JP2014175864A - 高効率の無線通信用多層ワイヤ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】無線通信用ワイヤの固有抵抗損失が、高周波で表皮効果によって増加するのを低減する。
【解決手段】複数の導体層410,420と、各導体層410,420を分離する絶縁層430とで構成される多層ワイヤ構造として、電気信号が共振器内に誘導されるときに、表皮効果によって増加する導体の電気抵抗を低減する。さらに各導体層410,420のうちの2つの層410,420を接続する少なくとも1つのコネクタ440とを設ける。
【選択図】図9F

Description

本願は、一般に、無線電力及び/又はデータ伝送及び/又は通信システムを設計し、操作し、製造する方法、システム及び装置に関し、特に、近接場無線電力及び/又はデータ伝送及び/又は通信システムで使用される高効率構造を設計し、操作し、製造する方法、システム及び装置に関する。
近年、商用エレクトロニクス、医療システム、軍用システム、高周波変成器、ナノスケール電力及び/又はデータ伝送、又はその微小電気機械システム(MEMS)を含むマイクロエレクトロニクス、産業、科学及び医療(ISM)帯域受信機、無線感知などの近接場無線電力及び/又はデータ伝送、及び/又は通信システムを使用する用途は、これらのシステムで使用されるアンテナ(共振器とも呼ばれる)などの無線技術構成部品の品質係数が比較的低いため、最適な性能を達成する上での限界があった。
これらの無線技術構成部品の品質係数が比較的低いことの主な理由は、「表皮効果」として知られる現象による抵抗損失が比較的大きいことである。一般に、表皮効果とは、交流電流(AC)が導体内で流れるため、電流密度が導体の表面近くでより高く、導体の残りの部分は電流の流れに対して「使用されない」傾向にある。導体の残りの部分が電流の流れに対して「使用されない」理由は、電流密度は通常、導体の表面からの距離が離れると減衰するためである。電流はほとんどが表面の近くを流れ、これは導体の「表皮」と呼ばれる。電流が流れる表面からの深さは「表皮深さ」と呼ばれる。そこで「表皮深さ」は伝送及び/又は通信でアクティブな電気信号導電路を規定し、一方、導体は電気信号を導通することができる本体であると定義される。
無線電力及び/又はデータ伝送、及び/又は通信を使用するシステムでは、電流がアンテナ、回路、インダクタ、コンデンサ及び抵抗器、又はこれらのいずれかの組合せなどの集中素子などの構造を形成するために使用されるワイヤを通って流れるため、表皮効果現象は一般にエネルギー損失を引き起こす。高周波での抵抗損失が高いことは、ほとんどの電子デバイス又は機器が直面する問題である。表皮効果は、動作周波数が高まるほどよく見られる。周波数が高まると共に、通常は構造を形成するワイヤの断面全体を流れる電流はその表面に限定される。その結果、ワイヤの実効抵抗は、電流がそれを通って流れることができる実際の直径よりもむしろ細いワイヤの実効抵抗とほぼ同じになる。低周波での効率的な性能のための許容抵抗を示すワイヤは、高周波で許容し得ない抵抗のワイヤに移行する。許容できる抵抗から許容し得ない抵抗に移行すると、特定用途で必要とされる電気信号を導通できない非効率な電力及び/又はデータ伝送、及び/又は通信システムに変わってしまう。更に、現在の無線システム及びそれに関連する構成部品の設計は、これらの非効率性を解決するものではなく、場合によっては、その非効率性をより悪化させる。現在の無線技術構成部品によって制限されている代表的な用途には、すべてを網羅しているわけではないが、例えば無線周波数識別(RFID)、バッテリ充電及び再充電、テレメトリ、検知、通信、アセット追跡、患者モニタリング、データ入力及び/又は検索などが含まれる。これらのシステム構成部品の過熱、データ検索の速度及び精度、エネルギー送達速度、伝送距離の制約、及び伝送ミスアライメントによる制約は、無線電力及び/又はデータ伝送及び/又は通信の用途での別の深刻な問題である。
ペースメーカー、除細動器、及び神経調節又は神経筋刺激デバイスなどの埋め込み式医療装置(IMD)の用途では、バッテリの再充電時間を最短にすることが必要とされている。例えば、バッテリの再充電時間が速いほど、患者の不快が続く期間、不便さ、及び負傷の危険性が低減する。アンテナ又は集中素子を含む回路などの無線構成部品の抵抗損失が少なければ、バッテリの再充電はより遠い距離から、及び無線通信に関わるデバイスの位置合わせミス又は配向ミスに対してより高い許容度で、性能を損なわずに達成できよう。特に肥満した患者の場合、精密な配向と位置合わせは困難であることが知られている。追加的に及び/又は代替的に、より小型の構造を設計でき、実際的に製造でき、しかもシステムの動作の成功に必要な性能特性が保持されれば、IMDの全体的な寸法を縮小することができよう。
供給連鎖管理、製品の真正性、及びアセット追跡などのRFIDの用途では、読み取り範囲の拡大、読み取り速度の高速化、システムの信頼性向上、及びシステムの精度の向上が必要とされている。例えば高周波では、読み取り範囲はせいぜい3フィートであり、これは通常、パレット追跡には不十分である。超高周波読取り装置では8〜10フィートのより長い読み取り距離が可能であるが、金属により反射され、又は水により吸収され、又は読み取り領域での読み取り不能なヌルスポットを表示する信号などの別の性能上の問題を引き起こす。読み取り範囲を拡大するには、より高い効率のために信号の反射を促進し、それ故より効率的な構造がこれらの問題の解決を助けるような集中した電力が必要である。
過酷な条件下で共振を保持する必要がある効率的な低損失コイルを必要とする用途では、従来のワイヤを使用する構成部品を変形することがあり得る。ワイヤ断面の何らかの変形により、インダクタンス及び場合によっては抵抗などの電気的特性が変化し、次に構造の共振周波数が変化し、その結果、システム全体の抵抗が高まることは周知である。変形を損なう可能性を減らすこのようなタイプの構造の改良された製造方法は、この問題を除去することができるであろう。本教示は、剛性のワイヤ構造の設計と、固定された可撓性ワイヤ構造の設計の両方を含む製造方法を含んでいる。
上記問題に部分的に対処するための試みで、リッツ線が開発された。しかし、リッツ線は一般に、高周波の用途で使用するには不十分であり、従って、一般に動作周波数が約3MHzを超える用途では有用ではない。リッツ線は、均一なパターンで撚られ、又は編み込まれることで、各ワイヤ撚線が導体全体の断面であらゆる可能な位置をとる傾向がある、個々に絶縁された何本かのマグネットワイヤからなるワイヤである。このマルチストランド構成、すなわちリッツ構造は、「表皮効果」により固体導体に見られる電力損失を最小限にするように設計される。リッツ線構造は、導体のサイズを大幅に増大させずに表面積の量を増大することによってこの効果を抑制しようとするものである。しかし、適切に構成しても、リッツ線は撚りの制約によりある程度の表皮効果を示す。より高い周波数領域用のワイヤには一般に、断面積は等しいが、撚り線数が増減するリッツ線よりもゲージサイズが微小なより多くの撚り線が必要である。リッツ線の供給業者が、効率を高めることができる構成を提供する際の最高の周波数は3MHzである。現時点では、この3MHzの最大周波数の限度を超える動作周波数の用途での解決策はない。
従って、ワイヤ自体、及びワイヤを使用して作製される構成部品構造の両方の固有抵抗損失を低減し、特に高い品質係数を達成するために高周波での固有抵抗損失を低減する改良型の高効率ワイヤの設計及び製造方法が必要である。
本明細書の教示は、構造内のコンダクタンスの面積を拡大するために多層ワイヤのコンセプトを用いることにより、高周波での抵抗損失が増大し、その結果品質係数が低下するという上記の問題の1つ又は複数を軽減する。多層ワイヤ構成は、ある周波数又は複数の周波数で時間とともに変化する電流を運ぶ導電性相互接続の抵抗を低減する基本的構築ブロックである。従って、本発明の多層ワイヤ構成により、導体損失が低減し、構造の品質係数が高まる。本教示は、近接場エネルギー伝達、電力伝送、データ伝送又はこれらの組合せのための無線伝送及び/又は通信に適用される。より詳細には、本教示は、近接場エネルギーネットワーク、電力ネットワーク、又はデータネットワークのための、及びこれらのネットワークのいずれかの、又はあらゆる組合せを含めたネットワークのための無線伝送及び/又は通信に適用される。更に、本教示は、それらに限定されないが、エネルギー損失の低減が回路内の2つのポイント間での相互接続、インダクタ、コンデンサ、及び抵抗器、又はこれらのいずれかの組合せなどの構成部品で使用されるコイル、それらに限定されないがアンテナ、共振器などで使用されるコイル、それらに限定されないが、平板逆F形アンテナ(PIFA)及びその派生物、矩形マイクロストリップアンテナ、又はパッチアンテナ及びその派生物、超広帯域(UWB)構造、単極構造、ボウタイ構造など、又はこれらのいずれかの組合せでエネルギー損失の低減が求められる近接場エネルギーの用途での無線伝送及び/又は通信用の多様な構成部品に適用される。
無線エネルギー伝達、又は無線電力伝送は、相互接続線なしで電源から電気負荷への電気エネルギーの伝送である。エネルギー、電力、又はデータの無線伝送にとって、効率は重要なパラメータである。何故なら、システムを実用化するには伝送信号が1つ又は複数の受信機に着信しなければならないからである。エネルギー、電力、又はデータ伝送を含む無線伝送の最も一般的な形態は、直接誘導と、これに続く共振磁気誘導を使用して実施される。現在検討されている別の方法には電磁放射が含まれる。
更に、無線エネルギーの受信又は無線電力の受信は、相互接続線なしで電源から電気エネルギーを受けることである。エネルギー、電力又はデータの無線受信にとって、システムを実用化するには信号の受信が1つ又は複数の送信機で受信されなければならないため、効率は重要なパラメータである。従って、エネルギー、電力又はデータを具現化する無線受信の形態は、直接誘導、共振磁気誘導、並びに電磁放射によって実施することができる。
更に、本発明の実施形態は、相互接続線なしで電気エネルギー、電力及び/又はデータの無線通信が可能である。無線通信は、同時に又は独立して電気エネルギー、電力又はデータの送信及び/又は受信を実施する。
本教示の一態様は、無線電力及び/又はデータ伝送、又は、ワイヤの断面の有用な導体断面積を最大にすることによって共振器内の抵抗損失を最小限にする受信のために、多層ワイヤのコンセプトを使用して作製される共振器である。一実施形態では、共振器は、非導電性の誘電体層によりワイヤ内にもたらされる不都合に高い周波数の表皮効果を緩和し、その結果、非導電性材料と導電性材料の交互の層からなる構造を生じる。多層ワイヤ構造は、各々がそれ自体の特性表皮深さを有し、すべてが電気的に又はその他の形態で接続される数が増加した表面を効果的に提供する。表皮深さは、導体の深さの約半分から導体の深さとほぼ等しい範囲でよい。導体の深さは、表皮深さと同じ深さから表皮深さの2倍の範囲であってよい。しかし、利用できる技術、コスト及び用途に応じて、導体の深さは表皮深さの20倍以上であってよい。
共振器は、少なくとも1巻きのワイヤコイルを含み、ワイヤコイルは多層ワイヤから構成される。多層ワイヤは、絶縁材料層により分離された第1及び第2の導電層を含んでもよい。導電層は、実質的に同じ厚さ及び/又は深さを有してもよく、厚さ及び/又は深さは、表皮深さと同じ深さから表皮深さの2倍の範囲であってよい。しかし、利用できる技術、コスト及び用途に応じて、導体の厚さ及び/又は深さは、表皮深さの20倍以上であってもよい。各導電層は、それらに限定されないが、バイア(via)、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットなどの少なくとも1つの相互接続方法を用いて電気的に接続されてもよい。
非導電層の1つの目的は、異なる2つの導電層を絶縁することである。非導電層の最も基本的な設計は、理想的には製造プロセスが実際的に許す限り薄く、しかも十分な絶縁特性を備える設計である。例えば、PCB技術では、層の厚さは「コア厚さ」及びプリプレグ厚さによって決定付けられる。別の設計では、非導電層の厚さは、構造の電気的挙動を修正するように選択される。
共振器は、100を超える品質係数を有してもよい。好ましくは、品質係数は350を超える。最も好ましくは、品質係数は600を超える。2つの共振器を必要とするシステムが等しい品質係数、更には同様の品質係数のいずれかを有する共振器を有してもよいことは当業者には明らかであろう。また、2つの共振器を必要とするシステムが、1つの共振器が他の共振器と実質的に異なる品質係数を有するような共振器を使用してもよいことは当業者には明らかであろう。各共振器の品質係数の選択は、各共振器の用途、各々の設計仕様、及び意図する使用目的に依存する。従来の誘導結合システムは、品質係数が約30の共振器を使用していることが理解される。更に、共振器の品質係数は、それが使用される環境に依存することがあるので、例えば空中での品質係数が100である共振器は、人体又は動物の組織内に埋め込まれた場合の品質係数が僅か50であってもよいことは当業者には明らかであろう。所与の任意の環境で、本明細書に記載の多層ワイヤ構造は従来の共振器よりも優れているであろう。
その結果、多層ワイヤ内での損失の低減、及び共振器の内部抵抗の大幅な低減により、過熱などの事象に脅かされずに、エネルギー消費が少なく、実行時間が長く、操作が簡略化される、効率が良く、範囲が拡大したコンパクトな無線システムが可能になるであろう。
一実施例では、無線伝送又は無線受信のための多層ワイヤのコンセプトを用いて作製された構造が開示される。この構造は、電気エネルギー、電磁エネルギー、及び/又は電力を無線伝送及び/又は受信するように設計されている。更に、この構造は電子データ伝送も可能である。更に、この構造は、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力及び電子データの組合せを共に、又は別個に伝送及び/又は受信することができる。
この構造は、複数の導体層と、各導体層を分離する絶縁層と、2つ以上の導体層を接続する少なくとも1つのコネクタとを備えてもよい。複数の導体層の各々は、少なくとも一巻きのコイルを有してもよく、更に、平行の向きで配置されてもよい。各導体層は、導電性材料から形成されてもよい。導電性材料は、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属又は生体適合性材料、及びこれらのいずれかの組合せからなるものでよい。導体層は、それらに限定されないが、円形の断面、矩形の断面、四角形の断面、三角形の断面、又は楕円形の断面などの断面形状を有してもよい。導体層を接続するコネクタは、それらに限定されないが、バイア、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットであってよい。
この構造は、それらに限定されないが、円形ソレノイド構成、四角形ソレノイド構成、円形渦巻き構成、四角形渦巻き構成、矩形構成、三角形構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、及びコンフォーマルソレノイド構成などの構造的形状を有してもよい。この構造の電気的特性を修正するために別の構成を使用してもよい。
電気信号がある周波数で共振器に誘導されると、構造内の電気抵抗を低減することができる。周波数は約1MHz〜約10GHzの範囲から選択されてもよい。更に、周波数は約1MHz〜約10Gzの範囲にわたるか、又はその範囲内にある周波数帯域でよい。電気信号は、電流、電圧、デジタルデータ信号、又はこれらのいずれかの組合せでよい。周波数はまた、約100kHz〜約10GHzの範囲から選択されてもよい。また、周波数は約100kHz〜約10GHzの範囲にわたるか、又はその範囲内にある周波数帯域でよい。
別の実施例では、無線伝送又は無線受信のための共振器が開示される。共振器は、多層ワイヤのコンセプトを用いて電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力を無線伝送及び/又は受信するように設計される。更に、共振器は電子データの伝送又は受信も可能である。更に、共振器は電気エネルギー、電磁エネルギー、電力及び電子デーの組合せを共に、又は別個に伝送及び/又は受信することができる。
共振器は、各導体が導体の長さ、導体の高さ、導体の深さ、及び特定の動作周波数である表皮深さを有する導電性表面を有する複数の導体を備えてもよい。表皮深さは、導体の深さの約半分から導体の深さに等しい範囲でよい。導体の深さは、表皮深さと同じ深さから表皮深さの2倍の範囲でよい。しかし、利用できる技術、コスト、及び用途に応じて、導体の深さは表皮深さの20倍以上であってもよい。複数の導体層は、少なくとも1巻きのコイルを有してもよい。更に、複数の導体層の各々は、実質的に同じ導体の長さ、同じ導体の高さ、又は同じ導体の深さを有してもよく、又はそうでなくてもよい。導体層は導電性材料から形成されてもよい。導電性材料は、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属又は生体適合性材料、及びこれらのいずれかの組合せからなるものでよい。
複数の導体は、共振器本体を形成するように配置されてもよい。共振器本体は、共振器本体の長さ、共振器本体の幅、及び共振器本体の深さを有してもよい。電気信号が共振器本体を通って誘導されると、電気信号は導電性表面を通って伝搬する。電気信号は、電流、電圧、デジタルデータ信号、又はこれらのいずれかの組合せでよい。
共振器内の複数の導体は、第1の導体層と、絶縁層によって分離された第2の導体層とを備えてもよく、第1の導体層は少なくとも1つのコネクタによって第2の導体層又はそれ以上の導体層に接続される。導体は、それらに限定されないが、円形の断面、矩形の断面、四角形の断面、三角形の断面、又は楕円形の断面などの断面形状を有してもよい。共振器は、それらに限定されないが、円形ソレノイド及び四角形ソレノイド構成、円形の渦巻き構成、四角形の渦巻き構成、矩形の構成、三角形の構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、及びコンフォーマルソレノイド構成などの構造的形状を有してもよい。
無線伝送又は無線受信のための多層ワイヤのコンセプトを用いて作製される回路も開示される。回路は、電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力を無線伝送及び/又は受信するように設計されている。更に、回路は電子データ伝送も可能である。更に、回路は、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力及び電子データの組合せを共に、又は別個に伝送することができる。
高周波回路は、インダクタ、コンデンサなどの受動素子を広範に使用する。このような回路構成の幾つかの例には、それらに限定されないが、帯域通過フィルタ、高域通過フィルタ、及び低域通過フィルタ、ミキサ回路(例えばギルバートセル)、コルピッツ、ピアス、ハートレー、及びクラップなどの発振器、及び差動、プッシュプル、フィードバック、及び無線周波数(RF)増幅器などの増幅器が含まれる。特に、低ノイズ増幅器(LNA)で整合及びフィードバックするときにソース縮退素子としてインダクタも使用される。集中インダクタもRF回路及びモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)に不可欠な素子である。集中インダクタは、伝送線構造が過剰な長さであることがあるオンチップ整合ネットワークで使用される。これらは、多くの場合、バイアス電流を回路に供給できるようにし、しかもRF周波数及びそれ以上の周波数で広帯域高インピーダンスを提供するRFチョークとしても使用される。RF MEMSスイッチ、再構成可能なネットワークに最適な整合ネットワーク及びバラクタ、アンテナ及びサブシステムも品質係数Qが高いインダクタを必要とする。受動回路素子及び集中インダクタなどの集中素子を広義の受動回路素子と互換的に使用してもよいことに留意されたい。受動回路素子は、すべてが多層ワイヤを使用して作製されるインダクタ、コンデンサ及び抵抗器でよく、又は、受動回路素子は多層ワイヤ自体でもよい。限定する意味ではないが、上記のほぼすべての回路の例では、受動構成部品の損失が最小限であることが望ましい。
所与の高周波回路は、インダクタ及びコンデンサなどの受動素子を広範に使用し、それに限定されないが、多層ワイヤコンセプトを使用して作製されたインダクタを使用した実施形態が示される。特にインダクタを考慮すると、ワイヤ構造の設計は、最大品質係数Qが得られ、しかも所望のインダクタンス値を達成できるようにすべきである。言い換えると、インダクタの抵抗損失を最小限にする必要がある。動作周波数、基板上の利用できる領域、用途及び技術に応じて、インダクタは、それらに限定されないが、TEM伝送線、導電性ループ、又はそれらに限定されないが、例えば円形、矩形、楕円形、四角形、又は不規則な構成の幾つかの形状の渦巻き/ソレノイド/これらを組み合わせた構造として実施することができる。限定する意味ではないが、これらの実施形態はすべて、本発明の多層構造を使用して実現することができる。
別の実施例では、多層ワイヤのコンセプトを用いて作製された共振器が、大きな回路の一部として説明されている。共振器は、共振周波数、複数の共振周波数、又は1つ又は複数の共振周波数帯域と呼ばれる特定の周波数、複数の特定の周波数、又は1つ又は複数の特定の周波数帯域で共振する(すなわち振動する)デバイス又はシステムである。共振周波数、複数の共振周波数、又は1つ又は複数の共振周波数帯域では、振動インピーダンスは最小限である。電気回路の関連では、共振周波数、複数の共振周波数、又は1つ又は複数の共振周波数帯域での電気インピーダンスは最小限である。本発明の多層ワイヤ構造は、2つの基本条件下で共振器として機能する。すなわち、(1)この環境では追加の電気構成部品なしで、多層ワイヤ構造が特定の周波数、複数の特定の周波数、又は1つ又は複数の特定の周波数帯域で共振するように設計された場合、(2)この環境では別の構成部品(それらに限定されないが、例えばコンデンサ、コンデンサバンク、コンデンサ及び/又はインダクタネットワーク)との組合せで、多層ワイヤ構造が、特定の周波数、複数の特定の周波数、又は1つ又は複数の特定の周波数帯域で共振するように設計された場合である。従って、共振器は大きな回路の一部であり、ある周波数、複数の周波数、又は1つ又は複数の周波数帯域、又はある特定の帯域幅又はある特定の複数の帯域幅を有する周波数、複数の周波数、又は1つ又は複数の周波数帯域で共振挙動が生じるように設計されてもよい。1つ又は複数の帯域を変更するために、従来の又は多層ワイヤのコンセプト(例えば抵抗器)を用いて作製された追加の構成部品を追加してもよい。従来のいずれかの無線技術の構成部品を多層ワイヤのコンセプトを用いて作製された無線技術構成部品と組み合わせて使用し、これらの無線の用途に必要な効率と性能を引き出せることは当業者には明らかであろう。
システムの構成部品が多層ワイヤのコンセプトを用いて作製される無線伝送又は無線受信のためのシステムも開示される。システムは、電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力を無線伝送及び/又は受信するように設計されている。更に、システムは電子データ伝送も可能である。更に、システムは、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力及び電子データの組合せを共に、又は別個に伝送することができる。
システムは、複数の第1の導体を備える第1の共振器を備えてもよく、各第1の導体は、第1の導体の長さ、第1の導体の高さ、第1の導体の深さ、及び第1の表皮深さを有する第1の導体表面を有している。複数の第1の導体は、第1の共振器本体の長さ、第1の共振器本体の幅、及び第1の共振器本体の深さを有する第1の共振器本体を形成するように配置されてもよい。また、システムは、各第2の導体が第2の導体の長さ、第2の導体の高さ、第2の導体の深さ、及び第2の表皮深さを有する第2の導体表面を有する複数の第2の導体を備える第2の共振器本体を含んでもよい。複数の第2の導体は、第2の共振器本体の長さ、第2の共振器本体の幅、及び第2の共振器本体の深さを有する第2の共振器本体を形成するように配置されてもよい。第1の表皮深さ及び第2の表皮深さは、導体の深さの約半分から導体の深さとほぼ等しい深さでよい。第1及び第2の導体は、少なくとも1巻きのコイルを有してもよく、複数の第1及び第2の導体層の各々は、実質的に同じ導体の長さ、同じ導体の高さ、及び同じ導体の深さを有してもよく、又はそうでなくてもよい。第1の導体の深さ及び第2の導体の深さは、表皮深さと同じ深さから表皮深さの2倍の範囲であってよい。しかし、利用できる技術、コスト、及び用途に応じて、第1の導体の深さ及び第2の導体の深さは表皮深さの20倍以上であってもよい。第1及び第2の導体層は、それらに限定されないが、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属又は生体適合性材料、及びこれらのいずれかの組合せなどの導電性材料から形成されてもよい。
電気信号が第1の共振器本体を通って伝搬されると、電気信号は第1の導電性表面を通って伝搬し、更に第2の共振器本体を通って電気信号を誘導する。誘導された電気信号は第2の導電性表面を通って伝搬する。電気信号は、電流、電圧、及びデジタルデータ信号、又はそれらの組合せでよい。
複数の第1の導体は、第1の導体層と、絶縁層によって分離された第2の導体層とを備えてもよく、第1の導体層は少なくとも1つのコネクタによって第2の導体層又はそれ以上の導体層に接続される。導体層を接続するコネクタは、それらに限定されないが、バイア、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットであってよい。第1の導体は第1の断面形状を有してもよく、第2の導体は第2の断面形状を有してもよい。第1及び第2の断面形状は、それらに限定されないが、円形の断面、矩形の断面、四角形の断面、三角形の断面、又は楕円形の断面の1つでよい。
第1の共振器は第1の構造的形状を有してもよく、第2の共振器は第2の構造的形状を有してもよい。第1及び第2の構造的形状は、それらに限定されないが、円形ソレノイド構成、四角形ソレノイド構成、円形渦巻き構成、四角形渦巻き構成、矩形構成、三角形構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、及びコンフォーマルソレノイド構成でよい。
別の実施例では、各導体層を分離する絶縁層を含む複数の導体層を備える構造が開示されている。電気信号がある周波数で導体層を通って伝搬すると、電気抵抗を低減することができる。
任意選択として、導体層は、導電性ワイヤ、導電性テープ、導電性リボン、又は溶着金属でよい。導体は、2つ以上の導体層を接続するコネクタを含んでもよい。コネクタは、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン及びリベットであってよい。
任意選択として、周波数は約100kHz〜約3MHzの範囲内でよい。周波数はまた、約3MHz〜約10GHzの範囲内でもよい。周波数は、約100kHz〜約3MHzの範囲内の周波数帯域でもよい。周波数は、約3MHz〜約10GHzの範囲内の周波数帯域であってもよい。周波数はまた、100kHz〜約10GHzの周波数範囲内であってもよい。周波数はまた、100kHz〜約10GHzの範囲内の周波数帯域であってもよい。
任意選択として、複数の導体層は、平行の向きで配置されてもよい。複数の導体層は、電気的に並列に接続されてもよい。電気的に並列に接続された複数の導体層は、電気的に並列に接続された第2の複数の導体層と電気的に直列に接続されてもよい。
任意選択として、電気信号は、エネルギー信号、電力信号、及びデータ信号の少なくとも1つでよい。電気信号は、電流、電圧、及びデジタルデータ信号の少なくとも1つでよい。構造は100を超える品質係数を有してもよい。
任意選択として、構造は、円形の断面、矩形の断面、四角形の断面、三角形の断面、及び楕円形の断面の少なくとも1つを含む断面形状を有してもよい。構造は円形ソレノイド構成、四角形ソレノイド構成、円形渦巻き構成、四角形渦巻き構成、矩形構成、三角形構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、及びコンフォーマルソレノイド構成の少なくとも1つを含む構造的形状を有してもよい。複数の導体層は、少なくとも1巻きのコイルを有してもよい。
任意選択として、導体層は、導電性材料から形成されてもよい。導電性材料は、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属又は生体適合性材料でよい。
任意選択として、絶縁層は、電気絶縁材料から形成されてもよい。電気絶縁材料は、空気、スタイロフォーム、二酸化シリコン、適切な生体適合性セラミック、又は低誘電率の同様の誘電体、高誘電率の非導電性誘電体、又はフェライト材料でよい。
任意選択として、構造を、共振器、アンテナ、RFIDタグ、RFIDトランスポンダ、及び医療装置の少なくとも1つを有するデバイス内に組み込んでもよい。
別の実施例では、各導体が導体の長さ、導体の高さ、導体の深さ、及び表皮深さを有する導体表面を有する、複数の導体を備えるワイヤ構造が開示される。複数の絶縁体は、各絶縁体が複数の導体の隣接する導体の間に位置するように、複数の導体の各々の間に配置される。ワイヤ構造は、電気信号が導体表面の表皮深さを通って伝搬できるように形成される。
任意選択として、複数の導体は、間の絶縁層によって分離された第1の導体層と、第2の導体層とを備え、第1の導体層は少なくとも1つのコネクタによって第2の導体層に接続される。第1及び第2の導体層の少なくとも1つは、導電性テープ、導電性リボン、及び溶着金属の少なくとも1つを含む。コネクタは、バイア、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン及びリベットの少なくとも1つでよい。
任意選択として、導体は、円形の断面、矩形の断面、四角形の断面、三角形の断面、及び楕円形の断面の少なくとも1つを含む断面形状を有してもよい。
任意選択として、電気信号は、エネルギー信号、電力信号、及びデータ信号の少なくとも1つを含んでよい。電気信号は、電流、電圧、及びデジタルデータ信号であってよい。
任意選択として、表皮深さは、導体の深さの約半分から導体の深さとほぼ等しい範囲である。導体の深さは、表皮深さと同じ深さから表皮深さの約2倍の範囲である。導体の深さは、表皮深さの約2倍より深い。複数の導体層は少なくとも1巻きのコイルを有する。
任意選択として、複数の導体層は各々、実質的に同じ導体の長さ、導体の高さ、又は導体の深さを有している。ワイヤ構造は、100を超える品質係数を有する。
任意選択として、ワイヤ構造は、円形ソレノイド構成、四角形ソレノイド構成、円形渦巻き構成、四角形渦巻き構成、矩形構成、三角形構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、又はコンフォーマルソレノイド構成でよい構造的形状を有している。
任意選択として、少なくとも1つの導体は、導電性材料から形成されてもよい。導電性材料は、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属及び生体適合性材料の少なくとも1つを含む。絶縁体は、電気絶縁材料から形成されてもよい。
任意選択として、電気絶縁材料は、空気、スタイロフォーム、二酸化シリコン、適切な生体適合性セラミック、又は低誘電率の同様の誘電体、高誘電率の非導電性誘電体、及びフェライト材料の少なくとも1つを含む。
任意選択として、電気信号は、少なくとも1つの周波数で構造を通って誘導可能である。周波数は、約100kHz〜約3MHzの範囲から選択される。周波数は、約3MHz〜約10GHzの範囲から選択される。周波数は、約100kHz〜約3MHzの範囲内の周波数帯域である。周波数は、約1MHz〜約10GHzの範囲内の周波数帯域である。
任意選択として、ワイヤ構造は、抵抗器、インダクタ、及びコンデンサからなる群から選択される回路素子を更に含む。ワイヤ構造は、共振器、アンテナ、RFIDタグ、RFIDトランスポンダ、及び医療装置の少なくとも1つを備えるデバイス内に組み込まれてもよい。
更に、構造自体及び/又は構造のための構成部品が多層ワイヤのコンセプトを用いて作製される無線伝送又は無線受信のための構造の製造方法が開示される。上記製造方法は、電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力を無線伝送及び/又は受信することができる構造を作製する。更に、結果として生じる構造は電子データ伝送又は受信が可能である。更に、結果として生じる構造は、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力及び電子データの組合せを共に又は別個に伝送及び/又は受信することができる。
上記方法は、各導体層の間に絶縁体を有する複数の導体層を作製し、複数の導体のうちの2つの間に少なくとも1つの接続部を形成するステップを含んでもよい。導体層を接続するコネクタは、それらに限定されないが、バイア、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットであってよい。導体層は、マスクを経た蒸着によって作製されてもよい。各導体層の間に絶縁体を有する複数の導体層を作製するステップは、第2の導体層の上部に第1の導体層を配置し、第1の導体層と第2の導体層とを第1の絶縁体で分離するステップを更に含んでもよい。更に、複数の導体のうちの2つの間に少なくとも1つの接続部を形成するステップは、それらに限定されないが、バイア、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットを含む導体層のうち少なくとも2つの導体層を接続するステップを含んでもよい。導体層は、導電性材料から形成されてもよい。導電性材料は、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属又は生体適合性材料、及びこれらのいずれかの組合せからなるものでよい。
また、構造自体及び/又は構造のための構成部品が多層ワイヤのコンセプトを用いて作製される無線伝送又は無線受信を提供する構造の動作方法が開示される。上記方法は、電気エネルギー、電磁エネルギー、及び/又は電力を無線伝送及び/又は無線受信することができる構造を提供するステップを含む。更に、上記方法は、電子データ伝送又は受信が可能な構造を提供するステップを提供する。更に、上記方法は、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力及び電子データの組合せを共に、又は別個に伝送及び/又は受信することができる構造を提供するステップを提供する。
上記方法は、各導体が導体の長さ、導体の高さ、導体の深さ、及び表皮深さを有する導体表面を有する複数の導体を提供するステップを含む。導体の深さは、表皮深さと同じ深さから表皮深さの2倍の範囲であってよい。しかし、利用できる技術、コスト及び用途に応じて、導体の深さは、表皮深さの20倍以上であってもよい。複数の導体は、共振器本体の長さ、共振器本体の幅、及び共振器本体の深さを有する共振器本体を形成するように配置されてもよく、電気信号が表皮深さの導体表面を通って伝搬するように、複数の導体の少なくとも1つに電気信号を誘導する。電気信号は、電流、電圧、デジタルデータ信号又はこれらのいずれかの組合せでよい。
また、上記方法は、第2の導体の各々が第2の導体の長さ、第2の導体の高さ、第2の導体の深さ、及び第2の表皮深さを有する第2の導体表面を有する複数の第2の導体を備えるステップを含んでもよく、複数の第2の導体は、第2の共振器本体の長さ、第2の共振器本体の幅、及び第2の共振器本体の深さを有する第2の共振器本体を形成するように配置される。電気信号が共振器本体を通って伝搬されると、電気信号は表皮深さの導電性表面を通って伝搬し、更に第2の共振器本体を通って信号を誘導し、誘導された電気信号は第2の表皮深さで第2の導電性表面を通って伝搬する。
複数の導体は、第1の導体層と、絶縁層によって分離された第2の導体層とを備えてもよく、第1の導体層は少なくとも1つのコネクタによって第2の導体層に接続される。更に、導体層のうち少なくとも2つの導体層を接続する少なくとも1つの接続部は、それらに限定されないが、バイア、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットを含む。導体は、それらに限定されないが、円形の断面、矩形の断面、四角形の断面、三角形の断面、及び楕円形の断面などの断面形状を有してもよい。複数の導体層は少なくとも1巻きのコイルを有してもよく、複数の導体層は各々、実質的に同じ導体の長さ、同じ導体の高さ、又は同じ導体の深さを有してもよく、又はそうでなくてもよい。導体層は導電性材料から形成されてもよい。導電性材料は、銅、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、Co−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、金合金、パラジウム、炭素、銀、貴金属又は生体適合性材料、及びこれらのいずれかの組合せからなるものでよい。
共振器は、それらに限定されないが、円形ソレノイド構成、四角形ソレノイド構成、円形渦巻き構成、四角形渦巻き構成、矩形構成、三角形構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、及びコンフォーマルソレノイド構成などの構造的形状を有してもよい。
付加的な利点及び新規の特徴の一部は以下の説明に記載され、一部は以下の添付図面を吟味することによって当業者には明らかになり、又は実施例の製造又は動作によって習得されよう。本教示の利点は、以下に説明する詳細な実施例に記載の方法論、手段及び組合せの様々な態様を実践し、又は使用することによって実現され、達成されよう。
図面は、本教示による1つ又は複数の実施態様を、限定的にではなく例示としてのみ示す。図中、同じ参照番号は同じ、又は同様の要素を指す。
低効率システムでのエネルギー損失を示す図である。 均質な導体を流れる単方向定常電流のAC電流分布を示す図である。 表皮効果により上昇した周波数でのAC電流分布を示す図である。 表皮深さ対周波数のグラフである。 上昇した周波数での多層ワイヤを通るAC電流分布を示す図である。 無線通信用のワイヤ構造のハイレベル図である。 円形ソレノイド構成のワイヤの例を示す図である。 四角形ソレノイド構成のワイヤの例を示す図である。 円形渦巻き構成のワイヤの例を示す図である。 四角形渦巻き構成のワイヤの例を示す図である。 多層四角形渦巻き構成のワイヤの例を示す図である。 円形渦巻きソレノイド構成のワイヤの例を示す図である。 四角形渦巻きソレノイド構成のワイヤの例を示す図である。 コンフォーマルソレノイド構成のワイヤの例を示す図である。 N層の単巻き円形コイルの例を示す図である。 N層の二重巻き円形渦巻きソレノイドコイルの例を示す図である。 円形断面を有する多層ワイヤの例を示す図である。 矩形の断面を有する多層ワイヤの例を示す図である。 四角形の断面を有する多層ワイヤの例を示す図である。 三角形の断面を有する多層ワイヤの例を示す図である。 楕円形の断面を有する多層ワイヤの例を示す図である。 多層ワイヤの矩形の断面を示す図である。 円形断面を有する多層ワイヤを示す図である。 矩形の断面を有する多層ワイヤを示す図である。 1つの層を有する単巻きMLMT構造を示す図である。 11の層を有する単巻きMLMT構造を示す図である。 20の層を有する単巻きMLMT構造を示す図である。 26の層を有する単巻きMLMT構造を示す図である。 周波数の関数としての品質係数の値を示すグラフである。 層の数と共に変化する抵抗及びインダクタンスの相対的変化を示すグラフである。 所与の数の層において10MHzで生じる品質係数を示すグラフである。 周波数の関数としての品質係数を示すグラフである。 周波数の関数としての16層のコイルに対するインダクタンスを示すグラフである。 周波数の関数としての16層のコイルに対する抵抗を示すグラフである。 周波数の関数としての品質係数を示すグラフである。 周波数の関数としてのインダクタンスを示すグラフである。 周波数の関数としての抵抗を示すグラフである。 金属幅が1mmの金属条片を有するコイルでの周波数の関数としての品質係数を示すグラフである。 金属幅が1.5mmのコイルでの品質係数の相対的な増大を示すグラフである。 金属幅が2mmのコイルでの品質係数の相対的な増大を示すグラフである。 近接場エネルギーネットワークのハイレベルブロック図である。 受信ユニットと送信ユニットとが同一の共振周波数を有し、帯域が狭い状況を示すグラフである。 受信ユニットと送信ユニットとが異なる共振周波数を有し、帯域が狭い状況を示すグラフである。 受信ユニットと送信ユニットとが異なる共振周波数を有し、受信ユニットの共振帯域が広い状況を示すグラフである。 受信ユニットと送信ユニットとが異なる共振周波数を有し、送信デバイスに損失がある状況を示すグラフである。 受信ユニットと送信ユニットとが、遠く離れた共振周波数を有し、送信ユニットと受信ユニットの両方に損失がある状況を示すグラフである。 受信ユニットと送信ユニットとが、近接する共振周波数を有し、送信ユニットと受信ユニットの両方に損失がある状況を示すグラフである。 リピータを有する近接場エネルギーネットワークのハイレベルブロック図である。 通常のPCBの積み重ねを示す図である。 既存のPCBメーカーから入手した6層PCB基板の積み重ね方式の製造表である。 多層ワイヤを使用して作製された任意のMLMT構造の等価回路図である。 インダクタとして動作する多層ワイヤを使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である(条件1)。 回路内の自己共振器として動作する多層ワイヤを使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である(タイプ1)。 自立型の自己共振器として動作する多層ワイヤを使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である(タイプ1)。 追加した直列のコンデンサを示す多層ワイヤを使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である。 追加した並列のコンデンサを示す多層ワイヤを使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である。 コンデンサを並列に追加することで共振が達成される回路の共振器として動作する多層ワイヤ使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である。 回路にコンデンサを直列に追加することで共振が達成される自立型共振器として動作する多層ワイヤ使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である。 回路にコンデンサを並列に追加することで共振が達成される自立型共振器として動作する多層ワイヤ使用して作製されたMLMT構造の等価回路図である。
以下の説明では、関連する教示が完全に理解されるように、多くの特定の細部が例示される。しかし、このような細部がなくても本教示を実施できることは当業者には明らかであろう。別の場合は、本教示の態様が不要に不明瞭になるのを避けるため、周知の方法、手順、構成部品、及び/又は回路は比較的ハイレベルに、細部なしで記載されている。
本明細書に開示する様々な技術は、一般に、無線伝送及び/又は無線受信システムを設計し、操作し、製造する方法、システム、及び装置に関し、より詳細には、近接場無線伝送及び/又は受信に使用される高効率の構造を設計し、操作し、製造する方法、システム、及び装置に関する。
無線伝送は、実施形態のような電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力の無線伝送で実施してもよい。更に、無線伝送はデジタルデータ及び情報の伝送で実施してもよい。更なる実施形態では、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力、電子データ及び情報の組合せを、エネルギーネットワークで説明する実施形態のように共に又は別個に伝送してもよい。更に、上記無線伝送を同時にまたはある時間間隔にわたって実行可能であることが考えられる。無線伝送の更なる実施形態が下記のエネルギーネットワーク、電力ネットワーク、データネットワーク、及び近接場電力及びデータ伝送システムの項で説明される。
無線受信は、実施形態のような電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力の無線受信で実施してもよい。更に、無線受信はデジタルデータ及び情報の受信で実施してもよい。更なる実施形態では、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力、電子データ及び情報の組合せを、エネルギーネットワークで説明する実施形態のように共に、又は別個に受信してもよい。更に、上記無線受信を同時にまたはある時間間隔にわたって実行可能であることが考えられる。無線受信の更なる実施形態が下記のエネルギーネットワーク、電力ネットワーク、データネットワーク、及び近接場電力及びデータ伝送システムの項で説明される。
無線通信は、実施形態のような電気エネルギー、電磁エネルギー、及び電力の無線通信で実施してもよい。更に、無線通信は、デジタルデータ及び情報の通信で実施してもよい。更なる実施形態では、電気エネルギー、電磁エネルギー、電力、電子データ及び情報の組合せを、エネルギーネットワークで説明する実施形態のように共に、又は別個に伝送及び受信してもよい。更に、上記無線伝送及び受信を同時にまたはある時間間隔にわたって実行可能であることが考えられる。無線通信の更なる実施形態が下記のエネルギーネットワーク、電力ネットワーク、データネットワーク、及び近接場電力及びデータ伝送システムの項で説明される。
システムの効率は、入力に対する出力の比として定義される。電気システムでは、出力は一般に、本来の抵抗及びインピーダンスのために入力よりも小さい。無線システムでは、エネルギーが空中を通って伝送されるので一般的な損失が生じる。しかし、電流がシステムの回路、及びインダクタ、コンデンサ及び抵抗器などの回路の関連素子を通って流れ、且つアンテナ、共振器などのシステムの構成部品を通って流れるので、エネルギーも損失する。低効率システムにおけるエネルギー損失の例が図1に示されている。
アンテナは一般に、電磁波が送出されたり受信されたりする導体である。アンテナは、それらに限定されないが、ワイヤ又は一組のワイヤからなるものでよい。共振器は一般に、共振するいずれかのシステムを含むいずれかのデバイス又は材料である。共振器は、共振によって特定の周波数の存在を検知する機器であってよく、この周波数特性を有するいずれかの回路であってもよい。更に、共振器は、周期的な電気振動が最大の振幅に達するようにキャパシタンスとインダクタンスとを結合する電気回路であってもよい。当業者には理解されるように、アンテナは、多くの場合、例えばそれ自体が共振し、又はコンデンサなどの別のリアクタンス素子と結合されて共振を達成する場合は、共振器として機能する。従って、アンテナ及び共振器という用語は、本明細書では多くの場合同義に用いられ、総称して構造(例えば多層多巻き構造)とも呼ばれる。
「表皮効果」は一般に、交流電流が導体の外側部分、すなわち「表皮」の近傍に集中する傾向である。図2に示すように、均質の導体を通る単方向定常電流の場合、電流分布は断面全体にわたって概ね均一である。すなわち、電流密度は断面の全スポットで同じである。
交流電流では、周波数が上昇するにつれて電流はますます表面に移動する。この電流は、導体の断面全体を効率的に利用しない。従って、導体の実効断面は縮小するので、抵抗とエネルギー散逸は均一に流れる電流と比較して増大する。言い換えると、図3に示すように、表皮効果によって電流密度は導体の表面の近傍(「表皮」とも呼ばれる)で最大であり、断面の中心に向かって指数関数的に減衰する。
どのワイヤでも、そのワイヤの実効抵抗は周波数と共に大幅に高まる。その理由は、電流がワイヤの全断面の一部を通ってしか流れないためである。本明細書での抵抗は、オーム抵抗を指す。円形断面を有する1つ又は複数のループのオーム抵抗の式は
DCでは、

但し、ρは抵抗率、Lはワイヤの全長、及びAはワイヤ断面積である。
表皮効果を含むACでは、

但し、Nはワイヤループの巻き数、rはループの半径、及びaはワイヤの半径である。A=πa、及びL=2πNrである。
ワイヤの断面に関して、より多くの電流経路を作製するとワイヤの正味抵抗が低減する。本発明は、複数の層を備えるワイヤを記載する。各導電層は、それらに限定されないが、導電性テープ、導電性リボン、溶着金属などを含んでもよい。各導体層は、何らかの絶縁材料によって他の導電層から分離されてもよい。絶縁材料は、スタイロフォーム、二酸化シリコン、適切な生体適合性セラミック、又は低誘電率の同様の誘電体、高誘電率の非導電性誘電体、又はフェライト材料、又はこれらのいずれかの組合せ、又は空気でよいが、これらに限定されない。その場合、この「積層ワイヤ」は1巻き又はそれ以上の巻きを有し、多巻き構造を作製することができよう。本明細書で多層ワイヤと呼ばれる「積層ワイヤ」は、本明細書で多層多巻き(MLMT)構造と呼ばれる完全な構造を作製するために使用される。MLMT構造は、アンテナ、共振器、コイル、集中素子、又はこれらのいずれかの組合せでよいが、これらに限定されない。集中素子はインダクタ、コンデンサ、抵抗器、又はこれらのいずれかの組合せでよいが、それらに限定されない。多層ワイヤは、低減可能な抵抗が求められるいずれかの構造の基本構築ブロックである。多層ワイヤはまた、回路、それらに限定されないが、インダクタ、コンデンサ、抵抗器、又はこれらのいずれかの組合せなどの回路で使用される集中素子として使用されるコイル、フィルタ内のインダクタ、コンデンサ、抵抗器、又はこれらのいずれかの組合せなどの小型素子、それらに限定されないが、無線通信用のアンテナ又は共振器として使用されるコイル、又はPIFAなどのいずれかの構造、及びその派生物、矩形マイクロストリップアンテナ、又はパッチアンテナ及びその派生物、超広帯域(UWB)構造、単極構造、ボウタイ構造など、又はこれらのいずれかの組合せの2つのポイント間の純然たる相互接続であろうと、任意の導電性トレースで低減可能な抵抗を達成するために使用されてもよい。
例えば、直径1mm(0.04インチ)の銅線の場合、1MHzの周波数での抵抗は、dc値のほぼ4倍である。「表皮深さ」、又は「浸透深さ」δは表皮効果の結果を査定するためにしばしば用いられる。表面深さが、電流密度が表面での値の1/e(約37%)に低減する導体表面下の深さであることは一般に受け入れられている。従って、「表皮深さ」という用語は、電流密度が最大値の約37%に低下する断面内の深さとして説明される。このコンセプトは平面固体に当てはまるが、導体表面の曲率半径が明確にδを超える値であれば、その他の形状にも拡げることができる。例えば、60Hzの周波数では、浸透深さは8.5mm(0.33インチ)である。10GHzでは、浸透深さは僅か6.6×10−7mである。表皮深さは周波数の強力な関数であり、周波数が上昇するにつれて浅くなる。この現象は図4に示すグラフに示されている。
この場合、多層ワイヤの基本コンセプトは、ワイヤ断面全体にわたる有効電流密度を最大にすることによって、ワイヤの固有抵抗を低減することである。多層化は、ある周波数又は複数の周波数での構造の有効通電能力を強化し、しかも表皮効果のために未使用の導電可能な材料を最小限にし、それ故、無駄な構造空間をなくす。多層ワイヤのコンセプトは図5に示されている。
厚さが表皮深さの約2倍の導電層を使用することによって、ワイヤ内のあらゆるポイントでの電流密度が、(表面での)最大可能な電流密度の約37%以上になることが確実になる。別の層厚を用いることによって、異なる基本電流密度が得られる。例えば、表皮深さの約4倍の層厚を用いることによって、電流密度が(表面での)最大可能な電流密度の約14%以上になることが確実になる。同様に、表皮深さの約6倍の導体深さの場合は、電流密度は5%以上になる。
60Hzでの例を再び参照すると、約8.5mmの導体表皮深さでは層の厚さは約17mmになる。これらの寸法が与えられれば、通常ほとんどの用途は、断面寸法が単層の断面寸法よりも小さいワイヤを使用するであろう。しかし5GHzなどのより高い周波数では、約1μmの導体表皮深さでは層の厚さは約2μmになる。より高い周波数では、関連するコストを含む実際の製造は法外なものになろう。本発明の多層ワイヤは、それに限定されないが、PCB技術などの標準的な製造プロセスを用いて製造可能であり、従って、本発明の多層ワイヤは、構造の内部抵抗を大幅に低減できることによる効率が高い無線通信を達成する実際的な能力を提供する。
導電層内の高い電流密度を保つことは重要であるが、同時に、未使用の断面領域、すなわち絶縁層が全体としてできるだけ小さいことが不可欠である。上記の理論を用いて、提案される多層ワイヤの最適な構成は、表皮深さの約2倍の厚さ/深さを有する導電層と、技術的に可能な限り薄い絶縁層とを含む構成である。
従って、マイクロ波周波数で使用される導波管及び共振空洞の内表面は、銀などの高伝導率材料でメッキされることが多く、それによって、電流のほぼすべてが表面に集中するためエネルギー損失が低減する。メッキ材料がδよりも厚い場合は、導体はコーティング材料の固体導体と同様に良好である。「品質係数」は、アンテナ、回路、又は共振器などの装置の効率を測定する指標(測定値)として一般に受け入れられている。本明細書ではバイアは1つの層から別の層への導電性接続として定義される。
リッツワイヤは一般に、均一な撚りパターン及び撚りの長さで互いに束にされ、又は編み込まれた個々の薄膜絶縁ワイヤから構成されるワイヤである。
次に添付図面に示され、以下に記載される実施例を詳細に参照する。
図6は、無線通信のための構成部品用ワイヤ構造のハイレベル図を示す。ワイヤ構造は、多層ワイヤ101のコイル100を含む。コイル100の形状は、円形、矩形、三角形、その他の多角形、又は制約された容積内に適合する形状でよい。図6は、円形コイル100の形態のコイルの1つの例示的構成を示す。コイル100の構成は、ソレノイド形、渦巻き形、又は渦巻きソレノイド形でよい。ソレノイドコイルは、各々の巻きの半径が同じ複数の巻きを有するらせん状の曲線をたどる。渦巻きコイル構成は、半径が漸次増減する幾つかの巻きを有してもよい。渦巻きソレノイドコイル構成は、渦巻き構成とソレノイド構成との組合せである。当業者に知られているその他の構成を用いてコイルを形成してもよい。
図7A〜図7Hは、使用できる異なるワイヤ構成の実施例を示す。
図7Aは、円形ソレノイド構成102のワイヤの実施例を示す。図7Bは、四角形ソレノイド構成103のワイヤの実施例を示す。図7Cは、円形渦巻き構成104のワイヤの実施例を示す。図7Dは、四角形渦巻き構成105のワイヤの実施例を示す。矩形又は三角形などの別の渦巻き構成を使用してもよいことが理解されよう。図7Eは、多層の四角形渦巻き構成106のワイヤの実施例を示す。図7Eには2層だけが示されているが、任意数の層を使用してもよいことが理解されよう。以下に説明するように、複数のワイヤ層が使用される場合、複数のワイヤ層は、それらに限定されないが、バイア(via)、はんだ、タブ、ワイヤ、ピン又はリベットを使用して接続されてもよい。これらのコネクタは、少なくとも以下の2つの目的を果たす。(1)コネクタは、多層ワイヤ用のワイヤ層を接続すし、及び(2)コネクタは、多層ワイヤの1つの巻きを多層ワイヤの第2の巻きに接続する。例えば、2巻きのワイヤ構造の場合は、第1の巻きから第2の巻きに少なくとも1つのバイアがあることになる。コネクタは別の目的を果たしてもよい。
各ワイヤ構造について、最適な数のコネクタと、各コネクタの最適な位置とがある。これらには閉形式の解析的解決策はないので、最適な位置は対話型モデリングによって得ることが最良である。しかし、下記に最適化のための基本的指針が示される。
・単一の導体を形成するワイヤ層のすべてを接続する少なくとも2つのコネクタがあることが好ましい。これらの2つのコネクタは、理想的には多層ワイヤの2つの端部(多層ワイヤの入力及び出力)にある。
・コネクタの総数は、特定の用途のニーズに見合うように選択されるべきである。最適な数を超える数のコネクタがあると電流経路が増加し、キャパシタンスの増加、抵抗の増加、品質係数の低下、及び帯域幅の拡大を招く。特定の動作周波数でコネクタの全体の長さ(高さ、深さ)が最適な値を超える値であると、寄生効果がより顕著になることにも留意する必要がある。コネクタの長さは基本的にコネクタの高さであり、これは実効波長/10未満に保たれても用途によっては機能する実施形態をもたらすが、(実効波長)/20未満に保たれる必要がある。このような制限が加えられる理由は、コネクタの長さが増すと、使用される多層ワイヤの異なる層の間にかなりの位相差が生じるからである。異なる層の間のこれらの位相差は不都合な容量効果を引き起こし、それによって自己共振周波数が確実に低下し、損失が増大する。追加の構成部品(例えばコンデンサ)が使用されず、ワイヤ構造が自己共振型共振器として使用される実施形態では、それに限定されないが、深さが(実効波長)/10よりも深いバイアなどのコネクタをワイヤ構造の設計に組み込んでもよいことに触れておく必要がある。
バイアは、印刷回路基板(PCB)技術で一般に使用される形態(例えば貫通孔、埋め込み、ブラインド)、又は半導体又はMEMS技術で使用されるバイアであってよい。あるいは、バイアは、少なくともいずれかの2つの層、及び/又はすべての層を電気的に接続するための、それらに限定されないが、レーザ溶接、溶接、プリント、はんだ付け、ろう付け、スパッタ蒸着、ワイヤボンディングなどのいずれかの導電性材料であってよい。
図7Fは、円形渦巻きソレノイド構成107のワイヤの実施例を示す。図7Gは、四角形渦巻きソレノイド構成108のワイヤの実施例を示す。図7Hは、コンフォーマルソレノイド構成109のワイヤの実施例を示す。コンフォーマル構成のワイヤは、それらに限定されないが、円形又は矩形ソレノイド、又は円形又は矩形渦巻きの形態をとってもよい。図7A〜図7Hに示すどのワイヤ構成も本システムで使用し得る。
図6のコイル100は、複数の巻き110を有してもよい。巻きは、コイル111の中心軸のポイントの周囲に完全に巻回されるまで、それらに限定されないが、ワイヤ内の曲折、折り返し、又は円弧の形状であってもよい。巻きは、それらに限定されないが、制約された容積に適合する、例えば円形、矩形、三角形、その他の何らかの多角形の形状、又はコンフォーマル構成などのコイル構成と同じ、又は同様の形状でよい。図8Aは、N層を有する単巻き円形ワイヤコイルを示し、但しNは1以上の数である。図8Bは、N層の二重巻き円形ソレノイドワイヤコイルを示す。
一般に、どのような誘導ワイヤでも、インダクタンスはTとして増加し、一方、抵抗はTとして増加する。但しTは巻き数である。理想的な導体では、xとyはそれぞれ2と1である。xとyがそれぞれ2と1未満であることを要するインダクタンスと抵抗(それ故、品質係数)に影響を及ぼす別の要因もある。図15を参照すると、3つの性能例が示されている。グラフは、32層の2巻きアンテナを32層の1巻きアンテナ及び64層の1巻きアンテナと比較している。巻回アンテナはすべて本発明の多層ワイヤを使用して作製されたものである。32層2巻きアンテナのインダクタンス及び抵抗は、1MHz〜200MHzの周波数で32層1巻きアンテナの3〜3.5倍と1.7〜3倍にそれぞれ増加する。この増加は、抵抗が約Tであり、インダクタンスが約Tである単純化して解析関係式からの予測値と極めて近い。
図6の多層ワイヤ101は、それに限定されないが、円形、矩形、四角形、又は三角形の断面形状を有してもよい。更に、当業者には知られているその他の形状を使用してもよい。図9A〜図9Eは、MLMT構造の設計に使用し得るワイヤ断面の例を示す。図9Aは、円形の断面401を有する多層ワイヤの実施例を示す。図9Bは、矩形の断面402を有する多層ワイヤの実施例を示す。図9Cは、四角形の断面403を有する多層ワイヤの実施例を示す。図9Dは、三角形の断面404を有する多層ワイヤの実施例を示す。図9Eは、楕円形の断面405を有する多層ワイヤの実施例を示す。図9Fは、第1の導電層410と第2の導電層420とを有する多層ワイヤの四角形の断面を示す。絶縁材料430は、第1の層410を第2の層420から分離する。第1の層410と第2の層420とは、絶縁材料430を横切るバイア440で接続されている。導電層410、420は、導電性テープ、/リボン/薄板、又は金属厚さと金属条片の幅とを有する溶着金属の層でよい。第1の層410の金属厚さはA−A線によって特定され、第1の層410の金属条片の幅はB−B線によって特定される。一実施例では、ワイヤ層の金属厚さは表皮深さの約2倍でよい。表皮深さは、導体の深さの約半分から導体の深さにほぼ等しい範囲でよい。一方、各層は実質的に同じ金属厚さと金属条片の幅とを有する。
絶縁材料の厚さは、用途のニーズに適合するのに十分であるか、又は利用できる製造技術で可能な最小限の厚さに等しい厚さでよい。更に、構造全体の実施可能性は、(図4のグラフに示すような)動作周波数、関連するコスト、及び使用される製造技術に左右される。一般にPCB技術では、層の厚さは「コア厚さ」及びプリプレグ厚さによって決定付けられる。別の設計では、非導電層の厚さは、構造の電気的挙動を修正するように選択される。
通常のPCB積層は、コアとプリプレグの交互の層から構成される。コアは一般に両側に銅箔を固着した誘電体の薄片からなっている。コア誘電体は一般に、硬化ガラス繊維エポキシ樹脂である。プリプレグは一般に未硬化ガラス繊維エポキシ樹脂である。プリプレグは、加熱及び加圧されると硬化(すなわち焼き入れ)する。最も外側の層は一般に、外側に銅箔(表面箔)を固着したプリプレグである。積層は一般に、図20に示すように熱循環の下で基板に機械的応力がかかることを避けるため、基板の縦軸を中心に対称である。
13.56MHzの用途で、導体と絶縁層の厚さが利用できる製造技術で可能な最小限に等しい一実施形態が示される。13.56MHzでは、表皮深さは約17.8マイクロメートルである。理想的には、導体の深さは約35.6マイクロメートルであるものとし、絶縁厚さはできるだけ薄いものとする。しかし、図21に示すように、実際には、標準的な、確立された低コストの技術でのPCB製造方法を用いると、6層PCB基板で得られる製造積層は約71マイクロメートルであり、これは表皮深さのほぼ4倍である。更に、絶縁層は導体層の3倍を超える値である。コストが大幅に高い先進PCB技術によって、より浅い導体及び絶縁体の深さが可能になる。例えば、目下のところ研究段階にあるPCB技術によって、僅か5マイクロメートルの銅などの導電性材料、及び約39マイクロメートルの絶縁誘電体が可能になるであろう。半導体製造及びMEMS製造技術などの別の技術によって、大幅に薄い層厚が可能になり、理想に近い性能が得られるであろう。半導体、又はMEMS製造の技術が使用されれば、導電層と絶縁層の両方の厚さは、僅か100ナノメートル又は更に薄くなり得る。好ましい実施形態では、誘電体層の厚さは200マイクロメートル未満であり、可能な限り完璧な絶縁を行い、誘電率は10未満である。
同様に、誘電体層は幾つかの材料から製造することができ、様々な構成が可能である。例えば、幾つかの用途には、寄生キャパシタンスが低いことを必要とするものがある。このような場合は、可能な最低誘電率を有する非導電層の誘電体が好ましい。更に、寄生効果を最小限にするため絶縁層を増加する必要があることがある。別の例は、インダクタンスを増加し、及び/又は磁気シールドを増加するためにフェライト材料が必要になるかも知れない用途の場合であろう。このような場合は、誘電体層の代わりにフェライト薄膜/ブロック又は同様の特性を有する構成/材料を使用してもよいであろう。
従って、絶縁材料は、厚さが共振器を製造するために使用され、共振器が意図する用途の効率要件に適合する製造技術の実際の能力の範囲内にあるような厚さになることが当業者には明らかであろう。
導電層の材料は銅又は金でよいが、別の材料も可能である。導電性を高めるため、銀蒸着層を有する銅又は金を使用してもよい。アンテナが埋め込まれ、体液にさらされることがある場合は、導電性を高める追加物を含め、通常知られている生体適合性材料を使用する必要がある。これらの材料には、それらに限定されないが、チタン、プラチナ、及びプラチナ/イリジウム合金、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、ハフニウム、ニチノール、MP35N、Havar(登録商標)、Elgiloy(登録商標)などのCo−Cr−Ni合金、ステンレス鋼、金、及び様々な金合金、パラジウム、炭素、又はいずれかの別の貴金属が含まれてもよい。用途に応じて、絶縁材料は、(i)空気、(ii)誘電率が低い誘電体(例えばスタイロフォーム、二酸化シリコン、又はいずれかの適切な生体適合性セラミックなど)、(iii)誘電率が高い非導電性材料、(iv)フェライト材料、又は(v)上記の材料の組合せでよい。材料、又は材料の組合せの選択は、製造プロセス、コスト及び技術的要件などによることがある。例えば、アンテナの自己共振周波数をより低くするために高い容量効果が必要な場合は、誘電率が高い誘電体が好ましいであろうし、又はアンテナの自己インダクタンスを高めるためには、フェライト薄膜又はフェライトブロックを含む材料の組合せが好ましいであろう。更に、性能を高めるためにフェライトコアを使用してもよい。
図10A〜図10Bは、異なる多層ワイヤの断面構造の例を示す。
図10Aは、円形の断面510を有する多層ワイヤを示す。図10Bは、矩形の断面520を有する多層ワイヤを示す。図10Bでは、導電層540を接続するバイア530は、ワイヤの始端部であるポート、すなわち入力550に位置している。特定の用途に応じて、導電層を接続するバイア530の位置は、MLMT構造の性能に影響を及ぼすことがある。例えば、バイアが不十分だと異なる層間に位相差が生じることがある。逆に、バイアが過剰だと付加的な周期的電流経路が生じ、そのため抵抗損失が増加することがある。バイアはワイヤの始端(例えばポート、入力など)に位置してもよく、又はワイヤに沿った1つ又は複数の位置にあってもよい。更に、一組の2層以上の導電層の間のバイアは、別の組の2層以上の導電層とは異なる位置にあってもよい。用途及びシステム設計に応じて、幾つかの変形形態が可能であることが理解されよう。バイアは、MLMT構造の製造に使用される技術にとって標準的な技術を用いて製造することができる。別の事例では、バイアは、はんだ技術、例えば電気はんだ、溶接タブ、レーザ溶接トラッキング、又はその他の一般に知られている接続技術を用いてバイア位置で幾つかの層を接続することによって実施することができる。
本明細書に記載するように、MLMT構造は好ましくは、高周波でのMLMT構造の固有抵抗損失を低減する効率的な電力伝送を達成するために品質係数(QF)が高い多層ワイヤで設計される。品質係数は、図1に示すように、デバイスによって貯蔵されるエネルギーとデバイスによって損失するエネルギーとの比率である。従って、MLMT構造のQFは、MLMT構造の貯蔵されたエネルギーに対するエネルギー損失の比率である。アンテナなどの時変電流を運ぶソースデバイスは、3つの成分に分割できるエネルギーを有する。すなわち、1)抵抗エネルギー(Wres)、2)放射エネルギー(Wrad)、及び3)無効エネルギー(Wrea)である。アンテナの場合、貯蔵されるエネルギー及びエネルギー損失は抵抗エネルギー及び無効エネルギーであり、アンテナの品質係数は式Q=Wres/(Wres+Wrad)によって表される。
近接場通信では、放射エネルギーと抵抗エネルギーとは、この場合はアンテナであるデバイスによって周囲環境に放出される。電力貯蔵量が限定されたデバイス、例えばサイズが制約されたバッテリ間でエネルギーが伝送される場合は、過剰なエネルギー損失はデバイスの性能効率を低下させることがある。従って、近接場通信デバイスは、励行及び放射エネルギーの両方を最小限にし、しかも無効エネルギーを最大にするように設計される。言い換えると、近接場通信はQを最大限にすることで有利になる。
例えば、誘導結合システムでデバイス間のエネルギー及び/又はデータ伝送の効率は、送信機内のアンテナの効率係数(Q1)、受信機内のアンテナの効率係数(Q2)、及び2つのアンテナ間の結合係数(κ)に基づくものである。エネルギー伝送の効率は下記の関係式に従って変化する。

品質係数が高いことは、アンテナの貯蔵エネルギーに対するエネルギー損失率が低いことを示す。逆に、品質係数が低いことは、アンテナの貯蔵エネルギーに対するエネルギー損失失率が高いことを示す。結合係数(κ)は、2つのアンテナ間の結合度を表す。
更に、例として、誘導性アンテナの品質係数は以下の関係式に従って変化する。

但し、fは動作周波数であり、Lはインダクタンスであり、Rは全抵抗(オーム+抵抗)である。QFは抵抗に逆比例するので、抵抗が高いことは品質係数が低いことになる。
より高い品質係数は、単巻きコイルでは多層ワイヤのうちの複数の層を使用して達成されてもよい。構造の品質係数を高めるために、コイル内の巻き数を増加させることを利用してもよい。定周波数での設計では、最大品質係数を達成するために最適な巻き数にすればよい。この最大品質係数が達成されると、より多くの層が追加されると共に品質係数は低下することがある。多層ワイヤに使用してもよい設計上の変数には下記が含まれる。
a.金属条片の幅、w(例えばw:第1の導電層の幅、w:k番目の導電層の
幅)。また、金属幅又は金属条片とも呼ばれる。
b.巻き数ごとの導電層の数、N(例えば第1の巻きでの層の数、N
c.各導電層の厚さ、d(例えばd:第1の層の厚さ、d:k番目の層の厚さ

d.絶縁の厚さ、di(例えばdi:例えば第1の層の下の絶縁の厚さ、di:k番目の層の厚さ)
e.巻き数、T
f.各巻き数での異なる導電層を接続するバイアの数
g.各巻き数での異なる導電層を接続するバイアの位置
h.形状(用途に応じて、円形、矩形、数角形、例えば、幾つかのデバイス又は構成
部品の内側、又は外側にちょうど適合することができる形状)
i.構成(ソレノイド、渦巻き、渦巻きソレノイドなど)
j.寸法(長さ、幅、内径、外径、対角)
以下に上記のパラメータに基づく例示的多層ワイヤを記載する。
一実施例では、多層ワイヤを使用したMLMT構造は、図11A〜図11Dに示すように単巻き円形コイルでよい。単巻きコイルは1巻きのコイルを含み、約1.75mmの金属条片幅、約0.03mmの金属厚さ、約0.015mmの絶縁層、及び約5mmの外径を有するものでよい。ワイヤは5、11、20、26、41又は60層など、5〜60の層を有してもよい。例えば、図11Aは1つの層を有する単巻きMLMT構造を示し、図11Bは11の層を有する単巻きMLMT構造を示し、図11Cは20の層を有する単巻きMLMT構造を示し、図11Dは26の層を有する単巻きMLMT構造を示している。図11A〜図11Dには特定の例が示されているが、高い品質係数を達成するため、ワイヤは5層未満又は60層を超えて有してもよいことが理解されよう。5層〜60層の範囲の対応するコイルの厚さは、例えばそれぞれ0.2、0.5、1、1.25、2.05、又は3mmなど、約0.2mm〜3mmの間でよい。上述のように、ワイヤ内の層の数、巻き数、金属の厚さ、及び金属条片の幅を変更することによって、より高い品質係数が得られる。例えば、金属の厚さが0.03mm、金属条片の幅が1.75mmの単層単巻きコイルの場合は、10MHzでの品質係数は約80である。層の数を1から11に増加し、金属の厚さを0.03mmに、金属条片の幅を1.75mmに保つと、品質係数は約210に高まる。一般に、巻き数ごとの層の数を増加すると、品質係数は最大に達するまで高まり、その後、品質係数は低下し始める。このような低下は、MLMT構造の全体の高さがその半径に匹敵すると生じることがある。電気構成部品では、多層化による寄生効果(例えばキャパシタンス及び近似効果)の大幅な増大により劣化が始まる。本実施例では、層の数を20、26、41及び60に増加すると、品質係数はそれぞれ約212、220、218及び188になる。
先行技術の解決策に対する本教示の利点を実証するため、既知のコイルと比較する本教示のモデリングが開発された。ソリッドワイヤを使用して先行技術のモデルが作製されると相対された。半径r、ワイヤ半径a、巻き数Nを有する円形コイルでは、インダクタンス(L)、及び抵抗(Rohmic及びRradiation)は以下の式によって与えられる。
2つのアンテナ構成が検討され、その仕様は以下の表1及び表2に示されている。その結果は、本教示はソリッドワイヤよりも大幅に高いQFを可能にすることを示している。表に示される性能の向上は、知られている別の構成方法を使用した場合も当てはまる。

より高い品質係数を達成するため、金属条片の幅を広げてもよいことも理解されよう。図12は、周波数の関数としての品質係数値のグラフである。図13Aは、層の数と共に抵抗及びインダクタンスが相対的に変化することを示すグラフである。図13Bは、10MHzで生じる品質係数を示す。図13A〜図13Bに関して、グラフのデータポイントは1層の場合のデータポイント1に対応し、データポイント2は11層の場合、データポイント3は20層の場合、データポイント4は26層の場合、データポイント5は41層の場合、データポイント6は60層の場合のデータポイントであることに留意されたい。信号が構造のすべての層を通って確実に流れるようにするため、どの多層ワイヤ及び/又は構造でも少なくとも2つのバイアを含めることが好ましい。これらの2つのバイアは好ましくは、ワイヤ/構造のポートに位置する。図12及び図13A〜図13Bに示されるように、10MHzでの最適な性能は、26層と1巻きのアンテナ構成で達成される。このアンテナ構成では、ピーク品質係数は約35MHzで得られ、約1100である。
別の実施例では、アンテナは多層ワイヤの単巻き円形コイルでよく、金属条片の幅は約1mm、金属の厚さは約0.01mm、絶縁層は約0.005mm、及び外径は約5mmである。ワイヤは、16、32、64、又は128など、16層と128層の間の層を有してもよい。しかし、高い品質係数を達成するため、ワイヤは16未満、又は128を超える層を有してもよいことが理解されよう。16〜128の層の範囲に対応するコイルの厚さは、例えば0.25、0.5、1、又は2mmなど、約0.25mm〜2mmの間でよい。この例では、層の数が増加すると共に品質係数が上昇し、周波数が高いほど高い品質係数が達成される。例えば、10MHzの周波数で、16、32、64及び128層の場合の品質係数は、それぞれ127、135、140及び185である。これらの設計パラメータでのピーク品質係数は、約450MHzでほぼ2900である。相対抵抗は、相対の厚さが表皮深さの約2倍である周波数付近で最低である。この例では、上記周波数は160MHzである。
図14A〜図14Cは、性能パラメータ及び傾向を示すグラフである。
図14Aは、周波数の関数としての品質係数を示すグラフである。図14Bは、周波数の関数としての16層コイルに対するインダクタンスを示すグラフである。図14Cは、周波数の関数としての16層コイルに対する抵抗を示すグラフである。図14Aに示されるように、層の数が増加すると共に品質係数が上昇し、周波数が高くなると品質係数が相対的に高まる。このことは更に図14B〜図14Cに示され、これらの図は、インダクタンスは(16層、1巻きコイルと比較して)周波数に対して相対的に一定であるのに対して、図14Cの100MHz付近のグラフの谷で示すように、抵抗は周波数の上昇と共に低減することを示している。ピーク品質係数は、ほぼ450MHzで約2900に上昇する。
更に別の実施例では、巻き数が2倍であり、その結果二重巻き円形コイルになること以外は、32層のワイヤの場合のすべての設計パラメータは、上述の例と同一である。この32層、二重巻きアンテナでのインダクタンス及び抵抗は、1MHz〜200MHzの周波数範囲で、32層単巻きコイルのそれぞれ3〜3.5倍、及び1.7〜3倍の間で増大する。図15A〜図15Cは、上記実施例の32層及び64層の単巻きアンテナと比較した、この32層二重巻きアンテナの性能パラメータ及び傾向を示すグラフである。図15Aは、周波数の関数としての品質係数を示すグラフである。図15Bは、周波数の関数としてのインダクタンスを示すグラフである。図15Cは、周波数の関数としての抵抗を示すグラフである。図15A〜図15Cに示されるように、周波数が約200MHz未満の周波数で、32層二重巻きアンテナでは、インダクタンスはほぼ一定であり、抵抗は単巻きアンテナと同様の傾向をたどる。200MHzを超える周波数では、以下に説明する寄生キャパシタンスのため、インダクタンスと抵抗はいずれも急激に上昇する。200MHzを超える周波数では品質係数は高い状態に留まるが、容量効果によるかなりの電界が生じることがあり、幾つかの用途では受け入れられない。
上述のように、アンテナは寄生効果を示すことがある。アンテナに関連するのは、周波数依存の寄生キャパシタンスであり、インピーダンスに対するその影響は周波数と共に大きくなる。寄生キャパシタンスの結果、それを超えるとアンテナがコンデンサのような挙動を示す自己共振周波数が存在する。寄生キャパシタンスの出現を防止するため、インダクタンスが動作周波数付近でほぼ不変であるようにアンテナを設計してもよい。好ましくは、リアクタンス対周波数のグラフの勾配は、(動作周波数付近で)勾配があるほぼ線形であり、|δX/δω|〜L(但しXはリアクタンス、Lはそのために設計されたインダクタンス)である。この形態でアンテナを動作させると、電界を介して寄生結合は確実に最小限になる。X対ωは、電流集中、近接効果、及び表皮効果などのその他の効果により完全に線形ではないことがある。
より高い品質係数を達成するために、アンテナの別の設計を所要することも考えられる。例えば、16、32、64又は128層などの16〜128層を有する多層ワイヤの単巻き円形コイルの場合、コイルは約1mmの金属条片の幅、約0.01mmの金属の厚さ、約0.01mmの絶縁層、及び約10mmの外径を含んでもよい。金属の幅が広がると、抵抗及びインダクタンスが低減し、そのため品質係数が高まる。アンテナの全体的なサイズが大きいため(外径:約10mm)、幅(w)が僅かに広がってもインダクタンスは低下しない。例えば外径が約5mmなど、より小さいアンテナで金属幅が同じように広がると、インダクタンスの低下はより大きくなるはずであることに留意されたい。図16A〜図16Cは、金属幅が例えばそれぞれ1mm、1.5mm、及び2mmのこの例での、周波数の関数としての品質係数を示すグラフである。この例では、金属条片の幅が1mmである場合の379MHzでの品質係数は約1425である。金属条片の幅が1.5mm及び2mmに広がると、品質係数はそれぞれ約1560及び1486に上昇する。
インダクタンスについて上述したQF値はすべて自由空間での値であることに留意されたい(導電率=0、相対誘電率=1)。実世界の環境の存在がQFに影響を及ぼすことが予期される。例えば、QF:約400の自由空間でのアンテナのQFは、人体の近くに配置されると約200〜300に変化することがあろう。更に、アンテナが僅かな絶縁コーティングを施して、又は絶縁コーティングなしで人体内に埋め込まれると、QFは200未満に更に低下するはずである。人体内に埋め込む前に、コーティングを十分に薄く施し、十分に大きいパッケージに封入すると、アンテナのQFの変化は少なくなるはずである。QF特性の同様の変化は、材料/媒体の電気的特性、及びここからの距離に応じて自由空間との偏差を伴って、どの媒体でも、及びどのような材料の近傍でも生じるものと予期される。
本明細書に記載するように、無線伝送及び/又は受信用の近接場通信の使用は、エネルギー、電力又はデータネットワークに適用することができる。
エネルギーネットワーク
本教示に従ってエネルギー伝送ネットワークを開発してもよい。図17は、近接場エネルギーネットワーク10のハイレベルブロック図を示す。ネットワーク10は、(全体としてデバイス11と呼ばれる)複数のデバイス11a−dを含んでもよい。各デバイス11はトランシーバを含んでもよい。トランシーバは、無線通信用の送信ユニット12a−dと、受信ユニット14a−dとを含んでもよい。各トランシーバは送信ユニット12と受信ユニット14とを含んでもよいが、トランシーバは送信ユニット12のみ、又は受信ユニット14のみを含んでもよいことが理解されよう。更に、トランシーバ内の送信ユニット12と受信ユニット14とはある特定の、又はすべての回路素子を共用してもよく、又は分離した別個の回路素子を含んでもよいことが理解されよう。更に、送信ユニット12及び/受信ユニット14とは、負荷16に接続されてもよい。負荷16は、デバイス11内の構成部品、デバイス11外の構成部品、又はデバイス11の内外の構成部品の組合せからなるものでよい。
各送信ユニット12は送信アンテナ13を含む。送信アンテナ13は共振周波数ωを有し、好ましくは抵抗損失及び放射損失は最小限である。負荷16は、送信アンテナ13を駆動する信号を生成する駆動回路を含んでもよい。受信した信号に基づき、送信アンテナ13は全方向(無指向性)近接場を生成してもよく、又は特定方向(指向性)をターゲットとする近接場を生成してもよい。ターゲットとされる近接場は、例えばフェライト材料によるシールドを通って生成されてもよい。もちろん、別の材料を使用して、ターゲットとされる近接場を生成してもよいことが当業者には理解されよう。
各受信ユニット14は受信アンテナ15を含む。受信アンテナ15と送信アンテナ13の両方用に単一のアンテナを使用してもよく、受信アンテナ15と送信アンテナ13用に別個のアンテナを使用してもよい。各アンテナ13、15は(ω−ωと呼ばれる)共振周波数を有している。別個の送信アンテナと受信アンテナとが使用される場合、受信アンテナ15の共振周波数は、送信アンテナ13の共振周波数に等しいことが好適である。
1つのデバイスの受信ユニット14(例えばデバイス11の受信ユニット14)が別のデバイスの送信ユニット12(例えばデバイス11の送信ユニット12)の近接場に配置されると、送信ユニット12によって生成される電磁場は受信ユニット14と相互作用する。受信ユニット14(例えば共振周波数ωを有するデバイス11の受信ユニット14)の共振周波数が送信ユニット12(例えば共振周波数ωを有するデバイス11の受信ユニット14)の共振と同一である場合は、送信ユニット12の無効電磁場は受信ユニット14内に交流電流を誘導する。誘導された電流は、負荷16に電力を供給し、又はデータを伝搬するために使用されてもよい。その結果、デバイス11はデバイス11からエネルギーを吸収することができる。追加されたデバイスの負荷効果により送信ユニット12の共振周波数が大幅に変化しなければ、送信デバイスの共振周波数(例えばω)に等しい共振周波数を有する任意数のデバイスを近接場エネルギーネットワークに追加し、送信デバイスからエネルギーを引き出してもよいことが理解されよう。
受信ユニット14(例えば共振周波数ωを有するデバイス11の受信ユニット14)の共振周波数が送信ユニット12(例えば共振周波数ωを有するデバイス11の送信ユニット12)と異なる場合は、受信ユニット14は送信ユニット12に対して高いインピーダンスを有し、送信ユニット12から僅かなエネルギーしか引き出さない。
送信ユニット12から受信ユニット14に伝送されるエネルギー量は、送信ユニット12及び受信ユニット14での固有損失、及び受信ユニット14などの別のデバイスへのエネルギー伝送を含む多くの要因に依存する。ωとωとの近接度、及び各デバイスの共振帯域幅も重要である。図18A〜図18Fは、様々な要因がエネルギー伝送に及ぼす態様を示すグラフである。
図18Aは、ωとωとが同一であり、帯域が狭い状況を示す。これは、最適な状態、及び電力伝送の効率が最大である場合を表している。図18Bは、ωとωとが異なり、帯域が狭い状況を示す。図18Cは、ωとωとが異なり、受信ユニット14の共振帯域が広い状況を示す。アンテナの抵抗損失及び放射損失が大きいほど広い共振帯域が生ずる。受信ユニット14は図8Bに示した状況よりもωに対するインピーダンスが高いが、それでも送信デバイス11からある程度のエネルギーを吸収することができる。図18Dは、ωとωとが異なり、送信デバイス11に損失がある状況を示す。送信デバイス11での抵抗損失及び放射損失により、共振帯域が広くなる。受信ユニット14に伝送するために利用できるアンテナのエネルギー部分はより少なくなる。図18Eは、ωとωとが大きく離れ、送信ユニット12と受信ユニット14の両方に損失が生じる状況を示す。この場合、送信ユニット12から受信ユニット14にエネルギーは伝送されない。図18Fは、ωとωとが近接し、送信ユニット12と受信ユニット14の両方に損失が生じる状況を示す。送信ユニット12と受信ユニット14との間でエネルギーは伝送されるが、損失が大きいためシステムは非効率である。
一般的な日常品(例えばスチールキャビネット、及び自動車)は導電性であり、周波数応答は図18Cの受信ユニット14と同様である(しかし、抵抗損失が大きいため帯域はより広い)。従ってこれらのオブジェクトは送信ユニット12からある程度のエネルギーを吸収でき、システム内の損失の一因となる。これまではエネルギーの一般的な伝送のみを記載してきたが、エネルギーの利用は用途によって変化することがあり、広義に電力の伝送又はデータ伝送用のどちらにも当てはまる。
電力ネットワーク
本教示により電力伝送ネットワークを開発してもよい。受信ユニット14が送信ユニット12の近接場内に配置され、受信ユニット14の共振周波数(すなわちω)が送信ユニット12の共振周波数とほぼ等しい場合は、エネルギーは送信ユニット12から受信ユニット14に伝送される。すべてが送信ユニット12の共振周波数(すなわちω)に等しい共振周波数を有する複数の受信デバイス(例えば11〜11)が近接場内に配置されると、各受信デバイス(例えば11〜11)はエネルギーを交流の形態で送信ユニット12から引き出す。受信デバイス11〜11は、バッテリ又はコンデンサなどのエネルギー貯蔵デバイスにエネルギーを貯蔵するために誘導された交流電流を使用できるトランスデューサを含んでもよい。あるいは、トランスデューサは誘導された交流電流を使用して、受信デバイス(例えば11〜11)内の、又はこれに結合された電子構成部品に電流を直接供給してもよい。
すべての送信及び受信デバイス(例えば11〜11)を送信ユニット12の近接場内に配置することはできない場合があることが理解されよう。図19に示すように、近接場の外側の受信デバイス11(例えば受信ユニット11)にエネルギーを供給するため、1つ又は複数のリピータ18を使用してもよい。1つ又は複数のリピータ18は、ωに同調されたアンテナ20を含んでもよい。リピータ18は、アンテナ20を介して誘導電流の形態のエネルギーを送信ユニット12から引き出してもよい。1つ又は複数のリピータ18は、アンテナ20を使用して第2のエネルギー場を生成するために誘導電流を使用してもよい。あるいは、第2のアンテナ(図示せず)を使用してエネルギー場が生成されてもよい。受信ユニット14に交流電流を誘導するために第2のエネルギー場が使用されてもよい。受信ユニット14は、バッテリ又はコンデンサなどのエネルギー貯蔵デバイスにエネルギーを貯蔵するために誘導された交流電流を使用できるトランスデューサを含んでもよい。あるいは、トランスデューサは、受信ユニット14内の電子構成部品に電力を供給するために誘導された交流電流を使用してもよい。アンテナ20、又は第2のアンテナ(図示せず)は全方向(無指向性)に近接場を生成してもよく、又は特定の方向(指向性)に向けた近接場を生成してもよいことが理解されよう。
データネットワーク
本教示によりデータ伝送ネットワークを開発してもよい。データ伝送用に設計されたネットワークは、ネットワーク内の送信デバイスにより送信される信号が、データを搬送する変調された時変信号であること以外は、上述した電力ネットワークと同様であろう。データネットワークには幾つかの可能な基本的な配置がある。
データネットワーク配置の一例は、送信ユニット12の近接場内に配置される1つ又は複数の受信ユニット(14b−d)を含む。各受信ユニット(14b−d)は、送信ユニット12及び/又は別の受信ユニット14と通信することができる。送信ユニット12の近接場の外側にある受信ユニットは、1つ又は複数のリピータ18を使用して上記の方法で到達できることを理解されたい。別の例では、受信ユニット14は、送信ユニット12の遠距離場内に配置され、通信用に送信ユニット12の放射場を利用してもよい。このような遠距離場通信は、当業者には知られている遠距離場通信技術と同様に達成される。
ネットワーク内のデバイス11は、幾つかの方法でデータ伝送を処理するように設計されてもよい。例えば、デバイス11及びアンテナ13、15は送受信用の共用アンテナ、又は沿う受信用の別個の専用アンテナのいずれかを使用して、(1)データの受信だけ、(2)データの送信だけ、又は(3)データ受信、送信を行うように設計されてもよい。更に、デバイス11は、データと電力の両方の伝送を処理するように設計されてもよい。このような場合は、各デバイス11は、(1)データの伝送だけ、(2)電力の伝送だけ、又は(3)データと電力の伝送を行うように設計されてもよく、各デバイス11は、データの送出/受信と、電力の送出/受信のいずれかの組合せを用いてもよく、各デバイス11は、データ及び電力伝送用の共用アンテナを有し、又は各デバイス11は、データ及び電力伝送用の別個の専用アンテナを有する。
各受信ユニット14は、ネットワーク10上の該受信ユニット14の一意的電子認証(ID)を有している。IDは、ネットワーク上の特定の受信ユニット14の識別子の機能を果たし、ネットワーク上の受信ユニット14が通信用ネットワーク10上の別の受信ユニット14を識別できるようにする。データ伝送セッションを開始するため、送信デバイスはIDで受信デバイスを識別し、開始命令を用いて通信を開始するであろう。データ伝送は指定の変調方式を用いて伝送されるであろう。デバイスによって伝送され、これに保存されるデータの安全性を確保し、設計されたネットワーク10内に存在しない許可されていないデバイスにアクセスできないことを確実にするため、セキュリティプロトコルを使用してもよい。
送信ユニット12と1つ又は複数の受信ユニット14との間で、又は受信ユニット14と1つ又は複数の別の受信ユニット14との間で周期的データ通信がなされてもよい。送信ユニットと受信ユニットとの通信では、送信ユニット12がIDに基づいて特定の受信ユニット14を識別し、通信セッションを開始してもよい。あるいは、受信ユニット14がIDに基づいて送信ユニット12を識別し、通信セッションを開始してもよい。通信セッションは、送信ユニット12又は受信ユニット14のどちらによって終了されてもよい。
受信ユニットと受信ユニットとの通信では、2つの受信ユニット14が直接通信で互いに直接接続してもよい。あるいは、2つの受信ユニット14が、仲介として送信ユニット12を使用して互いに接続してもよい。このような場合は、各受信ユニット14は送信ユニット12に接続してもよく、送信ユニット12は1つの受信ユニット14から情報を受信し、これを別の受信ユニット14に送信するであろう。別の代替例では、2つの受信ユニット14が1つ又は複数のリピータ18を使用して通信し、その際、1つ又は複数のリピータ18は受信ユニット14から信号を受信し、これを別の受信ユニット14に送信してもよい。1つ又は複数のリピータ18は、1つ又は複数の自立型共振アンテナでよく、どの回路からも独立していてもよい。
2つ以上のデバイス間でエネルギーを効率的に伝送するために図17及び図19に示すシステム及び方法は、掃除機、アイロン、テレビ、コンピュータ周辺装置などの家電機器;携帯機器;偵察装置、暗視装置、センサノード及びデバイスなどの軍用用途;自動車又は列車の性能及び安全を監視するように設計されたセンサなどの運輸用途;フラップ、方向舵、又は着陸装置などの航空宇宙用途;宇宙技術;無人艇に電力を供給する用途などの海軍用途;道路埋め込みセンサなどの交通管制用途;産業用用途;ロボットネットワーク;及び医療装置などを操作するために多様な用途で使用されてもよい。
全般的な近接場の電力及びデータ伝送システム
本教示により理解されるように、近接場の電力及びデータ伝送は、同じ物理的原理から得られるものである。近接場の電力及びデータ伝送は共に使用すると、多様なシステムを生成する機会をもたらす。以下に、全般的な近接場の電力及びデータ伝送システムを記載する。
(本明細書では「NF−PDAT」とも呼ばれる近接場電力及びデータネットワークは、複数の送信ユニット及び受信ユニットからなっていてもよい。簡略にするため、単一の送信ユニット12と単一の受信ユニット14とからなるより簡単なネットワークについて検討する。以下の説明は、エネルギーは送信ユニット12から受信ユニット14に伝送され、受信ユニット14に結合された負荷に伝送される際のエネルギー経路をたどる。
最初に、PDATネットワークを駆動するために必要なエネルギーを一次電源から取得しなければならない。一次電源は、50/60Hzの電源コンセント、標準バッテリ、電源コンセントに接続可能な再充電可能バッテリ、又は間接再充電式バッテリでよい。電源コンセントは、この形態で十分なエネルギーを取得できるため、好ましい方法の1つである。デバイスを電源コンセントに接続できない場合は、又は携帯可能であることを要する場合は、バッテリを使用してもよい。更に、再充電可能なバッテリを使用してもよい。再充電可能なバッテリは、貯蔵されたエネルギーが容量以下に低下すると補充すればよい。再充電によってバッテリを、そうでない場合はバッテリが空になるのが早すぎ、適切なサイズのバッテリのスペースが小さすぎ、又はバッテリ交換のためのアクセスが制約されるはずのデバイスに適するようにすることができることが知られている。再充電可能なバッテリの寿命を補充するために電源コンセントなどの一次電源、又はその他のバッテリを使用してもよい。ほとんどのデバイスでは、再充電は通常、バッテリを短期間電源コンセントに接続することによって行われる(例えばラップトップ、及び携帯電話)。幾つかの用途(例えば埋め込み式医療装置)では、コードに直接取り付けることは不可能である。このような場合は、外部電源に誘導結合するなどの間接的な再充電方法が使用されてきた。別の方法で再充電を行ってもよいことが理解されよう。例えば、エネルギー源とデバイスとの間に明瞭な見通し線がある場合は、光リンク、レーザ、又は指向性が高い無線周波数ビームを使用してエネルギーを伝送してもよい。
システムに給電し、又は(バッテリの再充電など)システム内の構成部品用にエネルギーを供給するため代替のエネルギー源を使用してもよい。これは、エネルギーの1つの形態から電気エネルギーへの変換を含んでもよい。このような例の1つには、エネルギーを電気エネルギーに変換することが含まれる。これは運動をエネルギーに変換することによって達成されてもよい。例えば、人体に装着されたデバイスは人体の動きを利用してロータを回転させ、それによって発電機が交流電流を生成するようにしてもよい。別の例は、光エネルギーを電気エネルギーに変換することである。例えば、外部に配置された光電池が日光又は室内光を電気エネルギーに変換してもよい。別の例では、圧力変化が電気エネルギーに変換されてもよい。例えば、デバイス上に適切に配置された圧電物質を使用して圧力変化(例えば気圧の変化、又は接触による直接変化)を電流に変換してもよい。別の例では、熱勾配を電気エネルギーに変換してもよい。例えば、デバイス内に配置された熱電発電機(TEG)を使用して、デバイス全体にわたる温度勾配を電気エネルギーに変換してもよい。このようなTEGは熱エネルギーの一部を電気エネルギーに変換できるので、動作中に熱を発生するデバイスには有用である。
また、本教示は、効率が高い無線電力及びデータテレメトリシステムで使用される多層ワイヤの設計方法も含む。所与のある動作周波数で、特定用途向けの多層ワイヤ及び/又はMLMT構造を設計するために、以下の1つ又は複数のステップをたどってもよい。
1.十分な結合係数のために必要な最小限のインダクタンスを得るために解析計算及び
システムレベルシミュレーションを実行する。
2.(例えば結合係数、誘導電圧などについての)解析計算に基づいて、適切なインダ
クタンスのために必要な巻き数を選択する。
3.導体層の厚さを表皮深さの約2倍、又は製造技術に基づいて可能な最小限の厚さの
うちの厚い方を選択する。
4.絶縁厚さを製造技術で可能な最小限の厚さ、又は所望の性能を達するために必要な
それ以上の厚さを選択する。
5.(用途に応じて)可能な最大表面積を選択する。この領域は必ずしも四角形又は円
形でなくてもよい。システム全体に適合し、別の構成部品の周囲を迂回するどのよ
うな形状でも可能であろう。
6.製造技術及び用途に応じて、最大の層の数を選択する。
7.(MoM、又はFDTD、又はFEM、又はMLFMM、又はその他、又はこれら
の組合せに基づいて)ステップ1及び2の巻き数を有する多層ワイヤ及び/又はM
LMT構造を数値モデルングツールで設計し、層の数及びその他のパラメータを最
適化する(ステップ3〜6)。
a.選択された周波数の所在位置で確実に品質係数のピークが得られるようにする。
b.この品質係数でのインダクタンスが、確実に(システムレベルの制約で)可能な
最小限以上であるようにする。
c.必要ならば、寄生容量効果を低く保つことによって、電場が確実に最小限になる
ようにする(前項を参照)。
本教示は、多層ワイヤの設計後に多層ワイヤを製造する方法も含む。多層ワイヤは、それらに限定されないが、例えばPCB/セラミック/金属印刷プロセス、又は半導体製造技術などで、特殊なマスクを経て溶着されてもよい金属条片を使用する。多層ワイヤを製造する代替方法は導電性テープ/リボン/シート/薄板を使用してもよく、テープ/リボン/シート/箔のうちの1つ又は複数が、絶縁層で分離されて互いに重ねて配置され、指定のバイア位置ではんだ付けによって複数の条片を短絡する。多層ワイヤを製造する別の方法は、特定の形状を導電性シート、又は「箔」(例えば金箔又は銅箔)から切断し、導電性テープ/リボンと同様のステップをたどる方法である。また、物理蒸着、薄膜蒸着、厚膜蒸着などの金属蒸着技術に加えて、(Eoplex社の技術などの)三次元印刷プロセスを使用してもよい。
本教示は、多層プリント配線板、プリント回路基板、及び多層相互接続による半導体製造技術用の現在の製造技術に自ずと組み込まれる。製造技術が進歩すると共に、多層ワイヤはこのような向上から多くの利点を得ることが期待される。従来の製造技術とのこのような適合性により、これらの多層ワイヤを従来の回路基板に比較的容易に組み込むことが可能になる。このような進歩により、正確な反復性と小型フィーチャサイズ(すなわち高解像度)ももたらされる。
上述のように、本システムの設計及び構造により、範囲の拡大(すなわち、送信と受信との無線構造間を隔てる距離)が可能になる。範囲の拡大により、電力をより長距離にわたって伝送することができ、送信機を受信機から更に離すことができるようになる。例えば、RFIDなどの用途では、高周波インテロゲータのタグ読み取り範囲は3フィート以内であり、これはパレット追跡などのある用途には不十分である。本システムの多層ワイヤで製造された無線構造は、この特定の用途が要求する集中電力を供給して、より拡大した読み取り範囲性能に必要なインテロゲータ信号を反射し易くすることで、RFIDを介したパレット追跡を向上させる。軍事システムなどの別の用途では、本発明によりもたらされる範囲の拡大によって、位置に到達するのが困難なデバイス、又は過酷な環境にあるデバイスに電力を伝送することが可能になる。消費者用電子機器では、範囲の拡大により、ユーザはより便利な位置からデバイスにエネルギーを充電又は伝送することができるようになる。
また、本システムによって、単一の設計コンセプト、すなわちMLMT構造を作製するために使用される多層ワイヤから複数の運用ニーズが可能になる。本システムは受信機アンテナ、送信機アンテナ、(送信機及び受信機として機能する)トランシーバ、及びリピータアンテナとしての機能を果たす。あるいは、設計を回路内の(例えばRFフィルタ回路、RF整合回路内の)集中素子としてだけインダクタ設計用だけに使用してもよい。
本発明の多層ワイヤ構造は、様々な回路設計の実施形態で想定される。多層ワイヤを使用したMLMTアンテナ構造用の等価回路図が図22に示されている。これは以下のパラメータから構成されている。
=固有インダクタンス
=固有キャパシタンス
=固有抵抗
多層ワイヤを使用して作製されたMLMTアンテナの実施形態の特性は、L、R及びCの設計値、中心動作周波数、及び端子1と端子2とをまたいで配置される付加的な構成部品に依存する。
動作の角周波数をωとする。そこで、MLMTアンテナの実施形態の入力インピーダンスZinputは、式1(a)、及び1(b)に基づいて一般的に式1(c)によって与えられる。
本発明の多層ワイヤを使用して作製されたMLMTアンテナ構造は、様々な回路設計の実施形態で想定することができる。例えば、多層ワイヤを使用して作製されたMLMTアンテナ構造は、3つの動作モードで動作可能である。
モード1:式2(a)により与えられる条件1が満たされ、式2(b)が生じる場合、集中素子内に実施されるようなインダクタとして。等価回路図が図23に示されている。

モード2:自立型タンク回路内で実施され、又はHF及び/又はRF回路内に実施されるような共振器として。共振器は以下の2つのタイプのうちの1つでよい。
タイプ1:式3により与えられる条件2が満たされる場合の自己共振器として。等価回路図が図24A及び図24Bに示されている。

タイプ2:コンデンサCADDEDが直列又は並列で追加されることで共振が達成される場合の共振器として。直列及び並列のコンデンサの追加を示す等価回路図が図25A及び図25Bに示されている。モード2、タイプ2の回路図が図26A、図26B及び図26Cに示されている。
タイプ1とタイプ2の両方のタイプで、LPickup及びLfeedはそれぞれ、ピックアップインダクタと給電インダクタを指す。これらは、多層ワイヤを使用して作製されたMLMT構造のインダクタンス値よりもインダクタンスが低く、MLMT構造にある一定の結合があるコイルである。MLMT構造から、又はMLMT構造に、又はシステムの残りの部分から、又は残りの部分に電力を伝送するのに望ましい適合状態を達成するため、結合を変更してもよい。コンセプトの簡略化と裏付けのため、本明細書に記載の実施形態は、例えば例示目的で共振を達成するために単一のコンデンサCADDEDを備えている。実際の回路では、複数のコンデンサ及び/又はインダクタ及び/又は抵抗を備えるより複雑な回路を使用してもよい。図22及び図24に示す実施形態はすべて、システムの送信機側及び/又は受信機側で使用してもよい。
モード3:式4によって与えられる条件3が満たされる場合、コンデンサとして。
本システムに特有の層配置、及び特化されたワイヤの区分化は、既存の技術よりも2倍を超える品質係数で示されるように、同様のより小型のパッケージ容積でシステム性能が既存の設計技術と比較して向上することを実証している。特定の特性、特定された形状、長さ及び厚さを組み合わせ、層の順序を規定することによって、本システムは、インダクタンス及び品質係数を特定の用途と組み合わせて、それらに限定されないが、無線組織シミュレーション、無線テレメトリ、無線構成部品の再充電、無線非破壊検査、無線検知、及び無線エネルギー又は電力管理を含む所望の応答を達成可能にする。
本システムの別の特別の利点は、(表皮効果と呼ばれる現象による)周波数の上昇に関連する導体損失の低減によって、同等の又はより小さい設計容積で電力及び/又はデータ伝送のための近接場磁気結合(NFMC)のより効率的な手段が可能になることである。提案されるシステムはまた、既存の製造技術(例えば多層プリント配線板)によって比較的簡単に達成可能であり、従って、IC、抵抗器、コンデンサ、表面実装構成部品などの別の回路構成部品と統合可能な解決策を提供する。本システムの別の利点には、電力消費量を低減することで(それが使用される場合は)バッテリの寿命が延び、アンテナのジュール熱が低減し、機器/デバイスの環境資源の消費が低減すること、及びデバイスのエネルギー効率が高いことによるその他の利点が含まれる。
これらの無線システムから恩恵を受けるその他の用途には、それらに限定されないが、その他の埋め込み式医療器、非埋め込み式医療装置、商用、軍用、航空機、産業用、及びその他の電子機器又はデバイスの用途の他、地盤センシング、石油探査、欠陥検出、携帯電子機器、軍用、防衛、及び医療装置の用途が含まれる。本発明の範囲は効率が高まることにより利点が得られる用途だけではなく、誘導素子を使用する必要があるどの用途をも含む。
これまで最良のモードと思われる実施例、及び/又はその他の実施例を記載したが、様々な修正を加えてもよく、本明細書に開示した主題は様々な形態及び実施例で実施されてもよく、且つ、教示は本明細書に一部しか記載しなかった多くの用途に適用されることが理解されよう。以下の特許請求の範囲では、本教示の真の範囲内の用途、修正、及び変形形態のいずれか及びすべてを特許請求することを意図するものである。

Claims (15)

  1. 複数の導体層と、
    前記導体層の各々を分離する絶縁層と、
    を備え、
    電気信号がある周波数で前記導体層を通って伝搬するときに電気リアクタンスを低減可能である構造。
  2. 前記導体層は、導電性ワイヤ、導電性テープ、導電性リボン、及び溶着金属の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の構造。
  3. 少なくとも1つのコネクタは、2層以上の前記導体層を接続する、請求項1又は2に記載の構造。
  4. 前記周波数は、100kHz〜10GHzの間の周波数範囲から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の構造。
  5. 前記周波数は、100kHz〜10GHzの範囲内の周波数帯域である、請求項1〜4のいずれかに記載の構造。
  6. 前記複数の導体層の各々は、平行の向きにある、請求項1〜5のいずれかに記載の構造。
  7. 前記複数の導体層は、電気的に並列に接続される、請求項1〜6のいずれかに記載の構造。
  8. 電気的に並列に接続された前記複数の導体層は、電気的に並列の接続された第2の複数の導体層と電気的に直列に接続される、請求項1〜7のいずれかに記載の構造。
  9. 前記電気信号は、エネルギー信号、電流、電圧、電力信号、及びデータ信号の少なくとも1つを含む、請求項1〜8のいずれかに記載の構造。
  10. 前記構造は、100を超える品質係数を有する、請求項1〜9のいずれかに記載の構造。
  11. 円形断面、矩形断面、四角形断面、三角形断面、及び楕円形断面の少なくとも1つを含む断面形状を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の構造。
  12. 円形ソレノイド構成、四角形ソレノイド構成、円形渦巻き構成、四角形渦巻き構成、矩形構成、三角形構成、円形の渦巻きソレノイド構成、四角形の渦巻きソレノイド構成、及びコンフォーマルソレノイド構成の少なくとも1つを含む構造的形状を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の構造。
  13. 前記複数の導体層は、少なくとも1巻きのコイルを有する、請求項1〜12のいずれかに記載の構造。
  14. 前記少なくとも1つの導体層は導電性材料から形成され、前記少なくとも1つの絶縁層は電気絶縁材料から形成される、請求項1〜13のいずれかに記載の構造。
  15. 共振器、アンテナ、RFIDタグ、又はRFIDトランスポンダの少なくとも1つを備えるデバイス内に更に組み込むことが可能である、請求項1〜15のいずれかに記載の構造。
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