JP2014179045A - 入力指示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータ等を用いて回転駆動により振動を発生させるタッチペン等の入力デバイスでは、操作者に繊細な感触を与えることができなかった。
【解決手段】入力指示装置は、制御信号に基づいて伸縮し、第1方向の伸縮量よりも第1方向とは異なる第2方向の伸縮量が大きい伸縮部と、伸縮部の伸縮に基づいて変形する変形部と、入力指示を与えるための入力面に接触される接触部と、変形部を変形させて接触部が操作者へ与える知覚を変化させる制御信号を生成する制御部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力指示装置に関する。
モータ等を用いて回転駆動により振動を発生させるタッチペンが知られている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2008−242894号公報
モータ等を用いて回転駆動により振動を発生させるタッチペン等の入力デバイスでは、操作者に繊細な感触を与えることができなかった。
本発明のひとつの態様における入力指示装置は、制御信号に基づいて伸縮し、第1方向の伸縮量よりも第1方向とは異なる第2方向の伸縮量が大きい伸縮部と、伸縮部の伸縮に基づいて変形する変形部と、入力指示を与えるための入力面に接触される接触部と、変形部を変形させて接触部が操作者へ与える知覚を変化させる制御信号を生成する制御部とを備える。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
第1実施例に係るスタイラスペンの操作状態を説明する模式斜視図である。 第1実施例に係るスタイラスペンとタブレットのシステム構成図である。 第1実施例に係るスタイラスペンの接触部を説明する模式図である。 第1実施例に係るスタイラスペンの第1の動作状態を説明する説明図である。 第1実施例に係るスタイラスペンの第2の動作状態を説明する説明図である。 第1実施例に係るスタイラスペンの第3の動作状態を説明する説明図である。 第1実施例に係るスタイラスペンの第1及び第3の動作状態を説明するフロー図である。 第2実施例と第3実施例に係るSMA線の配線方法の説明図である。 第4実施例に係るスタイラスペンの説明図である。 第1実施例に係るスタイラスペンの視覚的変化を説明する説明図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本実施形態における以下の各実施例に係る入力指示装置は、線状又は板状に加工された形状記憶合金の収縮、伸長を利用して、入力指示装置を操作する操作者に疑似的感覚を付与する装置である。疑似的感覚とは、例えば操作者が入力指示装置を用いてテレビモニターのような平滑面をなぞった場合に、あたかも凸凹な紙面上をなぞっているような感覚である。操作者は、例えば凸凹している面をペンでなぞったとき、凸凹の周期、凸凹の大きさ等によって感触が異なる。凸凹が小さい場合は、テレビモニターのようなつるつるした触感を感じ、凸凹が大きい場合には、紙面のようなざらざらした感覚を感じる。
図1は、第1実施例に係るスタイラスペン100の操作状態を説明する模式斜視図である。本実施例に係るスタイラスペン100は、操作者が把持する把持部140と、把持部140の一端に接着により固定された変形部130と、線状の伸縮部であるSMA(Shape Memory Alloy)線120とを備える。さらに、スタイラスペン100は、ペン先の接触または筆圧を検出する圧力センサ103と、スタイラスペン100の電源をオン・オフする電源スイッチ150と、スタイラスペン100で呈示する感覚の複数のモードを切り替えるモード切替スイッチ160とを備える。
把持部140は、円柱状の中空な剛性部材からなり、例えばアクリルにより形成されている。また、把持部140の内部には、詳しくは後述するメモリ等が内蔵されている。
変形部130は、スタイラスペン100の先端部分を構成し、略円錐形状の弾性体からなる。変形部130は、例えば絶縁性のシリコンゴムにより形成されている。変形部130の底面は、把持部140の端面に接着により固定されている。
SMA線120は、例えばチタンとニッケルの合金を線状に加工した形状記憶合金である。SMA線120は、変形部130の円錐側面に複数独立して設置されている。SMA線120の設置及び配線方法についての詳細は後述する。線状に加工されたSMA線120は、外力および自身の伸縮力により曲がることができ、ねじれることができる。また、SMA線120は、断面方向(動径方向、第1方向)の伸縮量よりも延伸方向(線が延びる方向、第2方向)の伸縮量が大きい。
変形部130とSMA線120は、接触部110を構成する。接触部110は、操作者がスタイラスペン100を使用するときに、タブレット400のタッチパネル403に接触する。
圧力センサ103は、互いに接着される把持部140の端面と変形部130の円錐底面との間に挟み込まれて固定されている。圧力センサ103としては、例えばひずみゲージが用いられる。圧力センサ103の検出回路等について、詳しくは後述する。
電源スイッチ150は、把持部140の円柱端面のうち、圧力センサ103と反対側に設けられた押しボタン式のスイッチである。操作者は、スタイラスペン100を使用するときに、電源スイッチ150を押下することによって、スタイラスペン100の電源を入れることができる。
モード切替スイッチ160は、把持部140の円柱側面に設けられたスライド式のスイッチである。モード切替スイッチ160がスライドする周囲の把持部140には、例えば「上質紙」「ボール紙」「壁紙」のように、感覚をシミュレートする複数のモードが並記されている。操作者は、モード切替スイッチ160をスライドさせることにより、モードを選択することができる。
本実施例において、操作者は、スタイラスペン100を用いてタブレット400に筆記する。スタイラスペン100は、圧力センサ以外にも検出センサを複数備え得る。スタイラスペン100は、内蔵する複数の検出センサから情報を得るだけでなく、タブレット400と通信することによって、タブレット400からも情報を得ることができる。後述するペン制御部は、内蔵する複数の検出センサ又はタブレット400からの情報を受けてSMA線120を制御する。これにより、操作者は、平滑なタッチパネル403上で、例えば紙面上を運筆している感覚を得られる。なお、スタイラスペン100から受ける操作者の感覚は操作者によって様々であるが、ペン制御部は、多くの操作者が紙面上を運筆していると感じるようにSMA線120を制御する。例えば、より多くの操作者が紙面上を運筆していると感じる伸縮データを事前の実験等により取得しておくことができる。
また、操作者は、ディスプレイ405がタッチパネル403上の筆跡をリアルタイムで表示することによって、紙面上での運筆感を視覚的に感じることができる。さらに、操作者は、スタイラスペン100の変形部130が後述する形状変化をすることによって、同様に、紙面上での運筆感を視覚的に感じることができる。当該システムについて、図2を用いて詳述する。
図2は、第1実施例に係るスタイラスペン100とタブレット400のシステム構成図である。本実施例において、スタイラスペン100は、上記構成に加えて、ペン制御部101と、操作部102と、受信部104と、メモリ105と、加速度センサ106と、重力センサ107と、撮像センサ108とを備える。
操作部102は、電源スイッチ150とモード切替スイッチ160を含む。操作者が電源スイッチ150を押下することにより電源の入力が行われると、操作部102は、ペン制御部101に入力信号を送信する。また、操作者がモード切替スイッチ160をスライドさせることによりモードの切り替えが行われると、操作部102は、ペン制御部101に切り替えに応じた信号を送信する。
受信部104は、タブレット400からの情報を受信する。そして、受信部104は、受信した情報をペン制御部101に送信する。
メモリ105は、スタイラスペン100を制御する様々なプログラムの他、例えば入力面において特定の材質をシミュレートするための情報を複数記憶している。当該情報は、例えば、ボール紙の表面における典型的な凸凹に対応する周波数情報である。また、メモリ105は、様々なしきい値を記憶している。しきい値は、例えば、スタイラスペン100の入力面に対する傾斜角である。さらに、メモリ105は、様々な文字の書き順、綴り、または文法等を記憶している。
圧力センサ103は、スタイラスペン100の接触部110が入力面に接触したことを検出する。そして、圧力センサ103は、選択回路113に接触があったことを示す信号を検出結果として送信する。選択回路113は、主にA/D変換を行う回路である。選択回路113は、圧力センサ103からアナログ信号を受信すると、デジタル信号に変換し、ペン制御部101に送信する。
加速度センサ106は、入力面上を移動するスタイラスペン100の、面方向及び鉛直方向の変位を検出する。そして、加速度センサ106は、ペン制御部101に面方向又は鉛直方向の変位の検出結果を送信する。
重力センサ107は、スタイラスペン100の入力面に対する傾斜角を検出する。そして、重力センサ107は、ペン制御部101に傾斜角の検出結果を送信する。
撮像センサ108は、入力面の状態を検出する。入力面の状態とは、例えば凸凹状態、傾斜状態である。そして、撮像センサ108は、ペン制御部101に入力面の状態の検出結果を送信する。なお、撮像センサ108は、ハードウェアとしての画像処理部および解析部を含んで、解析結果を入力面の状態としてペン制御部101へ送信しても良いし、画像処理、解析等をペン制御部101が行うように、取得した画像データをペン制御部に送信しても良い。
ペン制御部101は、圧力センサ103から接触の検出結果を受け取ると、スタイラスペン100の使用が開始されたと判断する。
ペン制御部101は、加速度センサ106からスタイラスペン100の入力面方向の変位の検出結果を受け取ると、スタイラスペン100の面方向の移動速度を算出する。そして、ペン制御部101は、メモリ105に記憶している入力面の凸凹の周波数情報と面方向の移動速度から、SMA線120の伸縮が繰り返される周波数を決定する。また、ペン制御部101は、鉛直方向の変位の検出結果を受け取ると、入力面上の高低差を算出する。そして、ペン制御部101は、入力面上の高低差から、SMA線120の伸縮量を決定する。
ペン制御部101は、撮像センサ108から入力面の状態の検出結果を受け取ると、例えば入力面を移動する把持部140の鉛直方向の変位を一定とするために、SMA線120の制御方法を決定する。そして、ペン制御部101は、決定結果に基づき、SMA線120を制御する。
以上のように、ペン制御部101は、上記複数の検出センサからの検出結果、操作部102からの入力信号または受信部104からの入力信号を受け取ると、SMA線120を適宜伸縮させる目的で、SMA線120に印加する電圧の制御を行う。検出回路121は当該制御信号をペン制御部101から受信し、通電させるSMA線120に接続されたスイッチを選択して閉じる。電圧の制御方法は、例えばPWM方式である。また、ペン制御部101は、メモリ105から多様な情報を適宜呼び出して参照する。
タブレット400は、タブレット制御部401と、操作部402と、タッチパネル403と、送信部404と、ディスプレイ405とを備える。
操作部402は、タブレット400に設けられた外部スイッチを含む。外部スイッチは、例えば細字・太字選択スイッチである。操作者が当該スイッチを操作すると、操作部402は、タブレット制御部401に選択された入力信号を送信する。
タッチパネル403は、スタイラスペン100の接触位置を、例えば静電容量方式によって検出する。そして、タッチパネル403は、タブレット制御部401に接触位置の検出結果を送信する。
タブレット制御部401は、操作部402からの入力信号を受け取ると、送信部404に当該信号を出力する。または、タブレット制御部401は、当該信号を受け取ると、例えば当該信号が細字の選択である場合、ディスプレイ405上に細字の筆跡を表すための制御をする。
また、タブレット制御部401は、タッチパネル403からスタイラスペン100の接触位置の検出結果を受け取ると、送信部404に検出結果を出力する。または、タブレット制御部401は、当該検出結果を受け取ると、ディスプレイ405に筆跡を表示させる。
図3は、第1実施例に係るスタイラスペン100の接触部110を説明する模式図である。上述の通り、接触部110は、変形部130とSMA線120で構成される。
変形部130には、8本の溝が45度間隔で円錐側面に形成されている。各溝の延伸方向の終端の一方には電源電極171が固定されており、他方には接地電極172が固定されている。溝の深さは、SMA線120の厚さより浅い。
SMA線120は、一端が電源電極171に固定され、他端が接地電極172に固定されている。また、SMA線120は、変形部130の上記溝に嵌め込まれ、例えば接着剤によって固着されている。これにより、SMA線120の収縮によって、変形部130が収縮するように変形させることができる。SMA線120を変形部130の表面に接着する場合に比べ、溝に嵌め込んで接着する方がSMA線120と変形部130との接着面積が大きいので、外力に対するSMA線120の耐久性を向上することができる。
電源電極171は、スイッチ240を介して電源線210に接続されている。電源線210は、電源スイッチのオン状態において電源電位に保たれる。接地電極172は、グランド線220に接続されている。グランド線220は、接地電位に保たれる。
アドレス線230は、ペン制御部101に接続された選択回路113を、スイッチ240に接続する信号回路線である。検出回路線250は、ペン制御部101に接続された検出回路121を、圧力センサ103に接続する信号回路線である。
スイッチ240は、SMA線120と電源線210の間に組み込まれており、選択回路113に接続されたアドレス線230の指令により開閉するスイッチング素子である。スイッチ240が閉じられると、SMA線120に電流が流れる。すると、SMA線120は、発熱することによって延伸方向に収縮する。そして、SMA線120が外周の溝に接着された変形部130は、SMA線120の収縮と共に変形される。
ここで、変形部130に設けられた8本のSMA線120に対して、それぞれ独立のスイッチ240が組み込まれている。したがって、スイッチ240の開閉を制御するペン制御部101は、選択回路113を介して8本のSMA線120を独立制御することにより、変形部130の形状を制御することができる。スイッチ240の独立制御について、詳しくは後述する。
接触部110が入力面に接触すると、圧力センサ103が当該接触に応じた出力信号を、検出回路線250を介して検出回路121に出力する。検出回路121は、検出結果をペン制御部101に引き渡す。
ペン制御部101は、圧力センサ103からの検出結果を受け取ると、前述の加速度センサ106から受け取るペン変位情報等の他の条件と併せて、スイッチ240の開閉動作を決定する。例えば、ペン制御部101がスイッチ240を全て閉状態とする決定をすると、当該決定に対する指令がアドレス線230を介してスイッチ240へ送られ、スイッチ240は全て閉じられる。すると、8本のSMA線120に電流が流れ、SMA線120は発熱して収縮し、変形部130は側面から等しい力を受けて、収縮するように変形される。さらに、ペン制御部101は、微小時間経過後にスイッチ240を開く。すると、SMA線120は放熱して元の長さまで戻り、変形部130は元の形状に戻る。これにより、操作者は、例えば平滑面でスタイラスペン100を運筆するときに、スタイラスペン100が上下するのを感じることができる。変形部130が当該伸縮を連続的に繰り返し、当該伸縮がスタイラスペン100の把持部140に微小振動として伝わると、スタイラスペン100を運筆する操作者は、平滑面をザラザラな面として感じられる。
ここで、図4から図7を用いて、スタイラスペン100の動作状態について詳述する。第1及び第2の動作状態では、スイッチ240の開閉動作を全て同時に行う。したがって、変形部130は、スタイラスペン100の中心軸に沿って先端から圧縮されるように変形する。一方、第3の動作状態では、スイッチ240の開閉動作は個別独立に行う。したがって、変形部130は、中心軸を逸れた先端部周辺から圧縮されるように変形する。
図4は、第1実施例に係るスタイラスペン100の第1の動作状態を説明する説明図である。第1の動作状態とは、スタイラスペン100が、平滑な入力面上を筆圧P(0)で移動しながら、SMA線120の伸縮による微小振動を、連続的に繰り返す状態である。ここで、入力面は、タブレット400のタッチパネル403表面の他、例えばテレビモニター、ホワイトボードなどの表面が挙げられる。
図4(a)は、スタイラスペン100の水平変位量Lと鉛直変位量Zの関係を示した図である。図4(b)は、接触部110の形状変化を説明する図である。
図4(a)では、横軸をスタイラスペン100の水平変位量Lとし、縦軸を鉛直変位量Zとする。原点は、スタイラスペン100の移動開始時とする。
図示するように、接触部110のうち入力面に接する先端部の変位Zと、把持部140の重心の変位Zをグラフ化した。図中において、上の曲線が把持部140の変位Zを表し、下の直線が接触部110の変位Zを表す。
把持部140のグラフは、正弦曲線である。振幅は2Dとし、Z切片はZHBとする。縦軸上のZHA、ZHCは、鉛直変位量Zがそれぞれ最大、最小となる値である。また、ZHBは、ZHAとZHCの中間値である。すなわち、ZHAはZHBよりDだけ大きく、ZHCはZHBよりDだけ小さい。また、接触部110のグラフは、鉛直変位量ZがZS0で一定である。
第1の動作状態において、スタイラスペン100が水平方向に移動を開始すると、接触部110の鉛直変位量ZはZS0で一定である。一方で、把持部140の鉛直変位量Zは、移動開始時のZHBから、ZHA、ZHB、ZHC、ZHBと縦軸方向に連続的で緩やかな変位を繰り返す。スタイラスペン100を用いて、かかる第1の動作状態を再現するための制御を、図4(b)を用いて説明する。
図4(b)では、接触部110の形状変化を3つの状態に分けて示している。図4(b)における状態(A)、状態(B)、状態(C)は、図4(a)における縦軸上のZHA、ZHB、ZHCに各々対応する。
状態(A)においては、ペン制御部101がスイッチ240を開き、SMA線120が非収縮状態となっている。かかる場合、接触部110は、SMA線120によって圧縮されるような変形力を受けておらず、スタイラスペン100の中心軸の延伸方向に最も長い状態である。状態(C)においては、ペン制御部101がスイッチ240を閉じ、SMA線120が最大収縮状態となっている。かかる場合、接触部110は、SMA線120によって圧縮されるような変形力を最大限受けており、スタイラスペン100の中心軸の延伸方向に最も短い状態である。状態(B)においては、ペン制御部101がスイッチ240の開閉を微小時間で繰り返し、SMA線120が非収縮と最大収縮の間の中間の収縮状態となっている。すなわち、PWM制御におけるデューティー比を調整することにより、中間収縮状態を実現している。かかる場合、接触部110は、SMA線120によって圧縮されるような変形力を受けており、上記最大の長さと最小の長さの略中間の長さの状態である。ただし、当該変形力は、上記最大限の変形力より小さい。
上記3つの状態において、同一の平滑な入力面に対し、スタイラスペン100の接触部を接触させている。図示するように、把持部140の変位は、状態(B)を基準とすると、状態(A)では鉛直正方向に距離Dだけ変位し、状態(C)では鉛直負方向に距離Dだけ変位している。すなわち、ペン制御部101がSMA線120の収縮量を制御することによって、図4(a)で示した第1の動作状態を再現することができる。
以上より、本実施例によれば、スタイラスペン100を平滑な入力面上で移動させながら、SMA線120の伸縮による微小振動を、連続的に繰り返すことができる。したがって、スタイラスペン100を用いて、操作者に対して平滑な面上で凸凹の表面があるように感じさせることができる。そのため、操作者は、スタイラスペン100で平滑面上を運筆することにより、凸凹の表面を持つ、例えば紙面の上をなぞるような感覚を得る場合がある。
図5は、第1実施例に係るスタイラスペン100の第2の動作状態を説明する説明図である。第2の動作状態とは、スタイラスペン100が、凸凹な入力面上を筆圧P(0)で移動しながら、把持部140の鉛直方向の変位をオフセットするように、SMA線120の伸縮による微小振動を繰り返す状態である。ここで、入力面は、例えば壁紙、発泡スチロール、木目の机の表面である。なお、このような表面をスタイラスペン100が運筆される場合は、先端からインクが実際に吐出されるようにスタイラスペン100を構成すると良い。
図5(a)は、スタイラスペン100の水平変位量Lと鉛直変位量Zの関係を示した図である。図5(b)は、入力面の形状に対応させて、接触部110の形状変化を説明する図である。
図5(a)では、横軸をスタイラスペン100の水平変位量Lとし、縦軸を鉛直変位量Zとする。原点は、スタイラスペン100の移動開始時とする。
図示するように、接触部110のうち入力面に接する先端部の変位Zと、把持部140の重心の変位Zをグラフ化した。図中において、上の直線が把持部140の変位Zを表し、下のステップ状の直線が接触部110の変位Zを表す。
把持部140のグラフは、鉛直変位量ZがZH0で一定である。接触部110のグラフは、矩形波である。Z切片は、ZSBとする。縦軸上のZSA、ZSCは、鉛直変位量Zがそれぞれ最大、最小となる値である。また、ZSBは、ZSAとZSCの中間値である。すなわち、ZSAはZSBよりDだけ大きく、ZSCはZSBよりDだけ小さい。
第2の動作状態において、スタイラスペン100が水平方向に移動を開始すると、把持部140の鉛直変位量はZH0で一定である。一方で、接触部110の鉛直変位量は、移動開始時のZSBから、ZSA、ZSB、ZSC、ZSBと縦軸方向に連続的で段階的な変位を繰り返す。スタイラスペン100を用いて、かかる第2の動作状態を再現するための制御を、図5(b)を用いて説明する。
図5(b)では、入力面には3つの形状があり、入力面の形状に対応させて、それぞれの接触部110の形状変化を示している。図5(b)における状態(A)、状態(B)、状態(C)は、図5(a)における縦軸上のZSA、ZSB、ZSCに各々対応する。
ここで、状態(B)の入力面の形状を、基準面とする。状態(A)の入力面の形状は、基準面からDだけ突出している。状態(C)の入力面の形状は、基準面からDだけへこんでいる。
状態(A)においては、ペン制御部101がスイッチ240を閉じ、SMA線120が最大収縮状態となっている。かかる場合、接触部110は、SMA線120によって圧縮されるような変形力を最大限受けており、最もスタイラスペン100の中心軸の延伸方向に短い状態である。状態(C)においては、ペン制御部101がスイッチ240を開き、SMA線120が非収縮状態となっている。かかる場合、接触部110は、SMA線120によって圧縮されるような変形力を受けておらず、最もスタイラスペン100の中心軸の延伸方向に長い状態である。状態(B)においては、ペン制御部101がスイッチ240の開閉を微小時間で繰り返し、SMA線120が非収縮と最大収縮の間の中間の収縮状態となっている。かかる場合、接触部110は、SMA線120によって圧縮されるような変形力を受けており、上記最大の長さと最小の長さの略中間の長さの状態である。ただし、当該変形力は、上記最大限の変形力より小さい。
上記3つの状態において、凸凹な入力面に対し、スタイラスペン100の接触部を接触させている。図示するように、接触部110の先端部は、状態(B)を基準とすると、状態(A)では鉛直正方向に距離Dだけ変位し、状態(C)では鉛直負方向に距離Dだけ変位している。一方で、把持部140の変位は、常に一定である。すなわち、ペン制御部101がSMA線120の収縮量を制御することによって、図5(a)で示した第2の動作状態を再現することができる。
以上より、本実施例によれば、スタイラスペン100を凸凹な入力面上で移動させながら、SMA線120の伸縮による微小振動を連続的に繰り返すことにより、把持部140の鉛直方向変位をオフセットすることができる。したがって、スタイラスペン100を用いて、操作者に対して凸凹な面上でも平滑な表面であるように感じさせることができる。操作者は、スタイラスペン100で凸凹面上を運筆することにより、平滑性を有する、例えばテレビモニター上をなぞるような感覚を得る。
なお、上述の通り、スタイラスペン100の鉛直方向の変位は、加速度センサ106または圧力センサ103が検出する。または、スタイラスペン100の鉛直方向の変位を検出しなくとも、入力面の状態を撮像センサ108が検出しても良い。ペン制御部101は、鉛直方向の変位の検出結果を受け取ると、SMA線120に対してリアルタイムにフィードバック制御する。これによって、操作者は、上記の感覚を得ることができる。
本実施形態において、ペン制御部101は、8個のスイッチ240を同時に開閉するに限らず、8個のスイッチ240の開閉動作を個別独立に決定することができる。図6を用いて、スイッチ240を独立制御した場合の変形部130の形状変化について説明する。
図6は、第1実施例に係るスタイラスペン100の第3の動作状態を説明する説明図である。図6(a)は、通常のペンを使用し、ボール紙上を筆圧P(0)で運筆する場合において、ボール紙から受ける反力を3状態に分けて説明した図である。図6(b)は、図6(a)の3状態を、平滑面上を移動するスタイラスペン100でシミュレートした図である。
図6(a)において、ボール紙と通常のペンとの接触状態を、状態(A)、状態(B)、状態(C)の3通りに分けている。全ての状態において、ペンのボール紙に対する傾斜角は一定とし、接触部の一部がボール紙に接している。ボール紙の表面は、波面状の凸凹面を形成している。各状態の接点は、状態(A)では接触部頂点、状態(B)では紙面に向かって接触部頂点よりも左側、状態(C)では接触部頂点よりも右側である。ペンの接触部は、接点においてボール紙から筆圧の反力を受ける。すなわち、紙面には波面状の凸凹面が形成されているので、3状態で示すように、紙面上を移動するペンは様々な方向に筆圧の反力を受けている。平滑面で移動するスタイラスペン100において、当該様々な方向の反力を再現し、操作者に紙面上を運筆する感覚を呈示するための動作状態を、図6(b)を用いて説明する。
図6(b)において、状態(A)、状態(B)、状態(C)は、それぞれ図6(a)の状態(A)、状態(B)、状態(C)に対応している。すなわち、各状態における紙面からの筆圧の反力をシミュレートしている。
本実施例において、ペン制御部101は、8本のSMA線120に接続されたスイッチ240を独立制御する。状態(A)では、ペン制御部101は、全てのスイッチ240を閉じ、8本のSMA線120を全て均一に収縮させる。かかる場合、変形部130は、中心軸に沿って収縮するように変形するので、把持部140には中心軸に沿った方向の反力が伝わる。すなわち、操作者は、平滑面からの反力を接触部110の頂点で受けている感覚を得ることができる。
状態(B)では、接触部110と平滑面との接触部分に近いSMA線120から、接触部分に遠いSMA線120に向かって、最大収縮状態、中間収縮状態、非収縮状態と、各SMA線120の収縮量が小さくなっている。ペン制御部101は、各SMA線120の当該収縮状態を、各SMA線120に接続されたスイッチ240の開閉動作をもって制御する。かかる場合、変形部130は、中心軸から接触部分に一定の方向性をもって収縮するように変形するので、把持部140には当該方向の反力が伝わる。すなわち、操作者は、平滑面からの反力を紙面に向かって接触部頂点よりも左側で受けている感覚を得ることができる。
状態(C)では、状態(B)とは反対に、接触部110と平滑面との接触部分に近いSMA線120から、接触部分に遠いSMA線120に向かって、非収縮状態、中間収縮状態、最大収縮状態と、各SMA線120の収縮量が大きくなっている。ペン制御部101は、各SMA線120の当該収縮状態を、上記同様に制御する。かかる場合、変形部130は、中心軸から接触部分の反対側に一定の方向性をもって収縮するように変形するため、把持部140には当該方向の反力が伝わる。すなわち、操作者は、平滑面からの反力を紙面に向かって接触部頂点よりも右側で受けている感覚を得ることができる。
以上の通り、図6(a)で図示する多方向の紙面からの反力を、図6(b)で図示するスタイラスペン100でシミュレートすることができる。すなわち、スタイラスペン100を用いることで、操作者は、平滑面上において紙面上をなぞる感覚を得られる。なお、上述の通り、加速度センサを用いることにより、SMA線の伸縮の周波数を変化させても良い。これによって、操作者が運筆する速度に合わせて、再現したい入力面の形状を呈示することができる。
図7は、第1実施例に係るスタイラスペン100の第1及び第3の動作状態を説明するフロー図である。図示するフローは、電源スイッチがオンにされた時点から開始する。
まず、ペン制御部101は、入力信号に基づき振動モードを決定する(ステップS11)。そして、ペン制御部101は、ステップS12へ進み、入力面に対する接触の検知を圧力センサ103に行わせる。ペン制御部101は、圧力センサ103からの検出結果を受けて、スタイラスペン100が入力面に接触しているか否かを判断する(ステップS13)。接触していると判断したらステップS14へ進む。接触していないと判断したら、ステップS12へ戻り、再び圧力センサ103に接触検知を行わせる。
ステップS14では、ペン制御部101は、入力面に対する移動の検知を加速度センサ106に行わせる。ペン制御部101は、加速度センサの検出結果を受けて、スタイラスペン100が入力面に対して移動しているか否かを判断する(ステップS15)。移動していると判断したらステップS16へ進む。移動していないと判断したらステップS17へ進む。
ステップS16では、ペン制御部101は、加速度センサ106の検出結果に基づいてSMA線120の収縮を制御する。具体的には、加速度センサ106の出力を1回積分して移動速度を算出し、移動速度に応じてシミュレートする周波数の修正を実行する。このように移動速度に応じて周波数を修正することにより、より実際的な質感をシミュレートすることができる。移動していると判断されている間は、ステップS14からステップS16が反復して実行される。
ステップS17では、ペン制御部101は、電源スイッチがオフにされたか否かを判断する。ペン制御部101は、電源がオフにされたと判断したら、ステップS18へ進み、SMA線120の収縮制御を停止する。そして、再びステップS12へ戻る。電源スイッチがオフにされたと判断したら、スタイラスペン100の一連の動作処理を終了する。
なお、上記の動作フローにおいて、接触の検出には、スタイラスペン100の圧力センサ103を用いたが、例えば入力面がタブレット400であれば、ペン制御部101は、タブレット400が検出した接触検出結果を受信しても良い。また、移動の検出には、スタイラスペン100の加速度センサ106を用いたが、タブレット400が検出した移動検出結果を受信しても良い。
図8は、第2実施例と第3実施例に係るSMA線120の配線方法の説明図である。図8(a)を用いて第2実施例としてのスタイラスペン500を説明し、図8(b)を用いて第3実施例としてのスタイラスペン600を説明する。
スタイラスペン500及びスタイラスペン600は、それぞれ、接触部510と、把持部140と、変形部530と、複数のSMA線120とを主に備える。第1実施例と異なり、接触部510と変形部530が別の構成であり、変形部530は把持部140と接触部510の間に配置されている。
接触部510は、略円錐形状の比較的剛性の高い部材からなり、例えばアクリルにより形成されている。変形部530は、円柱状の弾性部材からなり、例えばシリコンゴムにより形成されている。変形部530の両端面のうち、一端は把持部140と接着され、他端は圧力センサを挟むように接触部510と接着されている。図面を簡略化する目的で、圧力センサは省略している。接触部510の底面、変形部530および把持部140の端面の円周は、全て同一の長さである。
図8(a)に示すように、スタイラスペン500においては、変形部530の周囲を、スタイラスペン500の中心軸の延伸方向に、複数のSMA線120が接着して固定されている。SMA線120の一端は、把持部140に固定された電源電極に固定されている。SMA線120の他端は、接触部510に固定された接地電極に固定されている。状態(A)は、SMA線120が非収縮状態であり、状態(B)は、SMA線120が最大収縮状態である。スタイラスペン500の変形部530は、SMA線120が収縮すると、把持部140と接触部510によって圧縮されるように変形する。
一方、図8(b)に示すように、スタイラスペン600においては、変形部530の周囲を、1本のSMA線120が螺旋状に巻き付けられ、接着して固定されている。SMA線120の一端は、把持部140に固定された電源電極に固定されている。SMA線120の他端は、接触部510に固定された接地電極に固定されている。状態(A)は、SMA線120が非収縮状態であり、状態(B)は、SMA線120が最大収縮状態である。スタイラスペン600の変形部530は、SMA線が収縮すると、SMA線120によって周方向に締め付けられ、スタイラスペン600の中心軸の延伸方向に押し延ばされるように変形する。
以上のように、スタイラスペンの変形部に対して、SMA線120の配線方法を変えることで、変形部の様々な変形方法を採用することができる。なお、図8においては、図面を簡略化する目的で、電源電極等については省略した。また、他の図面においては、SMA線120を厚みのある線として表したが、図8においては、図面を簡略化する目的で、SMA線120は一本線で表した。
なお、本実施例においてはSMA線のみによって変形部を変形する構成としたが、SMA線と他の部材を用いて変形部を変形させても良い。例えば、変形部と同径のゴムバンドを用いて、ゴムバンドの上下の円周端部にSMA線を円環状に固定し、ゴムバンドで変形部の周囲を覆うように構成しても良い。
図9は、第4実施例に係るスタイラスペン700の説明図である。スタイラスペン700は、電源をオン・オフする電源スイッチ750と、シミュレートする材質に合わせた複数のモードを切り替えるモード切替スイッチ760と、ガイドスリット770とを有する本体部791を備える。スタイラスペン700は、さらに、ガイドスリット770によって一方向に移動可能な支持柱780と、支持柱の一端に接着によって固定された接触部710とを有する分岐部792を備える。本体部791の中心軸と支持柱780の中心軸がなす角は、支持柱780の移動前後を通して、一定の狭角となる。
ガイドスリット770は、支持柱780の2つの端部のうち、接触部710と接着されていない一端を収容している。ガイドスリット770の内部には、支持柱780を本体部791のペン先方向に付勢する付勢バネが設けられている。支持柱780は、付勢バネに付勢され、ガイドスリット770に沿って、本体部791の中心軸方向に平行に移動する。
接触部710は、弾性体により形成された略円錐形状の変形部730と、変形部730の側面に設けられた溝に設置された複数のSMA線720によって構成される。接触部710は、タブレット400のタッチパネル403に接触する。スタイラスペン700の制御部によって、SMA線720が微小な伸縮を繰り返されることにより、変形部730は微小変形を繰り返す。当該制御方法は、これまでの実施例において説明したものと同様である。
本実施例において、まず、操作者は、本体部791を把持する。そして、電源スイッチ750を押下し、本体部791のペン先と接触部710とをタッチパネル403に接触させながら、一定の筆圧でスタイラスペン700を運筆する。本体部791のタッチパネル403に対する傾斜角が小さくなるようにスタイラスペン700を傾けると、本体部791のペン先と接触部710がタッチパネル403に接触した状態を保ちながら、分岐部792が本体部791に対して相対的に移動する。このとき、支持柱780は、付勢バネの付勢力に抗して、ガイドスリット770を上方へ移動する。
本実施例によれば、スタイラスペン700の上記傾斜角が小さくなり、本体部791のペン先とタッチパネル403との接触面積が小さくなった場合であっても、分岐部792の接触部710がタッチパネル403に接触した状態を保つことができる。したがって、操作者がスタイラスペン700を大きく傾けた場合であっても、変形部730が微小変形することによる接触部710の振動を、操作者に知覚させることができる。
また、本実施例においては、タブレット400は、本体部791のペン先と接触部710との2つの接触点を検出することができるので、スタイラスペンの傾き方向を検出することができる。
図10は、第1実施例に係るスタイラスペン100の視覚的変化を説明する説明図である。本実施例においては、スタイラスペン100が備える圧力センサ103と重力センサ107の機能を中心に、SMA線120の制御を説明する。
圧力センサ103は、入力面に対するスタイラスペン100の筆圧を検出する。そして、圧力センサ103は、ペン制御部101に筆圧の検出結果を送信する。
ペン制御部101は、圧力センサ103から筆圧の検出結果を受け取ると、当該筆圧がメモリ105に記憶している筆圧のしきい値より大きいか否かを判断する。ペン制御部101は、筆圧がしきい値以上と判断したら、SMA線120を収縮させてペン先の形状を先細りにし、しきい値未満と判断したら、SMA線120を伸長させて先太りにする。
重力センサ107は、スタイラスペン100の入力面に対する傾斜角を検出する。そして、重力センサ107は、ペン制御部101に傾斜角の検出結果を送信する。
ペン制御部101は、重力センサ107からスタイラスペン100の入力面に対する傾斜角の検出結果を受け取ると、傾斜角がメモリ105に記憶しているしきい値より大きいか否かを判断する。そして、ペン制御部101は、傾斜角がしきい値以上に立っていると判断したら、SMA線120を収縮させてペン先の形状を先細りにし、しきい値未満と判断したら、SMA線120を伸長させて先太りにする。
ペン先の形状を、圧力センサ103の検出結果に基づいて変化させるか、重力センサ107の検出結果に基づいて変化させるか、あるいは両センサの検出結果を共に用いて変化させるかは、任意に設定し得る。ペン制御部101のこのような制御により、操作者は、ペン先の形状変化を観察することができる。スタイラスペン100は、例えば先の太いマジックペン、先の細い鉛筆といった種類の異なる入力部材を、視覚を通じて操作者に呈示することができる。また、スタイラスペン100は、ペン先の形状を変化させることによって、入力面に対するペン先の接触面積を増減させ、入力面とペン先の摩擦力を変化させる。これによって、上記のような種類の異なる入力部材を、触覚を通じて操作者に呈示することができる。
また、ペン制御部は、次のような制御を実行し得る。まず、加速度センサが、スタイラスペンの入力面方向の変位を検出し、ペン制御部に検出結果を送信する。ペン制御部は、検出結果を受信すると、スタイラスペンの入力面方向の変位から操作者が筆記している文字を判断し、メモリに記憶された当該文字の正しい書き順に適合しているかを判断する。さらに、ペン制御部は、誤った書き順ならばSMA線を高周波数で伸縮させ、正しい書き順ならばSMA線を低周波数で伸縮させる。これによって、ペン制御部は、操作者に書き間違いをしていることを伝えることができる。また、ペン制御部は、操作者に正しい書き順を誘導することもできる。このような制御は、書き順に限らず、正しい文字が入力されているか、指定された領域内で書かれているかなどの正誤を判定するプログラムにおいて、操作者の入力の正誤を操作者に知覚させることができる。
以上のいくつかの実施例において、SMA線をスタイラスペンの中心軸の延伸方向に延びる溝に複数設けたが、これに加えて、円環状のSMA線をスタイラスペンの周方向に複数設けても良い。ただし、変形部上で縦横のSMA線が互いに干渉しないように設置することが好ましい。延伸方向と周方向のそれぞれにSMA線を設けることにより、スタイラスペンの周方向のSMA線を収縮させることにより把持部を鉛直正方向に変位させ、中心軸の延伸方向のSMA線を収縮させることで把持部を鉛直負方向に変位させることができる。そして、全てのSMA線を非収縮状態とすることにより、把持部が鉛直方向に変位しない状態にすることができる。このように構成することにより、SMA線を中間収縮状態で保つためのスイッチング制御を省略することができる。
また、以上の実施形態において、タッチパネル403は、圧力センサを備えても良い。圧力センサは、スタイラスペンの筆圧を検出しても良い。タブレット制御部401は、圧力センサから筆圧の検出結果を受け取ると、タブレット400に内蔵されているメモリから筆圧に応じた線太さの情報を参照して、線太さを変更する。
また、以上の実施形態においては、スタイラスペン及びタブレットは上記検出センサのいずれも備える構成として説明したが、実現する機能との兼ね合いにより一部を省略することもできる。特に互いに重複する機能を発揮する検出センサは、一方を省略してもよいし、重複しない機能を担う検出センサとして利用しても良い。また、スタイラスペン及びタブレットは、上記の検出センサ以外にも、異なる検出センサを備えて良い。例えば、タブレットはスタイラスペンの接触位置を検出できる超音波式の検出センサを備えていても良い。
以上説明した本実施形態においては、SMA線は変形部の表面に露出しているものとして説明したが、もちろんSMA線を保護する保護皮膜を有していても良い。保護皮膜は、SMA線の伸縮動作を妨げないように、軟質材で形成されることが好ましい。
以上の実施形態において、伸縮部はSMA線であることを前提として説明したが、伸縮部は他の材質であっても良い。例えば、高分子ポリマーのような人工筋肉系の素材を適用し得る。ペン制御部が伸縮を制御できる素材であれば、いずれの素材も適用し得る。また、線状に形成された伸縮部の断面は、円でなく他の形状であっても良い。例えば、矩形、楕円、台形であっても良い。また、断面の大きさは延伸方向に沿って変化しても良い。例えば、図1を用いて説明したように変形部130が接触部110を構成する場合には、先端部へ向かって徐々に断面が小さくなるように形成することができる。このように形成すると、操作者は、タッチパネル403との接触点において、変形部130に対するSMA線120の段差を感じにくくなる。また、伸縮部は、線状に限らず、断面方向(動径方向、第1方向)の伸縮量よりも中心軸方向(第2方向)の伸縮量が大きければ、様々な形状をとりうる。例えば、短冊形状、二股形状であっても良い。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
100 スタイラスペン、101 ペン制御部、102 操作部、103 圧力センサ、104 受信部、105 メモリ、106 加速度センサ、107 重力センサ、108 撮像センサ、110 接触部、113 選択回路、120 SMA線、121 検出回路、130 変形部、140 把持部、150 電源スイッチ、160 モード切替スイッチ、171 電源電極、172 接地電極、210 電源線、220 グランド線、230 アドレス線、240 スイッチ、250 検出回路線、400 タブレット、401 タブレット制御部、402 操作部、403 タッチパネル、404 送信部、405 ディスプレイ、500 スタイラスペン、510 接触部、530 変形部、600 スタイラスペン、700 スタイラスペン、710 接触部、720 SMA線、730 変形部、750 電源スイッチ、760 モード切替スイッチ、770 ガイドスリット、780 支持柱、791 本体部、792 分岐部

Claims (12)

  1. 制御信号に基づいて伸縮し、第1方向の伸縮量よりも前記第1方向とは異なる第2方向の伸縮量が大きい伸縮部と、
    前記伸縮部の伸縮に基づいて変形する変形部と、
    入力指示を与えるための入力面に接触される接触部と、
    前記変形部を変形させて前記接触部が操作者へ与える知覚を変化させる前記制御信号を生成する制御部と
    を備える入力指示装置。
  2. 前記制御部は、前記変形部を連続的に変形させることにより前記操作者が前記入力面から受ける感触を変化させる前記制御信号を生成する請求項1に記載の入力指示装置。
  3. 前記伸縮部は、形状記憶合金である請求項1または2に記載の入力指示装置。
  4. 前記形状記憶合金は、前記接触部として形成された前記変形部に設けられた請求項3に記載の入力指示装置。
  5. 前記形状記憶合金は、前記操作者が把持する把持部と前記接触部との間に設けられた前記変形部に設けられた請求項3または4に記載の入力指示装置。
  6. 前記形状記憶合金は、前記入力面に前記接触部とは別に接触される前記変形部に設けられた請求項3から5のいずれか1項に記載の入力指示装置。
  7. 前記制御部は、初期状態の前記形状記憶合金が非収縮と最大収縮の間の収縮状態となるように前記制御信号を生成する請求項3から6のいずれか1項に記載の入力指示装置。
  8. 前記制御部は、前記接触部として形成された前記変形部を変形させることにより前記入力面に対する接触領域を視覚的に変化させる前記制御信号を生成する請求項1から7のいずれか1項に記載の入力指示装置。
  9. 前記入力面の状態を検出する状態検出部を備え、
    前記制御部は、前記状態検出部の検出結果に基づいて前記制御信号を生成する請求項1から8のいずれか1項に記載の入力指示装置。
  10. 前記状態検出部は、前記入力面の凹凸の高さ方向を検出し、
    前記制御部は、前記状態検出部の検出結果に基づいて前記第2方向の伸縮量を制御する制御信号を生成する請求項9に記載の入力指示装置。
  11. 前記入力面を備える外部装置から送出される送出信号を受信する受信部を備え、
    前記制御部は、前記受信部が受信した前記送出信号に基づいて前記制御信号を生成する請求項1から10のいずれか1項に記載の入力指示装置。
  12. 前記入力面に対する前記入力指示装置の傾斜角を検出する傾斜検出部を備え、
    前記制御部は、前記傾斜検出部の検出結果に基づいて前記制御信号を生成する請求項1から11のいずれか1項に記載の入力指示装置。
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