JP2014174726A - ジョイスティック装置 - Google Patents

Abstract

【課題】磁気粘性流体を用いて比較的簡易な機構にて操作部に所望の操作抵抗を付与すること。
【解決手段】操作レバー２と、操作レバー２の所定部位に固設された揺動基部３と、揺動基部３が嵌め込まれた球面状の受け部６を有するベース４と、を備え、揺動基部３は、球面状の受け部６内の空間領域を複数に隔てる隔壁３２と、隔壁３２を貫通して空間領域同士を連通する連通孔３３と、を有する。球面状の受け部６内に、揺動基部３とともに磁気粘性流体が充填され、連通孔３３内に任意の強さの磁場を与えるための磁場付与手段が設けられている。
【選択図】図１

Description

本発明は、磁気粘性流体を用いたジョイスティック装置に関する。

例えば、特許文献１には、ジョイスティック型の入力装置が開示されている。この入力装置は、操作レバーに対して互いに直交する２軸の電動アクチュエータによって外力を付与することで、当該操作レバーに摩擦力に近似した力覚などの操作抵抗を付与するようにしたものである。なお、特許文献１には、磁気粘性流体を用いた入力装置は開示されていない。

特開２００４−２５８７８２号公報

特許文献１のジョイスティック型の入力装置では、操作部に対して互いに直交する２軸の電動アクチュエータによって操作部に操作抵抗を付与するものであるため、複雑な機構および演算処理回路が必要となる。

本発明は、磁気粘性流体を用いて比較的簡易な機構にて操作部に所望の操作抵抗を付与することができるジョイスティック装置を提供することを課題とする。

上記課題を解決するために、本発明のジョイスティック装置は、操作レバーと、前記操作レバーの所定部位に固設された揺動基部と、前記揺動基部が嵌め込まれた球面状の受け部を有するベースと、を備えるものを前提とし、前記揺動基部は、前記球面状の受け部内の空間領域を複数に隔てる隔壁と、該隔壁を貫通して空間領域同士を連通する連通孔と、を有し、前記球面状の受け部内に、前記揺動基部とともに磁気粘性流体が充填され、前記連通孔内に任意の強さの磁場を与えるための磁場付与手段が設けられた、ことを特徴としている。

かかる構成を備えるジョイスティック装置によれば、磁場付与手段によって連通孔内に与える磁場の強さを調整することで、連通孔内を通過しようとする磁気粘性流体の粘度を調整でき、それに応じて操作レバーの操作抵抗をコントロールすることができる。

例えば、前記磁場付与手段を、コイルと、該コイルが発生する磁束を誘導するヨークと、を有するものとし、前記ヨークの両端に形成される２つの磁極が、前記受け部の一部をそれぞれ構成するものとし、前記連通孔は、前記２つの磁極間に形成される磁路上に形成されているものとすることができる。

また、例えば、上記構成において、前記揺動基部を、前記操作レバーの操作力が入力される中空ないし中実の球欠状の磁性体からなる入力部を有するものとし、前記揺動基部の隔壁を、前記入力部の反操作レバー側に設け、前記ヨークの一端に形成される一方の磁極を、前記入力部に常時近接ないし接するように、前記受け部の一部を構成するものとし、前記ヨークの他端に形成される他方の磁極を、前記隔壁に常時近接ないし接するように、前記受け部の他の一部を構成するものとすることができる。

また、例えば、上記構成において、前記隔壁を、前記入力部から前記他方の磁極に亘って磁路を誘導する磁性体からなる磁路誘導体と、非磁性体からなるその他の部分とで構成し、前記連通孔を、前記磁路誘導体の途中に形成することができる。

本発明によれば、隔壁に設けた連通孔内に与える磁場の強さを調整するだけで、操作レバーの操作抵抗をコントロールすることができるので、比較的簡易な機構にて操作レバーに所望の操作抵抗を付与することができる。

本発明の実施の形態に係るジョイスティック装置の断面図である。但し、操作レバーおよび揺動基部は断面化していない。 図１の状態において、受け部内の空間領域に磁気粘性流体が充填された状態およびヨーク上の磁路を示した図である。 揺動基部の底面図である。 磁性体からなる磁路誘導体と、非磁性体からなるその他の部分とで構成された隔壁の例を示す図である。但し、真っ直ぐに連続した２枚の隔壁のみを示し、その他の隔壁は図示省略している。

以下、本発明の実施の形態に係るジョイスティック装置について図面を参照しつつ説明する。図１に示すように、本発明の実施の形態に係るジョイスティック装置１は、操作レバー２、揺動基部３、ベース４等を備えている。なお、以下では、ジョイスティック装置１が図１に示すように設置されているものとして、「上」、「下」の表現を用いる。

操作レバー２は、人により操作されるものであり、揺動基部３を中心に所定傾角内で揺動可能となっている。揺動基部３は、操作レバーの下端に固設され、ベース４内に設けられた球面状の受け部６に回転自在に嵌め込まれている。受け部６内には、揺動基部３の他に磁気粘性流体７が充填されている（図２参照）。ベース４は、基礎板５上に固定され、樹脂製の蛇腹状カバー８によって覆われている。なお、このジョイスティック装置１は、操作レバー２の操作方向および操作量を検出する位置センサ（図示省略）を設け、その位置センサから出力される信号を使用することにより入力装置として機能させることができる。以下、ジョイスティック装置１の各部について更に詳細に説明する。

ベース４は、コイル４１、ボビン４２、ヨーク４３、中間材４４等で構成されている。図示しないが、コイル４１に任意の電流を印加するための電流供給装置も備わっている。

ヨーク４３は、鉄等の磁性体からなり、コイル４１に電流が印加されたときに、コイル４１が発生する磁束を誘導する。このヨーク４３の両端部４３Ａ，４３Ｂは、それぞれ異なる位置で受け部６を構成しており、当該各位置において磁極を形成する。これにより、２つの磁極間で揺動基部３を通過する磁路が形成されるようになっている。なお、ヨーク４３の一端部４３Ａ（一方の磁極）は、後述する入力部３１に常時近接ないし接するように受け部６を構成しており、ヨーク４３の他端部４３Ｂ（他方の磁極）は、後述する隔壁３２に常時近接ないし接するように受け部６を構成している。

上記ヨーク４３は、例えば図１に示すように、揺動基部３の下から下方に延出した芯部４３ａと、該芯部４３ａの下端部から遠心側に延出した円板状部４３ｂと、該円板状部４３ｂの外周部から上方に延出した円筒状部４３ｃと、該円筒状部４３ｃの上端部から中心側に揺動基部３又はその近傍まで延出した円環状部４３ｄとで構成されている。なお、図１に示すヨーク４３は複数部材によって組み上げられており、ヨーク４３の円環状部４３ｄ上の２点鎖線Ｘは、部材間の境界線を示している。

ボビン４２は、コイル４１を保持しており、ステンレス等の非磁性体で構成されている。ボビン４２と揺動基部３との間には、非磁性体からなる中間材４４が介設されている。これらの非磁性体からなるボビン４２および中間材４４がヨーク４３によって包囲された構造とされ、図２の矢印Ｐで示す方向に沿って磁路が形成される。なお、揺動基部３内の磁路については、図４に基づいて後に説明する。

受け部６は、中間材４４と、ヨーク４３の一端部４３Ａと、ヨークの他端部４３Ｂとで構成されている。受け部６には、外部に臨む開口６１が形成されており、その開口６１の縁部に沿って環状のシール部材６２が装着されている。このシール部材６２は、受け部６内に充填された磁気粘性流体７が外部に漏れないように、開口６１の縁部と揺動基部３（後述する入力部３１）との隙間を封止する。

揺動基部３は、図１および図３に示すように、入力部３１および複数の隔壁３２で構成されている。入力部３１は、磁性体からなる中空ないし中実の球欠状のものとされ、操作レバー２の操作力が入力される。隔壁３２は、入力部３１の下方（反操作レバー２側）に設けられて、受け部６内の空間領域（磁気粘性流体７が充填された領域）を複数に隔てるものであり、各隔壁３２には、隔てられた空間領域同士を連通する連通孔３３が形成されている。なお、隔壁３２の外周端面３２ａと受け部６との隙間は、磁気粘性流体が通過しにくいように、極力小さくすることが望ましい。

また、各隔壁３２は、磁性体からなる磁路誘導体３４と、非磁性体からなるその他の部分とで構成されている。磁路誘導体３４は、コイル４１に電流が印加されたときに、入力部３１からヨークの他端部４３Ｂ（前記他方の磁極）に亘って磁路を誘導するためのものであり、磁路誘導体３４の途中には、前記連通孔３３が形成されている。このような磁路誘導体３４を設けることにより、連通孔３３に対して強い磁場を与えることが可能となる。

上記磁路誘導体３４は、例えば図４（ａ）に示すように、入力部３１から連通孔３３の近傍まで磁路を誘導する第１磁路誘導体３４ａと、この第１磁路誘導体３４ａに接続され、連通孔３３を包囲して形成された第２磁路誘導体３４ｂと、この第２磁路誘導体３４ｂに接続され、この連通孔３３の近傍から他磁極４３Ｂまで磁路を誘導する第３磁路誘導体３４ｃとで構成されている。なお、図中矢印の方向に沿って磁路が形成される。

また、磁路誘導体３４は、図４（ａ）に示したものにおいて、第２磁路誘導体３４ｂを省略し、図４（ｂ）に示すように、第１磁路誘導体３４ａおよび第３磁路誘導体３４ｃを連通孔３３まで延ばしたものとしてもよい。

上記磁気粘性流体７は、磁性粒子を分散媒に分散させてなる液体であり、特にその磁性粒子がナノサイズの金属粒子（金属ナノ粒子）からなるものが使用できる。磁性粒子は磁化可能な金属材料からなり、金属材料に特に制限はないが軟磁性材料が好ましい。軟磁性材料としては、例えば鉄、コバルト、ニッケル及びパーマロイ等の合金が挙げられる。分散媒は、特に限定されるものではないが、一例として疎水性のシリコーンオイルを挙げることができる。磁気粘性流体における磁性粒子の配合量は、例えば３〜４０ｖｏｌ％とすればよい。磁気粘性流体にはまた、所望の各種特性を得るために、各種の添加剤を添加することも可能である。

以上に説明した構成を備えるジョイスティック装置１によれば、操作レバー２の操作に連動して揺動基部３が受け部６内で回動するため、受け部６内の空間領域に充填された磁気粘性流体７が隔壁３２の連通孔３３を通過しようとする。

コイル４１に電流を印加しない状態では、連通孔３３内に磁場が付与されないため、低粘度の磁気粘性流体７が比較的高い流量で連通孔３３を通過することができる。このため、操作レバー２を操作する際の操作抵抗は最も小さくなる。

一方、コイル４１に電流を印加した状態では、連通孔３３内に磁場が付与されるため、連通孔３３を通過しようとする磁気粘性流体７の粘度が電流値に応じて高くなり、当該磁気粘性流体７は、電流が印加されていない場合と比較して、低い流量でしか連通孔３３を通過することができなくなる。このため、操作レバー２を操作する際の操作抵抗はコイル４１に印加される電流値に応じて大きくなる。

このように、本実施形態に係るジョイスティック装置１によれば、連通孔３３内に与える磁場の強さ（コイル４１に印加する電流値）を調整することにより、操作レバー２の操作抵抗をコントロールすることができる。しかも、本実施形態に係るジョイスティック装置１は、既述した簡易な機構、構造にて実現することが可能である。

本発明は、例えば、ジョイスティック型の入力装置に適用することが可能である。

１ ジョイスティック装置
２ 操作レバー
３ 揺動基部
４ ベース
６ 受け部
７ 磁気粘性流体
３１ 入力部
３２ 隔壁
３３ 連通孔
３４ 磁路誘導体
４１ コイル（磁場付与手段）
４３ ヨーク（磁場付与手段）
４３Ａ ヨークの一端部（一方の磁極）
４３Ｂ ヨークの他端部（他方の磁極）

Claims (4)

1. 操作レバーと、
   前記操作レバーの所定部位に固設された揺動基部と、
   前記揺動基部が嵌め込まれた球面状の受け部を有するベースと、
   を備えるジョイスティック装置において、
   前記揺動基部は、前記球面状の受け部内の空間領域を複数に隔てる隔壁と、該隔壁を貫通して空間領域同士を連通する連通孔と、を有し、
   前記球面状の受け部内に、前記揺動基部とともに磁気粘性流体が充填され、
   前記連通孔内に任意の強さの磁場を与えるための磁場付与手段が設けられた、ことを特徴とするジョイスティック装置。
2. 請求項１に記載のジョイスティック装置において、
   前記磁場付与手段は、コイルと、該コイルが発生する磁束を誘導するヨークと、を有し、
   前記ヨークの両端に形成される２つの磁極が、前記受け部の一部をそれぞれ構成し、
   前記連通孔は、前記２つの磁極間に形成される磁路上に形成されていることを特徴とするジョイスティック装置。
3. 請求項２に記載のジョイスティック装置において、
   前記揺動基部は、前記操作レバーの操作力が入力される中空ないし中実の球欠状の磁性体からなる入力部を有し、
   前記揺動基部の隔壁は、前記入力部の反操作レバー側に設けられており、
   前記ヨークの一端に形成される一方の磁極は、前記入力部に常時近接ないし接するように、前記受け部の一部を構成しており、
   前記ヨークの他端に形成される他方の磁極は、前記隔壁に常時近接ないし接するように、前記受け部の他の一部を構成している、ことを特徴とするジョイスティック装置。
4. 請求項３に記載のジョイスティック装置において、
   前記隔壁は、前記入力部から前記他方の磁極に亘って磁路を誘導する磁性体からなる磁路誘導体と、非磁性体からなるその他の部分とで構成されており、
   前記連通孔は、前記磁路誘導体の途中に形成されている、ことを特徴とするジョイスティック装置。
   

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