JP2014174146A - 標本検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一度に検査できる標本の数を増やして、検査時間の短縮を図ることができる標本検査装置を提供する。
【解決手段】標本検査装置100は、テラヘルツ波を発生する第1テラヘルツ波発生部22と、被検査物としての標本が載置される載置面12を有し、載置面12の法線方向Pに複数の標本2を重ねて搬送可能に構成された搬送部10と、第1テラヘルツ波発生部22から射出され、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の標本を透過したテラヘルツ波を検出する第1テラヘルツ波検出部24と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、標本検査装置に関する。
近年、100GHz以上30THz以下の周波数を有する電磁波であるテラヘルツ波が注目されている。テラヘルツ波は、イメージング、分光計測等の各種計測、非破壊検査等に用いることができる。
例えば特許文献1には、薬剤(標本)にテラヘルツ波を照射し、薬剤を透過したテラヘルツ波または薬剤で反射されたテラヘルツ波に基づいて、薬剤に異物が含まれているか否かを検査する標本検査装置が記載されている。
特許文献1の標本検査装置では、複数の薬剤が搬送面の幅方向に配列されている。そして、この搬送面の幅方向に配列された複数の薬剤を串刺しするように、テラヘルツ波の光線を真横(搬送面の幅方向)から放射して透過させることによって、同時に複数の薬剤を検査している。これにより、特許文献1の標本検査装置では、大量の薬剤を高速に検査することができる。
国際公開第2008/1785号
しかしながら、特許文献1の標本検査装置では、複数の薬剤が搬送面の幅方向に配列されているため、一度に検査できる標本の数は、搬送面の幅によって上限が決まってしまう。
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、一度に検査できる標本の数を増やして、検査時間の短縮を図ることができる標本検査装置を提供することにある。
本発明に係る標本検査装置は、
テラヘルツ波を発生する第1テラヘルツ波発生部と、
被検査物としての標本が載置される載置面を有し、前記載置面の法線方向に複数の前記標本を重ねて搬送可能に構成された搬送部と、
前記第1テラヘルツ波発生部から射出され、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本を透過したテラヘルツ波を検出する透過波検出部と、
を備える。
このような標本検査装置によれば、搬送部が載置面の法線方向に複数の標本を重ねて搬送可能に構成され、透過波検出部が載置面の法線方向に重ねられた複数の標本を透過したテラヘルツ波を検出する。そのため、例えば搬送部の幅によって制限されることなく、一度に検査できる標本の数を増やして、検査時間の短縮を図ることができる。
本発明に係る標本検査装置において、
前記第1テラヘルツ波発生部は、
光パルスを発生する第1光パルス発生部と、
前記第1光パルス発生部で発生した光パルスが照射される第1光伝導アンテナと、
を含んでいてもよい。
このような標本検査装置によれば、例えば搬送部の幅によって制限されることなく、一度に検査できる標本の数を増やして、検査時間の短縮を図ることができる。
本発明に係る標本検査装置において、
テラヘルツ波を発生する第2テラヘルツ波発生部と、
前記第2テラヘルツ波発生部から射出され、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波を検出する反射波検出部と、
を備えていてもよい。
このような標本検査装置によれば、透過波検出部によって、載置面の法線方向に重ねられた複数の標本が異物を含むか否かを一括して検査することができ、反射波検出部によって、例えばテラヘルツ時間領域分光法を用いて、載置面の法線方向に重ねられた複数の標本から異物を含む標本を特定することができる。
本発明に係る標本検査装置において、
前記第1テラヘルツ波発生部および前記透過波検出部を含む第1検査部と、
前記第2テラヘルツ波発生部および前記反射波検出部を含む第2検査部と、
を備え、
前記搬送部は、前記第1検査部で検査された前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本を、前記第2検査部に搬送してもよい。
このような標本検査装置によれば、第1検査部によって載置面の法線方向に重ねられた複数の標本が異物を含むか否かを一括して検査し、搬送部によって第1検査部で検査された載置面の法線方向に重ねられた複数の標本を第2検査部に搬送し、第2検査部によって異物を含む標本を特定することができる。したがって、検査の効率化を図ることができる。
本発明に係る標本検査装置において、
前記第2テラヘルツ波発生部は、
光パルスを発生する第2光パルス発生部と、
第2光パルス発生部で発生した光パルスを、ポンプ光と、プローブ光と、に分割する光学素子と、
前記ポンプ光が照射されて、テラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波生成部と、
前記プローブ光の光路長を変化させて、前記プローブ光が前記反射波検出部を照射するタイミングを制御する光路長変更部と、
を含み、
前記反射波検出部は、前記プローブ光によって、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波を検出するタイミングが制御されてもよい。
このような標本検査装置によれば、第2テラヘルツ波発生部および反射波検出部では、テラヘルツ時間領域分光法を用いて、テラヘルツ波の発生および検出を行うことができる。したがって、載置面の法線方向に重ねられた複数の標本から、異物を含む標本を特定することができる。
本発明に係る標本検査装置において、
前記反射波検出部の検出結果に基づいて、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前
記標本で反射されたテラヘルツ波の時間波形を生成する時間波形生成部と、
前記時間波形に基づいて、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本から、異物が含まれている前記標本を特定する異物特定部と、
を備えていてもよい。
このような標本検査装置によれば、載置面の法線方向に重ねられた複数の標本から、異物が含まれている標本を特定することができる。
本発明に係る標本検査装置は、
テラヘルツ波を発生する第1テラヘルツ波発生部と、
被検査物としての標本が載置される載置面を有し、前記載置面の法線方向に複数の前記標本を重ねて搬送可能に構成された搬送部と、
前記第1テラヘルツ波発生部から射出され、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波を検出する反射波検出部と、
を備える。
このような標本検査装置によれば、搬送部が載置面の法線方向に複数の標本を重ねて搬送可能に構成され、載置面の法線方向に重ねられた複数の標本で反射されたテラヘルツ波を検出する。そのため、例えば搬送部の幅によって制限されることなく、一度に検査できる標本の数を増やして、検査時間の短縮を図ることができる。
本実施形態に係る標本検査装置の構成を模式的に示す図。 本実施形態に係る標本検査装置の搬送部の構成を模式的に示す図。 本実施形態に係る標本検査装置の第1検査部の構成を模式的に示す図。 第1テラヘルツ波発生部の光源の構成を模式的に示す図。 第1テラヘルツ波検出部のフィルターおよび検出部を模式的に示す図。 本実施形態に係る標本検査装置の第2検査部の構成を模式的に示す図。 本実施形態の第2テラヘルツ波検出部の構成を模式的に示す図。 本実施形態の標本検査装置における薬剤検査処理の一例を示すフローチャート。 薬剤のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフ。 時間波形生成部で生成されたテラヘルツ波の時間波形の一例を示す図。 第1変形例に係る搬送部および第1検査部の構成を模式的に示す図。 第2変形例に係る搬送部および第1検査部の構成を模式的に示す図。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 標本検査装置の構成
まず、本実施形態に係る標本検査装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る標本検査装置100の構成を模式的に示す図である。
以下では、被検査物としての標本として、薬剤(錠剤)2を検査するための標本検査装置100について説明する。ここで、薬剤2の検査とは、薬剤2および複数の薬剤2(薬剤群2A)の少なくとも一方が異物(異種の元素または分子)を含むか否かを調べることをいう。標本検査装置100では、抜き取りした標本(薬剤2)を並べて連続的に検査し
てもよいし、例えば薬剤製造ラインに組み込んで標本(薬剤2)の全数を検査してもよい。
標本検査装置100は、図1に示すように、搬送部10と、第1テラヘルツ波発生部22および第1テラヘルツ波検出部24を含む第1検査部20と、を備える。さらに、標本検査装置100は、第2テラヘルツ波発生部32および第2テラヘルツ波検出部34を含む第2検査部30と、処理部(CPU)40と、操作部50と、表示部52と、記憶部54と、を備えることができる。
標本検査装置100では、第1検査部20において、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2(薬剤群2A)に異物が含まれているか否かを判定するための測定を行い、第2検査部30において、薬剤群2Aから異物を含む薬剤2を特定するための測定を行う。
搬送部10は、薬剤2が載置される載置面12を有し、載置面12の法線方向P(載置面12に垂直な方向)に複数の薬剤2を重ねて搬送可能に構成されている。ここで、載置面12の法線方向Pに複数の薬剤2が重なるとは、複数の薬剤2が載置面12の法線に沿って配列されている状態をいい、法線方向Pから見て、複数の薬剤2の少なくとも一部が重なっている状態をいう。法線方向Pは、例えば、鉛直方向(重力の方向)である。載置面12は、例えば、面内方向が薬剤2の搬送方向Xを含む面である。この場合、法線方向Pは、薬剤2の搬送方向Xに垂直な方向である。
図2は、搬送部10および供給部18の構成を模式的に示す図である。搬送部10は、図示の例では、複数(6個)の薬剤2を収容する円筒状の容器14を有している。薬剤2は、容器14に収容されることで、容器14の底面である載置面12の法線方向Pに重ねられる。図示の例では、法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2は、法線方向Pからみて完全に重なっている(薬剤2の全体が重なっている)。容器14の形状は、複数の薬剤2を重ねて収容することができれば特に限定されない。容器14の形状は、薬剤2の形状および重ねられる薬剤2の数に応じて決定される。すなわち、容器14の法線方向Pの大きさを大きくすることで、法線方向Pに重ねられる薬剤2の数を増やすことができる。これにより、第1検査部20で一度に検査することができる薬剤2の数(薬剤群2Aを構成する薬剤2の数)を増やすことができる。
搬送部10は、容器14を搬送することで、容器14に収容された複数の薬剤2を重ねて搬送することができる。搬送部10は、ベルト16を有しており、ベルト16を移動(循環)させることで、ベルト16に固定された複数の容器14を搬送している。なお、図示の例では、ベルト16の下側に容器14が位置しているが、ベルト16の上側に容器14が位置していてもよい。すなわち、ベルト16上に容器14を固定して、複数の薬剤2を重ねて搬送してもよい。
容器14は、テラヘルツ波を透過することができる。容器14の材質は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミドなどの熱可塑性樹脂や、ポリウレタンなどの熱硬化性樹脂である。なお、容器14は、紙や布によって構成されていてもよい。
供給部18は、搬送部10に薬剤2を供給する。供給部18は、図2に示す例では、ベルト16上に薬剤2を供給し、ベルト駆動部(図示しない)が、ベルト16を振動させることでベルト16に設けられた開口16aから薬剤2を容器14内に導いてもよい。これにより、容器14内に、複数の薬剤2を重ねて収容することができる。供給部18は、搬送部10(薬剤2)の搬送速度に応じて、薬剤2の供給量を調整することができる。
なお、供給部18は、図示はしないが、複数の薬剤2を、直接、容器14に供給してもよい。例えば、供給部18は、供給部18の薬剤供給口の下に位置している容器14に対して当該容器14の容量に応じた複数の薬剤2を落下させることにより、容器14内に複数の薬剤2を供給してもよい。
搬送部10は、図1に示すように、供給部18から供給された薬剤2を、載置面12の法線方向Pに重ねて薬剤群2Aとして、第1検査部20に搬送する。図示の例では、法線方向Pに重ねられた複数(6個)の薬剤2が、1つの薬剤群2Aを構成しており、搬送部10は、薬剤2を薬剤群2Aごとに搬送する。そして、搬送部10は、第1検査部20の測定結果から異物を含むと判定された薬剤群2Aを、第2検査部30に搬送する。また、搬送部10は、第1検査部20の測定結果から、異物を含まないと判定された薬剤群2Aを、例えば薬剤2を包装するための装置(図示せず)に搬送する。
また、搬送部10は、第2検査部30に搬送され、第2検査部30の測定結果から異物を含む薬剤2が特定された薬剤群2Aを、異物を含む薬剤2を取り除くための装置(図示せず)に搬送する。搬送部10は、処理部40の制御部48によって制御されている。
第1検査部20は、第1テラヘルツ波発生部22および第1テラヘルツ波検出部24を含む。図3は、第1検査部20の構成を模式的に示す図である。第1検査部20では、第1テラヘルツ波発生部22が、テラヘルツ波を発生させ、第1テラヘルツ波検出部24(透過波検出部)が、第1テラヘルツ波発生部22から射出され、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2を透過したテラヘルツ波を、検出する。これにより、第1テラヘルツ波検出部24の検出結果に基づいて、法線方向Pに重ねられた複数(6個)の薬剤2(薬剤群2A)に異物が含まれているか否かを検査することができる。
第1検査部20では、第1テラヘルツ波発生部22と第1テラヘルツ波検出部24とが、搬送部10(載置面12)を挟んで配置されている。
第1テラヘルツ波発生部22は、テラヘルツ波を発生する。テラヘルツ波とは、周波数が、100GHz以上30THz以下の電磁波、特に、300GHz以上10THz以下の電磁波をいう。第1テラヘルツ波発生部22は、図3に示すように、光源23を含む。
光源23は、図3に示すように、複数設けられている。なお、光源23は、単数であってもよい。図4は、第1テラヘルツ波発生部22の光源23の構成を模式的に示す図である。光源23は、図4に示すように、第1光パルス発生部230と、第1光伝導アンテナ232と、を有している。
第1光パルス発生部230は、励起光である光パルスを発生する。ここで、光パルスとは、短時間に急峻に強度が変化する光をいう。光パルスのパルス幅(半値全幅FWHM)は、例えば、1fs(フェムト秒)以上800fs以下である。
第1光パルス発生部230としては、例えば、半導体材料からなるパルス圧縮部を備えた半導体レーザー、フェムト秒ファイバーレーザー、チタンサファイアレーザーを用いる。特に半導体レーザーは、小型化を図ることができるため、第1光パルス発生部230として好適に用いることができる。
第1光伝導アンテナ232は、第1光パルス発生部230で発生した光パルスが照射されることによりテラヘルツ波を発生する。図示の例では、第1光伝導アンテナ232は、ダイポール形状光伝導アンテナ(Photo Conductive Antenna:PCA)である。第1光伝導アンテナ232は、半導体基板である基板234と、基板2
34上に設けられ、ギャップ235を介して対向配置された1対の電極236と、を有している。この電極236間に、光パルスが照射されると、第1光伝導アンテナ232は、テラヘルツ波を発生させる。
基板234は、例えば、半絶縁性GaAs(SI−GaAs)基板と、SI−GaAs基板上に設けられている低温成長GaAs(LT−GaAs)層と、を有している。電極236の材質は、例えば、金である。1対の電極236間の距離は、特に限定されず条件に応じて適宜設定されるが、例えば、1μm以上10μm以下である。
ここで、光源23の動作原理について説明する。光源23では、まず、第1光パルス発生部230が、光パルスを発生させ、第1光伝導アンテナ232のギャップ235に向けて、光パルスを射出する。第1光伝導アンテナ232では、ギャップ235に光パルスが照射されることにより、自由電子が励起される。そして、この自由電子を電極236間に電圧を印加することによって加速させる。これにより、テラヘルツ波が発生する。
なお、光源23は、図4に示す第1光パルス発生部230および第1光伝導アンテナ232を有する形態に限定されず、例えば、光源23として、量子カスケードレーザーや、非線形光学結晶を用いた差周波発生方式、パラメトリック方式を用いてもよい。
図3に示すように、第1テラヘルツ波発生部22は、光源23から射出されるテラヘルツ波を平行化して、薬剤群2Aに導くためのレンズ27を含んでいてもよい。これにより、光源23から射出されるテラヘルツ波を、効率よく薬剤群2Aに導くことができる。
第1テラヘルツ波発生部22は、光源23から射出されたテラヘルツ波を、レンズ27を介して、法線方向Pに射出する。ここで、搬送部10で搬送されている複数の薬剤2は、法線方向Pに重ねられている。すなわち、搬送部10で搬送されている複数の薬剤2は、法線方向Pから見て、複数の薬剤2の少なくとも一部が重なっている。そのため、第1テラヘルツ波発生部22から法線方向Pに射出されたテラヘルツ波は、法線方向Pに重ねられた複数(6個)の薬剤2(薬剤群2A)の全部を透過することができる。
第1テラヘルツ波検出部24は、図3に示すように、第1テラヘルツ波発生部22から射出され、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2を透過したテラヘルツ波を検出する。すなわち、第1テラヘルツ波検出部24は、法線方向Pに重ねられた複数(6個)の薬剤2の全部の情報を含むテラヘルツ波を検出する。第1テラヘルツ波検出部24は、フィルター25と、検出部26と、を含む。
フィルター25は、目的の波長のテラヘルツ波を透過させる。フィルター25の材質は、例えば、金属である。図5は、第1テラヘルツ波検出部24のフィルター25および検出部26を模式的に示す図である。
フィルター25は、図5に示すように、2次元的に配置された複数の画素(単位フィルター部)25aを有している。複数の画素25aは、マトリックス状に配置されている。画素25aは、互いに異なる波長のテラヘルツ波を通過させる複数の領域、すなわち、通過させるテラヘルツ波の波長(以下、「通過波長」とも言う)が互いに異なる複数の領域を有している。図示の例では、画素25aは、第1領域251、第2領域252、第3領域253、および第4領域254を有している。
検出部26としては、例えば、テラヘルツ波を熱に変換して検出するもの、すなわち、テラヘルツ波を熱に変換し、そのテラヘルツ波のエネルギー(強度)を検出し得るものを用いる。具体的には、検出部26は、焦電センサー、ボロメーターである。
検出部26は、フィルター25を透過した目的の波長のテラヘルツ波を検出する。検出部26は、画素25aの第1領域251、第2領域252、第3領域253、および第4領域254に対応して、それぞれ設けられた第1単位検出部261、第2単位検出部262、第3単位検出部263、および第4単位検出部264を有している。第1単位検出部261、第2単位検出部262、第3単位検出部263、および第4単位検出部264は、それぞれ、画素25aの第1領域251、第2領域252、第3領域253、および第4領域254を通過したテラヘルツ波を、熱に変換して検出する。これにより、画素25aのそれぞれにおいて、4つの目的の波長のテラヘルツ波を検出することができる。
第1テラヘルツ波検出部24は、図3に示すように、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を集光して、フィルター25に導くためのレンズ28を含んでいてもよい。これにより、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を、効率よくフィルター25に導くことができる。
第1検査部20では、図3に示すように、光源23、レンズ27、レンズ28、フィルター25、および検出部26は、法線方向Pに並んで配置されている。
第2検査部30は、第2テラヘルツ波発生部32および第2テラヘルツ波検出部(反射波検出部)34を含む。図6は、第2検査部30の構成を模式的に示す図である。第2検査部30では、テラヘルツ時間領域分光法(time−domain spectroscopy)を用いて、テラヘルツ波の発生および検出を行う。これにより、第2テラヘルツ波検出部34の検出結果に基づいて、第1検査部20で検査された薬剤群2Aから、異物を含む薬剤2を特定することができる。
第2テラヘルツ波発生部32は、図6に示すように、第2光パルス発生部320と、光学素子(ビームスプリッター)322と、第2光伝導アンテナ(テラヘルツ波生成部)324と、光路長変更部326と、ミラー327a,327b,327cと、ミラー328a,328b,328c,328dと、を含む。
第2光パルス発生部320は、光パルスを発生する。光パルスのパルス幅は、例えば、1fs以上800fs以下である。第2光パルス発生部320としては、例えば、半導体材料からなるパルス圧縮部を備えた半導体レーザー、フェムト秒ファイバーレーザー、チタンサファイアレーザーを用いる。
光学素子(ビームスプリッター)322は、第2光パルス発生部320で発生した光パルスを、ポンプ光L1と、プローブ光L2とに分割する。光学素子(ビームスプリッター)322は、図6に示す例では、第2光パルス発生部320から射出された光パルスの一部を透過させてポンプ光L1とし、第2光パルス発生部320から射出された光パルスの一部を反射させてプローブ光L2とする。
第2光伝導アンテナ324は、光学素子(ビームスプリッター)322を透過したポンプ光L1が照射されることによりテラヘルツ波を発生する。第2光伝導アンテナ324は、図4に示す第1光伝導アンテナ232と同様の構成を有する、ダイポール形状光伝導アンテナ(PCA)である。
ミラー327aおよびミラー327bは、第2光伝導アンテナ324から射出されたテラヘルツ波を、薬剤群2Aに導く。ミラー327aおよびミラー327bは、例えば、楕円面ミラー、放物面ミラー等である。
ミラー327cは、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波を、第2テラヘルツ波検出部
34に導く。ミラー327cは、例えば、楕円面ミラー、放物面ミラー等である。
ミラー328aおよびミラー328bは、光学素子(ビームスプリッター)322で反射されたプローブ光L2を、光路長変更部326に導く。
光路長変更部326は、プローブ光L2の光路長を変化させて、プローブ光L2が第2テラヘルツ波検出部34に入射するタイミングを制御する。光路長変更部326は、可動ミラー326a,326bと、ミラー駆動部326cと、を含む。光路長変更部326は、ミラー駆動部326cによって、可動ミラー326a,326bを移動させることにより、プローブ光L2の光路長を変化させることができる。これにより、プローブ光L2に光学的な時間遅延を生じさせ、プローブ光L2が第2テラヘルツ波検出部34を照射するタイミングを制御することができる。
ミラー328cおよびミラー328dは、プローブ光L2を光路長変更部326から第2テラヘルツ波検出部34に導く。
第2テラヘルツ波検出部34は、法線方向Pに重ねられた複数(6個)の薬剤2(薬剤群2A)で反射されたテラヘルツ波を検出する。第2テラヘルツ波検出部34は、プローブ光L2が照射されたときに、テラヘルツ波を検出する。すなわち、第2テラヘルツ波検出部34は、プローブ光L2によって、テラヘルツ波を検出するタイミングが制御される。図7は、第2テラヘルツ波検出部34の構成を模式的に示す図である。
第2テラヘルツ波検出部34は、例えば、ダイポール形状光伝導アンテナ(PCA)である。第2テラヘルツ波検出部34は、半導体基板である基板344と、基板344上に設けられ、ギャップ345を介して対向配置された1対の電極346と、を有している。この電極346間に、テラヘルツ波が照射され、同時に、プローブ光L2が照射されると、テラヘルツ波の強度(振動電場)に応じた電流が電極346に流れる。
基板344は、例えば、半絶縁性GaAs(SI−GaAs)基板と、SI−GaAs基板上に設けられている低温成長GaAs(LT−GaAs)層と、を有している。電極346の材質は、例えば、金である。1対の電極346間の距離は、特に限定されず条件に応じて適宜設定されるが、例えば、1μm以上10μm以下である。
ここで、第2検査部30の動作原理について説明する。第2検査部30では、第2光パルス発生部320が光パルスを射出すると、光学素子(ビームスプリッター)322によって、ポンプ光L1とプローブ光L2とに分割される。ポンプ光L1は、第2光伝導アンテナ324を照射し、第2光伝導アンテナ324からテラヘルツ波が発生する。このテラヘルツ波は、ミラー327a,327bを介して、薬剤群2Aを照射し、薬剤群2Aで反射される。反射されたテラヘルツ波は、ミラー327cを介して、第2テラヘルツ波検出部34を照射する。
一方、プローブ光L2は、ミラー328a,328bを介して、光路長変更部326に入射する。光路長変更部326からのプローブ光L2は、ミラー328c,328dを介して、第2テラヘルツ波検出部34を照射する。
ここで、光路長変更部326は、ミラー駆動部326cによって可動ミラー326a,326bを連続的に移動させることで、プローブ光L2の光路長を変化させ、ポンプ光L1とプローブ光L2の光路差を連続的に変化させる。これにより、ポンプ光L1とプローブ光L2の間に光学的な時間遅延が生じる。第2テラヘルツ波検出部34が、ポンプ光L1とプローブ光L2との光路差に応じた遅延時間でテラヘルツ波を検出することにより、
テラヘルツ波の異なる位置(位相)において、テラヘルツ波の強度(振動電場)に応じた信号(電流)を取得することができる。この信号をプロットすることで、テラヘルツ波の時間経過が記録され、横軸がプローブ光L2の遅延時間、縦軸が信号強度(電流値)で示されるテラヘルツ波の時間波形(図10参照)を得ることができる。
なお、上述の第2検査部30の第2テラヘルツ波発生部32および第2テラヘルツ波検出部34は、ダイポール形状光伝導アンテナ(PCA)を用いる形態に限定されない。例えば、非線形光学結晶を用いた方式でもよい。
操作部50は、図1に示すように、ユーザーによる操作に応じた操作信号を取得し、処理部40に送る処理を行う。操作部50は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどである。
表示部52は、処理部40から入力される表示信号に基づいて、処理部40の処理結果等を文字やグラフその他の情報として表示する。例えば、表示部52は、検査結果を表示する。表示部52は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)、タッチパネル型ディスプレイなどである。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部50と表示部52との機能を実現するようにしてもよい。
記憶部54は、処理部40が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムやデータ等を記憶している。また、記憶部54は、処理部40の作業領域として用いられ、操作部50から入力された操作信号、第1検査部20および第2検査部30から取得したデータ(検出結果)、および処理部40が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶するためにも使用される。
処理部(CPU)40は、記憶部54に記憶されているプログラムに従って、第1検査部20、および第2検査部30から取得したデータに基づく各種の計算処理や、各種の制御処理(搬送部10の制御や、表示部52に対する表示制御等)を行う。具体的には、処理部40は、記憶部54に記憶されているプログラムを実行することで、異物判定部42、時間波形生成部44、異物特定部46、制御部48として機能する。
異物判定部42は、第1テラヘルツ波検出部24の検出結果に基づいて、薬剤群2Aが異物を含むか否かを判定する処理を行う。
時間波形生成部44は、第2テラヘルツ波検出部34の検出結果に基づいて、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波の時間波形を生成する処理を行う。
異物特定部46は、時間波形生成部44が生成したテラヘルツ波の時間波形に基づいて、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2(薬剤群2A)から、異物が含まれている薬剤2を特定する処理を行う。
制御部48は、異物判定部42の判定結果に基づいて、搬送部10を制御する処理を行う。具体的には、制御部48は、異物判定部42が薬剤群2Aに異物が含まれていると判定した場合に、搬送部10を制御して、当該薬剤群2Aを第2検査部30に搬送する。また、制御部48は、異物判定部42が薬剤群2Aに異物が含まれていないと判定した場合に、搬送部10を制御して、例えば、当該薬剤群2Aを、薬剤2を包装するための装置に搬送する。
2. 薬剤検査処理
次に、標本検査装置100における薬剤(標本)検査の処理の流れについて、図面を参照しながら説明する。図8は、標本検査装置100における薬剤(標本)検査処理の一例を示すフローチャートである。
制御部48は、搬送部10を制御して、図1および図2に示すように、供給部18から供給された薬剤2を、容器14に収容することで載置面12の法線方向Pに重ねて第1検査部20に搬送する。供給部18から供給される複数の薬剤2は、容器14に収容され、薬剤群2Aとして、第1検査部20に搬送される。
第1検査部20では、図3に示すように、第1検査部20に搬送された薬剤群2Aに対して、第1テラヘルツ波発生部22がテラヘルツ波を照射し、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を第1テラヘルツ波検出部24が検出する。異物判定部42は、第1テラヘルツ波検出部24の検査結果に基づいて、薬剤群2Aが異物を含むか否かを判定する処理を行う(異物判定処理S10)。
ここで、異物判定処理S10について具体的に説明する。ここでは、薬剤2が、3つの物質A,B,C(物質B,Cは異物)で構成されている場合について説明する。図9は、薬剤2のテラヘルツ帯でのスペクトルを示すグラフである。
図5に示す第1テラヘルツ波検出部24のフィルター25の画素25aにおいて、第1領域251および第2領域252を使用する。第1領域251の通過波長をλ1、第2領域252の通過波長をλ2とし、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波の波長λ1の成分の強度をα1、波長λ2の成分の強度をα2としたとき、その強度α2と強度α1の差分(α2−α1)が、物質Aと物質Bと物質Cとで、互いに顕著に区別できるように、第1領域251の通過波長λ1および第2領域252の通過波長λ2を、設定する。
図9に示すように、物質Aにおいては、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波の波長λ2の成分の強度α2と波長λ1の成分の強度α1との差分(α2−α1)は、正値となる。物質Bにおいては、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)は、零となる。物質Cにおいては、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)は、負値となる。
第1テラヘルツ波検出部24では、上記の強度α1および強度α2を検出する。第1テラヘルツ波検出部24は、この検出結果の情報を含む信号I24(図1参照)を、異物判定部42に送る。なお、薬剤群2Aへのテラヘルツ波の照射および薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波の検出は、薬剤群2Aの全体に対して行われる。
異物判定部42は、第1テラヘルツ波検出部24の検出結果に基づいて、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)を求め、強度α2と強度α1の差分(α2−α1)が零および負値となった場合に、薬剤群2Aに異物(物質B,C)があると判定する。また、異物判定部42は、強度α2と強度α1との差分(α2−α1)が正値となった場合に、薬剤群2Aに異物がないと判定する。
なお、上記では、強度α2と強度α1との差分の符号から、異物の有無を判定する例を示したが、この方法に限定されない。例えば、強度α2と強度α1の差分の値を用いて、異物の有無を判定しても良い。この場合、検出された強度α2と強度α1の差分の値と、異物が含まれない場合の強度α2と強度α1との差分の値とを比較して、両者の値が一致しなければ異物が含まれると判定することができる。
異物判定部42によって薬剤群2Aが異物を含むと判定された場合(S12でYesの場合)、制御部48は、搬送部10を制御して、異物を含むと判定された薬剤群2Aを、
第2検査部30に搬送する。
第2検査部30は、テラヘルツ時間領域分光法を用いて、異物を含むと判定された薬剤群2Aの測定を行う。第2テラヘルツ波検出部34は、図6に示すように、ポンプ光L1とプローブ光L2との光路差に応じた遅延時間でテラヘルツ波を検出して、テラヘルツ波の強度(振動電場)に応じた信号I34(図1参照)を出力する。時間波形生成部44は、第2テラヘルツ波検出部34の検出結果(信号I34)に基づいて、テラヘルツ波の時間波形を生成する。異物特定部46は、時間波形生成部44が生成したテラヘルツ波の時間波形に基づいて、異物を含む薬剤群2Aから、異物を含む薬剤2を特定する(異物特定処理S14)。
ここで、異物特定処理S14について具体的に説明する。ここでは、図6に示す薬剤2a,2b,2c,2d,2e,2fを重ねた薬剤群2Aを測定した場合について説明する。なお、薬剤2a,2b,2c,2e,2fは、物質Aで構成され、薬剤2dは、物質Aと物質B(異物)を含んで構成されているものとする。また、物質Aのテラヘルツ波の吸収量は、物質Bのテラヘルツ波の吸収量よりも大きいものとする。なお、標準標本として、薬剤2a〜2fがすべて物質Aで構成されている(すなわち、異物(物質B)を含まない)薬剤群2Aを用意し、測定を行った。
図10は、時間波形生成部44で生成されたテラヘルツ波の時間波形の一例を示す図である。図10において、時間波形Sp1は、標準標本(異物を含まない薬剤群2A)を透過したテラヘルツ波の時間波形(標準時間波形)であり、時間波形Sp2は、異物(物質B)を含む薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波の時間波形である。なお、図10の横軸は、時間(プローブ光L2の遅延時間)であり、縦軸は、第2テラヘルツ波検出部34で検出されたテラヘルツ波の強度に対応する信号強度である。
図10に示すように、異物(物質B)を含む薬剤群2Aの時間波形Sp2において、薬剤2a,2b,2cに対応する各シグナルの強度は、標準時間波形Sp1の薬剤2a,2b,2cに対応する各シグナルの強度と同じであるが、薬剤2d,2e,2fに対応する各シグナルの強度は、標準時間波形Sp1の薬剤2d,2e,2fに対応する各シグナルの強度よりも大きい。これは、薬剤2dが、テラヘルツ波の吸収量の大きい物質B(異物)を含むためである。このように、測定で得られたテラヘルツ波の時間波形Sp2を、標準標本を測定して得られたテラヘルツ波の時間波形(標準時間波形)Sp1と比較することにより、薬剤群2Aから、異物を含む薬剤2dを特定することができる。
このように、異物特定部46は、時間波形生成部44が生成したテラヘルツ波の時間波形と標準時間波形とを比較することで、薬剤群2Aから、異物を含む薬剤2を特定する。処理部40は、例えば、異物特定部46が特定した異物を含む薬剤2の情報(異物を含む薬剤2が薬剤群2Aの何段目に位置しているか等)を、表示部52に表示する(表示処理S16)。そして、処理部40は、薬剤検査処理を終了する。
一方、異物判定部42によって薬剤群2Aが異物を含まないと判定された場合(S12でNoの場合)、制御部48は、搬送部10を制御して、異物を含まないと判定された薬剤群2Aを、例えば、薬剤2を包装するための装置(図示せず)に搬送する。そして、処理部40は、薬剤検査処理を終了する。
標本検査装置100は、供給部18から順次供給される薬剤2に対して、薬剤検査処理(S10〜S16)を繰り返し行う。
標本検査装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
標本検査装置100では、搬送部10は、薬剤2が載置される載置面12を有し、載置面12の法線方向Pに複数の薬剤2を重ねて搬送可能に構成されている。そのため、標本検査装置100では、例えば搬送部10のベルト16の幅W(ベルト16の搬送方向Xと垂直な方向の大きさ、図2参照)によって制限されることなく、一度に検査できる標本の数を増やして、検査時間の短縮を図ることができる。これにより、検査コストの削減を図ることができる。
標本検査装置100では、第1テラヘルツ波検出部24は、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2(薬剤群2A)を透過したテラヘルツ波を検出するため、複数の薬剤2が異物を含むか否かを一括して検査することができる。これにより、検査時間の短縮を図ることができる。
標本検査装置100では、第2テラヘルツ波検出部34は、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2(薬剤群2A)で反射されたテラヘルツ波を検出するため、例えばテラヘルツ時間領域分光法を用いて、薬剤群2Aから異物を含む薬剤2を特定することができる。
標本検査装置100では、第1テラヘルツ波発生部22および第1テラヘルツ波検出部24を含む第1検査部20と、第2テラヘルツ波発生部32および第2テラヘルツ波検出部34を含む第2検査部30と、を備え、搬送部10は、第1検査部20で検査された薬剤群2Aを第2検査部30に搬送する。これにより、第1検査部20によって薬剤群2Aが異物を含むか否かを一括して検査し、搬送部10によって第1検査部20で検査された薬剤群2Aを第2検査部30に搬送し、第2検査部30によって異物を含む薬剤2を特定することができる。したがって、標本検査装置100によれば、検査の効率化を図ることができる。
標本検査装置100では、第2テラヘルツ波発生部32は、図6に示すように、光パルスを発生する第2光パルス発生部320と、第2光パルス発生部320で発生した光パルスを、ポンプ光L1と、プローブ光L2と、に分割する光学素子322と、ポンプ光L1が照射されて、テラヘルツ波を発生させる第2光伝導アンテナ324と、プローブ光L2の光路長を変化させて、プローブ光L2が第2テラヘルツ波検出部34を照射するタイミングを制御する光路長変更部326と、を含み、第2テラヘルツ波検出部34は、プローブ光L2によって、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2で反射されたテラヘルツ波を検出するタイミングが制御される。これにより、第2検査部30では、テラヘルツ時間領域分光法を用いて、テラヘルツ波の発生および検出を行うことができる。したがって、薬剤群2Aから、異物を含む薬剤2を特定することができる。
標本検査装置100では、時間波形生成部44が、第2テラヘルツ波検出部34の検出結果に基づいて、テラヘルツ波の時間波形を生成し、異物特定部46が当該時間波形に基づいて、載置面12の法線方向Pに重ねられた複数の薬剤2(薬剤群2A)から、異物が含まれている薬剤2を特定する。これにより、第1検査部20によって一括して検査された薬剤群2Aから、異物を含む薬剤2を特定することができる。
3. 変形例
(1)第1変形例
次に、本実施形態に係る標本検査装置の第1変形例について、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態の第1変形例に係る搬送部10および第1検査部20の構成を示す図である。以下、第1変形例において、上述した標本検査装置100の搬送部10および第1検査部20の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し
、その詳細な説明を省略する。
上述した標本検査装置100の搬送部10は、図2に示すように、薬剤群2Aを、ベルト16の幅Wの方向に1つ配置して搬送していた。
これに対して、本変形例では、搬送部10は、図11に示すように、薬剤群2Aを、ベルト16の幅Wの方向(載置面12の法線方向Pから見て、搬送方向Xに垂直な方向)Yに、複数の薬剤群2Aを並べて搬送している。図示の例では、搬送部10には、ベルト16の幅Wの方向Yに、4つの薬剤群2Aが並べられているが、その数は特に限定されない。
第1テラヘルツ波発生部22は、ベルト16の幅方向Yに並べられた複数(4つ)の薬剤群2Aに、テラヘルツ波を照射する。図示の例では、第1テラヘルツ波発生部22は、レンズ27を介して、ベルト16の幅方向Yに並べられた複数の薬剤群2Aに、テラヘルツ波を照射している。
第1テラヘルツ波検出部24は、ベルト16の幅方向Yに並べられた複数の薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を検出する。図示の例では、第1テラヘルツ波検出部24は、レンズ28を介して、ベルト16の幅方向Yに並べられた複数の薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を検出している。これにより、複数の薬剤群2Aを同時に検査することができる。したがって、大量の薬剤2の検査を、より短時間で行うことができる。
(2)第2変形例
次に、本実施形態に係る標本検査装置の変形例について、図面を参照しながら説明する。図12は、本実施形態の第2変形例に係る搬送部10および第1検査部20の構成を示す図である。以下、第2変形例において、上述した標本検査装置100の搬送部10および第1検査部20の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上述した標本検査装置100の第1テラヘルツ波検出部24は、図3に示すように、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を検出していた。
これに対して、本変形例では、第1テラヘルツ波検出部(反射波検出部)24は、図12に示すように、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波を検出する。
第1テラヘルツ波発生部22は、ハーフミラー60およびレンズ62を含んで構成されている。ハーフミラー60は、光源23から射出されたテラヘルツ波を透過させる。また、ハーフミラー60は、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波を第1テラヘルツ波検出部24のミラー64に向けて反射させる。また、レンズ62は、ハーフミラー60を透過したテラヘルツ波を集光して薬剤群2Aに向けて射出し、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波をハーフミラー60に向けて射出する。
第1テラヘルツ波検出部24は、ミラー64を含んで構成されている。ミラー64は、ハーフミラー60で反射されたテラヘルツ波をフィルター25に向けて反射させる。
本変形例に係る第1検査部20の動作について説明する。光源23からテラヘルツ波が射出されると、射出されたテラヘルツ波は、ハーフミラー60を透過し、レンズ62で集光されて薬剤群2Aを照射する。そして、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波は、レンズ62で集光され、ハーフミラー60およびミラー64で反射されてフィルター25に入射し、検出部26で検出される。
本変形例では、第1テラヘルツ波検出部24は、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波を検出するため、異物判定部42(図1参照)は、薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波の検出結果に基づいて、薬剤群2Aが異物を含むか否かを判定する処理を行うことができる。
なお、図示はしないが、第1検査部20は、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波を検出する第1テラヘルツ波検出部24(図3参照)、および薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波を検出する第1テラヘルツ波検出部24(図12参照)の両方を含んで構成されていてもよい。この場合、異物判定部42(図1参照)は、薬剤群2Aを透過したテラヘルツ波の検出結果、および薬剤群2Aで反射されたテラヘルツ波の検出結果の少なくとも一方に基づいて、薬剤群2Aが異物を含むか否かを判定する処理を行うことができる。
なお、上述した実施形態および各変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。
例えば、上述した実施形態および変形例に係る標本検査装置では、非検査物としての標本が薬剤2である場合について説明したが、当該標本は薬剤に限定されず、例えば、塩や菓子類等の食品、穀物や果物等の農作物、石鹸や口紅等の化粧品、半導体基板や超電導材料等の電子材料、皮膚や骨等の生体であってもよい。
また、例えば、上述した実施形態および変形例に係る標本検査装置では、図9に示す薬剤2のテラヘルツ帯でのスペクトルに基づいて、薬剤群2Aが異物を含みか否かの検査を行い、図10に示すテラヘルツ波の時間波形に基づいて、薬剤群2Aから異物を含む薬剤2を特定する場合について説明した。これに対して、例えば、図9に示すスペクトルを薬剤群2Aの部位を変えて取得して物質A、物質B、物質Cの分布を示す画像を作成し(イメージング)、当該画像に基づいて、薬剤群2Aが異物を含みか否かの検査を行ってもよい。また、例えば、図10に示すテラヘルツ波の時間波形を薬剤群2Aの部位を変えて取得して物質A、物質Bの分布を示す画像を作成し(イメージング)、当該画像に基づいて、薬剤群2Aから異物を含む薬剤2を特定してもよい。
また、例えば、実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
2…薬剤、2A…薬剤群、10…搬送部、12…載置面、14…容器、16…ベルト、16a…開口、18…供給部、20…第1検査部、22…第1テラヘルツ波発生部、23…光源、24…第1テラヘルツ波検出部、25…フィルター、25a…画素、26…検出部、27,28…レンズ、30…第2検査部、32…第2テラヘルツ波発生部、34…第2テラヘルツ波検出部、40…処理部、42…異物判定部、44…時間波形生成部、46…異物特定部、48…制御部、50…操作部、52…表示部、54…記憶部、60…ハーフミラー、62…レンズ、64…ミラー、100…標本検査装置、230…第1光パルス発生部、232…第1光伝導アンテナ、234…基板、235…ギャップ、236…電極、251…第1領域、252…第2領域、253…第3領域、254…第4領域、261…
第1単位検出部、262…第2単位検出部、263…第3単位検出部、264…第4単位検出部、320…第2光パルス発生部、322…光学素子、324…第2光伝導アンテナ、326…光路長変更部、326a,326b…可動ミラー、326c…ミラー駆動部、327a,327b,327c…ミラー、328a,328b,328c,328d…ミラー、344…基板、345…ギャップ、346…電極

Claims (7)

  1. テラヘルツ波を発生する第1テラヘルツ波発生部と、
    被検査物としての標本が載置される載置面を有し、前記載置面の法線方向に複数の前記標本を重ねて搬送可能に構成された搬送部と、
    前記第1テラヘルツ波発生部から射出され、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本を透過したテラヘルツ波を検出する透過波検出部と、
    を備えることを特徴とする標本検査装置。
  2. 前記第1テラヘルツ波発生部は、
    光パルスを発生する第1光パルス発生部と、
    前記第1光パルス発生部で発生した光パルスが照射される第1光伝導アンテナと、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の標本検査装置。
  3. テラヘルツ波を発生する第2テラヘルツ波発生部と、
    前記第2テラヘルツ波発生部から射出され、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波を検出する反射波検出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の標本検査装置。
  4. 前記第1テラヘルツ波発生部および前記透過波検出部を含む第1検査部と、
    前記第2テラヘルツ波発生部および前記反射波検出部を含む第2検査部と、
    を備え、
    前記搬送部は、前記第1検査部で検査された前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本を、前記第2検査部に搬送することを特徴とする請求項3に記載の標本検査装置。
  5. 前記第2テラヘルツ波発生部は、
    光パルスを発生する第2光パルス発生部と、
    第2光パルス発生部で発生した光パルスを、ポンプ光と、プローブ光と、に分割する光学素子と、
    前記ポンプ光が照射されて、テラヘルツ波を発生させるテラヘルツ波生成部と、
    前記プローブ光の光路長を変化させて、前記プローブ光が前記反射波検出部を照射するタイミングを制御する光路長変更部と、
    を含み、
    前記反射波検出部は、前記プローブ光によって、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波を検出するタイミングが制御されることを特徴とする請求項3または4に記載の標本検査装置。
  6. 前記反射波検出部の検出結果に基づいて、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波の時間波形を生成する時間波形生成部と、
    前記時間波形に基づいて、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本から、異物が含まれている前記標本を特定する異物特定部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の標本検査装置。
  7. テラヘルツ波を発生する第1テラヘルツ波発生部と、
    被検査物としての標本が載置される載置面を有し、前記載置面の法線方向に複数の前記標本を重ねて搬送可能に構成された搬送部と、
    前記第1テラヘルツ波発生部から射出され、前記載置面の法線方向に重ねられた複数の前記標本で反射されたテラヘルツ波を検出する反射波検出部と、
    を備えることを特徴とする標本検査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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