以下に、本願の開示する呼接続制御システム、管理装置及び呼接続制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本願の開示する呼接続制御システム、管理装置及び呼接続制御方法が限定されるものではない。
まず、図1を用いて、実施例1に係る呼接続制御システムを含むネットワークの構成例について説明する。図1は、実施例1に係る呼接続制御システムを含むネットワークの構成例を示す図である。図1に示すネットワークは、eNodeB(evolved Node B)10a,10b、呼接続制御システム20、MME(Mobility Management Entity)30、S−GW(Serving Gateway)40及びP−GW(Packet Data Network Gateway)50を含む。P−GW(Packet Data Network Gateway)50には、外部ネットワークであるIMS(IP Multimedia Subsystem)ネットワーク60が接続される。
eNodeB10a,10bは、それぞれ、携帯電話等の通信端末が無線通信を行うための拠点となる無線基地局である。eNodeB10a,10bは、呼接続を要求する接続要求を通信端末から受け付けると、受け付けた接続要求を呼接続制御システム20に出力する。
MME30、S−GW40及びP−GW50は、それぞれ、呼接続制御システム20を介してeNodeB10a,10bから入力される接続要求に応じて呼接続を行う。呼接続には、呼を接続するためにMME30、S−GW40及びP−GW50の各々により行われる各種の処理が含まれる。例えば、MME30は、接続要求に応じて、通信端末の移動管理、認証及びデータ転送経路の設定/解放処理といった各種の処理を行う。S−GW40は、接続要求に応じて、P−GW50又はMME30とP−GW50との間の通信を中継する処理を行う。P−GW50は、接続要求に応じて、S−GW40とIMSネットワーク60とを接続する処理を行う。これらMME30、S−GW40及びP−GW50は、呼接続を行う複数の呼接続装置の一例である。以下では、MME30、S−GW40及びP−GW50それぞれを、呼接続装置と呼ぶことがあるものとする。
呼接続制御システム20は、管理装置100と、規制装置200とを有する。管理装置100は、各呼接続装置と接続される。管理装置100は、各呼接続装置から、各呼接続装置が行う呼接続の成否を示す値である呼接続値を収集する。管理装置100は、呼接続値に基づいて、各呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを検知する。管理装置100は、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された場合に、接続要求の廃棄を指示する規制指示を規制装置200に送信する。
規制装置200は、eNodeB10a,10bの後段の位置であって、かつ、MME30、S−GW40及びP−GW50の前段の位置に設けられる。規制装置200は、MME30、S−GW40及びP−GW50へ入力される接続要求の数を管理装置100からの規制指示に基づき規制する。
次に、図2を用いて、実施例1に係る呼接続制御システム20によって行われる呼接続制御方法の一例について説明する。図2は、実施例1に係る呼接続制御システムによって行われる呼接続制御方法の一例を示す図である。図2では、複数の呼接続装置であるMME30、S−GW40及びP−GW50のうち一の呼接続装置であるMME30が輻輳状態となる例を説明する。
図2に示すように、呼接続制御システム20の管理装置100は、正常状態にあるMME30から呼接続値を収集する(ステップS11)。呼接続値には、廃棄呼数、接続呼数及び呼損呼数が含まれる。廃棄呼数とは、MME30に入力される接続要求の数がMME30の処理能力を超えた場合にMME30により廃棄された接続要求の数である。接続呼数とは、MME30が行う呼接続が成功した回数である。呼損呼数は、MME30が行う呼接続が失敗した回数である。MME30が行う呼接続が失敗する状況としては、例えば、MME30以外の他の呼接続装置であるS−GW40及びP−GW50により呼接続が拒否された状況が想定される。
管理装置100は、MME30から収集された呼接続値が所定の条件を満たすので、MME30が輻輳状態にないと検知する(ステップS12)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された廃棄呼数が0であるので、MME30が輻輳状態にないと検知する。
その後、MME30へ入力される接続要求の数が急速に増大し、結果として、MME30が輻輳状態になったとする。管理装置100は、輻輳状態にあるMME30から呼接続値を収集する(ステップS13)。
管理装置100は、MME30から収集された呼接続値が所定の条件を満たさないので、MME30が輻輳状態にあると検知する(ステップS14)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された廃棄呼数が0以外であるので、MME30が輻輳状態にあると検知する。MME30が輻輳状態にあると検知した管理装置100は、MME30に係る呼接続値を用いて、複数の呼接続装置であるMME30、S−GW40及びP−GW50へ入力される接続要求の数の上限値である上限要求数を決定する(ステップS15)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された接続呼数と呼損呼数との和を上限要求数として決定する。そして、管理装置100は、決定した上限要求数を含むとともに、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を指示する規制指示を規制装置200に送信する(ステップS16)。
規制指示を受信した規制装置200は、規制指示に含まれる上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う(ステップS17)。これにより、規制装置200を介してMME30へ入力される接続要求の数が上限要求数まで抑制され、結果として、MME30の輻輳状態が緩和される。
規制装置200は、規制装置200によって廃棄された接続要求の数である規制要求数を管理装置100に通知する(ステップS18)。
その後、MME30が正常状態になったとする。管理装置100は、正常状態にあるMME30から呼接続値を収集する(ステップS19)。
管理装置100は、MME30が輻輳状態であるか否かを継続的に監視し、呼接続値が所定の条件を満たし、かつ、規制装置200から通知された規制要求数が0であるので、MME30が輻輳状態にないと検知する(ステップS20)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された廃棄呼数が0であり、かつ、規制装置200から通知された規制要求数が0であるので、MME30が輻輳状態にないと検知する。MME30が輻輳状態にないと検知した管理装置100は、接続要求の廃棄の停止を指示する規制停止指示を規制装置200に送信する(ステップS21)。
規制装置200は、規制停止指示を受信すると、接続要求の廃棄を停止する(ステップS22)。
このように、管理装置100は、複数の呼接続装置のうちのMME30が輻輳状態にあると検知された場合に、MME30に係る呼接続値を用いて上限要求数を決定し、決定した上限要求数を含む規制指示を規制装置200に送信する。また、規制装置200は、規制指示に含まれる上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う。これにより、規制装置200を介してMME30へ入力される接続要求の数が上限要求数まで抑制され、結果として、MME30における接続要求の廃棄処理に利用されるCPUリソースが抑制される。その結果、管理装置100及び規制装置200は、MME30における呼接続に利用されるCPUリソースが圧迫されることを回避することができるので、呼接続の完了率を向上することができる。
また、管理装置100は、MME30が輻輳状態にあると検知された後に、MME30が輻輳状態にあるか否かを継続的に監視し、MME30が輻輳状態にないと検知された場合に、規制停止指示を規制装置200に送信する。これにより、管理装置100は、MME30が輻輳状態にあるか否かの検知結果に応じて、MME30へ入力される接続要求の数の規制を継続するか停止するかを柔軟に切り替えることが可能となる。
次に、図3を用いて、実施例1に係る呼接続制御システム20に含まれる管理装置100及び規制装置200の構成について説明する。図3は、実施例1に係る呼接続制御システムに含まれる管理装置及び規制装置の構成例を示す図である。
図3に示すように、管理装置100は、ネットワーク側I/F(InterFace)部110、通信I/F部120、呼接続値記憶部130、規制情報記憶部140及び制御部150を有する。
ネットワーク側I/F部110は、呼接続装置であるMME30、S−GW40及びP−GW50から各種データを受信する。例えば、ネットワーク側I/F部110は、MME30、S−GW40及びP−GW50の各々から、呼接続値である廃棄呼数、接続呼数及び呼損呼数を受信する。
通信I/F部120は、規制装置200との間で各種データを送受する。例えば、通信I/F部120は、規制装置200に対して、規制指示や規制停止指示を送信する。また、通信I/F部120は、規制装置200から、規制要求数を受信する。
呼接続値記憶部130は、後述する呼接続値収集部151によって各呼接続装置から収集された廃棄呼数、接続呼数及び呼損呼数を呼接続値として記憶する。図4は、実施例1における呼接続値記憶部の一例を示す図である。図4に示すように、呼接続値記憶部130は、呼接続装置ID(IDentifier)、時刻、輻輳状態、廃棄呼数、接続呼数及び呼損呼数といった項目を対応付けて記憶する。
呼接続装置IDは、呼接続装置を一意に識別するための識別子である。時刻は、呼接続装置から呼接続値が収集された時刻を示す。輻輳状態は、呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを示すフラグを示す。なお、図4の例では、輻輳状態が「1」である場合、呼接続装置が輻輳状態にあることを示し、輻輳状態が「0」である場合、呼接続装置が輻輳状態にないこと、すなわち、呼接続装置が正常状態にあることを示す。
廃棄呼数は、呼接続装置に入力される接続要求の数が該呼接続装置の処理能力を超えた場合に該呼接続装置により所定時間内に廃棄された接続要求の数である。接続呼数は、呼接続装置が行う呼接続が成功した回数である。呼損呼数は、呼接続装置が行う呼接続が失敗した回数である。例えば、複数の呼接続装置のうちのMME30以外の他の呼接続装置であるS−GW40及びP−GW50により呼接続が拒否された場合には、MME30が行う呼接続が失敗する。このような場合に、MME30に対応する呼接続値記憶部130の呼損呼数が、カウントアップされる。
例えば、図4の1行目〜4行目は、呼接続装置ID「MME#1」により識別されるMME30から収集された廃棄呼数が「0」であるため、MME30が正常状態にあることを示している。また、図4の5行目〜7行目は、呼接続装置ID「MME#1」により識別されるMME30から収集された廃棄呼数が「500」であるため、MME30が輻輳状態にあることを示している。また、図4の8行目は、呼接続装置ID「S−GW#1」により識別されるS−GW40から収集された廃棄呼数が「0」であるため、S−GW40が正常状態にあることを示している。
規制情報記憶部140は、上限要求数や規制要求数などの規制情報を記憶する。図5は、実施例1における規制情報記憶部の一例を示す図である。図5に示すように、規制情報記憶部140は、呼接続装置ID、時刻、規制状態、上限要求数及び規制要求数といった項目を対応付けて記憶する。
呼接続装置IDは、呼接続装置を一意に識別するための識別子であり、図4に示した呼接続値記憶部130の呼接続装置IDに対応する。時刻は、規制装置200から規制要求数が通知された時刻を示す。規制状態は、規制装置200が呼接続装置へ入力される接続要求の数を規制する規制状態にあるか否かを示すフラグである。なお、図5の例では、規制状態が「1」である場合、規制装置200が規制状態にあることを示し、規制状態が「0」である場合、規制装置200が規制状態にないこと、すなわち、規制装置200が正常状態にあることを示す。
上限要求数は、規制装置200を介して複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数の上限値を示す。図5の例では、上限要求数が「−1」である場合、規制装置200を介して複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数の上限値がないことを示す。言い換えると、上限要求数が「−1」である場合、複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数が規制装置200により規制されないことを示す。規制要求数は、規制装置200から通知された規制要求数を示す。
例えば、図5の1行目〜4行目は、規制装置200を介して呼接続装置ID「MME#1」のMME30へ入力される接続要求の上限要求数が「−1」であるので、規制装置200が正常状態にあることを示している。また、図5の5行目〜7行目は、規制装置200を介して呼接続装置ID「MME#1」のMME30へ入力される接続要求の上限要求数が「360」であるので、規制装置200が規制状態にあることを示している。さらに、図5の5行目〜7行目は、規制装置200により廃棄された接続要求の数、すなわち、規制要求数が、それぞれ「0」、「1000」及び「2000」であることを示している。また、図5の8行目は、規制装置200を介して呼接続装置ID「S−GW#1」のS−GW50へ入力される接続要求の上限要求数が「−1」であるので、規制装置200が正常状態にあることを示している。
制御部150は、各種の処理手順などを規定したプログラムを記憶するための内部メモリを有し、種々の処理を実行する。制御部150は、図3に示すように、呼接続値収集部151、輻輳状態検知部152、上限要求数決定部153及び規制指示部154を有する。
呼接続値収集部151は、各呼接続装置から、廃棄呼数と、接続呼数と、呼損呼数とを呼接続値として収集する。例えば、呼接続値収集部151は、廃棄呼数と、接続呼数と、呼損呼数とを定期的に各呼接続装置から収集する。そして、呼接続値収集部151は、各呼接続装置から収集した廃棄呼数、接続呼数及び呼損呼数を、該呼接続装置の呼接続装置IDに対応付けて、呼接続値記憶部130に格納する。
輻輳状態検知部152は、呼接続値に基づいて、各呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを検知する。具体的には、輻輳状態検知部152は、所定の検知タイミングが到来する度に呼接続値記憶部130を監視し、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から呼接続値として収集された廃棄呼数が0以外である場合に、当該一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知する。例えば、呼接続値記憶部130が、図4に示した状態であるものとする。この場合、輻輳状態検知部152は、複数の呼接続装置のうち呼接続装置ID「MME#1」により識別されるMME30から時刻「09:06」に呼接続値として収集された廃棄呼数が0以外の「500」であるため、MME30が輻輳状態にあると検知する。そして、輻輳状態検知部152は、MME30が輻輳状態にあると検知すると、呼接続装置ID「MME#1」に対応する呼接続値記憶部130の輻輳状態に「1(輻輳あり)」を格納する。そして、輻輳状態検知部152は、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知すると、その旨の検知信号を上限要求数決定部153に出力する。
また、輻輳状態検知部152は、ある呼接続装置が輻輳状態にあると検知した後に、該呼接続装置が輻輳状態であるか否かを継続的に監視する。そして、輻輳状態検知部152は、監視対象の呼接続装置から呼接続値として収集された廃棄呼数が0であり、かつ、規制装置200から通知された規制要求数が0である場合に、監視対象の呼接続装置が輻輳状態にないと検知する。輻輳状態検知部152は、監視対象の呼接続装置が輻輳状態にないと検知すると、その旨の検知信号を規制指示部154に出力する。輻輳状態検知部152は、検知部の一例である。
上限要求数決定部153は、輻輳状態検知部152により複数の呼接続装置のうちの一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された場合に、当該一の呼接続装置に係る呼接続値を用いて、上限要求数を決定する。具体的には、上限要求数決定部153は、輻輳状態検知部152から一の呼接続装置が輻輳状態にある旨の検知信号を受信した場合に、当該一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する最新の接続呼数及び呼損呼数を呼接続値記憶部130から取得する。そして、上限要求数決定部153は、取得した接続呼数と呼損呼数との和を算出し、算出した和を上限要求数として決定する。上限要求数決定部153は、決定した上限要求数を、当該一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する規制情報記憶部140の上限要求数に格納するとともに、規制指示部154に出力する。上限要求数決定部153は、決定部の一例である。
規制指示部154は、上限要求数の入力を上限要求数決定部153から受け付ける。規制指示部154は、上限要求数を含むとともに、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を指示する規制指示を規制装置200に送信する。
また、規制指示部154は、輻輳状態検知部152により監視対象の呼接続装置が輻輳状態にないと検知された場合に、接続要求の廃棄の停止を指示する規制停止指示を規制装置200に送信する。規制指示部154は、複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数が規制装置200により規制されないことを示す「−1(規制なし)」を規制情報記憶部140の上限要求数に格納する。
規制装置200は、基地局側I/F部210、ネットワーク側I/F部220、通信I/F部230及び廃棄制御部240を有する。
基地局側I/F部210は、eNodeB10a,10bから各種データを受信する。例えば、基地局側I/F部210は、eNodeB10a,10bから、呼接続を要求する接続要求を受信し、受信した接続要求を廃棄制御部240に出力する。ネットワーク側I/F部220は、呼接続装置であるMME30、S−GW40及びP−GW50に対して、各種データを送信する。例えば、ネットワーク側I/F部220は、後述の廃棄制御部240から接続要求を受け付けると、受け付けた接続要求をMME30、S−GW40及びP−GW50に対して送信する。
通信I/F部230は、管理装置100との間で各種データを送受する。例えば、通信I/F部230は、管理装置100から、規制指示や規制停止指示を受信する。また、通信I/F部230は、管理装置100に対して、規制要求数を送信する。
廃棄制御部240は、基地局側I/F部210からネットワーク側I/F部220へ伝送される接続要求を廃棄する制御を行う。廃棄制御部240は、廃棄部241及び規制要求数通知部242を有する。
廃棄部241は、管理装置100によって送信された規制指示に基づいて、規制指示に含まれる上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う。具体的には、廃棄部241は、管理装置100から規制指示を受信した場合に、受信した規制指示に含まれる上限要求数を取得する。そして、廃棄部241は、取得した上限要求数を超える分の接続要求が基地局側I/F部210から入力されたか否かを監視する。そして、廃棄部241は、上限要求数を超える分の接続要求が基地局側I/F部210から入力された場合に、上限要求数以下である接続要求をネットワーク側I/F部220に出力するとともに、上限要求数を超える分の接続要求を廃棄する。一方、廃棄部241は、上限要求数を超える分の接続要求が基地局側I/F部210から入力されない場合、すなわち、基地局側I/F部210から入力される接続要求の数が上限要求数以下である場合、全ての接続要求をネットワーク側I/F部220に出力する。
規制要求数通知部242は、廃棄部241によって廃棄された接続要求の数である規制要求数を管理装置100に通知する。具体的には、規制要求数通知部242は、廃棄部241によって上限要求数を超える分の接続要求が廃棄される度に、廃棄された接続要求の数を規制要求数として計測し、計測した規制要求数を管理装置100に通知する。一方、規制要求数通知部242は、廃棄部241によって接続要求が廃棄されない場合、すなわち、廃棄部241を介して全ての接続要求がネットワーク側I/F部220に出力される場合、「0(廃棄なし)」と設定された規制要求数を管理装置100に通知する。
次に、図6を用いて、実施例1における管理装置100によって行われる輻輳状態検知処理の処理手順について説明する。図6は、実施例1における管理装置によって行われる輻輳状態検知処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、管理装置100の輻輳状態検知部152は、検知タイミングが到来するまで待機する(ステップS101;No)。輻輳状態検知部152は、検知タイミングが到来すると(ステップS101;Yes)、呼接続値記憶部130から呼接続装置IDを一つ選択する(ステップS102)。
輻輳状態検知部152は、選択した呼接続装置IDに対応する最新の輻輳状態が「0(輻輳なし)」であるか否かを判定する(ステップS103)。輻輳状態検知部152は、選択した呼接続装置IDに対応する最新の輻輳状態が「0(輻輳なし)」である場合には(ステップS103;Yes)、呼接続装置IDに対応する廃棄呼数が0以外であるか否かを判定する(ステップS104)。
輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する廃棄呼数が0以外である場合には(ステップS104;Yes)、呼接続装置IDにより識別される呼接続装置が輻輳状態にあると検知する(ステップS105)。輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する呼接続値記憶部130の輻輳状態に「1(輻輳あり)」を格納する(ステップS106)。
続いて、輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する最新の規制状態が「0(規制なし)」であるか否かを判定する(ステップS107)。輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する最新の規制状態が「0(規制なし)」である場合には(ステップS107;Yes)、呼接続装置IDに対応する規制情報記憶部140の規制状態に「1(規制あり)」を格納する(ステップS108)。輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する最新の規制状態が「1(規制あり)」である場合には(ステップS107;No)、輻輳状態検知処理を終了する。
一方、輻輳状態検知部152は、選択した呼接続装置IDに対応する最新の輻輳状態が「1(輻輳あり)」である場合(ステップS103;No)、又は、呼接続装置IDに対応する廃棄呼数が0である場合には(ステップS104;No)、以下の処理を行う。すなわち、輻輳状態検知部152は、呼接続値記憶部130の呼接続装置IDを全て選択していない場合には(ステップS109;No)、処理をステップS102に戻す。一方、輻輳状態検知部152は、呼接続値記憶部130の呼接続装置IDを全て選択した場合には(ステップS109;Yes)、輻輳状態検知処理を終了する。
次に、図7を用いて、実施例1における管理装置100によって行われる輻輳検知後監視処理の処理手順について説明する。図7は、実施例1における管理装置によって行われる輻輳検知後監視処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、管理装置100の輻輳状態検知部152は、輻輳状態に「1(輻輳あり)」が格納された呼接続装置IDが呼接続値記憶部130に存在するか否かを監視する(ステップS111)。すなわち、輻輳状態検知部152は、輻輳状態にあると検知された呼接続装置が輻輳状態であるか否かを継続的に監視する。
輻輳状態検知部152は、輻輳状態に「1(輻輳あり)」が格納された呼接続装置IDが呼接続値記憶部130に存在しない場合には(ステップS111;No)、輻輳検知後監視処理を終了する。
一方、輻輳状態検知部152は、輻輳状態に「1(輻輳あり)」が格納された呼接続装置IDが呼接続値記憶部130に存在する場合には(ステップS111;Yes)、呼接続装置IDに対応する最新の廃棄呼数が0であるか否かを判定する(ステップS112)。輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する最新の廃棄呼数が0である場合には(ステップS112;Yes)、規制情報記憶部140を参照して、呼接続装置IDに対応する最新の規制要求数が0であるか否かを判定する(ステップS113)。
輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する最新の規制要求数が0である場合には(ステップS113;Yes)、呼接続装置IDにより識別される監視対象の呼接続装置が輻輳状態にないと検知する(ステップS114)。輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する呼接続値記憶部130の輻輳状態に「0(輻輳なし)」を格納する(ステップS115)。輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する規制情報記憶部140の規制状態に「0(規制なし)」を格納し(ステップS116)、輻輳検知後監視処理を終了する。
一方、輻輳状態検知部152は、呼接続装置IDに対応する最新の廃棄呼数が0以外である場合(ステップS112;No)、又は、呼接続装置IDに対応する最新の規制要求数が0以外である場合には(ステップS113;No)、輻輳検知後監視処理を終了する。
次に、図8を用いて、実施例1における管理装置100によって行われる規制指示送信処理の処理手順について説明する。図8は、実施例1における管理装置によって行われる規制指示送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、管理装置100の上限要求数決定部153は、輻輳状態検知部152により一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された場合に(ステップS121;Yes)、以下の処理を行う。すなわち、上限要求数決定部153は、規制情報記憶部140を参照して、輻輳状態にあると検知された呼接続装置の呼接続装置IDに対応する最新の規制状態に「1(規制あり)」が格納されているか否かを判定する(ステップS122)。
上限要求数決定部153は、呼接続装置IDに対応する規制状態に「1(規制あり)」が格納されている場合には(ステップS122;Yes)、呼接続装置IDに対応する最新の接続呼数及び呼損呼数を呼接続値記憶部130から取得する(ステップS123)。上限要求数決定部153は、取得した接続呼数と呼損呼数との和を算出し、算出した和を上限要求数として決定する(ステップS124)。上限要求数決定部153は、決定した上限要求数を規制指示部154に出力する。
規制指示部154は、上限要求数の入力を上限要求数決定部153から受け付ける。規制指示部154は、上限要求数を含む規制指示を規制装置200に送信する(ステップS125)。
一方、規制指示部154は、監視対象の呼接続装置が輻輳状態にないと検知された場合(ステップS121;No)、又は、呼接続装置IDに対応する最新の規制状態に「1(規制あり)」が格納されていない場合(ステップS122;No)、以下の処理を行う。すなわち、規制指示部154は、接続要求の数が規制装置200により規制されないことを示す「−1(規制なし)」を規制情報記憶部140の上限要求数に格納し(ステップS126)、規制停止指示を規制装置200に送信する(ステップS127)。
次に、図9を用いて、実施例1における規制装置200によって行われる廃棄処理の処理手順について説明する。図9は、実施例1における規制装置によって行われる廃棄処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、規制装置200の廃棄部241は、管理装置100から規制指示を受信していない場合には(ステップS131;No)、待機する。廃棄部241は、管理装置100から規制指示を受信した場合には(ステップS131;Yes)、受信した規制指示に含まれる上限要求数を取得する(ステップS132)。
廃棄部241は、取得した上限要求数を超える分の接続要求が基地局側I/F部210から入力されたか否かを監視する(ステップS133)。廃棄部241は、上限要求数を超える分の接続要求が入力されない場合には(ステップS133;No)、全ての接続要求をネットワーク側I/F部220に出力する。そして、規制要求数通知部242は、「0(廃棄なし)」と設定された規制要求数を管理装置100に通知する(ステップS134)。
廃棄部241は、上限要求数を超える分の接続要求が入力された場合には(ステップS133;Yes)、上限要求数以下である接続要求をネットワーク側I/F部220に出力するとともに、上限要求数を超える分の接続要求を廃棄する(ステップS135)。そして、規制要求数通知部242は、廃棄された接続要求の数を規制要求数として計測し(ステップS136)、計測した規制要求数を管理装置100に通知する(ステップS137)。
上述してきたように、実施例1に係る呼接続制御システム20において、管理装置100は、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から呼接続値として収集された廃棄呼数が0以外である場合に、当該一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知する。そして、管理装置100は、輻輳状態にあると検知された呼接続装置に係る接続呼数と呼損呼数との和を、複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数の上限値である上限要求数として、決定する。そして、管理装置100は、上限要求数を含む規制指示を規制装置200に送信する。そして、規制装置200は、規制指示に基づいて、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う。
これにより、規制装置200を介して複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数が上限要求数まで抑制され、結果として、各呼接続装置における接続要求の廃棄処理に利用されるCPUリソースが抑制される。その結果、管理装置100及び規制装置200は、各呼接続装置における呼接続に利用されるCPUリソースが圧迫されることを回避することができるので、呼接続の完了率を向上することができる。
また、実施例1に係る呼接続制御システム20において、管理装置100は、ある呼接続装置が輻輳状態にあると検知された後に、該呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを継続的に監視する。そして、管理装置100は、監視対象の呼接続装置が輻輳状態にないと検知された場合に、規制停止指示を規制装置200に送信する。
これにより、管理装置100は、監視対象の呼接続装置が輻輳状態にあるか否かの検知結果に応じて、複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数の規制を継続するか停止するかを柔軟に切り替えることが可能となる。
上記実施例1では、管理装置100が複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から収集された呼接続値を用いて、当該一の呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを検知する例を示した。しかし、管理装置は、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から収集された呼接続値を用いて、当該一の呼接続装置と異なる他の呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを検知してもよい。そこで、実施例2では、管理装置が、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から収集された呼接続値を用いて、当該一の呼接続装置と異なる他の呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを検知する例について説明する。なお、以下の説明では、実施例1と同様の各部の動作については説明を省略する。
まず、図10を用いて、実施例2に係る呼接続制御システム20に含まれる管理装置100及び規制装置200の構成について説明する。図10は、実施例2に係る呼接続制御システムに含まれる管理装置及び規制装置の構成例を示す図である。
実施例2における管理装置100は、図3に示した輻輳状態検知部152、上限要求数決定部153及び規制指示部154に代えて、輻輳状態検知部252、上限要求数決定部253及び規制指示部254を有する。
輻輳状態検知部252は、所定の検知タイミングが到来する度に呼接続値記憶部130を監視し、呼接続値収集部151により複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から呼接続値として収集された接続呼数及び呼損呼数を呼接続値記憶部130から取得する。輻輳状態検知部252は、接続呼数に対する呼損呼数の比率である呼損率を算出する。ここで、呼損呼数には、複数の呼接続装置のうちのある呼接続装置以外の他の呼接続装置により呼接続が拒否されたことによって呼接続装置が行う呼接続が失敗した回数が含まれる。このため、接続呼数に対する呼損呼数の比率が大きいほど、すなわち、呼損率が大きいほど、他の呼接続装置が輻輳状態にある可能性が高い。輻輳状態検知部252は、算出した呼損率が所定の閾値を超えているか否かを判定する。そして、輻輳状態検知部252は、呼損率が所定の閾値を超える場合に、当該一の呼接続装置と異なる他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知する。輻輳状態検知部252は、他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知すると、その旨の検知信号を上限要求数決定部253に出力する。
また、輻輳状態検知部252は、他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知した後に、該他の呼接続装置が輻輳状態であるか否かを継続的に監視する。そして、輻輳状態検知部252は、呼損率が所定の閾値以下となり、かつ、規制装置200から通知された規制要求数が0である場合に、他の呼接続装置が輻輳状態にないと検知する。輻輳状態検知部252は、他の呼接続装置が輻輳状態にないと検知すると、その旨の検知信号を規制指示部254に出力する。
上限要求数決定部253は、輻輳状態検知部252により他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された場合に、呼接続値が収集された一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する最新の接続呼数を呼接続値記憶部130から取得し、取得した接続呼数を上限要求数として決定する。上限要求数決定部253は、決定した上限要求数を、当該一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する規制情報記憶部140の上限要求数に格納するとともに、規制指示部254に出力する。
規制指示部254は、上限要求数の入力を上限要求数決定部253から受け付ける。規制指示部254は、上限要求数を含むとともに、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を指示する規制指示を規制装置200に送信する。
また、規制指示部254は、輻輳状態検知部252により他の呼接続装置が輻輳状態にないと検知された場合に、接続要求の廃棄の停止を指示する規制停止指示を規制装置200に送信する。規制指示部254は、複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数が規制装置200により規制されないことを示す「−1(規制なし)」を規制情報記憶部140の上限要求数に格納する。
次に、図11を用いて、実施例2における管理装置100によって行われる輻輳状態検知処理の処理手順について説明する。図11は、実施例2における管理装置によって行われる輻輳状態検知処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図11に示したステップS201〜S203及びS208〜S211における処理手順は、それぞれ、図6に示したステップS101〜S103及びS106〜S109における処理手順と同様であるため、説明を省略する。
管理装置100の輻輳状態検知部252は、選択した呼接続装置IDに対応する最新の輻輳状態が「0(輻輳なし)」である場合には(ステップS203;Yes)、以下の処理を行う。すなわち、輻輳状態検知部252は、呼接続装置IDに対応する接続呼数及び呼損呼数を呼接続値記憶部130から取得する(ステップS204)。輻輳状態検知部252は、接続呼数に対する呼損呼数の比率である呼損率を算出する(ステップS205)。
輻輳状態検知部252は、算出した呼損率が所定の閾値を超えているか否かを判定する(ステップS206)。輻輳状態検知部252は、呼損率が所定の閾値を超える場合に(ステップS206;Yes)、呼接続装置IDにより識別される呼接続装置と異なる他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知する(ステップS207)。
次に、図12を用いて、実施例2における管理装置100によって行われる輻輳検知後監視処理の処理手順について説明する。図12は、実施例2における管理装置によって行われる輻輳検知後監視処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図12に示したステップS225及びS226における処理手順は、それぞれ、図7に示したステップS115及びS116における処理手順と同様であるため、説明を省略する。
管理装置100の輻輳状態検知部252は、輻輳状態に「1(輻輳あり)」が格納された呼接続装置IDが呼接続値記憶部130に存在するか否かを監視する(ステップS221)。すなわち、輻輳状態検知部252は、輻輳状態にあると検知された他の呼接続装置が輻輳状態であるか否かを継続的に監視する。
輻輳状態検知部252は、輻輳状態に「1(輻輳あり)」が格納された呼接続装置IDが呼接続値記憶部130に存在しない場合には(ステップS221;No)、輻輳検知後監視処理を終了する。
一方、輻輳状態検知部252は、輻輳状態に「1(輻輳あり)」が格納された呼接続装置IDが呼接続値記憶部130に存在する場合には(ステップS221;Yes)、呼損率が所定の閾値以下であるか否かを判定する(ステップS222)。輻輳状態検知部252は、呼損率が所定の閾値以下である場合には(ステップS222;Yes)、規制情報記憶部140を参照して、呼接続装置IDに対応する最新の規制要求数が0であるか否かを判定する(ステップS223)。
輻輳状態検知部252は、呼接続装置IDに対応する最新の規制要求数が0である場合には(ステップS223;Yes)、他の呼接続装置が輻輳状態にないと検知する(ステップS224)。
次に、図13を用いて、実施例2における管理装置100によって行われる規制指示送信処理の処理手順について説明する。図13は、実施例2における管理装置によって行われる規制指示送信処理の処理手順を示すフローチャートである。
図13に示すように、管理装置100の上限要求数決定部253は、輻輳状態検知部252により他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された場合に(ステップS231;Yes)、以下の処理を行う。すなわち、上限要求数決定部253は、規制情報記憶部140を参照して、呼接続値が収集された一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する最新の規制状態に「1(規制あり)」が格納されているか否かを判定する(ステップS232)。
上限要求数決定部253は、呼接続装置IDに対応する規制状態に「1(規制あり)」が格納されている場合には(ステップS232;Yes)、呼接続装置IDに対応する最新の接続呼数を呼接続値記憶部130から取得する(ステップS233)。上限要求数決定部253は、取得した接続呼数を上限要求数として決定する(ステップS234)。上限要求数決定部253は、決定した上限要求数を規制指示部254に出力する。
規制指示部254は、上限要求数の入力を上限要求数決定部253から受け付ける。規制指示部254は、上限要求数を含む規制指示を規制装置200に送信する(ステップS235)。
一方、規制指示部254は、他の呼接続装置が輻輳状態にないと検知された場合(ステップS231;No)、又は、呼接続装置IDに対応する最新の規制状態に「1(規制あり)」が格納されていない場合(ステップS232;No)、以下の処理を行う。すなわち、規制指示部254は、接続要求の数が200により規制されないことを示す「−1(規制なし)」を規制情報記憶部140の上限要求数に格納し(ステップS236)、規制停止指示を規制装置200に送信する(ステップS237)。
上述してきたように、実施例2に係る呼接続制御システム20において、管理装置100は、複数の呼接続装置のうち一の呼接続装置から呼接続値として収集された接続呼数に対する呼損呼数の比率である呼損率を算出する。そして、管理装置100は、算出した呼損率が所定の閾値を超える場合に、当該一の呼接続装置と異なる他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知する。そして、管理装置100は、呼接続値が収集された一の呼接続装置係る接続呼数を上限要求数として決定する。そして、管理装置100は、上限要求数を含む規制指示を規制装置200に送信する。そして、規制装置200は、規制指示に基づいて、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う。
これにより、規制装置200を介して複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数が上限要求数まで抑制され、結果として、各呼接続装置における接続要求の廃棄処理に利用されるCPUリソースが抑制される。特に、呼接続値が収集された呼接続装置と異なる他の呼接続装置における接続要求の廃棄処理に利用されるCPUリソースが抑制される。その結果、管理装置100及び規制装置200は、各呼接続装置における呼接続に利用されるCPUリソースが圧迫されることを回避することができるので、呼接続の完了率を向上することができる。
また、実施例2に係る呼接続制御システム20において、管理装置100は、呼接続値が収集された呼接続装置と異なる他の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された後に、該他の呼接続装置が輻輳状態にあるか否かを継続的に監視する。そして、管理装置100は、他の呼接続装置が輻輳状態にないと検知された場合に、規制停止指示を規制装置200に送信する。
これにより、管理装置100は、他の呼接続装置が輻輳状態にあるか否かの検知結果に応じて、複数の呼接続装置へ入力される接続要求の数の規制を継続するか停止するかを柔軟に切り替えることが可能となる。
上記実施例1では、管理装置100が上限要求数を決定し、決定した上限要求数を含む規制指示を規制装置200に送信する例を示した。しかし、管理サーバは、規制指示が送信された後に、上限要求数を動的に減少又は増加させ、減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信してもよい。そこで、実施例3では、管理装置が、規制指示が送信された後に、上限要求数を動的に減少又は増加させ、減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信する例について説明する。なお、以下の説明では、実施例1と同様の各部の動作については説明を省略する。
まず、図14を用いて、実施例3に係る呼接続制御システム20によって行われる呼接続制御方法の一例について説明する。図14は、実施例3に係る呼接続制御システムによって行われる呼接続制御方法の一例を示す図である。図14では、複数の呼接続装置であるMME30、S−GW40及びP−GW50のうち一の呼接続装置であるMME30が輻輳状態となる例を説明する。
図14に示すように、呼接続制御システム20の管理装置100は、正常状態にあるMME30から呼接続値を収集する(ステップS21)。呼接続値には、廃棄呼数、接続呼数及び呼損呼数が含まれる。廃棄呼数とは、MME30に入力される接続要求の数がMME30の処理能力を超えた場合にMME30により廃棄された接続要求の数である。接続呼数とは、MME30が行う呼接続が成功した回数である。呼損呼数は、MME30が行う呼接続が失敗した回数である。MME30が行う呼接続が失敗する状況としては、例えば、MME30以外の他の呼接続装置であるS−GW40及びP−GW50により呼接続が拒否された状況が想定される。
管理装置100は、MME30から収集された呼接続値が所定の条件を満たすので、MME30が輻輳状態にないと検知する(ステップS22)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された廃棄呼数が0であるので、MME30が輻輳状態にないと検知する。
その後、MME30へ入力される接続要求の数が急速に増大し、結果として、MME30が輻輳状態になったとする。管理装置100は、輻輳状態にあるMME30から呼接続値を収集する(ステップS23)。
管理装置100は、MME30から収集された呼接続値が所定の条件を満たさないので、MME30が輻輳状態にあると検知する(ステップS24)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された廃棄呼数が0以外であるので、MME30が輻輳状態にあると検知する。MME30が輻輳状態にあると検知した管理装置100は、MME30に係る呼接続値を用いて、複数の呼接続装置であるMME30、S−GW40及びP−GW50へ入力される接続要求の数の上限値である上限要求数を決定する(ステップS25)。例えば、管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された接続呼数と呼損呼数との和を上限要求数として決定する。そして、管理装置100は、決定した上限要求数を含むとともに、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を指示する規制指示を規制装置200に送信する(ステップS26)。
規制指示を受信した規制装置200は、規制指示に含まれる上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う(ステップS27)。これにより、規制装置200を介してMME30へ入力される接続要求の数が上限要求数まで抑制され、結果として、MME30の輻輳状態が緩和される。
その後、MME30へ入力される接続要求の数が変動したが、MME30が依然として輻輳状態にあるものとする。管理装置100は、輻輳状態にあるMME30から呼接続値を収集する(ステップS28)。
管理装置100は、MME30から呼接続値として収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数よりも大きい場合には(ステップS29;Yes)、ステップS25で決定した上限要求数を減少させる(ステップS32)。また、管理装置100は、MME30から呼接続値として今回収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数よりも大きい場合には(ステップS29;No、ステップS30;Yes)、ステップS25で決定した上限要求数を減少させる(ステップS32)。
一方、管理装置100は、MME30から収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数以下であり、かつ、MME30から収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数以下である場合には(ステップS29;No、ステップS30;No)、以下の処理を行う。すなわち、管理装置100は、ステップS25で決定した上限要求数を増加させる(ステップS31)。
その後、管理装置100は、減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信する(ステップS33)。
規制指示を受信した規制装置200は、規制指示に含まれる上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を行う(ステップS34)。
このように、管理装置100は、規制指示が送信された後に、上限要求数を動的に減少又は増加させ、減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信する。これにより、管理装置100は、規制装置200による接続要求の規制の開始後に接続要求の数の変動が発生した場合であっても、発生した接続要求の数の変動に応じて上限要求数を動的に変更することができる。すなわち、接続要求の数の増加に伴って、MME30に係る廃棄呼数又は呼損呼数が増加した場合には、上限要求数が減少される。一方、接続要求の数の減少に伴って、MME30に係る廃棄呼数及び呼損呼数が減少した場合には、上限要求数が増加される。その結果、管理装置100及び規制装置200は、呼接続に利用されるCPUリソースの空き状況に応じて、上限要求数を超える分の接続要求が余分に廃棄される事態を回避することができる。
次に、図15を用いて、実施例3に係る呼接続制御システム20に含まれる管理装置100及び規制装置200の構成について説明する。図15は、実施例3に係る呼接続制御システムに含まれる管理装置及び規制装置の構成例を示す図である。
実施例3における管理装置100は、図3に示した上限要求数決定部153及び規制指示部154に代えて、上限要求数決定部353及び規制指示部354を有する。
上限要求数決定部353は、輻輳状態検知部152により複数の呼接続装置のうちの一の呼接続装置が輻輳状態にあると検知された場合に、当該一の呼接続装置に係る呼接続値を用いて、上限要求数を決定する。具体的には、上限要求数決定部353は、輻輳状態検知部152から一の呼接続装置が輻輳状態にある旨の検知信号を受信した場合に、当該一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する最新の接続呼数及び呼損呼数を呼接続値記憶部130から取得する。そして、上限要求数決定部353は、取得した接続呼数と呼損呼数との和を算出し、算出した和を上限要求数として決定する。上限要求数決定部353は、決定した上限要求数を、当該一の呼接続装置の呼接続装置IDに対応する規制情報記憶部140の上限要求数に格納するとともに、規制指示部354に出力する。
また、上限要求数決定部353は、規制指示部354により規制指示が送信された後に、上限要求数を増減する。具体的には、上限要求数決定部353は、規制指示部354により規制指示が送信された後に、呼接続値記憶部130を再び参照して、輻輳状態にあると検知された一の呼接続装置から収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数よりも大きいか否かを判定する。上限要求数決定部353は、一の呼接続装置から収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数よりも大きい場合には、処理能力を超える接続要求が一の呼接続装置に流入していると判定し、上限要求数を減少させる。また、上限要求数決定部353は、一の呼接続装置から収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数よりも大きいか否かを判定する。上限要求数決定部353は、一の呼接続装置から収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数よりも大きい場合には、処理能力を超える接続要求が一の呼接続装置に流入していると判定し、上限要求数を減少させる。例えば、上限要求数決定部353は、上限要求数を所定幅ずつ段階的に減少させる。
一方、上限要求数決定部353は、一の呼接続装置から収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数以下であり、かつ、一の呼接続装置から収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数以下である場合には、以下の処理を行う。すなわち、上限要求数決定部353は、余分なCPUリソースが一の呼接続装置に残存していると判定し、上限要求数を増加させる。例えば、上限要求数決定部353は、上限要求数を所定幅ずつ段階的に増加させる。
規制指示部354は、上限要求数を含むとともに、上限要求数を超える分の接続要求の廃棄を指示する規制指示を規制装置200に送信する。また、規制指示部354は、上限要求数決定部353により減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信する。
次に、図16を用いて、実施例3における管理装置100によって行われる規制指示送信処理の処理手順について説明する。図16は、実施例3における管理装置によって行われる規制指示送信処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図16に示したステップS321〜S327における処理手順は、図8に示したステップS121〜S127における処理手順と同様であるため、説明を省略する。
管理装置100の上限要求数決定部353は、規制指示部354により規制指示が送信されると(ステップS325)、呼接続値記憶部130を再び参照する(ステップS328)。上限要求数決定部353は、輻輳状態にあると検知された一の呼接続装置から収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数よりも大きいか否かを判定する(ステップS329)。上限要求数決定部353は、一の呼接続装置から収集された廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数以下である場合には(ステップS329;No)、一の呼接続装置から収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数よりも大きいか否かを判定する(ステップS330)。
上限要求数決定部353は、一の呼接続装置から収集された呼損呼数が前回収集された呼損呼数以下である場合には(ステップS330;No)、上限要求数を増加させる(ステップS331)。一方、上限要求数決定部353は、廃棄呼数が前回収集された廃棄呼数よりも大きいか(ステップS329;Yes)、又は、呼損呼数が前回収集された呼損呼数よりも大きい場合には(ステップS330;Yes)、上限要求数を減少させる(ステップS332)。
続いて、規制指示部354は、上限要求数決定部353により減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信する(ステップS333)。
上述してきたように、実施例3に係る呼接続制御システム20において、管理装置100は、規制指示が送信された後に、上限要求数を動的に減少又は増加させ、減少又は増加された上限要求数を含む規制指示を規制装置200に再送信する。これにより、管理装置100は、規制装置200による接続要求の規制の開始後に接続要求の数の変動が発生した場合であっても、発生した接続要求の数の変動に応じて上限要求数を動的に変更することができる。すなわち、接続要求の数の増加に伴って、呼接続装置に係る廃棄呼数又は呼損呼数が増加した場合には、上限要求数が減少される。一方、接続要求の数の減少に伴って、呼接続装置に係る廃棄呼数及び呼損呼数が減少した場合には、上限要求数が増加される。その結果、管理装置100及び規制装置200は、呼接続に利用されるCPUリソースの空き状況に応じて、上限要求数を超える分の接続要求が余分に廃棄される事態を回避することができる。