JP2014167877A - ロングアーク型放電ランプ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前記発光管は、前記電極の先端に対応する位置から前記封止部にかけて漸次縮径されていて、前記電極の本体部と先端部との接合面に対応する部分が、当該発光管の中央部分より小径とされていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
この種のロングアーク型放電ランプにおいては、陰極動作する電極に、例えば酸化トリウムのようなエミッター(電子放射性物質)を含有させて、電子放射特性を高めるようにしたものが知られている。
このような事情を勘案して、陰極の先端部にのみエミッター材を含有させた構造の放電ランプが開発されている。
特開2012−190627号公報(特許文献1)に、そのような電極を用いたショートアーク型放電ランプの陰極構造が開示されていて、タングステンからなる本体部の先端にエミッター材を含有させた先端部を接合する陰極構造が示されている。
る。
前記構造の電極をそのままロングアーク型放電ランプに適用した場合の構造を、図3、図4によって説明する。
図3において、ロングアーク型ランプ1は、石英ガラスよりなる発光管2の両端に封止部3を備えており、該発光管2内には一対の電極4、4が所定の距離を隔てて対向配置される。
図4に詳細が示されるように、この例では、上記電極4の非発光空間側の後端5は、扁平形状に形成されており、その後方端には、該電極後端5の形状に合わせて扁平形状とされた石英ガラス部材7が配設されている。
そして、封止部3内において、前記電極4の扁平後端5の上下面に溶接等により接合された2枚の金属箔6、6が、ガラス部材7の上下面に沿って延在し、その後方端で外部リード8に接続されている。該外部リード8は発光管2の外部に突出し、給電線9に接続される。
このような電極構造を有するロングアーク型放電ランプを点灯したところ、発光管2の内壁に早期に黒化が発生することが分かった。
その理由としては、本体部4aと先端部4bとの接合面Xの外周部において、どうしても凹部又は凸部が形成されてしまうので、ランプ始動時において、その凹部又は凸部に電界集中が生じ、ここから放電が開始されてアークAが発生する。このアーク起点がその位置に留まり続けることにより、このアークAによって電極材料の一部が蒸発し、当該アークAの流れに沿って進むことになる。そして、このアークAが、発光管2の内壁に向かってしまったときに、蒸発した電極材料が発光管2に付着し、その内壁が黒化してしまうものであることが判明した。
また、前記発光管は、前記電極の先端に対応する位置から前記封止部にかけて、段階状に縮径されていることを特徴とする。
また、前記発光管内に封入されるバッファーガスの封入圧が、100Torr以下であることを特徴とする。
また、始動開始から1分までの電流値を定格電流値の20〜80%にしたことを特徴とする。
つまり、アークを接合面から電極先端側へ素早く移動させて正常な点灯モードとすることができ、蒸発した電極材料が発光管内壁に付着することが抑制され、発光管の黒化が防止できるものである。
図1において、発光管2内に配置された電極4は、タングステンからなる本体部4aと、その先端に拡散接合などにより接合されたエミッターを含有するタングステンからなる先端部4bとからなる。なお、この接合は拡散接合以外に、抵抗溶接やレーザーによる溶着などが採用できる。
また、この接合電極は、直流点灯ランプにおいては、陰極に採用し、交流点灯ランプにおいては、両方の電極に採用するものである。
なお、電極4の先端4cに対応する位置とは、厳密に一致している必要はなく、概ね先端4cに対応していてその近傍であればよい。
その他の構成については、図4に示すものにおいて同じ参照数字が示す構成と同様の構成である。
即ち、発光管2は、前記電極4の先端4cに対応する位置から前記発光管2の封止部3にかけて段階状に漸次縮径された段階状縮径部11とされていて、前記電極4の本体部4aと先端部4bとの接合面Xに対応する部分が、当該発光管2の中央部分12より小径とされている。
その他の構成は、図1の実施例と同様である。
つまり、アークAを接合面Xから電極先端4c側へ素早く移動させて正常な点灯モードとすることができ、蒸発した電極材料が発光管内壁に付着することが抑制され、発光管2の黒化が防止できるものである。
<ランプ仕様例>
定格入力:18kW(ランプ電圧 640V、ランプ電流 28.1A)
封入物質:水銀、ヨウ化水銀、
キセノンガス100Torr(13.332kPa)
発光管:石英ガラス、外径26mm、内径22mm
縮径部長さ 16mm
発光長:1100mm
電極:本体部 純タングステン
先端部 トリエーテッドタングステン(ThO2;2%)
希土類酸化物(ランタン、セリア)等を含むタングステンでも可
封止部からの突出量 16mm
直径φ 3.5mm
先端部長さ 3.7mm
本体部長さ 10mm
定格電流値の20%以下では電極温度が十分加熱されずに立ち消えを生じる。また、80%以上では、電極接合部より異常放電(横飛び)が生じた際に瞬時に黒化してしまう。
接合電極を用いた図1に示す発光管の形状のランプ(発明品)と、図4に示す発光管の形状のランプ(比較品)のそれぞれに、封入するバッファーガスの封入圧を変えた時に、電極の接合面の外周部で発生したアーク起点が電極先端側に移行せず、そのままの状態で維持されてしまう回数を調べる実験を行った。
下記のデータ中、「横飛び回数」とは、接合面の外周部で生じたアーク起点が移動することなく、そのまま維持されてしまう回数のことである。
発明品と比較品を全て10回ずつ点灯させて、横飛び回数をカウントした。
特に、バッファーガスのガス圧が100Torr以下のものおいて、横飛び回数は零になり、本発明の発光管の効果がより完全なものとなる。
3 封止部
4 電極
4a 本体部
4b エミッター含有の先端部
4c 電極先端
5 電極の後端部
6 金属箔
7 ガラス部材
8 外部リード
10 テーパー状縮径部
11 段階状縮径部
12 中央部
X 接合面
A アーク
Claims (5)
- 両端に封止部を有し、内部に発光物質が封入された円筒状の発光管と、前記発光管の内部で対向配置された一対の電極と、を備えたロングアーク型放電ランプにおいて、
前記電極は、タングステンからなる本体部の先端面に、エミッターを含有したタングステンからなる先端部が接合され、
前記発光管は、前記電極の先端に対応する位置から前記封止部にかけて漸次縮径されていて、前記電極の本体部と先端部との接合面に対応する部分が、当該発光管の中央部分より小径とされている、
ことを特徴とするロングアーク型放電ランプ。 - 前記発光管は、前記電極の先端に対応する位置から前記封止部にかけて、テーパー状とされて縮径されていることを特徴とする請求項1に記載のロングアーク型放電ランプ。
- 前記発光管は、前記電極の先端に対応する位置から前記封止部にかけて、段階状に縮径されていることを特徴とする請求項1に記載のロングアーク型放電ランプ。
- 前記発光管内に封入されるバッファーガスの封入圧が、100Torr以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のロングアーク型放電ランプ
- 始動開始から1分までの電流値を定格電流値の20〜80%にしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロングアーク型放電ランプ
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