JP2014162414A - 電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014162414A
JP2014162414A JP2013037011A JP2013037011A JP2014162414A JP 2014162414 A JP2014162414 A JP 2014162414A JP 2013037011 A JP2013037011 A JP 2013037011A JP 2013037011 A JP2013037011 A JP 2013037011A JP 2014162414 A JP2014162414 A JP 2014162414A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
housing
electric power
power steering
steering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013037011A
Other languages
English (en)
Inventor
Takanori Sawano
貴紀 澤野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2013037011A priority Critical patent/JP2014162414A/ja
Publication of JP2014162414A publication Critical patent/JP2014162414A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】電動パワーステアリング装置に使用される樹脂製ハウジングにおいて、強度、剛性を維持しつつ、寸法安定性を向上し、軽量化したハウジングを提供する。
【解決手段】ハウジングは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維の少なくとも一つからなる連続繊維を10〜75質量%含有する熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂からなる連続繊維強化樹脂を芯材とし、その芯材に平均繊維長0.5mm以上5mm以下、平均繊維径3〜30μmの長繊維を10〜50質量%含有する熱可塑性樹脂からなる長繊維強化樹脂をインサート成形する事により形成した。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動パワーステアリング装置の減速機を収納するギヤボックス並びにそのカバーの改良に関する。
電動パワーステアリング装置は、自動車の運転者によってステアリングホイールを介してステアリング軸に操舵トルクが入力された場合に、前記操舵トルクを補助する補助トルクとして電動モータの出力を減速歯車機構を介してステアリング軸に伝達することで、運転者の操舵を補助する装置である。電動パワーステアリング装置の一例を図1に示す。
図1に示すようなラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置100において、減速歯車機構30を収納するギヤボックス33は、従来よりアルミニウム合金等の金属により形成されている。
近年、自動車の省資源、省エネルギー、CO低減を目的とした低燃費化が要求される中で、電動パワーステアリング装置についても更なる軽量化が求められるようになってきた。
従来、金属によって形成されている電動パワーステアリング装置のギヤボックスの軽量化を図るには、従来の金属よりも比重の小さい、樹脂材料を用いることが考えられるが、樹脂材料は、耐衝撃性及びクリープ特性、剛性が金属材料に及ばない為、衝撃による破損や、ボルト締結部の変形及びクリープによるボルト緩み、等を生じるおそれがあり、形状や締結方法をそのままに材質のみを樹脂材料に置換しても、実用は非常に困難である。
上記問題に関する先行技術として、引用文献には、電動パワーステアリング装置における操舵状態検出センサを収納するセンサハウジングと減速機を収納するギヤハウジングから構成されるハウジングを樹脂材料で形成し、センサハウジングとギヤハウジングとをレーザ溶着により一体化させることにより、軽量化と、樹脂部品同士のボルト締結を廃する発明が記載されている。
特開2009−298246号公報
しかしながら、上記引用文献に記載の発明においては、センサハウジングとギヤハウジングを全てポリアミド系樹脂材料、又は、強化繊維を充填した繊維強化ポリアミド系樹脂で形成しているため、寸法安定性が悪く、吸水による変形を生じる為、長期間の使用で品質が悪化するおそれがあるという課題があった。
本発明はそのような課題を解消する為になされたものであり、電動パワーステアリング装置の減速機ハウジングとそのカバーについて、強度と剛性を従来のアルミニウム合金製ハウジング及びカバーと同等以上とし、且つ、軽量化し、更に寸法安定性を向上することで、燃費の軽減に貢献し、耐久性の高い電動パワーステアリング装置用のギヤボックス及びそのカバーを提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の発明は、運転者の操舵により回転するステアリング軸から前記運転者の操舵状況をセンサにより検出し、前記操舵状況の検出結果より電動モータを回転させ、前記電動モータの回転力を減速歯車機構を介して車両のステアリング機構に伝達する電動パワーステアリング装置の、前記センサと、前記減速歯車機構との少なくとも一方を格納するハウジングであって、
前記ハウジングは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維の少なくとも一つから構成される連続強化繊維を10〜75質量%含有する熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂からなる連続繊維強化樹脂を芯材とし、前記芯材に平均繊維長0.5mm以上5mm以下、且つ、平均繊維径3〜30μmの強化繊維を10〜50質量%含有する熱可塑性樹脂をインサート成形する事により、形成されることを特徴としている。
また、本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用ハウジングであって、
前記連続繊維強化樹脂及び長繊維強化樹脂のマトリックスは、PA6、PA66、PA46、芳香族PAに代表されるポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂に代表される熱硬化性樹脂の何れかであることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置用ハウジングであって、減速歯車機構の回転軸を支持する部材として、環状の金属製芯金がインサート成型によって内蔵されることを特徴としている。
また、本発明の請求項4に記載の発明は、運転者の操舵により回転するステアリング軸から前記運転者の操舵状況をセンサにより検出し、前記操舵状況の検出結果より電動モータを回転させ、前記電動モータの回転力を減速歯車機構を介して車両のステアリング機構に伝達する電動パワーステアリング装置であって、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電動パワーステアリング装置用ハウジングが用いられていることを特徴としている。
本発明によれば、電動パワーステアリング装置用のハウジングについて、従来のアルミ合金製ハウジングと同等以上の強度、剛性、及び耐衝撃性を維持しつつ、軽量化が可能であり、低燃費に貢献する電動パワーステアリング装置用ハウジングを提供することが可能である。
本発明に記載の電動パワーステアリング装置の一構成例を示す図である。 図1の電動パワーステアリング装置の歯車減速機構の構成を示す部分断面図である。 図2の歯車減速機構の別方向断面を示す部分断面図である。
以下に、本発明の実施形態を、図を基に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置100の一例を示すものである。運転者の操舵入力は、ステアリングホイール10を介してステアリング軸11に伝えられる。ステアリング軸11は、図示しないトーションバーで連結された上部軸11aと下部軸11bとで構成されており、略筒状のステアリングコラム12の内部に、軸心を中心に回転自在に支持されている。ステアリングコラム12は下部を車両の前方に向けて傾斜させた姿勢で、車室内部の所定位置に固定されている。ステアリング下部軸11bには、操舵トルクを補助するための補助トルクを下部軸11bに供給する操舵補助機構が連結されており、この操舵補助機構は、下部軸11bに連結された例えばウォームギヤで構成される歯車減速機構30と、補助トルクを出力し歯車減速機構30に供給する電動モータ13と、を備えている。
ここで、減速歯車機構30の構成を、図2、図3を基に説明する。減速歯車機構30は、下部軸11bの外周に嵌合されたウォームホイール31と、ウォームホイール31と噛み合うウォーム32とを備えている。ウォーム32の両端にはウォーム軸32a,32bが一体的に形成されており、これらウォーム軸32a,32bはそれぞれ、ギヤボックス33に圧入固定された転がり軸受34a,34bによって回転自在に支持されている。また、ギヤボックス33には、例えばボルト締結等の手段により電動モータ13が取り付けられており、この電動モータ13の駆動軸13aとウォーム軸32bとが、例えばスプライン結合又はセレーション結合している。
ウォームホイール31は下部軸11bと連結しているので、電動モータ13の回転(補助トルク)が、ウォーム32及びウォームホイール31を介して減速されつつ下部軸11bに伝達されることとなる。
運転者によってステアリングホイール10に操舵トルク(回転力)が入力されると、ステアリング軸11が回転するが、この操舵トルクはトーションバーにより検出される。そして、検出された操舵トルクに基づいて、電動モータ13の出力(操舵を補助する回転力)が制御される。電動モータ13の出力(補助トルク)は減速歯車機構30により減速されつつ、ステアリング軸11の下部軸11bに供給され、前記操舵トルクと合わされる。そして、このステアリング軸11の回転に伴ってピニオン22が回転し、このピニオン22の回転が図1のラックアンドピニオン機構20によってラック21の左右方向のスライド運動に変換され、転舵輪が駆動されて自動車が操舵される。
ここで、ギヤボックス33について、図2、図3参照しながらさらに詳細に説明する。前述したように、ハウジング部材33A及びカバー部材33Bはいずれも、金属製のスリーブ38と、連続繊維強化樹脂製の芯材36A、36Bをインサートとした長繊維強化樹脂材料のインサート成形によって製造されたものであり、スリーブ38の表面の一部が長繊維強化樹脂で覆われている。
歯車減速機構30は、ステアリングコラム12に連続して設けられたギヤボックス33に収容されている。詳述すると、略筒状のハウジング33Aの内部に歯車減速機構30が収容され、ハウジング33Aの開口部がカバー33Bによって覆われている。そして、ハウジング33Aとカバー33Bとは、ボルト33Cによって締結され一体化されている。
ハウジング33Aは、図3に示すように減速歯車の回転軸を支持する軸受35a、35bと、軸受の外径と嵌合する金属製のスリーブ38と、連続繊維強化樹脂からなる芯材36A、36Bと、長繊維強化樹脂からなるボルト締結部37から構成される。ハウジング33A、カバー33Bは、スリーブ38の外径面に、長繊維強化樹脂をインサート成形した、軸受支持部331と、連続繊維強化樹脂からなる芯材36A、36Bを、インサートとして用いて長繊維強化樹脂でインサート成形し、ボルト締結部37を前記軸受支持部331と、芯材36A、36Bとを一体化して成型することで得られる。
以下に、ハウジング33Aに使用される樹脂組成物及び金属について説明する。なお、カバー33Bについても同様の構成により形成される。
軸受支持部331のスリーブ38の材質は特に限定されるものではないが、例えばWS53C等の機械構造用炭素鋼やSUJ2等の軸受鋼、冷間圧延鋼板(SPCC)、SUS430、SUS410等のステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金等の軽金属を使用することができる。特に、軽量化の観点から、アルミニウム合金、マグネシウム合金が好適である。なお、スリーブ38の外形面は、樹脂材料との密着性を高めるために、粗面化することが好ましい。粗面化の方法は特に限定されるものではないが、ショットブラストや化学エッチングが好適である。
また、スリーブ38の外形面には接着剤を含有する接着剤層を設けておくことが好ましい。そうすることにより、インサート成型時に、スリーブ38と樹脂材料とがより強固に接着され、ハウジング33Aとしての寸法安定性が良好なものとなる。
次に、接着剤層について説明する。接着剤層は単層でも差し支えないが、複数の接着剤層を積層してなるものでもよい。複数の接着剤層を積層する場合には、スリーブ38の表面上に形成する下層には、フェノール樹脂とエポキシ樹脂の少なくとも一方を含有する接着剤を用いることが好ましい。また、接着剤の代わりに、プライマーとしてカップリング剤を用いてもよい。そして、下層の上側に積層される上層には、フェノール樹脂を含有する接着剤を用いることが好ましい。
ポリアミド樹脂とフェノール樹脂は相溶性が良好であるため、樹脂材料の樹脂成分としてポリアミド樹脂を用いた場合には、接着剤層の上層にフェノール樹脂系接着剤を用いると、スリーブ38と樹脂材料とがフェノール樹脂系接着剤によって非常に強固に接着される。よって、スリーブ38の表面を粗面化しなくても、十分に強固な接着力が得られる。ただし、スリーブ38の表面を粗面化した方が、接着力がより高くなることは勿論である。
下層に使用する接着剤に含有されるフェノール樹脂は、具体的にはレゾール型フェノール樹脂が好ましく、フェノール類とホルムアルデヒドとを塩基性触媒の存在下で反応させることによって得られる。
また、下層に使用する接着剤に含有されるエポキシ樹脂は、具体的にはグリシジル型のものが好ましく、エピクロロヒドリンと活性水素化合物とから得られる。この活性水素化合物としては、フェノール誘導体類,グリコール類,有機酸類,アミン類等があげられるが、接着剤としての保存安定性やコスト面を考慮するとフェノール誘導体が好適である。なお、下層に使用する接着剤の具体例としては、ロードファーイースト社製のXPJ−60があげられる。
さらに、接着剤の代わりにプライマーとして使用するカップリング剤の種類は、特に限定されるものではないが、シラン系,クロム系,チタネート系,アルミネート系のカップリング剤が好ましい。ただし、現在はシラン系カップリング剤が主流である。シラン系カップリング剤は、金属製のスリーブ331aと結合するシラノール基を分子の一端に有し、樹脂材料(又は上層)と結合可能な有機官能基を分子の他端に有している。
本発明においては、各種樹脂材料に対する反応性の高さから、シラン系カップリング剤の中でもアミノシラン系カップリング剤が特に好適である。アミノシラン系カップリング剤としては、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランが好適である。なお、アミノシラン系カップリング剤の具体例としては、信越シリコーン株式会社製のKBP−40やKBP−43があげられる。
下層を形成する際には、イソプロピルアルコール,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等の有機溶剤、又はこれらの混合溶剤に、前記接着剤を0.5〜20質量%の濃度になるように溶解させた有機溶剤溶液を用いることができる。また、接着剤の代わりにカップリング剤を用いる場合には、0.1〜2.0質量%の濃度になるように、前記カップリング剤を水,アルコール,又は水とアルコールの混合溶剤で希釈して用いることができる。
そして、接着剤の有機溶剤溶液又はカップリング剤の希釈液を、浸漬、噴霧、塗付(刷毛塗り)等の方法によりスリーブ38の表面に配して、厚さ0.5〜5μmの膜状とし、室温下で乾燥した後に、例えば150〜250℃で5〜30分間乾燥・硬化させると、下層がスリーブ331aに焼き付けられる。
一方、上層に使用する接着剤としては、レゾール型フェノール樹脂を主成分とする接着剤組成物を、5〜40質量%の固形分濃度で有機溶剤に溶解させた有機溶剤溶液を用いることが好ましい。レゾール型フェノール樹脂を主成分とする接着剤組成物としては、例えば、ロードファーイースト社製のTS1677−13や、東洋化学研究所製のメタロックN−15、メタロックN−23(若干量のエポキシ樹脂を含有する)があげられる。
そして、この有機溶剤溶液を、浸漬、噴霧、塗付(刷毛塗り)等の方法によりスリーブ38の表面に配して、厚さ0.5〜5μmの膜状とし、室温下で乾燥した後に、例えば100〜150℃で数分〜30分間乾燥・硬化させると、インサート成形時の高温高圧の溶融樹脂によって流失されない程度の半硬化状態で、上層がスリーブ38に焼き付けられる。そして、インサート成形時の溶融樹脂からの熱、さらには、それに引き続く二次加熱(例えば、150℃で2時間の熱処理)によって、上層が完全に硬化する。
軸受支持部331及びボルト締結部37を形成する長繊維強化樹脂に用いられる樹脂組成物は、PA6,PA66,PA46,芳香族PAに代表されるポリアミド樹脂,ポリフェニレンサルファイド樹脂,ポリエーテルエーテルケトン樹脂,熱可塑性ポリイミド樹脂或いはフェノール樹脂,エポキシ樹脂,熱硬化性ポリイミド樹脂に代表される熱硬化性樹脂があげられるが、樹脂組成物の耐衝撃性を考慮すると、数平均分子量が15000〜30000、より好ましくは20000〜28000の範囲の熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。
長繊維強化樹脂に用いられる強化繊維は、特に限定されるものではないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、が好適である。これらの強化繊維は1種を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。前期強化繊維の樹脂材料への含有量は、10〜75質量%が好ましい。含有量が10質量%未満であると、長繊維強化樹脂の機械的強度及び寸法安定性が不充分となるおそれがある。一方、75質量%を越えると、長繊維強化樹脂の靭性や耐冷熱衝撃性が不充分となるおそれがあり好ましくない。
前記強化繊維の平均繊維長は0.5mm以上5mm以下であることが好ましく、1mm以上4mmであることがより好ましい。平均繊維長が0.5mm未満であると、ハウジング33A及びカバー33Bの耐衝撃性や寸法安定性が不充分となるおそれがある。一方、平均繊維長が5mmを超えると、成型過程において繊維が折損し、ハウジング33A及びカバー33Bの耐衝撃性や寸法安定性が不充分となるおそれがあり好ましくない。
長繊維強化樹脂に用いられる強化繊維の平均繊維径は3μm以上30μm以下が好ましく、5μm以上20μm以下がより好ましい。平均繊維径が3μm未満であると、樹脂材料と混合した際に繊維間の凝集が起こり、強化繊維の分散が不均一となるおそれがある。一方、平均繊維径が30μmを越えると、射出成型の際に繊維の配向や分散に問題が生じるおそれがあるため好ましくない。
なお、上記長繊維強化樹脂には、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、可塑剤、無機または有機難燃剤、その他補強剤、等を必要に応じて適宜添加してもよい。
芯材332は、一方向或いは織物繊維から成るプリプレグを板状に積層する事により形成する。プリプレグは、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂に代表される熱硬化性樹脂を22〜50質量%、より好ましくは25〜40質量%含有している。熱硬化性樹脂の量が22質量%を下回ると、繊維間に樹脂が行き渡らず、プリプレグ同士の接着性が低下すると共に、ボイドが発生しやすくなり、50質量%を超えると、繊維の数が減少するため、プリプレグの強度や剛性が低下する。プリプレグに使用される繊維は、炭素繊維やガラス繊維、アラミド繊維の少なくとも一つを一方向に配向した一方向プリプレグや、上記繊維の何れかを織り込んだ織物プリプレグを用いることができる。特に、炭素繊維については、直径5〜15μmの範囲にあり、引張り強度が3〜8.5GPa、引張り弾性率が200〜800GPa、伸度が1.0〜2.2%の範囲に入るものが望ましい。
プリプレグを積層した後に130℃で2時間保持する事により樹脂を硬化させ、切削加工により不要な部分を除去することにより芯材36Aを得る。あるいは、プリプレグを裁断や打ち抜き等により所定の形状とした後に積層し、130℃で2時間保持する事により樹脂を硬化させ、芯材36Aを得る。
本発明による実施例及び比較例を以下に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
アルミ合金製のスリーブ38をインサートとして、長繊維強化樹脂でインサート成形し、軸受支持部331を形成した。また、一方向炭素繊維、熱硬化性樹脂量25質量%のプリプレグを所定の形状に裁断して積層し、130℃で2時間保持して芯材36Aを形成した。そして、軸受支持部331と、芯材36Aとをインサートとして長繊維強化樹脂をインサート成形し、軸受支持部331と、芯材36Aを一体化させ、さらにボルト締結部37を形成したハウジング33Aを形成した。
これを実施例とし、ダイキャスト成型により作成したアルミ合金製ハウジングを比較例として、剛性と質量の比較を行った。結果を表1に示す。
Figure 2014162414
表1に示すように、実施例によるハウジング33Aは、従来のアルミ合金製ハウジングと同等の剛性を有しつつ、大幅に軽量化することができる。
10 ステアリングホイール
11 ステアリング軸
11a (ステアリング軸)上部軸
11b (ステアリング軸)下部軸
12 ステアリングコラム
13 電動モータ
13a (電動モータ)駆動軸
20 ラックアンドピニオン機構
21 ラック
22 ピニオン
30 減速歯車機構
31 ウォームホイール
32 ウォーム
32a ウォーム軸
32b ウォーム軸
33 ギヤボックス
33A ハウジング部材
33B カバー部材
33C ボルト
34a 転がり軸受
34b 転がり軸受
35a 転がり軸受
35b 転がり軸受
36A 芯材
36B 芯材
37A ボルト締結部
37B ボルト締結部
38 スリーブ
100 電動パワーステアリング装置
331 軸受支持部

Claims (4)

  1. 運転者の操舵により回転するステアリング軸から前記運転者の操舵状況をセンサにより検出し、前記操舵状況の検出結果より電動モータを回転させ、前記電動モータの回転力を減速歯車機構を介して車両のステアリング機構に伝達する電動パワーステアリング装置の、前記センサと、前記減速歯車機構との少なくとも一方を格納するハウジングであって、前記ハウジングは、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維の少なくとも一つから構成される連続強化繊維を10〜75%含有する熱硬化性樹脂或いは熱可塑性樹脂からなる連続繊維強化樹脂を芯材とし、前記芯材に平均繊維長0.5mm以上5mm以下、且つ、平均繊維径3〜30μmの強化繊維を10〜50質量%含有する熱可塑性樹脂をインサート成形する事により、形成されることを特徴とする電動パワーステアリング装置用ハウジング。
  2. 請求項1に記載の電動パワーステアリング装置用ハウジングであって、前記連続繊維強化樹脂のマトリックスは、PA6、PA66、PA46、芳香族PAに代表されるポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂に代表される熱硬化性樹脂の何れかであることを特徴とする電動パワーステアリング装置用ハウジング。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置用ハウジングであって、減速歯車機構の回転軸を支持する部材として、環状の金属製芯金がインサート成型によって内蔵されることを特徴とする電動パワーステアリング装置用ハウジング。
  4. 運転者の操舵により回転するステアリング軸から前記運転者の操舵状況をセンサにより検出し、前記操舵状況の検出結果より電動モータを回転させ、前記電動モータの回転力を減速歯車機構を介して車両のステアリング機構に伝達する電動パワーステアリング装置であって、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電動パワーステアリング装置用ハウジングが用いられていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2013037011A 2013-02-27 2013-02-27 電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置 Pending JP2014162414A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013037011A JP2014162414A (ja) 2013-02-27 2013-02-27 電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013037011A JP2014162414A (ja) 2013-02-27 2013-02-27 電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014162414A true JP2014162414A (ja) 2014-09-08

Family

ID=51613412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013037011A Pending JP2014162414A (ja) 2013-02-27 2013-02-27 電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014162414A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137013A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 株式会社ジェイテクト ラックハウジングの製造方法、およびラックハウジング
KR20160044649A (ko) * 2014-10-15 2016-04-26 현대모비스 주식회사 전동식 조향장치
KR20180061549A (ko) * 2016-11-29 2018-06-08 계양전기 주식회사 전자식 주차 브레이크용 액츄에이터의 기어박스 구조체

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015137013A (ja) * 2014-01-22 2015-07-30 株式会社ジェイテクト ラックハウジングの製造方法、およびラックハウジング
KR20160044649A (ko) * 2014-10-15 2016-04-26 현대모비스 주식회사 전동식 조향장치
KR102207571B1 (ko) 2014-10-15 2021-01-27 현대모비스 주식회사 전동식 조향장치
KR20180061549A (ko) * 2016-11-29 2018-06-08 계양전기 주식회사 전자식 주차 브레이크용 액츄에이터의 기어박스 구조체
KR101883796B1 (ko) * 2016-11-29 2018-08-01 계양전기 주식회사 전자식 주차 브레이크용 액츄에이터의 기어박스 구조체

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190248107A1 (en) Prepreg laminate and fiber-reinforced composite material, and method of producing fiber-reinforced composite material
JP2013208927A (ja) ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置
US6287209B1 (en) Propeller shaft and method of producing the same
JP2014162414A (ja) 電動パワーステアリング装置用ギヤボックス及びそのカバー、並びに電動パワーステアリング装置
JP2007092716A (ja) 翼構造体およびその製造方法
JP2006297927A (ja) 自動車用構造体
JP6459557B2 (ja) 電動パワーステアリング装置のギヤボックスのハウジング部材及びカバー部材の製造方法
US20150219201A1 (en) Method of manufacturing bar member and bar member
US20150105165A1 (en) Hybrid Shaft for Motor Vehicles
EP2650126A1 (de) Mehrschichtiges thermoplastisches Faser-Matrix-Halbzeug
JPWO2014077006A1 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5857628B2 (ja) 電動パワーステアリング装置の製造方法
JP2020099543A5 (ja)
JP5092884B2 (ja) ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置及びその製造方法
JP5206125B2 (ja) ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置
JP2010089524A (ja) ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置の製造方法
JP2013112052A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2013112312A (ja) 電動パワーステアリング装置
CN103158768B (zh) 复合材料底盘框架及其制造方法
JP2011093443A (ja) ラックアンドピニオン式電動パワーステアリング装置の製造方法
JPS6041246B2 (ja) 繊維強化プラスチツク製プロペラシヤフト
JP2010095208A (ja) ステアリング軸
JP2012153314A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリング装置用ラック
KR101810270B1 (ko) 전동식 동력 조향 장치의 스티어링 컬럼 및 그 제작 방법
KR101704038B1 (ko) 자동차용 프로펠러샤프트 및 그 제조방법