JP2014172028A - 油汚染土の浄化方法 - Google Patents

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博和 辻
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将司 泉田
Yoshihiro Yanagisawa
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Abstract

【課題】従来の油汚染土の浄化方法やそれらの組み合わせでは、油膜や油臭が残り、未だ改善の余地があった。
【解決手段】従来の浄化方法の後、その土壌に対しサーファクチン、或いはその塩を用いて更に浄化することにより、油臭や油膜を取り除く事ができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、油汚染土の浄化方法に関する。
原油や重油などの油分に汚染された土壌が各地で社会問題となっている。例えば、各種製造工場やガソリンスタンドなどの跡地、海難事故により流出した原油や重油に汚染された海浜の砂浜などが挙げられる。これら汚染土壌は、それ自体が地中の生態系に大きな影響を与えるだけでなく、近辺の地下水や河川、海水の汚染にも繋がるため、水生生物や人の生活への影響も無視できない。このような背景のもと、油汚染土の浄化方法としては、細菌やカビなど微生物の分解能力を利用して、環境中の汚染物質を分解無害化するバイオレメディエーション(特許文献1)や、そのバイオレメディエーションに水洗浄や分級操作を組み合わせた方法(特許文献2)などが知られている。
特開2009−285630号公報 特許3748000号
しかしながら、これまでのバイオレメディエーションや水洗浄との組み合わせでは、油臭や油膜を十分には取り除けておらず、更に洗浄などの再処理を追加する必要があった。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、これまでの浄化方法により粗方の油分を取り除いた油汚染土に、サーファクチン、或いはその塩を散布、混合する工程を加えることにより、油臭や油膜の除去効果が向上することを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、サーファクチン、或いはその塩を用いた油汚染土の浄化方法に関する。
本発明にかかる浄化方法では、バイオレメディエーションや土壌洗浄等との組み合わせでは除くことができなかった油臭、油膜を、少量のサーファクチン、或いはその塩を使用することで、簡便に取り除くことができる。
サーファクチンによる油汚染土の油臭、油膜除去効果を評価、検討する試験を説明する図であって、(a)模擬油汚染土を模した湿潤の砂がシャーレに入れられており、水が散布された状態、(b)模擬油汚染土に水を散布して1日経過した状態、(c)模擬油汚染土にサーファクチンナトリウム水溶液を散布して1日経過した状態を表す図。
本発明について、以下に詳述する。
本発明にかかる浄化方法は、所定の浄化処理工程が行われた油汚染土に対してサーファクチン、或いはその塩を散布、混合する工程を含む、ことを特徴とする。ここで、所定の浄化処理工程とは、従来公知の洗浄方法や分級、微生物分解などのバイオレメディエーションが含まれる。
サーファクチン、或いはその塩は、化学合成法の他、微生物、例えば、バチラス・サチラス(Bacillus subtilis)等のバチラス属細菌により生産されるものが挙げられる。ここで、サーファクチンは、下記式(1)で表される(以下、化合物(1)とする)。
式(1)中、*は光学活性点を表す。
Xは、L−ロイシン、D−ロイシン、L−イソロイシン、D−イソロイシン、およびL−バリン、D−バリンから選ばれる、いずれか1種のアミノ酸を表す。
Rは、炭素数1〜20の直鎖アルキル基または分岐アルキル基を表す。
ここで、炭素数1〜20の直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−イコサニル基などが挙げられる。
また、炭素数1〜20の分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、イソヘキシル基、7−メチルオクチル基、8−メチルノニル基、9−メチルデシル基、10−メチルウンデシル基、11−メチルドデシル基、6−メチルオクチル基、7−メチルノニル基、8−メチルデシル基、9−メチルウンデシル基、10−メチルドデシル基などが挙げられる。
これらは、1または2以上の置換基で置換されていてもよい。置換基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、フェニル基などのアリール基、アルカノイル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、または置換されていても良いアンモニウムなどを挙げることができ、サーファクチンと塩を形成するものであれば特に限定されるものではない。尚、塩を形成する以外のものとしては、水素が挙げられる。
ここで、アルカリ金属としては特に限定されないが、リチウム、ナトリウム、カリウムなどを表す。
アルカリ土類金属としては特に限定されないが、ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどを表す。
アンモニウムは、サーファクチンと塩を形成するものであれば特に限定されず、置換されていても良い。このようなアンモニウムとしては、無置換アンモニウムの他、一置換アンモニウム、二置換アンモニウム、三置換アンモニウムおよび四置換アンモニウムが挙げられる。
アンモニウムの置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基、ベンジル基、メチルベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基、フェニル基、トルイル基、キシリル基等のアリール基等の有機基が挙げられる。
アンモニウムとしては、より具体的には、メチルアンモニウム、エチルアンモニウム、ベンジルアンモニウム、アニリニウム、ジエチルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、ピロリジニウム、モルホリニウム、N−ベンジル−N−エチルアンモニウム、N−エチルアニリニウム、トリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ピリジニウム等が挙げられる。これらの有機基は、更に1または2以上の置換基で置換されていても良い。
サーファクチン、或いはその塩は精製品であってもよく、未精製、例えば培養液のまま使用することも出来る。
サーファクチン、或いはその塩を使用する際の形態は、例えば、粉末状、溶液状、泡状、ペースト状等、特に限定されるものではないが、好ましい使用形態は、水溶液である。
本発明におけるサーファクチン、或いはその塩の使用量は、特に制限はされないが、油汚染土1トンに対する純分の重量(g)で、下限値は、0.001g以上、好ましくは0.01g以上、最も好ましくは0.1g以上であり、上限値は、500g以下、好ましくは100g以下、更に好ましくは50g以下、最も好ましくは30g以下である。
尚、本発明における浄化処理方法では、サーファクチン、或いはその塩以外に、通常、浄化処理に用いられている添加剤を特に制限なく使用することができる。浄化に用いられる成分としては、例えば、マンノシルエリスリトールリピッドやソホロリピッド、スピクリスポール酸、エマルザン、アルスロファクチンなどのバイオサーファクタント、グリセリンなどの多価アルコール、パルミチン酸、ミリスチン酸などの高級脂肪酸、及びその誘導体、ラウリルアルコール、セチルアルコールなどの高級アルコール、及びその誘導体、クエン酸、酒石酸、乳酸等の有機酸、及びその誘導体、ポリオキシエチレンアルキルエーテルや多価アルコール脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩やポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルベタインなどの両性のベタイン型界面活性剤、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、アルギン酸ナトリウムなどの水溶性高分子、コハク酸、炭酸塩、炭酸水素酸塩などのpH調整剤、L−グルタミン酸二酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩、フィチン酸塩などのキレート剤、ペクチン、キサンタンガムなどの増粘剤、エチレングリコールや不凍タンパク質などの不凍成分、苛性塩、アンモニアなどの塩基、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、メタノールやエタノールなどの低級アルコール、フレーバー、防腐剤、水等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記成分の中でも、浄化処理中にサーファクチン、或いはその塩の乳化能が阻害されることを防止する目的で、カルボキシルを複数有する成分を用いることが好ましい。例えば、L−グルタミン酸二酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、リンゴ酸塩、グルコン酸塩、フィチン酸塩などのキレート剤が挙げられ、中でも、汎用性、経済性の観点からクエン酸塩が好ましい。
尚、キレート剤の金属塩は特に制限されず、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属が挙げられる。
キレート剤の使用量は、特に制限されないが、汚染土や水などに含まれるマグネシウムやカルシウムに対して、例えばモル当量で下限値は、0.1モル以上、好ましくは0.5モル以上、更に好ましくは1モル以上、最も好ましくは2モル以上であり、上限値は、30モル以下、好ましくは10モル以下、更に好ましくは5モル以下である。
前述した添加剤、例えば、キレート剤を添加する時期は、特に制限されず、サーファクチン、或いはその塩と同時に添加しても良く、サーファクチン、或いはその塩を使用する前に添加しても良い。
サーファクチン、或いはその塩、及び前述した添加剤、例えば、キレート剤を散布する方法は特に制限されず、ノズル、ホース、ポンプの組み合わせなどが挙げられる。
サーファクチン、或いはその塩、及び前述した添加剤、例えば、キレート剤と汚染土を混合する方法としては、容器内でシャベルなどを用いて人為的に混合する方法の他、汚染土をコンベアで連続的に混合槽に投入し、同時に、サーファクチン、或いはその塩、及び前述した添加剤、例えば、キレート剤を混合槽に連続投入する自動混合システムなどが挙げられるが、これらに限られたものではない。なお、混合した後は、分級機や遠心機などで洗浄、分離することで洗浄後の土壌は自然界に戻すことができる。
汚染土を汚染現場から容器などに移さない場合は、サーファクチン、或いはその塩、及び前述した添加剤、例えば、キレート剤を現場に散布した後、シャベルや耕耘機などを用いて混合する方法が挙げられる。この場合、サーファクチンナトリウムは生分解性を有するため、土壌との分離工程を省略することも可能である。
油臭や油膜の評価方法は、特に制限されないが、例えば、平成18年3月22日付環境省通知「油汚染対策ガイドライン―鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方―」の資料4、油臭及び油膜の測定方法に提示されている(表1)。油臭の測定方法はパネラーによる官能評価試験であり、油膜は水に投入あるいは浸した際の油膜の発生状況の視覚評価試験である。
油臭の判定は、「その強度レベルの目安を下記の表2に一例を示すように、6段階評価するものである。どの程度をもって油臭ありと判断するかはケースバイケースである。」とされている。
本願発明者の知見によれば、多くの場合、油臭強度レベルで、0あるいは1が油汚染土の浄化処理の到達レベルに設定されている。
一方、油膜の判定について、上述した平成18年3月22日付環境省通知の資料4では「試験操作の結果、液面に油膜が視認された場合、また、液面に、黒色又は白色の油膜が浮遊している場合や、光の干渉による干渉縞の形成又は鈍い銀色の輝きが視認された場合、油膜が生じたものと判定する。」とあるように油膜の有無のみを評価している。油膜の程度は、上記資料に明記されていないため、個々の事業主体によっては、油汚染土の浄化工事などの実績と経験から、例えば、下記の表3に示すように5段階で評価している。この評価では多くの場合、油膜強度レベルで、0あるいは1が油汚染土の浄化処理の到達レベルに設定されている。
これら油臭、油膜の到達レベルを満たすため、これまでは煩雑な洗浄操作を繰り返していたが、本発明にかかる浄化方法によると、油臭や油膜を効率良く除くことができる。
以下に本発明の具体的な実施例を示す。しかし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
油臭・油膜の除去効果試験
所定の浄化処理が行われた油汚染土を作成すべく、工事現場の地下水に混入していた機械油0.25mlを湿潤した砂100gに添加した。充分混合した後、45℃で一晩乾燥した後、水を散布して約500ppmの模擬油汚染土を作製した(有姿約500g)。
模擬汚染土を2つのシャーレに5gずつ採取し、純水、或いは純水にて3ppmに調製したサーファクチンナトリウム水溶液6mlをそれぞれ散布し、油膜の発生状況を1日後に観察した(図1(a)(b)(c))。その結果、純水の場合は、前述した表2、或いは3に例示されている評価方法で、油膜の強度レベルが「2:油膜あり」であり、臭気レベルは「1:やっと感知できる臭い」であったが、サーファクチンナトリウムを散布したものでは、「0:油膜なし」であり、臭気は「0:無臭」であった。尚、使用したサーファクチンナトリウムは市販品(純度90%以上)である。
(実施例2〜4)
サーファクチンナトリウムの散布量検討
実施例1と同様に調製した模擬油汚染土100gずつを4つのシャーレに取り、各シャーレには、表4記載の濃度となるように純水で調製したサーファクチンナトリウム水溶液1種類を10ml散布して、充分混合した後、容器を密閉し静置した。水溶液の散布直後、1日後における模擬油汚染土の油膜の発生状況を観察した。油膜の測定は表1に示すビーカー法を用いて測定を行い、油膜の程度は、表3に例示されている油膜強度レベルで評価した。この結果を表4に示す。
(比較例1)
実施例2〜4のサーファクチンナトリウム水溶液を純水に置き換えた以外は同様に実施した。結果を表4に示す。
表に示しているように、サーファクチンナトリウムの散布量が土壌1トンに対して0.3gであっても時間の経過と共に油膜強度レベルは低減し、2週間では「1:ごく小さな油滴ないし油痕がみとめられる」にまで低下した。尚、臭気についても、わずかに臭気があった純水の試験区に比べ、サーファクチンナトリウムを用いた試験区では、何れもほぼ無臭であった。因みに、発明者が、この他に複数回行った同様の試験、検討でも、サーファクチンナトリウムを、土壌1トンに対して0.3g使用する試験区(例えば、実施例2の条件)では、上記と同様に時間の経過と共に油膜強度レベルが低下し、表2の評価方法で0〜1のレベルに落ち着いており、ほぼ無臭であった。
(実施例5〜8)
キレート剤の効果確認試験1:カルシウム塩を含む模擬油汚染土を使用
所定の浄化処理が行われた油汚染土を作成すべく、工事現場の地下水に混入していた機械油と軽油との混合油0.6g(オイル含量;0.1重量%)を水で湿った砂600gに添加し、充分混合した後45℃で一晩乾燥した。更に水を散布して模擬油汚染土を作製した。
模擬油汚染土100gずつを3つに分けて取り、それぞれに100mg/Lの塩化カルシウム水溶液2mlを添加して、カルシウム塩を含む模擬油汚染土を作製した。表5の水準となるように、土壌100gに対して、サーファクチンナトリウムの純分が0.3mgとなる水溶液を散布、混合した。尚、キレート剤を使用する試験区には500mg/Lのクエン酸ナトリウム水溶液2ml(模擬油汚染土中の塩化カルシウムに対して2モル当量に相当)を散布した後、サーファクチンナトリウム水溶液を散布した。散布、混合してから1日経過後の油膜の様子を表1で示されているビーカー法により評価した。その結果を表5に示す。
(比較例2、3)
実施例5、7において、サーファクチンナトリウム水溶液を純水に置き換えた以外は同様に実施した。結果を表5に示す。
表に示すように、油汚染土中にカルシウム塩を含む場合、サーファクチンナトリウムの油膜除去効果は阻害されることが分かる(実施例7)。一方、油汚染土に塩化カルシウムが含まれていてもキレート剤を使用することで(実施例8)、サーファクチンナトリウムの油膜除去効果は改善され、油膜強度レベルは「0:油膜なし」であった。臭気については、わずかに臭気があった比較例の試験区に比べ、サーファクチンナトリウムを用いた試験区では、何れもほぼ無臭であった。
(実施例9〜11)
キレート剤の効果確認試験2:カルシウム塩を含む井戸水の模擬液を使用
所定の浄化処理が行われた油汚染土を作成すべく、工事現場の地下水に混入していた機械油0.25mlを湿潤した砂100gに添加した。充分混合した後、45℃で一晩乾燥した後、水を散布し約500ppmの模擬汚染土を作製した(有姿約500g)。
井戸水の模擬液を作製すべく、サーファクチンナトリウムを30ppm含む水溶液、及びサーファクチンナトリウムと塩化カルシウムをそれぞれ30ppm含む水溶液、更にサーファクチンナトリウムと塩化カルシウムとクエン酸ナトリウムをそれぞれ30ppm含む水溶液、計3種を調製した。3つのシャーレに模擬汚染土100gずつ取り、各シャーレには、調製した水溶液1種ずつ10ml散布して、充分混合した後、容器を密閉し静置した。水溶液の1日経過後におけるそれぞれの模擬油汚染土の油膜・油臭の発生状況を観察した。油膜の測定は表1に示すビーカー法を用いて測定し、油膜の程度は、表3に例示されている油膜強度レベルで評価した。この結果を表6に示す。
(比較例4)
実施例9において、サーファクチンナトリウム水溶液を純水に置き換えた以外は同様に実施した。結果を表6に示す。
表に示しているように、塩化カルシウムを含む井戸水の模擬液であっても、キレート剤を共存させておくことで(実施例11)、サーファクチンナトリウムの油膜除去効果は顕著に低下することなく、油膜強度レベルは「1」と問題ないレベルであった。臭気については、わずかに臭気があった純水の試験区に比べ、サーファクチンナトリウムの効果を認めた試験区(実施例9〜11)においては、いずれもほぼ無臭であった。
このように、本発明によれば油汚染土の浄化方法において、サーファクチン、或いはその塩を用いることより、簡便に効率よく、油臭や油膜を除くことができる。

Claims (6)

  1. 所定の浄化処理が行われた油汚染土に対して、下記式(1):
    (式中、*は光学活性点を表す。Xは、ロイシン、イソロイシン、バリン、から選ばれるアミノ酸を表し、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜20の直鎖アルキル基、または分岐アルキル基を表す。Mは、水素、或いはアルカリ金属、アルカリ土類金属、置換されていてもよいアンモニウムなどを表す。)で表されるサーファクチン、またはその塩を散布、混合する工程を含む、油汚染土の浄化方法。
  2. 前記油汚染土の浄化方法において、前記油汚染土が、前記所定の浄化処理で、サーファクチン、或いは、その塩が使用されていない油汚染土である請求項1に記載の浄化方法。
  3. 前記油汚染土の浄化方法において、添加剤を混合する請求項1から2に記載の浄化方法。
  4. 前記添加剤がキレート剤である請求項3に記載の浄化方法。
  5. 前記添加剤をサーファクチン、或いはその塩を添加する前、或いは同時に、前記油汚染土と混合する請求項3又は4に記載の浄化方法。
  6. サーファクチン、或いはその塩の使用量が、前記油汚染土1トンに対して、0.3g以上、30g以下である請求項1から5に記載の浄化方法。
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