JP2014170109A5 - - Google Patents

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上記目的を達成するため、本発明に係る回折光学素子は、格子面および格子壁面を備えた回折格子と、前記格子壁面に配置され、使用波長帯域の光に対して透明な薄膜と、を有し、前記薄膜のd線に対する屈折率をnfd、前記回折格子の材料のd線に対する屈折率をngd、前記薄膜の膜厚をwfd線の波長をλdとするとき、以下の式を満たすことを特徴とする。
1.7≦nfd≦2.2
0.05<nfd−ngd<0.5
0.01<(nfd−ngd)*wf/λd<0.05
また、本発明に係る別の回折光学素子は、第1の格子面および第1の格子壁面を備えた第1の回折格子と、第2の格子面および第2の格子壁面を備えた第2の回折格子と、前記第1の格子壁面と前記第2の格子壁面との間に配置され、使用波長帯域の光に対して透明な薄膜と、を有し、前記第1および第2の回折格子のd線に対する屈折率を夫々nd1およびnd2、前記薄膜のd線に対する屈折率をnfd、前記薄膜の膜厚をwf、d線の波長をλd、とするとき、以下の式を満たすことを特徴とする。
nd1<nd2
0.05<nfd−nd2<0.5
0.01<(nfd−nd2)*wf/λd<0.05
また、本発明に係る光学系、光学機器は上記回折光学素子を有することを特徴とする。
本発明は、格子壁面の高屈折率薄膜によって高屈折率薄膜内部に一部の光束が閉じ込められ、全反射による多重反射を介して光導波路のように伝播し、射出された後に薄膜内を透過しない光束と干渉することを利用している。この光導波路の条件を最適化すると回折格子から射出した光が設計回折次数の回折光に結合する条件となり、この結果、設計次数の回折効率が向上し、設計次数±1次の回折効率を低減することを見出した。鋭意検討した結果、好ましい条件として、式(1a)、(1b)、(2)を得た。
1.7≦nfd≦2.2 (1a)
0.05<nfd−ngd<0.5 (1b)
0.01<(nfd−ngd)*wf/λd<0.05 (2)
ただし、nfdは薄膜のd線での屈折率、ngdは回折格子(第1の回折格子がなく、第2の回折格子だけで構成される場合)の材料のd線での屈折率、wfは薄膜の膜厚、λdはd線の波長である。
本実施例においては、不要光は、格子壁面付近に入射する入射光束b(図1(b)(c))の一部が薄膜20の内部に閉じ込められ、光導波路のように伝播し、これらの光束が射出後に干渉する結果、像面に到達する光束が比較例よりも減少していると考えられる。
以下、表1に上記実施例1乃至6の結果をまとめた表を示す。nd1は回折格子11のd線の屈折率、nd2は回折格子12のd線の屈折率である。nfは薄膜の屈折率、wfは薄膜の膜幅、である。なお、表1に示されるように、以下の式が満たされている。
1.7≦nfd≦2.2
0.0≦kfd≦0.05

Claims (18)

  1. 格子面および格子壁面を備えた回折格子と、
    前記格子壁面に配置され、使用波長帯域の光に対して透明な薄膜と、
    を有し、
    前記薄膜のd線に対する屈折率をnfd、前記回折格子の材料のd線に対する屈折率をngd、前記薄膜の膜厚をwfd線の波長をλdとするとき、以下の式を満たすことを特徴とする回折光学素子。
    1.7≦nfd≦2.2
    0.05<nfd−ngd<0.5
    0.01<(nfd−ngd)*wf/λd<0.05
  2. 前記薄膜d線に対する消衰係数をkfd、前記回折格子d線に対する消衰係数をkgdとするとき、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
    0≦kfd−kgd<0.5
  3. 前記薄膜は、前記格子壁面から前記格子面まで連続して設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 前記回折格子設計次数、+1次または−1次であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  5. 前記回折格子の格子ピッチ、80μm以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 第1の格子面および第1の格子壁面を備えた第1の回折格子と、
    第2の格子面および第2の格子壁面を備えた第2の回折格子と、
    前記第1の格子壁面前記第2の格子壁面との間に配置され、使用波長帯域の光に対して透明な薄膜と、
    を有し、
    前記第1および第2の回折格子d線に対する屈折率を夫々nd1およびnd2前記薄膜d線に対する屈折率をnfd、前記薄膜の膜厚をwfd線の波長をλdとするとき、
    以下の式を満たすことを特徴とする回折光学素子。
    nd1<nd2
    0.05<nfd−nd2<0.5
    0.01<(nfd−nd2)*wf/λd<0.05
  7. 前記第1の格子面前記第2の格子面とは互いに密着接合されており前記第1の格子壁面と前記第2の格子壁面とは前記薄膜を介して互いに接合されていることを特徴とする請求項6に記載の回折光学素子。
  8. 前記薄膜d線に対する消衰係数をkfd、前記第2の回折格子d線に対する消衰係数をkgdとするとき、以下の式を満たすことを特徴とする請求項6または7に記載の回折光学素子。
    0≦kfd−kgd<0.5
  9. 前記薄膜は、前記第2の格子壁面から前記第2の格子面まで連続して設けられていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか項に記載の回折光学素子。
  10. 前記第1および第2の回折格子夫々の格子高さをd1およびd2前記第1および第2の回折格子のd線に対するアッべ数を夫々νd1およびνd2、可視波長帯域内の波長をλ、とするとき、以下の式を満たすことを特徴とする請求項6乃至9のいずれか項に記載の回折光学素子。
    νd1<25
    νd2>35
    0.940≦(n12×d1−n11×d2)/(m×λ)≦1.060
  11. 前記第1および第2の回折格子の設計次数、+1次または−1次であることを特徴とする請求項6乃至10のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  12. 前記第1および第2の回折格子の格子ピッチ、80μm以上であることを特徴とする請求項6乃至11のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  13. 前記薄膜のd線に対する消衰係数をkfdとするとき、以下の式を満たすことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の回折光学素子。
    0.0≦kfd≦0.05
  14. 以下の式を満たすことを特徴とする請求項13に記載の回折光学素子。
    kfd=0.0
  15. 前記薄膜の前記格子壁面と接する面に入射する光束の一部は、前記薄膜の内部で複数回全反射して前記薄膜の内部から出射することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  16. 前記薄膜の内部から出射した光束と前記薄膜の内部に入射しない光束とが干渉することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  17. 請求項1乃至16のうちいずれか1項に記載の回折光学素子と、回折光学素子からの光を制限する絞りとを有することを特徴とする光学系。
  18. 請求項17に記載の光学系と、該光学系を保持する鏡筒と、を有することを特徴とする光学機器。
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