JP2014176052A - ハンズフリー装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハンズフリー通話において、受話音声を一部の受聴者に聞こえないようにする秘話性を、特殊な装置を用いたり複雑な演算をしなくても実現できるハンズフリー装置を提供する。
【解決手段】受話音声制御部101と再生特性制御部102とを備え、再生特性制御部102は、一部の受聴者の両耳間特性差が少なくなるように、また他の受聴者の両耳間特性差は大きくなるように制御し、受話音声制御部101は、再生特性制御部102によって両耳間特性差が少なくなるように制御された位置において、周囲騒音によって受話音声がマスキングされるように制御するようにする。この状態で、両耳間特性差が大きくなるように制御された位置では、受話音声は周囲騒音にマスキングされずに聞こえるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、通信機などの受話器を持たずに通信相手と会話することができるハンズフリー装置、特に一部の受聴者にのみ受話音声が聞こえるように制御することを目的としたハンズフリー装置に関するものである。
従来のハンズフリー装置として、車内の所定の位置に送話器としてのマイクロホンおよび拡声受話器としてのスピーカをそれぞれ固定的に設置し、これらのマイクロホンおよびスピーカを用いて通話を行うハンズフリー式自動車電話装置において、前記スピーカを座席のヘッドレストに設け、かつこのスピーカの指向性を着席者の耳の方向に設定し、同乗者に通話内容を聞かれ難くしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
また、従来の別のハンズフリー装置として、通話用マイクロホン及びスピーカを備えたハンズフリー電話装置とは別に、3つ以上の地点にBGM音源を夫々分散配置するとともに、各BGM音源からの音声信号波の振幅と位相とを、上記BGM音源により合成される音性波が送話者の位置において互いに打ち消すように、秘話モードとして通話漏洩を阻止したことを特徴とするものが知られている(例えば特許文献2参照)。
特開平5−92741号公報 特開平5−191491号公報
しかしながら、従来のハンズフリー装置では、送話者以外の者に受話音声を聞かせないようにするためには、例えば車室内ではドアスピーカのような、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカが必要になったり、複雑な処理が必要になってしまうという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、送話者以外の者に受話音声を聞かせないようにする場合でも、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要としないハンズフリー装置を提供することを目的とする。
本発明のハンズフリー装置は、受話音声の特性を制御する受話音声制御部と、スピーカから再生される信号の特性を制御する再生特性制御部とを備え、前記再生特性制御部は、複数の受聴者の内一部の受聴者の両耳間特性差が少なくなるように、また他の受聴者の両耳間特性差は大きくなるように制御し、前記受話音声制御部は、前記再生特性制御部によって両耳間特性差が少なくなるように制御した受聴位置において、周囲騒音によって前記スピーカから再生された受話音声がマスキングされるように制御するようにした構成を有している。
この構成により、両耳間特性差が少なくなるように制御した受聴位置では受話音声が聞こえず、両耳間特性差が大きくなるように制御した受聴位置では受話音声が聞こえるようにすることができる。
本発明は、受話音声の特性を制御する受話音声制御部と、スピーカから再生される信号の特性を制御する再生特性制御部とを設けることにより、送話者以外の者に受話音声を聞かせないようにする場合でも、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要としないという効果を有するハンズフリー装置を提供することができるものである。
本発明の第1の実施の形態におけるハンズフリー装置のブロック図 車室内受聴者両耳位置の制御前の特性例を示す図 車室内受聴者両耳位置の制御前の特性例を示す図(拡大図) 車室内受聴者両耳位置の制御後の特性例を示す図 騒音特性例と騒音分析結果例を示す図 音声特性例と音声分析結果例を示す図 本発明の第2の実施の形態における車室内特性制御部のブロック図 FIRフィルタのブロック図 制御前の車室内受聴者の両耳間特性差例を示す図 制御後の車室内受聴者の両耳間特性差例を示す図 本発明の第3の実施の形態における受話音声制御部のブロック図 本発明の第4の実施の形態におけるハンズフリー装置のブロック図 ノイズ生成器によって生成されるノイズとノイズを付加した後の周囲騒音の特性例を示す図
(実施の形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態のハンズフリー装置について、図面を用いて説明する。
本発明の第1の実施の形態のハンズフリー装置を図1に示す。
図1において、ハンズフリー装置100は、図示していない携帯端末と受話音声入力端子110で接続されている。また、車114内に設置されたマイク115とマイク信号入力端子111で、Lchスピーカ116とLch信号出力端子112で、Rchスピーカ117とRch信号出力端子113で、接続されている。図示していないが、ハンズフリー装置100とマイク115との間に、信号を増幅するためのアンプおよびアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器を設けても良い。同様に、ハンズフリー装置100とLchスピーカ116との間、および、ハンズフリー装置100とRchスピーカ117との間に、それぞれアンプおよびディジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器を設けても良い。
ハンズフリー装置100は、受話音声制御部101と、再生特性制御部102から構成されている。また、受話音声制御部101は、音声分析器103と、乗算器104と、受話音声制御係数更新器105と、騒音分析器106とで構成されている。再生特性制御部102は、遅延器107と、乗算器108、109とで構成されている。ハンズフリー装置100は、ディジタル信号処理が可能なディジタルシグナルプロセッサ(DSP)やマイコンなどで実現しても良い。
次に、図1に示したように構成されたハンズフリー装置100について、図1を用いてその動作を説明する。
受話音声入力端子110に入力された受話音声は、乗算器104によってレベルが変えられる。乗算器104の出力信号は、遅延器107によって遅延させられ、乗算器108によってレベルが変えられ、Lch信号出力端子112に入力される。乗算器104の出力信号はまた、乗算器109によってレベルが変えられ、Rch信号出力端子113に入力される。
Lch信号出力端子112の出力信号は、車114内に設置されたLchスピーカ116から再生され、かつ、Rch信号出力端子113の出力信号は、Rchスピーカ117から再生され、助手席の受聴者118と、運転席の受聴者119に到達する。
受話音声入力端子110に入力された受話音声は、音声分析器103によって分析され、受話音声制御係数更新器105の一方の入力となる。車114内に設置されたマイク115で収録された騒音は、マイク信号入力端子111に入力され、騒音分析器106によって分析され、受話音声制御係数更新器105のもう一方の入力となる。受話音声制御係数更新器105は、音声分析器103による音声分析結果と、騒音分析器106による騒音分析結果から、乗算器104の係数を算出し、乗算器104の係数を更新する。
ここで、再生特性制御部102での車114内の再生特性制御方法について、図2から図4を用いて説明する。
図2は、車114内のLchスピーカ116、Rchスピーカ117から音を出力したときの、助手席の受聴者118、運転席の受聴者119の両耳位置における特性(インパルス応答)の例を示している。図2において、(a)は左席における助手席の受聴者118の左耳における特性、(b)は助手席の受聴者118の右耳における特性、(c)は右席における運転席の受聴者119の左耳における特性、(d)は運転席の受聴者119の右耳における特性である。なお、サンプリング周波数は48kHzである。
車室内では、ドアにスピーカが設置されている場合、そのスピーカ位置は受聴者からみて左右非対称な位置になるので、図2をみてわかるように、受聴者耳位置での特性は左右で異なる。特に、到達時間差や大きさが異なる。
到達時間差が左右で異なることを示すために、図3に、図2の時間的な拡大図を示す。図3において、(a)、(b)、(c)、(d)は、図2と同様である。
図3(a)、(b)を比較すると、音の到達時間は、左耳(a)の方が早く、右耳(b)の方が遅い。同様に図3(c)、(d)を比較すると、(a)、(b)とは逆に、左耳(c)よりも右耳(d)の方が早く到達している。
いま、助手席の受聴者118の両耳位置での特性を合わせる。そのために、再生特性制御部102内の遅延器107で、Lchスピーカ116から出力される音を遅延させ、また乗算器108、109で、Lchスピーカ116、Rchスピーカ117から出力される音のレベルをそれぞれ調整する。
このように再生特性制御部102で調整した場合の、助手席の受聴者118、運転席の受聴者119の両耳位置における特性を図4に示す。図4において、(a)、(b)、(c)、(d)は、図2と同様である。
図4において、助手席両耳位置の特性(a)、(b)を比較すると、図3の制御前の特性と比較して、特に到達時間が左右で揃っていることがわかる。また、大きさも図3と比べると左右で揃っている。
一方、運転席両耳位置の特性(c)、(d)を比較すると、到達時間、大きさとも左右で揃っていないことがわかる。
このように、再生特性制御部102は、遅延器107および乗算器108、109に適切なパラメータを設定することで、助手席における両耳間特性差を少なくなるように、かつ、同時に運転席における両耳間特性差は大きくなるように制御することができる。
次に、図1における受話音声制御部101での音声や騒音の分析方法および受話音声の制御方法について、図5および図6を用いて説明する。
図5は、騒音分析器106における騒音分析結果の例である。図5において、(a)は車114内のマイク115で収録される走行騒音の時間波形、(b)、(c)は(a)の騒音を騒音分析器106で分析した結果である。図5(a)の走行騒音は、途中で加速を行っているものである。
騒音分析器106は、マイク115で収録された車114内の走行騒音(図5(a))を、まず一定時間間隔でレベル分析を行う。図5(b)は、(a)の時間波形を、10ms間隔でレベル分析した結果である。このような分析では、騒音レベルの変動が大きくなってしまうため、例えば、一定時間間隔でレベル分析した値の最小値検出と、その最小値の更新を行うことで、平均化する。図5(c)は、そのように最小値の更新を行うことで騒音レベルの平均化を行ったものである。最小値検出を行うのは、暗騒音レベルを検出し、突発的なノイズは検出しないようにするためである。(c)では、(b)と比べ短時間でのレベル変動が少ないことがわかる。ただし、例えば加速時など走行騒音のレベルが長い時間をかけて変動するような場合のレベル変動には、追従できていることがわかる。
騒音分析器106は、マイク115で収録される騒音を用いて助手席の受聴者118の受聴位置での騒音レベルを推定するために、マイク115の位置における騒音レベルと、助手席の受聴者118の受聴位置における騒音レベルとの差を補正するようにしてもよい。
図6は、音声分析器103における音声分析結果の例である。図6において、(a)は受話音声入力端子110に入力された受話音声の時間波形、(b)、(c)は(a)の音声を音声分析器103で分析した結果である。
音声分析器103は、受話音声(図6(a))を、騒音分析器106と同様に一定時間間隔でレベル分析を行う。図6(b)は、(a)の時間波形を、10ms間隔でレベル分析した結果である。騒音分析と同様に、レベル変動が大きくなってしまうため、例えば、一定時間間隔でレベル分析した値の最大値検出と、その最大値の更新を行うことで、平均化する。騒音分析と異なり、最大値検出を行うのは、音声は騒音と比べて短時間のレベル変動が大きいことと、ヒトは音声の大きな部分をもとに音声のレベルを認識していると考えられるからである。このような分析を行った(c)では、(b)と比べてレベル変動を少なくすることができていることがわかる。
音声分析器103は、受話音声入力端子110に入力された受話音声のレベルを用いて、助手席の受聴者118の受聴位置における音声レベルを推定するために、Lchスピーカ116、Rchスピーカ117から助手席の受聴者118の受聴位置までの特性を用いてレベルの補正を行ってもよい。
次に、受話音声制御係数更新器105での、乗算器104の係数更新方法について説明
する。受話音声制御係数更新器105は、音声分析器103での受話音声分析結果、騒音分析器106での騒音分析結果をもとに、乗算器104の係数を更新する。受話音声制御係数更新器105は、再生特性制御部102で両耳間特性差が少なくなるように制御した助手席の受聴者118の受聴位置で、受話音声が車室内騒音にマスキングされるように乗算器104の係数を更新する。助手席の受聴者118の受聴位置において、音声が騒音にマスキングされる際の音声レベルと騒音レベルとの関係は、あらかじめ試聴試験などによって調べた上で、テーブル化などしておく。受話音声制御係数更新器105は、このテーブルの値をもとに乗算器104の係数値を求める。
ここで、両耳マスキングレベル差について説明する。
文献「聴覚心理学概論」(B.C.J.ムーア、大串健吾監訳、誠信書房、2005年第6刷)の第6章空間知覚第10節両耳マスキングレベル差によれば、「同一の雑音が両耳に与えられ、また同一の純音が各耳に雑音と混合されて与えられている。純音のレベルを雑音によってちょうどマスクされるように調節したとする。このレベルがマスク閾であり、そのレベルをLdBとしよう。ここで一方の耳の信号(純音)を逆に、つまり波形を上下逆にしたと仮定する。これは信号の位相を180度すなわちπラジアンだけシフトすることと等価である。この結果、純音は再び聞こえるようになる。そこでもう一度マスク閾になるように純音のレベルを調節し、これをLπとする。この二つのレベルの差、L−Lπ(dB)がマスキングレベル差として知られる。その値は低い周波数(500Hz付近)で最大15dB程度、1500Hz以上の周波数では、2〜3dBにまで減少する。このように、単に一方側の耳に与える信号波形を反転させただけで、信号をかなり検出しやすくすることができる。」とある。
つまり、再生特性制御部102によって助手席の受聴者118の受聴位置での両耳間特性差が少なくなるように制御し、受話音声制御部101によって助手席の受聴者118の受聴位置での受話音声が騒音によってマスキングされるように制御した場合、運転席の受聴者119の受聴位置での両耳間特性差は大きいので、受話音声は聞こえるようにすることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態のハンズフリー装置では、車室内でハンズフリー通話を行っている場合について説明したが、複数の受聴位置が存在し、その一部で受話音声を聞こえないように制御するのであれば、車でなくてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態のハンズフリー装置では、常に受話音声が運転席では聞こえ、助手席では聞こえないように制御されるが、秘話モードを設け、ユーザが通常通話モードと秘話モードとを切り替えるようにしてもよい。
このような本発明の第1の実施の形態のハンズフリー装置によれば、受話音声の特性を制御する受話音声制御部と、スピーカから再生される信号の特性を制御する再生特性制御部とを設け、再生特性制御部は、助手席における両耳間特性差が少なくなるように、また運転席における両耳間特性差は大きくなるように制御し、受話音声制御部は、助手席受聴位置において、周囲騒音によってスピーカから再生された受話音声がマスキングされるように制御するようにした。このため、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要とせず、助手席受聴位置では受話音声が聞こえず、運転席受聴位置では受話音声が聞こえるようにすることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態のハンズフリー装置について、図面を用いて説明する。
本発明の第2の実施の形態のハンズフリー装置における再生特性制御部を図7に示す。第2の実施の形態のハンズフリー装置は、再生特性制御部以外の構成は、図1の第1の実施の形態のハンズフリー装置と同様である。また、図8にFIRフィルタのブロック図を示す。
図7において、再生特性制御部700は、FIRフィルタ701、702とで構成されている。
次に、図7に示したように構成された再生特性制御部について、図7および図8を用いてその動作を説明する。
図7において、受話音声入力端子703に入力された受話音声は、FIRフィルタ701、702によって、振幅と位相特性が変えられ、それぞれLch信号出力端子704、Rch信号出力端子705から、出力される。
このFIRフィルタ701、702は、図8に示すように構成される。
図8において、FIRフィルタ800は、遅延器801と、乗算器802と、加算器803とで構成されている。
図8において、FIRフィルタ入力端子804に入力された信号は、複数の遅延器801によって、それぞれ1サンプルごと遅延させられる。入力信号およびそれぞれの遅延器801の出力信号は、乗算器802によって振幅が変えられ、乗算器802の出力信号は加算器803によって加算され、FIRフィルタ出力端子805に出力される。FIRフィルタは、遅延器801および乗算器802の数、乗算器802の係数を適当に設定することで、入力信号を所望の振幅周波数特性、位相周波数特性に制御できるものである。
次に、再生特性制御部700による再生特性制御方法例について説明する。
再生特性制御部700のFIRフィルタ701、702は、受聴者両耳位置の特性が、所望の左右同一の特性になるように設計する。いま、FIRフィルタ701、702の特性をそれぞれW1、W2、車室内左スピーカから受聴者左耳までの特性をH11、左スピーカから右耳までの特性をH21、右スピーカから左耳までの特性をH12、右スピーカから右耳までの特性をH22、所望の左耳特性をD1、右耳特性をD2とした場合、FIRフィルタによって制御された場合の両耳の特性が、所望の特性になるようにするためには、下式を満足するW1、W2を求めれば良い。ただし、それぞれの特性は周波数領域で表現されたものである。
H11・W1 + H12・W2 = D1
H21・W1 + H22・W2 = D2
再生特性制御部700による制御効果を、助手席および運転席の受聴者の両耳間レベル差、位相差を用いて説明する。
図9に、両耳位置の特性が図2に示したインパルス応答であるときの、助手席位置における両耳間レベル差(同図(a))、両耳間位相差(同図(b))、および運転席位置における両耳間レベル差(同図(c))、両耳間位相差(同図(d))を示す。各図は、横軸が周波数、縦軸は両耳間レベル差あるいは両耳間位相差である。
図9より、制御前は、助手席、運転席ともに、両耳間レベル差および両耳間位相差が大
きいことがわかる。
図10に、再生特性制御部700による制御後の両耳間差を示す。図10の(a)から(d)は、図9と同様である。
図10より、再生特性制御部700は、助手席における両耳間差が小さくなるように制御しているため、助手席における両耳間差(同図(a)、(b))は小さく、一方、制御していない運転席における両耳間差(同図(c)、(d))は大きいことがわかる。
このような本発明の第2の実施の形態のハンズフリー装置によれば、FIRフィルタによって構成される再生特性制御部によって、助手席における両耳間特性差が少なくなるように、また運転席における両耳間特性差は大きくなるように制御する。このため、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要とせず、助手席受聴位置では受話音声が聞こえず、運転席受聴位置では受話音声が聞こえるようにすることができる。さらに、FIRフィルタによって制御するため、精密な制御が可能となる。
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態のハンズフリー装置について、図面を用いて説明する。
本発明の第3の実施の形態のハンズフリー装置における受話音声制御部を図11に示す。第3の実施の形態のハンズフリー装置は、受話音声制御部以外の構成は、図1の第1の実施の形態のハンズフリー装置と同様である。
図11において、受話音声制御部1100は、受話音声の周波数分割を行う周波数分割器1101と、周波数合成器1102と、マイク入力信号の周波数分割を行う周波数分割器1103と、音声分析器1104と、乗算器1105と、受話音声制御係数更新器1106と、騒音分析器1107とで構成されている。
次に、図11に示したように構成された受話音声制御部について、図11を用いてその動作を説明する。
図11において、受話音声入力端子1108に入力された受話音声は、周波数分割器1101によって、複数の周波数バンドに分割される。複数の周波数バンドに分割された受話音声は、乗算器1105によって、それぞれの周波数バンドごと振幅が変えられ、周波数合成器1102によって1つの周波数バンドの音声に変換され、受話音声出力端子1109から出力される。周波数分割器1101の出力信号は、音声分析器1104に入力され、各周波数バンドごと音声の分析がされる。音声分析器1104によって分析された結果は、受話音声制御係数更新器1106の一方の入力となる。
マイク信号入力端子1110に入力されたマイク信号は、周波数分割器1103によって、周波数分割器1101と同じ周波数バンドに分割される。周波数分割器1103の出力信号は、騒音分析器1107によって各周波数バンドごと騒音の分析がされる。騒音分析器1107によって分析された結果は、受話音声制御係数更新器1106のもう一方の入力となる。
受話音声制御係数更新器1106は、音声分析結果および騒音分析結果に基づき、各周波数バンドの乗算器1105の係数を更新する。音声分析器1104、受話音声制御係数更新器1106、騒音分析器1107の動作は、前記第1の実施の形態のハンズフリー装置における音声分析器、受話音声制御係数更新器、騒音分析器と同様の動作を、各周波数バンドごと行う。
音声分析器1104による音声分析、騒音分析器1107による騒音分析、受話音声制御係数更新器1106による係数更新、乗算器1105による受話音声の振幅制御を複数の周波数バンドごと行うようにしたのは、受話音声および騒音が周波数ごとにレベルが異なるため、より精度良く制御できるようにするためである。
このような本発明の第3の実施の形態のハンズフリー装置によれば、受話音声制御部が複数の周波数バンドごとに、助手席受聴位置において、周囲騒音によってスピーカから再生された受話音声がマスキングされるように制御することができる。このため、受話音声を精度良く制御できる。また、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要とせずに、助手席受聴位置では受話音声が聞こえず、運転席受聴位置では受話音声が聞こえるようにすることができる。
(実施の形態4)
以下、本発明の第4の実施の形態のハンズフリー装置について、図面を用いて説明する。
本発明の第4の実施の形態のハンズフリー装置を図12に示す。
図12において、ハンズフリー装置1200は、受話音声制御部1201と、再生特性制御部1202と、ノイズ生成器1207と、ノイズ制御係数更新器1208と、乗算器1209と、加算器1210とから構成されている。また、受話音声制御部1201は、音声分析器1203と、受話音声制御係数更新器1205と、騒音分析器1206とで構成されている。
次に、図12に示したように構成されたハンズフリー装置1200について、図12を用いてその動作を説明する。
受話音声入力端子1211に入力された受話音声を制御する受話音声制御部1201と、再生特性制御部1202の動作は、図1の第1の実施の形態のハンズフリー装置と同様である。ノイズ生成器1207は、例えばピンクノイズのようなノイズを生成する。ノイズの生成方法は、メモリ上にノイズを格納しておきそのメモリの内容を読み出すことで生成してもよいし、ノイズ生成の計算式からノイズを生成するようにしてもよい。ノイズ生成器1207によって生成された信号は、乗算器1209によって振幅が変えられ、加算器1210の一方の入力となる。加算器1210のもう一方の入力は、再生特性制御部1202によって再生特性が制御された受話音声である。加算器1210は、再生特性制御部1202の出力である受話音声と、乗算器1209の出力であるノイズを加算し、Lch信号をLch信号出力端子1213から、Rch信号をRch信号出力端子1214から出力する。
マイク信号入力端子1212に入力された信号は、騒音分析器1206に入力され、騒音分析器1206はそのレベル分析を行う。ノイズ制御係数更新器1208は、騒音分析器1206による騒音分析結果をもとに、乗算器1209の係数を更新する。
ノイズ制御係数更新器1208は、例えば、車室内に存在する騒音の量を設定した一定レベル以上にするために、乗算器1209の係数を変更する。騒音分析器1206によって分析された騒音レベルが一定レベルより小さいときには、乗算器1209の係数の値を大きくし、ノイズ生成器1207によって生成されたノイズが車室内に設定したレベルで再生されるようにする。一方、騒音分析器1206によって分析された騒音レベルが一定レベル以上の場合には、乗算器1209の係数の値を小さくし、ノイズ生成器1207に
よって生成されたノイズが再生されないようにする。このようにノイズの付加量を制御するのは、例えば、停車時のように車室内の騒音レベルが小さいときには、受話音声制御係数更新器1205によって更新される乗算器1204の値が小さくなり、車室内に再生される受話音声レベルが小さくなってしまうので、このような不都合を防ぐためである。また、走行騒音のレベル変動が大きい場合には、受話音声制御係数更新器1205によって制御される受話音声のレベル変動も大きくなり、聴感上不自然になってしまうのを防ぐ効果もある。
ノイズ生成器1207によるノイズ付加の様子の例を、図5および図13を用いて説明する。いま、車室内の騒音が、図5(b)に示すようなレベル特性をもつ走行騒音であったとする。図5(b)の騒音は、時刻0秒ではレベルが約−25dBであるが、4秒付近では約−5dBまで上昇し、10秒付近ではまた約−25dBに減少した後、15秒以降は約0dBとなっており、レベル変動が大きい。そこで、図13(a)のような、ノイズ生成器1207で生成されたピンクノイズを、乗算器1209によって約−6dBのレベルにしたものを再生する。ノイズ再生後の車室内騒音のレベル分析結果を、図13(b)に示す。図13(b)では、時刻約15秒まではレベルが−6dB、約15秒以降は約0dBとなり、車室内騒音のレベル変動が少なくなっていることがわかる。
以上では、一定レベルのノイズを付加する場合について説明したが、走行騒音が大きい場合には付加するノイズのレベルを小さく、または付加しないようにしてもよい。また、走行騒音のレベルに合わせて、付加するノイズのレベルを変動させてもよい。
このような本発明の第4の実施の形態のハンズフリー装置によれば、受話音声の特性を制御する受話音声制御部と、スピーカから再生される信号の特性を制御する再生特性制御部と、ノイズ生成器とを設け、再生特性制御部は、助手席における両耳間特性差が少なくなるように、また運転席における両耳間特性差は大きくなるように制御し、受話音声制御部は、助手席受聴位置において、周囲騒音によってスピーカから再生された受話音声がマスキングされるように制御し、ノイズ生成器は、走行騒音が小さなときにノイズを生成して再生するようにした。このため、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要とせず、助手席受聴位置では受話音声が聞こえず、運転席受聴位置では受話音声が聞こえるようにすることができる。また、走行騒音によるレベル変動が大きな場合にも、聴感上自然な受話音声を再生できる。
以上のように、本発明にかかるハンズフリー装置は、送話者以外の者に受話音声を聞かせないようにする場合でも、通常のハンズフリー再生スピーカとは異なるスピーカや複雑な処理を必要としないという効果を有し、通信機などの受話器を持たずに通信相手と会話することができるハンズフリー装置、特に一部の受聴者にのみ受話音声が聞こえるように制御することを目的としたハンズフリー装置として有用である。
100、1200 ハンズフリー装置
101、1100、1201 受話音声制御部
102、700、1202 再生特性制御部
103、1104、1203 音声分析器
104、108、109、802、1105、1204、1209 乗算器
105、1106、1205 受話音声制御係数更新器
106、1107、1206 騒音分析器
107、801 遅延器
110、703、1108、1211 受話音声入力端子
111、1110、1212 マイク信号入力端子
112、704、1213 Lch信号出力端子
113、705、1214 Rch信号出力端子
114 車
115 マイク
116 Lchスピーカ
117 Rchスピーカ
118 助手席の受聴者
119 運転席の受聴者
701、702、800 FIRフィルタ
803、1210 加算器
804 FIRフィルタ入力端子
805 FIRフィルタ出力端子
1101、1103 周波数分割器
1102 周波数合成器
1109 受話音声出力端子
1207 ノイズ生成器
1208 ノイズ制御係数更新器

Claims (6)

  1. 受話音声を複数のスピーカから再生し、送話音声をマイクで収録して、通信相手と会話することのできるハンズフリー装置において、
    前記受話音声の特性を制御する受話音声制御部と、
    前記複数のスピーカから再生される信号の特性を制御する再生特性制御部とを備え、
    前記再生特性制御部は、一の受聴者の両耳間特性差が少なくなるように、かつ、他の受聴者の両耳間特性差は大きくなるように制御し、
    前記受話音声制御部は、前記再生特性制御部によって両耳間特性差が少なくなるように制御した受聴位置において、周囲騒音によって前記複数のスピーカから再生された受話音声がマスキングされるように制御することを特徴とするハンズフリー装置。
  2. 前記再生特性制御部は、第1の遅延器と、第1の乗算器とを備え、
    両耳間特性差が少なくなるように制御しようとする聴取位置において、
    前記第1の遅延器は、前記複数のスピーカから再生される音の到達時間が一致するようにスピーカ出力の遅延を調整し、
    前記第1の乗算器は、前記複数のスピーカから再生される音のレベルが一致するようにスピーカ出力レベルを調整することを特徴とする請求項1に記載のハンズフリー装置。
  3. 前記再生特性制御部は、FIRフィルタを備え、
    前記FIRフィルタは、両耳間特性差が少なくなるように制御しようとする聴取位置において、前記複数のスピーカから出力される音の振幅と位相とを制御することで、両耳間特性差を少なくすることを特徴とする請求項1に記載のハンズフリー装置。
  4. 前記受話音声制御部は、音声分析器と、騒音分析器と、受話音声制御係数更新器と、第2の乗算器とを備え、
    前記音声分析器による受話音声分析結果と、前記騒音分析器による前記マイクで収録させる周囲騒音の分析結果とに基づいて、前記受話音声制御係数更新器が前記第2の乗算器の係数を更新することで、受話音声のレベルを変更することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のハンズフリー装置。
  5. 前記受話音声制御部は、周波数分割器と、周波数合成器とをさらに備え、
    前記周波数分割器によって複数の周波数バンドに分割された受話音声と周囲騒音とを用いて前記第2の乗算器の係数を算出し、それぞれの周波数バンドごとに受話音声のレベルを変更した後、前記周波数合成器により前記レベルを変更した受話音声を1つの周波数バンドの信号に合成することを特徴とする請求項4に記載のハンズフリー装置。
  6. ノイズ生成器と、ノイズ制御係数更新器と、第3の乗算器と、加算器とをさらに備え、
    前記ノイズ制御係数更新器は、前記マイクで収録される周囲騒音の分析結果をもとに、周囲騒音のレベルが小さいときには前記第3の乗算器の係数値を大きくすることで、前記ノイズ生成器によって生成されるノイズのレベルを大きくするように制御し、
    前記加算器は、このレベルの変更されたノイズと受話音声とを加算して前記スピーカに出力することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のハンズフリー装置。
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