JP2014180224A - 変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ - Google Patents

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Abstract

【課題】熱安定性が向上したオキサロ酢酸デカルボキシラーゼを提供する。
【解決手段】特定のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列において、アミノ酸配列における3位、34位、64位、154位および243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含む、熱安定性が向上した変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ;上記変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応を利用して、ケト酸からケト酸の脱炭酸生成物を生成することを含む、ケト酸の脱炭酸生成物の製造方法;ならびにアミノ基転移反応を上記脱炭酸反応と共役させることによりケト酸からアミノ酸を生成することを含む、アミノ酸の製造方法など。
【選択図】なし

Description

本発明は、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼなどに関する。
オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ(EC4.1.1.3)は、オキサロ酢酸(OAA)を脱炭酸してピルビン酸(PA)を生成する下記反応を触媒する酵素である。
Figure 2014180224
オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは細胞内酵素であるため、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを産生する菌体の培養ブロスを用いて酵素反応を行う際、基質の菌体細胞膜透過性を向上させるような処理が必要になる。このような処理としては、例えば、熱処理、溶剤処理(例、キシレン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール)、界面活性剤処理(例、Tween20,Triton X−100)、溶菌酵素処理(例:リゾチーム処理)が挙げられる。オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの熱安定性を向上させることができれば、培養ブロスの熱処理が容易になるため、溶剤、界面活性剤および溶菌酵素で処理することなく、基質の菌体細胞膜透過性を向上させることができると考えられる。
ところで、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼとしては、シュードモナス(Pseudomonas)属に由来するものなどが知られている(例、非特許文献1〜3)。また、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ活性を有する安定なポリペプチドについても報告がある(例、非特許文献4、5)。しかしながら、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの熱安定性を向上させるという思想、および熱安定性が実際に向上したオキサロ酢酸デカルボキシラーゼのいずれについても報告はない。
Labrou,N.E. et al.,(1999) Archives of Biochemistry and Biophysics 365,17−24 Horton, A. et al.,(1964) Biochim. Biophys. Acta. 89,381−383 Narayanan, B. C. et al.,(2008) Biochemistry 47,167−182 Weston,C.J. et al.,(2004) ChemBioChem 5,1075−1080. Taylor,S.E. et al.,(2002) J.Chem.Soc.,Perkin Trans. 2,751−755
本発明は、熱安定性が向上したオキサロ酢酸デカルボキシラーゼを提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼに特定の変異を導入することにより、高い熱安定性を有する変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを提供することに成功し、もって本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列において、配列番号2のアミノ酸配列における3位、34位、64位、154位および243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含む、熱安定性が向上した変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
〔2〕配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列が、シュードモナス属またはマリノモナス属に属する微生物に由来する野生型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼのアミノ酸配列である、〔1〕の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
〔3〕1以上のアミノ酸残基の変異が、下記(i)〜(v)からなる群より選ばれる置換である、〔1〕または〔2〕の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ:
(i)3位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
(ii)34位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
(iii)64位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のバリン残基への置換;
(iv)154位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のアスパラギン残基への置換;(v)243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のスレオニンまたはセリン残基への置換;および
(vi)(i)から(v)の組み合わせ。
〔4〕配列番号2のアミノ酸配列において、3位のメチオニン残基、34位のメチオニン残基、64位のフェニルアラニン残基、154位のセリン残基および243位のアラニン残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含む、〔1〕の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
〔5〕1以上のアミノ酸残基の変異が、下記(i)〜(v)からなる群より選ばれる置換である、〔4〕の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ:
(i)3位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
(ii)34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
(iii)64位のフェニルアラニン残基のバリン残基への置換;
(iv)154位のセリン残基のアスパラギン残基への置換;
(v)243位のアラニン残基のスレオニンまたはセリン残基への置換;および
(vi)(i)から(v)の組み合わせ。
〔6〕さらにpH安定性および/または比活性が向上している、〔1〕〜〔5〕のいずれかの変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
〔7〕〔1〕〜〔6〕のいずれかの変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチド。
〔8〕〔7〕のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
〔9〕〔8〕の発現ベクターを含む形質転換体。
〔10〕〔9〕の形質転換体を用いて変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを生成することを含む、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの製造方法。
〔11〕〔1〕〜〔6〕のいずれかの変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応を利用して、ケト酸からケト酸の脱炭酸生成物を生成することを含む、ケト酸の脱炭酸生成物の製造方法。
〔12〕ケト酸がオキサロ酢酸であり、ケト酸の脱炭酸生成物がピルビン酸である、〔11〕の方法。
〔13〕アミノ基供与体の存在下でケト酸からアミノ酸を生成する能力を有するアミノ基転移酵素により触媒されるアミノ基転移反応を、〔1〕〜〔6〕のいずれかの変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応と共役させることにより、ケト酸からアミノ酸を生成することを含む、アミノ酸の製造方法。
〔14〕アミノ基転移反応が下記1)の反応であり、脱炭酸反応が下記2)の反応である、〔13〕のアミノ酸の製造方法。
1)ケト酸+アスパラギン酸→アミノ酸+オキサロ酢酸
2)オキサロ酢酸→ピルビン酸+CO
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、熱安定性に優れる。したがって、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを産生する菌体の培養ブロスの熱処理が容易になり、基質の菌体細胞膜透過性を向上させることができる。また、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの使用により、脱炭酸反応を、従来よりも高温条件下で長時間にわたり行うことができる。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼはまた、熱安定性に加えて、pH安定性および/または比活性に優れる。したがって、pH安定性に優れる本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの使用により、脱炭酸反応を、従来よりも低いまたは高いpH条件下で長時間にわたり行うことができる。また、比活性に優れる本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの使用により、脱炭酸反応を、高効率で行うことができる。
さらに、上述した特性を有する本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応を、既知のアミノ基転移反応と共役させることにより、上記のような条件下でアミノ基転移反応を促進することができる。
本発明は、熱安定性が向上した変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを提供する。本発明では、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼとは、オキサロ酢酸(OAA)を脱炭酸してピルビン酸(PA)を生成する能力を有する酵素をいい、このような能力を有する限り別称の酵素も含まれる。本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列において、配列番号2のアミノ酸配列における3位、34位、64位、154位および243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基(以下、必要に応じて「相当アミノ酸残基」または「X位の相当アミノ酸残基」と省略する)からなる群より選ばれる1以上(例えば1〜5、好ましくは1〜3)のアミノ酸残基の変異を含む。アミノ酸残基の変異としては、例えば、置換、欠失、付加および挿入が挙げられるが、置換が好ましい。
変異されるアミノ酸残基は、天然のL−α−アミノ酸である、L−アラニン(A)、L−アスパラギン(N)、L−システイン(C)、L−グルタミン(Q)、L−イソロイシン(I)、L−ロイシン(L)、L−メチオニン(M)、L−フェニルアラニン(F)、L−プロリン(P)、L−セリン(S)、L−スレオニン(T)、L−トリプトファン(W)、L−チロシン(Y)、L−バリン(V)、L−アスパラギン酸(D)、L−グルタミン酸(E)、L−アルギニン(R)、L−ヒスチジン(H)、またはL−リジン(K)、あるいはグリシン(G)である。変異が置換、付加または挿入である場合、置換、付加または挿入されるアミノ酸残基は、上記アミノ酸残基と同様である。以下、アミノ酸の表記について、Lおよびαを省略することがある。
変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼについて熱安定性の向上とは、緩衝液等の水溶液中において所定の時間(例、1時間)インキュベートされた後に測定された酵素活性がインキュベート前の酵素活性に対して半減する温度(Tm値)について、変異型酵素のTm値が野生型酵素のTm値よりも高いことをいう。変異型酵素のTm値が野生型酵素のTm値よりも5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、12℃または15℃以上高いことが好ましい。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼが由来するオキサロ酢酸デカルボキシラーゼとしては、例えば、任意の生物に由来する酵素を用いることができ、例えば、シュードモナス(Pseudomonas)属またはマリノモナス(Marinomonas)属に属する微生物に由来する酵素が挙げられる。シュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物としては、例えば、シュードモナス・プチダ(Pseudomonas putida)、シュードモナス・フルオレッセンス(Pseudomonas fluorescens)、シュードモナス・ブラシカセラム(Pseudomonas brassicacearum)、シュードモナス・フルバ(Pseudomonas fulva)、およびシュードモナス・エスピー(Pseudomonas sp.)が挙げられる。マリノモナス(Marinomonas)属に属する微生物としては、例えば、マリノモナス・メヂテラネア(Marinomonas mediterranea)、マリノモナス・ポシドニカ(Marinomonas posidonica)が挙げられる。
配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列について、当業者は適宜決定することができる。例えば、アミノ酸配列の同一性は、KarlinおよびAltschulによるアルゴリズムBLAST(Pro.Natl.Acad.Sci.USA,90,5873(1993))、PearsonによるFASTA(MethodsEnzymol.,183,63(1990))を用いて決定することができる。このアルゴリズムBLASTに基づいて、BLASTPとよばれるプログラムが開発されているので(http://www.ncbi.nlm.nih.gov参照)、これらのプログラムをデフォルト設定で用いて、アミノ酸配列の同一性を計算してもよい。また、アミノ酸配列の同一性としては、例えば、Lipman−Pearson法を採用している株式会社ゼネティックスのソフトウェアGENETYX Ver7.0.9を使用し、ORFにコードされるポリペプチド部分全長を用いて、Unit Size to Compare=2の設定でSimilarityをpercentage計算させた際の数値を用いてもよい。アミノ酸配列の同一性として、これらの計算で導き出される値のうち、最も低い値を採用してもよい。
好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列は、シュードモナス属またはマリノモナス属に属する微生物に由来する野生型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼのアミノ酸配列である。配列番号2のアミノ酸配列は、GenBankアクセッション番号:AAN67012.1のアミノ酸配列(Pseudomonas putida由来の野生型アミノ酸配列)である。配列番号1のヌクレオチド配列は、配列番号2のアミノ酸配列からなるタンパク質をコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列であって、E.coliでの遺伝子発現効率が最適化されたものである。配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列からなるオキサロ酢酸デカルボキシラーゼとしては、例えば、以下の表1に挙げられる微生物由来のものが挙げられる。
Figure 2014180224
配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列の相当アミノ酸残基について、当業者は整列(align)したアミノ酸配列を比較することにより適宜決定することができる。例えば、表1に示される微生物由来のオキサロ酢酸デカルボキシラーゼにおいて、相当アミノ酸残基は、以下の表2に示すとおりである。相当アミノ酸残基のうち、3位、34位、64位、および243位の相当アミノ酸残基の変異が好ましい。なお、表2において相当アミノ酸残基の位置が1位である変異タンパク質を調製する場合、1または数個のアミノ酸残基をN末端に付加したアミノ酸配列からなる変異タンパク質として使用することが好ましい。この場合、1または数個は後述するとおりであるが、発現効率の観点から変異タンパク質のN末端のアミノ酸残基はメチオニンが好ましく、N末端に付加される1または数個のアミノ酸残基は、例えば、配列番号2のN末端に見出されるメチオニンおよびイソロイシンからなるジペプチド単位であってもよい。また、34位、64位、および243位の相当アミノ酸残基を含む近傍領域の保存性が非常に高いこと、およびこのような保存性が高い領域における変異により同様の性質を獲得し得る蓋然性が極めて高いことから、34位、64位、および243位の相当アミノ酸残基の変異がより好ましい。
Figure 2014180224
好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列において、熱安定性を向上させる変異は、下記(i)〜(v)からなる群より選ばれる置換である:
(i)3位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
(ii)34位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
(iii)64位の相当アミノ酸残基のバリン残基への置換;
(iv)154位の相当アミノ酸残基のアスパラギン残基への置換;
(v)243位の相当アミノ酸残基のスレオニンまたはセリン残基への置換;および
(vi)(i)から(v)の組み合わせ。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、さらにpH安定性および/または比活性が向上していてもよい。
単独の変異または他の変異との組合せにおいてpH安定性を向上させる変異としては、例えば、以下が挙げられる。
1)酸性条件下での安定性の向上に好適である置換の例:
・34位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;および
・243位の相当アミノ酸残基のスレオニンまたはセリン残基への置換。
酸性条件は、pH約6.0以下の条件である。酸性条件のpHは、好ましくは約4.0〜約6.0、より好ましくは約4.5〜約5.5、最も好ましくは約5.0である。
2)中性条件下での安定性の改善に好適である置換の例:
・3位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
・34位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
・64位の相当アミノ酸残基のバリン残基への置換;
・154位の相当アミノ酸残基のアスパラギン残基への置換;および
・243位の相当アミノ酸残基のスレオニン残基への置換。
中性条件は、pHが約6.0よりも大きく約8.0未満の条件である。中性条件のpHは、好ましくは約6.5〜約7.5、より好ましくは約7.0〜約7.5、最も好ましくは約7.5である。
3)アルカリ性条件(例、pH9.5)下での活性の改善に好適である置換の例:
・3位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
・34位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
・154位の相当アミノ酸残基のアスパラギン残基への置換;および
・243位の相当アミノ酸残基のスレオニン残基への置換。
アルカリ性条件は、pH約8.0以上の条件である。アルカリ性条件のpHは、好ましくは約8.0〜約10.0、より好ましくは約9.0〜約9.5、最も好ましくは約9.5である。
単独の変異または他の変異との組合せにおいて比活性を向上させる変異としては、例えば、以下が挙げられる:
・3位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
・34位の相当アミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
・64位の相当アミノ酸残基のバリン残基への置換;
・154位の相当アミノ酸残基のアスパラギン残基への置換;および
・243位の相当アミノ酸残基のスレオニンまたはセリン残基への置換。
好ましい実施形態では、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、配列番号2のアミノ酸配列において、3位のメチオニン残基、34位のメチオニン残基、64位のフェニルアラニン残基、154位のセリン残基および243位のアラニン残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含んでいてもよい。
好ましくは、配列番号2のアミノ酸配列における変異は、下記(i)〜(v)からなる群より選ばれる置換である:
(i)3位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
(ii)34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
(iii)64位のフェニルアラニン残基のバリン残基への置換;
(iv)154位のセリン残基のアスパラギン残基への置換;
(v)243位のアラニン残基のスレオニンまたはセリン残基への置換;および
(vi)(i)から(v)の組み合わせ。
配列番号2のアミノ酸配列において、3位のメチオニン残基、34位のメチオニン残基、64位のフェニルアラニン残基、154位のセリン残基および243位のアラニン残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含む本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、さらにpH安定性および/または比活性が向上していてもよい。
配列番号2のアミノ酸配列に関して、単独の変異または他の変異との組合せにおいてpH安定性を向上させる変異としては、例えば、以下が挙げられる。
1)酸性条件(上記と同様)下での安定性の向上に好適である置換の例:
・34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;および
・243位のアラニン残基のスレオニンまたはセリン残基への置換。
2)中性条件(上記と同様)下での安定性の改善に好適である置換の例:
・3位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
・34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
・64位のフェニルアラニン残基のバリン残基への置換;
・154位のセリン残基のアスパラギン残基への置換;および
・243位のアラニン残基のスレオニン残基への置換。
3)アルカリ性条件(上記と同様)下での活性の改善に好適である置換の例:
・3位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
・34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
・154位のセリン残基のアスパラギン残基への置換;および
・243位のアラニン残基のスレオニン残基への置換。
配列番号2のアミノ酸配列に関して、単独の変異または他の変異との組合せにおいて比活性を向上させる変異としては、例えば、以下が挙げられる:
・3位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
・34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
・64位のフェニルアラニン残基のバリン残基への置換;
・154位のセリン残基のアスパラギン残基への置換;および
・243位のアラニン残基のスレオニンまたはセリン残基への置換。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼはまた、C末端またはN末端に、他のペプチド成分(例、タグ部分)を有していてもよい。本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼに付加され得る他のペプチド成分としては、例えば、目的タンパク質の精製を容易にするペプチド成分(例、ヒスチジンタグ、Strep−tag II等のタグ部分;グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、マルトース結合タンパク質等の目的タンパク質の精製に汎用されるタンパク質)、目的タンパク質の可溶性を向上させるペプチド成分(例、Nus−tag)、シャペロンとして働くペプチド成分(例、トリガーファクター)、他の機能をもつタンパク質あるいはタンパク質のドメインあるいはそれらとをつなぐリンカーとしてのペプチド成分が挙げられる。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、上述した特性が保持される限り、上記変異を有するオキサロ酢酸デカルボキシラーゼのアミノ酸配列に対して、上記以外の位置に1または数個のアミノ酸残基の追加変異(例、置換、欠失、挿入および付加)を有していてもよい。追加変異の数は、例えば1〜50個、好ましくは1〜40個、より好ましくは1〜30個、さらにより好ましくは1〜20個、最も好ましくは1〜10個(例、1、2、3、4または5個)である。当業者は、上述した特性を保持するこのような変異型酵素を適宜作製することができる。追加変異を有する本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼのTm値は、野生型酵素のTm値よりも、5℃、6℃、7℃、8℃、9℃、10℃、12℃または15℃以上高いことが好ましい。
アミノ酸配列において追加変異を導入され得るアミノ酸残基の位置は、当業者に明らかであり、例えば、アミノ酸配列のアライメントを参考にして追加変異を導入することができる。具体的には、当業者は、1)複数のホモログのアミノ酸配列(例、配列番号2で表されるアミノ酸配列、および他のホモログのアミノ酸配列)を比較し、2)相対的に保存されている領域、および相対的に保存されていない領域を明らかにし、次いで、3)相対的に保存されている領域および相対的に保存されていない領域から、それぞれ、機能に重要な役割を果たし得る領域および機能に重要な役割を果たし得ない領域を予測できるので、構造・機能の相関性を認識できる。
アミノ酸残基の追加変異が置換である場合、アミノ酸残基のこのような置換は、保存的置換であってもよい。用語「保存的置換」とは、所定のアミノ酸残基を、類似の側鎖を有するアミノ酸残基で置換することをいう。類似の側鎖を有するアミノ酸残基のファミリーは、当該分野で周知である。例えば、このようなファミリーとしては、塩基性側鎖を有するアミノ酸(例、リジン、アルギニン、ヒスチジン)、酸性側鎖を有するアミノ酸(例、アスパラギン酸、グルタミン酸)、非荷電性極性側鎖を有するアミノ酸(例、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシン、システイン)、非極性側鎖を有するアミノ酸(例、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン)、β位分岐側鎖を有するアミノ酸(例、スレオニン、バリン、イソロイシン)、芳香族側鎖を有するアミノ酸(例、チロシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)、ヒドロキシル基(例、アルコール性、フェノール性)含有側鎖を有するアミノ酸(例、セリン、スレオニン、チロシン)、および硫黄含有側鎖を有するアミノ酸(例、システイン、メチオニン)が挙げられる。好ましくは、アミノ酸の保存的置換は、アスパラギン酸とグルタミン酸との間での置換、アルギニンとリジンとヒスチジンとの間での置換、トリプトファンとフェニルアラニンとの間での置換、フェニルアラニンとバリンとの間での置換、ロイシンとイソロイシンとアラニンとの間での置換、およびグリシンとアラニンとの間での置換であってもよい。
したがって、上述した本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼはまた、以下(I)または(II)のように特定することもできる:
(I)配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列において、配列番号2のアミノ酸配列における3位、34位、64位、154位および243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が変異したアミノ酸配列を含む、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ;または
(II)配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列における配列番号2のアミノ酸配列における3位、34位、64位、154位および243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が変異したアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基の追加変異を有するアミノ酸配列を含み、かつ、熱安定性が向上している、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列、および変異等の詳細は、上述したとおりである。また、pH安定性および/または比活性が向上していてもよい。
好ましい実施形態では、上記(I)および(II)の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、下記(I’)および(II’)の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼであってもよい:
(I’)配列番号2のアミノ酸配列において、3位のメチオニン残基、34位のメチオニン残基、64位のフェニルアラニン残基、154位のセリン残基および243位のアラニン残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が変異したアミノ酸配列を含む、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ;または
(II’)配列番号2のアミノ酸配列における3位のメチオニン残基、34位のメチオニン残基、64位のフェニルアラニン残基、154位のセリン残基および243位のアラニン残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基が変異したアミノ酸配列において、1または数個のアミノ酸残基の追加変異を有するアミノ酸配列を含み、かつ、熱安定性が向上している、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
変異等の詳細は、上述したとおりである。また、pH安定性および/または比活性が向上していてもよい。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、上述した変異および追加変異の双方を有することにより、変異前の野生型酵素のアミノ酸配列に対して少なくとも90%以上のアミノ酸配列同一性を有するアミノ酸配列を含むものであってもよい。アミノ酸配列の同一性パーセントは、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上、さらにより好ましくは97%以上、最も好ましくは98%以上または99%以上であってもよい。同一性の決定方法は、上述したとおりである。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、例えば、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを発現する本発明の形質転換体を用いて、または無細胞系等を用いて、調製することができる。本発明の形質転換体は、例えば、本発明の発現ベクターを作製し、次いで、この発現ベクターを宿主に導入することにより作製できる。
本発明の発現ベクターは、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードする本発明のポリヌクレオチド(例、DNA、RNA)を含む。本発明の発現ベクターはまた、本発明のポリヌクレオチドに加えて、プロモーター、ターミネーターおよび薬剤(例、テトラサイクリン、アンピシリン、カナマイシン、ハイグロマイシン、ホスフィノスリシン)耐性遺伝子をコードする領域等の領域をさらに含むことができる。本発明の発現ベクターは、プラスミドであっても組込み型(integrative)ベクターであってもよい。本発明の発現ベクターはまた、ウイルスベクターであっても無細胞系用ベクターであってもよい。本発明の発現ベクターはさらに、本発明のポリヌクレオチドに対して3’または5’末端側に、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼに付加され得る他のペプチド成分をコードするポリヌクレオチドを含んでいてもよい。他のペプチド成分をコードするポリヌクレオチドとしては、例えば、上述したような目的タンパク質の精製を容易にするペプチド成分をコードするポリヌクレオチド、上述したような目的タンパク質の可溶性を向上させるペプチド成分をコードするポリヌクレオチド、シャペロンとして働くペプチド成分をコードするポリヌクレオチド、他の機能をもつタンパク質あるいはタンパク質のドメインあるいはそれらとをつなぐリンカーとしてのペプチド成分をコードするポリヌクレオチドが挙げられる。他のペプチド成分をコードするポリヌクレオチドを含む種々の発現ベクターが利用可能である。したがって、本発明の発現ベクターの作製のため、このような発現ベクターを利用してもよい。例えば、目的タンパク質の精製を容易にするペプチド成分をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター(例、pET−15b、pET−51b、pET−41a、pMAL−p5G)、目的タンパク質の可溶性を向上させるペプチド成分をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター(例、pET−50b)、シャペロンとして働くペプチド成分をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクター(例、pCold TF)、他の機能をもつタンパク質あるいはタンパク質のドメインあるいはそれらとをつなぐリンカーとしてのペプチド成分をコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターを利用することができる。本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼとそれに付加された他のペプチド成分との切断をタンパク質発現後に可能にするため、本発明の発現ベクターは、プロテアーゼによる切断部位をコードする領域を、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチドと他のペプチド成分をコードするポリヌクレオチドとの間に含んでいてもよい。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを発現させるための宿主としては、任意の微生物を用いることができる。このような微生物としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)等のエシェリヒア属細菌、コリネバクテリウム属細菌〔例、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)〕、およびバチルス属細菌〔例、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)〕をはじめとする種々の原核細胞、サッカロマイセス属細菌〔例、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)〕、ピヒア属細菌〔例、ピヒア・スティピティス(Pichia stipitis)〕、アスペルギルス属細菌〔例、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)〕をはじめとする種々の真核細胞が挙げられる。宿主としては、所定の遺伝子を欠損する株を用いてもよい。形質転換体としては、例えば、細胞質中に発現ベクターを保有する形質転換体、およびゲノム上に目的遺伝子が導入された形質転換体が挙げられる。形質転換体はまた、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼおよびアミノ基転移酵素の双方を産生する微生物であってもよい。このような形質転換体としては、例えば、a)本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子を含む発現ベクター、およびアミノ基転移酵素をコードする遺伝子を含む発現ベクターが導入された形質転換体、b)本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子およびアミノ基転移酵素をコードする遺伝子の双方を含む発現ベクターが導入された形質転換体、ならびにc)本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子を含む発現ベクターがアミノ基転移酵素を産生する微生物に導入された形質転換体が挙げられる。
本発明の形質転換体は、所定の培養装置(例、試験管、フラスコ、ジャーファーメンター)を用いて、例えば後述の組成を有する培地において培養することができる。培養条件は適宜設定することができる。具体的には、培養温度は10℃〜37℃であってもよく、pHは6.5〜7.5であってもよく、培養時間は1h〜100hであってもよい。また、溶存酸素濃度を管理しつつ培養を行っても良い。この場合、培養液中の溶存酸素濃度(DO値)を制御の指標として用いることがある。大気中の酸素濃度を21%とした場合の相対的な溶存酸素濃度DO値が、例えば1〜10%を、好ましくは3%〜8%を下回らない様に、通気・攪拌条件を制御することが出来る。また、培養はバッチ培養であっても、フェドバッチ培養であっても良い。フェドバッチ培養の場合は糖源となる溶液やリン酸を含む溶液を培養液に連続的あるいは不連続的に逐次添加して、培養を継続することも出来る。
形質転換される宿主は、上述したとおりであるが、大腸菌について詳述すると、大腸菌K12株亜種のエシェリヒア コリ JM109株、DH5α株、HB101株、BL21(DE3)株などから選択することが出来る。形質転換を行う方法、および形質転換体を選別する方法は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual,3rd edition,Cold Spring Harbor press(2001/01/15)などにも記載されている。以下、形質転換された大腸菌を作製し、これを用いて所定の酵素を製造する方法を、一例としてより具体的に説明する。
本発明のポリヌクレオチドを発現させるプロモーターとしては、通常E.coliにおける異種タンパク質生産に用いられるプロモーターを使用することができ、例えば、PhoA、PhoC、T7プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、ラムダファージのPRプロモーター、PLプロモーター、T5プロモーター等の強力なプロモーターが挙げられ、PhoA、PhoC、lacが好ましい。また、ベクターとしては、例えば、pUC(例、pUC19、pUC18)、pSTV、pBR(例、pBR322)、pHSG(例、pHSG299、pHSG298、pHSG399、pHSG398)、RSF(例、RSF1010)、pACYC(例、pACYC177、pACYC184)、pMW(例、pMW119、pMW118、pMW219、pMW218)、pQE(例、pQE30)、およびその誘導体等を用いてもよい。他のベクターとしては、ファージDNAのベクターを利用してもよい。さらに、プロモーターを含み、挿入DNA配列を発現させることができる発現ベクターを使用してもよい。好ましくは、ベクターは、pUC、pSTV、pMWであってもよい。
また、本発明のポリヌクレオチドの下流に転写終結配列であるターミネーターを連結してもよい。このようなターミネーターとしては、例えば、T7ターミネーター、fdファージターミネーター、T4ターミネーター、テトラサイクリン耐性遺伝子のターミネーター、大腸菌trpA遺伝子のターミネーターが挙げられる。
本発明のポリヌクレオチドを大腸菌に導入するためのベクターとしては、いわゆるマルチコピー型のものが好ましく、ColE1由来の複製開始点を有するプラスミド、例えばpUC系のプラスミドやpBR322系のプラスミドあるいはその誘導体が挙げられる。ここで、「誘導体」とは、塩基の置換、欠失、挿入および/または付加などによってプラスミドに改変を施したものを意味する。
また、形質転換体を選別するために、ベクターがアンピシリン耐性遺伝子等のマーカーを有することが好ましい。このようなプラスミドとして、強力なプロモーターを持つ発現ベクターが市販されている〔例、pUC系(タカラバイオ社製)、pPROK系(クローンテック製)、pKK233−2(クローンテック製)〕。
得られた本発明の発現ベクターを用いて大腸菌を形質転換し、この大腸菌を培養することにより、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを得ることができる。
培地としては、M9−カザミノ酸培地、LB培地など、大腸菌を培養するために通常用いる培地を用いてもよい。培地は、所定の炭素源、窒素源、補酵素(例、塩酸ピリドキシン)を含有していてもよい。具体的には、ペプトン、酵母エキス、NaCl、グルコース、MgSO、硫酸アンモニウム、リン酸2水素カリウム、硫酸第二鉄、硫酸マンガン、などを用いても良い。また、培養条件、生産誘導条件は、用いたベクターのマーカー、プロモーター、宿主菌等の種類に応じて適宜選択される。
本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを回収するには、以下の方法などがある。本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼは、本発明の形質転換体を回収した後、菌体を破砕(例、ソニケーション、ホモジナイゼーション)あるいは溶解(例、リゾチーム処理)することにより、破砕物および溶解物として得ることができる。このような破砕物および溶解物を、抽出、沈澱、濾過、カラムクロマトグラフィー等の手法に供することにより、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを得ることができる。回収において、熱処理することを含んでいてもよい。また、溶剤処理(例、キシレン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール)、界面活性剤処理(例、Tween20,Triton X−100)、溶菌酵素処理(例:リゾチーム処理)等によりさらに処理することを含んでいてもよい。
本発明はまた、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応を利用して、ケト酸からケト酸の脱炭酸生成物を生成することを含む、ケト酸の脱炭酸生成物の製造方法を提供する。
上記脱炭酸反応において材料として用いられるケト酸は、一般式:R−COCOOHにより表される。式中、Rは、HOOC−(CH)n−(nは、1〜6の整数、好ましくは1、2、3または4である)を表す。オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応により、R中のカルボキシル基(−COOH)がケト酸から脱離して炭酸分子に変換される。R中の「−(CH)n−」部分を構成する炭素原子に結合している1〜3個(好ましくは1または2個)の水素原子は、C〜Cアルキル基により置換されていてもよい(C〜Cは、基を構成する炭素原子数が1〜6であることを示す。以下同様。)。C〜Cアルキル基は、直鎖または分岐鎖のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、およびヘキシルが挙げられる。オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応の基質(ケト酸)および生成物(ケト酸の脱炭酸生成物)の組合せとしては、例えば、オキサロ酢酸およびピルビン酸の組合せ、3−メチルオキサロ酢酸および3−メチルピルビン酸の組合せ(例、Narayanan,B.C. et al.,(2008) Biochemistry 47,167−182を参照)が報告されている。
上記脱炭酸反応は、本発明の形質転換体から抽出された本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ(抽出酵素)、または本発明の形質転換体を含む反応液(例、培養液)を用いることにより達成できる。抽出酵素としては、例えば、精製酵素、粗酵素、固定化酵素、培養ブロス、培養ブロス処理物(例、上記形質転換体から調製されたデカルボキシラーゼ含有画分、上記本発明の形質転換体の破砕物および溶解物)が挙げられる。本発明の形質転換体が用いられる場合、培養ブロスは、熱処理(例、42℃〜80℃、pH3〜12、1分〜24時間)されてもよい。培養ブロスはまた、溶剤処理(例、キシレン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール)、界面活性剤(例、Tween20,Triton X−100)、溶菌酵素処理(例:リゾチーム処理)等により処理されてもよい。あるいは、培養ブロスを温度、pH等を調整しながら保持することによりブロス中に検出される酵素活性を上昇せしめた後に反応に供してもよい。この場合の温度は4℃〜60℃で、好ましくは20℃から37℃に設定され得る。また、pHは3〜12に、好ましくはpH7〜9に設定され得る。時間は5分〜20日間程度、好ましくは1時間〜7日間程度に設定され得る。ブロス保持中に通気攪拌をしても良いし、しなくとも良い。
本発明の方法により得られた脱炭酸生成物含有反応液を、カラム処理、晶析処理、抽出処理等の既知の精製方法を駆使することによって、脱炭酸生成物を精製することができる。脱炭酸生成物は、塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩)の形態であってもなくてもよい。脱炭酸生成物はまた、水和物であってもよい。
本発明はまた、アミノ基供与体の存在下でケト酸からアミノ酸を生成する能力を有するアミノ基転移酵素により触媒されるアミノ基転移反応を、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応と共役させることにより、ケト酸からアミノ酸を生成することを含む、アミノ酸の製造方法を提供する。
具体的には、上記アミノ基転移反応、および脱炭酸反応は、それぞれ、以下のとおりである。
アミノ基転移反応)ケト酸+アミノ基供与体(アミノ基供与用カルボン酸化合物)→アミノ酸+カルボン酸化合物
脱炭酸反応)カルボン酸化合物→脱炭酸生成物+CO
上記アミノ基転移反応において、アミノ基転移酵素は、アミノ基供与体(アミノ基供与用カルボン酸化合物)のアミノ基をケト酸に転移することにより、ケト酸からアミノ酸を生成する。アミノ基供与体(アミノ基供与用カルボン酸化合物)とは、アミノ基転移反応において、転移されるアミノ基、および残存するカルボキシル基の双方を有する化合物をいう。上記アミノ基転移反応により、アミノ基供与体のアミノ基がカルボニル基に変換され、ケト酸からアミノ酸の生成における副産物としてカルボン酸化合物(一般式:R−COCOOHにより表される上述したケト酸を意味する)が生成する。アミノ基転移酵素としては、例えば、アミノトランスフェラーゼ(例、L−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、システインアミノトランスフェラーゼ、グリシンアミノトランスフェラーゼ、チロシンアミノトランスフェラーゼ、ロイシンアミノトランスフェラーゼ、トリプトファンアミノトランスフェラーゼ、ヒスチジンアミノトランスフェラーゼ、フェニルアラニンアミノトランスフェラーゼ、メチオニンアミノトランスフェラーゼ、芳香族アミノ酸アミノトランスフェラーゼ)、およびトランスアミナーゼが挙げられる。上記アミノ基転移反応では、ケト酸としてはα−ケト酸が好ましい。したがって、アミノ酸としては、アミノ基供与体のアミノ基をα−ケト酸に転移することにより生成されるα−アミノ酸が好ましい。アミノ基供与体としては、α−アミノ酸(例、LまたはD−アスパラギン酸、3−メチルアスパラギン酸)が挙げられる。カルボン酸化合物は、アミノ基供与体の脱アミノ化により生成するケト酸であり、α−アミノ酸(例、LまたはD−アスパラギン酸)の脱アミノ化により生成するα−ケト酸(例、オキサロ酢酸)が好ましい。
オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒されるケト酸の脱炭酸反応は、アミノトランスフェラーゼにより触媒されるアミノ基転移反応(換言すれば、アミノ酸生成反応)と共役させることで、より多量のアミノ酸を得ることができるため、アミノ酸合成に有用である。アミノ基転移酵素により触媒されるアミノ基転移反応を、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応と共役させることで、反応の平衡を目的物の方へシフトさせ、アミノ酸やアミンを高収率で合成した例が報告されている。例えば、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ及びピルビン酸デカルボキシラーゼにより触媒される反応を共役させることによるD−Pheの合成、ならびにω−トランスアミナーゼ及びピルビン酸デカルボキシラーゼにより触媒される反応を共役させることによるキラルアミンの合成を、高い変換率で達成できることが報告されている(Hohne,M.,Kuhl,S.,Robins,K.,and Bornscheuer,U.T.(2008) Efficient Asymmetric Synthesis of Chiral Amines by Combining Transaminase and Pyruvate Decarboxylase.ChemBioChem.9,363−365)。また、分岐鎖アミノ酸アミノトランスフェラーゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、およびピルビン酸デカルボキシラーゼにより触媒される反応を共役させることで、L−tert−ロイシンやL−6−ヒドロキシノルロイシンを合成する方法が報告されている(Seo,Y.−M.et al.,(2011) J.Microbiol Biotechnol.21,1049−1052、およびSeo,Y−M. et al.,(2012) Biocat.and Biotrans.30,171−176)。
好ましい実施形態では、アミノ基転移酵素の作用によりアミノ酸(例、アスパラギン酸)から生成したケト酸(例、オキサロ酢酸)を、オキサロ酢酸デカルボキシラーゼに接触させて、生成したケト酸の分解を促進することにより、目的のアミノ酸を生成する反応の平衡を、より多量のアミノ酸を生成するようにシフトさせることができる。したがって、共役されるべきアミノ基転移反応および脱炭酸反応は、それぞれ、下記のとおりであってもよい。
アミノ基転移反応)ケト酸(例、α−ケト酸)+アスパラギン酸(例、L体またはD体)→アミノ酸(α−アミノ酸)+オキサロ酢酸
脱炭酸反応)オキサロ酢酸→ピルビン酸+CO
Figure 2014180224
製造されるアミノ酸としては、例えば、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン、およびグリシンからなる群より選ばれる、タンパク質の天然構成成分であるα−アミノ酸(これらのアミノ酸は、グリシンを除き、L体またはD体である)、ならびにその誘導体が挙げられる。α−アミノ酸の誘導体としては、例えば、上記α−アミノ酸の異性体アミノ酸、ならびにハロゲン原子(例、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ヒドロキシル基、C〜Cアルキル基(上述したものと同様)、C〜C10シクロアルキル基(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル)、アリール基(例、フェニル、ナフチル)、およびヒドロキシル基で置換されていてもよいアダマンチル基からなる群より選ばれる置換基で置換されたα−アミノ酸またはその異性体アミノ酸が挙げられる。より具体的には、α−アミノ酸の誘導体としては、例えば、ノルロイシン、tert−ロイシン、6−ヒドロキシノルロイシン、4−ヒドロキシイソロイシン、3-ヒドロキシアダマンチルグリシン、2−ナフチルアラニン、4−クロロフェニルアラニン、ホモフェニルアラニン、およびフェニルグリシンが挙げられる。したがって、アミノ基転移反応において材料として用いられるケト酸は、製造されるべき上記アミノ酸のアミノ基(−NH)がオキソ基(=O)で置き換えられている化合物である。
また、上記1)および2)の共役反応としては、例えば、以下を挙げることもできる。
Figure 2014180224
共役反応におけるアミノ基転移反応は、本発明の形質転換体から抽出されたアミノ基転移酵素(抽出酵素)、またはアミノ基転移酵素を産生する微生物を含む反応液(例、培養液)を用いることにより達成できる。アミノ基転移酵素を産生する微生物としては、例えば、アミノ基転移酵素を天然に産生する微生物、アミノ基転移酵素の発現ベクターが導入された形質転換体が挙げられる。抽出酵素としては、例えば、精製酵素、粗酵素、固定化酵素、培養ブロス、培養ブロス処理物(例、上記微生物から調製されたアミノ基転移酵素含有画分、上記微生物の破砕物および溶解物)が挙げられる。共役反応における脱炭酸反応は、本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを用いる上述した方法により達成できる。共役反応の様式としては、例えば、a)アミノ基転移酵素(抽出酵素)およびデカルボキシラーゼ(抽出酵素)を用いる方法、b)アミノ基転移酵素を産生する微生物および本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ(抽出酵素)を用いる方法、c)アミノ基転移酵素(抽出酵素)および本発明の形質転換体を用いる方法、d)アミノ基転移酵素を産生する微生物および本発明の形質転換体を用いる方法、e)アミノ基転移酵素および本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを産生する微生物(例、両酵素をコードする遺伝子を含む1または2の発現ベクターが導入された形質転換体、および本発明の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードする遺伝子を含む発現ベクターがアミノ基転移酵素を産生する微生物に導入された形質転換体)を用いる方法が挙げられる。微生物を用いる場合、培養ブロスは、熱処理(例、42℃〜80℃、pH3〜12、1分〜24時間)されてもよい。培養ブロスはまた、溶剤処理(例、キシレン、トルエン、エタノール、イソプロピルアルコール)、界面活性剤(例、Tween20,Triton X−100)、溶菌酵素処理(例:リゾチーム処理)等により処理されてもよい。あるいは、培養ブロスを温度、pH等を調整しながら保持することによりブロス中に検出される酵素活性を上昇せしめた後に反応に供してもよい。この場合の温度は4℃〜60℃で、好ましくは20℃から37℃に設定され得る。また、pHは3〜12に、好ましくはpH7〜9に設定され得る。時間は5分〜20日間程度、好ましくは1時間〜7日間程度に設定され得る。ブロス保持中に通気攪拌をしても良いし、しなくとも良い。反応液は、適切な条件(例、温度、pH、時間)下で殺菌されてもよい。
アミノ基転移反応および脱炭酸反応の共役反応は、1つの反応槽中で実施でき、共役反応の間に基質が補充されてもよい。例えば、基質は、バッチ法またはフィード法により反応系に添加されてもよい。酵素、酵素発現菌体、酵素発現菌体処理物、培養ブロス、または培養ブロス処理物もまた、バッチ法またはフィード法により反応系に添加されてもよい。
本発明の方法により得られたアミノ酸含有反応液を、カラム処理、晶析処理、抽出処理等の既知の精製方法を駆使することによって、アミノ酸を単離および/または精製することができる。アミノ酸は、塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩)の形態であってもなくてもよい。アミノ酸はまた、水和物であってもなくてもよい。
以下の実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1:PpODC発現プラスミドの作製
Pseudomonas putida KT2440由来carboxyphosphoenolpyruvate phosphonomutase, putative (PpODC,GenBankアクセッション番号:AAN67012.1,配列番号2)の遺伝子配列の開始コドンをatgに変更し、5’末端にNdeI認識配列を、3’末端の終止コドンの直前にXhoI認識配列を付与したDNA配列を、GenScript社のOptimum Gene Codon Optimization Analysisに供し、E. coliでの遺伝子発現効率が最適化された合成DNAを得た。配列番号1のヌクレオチド配列は、この合成DNAのヌクレオチド配列のうち、配列番号2のアミノ酸配列をコードする部分のヌクレオチド配列である。
合成DNAをNdeI、XhoIで制限酵素処理し、同様にNdeI、XhoIで処理したpET−22b(Novagen)とライゲーションした。このライゲーション溶液でE.coli JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドpET−22−PpODC−His(C)を抽出した。このプラスミドを用いて、pSFN−PpODC−His(C)を作製した。以下のような方法で作製することができる。
pET−22−PpODC−His(C)を鋳型として、PpODC遺伝子を含むDNA断片をPCR増幅する。プライマーは、プライマーT7pro(5’−taatacgactcactataggg−3’:配列番号3)およびプライマーXhoHisPst_RV(5’−aaaactgcagtcagtggtggtggtggtggtgctcgag−3’:配列番号4)を用いる。PCRはKOD−Plus−ver.2(東洋紡)を用いて以下の条件で行う。
1 cycle 94℃、2min
25 cycles 98℃、10sec
55℃、10sec
68℃、1min
1 cycle 68℃、1min
4℃
増幅したDNA断片をNdeI、PstIで制限酵素処理し、同様にNdeI、PstIで制限酵素処理したpSFN(国際公開第2006/075486号に記載のベクター)のベクター側断片とライゲーションする。このライゲーション溶液でE.coli JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドpSFN−PpODC−His(C)を抽出する。
実施例2:PpODC変異ライブラリーの構築
Error−prone PCRによるランダム変異導入は、Agilent Technology社製GeneMorphII Random Mutagenesis Kitのプロトコルに準拠して行った。実施例1で作製したpSFN−PpODC−His(C)を鋳型として、PpODC遺伝子を含むDNA断片をPCR増幅した。プライマーは、プライマーpSFN_PpODC_FW(5’−caccgtaaggaggaatgcatatg−3’:配列番号5)およびプライマーpSFN_PpODC_RV(5’−gtggtggtggtggtggtgctcgag−3’:配列番号6)を用いた。PCRはKOD−Plus−ver.2(東洋紡)を用いて以下の条件で行った。
1 cycle 94℃、2min
25 cycles 98℃、10sec
55℃、10sec
68℃、1min
1 cycle 68℃、1min
4℃
得られたDNA断片を鋳型として、GeneMorphII Random Mutagenesis Kitを用いてError−prone PCRを行った。PCRは以下の条件で行った。
1 cycle 95℃、2min
30 cycles 95℃、1min
55℃、1min
72℃、1min
1 cycle 72℃、10min
4℃
増幅したDNA断片をNdeI、XhoIで制限酵素処理し、同様にNdeI、XhoIで制限酵素処理したpSFN−PpODC−His(C)のベクター側断片とライゲーションした。このライゲーション溶液でE.coli JM109を形質転換した。形質転換体を角形大プレートに入ったLB−amp(100mg/l)寒天培地に塗布し、コロニーを形成させてPpODC変異ライブラリーとした。
実施例3:熱安定性が向上した変異型PpODCの選抜(1stラウンド)
PpODC変異ライブラリーより変異体をコロニーピッカーにて採取し、96 deep well plateに入ったアンピシリン100mg/lを含むTB培地1mlに植菌し、37℃で24時間、1000rpmにて振とう培養を行った。得られた培養液を96 well plateに50μlずつ分注し、65℃の湯浴で1時間インキュベートした。その後、Bugbuster Maseter Mix(メルク)150μlを添加して室温で10分間静置し、得られた菌体破砕液40μlに反応液160μlを添加してODC活性(脱炭酸反応によりオキサロ酢酸からピルビン酸を生成する活性。以下同様)を測定した。
ODC活性測定条件:OAA 10mM、Tris−HCl(pH8.0)100mM、NADH 0.25mM、LDH 10U/ml、25℃。340nmの吸光度の減少から活性を算出。LDHはD−Lactate dehydrogenase from Leuconostoc mesenteroides(オリエンタル酵母)を用いた。
高い活性を示した上位100株の培養液50μlを96 deep well plateに入ったアンピシリン100mg/lを含むTB培地1mlに植菌し、37℃で20時間、1000rpmにて振とう培養を行った。得られた培養液を96 well plateに50μlずつ分注し、70℃の湯浴で1時間インキュベートした後、上記と同様の方法で菌体を破砕、ODC活性を測定した。70℃の処理後に活性を示した15株の培養液150μlをアンピシリン100mg/lを含むTB培地3mlに植菌し、37℃で15時間、120rpmにて振とう培養を行った。得られた培養液を60℃または70℃の湯浴で1時間インキュベートした後、培養液100μlにBugbuster Maseter Mix(メルク)400μlを添加して室温で10分間静置し、上記の条件でODC活性を測定した。熱処理なしの培養液の菌体も同様に破砕、ODC活性を測定した。60℃の処理後に高い残存活性を示したID1、4のプラスミドを回収してヌクレオチド配列を決定し、ID1にはM34I、ID4にはM3I/S154N(ID4−1)、またはS154N(ID4−3)の変異が導入されていることを確認した。
Figure 2014180224
実施例4:熱安定性が向上した変異型PpODCの選抜(2ndラウンド)
PpODC変異ライブラリーより変異体をコロニーピッカーにて採取し、96 deep well plateに入ったアンピシリン100mg/lを含むTB培地1mlに植菌し、37℃で24時間、1000rpmにて振とう培養を行った。得られた培養液を96 well plateに50μlずつ分注し、65℃の湯浴で1時間インキュベートした。その後、Bugbuster Maseter Mix(メルク)150μlを添加して室温で10分間静置し、得られた菌体破砕液40μlに反応液160μlを添加してODC活性を測定した。活性測定は実施例3に記載の条件で行った。
高い残存活性を示した上位88株の培養液を96 well plateに50μlずつ分注し、65℃または70℃の湯浴で1時間インキュベートした後、上記と同様の方法で菌体を破砕、ODC活性を測定した。熱処理なしの培養液の菌体も同様に破砕し、ODC活性を測定した。65℃および70℃の処理後に高い残存活性を示したID37、45、47、53、79、80のプラスミドを回収してヌクレオチド配列を決定し、ID37、45、47にはA243T、ID53にはA243S、ID79にはF64V、ID80にはM3I/A243Tの変異が導入されていることを確認した。
Figure 2014180224
実施例5:部位特異的変異による変異型PpODC発現プラスミドの作製
部位特異的変異による変異型PpODC発現プラスミドの作製はStratagene社製QuikChange Site−Directed Mutagenesis Kitのプロトコルに準拠して行った。目的とするヌクレオチド残基の変異(置換)を導入し、かつ2本鎖DNAの各々の鎖に相補的になるように設計した1セットのDNAプライマーを合成した。作製した変異体と作製に用いたプライマーのヌクレオチド配列をそれぞれ表5、6に示す。ID81、82、83の作製にはpSFN−PpODC80−His(C)を、ID84、85の作製にはpSFN−PpODC37−His(C)を、ID86、87の作製にはpSFN−PpODC53−His(C)をそれぞれ鋳型とし、以下のPCR条件で変異型プラスミドを作製した。
1 cycle 95℃ 1 min
18 cycles 95℃ 30 sec
55℃ 1 min
68℃ 8 min
cycles終了後 4℃
メチル化DNAを認識して切断する制限酵素DpnI処理(37℃、1hr)によって鋳型pSFN−PpODC80−His(C)、pSFN−PpODC37−His(C)、またはpSFN−PpODC53−His(C)を切断した後に、得られた反応液でE.coli JM109を形質転換した。形質転換体よりプラスミドを回収してヌクレオチド配列を決定し、目的とするヌクレオチド残基の変異(置換)が導入されていることを確認した。
Figure 2014180224
Figure 2014180224
実施例6:変異型PpODCの発現および精製
実施例3、4、5で得られたpSFN−PpODCmut−His(C)をNdeI、XhoIで制限酵素処理し、同様にNdeI、XhoIで処理したpET−22b(Novagen)とライゲーションした。このライゲーション溶液でE.coli JM109を形質転換し、アンピシリン耐性株の中から目的のプラスミドpET−22−PpODCmut−His(C)を抽出した。pET−22−PpODCmut−His(C)でE.coli BL21(DE3)を形質転換し、変異型PpODC発現株pET−22−PpODCmut−His(C)/E.coli BL21(DE3)を作製した。LB−amp(100mg/l)プレート上で生育させた変異型PpODC発現株pET−22−PpODCmut−His(C)/E.coli BL21(DE3)の菌体を、アンピシリン100mg/lを含むOvernight Express Instant TB Medium(メルク)100mlに植菌し、37℃で16時間、坂口フラスコを用いて振とう培養を行った。培養終了後、得られた培養液より菌体を遠心分離により集め、Tris−HCl(pH7.6) 20mM、NaCl 300mM、Imidazole 10mMにて洗浄、懸濁し、超音波破砕を行った。遠心分離により破砕液から菌体残渣を除き、得られた上清を可溶性画分とした。得られた可溶性画分を、Tris−HCl(pH7.6) 20mM、NaCl 300mM、Imidazole 10mMで平衡化したHis−tagタンパク質精製カラムHis TALON superflow 5ml Cartridge(Clontech)に供して担体に吸着させた。担体に吸着しなかったタンパク質(非吸着タンパク質)をTris−HCl(pH7.6) 20mM、NaCl 300mM、Imidazole 10mMを用いて洗い流した後、Tris−HCl(pH7.6) 20mM、NaCl 300mM、Imidazole 150mMを用いて、5ml/minの流速で吸着したタンパク質の溶出を行った。得られた画分を集めて、アミコン ウルトラ−15 30kDa(ミリポア)を用いて濃縮した。濃縮液をTris−HCl(pH7.6) 20mMで希釈し、変異型PpODC溶液とした。必要に応じて、培養液量、His TALONカラムの連結数を増やして精製を行った。
実施例7:比活性の測定
実施例6で調製した変異型PpODC溶液を酵素源として用いた。酵素の希釈にはTris−HCl(pH7.6) 20mM、BSA0.01%を用いた。活性測定は以下の条件で行った。
ODC活性測定条件:OAA 1mM、Tris−HCl(pH8.0)100mM、NADH 0.25mM、LDH 10U/ml、25℃。340nmの吸光度の減少から活性を算出。
タンパク質の濃度の測定は、プロテインアッセイCBB溶液(ナカライテスク)の5倍希釈液を用いて行った。
Figure 2014180224
実施例8:変異型PpODCの熱安定性解析
実施例6で調製した変異型PpODC溶液を酵素源として用いた。酵素濃度が0.1mg/mlになるようにTris−HCl(pH7.6) 20mMで希釈し、ODC活性を測定した。本希釈液を25、30、37、40、42、50、55、60、70℃の水浴で1時間インキュベートした後、ODC活性を測定し、温度処理前の活性に対する処理後の活性の割合を算出し、活性の残存率(%)を調べた。活性測定は、実施例7に記載の条件で行った。酵素の熱安定性の指標として、酵素活性が半減する温度(Tm)について変異体と野生体で比較すると、いずれの変異体においても、Tm値の向上が認められた。ID82ではTm値が62.8℃、ID85では62.4℃、ID81では62.0℃と、特に高い熱安定性を有していた。
Figure 2014180224
実施例9:変異型PpODCのpH安定性解析
実施例6で調製した変異型PpODC溶液を酵素源として用いた。酵素濃度が0.1mg/mlになるように、Acetate−Na(pH5.0)100mM、Tris−HCl(pH7.5)100mM、またはBorate−Na(pH9.5)100mM溶液で希釈し、25℃で1時間インキュベートした。ODC活性を測定し、pH処理前の活性に対する処理後の活性の割合を算出し、活性の残存率(%)を調べた。活性測定は、実施例7に記載の条件で行った。pH5.0で処理した後の残存活性は、ID85で77%、ID87で75%と、野生体の42%と比較して向上しており、酸性条件下での酵素の安定性が向上していた。pH9.5で処理した後の残存活性は、ID37で68%、ID85で66%と、野生体の54%と比較して向上しており、塩基性条件下での酵素の安定性が向上していた。
Figure 2014180224
本発明は、ケト酸の脱炭酸生成物およびアミノ酸の製造などに有用である。

Claims (14)

  1. 配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列において、配列番号2のアミノ酸配列における3位、34位、64位、154位および243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含む、熱安定性が向上した変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
  2. 配列番号2のアミノ酸配列と70%以上の同一性を示すアミノ酸配列が、シュードモナス属またはマリノモナス属に属する微生物に由来する野生型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼのアミノ酸配列である、請求項1記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
  3. 1以上のアミノ酸残基の変異が、下記(i)〜(v)からなる群より選ばれる置換である、請求項1または2記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ:
    (i)3位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
    (ii)34位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のイソロイシン残基への置換;
    (iii)64位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のバリン残基への置換;
    (iv)154位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のアスパラギン残基への置換;
    (v)243位のアミノ酸残基に相当するアミノ酸残基のスレオニンまたはセリン残基への置換;および
    (vi)(i)から(v)の組み合わせ。
  4. 配列番号2のアミノ酸配列において、3位のメチオニン残基、34位のメチオニン残基、64位のフェニルアラニン残基、154位のセリン残基および243位のアラニン残基からなる群より選ばれる1以上のアミノ酸残基の変異を含む、請求項1記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
  5. 1以上のアミノ酸残基の変異が、下記(i)〜(v)からなる群より選ばれる置換である、請求項4記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ:
    (i)3位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
    (ii)34位のメチオニン残基のイソロイシン残基への置換;
    (iii)64位のフェニルアラニン残基のバリン残基への置換;
    (iv)154位のセリン残基のアスパラギン残基への置換;
    (v)243位のアラニン残基のスレオニンまたはセリン残基への置換;および
    (vi)(i)から(v)の組み合わせ。
  6. さらにpH安定性および/または比活性が向上している、請求項1〜5のいずれか一項記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼ。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼをコードするポリヌクレオチド。
  8. 請求項7記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
  9. 請求項8記載の発現ベクターを含む形質転換体。
  10. 請求項9記載の形質転換体を用いて変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼを生成することを含む、変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼの製造方法。
  11. 請求項1〜6のいずれか一項記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応を利用して、ケト酸からケト酸の脱炭酸生成物を生成することを含む、ケト酸の脱炭酸生成物の製造方法。
  12. ケト酸がオキサロ酢酸であり、ケト酸の脱炭酸生成物がピルビン酸である、請求項11記載の方法。
  13. アミノ基供与体の存在下でケト酸からアミノ酸を生成する能力を有するアミノ基転移酵素により触媒されるアミノ基転移反応を、請求項1〜6のいずれか一項記載の変異型オキサロ酢酸デカルボキシラーゼにより触媒される脱炭酸反応と共役させることにより、ケト酸からアミノ酸を生成することを含む、アミノ酸の製造方法。
  14. アミノ基転移反応が下記1)の反応であり、脱炭酸反応が下記2)の反応である、請求項13記載のアミノ酸の製造方法。
    1)ケト酸+アスパラギン酸→アミノ酸+オキサロ酢酸
    2)オキサロ酢酸→ピルビン酸+CO
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023142871A1 (zh) * 2022-01-30 2023-08-03 廊坊梅花生物技术开发有限公司 一种修饰的棒状杆菌属微生物及其构建方法与应用

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