以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせ示している。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るプロジェクターの光学系を表す概略平面図である。
まず、実施形態1に係るプロジェクターの概略構成について説明する。なお、下記説明において、画像ライトバルブも調光ライトバルブも「空間光変調器」の一例であり、そのうち調光ライトバルブは「副空間光変調器」とも表記され得る。
<1.プロジェクターの構成>
本実施形態のプロジェクター1000は、光源から射出された光束を、画像情報に応じて変調し、スクリーン上に拡大投射する光学機器であり、照明光学系100と、色分離光学系200と、表示系300と、色合成部としてのクロスダイクロイックプリズム400と、投写光学系500を備え、これらの光学素子は、所定のシステム光軸Xが設定された光学部品用筐体内に位置決め調整され収納されている。
照明光学系100は、ほぼ平行な光束を射出する光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、偏光変換手段としての偏光変換素子140と、集光レンズ150を備える。
光源110は、光を放射する発光管と該発光管からの光を所定の方向に向けて反射するリフレクターを備え、第1のレンズアレイ120に向けてシステム光軸Xに略平行な光を射出する。第1のレンズアレイ120は複数の小レンズを備え光源110からの光を複数の部分光束に分割する。第2のレンズアレイ130及び集光レンズ150は、第1のレンズアレイ120からの複数の部分光束を集光し、被照明領域である後述する表示系300の3枚の画像ライトバルブ320R、320G、320Bの画像形成領域上に第1レンズアレイ120の小レンズの像を重ねあわせ、当該画像形成領域内を均一な明るさで照明する。第2のレンズアレイ130と集光レンズ150の間に設けられた偏光変換素子140は、偏光分離膜と位相差板とを備え、光源110から射出された無偏光の光を、s偏光の光に変換する。
なお、ここで言うs偏光とは後述するクロスダイクロイックプリズム400の反射膜410R及び410Bに対してs偏光であることを意味し、以下本文中で特に説明も無くs偏光やp偏光と述べるときには、クロスダイクロイックプリズム400の反射膜410R及び410Bに対しての偏光方向を示す。
照明光学系100の詳細な構造は、画像ライトバルブを用いたプロジェクターにおいては既に数多く搭載されており、公知の技術のため詳細な説明は省略する。
色分離光学系200は、色分離手段としてのダイクロイックミラー210、220と、反射ミラー230、240、250と、リレーレンズ260、270と、フィールドレンズ280R、280G、280Bを備える。
照明光学系100から射出した白色光は2枚のダイクロイックミラー210、220によって第1の色光である赤色の光(赤色光)、第2の色光である緑色の光(緑色光)、第3の色光である青色の光(青色光)の3色に分離される。
ダイクロイックミラー210は照明光学系100から射出した白色光のうち赤色光成分を反射させるとともに、緑色光成分と青色光成分の光を透過させる。ダイクロイックミラー220は第1のダイクロイックミラーを透過した光のうち、緑色光成分を反射し青色光成分を透過させる。
ダイクロイックミラー210によって分離された赤色光成分は反射ミラー230で反射され、フィールドレンズ280Rを経て、後述する表示系300の調光ライトバルブ310R、及び赤色光用の画像ライトバルブ320Rに到達する。
ダイクロイックミラー220によって反射された緑色光成分は、フィールドレンズ280Gを経て、後述する表示系300の調光ライトバルブ310G、及び緑色光用の画像ライトバルブ320Gに到達する。
ダイクロイックミラー220を透過した青色光成分は、リレーレンズ260、270及び反射ミラー240、250を備えたリレーレンズ系を通り、さらにフィールドレンズ280Bを経て、後述する表示系300の調光ライトバルブ310B、及び青色光用の画像ライトバルブ320Bに到達する。
表示系300は、入射した光束を画像情報に応じて変調して画像を形成するものであり、画像内の所定の領域ごとの光量を調節する調光手段と、画像内の画素ごとの光量を調整する光変調手段とを備える。
調光手段は、第1の調光手段として赤色光の光路(赤色光路)内に配置される調光ライトバルブ310R、第2の調光手段として緑色光の光路(緑色光路)内に配置される調光ライトバルブ310G、及び第3の調光手段として青色光の光路(青色光路)内に配置される調光ライトバルブ310Bを備える。図示しないプロジェクター制御部が、入力された画像信号から明るさ制御信号を決定する。決定された明るさ制御信号により図示しない調光用ドライバーが制御される。制御された調光用ドライバーにより調光ライトバルブ310R、310G、310Bが駆動され、3色(赤、緑、青)の色光の強度がそれぞれ調整される。
光変調手段は、第1の光変調手段として赤色光路の光路内に配置される画像ライトバルブ320R、第2の光変調手段として緑色光路内に配置される画像ライトバルブ320G、及び第3の光変調手段として青色光路内に配置される画像ライトバルブ320Bを備える。図示しないプロジェクター制御部が、入力された画像信号から画像ライトバルブ制御信号に変換する。変換された画像ライトバルブ制御信号により図示しないパネルドライバーが制御される。制御されたパネルドライバーにより駆動された3枚の画像ライトバルブ320R、320G、320B(320)は、3色の色光をそれぞれ変調して、入力された画像情報(画像信号)に応じた画像を形成する。
表示系300の詳細な説明は後述する。
クロスダイクロイックプリズム400は、表示系300から射出された3色の色光を合成してカラー画像を形成する。クロスダイクロイックプリズム400は、4つの直角プリズムを貼り合わせた上面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼りあわせた上面視略X字状の界面には、誘電体多層膜が形成されている。上面視略X字状の界面の一方の誘電体多層膜は、赤色の光を反射する第1の反射膜401であり、他方の誘電体多層膜は、青色の光を反射する第2の反射膜402である。これらの第1の反射膜401及び第2の反射膜402により、赤色光及び青色光は曲折され、緑色光の進行方向に揃えられ、3つの色光が合成される。
クロスダイクロイックプリズム400で生成された合成光は、投写光学系500の方向に射出する。投写光学系500は、この合成光を投写スクリーン上に投写して、カラー画像を表示する投写光学系としての機能を有する。
<2.表示系の詳細>
図2は、実施形態1の要部を示す概念図である。図2では、表示系300及びクロスダイクロイックプリズム400を中心に、偏光方向に注目して描かれている。図3は、液晶パネルの光入射側に配置される入射側偏光板の透過軸と、液晶パネルの光射出側に配置される射出側偏光板の透過軸とが直交するように配置されるクロスニコル配置を示す。図4は、液晶パネルの光入射側に配置される入射側偏光板の透過軸と、液晶パネルの光射出側に配置される射出側偏光板の透過軸とが平行になるように配置されるパラレルニコル配置を示す。
実施形態1では、偏光変換素子140は、入射したランダムな偏光方向の光を、s偏光光のみに変換し射出する。よって調光ライトバルブ310R、310G、310Bに入射する光の偏光はすべてs偏光となっている。
<2−1.赤色光路>
s偏光の赤色光は、フィールドレンズ280Rと画像ライトバルブ320Rとの間に配置された調光ライトバルブ310Rに入射する。
調光ライトバルブ310Rは、液晶パネル312Rと、液晶パネル312Rの光入射側に設けられたs偏光を透過する入射側偏光板311Rと、液晶パネル312Rの光射出側に設けられたp偏光を透過する射出側偏光板313Rを備える。つまり、調光ライトバルブ310Rの入射側偏光板311Rと射出側偏光板313Rとの配置は、図3に示すようなクロスニコル配置となっている。液晶パネル312Rは、入射側保護ガラス(光透過性基板)及び射出側保護ガラス(光透過性基板)と、これら入射側保護ガラス及び射出側保護ガラスに挟持された液晶層と、これら入射側保護ガラス及び射出側保護ガラスの液晶層側の面にそれぞれ設けられた光透過性電極と、これら光透過性電極の液晶層側の面にそれぞれ設けられた配向膜とを備える。上記入射側保護ガラス及び射出側保護ガラスに挟まれる液晶としては、TN(Twisted Nematic)方式が用いられている。
調光ライトバルブ310Rは、図示しない調光用ドライバーからの駆動信号を受けて光透過性電極(電極)ごとに印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像に応じて所定の領域の前記電極に印加する電圧を低くして、入射したs偏光光のほとんどをp偏光光に変換して、射出側偏光板313Rでの透過率が高くなるようにすることにより赤色の照明光の強度(光量)を大きくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したs偏光のほとんどをs偏光のままにして、射出側偏光板313Rでの透過率が低くなるようにすることにより赤色の照明光の強度(光量)を小さくすることで、赤色の照明光の所定領域の強度(光量)がこの調光ライトバルブ310Rで調節される。
調光ライトバルブ310Rに入射するs偏光の赤色光は、s偏光透過の入射側偏光板311Rをそのまま通り抜け、液晶パネル312Rによって変調され、一部がp偏光光に変換された場合、p偏光光のみがp偏光透過の射出側偏光板313Rを透過する。
調光ライトバルブ310Rを透過したp偏光の赤色光は、画像ライトバルブ320Rに入射する。
画像ライトバルブ320Rは、液晶パネル322Rと、液晶パネル322Rの光入射側に設けられたp偏光を透過する入射側偏光板321Rと、液晶パネル322Rの光射出側に設けられたs偏光を透過する射出側偏光板323Rとを備える。画像ライトバルブ320Rの入射側偏光板321Rと射出側偏光板323Rとの配置も、調光ライトバルブ310Rの場合と同様にクロスニコル配置となっている。画像ライトバルブ320Rの液晶パネル322Rは、調光ライトバルブ310Rの液晶パネル312Rと同様の構成を有するが、画像ライトバルブ320Rの液晶パネル322Rの解像度(例えば、約千×千)は、調光ライトバルブ310Rの液晶パネル312Rの解像度(例えば、4×4)よりはるかに高く、画像ライトバルブ320Rの液晶パネル322Rの階調数(例えば、256階調)は、調光ライトバルブ310Rの液晶パネル312Rの階調数(例えば、256階調)と同等である。しかし、液晶パネル322Rの階調数と、液晶パネル312Rの階調数を異ならせることもできる。
画像ライトバルブ320Rは、図示しないパネルドライバーからの駆動信号を受けて、光透過性電極(電極)ごとに印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像の所定の画素に対応する前記電極に印加する電圧を低くして、入射したp偏光のほとんどをs偏光に変換して、射出側偏光板323Rでの透過率が高くなるようにすることにより所定の画素に対応する赤色光成分の画素の強度(光量)を大きくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したp偏光のほとんどをp偏光のままにして、射出側偏光板323Rでの透過率が低くなるようにすることにより所定の画素に対応する赤色光成分の画素の強度(光量)を小さくすることで、表示される画像に対応する赤色光成分の画素ごとに強度(光量)を調節する。つまり、画像ライトバルブ320Rは、図示しないパネルドライバーで液晶パネル322Rを駆動して画像情報(画像信号)に応じて赤色光を変調し、射出側偏光板323Rでp偏光を遮断することで、表示される画像のうち赤色光成分の画像を形成する。
画像ライトバルブ320Rに入射するp偏光の赤色光は、p偏光透過の入射側偏光板321Rをそのまま通り抜け、液晶パネル322Rによって変調され、一部がs偏光光に変換された場合s偏光光のみがs偏光透過の射出側偏光板323Rを透過する。
よって画像ライトバルブ320Rから射出する赤色光は、s偏光光でクロスダイクロイックプリズム400に入射する。
クロスダイクロイックプリズム400に入射したs偏光の赤色光は、第1の反射膜401によって反射され投写光学系500の方向へ射出する。
<2−2.緑色光路>
s偏光の緑色光は、フィールドレンズ280Gと画像ライトバルブ320Gとの間に配置された調光ライトバルブ310Gに入射する。
調光ライトバルブ310Gは、液晶パネル312Gと、液晶パネル312Gの光入射側に設けられたs偏光を透過する入射側偏光板311Gと、液晶パネル312Gの光射出側に設けられたs偏光を透過する射出側偏光板313Gとを備える。つまり、調光ライトバルブ310Gの入射側偏光板311Gと射出側偏光板313Gとの配置は、図4に示すようなパラレルニコル配置になっている。液晶パネル312Gは、液晶パネル312Rと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
調光ライトバルブ310Gは、図示しない調光用ドライバーからの駆動信号を受けて光透過性電極(電極)に印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像に応じて所定の領域の前記電極に印加する電圧を低くして、入射したs偏光のほとんどをp偏光に変換して、射出側偏光板313Gでの透過率が低くなるようにすることにより緑色の照明光の強度(光量)を小さくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したs偏光のほとんどをs偏光のままにして、射出側偏光板313Gでの透過率が高くなるようにすることにより緑色の照明光の強度(光量)を大きくすることで、緑色の照明光の所定の領域の強度(光量)がこの調光ライトバルブ310Gで調節される。
調光ライトバルブ310Gに入射するs偏光の緑色光は、s偏光透過の入射側偏光板311Gをそのまま通り抜け、液晶パネル312Gによって変調され、一部がp偏光光に変換された場合、変換されていないs偏光光のみがs偏光透過の射出側偏光板313Gを透過する。
調光ライトバルブ310Gを透過したs偏光の緑色光は、画像ライトバルブ320Gに入射する。
画像ライトバルブ320Gは、液晶パネル322Gと、液晶パネル322Gの光入射側に設けられたs偏光を透過する入射側偏光板321Gと、液晶パネル322Gの光射出側に設けられたp偏光を透過する射出側偏光板323Gとを備える。つまり、画像ライトバルブ320Gの入射側偏光板321Gと射出側偏光板323Gとの配置は、調光ライトバルブ310Gの場合と異なり、クロスニコル配置となっている。液晶パネル322Gは、液晶パネル322Rと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
画像ライトバルブ320Gは、図示しないパネルドライバーからの駆動信号を受けて、光透過性電極(電極)ごとに印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像の所定の画素に対応する前記電極に印加する電圧を低くして、入射したs偏光のほとんどをp偏光に変換して、射出側偏光板323Rでの透過率が高くなるようにすることにより所定の画素に対応する緑色光成分の画素の強度(光量)を大きくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したs偏光のほとんどをs偏光のままにして、射出側偏光板323Gでの透過率が低くなるようにすることにより所定の画素に対応する緑色光成分の画素の強度(光量)を小さくすることで、表示される画像に対応する緑色光成分の画素ごとに強度(光量)を調節する。つまり、画像ライトバルブ320Gは、図示しないパネルドライバーで液晶パネル322Gを駆動して画像情報(画像信号)に応じて緑色光を変調し、射出側偏光板323Gでs偏光を遮断することで、表示される画像のうち緑色光成分の画像を形成する。
画像ライトバルブ320Gに入射するs偏光の緑色光は、s偏光透過の入射側偏光板321Gをそのまま通り抜け、液晶パネル322Gによって変調され、一部がp偏光光に変換された場合、p偏光光のみがp偏光透過の射出側偏光板323Gを透過する。
よって画像ライトバルブ320Gから射出する緑色光は、p偏光光でクロスダイクロイックプリズム400に入射する。
クロスダイクロイックプリズム400に入射したp偏光の緑色光はクロスダイクロイックプリズム400の第1の反射膜401及び第2の反射膜402を透過し投写光学系500の方向へ射出する。
<2−3.青色光路>
s偏光の青色光は、フィールドレンズ280Bと画像ライトバルブ320Bとの間に配置された調光ライトバルブ310Bに入射する。
調光ライトバルブ310Bは、液晶パネル312Bと、液晶パネル312Bの光入射側に設けられたs偏光を透過する入射側偏光板311Bと、液晶パネル312Bの光射出側に設けられたp偏光を透過する射出側偏光板313Bとを備える。つまり、調光ライトバルブ310Bの入射側偏光板311Bと射出側偏光板313Bとの配置は、図3に示すクロスニコル配置となっている。液晶パネル312Bは、液晶パネル312Rと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
調光ライトバルブ310Bは、図示しない調光用ドライバーで液晶パネル312Bを駆動して画像情報(画像信号)に応じて青色光を変調し、射出側偏光板313Bでs偏光を遮断することで、青色の照明光の所定の領域の強度(光量)を調整する。調光ライトバルブ310Bのその他の構成は、調光ライトバルブ310Rと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
調光ライトバルブ310Bに入射するs偏光の青色光は、s偏光透過の入射側偏光板311Bをそのまま通り抜け、液晶パネル312Bによって変調され、一部がp偏光光に変換された場合、p偏光光のみがp偏光透過の射出側偏光板313Rを透過する。
調光ライトバルブ310Bを透過したp偏光の青色光は、画像ライトバルブ320Bに入射する。
画像ライトバルブ320Bは、液晶パネル322Bと、液晶パネル322Bの光入射側に設けられたp偏光を透過する入射側偏光板321Bと、液晶パネル322Bの光射出側に設けられたs偏光を透過する射出側偏光板323Bとを備える。画像ライトバルブ320Bの入射側偏光板321Bと射出側偏光板323Bとの配置も、調光ライトバルブ310Bの場合と同様にクロスニコル配置となっている。画像ライトバルブ320Bは、図示しないパネルドライバーで液晶パネル322Bを駆動して画像情報(画像信号)に応じて青色光を変調し、射出側偏光板323Bでp偏光を遮断することで、表示される画像のうち青色光成分の画像を形成する。画像ライトバルブ320Bのその他の構成は、画像ライトバルブ320Rと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
画像ライトバルブ320Bに入射するp偏光の青色光は、p偏光透過の入射側偏光板321Bをそのまま通り抜け、液晶パネル322Bによって変調され、一部がs偏光光に変換された場合、s偏光光のみがs偏光透過の射出側偏光板323Bを透過する。
よって画像ライトバルブ320Bから射出する青色光は、s偏光光でクロスダイクロイックプリズム400に入射する。
クロスダイクロイックプリズム400に入射したs偏光の青色光は、第2の反射膜402によって反射され投写光学系500の方向へ射出する。
<2−4.色光合成>
図5は、赤色光を反射する第1の反射膜401の分光反射率特性の一例を示すグラフである。図6は、青色光を反射する第2の反射膜402の分光反射率特性の一例を示すグラフである。図5と図6には、s偏光光に対する反射率特性が破線で描かれており、p偏光光に対する反射率特性が実線で描かれている。
青色光の波長域は、通常約400nm〜約500nmに設定され、緑色光の波長域は、通常約500nm〜約580nmに設定され、赤色光の波長域は、通常約580nm〜約700nmに設定される。図5から解るように、第1の反射膜401のs偏光光に対する有効反射波長域(約530nm〜約750nm)は、p偏光光に対する有効反射波長域(約600nm〜約700nm)を含み、これより広い波長域となっている。図2を参照して説明したように、赤色光はs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射するので、この赤色光は図5の特性を有する第1の反射膜401によってほぼ100%反射される。
一方、緑色光はp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射するので、この緑色光は図5の特性を有する第1の反射膜401をほぼ100%透過する。
一方、図6から解るように、この第2の反射膜402のs偏光光に対する有効反射波長域(約390nm〜約530nm)は、p偏光光に対する有効反射波長域(約400nm〜約460nm)を含み、これより広い波長域となっている。青色光はs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射するので、この青色光は図6の特性を有する第2の反射膜402によって約80%以上のかなり高い反射率で反射される。
一方、緑色光はp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射するので、この緑色光は図6の特性を有する第2の反射膜402をほぼ100%透過する。
このように、第1の反射膜401と第2の反射膜402は、s偏光光に対する反射率特性が、p偏光光に対する反射率特性よりも優れている。従って、クロスダイクロイックプリズム400内で反射する赤色光と青色光をs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させ、クロスダイクロイックプリズム400内で透過する緑色光をp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させることによって、赤色光と青色光に対しては高い反射率を得ることができ、一方、緑色光に対しては高い透過率を得ることができる。この結果、3色の光の利用効率をそれぞれ高めることができる。
なお、緑色光用の調光ライトバルブ310Gの液晶パネル312Gと、赤色光及び青色光用の調光ライトバルブ310R、310Bの液晶パネル312R、312Bとは、データの書き込み方向を逆方向にすることができる。これは、クロスダイクロイックプリズム400を緑色光が透過、及び赤色光と青色光とが反射する際の左右の反転を補償して、合成後における各色のデータの書き込み方向を一致させるためである。
また、緑色光用の調光ライトバルブ310Gの液晶パネル312Gと、赤色光及び青色光用の調光ライトバルブ310R、310Bの液晶パネル312R、312Bとは、配向方向を逆にすることができる。これも、クロスダイクロイックプリズム400を緑色光が透過、及び赤色光と青色光とが反射する際の左右の反転を補償して、合成後における各色の配向方向による影響を一致させるためである。
また、緑色光用の画像ライトバルブ320Gの液晶パネル322Gと、赤色光及び青色光用の画像ライトバルブ320R、320Bの液晶パネル322R、322Bとは、データの書き込み方向を逆方向にすることができる。これは、クロスダイクロイックプリズム400を緑色光が透過、及び赤色光と青色光とが反射する際の左右の反転を補償して、合成後における各色のデータの書き込み方向を一致させるためである。
また、緑色光用の画像ライトバルブ320Gの液晶パネル322Gと、赤色光及び青色光用の画像ライトバルブ320R、320Bの液晶パネル322R、322Bとは、配向方向を逆にすることができる。これも、クロスダイクロイックプリズム400を緑色光が透過、及び赤色光と青色光とが反射する際の左右の反転を補償して、合成後における各色の配向方向による影響を一致させるためである。
<2−4.ハロー効果>
次にハロー効果について説明する。図7は、照明光学系100から表示系300に光が照射されている様子を示す概略図で、調光ライトバルブと画像ライトバルブの距離関係の概念図である。図8は、比較例のプロジェクターにより投射された画像を示す、ハローの概念図。図9は、調光ライトバルブ310R、310G、310Bにより調光された光により照明された画像ライトバルブ320R、320G、320B上の照度分布を示す概念図。図10は、画像ライトバルブ320R、320G、320Bで形成される表示画像の概念図を示す。
この明細書において、ハローとは、図8に示したような、中央に表示される白い(明るい)円形の画の周囲の本来黒い(暗い)画の部分にぼんやりと白浮きしている部分のことを言う。
図7に示す例では、プロジェクター1000により表示される画像領域の中央が明るく周囲が暗い画像に対応して、調光ライトバルブ310R、310G、310Bが、画像領域中央部分の明るい画像に対応する所定の範囲において光を透過し、その周囲の暗い画像に対応する所定の範囲において光を遮断している。前述したように、照明光学系100は、複数の部分光束を画像ライトバルブ320R、320G、320Bの画像形成領域上に重ねあわせて、当該画像形成領域を照明するので、調光ライトバルブ310R、310G、310Bは、第1レンズアレイの小レンズの像の結像位置から外れており、また調光ライトバルブ310R、310G、310Bを通過する光は、所定の入射角度分布を有するため、調光ライトバルブ310R、310G、310Bから射出した光は、画像ライトバルブ320R、320G、320Bに到達するまでに拡散する。
ハローの原因は、図7に示すように、調光ライトバルブ310R、310G、310Bによって調光された光が、画像ライトバルブ320R、320G、320Bを照明する際、調光ライトバルブ310R、310G、310Bと画像ライトバルブ320R、320G、320Bの距離が離れているため前述の所定の入射角度分布等により照明光が広がり、調光ライトバルブ310R、310G、310Bで光を透過させた範囲の輪郭がぼやけて画像ライトバルブ320R、320G、320Bを照明するために起こる。
図9は、調光ライトバルブ310R、310G、310Bにより調光された光が、画像ライトバルブ320R、320G、320Bを照射した際の照度分布の一例を示す。前述したように、調光ライトバルブ310R、310G、310Bと画像ライトバルブ320R、320G、320Bの距離が離れているため、照射した範囲の周囲がぼやけている。
図10には画像ライトバルブ320R、320G、320Bが作る画像を示す。
なお、図8に示されるような投写される画像にハロー効果を発生する比較例のプロジェクターにおいても、調光ライトバルブにより調光された光が、画像ライトバルブを照射した際の照度分布は図9に示される照度分布と同様であり、画像ライトバルブにより作られる画像は、図10に示される画像と同様である。
比較例のプロジェクターでスクリーンに映し出される映像は、図9と図10を掛け合わせた図8になり、ハローが出てしまう。
次に、調光ライトバルブ310R、310G、310Bと画像ライトバルブ320R、320G、320Bの間の距離が必要な理由を説明する。
詳しく述べると、調光ライトバルブ310R、310G、310Bや画像ライトバルブ320R、320G、320Bは、上述のように入射偏光板、液晶パネル、射出偏光板をそれぞれ備える。さらにそれぞれの液晶パネルは、上述のように、入射側保護ガラス、液晶層、射出側保護ガラスをそれぞれ備える。画を作る(又は照明光を調節する)のは、液晶層と少なくとも射出側偏光板である。よって、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの液晶層(液晶パネル312R、312G、312B)及び射出側偏光板313R、313G、313Bと、それに対応する画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層(液晶パネル322R、322G、322B)とがそれぞれ近づけば、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの作る調節された照明光は、その輪郭はぼけずに対応する画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層(液晶パネル322R、322G、322B)の適切な範囲をそれぞれ照明することとなる。
しかしながら、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの液晶層(液晶パネル312R、312G、312B)及び射出側偏光板313R、313G、313Bと画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層(液晶パネル322R、322G、322B)との間には、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの射出側保護ガラス及び射出偏光板313R、313G、313Bと、画像ライトバルブ320R、320G、320Bの入射偏光板321R、321G、321B及び入射保護ガラスがそれぞれ挿入される。さらには、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの射出側偏光板313R、313G、313B及び画像ライトバルブ320R、320G、320Bの入射側偏光板321R、321G、321Bの冷却のために空気層(冷却風流路)がそれぞれ必要となる。従って、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの液晶層(液晶パネル312R、312G、312B)及び射出側偏光板313R、313G、313Bとそれに対応する画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層(液晶パネル322R、322G、322B)との間の距離を短くするには物理的な限界がある。
次に、ハローを抑制する構成について説明する。
ハローを抑制するには、ハローを小さくすること、ハローを薄くする(ハローの明るさを減少させる)ことが上げられる。しかし、ハローを小さくするには、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの液晶層(液晶パネル312R、312G、312B)及び射出側偏光板313R、313G、313Bと、それに対応する画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層(液晶パネル322R、322G、322B)との間の距離を短くしなければならないが、前述したように、調光ライトバルブ310R、310G、310Bの液晶層(液晶パネル312R、312G、312B)及び射出側偏光板313R、313G、313Bと、画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層(液晶パネル322R、322G、322B)との間の距離を短くするには物理的な限界がある。そのためハローの大きさはある程度以下にはならない。
図7に示すように、調光ライトバルブ310R、310G、310Bと画像ライトバルブ320R、320G、320Bとの間の距離をdとし、画像ライトバルブ320R、320G、320Bに入射する光とシステム光軸Xとの間の角度をθとし、調光ライトバルブ310R、310G、310Bで調光された照明領域の輪郭から画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶層上でぼやけ一方向において広がった大きさをbとすると、
b=d×tanθ
として計算できる。照明光の一方向における広がる大きさbは、距離dと、角度θとに依存する。距離dは上述のように必ず有限の値をとることから、照明光の一方向における広がる大きさbも必ず有限の値を持つことになる。
一方、ハローを薄くするには画像ライトバルブ320R、320G、320Bのコントラスト比を調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比よりも高くすることが有効である。
ハローの見え方は、調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比と、画像ライトバルブ320R、320G、320Bのコントラスト比の比率に依存する。例えば、調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比が画像ライトバルブ320R、320G、320Bのコントラスト比よりも大幅に高い場合、図9に示したような調光ライトバルブ310R、310G、310Bが作る照度分布が支配的となり、ハローがかなり目立つ映像となる。つまり、画像ライトバルブ320R、320G、320Bにおいて、投射される画像の黒い部分(暗い部分)に対応する範囲に、調光ライトバルブ310R、310G、310Bから入射した光は、画像ライトバルブ320R、320G、320Bで完全に遮断されずに、スクリーンに投射される。
一方で、画像ライトバルブ320R、320G、320Bのコントラスト比が調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比よりも大幅に高い場合、図10に示したような画像ライトバルブ320R、320G、320Bが作る照度分布が支配的となり、ハローが目立たない映像となる。つまり、画像ライトバルブ320R、320G、320Bにおいて、投射される画像の黒い部分(暗い部分)に対応する範囲に、調光ライトバルブ310R、310G、310Bから入射した光は、画像ライトバルブ320R、320G、320Bでほとんど遮断され、スクリーンに投射されない。
実験的に画像ライトバルブ320R、320G、320Bのコントラスト比を、調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比よりも10〜50倍高くすることで、ハローは目立たなくなることを確認している。
一般的に、パラレルニコル配置はクロスニコル配置よりもコントラスト比が低く、また、クロスニコル配置よりも光の透過率が高いことが知られている。また、投射される画像において、比視感度曲線から緑色光成分が明るさやコントラスト比に対する影響が支配的であることも知られている。本実施形態の第2の色光である緑色光は、比視感度が最も高い波長を含む。また、調光ライトバルブ310Gに入射する緑色光は、調光ライトバルブ310Rに入射する赤色光及び調光ライトバルブ310Bに入射する青色光よりも明るい。
本実施形態では、照明光学系100から射出される偏光光をs偏光光とし、緑色光の光路にある調光ライトバルブ310Gのみをパラレルニコル配置にすることで、ハローの抑制を行っている。
以上述べたように、本実施形態に係るプロジェクター1000によれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態では、照明光学系100から射出される偏光光をs偏光光とし、緑色光の光路にある調光ライトバルブ310Gのみをパラレルニコル配置にしたことにより、投射される画像のハローの抑制が可能となる。
また、本実施形態では、照明光学系100から射出される偏光光をs偏光光とし、緑色光の光路の調光ライトバルブ310Gのみをパラレルニコル配置にし、他の光路の調光ライトバルブ310R、310B及び画像ライトバルブ320R、320G、320Bをクロスニコル配置とすることで、上述したように赤色光と青色光をs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させ、緑色光をp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させることが可能である。これによって、クロスダイクロイックプリズム400の第1の反射膜401及び第2の反射膜402において、赤色光と青色光に対しては高い反射率を得ることができ、一方、緑色光に対しては高い透過率を得ることができる。この結果、3色の光の利用効率をそれぞれ高めることができる。
全ての調光ライトバルブ310R、310G、310Bをパラレルニコル配置にし、画像ライトバルブ320R、320G、320Bをクロスニコル配置とさせることにより、すべての色光においてハロー効果を抑制することも可能である。しかし、上述したように赤色光と青色光をs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させ、緑色光をp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させるためには、照明光学系100から射出される偏光光がs偏光光の場合、λ/2位相差板を赤色光及び青色光の光路に配置させる必要がある。
これに対して、本実施形態の照明光学系100から射出される偏光光をs偏光光とし、緑色光の光路の調光ライトバルブ310Gのみをパラレルニコル配置にし、他の光路の調光ライトバルブ310R、310B及び画像ライトバルブ320R、320G、320Bをクロスニコル配置とする構成では、λ/2位相差板を挿入することなく、赤色光と青色光をs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させ、緑色光をp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させるため、部品点数の削減とコストダウンが可能となり、さらにはλ/2位相差板による光透過率低下がなくなるため、光利用効率向上にもなる。
上記実施形態では、白色光をR、G、Bの3つの波長域に分けてそれぞれ変調する構成に関する。本発明はこのような構成に限定されず、白色光を2つの波長域に分けてそれぞれ変調する構成へも適用できる。このような構成でも多色の画像を表示することができるからである。そして、このような構成の場合には、相対的に比視感度が高い波長を含む波長域の光を直列に変調する画像ライトバルブおよび調光ライトバルブについて、それら2つのライトバルブのコントラスト比の関係を、上記実施形態で説明したような関係にすればよい。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2について説明する。
図11は、実施形態2に係るプロジェクターの要部を示す概念図である。
本実施形態に係る表示系1300について、図11を参照して説明する。緑色光の光路にλ/2位相差板301を備え、調光ライトバルブ310R、310G、310Bがすべてクロスニコル配置であり、画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bにコントラスト比を向上させる補償素子330を備えている点で実施形態1に記載のプロジェクター1000と相違する。なお、以下の説明では、実施形態1と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
実施形態2に係るプロジェクターは、図11に示すように、調光ライトバルブ310Gの入射側偏光板311Gと射出側偏光板313Gとの配置をクロスニコル配置にし、画像ライトバルブ1320Rと画像ライトバルブ1320Gと画像ライトバルブ1320Bの内部に、透過する光の位相を補償しコントラスト比を向上させる補償素子330を配置し、調光ライトバルブ310Gの光入射側にλ/2位相差板301を配置したものである。
本実施形態の調光ライトバルブ310R及び調光ライトバルブ310Gの構成は、上記実施形態1の調光ライトバルブ310R及び調光ライトバルブ310Gの構成と同様である。
本実施形態の調光ライトバルブ310Gを説明する。
色分離光学系200のフィールドレンズ280Gから射出したs偏光の緑色光は、フィールドレンズ280Gと調光ライトバルブ310Gとの間に配置されたにλ/2位相差板301に入射する。
調光ライトバルブ310Gは、液晶パネル312Gと、液晶パネル312Gの光入射側に設けられたp偏光を透過する入射側偏光板311Gと、液晶パネル312Gの光射出側に設けられたs偏光を透過する射出側偏光板313Gとを備える。つまり、調光ライトバルブ310Gの入射側偏光板311Gと射出側偏光板313Gとの配置は、クロスニコル配置になっている。本実施形態の液晶パネル312Gは、上記実施形態1の液晶パネル312Gと同様の構成を有する。
調光ライトバルブ310Gは、図示しない調光用ドライバーからの駆動信号を受けて光透過性電極(電極)に印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像に応じて所定の領域の前記電極に印加する電圧を低くして、入射したp偏光のほとんどをs偏光に変換して、射出側偏光板313Gでの透過率が高くなるようにすることにより緑色の照明光の強度(光量)を大きくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したp偏光のほとんどをp偏光のままにして、射出側偏光板313Gでの透過率が低くなるようにすることにより緑色の照明光の強度(光量)を小さくすることで、緑色の照明光の所定の領域の強度(光量)がこの調光ライトバルブ310Gで調節される。
次に、本実施形態の画像ライトバルブ1320R、1320G、1320B(1320)の説明をする。
画像ライトバルブ1320Rは、上記実施形態1と同様の入射側偏光板321R、液晶パネル322R、射出側偏光板323R及び、液晶パネル322Rと射出側偏光板323Rとの間に、画像ライトバルブ1320Rのコントラスト比を向上させる補償素子330を備える。補償素子330は、ガラスまたはプラスチック等のポリマー製の透明板上に、接着剤等によって、複屈折性を有する無機若しくは有機材料からなる板状部材、または、これらを複合した板状部材、又はWV(Wide View)フィルム等を取り付けたものである。そして、この補償素子330は、液晶パネル322Rに封入されている液晶材料や液晶材料の配向特性に応じて、その光学軸を回動させ適切な角度に設定することにより、画像ライトバルブ1320Rのコントラスト比を向上させることができる。
画像ライトバルブ1320G、1320Bも同様に、液晶パネル322G、322Bと射出側偏光板323G、323Bとの間に補償素子330をそれぞれ備える。ただし、緑色光用の液晶パネル322Gと、赤色光および青色光用の液晶パネル322R、322Bとは、液晶分子の光学軸のシステム光軸Xに対する傾き角度であるプレチルト角が逆方向のものが用いられる場合がある。これは、クロスダイクロイックプリズム400を緑色光が透過、及び赤色光及び青色光が反射する際に、左右の反転を補償して視野角特性を一致させるためである。このため、補償素子330の光学軸の傾きも、緑色光用の液晶パネル322Gに付随するものと赤色光および青色光用の液晶パネル322R、322Bに付随するものとでは、左右反転させることができる。
以上述べたように、本実施形態に係るプロジェクターによれば、以下の効果を得ることができる。
画像ライトバルブ1320R、1320G、1320B内に補償素子330を配置したことで、画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bのコントラスト比を調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比よりも高くしている。よって実施形態2のプロジェクターにおいてもハロー効果の抑制が可能となっている。
さらに、実施形態2においては、調光ライトバルブ310Gと画像ライトバルブ1320Gが共にクロスニコル配置となっているため、黒表示の際の黒の沈み込み(光の遮断率)がより大きくなり、画像のコントラスト比が向上する。
また、照明光学系100から射出される偏光光をs偏光光とし、調光ライトバルブ310Gの光入射側にλ/2位相差板301を備え、全色光の光路の調光ライトバルブ310R、310G、310B及び画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bをクロスニコル配置とすることで、上述したように赤色光と青色光をs偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させ、緑色光をp偏光光としてクロスダイクロイックプリズム400に入射させることが可能である。これによって、実施形態1と同様に、3色の光の利用効率をそれぞれ高めることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3について説明する。
本実施形態では、上記実施形態2における表示系1300において、図示を省略するが、画像ライトバルブ1320R、1320G、1320B(1320)の液晶パネル1322R、1322G、1322Bは、すべてVA(Vertical Alignment)方式が用いられている点が、実施形態2と相違する。なお、以下の説明では、実施形態2と同一の構成部位については、同一の番号を使用し、重複する説明は省略する。
画像ライトバルブ1320Rは、液晶パネル1322Rと、液晶パネル1322Rの光入射側に設けられたp偏光を透過する入射側偏光板321Rと、液晶パネル1322Rの光射出側に設けられたs偏光を透過する射出側偏光板323Rを備える。つまり、画像ライトバルブ1320Rの入射側偏光板321Rと射出側偏光板323Rの配置は、クロスニコル配置となっている。液晶パネル1312Rは、VA(Vertical Alignment)方式が用いられている。画像ライトバルブ1320Rは、VA方式を用いることにより、TN方式が用いられた調光ライトバルブ310Rよりも高いコントラスト比を得ることが可能である。なお、画像ライトバルブ1320Rの液晶パネル1322Rの解像度(例えば、約千×千)は、調光ライトバルブ310Rの液晶パネル312Rの解像度(例えば、4×4)よりはるかに高く、画像ライトバルブ1320Rの液晶パネル1322Rの階調数(例えば、256階調)は、調光ライトバルブ310Rの液晶パネル312Rの階調数(例えば、256階調)と同等である。しかし、液晶パネル1322Rの階調数と、液晶パネル312Rの階調数を異ならせることもできる。
VA方式が用いられた画像ライトバルブ1320Rは、図示しないパネルドライバーからの駆動信号を受けて、光透過性電極(電極)ごとに印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像の所定の画素に対応する電極に印加する電圧を低くして、入射したp偏光のほとんどをp偏光のままにして、射出側偏光板323Rでの透過率が低くなるようにすることにより所定の画素に対応する赤色光成分の画素の強度(光量)を小さくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したp偏光のほとんどをs偏光に変換して、射出側偏光板323Rでの透過率が高くなるようにすることにより所定の画素に対応する赤色光成分の画素の強度(光量)を大きくすることで、表示される画像に対応する赤色光成分の画素ごとに強度(光量)を調節する。つまり、画像ライトバルブ1320Rは、図示しないパネルドライバーで液晶パネル1322Rを駆動して画像情報(画像信号)に応じて赤色光を変調し、射出側偏光板323Rでp偏光を遮断することで、表示される画像のうち赤色光成分の画像を形成する。
画像ライトバルブ1320Gは、液晶パネル1322Gと、液晶パネル1322Gの光入射側に設けられたs偏光を透過する入射側偏光板321Gと、液晶パネル1322Gの光射出側に設けられたp偏光を透過する射出側偏光板323Gとを備える。つまり、画像ライトバルブ320Gの入射側偏光板321Gと射出側偏光板323Gとの配置は、クロスニコル配置となっている。液晶パネル1312Gは、VA(Vertical Alignment)方式が用いられている。画像ライトバルブ1320Gは、VA方式を用いることにより、TN方式が用いられた調光ライトバルブ310Gよりも高いコントラスト比を得ることが可能である。
VA方式が用いられた画像ライトバルブ1320Gは、図示しないパネルライバーからの駆動信号を受けて、光透過性電極(電極)ごとに印加される電圧の大きさを変更することにより、透過率が0%に近い値〜100%の範囲で透過率を自由に変更することができる。例えば、投射する画像の所定の画素に対応する電極に印加する電圧を低くして、入射したs偏光のほとんどをs偏光のままにして、射出側偏光板323Gでの透過率が低くなるようにすることにより所定の画素に対応する緑色光成分の画素の強度(光量)を小さくし、あるいは前記電極に印加する電圧を高くして、入射したs偏光のほとんどをp偏光に変換して、射出側偏光板323Rでの透過率が高くなるようにすることにより所定の画素に対応する緑色光成分の画素の強度(光量)を大きくすることで、表示される画像に対応する緑色光成分の画素ごとに強度(光量)を調節する。つまり、画像ライトバルブ1320Gは、図示しないパネルドライバーで液晶パネル1322Rを駆動して画像情報(画像信号)に応じて緑色光を変調し、射出側偏光板323Gでs偏光を遮断することで、表示される画像のうち緑色光成分の画像を形成する。
画像ライトバルブ1320Bは、液晶パネル1322Bと、液晶パネル1322Bの光入射側に設けられたp偏光を透過する入射側偏光板321Bと、液晶パネル1322Bの光射出側に設けられたs偏光を透過する射出側偏光板323Bとを備える。つまり、画像ライトバルブ1320Bの入射側偏光板321Bと射出側偏光板323Bとの配置は、クロスニコル配置となっている。液晶パネル1312Bは、VA(Vertical Alignment)方式が用いられている。画像ライトバルブ1320Bは、VA方式を用いることにより、TN方式が用いられた調光ライトバルブ310Bよりも高いコントラスト比を得ることが可能である。
画像ライトバルブ1320Bは、図示しないパネルドライバーで液晶パネル1322Bを駆動して画像情報(画像信号)に応じて青色光を変調し、射出側偏光板323Bでp偏光を遮断することで、表示される画像のうち青色光成分の画像を形成する。画像ライトバルブ1320Bのその他の構成は、画像ライトバルブ1320Rと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
以上述べたように、本実施形態に係るプロジェクターによれば、以下の効果を得ることができる。
画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bの液晶パネル1322R、1322G、1322BにVA(Vertical Alignment)方式を用いたことで、画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bのコントラスト比を調光ライトバルブ310R、310G、310Bのコントラスト比よりも高くしている。よって実施形態3のプロジェクターにおいてもハロー効果の抑制が可能となっている。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
上記実施形態1〜3では、調光ライトバルブ310R、310G、310Bは、調光ライトバルブ310R、310G、310Bが対応するフィールドレンズ280R、280G、280Bと、画像ライトバルブ320、1320との間に配置されていたが、画像ライトバルブと、クロスダイクロイックプリズムとの間に配置させることもできる。
上記実施形態1では、調光ライトバルブ310Gの入射側偏光板311Gと射出側偏光板313Gとの配置のみをパラレルニコル配置としていたが、調光ライトバルブ310Rの入射側偏光板311Rと射出側偏光板313Rとの配置、及び調光ライトバルブ310Bの入射側偏光板311Bと射出側偏光板313Bとの配置の少なくとも一方もパラレルニコル配置とすることができる。その場合、クロスダイクロイックプリズム400で反射する光がs偏光で入射し、透過する光がp偏光で入射するように、光路内の適切な位置に位相差板を配置させることができる。
上記実施形態1及び実施形態2では、調光ライトバルブ310R、310G、310B及び画像ライトバルブ320R、320G、320B、1320R、1320G、1320Bの液晶パネルにTN方式が用いられていたが、画像ライトバルブ320R、320G、320Bの液晶パネルに上記実施形態3で説明したようにVA方式を用いることができる。または、調光ライトバルブ310R、310G、310B、及び画像ライトバルブ320R、320G、320B、1320R、1320G、1320Bの液晶パネルにVA方式を用いることができる。
上記実施形態1の画像ライトバルブ320R、320G、320Bに、上記実施形態2で説明された様に画像ライトバルブ320R、320G、320Bのコントラスト比を向上させる補償素子330を備えることができる。
上記実施形態2では画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bのすべてに補償素子330を配置していたが、少なくとも画像ライトバルブ1320Gに補償素子330が配置されていれば、その他の画像ライトバルブでは補償素子330を省くこともできる。
上記実施形態2では、調光ライトバルブ310Gとフィールドレンズ280Gとの間にλ/2位相差板301が配置されていたが、調光ライトバルブ310Gと画像ライトバルブ1320Gとの間、画像ライトバルブ1320Gとクロスダイクロイックプリズム400との間のいずれかに配置することもできる。その場合、クロスダイクロイックプリズム400に入射する緑色光がp偏光であるように、調光ライトバルブ310Gの入射側偏光板311Gと射出側偏光板313Gとの配置、及び画像ライトバルブ1320Gの入射側偏光板321Gと射出側偏光板323Gとの配置を、クロスニコル配置とパラレルニコル配置から適宜選択できる。
上記実施形態3では、画像ライトバルブ1320R、1320G、1320Bのすべての液晶パネル1322R、1322G、1322BがVA方式の液晶パネルであったが、少なくとも画像ライトバルブ1320Gの液晶パネル1322GがVA方式の液晶パネルであれば、その他の画像ライトバルブではTN方式の液晶パネルを用いることもできる。
上記実施形態では、照明光学系100の偏光変換素子140により光源110から射出された無偏光の光をs偏光に変換していたが、p偏光に変換することできる。その場合、クロスダイクロイックプリズム400で反射する光がs偏光で入射し透過する光がp偏光で入射するように、調光ライトバルブ及び画像ライトバルブの入射側偏光板及び射出側偏光板の配置をパラレルニコル配置又はクロスニコル配置のいずれから適宜選択することができる。または、クロスダイクロイックプリズム400で反射する光がs偏光で入射し、透過する光がp偏光で入射するように、光路内の適切な位置に位相差板を配置させることができる。
上記実施形態の照明光学系100の光源110として、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ、またはLED光源やレーザー光源等種々のものを用いることができる。偏光を射出する光源を用いる場合には、偏光変換素子140を省略することができる。
上記実施形態では、照明光学系100からの光を色分離光学系200により、各色光に分離して表示系300を照明していたが、色光毎に対応した色光を射出する照明光学系を備えることができる。
上記実施形態では、光源110からの光を複数の部分光束に分割し被照明領域に重畳することで、被照明領域内を均一な明るさで照明する第1及び第2のレンズアレイ120、130と集光レンズ150を備えていたが、ロッドインテグレーター光学系に変更することも可能である。
上記実施形態のプロジェクターは、投射面を観察する方向から画像投射を行うフロントプロジェクターと、投射面を観察する方向とは反対側から投射を行うリアプロジェクターのいずれにも適用可能である。
(変形例1)
実施形態1〜3のプロジェクター1000の構成を次のように変形することもできる。
図12に示すとおり、プロジェクター1000は、照明光学系100と、照明光学系100の後述する光源110を制御する光源コントローラー5と、照明光学系100からの光を変調する空間光変調器320Aおよび副空間光変調器310Aと、空間光変調器320Aおよび副空間光変調器310Aを制御する表示コントローラー4と、空間光変調器320Aおよび副空間光変調器310Aによって変調された光を投写する投写光学系6と、を備えている。空間光変調器320Aは、副空間光変調器310Aによって変調された光を変調するように位置している。ただし、副空間光変調器310Aが、空間光変調器320Aによって変調された光を変調するように位置していてもよい。
照明光学系100は、光源110と、第1のレンズアレイ120と、第2のレンズアレイ130と、ダイクロイックプリズムと、オプショナルな偏光変換素子(不図示)と、集光レンズ150と、フィールドレンズ280と、を含む。光源110は、R(赤色光)に対応したLED(Light Emitting Diode)と、G(緑色光)に対応したLEDと、B(青色光)に対応したLEDと、を備え、以下ではRGB光源110R、110G、110Bとも表記される。R、G、Bは、フルカラーを表示するための典型的な要素色(波長域)の組合せ例である。よって、本変形例の光源110は3つの異なる要素色に対応した3つのLEDを含むが、他の例では4つ以上の異なる要素色に対応したLEDを含んでもよいし、2つの異なる要素色に対応したLEDを含んでもよい。また、光源110は、LEDに代えて、有機または無機の半導体レーザー、または有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子を含んでもよいし、LEDまたはレーザーを励起光源とする蛍光体を含んでいてもよい。
RGB光源110R、110G、110Bと、空間光変調器320Aおよび副空間光変調器310Aとは、RGBシーケンシャル方式、すなわち色順次方式によって駆動される。そしてこのことによって、プロジェクター1000はフルカラーの画像を投写し得る。
このような変形例においてもハロー効果の視認性を低減することができる。
(変形例2)
照明光学系100において偏光変換素子140(図1)が設けられ、偏光変換素子140によって一つの偏光(たとえばs偏光)が射出される場合、または偏光変換素子140がなくても固体光源そのものから一つの偏光が射出される場合には、「空間光変調器」は、上記実施形態のプロジェクターにおいて、液晶パネルと、当該液晶パネルの射出側の偏光板と、を少なくとも備えた部分に相当する。ただし、偏光変換素子140または固体光源を射出した偏光が空間光変調装置に伝播するまでに、意図した方向に偏光方向が一致しない光が僅かに生じることがある。このため好適には、空間光変調器は、液晶パネルと、当該液晶パネルの入射側の偏光板と、当該液晶パネルの射出側の偏光板と、を備えていることもある。
空間光変調器が反射型の液晶パネルを備える場合には、次の通りになる。図13は、図1のプロジェクターにおける調光ライトバルブ310Gからクロスダイクロイックプリズム400に至るまでの光路上の変形例を示す。G色光の場合について記載するが、R色光およびB色光の場合についても基本的にG色光の場合と同様である。
本変形例におけるプロジェクターは、調光ライトバルブ310Gと、p偏光をs偏光に変換するλ/2板601Gと、s偏光を透過する入射側偏光板602Gと、偏光ビームスプリッタ603Gと、光学補償板604Gと、反射型の液晶パネル605Gと、p偏光を透過する射出側偏光板606Gと、を備える。調光ライトバルブ310Gは、実施形態1のものと基本的に同じである。また、実施形態1と同様に、調光ライトバルブ310Gへはs偏光が入射する。このため、調光ライトバルブ310Gからはp偏光が射出される。偏光ビームスプリッタ603Gは、本変形例では偏光分離面を介して互いに張り合わされた2つのプリズムを含むタイプであるが、ワイヤーグリッド偏光板のタイプでもよい。
調光ライトバルブ310Gを射出したp偏光は、λ/2板601Gによってs偏光に変換される。そして、入射側偏光板602Gを透過する。入射側偏光板602Gを射出したs偏光は、偏光ビームスプリッタ603Gの第1面に入射する。当該第1面に入射したs偏光は、偏光ビームスプリッタ603G内の偏光分離面に対して約45度の入射角で入射し、そこから約45度の反射角で射出する。そして、s偏光は、偏光ビームスプリッタ603Gの第2面から射出する。当該第2面を射出したs偏光は、光学補償素子604Gを介して、反射型の液晶パネル605Gに入射する。液晶パネル605Gは、画像データに基づいて入射光の偏光状態を空間的に変調する。液晶パネル605Gを射出した光のうちp偏光は、光学補償素子604Gを透過し、偏光ビームスプリッタ603Gの偏光分離面を透過する。そして、p偏光は偏光板606Gを透過する。偏光板606Gを射出したp偏光は、ダイクロイックプリズム400に入射し、R反射面とB反射面とを透過して、投写光学系500へ導かれる。
本変形例では、反射型の液晶パネル605Gにs偏光が入射するように構成されている。この構成に代えて、反射型の液晶パネル605Gにp偏光が入射するように、光路上で液晶パネル605Gの前後の構成要素を適宜改変することができる。
本変形例の場合には、空間光変調器としての画像ライトバルブは、偏光ビームスプリッタ603Gと、反射型の液晶パネル605Gと、を少なくとも含む部分に相当する。少なくともこれらの構成があれば、空間光変調器は、画像データに応じて、画像の1フレーム(1/60秒)あたりの時間積分された光強度を、空間的に変調(画素ごとに変調)することができる。そして、好適には、「空間光変調器」は、これらの構成要素に加えて、さらに、入射側偏光板601G、射出側偏光板606G、および光学補償素子604Gの少なくとも一つを含む部分として定義されてもよい。これらの一つが含まれれば、空間光変調器が出力する光のコントラスト比がより高くなる。
このような変形例においてもハロー効果の視認性を低減することができる。