JP2014178163A - 信号処理装置、信号処理方法およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】信号処理においてインコヒーレント積分による損失を低減する。
【解決手段】A−D変換器1は、受信信号をA−D変換して、ディジタル信号を生成する。FFT部2は、A−D変換器1で生成されたディジタル信号を、所定の時間ごとの区間に分けて、区間ごとに高速フーリエ変換して周波数領域の区間周波数データを生成する。乗算部3は、受信信号の区間ごとの定めた時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、区間周波数データに乗算して、補正区間周波数データを生成する。加算部6は、補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、補正周波数データを算出する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁波の信号を受信して分析する信号処理装置、信号処理方法およびプログラムに関する。
通信波やレーダ波などの電波は、その用途に応じてさまざまな周波数や変調(振幅/周波数)で送信している。これらの電波を受信して弁別する電波測定装置等は、電波監視や電波干渉の抑圧等を行うために必須の技術であり、各種装置が稼動している。
このような装置では、空間的(方位/強度)、時間的(振幅変調)または周波数的(周波数変調)特徴を用いて、多数の方位から飛来する多数の電波を分離し、それぞれを識別する必要がある。稠密な電波環境では、高精度に分析するとともに、雑音に埋もれてしまうような微弱な電波でも正確に検出することが大きな課題である。
例えば、特許文献1には、信号対雑音電力比を改善するレーダ装置が記載されている。特許文献1のレーダ装置では、受信信号を2組のデータに分割してそれぞれ高速フーリエ変換し、一方のデータの複素共役をとる。そして、それぞれ同一のドップラー周波数成分毎に複素乗算を行って、同一のドップラー周波数成分についてコヒーレント加算する。
特許文献2には、観測装置と物標の間に相対速度がある場合にも、コヒーレント積分を行う技術が記載されている。特許文献2の観測信号処理装置では、探査すべき物標の概算相対速度および相対速度不確かさの値から、要求プロセスゲインを満足するコヒーレント積分回数を決定する。そして、概算相対速度から演算した位相補正量に基づいて、コヒーレント積分回数分の観測値について位相重み付きコヒーレント積分をコヒーレント積分回数分行う。
特開2001−133544号公報 特開2011−133404号公報
広帯域の信号を受信して分析するためには、アナログ回路であれば、広帯域周波数特性を持つ検波器などの回路を実装することで実現することが可能である。しかし、複数の信号や周波数の違う信号を受信した場合には、混信して検出してしまうために、信号の分離を検出後に行うことが困難である。また、等価雑音帯域幅はその検出周波数範囲に応じて増大するため、広帯域の検波器を用いると受信感度が低下するという問題がある。
この問題を解決するために、近年ディジタル処理を行う方式が主流となってきている。まず、広帯域のA−D変換器を用いて信号をサンプリングし、量子化したディジタルデータをFFT(高速フーリエ変換)処理を行うことで、周波数分解能を高め、等価雑音帯域幅を低減することが可能である。サンプリング間隔をTs[s]、FFT処理ポイント数をnとおくと、FFT処理後の1周波数ビンの等価雑音帯域幅Bwは、
Bw = 1/(n・Ts) (式1)
となる。すなわち、FFT処理ポイント数nを増加することで、等価雑音帯域幅を低減することが可能である。
受信したい周波数の上限値をf[Hz]とすると、サンプリング定理によりサンプリング間隔Ts[s]は、
Ts = 2/f (式2)
で求めることができる。
しかしながら、ベースバンドまで周波数変換する受信機を用いたとしても、受信帯域を増大することは、上限周波数fが高くなることと等価であるので、サンプリング間隔を短くする必要がある。そうすると、(式1)により等価雑音帯域幅を一定にして広帯域にした場合、単位時間当たりのサンプル数が増えるため、演算量が増大する。
特許文献1のレーダ装置では、受信信号の帯域は限定されているので、通常のFFT処理を行うことができる。また、特許文献2の観測信号処理装置では、対象の概算相対速度と不確かさが分かっていることが前提である。いずれも、広帯域の電波監視には適用できない。
上記の演算量を削減するためには、FFTのサンプル数を低減して短時間FFT(ST(Short Time)−FFT)処理による方法などがあるが、FFT処理ポイント数nが減少することになり、(式1)により等価雑音帯域幅が増大するので、この問題の解決にはならない。また、ST−FFT後の周波数各ビンの電力値を加算するインコヒーレント積分により雑音を低減することが可能であるが、通常のFFT処理よりも雑音抑圧性能が低いという問題がある。
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたものであり、信号処理においてインコヒーレント積分による損失を低減することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の信号処理装置は、A−D変換部、FFT部、乗算部および加算部を備える。A−D変換部は、受信信号をA−D変換して、ディジタル信号を生成する。FFT部は、A−D変換部で生成されたディジタル信号を、所定の時間ごとの区間に分けて、区間ごとに高速フーリエ変換して周波数領域の区間周波数データを生成する。乗算部は、受信信号の区間ごとの定めた時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、区間周波数データに乗算して、補正区間周波数データを生成する。加算部は、補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、補正周波数データを算出する。
本発明によれば、各短時間FFTの処理フレーム時間に応じた時間遅れに相当する位相差を乗算してから、加算(インコヒーレント積分)を行うので、インコヒーレント積分による損失を低減することができる。その結果、受信感度を改善できる。
本発明の実施の形態1に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。 短時間FFTの概念を示す図である。 短時間FFTにおけるフレーム番号とそれぞれの位相乗算値を示す図である。 実施の形態1の信号処理動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態2の信号処理動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態3に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。 実施の形態3の信号処理動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る信号処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、図中、同一または相当する部分には同じ符号を付す。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。信号処理装置10は、A−D変換器1、FFT部2、乗算部3、位相差データ記憶部4、メモリ5および加算部6を備える。A−D変換器1には、受信したRFまたはIF(中間周波数)の信号が入力される。A−D変換器1は、受信信号を所定のサンプリング周期でディジタル化し、ディジタル信号を生成する。A−D変換器1は、ディジタル信号をFFT部2に入力する。
FFT部2では、高速フーリエ変換を行う。乗算部3は、高速フーリエ変換の結果を位相差データ記憶部4の位相差データと乗算し、メモリ5に蓄積する。加算部6は、メモリ5に蓄積したデータを加算して周波数データを生成する。生成された周波数データを用いて、周波数の分析および信号の検出を行うことができる。以下、各部の処理を詳述する。
FFT部2では、入力されるディジタル信号を、所定の時間ごとの区間に分けて、区間ごとに高速フーリエ変換、すなわち短時間FFT(以下、ST−FFTという)を行う。区間ごとに高速フーリエ変換した周波数領域のデータを、ここでは区間周波数データという。ST−FFTとは、離散化した信号を区間に分割して、総サンプルの時間よりも短い時間でFFT処理を行う方式である。図2にST−FFTの概念を示す。図2の縦棒は、サンプリングしたディジタル信号を表す。
位相差データ記憶部4は、ST−FTTを行った結果でフレーム分の時間遅れ量を位相差として乗算するための位相差データを記憶する。図2に示すように、ST−FFT処理を行うフレームの時間をΔtとすると、ST−FFT処理を実施するフレームごとに、サンプル信号はΔtずつ時間が遅れている。FFT部2では、フレームごとにΔTずつ時間遅れの信号をFFT処理している。
ST−FFTで、n個のサンプル(離散化した時刻がt、t、...、t、...、tのデータ)を処理すると考えると、ST−FFTの結果はn個の周波数(ω、ω、・・・、ω、・・・ω)ごとの複素数値となる。ここで、ωは角周波数であり、単位は[rad/s]である。周波数f[Hz]との関係は、
ω = 2π・f
である。
フーリエ変換の基本性質として、時間遅れΔtは、位相遅れφとなる。この位相遅れφの値は、対象とする角周波数をωとすると、
φ = ω・Δt
と表すことができる。ここで、元の信号の時間波形をf(t)、フーリエ変換の結果を角周波数の関数F(ω)と書くと、フーリエ変換の定義により、
Figure 2014178163
である。このとき、時間遅れΔtによる位相遅れφは、フーリエ変換の性質から、
Figure 2014178163
となる。ST−FFTの場合には、離散化した周波数に対応するため、離散化した時間波形をf[k]、FFTの結果をF[ω]と置くと、
f[k−Δt] = exp[−jωΔt]・F[ω]
となる。すなわち、各周波数ωkに時間遅れ成分Δtをかけた位相を乗算することで求めることができる。上述の考え方に基づき、ST−FFTのフレーム毎に乗算する複素数値を設定する。
図3は、短時間FFTにおけるフレーム番号とそれぞれの位相乗算値を示す図である。ST−FFTのフレーム番号=1、2、・・・i・・・nとして、それぞれのST−FFTのフレーム時間をΔtと置くと、i番目のフレームの時間遅れ成分は、
exp[−jω((i−1)・Δt)]
として表現することができる。このことから、ST−FFTの結果の各フレームに対応して、その時間遅れ分を乗算すれば、フレーム番号1を基準として時間遅れ分の影響を加味した周波数情報を求めることができる。
これは、後段で加算処理する際に重要な性質である。なぜなら、送信された信号は搬送波成分に変調成分を加えた周波数スペクトルを有しているが、これらの信号は高い周波数安定度を持った信号源から送信されている。そのため、時間が変化しても位相のずれ量はほとんど時間遅れの成分のみであり、時間遅れに由来しない成分(いわゆる位相雑音)はほんの少しである。一方、雑音信号は基本的に位相に関しては時間ごとにランダムな値を取りうる。
このことから、信号と雑音が混じった信号をST−FFT処理により、フレーム毎に分割し、時間遅れ分の補償を行って加算すると、信号成分は位相がそろうので、加算によりそのまま加算分だけ成分が増加することになる。一方、雑音はランダムな位相成分を持っているため、位相遅れの補償を行っても位相は依然としてランダムなままである。従って、加算処理しても統計的にはほとんど積みあがらない。
より正確に説明すると、一般に雑音信号の振幅値は、平均値ゼロの正規分布に従うと考えることが可能である。そのことから、大数の法則により、振幅値の加算値の期待値は平均値すなわちゼロに収束することが証明されている。これが、信号と雑音の電力比(S/N比)の改善効果である。
時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、区間周波数データに乗算した結果を、ここでは補正区間周波数データという。補正区間周波数データの角周波数ωの複素数値を、実数成分Iと虚数成分Q、すなわち虚数単位をjとしてI+jQで表す。補正区間周波数データは、メモリ5に記憶される。
図1の加算部6は、補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、補正周波数データを算出する。補正区間周波数データは、メモリ5に複素数I+jQとして蓄積されている。加算部6において、加算処理する際には、そのまま複素数加算しない。例えば、位相遅れ分を補償しない場合でもそのまま加算すれば、時間遅れによる位相遅れの周期とST−FFTの周期(フレーム)は一般的に一致しないので、加算結果は互いにランダムな位相成分となって打ち消しあってしまい、かえって信号成分を消してしまうことになる。従って、通常は検波処理と同等のエネルギー成分の検出処理を行う。
具体的には、
Figure 2014178163
として、IとQで表される複素平面上の複素ベクトルの大きさを求めてから加算処理する。この処理方法は、レーダ信号処理などでインコヒーレント積分と呼ばれる信号処理方式である。インコヒーレントという意味は、搬送波の時間遅れによる位相成分の補正をせず、瞬時の複素ベクトルの大きさ(絶対値)のみで演算処理をしており、位相成分の同期(コヒーレント性)を加味していないということである。
加算部6は、所定の区間分の補正区間周波数データのインコヒーレント積分を行って、補正周波数データを生成する。加算部6からは、離散化された周波数(ω、ω、・・・、ω、...ω)に対応した各周波数ビンに補正周波数データの値Sk(k=1、2、...n)が出力される。
出力された補正周波数データを用いて、周波数の分析および信号の検出を行うことができる。例えば、周波数分析・信号検出回路(図示せず)では、各周波数成分の有無を規定レベル以上の値かどうかのスレッショルド判定により、検出したり、例えばピークの値を取る周波数ビン等を検出することで目標の信号が存在するかしないかなどを判定することができる。
図4は、実施の形態1の信号処理動作の一例を示すフローチャートである。信号処理装置10は、フレームカウントを初期化して(ステップS10)、信号受信を開始する。A−D変換器1は、受信した信号を所定のサンプリングレートでA−D変換し、ディジタル信号を生成する(ステップS11)。FFT部2は、ディジタル信号をフレームごとに高速フーリエ変換して、区間周波数データを生成する(ステップS12)。
乗算部3は、区間周波数データに、そのフレームの時間遅れに相当する位相差データを乗算する(ステップS13)。加算部6は、所定のフレーム数に亘って、補正区間周波数データの絶対値を周波数ごとに加算する(ステップS14)。同時に、信号処理装置10はフレームごとにフレームカウントをインクリメントする。所定のフレーム数に達していなければ(ステップS15;NO)、受信信号のA−D変換から繰り返す。
所定のフレーム数分の加算を行ったら(ステップS15;YES)、加算して生成した補正周波数データを出力する(ステップS16)。そして、ステップS10に戻って、フレームカウントの初期化から繰り返す。
以上説明したように、実施の形態1の信号処理装置10では、受信した信号の処理を行う際に、短時間FFT処理後に、各短時間FFTの処理フレーム時間に応じた時間遅れに相当する位相差を乗算してから、加算(インコヒーレント積分)を行う。それによって、インコヒーレント積分による損失を低減することができる。その結果、受信感度を改善できる。
実施の形態2
図5は、本発明の実施の形態2に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態2では、受信信号が周波数変調または位相変調されている場合を想定して、位相差データを設定する。実施の形態2の信号処理装置10は、実施の形態1の構成に位相差設定部7が追加されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
実施の形態1では、位相差データは時間遅れによる位相のみを乗算するように説明していたが、これは例えばレーダ信号が位相や周波数変調を行わない方式の場合である。レーダが位相や周波数変調を行う場合には、その変調による影響も加味することができる。
例えば、チャープ方式(リニア、アップチャープ)の周波数変調を行うレーダを考えると、レーダの搬送波S(t)は、
S(t) = exp[j(2παt)・t] = exp[j2παt]
と表現することができる。ここで、αはチャープ率[Hz/s]である。このようなチャープ信号を受信する際には、実施の形態1で説明した位相差にチャープ分を加味して、i番目(i=1〜n)のフレームの周波数ω(k=1〜n)の位相差データを、
exp[−jω((i−1)α・Δt)]
とすることで、チャープ信号を雑音から分離して検出することができる。位相差設定部7は、例えば、所定のチャープ率の位相差データを設定する。
同様に、他のチャープ変調やその他の周波数/位相変調のレーダ信号に対しても、その変調の時間関数を定義することができれば、その関数を模擬した位相成分を加味して乗算することで、それらの信号を検出して分析することが可能である。位相差設定部7は、上述のリニア、アップチャープに限らず、他のチャープ変調やその他の周波数/位相変調に応じた位相差データを設定できるように構成するのが望ましい。
図6は、実施の形態2の信号処理動作の一例を示すフローチャートである。位相差設定部7は、信号受信に先立って、例えば、所定のチャープ率の位相差データを設定する(ステップS20)。その後、図4の信号処理と同様に、ステップS10〜ステップS16の処理を行う。位相差設定部7によって、任意の変調の位相差を設定することができる。その結果、任意の変調の信号を雑音から分離して検出することができる。
実施の形態3
実施の形態2では、信号の周波数/位相変調を想定して、それを加味した位相差データを設定した。しかし、例えば未知のレーダ信号を受信する場合には、あらかじめどのような周波数/位相変調が受信信号に加わっているか知ることができない。このような場合には、あらかじめいくつかの想定する候補の周波数/位相変調パターンを準備しておき、それらの変調パターンの位相差データを乗算して加算した補正周波数データのうち、最も高い値をとるものを、受信信号の変調に近いものとして推定することができる。さらに、補正周波数データで最も高い値を出すものを選び出して、またその変調のパラメータに近い値でさらに計算していくなどのイテレーションにより、パラメータを推定していくことも可能である。
図7は、本発明の実施の形態3に係る信号処理装置の構成例を示すブロック図である。実施の形態3の信号処理装置10は、実施の形態2の構成に加えて、FFT部2で生成する区間周波数データを記憶する区間周波数記憶部9と、イテレーション部8を備える。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
区間周波数記憶部9は、FFT部2で生成する区間周波数データを順次、蓄積記憶する。乗算部3は、区間周波数記憶部9に蓄積された区間周波数データにそのフレームに設定された位相差データを乗算する。メモリ5および加算部6の処理は、実施の形態2と同様である。
イテレーション部8は、変調のパターンとそのパラメータを選択または算出して、位相差設定部7に設定する。位相差設定部7は、設定された変調のパターンとそのパラメータに従って、フレームごとの位相差データを設定する。
乗算部3は、位相差データが設定されるごとに、区間周波数記憶部9に蓄積された区間周波数データに位相差データを乗算し、補正区間周波数データを生成してメモリ5に蓄積する。加算部6は、位相差データが設定されるごとに、補正区間周波数データの絶対値をとって所定のフレーム数分、周波数ごとに加算する。加算部6は、生成した補正周波数データをイテレーション部8に送る。イテレーション部8は、変調のパターンとそのパラメータを変えて、位相差設定部7に設定し、乗算部3と加算部6は処理を繰り返す。
イテレーション部8は、設定した複数の変調のパターンとそのパラメータについて加算された補正周波数データのうち、最も高い値を示す補正周波数データに対する変調のパラメータを選択する。そしてそのパラメータを含む、所定のパラメータ領域で複数のパラメータを設定し、それぞれのパラメータを位相差設定部7に送る。位相差設定部7、乗算部3および加算部6は、前と同じ区間周波数データに対して、設定されたパラメータごとに同じ処理を繰り返す。
イテレーション部8は、所定の条件に適合するまで、例えば、前回の繰り返しの補正周波数データとの差が閾値以下になるまで、パラメータ領域を小さくして複数のパラメータの設定をくりかえし行う。こうして、所望の精度で受信信号に含まれる特定の変調の信号を検出することができる。
受信信号に含まれるのは、1つの変調の信号とは限らないので、変調のパターンを変えて、さらに上述のイテレーション処理を繰り返してもよい。
図8は、実施の形態3の信号処理動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、所定のフレーム数分の受信信号が、A−D変換器1で変換され、FFT部2で区間周波数データが生成されて区間周波数記憶部9に蓄積された状態であることを想定する。
イテレーション部8は、変調とパラメータの複数の組を設定する(ステップS30)。そして、その組の1つを選択して位相差設定部7に送る(ステップS31)。位相差設定部7は、設定された変調とパラメータの組の位相差データを設定する(ステップS32)。
乗算部3は、区間周波数記憶部9に蓄積されている区間周波数データに位相差データを乗算して、補正区間周波数データを生成する(ステップS33)。加算部6は、所定のフレーム数に亘って、補正区間周波数データの絶対値を周波数ごとに加算する(ステップS34)。図8のフローチャートでは、図4または図6のフレームごとの繰り返しループの記載を省略している。
設定した変調とパラメータの組の残りがまだあれば(ステップS35;YES)、ステップS31に戻って、まだ位相差データを設定していないパラメータを選択して、乗算と加算を繰り返す。
設定した変調とパラメータの組のすべてについて、乗算と加算を終えたら(ステップS35;NO)、生成した補正周波数データのうち最も高い値を示す補正周波数データに対する変調とパラメータを選択する(ステップS36)。その補正周波数データが演算を終了する(収束する)条件に適合しなければ(ステップS37;NO)、ステップS30に戻る。選択した変調とパラメータを含むパラメータ領域で複数のパラメータ(変調とパラメータの組)を設定する。そして、ステップS31〜ステップS37の処理を繰り返す。
生成した補正周波数データが条件に適合するまで、変調とパラメータの複数の組の設定を繰り返す。生成した補正周波数データが条件に適合したら(ステップS37;YES)、最終的な補正周波数データを出力して(ステップS38)、信号処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態3の信号処理装置10によれば、受信信号に含まれる未知の変調の信号を、雑音から分離して検出することができる。
実施の形態の信号処理装置10のうち、FFT部2、乗算部3、加算部6、位相差設定部7およびイテレーション部8は、コンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)または専用の電子回路で構成することができる。
図9は、本発明の実施の形態に係る信号処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図9は、図1、図5または図7の信号処理装置10の構成を示す。
信号処理装置10は、図9に示すように、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25、入出力部26およびA−D変換器1を備える。主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25および入出力部26はいずれも内部バス20を介して制御部21に接続されている。
制御部21はCPU(Central Processing Unit)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム29に従って、信号処理を実行する。
主記憶部22はRAM(Random-Access Memory)等から構成され、外部記憶部23に記憶されている制御プログラム29をロードし、制御部21の作業領域として用いられる。
外部記憶部23は、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD−RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD−RW(Digital Versatile Disc ReWritable)等の不揮発性メモリから構成され、上述の処理を制御部21に行わせるための制御プログラム29を予め記憶し、また、制御部21の指示に従って、この制御プログラム29が記憶するデータを制御部21に供給し、制御部21から供給されたデータを記憶する。外部記憶部23は、例えば、区間周波数データ、補正区間周波数データおよび補正周波数データ、ならびに、位相差データを記憶する。
操作部24はキーボードおよびマウスまたはタッチパネルなどのポインティングデバイス等と、キーボードおよびポインティングデバイス等を内部バス20に接続するインタフェース装置から構成されている。操作部24を介して、例えば、変調パターンとパラメータ、または演算の収束に関する入力操作を受付ける。
表示部25は、LCD(Liquid Crystal Display)もしくは有機ELディスプレイなどから構成され、例えば、設定した変調とパラメータ、算出した補正周波数データなどを表示する。
入出力部26は、A−D変換器1と接続するシリアルインタフェースまたはLAN(Local Area Network)インタフェースから構成されている。入出力部26を介して、A−D変換器1からディジタル信号を入力する。
信号処理装置10のFFT部2、乗算部3、加算部6、位相差設定部7およびイテレーション部8の処理は、制御プログラム29が、制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、表示部25および入出力部26などを資源として用いて処理することによって実行する。
その他、前記のハードウェア構成やフローチャートは一例であり、任意に変更および修正が可能である。例えば、FFT部2の処理を行う専用の回路またはDSPなどを設けて、FFT部2の処理を制御プログラム29で行わず、専用のハードウェアで行ってもよい。
制御部21、主記憶部22、外部記憶部23、操作部24、内部バス20などから構成される制御処理を行う中心となる部分は、専用のシステムによらず、通常のコンピュータシステムを用いて実現可能である。たとえば、前記の動作を実行するためのコンピュータプログラムを、コンピュータが読み取り可能な記録媒体(フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM等)に格納して配布し、当該コンピュータプログラムをコンピュータにインストールすることにより、前記の処理を実行する信号処理装置10を構成してもよい。また、インターネット等の通信ネットワーク上のサーバ装置が有する記憶装置に当該コンピュータプログラムを格納しておき、通常のコンピュータシステムがダウンロード等することで信号処理装置10を構成してもよい。
信号処理装置10の機能を、OS(オペレーティングシステム)とアプリケーションプログラムの分担、またはOSとアプリケーションプログラムとの協働により実現する場合などには、アプリケーションプログラム部分のみを記録媒体や記憶装置に格納してもよい。
また、搬送波にコンピュータプログラムを重畳し、通信ネットワークを介して配信することも可能である。たとえば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)に前記コンピュータプログラムを掲示し、ネットワークを介して前記コンピュータプログラムを配信してもよい。そして、このコンピュータプログラムを起動し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、前記の処理を実行できるように構成してもよい。
1 A−D変換器、2 FFT部、3 乗算部、4 位相差データ記憶部、5 メモリ、6 加算部、7 位相差設定部、8 イテレーション部、9 区間周波数記憶部、10 信号処理装置、20 内部バス、21 制御部、22 主記憶部、23 外部記憶部、24 操作部、25 表示部、26 入出力部、29 制御プログラム。

Claims (9)

  1. 受信信号をA−D変換して、ディジタル信号を生成するA−D変換部と、
    前記A−D変換部で生成されたディジタル信号を、所定の時間ごとの区間に分けて、区間ごとに高速フーリエ変換して周波数領域の区間周波数データを生成するFFT部と、
    前記受信信号の前記区間ごとの定めた時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、前記区間周波数データに乗算して、補正区間周波数データを生成する乗算部と、
    前記補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、補正周波数データを算出する加算部と、
    を備える信号処理装置。
  2. 前記乗算部は、前記区間ごとの所定の変調の時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、前記区間周波数データに乗算して、前記補正区間周波数データを生成する、請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記乗算部は、複数の変調の時間遅れに相当する周波数領域の位相差を、前記区間周波数データに前記変調ごとに乗算して、前記変調ごとの補正区間周波数データを生成し、
    前記加算部は、前記変調ごとの補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、前記変調ごとの補正周波数データを算出する、
    請求項1または2に記載の信号処理装置。
  4. 前記複数の変調に対する補正周波数データのうち、最も高い値を示す補正周波数データに対する変調のパラメータを含む、所定のパラメータ領域で複数のパラメータを設定し、前記複数のパラメータに対して、前記乗算部と前記加算部の処理を行う、イテレーション部を備える、請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 受信した信号を分析処理する信号処理装置が行う信号処理方法であって、
    受信信号をA−D変換して、ディジタル信号を生成するA−D変換ステップと、
    前記A−D変換ステップで生成されたディジタル信号を、所定の時間ごとの区間に分けて、区間ごとに高速フーリエ変換して周波数領域の区間周波数データを生成するFFTステップと、
    前記受信信号の前記区間ごとの定めた時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、前記区間周波数データに乗算して、補正区間周波数データを生成する乗算ステップと、
    前記補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、補正周波数データを算出する加算ステップと、
    を備える信号処理方法。
  6. 前記乗算ステップでは、前記区間ごとの所定の変調の時間遅れに相当する周波数領域における位相差を、前記区間周波数データに乗算して、前記補正区間周波数データを生成する、請求項5に記載の信号処理方法。
  7. 前記乗算ステップでは、複数の変調の時間遅れに相当する周波数領域の位相差を、前記区間周波数データに前記変調ごとに乗算して、前記変調ごとの補正区間周波数データを生成し、
    前記加算ステップでは、前記変調ごとの補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、前記変調ごとの補正周波数データを算出する、
    請求項5または6に記載の信号処理方法。
  8. 前記複数の変調に対する補正周波数データのうち、最も高い値を示す補正周波数データに対する変調のパラメータを含む、所定のパラメータ領域で複数のパラメータを設定し、前記複数のパラメータに対して、前記乗算ステップと前記加算ステップの処理を行う、イテレーションステップを備える、請求項7に記載の信号処理方法。
  9. コンピュータに、
    受信信号をA−D変換して生成されたディジタル信号を、所定の時間ごとの区間に分けて、区間ごとに高速フーリエ変換して生成された周波数領域の区間周波数データに、前記受信信号の前記区間ごとの定めた時間遅れに相当する周波数領域における位相差を乗算して、補正区間周波数データを生成する乗算ステップと、
    前記補正区間周波数データの絶対値を、周波数ごとに所定の区間分加算して、補正周波数データを算出する加算ステップと、
    を実行させるプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2018220825A1 (ja) * 2017-06-02 2019-11-07 三菱電機株式会社 レーダ装置

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