本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
[遊技用システムの構成]
図1は、本発明が適用された本実施例の遊技用システムの構成を示す図である。本実施例の遊技用システムは、図1に示すように、遊技場において複数配置された遊技島に並設された複数の機種のスロットマシン1と、該スロットマシン1に対して1対1に対応設置された呼び出しランプ装置200と、各スロットマシン1の遊技情報を収集する収集ユニット50、該収集ユニット50にて収集された各遊技情報に基づく遊技情報データをホールコンピュータ140に中継する中継ユニット60と、各中継ユニット60にて中継された当該遊技場に設置されている各スロットマシン1の遊技情報を含む遊技情報データを受信し、該受信した遊技情報データに含まれる各スロットマシン1の遊技情報などを管理するホールコンピュータ140とを含む。
本実施例の遊技島には、図1に示すように、その側面に複数のスロットマシン1ならびに該スロットマシン1において遊技を行うための遊技媒体であるメダルを貸し出すためのメダル貸出機102とが並設されているとともに、呼び出しランプ装置200が、対応するスロットマシン1の上方位置に設けられており、本実施例に用いた該呼び出しランプ装置200は、通常のランプの点灯機能に加えて、その前面に表示部を有することで、各種の遊技情報やメッセージなどの表示機能を有している。
また、本実施例のスロットマシン1と収集ユニット50とは、図1に示すように信号ケーブル59を介して接続されており、各収集ユニット50はさらに通信ケーブル61を介して中継ユニット60と接続されており、これら収集ユニット50と中継ユニット60とは簡易ローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされていて、収集ユニット50が各スロットマシン1から出力される後述する各種の信号の入力により収集した遊技情報含む遊技情報データや、遊技状態履歴(状態別データ)を含む遊技状態履歴データを送信するようになっている。
さらに、これら各中継ユニット60はハブ57を介して通信ケーブル58にてホールコンピュータ140に接続されていて、中継ユニット60とホールコンピュータ140とが、比較的高速のデータ通信可能なローカルエリアネットワークにより双方向にデータ通信可能とされており、前記中継ユニット60にて各収集ユニット50から送信された送信データが中継されてホールコンピュータ140に送信されることで、該ホールコンピュータ140が各スロットマシン1に関する情報を収集して集中管理できるようになっている。
また、本実施例の呼び出しランプ装置200も、収集ユニット50と同様に中継ユニット60を介してホールコンピュータ140に接続されており、これら中継ユニット60を介して呼び出しランプ装置200とホールコンピュータ140とが、双方向のデータ通信を実施できるようになっており、各呼び出しランプ装置200が対応するスロットマシン1の機種設定や、遊技情報に関する各種の条件設定などをホールコンピュータ140において実施できるようになっている。
[スロットマシンの構成]
まず、本実施例に用いたスロットマシン1について以下に説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図3に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図2に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図4に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図5参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図5参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図5参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のRT2終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のRT2終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図3参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図5参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図3に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図5参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
なお、電源ボックスは、筐体1aの内部に設けられており、さらに前面扉1bは、店員などが所持する所定のキー操作により開放可能な構成であるため、これら電源ボックス100の前面に設けられた設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39は、キーを所持する店員などの者のみが操作可能とされ、遊技者による操作ができないようになっている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図2参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図2に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図2参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールが1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図5は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図5に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40および遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブルおよびコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、たとえば図6に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、たとえば図6に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすればよい。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図6は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図6に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図6に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバスおよび各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。たとえば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであればよい。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、たとえばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、たとえばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、たとえば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、たとえばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されてもよい。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、たとえばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されればよい。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップごとに異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップごとに異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていればよい。なお、固有情報記憶回路503は、たとえばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしてもよい。或いは、固有情報記憶回路503は、たとえばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしてもよい。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。なお、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていればよい。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行なわれる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(またはCPU505)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データなどが記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。なお、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されてもよい。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、たとえば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであってもよい。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、たとえば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(たとえばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであればよい。また、CTC508は、たとえば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵してもよい。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであればよい。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセットごとにランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセットごとにランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでもよい。或いは、これらのフリーランカウンタは、たとえばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれてもよい。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、たとえば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしてもよい。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。なお、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであってもよいし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであってもよい。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、たとえば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505などに接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505などに接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図6に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行なわれることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)ごとに後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。なお、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)ごとにタイマ割込処理(メイン)を実行する。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図2参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行なわれる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達するごと、すなわち一定時間間隔(約2ms)ごとに割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに割り当てられたバックアップ領域に記憶されているデータが保持されるようになっている。
[設定値]
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
[タイマ割込処理]
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行ない、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
なお、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としてもよい。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であればよく、たとえば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
また、本実施例のスロットマシン1においてサブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)を実行するごとに、電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行ない、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、後述するナビストック数、ARTの発生状況、ARTの残りゲーム数など、遊技者にとっての利益に関連するデータと、いずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータと、を格納するとともに、バックアップ領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにパリティ調整用データを計算し、バックアップ領域に格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM91cのバックアップ領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM91cのバックアップ領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM91cのバックアップ領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのバックアップ領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいて前述した遊技者にとっての利益に関連するデータをRAM91cの所定の領域に復帰させる一方、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、遊技者にとっての利益に関連するデータが格納されているバックアップ領域を含めRAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのバックアップ領域に格納されたデータが正常と判断された場合であり、これらのデータを復帰させることが可能であっても、メイン制御部41から後述の設定開始を示す設定コマンド、すなわち後述のようにメイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示すコマンドを受信した場合には、遊技者にとっての利益に関連するデータが格納されているバックアップ領域を含めRAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
なお、本実施例では、RAM91cのバックアップ領域から復帰させるデータ以外はサブ制御部91の起動時に一度初期化される構成であるが、メイン制御部41と同様に、RAM91cの全ての領域のデータを電断時も保持するとともに、起動時においてRAM91cの全ての領域を復帰させる構成としてもよい。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データなど、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数など、RT2終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワークおよび使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、RT2終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域および未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域および未使用スタック領域が初期化される。
なお、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしてもよい。
[入賞ライン]
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、がある。なお、本実施例では、小役と再遊技役のみを備える構成であるが、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴なう特別役を備えていてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
[内部抽選]
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行なわれる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、内部当選フラグ格納ワークに設定された当選フラグは、1ゲームごとにクリアされる。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、セキュリティチェックプログラム506Aに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行なわれたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行なわれることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行なわれた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行なわれ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行なわれることとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
なお、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
[送信コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、ARTゲーム数コマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、判定用役当選コマンド、ART信号出力コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。また、後述のように通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23の当選時には、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23が当選したことに加え、その際選択される停止順種別も特定可能とされている。
フリーズコマンドは、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)の種別(後述するフリーズ1、2、3)、フリーズの開始およびフリーズに制御される時間を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
ARTゲーム数コマンドは、後述の特殊リプレイ入賞時、メイン制御部41が管理するARTの残りゲーム数(次回後述するフリーズ1に制御されるまでのゲーム数)が0となり、さらにナビストックありが判定される場合に実行するゲーム数抽選にてARTのゲーム数を決定したときに送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴なう停止制御が行なわれるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行なわれた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT0〜3のいずれか)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT2終了後、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間ごとに送信される。
判定用役当選コマンドは、判定用役(ベルまたはリプレイGR21〜23)に当選したことおよび当選した判定用役の種類を示すコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選した場合にゲームが開始したときにコマンドバッファに格納された後送信される。ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり(図20のSg3)、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。なお、判定用役当選コマンドには停止順種別を示す情報も付加される。本実施形態においては、判定用役として、ベルおよびリプレイGR21〜23が定められている。
ART信号出力コマンドは、後述するRT2でAT(アシストタイム)に制御された状態すなわちART(アシストリプレイタイム)への制御を開始したことを示すART信号を外部出力したことを示すコマンドであり、ART信号の出力命令を設定した際にコマンドバッファに格納された後送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行されるごとに、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示す投入枚数コマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行なわれることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、該特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行ない、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
また、サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定されるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされているMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされており、これらの検出状態の変化を特定することで、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できるようになっている。
また、本実施例において、サブ制御部91は、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドから特定される当選役の種類に応じて、当選役示唆演出または継続示唆演出を実行する。
より具体的には、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドによって後述するチェリー役(弱チェリー、強チェリー)、およびリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことを特定したときには、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出を実行する。ただし、サブ制御部91は、後述するAT中に限って、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドによってリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことを特定したときには、当選役示唆演出を実行する代わりに、現在のゲームにおいて制御中の演出制御状態に関する有利度を示唆する継続示唆演出を実行する。本実施例では、サブ制御部91は、現在制御中のATが終了した後に次のATに継続する可能性がある旨を継続示唆演出によって示唆する。
また、本実施例において、サブ制御部91は、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信した場合に、図36に示す判定用ナビ演出処理を実行する。判定用ナビ演出とは、判定用役であるベルまたはリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、メイン制御部41により決定された停止順種別に基づきサブ制御部91が実行するナビ演出のことである。
また、本実施例において、サブ制御部91は、メイン制御部41からART信号出力コマンドを受信した場合に、図35に示すART信号出力フラグ制御処理を実行する。ART信号出力フラグは、ART信号が出力されたことを示すフラグであり、サブ制御部91はART信号出力フラグがセットされているか否かによって、ART中にART信号が出力されたか否かを識別する。そして、ART中にART信号が出力されるまでは判定用ナビ演出を実行し、ART信号の出力後以降は判定用ナビ演出を実行しない。
[入賞役および遊技状態の遷移]
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
図7、図8は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図9は、移行出目の図柄組み合わせ、および移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態およびRTの概要を示す図である。
本実施例におけるスロットマシンは、図10に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。
図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、下段チェリー、1枚役が含まれる。
中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図4を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
右下がりベルは、入賞ラインLNに「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lのリプレイおよびプラムは、ベルの1つ下の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイおよびプラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので、「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。
また、プラム、リプレイのいずれか一方は、左リール2L、右リール2R各々において5コマ以内に配置されており、ベルは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
次に、上段ベル1〜8について説明する。上段ベル1は、入賞ラインLNに「リプレイ−オレンジ−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル2は、入賞ラインLNに「リプレイ−オレンジ−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル3は、入賞ラインLNに「リプレイ−BAR−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル4は、入賞ラインLNに「リプレイ−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル5は、入賞ラインLNに「プラム−オレンジ−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル6は、入賞ラインLNに「プラム−オレンジ−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル7は、入賞ラインLNに「プラム−BAR−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル8は、入賞ラインLNに「プラム−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lのリプレイおよびプラム、中リールのBARおよびオレンジ、右リール2RのBARおよびオレンジは、ベルの1つ下の位置に配置されているので、「リプレイ−オレンジ−オレンジ」、「リプレイ−オレンジ−BAR」、「リプレイ−BAR−オレンジ」、「リプレイ−BAR−BAR」、「プラム−オレンジ−オレンジ」、「プラム−オレンジ−BAR」、「プラム−BAR−オレンジ」、「プラム−BAR−BAR」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいて、リプレイおよびプラムは、5コマ以内に配置されておらず、中リール2C、右リール2Rの各々について、オレンジおよびBARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において上段ベル1〜8のいずれかに当選していても、当選している上段ベルの構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベルに入賞することはない。
下段チェリーは、入賞ラインLNに「BAR−オレンジ−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」、「BAR−BAR−ANY」、「BAR−ベル−ANY」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。下段チェリーが入賞すると2枚メダルが払い出される。
ここで、図4を参照すると、左リール2LのBARは、チェリーの1つ上の位置に配置されているので、「BAR−オレンジ−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」、「BAR−BAR−ANY」、「BAR−ベル−ANY」のいずれかの組み合わせが揃うと、左リールの「チェリー」が下段に停止することとなり、「チェリー−ANY−ANY」の組み合わせが下段および右上がり、すなわち無効ラインLM2およびLM4に揃うこととなる。
また、中リール2Cにおいてオレンジ、BAR、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されているが、左リール2Lにおいて、BARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、下段チェリーに入賞することはない。
1枚役は、入賞ラインLNに「黒7−チェリー−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lの黒7、中リールのチェリー、右リールの網7は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚役に当選していても、左リール2L、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、1枚役に入賞することはない。
次に、図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ含まれる。
通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
下段リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−オレンジ−オレンジ」、「ベル−オレンジ−チェリー」、「ベル−オレンジ−スイカ」、「ベル−オレンジ−黒7」、「ベル−オレンジ−網7」、「ベル−オレンジ−白7」、「ベル−BAR−オレンジ」、「ベル−BAR−チェリー」、「ベル−BAR−スイカ」、「ベル−BAR−黒7」、「ベル−BAR−網7」、「ベル−BAR−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cのオレンジ、BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されているので「ベル−オレンジ−オレンジ」、「ベル−オレンジ−チェリー」、「ベル−オレンジ−スイカ」、「ベル−オレンジ−黒7」、「ベル−オレンジ−網7」、「ベル−オレンジ−白7」、「ベル−BAR−オレンジ」、「ベル−BAR−チェリー」、「ベル−BAR−スイカ」、「ベル−BAR−黒7」、「ベル−BAR−網7」、「ベル−BAR−白7」のいずれかの組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「リプレイ−プラム−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−リプレイ−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−プラム−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、チェリー、スイカ、黒7、網7、白7の1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において下段リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
転落リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのベルは、リプレイの1つ下の位置に配置されているので「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において転落リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
図10に示すように、RT0、RT2において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
昇格リプレイ1は、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイ2は、入賞ラインLNに「ベル−オレンジ−リプレイ」、「ベル−オレンジ−プラム」、「ベル−BAR−リプレイ」、「ベル−BAR−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図4を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cのオレンジ、BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイ、プラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので「ベル−オレンジ−リプレイ」、「ベル−オレンジ−プラム」、「ベル−BAR−リプレイ」、「ベル−BAR−プラム」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において昇格リプレイ2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
図10に示すように、RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、RT2、RT3における内部抽選においては当選しないように設定されている。このため、RT2、RT3においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、RT2、RT3からRT0に制御されないように構成されており、RT1であるときにのみ昇格リプレイが入賞し、当該RT1からのみRT0に制御されるように構成されている。
特殊リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−リプレイ」、「ベル−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
図10に示すように、RT0において特殊リプレイに入賞した後は、RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、RT1、RT3における内部抽選においては当選しないように設定されている。このため、RT1、RT3においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、RT1、RT3からRT2に制御されないように構成されており、RT0であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該RT0からのみRT2に制御されるように構成されている。
[移行出目]
次に、図9を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図9に示すように、「リプレイ−オレンジ−ベル」、「リプレイ−BAR−ベル」、「プラム−オレンジ−ベル」、「プラム−BAR−ベル」、「リプレイ−ベル−オレンジ」、「リプレイ−ベル−BAR」、「プラム−ベル−オレンジ」、「プラム−ベル−BAR」、「黒7−オレンジ−オレンジ」、「黒7−オレンジ−BAR」、「黒7−BAR−オレンジ」、「黒7−BAR−BAR」、「白7−オレンジ−オレンジ」、「白7−オレンジ−BAR」、「白7−BAR−オレンジ」、「白7−BAR−BAR」、「スイカ−オレンジ−オレンジ」、「スイカ−オレンジ−BAR」、「スイカ−BAR−オレンジ」、「スイカ−BAR−BAR」からなる20種類の組み合わせである。本実施例では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図10に示すように、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、RT1に制御される。なお、RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、RT1が維持されることとなる。
[抽選対象役]
次に、図12〜図14を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0であるか、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、によって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12〜図14においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図12および図13においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないこと、すなわち抽選の対象外であることを示している。
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行なわれる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「360」が設定されている抽選対象役の当選確率は、360/65536となる。
また、図13および図14は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される特別役の組み合わせを示し、図15は、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される役の組み合わせを示している。
RT0であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23が内部抽選の対象役となる。
RT1であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
RT2であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23が内部抽選の対象役となる。
RT3であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
なお、図14に示すように、弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリー当選時、強チェリー当選は、ともに「BAR」の引込範囲内となるタイミングで左、中リールの停止操作が行なわれた場合に、「BAR−BAR−ANY」の組み合わせを導出可能に制御されることとなるが、弱チェリー当選時は、「BAR」の引込範囲内となるタイミングで左、中、右リールの停止操作が行なわれた場合に、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃わないように制御されるのに対して、強チェリー当選時は、「BAR」の引込範囲となるタイミングで左、中、右リールの停止操作が行なわれた場合に、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うように制御される。
このため、左、中、右リールにそれぞれ「BAR」を狙って停止操作を行った場合において、左リール2Lの下段にチェリーが停止した際に、中段に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うか否かにより強チェリーであるか弱チェリーであるか、を認識できる。
以下では、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中断に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃う停止態様を強チェリー目と呼び、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中断に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃わない停止態様を弱チェリー目と呼ぶ。
なお、強チェリーの当選時であっても、左リールのみ「BAR」が引込範囲となるタイミングで停止操作がされ、右リールにおいて「BAR」が引込範囲となるタイミングで停止操作がなされなければ、弱チェリー当選時と同様の出目、すなわち弱チェリー出目が導出されることとなる。
ベルとは、中段ベル+右下がりベルである。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4である。左ベル1〜4を単に左ベルとも呼ぶ。中ベル1とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8である。中ベル1〜4を単に中ベルとも呼ぶ。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8である。右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも呼ぶ。
昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2である。
リプレイGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR3とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイであり、リプレイGR4とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイであり、リプレイGR5とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR6とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイである。
リプレイGR11とは、転落リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR12とは、転落リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR13とは、転落リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1である。
リプレイGR21とは、特殊リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR22とは、特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR23とは、特殊リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1である。
このように、遊技状態がRT0〜3のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜3のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役およびその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行なわれる。
[再遊技役当選時のリール制御]
本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図15に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図15は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR2(通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2)が当選し、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR3(通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイ)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR4(通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイ)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR5(通常リプレイ+昇格リプレイ2)が当選し、右左中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右左中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR6(通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイ)が当選し、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図4に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2および通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
このように、リプレイGR1〜6とで、昇格リプレイ1、2に入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となるRT1において、リプレイGR1〜6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、RT0に移行することとなる。
リプレイGR11(転落リプレイ+通常リプレイ)が当選し、左中右または左右中の順番で停止操作がなされた場合、すなわち左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左中右および左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR12(転落リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ)が当選し、中左右または中右左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち中リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中左右および中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR13(転落リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、右左中または右中左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右左中および右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図4に示すように、転落リプレイおよび通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、転落リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
このように、リプレイGR11〜13とで、転落リプレイを回避するため操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR11〜13が内部抽選の対象となるRT0、RT2において、リプレイGR11〜13のいずれかが当選していれば1/3の確率で通常リプレイが入賞してRT1への移行を回避できる一方で、2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に移行することとなる。
リプレイGR21(特殊リプレイ+通常リプレイ)が当選し、左中右または左右中の順番で停止操作がなされた場合、すなわち左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左中右および左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR22(特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ)が当選し、中左右または中右左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち中リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中左右および中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR23(特殊リプレイ+通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、右左中または右中左の順番で停止操作がなされた場合、すなわち右リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、右左中および右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図4に示すように、特殊リプレイおよび通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、特殊リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行なわれる。
このように、リプレイGR21〜23とで、特殊リプレイを入賞させるため操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR21〜23が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR21〜23のいずれかが当選していれば1/3の確率で特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することとなる。
[小役当選時のリール制御]
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図16に示すように、同時当選した小役の種類および停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行なわれる。図16は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
左ベル1(右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル6、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2(右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル5、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル3(右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル3または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル4(右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル4または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図4に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行なわれる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行なわなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
中ベル1(中段ベル+上段ベル2+上段ベル5)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル2(中段ベル+上段ベル1+上段ベル6)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル3(中段ベル+上段ベル4+上段ベル7)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル4、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル4(中段ベル+上段ベル3+上段ベル8)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル3、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図4に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行なわれる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行なわなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
右ベル1(中段ベル+上段ベル3+上段ベル5)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル3、上段ベル5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル2(中段ベル+上段ベル1+上段ベル7)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル3(中段ベル+上段ベル4+上段ベル6)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル4、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル4(中段ベル+上段ベル2+上段ベル8)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行ない、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図4に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行なわれる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行なわなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施例では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。また、特にRT0、2、3においては、移行出目が停止することでRT1へ移行することとなる。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順および操作のタイミングにかかわらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
[遊技状態の遷移]
本実施例では、図10および図11に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。
RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数にかかわらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行することで終了する。
RT0における再遊技役の当選確率は、約約1/1.4であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。RT0において内部抽選の対象となる役のうちリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23は、図13に示すように、ともに最も当選確率の高い役である。
RT1は、RT0、RT2、RT3において移行出目が停止するか、RT0、RT2において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行することで終了する。
RT1における再遊技役の当選確率は、約約1/7.3であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR1〜6のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイが入賞し得る。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT2は、転落リプレイが入賞するか移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。
RT2における再遊技役の当選確率は、約約1/1.13であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。RT2において内部抽選の対象となる役のうち通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23は、図13に示すように、ともに最も当選確率の高い役である。
RT3は、設定変更後に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数にかかわらず、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。
RT3における再遊技役の当選確率は、約約1/7.3であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイのみが入賞し得る。
RT0〜3のうちRT0、2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
本実施例におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。なお、本実施例では、サブ制御部91側の演出制御状態として、ATに制御していない非ATのときを通常状態として説明する。
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図10に示すように、設定変更後にRT3に移行する。
RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行する。
RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、RT1に移行することとなる。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行する。
RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行することとなる。
RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行する。
RT0においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。また、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解すると特殊リプレイが入賞する。また、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT0では、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解することでRT2へ移行し、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
RT2では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行する。
RT2においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT2では、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
サブ制御部91は、後述のATに制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23である。また、RT2であるときにはリプレイGR11〜13である。RT0〜2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。なお、本実施例では、弱チェリーや強チェリーといったチェリー役はナビ対象役に含まれていない。なぜならば、チェリー役は、目押しによって回転するリールの図柄を所望の位置で停止できる遊技者であれば、いずれの操作手順であっても入賞させることが可能であるため、ナビ演出によって操作手順を教える必要がないからである。一方、リプレイGR11〜13、21〜23などの役は、予め決められた操作手順で操作しなければ、いくら目押しをしたところでも入賞させることはできないため、ナビ演出によって操作手順を教える必要がある。
また、リプレイGR11〜13、21〜23への当選は、当選役示唆演出の実行契機にもなっているが、ナビ演出と当選役示唆演出とは同じ1ゲーム内で実行されないようになっている。なぜならば、当選役示唆演出はチェリー役に当選した旨、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する演出であるにもかかわらず、ナビ対象役であるリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときに実行されるナビ演出も同時に実行されてしまうと、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまうからである。
[ナビ演出]
本実施例のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行なわれる。ナビ画像として、たとえば、リプレイGR1や左ベルに当選したときには、「123」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「132」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とを表示する。また、ナビ音声として、たとえば、「左中右!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「左右中!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチの押下順序を示す音声を出力する。なお、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、たとえば最初に「左!」と出力され、リール2Lを停止させると次に「中!」と出力され、リール2Lおよびリール2Cを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他のリプレイGR2〜36や押し順ベルに関しても、リプレイGRに応じたナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図15参照)が報知される。
リプレイGR11〜13に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイを回避するための停止順(図15参照)が報知される。
リプレイGR21〜23に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための停止順(図15参照)が報知される。
また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための停止順(図16参照)が報知される。
以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類にかかわらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイの入賞、移行出目の停止を回避させることができる。たとえば、リプレイGR11に当選したときには、左第1停止以外の操作をすると、左第1停止したときよりも、遊技者にとって不利となる転落リプレイが入賞するが、ナビ演出が実行されることにより、意図的に転落リプレイの入賞を回避させることができる。これにより、ナビ対象役に当選したときの行なわれるナビ演出に対して遊技者に注目させることができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[外部出力について]
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。
これら外部出力信号は、図17に示すように、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、外部出力基板1000、スロットマシン1が設置される遊技店(ホール)の情報提供端子板1010を介してホールコンピュータやスロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。
遊技制御基板40から外部出力基板1000に対しては、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、RT2の開始および終了のいずれか一方を示すRT2信号、ARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、後述する設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。
なお、本実施例では、他のスロットマシンとの共通化を図るため、遊技制御基板40と外部出力基板1000との間には、上記の信号を出力する信号線に加えて、遊技状態を示す予備の信号線が接続されており、さらに将来拡張する可能性のあるエラー出力用の信号線が接続されている。
外部出力基板1000には、リレー回路1001、パラレル・シリアル変換回路1002、出力信号ごとの端子が設けられ、情報提供端子板1010の回路と電気的に接続するための接続されるコネクタ1003が設けられている。
遊技制御基板40から出力された信号のうち、メダルIN信号、メダルOUT信号、RT2信号は、リレー回路1001を介して、そのままパルス信号として情報提供端子板1010に出力される。
これに対してドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、パラレル・シリアル変換回路1002にて、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して情報提供端子板1010に出力される。
これら外部出力基板1000から出力されたメダルIN信号、メダルOUT信号、RT2信号は、情報提供端子板1010を介して外部機器へ出力される。一方、外部出力基板1000から出力されたセキュリティ信号は、情報提供端子板1010にて再度、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号に再変換されて外部機器へ出力されることとなる。
外部出力信号は、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を含むが、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。
このため本実施例では、上述のように遊技制御基板40から出力された外部出力信号を、外部出力基板1000を介して、外部機器に出力するとともに、これら外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、外部出力基板1000に搭載されたパラレル・シリアル変換回路1002によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
なお、本実施例のように、外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号をまとめてセキュリティ信号に変換して外部出力するものに限らない。たとえば、ドア開放信号のみを、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号とは別の信号で外部出力するものであってもよい。つまり、設定変更信号、投入エラー信号、および払出エラー信号は、セキュリティ信号に含まれて外部出力され、ドア開放信号は、セキュリティ信号とは別のドア開放信号によって外部出力されるものであってもよい。このようにすれば、メダルを補充するときなどのように、エラー時や設定変更時よりも頻繁に行なわれる可能性のあるドア開放時においては、エラー時や設定変更時とは別の信号が出力されることになる。その結果、セキュリティ信号に一つにまとめて出力される場合と比べて、エラー時や設定変更時と、ドア開放時とを切り分ける判定時間を省略することができ、判定処理を簡素化することができる。さらに、エラー時や設定変更時においては、必ずドア開放も同時にされることになるため、セキュリティ信号による検出とドア開放信号による検出とで2重チェックをすることができ、より詳細により正確に、エラーや設定変更の発生有無を判定することができる。
次に、本実施例におけるメイン制御部41が実行する各種制御内容、特に外部出力制御に関連する制御内容を中心に、図18〜図30に基づいて以下に説明する。
[起動処理]
メイン制御部41は、リセット回路49からシステムリセット信号が入力されると、図18のフローチャートに示す起動処理(メイン)を行う。また、ユーザリセット信号が入力された場合には、起動処理(メイン)のSa2のステップから処理を開始する。すなわち電源投入に伴なう起動の場合のみセキュリティチェック処理を行うセキュリティモードから開始する一方、ウォッチドッグタイマのタイムアップによる起動の場合には、セキュリティチェック処理を省略してROM506に記憶されたユーザプログラムを実行するユーザモードから開始されることになる。
システムリセット信号の入力に伴なう起動処理(メイン)では、まず、CPU505がROM506から読み出したセキュリティチェックプログラム506Aに基づき、セキュリティチェック処理を実行する(Sa1)。このとき、メイン制御部41は、セキュリティモードとなり、ROM506に記憶されているゲーム制御用のユーザプログラムは未だ実行されない状態となる。
Sa1のステップにおけるセキュリティチェック処理の終了後、メイン制御部41の動作状態がセキュリティモードからユーザモードへと移行し、ROM506に記憶されたユーザプログラムの実行が開始されることになる。なお、前述のようにユーザリセット信号の入力に伴なう起動時には、セキュリティモードを経ずにユーザモードから開始することとなる。
ユーザモードではまず、シリアル通信回路511などの内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ、スイッチ類の検出状態、外部出力信号の出力状態などを初期化した後(Sa2)、IレジスタおよびIYレジスタの値を初期化する(Sa3)。IレジスタおよびIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM507の格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM507へのアクセスを許可し(Sa4)、RAM507の全ての格納領域(未使用領域および未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算する(Sa5)。次いで、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36bの状態を取得し、メイン制御部41の特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定した後(Sa6)、停電が検知された旨を示す電断フラグをクリアする(Sa7)。
次いで、Sa5のステップにおいて計算したRAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理(メイン)が行なわれていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM507に格納されているデータが正常ではなく、この場合には、RAM507の格納領域のうち、使用中スタック領域、非初期化領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa22)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa23)、設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理、すなわち設定変更状態に移行する。
Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理、すなわちRAM異常エラー状態に移行する。
Sa8のステップにおいて、RAMパリティが0であれば、さらに破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断処理(メイン)が行なわれていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM507のデータが正常ではないので、Sa22のステップに移行して初期化1を実行し、その後、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がonであれば、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。また、Sa23のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、RAM異常を示すエラーコードの設定(Sa24)、割込を許可して(Sa25)、エラー処理に移行する。
Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM507のデータは正常であるので、破壊診断用データをクリアし(Sa10)、RAM507の非保存ワーク、未使用領域および未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa11)、設定キースイッチ37がonか否かを判定し(Sa12)、設定キースイッチ37がonであれば、Sa20のステップに移行して初期化1を実行し、割込を許可して(Sa21)、設定変更処理に移行する。
Sa12のステップにおいて設定キースイッチ37がoffであれば、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、復帰後の状態において後述するRT2信号の出力制御中であるかを判定する(Sa14)。Sa14のステップにおいて復帰後の状態においてRT2信号の出力制御中でなければ、さらに復帰後の状態がRT2であるか否かを判定する(Sa15)。Sa15のステップにおいて復帰後の状態がRT2でなければ、Sa17のステップに進み、Sa14のステップにおいて復帰後の状態においてRT2信号の出力制御中であるか、Sa15のステップにおいて復帰後の状態がRT2であれば、RT2信号の出力命令をRAMに設定した後(Sa16)、Sa17のステップに進む。
Sa17のステップでは、割込を許可し、その後、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
[ゲーム処理]
図19は、メイン制御部41が設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、判定用コマンド生成、格納処理(Sd3)、リール回転処理(Sd4)、ART判定処理(Sd5)、入賞判定処理(Sd6)、払出処理(Sd7)、ゲーム終了時処理(Sd8)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM507に当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおける判定用役当選コマンド生成、格納処理では、後述する判定用役に当選したときに正解となる押し順を付加した判定用役当選コマンドを生成するとともに、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する処理を実行する。
Sd4のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd5のステップにおけるART判定処理では、サブ制御部91がRT2においてATに制御しているか否か(すなわちARTに制御しているか否か)を判定し、ARTが開始されたことを判定した場合にART信号を外部出力するためのART信号の出力命令を設定する処理を実行する。
Sd6のステップにおける入賞判定処理では、Sd4のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd7のステップにおける払出処理では、Sd6のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算ならびにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
Sd8のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、次ゲームからRT2が開始する場合およびRT2が当該ゲームで終了した場合には、RT2信号の出力命令をRAMに設定する。すなわち、RT2信号の出力命令は、RT2への制御契機となる特殊リプレイに入賞したとき、およびRT2の終了契機となる移行出目が停止したときに設定される。
[判定用役当選コマンド生成、格納処理]
次に、ゲーム処理のSd3のステップで実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理について説明する。
図20に示すように、メイン制御部41は、図21のSc11でカウント短縮フラグがセットされたか否かを判定する(Sg1)。ここで、本実施例では、後述するナビストックを1つ消化するたびに1セットのARTが実行され、1セットのARTはART開始時にメイン制御部41が決定するARTのゲーム数を消化すると終了する。複数のナビストックが付与されている場合には1セットのARTの終了後に引き続き2セット目のARTが開始される。そして、カウント短縮フラグは、1セット目のARTでART信号を出力するときにセットされ、全てのナビストックを消化してARTが終了し、RT2からRT1に移行したときにクリアされるので、カウント短縮フラグがセットされているということは1セット目のARTでART信号を出力した後(2セット目以降のARTも含む)の状態であることを識別できる。
カウント短縮フラグがセットされていない場合、すなわちARTに制御されていないか、または、1セット目のARTでART信号が出力される前である場合には、リプレイGR21〜23に当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(Sg2)。リプレイGR21〜23に当選していない場合には処理を終了する。リプレイGR21〜23に当選した場合には、ランダムに停止順種別を選択することによりリプレイGR21〜23に対する判定用の押し順を決定する(Sg3)。
リプレイGR21〜23のいずれかに対する停止順種別を決定して押し順を決定した後は、判定用役に当選したことを示す判定用役当選フラグをRAM41cの所定領域にセットし(Sg4)、判定用役に当選したことを示す判定用役当選コマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sg5)。
一方、カウント短縮フラグがセットされている場合、すなわち1セット目のARTでART信号を出力した後の場合には、ベルまたはリプレイGR21〜23に当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(Sg6)。ベルまたはリプレイGR21〜23に当選していない場合には処理を終了する。ベルまたはリプレイGR21〜23に当選した場合には、ランダムに停止順種別を選択することによりベルまたはリプレイGR21〜23に対する判定用の押し順を決定する(Sg3)。次いで、上記と同様にSg4,Sg5の処理を実行する。
ここで、Sg3の処理において選択される停止順種別およびこれにもとづいて決定される判定用の押し順について以下に説明する。
リプレイGR21〜23に対する判定用の押し順は、特殊リプレイが入賞する第1停止に加え、第2停止および第3停止に対しても押し順を割り振ることにより設定されている。すなわち、特殊リプレイを入賞させるには3択の押し順となるが判定用の押し順と一致させるには6択の押し順となる。
メイン制御部41は、リプレイGR21〜23が当選したときに、Sg3で選択する停止順種別にもとづいて決定する判定用の押し順に応じて以下のように判定する。なお、「左」はストップスイッチ8Lを操作することを示し、「中」はストップスイッチ8Cを操作することを示し、「右」はストップスイッチ8Rを操作することを示す。
メイン制御部41は、リプレイGR21の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が左中右(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左中右以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、リプレイGR21の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで左のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR21の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が左右中(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左右中以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、リプレイGR21の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では左右中の停止順を報知するナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで左のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR22の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が中左右(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中左右以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、リプレイGR22の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで中のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR22の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が中右左(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中右左以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、リプレイGR22の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで中のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR23の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が右左中(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右左中以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、リプレイGR23の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで右のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR23の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が右中左(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右中左以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、リプレイGR23の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで右のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
ベルに対する判定用の押し順は、左中右、左右中、中左右、中右左、右左中、右中左の6通りが設定されている。すなわち、ベルの判定用の押し順と一致させるには6択の押し順となる。
メイン制御部41は、ベルが当選したときにはSg3で選択する停止順種別に応じて以下のように判定する。
メイン制御部41は、ベルの当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が左中右(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左中右以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、ベルの当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで判定用ナビ演出は実行されない。
メイン制御部41は、ベルの当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が左右中(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左右中以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、ベルの当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では左右中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで判定用ナビ演出は実行されない。
メイン制御部41は、ベルの当選時に停止順種別2を選択した場合に、実際の停止順が中左右(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中左右以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、ベルの当選時に停止順種別2が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで判定用ナビ演出は実行されない。
メイン制御部41は、ベルの当選時に停止順種別3を選択した場合に、実際の停止順が中右左(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中右左以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、ベルの当選時に停止順種別3が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで判定用ナビ演出は実行されない。
メイン制御部41は、ベルの当選時に停止順種別4を選択した場合に、実際の停止順が右左中(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右左中以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、ベルの当選時に停止順種別4が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで判定用ナビ演出は実行されない。
メイン制御部41は、ベルの当選時に停止順種別5を選択した場合に、実際の停止順が右中左(判定用の押し順)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右中左以外の場合にはART中でないと判定する。
一方サブ制御部91は、ベルの当選時に停止順種別5が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たな1セットのARTが開始されるまで判定用ナビ演出は実行されない。
[ART判定処理]
次に、ゲーム処理のSd5のステップで実行するART判定処理について説明する。
図21に示すように、メイン制御部41は、図20のSg4で判定用役当選フラグがセットされたか否かを判定する(Sc1)。すなわち、ベルやリプレイGR21〜23に当選したか否かを判定する。判定用役当選フラグがセットされていない場合には処理を終了する。
判定用役当選フラグがセットされている場合には、ストップスイッチの実際の押し順と図20のSg3で選択して停止順種別にもとづいて決定した判定役用の押し順を比較する(Sc2)。押し順が一致した場合には(Sc3:Y)、判定用役に対する押し順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする押し順判定カウンタのカウント値に「1」加算する(Sc4)。
次いで、Sc11でセットされるカウント短縮フラグが既にセットされているか否かを判定する(Sc5)。
カウント短縮フラグがセットされていない場合、すなわちARTに制御されていないか、または、1セット目のARTでART信号が出力される前である場合には、押し順判定カウンタのカウント値が「3」になったか否かを判定する(Sc6)。すなわち、判定用役の押し順と実際の押し順が一致した回数が連続して3回になったか否かを判定する。カウント値が「3」でなければ処理を終了する。
一方、カウント値が「3」であれば、1セット目のARTが開始されたことを特定して所定制御としてART信号を出力することになるので、カウント短縮フラグをRAM41cの所定領域にセットする(Sc11)。ここで、3回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「3」になるので、1セット目のARTで判定用ナビ演出にしたがってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、このときは、ARTが開始されたことを特定し、ARTに移行したことを示すART信号の出力命令を設定する(Sc8)。ART信号の出力命令を設定した後は、ART信号を出力したことを示すART信号出力コマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc9)。次いで、判定用役当選フラグをクリアして処理を終了する(Sc10)。なお、ART信号の出力命令が設定されると、図22のSk17の処理によってART信号は情報提供端子板1010を介して外部機器に出力される(図24の処理とは別の処理によって出力)。ART信号を受信したデータ表示端末などの外部機器は、例えば、ARTに移行した回数を表示する。
また、Sc2でストップスイッチの実際の押し順と図20のSg3で決定した判定役用の押し順を比較した結果、押し順が一致しなかった場合には(Sc3:N)、押し順判定カウンタのカウント値をクリアし(Sc12)、判定用役当選フラグをクリアして処理を終了する(Sc10)。このように、押し順が一致しなかったときに押し順判定カウントのカウント値をクリアするので、押し順判定カウンタは連続して押し順が一致した回数をカウントすることになる。
また、Sc5でカウント短縮フラグがセットされていることを判定した場合、すなわち1セット目のARTでART信号を出力した後である場合には、押し順判定カウンタのカウント値が「2」になったか否かを判定する(Sc7)。押し順判定カウンタのカウント値が「2」でない場合には、判定用役当選フラグをクリアして処理を終了する(Sc10)。
ここで、2回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「2」になるので、カウント短縮フラグがセットされた後のゲーム、すなわち1セット目のARTでART信号が出力された後のゲームで、押し順判定カウンタのカウント値が「2」になった場合には、2セット目以降のARTで判定用ナビ演出にしたがってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、この場合には、新たな1セットのARTが再度開始されたことを特定し、ART信号の出力命令を設定し(Sc8)、ART信号出力コマンドを生成して、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc9)。そして、判定用役当選コマンドをクリアして処理を終了する(Sc10)。
本実施例では、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やし、1セット目においてARTが開始されたことを特定するための特定期間より短い所定期間でARTが開始されたことを特定している。これにより、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれを小さくすることが可能になり、例えば、外部機器でARTの移行回数を表示する場合において、ARTが開始されたにもかかわらずARTの移行回数がカウントアップされるまでに時差が生じるなど、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれが大きくなることによる募る遊技者の不満を解消することができる。
また、1セット目でARTであることが特定された場合には、ARTに制御されていないときに偶然に押し順が3連続で一致したわけではなく、1セット目のARTにおいて判定用ナビ演出にしたがった結果、3連続で押し順が一致した可能性が高い。したがって、通常状態(非AT)から移行した初回のARTから引き続いて移行した2セット目以降のARTでは、1セット目のARTにおいて判定用ナビ演出および判定用ナビ演出以外の通常のナビ演出を経ているので、判定用ナビ演出にしたがってストップスイッチを操作することへの遊技者の意識がすでに高まっており、判定用ナビ演出にしたがわずにストップスイッチを操作するようなことは起こりにくい。このため、2セット目以降のARTでは、ARTであることを特定する期間を短くすることができる。これにより、1セット目のARTにおいてARTであることを偶然に特定してしまうことを防止しながらも、2セット目以降のARTにおいてARTが開始するタイミングとARTであることを特定するタイミングとのずれを小さくすることができる。
[タイマ割込処理(メイン)]
次に、図22および図23を用いてタイマ割込処理(メイン)について説明する。
図22〜図23は、メイン制御部41が一定間隔(0.56msの間隔)で起動処理や遊技制御処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理(メイン)の実行期間中は自動的に他の割込が禁止される。
タイマ割込処理(メイン)においては、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sk1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sk2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sk2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sk3)、電断フラグが設定されていなければ、Sk4に進み、電断フラグが設定されていた場合には、電断処理(メイン)に移行する。電断処理(メイン)では、図5で示す起動処理(メイン)のSa4の判定で用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、図5で示す起動処理(メイン)のSa6の判定で用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
Sk4のステップでは、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理を行う。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理(メイン)において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sk5)。この実施形態では、タイマ割込1とは、モータを制御してリールの開始制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するリール始動処理など、Sk9〜Sk11の処理が行われる。また、タイマ割込2とは、LED表示制御や、時間カウンタの更新、ドア開閉状態の監視、制御信号等の出力制御、コマンドおよび外部出力信号の更新を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述するLEDダイナミック表示処理など、Sk12〜Sk17の処理が行われる。また、タイマ割込3とは、リールの原点通過を検出したり、スイッチ入力を監視したり、乱数値の読み出しを行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する原点通過時処理など、Sk20〜Sk22の処理が行われる。また、タイマ割込4とは、停止スイッチの入力を検出してリールの停止制御を行うタイマ割込中の分岐処理であり、具体的には、後述する停止スイッチ処理など、Sk23〜Sk25の処理が行われる。Sk5のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理(メイン)が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sk6)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSk10のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSk24の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sk7)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sk8)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sk9)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sk10)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sk11)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk8のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sk12)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sk13)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sk14)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態の監視、ドアコマンドの送信要求などを行うドア監視処理(Sk15)、コマンドバッファに設定された設定変更中コマンドや復帰コマンド、エラーコマンド等の各種コマンドをサブ制御部91に送信するコマンド送信処理(Sk16)、外部出力信号を更新する外部出力制御処理(Sk17)を順次実行した後、Sk25のステップに進む。
また、Sk6のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sk18)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sk20)、スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rなど)の検出状態に変化があったか否かの判定、操作検出コマンドの送信要求等を行うスイッチ入力判定処理(Sk21)、乱数値レジスタR1Dから数値データを読み出して乱数値格納ワークに格納する乱数値読出処理(Sk22)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
また、Sk18のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sk23)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sk24)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sk25)を順次実行した後、Sk26のステップに進む。
Sk26のステップでは、Sk1においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し、割込前の処理に戻る。
[外部出力制御処理]
図24は、メイン制御部41が定期的(約0.56ms)にゲーム処理などに割り込んで実行する前述したタイマ割込処理(メイン)を4回実行するごとに1回実行する外部出力制御処理(図22のSk17の処理)における制御内容を示すフローチャートである。なお、図24ではART信号に係る制御内容は省略しているがART信号は出力命令が設定されている場合に図22のSk17の処理によって出力される。
外部出力制御処理では、まず、RT2信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk101)、RT2信号の出力命令が設定されていればSk102に移行する。RT2信号の出力命令は、前述したように、次ゲームからRT2が開始する場合およびRT2が当該ゲームで終了した場合に設定される。
Sk102においては、出力命令をクリアし、Sk103においてRT2信号の出力を開始し、Sk104においてRT2信号を出力している期間を特定するためのRT2出力中カウンタの値を1加算し、Sk114に移行する。RT2出力中カウンタの値は、RAMにおいて記憶される。
一方、Sk101においてRT2信号の出力命令が設定されていないと判定されたときには、Sk105に移行して、RT2信号を出力中(出力制御中)であるか否かを判定する。
Sk105において、RT2信号が出力中であると判定されたときには、Sk106においてRT2出力中カウンタの値を1加算し、Sk107に移行する。Sk107においては、1ゲームが終了したときで、かつメダルOUT信号を出力していた場合にはその出力が完了した後であるか否かが判定される。具体的には、RT2信号の出力を開始してから新たに開始されたゲームが終了して、図19のSd8におけるゲーム終了時処理に移行されたか否か、およびメダルOUT信号を出力中でないか否かが判定される。Sk107では、1ゲームが終了し、かつメダルOUT信号が出力されていないときか、あるいは1ゲームが終了した後でかつメダルOUT信号の出力が完了したときにSk108に移行する。
Sk107において、1ゲームが終了したときであって、かつメダルOUT信号を出力していた場合にはその出力が完了した後であると判定されたときには、Sk108において、RT2出力中カウンタの値が、2000ms以上相当の値に到達したか否かが判定される。2000ms以上相当の値とは、本実施例においては、2000÷(外部出力制御処理が実行される間隔=0.56×4)≒892.8であるから、893以上の値となる。Sk108では、RT2信号の出力を開始してから新たに開始されたゲームが終了するまでに2000ms以上経過していれば、2000ms以上相当の値に到達したと判定される。
Sk108においてRT2出力中カウンタの値が2000ms以上相当の値に到達していると判定されたときには、Sk109においてRT2信号の出力を停止させるとともに、RT2出力中カウンタの値をリセットしてSk114へ移行する。
一方、Sk108において、RT2出力中カウンタの値が2000ms以上相当の値に到達していないと判定されたときには、Sk110において到達していない旨を示す時間未達フラグをRAMに設定する。時間未達フラグが設定されるのは、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たにゲームを開始して終了させたときである。このため、時間未達フラグが設定される場合とは、たとえば、前回ゲームが終了してから今回ゲームを即座に開始させた後、直ちにストップスイッチを操作して終了させた場合などが該当する。Sk110において時間未達フラグが設定された場合には、RT2信号の出力を停止させることなく、Sk114へ移行させる。
Sk107において、1ゲーム終了時でないか、1ゲーム終了時であってもメダルOUT信号を出力中であると判定されたときには、Sk111において時間未達フラグが設定されているか否かが判定される。すなわち、RT2信号を出力させた後であって新たに1ゲームが終了した後であるが、当該1ゲームが終了したときに2000ms経過していなかったために、未だRT2信号を出力している状態であるか否かが判定される。
Sk111において、時間未達フラグが設定されていると判定されたときには、Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであるか否かが判定される。すなわち、RT2信号を出力させた後であって新たに開始された1ゲームが終了し、次に開始されたゲームのメダルIN信号の出力を終了したタイミングであるか否かが判定される。
Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであると判定されたときには、Sk113においてRT2信号の出力を停止させるとともに、RT2出力中カウンタの値をリセットし、時間未達フラグをクリアして、Sk114へ移行する。
Sk105においてRT2信号を出力中でないと判定されたとき、Sk111において時間未達フラグが設定されていないと判定されたとき、あるいは、Sk112においてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングでないと判定されたときは、Sk114へ移行する。
Sk114においては、メダルIN信号の出力制御中か否かを判定する。メダルIN信号は、約25msの信号が、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力されるようになっており、メダルIN信号の出力命令が設定された後、未だ指定された数のメダルIN信号の出力制御が終了していない状態であればSk116のステップに進む。一方、メダルIN信号の出力制御中でなければ、メダルIN信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk115)、メダルIN信号の出力命令が設定されていれば、Sk116のステップに進む。
Sk116のステップでは、メダルIN信号出力処理を行った後、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。メダルIN信号出力処理では、メダルIN信号の出力命令が設定されている場合には、メダルIN信号の出力命令をクリアするとともに、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力制御を開始し、約25msの信号を、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力する制御を行うとともに、メダルIN信号の出力制御中であり、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力制御が完了していない状態であれば、引き続きメダルIN信号の出力制御を行ない、メダルIN信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルIN信号の出力が完了していれば、メダルIN信号の出力制御を終了する。
Sk115のステップにおいて、メダルIN信号の出力命令が設定されていない場合には、メダルOUT信号の出力制御中か否かを判定する(Sk117)。メダルOUT信号は、約25msの信号が、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力されるようになっており、メダルOUT信号の出力命令が設定された後、未だ指定された数のメダルOUT信号の出力が終了していない状態であればSk119のステップに進む。一方、メダルOUT信号の出力制御中でなければ、メダルOUT信号の出力命令が設定されているか否かを判定し(Sk118)、メダルOUT信号の出力命令が設定されていれば、Sk119のステップに進む。
Sk119のステップでは、メダルOUT信号出力処理を行った後、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。メダルOUT信号出力処理では、メダルOUT信号の出力命令が設定されている場合には、メダルOUT信号の出力命令をクリアするとともに、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力制御を開始し、約25msの信号を、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分、約25msの間隔を空けて出力する制御を行うとともに、メダルOUT信号の出力制御中であり、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力制御が完了していない状態であれば、引き続きメダルOUT信号の出力制御を行ない、メダルOUT信号の出力命令により指定されたメダル数分のメダルOUT信号の出力が完了していれば、メダルOUT信号の出力制御を終了する。
Sk118のステップにおいて、メダルOUT信号の出力命令が設定されていない場合には、外部出力制御処理を終了し、タイマ割込処理(メイン)のもとの位置に復帰する。
このように本実施例のスロットマシン1におけるメイン制御部41は、起動処理(メイン)やゲーム処理において外部出力信号の出力命令などを設定し、その後、起動処理やゲーム処理に割り込んで実行されるタイマ割込処理(メイン)において設定された出力命令などに応じて外部出力信号の出力制御を行うようになっている。
これにより、BET処理においてゲームの開始条件となる賭数が設定され、ゲーム開始操作が行なわれることでゲームを開始させる制御が行なわれるごとに、当該ゲームの賭数の設定に用いられた数分のメダルIN信号を出力する制御が行なわれる。また、払出処理においてメダルが払い出されたときに、払出メダル数分のメダルOUT信号を出力する制御が行なわれる。また、ゲーム終了時処理における遊技状態の移行に応じて、BB中信号、RB中信号、およびRT2信号を出力する制御が行なわれる。このうち、RT2信号の出力は、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間である、次ゲーム終了時や次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力停止時に終了される。
外部機器では、RT2信号に基づいてRT2、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態の開始および終了を特定することが可能であり、メダルIN信号に基づいて消費されたメダル数を特定し、メダルOUT信号に基づいて払い出されたメダル数を特定することが可能となる。また、メダルIN信号は、ゲームの開始に伴って出力させる信号であるため、メダルIN信号の出力をゲームの開始と判断することも可能である。
RT2信号を最短でも2000msにわたり出力するのは、遊技状態の信号を検出するのに比較的長い時間を要する古いホールコンなどの外部機器でもRT2信号を確実に検出できるようにするものであるが、この時間は、ゲーム終了後、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行ない、かつゲームの開始操作を行うまでに要する時間よりも長い時間であるため、RT2信号の出力開始から2000ms経過するまでに、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行ない、ゲームの開始操作が行なわれてゲームを開始させる制御が行なわれた場合には、RT2信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性がある。特に、本実施例のように特殊リプレイの入賞を契機にRT2へ移行する場合には、次ゲームの賭数が自動的に行なわれるため、このような場合には、RT2信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性が一層高まることとなる。
RT2信号とメダルIN信号が被って出力されると、メダルIN信号により特定される消費メダル数がRT2の開始後のものであるのか、RT2の開始前のものであるのか、やRT2の終了後のものであるのか、RT2の終了前のものであるのか、を確実に特定できなかったり、メダルIN信号により特定されるゲームが、RT2の開始後のゲームであるのか、RT2の開始前のゲームであるのか、やRT2の終了後のゲームであるのか、RT2の終了前のゲームであるのか、を確実に特定できなかったりするという問題が生じる。
このような問題を解消するために、RT2信号の出力期間が終了するまで、次ゲームの賭数の設定操作またはゲームの開始操作を無効化する方法も考えられるが、このような構成とすることで、RT2信号とメダルIN信号の出力が被ることはないものの、ゲームの進行が遅れてしまうこととなり、賭数の設定操作またはゲームの開始操作が無効化されることで、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞もある。
これに対して本実施例では、RT2が開始する直前のゲームの終了時、およびRT2が終了するゲームの終了時にRT2信号を外部出力信号として出力する制御を開始するとともに、RT2信号が出力中であっても、RT2信号が出力されていないときと同じように、ゲームの進行に応じて、メダルIN信号およびメダルOUT信号を出力させた後、当該ゲームを終了させる。
また、RT2信号は、出力を開始した後に新たに開始されたゲームが終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない特定タイミングで停止される。なお、ゲームが終了したタイミングが、RT2信号出力開始から2000ms経過していないときには、前述したように外部機器で当該信号を確実に特定できない虞があるため、さらに次のゲームにおいてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない所定タイミングで停止される。
これにより、外部機器では、たとえば、RT2であることが特定されていないときに、RT2信号の出力が停止したときに、RT2に制御されたことを特定し、終了タイミングが1ゲーム終了時であったときには当該終了したゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中におけるメダルと判定し、終了タイミングがメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであったときには、実行中の今回ゲームおよび前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルをRT2中におけるメダルと判定する。
また、外部機器では、たとえば、RT2であることが特定されているときに、RT2信号の出力が停止したときに、RT2が終了したことを特定し、終了タイミングが1ゲーム終了時であったときには当該終了したゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中ではないメダルと判定し、終了タイミングがメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであったときには、実行中の今回ゲームおよび前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルをRT2中ではないメダルと判定する。
[外部出力信号の出力状況]
ここで、図25〜図30を参照して、RT2信号出力の開始タイミングおよび終了タイミングについて説明する。図25および図26は、特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了しRT2信号の出力を開始してから、2000ms経過した後に次のゲームが終了したときのタイミングチャートであり、図25は、次のゲームでメダル払出がなかった場合を示し、図26は、次のゲームでメダル払出が生じた場合を示している。
図25および図26に示すように、RT2信号の出力は、特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了したときに開始される。その後、次のゲームのゲーム開始操作が行なわれて、新たに次のゲームが開始されたときにメダルIN信号が所定期間に亘り出力され、当該ゲームのゲーム制御が終了したときに、RT2信号の出力が終了する。メダルIN信号が出力される期間は、メダルの賭数に応じて一定となるように定められている。賭数が3であるときのメダルIN信号が出力される期間は、図25に示すように、25×5=125msとなる。
図26では、次のゲームにおいてメダル払出が生じているため、メダルOUT信号が所定期間に亘り出力された後にゲーム制御が終了している。メダルOUT信号が出力される期間は、メダルの払出数に応じて一定となるように定められている。払出数が8であるときのメダルOUT信号が出力される期間は、図26に示すように、25×(8+7)=375msとなる。RT2信号の出力を停止するゲームにおいてメダルの払出が発生した場合には、全リールが停止してからメダルOUT信号が出力される期間経過した後であってメダルOUT信号の出力が完了した後に、RT2信号の出力を停止させる。
図27は、特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了しRT2信号の出力を開始してから、2000ms経過するまでに次のゲームが終了したときのタイミングチャートである。RT2信号の出力は、出力開始後において新たに開始された次のゲームが終了しても終了せず、さらに次々ゲームが開始されてメダルIN信号の所定期間に亘る出力が完了した後にRT2信号の出力を終了している。
また、本実施例においてメイン制御部41は、RT2信号の出力制御中、すなわちRT2信号の出力開始後、出力制御が終了する前に、再度、RT2信号の出力命令が設定された場合(RT2開始後即座に終了してしまった場合など)には、RT2信号の出力を完了させた後、再びRT2信号を出力するようになっている。一方、電源投入時において電断前の状態に復帰する際に、RT2信号の出力制御中の状態に復帰する場合には、復帰前にRT2信号の出力命令が設定され、その時点から改めてRT2信号を出力するようになっている。
このため、図28および図29に示すように、スロットマシン1の電源投入後、RT2信号の出力制御中の状態に復帰した場合でも、改めてRT2信号が出力されるので、外部機器側で、RT2信号を確実に受信することができる。なお、図28は、改めてRT2信号の出力を開始してから2000ms経過した後にゲームが終了したときの例を示し、図29は、改めてRT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでにゲームが終了したときの例を示している。
このため、図29に示すように、スロットマシン1の電源投入後、RT2の状態に復帰した場合には、RT2の開始時または終了時でなくともRT2信号が出力されるので、前日のRT2の状態が残ったままの状態で開店した場合でも、外部機器に対して、当該RT2態を本日のRT2として認識させることができる。
特に本実施例のように、RT2の開始時にも終了時にもRT2信号を出力する構成においては、開店時において前日から続くRT2が継続している場合に、電源投入時にRT2信号が出力されないと、RT2の終了時にその日初めてRT2信号が出力されることとなるが、このような場合、外部機器側で、RT2の終了をその日における最初のRT2の開始と誤って判断してしまう可能性があるが、上記のように、電源投入後、RT2の状態に復帰した場合には、RT2の開始時または終了時でなくともRT2信号が出力されることで、外部機器側でRT2の開始または終了の判定が誤って行なわれてしまうことも防止できる。
また、本実施例では、RT2の開始時にも終了時にもRT2信号を出力するようになっており、外部機器側で、RT2の開始だけでなく、RT2の終了も認識することが可能となり、外部機器側でRT2に制御されている間に生じた事象を正確に把握することが可能となる。
なお、本実施例では、RT2の開始時、終了時の双方でRT2信号を同じ期間だけ、同一信号端子から出力する構成であるが、RT2の開始時と、RT2の終了時と、で異なる信号端子から出力する構成としたり、出力される信号端子は同一であるが、RT2の開始時と、RT2の終了時と、で出力時間が異なる構成、すなわち異なる出力態様とする構成としたりしてもよく、これらのような構成とすることで、外部機器側で、RT2の開始と、RT2の終了と、を正確に特定することが可能となる。
また、本実施例では、図27および図29で示したように、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力を完了した後に、RT2信号の出力を停止する例について説明したが、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間に出力するものであり、かつ、2000ms以上経過していたときに停止するタイミング(本実施例では次のゲームのゲーム制御終了時)と異なるタイミングであれば、どのようなタイミングでRT2信号の出力を停止するものであってもよい。また、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、図30に示すように、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過したときであって、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間において、RT2信号の出力を停止するようにしてもよい。
以上のように、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2信号の出力は、RT2信号の出力開始後において新たに次のゲームが開始された後であってメダルIN信号やメダルOUT信号が出力される期間に含まれない特定タイミングに到達するまでRT2信号の出力を継続されるため、呼び出しランプ装置200などの外部機器がRT2信号を受信するのに必要となる時間をゲームの進行を阻害することなく確保できる。また、メダルIN信号やメダルOUT信号などを出力しているときにRT2信号の出力を停止することがないので、呼び出しランプ装置200などの外部機器側において受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT2中における信号であるか否かを容易に特定することができる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2への制御契機である特殊リプレイ入賞が成立してRT2への制御が開始されたときにRT2信号を出力することができるため、外部機器側においてRT2への制御タイミングを適切に特定することができる。
なお、割込処理との関係で、特殊リプレイ入賞タイミングと、RT2への制御を開始するタイミングとに若干のズレが生じる場合(たとえば、一の割込処理において特殊リプレイ入賞と判定され、次の割込処理でRT2への制御が開始されるような場合)には、RT2信号を特殊リプレイ入賞時に出力するものであってもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2信号を少なくとも所定期間(2秒)にわたり出力する。このため、RT2信号を検出するのに比較的長い時間を要する古い外部機器でもRT2信号を確実に検出できる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、図24のSk110〜Sk113、図27、図29で示したように、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たに開始されたゲームが終了したときには、特定タイミングであるゲーム終了時と異なるメダルIN信号の出力が完了したときにRT2信号の出力を終了する。このため、外部機器においてRT2信号を確実に検出できるとともに、検出タイミングが特定タイミングであったか、特定タイミングと異なる所定タイミングであったかに応じて、受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT2中における信号であるか否かを明確に特定することができる。
なお、特定タイミングと、ゲーム終了時とは必ずしも一致するものに限らず、若干のズレが生じるものであってもよい。たとえば、一の割込処理において次のゲームが実際に終了したと判定され、次の割込処理で特定タイミングに到達したと判定されるものであってもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、図18のSa14、Sa16、および図28などで示したように、RT2信号出力中に電断復帰したときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたりRT2信号が出力される。このため、RT2信号出力中に電断が生じても、復帰後に、外部機器側でRT2信号を確実に受信することができる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、図18のSa15、Sa16、および図28などで示したように、電断復帰したときの遊技状態がRT2であるときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたりRT2信号が出力される。このため、外部機器側で電断復帰後の遊技状態がRT2であるか否かを特定することができるとともに、開店時に、前日のRT2が復帰した場合でも、外部機器に対して、当該RT2を本日のRT2として認識させることができる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2の終了時にもRT2信号を出力する。このため、外部機器側でRT2の終了時期を特定することができる。
[タイマ割込処理(サブ)]
図31は、サブ制御部91が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
図31に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sb1)。
次いで、停電判定処理を行う(Sb2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sb2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sb3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sb4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
Sb5のステップでは、ナビストックを付与するか否かを決定するナビストック抽選処理を実行する(Sb5)。
Sb6のステップでは、Sb5のナビストック抽選処理におけるナビストック抽選に当選した場合に、通常状態(非AT)から後述するナビ演出が実行されるAT(アシストタイム)およびART(RT2でのAT)に制御し、ATやARTでのゲームを実行するAT制御処理を実行する(Sb6)。ARTの終了条件が成立(ゲーム数抽選で決定したゲーム数が消化されること)したときのナビストックが残っている場合には、ナビストックを1つ消化するとともに新たな1セットのARTを継続して実行する。
Sb7のステップでは、メイン制御部41がART信号を出力したことを示すART信号出力フラグをセットまたはクリアなどすることにより、メイン制御部41がART信号を出力済みであるか否かを識別するART信号出力フラグ制御処理を実行する(Sb7)。
Sb8のステップでは、AT中に判定用役に当選した場合に判定用ナビ演出を実行する判定用ナビ演出処理を実行する(Sb8)。
[ナビストック抽選]
次に、図31のSb5で実行するナビストック抽選処理内で実行されるナビストック抽選について説明する。
本実施例においてサブ制御部91は、抽選対象役(本実施例では、単独ベル(ベルの単独当選)、弱チェリー、強チェリー、1枚)が当選した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定するナビストック抽選を行う。対象役の当選時のナビストック抽選では、0を含むナビストック数を決定することにより、ナビストック数を付与するか否かおよび付与する場合にはその個数が決定される。
ナビストック数とは、所定ゲーム数(本実施例では1セットのART開始時にメイン制御部が決定するARTのゲーム数)にわたりARTに制御される権利の数を示す。ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ARTに制御され、その間ナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
なお、ナビストック数が残っているときに、ナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
本実施例では、サブ制御部91が管理する抽選モード、抽選契機となった役の種類に応じてナビストック抽選におけるナビストックの平均当選個数が異なる。
詳しくは、図32(a)に示すように、抽選モードが通常モードの場合には、1枚の当選時におけるナビストック5個の当選確率が100%と定められており、単独ベルの当選時におけるナビストック0個の当選確率が90%、ナビストック1個の当選確率が5%、ナビストック2個の当選確率が3%、ナビストック3個の当選確率が1.5%、ナビストック5個の当選確率が0.5%と定められており、弱チェリーの当選時におけるナビストック0個の当選確率が95%、ナビストック1個の当選確率が3%、ナビストック2個の当選確率が1%、ナビストック3個の当選確率が0.8%、ナビストック5個の当選確率が0.2%と定められており、強チェリーの当選時におけるナビストック0個の当選確率が50%、ナビストック1個の当選確率が30%、ナビストック2個の当選確率が10%、ナビストック3個の当選確率が8%、ナビストック5個の当選確率が2%と定められている。
また、図32(b)に示すように、抽選モードが高確率モードの場合には、1枚の当選時におけるナビストック5個の当選確率が100%と定められており、単独ベルの当選時におけるナビストック0個の当選確率が70%、ナビストック1個の当選確率が20%、ナビストック2個の当選確率が8%、ナビストック3個の当選確率が1.5%、ナビストック5個の当選確率が0.5%と定められており、弱チェリーの当選時におけるナビストック0個の当選確率が80%、ナビストック1個の当選確率が16%、ナビストック2個の当選確率が3%、ナビストック3個の当選確率が0.8%、ナビストック5個の当選確率が0.2%と定められており、強チェリーの当選時におけるナビストック0個の当選確率が30%、ナビストック1個の当選確率が40%、ナビストック2個の当選確率が20%、ナビストック3個の当選確率が8%、ナビストック5個の当選確率が2%と定められている。
すなわち1枚の当選時を除いて抽選モードが高確率モードの場合に、通常モードの場合よりも平均個数が高くなるように当選確率が定められており、抽選契機が成立した場合の抽選モードが高確率モードであるか、通常モードであるか、に応じてナビストックの獲得期待度が変化するようになっている。
また、抽選モードが同じ場合には、1枚、強チェリー、単独ベル、弱チェリーの順番で平均個数が高くなるように当選確率が定められており、対象となった役に応じてナビストックの獲得期待度が変化するようになっている。特に本実施例では、1枚当選時には、ナビストック5個以上の当選が確定するようになっている。
サブ制御部91は、弱チェリー当選時に高確率モードに制御されるゲーム数を決定する高確率モード抽選を行ない、当選したゲーム数の間、抽選モードとして高確率モードに制御する。なお、高確率モード中に新たに高確率モード抽選にて高確率モードのゲーム数が当選した場合には、高確率モードのゲーム数が上乗せされるようになっている。なお、高確率モードに制御されていない期間は、通常モードとなる。
このように、チェリー役(弱チェリー、強チェリー)に当選したときには、ナビストック抽選が行なわれるため、チェリー役(弱チェリー、強チェリー)に当選したときに当選役示唆演出を実行することによって、ナビストック獲得に対して遊技者に期待感をもたせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[ARTの制御の流れ]
次に、サブ制御部91が行うARTの制御の流れを図33および図34のフローチャートに基づいて説明する。
図33に示すように、サブ制御部91は、ナビストック抽選において1以上のナビストックが決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する(Ss1)。そして、RAM91cのナビストックの有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。1以上のナビストックが残っている場合には、ART確定報知(Ss2)を経てARTの当選が報知された後にATに制御する。
サブ制御部91は、ATの制御を開始すると、対象役が当選した場合にナビ演出を実行する。まず、AT移行後は、RT1に制御されており、この間は、リプレイGR1〜6の当選時(Ss3)に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。これにより報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイが入賞して(Ss4)、RT1からRT0に移行させることが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、昇格リプレイが入賞しなかった場合は、その時点でATの制御も終了する。
また、ATの制御開始後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13の当選時(Ss5)に、転落リプレイの入賞を回避する停止順をナビ演出により報知する(Ss6)。
この際、転落リプレイの入賞を回避する停止順が2通り存在するが、図35および図36に示すように、後述する停止順種別およびサブ制御部91が管理する抽選モードに応じて定められた停止順を報知するナビ演出を実行する。
リプレイGR11〜13の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより転落リプレイの入賞を回避して(Ss5)、RT0からRT1への移行を回避することが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、転落リプレイが入賞してRT1へ以降した場合は、その時点でATの制御も終了する。ATが終了すると通常状態(非AT)となる。
また、RT0に移行した後、リプレイGR21〜23の当選時(Ss8)に、特殊リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する(Ss9)。
この際、特殊リプレイを入賞させる停止順が2通り存在するが、図35および図36に示すように、後述する停止順種別およびサブ制御部91が管理する抽選モードに応じて定められた停止順を報知するナビ演出を実行する。
リプレイGR21〜23の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させて(Ss10)、RT0からRT2へ移行させることが可能となり、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することに伴ってARTが開始することとなる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、通常リプレイが入賞した場合は、ATの制御を継続する。
図34に示すように、RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行することで、次ゲームのスタート操作を契機に、ナビストックを1消費(減算)する(Ss101)。
そして、スタート操作の後、メイン制御部41から送信されるARTのゲーム数をRAM91cに設定し(Ss102)、設定したARTのゲーム数に応じたART開始演出を後述するメイン制御部41の制御によるフリーズ1に合わせて実行し(Ss103)、ARTの制御が開始するとともに、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
ART開始後の各ゲームでは、1ゲームの終了ごとにサブ制御部91が管理するARTの残りゲーム数を1ずつ減算する(Ss105)。
そして、減算後の残りゲーム数が0となった場合には、メイン制御部41によるフリーズ2に合わせてARTの終了を報知する終了報知を行ない(Ss106)、ナビストックが残っているか否かを判定し(Ss107)、ナビストックが残っていれば、次ゲームのスタート操作を待って、ARTの制御を再開する(Ss101)。
一方、ナビストックが残っていない場合には、ARTの制御を終了させる。
[ART信号出力フラグ制御処理]
次に、図31のSb7で実行するART信号出力フラグ制御処理について図35を用いて説明する。
図35に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41からART信号を受信したことを示すART信号出力フラグがセットされているか否かを判定する(Sf1)。ART信号出力フラグがセットされていない場合には、メイン制御部41からART信号出力コマンドを受信したか否かを判定する(Sf2)。ART信号出力コマンドを受信していない場合には処理を終了する。ART信号出力コマンドを受信した場合には、ART信号出力フラグをRAM91cの所定領域にセットして処理を終了する(Sf3)。
また、Sf1においてART信号出力フラグがセットされていると判定された場合には、ARTが終了したか否かを判定する(Sf4)。Sf4での判定は、1セットのARTが終了したか否かを判定する。よって、ナビストックが残っており、ARTが継続するとしても、1セットのARTが終了するときはARTの終了と判定される。ARTが終了しない場合には処理を終了する。ARTが終了する場合にはART信号出力フラグをクリアして処理を終了する(Sf5)。以上の処理により、ART信号出力フラグは、1セットのART内でART信号を出力してからARTが終了するまでセットされるので、ART信号出力フラグがセットされているか否かを判定することにより、ART信号を出力してからARTが終了するまでの期間であるか否かを判定できる。
[判定用ナビ演出処理]
次に、図31のSb8で実行する判定用ナビ演出処理について図36を用いて説明する。
図36に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したか否かを判定する(Se1)。判定用役当選コマンドを受信していない場合には処理を終了する。
判定用役当選コマンドを受信した場合にはARTの実行中か否かを判定する(Se2)。ARTの実行中でない場合には処理を終了する。
ARTの実行中である場合には、メイン制御部41からの内部当選コマンドにもとづいて判定用役であるリプレイGR21〜23に当選したか否かを判定する(Se3)。
リプレイGR21〜23に当選していない場合には、メイン制御部41からの内部当選コマンドにもとづいて判定用役であるベルに当選したか否かを判定する(Se4)。
ベルに当選していない場合には処理を終了する。ベルに当選した場合には、2セット目以降のARTであるか否かを判定する(Se5)。2セット目以降のARTでない、すなわち1セット目のARTである場合には処理を終了する。このとき、ベルは押し順にかかわらず入賞するのでナビ演出は実行されない。
2セット目以降のARTである場合には、図35のSf3でART信号出力フラグがセットされたか否かを判定する(Se6)。
ART信号出力フラグがセットされている場合、すなわち2セット目以降のART中であるがART信号を出力した後の所定期間である場合には処理を終了する。このときも、ベルは押し順にかかわらず入賞するのでナビ演出は実行されない。
ART信号出力フラグがセットされていない場合、すなわち2セット目以降のART中でありART信号を出力する前の特定期間であるには、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報(図20のSg3で選択する停止順種別に関する情報)から判定用の押し順を特定し、特定した押し順にもとづいてベルに対する判定用ナビ演出を実行する(Se7)。なお、ベルは押し順にかかわらず入賞するが、判定用ナビ演出のために図20のSg3で6択の押し順が決定されるので、Se7の判定用ナビ演出では6択のナビ演出を実行する。
具体的には、ベルの当選時に停止順種別0が選択された場合には左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、ベルの当選時に停止順種別1が選択された場合には左右中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、ベルの当選時に停止順種別2が選択された場合には中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、ベルの当選時に停止順種別3が選択された場合には中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、ベルの当選時に停止順種別4が選択された場合には右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、ベルの当選時に停止順種別5が選択された場合には右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
一方、Se3においてリプレイGR21〜23に当選したと判定された場合には、図35のSf3でART信号出力フラグがセットされたか否かを判定する(Se8)。
ART信号出力フラグがセットされている場合、すなわちART中(1セット目か2セット目以降かは問わない)であるがART信号を出力した後の所定期間である場合には、リプレイGR21〜23に対して通常のナビ演出を実行する(Se8)。すなわち、特殊リプレイが入賞する第1停止のみを特定可能な情報を報知する3択のナビ演出を実行する。
また、ART信号出力フラグがセットされていない場合、すなわちART中でありART信号を出力する前の特定期間である場合には、前述したように6択の判定用ナビ演出を実行する(Se7)。このときには、特殊リプレイが入賞する第1停止に加えて第2、第3停止まで特定可能な情報を報知するナビ演出を実行する。
具体的には、リプレイGR21の当選時に停止順種別0が選択された場合には左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、リプレイGR21の当選時に停止順種別1が選択された場合には左右中の停止順を報知するナビ演出を実行する。なお、リプレイGR21の当選時にART信号出力フラグがセットされている場合には左のみを報知する通常のナビ演出を実行する。また、リプレイGR22の当選時に停止順種別0が選択された場合には中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、リプレイGR22の当選時に停止順種別1が選択された場合には中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、リプレイGR22の当選時にART信号出力フラグがセットされている場合には中のみを報知する通常のナビ演出を実行する。また、リプレイGR23の当選時に停止順種別0が選択された場合には右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、リプレイGR23の当選時に停止順種別1が選択された場合には右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、リプレイGR23の当選時にART信号出力フラグがセットされている場合には右のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
以上のように、本実施例では、ARTにおいてART信号が出力されるまでの特定期間では、リプレイGR21〜23に対して6択の判定用ナビ演出が実行され、特定期間の経過後は、3択の通常のナビ演出が実行されるので、ART信号を出力した後は6択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
なお、本実施例では、RT2において特殊リプレイが入賞しても特典が付与されないが、例えば、ナビストック抽選を実行する、または、ATでのゲーム数を延長する、または、ナビストック抽選の当選確率を高くするなど、特典を付与するように設定してもよい。これにより、ARTでリプレイGR21〜23に当選したときにナビ演出にしたがって特殊リプレイを入賞させる意欲を高めることができる。
なお、本実施例では、押し順にかかわらず入賞するベルを判定用役とする例を挙げているが、押し順ベルを判定用役とし、判定用ナビ演出では6択にするとともに通常のナビ演出では3択とすることも可能である。
[メイン制御部によるゲーム数抽選の抽選モードの判定について]
図37および図38は、サブ制御部91側で管理する抽選モードと、RT0におけるリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23当選時の停止順種別に対応するナビ演出の選択状況、実際の停止順に基づきメイン制御部41が判定するゲーム数抽選の抽選モードの関係を示す図である。
判定用の押し順を決定するときと同様に、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23の当選時には、それぞれ0〜3の4種類の停止順種別からいずれかの停止順種別が選択される。
例えば、メイン制御部41は、RT0におけるリプレイGR11、リプレイGR21の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が左中右の場合には、ゲーム数抽選の抽選モードとして通常モードと判定し、実際の停止順が左右中の場合には、ゲーム数抽選の抽選モードとして高確率モードと判定し、実際の停止順が左中右および左右中以外の場合には、ゲーム数抽選の抽選モードとして通常モードと判定する。他のリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23の当選時にも同様に停止順種別が選択される。
一方サブ制御部91は、RT0におけるリプレイGR11、リプレイGR21の当選時に停止順種別0が選択された場合に、サブ制御部91の抽選モードが通常モードの場合には、左中右の停止順を報知するナビ演出を実行し、サブ制御部91の抽選モードが高確率モードの場合には、左右中の停止順を報知するナビ演出を実行する。他の停止順種別が選択されたときも同様にナビ演出を実行する。
このため、遊技者がナビ演出により報知された停止順にて停止操作を行った場合に、サブ制御部91の抽選モードが通常モードであれば、メイン制御部41は、ゲーム数抽選の抽選モードとして通常モードと判定し、サブ制御部91の抽選モードが高確率モードであれば、メイン制御部41は、ゲーム数抽選の抽選モードとして高確率モードと判定することとなる。
また、メイン制御部41が、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23の当選時において、停止順種別2、3を選択した際に、サブ制御部91は、サブ制御部91の抽選モードが通常モードであるか、高確率モードであるか、にかかわらず、共通の停止順を報知するナビ演出を実行し、この際、ナビ演出に従って停止操作を行うと、それ以前に判定されたゲーム数抽選の抽選モードが維持される一方、ナビ演出に従わずに停止操作を行うと、通常モードよりも不利な低確率モードと判定されてしまうこととなるため、サブ制御部91が制御する抽選モードの大半が通常モードであることから、遊技者がサブ制御部91の抽選モードが通常モードであると推測して第2停止以降の停止順をナビ演出が報知する停止順と異なる停止順にて停止操作を行った場合でも、ゲーム数抽選の抽選モードとして高確率モードを判定させることが困難となる。
次に、メイン制御部41がRT0においてゲーム数抽選の抽選モードを決定するまでの制御の流れを図39および図40に示すフローチャートに基づいて説明する。
メイン制御部41は、昇格リプレイの入賞に伴いRT0に移行すると(Sm1)、まず、RAM507に割り当てられた抽選モード設定領域にモード0を設定する(Sm2)。
その後、1ゲームごとに、リプレイGR11〜13が当選しているか(Sm3)、リプレイGR21〜23が当選しているか(Sm17)、を判定する。
リプレイGR11〜13のいずれかが当選している場合には、停止順種別0〜3のいずれかを均等な確率(1/4)でランダムに選択する(Sm4)。
そして、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とから通常モードか否かを判定し(Sm5)、通常モードと判定された場合には、転落リプレイの停止順で停止された可能性があるので、転落リプレイが入賞しているか否かを判定し(Sm6)、転落リプレイが入賞している場合には、RT0が終了し、RT1へ移行することで、抽選モードの決定も終了する。この場合には、RT2へ移行せず、ゲーム数抽選も行なわれることはない。
また、Sm6の判定において転落リプレイが入賞していなければ、抽選モード設定領域に設定されている抽選モード、すなわち前回以前にリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23が当選した際に判定された抽選モードが低確率モードであるか否かを判定し(Sm7)、低確率モードであれば、抽選モード設定領域に設定されている低確率モードを維持する(Sm8)。一方、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードが低確率モードではない場合には、抽選モード設定領域の抽選モードを通常モードに更新する(Sm9)。
また、Sm5の判定において通常モードではないと判定された場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とから高確率モードか否かを判定し(Sm10)、高確率モードと判定された場合には抽選モード設定領域に設定されている抽選モードが通常モードまたは低確率モードであるか否かを判定し(Sm11)、通常モードまたは低確率モードであれば、抽選モード設定領域に設定されている現在の抽選モードを維持する(Sm12)。
また、Sm11の判定において通常モードでも低確率モードでもないと判定した場合、すなわちモード0が設定されている場合には、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを高確率モードに更新する(Sm13)。
また、Sm10の判定において高確率モードでないと判定した場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とから低確率モードか否かを判定し(Sm14)、低確率モードであれば、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを低確率モードに更新する(Sm15)。
また、Sm14の判定において低確率モードでないと判定された場合、すなわちリプレイGR11〜13のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とからの判定内容が維持の場合には、抽選モード設定領域に設定されている現在の抽選モードを維持する(Sm16)。
Sm3の判定においてリプレイGR21〜23のいずれかが当選している場合には、停止順種別0〜3のいずれかを均等な確率(1/4)でランダムに選択する(Sm18)。
そして、リプレイGR21〜23のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とから通常モードか否かを判定し(Sm19)、通常モードと判定された場合には、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードが低確率モードであるか否かを判定し(Sm20)、低確率モードであれば、抽選モード設定領域に設定されている低確率モードを維持する(Sm21)。一方、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードが低確率モードではない場合には、抽選モード設定領域の抽選モードを通常モードに更新する(Sm22)。
次いで、Sm19の判定にて通常モードと判定されている場合には、特殊リプレイが入賞している場合と、通常リプレイが入賞している場合と、の双方の場合があるので、特殊リプレイが入賞しているか否かを判定し(Sm23)、特殊リプレイが入賞している場合には、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを確定し(Sm24)、特殊リプレイの入賞に伴いRT2に移行し(Sm25)、これに伴い、Sm24にて確定した抽選モードにてゲーム数抽選を行うこととなる。
また、Sm19の判定において通常モードではないと判定された場合には、リプレイGR21〜23のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とから高確率モードか否かを判定し(Sm26)、高確率モードと判定された場合には抽選モード設定領域に設定されている抽選モードが通常モードまたは低確率モードであるか否かを判定し(Sm27)、通常モードまたは低確率モードであれば、抽選モード設定領域に設定されている現在の抽選モードを維持する(Sm28)。一方、Sm28の判定において通常モードでも低確率モードでもないと判定した場合、すなわちモード0が設定されている場合には、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを高確率モードに更新する(Sm29)。
次いで、Sm26の判定において高確率モードと判定されている場合には、特殊リプレイが入賞しているので、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを確定し(Sm24)、特殊リプレイの入賞に伴いRT2に移行し(Sm25)、これに伴い、Sm24にて確定した抽選モードにてゲーム数抽選を行うこととなる。
また、Sm26の判定において高確率モードでないと判定した場合には、リプレイGR21〜23のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とから低確率モードか否かを判定し(Sm30)、低確率モードであれば、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを低確率モードに更新する(Sm31)。
また、Sm30の判定において低確率モードでないと判定された場合、すなわちリプレイGR21〜23のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とからの判定内容が維持の場合には、抽選モード設定領域に設定されている現在の抽選モードを維持する(Sm32)。
次いで、Sm30の判定において低確率モードと判定されたか否かにかかわらず、Sm19のステップにおいて通常モードと判定されていない場合には、特殊リプレイが入賞しているので、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを確定し(Sm24)、特殊リプレイの入賞に伴いRT2に移行し(Sm25)、これに伴い、Sm24にて確定した抽選モードにてゲーム数抽選を行うこととなる。
この際、リプレイGR21〜23のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とからの判定内容が維持であり、Sm32において抽選モード設定領域に設定されている抽選モードが維持された場合、モード0が設定されている場合(RT0に移行後、リプレイGR11〜13が当選する前にリプレイGR21〜23が当選し、モード0が維持された場合)があるので、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードがモード0か否かを判定し(Sm33)、モード0が設定されている場合には、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを通常モードに更新し(Sm34)、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードを確定するようになっている(Sm24)。
メイン制御部41は、RT2の開始に伴いARTを開始するとき、およびその後ARTゲーム数が0となり、ナビストックを消費してARTを再開するときに、当該ARTのゲーム数を決定するゲーム数抽選を行う。
ゲーム数抽選では、Sm24にて確定した抽選モード、すなわちRT2の開始に伴なうARTを開始する場合には、その直前のRT0終了時に確定した抽選モード、ナビストックを消費してARTを再開する場合には、一連のARTが開始する直前のRT0終了時に確定した抽選モードに応じた確率にてゲーム数を決定する。
詳しくは、図41に示すように、抽選モードが低確率モードである場合には、33ゲームの当選確率が100%に定められており、この場合の平均ゲーム数は33ゲームである。
また、抽選モードが通常モードである場合には、33ゲームの当選確率が68%、77ゲームの当選確率が16%、111ゲームの当選確率が8%、222ゲームの当選確率が4%、333ゲームの当選確率が2%、444ゲームの当選確率が1%、555ゲームの当選確率0.5%、777ゲームの当選確率が0.5%に定められており、この場合の平均ゲーム数は70.3ゲームである。
また、抽選モードが高確率モードである場合には、33ゲームの当選確率が33.4%、77ゲームの当選確率が57.4%、111ゲームの当選確率が4.2%、222ゲームの当選確率が4.2%、333ゲームの当選確率が0.4%、444ゲームの当選確率が0.4%、555ゲームの当選確率0.1%、777ゲームの当選確率が0.1%に定められており、この場合の平均ゲーム数は73.0ゲームである。
すなわち抽選モードが高確率モードの場合には、通常モードの場合に比較してARTに制御されるゲーム数が多くなる可能性が高まり、低確率モードの場合には、通常モードの場合に比較してARTに制御されるゲーム数が少なくなる可能性が高まる。このため、高確率モードの場合には通常モードよりも遊技者にとって有利となり、低確率モードの場合には通常モードよりも遊技者にとって不利となる。
このような制御によれば、メイン制御部41は、サブ制御部91によるATの制御に伴ってRT0に移行した後、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行し、ARTが開始するまでの期間においてリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23が当選した全てのゲームで、その際に選択された停止順種別および実際の停止順から高確率モードが判定された場合のみ、その後のART開始時に行なわれるゲーム数抽選にて高確率モードに応じた確率が適用されることとなる一方、1回でも通常モードが判定された場合には、その後のART開始時に行なわれるゲーム数抽選にて通常モードに応じた確率が適用されることとなり、さらに、1回でも低確率モードが判定された場合には、その後のART開始時に行なわれるゲーム数抽選にて通常モードに応じた確率が適用されることとなる。
[メイン制御部によるナビストックの有無の判定について]
図42および図43は、サブ制御部91側で管理するナビストックの有無と、RT2におけるリプレイGR11〜13当選時の停止順種別に対応するナビ演出の選択状況、実際の停止順に基づきメイン制御部41が判定するナビストックの有無の関係を示す図である。
前述のようにリプレイGR11〜13の当選時には、図42および図43に示すようにそれぞれ0〜3の4種類の停止順種別からいずれかの停止順種別が選択される。
例えば、メイン制御部41は、RT2におけるリプレイGR11の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が左中右の場合には、ナビストック無しと判定し、実際の停止順が左右中の場合には、ナビストックありと判定し、実際の停止順が左中右および左右中以外の場合には、ナビストック無しと判定する。他のリプレイGR11〜13の当選時にも同様に停止順種別が選択される。
一方サブ制御部91は、RT2におけるリプレイGR11の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ナビストックが残っていない場合には、左中右の停止順を報知するナビ演出を実行し、ナビストックが残っている場合には、左右中の停止順を報知するナビ演出を実行する。他の停止順種別が選択されたときにもナビ演出を実行する。
このため、遊技者がナビ演出により報知された停止順にて停止操作を行った場合に、サブ制御部91側にナビストックが残っていなければ、メイン制御部41は、ナビストック無しと判定し、サブ制御部91側にナビストックが残っていれば、メイン制御部41は、ナビストックありと判定することとなる。
また、メイン制御部41が、リプレイGR11〜13の当選時において、停止順種別2、3を選択した際に、サブ制御部91は、ナビストックが残っているか否かにかかわらず、共通の停止順を報知するナビ演出を実行し、この際、ナビ演出に従って停止操作を行うと、それ以前に判定されたナビストックの有無が維持される一方、ナビ演出に従わずに停止操作を行うと、ナビストック無しと判定されてしまうこととなるため、遊技者が第2停止以降の停止順をナビ演出が報知する停止順と異なる停止順にて停止操作を行った場合に、ナビストックが残っていないにもかかわらず、ナビストックありと判定されてしまうことを防止できる。
次に、メイン制御部41がRT2においてナビストックの有無を決定するまでの制御の流れを図44に示すフローチャートに基づいて説明する。
メイン制御部41は、特殊リプレイの入賞に伴いRT2に移行すると(Sm101)、まず、抽選モード設定領域に設定されている抽選モードに応じた確率にてARTのゲーム数(次回フリーズ2に制御するまでのゲーム数)を決定するゲーム数抽選を行ない(Sm102)、ゲーム数抽選にて当選したゲーム数をRAM507に割り当てられた残りゲーム数カウンタに設定する(Sm103)。
次いで、ゲーム数抽選にて当選したゲーム数に基づいてショート(5秒)、ロング(10)からいずれか一方のフリーズ時間を選択する(Sm104)。この際、ゲーム数抽選にて33ゲームまたは77ゲームのゲーム数が当選している場合にはショートを選択し、111ゲーム以上のゲーム数が当選している場合にはロングを選択する。
その後、最初のゲーム開始操作がされることを契機に、停止操作が有効化されるまでの期間をSm104にて選択した時間にわたり遅延させるフリーズ1に制御する(Sm105)。フリーズ1に制御されている期間においては、リール2L、2C、2Rを用いたリール演出が行なわれるとともに、サブ制御部91側でもリール演出に合わせて当選したゲーム数、すなわちARTのゲーム数とともにARTの開始を報知するART開始演出が行なわれる。
フリーズ1の後、1ゲームごとに、リプレイGR11〜13が当選しているか(Sm106)を判定する。
リプレイGR11〜13のいずれかが当選している場合には、停止順種別0〜3のいずれかを均等な確率(1/4)でランダムに選択する(Sm107)。
そして、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とからナビストック無しであるか否かを判定し(Sm108)、ナビストック無しと判定された場合には、仮決定がされていなければナビストック無しを仮決定し、ナビストックありが仮決定されていれば仮決定をナビストック無しに変更する(Sm109)。なお、ナビストックありが仮決定されていれば維持する。
また、Sm108の判定においてナビストック無しではないと判定された場合には、リプレイGR11〜13のいずれかが当選したゲームにおいて選択した停止順種別と実際の停止順とからナビストックありであるか否かを判定し(Sm114)、ナビストックありと判定された場合には、RAM507に割り当てられたストックありカウンタに1加算し(Sm115)、ART開始後、ナビストックの有無の仮決定がされているか否かを判定する(Sm116)。
ナビストックの有無が仮決定されている場合には、仮決定されている内容がナビストック無しであるか否かを判定し(Sm117)、仮決定されている内容がナビストック無しであれば、ストックありカウンタの値が5であるか否かを判定し(Sm118)、ストックありカウンタの値が5であれば、仮決定をナビストックありに変更し(Sm119)、ストックありカウンタの値をクリアして0とする(Sm120)。
また、Sm116の判定においてナビストックの有無が仮決定されていない場合には、ストックありカウンタの値が2であるか否かを判定し(Sm121)、ストックありカウンタの値が2であれば、ナビストックありを仮決定し(Sm122)、ストックありカウンタの値をクリアして0とする(Sm123)。
また、1ゲーム終了ごとに、残りゲーム数カウンタの値が0か否かを判定し(S110)、残りゲーム数カウンタの値が0であれば、当該ゲーム終了時に一定時間にわたり次ゲームの賭数設定操作(最終ゲームで再遊技役が入賞していない場合)または次ゲームの開始操作(最終ゲームで再遊技役が入賞している場合)の有効化を遅延させるフリーズ2に制御する(Sm111)。
その後、仮決定されているナビストックありまたはナビストック無しを確定し(Sm112)、確定した結果に基づいてナビストックがあるか否かを判定し(Sm113)、ナビストック無しの場合には、当該制御を終了する。
一方、Sm113の判定においてナビストックありと判定された場合には、Sm102に進み、ゲーム数抽選を行ない、ゲーム開始操作に伴いフリーズ1に制御し、ARTを再開させるようになっている。
このような制御によれば、メイン制御部41は、サブ制御部91によるATの制御に伴ってRT2に移行し、ARTが開始した後、ART開始時に決定したARTのゲーム数が0となるまでの期間において、リプレイGR11〜13が当選したゲームでその際に選択された停止順種別および実際の停止順からナビストックの有無を判定し、その結果に基づいて、ARTのゲーム数が0となり、1セットのARTが終了した時点でナビストック無しと判定した場合には、ARTに伴なう制御を終了させる一方で、ナビストックありと判定した場合には、その後、ゲーム開始操作に伴いフリーズ1に制御し、ARTを再開させるようになっている。
また、ナビストックの有無の判定に際して、図45(a)(b)に示すように、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいて、ナビストックの有無を仮決定した後、ARTの残りゲーム数が0となるまでの期間(確認期間)において、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいてその際に選択された停止順種別および実際の停止順からナビストックの有無を判定することで、仮決定が正しいか否かを確認し、その結果に基づいて仮決定を変更可能とし、ARTの残りゲーム数が0となった時点の仮決定の内容に基づいて最終的にART終了時点のナビストックの有無を確定させるようになっている。
また、ナビストック無しは、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいてナビストック無しが1回判定されることで仮決定されるのに対して、ナビストックありは、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいてナビストックありが複数回連続して判定されることで仮決定されるようになっており、ナビストック無しよりもナビストックありの方が仮決定され難いようになっている。このため、ナビストックが実際残っていないにもかかわらず、ナビストックありと判定され、それに基づく制御が行なわれてしまうことを防止できる。
また、ナビストックありが仮決定された後、確認期間において1度でもナビストック無しが判定されると、仮決定がナビストック無しに変更されるのに対して、ナビストック無しが仮決定された後は、確認期間において、仮決定が行なわれていない状態でナビストックありを仮決定するのに要するナビストックありの判定の連続回数(2回)よりも多くの回数(5回)にわたり連続してナビストックありが判定されなければ、仮決定がナビストック有りに変更されないようになっており、一度ナビストック無しが仮決定されると、確認期間においてナビストックありの仮決定に変更され難いようになっている。このため、ナビストックが実際残っていないにもかかわらず、ナビストックありと判定され、それに基づく制御が行なわれてしまうことを防止できる。
このように本実施例では、メイン制御部41が、ART開始時にARTのゲーム数を決定した後、決定したARTのゲーム数が0となるまでの期間において、リプレイGR11〜13が当選したゲームでその際に選択された停止順種別および実際の停止順からサブ制御部91側のナビストックの有無を判定し、その結果に基づいて、ARTのゲーム数が0となり、1セットのARTが終了した時点でナビストック無しと判定した場合には、ARTに伴なう制御を終了させる一方で、ナビストックありと判定した場合には、その後、ゲーム開始操作に伴いフリーズ1に制御し、ARTを再開させるようになっている。
このような本実施例の構成、すなわちサブ制御部91が、メイン制御部41側の内部抽選結果と、サブ制御部91側の制御状態と、に基づく操作態様を促す報知を行ない、メイン制御部41が、役の種類に応じて定められた操作態様との一致状況を確認し、その結果に基づいてサブ制御部91側の制御状態を判断する構成では、遊技者が必ずしも報知された操作態様にて停止操作を行うとは限らず、遊技者が誤って報知された操作態様とは異なる操作態様で停止操作が行なわれた場合に、メイン制御部41がサブ制御部91側の制御状態を正確に判定できなくなってしまう虞がある。
これに対して本実施例では、1セットのART終了時のナビストックの有無の決定に際して、ARTの開始後、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいてナビストックの有無を仮決定し、その後ARTの残りゲーム数が0となるまでの期間(確認期間)において、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいてその際に選択された停止順種別および実際の停止順からナビストックの有無を判定することで、仮決定が正しいか否かを確認し、仮決定の結果と、その後の確認期間の確認結果と、に基づいてART終了時点のナビストックの有無を確定させるようになっているので、ART終了時点におけるサブ制御部91側のナビストックの有無の判定精度を高めることができる。
また、本実施例では、ART開始時にARTのゲーム数を決定した後、決定したARTのゲーム数が0となるまでの期間において、リプレイGR11〜13が当選したゲームでその際に選択された停止順種別および実際の停止順からサブ制御部91側のナビストックの有無、すなわちサブ制御部91側の有利度の異なる状況を判定し、その結果に応じて、メイン制御部41の制御を行うようになっており、この際、サブ制御部91が制御する有利度を高い判定精度にて特定できるので、実際の有利度と異なる有利度にてメイン制御部41の制御が行なわれてしまうことが防止でき、実際の有利度と異なる有利度にてメイン制御部41の制御が行なわれてしまうことにより、遊技者に対して無用な誤解を与えてしまうことを防止できる。
[示唆演出実行処理]
次に、サブ制御部91が行う示唆演出実行処理を図46のフローチャートに基づいて説明する。サブ制御部91は、示唆演出実行処理を実行することにより、当選役の種類に応じて当選役示唆演出または継続示唆演出を実行する。
図46に示すように、サブ制御部91は、まず、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sp1)。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信していないと判定したときには示唆演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信したと判定したときには、チェリー役(弱チェリーまたは強チェリー)に当選したか否かを判定する(Sp2)。サブ制御部91は、チェリー役に当選したと判定したときには、当選役示唆演出を実行する(Sp3)。その後、サブ制御部91は、示唆演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、チェリー役に当選していないと判定したときには、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したか否かを判定する(Sp4)。サブ制御部91は、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれにも当選していないと判定したときには、示唆演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したと判定したときには、AT中であるか否かを判定する(Sp5)。サブ制御部91は、AT中でないと判定したときには、ナビ演出が実行されることがないため、当選役示唆演出を実行する(Sp7)。その後、サブ制御部91は、示唆演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、AT中であると判定したときには、当選したリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに対してナビ演出が実行されるため、当選役示唆演出の代わりに継続示唆演出を実行する(Sp6)。その後、サブ制御部91は、示唆演出実行処理を終了する。
[当選役示唆演出と継続示唆演出の演出内容]
次に、図47を用いて、サブ制御部91により実行される当選役示唆演出と継続示唆演出の演出内容を説明する。
図47(a)は、当選役示唆演出の演出内容を説明する図である。図47(a)に示すように、当選役示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にリプレイGR11〜13、21〜23を連想させる「リ」を示す文字画像51aと、チェリー役を連想させる「チ」を示す文字画像51bとが表示される。そして、当選役示唆演出においては、文字画像51aと文字画像51bとを指差すキャラクタの画像が表示されるとともに、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれか、またはチェリー役に当選していることを連想させる「どっちかな?」という文字画像51cが表示される。これにより、当選役示唆演出が実行されたときには、遊技者は、液晶表示器51の画面を確認することによって、チェリー役、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことを認識することができる。
このように、当選役示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にキャラクタ画像および文字画像51a〜51cを表示することによって、遊技者に対して、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選した旨を示唆することができる。
図47(b)は、継続示唆演出の演出内容を説明する図である。また、継続示唆演出は、ナビ演出が実行されるときに、当選役示唆演出の代わりに実行される演出であるため、図47(b)においては、継続示唆演出およびナビ演出の演出内容が示されている。なお、ナビ演出の一例としては、リプレイGR11当選時やリプレイGR21当選時のナビ演出の演出内容が示されている。
図47(b)示すように、継続示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にキャラクタの画像が表示されるとともに、「継続するかも?」という文字画像51dが表示される。そして、継続示唆演出と同時に行なわれるナビ演出においては、液晶表示器51の画面上に、リール2Lの操作手順を示す左操作手順画像51eと、リール2Cの操作手順を示す中操作手順画像51fと、リール2Rの操作手順を示す右操作手順画像51gとが表示される。これにより、継続示唆演出およびナビ演出が実行されたときには、遊技者は、液晶表示器51の画面を確認することによって、少なくともナビ対象役ではないチェリー役には当選していないことを認識するとともに、現在制御中のATが終了した後に次のATに継続する可能性があることを認識することができる。
このように、継続示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にキャラクタ画像および文字画像51dを表示することによって、遊技者に対して、現在制御中のATが終了した後に次のATに継続する可能性がある旨を示唆することができる。
以上のように、本実施例においては、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出が実行されるため、遊技者にチェリー役当選によってナビストック獲得を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときにナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制されるため、当選役示唆演出を実行したにもかかわらずナビ演出によってリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまい遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
また、本実施例においては、チェリー役に当選したときにはナビストックを獲得できる可能性がある点で遊技者にとって有利である。また、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときには通常リプレイまたは特殊リプレイの入賞によって有利な遊技状態を維持または昇格することができる点で遊技者にとって有利である。ここで、両者の有利度を比較すると、メダルの払出しをより期待できる点で、チェリー役に当選したときの方が、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときよりも遊技者にとって有利であるといえる。そのため、仮にリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときに、ナビ演出と当選役示唆演出とが同時に実行されてしまう場合、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまう。言い換えると、より有利なチェリー役に当選していないことが遊技者に確定的に認識されてしまう。この場合、当選役示唆演出によって、いくら遊技者に対してチェリー役当選を期待させようとしても、遊技者がチェリー役当選を期待できるはずがなく、遊技の興趣が低下してしまう。しかしながら、本実施例においては、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときにナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制されるため、遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
また、本実施例においては、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときにナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制される代わりに、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときのゲームにおいて制御中の演出制御状態の有利度に関する情報、本実施例では、ATが継続するか否かを示唆する継続示唆演出が実行されるため、継続示唆演出によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、このように、当選役示唆演出の実行が規制される代わりに継続示唆演出が実行されることによって、当選役示唆演出が実行されないときに間延びした期間を継続示唆演出によって埋めることができ、遊技者の遊技に対する興味を持続させることができる。
[ART中の判定用ナビ演出]
図48は、本発明を実施したときのARTに関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。図48には、ARTと、判定用役に対する押し順正解と、ARTカウントの外部出力と、判定用ナビ演出と、判定用役との関係が示されている。なお、ARTについては、ARTに制御されている状態ではONで立ち上がる旨が示され、ARTに制御されていない状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。また、判定用役に対する押し順正解については、判定用役に対して遊技者が押し順正解したときにはOFFからONで立ち上がる旨が示される。
また、ART信号がメイン制御部41から外部へ出力されたときにはOFFからONで立ち上がる旨が示される。また、判定用ナビ演出については、判定用ナビ演出を実行可能な状態ではONで立ち上がる旨が示され、判定用ナビ演出を実行不可能な状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。また、判定用役であるベルまたはリプレイGR21〜23について、判定用ナビ演出や通常のナビ演出が実行されるタイミングが示され、さらに、演出判定用ナビ演出で特定可能とされる押し順の択数と、通常のナビ演出により特定可能とされる押し順の択数が示されている。なお、図48では1セットのARTで50ゲームが行われ、2セット目までARTが行われた場合を例に挙げて説明する。
図48に示すように、ARTが1セット50ゲームの期間に亘って制御されて終了するとする。その後、続けて2セット目のARTが開始され、50ゲームの期間に亘ってARTが制御されると終了するとする。また、ARTにおいては、判定用ナビ演出と判定用以外の通常のナビ演出とが実行される。1セット目のARTにおいてメイン制御部41がARTか否かを特定する特定期間では、判定用ナビ演出はリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに実行される、また、2セット目のARTにおいてメイン制御部41がARTか否かを特定する所定期間では、判定用ナビ演出はベルまたはリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに実行される。判定用以外の通常のナビ演出は、ART信号が出力されるまでは(すなわちARTが開始されたことが特定されるまでは)リプレイGR21〜23以外のナビ対象役であるリプレイGR11〜13や押し順ベルなどが当選したときに実行されるが、ART信号が出力された後はリプレイGR21〜23を含むナビ対象役が当選したときに実行される。
メイン制御部41は、1セット目のARTではリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、所定の停止順種別を抽選によって選択し(図20のSg3の処理)、当該停止順種別を特定する情報を判定用役当選コマンドに含ませてサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドに含まれる情報から特定される停止順種別に基づき、6択の判定用ナビ演出を実行する。たとえば、サブ制御部91は、停止順種別によって特定される押し順が左中右であれば、左中右の押し順を特定可能な情報を遊技者に報知する。メイン制御部41は、停止順種別と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。そして、メイン制御部41は、1セット目のART内で押し順正解を3回判定したときに、ART信号を外部出力する。これにより、外部機器において、ARTが開始されたこと(すなわちARTであること)を特定することが可能となる。
ここで、ARTの1セット内で、メイン制御部41が、ARTが開始されたことを特定することができた後には、再度、判定用役に対する押し順正解の判定をする必要がない。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41がART信号を外部出力してから1セット目のARTが終了するまでの間は、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときでも判定用ナビ演出を実行することなく、リプレイGR21〜23を含むナビ対象役に当選したときにのみ判定用以外の通常のナビ演出を実行する。判定用以外の通常のナビ演出では、リプレイGR21〜23に当選したときは第1停止のみを報知する3択の演出を実行し、判定用ナビ演出の6択より押し順の択数が減少する。
その後、ARTの1セット目が終了して2セット目が開始されたときには、メイン制御部41は、2セット目のARTではベルまたはリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、所定の停止順種別を抽選によって選択し(図20のSg3の処理)、当該停止順種別を特定する情報を判定用役当選コマンドに含ませてサブ制御部91に送信する。これにより、2セット目では判定用役の種類が1種類から2種類に増加する。サブ制御部91は、判定用役当選コマンドに含まれる情報から特定される停止順種別に基づき、6択の判定用ナビ演出を実行する。たとえば、サブ制御部91は、停止順種別によって特定される押し順が左中右であれば、左中右の押し順を特定可能な情報を遊技者に報知する。メイン制御部41は、停止順種別と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。そして、メイン制御部41は、2セット目のART内では押し順正解を1セット目よりも1回少ない2回判定したときに、ART信号を外部出力する。これにより、外部機器において、ARTが開始されたことを特定することが可能となる。そして、サブ制御部91は、メイン制御部41がART信号を外部出力してから2セット目のARTが終了するまでの間は、判定用ナビ演出を実行することなく、1セット目と同様に判定用以外の通常のナビ演出のみを実行する。
このように、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やし、1セット目においてARTが開始されたことを特定するための特定期間より短い所定期間でARTが開始されたことを特定している。これにより、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれを小さくすることが可能になり、例えば、外部機器でARTの移行回数を表示する場合において、ARTが開始されたにもかかわらずARTの移行回数がカウントアップされるまでに時差が生じるなど、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれが大きくなることによる募る遊技者の不満を解消することができる。
また、1セット目でARTであることが特定された場合には、ARTに制御されていないときに偶然に押し順が3連続で一致したわけではなく、1セット目のARTにおいて判定用ナビ演出にしたがった結果、3連続で押し順が一致した可能性が高い。したがって、通常状態から移行した初回のARTから引き続いて移行した2セット目以降のARTでは、判定用ナビ演出にしたがってストップスイッチを操作することへの遊技者の意識がすでに高まっており、判定用ナビ演出にしたがわずにストップスイッチを操作するようなことは起こりにくい。このため、2セット目以降のARTでは、判定用ナビ演出にしたがわずに操作を行って偶然にARTであることが特定される可能性は低いため、ARTであることを特定する期間を短くすることができる。これにより、ARTであることを偶然に特定してしまうことを防止しながらも、ARTが開始するタイミングとARTであることを特定するタイミングとのずれを小さくすることができる。
このように、本実施例では、ARTにおいてARTが開始されたことが特定されるまでの特定期間では、リプレイGR21〜23に対して6択の判定用ナビ演出が実行され、特定期間の経過後は、3択の通常のナビ演出が実行されるので、ART信号を出力した後は6択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
なお、本実施例では、判定用の押し順を決定するにあたって、リプレイGR11〜13当選時には4つの停止順種別を決定し、リプレイGR21〜23当選時には2つの停止順種別を決定し、ベル当選時には6つの停止順種別を決定している。そして、停止順種別をランダムに決定しているが、具体的な決定方法は、各当選役について同一数の共通の判定値を用いるとともに判定用のテーブルを異ならせて各当選役に応じた停止順種別を決定してもよいし、当選役ごとに異なる数の判定値を用いて各当選役に応じた停止順種別を決定してもよい。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[当選役示唆演出について]
本実施例では、「示唆演出」の一例として、チェリー役、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことを示唆する当選役示唆演出について説明したが、これに限らず、当選役を示唆する演出であればその他の演出であってもよい。
たとえば、示唆演出は、図47(a)に示す演出内容に限らず、スピーカ53、54などを用いて音声によって当選役を示唆するものや、LEDなどの点灯手段を用いて光によって当選役を示唆するものであってもよい。
また、示唆演出によって示唆する対象は、「所定結果」の一例であるチェリー役、および「特定結果」の一例であるリプレイGR11〜13、21〜23に限らない。たとえば、「所定結果」としては、チェリー役当選の代わりに遊技者にとって有利なボーナスと同時当選する可能性のあるスイカ役当選など、その他のチャンス役当選を用いてもよいし、1種類の役当選に限らず複数種類の役当選を用いてもよい。また、「特定結果」としては、リプレイGR11〜13、21〜23当選の代わりに押し順ベルなど、その他のナビ対象役当選を用いてもよい。なお、所定結果となったときよりも特定結果となったときの方が遊技者にとって有利度が高い方が好ましい。
[ナビ演出について]
本実施例では、「特定情報を報知する」演出の一例として、図47(b)に示すナビ演出について説明したが、これに限らず、サブ制御部91側の演出状態(いずれかの抽選モード、ナビストックが有る状態または無い状態、AT状態または非AT状態)に対応する操作態様を特定可能な情報を報知する演出であればその他の演出を実行するものであってもよい。
[継続示唆演出について]
本実施例では、「特定演出」の一例として、現在制御中のATが終了した後に次のATに継続する可能性がある旨を示唆する継続演出について説明したが、これに限らず、示唆演出の実行が規制されたときのゲームにおいて制御中の演出制御状態の有利度に関する情報を示唆する演出であればその他の演出であってもよい。
たとえば、特定演出は、図47(b)に示す演出内容に限らず、スピーカ53、54などを用いて音声によって有利度に関する情報を示唆するものや、LEDなどの点灯手段を用いて光によって有利度に関する情報を示唆するものであってもよい。
特定演出によって示唆する有利度に関する情報は、次のATに継続する可能性に関する情報に限らない。たとえば、特定演出は、現在所有しているナビストック数に関する情報を示唆するものであってもよいし、次のATに継続する抽選における継続確率に関する情報を示唆するものであってもよい。また、特定演出は、遊技者にとって有利なボーナス当選を示唆するものであってもよいし、実行後に有利度が向上するフリーズ演出の実行を示唆するものであってもよい。さらに、特定演出は、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない特典の付与(たとえば、プレミア演出の実行、設定値の示唆、画像や曲のダウンロードを可能とするポイントの付与など)を示唆するものであってもよい。
また、特定演出によって示唆する有利度に関する情報は、サブ制御部91側で制御される状態の有利度に関する情報に限らず、メイン制御部41側で制御される状態の有利度に関する情報であってもよい。たとえば、特定演出は、メイン制御部41側で設定される設定値を示唆するものであってもよいし、実行後に遊技者にとって有利な状態となる演出(たとえば、メイン制御部41のリール制御によるフリーズ演出など)の実行確率を示唆するものであってもよく、その他の情報を示唆するものであってもよい。
[当選役示唆演出の規制について]
本実施例では、「示唆演出」の一例としての当選役示唆演出がAT中に行なわれる場合、当選役示唆演出の実行を100%規制するものであったが、これに限らず、抽選などによって所定確率で規制するものであってもよい。これによれば、抽選によって規制される場合に限り、リプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまうことを防ぐことができる。
また、AT中のゲームであっても、ナビ演出を実行しない間は当選役示唆演出の実行を規制しないものとして、ナビ演出と当選役示唆演出との実行タイミングが被るときには当選役示唆演出の実行を規制するものであってもよい。たとえば、AT中のゲームの開始後にサブ制御部91がリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したことを示す内部当選コマンドを受信したときには、まず当選役示唆演出を実行して、その後、ナビ演出を実行するものであってもよい。これによれば、当選役示唆演出を実行している間は、遊技者に対して、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選した旨を示唆することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[メイン制御部によるサブ制御部91側の状態判定に関する変形例]
本実施例では、メイン制御部41が、サブ制御部91の制御する有利度としてナビストックの有無を特定し、ナビストックの有無に応じてメイン制御部41の制御を行う構成であるが、ナビストックの有無に限らず、たとえば、ナビストック数など、サブ制御部91が管理する有利な遊技状態へ移行させるための権利数、前述したサブ制御部91側の抽選モードなど、サブ制御部91側で管理する有利な遊技状態に関する抽選確率、また、サブ制御部91側でARTなどの有利な遊技状態のゲーム数や継続率を管理する構成であれば、これら有利な遊技状態のゲーム数や継続率をメイン制御部41が特定し、特定したサブ制御部91側の有利度に応じてメイン制御部41が制御を行う構成とした場合でも上記と同様の効果を得られる。
また、メイン制御部41が、AT中であるか否かを特定するものであってもよい。たとえば、AT中の場合、リプレイGR11〜13、21〜23などのナビ対象役に当選したときに、メイン制御部41によって選択された停止順種別と一致するナビ演出をサブ制御部91が実行することによって、メイン制御部41によって選択された停止順種別と実際の停止順とが一致する。一方、非AT中の場合、ナビ対象役に当選したときには、サブ制御部91はナビ演出を実行しないため、選択された停止順種別と実際の停止順とが不一致となる確率が高くなる。このように、メイン制御部41は、ナビ対象役に当選した場合に、メイン制御部41によって選択された停止順種別と実際の停止順とが一致するときにはAT中である旨を特定し、選択された停止順種別と実際の停止順とが不一致であるときには非AT中である旨を特定するものであってもよい。
さらに、メイン制御部41が、サブ制御部91の制御する有利度以外の制御状態、たとえば、サブ制御部91側が判定した異常、不正行為の可能性、時間などをメイン制御部41が特定し、特定したサブ制御部91側の制御状態に応じてメイン制御部41が制御を行う構成としてもよい。
また、本実施例では、1セットのART開始時に当該1セットのART終了時が設定される構成であり、当該1セットのART終了時が設定された時点からART終了時点までの期間において、リプレイGR11〜13が当選したゲームでその際に選択された停止順種別および実際の停止順からサブ制御部91側のナビストックの有無、すなわちサブ制御部91側の制御状態を判定する構成であるが、当該1セットのART終了時が設定された後、ART終了時が延長される構成において、1セットのART開始時からART終了時点までの期間において、リプレイGR11〜13が当選したゲームでその際に選択された停止順種別および実際の停止順からサブ制御部91側のナビストックの有無、すなわちサブ制御部91側の制御状態を判定する構成としてもよい。
さらに、1セットのARTが終了抽選に当選することや終了条件となる停止態様となったことにより当該1セットのARTが終了する構成、すなわちART開始当初から終了時が予め決まっていない構成において、1セットのART開始時からART終了時点までの期間において、リプレイGR11〜13が当選したゲームでその際に選択された停止順種別および実際の停止順からサブ制御部91側のナビストックの有無、すなわちサブ制御部91側の制御状態を判定する構成としてもよい。
また、本実施例では、ナビストックの有無の判定に際して、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいて、ナビストックの有無を仮決定した後、ARTの残りゲーム数が0となるまでの期間(確認期間)において、リプレイGR11〜13が当選したゲームにおいてその際に選択された停止順種別および実際の停止順からナビストックの有無を判定することで、仮決定が正しいか否かを確認し、その結果に基づいて仮決定を変更可能とし、ARTの残りゲーム数が0となった時点の仮決定の内容に基づいて最終的にART終了時点のナビストックの有無を確定させるようになっているので、当初仮決定されたサブ制御部91の制御状態と、実際のサブ制御部91の制御状態が異なる場合に、ART終了時までの期間において仮決定されたサブ制御部91の制御状態を実際のサブ制御部91の制御状態の仮決定に補正することができる。
なお、本実施例では、当初仮決定された内容を、ART終了時点までの確認期間における確認結果に応じて変更させる構成であるが、たとえば、仮決定の内容は変更せず、その後の確認期間における確認結果に基づいて最終結果のみ変更する構成としてもよい。
また、本実施例では、ナビストック無しが仮決定された後は、確認期間において、仮決定が行なわれていない状態でナビストックありを仮決定するのに要するナビストックありの判定の連続回数(2回)よりも多くの回数(5回)にわたり連続してナビストックありが判定されなければ、仮決定がナビストック有りに変更されないようになっており、一度ナビストック無しが仮決定されると、確認期間においてナビストックありの仮決定に変更され難いようになっている。すなわちこのような状況においては、当初ナビストックありを仮決定する場合よりナビストックありを仮決定するための条件を厳しくすることで、遊技者がナビ演出に従わずに停止操作を行っている場合であっても、ART終了時点において誤ってナビストックありと判定されてしまうことを防止できる。
なお、本実施例では、ナビストックありが仮決定された場合に、その後ナビストック無しが1回でも判定されればナビストック無しの仮決定に変更される構成であるが、ナビストック無しについても、当初決定される場合よりも多くの回数にわたり連続してナビストック無しが判定されることで、ナビストック無しの仮決定に変更される構成としてもよい。
また、本実施例では、ナビストックありを仮決定するに際して、連続して複数回ナビストックありが判定される必要があり、ナビストックあり、すなわち遊技者にとって有利な状況である旨の判定精度を高めることが可能となり、遊技者にとって有利な状況でないにもかかわらず、遊技者にとって有利な状況に応じた制御が行なわれてしまうことを防止できることから好ましいが、ナビストックありが1回判定されるのみでナビストックありの仮決定が行なわれる構成としてもよい。
また、本実施例では、RT2においてナビストックの有無が判定されることとなるリプレイGR11〜13の当選確率が、RT2において最も高く設定されているので、サブ制御部91の制御状態を仮決定する機会ならびにその後の確認期間において仮決定したサブ制御部91の制御状態が正しいか否かを確認する機会を増やすことができる。
なお、本実施例では、RT2においてサブ制御部91の制御状態を判定する構成であることから、RT2において最も当選確率の高いリプレイGR11〜13の当選時にサブ制御部91の制御状態を判定する構成としているが、たとえば、RT1、3など、内部抽選の結果としてハズレが最も高い確率にて割り当てられている場合には、ハズレ時にサブ制御部91の制御状態を判定する構成とすることで、上記と同様にサブ制御部91の制御状態を仮決定する機会ならびにその後の確認期間において仮決定したサブ制御部91の制御状態が正しいか否かを確認する機会を増やすことができる。また、特定の小役の当選確率が最も高くなる遊技状態(いわゆるボーナス)であれば、当該特定小役の当選時にサブ制御部91の制御状態を判定する構成とすることで、上記と同様にサブ制御部91の制御状態を仮決定する機会ならびにその後の確認期間において仮決定したサブ制御部91の制御状態が正しいか否かを確認する機会を増やすことができる。
また、メイン制御部によるサブ制御部91側の状態判定に関しては、図49に示すような制御を行うものであってもよい。図49は、変形例におけるARTに関するタイミングチャートの一例を説明するための図である。図49には、ARTと、判定用役に対する押し順正解と、ARTカウントの外部出力と、判定用ナビ演出との関係が示されている。なお、ARTについては、ARTに制御されている状態ではONで立ち上がる旨が示され、ARTに制御されていない状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。また、判定用役に対する押し順正解については、判定用役に対して遊技者が押し順正解したときにはOFFからONで立ち上がる旨が示される。ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。図49に示す例においては、判定用役として、リプレイGR21〜23が定められている。
また、ARTカウントの外部出力については、ART状態に関する情報を含む外部出力信号がメイン制御部41から外部へ出力されたときにはOFFからONで立ち上がる旨が示される。ここで、ART状態に関する情報とは、たとえば、現在がARTに制御中であるか否かを示す情報や、制御中のARTのセット数(たとえば、連チャン回数)などを示す情報である。また、判定用ナビ演出については、判定用ナビ演出を実行可能な状態ではONで立ち上がる旨が示され、判定用ナビ演出を実行不可能な状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。ここで、判定用ナビ演出とは、判定用役であるリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、メイン制御部41により決定された停止順種別に基づきサブ制御部91が実行するナビ演出のことである。
図49に示すように、タイミングt1から開始されたARTは、1セット50ゲームの期間に亘って制御され、タイミングt3で1セット目が終了する。その後、タイミングt3から続けて2セット目のARTが開始され、タイミングt5で2セット目が終了する。また、ARTにおいては、判定用ナビ演出と判定用以外のナビ演出とが実行されるようになっている。判定用ナビ演出は、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに実行され、判定用以外のナビ演出は、リプレイGR21〜23以外のナビ対象役であるリプレイGR11〜13や押し順ベルなどが当選したときに実行されるようになっている。
メイン制御部41は、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、所定の停止順種別を抽選によって選択し、当該停止順種別を特定する情報を内部当選コマンドに含ませてサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、内部当選コマンドに含まれる情報から特定される停止順種別に基づき判定用ナビ演出を実行する。たとえば、サブ制御部91は、停止順種別によって特定される押し順が左中右であれば、左中右の押し順を特定可能な情報を遊技者に報知する。メイン制御部41は、停止順種別と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。そして、メイン制御部41は、1セット50ゲームのART内で押し順正解を3回判定したときに、タイミングt2で示すようにその後ART1セット目であることを特定する情報を外部出力する。これにより、外部機器において、ARTの1セット目であることを特定することが可能となる。
ここで、ARTの1セット内で、メイン制御部41がARTのセット回数を特定することができた後には、再度、判定用役に対する押し順正解の判定をする必要がない。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41がART1セット目であることを特定する情報を外部出力したタイミングt2からART1セット目が終了するタイミングt3までの間は、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときでも判定用ナビ演出を実行することなく、リプレイGR21〜23以外のナビ対象役に当選したときにのみ判定用以外のナビ演出を実行する。
その後、ARTの1セット目が終了して、2セット目が制御されたときには、再び判定用ナビ演出と判定用以外のナビ演出とが実行される。そして、1セット目と同じように、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、判定用ナビ演出を実行して、判定用役に対する押し順が正解したか否かを判定し、1セット50ゲームのART内で押し順正解を3回したと判定したときに、タイミングt4で示すようにその後ART2セット目であることを特定する情報を外部出力する。これにより、外部機器において、ARTの2セット目であることを特定することが可能となる。そして、サブ制御部91は、メイン制御部41がART2セット目であることを特定する情報を外部出力したタイミングt4からART2セット目が終了するタイミングt5までの間は、判定用ナビ演出を実行することなく、判定用以外のナビ演出のみを実行する。
このように、変形例のARTにおいては、1セットのART内で、サブ制御部91の演出制御状態(たとえば、ARTのセット数)をメイン制御部41が判定するための判定用ナビ演出と、判定用以外のナビ演出とが実行される。そして、一旦、メイン制御部41がサブ制御部91の演出制御状態を特定した後には、そのセット内のARTにおいては、判定処理をする必要がないため、判定用ナビ演出は実行されないようになっている。
また、上記のようなARTにおいて、サブ制御部91は、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出を判定用ナビ演出が実行可能な期間に限り規制するようになっている。図49の一例では、サブ制御部91は、ART1セット目のタイミングt1〜t2の間と、ART2セット目のタイミングt3〜t4の間とで当選役示唆演出を規制する。たとえば、ART1セット目のタイミングt1〜t2の間でリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときには、当選役示唆演出と判定用ナビ演出とが同時に実行されてしまうため、サブ制御部91は、当選役示唆演出の実行を規制する。一方、ART1セット目のタイミングt2〜t3の間でリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときには、判定用ナビ演出は実行されないため、当選役示唆演出と判定用ナビ演出とが同時に実行されてしまうことがない。そのため、サブ制御部91は、当選役示唆演出の実行を規制しない。
これにより、メイン制御部41によってサブ制御部91の演出制御状態を特定する期間においては、当選役示唆演出と判定用ナビ演出とが同時に実行されることがないため、当選役示唆演出を実行したにもかかわらず判定用ナビ演出の実行によってリプレイGR21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまい遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
なお、判定用役は、リプレイGR21〜23に限らず、通常リプレイなどのように、遊技者の操作態様によっては遊技者に与えられる価値が同一となる役であってもよい。
[外部出力に関する変形例]
図22のSk17の外部出力制御処理の変形例について図50〜図51を用いて説明する。
図50及び図51に示すように、本変形例では、RT2信号の出力が終了する前に、ゲームの開始条件となる賭数が設定され、ゲーム開始操作が行われた場合には、ゲームを開始させる制御は行われるものの、RT2信号の出力中は、メダルIN信号の出力が行われることはなく、RT2信号の出力終了後に、ゲームの開始に伴うメダルIN信号の出力が行われるようになっており、RT2信号の出力に伴ってゲームの進行が阻害されてしまうことがないうえに、RT2信号が出力されている期間にゲームを進行させても、外部機器側では、RT2信号の受信終了後に、メダルIN信号を受信することとなるため、スロットマシン1側でRT2信号が出力されている期間にゲームを進行させても外部機器側でRT2信号の受信が完了する前にメダルIN信号を受信することがなく、メダルIN信号が示すゲームや消費メダル数が通常・RT2の開始後のものであるのか、通常・RT2の開始前のものであるのか、や通常・RT2の終了後のものであるのか、通常・RT2の終了前のものであるのか、を明確に特定することができるようになっている。
尚、本実施例では、RT2信号の出力終了前に出力契機が訪れる外部出力信号としてメダルIN信号を例示しているが、メダルIN信号以外にも、ゲームの進行に応じて出力される信号(本実施例であれば、メダル付与時に出力されるメダルOUT信号、BBの開始時に出力が開始されるBB中信号、RBの開始時出力が開始されるRB中信号が相当するものであり、これら以外に例えば、ゲーム開始を示すゲーム開始信号、リールの停止を示すリール停止信号、メダルが投入された旨を示すメダル投入信号、クレジットや設定済みの賭数の精算がなされた旨を示す精算信号などを外部出力信号として出力するものであれば、これらも含む)について、RT2信号の出力が終了する前に、これら外部出力信号の出力契機が訪れた場合には、ゲームの進行制御は行われるものの、RT2信号の出力中は、これら出力契機が訪れた外部出力信号の出力が行われることはなく、RT2信号の出力終了後に、これら外部出力信号の出力が行われる構成とした場合にも、上記と同様の効果が得られる。
[本実施例におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) ナビストック数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ナビストック数について、クリア(たとえば「0」)する処理を行うものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであってもよく、所定数減算する処理を行うものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行うものであってもよく、また当該ボーナス当選ごとに何れの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであってもよい。これにより、ナビストック数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施例では、賭数の設定や入賞に伴う遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施例では、メダルならびにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施例では、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値の何れをも払い出し得るものであってもよい。
(3) 本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(4) 本実施例では、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
[本発明の本実施例における効果とその他の変形例について]
本実施例では、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やし、1セット目においてARTが開始されたことを特定するための特定期間より短い所定期間でARTか否かを特定している(図21のSc6およびSc7の処理を行う部分)。
よって、1セット目のARTにおいてARTであることを偶然に特定してしまうことを防止しながらも、2セット目以降のARTにおいてARTが開始するタイミングとARTであることを特定するタイミングとのずれを小さくすることができる。
また、本実施例では、ARTにおいてARTが開始されたことが特定されるまでの特定期間では、リプレイGR21〜23に対して6択の判定用ナビ演出が実行され、特定期間の経過後は、3択の通常のナビ演出が実行される。
よって、ART信号を出力した後は6択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
また、本実施例では、ゲームを進行可能な状態(所定数の賭数が設定された状態)において進行操作(スタートスイッチ7の操作)がなされた場合に、特定遊技状態信号(RT2信号)の出力中であってもゲームを進行させる制御を行い、特定遊技状態信号(RT2信号)の出力中にゲームを進行させる制御が行われた場合に、該特定遊技状態信号(RT2信号)の出力の終了後に進行信号(メダルIN信号)を出力する。
よって、ゲームを進行可能な状態において進行操作がなされた場合には、特定遊技状態信号の出力中であってもゲームを進行させる制御が行われることとなるため、特定遊技状態信号の出力に伴ってゲームの進行が阻害されてしまうことがないうえに、特定遊技状態信号の出力中にゲームを進行させる制御が行われた場合には、特定遊技状態信号の出力の終了後に進行信号が出力されるので、特定遊技状態信号が出力されている期間にゲームを進行させても、外部機器側では、特定遊技状態信号の受信終了後に、進行信号を受信することとなるため、スロットマシン側で特定遊技状態信号が出力されている期間にゲームを進行させても外部機器側で特定遊技状態信号の受信が完了する前に進行信号を受信することがなく、進行信号が出力されたタイミングと特定遊技状態信号が出力されたタイミングの前後を明確に特定することができる。
また、本実施例では、特定遊技状態信号の出力を開始してから新たに次のゲームが開始された後であってゲーム関連信号が出力され得るゲーム関連信号出力期間に含まれない特定タイミング(たとえば、次のゲームのゲーム制御終了時(全リール回転停止時あるいはメダルOUT信号出力完了時)、あるいは次々ゲームのメダルIN信号出力完了時)に到達するまで、当該特定遊技状態信号の出力を継続する(たとえば、外部出力制御処理のSk107〜Sk113、図24〜図30参照)。
よって、特定遊技状態信号の出力は、新たに次のゲームが開始された後であってゲーム関連信号出力期間に含まれない特定タイミングに到達するまで継続されるため、外部機器が特定遊技状態信号を受信するのに必要となる時間をゲームの進行を阻害することなく確保でき、かつゲーム関連信号の出力中に特定遊技状態信号が送信(出力終了)されることがないので、外部機器側において受信したゲーム関連信号が特定遊技状態中のものであるか否かを容易に特定することができる。
また、本実施例では、仮決定した一の演出制御状態(たとえば、当初仮決定したナビストックの有無)と、確認結果(たとえば、確認期間におけるナビストックの有無の判定結果)とに基づいて所定タイミング(たとえば、ART終了時)における演出制御状態(たとえば、ナビストックの有無)を判定する。
よって、所定タイミングにおける演出制御状態の判定精度を高めることができる。
また、本実施例では、所定制御情報を受信したときに特定情報が報知されるときには、示唆演出の実行を規制する(たとえば、AT中にリプレイGR11〜13、21〜23のいずれかに当選したときには、当選役示唆演出を実行しない)。
よって、事前決定手段の決定結果が所定結果と特定結果とを含む複数種類の決定結果のうちいずれかとなった旨を示唆する示唆演出が実行されるため、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、事前決定手段の決定結果が所定結果となったときに特定情報が報知される場合には、示唆演出の実行が規制されるため、示唆演出を実行したにもかかわらず特定情報の報知によって所定結果となったことが遊技者に確定的に認識されてしまい遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
なお、上記実施例では、所定制御としてART信号を外部出力する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)に制御する、ART信号とは異なる信号を外部出力する、演出を実行するなど、上記実施例と異なる態様の制御を所定制御として実行するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
なお、例えば、演出制御状態の特定として再度のARTに移行させるためのナビストックが付与(貯留)されているか否かを特定し、ナビストックが付与(貯留)されている場合に所定制御としてメイン制御部41がフリーズに制御し、フリーズに制御した後にナビストックを消化してARTを開始するように構成した場合には、サブ制御部91によりナビストックが付されていることが報知されているにもかかわらず、フリーズの制御が開始されずにARTが開始されないことに対する遊技者の不満を解消することができる。
また、所定制御としてフリーズに制御する場合には、1セット目ではフリーズに制御するか否かを決定する抽選を行わずに2セット目では抽選を行う、または、1セット目と2セット目として抽選の当選確率を変更することが実施例として挙げられる。また、2セット目の所定期間でのみフリーズに制御するか否かの抽選を行って当選した場合に即座にフリーズに制御することにより2セット目でARTを特定する期間を1セット目より短くする、または、セット目の所定期間はフリーズに制御するか否かの抽選の当選確率を高くして2セット目でARTを特定する期間を1セット目より短くすることが実施例として挙げられる。
また、上記実施例では、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やすことにより、2セット目のARTにおいて1セット目における特定期間より短い期間でARTが開始されたことを特定する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、所定ゲーム数の間に所定役が所定回数連続入賞している場合(例えば5ゲーム中3回連続など)に所定制御を行うように構成し、2セット目以降のARTでは1セット目よりも所定ゲーム数を少なくする(例えば5ゲームを3ゲームにする)、あるいは、判定の時間を1セット目よりも2セット目は短くするなど、上記実施例と異なる方法で2セット目のARTにおいて1セット目における特定期間より短い期間でARTが開始されたことを特定するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して本発明を実現することが可能である。また、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させる、あるいは、判定用役の種類を増やす方法のうちいずれかのみを適用してもよい。
また、上記実施例では、3リールのスロットマシンを例に挙げて説明したが、この実施の形態に限らず、例えば、2リールのスロットマシンなど、リールの数が異なるスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して本発明を実現することが可能である。また、上記実施例では、特定手順やARTを特定するための手順として押し順を例に挙げて説明したが、この実施の形態に限らず、例えば、ストップスイッチの操作タイミング、押し順と操作タイミングを組み合わせなど、手順が異なるスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して本発明を実現することが可能である。
例えば、2リールのスロットマシンにおいて、特定期間では判定用ナビ演出を行うとともに特定期間の経過後はナビ演出のみを行う場合について説明する。この場合には、判定用ナビ演出では、押し順対象役が入賞する押し順を特定手順として報知(すなわち第1停止させるリールの報知)するとともに、残りのリールに対してはARTが開始されたことを特定するための図柄を導出させる操作タイミングを報知する。判定用ナビ演出にしたがうと、残りのリールにおいて導出された図柄の種類にかかわらず、押し順役が入賞して同一の利益が得られる。そして、特定期間経過後のナビ演出においては押し順対象役が入賞する押し順のみを特定手順として報知する。なお、押し順対象役が入賞する押し順とは異なる押し順で操作された場合には、ARTが開始されたことを特定するための図柄以外の図柄が引き込まれるようにリールの停止制御を行うことにより、特定手順で操作されていないにもかかわらずARTであることが特定されてしまうことを防止できる。
また、上記実施例では、演出制御状態としてARTが開始されたことを特定する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、ナビストックの有無、ナビストック数、ナビストック抽選の抽選確率、ATの継続率、ATゲーム数の上乗せ確率、ATのゲーム数、プレミア演出や設定示唆演出の実行されやすさ、演出種類、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示の有無、携帯端末の壁紙や音楽の付与の有無など、上記実施例と異なる態様の演出制御状態を特定するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
また、上記実施例では、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに判定用ナビ演出を6択にするとともに通常のナビ演出を3択にする例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、ARTにおいて判定用ナビ演出では3択にするとともに、ARTを特定する特定期間の経過後は通常のナビ演出で押し順を問わない報知を行うなど、上記実施例と異なる態様でARTを特定する特定期間の経過後にストップスイッチの操作手順を少なくする報知を行うスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
また、上記実施例では、複数のナビストックが付与されたときに再度のARTに移行する権利が付与されるようにした例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、ART中の所定条件の成立で再度のARTに移行する権利が付与される、ARTの終了時の抽選に当選すると再度のARTに移行する権利が付与されるなど、上記実施例と異なる態様で再度の有利状態に制御するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。なお、再度のARTに移行する権利が付与されている場合には一旦終了させずにARTを連続的に継続してもよいし、セットの区切りで一旦ARTを終了させてもよい。
また、上記実施例では、1セットのARTを抽選で決定したゲーム数を消化したときに終了する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、例えば、固定された所定ゲーム数のゲームを行うと1セットのARTが終了する、ART中に所定役に当選または所定役が入賞すると1セットのARTが終了する、ART中に実行する抽選に当選すると1セットのARTが終了するなど、上記実施例と異なる態様で有利状態の終了条件が成立するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。