JP2014168120A - 画像処理装置および画像処理プログラム並びに電子カメラ - Google Patents

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Abstract

【課題】
従来は、ホワイトバランス補正と色再現の総合的な補正については十分に検討されていなかった。
【解決手段】
本発明では、画像入力部が入力する画像を処理領域毎に複数の輝度範囲に分割して光源判定を行う光源判定部と、輝度範囲毎に、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転補正、の少なくとも1つの補正パラメータを求める補正パラメータ算出部と、光源判定結果および輝度範囲毎の画像の特徴量に基づいて、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転補正、の少なくとも1つの補正パラメータの補正割合を算出して補正パラメータを調整し、輝度範囲毎の補正パラメータを全輝度範囲に亘って重ね合わせを行う補正パラメータ調整部と、調整後の補正パラメータを用いて、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転補正、の少なくとも1つを補正する補正処理部とを有する。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源色補正技術に関する。
一般的な電子カメラでは、光源の色温度を検出して、無彩色の被写体が無彩色の画像として撮影されるようにホワイトバランス補正を行っている。ところが、撮影画像内に複数の光源に影響される被写体が含まれる場合、適切なホワイトバランス補正を行うことは難しい。そこで、撮影画像を複数の領域に分割し、領域毎にホワイトバランス補正を行った後、色再現処理を施す方法などが検討されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−166753号公報
従来技術では、特定光源色の影響が大きいか否かを判別して択一的に補正するために補正対象が限定されず、不必要な箇所に対しても補正が行われてしまうという問題があった。また、複数の領域に分割してホワイトバランス補正を行う場合は光源判別が主であり、ホワイトバランス補正とは別に、例えば風景や人物を見栄え良く再現する処理に特化しており、ホワイトバランス補正と色再現の総合的な補正については十分に検討されていなかった。
上記課題に鑑み、本発明の目的は、光源判定及び画像分析を行い、補正対象に応じてホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転を総合的に実施して適切な光源色補正を行うことにより、画像の違和感を最小限に抑えることができる画像処理装置および画像処理プログラム並びに電子カメラを提供することである。
本発明に係る画像処理装置は、カラー画像を入力する画像入力部と、前記画像入力部が入力する画像の全領域または複数に分割した領域を処理領域として、前記処理領域毎に複数の輝度範囲に分割し、前記輝度範囲毎に光源判定を行う光源判定部と、前記輝度範囲毎に、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転補正、の少なくとも1つの補正パラメータを求める補正パラメータ算出部と、前記光源判定結果および前記輝度範囲毎の画像の特徴量に基づいて、前記ホワイトバランス補正、前記ガンマ補正、前記彩度補正、前記色相回転補正、の少なくとも1つの前記補正パラメータの補正割合を算出して前記補正パラメータを調整し、調整後の前記輝度範囲毎の補正パラメータを全輝度範囲に亘って重ね合わせを行う補正パラメータ調整部と、前記補正パラメータ調整部が調整後の前記補正パラメータを用いて、前記ホワイトバランス補正、前記ガンマ補正、前記彩度補正、前記色相回転補正、の少なくとも1つを補正する補正処理部とを有することを特徴とする。
また、前記補正パラメータ調整部は、前記各輝度範囲内の画像データを統計処理し、前記輝度範囲毎の色の統計値と、前記異なる輝度範囲間の色の統計値を比較した結果と、隣接する前記処理領域の光源判定結果および色の統計値と、前記入力画像のミックス光割合と、の少なくとも1つを前記画像の特徴量として用いることを特徴とする。
さらに、前記補正パラメータは、ホワイトバランスゲイン、ガンマ特性、彩度補正する色相と増減量、色相回転する色相範囲と回転量、の少なくとも1つであることを特徴とする。
特に、前記色の統計値として、色のばらつきを示す色差の標準偏差を用いることを特徴とする。
また、前記補正パラメータ調整部は、前記輝度範囲毎の補正パラメータを全輝度範囲に亘って重ね合わせる時に、隣接する前記輝度範囲の境界部分の特性を平滑化することを特徴とする。
本発明に係る画像処理プログラムは、前記画像処理装置の各部の処理をコンピュータで実行することを特徴とする。
本発明に係る電子カメラは、前記画像処理装置を搭載する電子カメラであって、被写体を撮像して得られた画像を前記画像入力部に出力する撮像部と、前記画像処理装置が補間した画像を記録する記憶部とを有することを特徴とする。
本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラム並びに電子カメラは、光源判定及び画像分析を行い、補正対象に応じてホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転を総合的に実施して適切な光源色補正を行うことにより、画像の違和感を最小限に抑えることができる。
本実施形態に係る電子カメラ101の構成例を示すブロック図である。 光源色補正処理を内容を示す図である。 処理領域例と輝度範囲例とを示す図である。 輝度範囲別の光源判定処理例を示す図である。 補正割合の算出例を示す図である。 補正割合の調整処理(1)を示す図である。 補正割合の調整処理(2)を示す図である。 補正割合の調整処理(3)を示す図である。 補正割合によるガンマ補正特性の調整および生成例を示す図である。 補正割合による彩度補正特性の調整および生成例を示す図である。 補正割合による色相回転補正特性の調整および生成例を示す図である。
以下、本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラム並びに電子カメラの実施形態について、図面を用いて詳しく説明する。尚、本実施形態では、本発明に係る画像処理装置が搭載された電子カメラの例を挙げて説明するが、撮影済みの画像を入力して画像処理を行うパソコンのプログラムや単体の画像処理装置であっても構わない。本実施形態に係る電子カメラ101では、光源判定及び画像分析を行うことにより、補正対象に応じてホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転を総合的に実施して適切な光源色補正を行うことができるようになっている。
[電子カメラ101の構成例]
図1は、電子カメラ101の構成を示すブロック図である。図1において、電子カメラ101は、光学系102と、メカニカルシャッタ103と、撮像素子104と、A/D変換部105と、画像バッファ106と、画像処理部107と、制御部108と、メモリ109と、表示部110と、操作部111と、メモリカードIF(インターフェース)112とで構成される。ここで、画像処理部107は、本発明に係る画像処理プログラムが搭載された画像処理装置に相当するブロックである。
図1において、光学系102に入射される被写体光は、メカニカルシャッタ103を介して撮像素子104の受光面に入射される。ここで、光学系102は、ズームレンズやフォーカスレンズなどの複数枚のレンズおよびレンズ駆動部や絞りなどで構成され、制御部108からの指令に応じて、ズームレンズやフォーカスレンズ或いは絞りなどが撮影条件に応じて制御される。
撮像素子104は、カラー画像を撮影可能なCMOSセンサなどで構成される。本実施形態に係る電子カメラ101では、撮像素子104は、各画素にRGB3色のいずれか1色のカラーフィルタを有するベイヤー配列のRAWデータの画像信号を出力する。
A/D変換部105は、撮像素子104が出力する画像信号を各画素毎にデジタル値に変換し、1枚の撮影画像分の画像データを画像バッファ106に一時的に記憶する。例えば、撮像素子104の解像度が4000画素×3000画素である場合、1200万画素分の画像データが画像バッファ106に取り込まれる。尚、画像バッファ106に取り込まれた画像データがRAWデータである場合は、色補間処理によって各画素にRGB3色の情報を有するRGBデータやYCbCrデータなどの輝度/色差データに変換される。ここで、本実施形態に係る電子カメラ101で行う光源色補正は、RAWデータ、RGBデータ、YCbCrデータなどのいずれのデータフォーマットでも対応可能である。
画像バッファ106は、揮発性の高速メモリで構成され、A/D変換部105が出力する撮影画像を一時的に記憶するだけでなく、画像処理部107が画像処理を行う際のバッファメモリとしても使用される。或いは、撮影画像やメモリカードIF112に接続されたメモリカード112aに保存されている撮影済の画像を表示部110に表示する際の表示用バッファとしても使用される。
画像処理部107は、画像バッファ106に取り込まれた画像データに対して、ホワイトバランス処理、ガンマ補正処理、彩度補正処理、色相回転処理、色補間処理、ノイズ除去処理,輪郭強調処理などの画像処理を行う。また、画像処理部107は、顔などの特定被写体の検出処理や、水色や暖色などの特定色の検出処理なども行う。ここで、ホワイトバランス補正には、マニュアルホワイトバランス、プリセットホワイトバランス、オートホワイトバランスなどがあるが、本実施形態ではオートホワイトバランスの中でもマルチオートホワイトバランスに対応する。特に、一般的なマルチオートホワイトバランスではなく、ホワイトバランス補正と、ガンマ補正処理と、彩度補正処理と、色相回転処理とを総合的に行って光源色補正を行う。ここで、本実施形態に係る電子カメラ101におけるホワイトバランスモードを「総合ホワイトバランスモード」と称する。また、「総合ホワイトバランスモード」と、一般的なオートホワイトバランスモードやマニュアルホワイトバランスモードおよびプリセットホワイトバランスモードのいずれかは、ユーザーにより選択することができる。尚、「総合ホワイトバランスモード」については後で詳しく説明する。
制御部108は、内部或いはメモリ109に予め記憶されたプログラムに従って動作するCPUで構成され、電子カメラ101全体の動作を制御する。例えば、制御部108は、操作部111を構成する撮影モード選択ダイヤルやレリーズボタンの操作に応じて、電子カメラ101の撮影モードを設定したり、レリーズボタン押下時には光学系102のレンズ制御や絞り制御を行ってメカニカルシャッタ103を開閉して、撮像素子104で被写体画像を撮像する。そして、制御部108は、撮像素子104からアナログの画像信号を読み出しながらA/D変換部105でデジタル値に変換し、1画面分の画像データ(RAWデータ)を画像バッファ106に取り込む。さらに、制御部108は、画像バッファ106に取り込まれた画像データに対して、ホワイトバランス処理、ガンマ補正処理、彩度補正処理、色相回転処理、色補間処理、ノイズ除去処理,輪郭強調処理などの画像処理を施すよう画像処理部107に指令し、画像処理後の画像(或いは画像圧縮処理を行ったJPEG画像など)に所定のファイル名やヘッダ情報を付加してメモリカードI/F112を介してメモリカード112aに保存する。尚、RAWデータのままメモリカード112aに保存するようにして、後で画像処理を行うようにしてもよい。
メモリ109は、フラッシュメモリなどの不揮発性の半導体メモリで構成され、電子カメラ101の撮影モードや露出情報,フォーカス情報などのパラメータ、或いは制御部108のプログラムなどが記憶される。そして、制御部108はこれらのメモリ109に記憶されたパラメータを参照して電子カメラ101の動作を制御する。特に、本実施形態に係る電子カメラ101では、光源判定を行うための判定条件(色範囲など)、電子カメラ101の設計時に決められた補正パラメータ(ベースガンマ補正特性、ベース彩度補正特性、ベース色相回転特性など)、光源の種類に対応する色分布を示すデータベース、光源の種類別のデフォルトの補正量(補正パラメータ)、その他の閾値などの判定条件や画像処理パラメータなどが製造時にメモリ109に記憶されている。尚、各パラメータや判定条件などは、操作部111を介して行われる設定メニューによってユーザーが適宜変更することができる。また、ベースガンマ補正特性、ベース彩度補正特性、ベース色相回転特性などは、カメラメーカー独自の画作り・色作りの考え方に基づいて、撮像素子104から得られる画像の補正を行うパラメータである。
表示部110は、液晶モニタなどで構成され、制御部108によって撮影画像や電子カメラ101の操作に必要な設定画面などの操作メニューが表示される。
操作部111は、電源ボタン、レリーズボタン、撮影モード選択ダイヤル、十字キーなどで構成される。ユーザーは、これらの操作ボタンを操作して電子カメラ101を使用する。尚、これらの操作ボタンの操作情報は制御部108に出力され、制御部108は操作部111から入力する操作情報に応じて電子カメラ101全体の動作を制御する。
メモリカードIF112は、電子カメラ101にメモリカード112aを接続するためのインターフェースで、制御部108はメモリカードIF112を介してメモリカード112aとの間で画像データを読み書きする。
以上が本実施形態に係る電子カメラ101の構成および基本動作である。尚、電子カメラ101ではなく、本発明に係る単体の画像処理装置を構成する場合は、図1において、光学系102,メカニカルシャッタ103,撮像素子104およびA/D変換部105で構成される撮像に必要な部分を取り除いた装置とし、制御部108(画像処理装置の制御部に相当)が撮影済みのRAWデータをメモリカード112aから画像バッファ106に読み出して、画像処理部107でホワイトバランス処理、ガンマ補正処理、彩度補正処理、色相回転処理などを行う。
[光源色補正処理の例]
本実施形態に係る電子カメラ101では、撮像素子104で撮影された画像やメモリカード112aに記憶された撮影済の画像に対して、光源色補正処理を行うことができる。光源色補正処理は、例えば水銀灯や電球など色温度が異なる複数の光源の影響を受けている被写体を撮影したときに、それぞれの光源に対して光源色の影響を除去するための補正を行う処理である。特に、本実施形態に係る光源色補正処理は、補正対象に応じてホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転を総合的に実施することにより、複数の種類の光源の影響を受けている画像の光源色補正を適切に行うことができる。
図2は、制御部108の指令に基づいて画像処理部107によって実行される光源色補正処理の流れを示した図である。ここで、図2の処理は、前処理201と、補正パラメータ調整処理202と、補正処理203の3つに大別される。尚、図2において、本実施形態に係る電子カメラ101の特徴となる処理は、実線矢印で示した処理である。
以下、各部の処理について詳細に説明する。
[前処理201]
前処理201は、入力画像の処理領域を設定し、処理領域毎に光源判別してWBゲインを算出する処理を行う。或いは、処理領域が画像全体である場合は、画像全体で光源判別してWBゲインを算出する処理を行う。
先ず、前処理201において、画像処理部107は、処理251で、光源色補正処理を行う画像を入力する処理を行う。具体的には、撮像素子104により撮影され、A/D変換部105でデジタルの画像データに変換されて画像バッファ106に取り込まれた撮影画像を入力する。或いは、メモリカード112aに保存されている撮影済みの画像を画像バッファ106に読み出し、読み出された画像を入力する。ここで、本実施形態では、撮像素子104からベイヤー配列の画素で出力されるRAWデータの画像を入力する。
次に、画像処理部107は、入力画像に対して、処理領域を設定する処理、処理領域毎に複数の輝度範囲に分割する処理、輝度範囲毎に光源判定する処理、輝度範囲毎に第2WBゲインを求める処理、などを実行する(処理252)。
・処理領域の設定処理
処理領域を設定する処理では、画像処理部107は、入力画像に対して予め設定された大きさや分割数の処理領域を設定する。尚、処理領域の大きさや分割数は、パラメータとして予めメモリ109に記憶されており、制御部108により指定される。ここで、処理領域の設定例について図3を用いて説明する。図3において、入力画像301は、y軸方向にN行、x軸方向にM列の(N×M)個の画素(p(1,1)からp(N,M))で構成されている。そして、画像処理部107は、入力画像を予め決められた複数の処理領域に分割する。図3の例では、入力画像301は、y軸方向に4個、x軸方向に5個の合計(4×5=20)個の処理領域(B(1,1)からB(4,5))が設定されている。また、各処理領域は、各画素がRGBいずれかの色成分を有するベイヤー配列の複数の画素で構成される。図3の点線吹き出し302は、処理領域B(2,5)のベイヤー配列の画素配置例を示している。
尚、本実施形態では、入力画像を複数の矩形状の処理領域に幾何学的に分割するようにしたが、特定被写体領域とその背景領域のように分割して、特定被写体領域内と背景領域内でそれぞれ輝度範囲別に以降で説明する処理を行うようにしてもよい。また、本実施形態では、入力画像を20個の処理領域に分割する例を示したが、矩形状の処理領域を小さくして個数を増やしたり、逆に処理領域を大きくして個数を減らしても構わない。極端な場合として、処理領域を入力画像全体としてもよい。この場合は、入力画像全体に対して輝度範囲別に以降で説明する処理を行うが、以降の処理において、隣接する処理領域の特徴量を比較する処理は行わないものとする。
・輝度範囲の分割処理
さらに、画像処理部107は、処理領域毎に予め設定された複数の輝度範囲に分割する処理を行う。尚、輝度範囲や分割数は、パラメータとして予めメモリ109に記憶されており、制御部108により指定される。ここで、輝度範囲の分割例について図3を用いて説明する。図3の輝度範囲303の例は、輝度Yを8ビット階調(0から255)で表す場合に、4つの輝度範囲(Y1からY4)に分割する例を示している。ここで、全輝度範囲は、輝度Y=0(暗い)から輝度Y=255(明るい)まで変化する。そして、例えばY1は0≦Y<90の輝度範囲、Y2は60≦Y<150の輝度範囲、Y3は120≦Y<210の輝度範囲、Y4は180≦Y≦255の輝度範囲、のように分割される。尚、図3の例では、各輝度範囲は、一部が重複するように分割されているが、重複せずに連続するようにしてもよいし、分割数を変えてもよい。例えば、輝度範囲が重複しない場合は、図3の点線吹き出し304に示したように、処理領域B(2,5)を輝度範囲Y1からY4までの4つの領域に分けることができる。
尚、図3の点線吹き出し304の例では、輝度を求める単位は、RGB各色の色成分が含まれる最小単位(ベイヤー配列の2行2列の互いに隣接する4つの画素)を基本単位305(1ベイヤ単位と称する)としている。例えば、図3の点線吹き出し304の例では、輝度範囲Y1とY2は3つの基本単位305(3ベイヤー)、輝度範囲Y3は4つの基本単位305(4ベイヤー)、輝度範囲Y4は2つの基本単位305(2ベイヤー)、をそれぞれ有している。ここで、輝度範囲が重複する場合は、基本単位305は両方の輝度範囲に属するものとして扱われる。尚、基本単位は、1ベイヤー単位でなくても良い。また、RAWデータではなくRGBデータの場合は、基本単位を1画素としてもよいし、複数画素としてもよい。
ここで、画像処理部107は、処理領域毎に複数の輝度範囲に分割する処理を全ての処理領域について行う。図3の例では、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の領域について同様の処理が実行される。
・光源の種類の判定処理
また、画像処理部107は、輝度範囲毎に光源の種類を判定する処理を行う。ここで、光源判定の一例について説明する。図4は、図3で説明した処理領域B(2,5)の輝度範囲Y3の領域における光源判定例を示す図である。尚、以下の光源判定方法は一例であり、他の方法で光源判定を行っても構わない。
図4において、輝度範囲Y3の領域310は、4つの基本単位((Y3−1)、(Y3−2)、(Y3−3)、(Y3−4)の4ベイヤー単位)を有している。そして、画像処理部107は、輝度範囲Y3の領域310の4つの基本単位の画像データ311から色の分布を調べる。ここで、画像データ311は、同じ輝度範囲に属することがわかり易いようにYCrCb(輝度・R色差・B色差)で示してあるが、RGBデータでも構わない。そして、画像処理部107は、4つの基本単位の画像データ311を例えばL表色系312に変換して、色の分布を調べ、メモリ109に予め記憶されている光源の種類と色の分布との対応を示すデータベースを参照して、光源を推定する。例えば図4の場合は「電球」であると判定する。
尚、図4の例では、説明がわかり易いように、輝度範囲Y3に属する基本単位が4ベイヤーしかないが、実際には色の分布が分かる程度の数の基本単位を有しており、光源を推定することが可能である。
ここで、画像処理部107は、同様の光源判定処理を他の3つの輝度範囲(Y1,Y2,Y4)について行う。図4の光源判定結果313,314の例では、輝度範囲Y1は光源なし(黒潰れなど)、輝度範囲Y2は水銀灯、輝度範囲Y3は電球、輝度範囲Y4は晴天、のような輝度範囲毎の光源判定結果が得られている。
ここで、画像処理部107は、輝度範囲毎に光源を推定する処理を全ての処理領域(図3の例では、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の領域)について実行する。
・輝度範囲毎のWBゲインの算出処理
さらに、画像処理部107は、輝度範囲毎にWBゲインを算出する処理を行う。ここで、処理252で算出される輝度範囲毎のWBゲインを第2WBゲインと称する。また、画像処理部107は、輝度範囲毎に第2WBゲインを求める処理を全ての処理領域(図3の例では、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の領域)について実行する。
このようにして、前処理201では、画像処理部107は、入力画像に対して、処理領域を設定する処理、処理領域毎に複数の輝度範囲に分割する処理、輝度範囲毎に光源判定する処理、輝度範囲毎に第2WBゲインを求める処理、の各処理252を実行する。尚、前処理201では、画像処理部107は、一般的に行われているWBゲインの算出処理も平行して実行する。例えば、処理253において、画像処理部107は、画像全体に対して光源判定を行い、光源の種類に適したWBゲインを求める処理を実行する。ここで、処理253で算出される画像全体のWBゲインを第1WBゲインと称する。
尚、ホワイトバランスゲイン(以下、WBゲインと称する)は、無彩色の被写体を撮影した時に無彩色の画像が得られるように、RGBの比率を調整するゲインで、例えば、画像内のRGB各色の画素の平均値をRave、Gave、Baveとした場合、WBゲイン(Rゲイン:Rg、Bゲイン:Bg)は、以下の式で求めることができる。
Rg=Gave/Rave … (式1)
Bg=Gave/Bave … (式2)
従って、第1WBゲインは画像全体について、第2WBゲインは処理領域毎の輝度範囲別に、それぞれ上記のように計算して求められる。
[補正パラメータ調整処理202]
次に、図2の補正パラメータ調整処理202において、画像処理部107は、処理261で、WBゲインやガンマ補正特性、彩度補正特性および色相回転特性などの補正パラメータを補正する割合(補正割合)を算出する。そして、補正パラメータ調整処理202では、輝度範囲毎に補正割合で調整した各補正パラメータを前輝度範囲に亘ってマージする処理を行う。更に、補正パラメータ調整処理202では、マージした各特性を、予め設定されたガンマ補正特性、彩度補正特性および色相回転特性の各ベースの特性に重ね合わせる処理を行い、最終的な補正パラメータを生成する。
ここで、補正割合は、例えば前処理201で求めた輝度範囲毎の第2WBゲインを補正する割合で、輝度範囲毎の画像データを統計処理した統計値や光源判別結果などが用いられる。図5は、補正割合の算出方法の一例を示す図で、輝度範囲毎の輝度Yや色の統計値を用いて、ガンマ補正用の補正割合x0%および彩度低減補正用の補正割合y0%とを求める。尚、色相回転補正用の補正割合については、彩度低減補正用の補正割合y0%を併用してもよいし、別途、同様の考え方で色相回転補正用の補正割合z0%を求めてもよい。また、図5の例では、輝度Yと色の統計値の両方を用いているが、いずれか一方の統計値だけで補正割合を求めるようにしてもよい。
図5において、輝度Yの統計値(例えば平均値Y1)から求めた補正割合(xa%、ya%)と、色の統計値(例えば色差の標準偏差σCb、σCrなど色のばらつきを示す指標C1)から求めた補正割合(xb%、yb%)とを乗算して、最終的な補正割合(x0%、y0%)を求めている。
図5の例では、輝度Yに対するガンマ用補正曲線a1および彩度用補正曲線a2を示す補正特性320と、色のばらつきに対するガンマ用補正曲線b1および彩度用補正曲線b2を示す補正特性321とを示している。ここで、各曲線は、電子カメラ101の設計時に決められた補正特性で、製造時などにメモリ109に記憶されている。例えば、ガンマ用補正曲線a1の場合は、横軸に輝度Yを取り、明るい部分は補正割合を大きくし、暗い部分は補正割合を小さくする補正曲線である。尚、補正割合は、補正パラメータを適用する割合を示し、例えば補正パラメータがWBゲインの場合に、算出されたWBゲインが1.5倍であるとする。この時、補正割合が100%であればWBゲインを1.5倍のまま適用してホワイトバランス補正を行い、逆に補正割合が0%であればホワイトバランス補正は行わない(WBゲインは1.0倍となる)。つまり、WBゲインが1.5倍の場合は、RGBの比率が変化しないWBゲインの1.0倍を基準にして、差分(1.5−1.0=0.5)に対して補正割合だけ乗算される。例えば、補正割合が60%であればWBゲインは(1.0+0.5×0.6=1.3倍)となり、補正割合が20%であればWBゲインは(1.0+0.5×0.2=1.1倍)となる。尚、WBゲインは、RゲインとBゲインとがあり、補正割合は両方のゲインに適用される。これにより、ホワイトバランス補正を行うべき明るい部分ほどホワイトバランス補正は適切に行われ、ホワイトバランス補正を行う必要がない暗い部分ほどホワイトバランス補正はなるべく行わないように制御される。
また、ガンマ用補正曲線b1の場合は、横軸に色のばらつきを取り、色のばらつきが大きい部分は補正割合を小さくし、色のばらつきが小さい部分は補正割合を大きくする補正曲線である。尚、補正パラメータがWBゲインの場合の補正割合の適用方法は、ガンマ用補正曲線a1と同じである。これにより、色のばらつきが大きい部分ほど補正割合が小さくなるので、ホワイトバランス補正はなるべく行わないようにWBゲインは1.0倍に近づき、色のばらつきが小さい部分ほど補正割合が大きくなるので、算出されたWBゲイン近傍でホワイトバランス補正を行うように制御される。
同様に、彩度用補正曲線a2の場合は、横軸に輝度Yを取り、明るい部分は補正割合を大きくし、暗い部分は補正割合を小さくする補正曲線である。例えば補正パラメータが彩度の場合に、判定された光源の彩度の補正割合を求める。尚、彩度は、L色空間上で√(a×a+b×b)として算出できる。ここで、彩度が60で補正割合が100%であれば彩度低減は行わず、彩度は60のままとなり、補正割合が60%であれば彩度は60から36に低減される。これにより、輝度Yが明るい部分ほど補正割合が大きくなるので彩度の低減は少なくなり、暗い部分ほど補正割合が小さくなるので彩度を大きく低減するように制御される。
また、彩度用補正曲線b2の場合は、横軸に色のばらつきを取り、色のばらつきが大きい部分は補正割合を小さくし、色のばらつきが小さい部分は補正割合を大きくする補正曲線である。例えば補正パラメータが彩度の場合は、彩度用補正曲線a2の場合と同様に彩度低減が行われる。これにより、色のばらつきが大きい部分ほど補正割合が小さくなるので彩度が大きく低減され、色のばらつきが小さい部分ほど補正割合が大きくなるので彩度の低減は少なくなるように制御される。
ここで、彩度用補正曲線a2はガンマ用補正曲線a1と同様に、明るい部分は補正割合を大きくし、暗い部分は補正割合を小さくするが、彩度用補正曲線a2の変化はガンマ用補正曲線a1よりもなだらかに設定されている。同様に、彩度用補正曲線b2の変化はガンマ用補正曲線b1よりもなだらかに設定されている。この理由は、ガンマ補正の変化よりも彩度補正の変化の方が目立ち易いので、彩度補正の変化をガンマ補正の変化よりも小さくするためである。
このようにして、補正特性320からガンマ補正用の補正割合xa%、補正特性321からガンマ補正用の補正割合xb%、がそれぞれ求まるので、これらを乗算して、最終的なガンマ補正用の補正割合x0%を以下の式により求めることができる。
x0=(xa/100 × xb/100) × 100 (%) …(式3)
同様に、補正特性320から彩度低減補正用の補正割合ya%、補正特性321から彩度低減補正用の補正割合yb%、をそれぞれ求め、以下の式により、最終的な彩度低減補正用の補正割合y0%を求めることができる。
y0=(ya/100 × yb/100) × 100 (%) …(式4)
ここで、色相回転補正用の補正割合z0%を求める場合は、彩度用補正曲線a2および彩度用補正曲線b2を流用してもよいし、別途、色相回転補正曲線を設定するようにしてもよい。いずれの場合でも、ガンマ補正用の補正割合x0%や彩度低減補正用の補正割合y0%と同様に色相回転補正用の補正割合z0%を求めることができる。尚、上記の例では、補正特性320と補正特性321の両方を用いて補正割合を求めたが、いずれか一方だけを用いてもよい。
このようにして、画像処理部107は、WBゲインやガンマ補正特性、彩度補正特性および色相回転特性などの補正パラメータを補正する割合(補正割合)を輝度範囲毎に算出することができる。図5の補正割合算出結果322は、処理領域B(1,1)内の輝度範囲Y1からY4までの各輝度範囲毎に補正割合を求めた一例を示している。さらに、画像処理部107は、図3で説明した他の処理領域B(1,2)からB(4,5)についても輝度範囲毎に補正割合を求める。
次に、図2の補正パラメータ調整処理202の処理262では、画像処理部107は、処理261で求めた補正割合を輝度範囲毎の光源判定結果や画像分析結果などに基づいて補正割合を調整する処理を行う。例えば、異なる輝度範囲間の色の統計値の比較結果や、隣接する領域の光源判定結果および色の統計値との比較結果などにより、補正割合を調整する。或いは、対象画像のミックス光割合に応じて、補正割合を調整する。ここで、上記のような光源判定結果や色の統計値、ミックス光割合などを画像の特徴量と称する。
以下、いくつかの補正割合の調整処理例について、具体的に説明する。
(補正割合の調整処理(1))
図6は、同一の処理領域内の異なる輝度範囲間で色の統計値の比較して処理261で求めた補正割合を調整する処理の流れを示す図である。
(ステップS101)画像処理部107は、対象とする処理領域を初期設定する。例えば、図3の画像301の場合、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域の内、最初の処理領域B(1,1)を対象領域として設定する。
(ステップS102)画像処理部107は、対象領域内の輝度範囲間で色の統計値を比較する。例えば、図3の輝度範囲303の場合、輝度範囲Y1の色の統計値と、輝度範囲Y2の色の統計値とを比較する。ここで、色の統計値は、例えば色差(Cr、Cb)の平均色差(Crav、Cbav)や標準偏差(σCr、σCb)などを用いる。
例えば、輝度範囲Y1の平均色差(Crav1、Cbav1)、輝度範囲Y2の平均色差(Crav2、Cbav2)、輝度範囲Y1の標準偏差(σCr1、σCb1)、輝度範囲Y2の標準偏差(σCr2、σCb2)、とした場合、輝度範囲Y1とY2の間で色の分布が類似しているか否かは次のように判断できる。色の分布が類似している場合は、両者の平均色差の差および標準偏差の差は小さくなり、色の分布が類似していない場合は、両者の平均色差の差および標準偏差の差は大きくなる。尚、色差はR色差とB色差とがあるので、例えば各色差の差分の絶対値の和や差分の二乗和として求め、予め設定した閾値と比較してもよい。
ここで、上記の方法は一例であり、他の演算によって輝度範囲間の色の統計値を比較してもよい。例えば、同じ輝度範囲内の色差の平均値を基準に、同じ輝度範囲内に属する複数の色差値との色差空間上での距離の総和(または平均値)を求め、距離の総和(または平均値)で比較するようにしてもよい。この場合、距離の総和(または平均値)が小さいほど色のばらつきが小さく、距離の総和(または平均値)が大きいほど色のばらつきが大きい。
(ステップS103)画像処理部107は、異なる輝度範囲間の色の統計値の差に応じて補正割合を調整する。ここで、差の大きさと補正割合の関係については、電子カメラ101の製造時にメモリ109に記憶されている。例えば、画像処理部107は、差が大きくなるほど、図2の処理261で求めた補正割合(x0%、y0%、(z0%))を小さくする方向に調整する。具体的には、処理261で求めた補正割合が100%である場合、差が小さい場合は補正割合を100%近くに維持するが、差が大きくなるに連れて、補正割合を70%、50%、30%のように小さくする。例えば、算出されたWBゲインが1.5倍で、処理261で求めた補正割合が100%、且つ、ステップS102で求めた差が小さい場合は、補正割合の低減は行われず、WBゲインは1.5倍近傍に維持される。逆に、差が大きくなって補正割合が50%に低減されると、WBゲインは1.25倍に調整される。つまり、差が小さいということは、輝度範囲間で色の分布が類似している(光源色が近い)ことを意味するので、処理261で求めた補正割合を弱めることなく適用する。これは、求めた補正パラメータの信頼度が高いと言い換えることができる。逆に、差が大きいということは、輝度範囲間で色の分布が異なる(光源色が異なる)ことを意味するので、処理261で求めた補正割合を弱める方向に調整する。これは、求めた補正パラメータの信頼度が低いと言い換えることができる。
(ステップS104)画像処理部107は、入力画像内の全ての処理領域について、補正割合の調整を終了したか否かを判別し、終了していない場合はステップS105に進み、終了した場合は、一連の補正割合の調整処理(1)を終了する。
(ステップS105)画像処理部107は、次の処理領域を対象領域として設定する。例えば、図3の画像301の場合、処理領域B(1,1)の処理が終了したら、次の処理領域B(1,2)を設定し、ステップS102に戻る。そして、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して、ステップS102およびS103の処理を施して補正割合の調整を行う。
このようにして、図6の処理結果330に示したように、同一の処理領域内の異なる輝度範囲間で色の統計値の比較して処理261で求めた輝度範囲毎の補正割合(x0%、y0%、(z0%))を調整し、調整後の補正割合(x1%、y1%、(z1%))を求めることができる。
(補正割合の調整処理(2))
図7は、隣接する処理領域と輝度範囲毎の光源判定結果を比較して補正割合の調整処理(1)で調整後の補正割合を更に調整する処理の流れを示す図である。
(ステップS201)画像処理部107は、図6で説明した補正割合の調整処理(1)のステップS101と同様に、対象とする処理領域を初期設定する。
(ステップS202)画像処理部107は、隣接する領域の輝度範囲毎の光源判定結果を比較する。尚、ここでは、光源判定結果を比較するが、色の統計値など他の特徴量で比較するようにしても構わない。
光源判定結果で比較する場合、前処理201で求めた各処理領域の輝度範囲毎の光源判定結果を用いる。例えば図7の比較例340は、処理領域B(1,1)と処理領域B(1,2)の輝度範囲毎の光源判定結果の比較例である。比較例340の場合、輝度範囲Y1,Y2,Y4の3つの輝度範囲における光源の種類は、処理領域B(1,1)と処理領域B(1,2)で同じである。ところが、処理領域B(1,1)の輝度範囲Y3の光源の種類は電球であるのに対して、処理領域B(1,2)の輝度範囲Y3の光源の種類は晴天なので、光源の種類が異なっている。
(ステップS203)画像処理部107は、隣接する領域の輝度範囲毎の光源判定結果と対象領域の同じ輝度範囲の光源判定結果が異なるか否かを判別する。そして、画像処理部107は、光源判定結果が異なる場合は、先の調整処理(1)で調整後の補正割合(x1%、y1%、(z1%))を小さくする方向に調整し、光源判定結果が同じ場合は、補正割合の調整を行わず、調整処理(1)で調整後の補正割合(x1%、y1%、(z1%))を維持する。尚、補正割合を調整する処理は、先に説明したステップS103と同様なので、重複する説明は省略する。
ここで、隣接する処理領域と光源判定結果が同じであるということは、隣接する処理領域と色の分布が類似している(光源色が近い)ことを意味するので、調整処理(1)で調整後の補正割合を弱めることなく使用する。これは、調整処理(1)の場合と同様に、求めた補正パラメータの信頼度が高いと言い換えることができる。逆に、光源判定結果が異なるということは、隣接する処理領域と色の分布が異なる(光源色が異なる)ことを意味するので、調整処理(1)で調整後の補正割合を弱める方向に調整する。これも、調整処理(1)の場合と同様に、求めた補正パラメータの信頼度が低いと言い換えることができる。
(ステップS204)画像処理部107は、ステップS104と同様に、入力画像内の全ての処理領域について、補正割合の調整を終了したか否かを判別し、終了していない場合はステップS205に進み、終了した場合は、一連の補正割合の調整処理(2)を終了する。
(ステップS205)画像処理部107は、ステップS105と同様に、次の処理領域を対象領域として設定する。そして、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して、ステップS202およびS203の処理を施して補正割合の調整を行う。
このようにして、図7の処理結果341に示したように、隣接する処理領域の輝度範囲毎の光源判定結果を比較して、調整処理(1)で調整後の補正割合(x1%、y1%、(z1%))を調整し、調整後の補正割合(x2%、y2%、(z2%))を求めることができる。
(補正割合の調整処理(3))
図8は、対象画像のミックス光割合によって補正割合の調整処理(2)で調整後の補正割合を更に調整する処理の流れを示す図である。
(ステップS301)画像処理部107は、図6で説明した補正割合の調整処理(1)のステップS101と同様に、対象とする処理領域を初期設定する。
(ステップS302)画像処理部107は、対象画像のミックス光割合を算出する。ここで、対象画像は、入力画像全体とするが、処理領域毎の画像であってもよい。尚、入力画像全体の場合は、全ての処理領域に対して同じように補正割合が調整され、処理領域毎の画像の場合は、処理領域毎に補正割合が調整される。
ミックス光割合は、周知のいずれの方法を用いても構わないが、例えばヒストグラムを用いてミックス光割合を求めることが可能である。例えば図8のヒストグラム350において、ヒストグラムの先鋭度を求め、先鋭度が高いほど単一光の可能性が大きいと考えられるのでミックス光割合が小さくなり、逆に先鋭度が低いほど複数光の可能性が大きいと考えられるのでミックス光割合が大きくなる。
ここで、先鋭度の求め方の一例として、例えばヒストグラムの包絡線の右上がりの接線350aと、右下がりの接線350bとを求め、2つの接線の交点の頻度をHとし、接線350aとYの軸との交点をYa、接線350bとYの軸との交点をYbとして、例えば、先鋭度をH/(Yb−Ya)のように求めることができる。そして、求めた先鋭度をミックス光割合に変換するテーブルをメモリ109に予め記憶しておいてもよいし、先鋭度の逆数をミックス光割合としてもよい。つまり、先鋭度が大きいほど、光源の混ざり(ミックス光割合)が少なく、先鋭度が小さいほど、光源の混ざりが多いことを意味する。
尚、上記の例では、分かり易いように、ヒストグラムの山が1つの場合について説明したが、ヒストグラムの山が複数個ある場合でも各山について先鋭度を求めて平均化するなどの演算処理を施すことにより、ミックス光割合を求めることができる。また、ヒストグラムから先鋭度以外の方法でミックス光割合を求めてもよいし、ヒストグラム以外の方法でミックス光割合を求めてもよい。
(ステップS303)画像処理部107は、ミックス光割合に応じて先の調整処理(2)で調整後の補正割合を調整する。例えば、ミックス光割合が大きくなるに連れて、調整処理(2)で調整後の補正割合(x2%、y2%、(z2%))小さくする方向に調整し、ミックス光割合が小さくなるに連れて、調整処理(2)で調整後の補正割合(x2%、y2%、(z2%))を大きくする方向に調整する。例えば、ミックス光割合が予め設定した閾値よりも小さい場合は、補正割合の調整を行わず、調整処理(2)で調整後の補正割合(x2%、y2%、(z2%))を維持するようにしてもよい。尚、補正割合を調整する処理は、先に説明したステップS103と同様なので、重複する説明は省略する。
ここで、ミックス光割合が小さいということは、複数の種類の光源の混ざり具合が少ないことを意味するので、調整処理(2)で調整後の補正割合を弱めることなく使用する。これは、求めた補正パラメータの信頼度が高いと言い換えることができる。逆に、ミックス光割合が大きいということは、複数の種類の光源の混ざり具合が多いことを意味するので、調整処理(2)で調整後の補正割合を弱める方向に調整する。これは、求めた補正パラメータの信頼度が低いと言い換えることができる。
(ステップS304)画像処理部107は、ステップS104と同様に、入力画像内の全ての処理領域について、補正割合の調整を終了したか否かを判別し、終了していない場合はステップS305に進み、終了した場合は、一連の補正割合の調整処理(3)を終了する。
(ステップS305)画像処理部107は、ステップS105と同様に、次の処理領域を対象領域として設定し、ステップS302に戻る。そして、処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して、ステップS302およびS303の処理を施して補正割合の調整を行う。尚、画像全体について、ミックス光割合を求めて、各処理領域の補正割合を調整する場合は、ステップS302の処理は1回だけでよいので、ステップS303に戻る。
このようにして、図8の処理結果351に示したように、ミックス光割合によって調整処理(2)で調整後の補正割合(x2%、y2%、(z2%))を調整し、調整後の補正割合(x3%、y3%、(z3%))を求めることができる。尚、調整処理(1)から(3)の3つの処理は、全てを行う必要がなく、少なくとも1つを行うようにしてもよい。
以上説明したように、図2の補正パラメータ調整処理202の処理262によって、処理261で求めた補正割合を画像の特徴量に基づいて細かく調整することができる。
(その他の補正割合の調整)
ここで、先に説明した調整処理(1)から(3)は、ガンマ補正特性、彩度補正特性、色相回転特性のいずれにも適用可能な補正割合の調整処理であったが、ここでは、色相回転特有の補正割合の調整処理について説明する。
色相回転補正は、特定の色範囲の色相を回転させて色合いを変える補正処理で、例えば各カメラメーカーは、顔の肌色、水色、暖色、或いは特定被写体の色などをメーカー独自の画作り・色作りの考え方に基づいて、色相を補正する処理が行われている。例えば、顔検出を行って顔部分の肌色が美しく写るように補正が施される。ここで、処理262における色相回転補正用の補正割合の調整処理では、先に説明した調整処理(1)から(3)とは別に、顔などの特定被写体、水色、暖色、などを検出した時の信頼度を用いて、色相回転の補正割合を調整するか否かを判断する。例えば、顔検出は、顔の輪郭や目、鼻、口の位置関係や色などの複数の情報によって判別されているが、人間の顔ではない類似の被写体を誤検出する場合があり、実際の顔検出処理では、輪郭や目、鼻、口の位置関係などを評価して、評価結果が予め設定した閾値以上の場合に顔である可能性が高いと判断することなどが行われている。そこで、本実施形態では、例えば、顔検出の評価結果を信頼度として求め、信頼度が予め設定した閾値以上の場合は、先に説明した調整処理(1)から(3)の補正割合を色相回転補正には適用せず、信頼度が予め設定した閾値未満の場合には、先に説明した調整処理(1)から(3)の補正割合を色相回転補正にも適用する。これにより、カメラメーカー独自の画作り・色作りの考え方に基づいて、色相補正される顔の肌色などに対する処理を優先することができる。尚、上記の処理を処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して実行する。
このようにして、図2の補正パラメータ調整処理202の処理262によって、処理261で求めた補正割合を被写体の特徴量に基づいて細かく調整することができる。
[補正割合の適用]
次に、処理262で求めた補正割合を適用して、ガンマ補正処理、彩度補正処理、色相回転処理の各処理を行うための補正パラメータを生成する処理について説明する。例えば、図2の補正パラメータ調整処理202における処理263は、補正パラメータとして、ガンマ補正処理を行うためのガンマ補正特性を生成する処理を行う。処理264は、補正パラメータとして、彩度補正処理を行うための彩度補正補正特性を生成する処理を行う。処理265は、補正パラメータとして、色相回転補正処理を行うための色相回転補正特性を生成する処理を行う。
以下、各補正特性の生成処理について順番に詳しく説明する。
(ガンマ補正特性の生成処理)
先ず、図2において、処理263のガンマ補正特性を生成する処理について説明する。処理263では、輝度範囲別のWBゲインを処理261および処理262で求めた補正割合x%で調整し、調整後の輝度範囲別のWBゲインを全輝度範囲にマージする。この時、隣接する輝度範囲のWBゲインが連続して滑らかに変化するように平滑化する。そして、ベースのガンマ特性と重ね合わせて、最終的なガンマ補正特性を生成する。尚、補正割合x%は、処理261および処理262で求めた補正割合x0%、x1%、x2%、x3%のいずれでもよいが、例えば調整処理(1)で調整後の補正割合x1%よりも調整処理(2)で調整後のx2%、調整処理(2)で調整後のx2%よりも調整処理(3)で調整後のx3%の方が調整の精度がより一層高くなる。
図9は、ガンマ補正特性を生成するまでの一連の処理の様子を示す図である。図9において、光源判定結果360は、処理領域B(1,1)の例を示している。そして、前処理201で求めた輝度範囲Y1のWBゲイン361と、輝度範囲Y2のWBゲイン362と、輝度範囲Y3のWBゲイン363と、輝度範囲Y4のWBゲイン364と、はそれぞれの輝度範囲別のWBゲイン特性を示している。ここで、WBゲインは、RゲインとBゲインとがあり、各WBゲイン特性ではゲイン1.0倍の軸を基準にRゲインとBゲインとを描いてある。
図9において、輝度範囲Y1のWBゲイン361および輝度範囲Y2のWBゲイン362では、例えばRゲイン=1.5、Bゲイン=1.4である。輝度範囲Y3のWBゲイン363では、例えばRゲイン=−1.5、Bゲイン=1.5である。また、輝度範囲Y4のWBゲイン364では、例えばRゲイン=1.3、Bゲイン=−1.3である。
次に、各輝度範囲毎のWBゲインを処理261および処理262で求めた補正割合x%で補正する処理について説明する。図9の例では、輝度範囲Y1の補正割合は0%、輝度範囲Y2の補正割合は10%、輝度範囲Y3の補正割合は30%、輝度範囲Y4の補正割合は100%である。ここで、補正割合がa%の場合は、基準の1.0倍とWBゲインとの差分にa/100倍した調整後の差分を基準の1.0倍に加算して、WBゲインを調整する。尚、WBゲインが1.0倍の場合は、実質的にホワイトバランス補正が行われないことを意味する。
例えば、輝度範囲Y1の例では、Rゲイン=1.5、Bゲイン=1.4なので、1.0倍に対するRゲインの差分は0.5、Bゲインの差分は0.4であるが、補正割合は0%なので、補正後の差分はRゲインおよびBゲイン共に0となり、調整後のWBゲイン365は、Rゲイン=1.0、Bゲイン=1.0となる。同様に、輝度範囲Y2の例では、Rゲイン=1.5、Bゲイン=1.4なので、1.0倍に対するRゲインの差分は0.5、Bゲインの差分は0.4となり、補正割合は10%なので、補正後の差分はRゲインが0.05、Bゲインが0.04となり、調整後のWBゲイン366は、Rゲイン=1.05、Bゲイン=1.04となる。また、輝度範囲Y3の例では、Rゲイン=−1.5、Bゲイン=1.5なので、1.0倍に対するRゲインの差分は−0.5、Bゲインの差分は0.5となり、補正割合は30%なので、補正後の差分はRゲインが−0.15、Bゲインが0.15となり、調整後のWBゲイン367は、Rゲイン=−1.15、Bゲイン=1.15となる。さらに、輝度範囲Y4の例では、Rゲイン=1.3、Bゲイン=−1.3なので、1.0倍に対するRゲインの差分は0.3、Bゲインの差分は−0.3となり、補正割合は100%なので、補正後の差分はRゲインが0.3、Bゲインが−0.3となり、調整後のWBゲイン368は、Rゲイン=1.3、Bゲイン=−1.3となる。
そして、輝度範囲別の調整後のWBゲイン特性365から368の4つのWBゲインを組み合わせて全輝度範囲にマージ(合成)する。この時、隣接する輝度範囲との境界部分の特性が不連続にならないように、平滑化する処理を行う。これにより、例えば図9の合成後のWBゲイン特性369を求めることができる。尚、輝度範囲Y4の端のRゲインとBゲインは1.0倍に収束させておいてもよい。
次に、画像処理部107は、図9に示したように、全輝度範囲にマージしたWBゲイン特性369を、電子カメラ101自体に予め設定されているベースガンマ特性370に重ね合わせる処理を行い、最終的な補正用のガンマ特性371を生成する。
以降、同様の処理を処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して実行する。ここで、ガンマ特性371は、RGBの入出力特性を示し、ベースガンマ特性に輝度範囲別の第2WBゲインが重畳されているので、従来のように画像一律のホワイトバランス補正では対応が難しかった被写体の状況に応じたホワイトバランス補正をガンマ補正と同時に行うことができる。特に、輝度範囲間のWBゲインの境界部分を平滑化しているので、急激な画像の変化が目立たず、補正後の画像の違和感を抑制することができる。また、補正割合は、異なる輝度範囲や隣接領域などの光源判定結果や統計値を勘案して決定するので、輝度範囲間や隣接領域間などの境界部分の急激な変化を防止し、補正後の画像の違和感を抑制することができる。
(彩度補正特性の生成処理)
次に、図2において、処理263と並列に実行される処理264について説明する。処理264は、前処理201で求められた輝度範囲別の光源判定結果に基づく色相の彩度低減量を調整し、ベースの彩度補正特性と重ね合わせて、最終的な彩度補正特性を生成する処理である。ここで、ベースの彩度補正特性は、カメラメーカー独自の画作り・色作りの考え方に基づいて、予め決められている特定の色相の彩度を増減するための補正特性で、例えば青空や葉の緑などの彩度を高くしたり、暗い部分のノイズを目立たなくするために彩度を低くしたりする。
図10は、本実施形態に係る電子カメラ101において、彩度補正特性を生成するまでの一連の処理の様子を示す図である。図10において、光源判定結果360は、図9と同じものであり、処理領域B(1,1)の例を示している。そして、前処理201で求めた輝度範囲Y1の光源Aの色分布(L色空間上の位置)381、輝度範囲Y2の光源Bの色分布382、輝度範囲Y3の光源Cの色分布383、輝度範囲Y4の光源Dの色分布384、の一例を描いてある。
図10において、輝度範囲Y1の色分布381は、例えばa=−50、b=30である。同様に、輝度範囲Y2の色分布382は、例えばa=−40、b=25である。また、輝度範囲Y3の色分布383は、例えばa=40、b=−10、輝度範囲Y4の色分布384は、例えばa=20、b=−15である。尚、これらの数値は処理方法を説明するための一例であり、必ずしも実際の色相に合致するものではない。
次に、各輝度範囲毎の色分布に対応する色相の彩度を処理261および処理262で求めた補正割合y%で調整する処理について説明する。尚、補正割合y%は、処理261および処理262で求めた補正割合y0%、y1%、y2%、y3%のいずれでもよいが、補正割合x%と同様に、例えば調整処理(1)で調整後の補正割合y1%よりも調整処理(2)で調整後のy2%、調整処理(2)で調整後のy2%よりも調整処理(3)で調整後のy3%の方が調整の精度がより一層高くなる。
図10の例では、輝度範囲Y1の補正割合は30%、輝度範囲Y2の補正割合は50%、輝度範囲Y3の補正割合は100%、輝度範囲Y4の補正割合は100%である。ここで、補正割合は、光源の彩度に乗算する値を示し、例えば100%の場合は1.0を乗算することになるので、彩度低減は行われないことを意味する。従って、30%の場合は光源の彩度に0.3倍されるので約1/3の彩度に低減され、50%の場合は光源の彩度に0.5倍されるので1/2の彩度に低減されることを意味する。尚、実際には、a色座標上のaおよびbのそれぞれに乗算される。図10の例では、輝度範囲Y1の例では、光源Aの彩度が30%に低減され、光源Bの彩度が50%に低減されが、光源Cと光源Dの彩度は補正割合が100%なので低減されない。
そして、輝度範囲別の調整後の4つの彩度低減特性385から388(図10の例では光源C、Dは補正しないので除く)を組み合わせて全輝度範囲にマージ(合成)し、さらに、電子カメラ101自体に予め設定されているベース彩度補正特性390に重ね合わせる処理を行い、最終的な補正用の彩度補正特性391を生成する。
以降、同様の処理を処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して実行する。ここで、彩度補正特性391は、ベース彩度補正特性390に輝度範囲別の彩度低減補正特性389が重畳されているので、従来のように画像一律の彩度補正では対応が難しかった被写体の状況に応じた適切な彩度補正を行うことができる。例えば、輝度範囲別の光源判定で光源なし(黒潰れ)と判断されている部分の彩度を大きく低減することで、暗い部分における色のノイズを目立たなくすることができる。
(色相回転補正特性の生成処理)
次に、図2において、処理263および処理264と並列に実行される処理265について説明する。処理265は、前処理201で求められた輝度範囲別の光源判定結果に基づく色相回転量を調整し、ベースの色相回転補正特性と重ね合わせて、最終的な色相回転補正特性を生成する処理である。ここで、ベースの色相回転補正特性は、カメラメーカー独自の画作り・色作りの考え方に基づいて、予め決められている特定の色相を回転する補正特性である。
図11は、本実施形態に係る電子カメラ101において、最終的な色相回転補正特性を生成するまでの一連の処理の様子を示す図である。図11において、光源判定結果360は、図9および図10と同じものであり、処理領域B(1,1)の例を示している。そして、前処理201で求めた輝度範囲Y1の光源Aの色相回転特性(L色空間上の色相範囲と回転量を示す)401、輝度範囲Y2の光源Bの色相回転特性402、輝度範囲Y3の光源Cの色相回転特性403、輝度範囲Y4の光源Dの色相回転特性404、の一例を描いてある。尚、光源の種類に応じて色相回転補正を行う色相範囲と回転量は、予めメモリ109に記憶されている。
図11において、輝度範囲Y1の色相回転特性401は、例えば斜線で示された範囲の色相を−10度回転させることを示している。同様に、輝度範囲Y2の色相回転特性402は、例えば斜線で示された範囲の色相を+10度回転する。また、輝度範囲Y3の色相回転特性403は、例えば斜線で示された範囲の色相を−20度回転し、輝度範囲Y4の色相回転特性404は、例えば斜線で示された範囲の色相を+20度回転する。尚、これらの数値は処理方法を説明するための一例であり、必ずしも実際の色相範囲と回転量を示すものではない。
次に、各輝度範囲毎の色分布に対応する色相範囲を処理261および処理262で求めた補正割合z%で調整する処理について説明する。尚、補正割合z%は、処理261および処理262で求めた補正割合z0%、z1%、z2%、z3%のいずれでもよいが、補正割合x%と同様に、例えば調整処理(1)で調整後の補正割合z1%よりも調整処理(2)で調整後のz2%、調整処理(2)で調整後のz2%よりも調整処理(3)で調整後のz3%の方が調整の精度がより一層高くなる。
図11の例では、輝度範囲Y1の補正割合と輝度範囲Y2の補正割合は共に0%、輝度範囲Y3の補正割合は80%、輝度範囲Y4の補正割合は100%である。ここで、補正割合は、色相回転量(回転角度)に乗算する値を示し、例えば補正割合が100%の場合は色相回転量に1.0倍されるので、光源の種類別に予め決められた色相回転量でそのまま色相回転補正されることを意味する。従って、例えば補正割合が80%の場合は色相回転量に0.8倍され、補正割合が0%の場合は色相回転量に0倍されるので色相回転補正を行わないことを意味する。図11の例では、輝度範囲Y1の場合は、補正割合が0%なので色相回転特性401の補正を行わないように調整される(色相回転特性405)。同様に、輝度範囲Y2の場合も補正割合が0%なので色相回転特性402の補正は行わないように調整される(色相回転特性406)。また、輝度範囲Y3の場合は、補正割合が80%なので色相回転特性403の回転量(−20度)に0.8倍したー16度の色相回転特性407が設定される。さらに、輝度範囲Y4の場合は、補正割合が100%なので色相回転特性404の回転量(20度)に1.0倍した20度の色相回転特性408が設定される。
そして、輝度範囲別の調整後の4つの色相回転特性405から408(図11の例では光源A、Bは補正しないので除く)を組み合わせて全輝度範囲にマージ(合成)し、さらに、電子カメラ101自体に予め設定されているベース色相回転補正特性410に重ね合わせる処理を行い、最終的な補正用の色相回転補正特性411を生成する。
以降、同様の処理を処理領域B(1,1)からB(4,5)までの20個の処理領域に対して実行する。ここで、色相回転補正特性411は、ベース色相回転補正特性410に輝度範囲別の色相回転補正特性409が重畳されているので、従来のように画像一律の色相回転補正では対応が難しかった被写体の状況に応じた適切な色相回転補正を行うことができる。
このようにして、前処理201で求めた輝度範囲別の光源判定結果やWBゲインを用いて、補正パラメータ調整処理202を実行し、画像の特徴量に応じて、ガンマ補正特性、彩度補正特性および色相回転補正特性の補正割合を調整し、ベースガンマ補正特性、ベース彩度補正特性、ベース色相回転補正特性と重ね合わせて、最終的なガンマ補正特性、彩度補正特性および色相回転補正特性を生成することができる。
[補正処理203]
次に、図2の補正処理203について説明する。補正処理203では、通常の電子カメラで行われているホワイトバランス補正処理161と、ガンマ補正処理162と、彩度補正処理163と、色相回転処理164とを実行する。
ホワイトバランス補正処理161は、前処理201の処理253で求めた画像全体に対する第1WBゲインを用いて、画像全体のホワイトバランス補正を行う。尚、ホワイトバランス補正処理自体は周知の技術なので詳しい説明を省略するが、Rゲインを各画素のRデータに乗算し、Bゲインを各画素のBデータに乗算する処理を行い、RGBの比率を調整する。
ガンマ補正処理162は、補正パラメータ調整処理202の処理263で求めた処理領域毎に輝度範囲別のガンマ補正特性(例えば図9のガンマ補正特性371)を用いて、画像全体のガンマ補正処理を行う。尚、ガンマ補正処理自体は周知の技術なので詳しい説明を省略する。
彩度補正処理163は、補正パラメータ調整処理202の処理264で求めた処理領域毎に輝度範囲別の彩度補正特性(例えば図10の彩度補正特性391)を用いて、画像全体の彩度補正処理を行う。尚、彩度補正処理自体は周知の技術なので詳しい説明を省略するが、彩度補正特性に基づいて色空間上の色相の彩度を増減する処理を行う。
色相回転処理164は、補正パラメータ調整処理202の処理265で求めた処理領域毎に輝度範囲別の色相回転補正特性(例えば図11の色相回転補正特性411)を用いて、画像全体の色相回転補正処理を行う。尚、色相回転補正処理自体は周知の技術なので詳しい説明を省略するが、色相回転補正特性に基づいて特定の色相範囲を回転する処理を行う。
以上、図2に示した前処理201、補正パラメータ調整処理202、補正処理203について、図3から図11を用いて説明した。
このように、本実施形態に係る電子カメラ101では、輝度範囲別に光源判定及び画像分析を行い、補正対象の被写体状況に応じてホワイトバランスゲイン、ガンマ補正特性、彩度補正特性、色相回転特性を輝度範囲別に総合的に調整して適切な光源色補正を行うことにより、画像の違和感を最小限に抑えることができる。この結果、本実施形態に係る電子カメラ101では、被写体状況に応じた異なる光源色補正の手法を適用していることと等価の効果が得られる。以下は、本実施形態に係る電子カメラ101において、被写体状況に応じて主に適用される補正の種類を示したものである。尚、以下の記載において、(**)で表記した手法はサブ的に適用される手法を示し、(**)で表記していない補正手法が主として適用される手法である。つまり、対象被写体の状況に応じて適用される補正手法が異なり、更に、同じ手法の補正(例えばガンマ補正など)であっても光源判定結果や画像分析に基づいて補正割合の調整を行うので、被写体毎に補正内容が異なる。
・高輝度の被写体:ホワイトバランス補正 +(ガンマ補正)
・中輝度の被写体:(ホワイトバランス補正)+ ガンマ補正
・低輝度の被写体:(ホワイトバランス補正)+(ガンマ補正)+彩度低減補正
・目標被写体(顔などの特定被写体):ホワイトバランス補正 + 色相回転補正
このように、本実施形態に係る電子カメラ101は、従来のように、択一的な補正手法の選択を行っているわけではなく、光源判定結果や画像分析に基づいて、補正対象を必要最低限に切り分けた後、実質的に画像の違和感を最小限とする最適な光源色補正方法を適用することができる。特に、光源判定結果及び画像分析に基づいて、補正割合を様々な解析結果を複合的に用いて調整するファジー理論を適用しているので、補正手段の境界の違和感を感じさせない効果が得られる。さらに、処理領域間の光源判定結果や画像分析に基づいて、補正割合の調整を行うので、処理領域間の境界の違和感を感じさせない効果が得られる。
尚、本実施形態では、本発明に係る画像処理装置が搭載された電子カメラ101の例を挙げて説明したが、図2で説明した画像処理部107の処理を実行する画像処理プログラムをパソコン、携帯電話、スマートフォンなどにインストールして、ネットワークからダウンロードした画像やメモリカード112aなどに記憶されている画像に対して光源色補正処理を行う場合でも同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、RAWデータの画像を入力画像としたが、RGBデータの画像やYCbCr(輝度色差)の画像であってもよい。
さらに、本発明に係る画像処理装置および画像処理プログラム並びに電子カメラについて、各実施形態で例を挙げて説明してきたが、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の多様な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
101・・・電子カメラ;102・・・光学系;103・・・メカニカルシャッタ;104・・・撮像素子;105・・・A/D変換部;106・・・画像バッファ;107・・・画像処理部;108・・・制御部;109・・・メモリ;110・・・表示部;111・・・操作部;112・・・メモリカードIF;112a・・・メモリカード;201・・・前処理;202・・・補正パラメータ調整処理;203・・・補正処理;161・・・ホワイトバランス補正処理;162・・・ガンマ補正処理;163・・・彩度補正処理;164・・・色相回転処理

Claims (7)

  1. カラー画像を入力する画像入力部と、
    前記画像入力部が入力する画像の全領域または複数に分割した領域を処理領域として、前記処理領域毎に複数の輝度範囲に分割し、前記輝度範囲毎に光源判定を行う光源判定部と、
    前記輝度範囲毎に、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、彩度補正、色相回転補正、の少なくとも1つの補正パラメータを求める補正パラメータ算出部と、
    前記光源判定結果および前記輝度範囲毎の画像の特徴量に基づいて、前記ホワイトバランス補正、前記ガンマ補正、前記彩度補正、前記色相回転補正、の少なくとも1つの前記補正パラメータの補正割合を算出して前記補正パラメータを調整し、調整後の前記輝度範囲毎の補正パラメータを全輝度範囲に亘って重ね合わせを行う補正パラメータ調整部と、
    前記補正パラメータ調整部が調整後の前記補正パラメータを用いて、前記ホワイトバランス補正、前記ガンマ補正、前記彩度補正、前記色相回転補正、の少なくとも1つを補正する補正処理部と
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記補正パラメータ調整部は、前記各輝度範囲内の画像データを統計処理し、前記輝度範囲毎の色の統計値と、前記異なる輝度範囲間の色の統計値を比較した結果と、隣接する前記処理領域の光源判定結果および色の統計値と、前記入力画像のミックス光割合と、の少なくとも1つを前記画像の特徴量として用いる
    ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1または2に記載の画像処理装置において、
    前記補正パラメータは、ホワイトバランスゲイン、ガンマ特性、彩度補正する色相と増減量、色相回転する色相範囲と回転量、の少なくとも1つであることを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
    前記色の統計値として、色のばらつきを示す色差の標準偏差を用いることを特徴とする画像処理装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の画像処理装置において、
    前記補正パラメータ調整部は、前記輝度範囲毎の補正パラメータを全輝度範囲に亘って重ね合わせる時に、隣接する前記輝度範囲の境界部分の特性を平滑化する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置の各部の処理をコンピュータで実行することを特徴とする画像処理プログラム。
  7. 請求項1から5のいずれか一項に記載の画像処理装置を搭載する電子カメラであって、
    被写体を撮像して得られた画像を前記画像入力部に出力する撮像部と、
    前記画像処理装置が補間した画像を記録する記憶部と
    を有することを特徴とする電子カメラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110516433A (zh) * 2019-08-07 2019-11-29 北京如优教育科技有限公司 智能化认证平台登录系统
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