JP2014180253A - 細胞接着剤及び細胞凝集塊 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、添加濃度を増加させても細胞が死滅させることがなく、接着強度が高く、短時間で接着可能で、凝集能の高い細胞接着剤、及び、細胞が固く連結・凝集され、凝集性が高く、細胞生存期間が長く、細胞移植に応用可能な細胞凝集塊を提供することを課題とする。
【解決手段】細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41からなる主鎖と、疎水基42を有する側鎖とからなる細胞接着剤22を用いることによって前記課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞接着剤及び細胞凝集塊に関するものである。
細胞凝集塊(スフェロイド)は、同一又は相異する複数の細胞を凝集させて塊状としたものである。細胞凝集塊中の細胞は、細胞−細胞間が接着タンパク質を介して接合することにより、細胞間コミュニケーションが行われ、細胞分化等の生理的機能が向上することが知られている。そのため、近年、細胞凝集塊の再生医療への応用が期待され、細胞凝集塊を形成するための技術や材料が盛んに研究されている(特許文献1〜4)。
現在検討されている細胞凝集塊の形成技術には、疑似微小重力環境での培養法や、細胞の接着・非接着を制御した表面加工材料上での培養法などが知られている。しかし、細胞移植をターゲットとした材料についてはほとんど研究されていない。
本発明者は、これまで、細胞移植へ応用可能な細胞凝集塊の調製の研究開発を行ってきた。例えば、親水性ユニット(ポリエチレングリコール)の両末端に疎水性ユニット(コレステリル基、オレオイル基)を導入した組織接着剤を合成した。この組織接着剤を細胞に添加することにより、細胞凝集塊が形成できた(非特許文献1〜3)。
しかし、この組織接着剤の添加濃度を増加させて、細胞凝集塊を形成した場合には、細胞凝集塊中の細胞の多くが早期に死滅した。これにより、この方法で調製した細胞凝集塊を細胞移植へ応用できないという課題を生じた。
特開2012−187097号公報 特開2012−231743号公報 特開平9−266789号公報 特開2008−220205号公報
Michiko Ito、Tetsushi Taguchi、Acta Biomaterialia 5(2009)2945−2952 Tetsushi Taguchi、Zhi Rao、Michiko Ito、Miyuki Matsuda、J.Mater.Med.(2011)22:2357−2363 Zhi Rao、Makoto Sasaki、Tetsushi Taguchi、Collids and Surfaces B:Biointerfaces 101(2013)223−227
本発明は、添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがなく、接着強度が高く、短時間で接着可能で、凝集能の高い細胞接着剤、及び、細胞が固く連結・凝集され、凝集性が高く、細胞生存期間が長く、細胞移植に応用可能な細胞凝集塊を提供することを課題とする。
上記事情を鑑み、実験を繰り返すことにより、本発明者は、細胞接着剤を構成する高分子材料が有する界面活性効果により、細胞が死滅するのではないか、そのため、用いる高分子材料を、所定の細胞接着ペプチド配列を有する高分子材料とすることにより、細胞の死滅を低減できるのではないかと考えた。その推測を元に、細胞接着ペプチド配列を有する高分子に疎水基を導入して、新たな細胞間架橋用高分子、すなわち、細胞接着剤を合成した。更に、得られた細胞接着剤を用いて細胞凝集塊を形成した。この細胞凝集塊を培養して、細胞数を調べた。その結果、培養1日後(Day 1)には、細胞接着剤の添加濃度を10%として形成した細胞凝集塊の細胞数に比較して、細胞接着剤の添加濃度を10%として形成した細胞凝集塊の細胞数が4倍以上となることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の構成を有する。
(1)細胞接着ペプチド配列を有する高分子からなる主鎖と、疎水基を有する側鎖とからなることを特徴とする細胞接着剤。
(2)前記細胞接着ペプチド配列が、RGD、YIGSR、IKVAV又はREDVのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする(1)に記載の細胞接着剤。
(3)前記細胞接着ペプチド配列を有する高分子が生体高分子であることを特徴とする(2)に記載の細胞接着剤。
(4)前記生体高分子がゼラチン、コラーゲン、ラミニン又はフィブロインの群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする(3)に記載の細胞接着剤。
(5)前記ゼラチンが、ウシ由来ゼラチン、ブタ由来ゼラチン、ティラピア由来ゼラチン、サケ由来ゼラチン、タラ由来ゼラチン、ヒト由来ゼラチン若しくはウシ、ブタ、ティラピア、サケ、タラ若しくはヒトのアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えゼラチンのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする(4)に記載の細胞接着剤。
(6)前記疎水基が飽和脂肪酸であるエチル基(炭素数2)、プロピル(炭素数3)、ブチル基(炭素数4)、ペンチル基(炭素数5)、ヘキサノイル基(炭素数6)、ヘプタノイル基(炭素数7)、オクタノイル基(炭素数8)、ノナノイル基(炭素数9)、デカノイル基(炭素数10)、ウンデカノイル基(炭素数11)、ドデカノイル基(炭素数12)、トリデカノイル基(炭素数13)、テトラデカノイル基(炭素数14)、ペンタデカノイル基(炭素数15)、ヘキサデカノイル基(炭素数16)、ヘプタデカノイル基(炭素数17)、ステアロイル基(炭素数18)、分岐型飽和脂肪酸であるイソプロピル(炭素数3)、イソブチル基(炭素数4)、イソペンチル基(炭素数5)、イソヘキサノイル基(炭素数6)、イソヘプタノイル基(炭素数7)、イソオクタノイル基(炭素数8)、イソノナノイル基(炭素数9)、イソデカノイル基(炭素数10)、イソウンデカノイル基(炭素数11)、イソドデカノイル基(炭素数12)、イソトリデカノイル基(炭素数13)、イソテトラデカノイル基(炭素数14)、イソペンタデカノイル基(炭素数15)、イソヘキサデカノイル基(炭素数16)、イソパルミチル基(炭素数16)、イソヘプタデカノイル基(炭素数17)、イソステアロイル基(炭素数18)、不飽和脂肪酸であるオレイル基(炭素数18、不飽和炭素1個)、リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素2個)、α−リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素3個)、細胞膜成分であるコレステリル基、オレオイル基の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の細胞接着剤。
(7)細胞接着ペプチド配列を有する高分子からなる主鎖と、疎水基を有する側鎖とからなる細胞接着剤によって、2以上の細胞が連結・凝集されて、塊状とされたことを特徴とする細胞凝集塊。
(8)前記細胞が、iPS細胞、幹細胞、肝細胞、膵臓β細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞の群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする(7)に記載の細胞凝集塊。
本発明の細胞接着剤は、細胞接着ペプチド配列を有する高分子からなる主鎖と、疎水基を有する側鎖とからなるので、細胞接着剤の一の疎水基を細胞の脂質2分子膜に突き刺して固定するとともに、別の疎水基を別の細胞の脂質2分子膜に突き刺して固定することができる。また、細胞接着剤の主鎖が有する細胞接着ペプチド配列も、細胞の表面に接着することができる。これらにより、2以上の細胞を容易に、かつ、短時間に連結・凝集できる。また、凝集形態を塊状とすることにより、細胞凝集塊を形成することができる。これらの凝集体は、細胞接着剤の主鎖が有する細胞接着ペプチド配列が細胞間を接着する構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがない。
本発明の細胞凝集塊は、細胞接着ペプチド配列を有する高分子からなる主鎖と、疎水基を有する側鎖とからなる細胞接着剤によって、2以上の細胞が連結・凝集されて、塊状とされた構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させて、固く連結・凝集された塊としても、細胞を死滅させることがない。これにより、細胞凝集塊の調製を容易にすることができるとともに、様々な実験に用いることができ、汎用性を高めることができる。
本発明の実施形態である細胞凝集塊の一例を示す概略図である。 細胞の一例を示す図であって、平面図(a)、(a)におけるA−A’線における断面図(b)、(b)のB部の拡大模式図(c)である。 細胞接着剤の一例を示す模式図である。 細胞の脂質2分子膜に、細胞接着剤の疎水基が突き刺さった様子と、細胞接着剤の細胞接着ペプチド配列が、細胞の脂質2分子膜と接着した様子の一例を示す概念図である。 細胞凝集能評価の工程図である。 実施例1−1〜実施例2−3、比較例1−1〜比較例2の細胞接着剤溶液を用いた各培養環境における細胞数(Cell number)を示すグラフである。 実施例1−1〜実施例1−3の細胞接着剤溶液を用いた培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。疎水化ゼラチン(44Chol)を用いた接着剤を用いたものである。 実施例2−1〜実施例2−3の細胞接着剤溶液を用いた培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。疎水化ゼラチン(69Chol)を用いた接着剤を用いたものである。 比較例1−1〜比較例1−3の細胞接着剤溶液を用いた培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。ゼラチン(0Chol)を用いた接着剤を用いたものである。 比較例2の培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。細胞接着剤を用いない培養環境である。
(本発明の実施形態)
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態である細胞接着剤及び細胞凝集塊について説明する。
<細胞凝集塊>
まず、本発明の実施形態である細胞凝集塊について説明する。
図1は、本発明の実施形態である細胞凝集塊の一例を示す概略図である。
図1に示すように、本発明の実施形態である細胞凝集塊11は、細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41からなる主鎖と、疎水基42を有する側鎖とからなる細胞接着剤22によって、2以上の細胞(Cell)21が連結・凝集されて、塊状とされて、概略構成されている。
図1では、9つの細胞21が連結・凝集されているが、細胞21の数はこれに限られるものではない。
細胞接着剤22の数も特に限られるものではなく、1本で2以上の細胞を連結・凝集させてもよく、2本以上で2以上の細胞を連結・凝集させてもよい。
図2は、細胞の一例を示す図であって、平面図(a)、(a)におけるA−A’線における断面図(b)、(b)のB部の拡大模式図(c)である。
図2(a)に示すように、細胞21の表面は、リン脂質の親水性部31aで覆われている。
また、図2(b)に示すように、細胞21の表面は、脂質2分子膜33で形成されており、内部に核34を有している。
また、図2(c)に示すように、脂質2分子膜33は、表面側からリン脂質の親水性部31a、リン脂質の疎水性部32a、リン脂質の疎水性部32b、リン脂質の親水性部31bと配置されて構成されている。
細胞21が、iPS細胞、幹細胞、肝細胞、膵臓β細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞の群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。
iPS細胞(人工多能性幹細胞:induced pluripotent stem cells)は、体細胞へ数種類の遺伝子を導入し、ES細胞(胚性幹細胞)のように非常に多くの細胞に分化できる分化万能性(pluripotency)と、分裂増殖を経ても自己複製能を持たせた細胞である。幹細胞(Stem Cell)は、分裂して様々な細胞に分化できる細胞である。肝細胞(hepatocyte)は、肝臓の70−80%を構成する約20μmの細胞である。膵臓β細胞(pancreatic beta cell)は、膵臓のランゲルハンス島に存在し、インスリンを血中に分泌する細胞である。線維芽細胞(fibroblast)は、コラーゲン蛋白を合成、分泌する結合組織細胞である。血管内皮細胞(vascular endothelial cell)は、血管の内表面を構成する扁平で薄い細胞である。
特に、血管内皮細胞を上記他の細胞と組み合わせて細胞凝集塊を形成することにより、塊の内部に配置された上記他の細胞にも酸素や栄養分を十分供給することができ、細胞の死滅を回避することができる。これにより、様々な実験における細胞凝集塊の取り扱い性能を向上させることができる。
図3は、細胞接着剤の一例を示す模式図である。
図3に示すように、細胞接着剤22は、細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41からなる主鎖と、疎水基42を有する側鎖とからなる。図3では、疎水基42の数は5つとされているが、これに限られるものではない。
細胞接着ペプチド配列43が、RGD(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸)、YIGSR、IKVAV又はREDVのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。細胞接着剤22は、この細胞接着ペプチド配列で隣接する細胞と効率よく接着できる。図3では、細胞接着ペプチド配列43の数は3つとされているが、これに限られるものではない。
細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41として、生体高分子を挙げることができる。
前記生体高分子がゼラチン、コラーゲン、ラミニン又はフィブロネクチンの群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。これにより、細胞を効率よく接着できる。また、細胞接着剤22の濃度を高めて、細胞凝集塊を形成しても、細胞を死滅させることがない。
また、前記ゼラチンが、ウシ由来ゼラチン、ブタ由来ゼラチン、ティラピア由来ゼラチン、サケ由来ゼラチン、タラ由来ゼラチン、ヒト由来ゼラチン若しくはウシ、ブタ、ティラピア、サケ、タラ若しくはヒトのアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えゼラチンのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることが好ましい。これらのゼラチンを用いることにより、細胞を効率よく接着できる。
前記ゼラチンの分子量は、50000以上100000未満であることが好ましい。分子量を50000以上とすることにより、接着強度を向上させることができる。
また、前記ゼラチンは、アルカリ処理して用いることが好ましい。これにより、ウイルス等が死滅するため生体に対する安全性が向上する。
前記ティラピア、サケ、タラゼラチンは、常温で水への溶解性が高く、分子量を50000以上としても、ゲル化せず、水溶液中に均一に溶解させることができ、液体状の細胞接着剤を形成することができる。
前記疎水基が飽和脂肪酸であるエチル基(炭素数2)、プロピル(炭素数3)、ブチル基(炭素数4)、ペンチル基(炭素数5)、ヘキサノイル基(炭素数6)、ヘプタノイル基(炭素数7)、オクタノイル基(炭素数8)、ノナノイル基(炭素数9)、デカノイル基(炭素数10)、ウンデカノイル基(炭素数11)、ドデカノイル基(炭素数12)、トリデカノイル基(炭素数13)、テトラデカノイル基(炭素数14)、ペンタデカノイル基(炭素数15)、ヘキサデカノイル基(炭素数16)、ヘプタデカノイル基(炭素数17)、ステアロイル基(炭素数18)、分岐型飽和脂肪酸であるイソプロピル(炭素数3)、イソブチル基(炭素数4)、イソペンチル基(炭素数5)、イソヘキサノイル基(炭素数6)、イソヘプタノイル基(炭素数7)、イソオクタノイル基(炭素数8)、イソノナノイル基(炭素数9)、イソデカノイル基(炭素数10)、イソウンデカノイル基(炭素数11)、イソドデカノイル基(炭素数12)、イソトリデカノイル基(炭素数13)、イソテトラデカノイル基(炭素数14)、イソペンタデカノイル基(炭素数15)、イソヘキサデカノイル基(炭素数16)、イソパルミチル基(炭素数16)、イソヘプタデカノイル基(炭素数17)、イソステアロイル基(炭素数18)、不飽和脂肪酸であるオレイル基(炭素数18、不飽和炭素1個)、リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素2個)、α−リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素3個)、細胞膜成分であるコレステリル基、オレオイル基の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることが好ましい。これにより、疎水基からなる先端を脂質2分子膜に効率よく突き刺すことができ、細胞接着剤22を細胞21に強固に固定することができる。
細胞接着剤22の具体的態様としては、アミノ基の一部をコレステリル基で置換したゼラチンを挙げることができる。
また、アミノ基の置換の割合がx%の場合、ゼラチンxCholと呼称する場合がある。
ゼラチン中に含まれるアミノ基の疎水基への置換割合x%は、1%以上90%以下とすることが好ましく、0%以上70%以下とすることがより好ましい。疎水基への置換割合x%は、例えば、ゼラチンのアミノ基のコレステリル基への置換割合である。これにより、接着力を高めた細胞接着剤とすることができ、凝集性の高い細胞凝集塊を形成できる。
図4は、細胞の脂質2分子膜33Aに、細胞接着剤22の疎水基42が突き刺さった様子と、細胞接着剤22の細胞接着ペプチド配列43が、細胞の脂質2分子膜33Bと接着した様子の一例を示す概念図である。
細胞接着剤22の疎水基42は、脂質2分子膜33Aを貫いて、突き刺さっている。これにより、脂質2分子膜33Aから疎水基42は容易に抜けることはない。
また、細胞接着剤22の細胞接着ペプチド配列43は、細胞の脂質2分子膜33B上に含有されている膜タンパク質であるインテグリンとの相互作用により強固に接着する。また、この細胞接着ペプチド配列43は、生体由来のものであるため、接する細胞が増殖するための足場として作用する。
<細胞接着剤>
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41からなる主鎖と、疎水基42を有する側鎖とからなる。
細胞接着剤22を緩衝液に溶解させてなる構成としてもよい。緩衝液としては、リン酸緩衝液(PBS)を用いることができる。
前記濃度は0.01%以上50%以下とすることが好ましく、0.05%以上30%以下とすることがより好ましい。これにより、細胞と細胞接着剤の割合が適当な細胞凝集塊を形成できる。前記濃度が0.01%未満の場合には、接合が弱く、取り扱い途中で、崩壊するおそれが発生する。逆に、50%超の場合には、細胞量の少ない細胞凝集塊となり、評価に用いることができない場合が発生する。
<細胞凝集塊の作成方法>
次に、細胞凝集塊の作成方法の一例について説明する。細胞凝集塊の作成方法は、細胞接着剤の合成工程S1と、細胞接着剤溶液の調製工程S2と、細胞凝集塊の作成工程S3と、を有する。
(細胞接着剤の合成工程S1)
まず、細胞接着ペプチド配列を有する高分子を用意する。
次に、この高分子の側鎖に疎水基を導入して、細胞接着剤を合成する。
例えば、細胞接着ペプチド配列を有する高分子として、アルカリ処理したテラピアゼラチン(分子量7万)からなるゼラチンを用意してから、この高分子の側鎖のアミノ酸のx%となるようにコレステリル基で置換して、細胞接着剤(ゼラチンxChol)を合成する。
(細胞接着剤溶液の調製工程S2)
次に、細胞接着剤を所定の濃度でリン酸緩衝液(PBS)に溶解させて、細胞接着剤を調製する。
例えば、細胞接着剤(ゼラチンxChol)を濃度y%でリン酸緩衝液(PBS)に溶解させて、細胞接着剤溶液(xChol―y%)を調製する。
(細胞凝集塊の作成工程S3)
次に、細胞を、血清を含有していない培養液に溶解させて、所定の濃度の細胞懸濁液を調製する。前記濃度は、例えば、培養容器の構成に合わせて、1×10cells/wellとする。
次に、細胞接着剤溶液と細胞懸濁液を所定の比で混合して、混合溶液を調製する。
次に、前記混合溶液を攪拌する。例えば、ボルテックッスで2分間攪拌する。
以上の工程により、2以上の細胞が連結・凝集されて、塊状とされてなる細胞凝集塊を作成することができる。
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41からなる主鎖と、疎水基42を有する側鎖とからなる構成なので、細胞接着剤の一の疎水基を細胞の脂質2分子膜に突き刺して固定するとともに、別の疎水基を別の細胞の脂質2分子膜に突き刺して固定することができる。また、細胞接着剤の主鎖が有する細胞接着ペプチド配列も、細胞の表面に接着することができる。これらにより、2以上の細胞を容易に、かつ、短時間に連結・凝集できる。また、凝集形態を塊状とすることにより、細胞凝集塊を形成することができる。これらの凝集体は、細胞接着剤の主鎖が有する細胞接着ペプチド配列が細胞間を接着する構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがない。
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、細胞接着ペプチド配列43が、RGD、YIGSR、IKVAV又はREDVのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである構成なので、2以上の細胞を容易に、かつ、短時間に連結・凝集できる。また、細胞接着剤の添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがない。
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41が生体高分子である構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがない。
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、前記生体高分子がゼラチン、コラーゲン、ラミニン又はフィブロインの群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせである構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがない。
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、前記ゼラチンが、ウシ由来ゼラチン、ブタ由来ゼラチン、ティラピア由来ゼラチン、サケ由来ゼラチン、タラ由来ゼラチン、ヒト由来ゼラチン若しくはウシ、ブタ、ティラピア、サケ、タラ若しくはヒトのアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えゼラチンのいずれか1種又は2種以上の組み合わせである構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させても細胞を死滅させることがない。
本発明の実施形態である細胞接着剤22は、疎水基42が飽和脂肪酸であるエチル基(炭素数2)、プロピル(炭素数3)、ブチル基(炭素数4)、ペンチル基(炭素数5)、ヘキサノイル基(炭素数6)、ヘプタノイル基(炭素数7)、オクタノイル基(炭素数8)、ノナノイル基(炭素数9)、デカノイル基(炭素数10)、ウンデカノイル基(炭素数11)、ドデカノイル基(炭素数12)、トリデカノイル基(炭素数13)、テトラデカノイル基(炭素数14)、ペンタデカノイル基(炭素数15)、ヘキサデカノイル基(炭素数16)、ヘプタデカノイル基(炭素数17)、ステアロイル基(炭素数18)、分岐型飽和脂肪酸であるイソプロピル(炭素数3)、イソブチル基(炭素数4)、イソペンチル基(炭素数5)、イソヘキサノイル基(炭素数6)、イソヘプタノイル基(炭素数7)、イソオクタノイル基(炭素数8)、イソノナノイル基(炭素数9)、イソデカノイル基(炭素数10)、イソウンデカノイル基(炭素数11)、イソドデカノイル基(炭素数12)、イソトリデカノイル基(炭素数13)、イソテトラデカノイル基(炭素数14)、イソペンタデカノイル基(炭素数15)、イソヘキサデカノイル基(炭素数16)、イソパルミチル基(炭素数16)、イソヘプタデカノイル基(炭素数17)、イソステアロイル基(炭素数18)、不飽和脂肪酸であるオレイル基(炭素数18、不飽和炭素1個)、リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素2個)、α−リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素3個)、細胞膜成分であるコレステリル基、オレオイル基の群から選択される1種または2種以上の組み合わせである構成なので、細胞接着剤の一の疎水基を細胞の脂質2分子膜に突き刺して固定するとともに、別の疎水基を別の細胞の脂質2分子膜に突き刺して固定することができ、2以上の細胞を容易に、かつ、短時間に連結・凝集できる。
本発明の実施形態である細胞凝集塊11は、細胞接着ペプチド配列43を有する高分子41からなる主鎖と、疎水基42を有する側鎖とからなる細胞接着剤22によって、2以上の細胞21が連結・凝集されて、塊状とされた構成なので、細胞接着剤の添加濃度を増加させて、固く連結・凝集された塊としても、細胞を死滅させることがない。これにより、細胞凝集塊の取り扱いを容易にすることができ、ハンドリング性能が高く、様々な実験に用いることができ、汎用性を高めることができる。
本発明の実施形態である細胞凝集塊11は、細胞21が、iPS細胞、幹細胞、肝細胞、膵臓β細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞の群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせである構成なので、様々なタイプの細胞凝集塊を形成することができる。これにより、様々な実験に用いることができ、汎用性を高めることができる。
本発明の実施形態である細胞接着剤及び細胞凝集塊は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。本実施形態の具体例を以下の実施例で示す。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1−1)
(細胞接着剤の合成)
まず、ゼラチン(テラピアゼラチン、分子量7万、アルカリ処理)を用意した。
次に、上記ゼラチンのアミノ基の44%をコレステリル基で修飾して、細胞接着剤を合成した。
(細胞接着剤溶液の調製)
次に、細胞接着剤(アミノ基の44%をコレステリル基で修飾したゼラチン)の濃度を0.1%として、リン酸緩衝液(PBS)に溶解させて、実施例1−1の細胞接着剤溶液(44Chol―0.1%)を調製した。
(実施例1−2)
アミノ基の44%をコレステリル基で修飾したゼラチンの濃度を1%とした他は実施例1−1と同様にして、実施例1−2の細胞接着剤溶液(44Chol―1%)を調製した。
(実施例1−3)
アミノ基の44%をコレステリル基で修飾したゼラチンの濃度を10%とした他は実施例1−1と同様にして、実施例1−3の細胞接着剤溶液(44Chol―10%)を調製した。
(実施例2−1)
上記ゼラチンのアミノ基の69%をコレステリル基で修飾した他は実施例1−1と同様にして、実施例2−1の細胞接着剤溶液(69Chol―0.1%)を調製した。
(実施例2−2)
アミノ基の69%をコレステリル基で修飾したゼラチンの濃度を1%とした他は実施例2−1と同様にして、実施例2−2の細胞接着剤溶液(69Chol―1%)を調製した。
(実施例2−3)
アミノ基の69%をコレステリル基で修飾したゼラチンの濃度を10%とした他は実施例2−1と同様にして、実施例2−3の細胞接着剤溶液(69Chol―10%)を調製した。
(比較例1−1)
次のようにして、比較例1−1の細胞接着剤を準備した。
まず、ゼラチン(テラピアゼラチン、分子量7万、アルカリ処理)を用意した。
次に、ゼラチンの濃度を0.1%として、比較例1−1の細胞接着剤溶液(0Chol―0.1%)を調製した。
(比較例1−2)
ゼラチンの濃度を1%とした他は比較例1−1と同様にして、比較例1−2の細胞接着剤溶液(0Chol―1%)を調製した。
(比較例1−3)
ゼラチンの濃度を1%とした他は比較例1−1と同様にして、比較例1−2の細胞接着剤溶液(0Chol―1%)を調製した。
(比較例2)
リン酸緩衝液PBS(Control)を用意した。
各実施例、比較例と、試料名、試料の構成、細胞接着剤濃度の関係を表1にまとめた。
<細胞凝集能評価>
図5は、細胞凝集能評価の工程図である。細胞凝集能評価は、混合サンプル調製工程と、混合サンプル評価工程とからなる。この工程に従い、細胞凝集能評価を行った。
<混合サンプル調製工程>
まず、混合サンプル評価工程で用いる培養容器の構成に合わせて、1×10cells/wellとなるように細胞懸濁液を100μL調製した。HepG2(ヒト肝ガン由来細胞)細胞を用いた。
次に、実施例1−1〜実施例2−3、比較例1−1〜比較例2の細胞接着剤溶液を100μL量り取った。
次に、2mLチューブで、細胞懸濁液と細胞接着剤の混合液を調製した。
次に、この混合液を2minボルテックスにより撹拌した。
以上の工程により、細胞接着剤と細胞の混合サンプルを調製した。
<混合サンプル評価工程>
まず、混合サンプルを、播種細胞数が1×10cells/wellとなるように48well plate−1に移した。
培地として、DMEM(1回目 ウシ血清なし、2回目以降ウシ血清(+))を用いた。また、培地交換は2日とした。
次に、細胞接着剤と細胞の混合サンプルを37℃のインキュベーター内で培養した。
次に、培養開始から1日後(Day 1)、3日後(Day 3)、7日後(Day 7)、位相差顕微鏡により、細胞凝集能及び生存状況の観察を行った。また、WST−8(cell counting kit)を用いて、細胞数(Cell number)のカウントを行った。
<細胞凝集能評価結果>
図6〜10に示す細胞凝集能評価結果が得られた。
図6は、実施例1−1〜実施例2−3、比較例1−1〜比較例2の細胞接着剤溶液を用いた各培養環境における細胞数(Cell number)示すグラフである。
図6に示すように、疎水化ゼラチン(44Chol、69Chol)では、添加濃度を増加させることにより、細胞の増殖が認められた(実施例1−2〜実施例2−3)。疎水化ゼラチン中に含まれる細胞接着ペプチド配列(アルギニン−グリシン−アスパラギン酸)により細胞増殖が促進したと思われる。
図7は、実施例1−1〜実施例1−3の細胞接着剤溶液を用いた培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。疎水化ゼラチン(44Chol)を細胞接着剤として用いたものである。
図7に示すように、疎水化ゼラチン(44Chol)の添加濃度を0.1%から10%へと増加させることにより、大幅に細胞数が増加した。細胞の凝集(細胞間の接着)が認められた。ゼラチンに導入したコレステリル基が細胞膜にアンカリングすることにより、細胞間接合を促進した。
図8は、実施例2−1〜実施例2−3の細胞接着剤溶液を用いた培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。疎水化ゼラチン(69Chol)を細胞接着剤として用いたものである。
図8に示すように、疎水化ゼラチン(44Chol)と同様に、疎水化ゼラチン(69Chol)の添加濃度を0.1%から10%へと増加させることにより、大幅に細胞数が増加した。細胞の凝集(細胞間の接着)が認められた。ゼラチンに導入したコレステリル基が細胞膜にアンカリングすることにより、細胞間接合を促進した。
図9は、比較例1−1〜比較例1−3の細胞接着剤溶液を用いた培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。ゼラチン(0Chol)を細胞接着剤として用いたものである。
図9に示すように、疎水化ゼラチン(44Chol)及び疎水化ゼラチン(69Chol)の場合とは異なり、ゼラチン(0Chol)の添加濃度を0.1%から10%へと増加させることにより、細胞数はあまり変わらなかった。
図10は、比較例2の培養環境(Day 1)の位相差顕微鏡写真像である。細胞接着剤を用いない培養環境である。
図10に示すように、細胞の凝集はほとんどなかった。
本発明の細胞接着剤は、添加濃度を増加させても細胞が死滅させることがなく、接着強度が高く、短時間で接着可能で、凝集能の高いものであり、本発明の細胞凝集塊は、細胞が固く連結・凝集され、凝集性が高く、細胞生存期間が長く、細胞移植に応用可能なものであり、医療用デバイス・医療用材料・医療用機器産業において利用可能性がある。
11…細胞凝集塊、21…細胞、22…細胞接着剤、31a、31b…リン脂質の親水性部、32a、32b…リン脂質の疎水性部、33、33A、33B…脂質2分子膜、34…核、41…高分子、42…疎水基、43…細胞接着ペプチド配列。

Claims (8)

  1. 細胞接着ペプチド配列を有する高分子からなる主鎖と、疎水基を有する側鎖とからなることを特徴とする細胞接着剤。
  2. 前記細胞接着ペプチド配列が、RGD、YIGSR、IKVAV又はREDVのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載の細胞接着剤。
  3. 前記細胞接着ペプチド配列を有する高分子が生体高分子であることを特徴とする請求項2に記載の細胞接着剤。
  4. 前記生体高分子がゼラチン、コラーゲン、ラミニン又はフィブロインの群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項3に記載の細胞接着剤。
  5. 前記ゼラチンが、ウシ由来ゼラチン、ブタ由来ゼラチン、ティラピア由来ゼラチン、サケ由来ゼラチン、タラ由来ゼラチン、ヒト由来ゼラチン若しくはウシ、ブタ、ティラピア、サケ、タラ若しくはヒトのアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えゼラチンのいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項4に記載の細胞接着剤。
  6. 前記疎水基が飽和脂肪酸であるエチル基(炭素数2)、プロピル(炭素数3)、ブチル基(炭素数4)、ペンチル基(炭素数5)、ヘキサノイル基(炭素数6)、ヘプタノイル基(炭素数7)、オクタノイル基(炭素数8)、ノナノイル基(炭素数9)、デカノイル基(炭素数10)、ウンデカノイル基(炭素数11)、ドデカノイル基(炭素数12)、トリデカノイル基(炭素数13)、テトラデカノイル基(炭素数14)、ペンタデカノイル基(炭素数15)、ヘキサデカノイル基(炭素数16)、ヘプタデカノイル基(炭素数17)、ステアロイル基(炭素数18)、分岐型飽和脂肪酸であるイソプロピル(炭素数3)、イソブチル基(炭素数4)、イソペンチル基(炭素数5)、イソヘキサノイル基(炭素数6)、イソヘプタノイル基(炭素数7)、イソオクタノイル基(炭素数8)、イソノナノイル基(炭素数9)、イソデカノイル基(炭素数10)、イソウンデカノイル基(炭素数11)、イソドデカノイル基(炭素数12)、イソトリデカノイル基(炭素数13)、イソテトラデカノイル基(炭素数14)、イソペンタデカノイル基(炭素数15)、イソヘキサデカノイル基(炭素数16)、イソパルミチル基(炭素数16)、イソヘプタデカノイル基(炭素数17)、イソステアロイル基(炭素数18)、不飽和脂肪酸であるオレイル基(炭素数18、不飽和炭素1個)、リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素2個)、α−リノレニル基(炭素数18、不飽和炭素3個)、細胞膜成分であるコレステリル基、オレオイル基の群から選択される1種または2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞接着剤。
  7. 細胞接着ペプチド配列を有する高分子からなる主鎖と、疎水基を有する側鎖とからなる細胞接着剤によって、2以上の細胞が連結・凝集されて、塊状とされたことを特徴とする細胞凝集塊。
  8. 前記細胞が、iPS細胞、幹細胞、肝細胞、膵臓β細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞の群から選択されるいずれか1種又は2種以上の組み合わせであることを特徴とする請求項7に記載の細胞凝集塊。
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