、上方向に増径させて成長させていく。
また、これらの方法により内側の断面が多角形であるルツボを用い、断面の形状が多角形である単結晶を成長させる方法も知られている(例えば特許文献1参照)。
特開平3−54184号公報
しかしながら、上記特許文献1に係る方法では、ルツボの断面の角部付近において、成長する単結晶に結晶欠陥が生じやすい可能性があった。
本発明の目的は、結晶欠陥を低減することが可能な結晶成長用ルツボ及び半導体単結晶の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、
半導体の種結晶を配置する種結晶収容部と、
前記種結晶収容部から増径した傾斜部と、
前記傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部と、
を有し、
前記直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの前記直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、
前記直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、
各々の前記辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、
を有し、
前記角部の曲率半径をr、前記直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、
r≧0.1L
を満たす
結晶成長用ルツボが提供される。
本発明の第2の態様によれば、
ルツボの種結晶収容部に半導体の種結晶を配置する配置工程と、
前記種結晶の主表面に前記半導体の融液を固化させ、前記種結晶収容部から増径した傾斜部を介して前記傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部内を満たすように前記単結晶を成長させる単結晶成長工程と、
を有し、
前記直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの前記直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、
前記直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、
各々の前記辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、
を有し、
前記角部の曲率半径をr、前記直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、
r≧0.1L
を満たす
半導体単結晶の製造方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに、前記単結晶成長工程にて前記単結晶の中心から前記直胴部の前記内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が、前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する
第2の態様記載の半導体単結晶の製造方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
前記種結晶の主表面に対して、前記単結晶が前記直胴部内に向かって成長する前記種結晶の結晶方位がオフ方向に傾斜しており、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに前記オフ方向が前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する
第2又は第3の態様記載の半導体単結晶の製造方法が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
前記角部の曲率半径r、および前記直胴部断面の最短の内径Lは、
r<L/2
を満たす
第2〜第4の態様のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法が提供される。
本発明によれば、結晶欠陥を低減することが可能な結晶成長用ルツボ及び半導体単結晶の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る結晶成長用ルツボの内壁面の斜透視図である。 (a)は、図1のA−A’線断面を矢印方向に見たときの内側断面であり、(b)は、図1のB−B’線断面を矢印方向に見たときの内側断面である。 本発明の実施例において、r/Lに対する結晶欠陥発生率を示すグラフである。
<発明者等の得た知見>
まず、発明者等が得た知見について説明する。
ここで、化合物半導体のうち砒化ガリウム(GaAs)等は、極めて高効率の太陽電池を得ることができる材料として知られている。実際にGaAsを用いた太陽電池は実用化されているが、GaAsを用いた太陽電池は、製造コストが高いため、人工衛星など一部の用途に限定されていた。近年では、エネルギー源を再生可能エネルギーへ移行する傾向が高まっており、GaAsを用いた太陽電池へのニーズが高まってきている。
太陽電池の基板結晶(ウエハ)にGaAsを用いる場合、単位面積当たりの太陽電池の充填密度を高くするため、基板を例えば四角形等に加工する場合がある。例えば、GaAsの単結晶を断面が円形であるルツボを用いて製造した場合、基板結晶を円形から四角形に成形する際の材料ロスが大きい。この材料ロスが、製造コストが高くなる一因だった。
これを解決する方法として、上述の特許文献1などの半導体単結晶の製造方法が開示されている。特許文献1に係る方法では、垂直温度勾配凝固(VGF)法、または垂直ブリッジマン(VB)法などの方法が用いられる。
ここで、垂直温度勾配凝固(VGF)法、または垂直ブリッジマン(VB)法などの方法では、縦型のルツボの先端部に種結晶を配置し、半導体の融液を種結晶から固化させ、上方向に増径させて成長させていく。
特許文献1に係る方法では、傾斜部の増径した側に設けられ、内側の断面が四角形である筒状の直胴部を備えるルツボが用いられる。直胴部の角部は直角である一方で、角部付近では半導体の融液が表面張力によってルツボの内面から離れる。これにより、単結晶の角部は自然に円弧状に形成されると記載されている。
しかしながら、特許文献1に係る方法では、特に角部付近において、わずかな温度変化などの外乱によって、単結晶の状態が不安定になっていることが考えられる。このため、角部付近において、成長する単結晶に結晶欠陥が生じやすい可能性がある。また、角部に局所的に応力が集中するため、ルツボを破損する可能性がある。
そこで、本発明者等は、鋭意研究の結果、直胴部の各々の辺部が交わる部分に円弧状の角部を備えるルツボを用いることにより、上記課題を解決することができることを見出した。以下の実施形態は、上記知見に基づくものである。
<本発明の一実施形態>
(1)結晶成長用ルツボの構造
まず、図1および図2を用い、本発明の一実施形態に係る結晶成長用ルツボ10について説明する。図1は、本実施形態に係る結晶成長用ルツボの内壁面の斜透視図である。図2(a)は、図1のA−A’線断面を矢印方向に見たときの内側断面であり、図2(b)は、図1のB−B’線断面を矢印方向に見たときの内側断面である。
本実施形態に係る結晶成長用ルツボ10は、例えば垂直温度勾配凝固(VGF)法、または垂直ブリッジマン(VB)法による半導体の単結晶の製造方法に用いられる。
ルツボ10は、半導体の種結晶を配置する種結晶収容部110と、種結晶収容部110から増径した傾斜部120と、傾斜部120の増径した側に設けられた筒状の直胴部130と、を有する。ルツボ10は、例えば、熱分解窒化ホウ素(pyrolytic Boron Nitride:pBN)製である。
図1に示されているように、ルツボ10は、種結晶収容部110を有する。種結晶収容部110は、ルツボ10の下側の先端部に設けられている。本実施形態において、「下側」とは、ルツボ10の種結晶収容部110側のことであり、「上側」とは、ルツボ10の種結晶収容部110とは反対側(後述する直胴部130側)のことである。
種結晶収容部110には、例えば、半導体の単結晶である種結晶が配置される。載置される種結晶の半導体は、例えば、閃亜鉛鉱構造を有する。また、半導体は、例えば、III−V族化合物半導体である。具体的には、半導体は、砒化ガリウム(GaAs)、リン化インジウム(InP)、リン化ガリウム(GaP)である。
種結晶収容部110は、例えば略六面体の形状を有している。種結晶収容部110の下面は閉塞し、下面の形状は例えば略正方形である。種結晶収容部110の上側は開口している。
種結晶収容部110の上側には、傾斜部120が設けられている。傾斜部120は、種結晶収容部110から上側に向けて増径している。傾斜部120は、例えば種結晶収容部110の中心軸に対して対称に増径している。傾斜部120は、略四角錐の形状を有している。種結晶収容部110の側面の上端には、対応する傾斜部120の側面の下端が接している。
傾斜部120の中心軸に対する傾斜部120の側面の傾斜角度は、0°より大きく90°以下である。
傾斜部120の増径した側には、筒状の直胴部130が設けられている。直胴部130は、例えば略四角柱の形状を有している。傾斜部120の側面の上端には、対応する直胴部130の側面の下端が接している。以下、直胴部130の中心軸が上下方向に延在する方向を「軸方向」とする。直胴部130の軸方向の長さは、例えば、100mm以上1000mm以下である。具体的には、直胴部130の軸方向の長さは、例えば300mmである。
図1において、直胴部130の軸方向はd方向である。直胴部130の中心軸は、例えば、傾斜部120の中心軸および種結晶収容部110の中心軸と同軸に位置する。
ルツボ10の外壁面は、例えば、種結晶収容部110、傾斜部120および直胴部130のそれぞれの内壁面から所定の厚さで均等に設けられている。なお、ルツボ10の外壁の形状は、これに限られるものではなく、任意の形状であってもよい。
以上のように、主に、種結晶収容部110、傾斜部120および直胴部130により、結晶成長用ルツボ10が構成される。
図2(a)に示されているように、直胴部130を軸方向に垂直な方向に切ったときの直胴部130の内壁面によって構成される断面(以下、「直胴部断面」とする)は、直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部132と、各々の辺部132が交わる部分に設けられた円弧状の角部134と、を有している。また、例えば、直胴部断面の形状は、略正方形である。
また、角部134の曲率半径をr、直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、以下の式(1)を満たす。
r≧0.1L ・・・(1)
なお、「直胴部断面の内径」とは、直胴部断面内の中心を通る直線で直胴部断面を切ったときの長さのことである。ここでは、直胴部断面の形状が略正方形であるため、「直胴部断面の最短の内径」とは、例えば互いに対向する二つの辺部132の間における距離のことである。なお、直胴部断面が略長方形であるとき、「直胴部断面の最短の内径」とは、例えば互いに対向する二つの長辺間における距離のことである。
角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lが、式(1)を満たすことにより、後述するように、角部134における結晶欠陥の発生率が減少する。
また、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lは、以下の式(2)を満たすことが好ましい。
r<L/2 ・・・(2)
これにより、辺部132と角部134との交点における角部134の接線と、辺部132と、のなす角度が小さくなる。したがって、後述するように、辺部132と角部134との交点付近において結晶欠陥が発生することが抑制される。
具体的には、例えば、それぞれの辺部132は、隣接する角部134の接線となっていることが好ましい。このとき、辺部132の長さが一定であるときに、角部134の直胴部130の外方への突出範囲が最も広くなる。したがって、辺部132の長さが一定であるときに、直胴部断面の面積が最大となる。
直胴部断面の内径は、例えば、50mm以上500mm以下である。直胴部断面の最短の内径Lは、例えば、50mm以上500mm以下である。曲率半径rは、このLの範囲において、r≧0.1Lを満たす値とすればよい。具体的には、直胴部断面の最短の内径Lは、例えば、100mmである。L=100mmのとき、角部134の曲率半径rは、例えば、10mm以上である。
また、上述のように、例えば、直胴部130の中心軸は、種結晶収容部110の中心軸および傾斜部120の中心軸と同軸に位置している。また、直胴部130のそれぞれの辺部132は、例えば、種結晶収容部110のそれぞれの辺部(符号不図示)と平行である。
図2(b)に示されているように、傾斜部120を直胴部130の軸方向に垂直な方向に切ったときの傾斜部120の内壁面によって構成される断面(以下、「傾斜部断面」とする)は、直胴部130の各々の辺部132に対応する位置に設けられた直線状の傾斜部側辺部122と、直胴部130の各々の角部134に対応する位置に設けられた傾斜部側角部124と、を有する。
上述のように、例えば、傾斜部120の中心軸は、直胴部130の中心軸および種結晶収容部110の中心軸と同軸に位置している。また、傾斜部側辺部122は、例えば、種結晶収容部110のそれぞれの辺部(符号不図示)および直胴部130の辺部132と平行である。
傾斜部断面における傾斜部側角部124は、例えば、軸方向の位置によって、曲率半径が直胴部130の角部134の曲率半径と異なっている部分を有している。傾斜部側角部124の曲率半径は、例えば、直胴部130の角部134の曲率半径以下である。
傾斜部側角部124の曲率半径は、種結晶収容部110から直胴部130に向けて大きくなっている。例えば、直胴部130に接する側における傾斜部側角部124の曲率半径は角部134の曲率半径と等しい。一方、種結晶収容部110に接する側における傾斜部側角部124の曲率半径は0mmであり、すなわち、種結晶収容部110に接する側における傾斜部側角部124は直角である。
ここで、例えば、傾斜部側角部124の曲率半径をr、傾斜部断面の最短の内径をLとしたとき、式(1)および式(2)を満たす。すなわち、
0.1L≦r<L/2
を満たす。
傾斜部側角部124の曲率半径rおよび傾斜部断面の最短の内径Lも式(1)を満たすことにより、直胴部130と同様に、傾斜部側角部124における結晶欠陥の発生率が減少する。
また、傾斜部側角部124の曲率半径rおよび傾斜部断面の最短の内径Lも式(2)を満たすことにより、傾斜部側辺部122と、傾斜部側辺部122と傾斜部側角部124との交点における傾斜部側角部124の接線と、のなす角度が小さくなる。したがって、直胴部130と同様に、傾斜部側辺部122と傾斜部側角部124との交点付近において結晶欠陥が発生することが抑制される。
具体的には、例えば、傾斜部断面の形状は、直胴部断面の形状と相似している。ただし、種結晶収容部110に接する側における傾斜部断面は、その限りではない。
(2)半導体単結晶の製造方法
次に、同様に図1および図2を用い、本実施形態に係る半導体単結晶の製造方法について説明する。
半導体単結晶の製造方法では、上述した結晶成長用ルツボ10が用いられる。本実施形態では、VGF法またはVB法により半導体単結晶を成長させる。ここでは、主にVGF法を用いる場合について説明する。
(配置工程)
まず、ルツボ10の種結晶収容部110に、半導体の種結晶を配置する(以下、配置工程)。配置される種結晶は、例えば、GaAsである。単結晶が直胴部130に向けて成長する種結晶の結晶面は、例えば、(100)面である。
(単結晶成長工程)
次に、ルツボ10内にGaAs多結晶を投入する。なお、ルツボ10内には、Bなどの封止材、またはシリコンなどのドーピング材料をさらに投入してもよい。後に加熱され液体となった封止材によって、GaAsの融液の液面を覆って、Asの揮散を抑制することができる。
次に、ルツボ10を石英管に真空封入する。次に、成長炉内に石英管を入れ、成長炉内を昇温する。このとき、種結晶の上端の温度を約1240℃に設定し、成長炉内における直胴部130側の温度を種結晶収容部110側の温度よりも高く設定する。例えば、種結晶収容部110から直胴部130までの温度を0.1℃/mm以上100℃/mm以下、好ましくは1℃/mm以上10℃/mm以下の温度勾配となるように設定する。
次に、成長炉内の温度勾配を保ったまま降温することにより、種結晶から上方に向かって徐々にGaAsの単結晶を成長させていく。
このとき、本実施形態では、傾斜部側角部124の曲率半径は、種結晶収容部110から直胴部130に向けて大きくなっている。これにより、傾斜部120において単結晶が増径して成長していくときに、ルツボ10の角部134にかかる応力を徐々に緩和することができる。
また、本実施形態では、上述のように、直胴部130において、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lは、例えば、式(1)を満たす。すなわち、
r≧0.1L
を満たす。
ここで、上述の特許文献1に係る方法では、直胴部の角部は直角である一方で、角部付近では半導体の融液が表面張力によってルツボの内面から離れる。これにより、単結晶の角部は自然に円弧状に形成されると記載されている。
しかしながら、特許文献1に係る方法では、特に角部付近において、わずかな温度変化などの外乱によって、単結晶の状態が不安定になっていることが考えられる。このため、角部付近において、成長する単結晶に結晶欠陥が生じやすい可能性がある。また、角部に局所的に応力が集中するため、ルツボを破損する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lは、例えば、式(1)を満たす。所定の曲率半径rを有する円弧状の角部134とすることにより、角部134における結晶欠陥の発生率が減少する。
ここで、r/Lが小さくなるにつれて、結晶欠陥発生率が上昇する傾向にある。特にr/L<0.1、すなわちr<0.1Lであるとき、角部付近において、成長する単結晶に結晶欠陥が生じやすい。また、r<0.1Lであるとき、角部が直角に近いため、角部付近では半導体の融液が表面張力によってルツボの内面から離れる可能性がある。また、r<0.1Lであるとき、角部に局所的に応力が集中しやすく、ルツボが破損する可能性がある。
本実施形態ではr≧0.1Lであることにより、直胴部130内での単結晶の成長過程において、融液は、角部134における内面に対して安定的に接触している状態となる。角部134付近において温度変化や温度勾配が生じたとしても、角部134付近における融液の温度は角部134の円弧の周方向に均等になる。融液には、角部134付近での位置によらず均等に熱膨張または熱収縮が生じる。これにより、角部134における結晶欠陥の発生率が減少する。また、角部134に局所的に応力が集中することが抑制され、ルツボ10が破損することが抑制される。
また、本実施形態では、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lは、例えば、式(2)を満たす。すなわち、
r<L/2
を満たす。
ここで、r≧L/2のとき、角部134を構成する曲率円の全体が直胴部断面内に収まらない。辺部132と、辺部132と角部134との交点における角部134の接線と、のなす角度が0より大きくなる。言い換えれば、辺部132と円弧状の角部134との交点がなだらかな曲線で結ばれず、角張った部分が形成される。このため、辺部132と角部134との交点付近において結晶欠陥が発生しやすい。
これに対して、本実施形態では、例えば、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lが、r<L/2の関係を満たす。角部134の曲率中心は、直胴部断面の中心よりも角部134に近い。これにより、辺部132と角部134との交点における角部134の接線と、辺部132と、のなす角度が小さくなる。したがって、辺部132と角部134との交点付近において結晶欠陥が発生することが抑制される。
以上により、GaAsの単結晶のインゴットを製造する。
なお、以下のようにして単結晶のインゴットから基板(基板結晶、またはウエハ)を製造してもよい。例えば、GaAsの単結晶のインゴットを軸方向に垂直な方向に切断し、基板を形成する。基板の表面を機械的および化学的の少なくともいずれかの方法により研磨する。以上により、主表面の形状が略四角形である基板が製造される。例えば、この基板を、太陽電池を製造する際に用いることができる。
(3)本実施形態に係る効果 本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、直胴部130を軸方向に垂直な方向に切断したときの内側の直胴部断面は、少なくとも4つ設けられた直線状の辺部132と、辺部132のうち2つが交わる部分のそれぞれに設けられた円弧状の角部134と、を有する。直胴部130において、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lは、式(1)を満たす。これにより、角部134における結晶欠陥の発生率が減少する。また、角部134に局所的に応力が集中することが抑制され、ルツボ10が破損することが抑制される。
また、本実施形態は、結晶欠陥を低減することが求められる太陽電池などの素子を製造する際に特に有効である。
(b)本実施形態によれば、直胴部130において、角部134の曲率半径r、直胴部断面の最短の内径Lは、式(2)を満たす。角部134の曲率中心は、直胴部断面の中心よりも角部134に近い。これにより、辺部132と、辺部132と角部134との交点における角部134の接線と、のなす角度が小さくなる。したがって、辺部132と角部134との交点付近において結晶欠陥が発生することが抑制される。
(c)本実施形態によれば、それぞれの辺部132は、隣接する角部134の接線となっている。これにより、直胴部130内での単結晶の成長過程において、融液の温度を、角部134から辺部132に亘って均等にすることができる。また、辺部132および角部134の交点に応力が集中することを抑制することができる。
さらに、辺部132の長さが一定であるときに、角部134の突出範囲が最も広くなる。辺部132の長さが一定であるときに、直胴部断面の面積が最大となる。これにより、基板を太陽電池に適用した際に素子面積を広くすることができる。
(d)本実施形態によれば、主表面の形状が略四角形である基板を製造することができる。四角形の基板が求められる太陽電池等の用途において、基板を成形する必要がなく、基板を円形から四角形に成形する際の材料ロスが生じない。
(4)本実施形態の変形例
次に、本実施形態の変形例について説明する。
(変形例1)
本実施形態では、配置工程では、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、単結晶の中心から直胴部130の内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向と重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置してもよい。なお、ここでいう「ファセット」(晶癖面)とは、結晶成長の際、結晶表面に現れる結晶面のことをいう。
ここで、VGF法等では、単結晶成長工程にて、ファセットが単結晶の中心から直胴部130の内壁面へ向かって成長しうる場合がある。例えば、単結晶が直胴部130に向けて成長する結晶方位が<100>であるとき、ファセットは(111)面に生じうる。なお、<klm>方向とは、[klm]方向と、その方向に等価な方向と、を含む。
ファセットは、成長方向(直胴部130軸方向)の結晶面に対して成長速度が遅い。このため、成長方向の結晶面とファセットとの成長速度の違いによって、ファセットから双晶等の結晶欠陥が生じやすい。また、ファセットと、結晶欠陥の生じやすい角部134との配置が重なると、さらに結晶欠陥の発生率が上昇してしまう可能性がある。
そこで、変形例1では、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、単結晶の中心から直胴部130の内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向と重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。なお、「ファセットの成長方向」とは、ファセットが単結晶の結晶表面に現れたときにファセットの成長が進行していく方向と言い換えることができる。
また、例えば、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、単結晶成長工程にて単結晶の中心から直胴部130の内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が、種結晶の中心を起点として角部134の中心を挟んで45°の範囲内となる方向と重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。具体的には、例えば、ファセットの成長方向が辺部132の法線方向に向くように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。これにより、ファセットの成長方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向と重なることが抑制される。
図1および図2(a)に示されているように、直胴部130に向けて成長する単結晶の結晶方位が<100>方向であるとき、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、ファセットの成長方向は<011>方向である。
例えば、配置工程では、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときにファセットの成長方向としての<011>方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向dと重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。より具体的には、例えば、ファセットの成長方向としての<011>方向が辺部132の法線方向に向くように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。
本変形例は、上述の実施形態と同様の効果が得られるほか、以下の効果を奏する。
本変形例によれば、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、単結晶の中心から直胴部130の内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向と重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。成長速度が遅いファセットの成長方向を、距離の長い角部134の方向から避けることにより、ファセットからの双晶等の結晶欠陥の発生を抑制することができ、またはファセット自体の発生を抑制することができる。また、ファセットと、角部134と、が重なることによって結晶欠陥の発生率が上昇することを抑制することができる。
(変形例2)
本実施形態では、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、種結晶のオフ方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向と重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置してもよい。
ここで、種結晶の主表面(上面)の法線方向に対して、単結晶が直胴部130に向けて成長する種結晶の結晶方位がオフ方向に傾斜している場合がある。
図1および図2(a)に示されているように、例えば、種結晶の主表面(上面)の法線方向に対して、[100]方向がオフ方向に傾斜している。言い換えれば、例えば、種結晶の主表面は、[100]方向をオフ方向doffとしての[011]方向に傾斜して切り出されている。また、種結晶の主表面の法線方向と[100]方向とのなす角度(オフ角)θは、例えば2°である。
VGF法又はVB法では、種結晶から単結晶を成長させる際、オフ方向doffに結晶欠陥が生じやすい。オフ方向doffと、直胴部130の軸中心から角部134に向かう方向との配置が重なると、さらに結晶欠陥の発生率が上昇してしまう可能性がある。
そこで、変形例2では、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、種結晶のオフ方向doffが種結晶の中心から角部134に向かう方向dと重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。
例えば、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときにオフ方向doffが種結晶の中心を起点として角部の中心を挟んで45°の範囲内となる方向と重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。具体的には、例えば、オフ方向doffが辺部132の法線方向に向くように種結晶収容部110に種結晶を配置する。これにより、オフ方向doffが種結晶の中心から角部134に向かう方向と重なることが抑制される。
図1および図2(a)に示されているように、例えば、オフ方向doffとしての[011]方向が辺部132の法線方向に向くように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。
本変形例は、上述の実施形態と同様の効果が得られるほか、以下の効果を奏する。
本変形例によれば、配置工程において、直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たときに、種結晶のオフ方向doffが種結晶の中心から角部134に向かう方向dと重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置する。これにより、種結晶の主表面がオフ角θを有していることに起因して、結晶欠陥の発生率が上昇することを抑制することができる。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
上述の実施形態では、単結晶を成長させる半導体がGaAsである場合を説明したが、それに限られるものではない。そのほか、単結晶を成長させる半導体は、InP、InAs、GaSb、又はInSb等のIII−V族化合物半導体、ZnSe、CdTe等のII−VI族化合物半導体、又は、Si、Ge、SiC等のIV族半導体であってもよい。
また、上述の実施形態では、VGF法の場合を説明したが、それに限られるものではない。VB法を用いても同様の効果を得ることができる。
また、上述の実施形態では、傾斜部断面が略四角形である場合を説明したが、それに限られるものではない。上述したようなrおよびLの関係を満たすものであれば、傾斜部断面は円状であってもよい。または傾斜部側角部は円弧状の部分を有していなくてもよい。
また、上述の実施形態では、直胴部断面が略四角形である場合を説明したが、それに限られるものではない。直胴部断面が略五角形、略六角形、略八角形等の多角形であってもよい。
また、上述の実施形態では、直胴部断面が略正方形である場合を説明したが、それに限られるものではない。複数の辺部のそれぞれにおける長さが互いに異なっていてもよい。隣接する二つの辺部のなす角度が90°でなくてもよい。または、直胴部断面の形状は、中心点に対して非対称の形状であってもよい。
また、上述の実施形態では、直胴部130の中心軸が種結晶収容部110の中心軸および傾斜部120の中心軸と同軸に位置している場合を説明したが、それに限られるものではない。直胴部130の中心軸、種結晶収容部110の中心軸および傾斜部120の中心軸の一部または全部が、それぞれ異なる位置に配置されていてもよい。
また、上述の実施形態では、複数の角部134のそれぞれにおける曲率半径が等しい場合を説明したが、それに限られるものではない。複数の角部のそれぞれにおける曲率半径が互いに異なっていてもよい。少なくとも一つの所定の角部が式(1)および式(2)を満たせば、他の角部は式(1)および式(2)を満たさなくてもよい。
また、上述の実施形態では、それぞれの辺部132は、隣接する角部134の完全な接線である場合を説明したが、それに限られるものではない。それぞれの辺部132は、隣接する角部134の完全な接線でなくてもよい。例えば、辺部132および角部134の交点における接線と、辺部132とのなす角度が少なくとも0°以上10°未満であればよい。
また、上述の実施形態では、配置工程において、軸方向に沿って直胴部断面から種結晶収容部110を見たときにオフ方向が辺部132の法線方向に向くように配置する場合を説明したが、それに限られるものではない。少なくともオフ方向が種結晶の中心から角部134に向かう方向dと重ならないように、種結晶収容部110に種結晶を配置すればよい。
次に、本発明に係る実施例について以下に説明する。
(ルツボ)
本実施例における半導体単結晶の製造には、図1、図2(a)および図2(b)に示されているものを用いた。ルツボ10の直胴部断面は、略正方形である。直胴部断面の最短の内径Lは、例えば100mmである。本実施例では、角部134の曲率半径rが0mm(直角の場合)〜20mmの範囲で形成されたそれぞれのルツボ10を用いた。直胴部130の軸方向の長さは、例えば300mmである。
傾斜部120は、略四角錐の形状を有している。傾斜部側角部124の曲率半径r、傾斜部断面の最短の内径Lは、式(1)および式(2)を満たす。
直胴部130の直胴部130から軸方向に沿って種結晶収容部110を見たとき、種結晶収容部110の形状は、例えば正方形である。また、種結晶収容部110の一辺の長さは、例えば15mmである。
(半導体単結晶の製作)
主表面が[100]方向を[011]方向に2°傾斜して切り出されている種結晶を用いた。軸方向に沿って直胴部断面から種結晶収容部110を見たときにオフ方向が辺部132の法線方向に向くように、種結晶収容部110に種結晶を配置した。
次に、ルツボ10内に6NのGaAs多結晶16kgを投入した。ルツボ10を石英管に真空封入した。次に、成長炉内に石英管を入れ、成長炉内を昇温した。このとき、種結晶収容部110の上部の温度を約1240℃に設定し、成長炉内における直胴部130側の温度を種結晶収容部110側の温度よりも高く設定した。また、成長炉内における種結晶収容部110から直胴部130までの温度を5℃/mmの温度勾配となるように設定した。次に、成長炉内の温度勾配を保ったまま降温することにより、種結晶から上方に向かって徐々にGaAsの単結晶を成長させた。
(結果)
次に、表1および図3を用い、実施例の結果について説明する。表1は、角部の曲率半径r(mm)、r/L、成長本数(本)、角部における欠陥発生数(本)、結晶欠陥発生率(%)を示している。なお、結晶欠陥発生率は、(角部における結晶欠陥発生数)/(成長本数)×100により求められる。
なお、r=0mm、すなわち角部が直角である場合、使用したルツボのうち3本が破損していた。
図3は、本実施例において、r/Lに対する結晶欠陥発生率を示すグラフである。図3に示されているように、r/Lが大きくなるにつれて、結晶欠陥発生率が減少する。言い換えれば、r/Lが大きくなるにつれて、単結晶の製造における歩留まりが向上する。
r/L≧0.1、すなわち式(1)を満たすとき、上述のように、確かに結晶欠陥発生率は顕著に減少し、0%となる。
このように、本実施形態によれば、結晶欠陥を低減することが可能な結晶成長用ルツボ及び半導体単結晶の製造方法を提供することができる。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
(付記1)
本発明の一態様によれば、
半導体の種結晶を配置する種結晶収容部と、
前記種結晶収容部から増径した傾斜部と、
前記傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部と、
を有し、
前記直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの前記直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、
前記直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、
各々の前記辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、
を有し、
前記角部の曲率半径をr、前記直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、
r≧0.1L
を満たす
ことを特徴とする結晶成長用ルツボが提供される。
(付記2)
本発明の他の態様によれば、
ルツボの種結晶収容部に半導体の種結晶を配置する配置工程と、
前記種結晶の主表面に前記半導体の融液を固化させ、前記種結晶収容部から増径した傾斜部を介して前記傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部内を満たすように前記単結晶を成長させる単結晶成長工程と、
を有し、
前記直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの前記直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、
前記直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、
各々の前記辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、
を有し、
前記角部の曲率半径をr、前記直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、
r≧0.1L
を満たす
ことを特徴とする半導体単結晶の製造方法が提供される。
(付記3)
付記2に記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに、前記単結晶成長工程にて前記単結晶の中心から前記直胴部の前記内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が、前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する。
(付記4)
付記2又は3に記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに、前記単結晶成長工程にて前記単結晶の中心から前記直胴部の前記内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が、前記種結晶の中心を起点として前記角部の中心を挟んで45°の範囲内となる方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する。
(付記5)
付記2〜4のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記直胴部内に向かって成長する前記種結晶の結晶方位は<100>方向であり、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに、前記単結晶成長工程にて前記単結晶の中心から前記直胴部の前記内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向としての<011>方向が、前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する。
(付記6)
付記2〜5のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記種結晶の主表面に対して、前記単結晶が前記直胴部内に向かって成長する前記種結晶の結晶方位がオフ方向に傾斜しており、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに前記オフ方向が前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する。
(付記7)
付記2〜6のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記種結晶の主表面に対して、前記単結晶が前記直胴部内に向かって成長する前記種結晶の結晶方位がオフ方向に傾斜しており、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに前記オフ方向が前記種結晶の中心を起点として前記角部の中心を挟んで45°の範囲内となる方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する。
(付記8)
付記2〜7のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記種結晶の主表面に対して、[100]方向がオフ方向としての[011]方向に傾斜しており、
前記配置工程では、
前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに前記オフ方向が前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する。
(付記9)
付記2〜8のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記角部の曲率半径r、および前記直胴部断面の最短の内径Lは、
r<L/2
を満たす。
(付記10)
付記2〜9のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記角部の曲率中心は、前記直胴部断面の中心よりも前記角部に近い。
(付記11)
付記2〜10のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
それぞれの前記辺部は、隣接する前記角部の接線となっている。
(付記12)
付記2〜11のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記傾斜部を前記軸方向に垂直な方向に切断したときの前記傾斜部の内壁面によって構成される傾斜部断面は、前記直胴部の各々の前記辺部に対応する位置に設けられた直線状の傾斜部側辺部を有する。
(付記13)
付記2〜12のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記傾斜部の中心軸は、前記直胴部の中心軸と同軸に位置する。
(付記14)
付記2〜13のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記傾斜部を前記軸方向に垂直な方向に切断したときの前記傾斜部の内壁面によって構成される傾斜部断面は、
前記直胴部の各々の前記辺部に対応する位置に設けられた直線状の傾斜部側辺部と、
前記直胴部の各々の前記角部に対応する位置に設けられた傾斜部側角部と、
を有し、
前記傾斜部側角部の曲率半径は前記角部の曲率半径以下である。
(付記15)
付記14記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記傾斜部側角部の曲率半径は、前記種結晶収容部から前記直胴部に向けて大きくなっている。
(付記16)
付記14又は15に記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記傾斜部側角部の曲率半径をr、前記傾斜部側内側断面の最短の内径をLとしたとき、
≧0.1L
を満たす。
(付記17)
付記2〜16のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記傾斜部を前記軸方向に垂直な方向に切断したときの前記傾斜部の内壁面によって構成される傾斜部断面の形状は、前記直胴部断面の形状と相似する。
(付記18)
付記2〜17のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記半導体は、閃亜鉛鉱構造を有する。
(付記19)
付記2〜18のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記半導体は、III−V族化合物半導体である。
(付記20)
付記2〜19のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法であって、好ましくは、
前記半導体は、GaAsである。
10 ルツボ
110 種結晶収容部
120 傾斜部
130 直胴部
132 辺部
134 角部

Claims (5)

  1. 半導体の種結晶を配置する種結晶収容部と、
    前記種結晶収容部から増径した傾斜部と、
    前記傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部と、
    を有し、
    前記直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの前記直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、
    前記直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、
    各々の前記辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、
    を有し、
    前記角部の曲率半径をr、前記直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、
    r≧0.1L
    を満たす
    ことを特徴とする結晶成長用ルツボ。
  2. ルツボの種結晶収容部に半導体の種結晶を配置する配置工程と、
    前記種結晶の主表面に前記半導体の融液を固化させ、前記種結晶収容部から増径した傾斜部を介して前記傾斜部の増径した側に設けられた筒状の直胴部内を満たすように前記単結晶を成長させる単結晶成長工程と、
    を有し、
    前記直胴部を軸方向に垂直な方向に切断したときの前記直胴部の内壁面によって構成される直胴部断面は、
    前記直胴部断面の中心を囲むように配置された4つの直線状の辺部と、
    各々の前記辺部が交わる部分に設けられた円弧状の角部と、
    を有し、
    前記角部の曲率半径をr、前記直胴部断面の最短の内径をLとしたとき、
    r≧0.1L
    を満たす
    ことを特徴とする半導体単結晶の製造方法。
  3. 前記配置工程では、
    前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに、前記単結晶成長工程にて前記単結晶の中心から前記直胴部の前記内壁面へ向かって成長するファセットの成長方向が、前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する
    ことを特徴とする請求項2記載の半導体単結晶の製造方法。
  4. 前記種結晶の主表面に対して、前記単結晶が前記直胴部内に向かって成長する前記種結晶の結晶方位がオフ方向に傾斜しており、
    前記配置工程では、
    前記直胴部から前記軸方向に沿って前記種結晶収容部を見たときに前記オフ方向が前記種結晶の中心から前記角部に向かう方向と重ならないように、前記種結晶収容部に前記種結晶を配置する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体単結晶の製造方法。
  5. 前記角部の曲率半径r、および前記直胴部断面の最短の内径Lは、
    r<L/2
    を満たす
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法。
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