JP2014169481A - 竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法 - Google Patents

竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法において、コークスのガス化を効果的に抑制してコークス使用量を削減する。
【解決手段】炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層xが、炉中央部に偏在した状態でコークス層cと接するように形成される。原料層xとコークス層cとの接触を少なくすることにより、コークスの反応性が抑制され、その結果、コークスのガス化が抑制され、コークス使用量を削減することができる。
【選択図】図6

Description

本発明は、竪型溶解炉を用い、コークスを主たる熱源として鉄系スクラップを主体とする鉄源を溶解し、溶銑を製造する方法に関する。
キュポラやシャフト炉などの製鉄用竪型溶解炉では、鉄源とコークス等の熱源として働く物質を炉頂部から装入し、炉下部から空気又は酸素富化した空気を常温又は高温にして吹き込んでいる。コークス等の燃焼により発生する熱を鉄源に与え溶解することで溶銑を製造している。
例えば、鋳物工場における竪型溶解炉においては、外部から購入した銑鉄や、自所で発生した銑鉄の屑を鉄源として使用している。一方、主として鉄系スクラップを鉄源として銑鉄を生産する竪型溶解炉も存在している。ここでは便宜上、前者をキュポラ、後者をシャフト炉と呼ぶことにする。
キュポラやシャフト炉では、主として使用する鉄源は異なるが、コークスの燃焼熱を利用して鉄源を溶解することは共通である。
熱源或いは還元材としては、一般にコークスが用いられるが、補助として微粉炭や廃プラスチックを送風に同伴させて吹込むことも実施されている。
また、鉄源の一部として、酸化鉄を主体とした塊状の鉄鉱石、粉状の鉄鉱石を焼結したいわゆる焼結鉱、粉状の鉄鉱石を造粒したペレット、製鉄所で発生する鉄分を含むダストを塊成化したダスト塊成化物などを炉頂部から装入する場合もある。なお、ダストを塊成化する理由は、竪型溶解炉では炉下部から炉頂部に向かうガスの流れがあり、粉体のままでは炉頂装入したダストの一部又は全部がガス流に同伴して炉外に排出されてしまい、溶銑を得ることができないためである。
鉄源である酸化鉄は、炉頂部から装入された後、時間と共に炉下方の高温領域に降下していき、還元性のガス(COガス)またはコークスと接触して還元・溶融反応が進み、溶銑(溶融銑鉄)を得ることが可能である。
熱源として使用されるコークスは8〜13mass%程度の灰分を含有しており、また、鉄源中にも鉄以外の元素が含有されており、これらはいわゆるスラグ(鉱滓)として溶銑とともに竪型溶解炉から排出される必要がある。これら灰分などの鉄以外の物質は一般に融点が高く、そのままでは竪型溶解炉から排出し難いため、石灰石や珪石などの造滓剤(スラグ成分調整用の副原料)を添加して融点を下げることが広く行われている。
一方、コークスは送風中の酸素と反応して燃焼し、二酸化炭素(CO)と熱を発生する(下記(1)式)。発生したCOはコークスをガス化させ一酸化炭素(CO)となるが、この反応は吸熱反応である(下記(2)式)。したがって、吸熱反応を抑制できればコークス比の低減が可能である。高価なコークスの使用量が低減できれば、溶銑製造コストを削減することができる(なお、下記(1),(2)式は非特許文献1による)。
C+O2=CO2 (ΔH0 298=-393.5kJ/mol:発熱) …(1)
C+CO2=2CO (ΔH0 298=172.4kJ/mol:吸熱) …(2)
上記(2)式の反応を抑制するには、炭素(コークス)とCOガスの接触を断てばよいことは容易に理解できる。このことから、特許文献1には、コークスの表面を泥漿又は粉末などのような反応を抑制する物質で被覆することにより、燃料・還元材の反応を抑制する方法が提案されている。特許文献1には、反応を抑制する物質として、石灰、マグネシア系の塩基性物質、アルミナ系の中性無機物、珪石系などの酸性無機物、FeSiなどの合金鉄粉を主材とする粉末や、これらの粉末を液体で溶いた泥漿が挙げられている。
特開2000−328079号公報
日本金属学会編、金属化学入門シリーズ2鉄鋼製錬、丸善株式会社、2000年、p.34
しかし、特許文献1の方法は、コークスの表面を被覆するために被覆用の材料を微粉砕するコストが生じるとともに、被覆用の材料を水溶するための水槽やコークスへの被覆材の噴霧装置などの設備が必要となるため、多大な費用を要する。したがって、特許文献1の方法は、一定の効果は有するものの、実用的には実施困難な方法であると言える。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法において、コークスのガス化を効果的に抑制してコークス使用量を削減することができるとともに、コークスに特別な処理を施すことなく低コストで実施可能な溶銑製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく実験と検討を重ねた結果、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、原燃料の分布状態、特にCaOを比較的多く含む原料層とコークス層との関係を最適化することだけで、コークスのガス化を効果的に抑制できることを見出した。さらに、SiO含有量が高い原料層とコークス層との関係を最適化することにより、コークスのガス化をより効果的に抑制できることが判った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法であって、
炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)が、炉中央部に偏在した状態でコークス層(c)と接するように形成されることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
[2]上記[1]の製造方法において、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、SiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層(y)が、コークス層(c)と接した状態で形成されることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
[3]上記[1]又は[2]の製造方法において、CaO含有量が5mass%以上の原料は、少なくとも、CaO系造滓剤、鉄含有ダスト及び/又は鉄含有スラッジの塊成化物の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層は、少なくとも、鉄系スクラップ層(s)、コークス層(c)、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)、及びSiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層(y)で構成されるとともに、各層は下記(i)〜(iv)のいずれかの形態で形成されることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
(i)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層(c)、炉中央部に原料層(x)がそれぞれ形成され、前記コークス層(c)の上層に原料層(y)が形成される。
(ii)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層(c)、炉中央部の下部側に原料層(x)、炉中央部の上部側に原料層(y)がそれぞれ形成される。
(iii)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層にコークス層(c)が形成され、その上層の炉壁周辺部に原料層(y)、炉中央部に原料層(x)がそれぞれ形成される。
(iv)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層(c)、炉中央部の下部側に原料層(y)、炉中央部の上部側に原料層(x)がそれぞれ形成される。
[5]上記[4]の製造方法において、底部に開放可能なゲートを備えたバケットに原燃料を装入し、該バケット内の原燃料層は、少なくとも、鉄系スクラップ層(s)、コークス層(c)、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)、及びSiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層(y)で構成されるとともに、各層が下記(ア)〜(エ)のいずれかの形態で形成されるようにし、
(ア)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部に原料層(x)がそれぞれ形成され、前記コークス層(c)の上層に原料層(y)が形成される。
(イ)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部の下部側に原料層(x)、バケット中央部の上部側に原料層(y)がそれぞれ形成される。
(ウ)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層にコークス層(c)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部に原料層(y)、バケット中央部に原料層(x)がそれぞれ形成される。
(エ)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部の下部側に原料層(y)、バケット中央部の上部側に原料層(x)がそれぞれ形成される。
炉頂部において前記バケット底部のゲートを開放することにより、バケット内の原燃料を炉内に装入することを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
[6]上記[4]の製造方法において、底部に開放可能なゲートを備えたバケットに原燃料を装入し、該バケット内の原燃料層は、少なくとも、鉄系スクラップ層(s)、コークス層(c)及びCaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)で構成されるとともに、各層が下記(1)又は(2)の形態で形成されるようにし、
(1)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部に原料層(x)がそれぞれ形成される。
(2)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層にコークス層(c)が形成され、その上層のバケット中央部に原料層(x)が形成される。
炉頂部において前記バケット底部のゲートを開放することにより、バケット内の原燃料を炉内に装入した後、炉頂部に設けられた装入シュートからSiO含有量が95mass%以上の原料を炉内に装入することにより、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、各層が(i)又は(iii)の形態で形成されることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
本発明によれば、竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法において、吸熱反応であるコークスのガス化反応が効果的に抑制されるため、ガス利用率が高められ、コークス使用量を削減することができる。また、本発明法は、コークスに特別な処理を施すことなく低コストに実施することができるため、コークス使用量を削減できることと相俟って、溶銑を低コストに製造することができる。
材料充填層がコークス単独である場合と、コークスと他の材料との混合物である場合について、コークスガス化速度を調べた試験結果を示すグラフ コークスガス化速度を定量するために用いた試験装置を示す説明図 材料充填層におけるコークスのガス化反応の状況を示す模式図 コークスと接触する原料中のCaO含有量、SiO含有量がコークスのガス化反応速度に及ぼす影響を示すグラフ 本発明の実施に供される竪型溶解炉と、この竪型溶解炉に対する原燃料の装入方法の一実施形態を示す説明図 本発明法における炉内での原燃料層の分布状態(装入状態)を示す説明図 バケットに入れた原燃料を炉内に装入する場合において、図6に示される原燃料層の分布状態(装入状態)を得るためのバケット内での原燃料層の分布状態(装入状態)を示す説明図 図7(A)に示すバケット内での原燃料層の分布状態(装入状態)を得るための、原燃料のバケット内への装入手順を示す説明図 図7(B)に示すバケット内での原燃料層の分布状態(装入状態)を得るための、原燃料のバケット内への装入手順を示す説明図 図7(C)に示すバケット内での原燃料層の分布状態(装入状態)を得るための、原燃料のバケット内への装入手順を示す説明図 図7(D)に示すバケット内での原燃料層の分布状態(装入状態)を得るための、原燃料のバケット内への装入手順を示す説明図 バケット内壁周辺部に原燃料を装入するための装入用ガイドを示すもので、図(A)は平面図、図(B)は側面図 バケット中央部に原燃料を装入するための装入用ガイドを示すもので、図(A)は平面図、図(B)は側面図 バケットに入れた原燃料を炉内に装入する場合において、従来法におけるバケット内での原燃料層の分布状態(装入状態)を示す説明図 従来法における原燃料のバケット内への装入手順を示す説明図 本発明の実施に供される竪型溶解炉と、この竪型溶解炉に対する原燃料の装入方法の他の実施形態を示す説明図 図16の方法で原燃料を装入することで炉内に形成された原燃料層を示す説明図
本発明者らは、図2に示す試験炉を用い、コークスのCOとの反応性を調査した。竪型の環状管炉内部にルツボを配し、その内部にコークスと副原料又はダスト塊成化物を混合して充填した。副原料としては石灰石又は珪石を用いた。ダスト塊成化物とは、製鉄所内で発生する鉄分含有ダストを竪型溶解炉での還元・溶解によるリサイクルが可能なように、セメントにより塊状に成形・固化させたものである。細粒ダストをそのまま竪型溶解炉に装入すると通気性を悪化させ、コークスの燃焼に必要な空気が送り込めなくなるため、通常は、粒径が10〜100mm程度の大きさに塊成化して使用される。
反応温度は上部から挿入した熱電対により測定した。材料充填層(コークスと副原料又はダスト塊成化物の混合物の充填層)へのガスの均一な分配を達成するため、材料充填層の下部にはアルミナ球を充填した。この充填部を通じて装置下部から炉内にCOとNの混合ガスを導入し、質量の変化を上皿天秤にて計測した。
コークスは粒径20mm程度のものを50g用い、コークス単独でのガス化試験の場合には、コークスのみをルツボに充填した。コークスと石灰石又は珪石の混合物のガス化試験、コークスとダスト塊成化物の混合物のガス化試験の場合には、コークスの粒径や充填量は上記と同一とし、石灰石、珪石、ダスト塊成化物をコークスと同一粒径に調整した。石灰石若しくは珪石又はダスト塊成化物をコークスに10g程度均一に混合した。
試験条件としては、温度は竪型溶解炉内の標準的条件である1300℃とし、雰囲気はCOが35vol%で、残りがNの混合ガスとした。上記(2)式の反応が生じると炭素がガス化して質量が減少していくので、材料充填層の単位体積当たりの質量減少速度を算出し、これをガス化反応速度とした。
コークス単独の場合、コークスと石灰石を混合した場合、コークスと珪石を混合した場合の各試験結果を図1に示す。この図1では、コークス単独の場合のガス化反応速度を“1.0”とし、副原料(珪石、石灰石)との混合条件でのコークスのガス化反応速度を指数化して示した。この試験結果では、コークスと珪石を混合した場合はガス化速度がやや遅くなり、コークスと石灰石と混合した場合はガス化反応速度が増大した。
試験に用いた副原料(石灰石、珪石)の組成と、ダスト塊成化物を構成するダスト(A,B)及びポルトランドセメントの組成を、コークスの灰分組成ととともに表1に示す。珪石の主成分はSiOであるが、石灰石の主成分はCaOであり、両副原料の主成分は異なっている。また、コークス灰分の主たる成分はSiOとAlである。
Figure 2014169481
ガス化反応試験の結果は、充填物粒子の成分の違いにより、それぞれ以下のようなガス化反応が生じたためであると考えられる。以下、図3を用いて説明する。
まず、図3(A)に示されるコークス単独の場合、コークスのガス化により表面の炭素がガス化すると、その表面には灰分が残留する。この灰分は、上述したようにSiO及びAlからなる極めて高融点のものであり、容易には溶け落ちることはない。結果的にコークスの表面を覆い、反応ガスとの接触を妨げるので、ガス化速度はそれほど速くない。
また、図3(B)に示されるコークスと珪石を混合した場合(コークス粒子と珪石が接触している場合)、上記と同様にコークスのガス化によりコークス灰分が生成する。このコークス灰分は接触している珪石と反応することが考えられるが、SiOを主成分とする珪石とSiO及びAlからなるコークス灰分が反応してもその融点に大きな変化は生じない。したがって、コークスと珪石が接触している部分の面積は反応ガスとの接触が妨げられるので、コークスのガス化反応面積が減少し、ガス化速度は低下するものと考えられる。
一方、図3(C)に示されるコークスと石灰石を混合した場合(コークス粒子と石灰石が接触している場合)、ガス化により生成したコークス灰分が石灰石と反応することが考えられる。石灰石の主成分であるCaOは単体での融点は2567℃と極めて高いが、コークス灰分に含まれるSiO、Alと容易に化合物を生成し、融点が低下する。この場合の最低の融点は1170℃程度である。したがって、コークス灰分と石灰石の反応により生成する低融点の化合物が溶融し溶け落ちると、コークスの表面が清浄化され、コークス粒子表面の炭素とCOの接触が促進されるため見かけのコークスのガス化反応面積が増加し、COと炭素の反応が促進されるものと考えられる。
以上のことから、CaOの含有率が高い物質については、コークスとなるべく接触しないように装入することにより、コークスの反応性を抑制することが可能であると考えられる。一方、珪石のようなSiOの含有率が高い物質については、コークスとなるべく接触するように装入すれば、コークスの反応性の抑制に有効であると考えられる。
次に、コークスのガス化が促進される物質のCaO含有率の限界値とコークスのガス化を抑制する物質のSiO含有率の限界値について検討した。表1に示すダストA、ダストBとポルトランドセメント(バインダー)を用い、さらに必要に応じて珪石、石灰石を用いてダスト塊成化物を作成した。その際、ダストA、ダストB及びポルトランドセメントの配合を調整するとともに、必要に応じて珪石、石灰石を添加することで、CaO含有量が異なるダスト塊成化物とSiO含有量が異なるダスト塊成化物を得た。ダスト塊成化物をコークスと混合してルツボ内に装入し、上述したと同様のガス化試験を行った。その結果を図4に示す。この図4は、ダスト塊成化物のCaO含有量とコークスのガス化反応速度との関係(図4(a),(b))、ダスト塊成化物のSiO含有量とコークスのガス化反応速度との関係(図4(c),(d))をそれぞれ示したもので、コークス単独の場合のガス化反応速度を“1.0”とし、各場合におけるガス化反応速度を指数化して示した。なお、図4(b)は、図4(a)のCaO含有量2〜8mass%の部分を拡大したものであり、図4(d)は、図4(c)のSiO含有量92〜98mass%の部分を拡大したものである。
このガス化試験の結果、図4(a),(b)に示すように、コークスに接する物質のCaO含有量が5mass%以上となると、ガス化促進に切り替わることが判った。また、図4(c),(d)に示すように、コークスに接する物質のSiO含有量が95mass%以上となると、ガス化抑制に切り替わることが判った。
以上の試験結果から、炉内での原燃料の装入状態については、以下のようなことが言える。CaO含有量が5mass%以上の副原料やダスト塊成化物はガス化反応を促進することから、竪型溶解炉に装入しないことが望ましいが、石灰石などの副原料はコークス灰分を滓化して炉内から排出を容易にするために装入する必要があり、また、ダスト塊成化物は鉄源として装入する場合がある。したがって、このような物質は、なるべくコークスと接触しないように装入することが好ましい。このため、例えば、CaO含有量が5mass%以上の副原料やダスト塊成化物は、竪型溶解炉内でコークスと同心円状になるように装入することが好ましい。具体的には、炉中央部に同物質を装入し、その外側の炉壁周辺部にコークスを装入することが好ましい。一方、SiO含有量が95mass%以上の原料(通常、副原料)は、コークス粒子と接触することによりガス化反応を抑制することから、コークスとなるべく接触するような状態に装入することが好ましい。
本発明において、炉内に装入される主たる原燃料は、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤である。
鉄系スクラップには、鉄スクラップや鋳物スクラップなどがあるが、これらの1種以上を用いることができ、鉄源はこのような鉄系スクラップを主体とする(すなわち、鉄系スクラップの割合が50mass%以上)ものである。鉄系スクラップ以外の鉄源としては、鉄含有ダスト及び/又は鉄含有スラッジの塊成化物(以下、説明の便宜上、「鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物」という)、塊状の鉄鉱石、焼結鉱(粉状鉄鉱石を焼結したもの)、粉状鉄鉱石の造粒ペレットなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。なお、鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物の詳細については、後述する。
造滓剤としては、石灰石、珪石などが挙げられ、これらの1種以上を用いることができる。
また、以上の原燃料以外に、微粉炭、木炭、廃プラスチックなどの炭材を炉内に装入又は吹き込むようにしてもよい。
少なくとも、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤からなる原燃料は、竪型溶解炉の炉頂部から一定時間毎に装入され、各1回分の原燃料装入により炉内に原燃料層が形成される。原燃料の装入方法は、(I)底部に開放可能なゲートを備えたバケットに原燃料を装入し、炉頂部においてバケット底部のゲートを開放することにより、バケット内の原燃料を炉内に装入する方法、(II)炉頂部に設けられた装入シュートから原燃料を炉内に装入する方法、(III)上記(I)と(II)を併用する方法、などがある。これらのなかでは、(I)の方法が最も一般的である。
原燃料が装入された竪型溶解炉内では、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑が製造される。
図5は、本発明の実施に供される竪型溶解炉と、この竪型溶解炉に対する原燃料の装入方法の一例を示している。炉本体1は通常円筒型をしており、炉頂部から原燃料を重力により装入する。この実施形態では、上記(I)の方法で原燃料の炉内装入を行う。すなわち、原燃料(図5では鉄系スクラップ3、コークス4及び造滓剤5)を入れたバケット2を炉頂部へ移動させ、バケット底部のゲート20を開いて原燃料を落下させ、原燃料を炉内に装入する。バケット2は形状、大きさなど様々であるが、基本的に原燃料を炉本体1に装入する機能があれば、どのような形式のものでもよい。なお、図5はバケット2を縦断面した状態で示しているが、その断面のハッチングは省略してある。
炉本体1の下部には周方向に複数の羽口7(送風口)が設置されている。送風機(図示しない)により送風される空気又は酸素富化空気は、環状管6(ヘッダー管)を経て各羽口7に導入され、この羽口7から炉本体1内に吹き込まれる。送風される空気又は酸素富化空気は常温でもよいし、昇温(例えば、数百℃)したものでもよい。昇温にはそのための設備が必要で、燃料も必要となるが、その分コークス使用量を低減できるため、適宜、経済性を考慮して選択すればよい。炉本体1内では、空気又は酸素富化空気がコークスを燃焼させ、これにより生じた燃焼熱により鉄源が溶解し、溶銑が生成する。一方、コークス4の灰分は造滓剤5と反応し、溶融してスラグとなる。溶銑及びスラグは出銑口8から溶融状態のまま炉外に排出される。
本発明法では、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層xが、炉中央部に偏在した状態でコークス層cと接するように形成される。
また、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、SiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層yは、コークス層cと接した状態で形成されることが好ましい。
ここで、炉壁周辺部とは、炉体水平断面において炉壁寄りの環状領域、炉中央部とは、その内側の領域である。
CaO含有量が5mass%以上の原料としては、石灰石などのCaO系造滓剤が代表例であるが、例えば、鉄源である鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物も、ポルトランドセメントなどのようなバインダーに含まれるCaOにより、CaO含有量が5mass%以上となる場合があり、このような塊成化物はCaO含有量が5mass%以上の原料となる。また、焼結鉱や粉状鉄鉱石の造粒ペレットなどについても同様である。したがって、CaO含有量が5mass%以上の原料は、少なくとも、これらの中から選ばれる1種以上である。
SiO含有量が95mass%以上の原料としては、珪石などの非CaO系造滓剤が代表例であるが、これに限定されない。
以下、本発明のより具体的な実施形態を説明する。
なお、以下に説明する図6は炉本体1を縦断面した状態で示しており、また、図7〜図11及び図14〜図16はバケット2を縦断面した状態で示しているが、それらの断面のハッチングは省略してある。
本発明のより具体的な実施形態では、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層Aは、少なくとも、鉄系スクラップ層s、コークス層c、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層x、及びSiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層yで構成されるとともに、各層が下記(i)〜(iv)のいずれかの形態で形成される。
(i) 図6(A)に示されるように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c(コークス4)、炉中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成され、前記コークス層cの上層に原料層y(例えば、珪石5a)が形成される。
(ii) 図6(B)に示されるように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c(コークス4)、炉中央部の下部側に原料層x(例えば、石灰石5b)、炉中央部の上部側に原料層y(例えば、珪石5a)がそれぞれ形成される。
(iii) 図6(C)に示されるように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層にコークス層c(コークス4)が形成され、その上層の炉壁周辺部に原料層y(例えば、珪石5a)、炉中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成される。
(iv) 図6(D)に示されるように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c(コークス4)、炉中央部の下部側に原料層y(例えば、珪石5a)、炉中央部の上部側に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成される。
以上の(i)〜(iv)の形態(図6(A)〜(D)の形態)のうち、コークスとCaO含有量が5mass%以上の原料との接触をなるべく少なくできることによる効果の度合いは、(i),(ii),(iv)>(iii)である。一方、コークスとSiO含有量が95mass%以上の原料との接触をなるべく多くできることによる効果の度合いは、(i)>(iii)>(ii),(iv)である。したがって、上記の両効果による総合的な効果としては、(i)>(ii),(iii),(iv)ということになる。
なお、本発明の実施形態は、図6(A)〜(D)のものに限定されるものではない。
図6のような原燃料層Aを、図5に示すようなバケット2を用いた原燃料の装入方法(上述した(I)の方法)で形成するには、以下のような方法を採ることができる。
一般に、従来法におけるバケット2内での原燃料の分布状態(装入状態)は、図14に示すように、最下層に鉄系スクラップ3、その上にコークス4、さらにその上に副原料である石灰石5b(CaO系造滓剤=CaO含有量が5mass%以上の原料)と珪石5a(SiO含有量が95mass%以上の原料)を、それぞれ層状に分布させており、バケット2から炉内に装入された場合にも、この分布状態が維持される。
これに対して、炉内に図6のような原燃料層Aを形成するには、バケット2内に原燃料を装入する際に、バケット2内の原燃料層Aが、少なくとも、鉄系スクラップ層s、コークス層c、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層x、及びSiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層yで構成されるとともに、各層が下記(ア)〜(エ)のいずれかの形態で形成されるようにする。
なお、下記(ア)〜(エ)におけるバケット内壁周辺部とは、バケット水平断面においてバケット壁面寄りの環状領域、バケット中央部とは、その内側の領域である。
(ア) 図7(A)に示すように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層c(コークス4)、バケット中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成され、前記コークス層cの上層に原料層y(例えば、珪石5a)が形成されるようにする。
(イ) 図7(B)に示すように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層c(コークス4)、バケット中央部の下部側に原料層x(例えば、石灰石5b)、バケット中央部の上部側に原料層y(例えば、珪石5a)がそれぞれ形成されるようにする。
(ウ) 図7(C)に示すように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層にコークス層c(コークス4)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部に原料層y(例えば、珪石5a)、バケット中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成されるようにする。
(エ) 図7(D)に示すように、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層c(コークス4)、バケット中央部の下部側に原料層y(例えば、珪石5a)、バケット中央部の上部側に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成されるようにする。
そして、図5に示すように炉頂部においてバケット底部のゲート20を開放することにより、バケット2内の原燃料を炉内に装入する。この際、バケット2内の原燃料層Aの分布状態はそのまま維持され、炉内に図6に示される原燃料層Aが形成される。つまり、図7(A)により図6(A)の原燃料層Aが、図7(B)により図6(B)の原燃料層Aが、図7(C)により図6(C)の原燃料層Aが、図7(D)により図6(D)の原燃料層Aが、それぞれ形成される。
上記のようにバケット2内での分布状態(装入状態)が制御された原燃料が、竪型溶解炉内に装入される際に混合してしまい、分布が乱れることが懸念されたため、炉外においてバケット底部からの原燃料の排出挙動を観察した。その結果、最下層に鉄系スクラップを配置した場合は、バケット底部のゲート20が全開となってはじめてバケット2内の原燃料が排出され、原燃料はほぼ垂直に落下することが判った。さらに、炉本体1の装入面はほぼ水平であることから、落下した原燃料はバケット2内の堆積形状がほぼ維持された状態で炉本体1内に堆積し、図6に示される原燃料層Aが形成されることが判った。
試みに、バケット2内に堆積させる原燃料の順番を、下層側から副原料(原料層x及び原料層y)、コークス(コークス層c)、鉄系スクラップ(鉄系スクラップ層s)とし、下層側から上層側にかけて細粒〜粗粒になるようにした場合には、バケット底部のゲート20が開きはじめると同時に下層側の副原料の流出が開始し、バケット2内の下層の中央部にある原料が先に排出されるため、炉本体1内での原燃料の堆積形状は、バケット2内の堆積形状を維持できないことが判った。したがって、バケット2内に原燃料を装入する際には、鉄系スクラップから先に装入し、最下層に鉄系スクラップ層sが形成されることが望ましい。
次に、バケット2内に図7(A)〜(D)のような原燃料層Aを形成する方法について説明する。ここでは、CaO含有量が5mass%以上の原料が石灰石5b、CaO含有量が5mass%未満の原料が珪石5aである場合について説明する。
図15は、図14に対応した従来のバケット2内への原燃料の装入方法を示している。4つのホッパー9a〜9dは、それぞれスクラップ装入用ホッパー9a、コークス装入用ホッパー9b、石灰石装入用ホッパー9c、珪石装入用ホッパー9dである。バケット2は、まず最初にスクラップ装入用ホッパー9aの下で所定量の鉄スクラップ3が装入され、次いで、コークス装入用ホッパー9bの下に移動して、ここで所定量のコークス4が装入される。次に、バケット2は石灰石装入用ホッパー9cの下に移動して所定量の石灰石5bが装入され、最後に珪石装入用ホッパー9dの下に移動して所定量の珪石5aが装入される。この結果、バケット2内の原燃料は、図14のように層状に積み重ねられた状態となる。
一方、図8〜図11は、バケット2内に図7(A)〜(D)に示す原燃料層Aを形成するための装入方法を示している。
図8は、バケット2内に図7(A)に示す原燃料層Aを形成するための装入方法であり、まず最初にバケット2は、スクラップ装入用ホッパー9aの下で所定量のスクラップ3を装入され、次いで、コークス装入用ホッパー9bの下に移動して、ここで所定量のコークス4が装入される。その際に、予め筒状の装入用ガイド12をバケット2の中心部に配置するとともに、笠形状をした装入用ガイド10をホッパーとバケット2間(装入用ガイド12の上端位置)に配置しておくと、コークス4は装入用ガイド12の外側(バケット内壁周辺部)にのみ装入される。次に、バケット2は石灰石装入用ホッパー9cの下に移動して所定量の石灰石5bが装入されるが、その際には、石灰石5bを筒状の装入用ガイド12の内部にのみ装入するようにする。なお、この装入時に、リング状で上面110が求心方向に下向きに傾斜した装入用ガイド11をホッパーとバケット2間に配置してもよい。その後、装入用ガイド12を抜き出し、最後に珪石装入用ホッパー9dの下に移動して珪石5aが装入されるが、その際、笠形状をした装入用ガイド10をホッパーとバケット2間に配置しておくことで、珪石5aをコークス4の上部のバケット内壁周辺部にのみ装入することができる。なお、珪石5aの装入は、装入用ガイド12を抜き出す前に行ってもよい。以上により、バケット2内への原燃料の装入が完了する。
図12はバケット内壁周辺部にのみ原燃料を装入するための装入用ガイド10を示すもので、図(A)は平面図、図(B)は側面図である。また、図13はバケット中央部にのみ原燃料を装入するための装入用ガイド11を示すもので、図(A)は平面図、図(B)は側面図である。
また、図9は、バケット2内に図7(B)に示す原燃料層Aを形成するための装入方法であり、まず最初にバケット2は、スクラップ装入用ホッパー9aの下で所定量のスクラップ3を装入され、次いで、コークス装入用ホッパー9bの下に移動して、ここで所定量のコークス4が装入される。その際に、図8と同様に、予め筒状の装入用ガイド12をバケット2の中心部に配置するとともに、笠形状をした装入用ガイド10をホッパーとバケット2間(装入用ガイド12の上端位置)に配置しておくと、コークス4は装入用ガイド12の外側(バケット内壁周辺部)にのみ装入される。次に、バケット2は石灰石装入用ホッパー9cの下と、珪石装入用ホッパー9dの下に順次移動して所定量の石灰石5bと珪石5aが順次装入されるが、その際には、石灰石5bと珪石5aをそれぞれ筒状の装入用ガイド12の内部にのみ装入するようにする。これにより、装入用ガイド12内の下部側に石灰石5bの層が、上部側に珪石5aの層がそれぞれ形成される。なお、この装入時に、リング状で上面110が求心方向に下向きに傾斜した装入用ガイド11をホッパーとバケット2間に配置してもよい。その後、装入用ガイド12を抜き出し、バケット2内への原料の装入が完了する。
また、図10は、バケット2内に図7(C)に示す原燃料層Aを形成するための装入方法であり、バケット2は、まず最初にスクラップ装入用ホッパー9aの下で所定量の鉄系スクラップ3が装入され、次いで、コークス装入用ホッパー9bの下に移動して、ここで所定量のコークス4が装入される。次に、バケット2は珪石装入用ホッパー9dの下に移動して所定量の珪石5aが装入されるが、その際に、笠形状をした装入用ガイド10をホッパーとバケット2間に配置しておくことで、珪石5aをバケット内壁周辺部にのみ装入することができる。バケット2は、最後に石灰石装入用ホッパー9cの下に移動して所定量の石灰石5bが装入される。その際に、リング状で上面110が求心方向に下向きに傾斜した装入用ガイド11をホッパーとバケット2間に配置しておくことで、石灰石5bをバケット中央部にのみ装入することができる。以上により、バケット2内への原燃料の装入が完了する。
また、図11は、バケット2内に図7(D)に示す原燃料層Aを形成するための装入方法であり、まず最初にバケット2は、スクラップ装入用ホッパー9aの下で所定量のスクラップ3を装入され、次いで、コークス装入用ホッパー9bの下に移動して、ここで所定量のコークス4が装入される。その際に、図8と同様に、予め筒状の装入用ガイド12をバケット2の中心部に配置するとともに、笠形状をした装入用ガイド10をホッパーとバケット2間(装入用ガイド12の上端位置)に配置しておくと、コークス4は装入用ガイド12の外側(バケット内壁周辺部)にのみ装入される。次に、バケット2は珪石装入用ホッパー9dの下と、石灰石装入用ホッパー9cの下に順次移動して所定量の珪石5aと石灰石5bが順次装入されるが、その際には、珪石5aと石灰石5bをそれぞれ筒状の装入用ガイド12の内部にのみ装入するようにする。これにより、装入用ガイド12内の下部側に珪石5aの層が、上部側に石灰石5bの層がそれぞれ形成される。なお、この装入時に、リング状で上面110が求心方向に下向きに傾斜した装入用ガイド11をホッパーとバケット2間に配置してもよい。その後、装入用ガイド12を抜き出し、バケット2内への原料の装入が完了する。
以上説明したのは、バケット2を利用して炉内に原燃料を装入するに際して、バケット内の原燃料の装入状態(原燃料層Aの形態)を調整することで、炉内での原燃料の装入状態(原燃料層Aの形態)を制御する手法であるが、竪型溶解炉の炉本体1の装入機構(例えば、炉頂に設置された装入シュートなど)を利用して、炉内での原燃料の装入状態(原燃料層Aの形態)を制御するようにしてもよい(上述した(II),(III)の方法)。
図16の実施形態は、鉄系スクラップ、コークス及び造滓剤の一部をバケット2を用いて炉内に装入するとともに、炉本体1の炉頂部に特定の装入装置(装入シュート13)を設置し、この装入装置を利用して造滓剤などの一部を装入するようにしたものである。
この実施形態では、底部に開放可能なゲート20を備えたバケット2に、SiO含有量が95mass%以上の原料以外の原燃料を装入し、このバケット2から炉内への原燃料装入を行う。バケット2内の原燃料層Aは、少なくとも、鉄系スクラップ層s、コークス層c及びCaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層xで構成されるとともに、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層にコークス層c(コークス4)が形成され、その上層のバケット中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)が形成されるようにする。
そして、炉頂部において前記バケット底部のゲート20を開放することにより、バケット2内の原燃料を炉内に装入した後、炉頂部に設けられた装入シュート13からSiO含有量が95mass%以上の原料(例えば、珪石5a)を炉内に装入することにより、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層Aにおいて、各層が前記(iii)の形態で形成されるようにするものである。図17は、そのようにして炉内に形成された前記(iii)の形態の原燃料層Aを示しており、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層にコークス層c(コークス4)が形成され、その上層の炉中心部に原料層x(例えば、石灰石5b)、炉壁周辺部に原料層y(例えば、珪石5a)がそれぞれ形成される。
また、他の実施形態として、前記バケット2には、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層c(コークス4)、バケット中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成されるようにしてもよい。この場合、炉頂部において前記バケット底部のゲート20を開放することにより、バケット2内の原燃料を炉内に装入した後、炉頂部に設けられた装入シュート13からSiO含有量が95mass%以上の原料(例えば、珪石5a)を炉内に装入することにより、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層Aにおいて、各層が前記(i)の形態で形成される。すなわち、最下層に鉄系スクラップ層s(鉄系スクラップ3)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c(コークス4)、炉中央部に原料層x(例えば、石灰石5b)がそれぞれ形成され、前記コークス層cの上層に原料層y(例えば、珪石5a)が形成される。
前記装入シュート13は、炉本体1の炉頂部の複数箇所に設けられるが、炉体周方向で4箇所以上に設けることが好ましく、特に、羽口7と同数程度とすることがより好ましい。装入シュート13の下部には流量調整弁14を設け、任意のタイミングで所定の量の原料(SiO含有量が95mass%以上の原料)を装入できるようにする。
次に、鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物について説明する。
鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物は、鉄含有ダスト、鉄含有スラッジの1種以上又はこれを主体とする原料を塊状に固めたものであればよく、したがって塊成化物の種類や製法を問わないが、一般には、鉄含有ダスト、鉄含有スラッジの1種以上に水硬性バインダーを配合し、さらに必要に応じて還元用の炭材粉などを配合した原料に水を加えて混合した後、成形し、この成形物を水和硬化させて塊成化物としたものが用いられる。
前記鉄含有ダストは、酸化鉄及び/又は金属鉄を含むダストであり、その種類に特に制限はないが、代表的なものとしては、鉄鋼製造プロセスで生じる製鋼ダストを挙げることができる。この製鋼ダストには、溶銑予備処理工程で生じる溶銑予備処理ダスト、転炉脱炭工程で生じる転炉ダスト、電気炉で生じる電気炉ダストなどが含まれる。これらの製鋼ダストは、製鋼工程で発生した排ガスから集塵することにより回収されたものである。また、製鋼ダスト以外の鉄含有ダストとしては、例えば、高炉ダスト、圧延ダストなどがある。
また、前記鉄含有スラッジは、酸化鉄及び/又は金属鉄を含むスラッジであり、その種類に特に制限はないが、上述したような各種ダストが湿式集塵機で捕集されることでスラッジ化したものが、代表例として挙げられる。
前記水硬性バインダーとしては、例えば、ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメント、フライアッシュセメントなどの各種セメント、高炉水砕スラグ微粉末、生石灰などの1種以上を用いることができる。原料中の水硬性バインダーの配合量は、強度の発現及びスラグ生成量の抑制の観点から、一般に2〜25mass%程度とすることが好ましい。
成形工程は、型枠を用いた成形、押し出し成形、ロールプレス成形など任意の方式で行うことができるが、成形物を高密度にすると鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物は高強度化する傾向があるため、できるだけ高密度化に成形することが好ましい。このため原料と水の混合物を圧縮成形し、または加振しつつ圧縮成形することが好ましい。具体的には、ブリケット成形機、プレス成形機、押出成形機などのような圧縮成形機や、これに加振機能を持たせたものなどを用いて成形することが好ましい。
成形物の形状は任意であるが、炉に装入した際の粉化をなるべく抑えるために角部が少ない方が好ましい。また、成形物の大きさも任意であるが、あまり小さいと竪型溶解炉に装入した際に炉の圧力損失を増大させ、一方、あまり大きいと竪型溶解炉に装入した際に塊成化物の中心部の昇温遅れによる還元・溶解遅れを生じるので、一般には容積で20〜2000cc程度のサイズが好ましい。
原料と水の混合物を成形して得られた成形物は、水硬性バインダーにより水和硬化させるため、一定期間養生させる。この養生の方法や期間は任意であり、例えば、蒸気による一次養生を行った後、大気下での二次養生を行ってもよい。養生期間は、養生スペースや生産性などの面からはなるべく短い方が好ましいが、養生後の必要強度に応じて適宜選択すればよい。一般には1〜7日間程度が好ましい。
また、鉄含有ダスト/スラッジ塊成化物としては、上述したような水硬性バインダーを用いて成形体を水和硬化させる製法以外の方法で製造されたものでもよい。例えば、水硬性バインダー以外のバインダー(例えば、糖蜜や有機バインダー)を用いて成形体を固化させることにより得られたものでもよい。
炉内径が3.4mの竪型溶解炉を用いて鉄系スクラップをコークスの燃焼熱を用いて溶解し、溶銑(銑鉄)を製造した。
使用した原燃料の組成を表2に示す。鉄源は需給および経済性を考慮して複数の種類のものを混合して用いるのが一般的である。本実施例では、広く一般に用いられている(社)日本鉄源協会が制定する鉄スクラップ規格のうち、H2に相当するものを主として用いた(スクラップA)。この規格はスクラップのサイズに係わるものであり、成分の規格はないが、微量ではあるが付着する土砂などにより鉄以外の不純物を含んでいる。スラグ成分設計のためにはこれら不純物濃度が必要であるため、表2には鉄以外の組成に関して推定値を記載したが、ロットにより成分は変動するため、必ずしも成分が同一である必要はない。また、スクラップBは製鉄所内で発生した銑鉄の屑である。
ダストA,Bは製鉄所内で発生するさまざまな粉状物のうち代表的なもの2種であり、これらに水硬性のポルトランドセメント(バインダー)と適量の水分を加えて混合した後、50mmの塊状に成型し、所定時間養生して固化させ、ダスト塊成化物とした。このダスト塊成化物のCaO含有量は9mass%である。ダスト中の鉄分は、多くの場合酸化鉄の形で含有されるが、鉄源として竪型溶解炉において還元・溶融して溶銑とすることが可能である。鉄源以外としては、熱源であるコークス、造滓剤(スラグ成分調整用の副原料)である石灰石及び珪石を用いた。石灰石、ダスト塊成化物はCaO含有量が5mass%以上の原料、珪石はSiO含有量が95mass%以上の原料に該当する。
なお、スラグの流動性を保つために、スラグ塩基度(スラグ中のCaO濃度(mass%)をSiO濃度(mass%)で除した値)が一定値(0.92)となるように、造滓剤の配合量を適宜調整した。
表3に、本発明例と比較例の操業条件と排ガス組成などを示す。
Figure 2014169481
Figure 2014169481
本発明例1は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。図5に示すようにバケット2を用いて炉頂部から原燃料装入を行い、炉内の原燃料層Aが図6(A)の形態、すなわち、最下層に鉄系スクラップ層sが形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c、炉中央部に原料層x(石灰石層)がそれぞれ形成され、前記コークス層cの上層に原料層y(珪石層)が形成されるようにした。
この本発明例1では、低融点のスラグが生成してコークスの表面が清浄化され、ガス化反応が促進されるようなことがなかったため、ガス利用率は比較的高めであり、コークス比も180kg/tと低位であった。
本発明例2は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。図5に示すようにバケット2を用いて炉頂部から原燃料装入を行い、炉内の原燃料層Aが図6(B)の形態、すなわち、最下層に鉄系スクラップ層sが形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c、炉中央部の下部側に原料層x(石灰石層)、炉中央部の上部側に原料層y(珪石層)がそれぞれ形成されるようにした。
この本発明例2では、低融点のスラグが生成してコークスの表面が清浄化され、ガス化反応が促進されるようなことがなかったため、ガス利用率は比較的高めであり、コークス比も182kg/tと低位であった。
本発明例3は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスクラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。図5に示すようにバケット2を用いて炉頂部から原燃料装入を行い、炉内の原燃料層Aが図6(C)の形態、すなわち、最下層に鉄系スクラップ層sが形成され、その上層にコークス層cが形成され、その上層の炉壁周辺部に原料層y(珪石層)、炉中央部に原料層x(石灰石層)がそれぞれ形成されるようにした。
この本発明例3では、低融点のスラグが生成してコークスの表面が清浄化され、ガス化反応が促進されるようなことがなかったため、ガス利用率は比較的高めであり、コークス比も185kg/tと低位であった。
本発明例4は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。図5に示すようにバケット2を用いて炉頂部から原燃料装入を行い、炉内の原燃料層Aが図6(D)の形態、すなわち、最下層に鉄系スクラップ層sが形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層c、炉中央部の下部側に原料層y(珪石層)、炉中央部の上部側に原料層x(石灰石層)がそれぞれ形成されるようにした。
この本発明例4では、低融点のスラグが生成してコークスの表面が清浄化され、ガス化反応が促進されるようなことがなかったため、ガス利用率は比較的高めであり、コークス比も183kg/tと低位であった。
比較例1は、出銑量が70t/hrであり、鉄源としてスラップAを900kg/t、スクラップBを120kg/t装入した。バケット2内に図14に示すような状態で原燃料を入れ、図5に示すようにバケット2を用いて炉頂部から原燃料装入を行った。炉内の原燃料層では、下層側から鉄系スクラップ層、コークス層、石灰石層、珪石層がそれぞれ均一に形成された。
この比較例1では、低融点のスラグが生成してコークスの表面を清浄化し、ガス化反応を促進するためにガス利用率は低下し、コークス比も201kg/tと高位となった。
1 炉本体
2 バケット
3 鉄系スクラップ
4 コークス
5 造滓剤
5a 珪石
5b 石灰石
6 環状管
7 羽口
8 出銑口
9a,9b,9c,9d ホッパー
10,11,12 装入用ガイド
13 装入シュート
14 流量調整弁
20 ゲート
110 上面
A,A 原燃料層
s,s 鉄系スクラップ層
c,c コークス層
x,x CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層
y,y SiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層

Claims (6)

  1. 竪型溶解炉の炉頂部から、原燃料として、鉄系スクラップを主体とする鉄源、コークス及び造滓剤を装入し、鉄源を主にコークスの燃焼熱により溶解して溶銑を製造する方法であって、
    炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)が、炉中央部に偏在した状態でコークス層(c)と接するように形成されることを特徴とする竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
  2. 炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、SiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層(y)が、コークス層(c)と接した状態で形成されることを特徴とする請求項1に記載の竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
  3. CaO含有量が5mass%以上の原料は、少なくとも、CaO系造滓剤、鉄含有ダスト及び/又は鉄含有スラッジの塊成化物の中から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
  4. 炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層は、少なくとも、鉄系スクラップ層(s)、コークス層(c)、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)、及びSiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層(y)で構成されるとともに、各層は下記(i)〜(iv)のいずれかの形態で形成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
    (i)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層(c)、炉中央部に原料層(x)がそれぞれ形成され、前記コークス層(c)の上層に原料層(y)が形成される。
    (ii)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層(c)、炉中央部の下部側に原料層(x)、炉中央部の上部側に原料層(y)がそれぞれ形成される。
    (iii)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層にコークス層(c)が形成され、その上層の炉壁周辺部に原料層(y)、炉中央部に原料層(x)がそれぞれ形成される。
    (iv)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層の炉壁周辺部にコークス層(c)、炉中央部の下部側に原料層(y)、炉中央部の上部側に原料層(x)がそれぞれ形成される。
  5. 底部に開放可能なゲートを備えたバケットに原燃料を装入し、該バケット内の原燃料層は、少なくとも、鉄系スクラップ層(s)、コークス層(c)、CaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)、及びSiO含有量が95mass%以上の原料からなる原料層(y)で構成されるとともに、各層が下記(ア)〜(エ)のいずれかの形態で形成されるようにし、
    (ア)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部に原料層(x)がそれぞれ形成され、前記コークス層(c)の上層に原料層(y)が形成される。
    (イ)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部の下部側に原料層(x)、バケット中央部の上部側に原料層(y)がそれぞれ形成される。
    (ウ)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層にコークス層(c)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部に原料層(y)、バケット中央部に原料層(x)がそれぞれ形成される。
    (エ)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部の下部側に原料層(y)、バケット中央部の上部側に原料層(x)がそれぞれ形成される。
    炉頂部において前記バケット底部のゲートを開放することにより、バケット内の原燃料を炉内に装入することを特徴とする請求項4に記載の竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
  6. 底部に開放可能なゲートを備えたバケットに原燃料を装入し、該バケット内の原燃料層は、少なくとも、鉄系スクラップ層(s)、コークス層(c)及びCaO含有量が5mass%以上の原料からなる原料層(x)で構成されるとともに、各層が下記(1)又は(2)の形態で形成されるようにし、
    (1)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層のバケット内壁周辺部にコークス層(c)、バケット中央部に原料層(x)がそれぞれ形成される。
    (2)最下層に鉄系スクラップ層(s)が形成され、その上層にコークス層(c)が形成され、その上層のバケット中央部に原料層(x)が形成される。
    炉頂部において前記バケット底部のゲートを開放することにより、バケット内の原燃料を炉内に装入した後、炉頂部に設けられた装入シュートからSiO含有量が95mass%以上の原料を炉内に装入することにより、炉頂部からの1回分の原燃料装入で形成される原燃料層において、各層が(i)又は(iii)の形態で形成されることを特徴とする請求項4に記載の竪型溶解炉を用いた溶銑の製造方法。
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