JP2014168625A - 超音波探触子 - Google Patents

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Abstract

【課題】体腔内挿入型プローブにおいて、内部ユニットをプローブヘッドケース内にしっかり固定できるようにする。また、内部ユニットにおける電子回路基板からの排熱を効果的に行えるようにする。
【解決手段】内部ユニット(内部アセンブリ)は、振動子ユニット20、中継基板22、電子回路基板24及びバッキング部材26を有する。バッキング部材26はバッキングケース33内に収容されつつ保持され、バッキングケース33はプローブヘッドケースとしての放熱シェル16の内面に形成された2つの凹部によって保持される。電子回路基板24の背面における周辺領域には排熱シートが接合される。排熱シートが有する後ウイング30及び前ウイング32はバッキングケース33に接合される。
【選択図】図1

Description

本発明は超音波探触子に関し、特に、二次元アレイ振動子を有する体腔内挿入型超音波探触子に関する。
医療の分野において超音波診断装置が活用されている。超音波診断装置は、生体に対して超音波を送受波し、これにより得られた受信信号に基づいて超音波画像を形成する装置である。超音波の送受波は超音波探触子(プローブ)によって実行される。様々なプローブが実用化されており、その中には体腔内挿入型プローブが含まれる。体腔内挿入型プローブは、食道、直腸、膣等に挿入され、体内において超音波の送受波を行うものである。その内で、経食プローブは食道へ挿入されるプローブであり、より詳しくは、食道内において心臓に対して超音波を送受波するためのプローブである。
近時、三次元超音波診断が普及しつつある。この技術は、生体内の三次元空間に対して超音波を送受波することによりボリュームデータを取得し、そのボリュームデータに基づいて三次元空間を表す三次元画像や三次元空間の任意断面を表す二次元断層画像等を形成するものである。三次元空間に対して超音波を送受波するために、プローブヘッド内には、一般に、二次元アレイ振動子が設けられる。二次元アレイ振動子は、二次元配列された複数の振動素子(例えば数千個の振動素子)によって構成される。
特許文献1には、三次元超音波診断のための経食プローブが開示されている。その経食プローブのヘッド内に振動子ユニットが配置されており、その振動子ユニットは、生体組織側から順に配設された、二次元アレイ振動子、インターフェイス層、電子回路(集積回路)、バッキング層、ヒートシンク等を有するものである。電子回路は、チャンネルリダクションを行う回路であり、すなわち、信号線の本数を削減するための回路である。ヒートシンクは電子回路で生じる熱を奪う回路である。
特表2005−507581号公報
体腔内挿入型プローブにおいては、内部ユニットをプローブヘッド内にしっかりと固定する必要がある。ここで内部ユニットは、例えば、アレイ振動子、中継基板、電子回路基板、バッキング等からなる積層体である。それらの構成の内で、バッキングは通常、最下層を構成しており、また比較的に大きな形態を有しているので、プローブヘッドケースによって当該バッキングを保持する固定方法が考えられる。しかし、バッキングは比較的に柔らかい材料により構成されているので、上記固定方法では内部ユニットをしっかりと固定することは困難である。
また、プローブヘッド内にチャンネルリダクション用の電子回路基板を設ける場合、電子回路基板からの排熱が問題となる。例えば、電子回路基板で生じた熱が二次元アレイ振動子に伝わると、二次元アレイ振動子が高温になってしまい、その劣化という問題が生じ、また、送受波面の温度上昇という問題が生じる。そこで、電子回路基板で生じた熱を逃がす仕組みが必要である。
なお、特許文献1では内部ユニットの固定方法について具体的に開示されていない。特許文献1においては、電子回路基板に対してバッキングを介してヒートシンクが接続されているようであるが、そのような構成では十分に排熱を行えない可能性がある。
本発明の目的は、超音波探触子において、アレイ振動子及びバッキングを有する内部ユニットをプローブヘッドケース内に確実に固定することにある。
本発明の他の目的は、超音波探触子において、電子回路基板で生じた熱を十分に逃がすことが可能な構造を実現することにある。
本発明に係る超音波探触子は、複数の振動素子を有するアレイ振動子と、前記アレイ振動子の背面側に設けられ超音波を減衰させるバッキング部材と、前記バッキング部材を包み込んで保持するバッキングケースと、を有する内部ユニットと、前記バッキングケースを保持するプローブヘッドケースと、を含み、前記内部ユニットが前記バッキングケースを介して前記プローブヘッドケースによって保持された、ことを特徴とするものである。
上記構成によれば、プローブヘッドケース内に内部ユニット(内部アセンブリ)の全部又は一部が収容されつつ、プローブヘッドケースによってバッキングケースが保持される。内部ユニットは積層体を構成するものであり、内部ユニットにおける少なくとも背面側端部(非送受波側のバッキング部分)が内部ユニットを固定するための部分として利用される。更に内部ユニットの中間部分がプローブヘッドケースによって直接的に又は間接的に保持されてもよい。より詳しく説明すると、アレイ振動子の背面側には、直接的に、あるいは1又は複数の他の部材を介して間接的に、超音波を吸収するためのバッキング部材が配置される。そのバッキング部材の外側にはバッキングケースが設けられる。バッキングケースはバッキング部材を包み込んで(あるいは挟み込んで)それを保持する機能を有する。バッキング部材それ自体は、通常、比較的に柔らかい部材により構成されるが、バッキング部材を比較的に硬質の部材であるバッキングケースで取り囲めば、バッキングケースが外骨格として機能して、内部ユニットの背面側端部を被保持部分として利用することが可能となる。望ましくは、バッキングケースは、更に熱伝導の機能を有する。例えば、バッキングケースは、熱伝導性の良好な金属により構成される。この構成によれば、バッキング部材からバッキングケースへ伝わる熱を、あるいは、発熱体からバッキングケースへ伝わる熱を、プローブヘッドケース(後述する実施形態において放熱シェル)へ逃がすことが可能である。バッキング部材への超音波の進入を妨げない限りにおいて、バッキングケースによってバッキング部材の外面の内のより多くの部分が覆われるように構成するのが望ましい。
望ましくは、前記バッキングケースは、前記バッキングが有する複数の側面を覆う複数の側面板を有する。例えば、対向関係にある2つの側面板を有するように、バッキングケースを構成することも可能である。望ましくは、前記バッキングケースは、前記バッキングが有する4つの側面を覆う4つの側面板を有する。この構成によれば、バッキング部材を安定的に保持することが可能である。望ましくは、前記バッキングケースは、前記複数の側面板に連結され前記バッキングが有する背面を覆う背面板を有する。この構成によれば、バッキングケースの剛性を高められる。
望ましくは、前記バッキングケースは、前記バッキングの前面に設けられた板であって前記バッキング部材の一部を通過させる開口を有する前面板を有する。この構成によれば、バッキングケースの剛性を高められ、また、バッキングケースへの熱伝導性を高められる。
望ましくは、前記プローブヘッドケースの右側内面及び左側内面が前記バッキングケースの右端部及び左端部を保持する。望ましくは、前記プローブヘッドケースの右側内面には前記バッキングケースの右端部を収容する右側窪みが形成され、前記プローブヘッドケースの左側内面には前記バッキングケースの左端部を収容する左側窪みが形成される。この構成によれば、プローブヘッドケースによって内部ユニットをしっかりと保持することができ、同時に位置決め誤差を低減できる。
望ましくは、前記内部ユニットは、前記複数の振動素子に対して電気的に接続された電子回路を有する電子回路基板を含み、前記電子回路基板で生じた熱が前記バッキングケースを介して前記プローブヘッドケースに伝わる。望ましくは、前記電子回路基板と前記バッキングとの間に熱伝導シートが設けられ、前記熱伝導シートは本体部分とその本体部分から外側へ伸長した少なくとも1つのウイングを有し、前記ウイングが前記バッキングケースの外表面に接合される。この構成によれば、電子回路基板で生じた熱を、熱伝導シート(排熱シート)を介して、より詳しくはそれが有するウイングを介して、バッキングケースに伝えることができる。熱伝導シートにおける本体部分は、望ましくは電子回路基板に接合された部分である。熱伝導シートは望ましくは柔軟なシート状の部材である。望ましくは、前記熱伝導シートは前側ウイング及び後側ウイングを有し、前記前側ウイング及び前記後側ウイングは前記バッキングケースの外表面に接合される。
上記の電子回路は送信信号処理回路及び受信信号処理回路の少なくとも一方を構成するものであり、望ましくは両方を構成するものである。電子回路はチャンネルリダクション回路であるのが望ましい。チャンネルリダクション回路は、送信時において、アレイ振動子全体で又は所定単位で1つの送信トリガ信号から複数の送信駆動信号を生成し、受信時において、所定単位で複数の受信信号から1つのグループ受信信号を生成するものである。望ましくは、電子回路基板は、電子回路が表面上に形成された厚いパッケージを有していない半導体基板である。そのような電子回路基板がアレイ振動子の背面側に直接的に接合されてもよいが、望ましくは、電子回路基板が中継基板を介してアレイ振動子に接続される。中継基板として配線変換機能等を備えるものが利用されてもよい。排熱シート等の排熱部材の熱伝導率が中継基板の熱伝導率よりも高い場合、電子回路で生じた熱をより積極的に排熱部材へ移動させることが可能である。アレイ振動子は、一般に、圧電性を有する材料により構成されるが、いわゆるMUT(Micro-Machined Ultrasonic Transuducer)が利用されてもよい。望ましくは、プローブヘッドケースは、探触子ヘッドの骨格体であると同時に放熱体である。それは、大きな表面積を有し、良好な熱伝導率を有する部材で構成される。このような放熱構造体を用いれば、それ全体から周囲へ放熱を行って局所的な温度上昇を生じさせることなく電子回路基板の温度上昇を抑制できる。上記超音波探触子は望ましくは体腔内挿入型プローブであり、特に望ましくは2Dアレイ振動子を有する経食プローブである。
本発明にれば、超音波探触子において、アレイ振動子及びバッキングを有する内部ユニットをプローブヘッドケース内に確実に固定できる。特に、内部ユニットの非生体側端部を被固定部分として機能させることが可能である。あるいは、本発明によれば、超音波探触子において、電子回路基板で生じた熱をプローブヘッドケースに逃がすことが可能である。
本発明に係る体腔内挿入型プローブの好適な実施形態を示すXZ断面図である。 図1に示したプローブのYZ断面図である。 プローブヘッドケースを構成する放熱シェルを示す斜視図である。 振動子ユニットの一例を示す図である。 送受信回路の構成例を示す図である。 本発明に係るプローブ製造方法の一例を示すフローチャートである。 主積層体への排熱シートの接着を説明するための図である。 バッキング及びケースの接着を説明するための図である。 バッキングに設けられた凸部を示す図である。 前後ウイングの折り曲げ及び接着を説明するための図である。 前側フレキシブル基板の折り曲げを説明するための図である。 他の実施形態に係るバッキング及び排熱部材を示す図である。 送受信領域とバッキング部材接合領域との関係を示す図である。 バッキングケースの第2例を説明するための斜視図である。 バッキングケースの第3例を説明するための斜視図である。 バッキングケースの第4例を説明するための斜視図である。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明に係る超音波探触子の好適な実施形態が示されており、図1はその断面図(XZ断面図)である。この超音波探触子は体腔内挿入型プローブであり、特に、経食プローブである。
図1において、プローブ10はプローブヘッド12、挿入管13、操作部、プローブケーブル等を有する。プローブヘッド12は、本実施形態において、生体における食道内に挿入され、食道内において超音波の送受波を行う部分である。超音波送受波領域としての三次元空間内に心臓における被検部位が取り込まれるように、プローブヘッド12が位置決められる。
プローブヘッド12の内部は空洞であり、そこには内部アセンブリ14が配置されている。その内部に樹脂等の充填材を充填するようにしてもよい。内部アセンブリ14は、Z方向すなわち図1において下方に対して超音波の送受波を行うものである。ちなみに、X方向がプローブヘッド12の中心軸方向であり、Z方向が送受波方向であり、X方向及びZ方向に直交する方向としてY方向が定義される。内部アセンブリ14は、具体的には、放熱シェル16の内部に配置されている。放熱シェル16は銅等の熱伝導部材で構成された中空の硬質容器であり、それはプローブヘッドケースを構成するものである。換言すれば、放熱シェル16はプローブヘッド12における外骨格あるいは構造体を構成するものである。放熱シェル16の外側には比較的柔らかい外皮18が設けられており、外皮18は絶縁性をもった樹脂等により構成される。放熱シェル16の生体組織側には開口16Dが形成されており、その開口16Dを通じて内部アセンブリ14の一部分が放熱シェル16の外側へ突出している。内部アセンブリ14は、以下に説明するように、振動子ユニット20、中継基板22、電子回路基板24、バッキング部材26、複数のウイングを有する排熱シート、バッキングケース33等を有するものである。以下に、それらの部材について詳述する。
後に図4を用いて説明するように、アレイ振動子はX方向及びY方向に配列された複数の振動素子からなるものであり、具体的には数千個の振動素子により構成されている。そのようなアレイ振動子によって超音波ビームが形成され、その超音波ビームが電子的に走査される。電子走査方式としては電子セクタ走査方式等が知られている。本実施形態においては、超音波ビームを二次元方向に走査することが可能であり、そのような走査によって三次元空間が構成される。三次元空間内から取り込まれたボリュームデータを処理することにより三次元空間を表す三次元超音波画像等を形成することが可能である。図1に示されるように、外皮18における生体側には開口18Aが形成されており、振動子ユニット20の生体側の一部分が開口18Aから生体側へ膨らみ出ている。超音波診断の実行にあたっては、振動子ユニット20における生体側の面すなわち送受波面が生体組織面としての食道内面に密着した状態が形成される。
振動ユニット20の背面側すなわち図1において上方には中継基板22が設けられている。中継基板22は、アレイ振動子と電子回路基板24上に形成された電子回路とを電気的に接続する機能を有している。本実施形態において、中継基板22は多層基板により構成され、リードアレイ40を有している。リードアレイ40は、複数の振動素子と電子回路上における複数の端子とを電気的に接続するものである。中継基板22が配列変換作用を有するインターポーザであってもよい。すなわちアレイ振動子側の電極配列と電子回路側の電極配列とを異ならせることも可能である。本実施形態においては、中継基板22が後に説明するフレキシブル基板36,38と電子回路とを接続する機能も有しており、このために中継基板22内には接続ライン群42,44が設けられている。図1に示されるように、中継基板22は、放熱シェル16に形成された開口16D内に設置されている。中継基板22の母材は例えば絶縁性を有するセラミックである。
中継基板22の背面側すなわち図1において上方には電子回路基板24が設けられている。電子回路基板24はチャンネルリダクション用の電子回路を備えている。すなわち、その電子回路は、送信時において、アレイ振動子全体で又は所定の単位で装置本体側から送られた送信トリガ信号に基づいて複数の送信駆動信号を生成し、それらをアレイ振動子に供給するものであり、また、受信時において、素子グループ単位で複数の受信信号に対する整相加算処理を実行してグループ受信信号を生成する回路である。このようなチャンネルリダクション回路を設けることにより、プローブヘッドに接続する信号線の本数を大幅に削減することが可能である。例えば数千個の振動素子に対して100本程度の信号線を接続するだけで全ての振動素子の信号を処理することが可能となる。本実施形態において、電子回路基板24は、表面上に電子回路が形成された実質的に裸の半導体基板によって構成されている。すなわち、外装としてのパッケージは設けられておらず、半導体基板の全体が薄い保護層により保護されている。電子回路基板24の生体側の面24A上には複数の振動素子に対応した複数の電極が形成されている。それらに対して上述したリードアレイ40が接続される。電子回路基板24のZ方向の厚みは例えば0.6mm程度である。ちなみに上述した中継基板22のZ方向の厚みは例えば1mm程度である。
電子回路基板24の背面24Bには、中央領域としての超音波伝搬領域と、周辺領域としての排熱領域と、が設定されている。超音波伝搬領域に対してバッキング部材26が接合されている。具体的には、バッキング部材26はブロック状の本体48とその生体側に設けられた凸部46とにより構成され、その凸部46の生体側の面が超音波伝搬領域に接合されている。周辺領域に対しては後に詳述するように排熱シートが接合されている。より具体的には、排熱シートは開口を有し、その開口を通じて凸部46が電子回路基板24の背面側中央部に接合され、これによってバッキング部材26の本体48と電子回路基板24の周辺領域としての排熱領域との間で排熱シートが挟み込まれている。排熱シートは図1に示される後ウイング30及び前ウイング32を有している。この他、右ウイング及び左ウイングを有しているが、図1においてそれらは図示されていない。バッキング部材26は背面側に放射された不要な超音波を散乱、減衰させるものである。例えば、バッキング部材26における音響減衰特性は6〜15dB/cmMHz程度である。
バッキング部材は、例えば、樹脂に対してタングステン、タングステン化合物等を混入したものとして構成される。この場合、樹脂としては、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂を挙げることができ、また、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラニン樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができ、更に各種ゴムを挙げることができる。その製作にあたっては、所望の音響インピーダンス及び所望の音響減衰特性を実現するために、適量のタングステン、タングステン化合物等の粉末が樹脂に混入される。もちろんそれ以外の材料を混入するようにしてもよい。
上述した排熱シートは、例えば、カーボンシート、グラファイトシート、銅等の金属からなるシート、等によって構成されるものであり、いずれにしても熱伝導率の良好な材料によって構成される。バッキング部材26のZ方向における厚みは例えば3mm程度である。
バッキング部材26はその生体側端部を除いてバッキングケース33によって包み込まれている。すなわち、バッキングケース33内にバッキング部材26における本体48が収容されている。バッキングケース33は熱伝導部材及び治具として機能するものである。本実施形態においては、排熱シートにおける後ウイング30及び前ウイング32がバッキングケース33の外表面に沿うように折り曲げられ、バッキングケース33の外表面上に接着されている。よって、電子回路基板24の背面側から後ウイング30及び前ウイング32を介してバッキングケース33へ熱が移動することになる。バッキングケース33は以下の図2に示すように放熱シェル16に対して接合固定されており、バッキングケース33から放熱シェル16に対して熱伝導が生じる。それと共に、放熱シェル16によってバッキングケース33がプローブヘッド12内において保持固定されている。上記の他、後に詳述するように排熱シートが有する右ウイング及び左ウイングを介して電子回路基板24の背面側から放熱シェル16へ熱が伝達される。
中継基板22の背面側すなわち非生体側の両端部にはフレキシブル基板36,38が接続されている。フレキシブル基板36,38はそれぞれFPCで構成されており、それらは配線パターンを有している。フレキシブル基板36,38の装置本体側の端部に対しては複数の信号線が接続される。ただし、図1においてそれらの信号線は図示省略されている。コネクタを利用して複数の信号線が各フレキシブル基板36,38に接続されるようにしてもよい。図2に示されるように、放熱シェル16において、Y方向の両側の側面にそれぞれスリット16Aが形成されている。2つのスリット16Aに対して後に説明する右ウイング及び左ウイングが差し込まれる。本実施形態において、フレキシブル基板36の他にフレキシブル基板38が設けられているのは、多数の信号線に対する接続を確実に行うためである。フレキシブル基板38は、図1に示されるように、中継基板22における先端縁から上方へ回り込んで内部アセンブリ14の背面側すなわち図1において上方を通過した上で、装置本体側へ引き出されている。もちろん、複数の信号線の接続を確実に行える限りにおいて、フレキシブル基板38を省略することも可能である。
図2には、図1においてIIで示す方向の断面すなわちYZ断面が示されている。既に説明したように、プローブヘッド12は放熱シェル16を有している。放熱シェル16は熱伝導体すなわち放熱体として機能するとともに、プローブヘッドケースとしても機能する。放熱シェル16は外皮18により覆われている。プローブヘッド12の内部には内部アセンブリ14が設けられており、内部アセンブリ14は、生体側から順番に設けられた振動子ユニット20、中継基板22、電子回路基板24、バッキング部材26、バッキングケース33を有している。電子回路基板24とバッキング部材26との間には排熱シートが挟み込まれている。排熱シートは、熱受入れ部分としての本体部分77と、それに連なる複数のウイングと、により構成されている。複数のウイングは、具体的には、上述した後ウイング及び前ウイングと、図2に示される右ウイング50及び左ウイング52と、からなる。右ウイング50及び左ウイング52は放熱シェル16の左右側壁に形成された一対のスリット16Aに差し込まれている。各スリット16AはX方向に伸長した貫通溝である。排熱シートにおける本体部分77は、電子回路基板24とバッキング部材26との間において挟み込まれた部分であり、本体部分77の前面が電子回路基板24の背面にける周辺領域に接合されている。右ウイング50及び左ウイング52は、本体部分77に連なりスリット16Aを通過する第1部分50a,52aと、それに連なり垂直に立ち上がった引出部分としての第2部分50b,52bと、で構成される。第2部分50b,52bが折り曲げられて放熱シェル16の外表面上に接着されている。具体的には、放熱シェル16における外壁表面上には一対の凹部16Bが形成されており、それらの内部に一対の第2部分50b,52bが収容固定されている。よって、電子回路基板24で生じた熱が右ウイング50及び左ウイング52を介して放熱シェル16の外表面へ直接的に伝達されている。なお、各凹部16Bの深さは各ウイング50,52の厚み及び接着剤の厚みを加算したものに相当する。それらの凹部16Bに第2部分50b,52bを収容した状態においては面一状態が構成される。なお、部材接着時において、熱伝導性を良好にするために、熱伝導性フィラーが混入された接着剤を利用してもよい。あるいは、接合面に対して熱伝導性をもったグリスを塗布するようにしてもよい。
放熱シェル16の内面におけるY方向両側にそれぞれ一対の窪み16Cが形成されており、その窪み16Cの中にバッキングケース33の両端部が差し込まれている。すなわち、放熱シェル16によりバッキングケース33が保持固定されている。放熱シェル16によってバッキングケース33が固定されており、また放熱シェル16に対して右ウイング50及び左ウイング52が固定されているため、内部アセンブリ14が放熱シェル16に対して確実に固定されている。上述したように排熱シートは後ウイング30及び前ウイング32を有し、それらがバッキングケース33に接合固定されているため、それも内部アセンブリ14の固定作用を発揮している。
図3には、上述した放熱シェル16の斜視図が示されている。放熱シェル16は左右方向に2分割されており、すなわち右側部分16−1と左側部分16−2とにより構成されている。放熱シェル16の右側側面及び左側側面には上述したようにスリット16Aが形成されており、それぞれのスリット16Aは右ウイング及び左ウイングが差し込まれ、それらが折り曲げられた状態で固定される。図3においては、左ウイングにおける第2部分52bが示されている。図3に示されるように、放熱シェル16は外骨格としての構造体を構成しており、すなわちそれは非常に大きな表面積を有している。したがって、それに対して電子回路で生じた熱を伝えるならば、放熱シェル16の全体をして外界へ熱を効果的に放出することが可能である。その場合における外界には、外皮を介したプローブヘッド周囲が含まれ、また挿入管やその内部を挿通している多数の信号線等が含まれる。このような構成により、局所的な温度上昇を回避しつつ、生じた熱を大きな部材で吸収してまた大きな面積をもって放出することにより、電子回路基板の温度上昇を効果的に抑制することができ、ひいてはアレイ振動子や送受波面の温度上昇を効果的に抑制することが可能である。特に、本実施形態においては放熱シェル16が内部アセンブリ14の固定部材として機能しており、すなわち固定のための連結構造を排熱構造として利用することができるので部品点数の面からも利点を得られる。
図4には、図1に示した振動子ユニット20の具体例が示されている。図4においては紙面上方が生体側である。アレイ振動子54は、X方向及びY方向に配列された複数の振動素子54aにより構成されるものである。アレイ振動子54は例えば、PZT、水晶、酸化亜鉛等の材料により構成され、あるいはそのような圧電材料を含む複合材料として構成される。アレイ振動子がMUTによって構成されてもよい。個々の振動素子54aのZ方向の厚さは超音波の中心周波数を基準として1/4λ付近に設定される。
アレイ振動子54の背面側には導電共振層62が設けられている。導電共振層62はX方向及びY方向に配列された複数の導電共振素子62aにより構成されるものである。導電共振層62はアレイ振動子54での超音波の送受波を補助するものである。それは導電性を有する材料により構成され、例えば、コバルト、ジルコニア、タングステン化合物等を含む複合体として構成される。もちろん本願明細書に挙げられるいずれの材料も一例に過ぎないものである。アレイ振動子54における音響インピーダンスは例えば30MRayls程度であり、これに対し、導電共振層62の音響インピーダンスは例えば70〜100MRaylsである。すなわち、本実施形態においては導電共振層62がハード背面層を構成しており、アレイ振動子54と導電共振層62とが両者一体となって超音波の送波及び受波を行っている。導電共振層62は、アレイ振動子54と中継基板との間での電気的接続作用も発揮する。ちなみに、各振動素子54aの上面及び下面には電極を構成する薄い金属箔が設けられており、それは例えば金や銀等により構成される。
参考までに、アレイ振動子54の背面側における各部材の音響インピーダンスを説明しておくと、図1等に示した中継基板の音響インピーダンスは例えば19MRayls程度であり、電子回路基板の音響インピーダンスは例えば17MRayls程度である。すなわち、中継基板と電子回路基板はほぼ同じ音響インピーダンスを有しており、両者の境界面における超音波の反射が極力防止されている。バッキング部材の音響インピーダンスは例えば15〜25MRaylsであり、そのような設定により、電子回路基板とバッキング部材との間の境界面での超音波の反射が極力防止されている。これにより、アレイ振動子及び導電共振層の背面側から出た超音波は中継基板及び電子回路基板を介してバッキング部材へ自然に到達することになり、そのバッキング部材において背面側に出た不要な超音波が効果的に減衰、吸収される。バッキング部材26の背面において反射が生じたとしても、その反射波もバッキング部材内で効果的に減衰、吸収される。したがって、例えば超音波探触子を空中に放置したような場合において送受波面とバッキング部材の背面との間で生じる多重反射の問題を効果的に防止することが可能である。もちろん、通常の超音波診断時においても背面側に出た不要な超音波を効果的に吸収して画質の向上を図ることが可能である。
図4に戻って、アレイ振動子54の生体側には第1整合層56及び第2整合層58が設けられている。第1整合層56は二次元配列された複数の整合素子56aからなるものであり、第2整合層58は二次元配列された複数の整合素子58aからなるものである。第2整合層58の生体側には保護層60が設けられている。その生体側の面が送受波面を構成する。符号64は隣接素子間に形成される分離溝を示しており、分離溝64が空気層であってもよいが、本実施形態においては分離溝64内に音響的な絶縁性を発揮するシリコーンゴム等が充填されている。
図5には、電子回路基板が有する電子回路25の構成例が示されている。アレイ振動子54は上述したように二次元配列された複数の振動素子54aにより構成されるものである。本実施形態においては、アレイ振動子54に対して複数のグループ66が設定されており、各グループ66は所定形状をもって集合する複数の振動素子により構成されるものである。電子回路25は送信信号処理回路70と受信信号処理回路68とにより構成されている。送信信号処理回路70は、装置本体側からの送信制御信号(送信トリガ信号を含む)に基づいて、複数の振動素子に供給する複数の送信駆動信号を生成するものである。アレイ振動子54の全体に対して1つの送信信号処理回路70が設けられてもよいし、各グループ66毎に送信信号処理回路70が設けられてもよい。いずれにしても、送信信号処理回路70は1つの送信制御信号から複数の送信駆動信号を生成するものであり、送信時におけるチャンネルリダクションに相当する処理を実現するものである。
受信信号処理回路68は、本実施形態において、複数のグループ66に対応した複数のサブビームフォーマ(SBF)72により構成されている。各SBF72は、対応するグループ66から出力される複数の受信信号に対して整相加算処理(サブ整相加算処理)を実行し、これにより整相加算後のグループ受信信号を生成するものである。このような処理により複数のグループ受信信号が生成され、それらに対してメインビームフォーマー(MBF)74においてメイン整相加算処理が実行され、これによって受信ビームに相当する整相加算後のビームデータが生成される。ここでMBF74は装置本体内に設けられるものである。各SBF72は受信時におけるチャンネルリダクションを実行するものである。本実施形態においては、例えば16個の受信信号に対して整相加算処理を実行して1つのグループ受信信号が生成されている。
以上のような送受信信号処理を実行する過程において発熱が生じるため、排熱処理を効果的に行わない限り、電子回路基板の温度が上昇し、それに伴いアレイ振動子や送受波面の温度が上昇してしまう。これに対し、本実施形態においては上述した排熱処理により、すなわち電子回路基板からの熱を排熱シート(及びバッキングケース)を介して放熱シェルへ伝えることにより、そして放熱シェルの全体をもって放熱を行うことにより、電子回路基板で生じた熱を効果的に外部へ逃がすことが可能である。
次に、図1等に示したプローブの動作例について説明する。図1に示したプローブヘッド12が被検者における口から食道内に挿入され、プローブヘッド12が食道における所定位置に位置決められる。これにより、プローブヘッド12の送受波面が食道の内壁面に密着される。その状態で超音波の送受波を実行することにより、具体的には超音波ビームの二次元スキャンを実行することにより、心臓における計測部位を含む三次元領域が形成され、その三次元領域に対応するボリュームデータを得ることが可能である。そのようなボリュームデータに基づいて三次元空間を表す超音波三次元画像が形成され、あるいは、三次元空間における任意断面を表す任意断層画像あるいは所定の複数の断面を表すトリプレーン画像が作成されることになる。
より詳しく説明すると、送信時においては、装置本体側からケーブルを介して送信信号がプローブヘッド12へ供給される。その送信信号はフレキシブル基板36又はフレキシブル基板38を経由し、また中継基板22を経由して電子回路へ送られる。すると、電子回路における送信信号処理回路によって単一の送信信号に基づいて複数の送信駆動信号が生成され、それらが対応する複数の振動素子に対して供給される。その場合において、複数の送信駆動信号は上述した中継基板に形成されたリードアレイを経由してアレイ振動子へ送られる。そのような複数の送信駆動信号の供給によりアレイ振動子において送信ビームが形成されることになる。その際、アレイ振動子の背面側に不要超音波が放出された場合、そのような不要超音波はバッキング部材26において効果的に吸収、低減される。
一方、受信時において、生体内からの反射波がアレイ振動子で受波されると、アレイ振動子から複数の受信信号が中継基板22におけるリードアレイ40を介して電子回路へ送られることになる。電子回路における受信信号処理部においては、各グループ単位で複数の受信信号に対してサブ整相加算処理を実行し、これによってグループ受信信号を生成する。そのように生成された複数のグループ受信信号がフレキシブル基板36及びフレキシブル基板38を経由して複数の信号線に伝達され、更に装置本体へ伝達されることになる。装置本体においては複数のグループ受信信号に基づいてメイン整相加算処理が実行され、これにより受信ビームに相当するビームデータが生成される。ちなみに、受信時において反射波がアレイ振動子の背面側に現れたとしても、そのような不要超音波はバッキング部材26において効果的に低減される。
次に熱的な作用について説明する。送受信信号処理等によって電子回路で生じた熱が電子回路基板24の背面側に接合された排熱シートを介して放熱シェル16へ伝達される。具体的には、排熱シートにおける後ウイング30及び前ウイング32に伝達された熱はバッキングケース33を経由して放熱シェル16へ伝達されることになる。一方、排熱シートの右ウイング及び左ウイングに伝達された熱は放熱シェル16の外表面へ直接的に伝達されることになる。このように、4つのウイングを経由して放熱シェル16に対して効果的に熱を伝えることが可能であるので、そして放熱シェル16が非常に大きな熱容量をもった部材として構成され、その表面積も非常に大きいため、伝達された熱を外界に対して効果的に放出することが可能であり、局所的な発熱を防止することが可能である。
本実施形態においては、中継基板22の熱伝導率よりも電子回路基板24及び排熱シートの熱伝導率の方が高くなっており、電子回路基板で生じた熱の内で多くのものが排熱シートへ伝達されることになる。逆に言えば、中継基板が一種の熱的な隔絶作用を発揮しており、リードアレイ40による熱伝導があるとしても、中継基板22を介したアレイ振動子への熱伝導が抑制されている。
本実施形態においては、上述したように、電子回路基板24の背面における中央部にバッキング部材26が接合されており、背面における周辺領域に排熱シートが接合されている。これにより、より超音波の伝搬が生じ易い部分に対してバッキング部材によるバッキング作用を適用して不要超音波を効果的に吸収することが可能である。その一方において、周辺領域においては中央領域と同様の熱伝導が生じており、そのような周辺領域から排熱シートを介して熱を効果的に奪うことが可能である。すなわち、電子回路基板の背面側において不要超音波の吸収と発熱抑制のための排熱とを両立させることが可能である。特に、上記実施形態においては、バッキング部材26がバッキングケース33によって収容されており、そのバッキングケース33が後ウイング30及び前ウイング32によって包み込まれているので、一般的に柔らかいバッキング部材26の周囲に外骨格を構築することができ、そのバッキング部材26を保持することにより内部アセンブリ14の全体を固定することが可能となっている。この結果、内部アセンブリ14における生体側での強固な保持が不要となる。もちろん内部アセンブリ14の保持にあたっては必要に応じて他の固定方法を採用するようにしてもよい。
次に、図6〜図11を用いて、図1に示したプローブの製造方法を説明する。
図6におけるS10では、図7に示す主積層体75が製作される。すなわち、振動子ユニット20、中継基板22及び電子回路基板24からなる主積層体75が構成される。中継基板22にはフレキシブル基板36及び38が取付けられる。
図6のS12においては、図7に示すように、主積層体75に対して排熱シート76が接着される。排熱シート76は、開口部78を有する本体部分77と、それに連なる複数のウイングと、からなる。複数のウイングは、X方向に並ぶ後ウイング30及び前ウイング32と、Y方向に並ぶ右ウイング50及び左ウイング52と、からなる。符号77Aは電子回路基板24の背面における周辺領域に相当するエリアを示している。もちろん、排熱シート76の形態は図7に示すものに限られる訳ではない。
図6におけるS14においては、排熱シート接着後の主積層体に対してバッキング部材及びバッキングケースが接着される。具体的には、図8に示すように、排熱シート76上に結合体80が接合される。結合体80はバッキング部材26とそれを収容するバッキングケース33とからなるものである。図9には、結合体80をひっくり返した状態が示されており、バッキング部材26の生体側中央部には凸部46が形成されている。その凸部46が図7に示した開口部78に嵌まり込むように結合体が排熱シート上に接着される。
図6に示すS16においては、図10に示されるように、バッキングケース33の背面側すなわち図10において上方側に後ウイング30及び前ウイング32が折り曲げられて接着固定される。これによりバッキングケース33と排熱シート76とが一体化される。
図6のS20においては、図11に示されるように、前側フレキシブル基板38が折り曲げられる。具体的にはバッキングケース33の非生体側を通過するように前側フレキシブル基板38が折り曲げられる。
図6のS22においては、図11に示した組立体が放熱シェル内に配置される。具体的には、分割された二つの部品によってバッキングケースが挟まれるように、同時に右ウイング及び左ウイングが一対のスリットから外部に出るように放熱シェルが組み立てられ、同時にその内部に内部アセンブリが配置される。そして、図6のS24において、右ウイング及び左ウイングにおけるスリットから突出した部分が折り曲げられその部分が放熱シェルに対して接着固定される。図6のS26においては配線処理や放熱シェルの外側への外皮の形成等が実施され、これによって図1に示したプローブが構成される。
以上の説明から明らかなように、排熱シートにおける後ウイング及び前ウイングがバッキングケースつまりバッキング部材の固定作用を発揮しており、また、排熱シートにおける右ウイング及び左ウイングがバッキングケースを挟み込んだ放熱シェルを更に外側から包み込む作用を発揮しており、このような多重的な包み込み作用の結果として、内部アセンブリが放熱シェルに対して強固に固定されることになり、同時に、内部アセンブリから放熱シェルへの確実な熱伝導ルートが構築されることになる。
図12には他の実施形態が示されている。図12に示す例において排熱部材82はブロック状の部材として構成されており、その中央部には開口部84が形成されている。その開口部84内にはバッキング部材86が挿入された状態で固定される。そのような複合体が電子回路基板の背面側に接合されることになる。
このような実施形態においても、電子回路基板の背面側における中央部すなわち超音波伝搬がもっとも生じ易い部分に対してバッキング部材86を接合させることができ、またその周辺部において排熱部材82が接合されているためにその排熱部材82によって十分な熱吸収を行うことが可能である。すなわちこの構成によれば超音波の吸収作用と排熱作用を両立させることが可能である。
図13にはアレイ振動子に相当する二次元領域88が示されている。符号90は実際に送受信で使う有効領域を示しており、それは円形領域である。バッキング部材を接合する領域の設定にあたっては、望ましくは、アレイ振動子の全領域における50パーセント以上の領域、具体的には中央部の領域とするのが望ましい。特に、図13に示されるように、実際に送受波で使われる有効領域90において内接するあるいはそれに等しい領域92としてバッキング領域を設定するのが望ましい。このような構成によればアレイ振動子の全体にわたってほぼ均一にバッキング作用を得ることが可能となる。
上述した実施形態におけるプローブは経食プローブであったが、上記構成を他の体腔内挿入型プローブに適用することも可能であり、また更に体腔内挿入型以外のプローブに対して適用することも可能である。
図14乃至図16には、バッキングケースの第2例乃至第4例が示されている。それらはそれぞれ図1等に示したバッキングケースの第1例とは異なる形態を有するものである。なお、各図において、Z方向は内部ユニットの積層方向であり、同時に、それは送受波方向である。X方向はプローブ挿入方向であり、Y方向はX方向及びZ方向に直交する方向であり、プローブヘッドにおける左右方向である。
図14において、バッキング部材100は超音波の吸収、散乱等を行う比較的に柔らかい部材で構成され、直方体形状を有している。バッキング部材100は、第1側面100a、第2側面100b、第3側面(右側面)100c、第4側面(左側面)100d、前面(送受波側の面)100e、及び、背面(非送受波側の面)100fを有している。バッキング部材100の外側には、それを包み込むように、バッキングケース102が取り付けられる。バッキングケース102は、アルミニウム等の比較的硬い金属で構成される。バッキングケース102は、四角い中空枠体を構成しており、具体的には、第1側面板102a、第2側面板102b、第3側面板102c及び第4側面板102dを有している。バッキング部材100に対してバッキングケース102を取り付けた場合、第1側面100aが第1側面板102aで覆われつつ両者が接着剤により固定され、以下同様に、第2側面100bと第2側面板102bとが固定され、第3側面100cと第3側面板102cとが固定され、及び、第4側面100dと第4側面板102dとが固定される。このように、バッキング部材100の外形サイズと、バッキングケース102の内部をなす中空部分のサイズは実質的に一致している。バッキングケース102の前面(図14において下面に相当)は開口であり、その背面(図14において上面に相当)も開口である。バッキング部材へのバッキングケースの固定に際しては、接着剤に代えて又はそれと共に機械的な固定方法を採用することも可能である。
ちなみに、バッキング部材100は、図1等に示したバッキング部材48と同じ形態を有しており、つまり、それは送受波側に部分的に突出した凸部を有している(図9参照)。バッキング部材48の前面と電子回路基板の背面との間には、図7に示した排熱シート76が挟み込まれる。排熱シート76は、複数のウイング30,32,50,52を有し、その内で、ウイング50,52が図14に示した側面板102c、102dに接合される。ウイング50,52の長さを側面板102c,102dの高さに合わせるようにしてもよい。上記凸部は排熱シート76が有する開口部78に挿入され、超音波を伝搬するものである。
図14に示した構成によれば、図1に示した構成と同様に、バッキングケースによってバッキング部材の外骨格を構成でき、それを利用して内部ユニットをプローブヘッドケース内に配置することが可能である。また、電子回路基板で生じた熱をバッキング部材を通じてあるいは排熱シートを通じてバッキングケースへ逃がすことができ、更に、その熱をバッキングケースからプローブヘッドケースへ逃がすことができる。図12に示したブロックは機能的に見てバッキングケースに相当するものである。
図15にはバッキングケースの第3例が示されている。バッキング部材104は、図14に示したバッキング部材100と同様の形態を有し、第1側面104a、第2側面104b、第3側面(右側面)104c、第4側面(左側面)104d、前面(送受波側の面)104e、及び、背面(非送受波側の面)104fを有している。前面104には排熱シートに形成された開口部を通過する凸部が形成されている。バッキング部材100の外側には、それを包み込むように、バッキングケース106が取り付けられる。バッキングケース106は、第1側面板106a、第2側面板106b、及び、それらを繋ぐ背面板106eを有している。すなわち、バッキングケース106は、右側面板及び左側面板を有しておらず、その前面側は開口となっている。バッキングケース106はバッキング部材104に取り付けられ、例えば、両者が接着剤によって固定される。
バッキング部材104の前面と電子回路基板の背面との間には、図7に示した排熱シート76が挟み込まれる。排熱シート76は、複数のウイング30,32,50,52を有し、その内で、ウイング50,52が図15に示す側面104c,104dを回り込んで背面板106eに接合される。
この図15に示した第3例によれば、上記の第1例及び第2例と同様に、バッキングケースを用いて内部ユニットの非送受波側端部をプローブヘッドケース内に固定することが可能である。また、電子回路基板で生じた熱をバッキング部材を通じてあるいは排熱シートを通じてバッキングケースへ逃がすことができる。
図16にはバッキングケースの第4例が示されている。バッキング部材108は、第1側面108a、第2側面108b、第3側面(右側面)108c、第4側面(左側面)108d、前面(送受波側の面)108e、及び、背面(非送受波側の面)108fを有している。背面108fは、超音波伝搬のための凸部112を有する。その高さは、以下に説明するバッキングケース110における前面板110fの厚みと、図示されていない排熱シートの厚みと、を加えたものに相当する。
バッキング部材108のほぼ全体がバッキングケース110内に収容される。バッキングケース110は、中空ボックスを構成しており、具体的には、第1側面板110a、第2側面板110b、第3側面板110c、第4側面板110d、前面板110f及び背面板110eを有している。各板の厚みは同一である。前面板110fの中央部には開口部114が形成されている。バッキング部材108に対してバッキングケース110を取り付けた場合、つまり、バッキングケース110内にバッキング部材108を収容固定した場合、開口部114内に凸部112が差し込まれる。バッキングケース110の前面板と図示されていない電子回路基板の背面との間に、図7に示した排熱シート76が挟み込まれる。その場合、排熱シート76に形成された開口部78に図16に示した凸部112が差し込まれる。これにより、電子回路基板を通じて伝達される超音波が凸部112を介してバッキング部材108の本体へ伝達され、そこで超音波が効果的に吸収される。図7に示したように、排熱シート76は、複数のウイング30,32,50,52を有し、その内で、ウイング50,52が図16に示した側面板108c,108d及び背面板110eに接合される。
この図16に示した構成によれば、第1例乃至第3例と同様に、比較的柔らかいバッキング部材に対して外骨格としての硬質バッキングケースを取り付けることができ、それを利用して内部ユニットをプローブヘッドケースに固定することが可能である。更に、電子回路基板で生じた熱を直接的に又は排熱シートを介してバッキングケースに伝達することが可能であるので、放熱効果をより高められる。なお、図16に示す構成において、バッキングケース110内にバッキング部材108を配置するために、前面板110f又は背面板110eを取り外し可能に構成してもよい。
図14乃至図16に示した第2例乃至第4例においても、第1例と同様に、バッキングケース(あるいは、バッキング部材及びバッキングケースの結合体)が、放熱シェルであるプローブヘッドケースの内面によって保持(狭持)される。すなわち、プローブヘッドケースの内面に形成された右側窪み及び左側窪みに、バッキングケース(あるいは、バッキング部材及びバッキングケースの結合体)の右端部及び左端部が嵌め込まれる。第3例として示した構成において、バッキング部材の右側面及び左側面から直接的にプローブヘッドケース内面へ熱が伝えられる。上記の嵌め込みによる固定方法に代えて又はそれと共に、他の固定方法を採用してもよい。そのような固定方法として、例えば、ねじ止めによる固定、接着剤による固定、等があげられる。プローブヘッドケース内部に対して全体的に接着剤を充填することも可能である。
10 プローブ、12 プローブヘッド、14 内部アセンブリ、16 放熱シェル、18 外皮、20 振動子ユニット、22 中継基板、24 電子回路基板、26 バッキング部材、30 後ウイング、32 前ウイング、33 バッキングケース、50 右ウイング、52 左ウイング。
本発明にれば、超音波探触子において、アレイ振動子及びバッキングを有する内部ユニットをプローブヘッドケース内に確実に固定できる。特に、内部ユニットの非生体側端部を被固定部分として機能させることが可能である。あるいは、本発明によれば、超音波探触子において、電子回路基板で生じた熱をプローブヘッドケースに逃がすことが可能である。

Claims (10)

  1. 複数の振動素子を有するアレイ振動子と、前記アレイ振動子の背面側に設けられ超音波を減衰させるバッキング部材と、前記バッキング部材を包み込んで保持するバッキングケースと、を有する内部ユニットと、
    前記バッキングケースを保持するプローブヘッドケースと、
    を含み、
    前記内部ユニットが前記バッキングケースを介して前記プローブヘッドケースによって保持された、ことを特徴とする超音波探触子。
  2. 請求項1記載の超音波探触子において、
    前記バッキングケースは、前記バッキングが有する複数の側面を覆う複数の側面板を有する、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  3. 請求項2記載の超音波探触子において、
    前記バッキングケースは、前記バッキングが有する4つの側面を覆う4つの側面板を有する、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  4. 請求項2記載の超音波探触子において、
    前記バッキングケースは、前記複数の側面板に連結され前記バッキングが有する背面を覆う背面板を有する、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  5. 請求項2記載の超音波探触子において、
    前記バッキングケースは、前記バッキングの前面に設けられた板であって前記バッキング部材の一部を通過させる開口を有する前面板を有する、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の超音波探触子において、
    前記プローブヘッドケースの右側内面及び左側内面が前記バッキングケースの右端部及び左端部を保持する、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  7. 請求項6記載の超音波探触子において、
    前記プローブヘッドケースの右側内面には前記バッキングケースの右端部を収容する右側窪みが形成され、
    前記プローブヘッドケースの左側内面には前記バッキングケースの左端部を収容する左側窪みが形成された、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の超音波探触子において、
    前記内部ユニットは、前記複数の振動素子に対して電気的に接続された電子回路を有する電子回路基板を含み、
    前記電子回路基板で生じた熱が前記バッキングケースを介して前記プローブヘッドケースに伝わる、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  9. 請求項8記載の超音波探触子において、
    前記電子回路基板と前記バッキングとの間に熱伝導シートが設けられ、
    前記熱伝導シートは本体部分とその本体部分から外側へ伸長した少なくとも1つのウイングとを有し、
    前記ウイングが前記バッキングケースの外表面に接合された、
    ことを特徴とする超音波探触子。
  10. 請求項9記載の超音波探触子において、
    前記熱伝導シートは前側ウイング及び後側ウイングを有し、
    前記前側ウイング及び前記後側ウイングは前記バッキングケースの外表面に接合された、
    ことを特徴とする超音波探触子。
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