JP2014173942A - 電波発射源検知装置および電波発射源検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化が可能な電波発射源検知装置を提供すること。
【解決手段】実施形態に係る電波発射源検知装置10は、アンテナ素子12、AD変換部21、仮想アレイアンテナ信号生成部22、到来方向推定処理部24、画像化処理部26、撮像部15、画像合成処理部27、および表示装置17、を具備する。AD変換部21は、アンテナ素子12が複数の位置において受信する複数の電波のそれぞれの受信時における位相情報を含む受信データを生成する。仮想アレイアンテナ信号生成部22は、複数の電波が同一時間に受信されたとみなして位相情報を補正することによって、アンテナ素子12の複数の位置に対応した複数の仮想アレイアンテナ信号を生成する。到来方向推定処理部24は、複数の仮想アレイアンテナ信号に基づいて電波発射源の方向を推定する。画像化処理部は推定結果を2次元画像に変換し、画像合成処理部27は、2次元画像と撮像部15から得られた画像とを合成する。表示装置17は、この合成画像を表示する。
【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、電波発射源検知装置および電波発射源検知方法に関する。
電波発射源を検知し、別途撮像された画像上に電波発射源を表示する電波発射源検知装置において、電波発射源が存在する方向は、複数のアンテナ素子がアレー状に配列されたアンテナ部によって発射される電波を受信し、各アンテナ素子で受信された電波の位相差を算出し、この位相差に基づいて検知される。
このような従来の電波発射源検知装置において、それぞれのアンテナ素子によって受信した電波の位相差を算出するために、アンテナ部を構成する複数のアンテナ素子は、少なくとも受信される電波の波長程度の間隔で配列される必要があった。このため、従来の電波発射源検知装置を小型化することは困難であった。
特開2007−10616号公報
実施形態は、小型化が可能な電波発射源検知装置および電波発射源検知方法を提供することを目的とする。
実施形態に係る電波発射源検知装置は、アンテナ素子、AD変換部、仮想アレイアンテナ信号生成部、到来方向推定処理部、画像化処理部、撮像部、画像合成処理部、および表示装置、を具備する。前記アンテナ素子は、電波発射源が発射する電波を受信する。前記AD変換部は、前記アンテナ素子が複数の位置において受信する複数の前記電波のそれぞれをデジタル化し、前記電波の受信時における位相情報を含む受信データに変換する。前記仮想アレイアンテナ信号生成部は、前記アンテナ素子の位置、前記アンテナ素子の方向、前記電波を受信した時間、および前記受信データから、前記複数の電波が同一時間において前記アンテナ素子で受信されたとみなして前記受信データに含まれる前記位相情報を補正することによって、前記アンテナ素子の複数の位置にそれぞれ対応した複数の仮想アレイアンテナ信号を生成する。前記到来方向推定処理部は、前記複数の仮想アレイアンテナ信号に基づいて、前記電波発射源の方向を推定する。前記画像化処理部は、前記到来方向推定処理部の推定結果を2次元画像に変換する。前記撮像部は、前記電波発射源の方向を撮像する。前記画像合成処理部は、前記画像化処理部において変換された前記2次元画像と、前記撮像部から得られた画像と、を合成する。前記表示装置は、前記画像合成処理部で合成された合成画像を表示する。
また、実施形態に係る電波発射源検知方法は、電波発射源が発射する電波を受信し、前記電波をデジタル化して受信データに変換し、複数の仮想アレイアンテナ信号を生成し、前記電波発射源の方向を推定し、この推定結果を2次元画像に変換し、前記電波発射源の方向を撮像し、前記2次元画像と、前記電波発射源の方向を撮像することにより得られた画像と、を合成し、合成された合成画像を表示する、ことを含む方法である。前記電波発射源が発射する前記電波は、アンテナ素子によって複数の位置において受信する。これらの複数の前記電波は、それぞれをデジタル化され、前記電波の受信時における位相情報を含む受信データに変換される。前記複数の仮想アレイアンテナ信号は、前記アンテナ素子の複数の位置にそれぞれ対応するものであり、前記アンテナ素子の位置、前記アンテナ素子の方向、前記電波を受信した時間、および前記受信データから、前記複数の電波が同一時間において前記アンテナ素子で受信されたとみなして前記受信データに含まれる前記位相情報を補正することによって生成される。前記電波発射源の方向は、前記複数の仮想アレイアンテナ信号に基づいて推定される。
第1の実施形態に係る電波発射源検知装置を示す図であって、同図(a)は、電波発射源検知装置の分解斜視図、同図(b)は、電波発射源検知装置を示す斜視図である。 第1の実施形態に係る電波発射源検知装置の回路構成図である。 第1の実施形態に係る電波発射源検知装置の使用方法を説明するための図である。 第1の実施形態に係る電波発射源検知装置による電波発射源検知方法を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係る電波発射源検知装置の動作を説明するための座標図である。 第2の実施形態に係る電波発射源検知装置の回路構成図である。
以下に、本実施形態に係る電波発射源検知装置および電波発射源検知方法について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る電波発射源検知装置を示す斜視図である。同図(a)は、電波発射源検知装置を前面から見た場合の分解斜視図であり、同図(b)は、電波発射源検知装置を背面から見た場合の斜視図である。
図1(a)に示すように、電波発射源検知装置10において、アンテナ部11は、電波発射源から発射された電波を受信する。アンテナ部11の前面には、複数個のアンテナ素子12が配列されている。これらのアンテナ素子12は、互いに離間するように配列されるが、受信する電波の波長より短い間隔で配列される。
なお、本実施形態において、アンテナ素子12は複数個設けられているが、アンテナ素子は、少なくとも一つだけ設けられていればよい。
アンテナ部11の一側面には、位置センサ13、方向センサ14、および撮像部15、が備えられている。
位置センサ13は、アンテナ素子12の位置を検出するためのセンサであり、方向センサ14は、アンテナ素子12の向きを検出するためのセンサである。また、撮像部15は、例えば小型カメラであって、アンテナ素子12が向く方向を撮像する。なお、位置センサ13は、アンテナ素子12の加速度情報を二階積分する、またはアンテナ素子12の速度情報を一階積分することにより、アンテナ素子12の移動量を計測するものであってもよい。
図1(b)に示すように、アンテナ部11の背面には、演算部16および表示装置17が設けられている。演算部16および表示装置17はそれぞれ、有線または無線によって通信可能な位置であれば、他の場所に設置されてもよい。演算部16は、後述の図2に示す仮想アレイアンテナ信号生成部22、到来方向推定処理部24、到来方向記憶部25、画像化処理部26、および画像合成処理部27、を含む。
なお、図1(a)および(b)に示すように、アンテナ部11の前面には、アンテナ素子12を保護するアンテナ保護部としてのレドーム18が設けられている。また、アンテナ部11の側面のうち、位置センサ13、方向センサ14、および撮像部15、が備えられた側面と異なる側面であって、互いに対向する側面には、それぞれ、電波発射源検知装置10を支持するための支持部である取手19が設けられている。
レドーム18および取手19は、必ずしも設けられる必要はない。
図2は、第1の実施形態に係る電波発射源検知装置10の回路構成図である。図2に示すように、アンテナ素子12には、検波部20が接続されている。検波部20は、アンテナ素子12で受信した電波を、振幅および位相情報を失わない形で検波するとともに、中間周波数に周波数変換する。
検波部20には、AD変換部21が接続されている。AD変換部21は、検波部20において周波数変換された電波が有するアナログ信号をデジタル信号に変換し、振幅および位相情報を含む電波の受信データを形成する。
AD変換部21は、仮想アレイアンテナ信号生成部22に接続されている。仮想アレイアンテナ信号生成部22には、AD変換部21の他に、位置センサ13、方向センサ14、および計時部23も接続されている。仮想アレイアンテナ信号生成部22は、AD変換部21において形成された受信データと、位置センサ13および方向センサ14によって検出された位置情報および方向情報と、計時部23から得られる時間情報と、を用いて仮想アレイアンテナ信号を生成する。
仮想アレイアンテナ信号は、アンテナ素子12を複数点に移動させ、各々の点において電波を受信し、これらの受信した電波を同一時間において受信した電波であるとみなして、実際に受信した電波の位相を補正することにより生成される。以下に、具体的に説明する。
まず、アンテナ素子12が位置P0、時間T0に、D0方向を向いて存在するとする。そしてアンテナ素子12は、この位置P0、時間T0において、振幅A、位相θ0の電波を受信したとする。このとき、この位置P0に仮想アンテナを設置したとみなし、この仮想アンテナが、時間T0において振幅A、位相θ0´の仮想電波E0を受信したとみなす。
この結果、仮想アンテナの位置P0と、仮想アンテナの方向D0と、振幅Aおよび位相θ0´の各情報を含む仮想電波E0の受信データと、を含む信号として、仮想アレイアンテナ信号f0が生成される。
なお、この場合において、実際にアンテナ素子12が電波を受信した時間T0と、仮想アンテナが仮想電波を受信した時間T0とは一致するため、電波の位相θ0の補正は行われない。すなわち、仮想電波の位相θ0´は、実際の電波の位相θ0に一致する。
次に、アンテナ素子12を移動させ、アンテナ素子12が位置P1、時間T1に、D1方向を向いて存在するとする。そしてアンテナ素子12は、この位置P1、時間T1において、振幅A、位相θ1の電波を受信したとする。このとき、この位置P1において仮想アンテナを設置したとみなし、この仮想アンテナが時間T0に仮想電波を受信したとみなす。
ここで、実際には時間T1に電波を受信しているが、仮想アンテナにおいては時間T0に仮想電波を受信したとみなすため、実際に受信した電波の位相θ1を、時間T1と時間T0との差t1を用いて、以下の式(1)に従って補正する。
θ1´=θ1−2πft1(f:受信した電波の周波数)・・・(式1)
このように補正された位相θ1´が、仮想アンテナが時間T0に受信したとみなされる仮想電波の位相となる。すなわち、位置P1に仮想アンテナを設置したとみなし、この仮想アンテナが、時間T0において振幅A、位相θ1´の仮想電波E1を受信したとみなす。
この結果、仮想アンテナの位置P1と、仮想アンテナの方向D1と、振幅Aおよび位相θ1´の各情報を含む仮想電波E1の受信データと、を含む信号として、仮想アレイアンテナ信号f1が生成される。
同様に、再度アンテナ素子12を移動させ、アンテナ素子12が位置P2、時間T2に、D2方向を向いて存在するとする。そしてアンテナ素子12は、この位置P2、時間T2において、振幅A、位相θ2の電波を受信したとする。このとき、この位置P2に、仮想アンテナを設置したとみなし、この仮想アンテナが時間T0に仮想電波を受信したとみなす。
ここで、実際には時間T2に電波を受信しているが、仮想アンテナにおいては時間T0に仮想電波を受信したとみなすため、実際に受信した電波の位相θ2を、時間T2と時間T0との差t2を用い、上述した補正方法と同様に補正する。補正された位相θ2´が、仮想アンテナが時間T0に受信したとみなされる仮想電波の位相となる。すなわち、位置P2に仮想アンテナを設置したとみなし、この仮想アンテナが、時間T0において振幅A、位相θ2´の仮想電波E2を受信したとみなす。
この結果、仮想アンテナの位置P2と、仮想アンテナの方向D2と、振幅Aおよび位相θ2´の各情報を含む仮想電波E2の受信データと、を含む信号として、仮想アレイアンテナ信号f2が生成される。
全く同様に、アンテナ素子12を複数点Px(x=3、4、・・・)に移動させて時間Tx(x=3、4、・・・)において電波を受信し、これらの各電波を、Pxにおいて時間T0に受信したとみなして、各々の点Pxにおいて実際に受信した電波の位相θx(x=3、4、・・・)を仮想電波の位相θx´(x=3、4、・・・)に補正する。これにより、仮想アンテナの位置Pxと、仮想アンテナの方向Dx(x=3、4、・・・)と、振幅Aおよび位相θx´の各情報を含む仮想電波Ex(x=3、4、・・・)の受信データと、を含む信号として、仮想アレイアンテナ信号fx(x=3、4、・・・)が生成される。
仮想アレイアンテナ信号生成部22は、到来方向推定処理部24に接続されている。到来方向推定処理部24は、仮想アレイアンテナ信号生成部22で生成された仮想アレイアンテナ信号fx(x=0、1、2、・・・)に基づいて、電波の到来方向(=電波発射源の方向)を推定する。電波発射源は、2次元インターフェロメトリ法または、ビームフォーミング法、またはMUSIC法等の電波の到来方向推定手法によって推定する。
到来方向推定処理部24には、到来方向記憶部25が接続されている。到来方向記憶部25は、電波の振幅情報に基づく電波の強度情報、および推定された電波の到来方向情報を保存する。電波の到来方向情報は、任意に設定した基準方向(方向ベクトルの方向)からの角度に対応付けて保存される。
到来方向記憶部25には、画像化処理部26が接続されている。画像化処理部26は、方向センサ14により得られる方向情報に基づいて、この方向における電波の到来方向情報および電波の強度情報を到来方向記憶部25から読み出し、2次元画像に変換する。
なお、方向センサ14により得られる方向情報は、撮像部15が撮像する方向である。すなわち、画像化処理部26は、撮像部15が撮像する方向における到来方向情報および電波強度情報を、2次元画像に変換する。
画像化処理部26には、画像合成処理部27が接続されている。この画像合成処理部27には、撮像部15が接続されている。画像合成処理部27は、撮像部15が撮像した画像(例えば背景画像)に、画像化処理部26において生成された2次元画像を合成し、合成画像を生成する。
画像合成処理部27には、画像記憶部28および表示装置17が接続されている。画像記憶部28は、画像合成処理部27において生成された合成画像を保存する。表示装置17は、画像合成処理部27において生成された合成画像を直接、または画像記憶部28を介して間接的に受け取り、受け取った合成画像を表示する。
表示される合成画像は、撮像部15において撮像された画像上に、例えば半透明に色塗られた円形のマークが重ねられた画像となる。このような合成画像を表示することにより、電波の到来方向、すなわち、電波発射源の方向を視覚的に認識することができ、電波発射源の具体的な場所を容易に特定することができる。
図3は、以上に説明した電波発射源検知装置10の実際の使用方法の一例を説明するための図である。図3に示すように、電波発射源検知装置10は、例えば使用者Uが取手19を支持し、上下、左右方向に電波発射源検知装置10を移動させながら使用する。これにより、電波発射源検知装置10に、複数点において電波を受信させ、仮想アレイアンテナ信号を生成させ、電波発射源を検知させる。なお、この電波発射源検知装置10を移動、伸縮可能な三脚の上に設置し、三脚に移動の補助をさせながら電波発射源検知装置10を移動させてもよいし、機械的に制御して自動的に電波発射源検知装置10を移動させてもよい。
次に、上述の電波発射源検知装置10を用いた電波発射源検知方法について、図4を参照して説明する。図4は、電波発射源検知方法を示すフローチャート図である。
まず、仮想アレイアンテナ信号生成部22は、アンテナ素子12において受信された電波であって、AD変換部21においてこの電波に基づいて形成された受信データと、位置センサ13および方向センサ14から検出された、電波受信時のアンテナ素子12の位置情報Pxおよび方向情報Dxと、計時部23から得られる電波受信時の時間情報Txと、を取得する(S101)。
次に、例えば図3に示すようにして電波発射源検知装置10を所望の方向に移動させ、S101と同様にして、移動先の位置Px+1においてアンテナ素子12で受信された電波であって、AD変換部21においてこの電波に基づいて形成された受信データと、位置センサ13および方向センサ14から検出された、移動先の位置Px+1における電波受信時のアンテナ素子12の位置情報Px+1および方向情報Dx+1と、計時部23から得られる移動先の位置における電波受信時の時間情報Tx+1と、を取得する(S102)。
次に、仮想アレイアンテナ信号生成部22は、取得した受信データの数およびアンテナ素子の移動量が十分か否かを判断する(S103)。
受信データの数は、電波発射源検知装置10の分解能に応じて予め設定された数以上の受信データを取得しているか否かによって判断される。
また、アンテナ素子12の移動量は、アンテナ素子12が電波を受信したときの各位置情報Px、Px+1に基づいてアンテナ素子12の移動量を算出し、この算出された移動量が例えば受信電波の波長より長いか否かによって判断する。
このような判断の結果、受信データの数およびアンテナ素子の移動量のうち、少なくとも一方が十分でない、と判断された場合(S103においてNo)、上述のS101、S102の各ステップを、S103において両者が十分であると判断されるまで繰り返す。
受信データの数およびアンテナ素子の移動量の両方が十分である、と判断された場合(S103においてYes)、仮想アレイアンテナ信号生成部22は、取得した受信データと、アンテナ素子12の位置情報Pxおよび方向情報Dxと、時間情報Txと、を用いて、アンテナ素子12の位置Px毎に、仮想アレイアンテナ信号fxを生成する(S104)。これにより、アンテナ素子12の各位置Pxに仮想アンテナを設置したとみなし、これらの仮想アンテナが同一時間に仮想電波Exを受信した、とみなされる。
次に、到来方向推定処理部24は、仮想アレイアンテナ信号fxに基づいて、電波の到来方向を推定する(S105〜S108)。到来方向は、例えば以下のように推定される。以下に、電波発射源の方向を推定する方法の一例として、2次元インターフェロメトリ法によって電波発射源の方向を推定する方法を説明する。
まず、仮想アレイアンテナ信号fx(x=0、1、2、3、・・・)が有する仮想電波Ex(x=0、1、2、3、・・・)の受信データを高速フーリエ変換(以下FFTという)し、それぞれについての複素スペクトラムを得る。
その後、FFTの結果得られた複素スペクトラムを用いて、到来方向を推定したい周波数範囲について複素相関値を算出する(S105)。
次に、方向ベクトルを設定する(S106)。そして、設定された方向ベクトルに対する電波の到来方向を算出する。この算出は図5に示す座標系で計算する。図5の座標系において、たとえばX−Y平面に対して垂直なY−Z平面Pに仮想アンテナを設置したものとみなす。すなわち、各位置におけるアンテナの方向Dx(x=0、1、2、3、・・・)とX軸方向とが一致するように座標系を設定する。このような座標系において、電波の到来方向の方位角αはX軸方向を0°とし、仰角βはX−Y平面からの角度とし、上向きが正となっている。
電波の到来方向の方位角α方向および仰角β方向は、式(2)のようになる。
Figure 2014173942
次に、2個のアンテナ素子12の位置を選択し、それぞれの複素相関値と到来方向を仮定した場合の位相差の計算値との差を評価関数Fとして算出する(S107)。位置Pxにおけるアンテナ素子12の座標を式(3)のようにする。
Figure 2014173942
選択された2個のアンテナ素子12の位置(Px1、Px2)における仮想電波の位相差Bx1x2は式(4)のように期待される。
Figure 2014173942
また、評価関数Fは式(5)のようになる。
Figure 2014173942
ただし、式(5)において、*印は複素共役を示し、cx1、cx2はそれぞれ、アンテナ素子12の位置Px1、Px2における複素相関値を示す。
評価関数F(α、β)が最小となるα、βが、到来方向の推定結果となる。
このように算出されたα、βは、このときに設定された方向ベクトルの方向からの角度に対応付けて、到来方向記憶部25に保存される。
次に、計算範囲、たとえば電波発射源の方向を推定する範囲の全てについて計算したかどうかを判定する(S108)。
全ての計算範囲について計算していないと判定された場合(S108においてNo)、S106に戻り、計算範囲の全てについて計算したと判定されるまで、先に設定した方向とは異なる方向に方向ベクトルを再度設定し(S106)、設定された方向ベクトルの方向において、評価関数を計算する(S107)、ことを繰り返す。
全ての計算範囲の方向について計算したと判定された場合(S108においてYes)、到来方向の推定結果を到来方向記憶部25に出力する(S109)。
上記の手順で得られた到来方向の推定結果は、設定された方向ベクトルの方向からの角度に対応付けて、到来方向記憶部25に保存される。
次に、撮像部15を所望の方向に向け、このときに方向センサ14から得られる方向情報に基づいて、画像化処理部26は、この方向における電波の到来方向情報および電波の強度情報を到来方向記憶部25から読み出し、2次元画像に変換する(S110)。2次元画像は、たとえば所望の色で半透明に色塗られた円形のマークである。
その後、画像合成処理部27において、画像化処理部26で作成された2次元画像と撮影部15から得られた撮影画像とを重ね合わせ、合成画像を生成する(S111)。この合成画像は表示装置17に直接的または間接的に送られ、表示装置17に合成画像が表示される。
以上に説明した本実施形態に係る電波発射源検知装置および電波発射源検知方法によれば、少なくとも一本のアンテナ素子12を有し、2本以上のアンテナ素子12を有する場合であっても、これらは、受信する電波の波長より短い間隔で配列される。従って、小型化が可能な電波発射源検知装置および電波発射源検知方法を提供することができる。
(第2の実施形態)
図6は、第2の実施形態に係る電波発射源検知装置を示すブロック図である。図6に示す電波発射源検知装置においては、撮像部15において得られた画像情報を画像合成処理部27´において信号処理を行い、これによってアンテナ素子12の位置情報Pxおよびアンテナ素子12の方向情報Dxを得ることができるようになっている。従って、この電波発射源検知装置においては、位置センサおよび方向センサは設けられていない。なお、他の各構成については、第1の実施形態に係る電波発射源検知装置10と同様であるため、説明を省略する。また、このような電波発射源検知装置を用いた電波発射源検知方法についても、第1の実施形態に係る電波発射源検知方法と同様であるため、説明を省略する。
以上に説明した本実施形態に係る電波発射源検知装置および電波発射源検知方法においても、少なくとも一本のアンテナ素子12を有し、2本以上のアンテナ素子12を有する場合であっても、これらは、受信する電波の波長より短い間隔で配列される。従って、小型化が可能な電波発射源検知装置および電波発射源検知方法を提供することができる。
さらに、本実施形態に係る電波発射源検知装置および電波発射源検知方法によれば、位置センサおよび方向センサを省略することができるため、さらに小型化が可能な電波発射源検知装置および電波発射源検知方法を提供することができる。
以上に、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・電波発射源検知装置
11・・・アンテナ部
12・・・アンテナ素子
13・・・位置センサ
14・・・方向センサ
15・・・撮像部
16・・・演算部
17・・・表示装置
18・・・レドーム
19・・・取手
20・・・検波部
21・・・AD変換部
22・・・仮想アレイアンテナ信号生成部
23・・・計時部
24・・・到来方向推定処理部
25・・・到来方向記憶部
26・・・画像化処理部
27、27´・・・画像合成処理部
28・・・画像記憶部

Claims (6)

  1. 電波発射源が発射する電波を受信するアンテナ素子と、
    このアンテナ素子が複数の位置において受信する複数の前記電波のそれぞれをデジタル化し、前記電波の受信時における位相情報を含む受信データに変換するAD変換部と、
    前記アンテナ素子の位置、前記アンテナ素子の方向、前記電波を受信した時間、および前記受信データから、前記複数の電波が同一時間において前記アンテナ素子で受信されたとみなして前記受信データに含まれる前記位相情報を補正することによって、前記アンテナ素子の複数の位置にそれぞれ対応した複数の仮想アレイアンテナ信号を生成する仮想アレイアンテナ信号生成部と、
    前記複数の仮想アレイアンテナ信号に基づいて、前記電波発射源の方向を推定する到来方向推定処理部と、
    この到来方向推定処理部の推定結果を2次元画像に変換する画像化処理部と、
    前記電波発射源の方向を撮像する撮像部と、
    前記画像化処理部において変換された前記2次元画像と、前記撮像部から得られた画像と、を合成する画像合成処理部と、
    前記画像合成処理部で合成された合成画像を表示する表示装置と、
    を具備することを特徴とする電波発射源検知装置。
  2. 前記アンテナ素子を複数本有し、
    これらの複数のアンテナ素子は、前記電波の波長より短い間隔で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電波発射源検知装置。
  3. 前記到来方向推定処理部において推定された前記推定結果を保存する到来方向記憶部をさらに具備し、
    前記画像化処理部は、前記撮像部が撮像する方向に対応する前記推定結果を前記到来方向記憶部から読み出し、読み出された前記推定結果を2次元画像に変換することを特徴とする請求項1または2に記載の電波発射源検知装置。
  4. 前記アンテナ素子の位置を検出する位置センサと、
    前記アンテナ素子の方向を検出する方向センサと、
    をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電波発射源検知装置。
  5. 前記アンテナ素子の位置および前記アンテナ素子の方向は、前記撮像部において撮像された画像を画像処理することにより得ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電波発射源検知装置。
  6. アンテナ素子によって複数の位置において電波発射源が発射する電波を受信し、
    前記複数の位置において受信した複数の前記電波のそれぞれをデジタル化し、前記電波の受信時における位相情報を含む受信データに変換し、
    前記アンテナ素子の位置、前記アンテナ素子の方向、前記電波を受信した時間、および前記受信データから、前記複数の電波が同一時間において前記アンテナ素子で受信されたとみなして前記受信データに含まれる前記位相情報を補正することによって、前記アンテナ素子の複数の位置にそれぞれ対応した複数の仮想アレイアンテナ信号を生成し、
    前記複数の仮想アレイアンテナ信号に基づいて、前記電波発射源の方向を推定し、
    この推定結果を2次元画像に変換し、
    前記電波発射源の方向を撮像し、
    前記2次元画像と、前記電波発射源の方向を撮像することにより得られた画像と、を合成し、
    合成された合成画像を表示する
    ことを具備することを特徴とする電波発射源検知方法。
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