JP2014177084A - インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたライン走査型インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたライン走査型インクジェット記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014177084A JP2014177084A JP2013053984A JP2013053984A JP2014177084A JP 2014177084 A JP2014177084 A JP 2014177084A JP 2013053984 A JP2013053984 A JP 2013053984A JP 2013053984 A JP2013053984 A JP 2013053984A JP 2014177084 A JP2014177084 A JP 2014177084A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording head
- jet recording
- ink jet
- head
- drive control
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
【課題】記録ヘッドのプリンタ組付け作業性を向上し、作業時に発生する不具合を防止する。
【解決手段】駆動制御基板78の記録ヘッド75搭載位置に大きめの貫通穴63が形成され、貫通穴63付近に実装位置調整のための基板側電極パターン82A〜82Dを形成し、ヘッド基板76側にヘッド側電極パターン81A〜81Dを形成して静電容量センサ71A〜71Dに接続し、静電容量センサ71A〜71Dの出力に基づいて、貫通穴63内で記録ヘッド75の実装位置を調整する。
【選択図】図4
【解決手段】駆動制御基板78の記録ヘッド75搭載位置に大きめの貫通穴63が形成され、貫通穴63付近に実装位置調整のための基板側電極パターン82A〜82Dを形成し、ヘッド基板76側にヘッド側電極パターン81A〜81Dを形成して静電容量センサ71A〜71Dに接続し、静電容量センサ71A〜71Dの出力に基づいて、貫通穴63内で記録ヘッド75の実装位置を調整する。
【選択図】図4
Description
本発明は、インクジェット記録ヘッドモジュールと、それを用いて構成されるライン走査型インクジェット記録装置に係り、特にインクジェット記録ヘッドに電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送する駆動制御基板上でのインクジェット記録ヘッドの実装位置調整技術に関するものである。
図12は、従来のライン走査型インクジェット記録装置に用いられていたインクジェット記録ヘッドモジュール8の斜視図である。
従来のインクジェット記録ヘッドモジュール8は図12に示すように、多数のインクジェット記録ヘッド15と、左右に分かれて設けられた2枚の駆動制御基板18と、フラットケーブル19と、アジャストプレート20から主に構成されている。
従来のインクジェット記録ヘッドモジュール8は図12に示すように、多数のインクジェット記録ヘッド15と、左右に分かれて設けられた2枚の駆動制御基板18と、フラットケーブル19と、アジャストプレート20から主に構成されている。
前記駆動制御基板18は、インクジェット記録ヘッド15内の圧電素子53(図10参照)を駆動する駆動波形、及び、画像データ信号を生成するための回路を搭載したリジッド基板である。前記フラットケーブル19は、各インクジェット記録ヘッド15と駆動制御基板18を電気的に接続するものである。前記アジャストプレート20は、多数のインクジェット記録ヘッド15を高精度に配置・固定したものである。
1枚の駆動制御基板18に対して複数個のインクジェット記録ヘッド15が接続可能になっており、図12の示す従来例では、1枚の駆動制御基板18に対して最大8個のインクジェット記録ヘッド15が接続可能である。図12では図面の簡略化を図るために、1枚の駆動制御基板18に対して4本のフラットケーブル19が接続されているが、実際には16本のフラットケーブル19が接続される。
図12に示すように、アジャストプレート20の下側に記録用紙1を搬入して、駆動制御基板18から送信される駆動波形、及び、画像データ信号の指令値に応じて、インクジェット記録ヘッド15から記録用紙1に対してインク滴が吐出されて、所望の画像が形成される。
図13は、この従来のインクジェット記録ヘッドモジュール8の一部を断面した側面図である。なお図面の簡略化を図るために本図では、インクジェット記録ヘッド15と駆動制御基板18を一対一の関係で図示している。
図13に示すように駆動制御基板18は、各インクジェット記録ヘッド15の特性に応じた駆動波形を生成するD/Aコンバータ(図示せず)、そのD/Aコンバータから出力されるアナログ信号を電圧増幅するオペアンプ(図示せず)、そのオペアンプから出力される駆動波形電圧を電流増幅して、インクジェット記録ヘッド15内の圧電素子(図示せず)へ供給するMOSFET21、そのMOSFET21の損失として発せられるジュール熱を冷却する冷却フィン22、圧電素子への電流供給を補助する電解コンデンサ23、コントローラ(図示せず)から送信される画像データ信号のシリアライズ処理を実施し、インクジェット記録ヘッド15へ送信する画像データ信号ドライバIC24、インクジェット記録ヘッド15との電気的接続を図るためのフラットケーブル19を着脱するコネクタ25などを有している。
また、インクジェット記録ヘッド15は、画像データ制御基板30、フレキシブルプリント基板31、インクタンク33、ヘッド基板34ならびにヘッド部35などを有している。
前記画像データ制御基板30は、画像データ信号レシーバIC29と、フラットケーブル19を着脱するコネクタ26を搭載したリジッド基板であり、インクタンク33の側面にタッピングネジ28で固定されている。
前記画像データ信号レシーバIC29は、駆動制御基板18に搭載された画像データ信号ドライバIC24からシリアル転送される画像データ信号をデシリアライス処理し、圧電素子駆動IC55(図10参照)にパラレル転送する機能を有している。
前記フレキシブルプリント基板31は、画像データ制御基板30とヘッド基板34を電気的に接続するためのもので、柔軟な素材で構成されて基板であり、容易に折り曲げることができる。
前記インクタンク33は、印字ノズル16(図10参照)から吐出するインクを一時的に溜めるためのタンクである。また、そのインクは、インクタンク33の上部に設けられたジョイント部32を通して供給される。なお、ジョイント部32から上位の構成については、図示と説明を省略する。
前記ヘッド基板34は、ヘッド部35内に実装されている圧電素子支持基板54(図10参照)を接続するためのパッドが設けられたリジッド基板であり、ヘッド部35とインクタンク33との間に接着・配置されている。アジャストプレート20に配置・固定されたヘッド部35の内部構造については、図10を用いて後で説明する。
画像データ制御基板30に搭載したコネクタ26にフラットケーブル19を着脱する際に発生する応力が、全てタッピングネジ28と画像データ制御基板30の接合部、すなわち基板固定部に集中する。そのため、画像データ制御基板30に反りが生じ、画像データ制御基板30の変形が原因で、画像データ信号レシーバIC29の半田付け部分にクラックが発生したり、インクタンク33とヘッド基板34とヘッド部35との接着部分にクラックが生じ、インク供給路に損傷を与えたりする問題がある。
また、図示していないが、駆動制御基板18からインクジェット記録ヘッド15へ送信される駆動波形、及び、画像データ信号用の銅箔パターン、及び、画像データ信号が経由する部品(コネクタ25,26、フラットケーブル19など)は、以下の理由により、インピーダンス整合することが必須となる。
(1)数百Mbps〜数Gbpsの転送速度でシリアル伝送される画像データ信号の反射/減衰を抑制するため。
(2)駆動波形印加時におけるインクジェット記録ヘッド15への供給電流のバラツキを抑制するため。
なお、画像データ信号は、駆動制御基板18→コネクタ25→フラットケーブル19→コネクタ26→画像データ制御基板30→ヘッド基板34を経由してヘッド部35に送信される。
(2)駆動波形印加時におけるインクジェット記録ヘッド15への供給電流のバラツキを抑制するため。
なお、画像データ信号は、駆動制御基板18→コネクタ25→フラットケーブル19→コネクタ26→画像データ制御基板30→ヘッド基板34を経由してヘッド部35に送信される。
各構成部品のインピーダンス値は、それぞれ±15%程度の公差があるため、構成部品が多いほど、インピーダンスの不整合が生じ易くなり、場合によっては外乱の影響が加算されて、正確な信号伝達が困難となり得ることもある。
図14は、インクジェット記録ヘッド15をアジャストプレート20に実装する方法を説明するための斜視図である。
図14に示すように、アジャストプレート20のヘッド取り付け部には所定の間隔をおいて2本の基準ピン70が設けられ、一方、インクジェット記録ヘッド15を接着固定したヘッド基板34の両端部には基準穴36が形成されている。そしてアジャストプレート20の基準ピン70にヘッド基板34の基準穴36を嵌め込み、ネジ59でヘッド基板34(インクジェット記録ヘッド15)をアジャストプレート20に固定する方法をとっていた。
図14に示すように、アジャストプレート20のヘッド取り付け部には所定の間隔をおいて2本の基準ピン70が設けられ、一方、インクジェット記録ヘッド15を接着固定したヘッド基板34の両端部には基準穴36が形成されている。そしてアジャストプレート20の基準ピン70にヘッド基板34の基準穴36を嵌め込み、ネジ59でヘッド基板34(インクジェット記録ヘッド15)をアジャストプレート20に固定する方法をとっていた。
なお、インクジェット記録ヘッドの先行技術としては、例えばWO2004/022344号公報(特許文献1)、特開平5−16351号公報(特許文献2)、特開2005−225098号公報(特許文献3)ならびに特開2007−90691号公報(特許文献4)などを挙げることができる。
前記WO2004/022344号公報(特許文献1)には、ライン走査型インクジェット記録装置の製造時やメンテナンス時において、インクジェット記録ヘッドの交換などを容易にする目的で、複数個のインクジェット記録ヘッドが固定されたアジャストプレートの中に、インクジェット記録ヘッドに信号を送信するためのケーブルや、インクを供給するためのチューブを埋設することによって、インクジェット記録ヘッドの交換時におけるケーブルやチューブの障害を排除して、インクジェット記録ヘッドの着脱作業の容易化を図ることが開示されている。
前記特開平5−16351号公報(特許文献2)には、圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッドにおいて、位置決め調整する対象となる材料が非透明材料のものにも適用でき、位置調整のスピードを向上して、インクジェット記録ヘッド内部で高精度な位置きめを目的にして、圧電素子と流路板の接合に静電容量検出回路を用いることが開示されている。
前記特開2005−225098号公報(特許文献3)には、低コストで組み立てが容易なFWAインクジェット記録ヘッドを提供することを目的として、基板との嵌合部に電極を設けたダイユニット(インクジェット記録ヘッド)と、内部に電気配線を有して剛性の高い支持体と一体化した基板を用いて、前記ダイユニットを基板の開口に嵌合することにより、ダイユニットと基板が電気的に接続されたヘッドアレイユニットを構成することが開示されている。
前記特開2007−90691号公報(特許文献4)には、1回の走査で印刷が可能なライン走査型インクジェット記録装置において、ユニット間の配線数を少なくして、複数のインクジェット記録ヘッド間の位置合わせを容易にすることを目的として、インクジェット記録ヘッドモジュールが、複数個の圧力発生手段を並べた2つのインク吐出基板どうしが互いに貼り付けられて、共通のノズルプレートを備えたヘッドチップを有する記録ヘッドがn個(nは1以上の整数)組合わされたインクジェット記録ヘッドモジュールであって、当該インクジェット記録ヘッドモジュールのノズルピッチが、インク吐出基板のノズルピッチの1/(2n)であることが開示されている。
しかし、図14に示すインクジェット記録ヘッド15の実装方法では、基準ピン70の寸法公差:±0.1mmと基準穴36の寸法公差:±0.1mmを累積すると±0.2mmの実装位置ずれが発生し、それが起因して印刷画像の品質劣化を招くことになる。さらに、インクジェット記録ヘッド15の交換作業を繰り返し行った場合に、基準ピン70が摩耗して、前記±0.2mm以上の実装位置ずれが発生する恐れがあり、それが起因して印刷画像の品質劣化を招くことになる。
また、多数のインクジェット記録ヘッド15を列設して構成されるライン走査型インクジェット記録装置は、インクジェット記録ヘッド15の経年変化による故障および保守点検などにより、定期交換を実施する必要がある。そのため、インクジェット記録ヘッド15の交換作業(メンテナンス)の容易化が求められる。
しかしながら、図12に示す従来のインクジェット記録ヘッドモジュール8では、アジャストプレート20に実装されている多数のインクジェット記録ヘッド15の中から、特定(1個)のインクジェット記録ヘッド15を交換する場合、交換対象ではないインクジェット記録ヘッド15、および、インクジェット記録ヘッド15に接続されたフラットケーブル19が障害となり、交換時の作業性が悪いという問題がある。
前記WO2004/022344号公報(特許文献1)に開示されているライン走査型インクジェット記録装置では、インクジェット記録ヘッドをメカニカルな方法で位置合わせを行うため、部品の寸法公差や部品の摩耗などにより、インクジェット記録ヘッドが所望の位置から実装ずれして、印刷画像の劣化を招くという問題は解消できていない。
前記特開平5−16351号公報(特許文献2)は、インクジェット記録ヘッド単体の製造方法に関するもので、インクジェット記録ヘッドの保守交換における高精度な実装方法や交換作業の容易化に関して、また、ライン走査型インクジェット記録装置のように多数のインクジェット記録ヘッドを高精度に実装する手段に関しては開示されていない。
前記特開2005−225098号公報(特許文献3)には、ダイユニット(インクジェット記録ヘッド)の実装時の位置合わせの手法、ならびにダイユニット(インクジェット記録ヘッド)の交換時の作業性や保守性などについての考慮がなされていない。
前記特開2007−90691号公報(特許文献4)ではインクジェット記録ヘッドをメカニカルな方法で位置合わせを行うため、部品の寸法公差や部品の摩耗などにより、インクジェット記録ヘッドが所望の位置から実装ずれして、印刷画像の劣化を招くという問題は解消できていない。
本発明の目的は、インクジェット記録ヘッドの画像形成装置内への組付け作業性を向上し、作業時に発生する不具合を防止することのできるインクジェット記録ヘッドモジュールを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、
複数のインクジェット記録ヘッドと、
そのインクジェット記録ヘッドを個別に搭載するヘッド基板と、
そのヘッド基板をライン状に搭載して、各ヘッド基板を介してインクジェット記録ヘッドに電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための駆動制御基板を備えたインクジェット記録ヘッドモジュールであって、
前記駆動制御基板は全数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載する1枚の基板からなり、
その駆動制御基板の各インクジェット記録ヘッドが搭載される位置には、インクジェット記録ヘッドのヘッド部が挿入されてヘッド部の位置調整が可能な広さの貫通穴がライン状に形成され、
前記駆動制御基板の各貫通穴の付近に前記インクジェット記録ヘッドの実装位置調整のための複数の基板側電極パターンを形成し、
前記ヘッド基板側に前記基板側電極パターンと夫々対向する複数のヘッド側電極パターンを形成して、
各基板側電極パターンとヘッド側電極パターンを接続する複数の静電容量センサを設け、
前記複数の静電容量センサの出力に基づいて、前記貫通穴内で前記ヘッド部の実装位置を調整して、前記インクジェット記録ヘッドを前記駆動制御基板に実装していることを特徴とするものである。
複数のインクジェット記録ヘッドと、
そのインクジェット記録ヘッドを個別に搭載するヘッド基板と、
そのヘッド基板をライン状に搭載して、各ヘッド基板を介してインクジェット記録ヘッドに電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための駆動制御基板を備えたインクジェット記録ヘッドモジュールであって、
前記駆動制御基板は全数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載する1枚の基板からなり、
その駆動制御基板の各インクジェット記録ヘッドが搭載される位置には、インクジェット記録ヘッドのヘッド部が挿入されてヘッド部の位置調整が可能な広さの貫通穴がライン状に形成され、
前記駆動制御基板の各貫通穴の付近に前記インクジェット記録ヘッドの実装位置調整のための複数の基板側電極パターンを形成し、
前記ヘッド基板側に前記基板側電極パターンと夫々対向する複数のヘッド側電極パターンを形成して、
各基板側電極パターンとヘッド側電極パターンを接続する複数の静電容量センサを設け、
前記複数の静電容量センサの出力に基づいて、前記貫通穴内で前記ヘッド部の実装位置を調整して、前記インクジェット記録ヘッドを前記駆動制御基板に実装していることを特徴とするものである。
本発明は前述のような構成になっており、インクジェット記録ヘッドの画像形成装置内への組付け作業性を向上し、作業時に発生する不具合を防止することができるインクジェット記録ヘッドモジュールの提供が可能となる。
本発明は、以下のような特徴点を有している。
第1の特徴点は、
複数のインクジェット記録ヘッドと、
そのインクジェット記録ヘッドを個別に搭載するヘッド基板と、
そのヘッド基板をライン状に搭載して、各ヘッド基板を介してインクジェット記録ヘッドに電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための駆動制御基板を備えたインクジェット記録ヘッドモジュールであって、
前記駆動制御基板は全数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載する1枚の基板からなり、
その駆動制御基板の各インクジェット記録ヘッドが搭載される位置には、インクジェット記録ヘッドのヘッド部が挿入されてヘッド部の位置調整が可能な広さの貫通穴がライン状に形成され、
前記駆動制御基板の各貫通穴の付近に前記インクジェット記録ヘッドの実装位置調整のための複数の基板側電極パターンを形成し、
前記ヘッド基板側に前記基板側電極パターンと夫々対向する複数のヘッド側電極パターンを形成して、
各基板側電極パターンとヘッド側電極パターンを接続する複数の静電容量センサを設け、
前記複数の静電容量センサの出力に基づいて、前記貫通穴内で前記ヘッド部の実装位置を調整して、前記インクジェット記録ヘッドを前記駆動制御基板に実装していることを特徴とするものである。
第1の特徴点は、
複数のインクジェット記録ヘッドと、
そのインクジェット記録ヘッドを個別に搭載するヘッド基板と、
そのヘッド基板をライン状に搭載して、各ヘッド基板を介してインクジェット記録ヘッドに電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための駆動制御基板を備えたインクジェット記録ヘッドモジュールであって、
前記駆動制御基板は全数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載する1枚の基板からなり、
その駆動制御基板の各インクジェット記録ヘッドが搭載される位置には、インクジェット記録ヘッドのヘッド部が挿入されてヘッド部の位置調整が可能な広さの貫通穴がライン状に形成され、
前記駆動制御基板の各貫通穴の付近に前記インクジェット記録ヘッドの実装位置調整のための複数の基板側電極パターンを形成し、
前記ヘッド基板側に前記基板側電極パターンと夫々対向する複数のヘッド側電極パターンを形成して、
各基板側電極パターンとヘッド側電極パターンを接続する複数の静電容量センサを設け、
前記複数の静電容量センサの出力に基づいて、前記貫通穴内で前記ヘッド部の実装位置を調整して、前記インクジェット記録ヘッドを前記駆動制御基板に実装していることを特徴とするものである。
このような構成をとることにより、インクジェット記録ヘッドの画像形成装置内への組付け作業性を向上し、作業時に発生する不具合を防止することができる。
第2の特徴点は、
前記駆動制御基板と前記ヘッド部の間に配線される前記電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための銅箔パターンに対してインピーダンス整合がなされていることを特徴とするものである。のこのように銅箔パターンに対してインピーダンス整合することにより、信号伝達特性、即ち信頼性の向上を図ることができる。
前記駆動制御基板と前記ヘッド部の間に配線される前記電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための銅箔パターンに対してインピーダンス整合がなされていることを特徴とするものである。のこのように銅箔パターンに対してインピーダンス整合することにより、信号伝達特性、即ち信頼性の向上を図ることができる。
第3の特徴点は、
前記駆動制御基板に剛性の例えばアジャストプレートなどの支持部材が貼り合わされて一体化されて、前記支持部材にも前記駆動制御基板の貫通穴と同様の貫通穴が形成されていることを特徴とするものである。このように剛性の支持部材により駆動制御基板を補強することにより、インクジェット記録ヘッドを着脱する際の応力により駆動制御基板が撓むことが抑制され、駆動制御基板の変形による各種トラブルが解消される。
前記駆動制御基板に剛性の例えばアジャストプレートなどの支持部材が貼り合わされて一体化されて、前記支持部材にも前記駆動制御基板の貫通穴と同様の貫通穴が形成されていることを特徴とするものである。このように剛性の支持部材により駆動制御基板を補強することにより、インクジェット記録ヘッドを着脱する際の応力により駆動制御基板が撓むことが抑制され、駆動制御基板の変形による各種トラブルが解消される。
第4の特徴点は、
前記駆動制御基板とヘッド基板の接触面に金属接栓部がそれぞれパターンニングされており、前記駆動制御基板とヘッド基板を重ね合わせることにより、前記金属接栓部を介して前記駆動制御基板とヘッド基板を電気的に接続したことを特徴とするものである。
前記駆動制御基板とヘッド基板の接触面に金属接栓部がそれぞれパターンニングされており、前記駆動制御基板とヘッド基板を重ね合わせることにより、前記金属接栓部を介して前記駆動制御基板とヘッド基板を電気的に接続したことを特徴とするものである。
これにより、従来使用していたフラットケーブルと、駆動制御基板側ならびにヘッド基板側のコネクタが不要となり、構造が簡素化されるとともに、インクジェット記録ヘッドの交換作業の容易化、迅速化が図れる。
第5の特徴点は、
前記インクジェット記録ヘッドは、
多数の印字ノズルと、
各印字ノズルに個別に連通してインクを蓄える多数の圧力室と、
各圧力室を個別に加圧して前記印字ノズルからインク滴を吐出する多数の圧電素子と、
シリアル転送される画像データ信号をパラレル転送に変換する画像データ制御素子と、
前記画像データ信号に応じて、前記圧電素子に駆動波形を入力する圧電素子駆動素子を搭載したことを特徴とするものである。
前記インクジェット記録ヘッドは、
多数の印字ノズルと、
各印字ノズルに個別に連通してインクを蓄える多数の圧力室と、
各圧力室を個別に加圧して前記印字ノズルからインク滴を吐出する多数の圧電素子と、
シリアル転送される画像データ信号をパラレル転送に変換する画像データ制御素子と、
前記画像データ信号に応じて、前記圧電素子に駆動波形を入力する圧電素子駆動素子を搭載したことを特徴とするものである。
第6の特徴点は、
インクジェット記録ヘッドモジュールと、
そのインクジェット記録ヘッドモジュールに対して記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を備えたライン走査型インクジェット記録装置であって、
前記インクジェット記録ヘッドモジュールが前記第1ない第5のいずれかの特徴点を有するインクジェット記録ヘッドモジュールであることを特徴とするものである。
インクジェット記録ヘッドモジュールと、
そのインクジェット記録ヘッドモジュールに対して記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を備えたライン走査型インクジェット記録装置であって、
前記インクジェット記録ヘッドモジュールが前記第1ない第5のいずれかの特徴点を有するインクジェット記録ヘッドモジュールであることを特徴とするものである。
次に本発明の実施例を図面と共に説明する。図1は、本発明の実施例に係るオンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置の全体構成を示す概略図である。
図1に示すようにインクジェット記録装置Xは、用紙供給部2と用紙回収部13の間に配置されている。用紙供給部2から高速で繰り出された連続した記録用紙(被記録媒体)1は、インクジェット記録装置Xで所望のカラー画像が形成されて、用紙回収部13で順次巻き取り回収される。
インクジェット記録装置X内の用紙搬送装置は、前記用紙供給部2から供給された記録用紙1の幅方向の位置決めを行う規制ガイド3、駆動ローラと従動ローラで構成されたインフィード部4、記録用紙1の張力に対応して上下して位置信号を出力するダンサローラ5、記録用紙1の蛇行を制御するEPC(Edge Position Control)6、蛇行量のフィードバックに使用する蛇行量検出器7、記録用紙1を設定された速度で搬送するために一定速度で回転する駆動ローラと従動ローラからなるアウトフィード部11、記録用紙1を装置外に排紙する駆動ローラと従動ローラからなるプラー12などから構成されている。
この用紙搬送装置は、ダンサローラ5の位置検出を行い、インフィード部4の回転を制御して搬送中の記録用紙1の張力を一定に保つ張力制御型の搬送装置である。またインクジェット記録装置X内には、インクジェット記録ヘッドモジュール68と、そのインクジェット記録ヘッドモジュール68と対向するように設けられたプラテン9と、乾燥手段10が設けられている。
インクジェット記録ヘッドモジュール68の詳細な構成などについては、後から図2ないし図5などを用いて詳細に説明する。
インクジェット記録ヘッドモジュール68の詳細な構成などについては、後から図2ないし図5などを用いて詳細に説明する。
前記インクジェット記録ヘッドモジュール68は印字ノズルを印刷幅全域に配置したラインヘッドを有し、カラー印刷はブラック、シアン、マゼンダ、イエローの各ラインヘッドにより行われ、各ラインヘッドのノズル面はプラテン9上に所定の隙間を保って支持されている。インクジェット記録ヘッドモジュール68が用紙搬送速度に同期してインク滴吐出を行うことで、記録用紙1上にカラー画像を形成する。
前記乾燥手段10は、インクジェット記録ヘッドモジュール68により着弾されたインク滴を記録用紙1に定着させるためのものである。本実施例において乾燥手段10は記録用紙1から若干離れた非接触の乾燥手段を用いているが、接触式の乾燥手段であってもよい。
図2は、前記インクジェット記録ヘッドモジュール68の斜視図である。
本発明の実施例に係るインクジェット記録ヘッドモジュール68は、図2に示すように、1枚の駆動制御基板78と、多数のインクジェット記録ヘッド75と、アジャストプレート20から主に構成され、従来のインクジェット記録ヘッドモジュール8(図12参照)で用いられていたコネクタ25,26ならびにフラットケーブル19が不要である。
本発明の実施例に係るインクジェット記録ヘッドモジュール68は、図2に示すように、1枚の駆動制御基板78と、多数のインクジェット記録ヘッド75と、アジャストプレート20から主に構成され、従来のインクジェット記録ヘッドモジュール8(図12参照)で用いられていたコネクタ25,26ならびにフラットケーブル19が不要である。
前記駆動制御基板78は、インクジェット記録ヘッド75内の圧電素子53(図10参照)を駆動する駆動波形、及び、画像データ信号を生成するための回路を搭載したリジッド基板である。
前記インクジェット記録ヘッド75は、駆動制御基板78から送信される駆動波形、及び、画像データ信号の指令値に応じて、インクジェット記録ヘッド75から記録用紙1に対してインク滴が吐出されて、所望の画像が形成される。
従来のインクジェット記録ヘッド15と比較して、以下の点で異なる。
図2に示すように、駆動制御基板78の下面(半田面)とアジャストプレート20の上面が貼り合わされ、駆動制御基板78とアジャストプレート20とに、インクジェット記録ヘッド75のヘッド部53の上面サイズと略同寸の貫通穴65(図14参照)が設けられ、その貫通穴65にインクジェット記録ヘッド75のヘッド部35が埋め込まれる(図13参照)。
図2に示すように、駆動制御基板78の下面(半田面)とアジャストプレート20の上面が貼り合わされ、駆動制御基板78とアジャストプレート20とに、インクジェット記録ヘッド75のヘッド部53の上面サイズと略同寸の貫通穴65(図14参照)が設けられ、その貫通穴65にインクジェット記録ヘッド75のヘッド部35が埋め込まれる(図13参照)。
駆動制御基板78は一般的にガラスエポキシ樹脂で形成しているため、強度が弱く、インクジェット記録ヘッド75を着脱する際の応力により駆動制御基板78が撓む可能性があり、駆動制御基板78を単独で使用するのは好ましくない。そのため、アジャストプレート20を駆動制御基板78に貼り合わせることにより、駆動制御基板78の強度を高めている。このアジャストプレート20は、撓み難い剛性のある例えば硬質合成樹脂板、金属板あるいは硬質合成樹脂板と金属板の複合材などから構成されている。
駆動制御基板78とヘッド基板76(インクジェット記録ヘッド75)の接触面にパターンニングされた金属接栓部37,38(図3、図4参照)が設けられているため、従来のようなコネクタ25,26ならびにフラットケーブル19などを使用せずに、駆動制御基板78とインクジェット記録ヘッド75の電気的接続を図ることができる。
本実施例では、1枚の駆動制御基板78に対して複数個のインクジェット記録ヘッド75が実装されて駆動可能な構成になっており、具体的には1枚の駆動制御基板78に対して最大16個のインクジェット記録ヘッド75を駆動制御することが可能である。
駆動制御基板78及びアジャストプレート20に実装された複数個のインクジェット記録ヘッド75の中から、特定(1個)のインクジェット記録ヘッド75を交換する場合、従来技術と比較すると、多数本のフラットケーブル19ならびにコネクタ25,26等の障害物がないため、交換作業が容易で、効率的である。
図3は、このインクジェット記録ヘッドモジュール68の一部を断面した側面図である。なお図面の簡略化を図るために本図では、インクジェット記録ヘッド75と駆動制御基板78を一対一の関係で図示している。
図3に示すように1枚の駆動制御基板78は、各インクジェット記録ヘッド75の特性に応じた駆動波形を生成するD/Aコンバータ(図示せず)、そのD/Aコンバータから出力されるアナログ信号を電圧増幅するオペアンプ(図示せず)、そのオペアンプから出力される駆動波形電圧を電流増幅して、インクジェット記録ヘッド75内の圧電素子へ供給するMOSFET21、そのMOSFET21の損失として発せられるジュール熱を冷却する冷却フィン22、圧電素子への電流供給を補助する電解コンデンサ23、コントローラ(図示せず)から送信される画像データ信号のシリアライズ処理を実施し、インクジェット記録ヘッド75へ送信する画像データ信号ドライバIC24などを有している。
図2に示すように、駆動制御基板78の両側端部に冷却フィン22などが配置されており、駆動制御基板78の中央部側に多数のインクジェット記録ヘッド75が列設されている。
従来技術との相違点は、フラットケーブル19を着脱するコネクタ25が削除され、また、駆動制御基板78のインクジェット記録ヘッド75と対応する位置に金属接栓部38が設けられている点である。
また、インクジェット記録ヘッド75は、画像データ信号レシーバIC29、インクタンク33、ヘッド基板76、ヘッド部35などで主に構成されている。従来技術との相違点は、画像データ制御基板30とフレキシブルプリント基板31と、フラットケーブル19を着脱するコネクタ26が削除されて、画像データ信号レシーバIC29がヘッド基板76に搭載され、さらにヘッド基板76の端部(前記金属接栓部38と対向する位置)に駆動制御基板78と電気的に接続する金属接栓部37が設けられている点である。
アジャストプレート20、金属接栓部37,38、ヘッド基板76、駆動制御基板78の接続構成については、図4ならびに図5を用いて説明する。
本実施例においては、フラットケーブル19の着脱作業が発生しないため、インクジェット記録ヘッド75の交換作業時に不良を発生させるような局所的な負荷を与えることなく、インクジェット記録ヘッド75の交換が可能となる。
本実施例においても従来技術と同様に、駆動信号や画像データ信号を伝送する銅箔パターン61(図4参照)に対して、インピーダンス整合する必要がある。本実施例の場合、前記信号は、駆動制御基板78ならびにヘッド基板76を介してヘッド部75に伝送される。従って、構成部品を最小限に抑えることが可能で、インピーダンスの不整合が生じ憎くなり、信号伝達特性、即ち信頼性の向上が図れる。
図4はインクジェット記録ヘッド75の実装方法を説明するための分解斜視図、図5はインクジェット記録ヘッド75の平面図である。なお、図面の簡略化を図るため、インクジェット記録ヘッド75の1個分のみを図示している。
図4に示すように、駆動制御基板78とアジャストプレート20の同じ位置には、インクジェット記録ヘッド75のヘッド部35の上面サイズよりも若干大きい(本実施例では1.50mm大きい)の貫通穴63、65がそれぞれ設けられ、その貫通穴63、65にインクジェット記録ヘッド75のヘッド部35が埋め込まれる(図3参照)。
アジャストプレート20の前記貫通穴65の両側にはネジ孔64が形成されている。また、駆動制御基板78の前記貫通穴63の両側にはスルーホール62が、ヘッド基板76の前記スルーホール62と対応する位置にはスルーホール60がそれぞれ設けられている。
そして、アジャストプレート20と駆動制御基板78とインクジェット記録ヘッド75の接合は、アジャストプレート20と駆動制御基板78とヘッド基板76を重ね合わせて、固定用ネジ59を、アジャストプレート20に形成されたネジ孔64に対して、ヘッド基板76のスルーホール60及び駆動制御基板78のスルーホール62を通して、ねじ込むことによってなされる。
ヘッド基板76のスルーホール60は固定用ネジ59の外径よりも大径になっており、具体的には、固定用ネジ59の外径に、スルーホール60の寸法公差(±0.1mm)より大きな値を加算した寸法としている。本実施例では、固定用ネジ59の外径3.0mmに対して、スルーホール60の径を6.0mmとしているため、ヘッド基板76(インクジェット記録ヘッド75)がアジャストプレート20に対して、前後左右に±1.50mm移動可能な構造になっている。
この寸法設定の考え方は、前述したヘッド部35の上面サイズに対して駆動制御基板78とアジャストプレート20の貫通穴63、65の径を1.50mmほど大きくして、アジャストプレート20に対してヘッド基板76(インクジェット記録ヘッド75)を移動可能にしている構造にも適用されている。
図5ならびに図11に示されているように、駆動制御基板78上でのヘッド基板76(インクジェット記録ヘッド75)の位置を検出するために、ヘッド基板76の下面の4つの角位置にはヘッド側電極パターン81A〜81Dが設けられ、一方、駆動制御基板78の上面には前記ヘッド側電極パターン81A〜81Dと対向する位置に基板側電極パターン82A〜82Dが設けられている。本実施例の場合、基板側電極パターン82A〜82Dの方がヘッド側電極パターン79A〜79Dよりも広い面積になっている。
ヘッド側電極パターン81A〜81Dならびに基板側電極パターン82A〜82Dは、静電容量センサー71A〜71Dにそれぞれ接続されている。図11では図面の簡略化をはかるため、ヘッド側電極パターン81Aと基板側電極パターン82Aが静電容量センサー71Aに接続されている状態を示している。この4つの静電容量センサー71A〜71Dの出力信号のアナログ値が同等になる位置で、インクジェット記録ヘッド75を駆動制御基板78上で固定することにより、高精度な実装位置合わせが可能となる。
なお、静電容量センサー71A〜71Dの出力信号の処理回路ならびに処理手順については、図6ならびに図7を用いて後で説明する。
なお、静電容量センサー71A〜71Dの出力信号の処理回路ならびに処理手順については、図6ならびに図7を用いて後で説明する。
図4ならびに図5に示すように、駆動信号や画像データ信号を伝送するための銅箔パターン61は駆動制御基板78に設けられたパターン状の金属接栓38に接続されている。一方、ヘッド基板76側にはパターン状の金属接栓37が設けられており、ヘッド基板76と駆動制御基板78を重ね合わせて、金属接栓37と金属接栓38を接触させることにより、両基板76、78を電気的に接続する。金属接栓37と金属接栓38の接触は、固定ネジ59のねじ込みによって良好に維持される。
図6は、静電容量センサー71A〜71Dの出力信号の処理回路を説明するためのブロック図で、図面の簡略化を図るため、インクジェット記録ヘッド75の1個分を図示している。
ヘッド側電極パターン81A〜81Dと基板側電極パターン82A〜82Dはそれぞれ個別に微小の隙間tを介して対向しているが、駆動制御基板78に対するヘッド基板76の位置がずれると、電極パターンの対向面積が異なり、それによってヘッド側電極パターン81と基板側電極パターン82の間の静電容量、すなわち、静電容量センサー71の出力値が異なる。
なお、前記隙間tは0.2mm程度で、図示していないが電極パターン上に塗布されたレジストによって隙間tが維持されている。
ヘッド側電極パターン81A〜81Dと基板側電極パターン82A〜82Dはそれぞれ個別に微小の隙間tを介して対向しているが、駆動制御基板78に対するヘッド基板76の位置がずれると、電極パターンの対向面積が異なり、それによってヘッド側電極パターン81と基板側電極パターン82の間の静電容量、すなわち、静電容量センサー71の出力値が異なる。
なお、前記隙間tは0.2mm程度で、図示していないが電極パターン上に塗布されたレジストによって隙間tが維持されている。
図6に示すように、静電容量センサー71A〜71Dの出力信号の処理回路は、プロセッサ80に設けられたマルチプレクサ72、Ch切替制御モジュール(以下、モジュール:Mdと略記する)73、A/D変換Md74、加算&平均処理Md77ならびに実装位置判定Md79から主に構成されている。
前記マルチプレクサ72は、各静電容量センサー71A〜71Dから出力されるアナログ信号をCh切替制御Md73の制御信号に応じて順次切り替えて、A/D変換Md74に送信する。
Ch切替制御Md73は、各静電容量センサー71の処理がA→B→C→Dの順で処理を繰り返すように制御信号を切り替える。A/D変換Md74は、入力されるアナログ信号を一定の周期でA/D変換して、次の加算&平均処理Md77に送信する。本実施例におけるA/D変換は、使用する電源のスイッチングを考慮して、33.3msに設定し、また、A/D変換精度は、インクジェット記録ヘッド75を高精度に配置する関係上24ビットにしている。
加算&平均処理Md77は、外来ノイズの影響を避けるため、A/D変換データを多数回(本実施例では16回)加算し、その加算値データを平均化処理(減算)し、得られた平均値データを次の実装位置判定Md79に送信する。
実装位置判定Md79には、24ビットのレジスタが4個設けられており(図示せず)、静電容量センサー71A〜71Dの各出力信号の平均値データがそれぞれ格納される。格納処理はA→B→C→Dの順で実施され、静電容量センサー71の平均値データがレジスタに格納されたタイミングで、4つの平均値データを比較する。夫々の平均値データがA/D変換誤差である±3LB以内になった場合には、インクジェット記録ヘッド75が適正な実装位置にあると判定して、平均値データが±3LB以内に入っていない場合には、インクジェット記録ヘッド75が適正な実装位置にないと判定して、合否の結果を例えば液晶表示部83(図11参照)などにより実装作業者に通知する。
図7は、静電容量センサー71A〜71Dの出力信号に基づくインクジェット記録ヘッド75の位置合わせ処理を説明するためのフローチャートである。
ステップ(以下、Sと略記する)1で各静電容量センサー71A〜71Dからの出力信号をマルチプレクサ72で順次切り替えて取り込み、A/D変換Md74に送信して、A/D変換処理を行う。次にS2でA/D変換データを多数回(本実施例では16回)加算し、その加算値データをS3で平均化処理(減算)し、さらにS4で得られた平均値データを実装位置判定Md79に設けられている4個のレジスタにそれぞれ格納する。前述のS1からS4までの処理は、センサー71A→センサー71B→センサー71C→センサー71Dの順で実施される。
次にS5で各静電容量センサー71A〜71Dの平均値データの格納が完了したか否かの判定が行われ、S6で格納された平均値データに基づいてインクジェット記録ヘッド75の位置合わせの合否判定処理が行われる。そしてS7において、各静電容量センサー71A〜71Dからの出力信号に基づいて演算された各平均値データが予め設定されている範囲(本実施例では±3LSB)内に入っているか否かの判定がなされる。
各平均値データが予め設定されている範囲内に入っておれば、S8でインクジェット記録ヘッド75が適正な位置に配置されていることを液晶表示部83(図11参照)で表示し、実装作業者はその表示を見て、その位置で固定用ネジ59を締め付けてインクジェット記録ヘッド75を固定し(S9)、インクジェット記録ヘッド75の位置合わせを終了する。
一方、各平均値データが予め設定されている範囲内に入っていなければ、S10でインクジェット記録ヘッド75が適正な位置に配置されていないこと、すなわちインクジェット記録ヘッド75が左右前後のどの方向に偏って、位置合わせが不合格であることを液晶表示部83(図11参照)で表示し、実装作業者はその表示を見て、S11でインクジェット記録ヘッド75の位置をX,Y方向微調整手段84(図11参照)を用いて位置の微調整を行い、S1に戻って再び位置合わせの処理がなされる。
図11は、ヘッド側電極パターン81ならびに基板側電極パターン82に接続された静電容量センサー71A〜71Dと、静電容量センサー71A〜71Dの出力信号の処理回路を構成しているプロセッサ80、液晶表示部83、インクジェット記録ヘッド75のX,Y方向微調整手段84との関係を示したブロック図である。なお、各部の機能などについては既に説明したので、重複する説明は省略する。
本実施例では、1つのインクジェット記録ヘッド75に対して静電容量センサー71、ヘッド側電極パターン81ならびに基板側電極パターン82を夫々4つ設けたが、必ずしもその数に特定されるものではなく、1つのインクジェット記録ヘッド75に対して静電容量センサー71、ヘッド側電極パターン81ならびに基板側電極パターン82を例えば夫々3つ設けることも可能である。
図8は、インクジェット記録ヘッドモジュール68中のインクジェット記録ヘッド75の配置を説明するための概略構成図である。
本実施例の場合、インクジェット記録ヘッドモジュール68は、ブラックのインク滴を吐出するブラック用ヘッドアレイ14K、シアンのインク滴を吐出するシアン用ヘッドアレイ14C、マゼンダのインク滴を吐出するマゼンダ用ヘッドアレイ14M、イエローのインク滴を吐出するイエロー用ヘッドアレイ14Yの集合体により構成されている。
各ヘッドアレイ14K,14C,14M,14Yは、図に示すように記録用紙1の搬送方向(矢印方向)と直交する方向に延びている。このようにヘッドをアレイ化することにより広域な印刷領域幅を確保している。
さらに各ヘッドアレイ14K,14C,14M,14Yは、複数個のインクジェット記録ヘッド75によりアジャストプレート20(駆動制御基板78)上に配置される構成となっており、図8に示すように、本実施例では1列(1色)毎にインクジェット記録ヘッド75を4個配置している。
図9は、前記インクジェット記録ヘッド75の拡大底面図である。
同図に示すように、インクジェット記録ヘッド75のノズル面(底面)17には多数の印字ノズル16が千鳥状に配列されており、本実施例では印字ノズル16を2列各64個千鳥状に配列している。このように多数の印字ノズル16を千鳥配列することで、高解像度に対応している。
同図に示すように、インクジェット記録ヘッド75のノズル面(底面)17には多数の印字ノズル16が千鳥状に配列されており、本実施例では印字ノズル16を2列各64個千鳥状に配列している。このように多数の印字ノズル16を千鳥配列することで、高解像度に対応している。
図10は、ヘッド部35(図3参照)の分解斜視図である。
ヘッド部35は図10に示すように、ノズルプレート40、圧力室プレート41、リストリクタプレート43、ダイアフラムプレート45、剛性プレート50ならびに圧電素子群52から主に構成されている。
ヘッド部35は図10に示すように、ノズルプレート40、圧力室プレート41、リストリクタプレート43、ダイアフラムプレート45、剛性プレート50ならびに圧電素子群52から主に構成されている。
多数個の印字ノズル16が千鳥状に配列、形成されたノズルプレート40と、各印字ノズル16に対応する圧力室42を形成した圧力室プレート41と、共通インク流路48と圧力室42を連通して圧力室42へのインク流量を制御するリストリクタ44を形成したリストリクタプレート43と、振動板47とフィルタ46を設けたダイアフラムプレート45を順次重ねて位置決めして接合することにより流路板が構成される。
この流路板を剛性プレート50に接合して、フィルタ46を共通インク流路48の開口部と対向させる。インク導入パイプ51の上側開口端は、剛性プレート50の共通インク流路48に接続され、インク導入パイプ51の下側開口端は、図3に示したヘッドタンク33のジョイント部32に接続される。
圧電素子支持基板54上に圧電素子53を多数個配列して構成した圧電素子群52を、剛性プレート50に設けられている開口部49から挿入し、各圧電素子53の自由端を振動板47に接着固定することにより、ヘッド部35が構成される。
圧電素子支持基板54には、図3に示したヘッド基板76と接続するための電極パッド56が設けられ、ヘッド基板76と半田付けで電気的に接続される。また、圧電素子支持基板54には、画像データ信号レシーバIC29からパラレル伝送される画像データ信号に応じて、圧電素子53に駆動波形を入力する圧電素子駆動IC55が搭載される。
尚、図中の符号58は、圧電素子53と圧電素子駆動IC55を電気的に接続するための銅箔パターンである。また、符号57は、圧電素子53と銅箔パターン58を電気的に接続し、かつ、圧電素子53と圧電素子支持基板54を接着させるための圧電素子接続用電極パッドである。
図10では図面の簡略化を図るために、印字ノズル16、圧力室42、リストリクタ44、圧電素子53などの数を減らして図示している。またこのヘッド部35におけるインク滴の吐出動作の説明は、一般に公知であるため省略する。
1:記録用紙,
4:インフィード部,
9:プラテン,
11:アウトフィード部,
16:印字ノズル,
20:アジャストプレート,
29:画像データ信号レシーバIC,
35:ヘッド部,
37,38:金属接栓部,
42:圧力室,
53:圧電素子,
55:圧電素子駆動IC,
61:銅箔パターン,
63,65:貫通穴,
68:インクジッェト記録ヘッドモジュール,
71A〜71D:静電容量センサー,
75:インクジッェト記録ヘッド,
76:ヘッド基板,
78:駆動制御基板,
81A〜81D:ヘッド側電極パターン,
82A〜82D:基板側電極パターン,
83:液晶表示部,
84:X,Y方向微調整手段,
X:インクジッェト記録装置。
4:インフィード部,
9:プラテン,
11:アウトフィード部,
16:印字ノズル,
20:アジャストプレート,
29:画像データ信号レシーバIC,
35:ヘッド部,
37,38:金属接栓部,
42:圧力室,
53:圧電素子,
55:圧電素子駆動IC,
61:銅箔パターン,
63,65:貫通穴,
68:インクジッェト記録ヘッドモジュール,
71A〜71D:静電容量センサー,
75:インクジッェト記録ヘッド,
76:ヘッド基板,
78:駆動制御基板,
81A〜81D:ヘッド側電極パターン,
82A〜82D:基板側電極パターン,
83:液晶表示部,
84:X,Y方向微調整手段,
X:インクジッェト記録装置。
Claims (6)
- 複数のインクジェット記録ヘッドと、
そのインクジェット記録ヘッドを個別に搭載するヘッド基板と、
そのヘッド基板をライン状に搭載して、各ヘッド基板を介してインクジェット記録ヘッドに電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための駆動制御基板を備えたインクジェット記録ヘッドモジュールであって、
前記駆動制御基板は全数の前記インクジェット記録ヘッドを搭載する1枚の基板からなり、
その駆動制御基板の各インクジェット記録ヘッドが搭載される位置には、インクジェット記録ヘッドのヘッド部が挿入されてヘッド部の位置調整が可能な広さの貫通穴がライン状に形成され、
前記駆動制御基板の各貫通穴の付近に前記インクジェット記録ヘッドの実装位置調整のための複数の基板側電極パターンを形成し、
前記ヘッド基板側に前記基板側電極パターンと夫々対向する複数のヘッド側電極パターンを形成して、
各基板側電極パターンとヘッド側電極パターンを接続する複数の静電容量センサを設け、
前記複数の静電容量センサの出力に基づいて、前記貫通穴内で前記ヘッド部の実装位置を調整して、前記インクジェット記録ヘッドを前記駆動制御基板に実装していることを特徴とするインクジェット記録ヘッドモジュール。 - 請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドモジュールにおいて、
前記駆動制御基板と前記ヘッド部の間に配線される前記電源を供給したり、画像データや駆動波形などの信号を伝送するための銅箔パターンに対してインピーダンス整合がなされていることを特徴とするインクジェット記録ヘッドモジュール。 - 請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドモジュールにおいて、
前記駆動制御基板に剛性の支持部材が貼り合わされて一体化されて、前記支持部材にも前記駆動制御基板の貫通穴と同様の貫通穴が形成されていることを特徴とするインクジェット記録ヘッドモジュール。 - 請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドモジュールにおいて、
前記駆動制御基板とヘッド基板の接触面に金属接栓部がそれぞれパターンニングされており、前記駆動制御基板とヘッド基板を重ね合わせることにより、前記金属接栓部を介して前記駆動制御基板とヘッド基板を電気的に接続したことを特徴とするインクジェット記録ヘッドモジュール。 - 請求項1に記載のインクジェット記録ヘッドモジュールにおいて、
前記インクジェット記録ヘッドは、
多数の印字ノズルと、
各印字ノズルに個別に連通してインクを蓄える多数の圧力室と、
各圧力室を個別に加圧して前記印字ノズルからインク滴を吐出する多数の圧電素子と、
シリアル転送される画像データ信号をパラレル転送に変換する画像データ制御素子と、
前記画像データ信号に応じて、前記圧電素子に駆動波形を入力する圧電素子駆動素子を搭載したことを特徴とするインクジェット記録ヘッドモジュール。 - インクジェット記録ヘッドモジュールと、
そのインクジェット記録ヘッドモジュールに対して記録媒体を搬送する記録媒体搬送手段を備えたライン走査型インクジェット記録装置であって、
前記インクジェット記録ヘッドモジュールが請求項1ないし5のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドモジュールであることを特徴とするライン走査型インクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013053984A JP2014177084A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたライン走査型インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013053984A JP2014177084A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたライン走査型インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014177084A true JP2014177084A (ja) | 2014-09-25 |
Family
ID=51697514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013053984A Pending JP2014177084A (ja) | 2013-03-15 | 2013-03-15 | インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたライン走査型インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2014177084A (ja) |
-
2013
- 2013-03-15 JP JP2013053984A patent/JP2014177084A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20080218556A1 (en) | Liquid droplet ejection head, liquid droplet ejection device, and image forming apparatus | |
JP2014094454A (ja) | ライン型インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたインクジェット記録装置 | |
JP2007223196A (ja) | ライン型のインクジェット記録装置のヘッドの位置決め方法及び位置決め装置及びラインヘッド | |
US20110210999A1 (en) | Drive control device of actuator and inkjet printer provided with the same | |
JP4729957B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドバー、液滴吐出装置、及び、液滴吐出ヘッドバー製造方法 | |
JP4774895B2 (ja) | インクジェット印画装置 | |
JP2007090694A (ja) | ラインヘッド及びインクジェット印画装置 | |
US7896471B2 (en) | Recording head and methods for manufacturing and inspecting the recording head | |
US8567922B2 (en) | Piezoelectric actuator unit and method for testing piezoelectric actuator unit | |
JP6044080B2 (ja) | インクジェット式記録ヘッド、インクジェット式記録装置、インクジェット式記録ヘッドの製造装置 | |
JP2013223987A (ja) | インクジェット記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置ならびに製造装置 | |
US8287070B2 (en) | Drive control apparatus and ink-jet printer provided with the same | |
JP4240125B2 (ja) | インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッドの検査方法及びインクジェット記録装置 | |
KR101808880B1 (ko) | 잉크젯 기록 장치 | |
US9132628B2 (en) | Recording head controlling apparatus, recording head, recording apparatus, and image forming apparatus | |
US7699439B2 (en) | Droplet ejection head and droplet ejection apparatus | |
JP2007090686A (ja) | ラインヘッド及びインクジェット印画装置 | |
JP2014177084A (ja) | インクジェット記録ヘッドモジュールおよびそれを備えたライン走査型インクジェット記録装置 | |
JP4844302B2 (ja) | 液滴吐出ヘッドの検査方法と装置及び液滴吐出装置 | |
JP2007090695A (ja) | ラインヘッド及びインクジェット印画装置 | |
JP5855506B2 (ja) | ラインヘッド及びこれを用いたインクジェット記録装置並びにヘッドモジュールの位置調整方法 | |
US20080186342A1 (en) | Inkjet recording apparatus, manufacturing method of inkjet head, and checking method of the head | |
JP2005183752A (ja) | プリント基板及びインクジェットヘッド | |
JP2007090692A (ja) | ラインヘッド及びインクジェット印画装置 | |
JP2007001190A (ja) | ヘッドモジュール、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及びヘッドモジュールの製造方法 |