JP2014162902A - 共役芳香族高分子の製造方法。 - Google Patents

共役芳香族高分子の製造方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】1種以上のモノマーに対して、カップリング反応を行い、短時間で、大きい分子量をもつ共役芳香族高分子を、高収率で得ることを課題とする。
【解決手段】1種以上のモノマーと担体に固定化された遷移金属又は遷移金属化合物と第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子を混合し、カップリング反応により重合させる共役芳香族高分子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、共役芳香族高分子の製造方法に関する。
有機ELや有機薄膜トランジスタ、有機発光センサーなどのデバイスの半導体材料として、共役芳香族高分子が利用されており、中でも高分子有機太陽電池への応用が注目されている。
共役芳香族高分子の製造方法として、遷移金属触媒を用いてモノマーをカップリングさせる方法が知られている。例えば非特許文献1には、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)の均一系触媒を用いて、115℃、42時間反応を行うことにより、イミドチオフェン骨格とジチエノシロール骨格とが主鎖に含まれる重量平均分子量Mwが45Kのコポリマーを収率38%で得る方法が開示されている。
また、非特許文献2及び特許文献1には、テトラキス(トリオルトトリルホスフィン)パラジウム(0)を触媒として用いて、115℃、5日間反応を行うことにより、重量平均分子量Mwが54Kのコポリマーを得る方法が開示されている。
非特許文献3には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を触媒として用い、マイクロウェーブを照射することにより、重量平均分子量Mwが19Kのコポリマーを得る方法が開示されている。また、非特許文献4には、共役芳香族高分子を得るためのクロスカップリング反応について、非特許文献5には、担体に固定化された触媒を用いた反応についてまとめられている。
国際公開第2011/063534号
Journal of the American Chemical Society(2011),133(12),4250−4253. Journal of the American Chemical Society(2011),133(26),10062−10065. Journal of Materials Chemistry(2011),21(11),3895−3902. Chem.Rev.2011,111,1493−1528. Chem. Rev., 2009, 109, 594-642
性能の高い有機太陽電子デバイスを開発するために、分子量の大きな共役芳香族高分子を製造することが求められている。しかしながら、触媒として遷移金属を用いて、モノマー、特に熱的及び/又は化学的に不安定なモノマー、のカップリング反応において、十分に分子量の大きい共役芳香族高分子を得る方法は知られていなかった。そこで、本発明は1種以上のモノマーのカップリング反応により、分子量の大きな共役芳香族高分子を、短時間かつ高収率で製造することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために、鋭意検討を行った結果、モノマーと担体に固
定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と均一系有機配位子とを混合し、カップリング反応を行うことで、上記課題を達成するに至った。
すなわち、本発明は、以下を要旨とする。
[1] 1種以上のモノマーと、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子とを混合し、カップリング反応により1種以上のモノマーを重合させる共役芳香族高分子の製造方法。
[2] 前記カップリング反応がクロスカップリング反応であることを特徴とする[1]に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
[3] 前記後周期遷移金属又は前記後周期遷移金属化合物に含まれる遷移金属が、パラジウム又はニッケルである[1]又は[2]に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
[4] 前記第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子が、有機リン配位子又は有機ヒ素配位子である[1]〜[3]のいずれか一項に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
[5] 前記後周期遷移金属又は前記後周期遷移金属化合物に含まれる遷移金属に対する、均一系有機配位子に含まれる配位原子のモル比率が0.1より大きく4より小さいことを特徴とする[1]〜[4]のいずれか一項に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
[6] 前記1種以上のモノマーのうち少なくとも1種のモノマーが下記式(A4)又は式(A4’)で表される芳香族化合物である[1]〜[5]のいずれか一項に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
Figure 2014162902
(式(A4)及び式(A4’)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基を表すか、R及びR33、又はR及びR34が結合して環を形成していてもよい。R33及びR34はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は第14族元素から選ばれた原子を有する基を表すか、或いは互いに結合して環を形成していてもよい。X及びXはそれぞれ独立して、活性基を示し、X12及びX13はそれぞれ独立して、第16族元素から選ばれた原子を示し、X14は結合している2つの5員環の共役系を連結する基、又は直接結合を示す。R33及びR34は互いに結合して環を形成していてもよい。)
[7] 前記活性基が、Li、Mg、Zn、B又は第14族元素から選ばれた原子を有する基である[6]に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
[8] 前記1種以上のモノマーのうち少なくとも1種のモノマーが、下記式(A11)、(A12)、(A13)及び(17)で表される芳香族化合物からなる群より選ばれた芳香族化合物である[6]又は[7]に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
Figure 2014162902
(式(A11)、式(A12)、式(A13)又は式(A17)において、X及びXは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基を表す。
式(A11)において、R31及びR32はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
式(A12)において、R25及びR26はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアシル基を表す。R27及びR28はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。
式(A13)において、Y及びYは、それぞれ独立に第15族元素から選ばれた原子を表す。R19及びR20はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
式(A17)において、Y及びYは、それぞれ独立して、窒素原子又は一つの置換基を有する炭素原子−CR43−を表す。R43は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。R21及びR22はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。)
[9] [1]〜[8]のいずれか一項に記載の製造方法により得られた共役芳香族高分子を含む光電変換素子。
[10] [9]に記載された光電変換素子を有する太陽電池。
本発明により、短時間で分子量の大きい共役芳香族高分子を高収率で製造することができる。また、分子量の大きい共役芳香族高分子を製造することができるために、優れた光電変換効率を有する光電変換素子、太陽電池及び太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態としての光電変換素子の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態としての太陽電池モジュールの構成を模式的に示す断面図である。
本発明は、1種以上のモノマーと担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子を混合し、カップリング反応により1種以上のモノマーを重合させて、共役芳香族高分子を製造する方法に関する。以下、本発明に係る共役芳香族高分子の製造方法について詳細に説明するが、以下の記載は、本発明の実施形態の代表例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に限定されない。
<1.カップリング反応>
本発明は、共役芳香族高分子を製造するためのカップリング反応に使用することができ、特に炭素−炭素間結合を形成するためのクロスカップリング反応と炭素‐ヘテロ原子間結合を形成するクロスカップリング反応が好適な例として挙げられる。クロスカップリング反応としては、具体的には、鈴木−宮浦反応、根岸反応、Stille反応、檜山反応、Heck反応、薗頭反応、Buchwald−Hartwig法、Fu法、Nolan法、Guram法、Beller法、Plenio法、Bedford法、Najera法など、様々な人名反応が知られている。(例えば、Meijere、Diederich編,”Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions”(Wiley−VCH刊)、Miyaura編,”Topics in Current Chemistry、219巻(Springer刊)、Negishi編,”Handbook of Organpalladium Chemistry for Organic Synthesis”(Wiley刊)、Brandsmaら著、”Application of Transition Metal Catalysts in Organic Synthesis”(Springer刊)、などがあげられる)
本発明者らの検討によると、均一系触媒、或いは担体に固定化された後周期遷移金属又は遷移金属化合物のみを触媒として、カップリング反応を行っても、十分に大きな分子量を有する共役芳香族高分子を製造することが難しい傾向にあることが判明した。
しかしながら、本発明においては、担体に固定化された遷移金属又は遷移金属化合物と、均一系有機配位子を併用しているために、カップリング反応の系中において、有機溶媒に溶けた均一系有機配位子が容易に担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物へ接触し、安定な遷移金属触媒活性種を効率的に発生させることができる。そのため、短時間で分子量の大きな共役芳香族高分子を製造することができる。なお、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物は、反応終了後の後処理の際に、ろ過で除くことができるために、得られた共役芳香族高分子に該遷移金属が混入しにくい。また、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物は再度、触媒として利用することができる。また、均一系有機配位子は、後処理の際に、懸洗等で得られた共役芳香族高分子と分離することが容易である。
そのため、本発明のように、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と、均一系有機配位子とを混合し、カップリング反応を行うことは、カップリング反応の反応性を高め、不純物の混入が少なく、分子量の大きな共役芳香族高分子を製造することができるために、極めて有効である。
以下、本発明のカップリング反応の詳細について以下に説明する。
<1―1.担体に固定化された遷移金属又は遷移金属化合物>
本明細書において、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物とは、後述するような担体に、物理的に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物を意味する。
なお、本明細書において後周期遷移金属とはIUPAC 2005年度推奨版(Recommendations of IUPAC 2005)の周期表に示される第8族〜
11族の遷移金属を指す。また、本明細書において、後周期遷移金属化合物とは、後周期遷移金属のカチオンと任意のアニオンとからなる後周期遷移金属塩、又は後周期遷移金属と任意の有機配位子との組み合わせにより形成される後周期遷移金属錯体を意味する。
本発明において、上記の後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物を特定の均一系有機配位子と併用すれば、カップリング反応により分子量の大きな共役芳香族高分子を製造できるが、後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物に含まれる遷移金属はパラジウム、ニッケル、又は鉄であることが好ましく、クロスカップリング反応をより促進するために、パラジウム又はニッケルであることが特に好ましい。特に、パラジウムは、様々なクロスカップリング反応において汎用的に用いることができ、反応性も高くなる傾向がある。一方で、ニッケルは安価であり、Grignard試薬をモノマーとしてクロスカップリング反応を行う場合、特に反応性が高くなる傾向がある。そのため、クロスカップリング反応の種類によって選択して使用することができる。
本発明において、使用できる後周期遷移金属塩として、特段の制限はないが、具体的には、後周期遷移金属が含まれる塩化物等のハロゲン化物、酢酸塩又、硝酸塩、トリフルオロ酢酸塩、アセチルアセトン塩、ジベンジリデンアセトンが挙げられる。これらの中でも、酢酸塩あるいは塩化物等のハロゲン化物は、活性種を効率良く発生するために好ましい。
また、後周期遷移金属錯体を形成する有機配位子としては、第13族〜16族から選択される原子を有する有機配位子が挙げられ、具体的な例としては、J. Hartwig,”Organotransition Metal Chemistry”,University Science Books刊(2010年)およびその中の引用文献に記載の有機配位子や、Strem社,”Metal Catalysts for Organic Synthesis”(2011年)記載の有機配位子が挙げられる。なお、これらの有機配位子の中でも、特に、配位原子として窒素原子、酸素原子、リン原子又はヒ素原子を有する有機配位子が好ましく、さらに、配位原子としてリン原子又はヒ素原子を有する有機リン配位子又は有機ヒ素配位子が好ましい。このような有機配位子は、錯体の安定性を向上させる傾向がある。なお、上記のように予め担体に固定化された遷移金属に配位した有機配位子は本発明における均一系有機配位子とは見なさない。
なお、後周期遷移金属化合物は、1種のみの後周期遷移金属が含まれていてもよいし、2種以上の後周期遷移金属が含まれていてもよい。
また、本発明に係る遷移金属化合物は、上述したような後周期遷移金属塩の一部に、さらに上述の有機配位子が配位されていてもよい。
上述してきた後周期遷移金属化合物の中でも、カップリング反応において、より効率的に活性種を発生させるために、後周期遷移金属化合物が、後周期遷移金属を含む塩化物又は酢酸塩であることが好ましい。
次に、後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物のより具体的な例として、パラジウム化合物及びニッケル化合物の例を以下に示す。なお、本発明に使用できるパラジウム化合物及びニッケル化合物は本発明の趣旨を逸脱しなければ、下記に示す化合物に限定されるわけではない。
(パラジウム化合物)
パラジウム化合物は、パラジウム(0)が重要な触媒種であるが、一般に、空気中で不安定で分解されやすい。一方、パラジウム(II)は安定であり、反応系中で、均一系有機配位子との共存により容易にパラジウム(0)に変換され反応系中で活性種を発生させる。例えば、パラジウム(II)は、反応系中において、トリフェニルホスフィンにより、パラジウム(0)価に還元され、活性種を発生させることができる。
具体的なパラジウム化合物の例としてはPd(PPh、Pd(P(o−tol)、Pd(P(t−Bu)、Pd(dba)、Pd(dba)CHCl、Pd(dba)、Pd(MeCN)(BF、PdCl、PdBr、Pd(acac)、Pd(TFA)、Pd(allyl)Cl、[Pd(allyl)Cl]、Pd(PCyCl、Pd(P(o−tol)Cl、Pd(OAc)、PdCl(dppf)、PdCl(dppf)CHCl、Pd(MeCN)Cl、Pd(amPhos)Cl、PdCl(dtbpf)又はPdCl(PPhなどパラジウムが0価又は2価のものが挙げられる。なお、本明細書において、Phはフェニル基、o−tolはトルオイル基、t−Buはtert−ブチル基、dbaはジベンジリデンアセトン、MeCNはアセトニトリル基、acacはアセチルアセトナート基、OAcは酢酸基、allylはアリル基、Cyはトリシクロへキシルホスフィン、dppfは1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、dtbp
fは1,1’-ジ-tert-ブチルホスフィノフェロセン、PPhはトリフェニルホスフィン、amPhosは[4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル]ジ−tert−ブチルホスフィンを表す。また以下のパラジウム化合物を使用することもできる。
Figure 2014162902
Figure 2014162902
上記式に挙げられたパラジウム化合物にさらに、配位していてもよい有機配位子の具体的な例としては、トリフェニルホスフィン(PPh)、1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、トリ−tert−ブチルホスフィン(P(t−Bu)
)、トリシクロへキシルホスフィン(PCy)、トリフェニルアルシン(AsPh)、トリ−o−トリルホスフィン(P(o−tol))、トリ−p−トリルホスフィン(P(p−tol))、トリス−(p−メトキシフェニル)ホスフィン(P(p−MeOPh))、トリス−(o−メトキシフェニル)ホスフィン(P(o−MeOPh))、トリフラニルホスフィン(P(furanyl))、トリチエニルホスフィン(P(thienyl))、トリス−(3,5−メトキシフェニル)ホスフィン(P(3,5−MeOPh))、ジシクロへキシルフェニルホスフィン(PPh(Cy))、シクロへキシルジフェニルホスフィン(PPh(Cy))、ジシクロへキシルホスフィン(HPCy)、ジ−tert−ブチルホスフィン(HP(t−Bu))、ジ−tert−ブチルクロロホスフィン(P(t−Bu)Cl)、トリメトキシホスフィン(P(OMe))、トリフェニルホスフィン(P(OPh))、ジフェニルホスフィンオキシド(HPOPh)、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン(HMPT)、トリス(ジエチルアミノ)ホスフィン(P(NEt)、ビス‐ピラゾールホスフィン(BippyPhos)、1,2,3,4,5−ペンタフェニル−1’−(ジ−tブチルホスフィノ)フェロセン(QPhos)、1,3,5−トリアザ−7−ホスファアダマンタン(PTA)、4,5’−ビス(ジフェニルホスフィン)−9,9’−ジメチルキサンテン(Xantphos)、ビス[2−(ジフェニルホスフィノ)フェニル]エーテル(DPEPhos)、2,2’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン(dppm)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、1,2−ビス(ジシクロへキシルホスフィノ)エタン(dcpe)、1,1’−ビス(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェロセン(dtbpf)、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)ビフェニル(cyclohexyl JohnPhos)、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)−2’−(ジメチルアミノ)ビフェニル(DavePhos)、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(XPhos)、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)−2’,6’−ジメトキシビフェニル(SPhos)、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル(MePhos)、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェ
ニル(RuPhos)、2−(ジシクロへキシルホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(BrettPhos)、2’−(ジシクロへキシルホスフィノ)−2,6−ジメトキシ−ナトリウム塩(SPhos)、2−(ジフェニルホスフィノ)−2’−(N,N’−ジメチルアミノ)ビフェニル(PhDavePhos)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(tBuXPhos)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル(JohnPhos)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−3,4,5,6−テトラメチル−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(Tetramethyl di−tBuXPhos)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−2’−メチルビフェニル(tBuMePhos)、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(tBuDavePhos)、2−(ビス−[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィノ)−3,6−ジメトキシ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル(JackiePhos)、ブチル−ジ−1−アダマンチルホスフィン(cataCXium
A)、n−ブチル−ジ−1−アダマンチルホスフィンヒドロヨージド(cataCXium AHI)、N−フェニル−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ピロール(cataCXium PtB)、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)−N−フェニルインドール(cataCXium PlntB)、N−フェニル−2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ピロール(cataCXium PCy)、N−(2−メトキシフェニル)−2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ピロール(cataCXium POMetB)、2−(ジ−1−アダマンチルホスフィノ)−ジメチルアミノベンゼン(Me−DalPhos)、ジ(1−アダマンチル)−2−モルホリノフェニルホスフィン(Mor−DaPhos)などが挙げられる。
さらに、配位子の例として、Buchwald型のビフェニルタイプ(ビフェニルホスフィン誘導体)(例えば、Acc.Chem.Res.,41,1461−1473,2008、Chem.Sci.,2,27−50,2011に挙げられたもの)、Nolan型のカルベンタイプ(例えば、Chem.Rev.,109,3612−3676、Acc.Chem.Res.,41,1440−1449に挙げられたもの)、Fu型の脂肪族ホスフィンタイプ(例えば、Acc.Chem.Res.,41,1555−1564に挙げられたもの)、OrganらのPEPPSIタイプ、Beller型、パラダサイクル型(例えば、Dupontら,Chem.Rev.,105,2527−2571(2005)、Nolanら,Acc.Chem.Res.,41,1440−1449(2008)に挙げられたもの)などが挙げられる。なお、共役芳香族高分子の重合速度を向上させる観点から、配位子としては、ホスフィン配位子がより好ましく、中でも、反応速度を高める点から置換基に芳香環を1つ以上有するホスフィン配位子が好ましい。
なお、上記に列挙したパラジウム化合物の中でも、反応系中で、より効率的に活性種を発生することができるために、酢酸パラジウム(Pd(OAc))又はアセトニトリルジクロロパラジウム等のパラジウム塩化物が特に好ましい。
(ニッケル化合物)
ニッケル(0)化合物はパラジウム(0)化合物に比べて空気中でさらに不安定であるため、安定なニッケル(II)を反応系中で還元することによりニッケル(0)化合物を活性種とすることができる。ニッケル化合物はパラジウム化合物に比べ、コストの点と、反応後の除去のしやすさの点で好ましい。
ニッケル化合物の例として、特段の制限はないが、例えば、Negishiら,Chemistry of Organozinc Compounds(Pt.1),pp.457−553,(2006)や、Takahashiら,Modern Organonickel Chemistry,pp.41−55(2005)などに記載のものを用いることができる。
また、ニッケル化合物のさらに具体的な例としては、Ni(PPh、NiBr(PPh、NiCl(dppf)、NiCl(PPh、NiCl、NiI、Ni(acac)、Ni(cod)、NiCl(glyme)、Ni(py)Cl、NiCl(dppp)、NiCl(dppe)などの、ニッケル(0)化合物又はニッケル(II)化合物が挙げられる。なお、本明細書において、codは1,5−シクロオクタジエンを表し、pyはピリジル基を表し、glymeはエチレングリコールジメチルエーテル基を表す。なお、これらの化合物はさらに、上述のパラジウム化合物において記載したものと同様の有機配位子を含んでいてもよい。
後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物を固定化する担体の例としては、金属、ナノコロイド、ナノ粒子、磁性化合物、金属酸化物、多孔質物質、粘土、ポリマー又はデンドリマーなどが挙げられる。多孔質物質の具体的な例としては、ミクロ孔物質、メソ孔物質、活性炭、シリカゲル、アルミナ、及びゼオライト等が挙げられる。これらのなかでも、カップリング反応後に、回収が容易であるために、担体がポリマーであることが好ましく、特に、反応を促進するために、多孔性のポリマーであることが特に好ましい。また、多孔性ポリマーの中でも特にポリスチレン又は尿素樹脂であることが好ましい。このようなポリマーを担体として用いた場合、後周期遷移金属化合物の固定化がより強固なものとなり、後周期遷移金属が溶液中に溶け出しにくくなる傾向がある。そのため、製造される共役芳香族高分子に後周期遷移金属等の不純物の混入を抑えることができる。
なお、後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物を担体に固定化させる方法に特段の制限はなく、公知の方法を用いればよい。例えば、後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物をポリマーに担持させる場合は、特開2006−231318号公報に記載の方法等を用いればよい。
また、本発明において、担体に、上述した後周期遷移金属又は後周期遷移化合物が固定化されているが、さらに担体には、後周期遷移金属と錯体を形成していない有機配位子が練り込まれていてもよい。
担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物の具体例としては、以下に限定されるわけではないが、Liebscherら,Chem.Rev.,107,133−173(2007)、Molnar,Chem.Rev.,111,2251−2320(2011)、Polshettiwarら,Chem.Rev.,111,3036−3075(2011)、Adv.Synth.Catal.,346,1553−1582(2006)、Adv.Synth.Catal.,348,609−679(2008)、Alonsoら,Tetrahedron,64,3047−3101(2008)、Tetrahedron,61,11771−11835(2005)、Polshettiwarら,Tetrahedron,63,6949−6976(2007)、Coord.Chem.Rev.,253,2599−2626(2009)、Kobayashiら,Chem.Rev.,109,594−642(2009)に記載のものが挙げられる。
また、より具体的な例としては、FibreCat 1001、FibreCat 1007、FibreCat 1026、Pl Palladium、Palladium−Nanocage、Palladium(II)−Hydrotalcite(m)、Palladium(II)−Hydrotalcite(以上、和光純薬社製)、Pd
EnCat30、Encat30nano、Pd EnCat40、Pd EnCatTPP、Pd EnCatTOTP30、Pd EnCatBINAP、Encat40、PS−TPPPdCl、PS−TPPPd(OAc)、PS−TPPPdTPP、Pd含有のChemDoseタブレット(以上、Aldrich社製)、SiliaCat S−Pd、SiliaCat DPP−Pd(以上、SiliCycle社
製)、ChemDose(Aldrich社製)や和光純薬刊“Green Chemistry”第5版(2010年)に記載のものが挙げられる。
また、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物のより具体的な例として、担体に固定化されたパラジウム化合物を以下に示す。なお、下式においてPSはポリスチレンを示す。ポリスチレンの代わりに、ポリエチレン、尿素樹脂などのポリマーを用いることもできる。また、下式においてTPPはトリフェニルホスフィンを表す。
Figure 2014162902
なお本発明のカップリング反応において、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物は1種のみ用いてもよいし、2種以上用いてもよい。例えば、担体に固定化されたニッケル又はニッケル化合物、並びに担体に固定化されたパラジウム又はパラジウム化合物を併用した場合、それぞれを単独で用いた時よりも、反応性が向上し、分子量の大きい共役芳香族高分子が得られる可能性があるために好ましい。
<1−1.均一系有機配位子>
本発明において使用可能な均一系有機配位子について説明する。なお、本明細書において、均一系有機配位子とは、反応溶媒に溶解し、かつ反応系中で、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物に対して配位することが可能な有機配位子を意味する。なお、1種以上のモノマーや均一系有機配位子と混合する前に、予め担体に固定化
された後周期遷移金属化合物に含まれる有機配位子及び担体に練り込まれた有機配位子は、本発明における均一系有機配位子には含まれない。
本発明において、使用することのできる均一系有機配位子としては、第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子が挙げられる。なお、第13族〜16族から選択される原子とはIUPAC2006年推奨版の周期表に記載される第13族〜16族から選択される原子を指す。なお上記の均一系有機配位子の中でも、第15族典型元素に属する原子を配位原子として有する均一系有機配位子であることが好ましく、さらには、カップリングの反応速度の向上と高分子量化の相乗効果を得るために、有機リン配位子又は有機ヒ素配位子であることが特に好ましい。なお、これらの有機リン配位子又は有機ヒ素配位子は任意の置換基を有していてもよく、例えば、炭化水素基を有していてもよい。炭化水素基の例としては、芳香族基、脂肪族基が挙げられ、芳香族基及び脂肪族基の両方を有する有機リン配位子又は有機ヒ素配位子であってもよい。また、これらの炭化水素基はさらに任意の置換基を有していてもよい。任意の置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、置換基を有しても良いアミノ基のような電子供与性基であることが好ましい。
また、これらの任意の置換基に含まれる炭素数は1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜5であることが特に好ましい。なお、芳香族基の場合、置換基が、パラ位置換するか、無置換であることが好ましい。脂肪族基の場合は、置換基が3級あるいは2級であることが、立体障害と高い反応性を有するために、好ましい。
本発明に使用できる均一系有機配位子の具体例としては、限定されるわけではないが、PPh、dppf、P(t−Bu)、P(Cy)、AsPh、P(o−tol)3、P(p−tol)、P(p−MeOPh)、P(o−MeOPh)、P(furanyl)、P(thienyl)、P(3,5−MeOPh)、PPh(Cy)、PPh(Cy)、HPCy、HP(t−Bu)、P(t−Bu)Cl、P(OMe)、P(OPh)、HPOPh、HMPT、P(NEt、BippyPhos、QPhos、PTA、Xantphos,DPEPhos、BINAP、dppf、dppm、dppe、dppp、dppb、dcpe、DtBuPF、cyclohexyl JohnPhos、DavePhos、XPhos、SPhos、MePhos、RuPhos、BrettPhos、SPhos、PhDavePhos、tBuXPhos、JohnPhos、Tetramethyl di−tBuXPhos、tBuMePhos、tBuDavePhos、JackiePhos、cataCXium A、cataCXium AHI、cataCXium PtB、cataCXium PlntB、cataCXium PCy、cataCXium POMetB、Me−DalPhos、Mor−DaPhosなどが挙げられる。さらに、Buchwald型のビフェニルタイプ(ビフェニルホスフィン誘導体)(例えば、Acc.Chem.Res.,41,1461−1473,2008、Chem.Sci.,2,27−50,2011に挙げられたもの)、Nolan型のカルベンタイプ(例えば、Chem.Rev.,109,3612−3676、Acc.Chem.Res.,41,1440−1449に挙げられたもの)、Fu型の脂肪族ホスフィンタイプ(例えば、Acc.Chem.Res.,41,1555−1564に挙げられたもの)、OrganらのPEPPSIタイプ、Beller型、パラダサイクル型(例えば、Dupontら,Chem.Rev.,105,2527−2571(2005)、Nolanら,Acc.Chem.Res.,41,1440−1449(2008)に挙げられたもの)などが挙げられる。
なお、均一系有機配位子は1種類のみを用いても、2種類以上の均一系有機配位子を用いてもよい。
<2.モノマー>
本発明のカップリング反応に用いられる1種以上のモノマーのそれぞれは、ドナー性又はアクセプターを有する共役化合物、又は芳香族化合物であることが好ましい。より好ましくは芳香族化合物である。なお、本発明のカップリング反応において、クロスカップリングを行う際は、用いられるモノマーが、ドナー性を有する共役芳香族化合物とアクセプター性を有する共役芳香族化合物であることは、得られる高分子の吸収波長調整と、ホモカップリングが抑制されクロスカップリング反応が起こりやすい点で好ましい。
本発明のカップリング反応において用いられるモノマーの例としては、X−A−X(化合物A1)、X−A−X(化合物A2)、又はX−A−X(化合物A3)が挙げられる。X〜Xは活性基を表し、化合物A1〜A3において、芳香族環を形成する炭素原子に結合している。化合物A1と化合物A2とをクロスカップリング反応させることにより、又は化合物A3をカップリング反応させることにより、下記反応式(1)及び(2)に表すように共役芳香族高分子を得ることができる。
ここでは1種又は2種のモノマーをカップリングさせる場合について説明するが、3種以上のモノマーをカップリングさせることも同様に可能である。すなわち、2種以上の化合物A1が混合して用いられてもよいし、2種以上の化合物A2が混合して用いられても
よいし、2種以上の化合物A3が混合して用いられてもよい。さらには、2種以上の化合物A1と2種以上の化合物A2とが任意の比率で混合されて用いられてもよい。
Figure 2014162902
〜A(以下、モノマーユニットと記載する場合がある)は、それぞれ独立に任意の2価の基を表し、ドナー性を有する共役した2価の基、アクセプター性を有する共役した2価の基、又は2価の芳香族基であることが好ましい。なお、モノマーユニットに3個以上の活性基を有していてもよい。
カップリング反応によって得られる共役高分子の半導体特性を向上させる点からは、1種以上のモノマーユニットのうち少なくとも1つがドナー性を有しかつ少なくとも1つがアクセプター性を有することが好ましい。
上記式(1)及び(2)に従って共役芳香族高分子を得るためには、活性基(上記X〜X)が必要である。これらの共役芳香族高分子を高分子量体として得るためには、短時間でモノマーをオリゴマーに変換し、活性基が副反応で分解することを防ぐ必要がある。オリゴマーになると活性基の分解速度は落ちる傾向にあるため、オリゴマーは長時間の加熱撹拌に耐えうる。
この観点から、高分子量の共役芳香族高分子をカップリング反応で得るためには、まずTOF(turnover frequency)が大きい触媒を用いてモノマーを短時間でオリゴマーに変換すると、同時に、TON(Turnover number)が大きい触媒を用いて反応を十分に進行させることが好ましい。本発明では、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物にTOFの効果をもたせると同時に、均一系有機配位子が担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物に作用することで、TONの効果も併せ持たせることができる。TOFとTONのバランスを取ることで、効果的に短時間で共役芳香族高分子を得ることができる。活性基(X〜X)が熱的及び/又は化学的に脱離しやすい場合(例えば後述する実施例の場合)であっても、本発明の製造方法によれば、効率的に高分子量の共役芳香族高分子を得ることができる。この議論はモノマーユニット(A〜A)が縮合芳香族複素環である場合も、他の芳香族環である場合も、あるいはその他の基である場合にもあてはまることから、本発明の製造方法はモノマーユニットがどのような構造を有する場合にも同様に適用可能であるものと考えられる。特に、熱的及び/又は化学的に不安定な活性基を有する化合物をモノマーとして用いる場合に、本発明の製造方法は効果的である。
より高分子量の共役芳香族高分子を、短時間で得るためには、活性の高い、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物を用いてモノマーからオリゴマーを一気に形成させ、同時に、生成したオリゴマーを、均一系有機配位子を併用して、この高い活性をもつ不均一系遷移金属錯体に、系中で、均一系遷移金属錯体に類似した挙動をさせることで、オリゴマーをポリマーへと誘導することが、特に好ましい。
なお、本発明において「モノマーユニット」とは共役芳香族高分子の原料モノマーに由来する繰り返し単位を表し、単に「ユニット」と称する場合は、該モノマーユニットに含
まれる部分構造を表す。モノマーユニットのドナー性及びアクセプター性は相対的なものである。また、明細書においてドナー性を有するモノマーユニットとは、もう一方のモノマーユニットの最高占有分子軌道(HOMO)準位と比較して、よりHOMO準位が高いモノマーユニットを有するものをいう。また本明細書においてアクセプター性を有するモノマーユニットとは、もう一方のモノマーユニットの最低非占有分子軌道(LUMO)準位と比較して、よりLUMO準位が低いモノマーユニットを有するものをいう。
例えば反応式(1)の場合は、化合物A1と化合物A2とのうちの一方がドナー性を有しかつ他方がアクセプター性を有することが好ましい。また同様の観点から、反応式(2)の場合は、化合物A3は複数のユニットが連結された構造を有し、この複数のユニットのうち少なくとも1つのユニットがドナー性を有しかつ少なくとも1つのユニットがアクセプター性を有することが好ましい。
有機分子において電気伝導に関与する電子は、π電子や非共有電子対であり、これらがつくる分子軌道が重要となる。このうち、ドナー(電子供与体)性を有するモノマーユニットではHOMOが、アクセプター(電子受容体)性を有するモノマーユニットではLUMOが伝導に関与する。このためにドナー性モノマーユニットとアクセプター性モノマーユニットとを組み合わせることにより、有機分子のHOMO及びLUMOエネルギーを制御して、新規な共役高分子を設計することができる。
また、クロスカップリング反応によって得られる共役芳香族高分子の半導体特性を向上させる点から、1種以上のモノマーユニットのうち少なくとも1つのモノマーが芳香族炭化水素化合物又は芳香族複素環化合物であることが好ましく、芳香族複素環化合物であることがさらに好ましく、全てのモノマーが芳香族複素環化合物であることはより好ましい。
芳香族炭化水素化合物は、炭素数6以上30以下のものが好ましく、具体的にはベンゼンなどの単環式芳香族炭化水素化合物;ビフェニルなどの環連結芳香族炭化水素化合物;又はナフタレン、アントラセン若しくはフルオレンなどの縮合多環芳香族炭化水素化合物などが挙げられる。
なお、縮合多環芳香族炭化水素化合物には、ベンゼン等の単環式芳香族炭化水素化合物とシクロペンタジエン等の脂環式炭化水素化合物が縮合した化合物も含むものとする。
中でも、1種以上のモノマーのうち少なくとも1つが縮合多環芳香族炭化水素化合物であることが好ましい。これらの芳香族炭化水素化合物は、さらに置換基を有していてもよい。
芳香族複素環化合物の具体的な例としては、炭素数2以上30以下のものが好ましく、具体的にはチオフェン、フラン、ピロール、チアゾール、オキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン若しくはピリダジン、などの単環式芳香族複素環化合物;ビチオフェン、ターチオフェン、クオーターチオフェン、ビフラン、ターフラン、クオーターフラン、ビピロール、ターピロール、クオーターピロール、ビスチアゾール、ターチアゾール、クオーターチザゾール、ビシロール、ターシロール、ビゲルモール、ビホスホール、ターホスホール、ビアルソール、ターアルソール、ビセレノフェン、ターセレノフェン、ビテルロフェン若しくはターテルロフェンなどの環連結芳香族複素環化合物;又は、ベンゾチオフェン、ベンゾジチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾイソチアゾール、ベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾセレノフェン、ベンゾテルロフェン、ベンゾホスホール、アルシンドール、シラインデン、ベンゾゲルモール、ベンゾボロール、インダセ
ノジチオフェン、チエノチオフェン、イミドチオフェン、キノキサリン、ジフラノフルオレン、ジフラノシロール、ジフラノゲルモール、ジフラノスタンノール、ジフラノプランボール、ジフラノピロール、ジフラノホスホール、ジフラノアルソール、ジフラノフラン、ジフラノチオフェン、ジフラノセレノール、ジフラノテルノール、ジフラノボロール、ジピロロフルオレン、ジピロロシロール、ジピロロゲルモール、ジピロロスタンノール、ジピロロプランボール、ジピロロピロール、ジピロロホスホール、ジピロロアルソール、ジピロロフラン、ジピロロチオフェン、ジピロロセレノール、ジピロロテルノール、ジピロロボロール、ジチエノフルオレン、ジチエノシロール、ジチエノゲルモール、ジチエノスタンノール、ジチエノプランボール、ジチエノピロール、ジチエノホスホール、ジチエノアルソール、ジチエノフラン、ジチエノチオフェン、ジチエノセレノール、ジチエノテルノール、ジチエノボロール、ジセレノシロール、ジセレノゲルモール、ジセレノスタンノール、ジセレノプランボール、ジセレノピロール、ジセレノホスホール、ジセレノアルソール、ジセレノフラン、ジセレノチオフェン、ジセレノセレノール、ジセレノテルノール、ジセレノボロール、ジテルロシロール、ジテルロゲルモール、ジテルロスタンノール、ジテルロプランボール、ジテルロピロール、ジテルロホスホール、ジテルロアルソール、ジテルロフラン、ジテルロチオフェン、ジテルロセレノール、ジテルロテルノール、若しくはジテルロボロールなどの縮合多環芳香族複素環化合物、などが挙げられる。なお、縮合多環芳香族複素環化合物には、チオフェン等の単環式芳香族複素環化合物とシクロペンタジエン等の脂環式化合物が縮合した化合物も含むものとする。
中でも、1種以上のモノマーのうち少なくとも1つが縮合多環芳香族複素環化合物であることが好ましい。これらの芳香族複素環化合物は、さらに置換基を有していてもよい。芳香族複素環化合物の中でも特に16族元素から選ばれる原子を異項原子として有する芳香族複素環化合物が好ましく、酸素原子又は硫黄原子を異項原子として有する芳香族複素環化合物がより好ましく、硫黄原子を異項原子として有する芳香族複素環化合物が特に好ましい。反応性の点で、酸素原子又は硫黄原子を異項原子として有する芳香族複素環は5員環であることがまた好ましい。
クロスカップリング反応によって得られる共役高分子の半導体特性を向上させる点からは、1種以上のモノマーユニットのうち少なくとも1つが周期表第14族元素から選ばれる原子、特にケイ素原子又はゲルマニウム原子を有することが好ましい。1種以上のモノマーのうち少なくとも1つがケイ素原子又はゲルマニウム原子を有する芳香族化合物がより好ましく、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を有する縮合多環芳香族複素環化合物であることは特に好ましい。
〜Xは活性基であり、カップリング反応の種類に応じて適宜選択することができる。X及びXの例としては、水素原子、或いは、Li、Mg、Zn、B、又は周期表第14族元素から選ばれる原子を有する置換基などが挙げられる。
反応性の点から、X及びXは、リチウム原子であるか、或いは、Mg、Zn、B、又は周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基であることが好ましい。中でも、B又は周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基であることが特に好ましい。周期表第14族元素から選ばれる原子としては、Si、Sn、Ge及びPbが好ましく、Si及びSnがより好ましく、Snが特に好ましい。
Mgを有する基としては、例えば、ハロゲン化マグネシウム基が挙げられる。
Znを有する基としては、例えば、ハロゲン化亜鉛基が挙げられる。
Bを有する基としては、例えば、ホウ酸基、ホウ酸塩基又はホウ酸エステル基が挙げられる。ホウ酸基としては、例えば、−B(OH)が挙げられる。ホウ酸塩基としては、例えば、−BFKが挙げられる。ホウ酸塩基又はホウ酸エステル基の例としては、以下に表されるものが挙げられる。
Figure 2014162902
周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基としては、ケイ素含有基、スズ含有基、ゲルマニウム含有基、又は鉛含有基などが挙げられる。この中でも反応性の点でケイ素含有基又はスズ含有基が好ましく、スズ含有基がより好ましい。このように、2種以上のモノマーのうち少なくとも1種のモノマーがスズ含有基を有する芳香族化合物、特に縮合多環芳香族複素環化合物であることはより好ましい。スズ含有基の中でも、反応性の点でアルキルスタニル基又はアリールスタニル基がより好ましく、アルキルスタニル基が特に好ましい。アルキルスタニル基の例としては以下に表されるものが挙げられる。
Figure 2014162902
ケイ素含有基としては置換基を有していてもよいシリル基が挙げられ、例えば公知文献(Pharmaceutical Process Chemistry (2011), 101−126、Accounts of Chemical Research (2008), 41, 1486−1499.)によって報告されているものを用いることができる。
具体的な例としては、−SiMe2F、−SiEtF2、−SiEtCl2、−SiF3、−SiMe(OEt)2、−Si(OMe)3、−SiMe2OH、−SiMe2OK、−SiMe2ONa、−SiMe3、−SiMe2Ph、−SiMe2(allyl)、−SiMe2Bn、−Si(i−Pr)2Bn、又は−SiCyなどが挙げられる(但し、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、Phはフェニル基、allylはアリル基、Bnはベンジル基、Cyはシクロヘキシル基を表す)。また別の例として、以下に表されるものも挙げられる。
Figure 2014162902
また、X及びXの例としては、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基などが挙げられる。ハロゲン原子の中でもヨウ素原子、臭素原子、又は塩素原子が好ましく、反応性の点からは臭素原子又はヨウ素原子が特に好ましい。
このように、2種以上のモノマーのうち少なくとも1つがハロゲン原子を有する芳香族化合物、特にハロゲン原子を有する縮合多環芳香族化合物であることは好ましい。
また、アルキルスルホニルオキシ基の中でもメチルスルホニルオキシ基が好ましく、アリールスルホニルオキシ基の中でもフェニルスルホニルオキシ基が好ましい。アルキルスルホニルオキシ基及びアリールスルホニルオキシ基は、フッ素原子等のハロゲン原子又はメチル基等のアルキル基等の置換基を有していてもよい。
なかでも、クロスカップリングの反応性が向上する点で、置換基を有するアルキルスルホニルオキシ基としては、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基が好ましく、置換基を有するアリールスルホニルオキシ基としては、p−トルエンスルホニルオキシ基が好ましい。
酸化的クロスカップリング反応を行う場合には、X〜Xは、リチウム原子、ハロゲン化マグネシウム基(Mg−hal(halはハロゲン原子))、又は水素原子であることが好ましい。
C−H結合活性化反応を行う場合には、X〜Xは通常水素原子であり、X〜Xはホウ酸基、ホウ酸塩基又はホウ酸エステル基であることが好ましい。
クロスカップリング反応を行う場合には、X〜Xがトランスメタル化を受けることが可能な置換基であり、X〜Xが酸化的付加を受けることが可能な置換基であることが好ましい。
〜Xの例としては、ハロゲン化マグネシウム基(Mg−hal(halはハロゲン原子))、ハロゲン化亜鉛基(Zn−hal(halはハロゲン原子))、ホウ酸基、ホウ酸塩基、ホウ酸エステル基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいスタニル基、などが挙げられる。
また、X〜Xは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基であることが好ましい。
クロスカップリング反応を行う場合、触媒サイクルの効率を上げる観点から、X〜Xがトリアルキルスタニル基、又はZn−hal(halはハロゲン原子)であることが好ましく、トリメチルスタニル基又はトリ(n−ブチル)スタニル基であることが特に好ましい。
また、グリーンケミストリーの観点からは、X〜Xがホウ酸基、ホウ酸塩基、ホウ酸エステル基、又は置換基を有していてもよいシリル基であることが好ましい。
さらに、反応性を向上させる観点からは、X〜Xは臭素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基であることが好ましい。
C−ヘテロ原子のクロスカップリング反応を行う場合、X〜Xの例としては、水素原子又は置換基を有していてもよいスタニル基などが挙げられる。また、X〜Xの例としては、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基などが挙げられる。この場合、触媒としては、Buchwald型触媒又はFu型触媒などが好ましく用いられる。
なかでも、モノマー(A1〜A3)の活性基(X〜X)が熱的及び/又は化学的に脱離しやすい場合(例えば後述する実施例の場合)において、本発明の製造方法によれば、効率的に高分子量の共役高分子を得ることができる。
この議論はモノマーユニット(A1〜A3)が縮合芳香族複素環化合物である場合も、他の芳香族化合物である場合も、あるいはその他の共役化合物である場合にもあてはまることから、本発明の製造方法はモノマーユニットがどのような構造を有する場合にも同様に適用可能であるものと考えられる。特に、熱的及び/又は化学的に不安定な活性基を有する化合物をモノマーとして用いる場合に、本発明の製造方法は効果的である。
以下に、モノマーユニットが芳香族化合物である場合、つまり、モノマーとして熱的及び/又は化学的に不安定な活性基を有する芳香族化合物である場合について詳細に説明する。
熱的及び/又は化学的に不安定な活性基を有する芳香族化合物とは、少なくともn個(nは2以上4以下の整数)の活性基を有する芳香族化合物(以下、Ar(n)と記す場合がある)であって、下記条件を満たす芳香族化合物である。
条件:芳香族化合物(Ar(n))1.0gを含むヘキサン溶液5mlを、カラム(内径15mm、長さ5cm、シリカゲル(球状、中性(pH 7.0±0.5)、粒径63
〜210μm)20gと無水炭酸カリウム2gを含むヘキサン溶液50mL充填)にチャージし、ヘキサンを展開溶媒(流速50ml/min)として用い、室温にて3分間カラムを通り抜けた溶液中の、n個より少ない活性基を有する芳香族化合物の割合が、該カラムへのチャージ前の芳香族化合物(Ar(n))に対して5mol%以上である。
なかでも、上記条件におけるカラムを通り抜けた溶液中のn個より少ない活性基を有する芳香族化合物の割合が、該カラムへのチャージ前の芳香族化合物(Ar(n))に対して、好ましくは20mol%以上、より好ましくは40mol%以上、さらに好ましくは60mol%以上、ことさらに好ましくは75mol%以上、特に好ましくは90mol%以上である場合に、本発明の製造方法を用いることで、より効果的に高分子量の共役高分子を製造することが可能である点で好ましい。
上記条件で使用するシリカゲルは、形状が球状、粒径63〜210μm、かつ中性(pH 7.0±0.5)である。具体的には、例えば製品名Silica gel 60N(
Spherical neutral、カラムクロマトグラフィー用、関東化学社製)を
用いることができる。
nとはモノマーユニットが有する活性基の数であり、2以上の整数である。一方、4以下の整数であり、好ましくは3以下の整数である。
前記芳香族化合物(Ar(n))が有する活性基は、前記X〜Xと同義である。なかでも、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、Li、Mg、Zn、B、周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基が好ましく、B又は周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基がより好ましく、周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基がさらに好ましく、ケイ素含有基又はスズ含有基がことさらに好ましく、スズ含有基が特に好ましい。
前記芳香族化合物(Ar(n))の具体的な化合物は、上記モノマーの項で上げた芳香族化合物と同義である。芳香族化合物(Ar(n))が芳香族複素環化合物であることが好ましく、なかでも、クロスカップリング反応の反応性が向上する点で、活性基が芳香族複素環に結合している芳香族複素環化合物であることがより好ましい。特に、Li、Mg、B又は周期表第14族元素から選ばれる原子を有する基が、芳香族複素環に結合している芳香族複素環化合物であることが好ましい。
以下に、本発明のクロスカップリング反応において用いられるモノマーの例について詳しく説明する。置換基としてX及びXを有する化合物A1及び置換基としてX及びXを有する化合物A2を例に説明する。
化合物A1の好ましい例としては、以下の式(A4)又は式(A4’)で表される化合物(化合物A4)が挙げられる。
Figure 2014162902
式(A4)及び式(A4’)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基を表すか、R及びR33、又はR及びR34が結合して環を形成していてもよい。R33及びR34はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は周期表第14族元素から選ばれた原子を有する基を表すか、或いは互いに結合して環を形成していてもよい。X及びXはそれぞれ独立して、活性基を示し、X12及びX13はそれぞれ独立に、第16族元素から選ばれる原子を示し、X14は結合している2つの5員環の共役系を連結する基、又は直接結合を示す。R33及びR34は互いに結合して環を形成していてもよい。
及びXはモノマーの項で挙げたものと同義である。式(A4)において、X12及びX13はそれぞれ独立に、16族元素から選ばれる原子を表す。得られる共役高分子の半導体特性の観点から、X12及びX13は酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、硫黄原子であることが特に好ましい。
式(A4)及び式(A4’)の置換基は同義である。
14は結合している2つの5員環の共役系を連結する基、又は直接結合である。X14の具体的な例としては、直接結合、2価の芳香族基、2価のアルケンジイル基、又は共役ジエンから得られる2価の基が挙げられる。X14がこれらの基又は直接結合であることにより、共役系が広がり、化合物A4を用いて得られる共役高分子の半導体特性が向上するものと考えられる。
及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基を表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。
アルキル基の炭素原子数は、通常1以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。
このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基若しくはn−ラウリル基等の直鎖アルキル基;iso−プロピル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基等の分岐アルキル基;又はシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロラウリル基若しくはシクロデシル基等の環状アルキル基などが挙げられる。その中でも、直鎖アルキル基としては、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基又はn−ラウリル基が好ましく、分岐アルキル基としては、iso−プロピル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、3−メチルブチル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましく、環状アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基又はシクロラウリル基が好ましい。n−ブチル基、iso−プロピル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、3−メチルブチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロノニル基、n−デシル基又はシクロデシル基がより好ましい。
アルケニル基の炭素原子数は、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、更に好ましくは10以下である。このようなアルケニル基としては、例えば、エテン基、プロペン基、ブテン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノネン基、デセン基、ウンデセン基、ドデセン基、トリデセン基、テトラデセン基、ペンタデセン基、ヘキサデセン基、ヘプタデセン基、オクタデセン基、ノナデセン基、イコセン基又はゲラニル基などが挙げられる。好ましくは、プロペン基、ブテン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノネン基、デセン基、ウンデセン基又はドデセン基であり、より好ましくは、ブテン基、ペンテン基、ヘキセン基、ヘプテン基、オクテン基、ノネン基又はデセン基である。
アルキニル基の炭素数は、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、一方、通常20以下、好ましくは16以下、より好ましくは12以下、さらに好ましくは10以下である。このようなアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基、ウンデシニル基、ドデシニル基、トリデシニル基、テトラデシニル基、ペンタデシニル基、ヘキサデシニル基、ヘプタデシニル基、オクタデシニル基、ノナデシニル基、イコシニル基等が挙げられる。
芳香族基の炭素原子数は、通常2以上、一方、通常60以下、好ましくは20以下、より好ましくは14以下である。このような芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、インダニル基、インデニル基、フルオレニル基、アントラセニル基又はアズレニニル基などの芳香族炭化水素基;チエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、ベンゾチオフェニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾチアゾリル基、ベンゾオキサゾリル基又はベンゾトリアゾリル基などの芳香族複素環基;などが挙げられる。中でも、フェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピリジル基、ピリミジル基、チアゾリル基又はオキサゾリル基が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又は芳香族基が有していてもよい置換基とは、特に限定はないが、好ましくはハロゲン原子、水酸基、シアノ基、アミノ基、エステル基、アルキルカルボニル基、アセチル基、スルホニル基、シリル基、ボリル基、ニトリル基、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、芳香族炭化水素基又は芳香族複素環基である。
これらは、隣接する置換基同士で連結して環を形成していてもよい。特に芳香族基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数1〜12のアルキル基が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
33及びR34はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は周期表第14族元素から選ばれた原子を有する基を表す。周期表第14族元素から選ばれた原子を有する基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい芳香族基、置換基を有していてもよいシリル基などが挙げられる。ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基及び置換基を有していてもよい芳香族基としては、R及びRについて上述したのと同様の基を用いることができる。
置換基を有していてもよいシリル基としては、トリメチルシリル基などのアルキルシリル基、トリフェニルシリル基などのアリールシリル基、又はジメチルフェニルシリル基などのアルキルアリールシリル基、などが挙げられる。
33及びR34は互いに結合して環を形成していてもよい。また、R33及びR34は、R又はRと結合して環を形成していてもよい。R33及びR34が結合して形成する構造としては、例えば、以下の構造:−O−、−S−、−N(R)−、−C(R)(R’)−、−Si(R)(R’)−、−Ge(R)(R’)−等が挙げられる(ただし、R、R’は水素原子、アルキル基又は芳香族基である)。なお、これらの構造が2〜6個結合してなる構造があってもよい。これらは、R33及びR34の置換基として有していてもよい。
式(A4)又は式(A4’)で表される化合物の中でも、式(A6)又は式(A6’)で表される化合物が好ましい。
Figure 2014162902
式(A6)及び式(A6’)中、R、R、X、X、X12、X13及びX14は前記式(A4)のものと同義であり、環CはR33及びR34が互いに結合して形成した置換基を有していてもよい任意の環を表す。
式(A6)及び式(A6’)で表される化合物の置換基は同義である。環Cは置換基を有していてもよい任意の環を表す。なかでも、5員環又は6員環の単環であるか、或いはこれらの環が2以上6以下縮合してなる環であることが好ましい。
5員環単環としては、5員環芳香族環又は5員環脂肪族環が挙げられる。5員環芳香族
環としては、例えば、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、セレノール環又はテルロール環等の5員環芳香族複素環が挙げられる。
なかでも、5員環芳香族複素環が好ましく、より好ましくは、チオフェン環、チアゾール環、イソチアゾール環又はチアジアゾール環等の硫黄原子を含む5員環芳香族複素環であり、特に好ましくはチオフェン環である。
5員環脂肪族環は、シクロペンタン環若しくはシクロペンタジエン環等の5員環脂肪族炭化水素環;又はテトラヒドロフラン環、ピロリジン環、ボロール環、シロール環、ゲルモール環、スタンノール環、プランボール環、ホスホール環若しくはアルソール環等の5員環脂肪族複素環が挙げられる。
6員環単環としては、例えば、6員環芳香族環又は6員環脂肪族環が挙げられる。6員環芳香族環としては、例えば、ベンゼン環等の6員環芳香族炭化水素環;又はピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環若しくはピリダジン環等の6員環芳香族複素環が挙げられる。
6員環脂肪族環としては、例えば、シクロヘキサン環等の6員環脂肪族炭化水素環;又はオキサン環、ジオキサン環、ピペリジン環若しくはピペラジン環等の6員環脂肪族複素環が挙げられる。
これらの環が2以上6以下縮合してなる環としては、例えば、多環縮合芳香族炭化水素環又は多環縮合芳香族複素環が挙げられる。
多環縮合芳香族炭化水素環としては、例えば、2以上6以下縮合してなる環を有し、具体的には、ナフタレン環、アントラセン環、フルオレン環又はインダセン環等が挙げられる。
多環縮合芳香族複素環としては、例えば、2以上6以下縮合してなる環を有し、具体的には、キノリル基、アクリジニル基、インドリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基又はカルバゾリル基等が挙げられる。
環Cが有していてもよい置換基とは、特段の制限はないが、具体的な例としては、ハロゲン原子、炭化水素基、芳香族複素環基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、又はアリールアミノカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基等が挙げられる。
炭化水素基、芳香族複素環基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、又はアリールアミノカルボニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基は、さらなる置換基を有していてもよい。
式(A6)又は式(A6’)で表される化合物の中でも、以下に挙げる化合物が好ましい例として挙げられる。
Figure 2014162902
以下に、(A7)〜(A10)で表される化合物について、説明する。
Figure 2014162902
式(A7)において、X及びXは式(A4)について説明したものと同様である。上式(A7)において、R及びRは式(A4)について説明したものと同様である。また、式(A7)は式(A4)においてX12及びX13が硫黄原子である場合に相当する。
式(A7)において、ZはZ11(R)(R)、Z12(R)又はZ13を示す。なかでも、半導体特性が向上する点で、Z11(R)(R)又はZ13が好ましく、Z11(R)(R)が特に好ましい。
11は周期表第14族元素から選ばれた原子を示す。Z11は炭素原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子であることが好ましく、化合物A7を用いて得られる共役高分子の半導体特性が向上しうる点で、Z11はケイ素原子又はゲルマニウム原子であることがより好ましい。
及びRとしては、R及びRとして前述した置換基と同様の基が挙げられる。好ましい置換基としては、後述の式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役高分子の部分で説明する。
及びRは、互いに結合して環を形成していてもよいし、R又はRと結合して
環を形成していてもよい。
12は周期表第15族元素から選ばれた原子を示す。Z12は窒素原子、リン原子又はヒ素原子であることが好ましく、化合物A7を用いて得られる共役高分子の半導体特性が向上しうる点で、Zは窒素原子又はリン原子であることがより好ましく、特に好ましくは、窒素原子である。
は、R及びRとして前述した置換基と同様の基が挙げられる。好ましくは、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。Rは、R又はRと結合して環を形成していてもよい。
13は周期表第16族元素から選ばれた原子を示す。Z13は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であることが好ましく、化合物A7を用いて得られる共役高分子の半導体特性が向上しうる点で、Z13は酸素原子又は硫黄原子であることがより好ましく、硫黄原子がより好ましい。
Figure 2014162902
式(A8)において、X及びXは式(A4)について説明したものと同様である。R及びRは式(A4)について説明したものと同様である。
また、式(A8)は式(A4)においてX12及びX13が硫黄原子に相当する。式(A8)において、R及びRは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよい芳香族基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基である。なかでも、好ましくは溶解性向上の点で、置換基を有していてもよいアルキル基であり、置換基を導入しやすい点で置換基を有していてもよいアルコキシ基である。
ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基又は芳香族基は、R及びRで説明したものと同様である。
アルコキシ基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基及びt−ブトキシ基、ベンジルオキシ基、エチルヘキシルオキシ基等の直鎖又は分岐のアルコキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基、ピリジルオキシ基、チアゾリルオキシ基、オキサゾリルオキシ基又はイミダゾリルオキシ基等が挙げられる。なかでも、フェノキシ基又は、ピリジルオキシ基が好ましい。
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、芳香族基、アルコキシ基及びアリールオキシ基が置換していてもよい置換基は、R及びRでアルキル基、アルケニル基、アルキ
ニル基及び芳香族基が置換していてもよい置換基と同様である。
Figure 2014162902
式(A9)において、X及びXは式(A4)について説明したものと同様である。また、式(A9)は式(A4)においてX12及びX13が硫黄原子に相当する。
式(A9)において、R及びRは式(A4)について説明したものと同様である。
式(A9)において、R〜R11はR及びRとして前述した基と同様の基が挙げられる。なかでも、R3及びR4の少なくとも1つは置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基であることが好ましい。なお、RとR、RとR11、RとR及びR10とR11は互いに結合して環を形成していてもよい。
式(A9)において、R12及びR13はR及びRとして前述した基と同様の基が挙げられる。なかでも、合成容易性の点で水素原子が好ましい。なお、RとR13及びR10とR12は互いに結合して環を形成していてもよい。
式(A9)において、Z及びZはそれぞれ独立して、周期表第14族元素から選ばれた原子を示す。Z及びZは同一でも、異なっていてもよいが、化合物安定性の点で同一のほうが好ましい。
及びZは炭素原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子であることが好ましく、化合物A9を用いて得られる共役高分子の半導体特性が向上しうる点で、ケイ素原子又はゲルマニウム原子であることがより好ましい。
Figure 2014162902
式(A10)において、X及びXは式(A4)について説明したものと同様である。上式(A10)において、R及びRは式(A4)について説明したものと同様である。上式(A10)において、R14及びR15は式(A7)におけるR及びRとして前述した基と同様の基が挙げられる。なかでも、置換基を有していてもよいアルキル基
が好ましい。
また、式(A10)は式(A4)においてX12及びX13が硫黄原子である場合に相当する。
式(A10)において、X14は、周期表第16族元素から選ばれた原子を示す。X14は酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であることが好ましく、化合物A10を用いて得られる共役高分子の半導体特性が向上しうる点で、X14は酸素原子又は硫黄原子であることがより好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
本発明に使用するモノマーとして、前記式(A7)〜(A10)で表される化合物の中では、後述するポリマーを光電変換素子に用いた際に変換効率が向上しやすい点から、式(A7)又は式(A8)で表される化合物が好ましく、式(A7)で表される化合物がより好ましい。
本発明のクロスカップリング反応は、前記式(A4)〜(A10)で表される化合物と、該化合物に対し相対的にアクセプター性を有する化合物、特に下記式(A11)、(A12)、(A13)又は(A17)で表される化合物、との間で行われることが好ましい。
これらモノマーの反応により得られた共役高分子は高い半導体特性を有し、本発明の製造方法により高分子量化することにより、その特性が更に高まるため好ましい。
なお、下記式(A11)、(A12)、(A13)又は(A17)で表される化合物は、前述の反応式(1)における式(A2)で表される化合物に相当する。
Figure 2014162902
(式(A11)、式(A12)、式(A13)又は式(A17)において、X及びXは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基を表す。
式(A11)において、R31及びR32はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
炭化水素基、芳香族複素環基、アシル基、アルコキシ基及びアリールオキシ基が有していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子などが挙げられる。
炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基又は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、若しくはn−オクチル基などのアルキル基;クロチル基若しくはオクテニル基などのアルケニル基;又は、プロピニル基若しくはオクチニル基などのアルキニル基などが挙げられる。芳香族炭化水素基の例としては、フェニル基、ナフチル基、又はアントラセニル基などが挙げられる。芳香族複素環基の例としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、又はチアゾリル基などが挙げら
れる。
アシル基の例としては、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、又はアリールアミノカルボニル基などが挙げられる。R31及びR32がアシル基であることは、化合物A11のアクセプター性が向上する点で好ましい。
31及びR32は、互いに結合して環を形成していてもよい。R31及びR32が結合して形成する構造としては、例えば以下の構造:−O−、−S−、−N(R)−、−C(R)(R’)−、−Si(R)(R’)−、−Ge(R)(R’)−、−C(=O)−N(R)−C(=O)−、=N−S−N=、又は−N=C−等が挙げられる(ただし、R、R’は水素原子、アルキル基又は芳香族基である)。なお、これらの構造が2〜6個結合してなる構造があってもよい。これらは、R31及びR32の置換基として有していてもよい。
式(A11)において、R31及びR32が互いに結合している化合物の中でも、下記式(A14)で表される化合物(化合物A14)が、好ましいモノマーの例として挙げられる。
Figure 2014162902
式(A14)において、X及びXは式(A2)について説明したものと同様である。また、式(A14)は前記式(A11)においてX11が硫黄原子である場合に相当する。
1Xは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。R及びRにおいて説明したものと同義である。好ましい置換基としては、後述の式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役高分子の部分で説明する。
Figure 2014162902
式(A12)において、R25及びR26はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原
子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアシル基を表す。
炭化水素基、芳香族複素環基、及びアシル基が有していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子などが挙げられる。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいカルボニル基は、R31及びR32で規定したものと同様の置換基が挙げられる。
25及びR26は、互いに結合して環を形成していてもよい。R25及びR26が結合して形成する構造としては、例えば以下の構造:−O−、−S−、−N(R)−、−C(R)(R’)−、−Si(R)(R’)−、−Ge(R)(R’)−、−C(=O)−N(R)−C(=O)−、=N−S−N=、−N=C−等が挙げられる(ただし、R、R’は水素原子、アルキル基又は芳香族基である)。なお、これらの構造が2〜6個結合してなる構造があってもよい。これらは、R25及びR26の置換基として有していてもよい。
27及びR28は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。なかでも、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、フッ素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基が特に好ましい。
置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基はR31及びR32で規定したものと同様である。
27及びR28は、互いに結合していてもよく、R27及びR28は、互いに結合して環を形成していてもよい。R31及びR32が結合して形成する構造としては、例えば以下の構造:−O−、−S−、−N(R)−、−C(R)(R’)−、−Si(R)(R’)−、−Ge(R)(R’)−、−C(=O)−N(R)−C(=O)−、=N−S−N=、−N=C−等が挙げられる(ただし、R、R’は水素原子、アルキル基又は芳香族基である)。なお、これらの構造が2〜6個結合してなる構造があってもよい。これらは、R27及びR28の置換基として有していてもよい。
25及びR26が互いに結合している、下記式(A15)で表される化合物(化合物A15)が、好ましいモノマーの例として挙げられる。
Figure 2014162902
式(A15)において、X及びXは式(A2)について説明したものと同様である。R27及びR28は式(A12)について説明したものと同様である。
また、R25及びR26が互いに結合している、下記式(A16)で表される化合物(化合物A16)も、好ましいモノマーの例として挙げられる。
Figure 2014162902
式(A16)において、X及びXは式(A2)について説明したものと同様である。R27及びR28は式(A12)について説明したものと同様である。R41及びR42は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基などが挙げられ、式(A12)について説明したものと同様である。
41及びR42は、互いに結合していてもよい。ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基は、R6及びR7において説明したものと同様である。
なかでも、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基が、溶解性向上の点で好ましく、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアルキル基がより好ましい。
Figure 2014162902
式(A13)において、Y及びYは、それぞれ独立に第15族元素から選ばれた原子を表す。好ましくは窒素原子又はリン原子であり、より好ましくは、窒素原子である。R19及びR20はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基は、式(A12)について説明したものと同様である。なかでも、溶解性が向上する点で、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、置換
基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基がより好ましい。
Figure 2014162902
式(A17)において、Y及びYは、それぞれ独立して、窒素原子又は一つの置換基を有する炭素原子−CR43−を表す。R43は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。
及びYは同一でも、異なっていてもよいが、合成容易性の点で同一が好ましい。Y及びYがいずれも一つの置換基を有する炭素原子−CR43−である場合に、置換基R43同士が結合して環を形成していてもよい。
43は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基などが挙げられ、式(A12)について説明したものと同様である。
21及びR22はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。
式(A12)について説明したものと同様である。なかでも、溶解性が向上する点で、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基が好ましく、置換基を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基がより好ましい。
式(A17)の具体的な好ましい化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2014162902
式(A18)において、X及びXは式(A2)について説明したものと同様である。R21及びR22は、式(A17)について説明したものと同様である。また、Y及びYがいずれも一つの置換基を有する炭素原子(C(R43))である場合に、置換基(R43)同士が結合して環を形成する化合物のなかでも好ましい化合物は以下の式で表される化合物である。
Figure 2014162902
式(A19)〜式(A22)において、X及びXは式(A2)について説明したものと同様である。式(A19)〜式(A22)において、R21及びR22は、式(A17)について説明したものと同様である。
は酸素原子、硫黄原子又は置換基を有する窒素原子(N(R44))である。なかでも、半導体特性が向上する点で、硫黄原子が好ましい。R44は、R43として前述した基と同様の基が挙げられる。
45は、R43として前述した基と同様の基が挙げられる。R46は、RXとして前述した基と同様の基が挙げられる。
式(A1)で表される化合物の例としては、例えば、以下のようなものが
挙げられる。
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
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Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
式(A2)で表される化合物の例としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
[モノマーの製造方法]
本発明のモノマーの製造方法は特に限定はなく、公知の方法に従って製造することができる。例えば、式(A7)で表される化合物は、J.Mater.Chem.,21,3895(2011)、及びJ.Am.Chem.Soc.,130,16144−16145(2008)に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A8)で表される化合物は、Journal of the American Chemical Society (2009), 131(22), 7792−7799.に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A9)で表される化合物は、Chemical Communications (Cambridge, United Kingdom) (2010), 46(35),
6503−6505に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A10)で表される化合物は、国際公開第2011/052709号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A13)で表される化合物は、Advanced Materials(Wein
heim,Germany)(2008),20(13),2556−2560.、又はMacromolecules(Washington,DC,United Stat
es)(2009),42(17),6564−6571.に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A14)で表される化合物は、J.Am.Chem.Soc.,132,7595−7597(2010)に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A15)で表される化合物は、Advanced Materials(Wein
heim,Germany)(2003),15(12),988−991.、又はMacromolecules(2005),38(2),244−253.に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A16)で表される化合物は、Macromolecules(Washingt
on,DC,United States)(2008),41(16),6012−6
018.、又はAdvanced Functional Materials(2007),17(18),3836−3842.に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A18)で表される化合物は、Journal of the American Chemical Society (2007),129(46),14372−14380.、又はChemistry of Materials(1999),11(2),458−465.に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A19)で表される化合物は、Chemistry of Materials(2004),16(19),3667−3676.、又はMacromolecules(Washington,DC,UnitedStates)(2008),41(18),6664−6671.に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A20)で表される化合物は、Chemistry−−A European Journal(2010),16(6),1911−1928.、又は国際公開第2009/115413号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A21)で表される化合物は、国際公開第2010/136401号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
式(A22)で表される化合物は、Journal of the American Chemical Society(2008),130(30),9679−9694.
、又はJournal of the American Chemical Societ
y(2011),133(5),1405−1418.に記載の方法に準じて製造することができる。
なお、合成反応後に得られた組成物をゼオライトと接触させることにより上記化合物を精製することが、上記化合物の分解物が複製すること無く、不純物を除去でき、ポリマーの合成効率が向上する点で好ましい。
<3.反応条件>
次に、クロスカップリング反応の反応条件について詳しく説明する。
<3.1 担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と均一系有機配位子との割合>
担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と均一系有機配位子について、これらを組み合わせることで、大きなTON(ターンオーバー数)と同時に、高い反応性(例えば高い反応速度(TOF))を示すことが、高分子量の共役芳香族高分子を、短時間にかつ高収率で得るために好ましい。
また、本発明においては、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物に含まれる後周期遷移金属に対する均一系有機配位子に含まれる配位原子の量は、後周期遷移金属に配位可能な配位原子の上限量よりも少ない量となるようにするのが好ましい。
つまり、後周期遷移金属がパラジウム又はニッケルである場合、後周期遷移金属に対する均一系有機配位子に含まれる配位原子のモル比率は、4より小さいことが好ましく、2より小さいことがさらに好ましく、1.1よりも小さいことが特に好ましく、一方で、0.01よりも大きいことが好ましく、0.1よりも大きいことがさらに好ましく、0.5より大きいことが特に好ましい。
一般的に、担体に固定化されていない均一系触媒では、活性種を確実に発生させるために、遷移金属に対して配位可能な量以上の配位子が系中に存在している方が好ましいと考えられる。しかしながら、本発明においては、担体に固定化された後周期遷移金属又は後
周期遷移金属化合物に含まれる後周期遷移金属に対して配位可能な均一系有機配位子に含まれる配位原子の上限量よりも、少量の均一系有機配位子を用いることにより、クロスカップリング反応の反応性が高まり、短時間で分子量の大きな共役芳香族高分子を製造することが可能となる。その理由としては、均一系有機配位子が系中に過剰に存在してしまうと、これらの均一系有機配位子が活性を阻害してしまうためであると考えられる。一方で、均一系有機配位子に含まれる配位原子の数が少なすぎても、反応系中で、効率良く活性種が形成できないために、遷移金属に対する均一系有機配位子に含まれる配位原子のモル比率を上記の範囲にすることが好ましい。
また、後周期遷移金属に対して、均一系有機配位子に含まれる配位原子、担体に固定化された後周期遷移金属化合物に予め含まれる有機配位子に含まれる配位原子、及び担体に練り込まれている有機配位子に含まれる配位原子の総量のモル比率は4より小さいことが好ましく、2より小さいことがさらに好ましく、1.1よりも小さいことが特に好ましく、一方で、0.01よりも大きいことが好ましく、0.1よりも大きいことがさらに好ましく、0.5より大きいことが特に好ましい。後周期遷移金属と均一系有機配位子や担体に固定化された後周期遷移金属化合物に含まれる有機配位子及び担体に練り込まれている有機配位子が有する配位原子の総量のモル比率を上記の範囲にすることで、短時間で分子量の大きな共役芳香族高分子が得られる傾向にある。
なお、上記の担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物及び均一系有機配位子の量は、式(1)に示すように化合物A1と化合物A2とをカップリングさせる場合、モル量が少ない方の化合物に対するモル比で表す。また、式(2)に示すように化合物A3同士をカップリングさせる場合は、上記量は化合物A3に対するモル比で表す。
なお、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物は反応系中に同時に投入してもよいし、別々に投入してもよい。担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物及び均一系有機配位子を同時に反応系に投入し、混合すれば、反応操作が容易となる。一方で、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物又は均一系有機配位子が空気や水に不安定な場合は、それぞれを壊すことなく別々に投入し、系中で混合する方が好ましい。また、より大きな分子量の共役芳香族高分子を製造するためには、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物及び均一系有機配位子のどちらか一方を反応溶液に投入してから他方を投入するまでの間隔が30分以内、より好ましくは、15分以内、特に好ましくは、5分以内であることが好ましい。さらに、最初に、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物を反応系中に投入し、後に均一系有機配位子を反応系に投入し混合すれば、最初に、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と基質であるモノマーを反応させ、オリゴマーを形成させた後に、均一系有機配位子を加えることになるために、分子量分布のそろった高分子量体が得られやすくなり、反応速度を制御することができる。
また、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と均一系有機配位子とを混合した後に、1種以上のモノマーを含む溶液に対して、反応開始時に投入してもよい。このように予め担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と均一系有機配位子を予め混合しておくことで、反応が制御しやすくなる。なお、上記のように、予め、固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と均一系有機配位子とを混合する際に、反応時に使用する溶媒を含んでいてもよく、本発明の効果を損なわない限り、分散剤などの添加剤を含んでいてもよい。
アクセプター性の化合物とドナー性の化合物とをクロスカップリングさせる場合、反応性の点で、クロスカップリングを用いるが、クロスカップリングの中でも、鈴木−宮浦反
応、根岸反応、Stille反応、又は檜山反応を用いることが好ましい。特にチオフェン環を含む複素環化合物をクロスカップリングさせる場合、Stille反応、鈴木−宮浦反応、又は檜山反応を用いることが好ましく、特にStille反応は触媒サイクルが速くなりうる点で好ましい。
<3.2 モノマーの量>
式(1)に示すように化合物A1と化合物A2とをクロスカップリングさせる場合、化合物A1と化合物A2とのモル比は、製造したい共役芳香族高分子の分子量分布に依存するが、通常0.75以上、好ましくは0.85以上であり、一方、通常1.3以下、好ましくは1.2以下である。特に、イミドチオフェン誘導体化合物A6と、第14族元素から選ばれる原子を有する縮合環化合物A7とをクロスカップリングさせる場合、化合物A7に対する化合物A6のモル比は、通常0.90以上、好ましくは0.95以上であり、一方、通常1.3以下、好ましくは1.2以下である。上記の範囲内にあることにより、より高い収率で高分子量体を取得することができる。
<3.3 溶媒>
反応に用いる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、若しくはシクロヘキサンなどの飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、若しくはキシレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、若しくはフルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、若しくはt−ブチルアルコールなどのアルコール類;水;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、若しくはジオキサンなどのエーテル類;ブチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジエチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、若しくはピリジンなどのアミン系溶媒;又は、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、若しくはN−メチルピロリドンなどの非プロトン性極性有機溶媒などが挙げられる。生成する共役芳香族高分子の溶解性を向上させるために、これらの溶媒を一種を単独で用いてもよいし、二種以上の溶媒を混合して用いてもよい。
溶媒の使用量は、モノマー及び生成する共役芳香族高分子を十分に溶解させるために、合計重量1gのモノマーに対して、通常、1×10−2mL以上、好ましくは1×10−1mL以上、より好ましくは1mL以上である。一方、共役芳香族高分子の精製を容易とするために、通常1×10mL以下、好ましくは1×10mL以下、より好ましくは2×10mL以下である。
<3.4 反応雰囲気>
モノマー及び生成する共役芳香族高分子の劣化を防ぐために、不活性ガス下で反応を行うことが好ましい。特に、窒素雰囲気下、又はアルゴン雰囲気下で反応を行うことが好ましい。
<3.5 反応温度>
反応温度は特に限定されないが、通常は、室温以上、溶媒の沸点以下の温度で行う。反応速度を上げるために、オートクレーブ又はマイクロ波などを用いて、加圧及び/又は加熱を行ってもよい。
<3.6 反応時間>
反応時間はモノマーの反応性に依存するが、短い時間で反応を十分に完結させる観点から、10分〜24時間であることが好ましく、30分〜10時間であることがさらに好ましい。この時間に、後述する末端処理に要する時間は含まない。通常は、分析GPCを用いるなどの方法で反応が完結したか否か、あるいは、望ましい分子量分布を示す点を確認
し、後述する末端処理を行う。
<3.7 反応スケール>
本発明の製造方法の反応スケールについて、特段の制限はないが、500mg以上5g以下程度の小スケールでも、5gより大きい大スケールでもよい。大スケールの上限に特段の制限はない。本発明の製造方法は、短時間でモノマーをオリゴマーに変換し、モノマーの活性基が分解することを防ぎ、活性基の分解速度は低下する傾向にあるオリゴマーをカップリング反応で重合するため、本発明の製造方法は、従来の反応系と比較して、より安定した合成系、つまり再現性が高い反応系であると考える。ゆえに、本発明の製造方法は、再現性が求められる大スケールにより適した反応系であると考える。
<3.8 塩基>
反応溶液には、モノマー、担体に固定化された遷移金属又は遷移金属化合物及び溶媒の他に、さらに塩基を加えてもよい。塩基を加えることは、反応速度が向上しうる点で好ましい。塩基の例としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、フッ化セシウム、若しくはフッ化カリウムなどの無機塩基;又は、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ピリジン、ルチジン、ジ(t−ブチル)ピリジン、トリエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド、t−ブチルリチウム、若しくはn−ブチルリチウムなどの有機塩基が挙げられる。特に、反応をより促進しうる点で、セシウム塩及びフッ化物塩を加えることは好ましい。
<3.9 相間移動触媒>
反応溶液には、上記で挙げたモノマー、担体に固定化された遷移金属化合物、均一系有機配位子及び溶媒の他に、さらに相間移動触媒や助触媒を加えてもよい。相間移動触媒の例としては、アンモニウム塩、ヘテロ環アンモニウム塩、ホスホニウム塩などが挙げられる。2層系の溶媒を用いる場合、トリアルキルアンモニウムブロミド、トリアルキルアンモニウムクロリド、トリアルキルアンモニウムアイオダイド、テトラブチルホスホニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムホスホニウムクロライド、Aliquat、又はイオン性液体などを相間移動触媒として用いてもよい。相間移動触媒の使用量は、通常1×10−4mol%以上、好ましくは1×10−3mol%以上、より好ましくは1×10−2mol%以上であり、一方、通常5mol%以下、より好ましくは3mol%以下である。相間移動触媒の使用量がこの範囲にあることは、反応速度をより向上しうる点、及び相関移動触媒による共役芳香族高分子の汚染を減らしうる点で好ましい。相間移動触媒の使用量の定義は、上述した不均一系金属錯体触媒の使用量の定義と同様である。
また、助触媒の例としては、CuO、CuO、CuI、CuBr、CuCl、CuCl、CuBr、又はCuIなどの、Stilleカップリングにおける添加剤して用いられる遷移金属無機化合物;並びに、CuI又はCuBrなどの、薗頭カップリングにおける触媒の助剤として用いられる遷移金属無機化合物が挙げられる。
<3.10 精製>
クロスカップリング反応が終了すると、公知の方法、例えば、水でクエンチした後に有機溶媒で抽出し、この有機溶媒を留去するなどの通常の後処理により、粗製の共役芳香族高分子を得ることができる。その後、粗製の共役芳香族高分子から金属を取り除くために、再沈精製、ソックスレー抽出、ゲル浸透クロマトグラフィー、又はスキャベンジャーにより、純化処理をすることが好ましい。中でも再沈法は、大量の共役芳香族高分子を精製できることから好ましい。
<3.11 末端処理>
重合反応後の共役芳香族高分子に対しては、末端処理を行うことが好ましい。共役芳香族高分子の末端処理を行うことにより、共役芳香族高分子に含まれる、臭素(Br)若しくはヨウ素(I)などのハロゲン原子、又はアルキルスタニル基のような末端残基(上述のX〜X)の残存量を減らすことができる。この末端処理を行うことは、半導体性能及び耐久性の点でよりよい性能の共役芳香族高分子を得ることができるために、好ましい。
共役芳香族高分子の末端処理方法としては、特段の制限は無いが、以下の方法が挙げられる。Stilleカップリング反応によって共役芳香族高分子を得た場合には、共役芳香族高分子の末端に存在する臭素(Br)やヨウ素(I)などのハロゲン原子及びアルキルスタニル基に対する末端処理を行うことができる。
ハロゲン原子の処理方法としては、反応系中に末端処理剤としてアリールトリアルキルスズを加えた後、加熱攪拌を行うことにより行うことができる。この操作により、共役芳香族高分子の末端にあるハロゲン原子をアリール基に変換することができる。このことは、共役安定効果により、共役芳香族高分子がより安定になりうるために、好ましい。
使用できるアリールトリアルキルスズの例としてはフェニルトリメチルスズ又はチエニルトリメチルスズなどが挙げられる。アリールトリアルキルスズの添加量としては、特段の制限は無いが、ハロゲン原子を有するモノマー(化合物A2)に対して、通常1.0×10−2当量以上、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは1当量以上であり、一方、通常50当量以下、好ましくは20当量以下、より好ましくは10当量以上である。加熱時間は、特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常50時間以下、好ましくは20時間以下である。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
アルキルスタニル基の処理方法としては、反応系中に末端処理剤としてハロゲン化アリールを加えたのち、加熱攪拌を行うことにより行うことができる。この操作により、共役芳香族高分子の末端にあるアルキルスタニル基をアリール基に変換することができる。このことは、共役安定効果により、共役芳香族高分子がより安定になりうるために好ましい。また、熱分解しやすいアルキルスタニル基が共役芳香族高分子中に存在しなくなることから、共役芳香族高分子の経時劣化が抑えられることが期待される。
使用できるハロゲン化アリールの例としてはヨードチオフェン、ヨードベンゼン、ブロモチオフェン又はブロモベンゼンなどが挙げられる。ハロゲン化アリールの添加量としては、特段の制限は無いが、アルキルスタニル基を有するモノマー(化合物A1)に対して、通常1.0×10−2当量以上、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは1当量以上であり、一方、通常50当量以下、好ましくは20当量以下、より好ましくは10当量以上である。加熱時間は、特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常50時間以下、好ましくは10時間以下である。これらの反応条件で反応を行うことにより、より短時間かつ高い変換率で末端処理を行うことができる。
これらの末端処理の操作については、特段の制限は無いが、末端処理剤同士が反応することを防ぐために、ハロゲン原子の処理とアルキルスタニル基の処理とを独立に行うことが好ましい。また、ハロゲン原子の処理とアルキルスタニル基の処理とはどちらを先に行ってもよい。また、末端処理は、共役芳香族高分子の精製前に行ってもよいし、共役芳香族高分子の精製後に行ってもよい。
末端処理を精製後に行う場合には、共役芳香族高分子と一方の末端処理剤(ハロゲン化アリール又はアリールトリメチルスズ)とを有機溶剤に溶解した後、パラジウム触媒などの遷移金属触媒を加え、窒素下で加熱攪拌を行う。さらに、もう一方の末端処理剤(アリ
ールトリメチルスズ又はハロゲン化アリール)を加え、加熱攪拌を行う。加熱時間は、特段の制限は無いが、通常30分以上、好ましくは1時間以上であり、一方、通常25時間以下、好ましくは10時間以下である。このような手順で行うことは、末端残基を短時間に効率よく高い変換率で除去できるため、好ましい。
なお、クロスカップリング反応として鈴木−宮浦反応又は根岸反応を用いた場合には、末端処理の方法として、アリールボロン酸若しくはボロン酸誘導体、又はアリール亜鉛誘導体を加えた後、加熱攪拌を行う方法が挙げられる。
末端処理後の精製は、上記の通り、再沈精製、ソックスレー抽出、ゲル浸透クロマトグラフィー、又はスキャベンジャーにより行うことができる。
<4.共役芳香族高分子>
以下、本発明に係る共役芳香族高分子の製造方法により得られる共役芳香族高分子について説明する。
本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子の重量平均分子量(Mw)は、通常5×10以上、さらに好ましくは10×10以上、よりさらに好ましくは15.0×10以上、特に好ましくは20.0×10以上である。一方、好ましくは1×10以下、より好ましくは1×10以下、さらにより好ましくは8×10以下、さらに好ましくは5×10以下である。光吸収波長の長波長化や高吸光度化の点でこの範囲が好ましい。
本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子の数平均分子量(Mn)は、通常1×10以上、さらに好ましくは3×10以上、よりさらに好ましくは4.0×10以上、特に好ましくは5.0×10以上である。一方、好ましくは1×10以下、より好ましくは5×10以下、さらにより好ましくは3×10以下、さらに好ましくは2×10以下である。光吸収波長を長波長化するという観点、及び高い吸光度を実現するという観点から、数平均分子量がこの範囲にあることが好ましい。
本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子の分子量分布(PDI、(重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)))は、通常1.0以上、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.2以上、さらに好ましくは1.3以上である。一方、好ましくは20.0以下、より好ましくは15.0以下、さらに好ましくは10.0以下である。共役芳香族高分子の溶解度が塗布に適した範囲になりうるという点で、分子量分布がこの範囲にあることが好ましい。
共役芳香族高分子の重量平均分子量及び数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により求めるものとする。具体的には、カラムとして、Shim−pac GPC−803、GPC−804(島津製作所製、内径8.0mm、長さ30cm)をそれぞれ1本ずつ直列に繋げて用い、ポンプとしてLC−10AT、オーブンとしてCTO−10A、検出器として示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)、及びUV−vis検出器(島津製作所製:SPD−10A)を用いることにより測定できる。測定対象の共役芳香族高分子をクロロホルムに溶解させ、得られた溶液5μLをカラムに注入する。移動相としてクロロホルムを用い、1.0mL/minの流速で測定を行なう。解析にはLC−Solution(島津製作所)を用いる。
本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子の光吸収極大波長(λmax)は、通常470nm以上、好ましくは480nm以上にあり、一方、通常1200nm以下、好ましくは1000nm以下、より好ましくは900nm以下にある。また、半値幅は通常10nm以上、好ましくは20nm以上であり、一方、通常300nm以下である。本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子を太陽電池用途に用いる場合、
共役芳香族高分子の吸収波長領域は太陽光の吸収波長領域に近いほど望ましい。
本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子の溶解度は、特に限定は無いが、好ましくは25℃におけるクロロベンゼンに対する溶解度が通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上であり、一方、通常30重量%以下、好ましくは20重量%である。溶解性が高いことは、十分な厚さの膜を製膜することができるため好ましい。
ここで、後述する成膜に際して用いうる溶媒としては、共役芳香族高分子を均一に溶解又は分散できるものであれば特に限定されないが、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン又はデカンなどの脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メタノール、エタノール又はプロパノールなどの低級アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン又はシクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル又は乳酸メチルなどのエステル類;クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレンなどのハロゲン炭化水素類;エチルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド又はジメチルアセトアミドなどのアミド類などが挙げられる。その中でも好ましくは、トルエン、キシレン、クロロベンゼン又はオルトジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類やクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン又はトリクロロエチレンなどのハロゲン炭化水素類である。
本発明に係る製造方法により得られる共役芳香族高分子中の不純物は極力少ないほうが好ましい。特に、パラジウム、ニッケル、鉄などの遷移金属触媒が残っていると、遷移金属の重原子効果による励起子トラップが生じるために電荷移動を阻害され、結果として光電変換素子に用いた際の光電変換効率を低下させるおそれがある。遷移金属触媒の濃度は、共役芳香族高分子1gあたり、通常1000ppm以下、好ましくは500pm以下、より好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、好ましくは1ppm以上、より好ましくは3ppm以上である。
共役芳香族高分子の末端残基(式(1)及び(2)におけるX〜X)の残存量は、特段の制限は無いが、共役芳香族高分子1gあたり、通常6000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは3000ppm以下、さらに好ましくは2000ppm以下、よりさらに好ましくは1000ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは200ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、好ましくは1ppm以上、より好ましくは3ppm以上である。
特に、Stille反応を用いて共役芳香族高分子を製造する場合、共役芳香族高分子中のSn原子の残存量としては、共役芳香族高分子1gあたり、通常5000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは2500ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以下、よりさらに好ましくは750ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく、好ましくは1ppm以上、より好ましくは3ppm以上である。Sn原子の残存量を5000ppm以下にすることにより、熱分解しやすいアルキルスタニル基が少なくなり、より高い安定性を得ることができる。
また、ハロゲン原子の残存量は、共役芳香族高分子1gあたり、通常5000ppm以下、好ましくは4000ppm以下、より好ましくは2500ppm以下、さらに好ましくは1000ppm以下、よりさらに好ましくは750ppm以下、特に好ましくは500ppm以下、最も好ましくは100ppm以下である。一方、通常0ppmより大きく
、好ましくは1ppm以上、より好ましくは3ppm以上である。ハロゲン原子の残存量を5000ppm以下にすることにより、共役芳香族高分子の光電変換特性及び耐久性などが向上する傾向にあり、好ましい。
共役芳香族高分子の末端残基の残存量は、炭素、水素及び窒素以外の元素量を測定することにより決定できる。測定手法としては、臭素イオン(Br)及びヨウ素イオン(I)についてはICP質量分析法が、またPd及びSnについてもICP質量分析法が挙げられる。
ICP質量分析法は、公知文献(「プラズマイオン源質量分析」(学会出版センター))に記載されている方法により実施できる。具体的には、Pd及びSnについては、試料を湿式分解後、分解液中のPd,SnをICP質量分析装置(Agilent Technologies社製 ICP質量分析装置 7500ce型)を用いて検量線法により定量することができる。
また、Br及びIについては、試料を試料燃焼装置(三菱化学アナリテック社製 試料燃焼装置 QF−02型)にて燃焼し、燃焼ガスを還元剤入りのアルカリ吸収液に吸収し、吸収液中のBr及びIをICP質量分析装置(Agilent Technologies社製 ICP質量分析装置 7500ce型)を用いて検量線法により定量することができる。
以下、本発明に係る共役芳香族高分子の製造方法により得られる共役芳香族高分子の具体的な例について説明する。反応式(1)及び(2)に従って得られる共役芳香族高分子は、1種の繰り返し単位で構成されている。しかしながら、上述のように3種以上のモノマーをクロスカップリングさせることも可能であり、この場合には得られる共役芳香族高分子は2種以上の繰り返し単位を有する。この場合、繰り返し単位の数に制限はないが、通常8種以下、好ましくは5種以下である。
化合物A14と化合物A7とをモノマーとして用いた場合に得られる共役芳香族高分子は、下式(P1)で表される繰り返し単位を有するものである。
Figure 2014162902
この共役芳香族高分子は、より長波長の光を吸収することができ、かつ光吸収性が高い点から好ましい。式(P1)において、R1x、R、R及びZは、式(A14)及び(A7)について説明したものと同様である。以下では、ZがZ11(R)(R)である場合を例にして説明する。R、R及びZ11は、式(A7)について説明し
たものと同様である。
式(P1)においてR1Xは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。R1Xがこれらの基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の有機溶媒への溶解性が優れたものとなりやすく、塗布成膜プロセスにおいて有利となり得るために好ましい。
さらに好ましくは、R1Xは置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基である。アルキル基としては、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であることが好ましい。中でも、直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましい。Rが直鎖状のアルキル基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の結晶性が向上しうるために、大きな移動度を示しうる点で好ましい。
また、R1Xが分岐状のアルキル基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の溶解性が向上しうる点で好ましい。また、Rが置換基を有していてもよい芳香族基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子がより長波長の光を吸収しうる点で好ましい。さらにR1Xが置換基を有していてもよい芳香族基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の結晶性が向上しうるために移動度が大きくなりうる点で好ましい。
また、R及びRの少なくとも1つが置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基であることが好ましく、RとRとの双方が置換基を有していてもよいアルキル基又は芳香族基であることがさらに好ましい。
及びRの少なくとも1つが置換基を有していてもよいアルキル基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子がより長波長の光を吸収しうるという観点から好ましい。
及びRの少なくとも1つが置換基を有していてもよい直鎖アルキル基であることは、式(P1)で表される共役芳香族高分子の結晶性が向上することにより移動度が大きくなりうる点で好ましい。
また、R及びRの少なくとも1つが置換基を有していてもよい分岐アルキル基であることは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の溶解性が向上することにより塗布プロセスによる成膜が容易となる点で好ましい。これらの観点からは、RとRとの少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数6〜20のアルキル基であることが特に好ましい。
また、R及びRの少なくとも1つが置換基を有していてもよい芳香族基であることは、π電子間の相互作用により分子間の相互作用が向上するために、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子を含む材料の移動度が大きくなる傾向がある点で好ましく、また原子Z11を含む環状骨格の安定性が向上する傾向がある点で好ましい。
が置換基を有していてもよい分岐アルキル基であり、Rが置換基を有していてもよい直鎖アルキル基又は置換基を有していてもよい芳香族基であることは、原子Z11近傍の立体障害が抑えられ、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の分子間相互作用が適度に向上しうる。このことは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の光吸収波長が長波長化しうる点、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子を含む材料の移動度が大きくなる傾向がある点で好ましく、また原子Z11を含む環状骨格の安定性が向上する傾向がある点で好ましい。
分岐アルキル基(R)による溶解性の向上効果と、直鎖アルキル基又は芳香族基(R)による共役芳香族高分子の結晶性向上効果又は共役芳香族高分子の分子間相互作用の向上効果との双方を、それぞれの効果を損なうことなく得ることができる点で好ましい。原子Z11周辺の立体障害を大きくすることにより共役芳香族高分子の耐久性を向上させるという観点からは、R及びRが、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、又は置換基を有していてもよい芳香族基であることが好ましい。
共役芳香族高分子間の相互作用を強くするという観点からは、R1X、及びRとRとのうちの少なくとも一方が直鎖のアルキル基又は芳香族基であることが好ましく、R1X、R、及びRが直鎖のアルキル基又は芳香族基であることがさらに好ましい。
1X、R、及びRが芳香族基であることは移動度の点で特に好ましく、R1X、R、及びRが直鎖のアルキル基であることは共役芳香族高分子がより長波長の光を吸収しうる点で特に好ましい。ここで、直鎖のアルキル基は炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数6〜20のアルキル基であることがさらに好ましい。
また、R及びRの少なくとも1つがハロゲン原子であることが好ましい。このことは、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子の耐熱性、耐候性、耐化学薬品性又は撥水・撥油性などが向上する点で好ましい。
式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子は、長波長領域(600nm以上)に吸収を持ち、かつ高い開放電圧(Voc)を示しうる。このような共役芳香族高分子は、高い光電変換特性を示す利点があり、特にフラーレン化合物と組み合わせて太陽電池に適用すると高い太陽電池特性を示す。また、HOMOレベルが低く酸化されにくい利点もある。
また、式(P1)で表される繰り返し単位を有する共役芳香族高分子は高溶解性を示しうる。塗布成膜時の溶媒溶解性が高く、また溶媒そのものの選択の幅も広がるため条件に最適な溶媒を用いやすいため、形成された有機半導体層の膜質を向上させることができる。
なお、本発明の共役芳香族高分子における好ましい繰り返し単位としては、前記式(P1)で表される繰り返し単位以外に、以下の繰り返し単位が挙げられる。前述のように、1分子中に1種のみ含まれていても、複数種含まれていてもよい。
(a)化合物(A7)と化合物(A15)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(b)化合物(A7)と化合物(A16)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(c)化合物(A7)と化合物(A13)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(d)化合物(A7)と化合物(A18)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(e)化合物(A7)と化合物(A22)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(f)化合物(A8)と化合物(A14)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(g)化合物(A8)と化合物(A15)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(h)化合物(A8)と化合物(A16)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(i)化合物(A8)と化合物(A13)のクロスカップリング反応により得られる繰り
返し単位。
(j)化合物(A8)と化合物(A18)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(k)化合物(A8)と化合物(A22)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(l)化合物(A9)と化合物(A14)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(m)化合物(A9)と化合物(A15)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(n)化合物(A9)と化合物(A16)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(o)化合物(A9)と化合物(A13)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(p)化合物(A9)と化合物(A18)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(q)化合物(A9)と化合物(A22)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(r)化合物(A10)と化合物(A14)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(s)化合物(A10)と化合物(A15)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(t)化合物(A10)と化合物(A16)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(u)化合物(A10)と化合物(A13)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(v)化合物(A10)と化合物(A18)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
(w)化合物(A10)と化合物(A22)のクロスカップリング反応により得られる繰り返し単位。
なかでも、本発明の共役芳香族高分子における好ましい繰り返し単位としては、前記式(P1)、(a)、(c)、(e)、(f)、(g)、(i)、(k)、(l)、(m)、(o)、(q)、(r)、(s)、(u)又は(w)で表される繰り返し単位がより好ましく、前記式(P1)、(a)、(e)、(f)、(g)、(k)、(l)、(m)、(q)、(r)、(s)、又は(w)で表される繰り返し単位がさらに好ましく、前記式(P1)、(a)、(e)、(f)、(g)、(k)又は(s)で表される繰り返し単位が特に好ましい。
本発明の方法によって得られうる、好ましい共役芳香族高分子の具体例を以下に示す。以下に示す共役芳香族高分子は、対応するモノマーを用いて、上述した方法により合成することができる。下式において、C、C13、C17、C1021、C1225及びC1531は、所定の炭素数をもつ直鎖のアルキル基である。また、EHとは、2−ethylhexyl基を表す。下式の共役芳香族高分子のうち、繰り返し単位を複数含むものについては、それぞれの繰り返し単位の数の比率は特に限定されない。また、以下に例示する共役芳香族高分子はケイ素原子を含む5員環を有するが、このケイ素原子は、炭素原子又はゲルマニウム原子などの、他の周期表第14族元素であってもよい。
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
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Figure 2014162902
Figure 2014162902
Figure 2014162902
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<5.有機半導体材料及びこれを用いた有機電子デバイス>
[有機半導体材料]
本発明に係る製造方法により得られた共役芳香族高分子(以下、本発明に係る共役芳香族高分子と称する)は、有機半導体材料として用いてもよい。以下に、本発明に係る共役芳香族高分子を含む有機半導体材料(以下、本発明に係る有機半導体材料と称する)について説明する。
本発明に係る有機半導体材料は、少なくとも本発明に係る共役芳香族高分子を含有する。本発明に係る有機半導体材料は、本発明に係る共役芳香族高分子を1種のみ含有してもよいし、2種以上を含有してもよい。また、本発明に係る有機半導体材料は、本発明に係る共役芳香族高分子以外の成分(例えば、その他の高分子やモノマー、各種の添加剤など)を含有してもよい。
本発明の有機半導体材料は、後述する有機電子デバイスの有機半導体層(有機活性層)に好適である。この場合、有機半導体材料を成膜して用いることが好ましい。有機半導体材料が溶媒に可溶であることは、塗布法によって有機半導体材料を成膜することができるため、有利である。
本発明の有機半導体材料は、単独で用いてもよいし、他の有機半導体材料と混合及び/又は積層して使用してもよい。本発明の有機半導体材料と併用可能な他の有機半導体材料
としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)(P3HT)、ポリ[2,6−(4,4−ビス−[2−エチルヘキシル]−4H−シクロペンタ[2,1−b:3,4−b’]ジチオフェン)−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PCPDTBT)、ベンゾポルフィリン(BP)、ペンタセンなどの既知の有機半導体材料が挙げられるまた、n型半導体化合物として知られている、ペリレン−ビスイミド、[6,6]−フェニル−C61−酪酸メチルエステル([60]PCBM)又はC70などのより大きいフラーレンを有するPCBM、[6,6]−フェニル−C61−酪酸n−ブチルエステル([60]PCBNB)又はC70などのより大きいフラーレンを有するPCBNB、などのフラーレン誘導体などの既知の有機半導体材料も挙げられる。もっとも、他の有機半導体材料がこれらに限定されることはない。
本発明に係る有機半導体材料は半導体特性を示し、例えば、電界効果移動度測定において、正孔移動度が通常1.0×10−5cm/Vs以上、好ましくは1.0×10−4cm/Vs以上であり、一方、正孔移動度が通常1.0×10cm/Vs以下、好ましくは1.0×10cm/Vs以下、より好ましくは1.0×10cm/Vs以下である。正孔移動度の測定方法としてはFET法が挙げられる。FET法による測定は、公知文献(特開2010−045186)に記載の方法により実施することができる。
[有機電子デバイス]
本発明の有機半導体材料は、有機電子デバイスに使用してもよい。以下、本発明の有機半導体材料を用いて作製した有機電子デバイス(本発明に係る有機電子デバイス)について説明する。本発明の有機半導体材料を適用可能なものであれば、有機電子デバイスの種類に特に制限はない。例としては、発光素子、スイッチング素子、光電変換素子、光電導性を利用した光センサーなどが挙げられる。
発光素子としては、表示デバイスに用いられる各種の発光素子が挙げられる。具体例としては、液晶表示素子、高分子分散型液晶表示素子、電気泳動表示素子、エレクトロルミネッセント素子、エレクトロクロミック素子などが挙げられる。
スイッチング素子の具体例としては、ダイオード(pn接合ダイオード、ショットキー・ダイオード、MOSダイオードなど)、トランジスタ(バイポーラートランジスタ、電界効果トランジスタ(FET)など)、サイリスタ、更にはそれらの複合素子(例えばTTLなど)などが挙げられる。
光電変換素子の具体例としては、薄膜太陽電池、電荷結合素子(CCD)、光電子増倍管、フォトカプラなどが挙げられる。また、光電導性を利用した光センサーとしては、これらの光電変換素子を利用したものが挙げられる。
本発明に係る有機半導体材料を有機電子デバイスのどの部位に用いるかは特に制限されず、任意の部位に用いることが可能である。特に光電変換素子の場合には、通常は本発明に係る有機半導体材料は、光電変換素子の有機活性層を作製するために使用される。
<6.光電変換素子>
以下に、本発明に係る共役芳香族高分子を用いて作製した光電変換素子(以下、本発明に係る光電変換素子と称する)について説明する。本発明に係る光電変換素子は、少なくとも一対の電極と、該電極間に配置された活性層とを備え、前記共役芳香族高分子はこの活性層に含まれる。
図1に、本発明に係る光電変換素子の一実施形態を示す。具体的に、光電変換素子107は、基板106、アノード101、正孔取り出し層102、活性層103(p型半導体化合物とn型半導体化合物混合層)、電子取り出し層104、カソード105が順次、形
成された層構造を有する。それぞれの各層の間には、後述の各層機能に影響を与えない程度に、別の層が挿入されていてもよい。
基板106、電極(アノード101及びカソード105)、及び電極間に有する活性層以外の層の材料、層構成、形状、及び製造方法については、公知の材料を用いることができ、具体的には、Solar Energy Materials&Solar Cells 96(2012)155−159、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報等に記載の通りである。
<3.1 活性層(103)>
活性層103は、光電変換が行われる層を指し、p型半導体化合物とn型半導体化合物を含む。p型半導体化合物としては、少なくとも本発明により製造される共役芳香族高分子を含有するが、該高分子の性能を損なわない範囲で、さらに公知のp型半導体化合物を含有していてもよい。また、n型半導体化合物に関しても公知の材料を用いることができる。具体的には、Solar Energy Materials&Solar Cells 96(2012)155−159、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報等に記載の化合物が挙げられる。
また、活性層103の層構成は、p型半導体化合物とn型半導体化合物が積層された薄膜積層型、p型半導体化合物とn型半導体化合物が混合したバルクヘテロ接合型、薄膜積層型の中間層にp型半導体化合物とn型半導体化合物が混合した層(i層)を有する構造などが挙げられる。中でも、p型半導体化合物とn型半導体化合物が混合したバルクヘテロ接合型が好ましい。
活性層103の形成方法、膜厚等は、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報に開示された通りである。
<7.太陽電池>
本発明の光電変換素子107は、太陽電池素子として、薄膜太陽電池において使用されてもよい。
図2は本発明の一実施形態としての薄膜太陽電池の構成を模式的に示す断面図である。図2に示すように、本実施形態の薄膜太陽電池14は、耐候性保護フィルム1と、紫外線カットフィルム2と、ガスバリアフィルム3と、ゲッター材フィルム4と、封止材5と、太陽電池素子6と、封止材7と、ゲッター材フィルム8と、ガスバリアフィルム9と、バックシート10とをこの順に備える。そして、耐候性保護フィルム1が形成された側(図中下方)から光が照射されて、太陽電池素子6が発電するようになっている。なお、後述するバックシート10としてアルミ箔の両面にフッ素系樹脂フィルムを接着したシートなどの防水性の高いシートを用いる場合は、用途によりゲッター材フィルム8及び/又はガスバリアフィルム9を用いなくてもよい。
これらの封止材、バックシート及び各種フィルムの材料、形状、性能及び積層方法等については、いずれも国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報に記載された通りである。
<8.用途>
上述した薄膜太陽電池14の用途に制限はなく任意である。例えば、図3に模式的に示すように、何らかの基材12上に薄膜太陽電池14を設けた太陽電池モジュール13を用意し、これを使用場所に設置して用いればよい。具定例を挙げると、基材12として建材用板材を使用した場合、この板材の表面に薄膜太陽電池14を設けて太陽電池モジュール13として太陽電池パネルを作製し、この太陽電池パネルを建物の外壁などに設置して使用すればよい。
基材12は太陽電池素子6を支持する支持部材である。基材12を形成する材料としては、例えば、ガラス、サファイア又はチタニアなどの無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネンなどの有機材料;紙又は合成紙などの紙材料;ステンレス、チタン又はアルミニウムなどの金属に絶縁性を付与するために表面をコート又はラミネートしたものなどの複合材料などが挙げられる。なお、基材の材料は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。また、これら有機材料あるいは紙材料に炭素繊維を含ませ、機械的強度を補強させてもよい。例えば、国際公開第2011/016430号又は特開2012−191194号公報にあるように、建材用太陽電池、自動車用太陽電池、インテリア用太陽電池、鉄道用太陽電池、船舶用太陽電池、飛行機用太陽電池、宇宙機用太陽電池、家電用太陽電池、携帯電話用太陽電池又は玩具用太陽電池などに用いて好適である。
以下に、実施例により本発明の実施形態を説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、重量平均分子量(Mn)及び分子量分布(PDI)は、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により求めた。具体的には、カラムとして、Shim−pac GPC−803、GPC−804(島津製作所製,内径8.0mm,長さ30cm)をそれぞれ1本ずつ直列に繋げて用い、ポンプとしてLC−10AT、オーブンとしてCTO−10A、検出器として示差屈折率検出器(島津製作所製:RID−10A)、及びUV−vis検出器(島津製作所製:SPD−10A)を用いた。測定のために、測定対象の共役高分子をクロロホルムに溶解させ、得られた溶液5μLをカラムに注入した。移動相としてクロロホルムを用い、1.0mL/minの流速で測定を行った。解析にはLC−Solution(島津製作所)を用いた。
(合成例1)
Figure 2014162902
1,3−ジブロモ−5−オクチル−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン(化合物E1)は、公知文献(Organic Letters 6巻,3381−3384ページ,2004年)に記載の方法を参考にして得られた。
(合成例2)
Figure 2014162902
4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−2,6−ビス(トリメチルスタニル)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(化合物E2)は、公知文献(Journal of the American Chemical Society 130巻,16144−16145ページ(2008年))に記載の方法を参考に合成した。具体的には以下の通りに合成を行った。
Figure 2014162902
100mLの2口ナスフラスコ中、窒素雰囲気下、4,4−ビス(2−エチルヘキシル)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール(1g,2.39mmol)を入れ、テトラヒドロフラン(THF,25mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.11M,2.6mL,1.2eq)を滴下し、40分攪拌した。
さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,2.9mL,1.2eq)を滴下後、40分撹拌した。さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.11M,2.6mL,1.2eq)を滴下し、40分攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,2.9mL,1.2eq)を滴下後、40分撹拌した。
さらにリチウムジイソプロピルアミド(LDA)のテトラヒドロフラン/ヘキサン溶液(関東化学社製,濃度1.11M、2.6mL,1.2eq)を滴下し、40分攪拌した。さらに塩化トリメチルスズのテトラヒドロフラン溶液(Aldrich社製,1.0M,3.1mL,1.3eq)を滴下後、ゆっくり室温に昇温した。反応液に水を加え、ヘキサンで生成物を抽出後、有機層を水洗した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過して減圧濃縮後、真空下で乾燥することにより、化合物E2を黄緑色油状物として定量的に得た。
(実施例1)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+トリフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(232.8mg)、合成例2で得られた化合物E2(431.0mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,45mg,化合物E2に対して3mol%)、トリフェニルホスフィン(4.7mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(15mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)を入れ、90℃で1時間加熱し、続いて、3時間100℃で加熱攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに10分加熱撹拌した後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.073mL)を加えて2時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.4mL)を加えて2時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは2.5×10であり、PDIは3.6であった。共役高分子Aの収率は79%であった。
(実施例2)
[共役高分子A、Pd−EnCat40 3mol%+トリフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(191.3mg)、合成例2で得られた化合物E2(354.3mg)、Pd−EnCat40(Aldrich社製,34mg,化合物E2に対して3mol%),トリフェニルホスフィン(3.1mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(13.6mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.7mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、100℃で6時間
攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.060mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(2.8mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは2.7×10であり、PDIは3.9であった。共役高分子Aの収率は67%であった。
(実施例3)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+トリ(o−トリル)ホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(191.6mg)、合成例2で得られた化合物E2(354.8mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,40mg,化合物E2に対して3mol%)、トリ(o−トリル)ホスフィン(4.87mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(12.4mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、100℃
で4.5時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.06mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(2.8mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.8×10であり、PDIは3.6であった。共役高分子Aの収率は71%であった。
(実施例4)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+トリス(2−メトキシフェニルo−トリル)ホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(228.3mg)、合成例2で得られた化合物E2(422.7mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,42mg,化合物E2に対して3mol%)、トリス(2−メトキシフェニルo−トリル)ホスフィン(5.97mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(14.8mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)を入れ、90℃で1
時間、続いて、100℃で4時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.071mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.3mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.9×10であり、PDIは3.9であった。共役高分子Aの収率は73%であった。
(実施例5)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(216.4mg)、合成例2で得られた化合物E2(400.7mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,40mg,化合物E2に対して3mol%)、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン(5.69mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(14.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.8mL)を入れ、90℃で1時間、続い
て、100℃で4時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.067mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.1mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは2.1×10であり、PDIは3.4であった。共役高分子Aの収率は74%であった。
(実施例6)
[共役高分子A、PI−Pd 3mol%+トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン
3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(229.6mg)、合成例2で得られた化合物E2(425.1mg)、PI−Pd(和光純薬社製,61m
g,化合物E2に対して3mol%)、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン(5.99mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(14.9mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、100℃で5
時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.072mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(1.9mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.4×10であり、PDIは4.1であった。共役高分子Aの収率は68%であった。
(実施例7)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+シクロヘキシルジフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(193.7mg)、合成例2で得られた化合物E2(358.7mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,40mg,化合物E2に対して3mol%)、シクロヘキシルジフェニルホスフィン(4.29mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(12.6mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、1
00℃で4時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.060mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(2.8mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.7×10であり、PDIは3.6であった。共役高分子Aの収率は70%であった。
(実施例8)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+ジシクロヘキシルフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(189.5mg)、合成例2で得られた化合物E2(350.9mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,40mg,化合物E2に対して3mol%)、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン(4.39mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(12.3mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.5mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、1
00℃で4時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.059mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(2.7mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.6×10であり、PDIは3.7であった。共役高分子Aの収率は68%であった。
(実施例9)
[共役高分子A、Pd−EnCat30 3mol%+シクロヘキシルジフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(162.8mg)、合成例2で得られた化合物E2(301.4mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,34mg,化合物E2に対して3mol%)、シクロヘキシルジフェニルホスフィン(2.33mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(11.6mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.3mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、1
00℃で6時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.05mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(2.4mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.3×10であり、PDIは3.4であった。共役高分子Aの収率は68%であった。
(実施例10)
[共役高分子A、Pd−EnCat30nano 3mol%+シクロヘキシルジフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(193.7mg)、合成例2で得られた化合物E2(358.7mg)、Pd−EnCat30nano(Aldrich社製,40mg,化合物E2に対して3mol%)、シクロヘキシルジフェニルホスフィン(4.2mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(14.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.8mL)を入れ、90℃で1時間、続い
て、100℃で20分攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.060mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは6.3×10であり、PDIは5.7であった。共役高分子Aの収率は76%であった。
(実施例11)
[共役高分子A、Pd−EnCat30TPP 3mol%+シクロヘキシルジフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(225.6mg)、合成例2で得られた化合物E2(417.7mg)、Pd−EnCat30(Aldrich社製,42mg,化合物E2に対して3mol%)、シクロヘキシルジフェニルホスフィン(4.41mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(14.5mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(2.9mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、1
00℃で4時間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.070mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.3mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは2.1×10であり、PDIは3.8であった。共役高分子Aの収率は71%であった。
(実施例12)
[共役高分子A、Fibrecat1007 3mol%+トリフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(233.6mg)、合成例2で得られた化合物E2(432.6mg)、Fibrecat1007(和光純薬社製,99mg,化合物E2に対して3mol%)、トリフェニルホスフィン(7.3mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(15.1mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、100℃で4時間攪
拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.073mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.4mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.9×10であり、PDIは3.9であった。共役高分子Aの収率は73%であった。
(実施例13)
[共役高分子A、Fibrecat1026 3mol%+トリフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(232.3mg)、合成例2で得られた化合物E2(430.2mg)、Fibrecat1026(和光純薬社製,77mg,化合物E2に対して3mol%)、トリフェニルホスフィン(7.6mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(15.0mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、100℃で4時間攪
拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.072mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.4mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.7×10であり、PDIは3.4であった。共役高分子Aの収率は69%であった。
(実施例14)
[共役高分子A、Fibrecat1001 3mol%+トリフェニルホスフィン 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(237.08mg)、合成例2で得られた化合物E2(439.0mg)、Fibrecat1001(和光純薬社製,105mg,化合物E2に対して3mol%)、トリフェニルホスフィン(7.7mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(15.1mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)を入れ、90℃で1時間、続いて、100℃で4時
間攪拌した。
反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに1時間加熱撹拌した後、末端処理として、ト
リメチル(フェニル)スズ(0.074mL)を加えて5時間加熱撹拌し、さらにブロモベンゼン(3.4mL)を加えて5時間加熱攪拌して、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解させ、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌し、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは2.2×10であり、PDIは3.5であった。共役高分子Aの収率は73%であった。
(比較例1)
[共役高分子A、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 3mol%]
Figure 2014162902
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で化合物E1(1,3−ジブロモ−5−オクチル−4H−チエノ[3,4−c]ピロール−4,6−(5H)−ジオン,187mg,0.443mmol)、合成例2で得られた化合物E2(4,4’−ビス(2−エチルヘ
キシル)−5,5−ビス(トリメチルスタニル)−ジチエノ[3,2−b:2’,3’−d]シロール,340mg,0.443mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(15mg,化合物E2に対して3mol%)、酸化銅(II)(35mg,0.443mmol)、トルエン(6.8mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.6mL)を加え、100℃で20時間攪拌した。その後、末端処理として、ブロモベンゼン(0.1mL)を加え3時間加熱攪拌し、さらにトリメチル(フェニル)スズ(0.1mL)を加え3時間加熱攪拌後、トルエンで5倍に希釈した反応溶液をメタノール(400mL)に滴下した。析出したポリマーを濾取した後、シリカゲルカラムを通して精製し目的の共役高分子Aを含む粗ポリマーを得た。
JAIGEL−3H(40φ)、2H(40φ)を取り付けたJAL908−C60装置(日本分析工業)を用い、展開液:クロロホルム、流速14mL/minの条件下、粗ポリマーのクロロホルム溶液(10mL)を充填して、GPC分取精製をおこなった。分取された共役高分子Aの重量平均分子量Mwは5.5×10であり、PDIは1.3であった。共役高分子Aの収率は27%であった。
(比較例2)
[共役高分子A、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 5mol%]
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、化合物E2に対して5mol%用いた以外は、比較例1と同様にして共役高分子Aを含む粗ポリマーを得た。
JAIGEL−3H(40φ)、2H(40φ)を取り付けたJAL908−C60装置(日本分析工業)を用い、展開液:クロロホルム、流速14mL/minの条件下、粗ポリマーのクロロホルム溶液(10mL)を充填して、GPC分取精製をおこなった。分取された共役高分子Aの重量平均分子量Mwは4.1×10であり、PDIは1.5であった。共役高分子Aの収率は30%であった。
(比較例3)
[共役高分子A、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0) 10mol%]
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、化合物E2に対して10mol%用いた以外は、比較例1と同様にして共役高分子Aを含む粗ポリマーを得た。
JAIGEL−3H(40φ)、2H(40φ)を取り付けたJAL908−C60装置(日本分析工業)を用い、展開液:クロロホルム、流速14mL/minの条件下、粗ポリマーのクロロホルム溶液(10mL)を充填して、GPC分取精製をおこなった。分取された共役高分子Aの重量平均分子量Mwは4.1×10であり、PDIは1.5であった。共役高分子Aの収率は31%であった。
(比較例4)
[共役高分子A、テトラキス(トリ(o−トリル)ホスフィン)パラジウム(0) 3mol%]
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)の代わりに、テトラキス(トリ(o−トリル)ホスフィン)パラジウム(0)を、化合物E2に対して3mol%用いた以外は、比較例1と同様に反応させた。
JAIGEL−3H(40φ)、2H(40φ)を取り付けたJAL908−C60装置(日本分析工業)を用い、展開液:クロロホルム、流速14mL/minの条件下、粗ポリマーのクロロホルム溶液(10mL)を充填して、GPC分取精製をおこなった。分
取された共役高分子Aの重量平均分子量Mwは4.7×10であり、PDIは1.8であった。共役高分子Aの収率は25%であった。
(比較例5)
[共役高分子A、Pd−EnCatTPP30 3mol%]
窒素下50mLナスフラスコに、合成例1で得られた化合物E1(135mg)、合成例2で得られた化合物E2(243mg)、Pd−EnCatTPP 30(Aldrich社製,24mg,化合物E2に対して3mol%)、トルエン(5.1mL)、及びN,N−ジメチルホルムアミド(1.3mL)を加え、90℃で1時間攪拌し、続いて100℃で6時間攪拌した。その後、反応液をトルエンで4倍に希釈してさらに0.5時間加熱撹拌後、末端処理として、トリメチル(フェニル)スズ(0.03mL)を加え10時間加熱攪拌し、さらにブロモベンゼン(0.5mL)を加え6時間加熱攪拌後、反応溶液をメタノール中に注ぎ、析出した沈殿をろ取した。得られた固体をクロロホルムに溶解し、ジアミンシリカゲル(Fujiシリシア化学製)を加えて1時間室温で攪拌した後、酸性シリカゲルのショートカラムを通した。得られた溶液を濃縮し、クロロホルム/酢酸エチルを溶媒として再沈殿を行い、析出した沈殿を濾別して、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは2.2×10であり、PDIは2.0であった。共役高分子Aの収率は85%であった。
(比較例6)
[共役高分子A、Tetrakis(triphenylphosphine)palladium, polymer−boundPd−EnCatTPP30 3mol%]Pd−EnCatTPP 30(Aldrich社製,24mg,化合物E2に対して3mol%)の代わりに、Tetrakis(triphenylphosphine)palladium, polymer−bound(Aldrich社製,30mg)を、化合物E2に対して3mol%用いた以外は、比較例5と同様に反応させた。比較例5と同様の精製を行い、共役高分子Aを得た。得られた共役高分子Aの重量平均分子量Mwは1.3×10であり、PDIは2.6であった。共役高分子Aの収率は67%であった。
比較例1〜4に示すように、担体に固定化されていないパラジウム化合物を触媒として用いた場合、得られた共役芳香族高分子の重量平均分子量Mwは10K〜50Kにとどまった。また、比較例5〜6に示すように担体に固定化されたパラジウム化合物のみを用いた場合、得られた共役芳香族高分子の重量平均分子量Mwは55K以下にとどまった。一方で実施例1〜14に示すよう担体に固定化された遷移金属化合物と均一系有機配位子を併用した場合、得られた共役芳香族高分子の重量平均分子量Mwは130〜630Kと比較例1〜6に対して非常に高くなった。
また、比較例1〜6においては反応を20時間行ったが、実施例1〜14においては30分から10時間の反応でより高い分子量の共役高分子Aが得られた。このように実施例1〜14においては、比較例1〜6よりも、より高い重量平均分子量Mwを有する共役高分子をより速く得られることが分かった。
また、実施例1〜14において得られた共役芳香族高分子の収率は67%〜79%と高い再現性を示している。
本発明においては、得られる共役芳香族高分子の重量平均分子量が大きいために、薄膜太陽電池素子の変換効率の向上につながる。また、本発明に係る共役芳香族高分子の製造方法であれば、反応時間が短く、かつ再現性が高く高分子量化が可能なので、生産性の面で非常に有用である。
1 耐候性保護フィルム
2 紫外線カットフィルム
3,9 ガスバリアフィルム
4,8 ゲッター材フィルム
5,7 封止材
6 太陽電池素子
10 バックシート
12 基材
13 太陽電池モジュール
14 薄膜太陽電池
101 アノード
102 正孔取り出し層
103 活性層
104 電子取り出し層
105 カソード
106 基材
107 光電変換素子

Claims (10)

  1. 1種以上のモノマーと、担体に固定化された後周期遷移金属又は後周期遷移金属化合物と第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子とを混合し、カップリング反応により1種以上のモノマーを重合させる共役芳香族高分子の製造方法。
  2. 前記カップリング反応がクロスカップリング反応であることを特徴とする請求項1に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
  3. 前記後周期遷移金属又は前記後周期遷移金属化合物に含まれる遷移金属が、パラジウム又はニッケルである請求項1又は2に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
  4. 前記第13族〜16族から選択される原子を有する均一系有機配位子が、有機リン配位子又は有機ヒ素配位子である請求項1〜3のいずれか一項に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
  5. 前記後周期遷移金属又は前記後周期遷移金属化合物に含まれる遷移金属に対する、均一系有機配位子に含まれる配位原子のモル比率が0.1より大きく4より小さいことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
  6. 前記1種以上のモノマーのうち少なくとも1種のモノマーが下記式(A4)又は式(A4’)で表される芳香族化合物である請求項1〜5のいずれか一項に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
    Figure 2014162902
    (式(A4)及び式(A4’)中、R及びRはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基又は置換基を有していてもよい芳香族基を表すか、R及びR33、又はR及びR34が結合して環を形成していてもよい。R33及びR34はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は第14族元素から選ばれた原子を有する基を表すか、或いは互いに結合して環を形成していてもよい。X及びXはそれぞれ独立して、活性基を示し、X12及びX13はそれぞれ独立して、第16族元素から選ばれた原子を示し、X14は結合している2つの5員環の共役系を連結する基、又は直接結合を示す。R33及びR34は互いに結合して環を形成していてもよい。)
  7. 前記活性基が、Li、Mg、Zn、B又は第14族元素から選ばれた原子を有する基である請求項6に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
  8. 前記1種以上のモノマーのうち少なくとも1種のモノマーが、下記式(A11)、(A12)、(A13)及び(17)で表される芳香族化合物からなる群より選ばれた芳香族化合物である請求項6又は7に記載の共役芳香族高分子の製造方法。
    Figure 2014162902
    (式(A11)、式(A12)、式(A13)又は式(A17)において、X及びXは、ハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基、又はアリールスルホニルオキシ基を表す。
    式(A11)において、R31及びR32はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を表す。
    式(A12)において、R25及びR26はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基、置換基を有していてもよいアシル基を表す。R27及びR28はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。
    式(A13)において、Y及びYは、それぞれ独立に第15族元素から選ばれた原子を表す。R19及びR20はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
    式(A17)において、Y及びYは、それぞれ独立して、窒素原子又は一つの置換基を有する炭素原子−CR43−を表す。R43は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。R21及びR22はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数2〜20の芳香族複素環基を表す。)
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法により得られた共役芳香族高分子を含む光電変換素子。
  10. 請求項9に記載された光電変換素子を有する太陽電池。
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