[スロットマシンの構成]
まず、本実施例に用いたスロットマシン1について以下に説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L、2C、2Rに対応する位置には、リール2L、2C、2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L、2C、2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダルおよび賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジットおよび賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
なお、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられたペイアウト表示器13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態および後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のRT2終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のRT2終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すればよい。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態にかかわらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。なお、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。なお、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用してもよい。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(たとえば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴なう図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
なお、本実施例では、3つのリールを用いた構成を例示しているが、リールが1つのみ用いた構成、2つのリールを用いた構成、4つ以上のリールを用いた構成としてもよく、2以上のリールを用いた構成においては、2以上の全てのリールに導出された表示結果の組み合わせに基づいて入賞を判定する構成とすればよい。また、本実施例では、物理的なリールにて可変表示装置が構成されているが、液晶表示器などの画像表示装置にて可変表示装置が構成されていてもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、ROMに記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェースと、クロック回路と、固有情報記憶回路と、リセット/割込コントローラと、CPUと、ROMと、RAMと、CTC(カウンタ/タイマサーキット)と、乱数回路と、PIP(パラレルインプットポート)と、シリアル通信回路と、アドレスデコード回路とを備えて構成される。メイン制御部41が備えるCPUは、ROMから読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。メイン制御部41では、CPUがROMに格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(またはCPU)が実行する(または処理を行う)ということは、具体的には、CPUがプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。メイン制御部41が備えるROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データなどが記憶されている。メイン制御部41が備えるRAMは、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAMの少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAMの少なくとも一部の内容が保存される。なお、本実施例では、RAMの全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAMの全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備える乱数回路は、たとえば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。CPUは、乱数回路から抽出した数値データに基づき、乱数回路とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしてもよい。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路からCPUにより抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるROMには、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラムの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。たとえば、ROMには、CPUが各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROMには、CPUが遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAMには、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAMとしては、たとえばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPUには、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。たとえば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPUがROMから命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPUにおける1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。また、演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55などの演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
なお、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としてもよく、このような構成では、サブ制御部91および出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、たとえば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用してもよい。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96、日付情報および時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路など、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
[設定値]
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
[タイマ割込処理]
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行するごとに、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAMのスタックに退避し、RAMにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAMに格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAMの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAMの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかにかかわらず、その起動時においてRAMの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM7に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。なお、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、本実施例のスロットマシン1においてサブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)を実行するごとに、電断検出回路98からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(サブ)を実行する。電断処理(サブ)では、後述するATの発生状況、ATの残りゲーム数、AT継続回数など、遊技者にとっての利益に関連するデータと、いずれかのビットが1となる破壊診断用データ、すなわち0以外の特定のデータと、を格納するとともに、バックアップ領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにパリティ調整用データを計算し、バックアップ領域に格納する処理を行うようになっている。なお、RAMパリティとはRAM91cのバックアップ領域の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM91cのバックアップ領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM91cのバックアップ領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのバックアップ領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM91cに記憶されているデータに基づいて前述した遊技者にとっての利益に関連するデータをRAM91cの所定の領域に復帰させる一方、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、遊技者にとっての利益に関連するデータが格納されているバックアップ領域を含めRAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
また、サブ制御部91は、その起動時においてRAM91cのバックアップ領域に格納されたデータが正常と判断された場合であり、これらのデータを復帰させることが可能であっても、メイン制御部41から後述の設定開始を示す設定コマンド、すなわち後述のようにメイン制御部41の制御状態が初期化された旨を示すコマンドを受信した場合には、遊技者にとっての利益に関連するデータが格納されているバックアップ領域を含めRAM91cの全ての領域を初期化するようになっている。
なお、本実施例では、RAM91cのバックアップ領域から復帰させるデータ以外はサブ制御部91の起動時に一度初期化される構成であるが、メイン制御部41と同様に、RAM91cの全ての領域のデータを電断時も保持するとともに、起動時においてRAM91cの全ての領域を復帰させる構成としてもよい。
[初期化]
次に、メイン制御部41のRAMの初期化について説明する。メイン制御部41のRAMの格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データなど、初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAMのデータが破壊されているか否かにかかわらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数など、RT2終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数など、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAMの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAMのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
[入賞ライン]
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(RT0〜3)に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。なお、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであってもよいし、異なる図柄を含む組み合わせであってもよい。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、がある。なお、本実施例では、小役と再遊技役のみを備える構成であるが、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴なう特別役を備えていてもよい。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。なお、小役および再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となる。
[内部抽選]
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAMに割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAMに割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数および設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされるごとに、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値および設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAMに割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。なお、内部当選フラグ格納ワークに設定された当選フラグは、1ゲームごとにクリアされる。
[リールの停止制御]
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、およびリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、セキュリティチェックプログラムに格納されているテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。なお、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、さらに、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。なお、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)ごとに分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックスおよびテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリールおよび当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、さらに、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、およびリールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(および停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。なお、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
[送信コマンド]
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンド、判定用役当選コマンド、およびART信号出力コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。また、後述のように通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23の当選時には、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23が当選したことに加え、その際選択される停止順種別も特定可能とされている。
フリーズコマンドは、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)の種別(後述するフリーズ1、2、3)、フリーズの開始およびフリーズに制御される時間を特定可能なコマンドであり、フリーズの開始時に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴なう停止制御が行われるごとに送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、ならびに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞およびクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT0〜3のいずれか)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、RT2終了後、打止状態が開始した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生およびその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了および設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴なってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)の検出状態(on/off)を示すコマンドであり、一定時間ごとに送信される。
判定用役当選コマンドは、判定用役(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、リプレイGR21〜23)に当選したこと、および当選した判定用役の種類を示すコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されて判定用役に当選した場合にゲームが開始したときにコマンドバッファに格納された後送信される。ここで、判定用役とは、当選したときにメイン制御部41により所定の停止順種別が抽選によって決定される役であり(図16のSg3)、メイン制御部41は、停止順種別によって特定される押し順と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解したことを特定する。なお、判定用役当選コマンドには停止順種別を示す情報も付加される。本実施例においては、判定用役として、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4、およびリプレイGR21〜23が定められている。
ART信号出力コマンドは、後述するRT2でAT(アシストタイム)に制御された状態すなわちART(アシストリプレイタイム)への制御を開始したことを示すART信号を外部出力したことを示すコマンドであり、ART信号の出力命令を設定した際にコマンドバッファに格納された後送信される。
これらコマンドのうちドアコマンドおよび操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。なお、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理が10回実行されるごとに、スイッチの検出状態に基づいて生成されるとともに、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
[コマンド受信時のサブ制御部91による制御]
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などの各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターンごとに、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様など、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターンおよび遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
なお、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示す投入枚数コマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41から特定のコマンドを受信した場合に、該特定のコマンドに対応する制御パターンによる演出を行う。たとえば、エラーコマンドを受信した場合に、エラー状態に対応する制御パターンにてエラー報知演出を行い、待機コマンドを受信した場合に、待機状態を示すデモ演出を行う。
また、サブ制御部91は、操作検出コマンドから特定されるMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)を時系列にて複数個バッファしておくとともに、これらバッファされているMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態(on/off)に基づいて、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出状態が変化したか否かを特定可能とされており、これらの検出状態の変化を特定することで、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作状況を特定できるようになっている。
また、本実施例において、サブ制御部91は、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドから特定される当選役の種類に応じて、当選役示唆演出または代替演出を実行する。より具体的には、サブ制御部91は、メイン制御部41から受信した内部当選コマンドによって後述するチェリー役(弱チェリー、強チェリー)、およびリプレイGR21〜23のいずれかに当選したことを特定したときには、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出を実行する。ただし、サブ制御部91は、後述する判定用ナビ演出が実行されるときには、当選役示唆演出を実行する代わりに、所定の代替演出を実行する。サブ制御部91は、代替演出として「チャンス!」といったメッセージを液晶表示器51に表示する演出を実行する。さらに、サブ制御部91は、現在制御中のATが終了した後において次のATが継続するか否かを示唆するAT継続当選報知演出を実行する。AT継続当選報知演出を実行するための処理として、サブ制御部91は、図21に示すART中処理を実行する。
また、本実施例において、サブ制御部91は、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信した場合に、図25に示す判定用ナビ演出処理を実行する。判定用ナビ演出とは、判定用役であるリプレイGR21〜23またはベル(ベルの場合はART2セット目以降)のいずれかに当選したときに、メイン制御部41により決定された停止順種別に基づきサブ制御部91が実行するナビ演出のことである。
また、本実施例において、サブ制御部91は、メイン制御部41からART信号出力コマンドを受信した場合に、図24に示すART信号出力フラグ制御処理を実行する。ART信号出力フラグは、ART信号が出力されたことを示すフラグであり、サブ制御部91はART信号出力フラグがセットされているか否かによって、ART中にART信号が出力されたか否かを識別する。そして、ART中にART信号が出力されるまでは判定用ナビ演出を実行し、ART信号の出力後以降は判定用ナビ演出を実行しない。
[入賞役および遊技状態の遷移]
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴なう小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAMに設定されている必要がある。
図5、図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図7は、移行出目の図柄組み合わせ、および移行出目に関連する技術事項について説明するための図である。また、図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態およびRTの概要を示す図である。本実施例におけるスロットマシンは、図8に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。
図5を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、下段チェリー、1枚役が含まれる。小役は、入賞ラインLNにおいて、図5に示す各々の役に対応する図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。
たとえば、中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
右下がりベルに入賞したときには、8枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイおよびプラムは、ベルの1つ下の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイおよびプラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので、「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。また、プラム、リプレイのいずれか一方は、左リール2L、右リール2R各々において5コマ以内に配置されており、ベルは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
次に、上段ベル1〜8について説明する。上段ベル1〜8のいずれかに入賞したときには、8枚のメダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイおよびプラム、中リールのBARおよびオレンジ、右リール2RのBARおよびオレンジは、ベルの1つ下の位置に配置されているので、「リプレイ−オレンジ−オレンジ」、「リプレイ−オレンジ−BAR」、「リプレイ−BAR−オレンジ」、「リプレイ−BAR−BAR」、「プラム−オレンジ−オレンジ」、「プラム−オレンジ−BAR」、「プラム−BAR−オレンジ」、「プラム−BAR−BAR」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。また、左リール2Lにおいて、リプレイおよびプラムは、5コマ以内に配置されておらず、中リール2C、右リール2Rの各々について、オレンジおよびBARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において上段ベル1〜8のいずれかに当選していても、当選している上段ベルの構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベルに入賞することはない。
下段チェリーに入賞したときには、2枚メダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左リール2LのBARは、チェリーの1つ上の位置に配置されているので、「BAR−オレンジ−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」、「BAR−BAR−ANY」、「BAR−ベル−ANY」のいずれかの組み合わせが揃うと、左リールの「チェリー」が下段に停止することとなり、「チェリー−ANY−ANY」の組み合わせが下段および右上がり、すなわち無効ラインLM2およびLM4に揃うこととなる。また、中リール2Cにおいてオレンジ、BAR、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されているが、左リール2Lにおいて、BARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、下段チェリーに入賞することはない。
1枚役に入賞したときには、1枚メダルが払い出される。ここで、図3を参照すると、左リール2Lの黒7、中リールのチェリー、右リールの網7は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚役に当選していても、左リール2L、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、1枚役に入賞することはない。
次に、図6を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイが含まれる。再遊技役は、入賞ラインLNにおいて、図6に示す各々の役に対応する図柄の組合せが揃ったときに入賞となる。
たとえば、通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
下段リプレイの図柄組合せについて、図6を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cのオレンジ、BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されているので「ベル−オレンジ−オレンジ」、「ベル−オレンジ−チェリー」、「ベル−オレンジ−スイカ」、「ベル−オレンジ−黒7」、「ベル−オレンジ−網7」、「ベル−オレンジ−白7」、「ベル−BAR−オレンジ」、「ベル−BAR−チェリー」、「ベル−BAR−スイカ」、「ベル−BAR−黒7」、「ベル−BAR−網7」、「ベル−BAR−白7」のいずれかの組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「リプレイ−プラム−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−リプレイ−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−プラム−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、チェリー、スイカ、黒7、網7、白7の1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において下段リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
転落リプレイの図柄組合せについて、図6を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのベルは、リプレイの1つ下の位置に配置されているので「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において転落リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図8に示すように、RT0、RT2において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
昇格リプレイ1の図柄組合せについて、左リール2Lにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイ2の図柄組合せについて、図6を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cのオレンジ、BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイ、プラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので「ベル−オレンジ−リプレイ」、「ベル−オレンジ−プラム」、「ベル−BAR−リプレイ」、「ベル−BAR−プラム」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において昇格リプレイ2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図8に示すように、RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、RT2、RT3における内部抽選においては当選しないように設定されている。このため、RT2、RT3においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、RT2、RT3からRT0に制御されないように構成されており、RT1であるときにのみ昇格リプレイが入賞し、当該RT1からのみRT0に制御されるように構成されている。
特殊リプレイの図柄組合せについて、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングにかかわらず入賞させることができる役といえる。図8に示すように、RT0において特殊リプレイに入賞した後は、RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、RT1、RT3における内部抽選においては当選しないように設定されている。このため、RT1、RT3においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、RT1、RT3からRT2に制御されないように構成されており、RT0であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該RT0からのみRT2に制御されるように構成されている。
[移行出目]
次に、図7を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図7に示す20種類の図柄の組合せからなる。本実施例では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。図8に示すように、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、RT1に制御される。なお、RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、RT1が維持されることとなる。
[抽選対象役]
次に、図10〜図12を参照して、遊技状態ごとに抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0であるか、RT1であるか、RT2であるか、RT3であるか、によって内部抽選の対象となる役およびその当選確率が異なる。なお、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図10および図11においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないこと、すなわち抽選の対象外であることを示している。また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(たとえば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。なお、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、たとえば、判定値数として「360」が設定されている抽選対象役の当選確率は、360/65536となる。
本実施例では、図10、図11に示すように、各々の遊技状態に応じた抽選対象役が読み出される。たとえば、RT0であるときには、単独ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR21、リプレイGR22、リプレイGR23が内部抽選の対象役となる。なお、本実施の形態においては、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を総称して、単に「ベル」あるいは「押し順ベル」とも称する。RT1〜3について読み出される抽選対象役も図10、図11に示す通りである。
図10、図11に示す抽選対象役については、図12に示すように、各々の抽選対象役に対応する入賞役が読み出される。たとえば、図12に示すように、弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリー当選時、強チェリー当選は、ともに「BAR」の引込範囲内となるタイミングで左、中リールの停止操作が行われた場合に、「BAR−BAR−ANY」の組み合わせを導出可能に制御されることとなるが、弱チェリー当選時は、「BAR」の引込範囲内となるタイミングで左、中、右リールの停止操作が行われた場合に、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃わないように制御されるのに対して、強チェリー当選時は、「BAR」の引込範囲となるタイミングで左、中、右リールの停止操作が行われた場合に、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うように制御される。
このため、左、中、右リールにそれぞれ「BAR」を狙って停止操作を行った場合において、左リール2Lの下段にチェリーが停止した際に、中段に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うか否かにより強チェリーであるか弱チェリーであるか、を認識できる。以下では、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中断に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃う停止態様を強チェリー目と呼び、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中断に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃わない停止態様を弱チェリー目と呼ぶ。なお、強チェリーの当選時であっても、左リールのみ「BAR」が引込範囲となるタイミングで停止操作がされ、右リールにおいて「BAR」が引込範囲となるタイミングで停止操作がなされなければ、弱チェリー当選時と同様の出目、すなわち弱チェリー出目が導出されることとなる。
また、左ベル1〜4を単に左ベルと呼び、中ベル1〜4を単に中ベルとも呼び、右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。
このように、遊技状態がRT0〜3のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜3のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役およびその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
[再遊技役当選時のリール制御]
本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図13に示すように、同時当選した再遊技役の種類および停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図13は、複数の再遊技役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
リプレイGR1が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR2〜リプレイGR6のいずれかに当選した場合であって、いずれに当選したかに応じて定められた押し順(図13の各当選役に対応する押し順欄の上段の押し順、リプレイGR2当選時には左右中)の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2および通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。このように、リプレイGR1〜6とで、昇格リプレイ1、2に入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となるRT1において、リプレイGR1〜6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、RT0に移行することとなる。
リプレイGR11が当選し、左中右または左右中の順番で停止操作がなされた場合、すなわち左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右および左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR12またはリプレイGR13のいずれかに当選した場合であって、いずれに当選したかに応じて定められた押し順(図13の各当選役に対応する押し順欄の上段の押し順、リプレイGR12当選時には中左右または中右左となる手順(すなわち中リールを第1停止))の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、転落リプレイおよび通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、転落リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。このように、リプレイGR11〜13とで、転落リプレイを回避するため操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR11〜13が内部抽選の対象となるRT0、RT2において、リプレイGR11〜13のいずれかが当選していれば1/3の確率で通常リプレイが入賞してRT1への移行を回避できる一方で、2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に移行することとなる。
リプレイGR21が当選し、左中右または左右中の順番で停止操作がなされた場合、すなわち左リールを第1停止とした場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右および左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR22またはリプレイGR23のいずれかに当選した場合であって、いずれに当選したかに応じて定められた押し順(図13の各当選役に対応する押し順欄の上段の押し順、リプレイGR22当選時には中左右または中右左となる手順(すなわち中リールを第1停止))の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、特殊リプレイおよび通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングにかかわらず、特殊リプレイまたは通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。このように、リプレイGR21〜23とで、特殊リプレイを入賞させるため操作態様として異なる操作態様が設定されている。このため、リプレイGR21〜23が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR21〜23のいずれかが当選していれば1/3の確率で特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することとなる。
[小役当選時のリール制御]
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図14に示すように、同時当選した小役の種類および停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図14は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
左ベル1が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル6、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル5、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル3が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル3または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル4が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル4または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
中ベル1〜4および右ベル1〜4のうちいずれかに当選した場合も同様に、いずれに当選したかに応じて定められた押し順(図14の各当選役に対応する押し順欄の上段の押し順、中ベル1当選時には中左右または中右左となる手順(すなわち中リールを第1停止)、右ベル1当選時には右左中または右中左となる手順(すなわち右リールを第1停止))の順番で停止操作がなされた場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、それ以外の押し順で停止操作がなされた場合には、当選している上段ベルまたは移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
また、図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングにかかわらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施例では、ベル(左ベル、中ベル、右ベル)が当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。このため、ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわちベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。また、特にRT0、2、3においては、移行出目が停止することでRT1へ移行することとなる。
また、特に図示しないが、単独ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順および操作のタイミングにかかわらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
[遊技状態の遷移]
本実施例では、図8および図9に示すように、RT0〜3のいずれかに制御される。RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)に移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数にかかわらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行することで終了する。RT0における再遊技役の当選確率は、約1/1.4であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。RT0において内部抽選の対象となる役のうちリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23は、図11に示すように、ともに最も当選確率の高い役である。
RT1は、RT0、RT2、RT3において移行出目が停止するか、RT0、RT2において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行することで終了する。RT1における再遊技役の当選確率は、約約1/7.3であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR1〜6のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイが入賞し得る。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT2は、転落リプレイが入賞するか移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。RT2における再遊技役の当選確率は、約1/1.13であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23のみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイ、転落リプレイ、特殊リプレイが入賞し得る。RT2において内部抽選の対象となる役のうち通常リプレイ、リプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23は、図11に示すように、ともに最も当選確率の高い役である。
RT3は、設定変更後に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数にかかわらず、移行出目が停止してRT1に移行することで終了する。RT3における再遊技役の当選確率は、約1/7.3であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。前述のように再遊技役としては、通常リプレイのみが内部抽選の対象とされており、通常リプレイのみが入賞し得る。
RT0〜3のうちRT0、2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
本実施例におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。なお、本実施例では、サブ制御部91側の演出制御状態として、ATに制御していない非ATのときを通常状態として説明する。
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図8に示すように、設定変更後にRT3に移行する。RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行する。RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、RT1に移行することとなる。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行する。RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行することとなる。
RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行する。RT0においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。また、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解すると特殊リプレイが入賞する。また、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT0では、リプレイGR21〜23が当選し、停止順が正解することでRT2へ移行し、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
RT2では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行する。RT2においてリプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解であると転落リプレイが入賞する。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT2では、リプレイGR11〜13が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
サブ制御部91は、後述のATに制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜13、リプレイGR21〜23である。また、RT2であるときにはリプレイGR11〜13である。RT0〜2のいずれにおいても、ベルが共通のナビ対象役である。なお、本実施例では、弱チェリーや強チェリーといったチェリー役はナビ対象役に含まれていない。なぜならば、チェリー役は、目押しによって回転するリールの図柄を所望の位置で停止できる遊技者であれば、いずれの操作手順であっても入賞させることが可能であるため、ナビ演出によって操作手順を教える必要がないからである。一方、リプレイGR21〜23などの役は、予め決められた操作手順で操作しなければ、いくら目押しをしたところでも入賞させることはできないため、ナビ演出によって操作手順を教える必要がある。
また、リプレイGR21〜23への当選は、当選役示唆演出の実行契機にもなっているが、判定用ナビ演出と当選役示唆演出とは同じ1ゲーム内で実行されないようになっている。なぜならば、当選役示唆演出はチェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する演出であるにもかかわらず、ナビ対象役であるリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに実行される判定用ナビ演出も同時に実行されてしまうと、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまうからである。
[ナビ演出]
本実施例のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。ナビ画像として、たとえば、リプレイGR1や左ベルに当選したときには、「123」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「132」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクタ画像とを表示する。また、ナビ音声として、たとえば、「左中右!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「左右中!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチの押下順序を示す音声を出力する。なお、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、たとえば最初に「左!」と出力され、リール2Lを停止させると次に「中!」と出力され、リール2Lおよびリール2Cを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他のリプレイGR2〜6やベルに関しても、各々の役に応じたナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための停止順(図13参照)が報知される。リプレイGR11〜13に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて転落リプレイを回避するための停止順(図13参照)が報知される。リプレイGR21〜23に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための停止順(図13参照)が報知される。
また、ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための停止順(図14参照)が報知される。
以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類にかかわらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞をさせること、転落リプレイの入賞、移行出目の停止を回避させることができる。たとえば、リプレイGR11に当選したときには、左第1停止以外の操作をすると、左第1停止したときよりも、遊技者にとって不利となる転落リプレイが入賞するが、ナビ演出が実行されることにより、意図的に転落リプレイの入賞を回避させることができる。これにより、ナビ対象役に当選したときの行われるナビ演出に対して遊技者に注目させることができる。
なお、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであってもよい。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55などを用いて実行するものであってもよい。
[外部出力について]
本実施例のスロットマシン1は、遊技状態やエラーの発生状況などを示す外部出力信号を出力する。これら外部出力信号は、メイン制御部41の制御により遊技制御基板40より出力され、遊技店(ホール)に設けられたスロットマシンを含む遊技機に関する情報を収集して集中管理するホールコンピュータや、スロットマシン1に対応して設置されたデータ表示端末などの外部機器に出力されるようになっている。外部出力信号は、賭数の設定に用いられたメダル数を示すメダルIN信号、入賞の発生により遊技者に付与されたメダル数を示すメダルOUT信号、RT2の開始および終了のいずれか一方を示すRT2信号、ARTの開始を示すART信号、前面扉1bが開放中の旨を示すドア開放信号、設定変更モードに移行している旨を示す設定変更信号、メダルセレクタの異常を示す投入エラー信号、ホッパーユニット34の異常を示す払出エラー信号がそれぞれ出力される。外部出力信号のうち、ドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号は、頻繁に出力される信号ではないため、これらの信号に対して個々に外部出力用の端子を設ける必要性は低い。このため、外部出力信号のうちドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を、スロットマシン1が備える外部出力基板に搭載されたパラレル・シリアル変換回路によって、これらの信号を個別に識別可能なシリアル信号であるセキュリティ信号に変換して外部に出力するようになっており、これらドア開放信号、設定変更信号、投入エラー信号、払出エラー信号を1本の端子から出力することが可能となり、必要以上に多くの端子を設ける必要がなくなる。
[起動処理]
電源投入時にメイン制御部41により実行される起動処理においては、RAM41cに記憶されている各種遊技データが、電断前と一致するか否かの判定(RAMパリティチェック)を行い、一致する場合に電断前の状態に復帰させる。復帰させる際に、後述するRT2信号の出力制御中であるかが判定され、RT2信号の出力制御中でなければ、さらに復帰後の状態がRT2であるか否かが判定される。復帰後の状態がRT2でなければ、電断前の最後に実行していた処理に戻る一方、復帰後の状態においてRT2信号の出力制御中であるか、復帰後の状態がRT2であれば、RT2信号の出力命令をRAMに設定した後、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
[ゲーム処理]
図15は、メイン制御部41が起動処理や設定変更処理の後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、判定用役当選コマンド生成、格納処理(Sd3)、リール回転処理(Sd4)、ART判定処理(Sd5)、入賞判定処理(Sd6)、払出処理(Sd7)、ゲーム終了時処理(Sd8)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点でゲームを開始させる処理を実行する。また、BET処理では、ゲームを開始させる処理として、スタートスイッチ7が操作された時点で、設定された賭数に用いられたメダル数分のメダルIN信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲーム開始と同時にラッチされた内部抽選用の乱数値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAMに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおける判定用役当選コマンド生成、格納処理では、後述する判定用役に当選したときに正解となる押し順を付加した判定用役当選コマンドを生成するとともに、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する処理を実行する。
Sd4のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd5のステップにおけるART判定処理では、サブ制御部91がRT2においてATに制御しているか否か(すなわちARTに制御しているか否か)を判定し、ARTが開始されたことを判定した場合にART信号を外部出力するためのART信号の出力命令を設定する処理を実行する。
Sd6のステップにおける入賞判定処理では、Sd4のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd7のステップにおける払出処理では、Sd6のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算ならびにメダルの払出などの処理を行う。また、払出処理では、クレジットの加算ならびにメダルの払出により遊技者に対して付与されたメダル数分のメダルOUT信号の出力を命令する出力命令をRAMに設定する。
Sd8のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。また、ゲーム終了時処理では、次ゲームからRT2が開始する場合およびRT2が当該ゲームで終了した場合には、RT2信号の出力命令をRAMに設定する。すなわち、RT2信号の出力命令は、RT2への制御契機となる特殊リプレイに入賞したとき、およびRT2の終了契機となる移行出目が停止したときに設定される。
[判定用役当選コマンド生成、格納処理]
次に、ゲーム処理のSd3のステップで実行する判定用役当選コマンド生成、格納処理について説明する。
図16に示すように、メイン制御部41は、後述する図17のSc11でカウント短縮フラグがセットされたか否かを判定する(Sg1)。ここで、本実施例では、AT当選により1セットのARTが実行され、その後のAT継続抽選において継続当選することによりさらに1セットのARTが実行される。1セット中のARTにおいて継続当選した場合にはART1セット目の終了後に引き続きART2セット目が開始される。そして、カウント短縮フラグは、ART1セット目でART信号を出力するときにセットされ、全ての継続当選回数分のATを消化してARTが終了し、RT2からRT1に移行したときにクリアされるので、カウント短縮フラグがセットされているということはART1セット目でART信号を出力した後(ART2セット目以降も含む)の状態であることを識別できる。
カウント短縮フラグがセットされていない場合、すなわちARTに制御されていないか、または、ART1セット目でART信号が出力される前である場合には、リプレイGR21〜23に当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(Sg2)。リプレイGR21〜23に当選していない場合には処理を終了する。リプレイGR21〜23に当選した場合には、ランダムに停止順種別(0または1)を選択することにより、リプレイGR21〜23に対する判定用の押し順を決定する(Sg3)。
リプレイGR21〜23のいずれかに対する停止順種別を決定して押し順を決定した後は、判定用役に当選したことを示す判定用役当選フラグをRAM41cの所定領域にセットし(Sg4)、判定用役に当選したことを示す判定用役当選コマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sg5)。
一方、カウント短縮フラグがセットされている場合、すなわちART1セット目でART信号を出力した後の場合には、ベルまたはリプレイGR21〜23に当選したか否かを判定することにより、判定用役に当選したか否かを判定する(Sg6)。ベルまたはリプレイGR21〜23に当選していない場合には処理を終了する。ベルまたはリプレイGR21〜23に当選した場合には、ランダムに停止順種別を選択することにより、ベルまたはリプレイGR21〜23に対する判定用の押し順を決定する(Sg3)。次いで、上記と同様にSg4、Sg5の処理を実行する。
ここで、Sg3の処理において選択される停止順種別およびこれに基づいて決定される判定用の押し順について以下に説明する。
リプレイGR21〜23に対する判定用の押し順は、特殊リプレイが入賞する第1停止に加え、第2停止および第3停止に対しても押し順を割り振ることにより設定されている。すなわち、特殊リプレイを入賞させるには3択の押し順(図13に示すように、リプレイGR21なら左第1停止、リプレイGR22なら中第1停止、リプレイGR23なら右第1停止の3択)となるが判定用の押し順と一致させるには6択(リプレイGR21なら左中右または左右中、リプレイGR22なら中左右または中右左、リプレイGR23なら右左中または右中左の6択)の押し順となる。なお、「左」はストップスイッチ8Lを操作することを示し、「中」はストップスイッチ8Cを操作することを示し、「右」はストップスイッチ8Rを操作することを示す。
メイン制御部41は、リプレイGR21〜23が当選したときに、Sg3で選択する停止順種別に基づいて決定する判定用の押し順に応じて以下のように判定する。
メイン制御部41は、リプレイGR21の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(左中右)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左中右以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、リプレイGR21の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで左第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。なお、前述したように、判定用ナビ演出は、6択の押し順の中の1つの押し順が報知されるため、6択ナビとも称する。また、通常のナビ演出は、3択の押し順中の1つの押し順が報知されるため、3択ナビとも称する。
メイン制御部41は、リプレイGR21の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順(左右中)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左右中以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、リプレイGR21の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた左右中の停止順を報知するナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで左第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR22の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(中左右)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中左右以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、リプレイGR22の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで中第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR22の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順(中右左)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中右左以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、リプレイGR22の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで中第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR23の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(右左中)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右左中以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、リプレイGR23の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで右第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、リプレイGR23の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順(右中左)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右中左以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、リプレイGR23の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで右第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
ベルに対する判定用の押し順は、右下がりベルや中段ベルが入賞する第1停止に加え、第2停止および第3停止に対しても押し順を割り振ることにより設定されている。すなわち、右下がりベルや中段ベルを入賞させるには3択の押し順(図14に示すように、左ベル1〜4なら左第1停止、中ベル1〜4なら中第1停止、右ベル1〜4なら右第1停止の3択)となるが判定用の押し順と一致させるには6択(左ベル1〜4なら左中右または左右中、中ベル1〜4なら中左右または中右左、右ベル1〜4なら右左中または右中左の6択)の押し順となる。
メイン制御部41は、ベルが当選したときにはSg3で選択する停止順種別に応じて以下のように判定する。
メイン制御部41は、左ベル1〜4の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(左中右)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左中右以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、左ベル1〜4の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで左第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、左ベル1〜4の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順(左右中)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が左右中以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、左ベル1〜4の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた左右中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで左第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、中ベル1〜4の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(中左右)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中左右以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、中ベル1〜4の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで中第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、中ベル1〜4の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順(中右左)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が中右左以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、中ベル1〜4の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで中第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、右ベル1〜4の当選時に停止順種別0を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(右左中)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右左中以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、右ベル1〜4の当選時に停止順種別0が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別0に対応付けられた右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで右第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
メイン制御部41は、右ベル1〜4の当選時に停止順種別1を選択した場合に、実際の停止順が停止順種別1に対応付けられた判定用の押し順(右中左)の場合にはART中であると判定し、実際の停止順が右中左以外の場合にはART中でないと判定する。一方、サブ制御部91は、右ベル1〜4の当選時に停止順種別1が選択された場合に、ART中でART信号を出力する前では停止順種別1に対応付けられた右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、ART信号を出力した後は新たなセットのARTが開始されるまで右第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
なお、ART信号を出力した後は、新たなセットのARTが開始されるまで第1停止の停止順のみを報知する通常のナビ演出を実行するものに限らず、ART信号を出力した後であっても、停止順種別に対応付けられた停止順を報知するナビ演出を実行するようにしてもよい。
[ART判定処理]
次に、ゲーム処理のSd5のステップで実行するART判定処理について説明する。
図17に示すように、メイン制御部41は、図16のSg4で判定用役当選フラグがセットされたか否かを判定する(Sc1)。すなわち、ベルやリプレイGR21〜23に当選したか否かを判定する。判定用役当選フラグがセットされていない場合には処理を終了する。
判定用役当選フラグがセットされている場合には、ストップスイッチの実際の押し順と図16のSg3で選択した停止順種別に基づいて決定した判定役用の押し順を比較する(Sc2)。押し順が一致した場合には(Sc3:Y)、判定用役に対する押し順と実際の押し順とが一致した回数をカウントする押し順判定カウンタのカウント値に「1」加算する(Sc4)。
次いで、Sc11でセットされるカウント短縮フラグが既にセットされているか否かを判定する(Sc5)。カウント短縮フラグがセットされていない場合、すなわちARTに制御されていないか、または、ART1セット目でART信号が出力される前である場合には、押し順判定カウンタのカウント値が「3」になったか否かを判定する(Sc6)。すなわち、判定用役の押し順と実際の押し順が一致した回数が連続して3回になったか否かを判定する。カウント値が「3」でなければ処理を終了する。
一方、カウント値が「3」であれば、ART1セット目が開始されたことを特定して所定制御としてART信号を出力することになるので、カウント短縮フラグをRAM41cの所定領域にセットする(Sc11)。ここで、3回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「3」になるので、ART1セット目で判定用ナビ演出に従ってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、このときは、ARTが開始されたことを特定し、ARTに移行したことを示すART信号の出力命令を設定する(Sc8)。ART信号の出力命令を設定した後は、ART信号を出力したことを示すART信号出力コマンドを生成し、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc9)。次いで、判定用役当選フラグをクリアして処理を終了する(Sc10)。なお、ART信号の出力命令が設定されると、ART信号は外部機器に出力される。これにより、メイン制御部41は、サブ制御部91側の演出制御状態(ARTであるか否かの状態)を特定したときにART信号を外部出力することが可能となる。ART信号を受信したデータ表示端末(スロットマシン1の上方に設置された端末、ホールコンピュータ)などの外部機器は、たとえば、ARTに移行した回数を表示する。
また、Sc2でストップスイッチの実際の押し順と図16のSg3で決定した判定役用の押し順を比較した結果、押し順が一致しなかった場合には(Sc3:N)、押し順判定カウンタのカウント値をクリアし(Sc12)、判定用役当選フラグをクリアして処理を終了する(Sc10)。このように、押し順が一致しなかったときに押し順判定カウントのカウント値をクリアするので、押し順判定カウンタは連続して押し順が一致した回数をカウントすることになる。
また、Sc5でカウント短縮フラグがセットされていることを判定した場合、すなわちART1セット目でART信号を出力した後である場合には、押し順判定カウンタのカウント値が「2」になったか否かを判定する(Sc7)。押し順判定カウンタのカウント値が「2」でない場合には、判定用役当選フラグをクリアして処理を終了する(Sc10)。
ここで、2回連続して押し順が一致したときに押し順判定カウンタのカウント値は「2」になるので、カウント短縮フラグがセットされた後のゲーム、すなわちART1セット目でART信号が出力された後のゲームで、押し順判定カウンタのカウント値が「2」になった場合には、2セット目以降のARTで判定用ナビ演出に従ってストップスイッチを操作した結果、押し順が連続して一致した可能性が高い。よって、この場合には、新たなセットのARTが再度開始されたことを特定し、ART信号の出力命令を設定し(Sc8)、ART信号出力コマンドを生成して、生成したコマンドをコマンドバッファに格納する(Sc9)。そして、判定用役当選コマンドをクリアして処理を終了する(Sc10)。
本実施例では、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やし、1セット目においてARTが開始されたことを特定するための特定期間より短い所定期間でARTが開始されたことを特定している。これにより、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれを小さくすることが可能になり、たとえば、外部機器でARTの移行回数を表示する場合において、ARTが開始されたにもかかわらずARTの移行回数がカウントアップされるまでに時差が生じるなど、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれが大きくなることによる遊技者の不満を解消することができる。
また、ART1セット目であることが特定された場合には、ARTに制御されていないときに偶然に押し順が3連続で一致したわけではなく、ART1セット目において判定用ナビ演出に従った結果、3連続で押し順が一致した可能性が高い。したがって、通常状態(非AT)から移行した初回のARTから引き続いて移行した2セット目以降のARTでは、1セット目のARTにおいて判定用ナビ演出および判定用ナビ演出以外の通常のナビ演出を経ているので、判定用ナビ演出に従ってストップスイッチを操作することへの遊技者の意識がすでに高まっており、判定用ナビ演出に従わずにストップスイッチを操作するようなことは起こりにくい。このため、2セット目以降のARTでは、ARTであることを特定する期間を短くすることができる。これにより、1セット目のARTにおいてARTであることを偶然に特定してしまうことを防止しながらも、2セット目以降のARTにおいてARTが開始するタイミングとARTであることを特定するタイミングとのずれを小さくすることができる。
[外部出力制御処理]
メイン制御部41により実行される外部出力制御処理では、まず、RT2信号の出力命令が設定されているか否かを判定し、RT2信号の出力命令が設定されていれば出力命令をクリアし、RT2信号の出力を開始する。RT2信号の出力命令は、次ゲームからRT2が開始する場合およびRT2が当該ゲームで終了した場合などに設定される。
BET処理においてゲームの開始条件となる賭数が設定され、ゲーム開始操作が行われることでゲームを開始させる制御が行われるごとに、当該ゲームの賭数の設定に用いられた数分のメダルIN信号を出力する制御が行われる。また、払出処理においてメダルが払い出されたときに、払出メダル数分のメダルOUT信号を出力する制御が行われる。また、ゲーム終了時処理における遊技状態の移行に応じて、BB中信号、RB中信号、およびRT2信号を出力する制御が行われる。このうち、RT2信号の出力は、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間である、次ゲーム終了時や次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力停止時に終了される。
外部機器では、RT2信号に基づいてRT2、すなわち遊技者にとって有利な遊技状態の開始および終了を特定することが可能であり、メダルIN信号に基づいて消費されたメダル数を特定し、メダルOUT信号に基づいて払い出されたメダル数を特定することが可能となる。また、メダルIN信号は、ゲームの開始に伴なって出力させる信号であるため、メダルIN信号の出力をゲームの開始と判断することも可能である。
RT2信号を最短でも2000msにわたり出力するのは、遊技状態の信号を検出するのに比較的長い時間を要する古いホールコンなどの外部機器でもRT2信号を確実に検出できるようにするものであるが、この時間は、ゲーム終了後、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行い、かつゲームの開始操作を行うまでに要する時間よりも長い時間であるため、RT2信号の出力開始から2000ms経過するまでに、遊技者がゲームの開始条件となる賭数の設定操作を行い、ゲームの開始操作が行われてゲームを開始させる制御が行われた場合には、RT2信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性がある。特に、本実施例のように特殊リプレイの入賞を契機にRT2へ移行する場合には、次ゲームの賭数が自動的に行われるため、このような場合には、RT2信号と被ってメダルIN信号が出力される可能性が一層高まることとなる。
RT2信号とメダルIN信号が被って出力されると、メダルIN信号により特定される消費メダル数がRT2の開始後のものであるのか、RT2の開始前のものであるのか、やRT2の終了後のものであるのか、RT2の終了前のものであるのか、を確実に特定できなかったり、メダルIN信号により特定されるゲームが、RT2の開始後のゲームであるのか、RT2の開始前のゲームであるのか、やRT2の終了後のゲームであるのか、RT2の終了前のゲームであるのか、を確実に特定できなかったりするという問題が生じる。
このような問題を解消するために、RT2信号の出力期間が終了するまで、次ゲームの賭数の設定操作またはゲームの開始操作を無効化する方法も考えられるが、このような構成とすることで、RT2信号とメダルIN信号の出力が被ることはないものの、ゲームの進行が遅れてしまうこととなり、賭数の設定操作またはゲームの開始操作が無効化されることで、遊技者に対して違和感を与えてしまう虞もある。
これに対して本実施例では、RT2が開始する直前のゲームの終了時、およびRT2が終了するゲームの終了時にRT2信号を外部出力信号として出力する制御を開始するとともに、RT2信号が出力中であっても、RT2信号が出力されていないときと同じように、ゲームの進行に応じて、メダルIN信号およびメダルOUT信号を出力させた後、当該ゲームを終了させる。
また、RT2信号は、出力を開始した後に新たに開始されたゲームが終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない特定タイミングで停止される。なお、ゲームが終了したタイミングが、RT2信号出力開始から2000ms経過していないときには、外部機器で当該信号を確実に特定できない虞があるため、さらに次のゲームにおいてメダルIN信号の出力制御を終了したタイミング、すなわち、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得る予め定められた期間に含まれない所定タイミングで停止される。
これにより、外部機器では、たとえば、RT2であることが特定されていないときに、RT2信号の出力が停止したときに、RT2に制御されたことを特定し、終了タイミングが1ゲーム終了時であったときには当該終了したゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中におけるメダルと判定し、終了タイミングがメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであったときには、実行中の今回ゲームおよび前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルをRT2中におけるメダルと判定する。
また、外部機器では、たとえば、RT2であることが特定されているときに、RT2信号の出力が停止したときに、RT2が終了したことを特定し、終了タイミングが1ゲーム終了時であったときには当該終了したゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルを、RT2中ではないメダルと判定し、終了タイミングがメダルIN信号の出力制御を終了したタイミングであったときには、実行中の今回ゲームおよび前回ゲームにおけるメダルIN信号およびメダルOUT信号から特定されるメダルをRT2中ではないメダルと判定する。
RT2信号の出力は、特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了したときに開始される。その後、次のゲームのゲーム開始操作が行われて、新たに次のゲームが開始されたときにメダルIN信号が所定期間に亘り出力され、当該ゲームのゲーム制御が終了したときに、RT2信号の出力が終了する。
次のゲームにおいてメダル払出が生じているため、メダルOUT信号が所定期間に亘り出力された後にゲーム制御が終了する。メダルOUT信号が出力される期間は、メダルの払出数に応じて一定となるように定められている。RT2信号の出力を停止するゲームにおいてメダルの払出が発生した場合には、全リールが停止してからメダルOUT信号が出力される期間経過した後であってメダルOUT信号の出力が完了した後に、RT2信号の出力を停止させる。
特殊リプレイに入賞したゲームのゲーム制御が終了しRT2信号の出力を開始してから、2000ms経過するまでに次のゲームが終了したときのRT2信号の出力は、出力開始後において新たに開始された次のゲームが終了しても終了せず、さらに次々ゲームが開始されてメダルIN信号の所定期間に亘る出力が完了した後にRT2信号の出力を終了する。
また、本実施例においてメイン制御部41は、RT2信号の出力制御中、すなわちRT2信号の出力開始後、出力制御が終了する前に、再度、RT2信号の出力命令が設定された場合(RT2開始後即座に終了してしまった場合など)には、RT2信号の出力を完了させた後、再びRT2信号を出力するようになっている。一方、電源投入時において電断前の状態に復帰する際に、RT2信号の出力制御中の状態に復帰する場合には、復帰前にRT2信号の出力命令が設定され、その時点から改めてRT2信号を出力するようになっている。このため、スロットマシン1の電源投入後、RT2信号の出力制御中の状態に復帰した場合でも、改めてRT2信号が出力されるので、外部機器側で、RT2信号を確実に受信することができる。また、スロットマシン1の電源投入後、RT2の状態に復帰した場合には、RT2の開始時または終了時でなくともRT2信号が出力されるので、前日のRT2の状態が残ったままの状態で開店した場合でも、外部機器に対して、当該RT2態を本日のRT2として認識させることができる。
特に本実施例のように、RT2の開始時にも終了時にもRT2信号を出力する構成においては、開店時において前日から続くRT2が継続している場合に、電源投入時にRT2信号が出力されないと、RT2の終了時にその日初めてRT2信号が出力されることとなるが、このような場合、外部機器側で、RT2の終了をその日における最初のRT2の開始と誤って判断してしまう可能性があるが、上記のように、電源投入後、RT2の状態に復帰した場合には、RT2の開始時または終了時でなくともRT2信号が出力されることで、外部機器側でRT2の開始または終了の判定が誤って行われてしまうことも防止できる。
また、本実施例では、RT2の開始時にも終了時にもRT2信号を出力するようになっており、外部機器側で、RT2の開始だけでなく、RT2の終了も認識することが可能となり、外部機器側でRT2に制御されている間に生じた事象を正確に把握することが可能となる。
なお、本実施例では、RT2の開始時、終了時の双方でRT2信号を同じ期間だけ、同一信号端子から出力する構成であるが、RT2の開始時と、RT2の終了時と、で異なる信号端子から出力する構成としたり、出力される信号端子は同一であるが、RT2の開始時と、RT2の終了時と、で出力時間が異なる構成、すなわち異なる出力態様とする構成としたりしてもよく、これらのような構成とすることで、外部機器側で、RT2の開始と、RT2の終了と、を正確に特定することが可能となる。
また、本実施例では、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、次々ゲームにおけるメダルIN信号の出力を完了した後に、RT2信号の出力を停止する例について説明したが、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間に出力するものであり、かつ、2000ms以上経過していたときに停止するタイミング(本実施例では次のゲームのゲーム制御終了時)と異なるタイミングであれば、どのようなタイミングでRT2信号の出力を停止するものであってもよい。また、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、次のゲームが終了したときには、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過したときであって、メダルIN信号やメダルOUT信号が出力され得ない期間において、RT2信号の出力を停止するようにしてもよい。
以上のように、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2信号の出力は、RT2信号の出力開始後において新たに次のゲームが開始された後であってメダルIN信号やメダルOUT信号が出力される期間に含まれない特定タイミングに到達するまでRT2信号の出力を継続されるため、呼び出しランプ装置などの外部機器がRT2信号を受信するのに必要となる時間をゲームの進行を阻害することなく確保できる。また、メダルIN信号やメダルOUT信号などを出力しているときにRT2信号の出力を停止することがないので、呼び出しランプ装置などの外部機器側において受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT2中における信号であるか否かを容易に特定することができる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2への制御契機である特殊リプレイ入賞が成立してRT2への制御が開始されたときにRT2信号を出力することができるため、外部機器側においてRT2への制御タイミングを適切に特定することができる。
なお、割込処理との関係で、特殊リプレイ入賞タイミングと、RT2への制御を開始するタイミングとに若干のズレが生じる場合(たとえば、一の割込処理において特殊リプレイ入賞と判定され、次の割込処理でRT2への制御が開始されるような場合)には、RT2信号を特殊リプレイ入賞時に出力するものであってもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2信号を少なくとも所定期間(2秒)にわたり出力する。このため、RT2信号を検出するのに比較的長い時間を要する古い外部機器でもRT2信号を確実に検出できる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2信号の出力を開始してから2000ms経過するまでに、新たに開始されたゲームが終了したときには、特定タイミングであるゲーム終了時と異なるメダルIN信号の出力が完了したときにRT2信号の出力を終了する。このため、外部機器においてRT2信号を確実に検出できるとともに、検出タイミングが特定タイミングであったか、特定タイミングと異なる所定タイミングであったかに応じて、受信したメダルIN信号やメダルOUT信号などがRT2中における信号であるか否かを明確に特定することができる。
なお、特定タイミングと、ゲーム終了時とは必ずしも一致するものに限らず、若干のズレが生じるものであってもよい。たとえば、一の割込処理において次のゲームが実際に終了したと判定され、次の割込処理で特定タイミングに到達したと判定されるものであってもよい。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2信号出力中に電断復帰したときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたりRT2信号が出力される。このため、RT2信号出力中に電断が生じても、復帰後に、外部機器側でRT2信号を確実に受信することができる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、電断復帰したときの遊技状態がRT2であるときには、復帰後に少なくとも所定期間にわたりRT2信号が出力される。このため、外部機器側で電断復帰後の遊技状態がRT2であるか否かを特定することができるとともに、開店時に、前日のRT2が復帰した場合でも、外部機器に対して、当該RT2を本日のRT2として認識させることができる。
また、本実施例におけるスロットマシン1においては、RT2の終了時にもRT2信号を出力する。このため、外部機器側でRT2の終了時期を特定することができる。なお、ART信号を外部機器に対して出力する場合、当該ART信号の出力開始から終了までの態様を、RT2信号と同様にしてもよい。これにより、外部機器側において、メイン制御部41から出力されるART信号に基づいて、ARTに制御されたか否か、およびARTに制御された回数を特定可能となる。
[タイマ割込処理(サブ)]
図18は、サブ制御部91が内部クロックのカウント値に基づいて1.12秒の間隔で実行するタイマ割込処理(サブ)のフローチャートである。
図18に示すように、タイマ割込処理(サブ)においては、サブ制御部91は、まず、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sb1)。次いで、停電判定処理を行う(Sb2)。停電判定処理では、電断検出回路48から電圧低下信号が入力されているか否かを判定し、電圧低下信号が入力されていれば、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていたか否かを判定し、前回の停電判定処理でも電圧低下信号が入力されていた場合には停電と判定し、その旨を示す電断フラグを設定する。
Sb2のステップにおける停電判定処理の後、電断フラグが設定されているか否かを判定し(Sb3)、電断フラグが設定されていた場合には電断処理(サブ)に移行する。電断処理(サブ)では、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるバックアップフラグをバックアップデータの作成後にセットしたり、起動処理(サブ)においてバックアップが正常に行われたか否かを判定する際に用いるチェックサムをバックアップデータの排他的論理和を算出して計算するなどの処理を実行する。
電断フラグが設定されていない場合にはコマンド解析処理を実行する(Sb4)。コマンド解析処理では、コマンドバッファにコマンドが格納されているか否かを判定し、コマンドバッファにコマンドが格納されていればコマンドバッファからコマンドを取得する。そして、取得したコマンドに応じた処理を実行する。
Sb5のステップでは、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を実行する(Sb5)。Sb6のステップでは、Sb5のAT抽選処理においてAT当選した場合に、通常状態(非AT)から後述するナビ演出が実行されるAT(アシストタイム。RT2でのATをARTともいう。)に制御し、ATやARTでのゲームを実行するAT制御処理を実行する(Sb6)。ARTの終了条件が成立(ゲーム数抽選で決定したゲーム数が消化されること)したときに所定の継続条件が成立している場合には、新たな1セットのARTを継続して実行する。
Sb7のステップでは、メイン制御部41がART信号を出力したことを示すART信号出力フラグをセットまたはクリアなどすることにより、メイン制御部41がART信号を出力済みであるか否かを識別するART信号出力フラグ制御処理を実行する(Sb7)。
Sb8のステップでは、AT中に判定用役に当選した場合に判定用ナビ演出を実行する判定用ナビ演出処理を実行する(Sb8)。
[AT抽選]
次に、図18のSb5で実行するAT抽選処理内で実行されるAT抽選について説明する。本実施例においてサブ制御部91は、抽選対象役(本実施例では、単独ベル(ベルの単独当選)、弱チェリー、強チェリー、1枚)が当選した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定するAT抽選を行う。本実施例におけるAT抽選では、図19に示すAT抽選用テーブルが参照されて、特定される当選確率でAT当選するように抽選される。AT抽選用テーブルは、図19に示す振分率でAT当選するように判定値が振り分けられている。また、AT抽選では、サブ制御部91が管理する抽選モード、および、抽選契機となった役の種類に応じてAT当選確率が異なるように抽選される。
図19に示すように、抽選モードが通常モードの場合におけるAT当選確率として、1枚の当選時には100%が、単独ベルの当選時には10%が、弱チェリーの当選時には5%が、強チェリーの当選時には50%が定められている。また、抽選モードが高確率モードの場合におけるAT当選確率として、1枚の当選時には100%が、単独ベルの当選時には30%が、弱チェリーの当選時には20%が、強チェリーの当選時には70%が定められている。
すなわち1枚の当選時を除いて抽選モードが高確率モードの場合に、通常モードの場合よりもAT当選確率が高くなるように当選確率が定められており、抽選契機が成立した場合の抽選モードが高確率モードであるか、通常モードであるか、に応じてAT当選することに対する期待度を異ならせることができる。
また、抽選モードが同じ場合でも、1枚、強チェリー、単独ベル、弱チェリーの順番でAT当選確率が高くなるように当選確率が定められており、対象となった役に応じてAT当選することに対する期待度を異ならせることができる。
サブ制御部91は、弱チェリー当選時に高確率モードに制御されるゲーム数を決定する高確率モード抽選を行い、当選したゲーム数の間、抽選モードとして高確率モードに制御する。なお、高確率モード中に新たに高確率モード抽選にて高確率モードのゲーム数が当選した場合には、高確率モードのゲーム数が上乗せされるようになっている。なお、高確率モードに制御されていない期間は、通常モードとなる。
このように、チェリー役(弱チェリー、強チェリー)に当選したときには、AT抽選が行われるため、チェリー役(弱チェリー、強チェリー)に当選したときに当選役示唆演出を実行することによって、AT当選していることに対して遊技者に期待感をもたせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[ARTの制御の流れ]
次に、サブ制御部91が行うARTの制御の流れを図20および図21のフローチャートに基づいて説明する。図20および図21を参照して説明する処理は、図18のSb6で実行するAT制御処理内で実行される。
サブ制御部91は、AT抽選においてAT当選(Ss1)すると、AT当選フラグをRAM91cの所定領域に格納し、ART確定報知(Ss2)を経てARTの当選が報知された後にATに制御する。
サブ制御部91は、ATの制御を開始すると、対象役が当選した場合にナビ演出を実行する。AT移行後のRT1に制御されている間は、リプレイGR1〜6の当選時(Ss3)に昇格リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する。これにより報知された停止順に従って停止操作を行うことにより昇格リプレイが入賞して(Ss4)、RT1からRT0に移行させることが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、昇格リプレイが入賞しなかった場合は、その時点でATの制御も終了する。
また、ATの制御開始後は、RT0〜2のどの遊技状態であってもベルの当選時にはベルを入賞させる停止順が報知されるので、報知された停止順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜13の当選時(Ss5)に、転落リプレイの入賞を回避する停止順をナビ演出により報知する(Ss6)。この際、転落リプレイの入賞を回避する停止順が2通り存在するが、停止順種別およびサブ制御部91が管理する抽選モードに応じて定められた停止順を報知するナビ演出を実行する。
リプレイGR11〜13の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより転落リプレイの入賞を回避して(Ss5)、RT0からRT1への移行を回避することが可能となる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、転落リプレイが入賞してRT1へ以降した場合は、その時点でATの制御も終了する。ATが終了すると通常状態(非AT)となる。
また、RT0に移行した後、リプレイGR21〜23の当選時(Ss8)に、特殊リプレイを入賞させる停止順をナビ演出により報知する(Ss9)。この際、特殊リプレイを入賞させる停止順が2通り存在するが、前述したように、停止順種別に応じて定められた停止順を報知するナビ演出を実行する。
リプレイGR21〜23の当選時に報知された停止順に従って停止操作を行うことにより特殊リプレイを入賞させて(Ss10)、RT0からRT2へ移行させることが可能となり、特殊リプレイが入賞してRT2へ移行することに伴なってARTが開始することとなる。なお、報知された停止順と異なる停止順にて停止操作を行った結果、通常リプレイが入賞した場合は、ATの制御を継続する。
サブ制御部91は、ART中においてゲームが開始されるときにART中処理を実行する。なお、ART中とは、AT+RT2中のみならず、ATに制御された後に特殊リプレイに当選したゲームが終了した後におけるAT中(RT2中であるか否かを問わない)をも含む。図21は、ART中処理を説明するためのフローチャートである。Ss101においては、所定のAT継続抽選契機が成立したか否かが判定される。所定のAT継続抽選契機とは、現在制御中のATが終了した後において次のATを継続させるか否かのAT継続抽選を行う契機である。AT継続抽選契機は、単独ベル(ベルの単独当選)、弱チェリー、強チェリー、1枚、およびリプレイのいずれかに当選することにより成立する。AT継続抽選契機が成立したか否かは、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づき判定される。
Ss101においてAT継続抽選契機が成立していないと判定されたときには、Ss109へ移行する。一方、Ss101においてAT継続抽選契機が成立していると判定されたときには、Ss102においてAT継続抽選が行われる。AT継続抽選では、図22に示すAT継続確率テーブルから特定される継続確率に基づいてAT継続抽選が行われる。なお、AT継続抽選は、今回のAT中にAT継続当選した後においても、AT継続抽選契機が成立することにより行われる。今回のAT中において既にAT継続当選した後において行われるAT継続抽選は、ATを上乗せさせるか否かの抽選であるため、AT上乗せ抽選ともいえる。
AT継続確率テーブルは、図22に示すように、次のATを継続させることが既に確定している(以下、AT継続確定ともいう)か否か、および今回成立したAT継続抽選契機の種類に応じて異なる継続確率が特定されるように構成されている。
AT継続が確定していない通常時においては、1枚当選によりAT継続抽選契機が成立したときには「100%」が、単独ベル当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「50%」が、弱チェリー当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「30%」が、強チェリー当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「70%」が、リプレイ当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「1%」が、各々継続確率として特定される。通常時におけるAT継続抽選は、通常時の継続確率に従って行われる。
一方、AT継続確定している継続確定時には、1枚当選によりAT継続抽選契機が成立したときには「100%」が、単独ベル当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「70%」が、弱チェリー当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「50%」が、強チェリー当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「90%」が、リプレイ当選よりAT継続抽選契機が成立したときには「2%」が、各々継続確率(継続確定時の継続確率を上乗せ確率ともいう)として特定される。継続確定時におけるAT継続抽選であるAT上乗せ抽選は、継続確定時の上乗せ確率に従って行われる。
図22に示すAT継続確率テーブルでは、通常時よりも継続確定時であるときの方が高い継続確率が特定される。このため、AT継続抽選は、通常時よりも継続確定時であるときの方が遊技者にとって有利となる。なお、これに限らず、継続確定時よりも通常時であるときの方が高い継続確率が特定されるように構成してもよく、継続確定時であるか否かにかかわらず同じ継続確率が特定されるように構成してもよい。
また、通常時あるいは継続確定時のいずれにおいても、1枚、強チェリー、単独ベル、弱チェリー、リプレイの順番でAT継続当選確率が高くなるように当選確率が定められており、対象となった役に応じてAT継続当選することに対する期待度を異ならせることができる。
本実施例におけるAT継続抽選契機は、1枚、強チェリー、単独ベル、弱チェリー、リプレイなどに当選することにより成立する。また、1枚、強チェリー、単独ベル、弱チェリー、リプレイなどに当選していたことは、当選ゲームにおける停止出目(停止図柄の組合せ)から遊技者が特定可能となる。なお、AT継続抽選契機の成立は、停止出目から遊技者に特定可能となるものに限らず、これに替えてあるいは加えて、特定の演出を実行するようにしてもよく、成立した旨を報知する構成を備えるものであってもよい。また、AT継続抽選契機が成立したことを、所定確率(停止出目が停止したとき、あるいは抽選で当選したとき)で特定可能となるようにするものに限らず、必ず遊技者に特定可能となる構成を備えるものであってもよい。
なお、図22では、AT継続抽選契機として、特定の入賞に当選することを例示したが、これに限らず、特定の入賞が発生(入賞発生)することであってもよく、特定の入賞の当選あるいは入賞にかかわらない特定の条件が成立する契機であってもよい。
図21に戻り、Ss103においては、AT継続抽選で当選したか否かが判定される。AT継続抽選で当選には、通常時におけるAT継続抽選での当選と、継続確定時におけるAT上乗せ抽選での当選とを含む。Ss103におけるAT継続抽選で当選していないと判定されたときには、Ss109へ移行する。一方、Ss103におけるAT継続抽選で当選していると判定されたときには、Ss104において、今回のAT継続当選するまでに次回のAT継続が既に確定していたか否かが判定される。
Ss104において次回のAT継続が既に確定していないと判定されたとき、つまり、現在制御されているAT中において今回のAT継続当選が1回目であると判定されたときには、Ss105において今回のAT継続当選を報知するためのAT継続当選報知演出のパターンを決定し、当該パターンを設定する。
AT継続当選報知演出のパターンは、AT継続当選に関連するタイミング(本実施例では当選したゲーム終了時)であって現在制御中のATが終了するよりも先のタイミングとなるAT途中において当該AT継続当選した旨を報知する先報知パターンと、AT継続当選した現在制御中のATが終了するタイミングで該AT継続当選した旨を報知する後報知パターンとが設けられている。
AT継続当選報知演出のパターンは、図23に示すパターン決定用テーブルを参照して決定される。パターン決定用テーブルでは、図23に示すように、今回成立したAT継続抽選契機の種類に応じて異なる振分率が定められている。なお、振分率は、今回成立したAT継続抽選契機の種類に限らず、これに加えて、他の契機の成否に応じて異なるように定められているものであってもよい。
1枚当選によりAT継続抽選契機が成立したときには、必ず、先報知パターンに決定される。単独ベル当選よりAT継続抽選契機が成立したときには、「50%」で先報知パターンに決定され、残りの「50%」で後報知パターンに決定される。
弱チェリー当選よりAT継続抽選契機が成立したときには、「30%」で先報知パターンに決定され、「70%」で後報知パターンに決定される。強チェリー当選よりAT継続抽選契機が成立したときには、「70%」で先報知パターンに決定され、「30%」で後報知パターンに決定される。リプレイ当選よりAT継続抽選契機が成立したときには、「1%」で先報知パターンに決定され、「99%」で後報知パターンに決定される。
本実施例におけるパターン決定用テーブルでは、AT継続抽選で継続当選する確率が高いAT継続抽選契機である程、AT継続当選報知演出のパターンとして先報知パターンに決定される割合が高くなるように振分率が定められている。
Ss105において先報知パターンに決定され、当該パターンのデータが設定されているときには、AT継続当選に関連するタイミングで、「AT継続当選!やったね!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当該表示に合わせて演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55なども制御される。
Ss105において後報知パターンに決定され、当該パターンのデータが設定されているときには、AT継続当選したATが終了するタイミング(AT終了となるゲーム終了時)に、「まだまだー!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当該表示に合わせて演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55なども制御される。
Ss104において次回のAT継続が既に確定していると判定されたとき、つまり、現在制御されているAT中において今回のAT継続当選が2回目以降であり、AT上乗せ抽選での当選であると判定されたときには、Ss106において、今回のAT継続当選を報知するためのAT継続当選報知演出のパターンとして、1回目のAT継続当選時にSs105で決定されたパターンと同じパターンを設定する。つまり、2回目以降のAT上乗せとなるAT継続当選時のAT継続当選報知演出のパターンは、1回目のAT継続当選時においてSs105で決定されたパターンと同じパターンを設定する。
1回目のAT継続当選時に決定されたパターンが先報知パターンであったときには、今回のAT継続当選(AT上乗せ当選)に関連するタイミングで、確定した上乗せ回数を特定可能な態様でAT継続当選報知演出が実行される。たとえば今回のAT継続当選が今回のAT中における2回目のAT継続当選(AT継続+AT上乗せ1回確定時)であり、ATが上乗せされることが確定したときには、「AT上乗せ!すごい!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当該表示に合わせて演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55なども制御される。また、今回のAT継続当選が今回のAT中における3回目のAT継続当選(AT継続+AT上乗せ2回確定時)であり、ATが上乗せされることが確定したときには、「さらにAT上乗せ!計2回上乗せだ!すごい!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当該表示に合わせて演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55なども制御される。また、4回目のAT継続当選(AT継続+AT上乗せ3回確定時)であり、ATが上乗せされることが確定したときには、「さらにAT上乗せ!計3回上乗せだ!いいぞ!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当該表示に合わせて演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55なども制御される。
1回目のAT継続当選時に決定されたパターンが後報知パターンであったときには、AT継続当選したATが終了するタイミングで、AT継続する旨およびAT上乗せ回数を特定可能な態様でAT継続当選報知演出が実行される。たとえば、AT継続する場合でAT上乗せが2回であるときには、「まだまだ継続!さらに上乗せ2回確定!すごい!」といったメッセージを液晶表示器51に表示するとともに、当該表示に合わせて演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55なども制御される。
Ss106では、1回目のAT継続当選と必ず同じパターンが設定される例について説明したが、これに限らず、1回目のAT継続当選と同じパターンが、異なるパターンよりも高い割合で設定されるようにしてもよい。
なお、AT継続当選報知演出は、Ss103においてAT継続当選と判定されたときにのみ設定され、その結果、AT継続することを確定的に報知する演出である例について説明したが、これに限らず、AT継続当選していないときでも所定確率で実行し、AT継続していないことを報知し得るようにしてもよい。この場合におけるAT継続当選報知演出のパターンについても、図23で示すように、AT継続抽選契機の種類に応じて異なる割合で決定するようにしてもよい(AT継続当選する割合が高い契機である方がその他の契機であるときよりも高い割合で途中パターンに決定されるなど)。
Ss107においては、今回のAT継続当選により設定されたAT継続当選報知演出のパターンが先報知パターンであったか否かが判定される。先報知パターンでないと判定されたときには、Ss109へ移行する。先報知パターンであると判定されたときには、Ss108において、継続当選回数に応じた態様でAT継続当選報知演出を実行するための処理(たとえば、AT継続当選報知演出を実行するためのデータ設定など)を行う。これにより、Ss105やSs106において設定された先報知パターンによるAT継続当選報知演出を、AT継続当選に関連したAT途中のタイミングで実行可能となる。継続当選回数に応じた態様でAT継続当選報知演出とは、継続当選回数が1回であるときにはAT継続当選を特定可能な情報を報知する演出をいい、継続当選回数が2回以上であるときにはAT上乗せ回数を特定可能な情報を報知する演出をいう。
先報知パターンによりAT継続当選報知演出が実行されて、AT継続当選が報知された後においては、図22に示すように、継続確定時の有利な振分率に従ってAT継続抽選を行うといった特定が付与されている旨の特典付与演出が実行される。特典付与演出としては、たとえば、液晶表示器51に「上乗せ有利期間中!」といったメッセージを表示することにより実行される。
Ss109においては、現在制御中のATの残りゲーム数を1減算する。本実施例におけるスロットマシンでは、1回のAT当選あるいはAT継続当選により、ARTに制御可能となる特殊リプレイに当選したゲームが終了してから30ゲーム消化するまでATに継続して制御される。特殊リプレイに当選するまでのゲーム消化によりATの残りゲーム数は減算されず、特殊リプレイに当選したゲームが終了した後においては実際に当該特殊リプレイに入賞せずRT2制御されていないときであっても減算され、かつRT2からRT1に制御された後においても減算される。ATの残りゲーム数は、ARTATの残りゲーム数は、RAM91cの所定領域において格納されているAT残りゲーム数カウンタの値から特定され、液晶表示器51において表示されることにより報知される。なお、報知するゲーム数は、残りゲーム数に限らず、AT中に消化したゲーム数であってもよい。
続いて、Ss110においては、今回ゲームを消化することによりATの残りゲーム数が0となるか否かが判定される。Ss110において今回ゲームを消化することによりATの残りゲーム数が0とならないと判定されたときには、ATが以降も継続するため、そのままART中処理を終了する。一方、今回ゲームを消化することによりATの残りゲーム数が0となると判定されたときには、Ss111において後報知パターンが設定されているか否かが判定される。
Ss111において後報知パターンが設定されていないと判定されたときには、AT継続当選していた場合でも先報知パターンにより既にAT継続する旨が報知済であるため、Ss113へ移行する。一方、Ss111において後報知パターンが設定されていると判定されたときには、AT継続当選していたにもかかわらずAT継続する旨が報知されていない場合であるため、Ss112へ移行して、継続当選回数に応じた態様でAT継続当選報知演出を実行するための処理(たとえば、AT継続当選報知演出を実行するためのデータ設定など)を行う。これにより、Ss105やSs106において設定された後報知パターンによるAT継続当選報知演出を、AT終了に関連したタイミングで実行可能となる。継続当選回数に応じた態様でAT継続当選報知演出とは、前述したように継続当選回数が1回であるときにはAT継続当選を特定可能な情報を報知する演出をいい、継続当選回数が2回以上であるときにはAT上乗せ回数を特定可能な情報を報知する演出をいう。
Ss113においては、次のATに継続して制御されるか否か、つまりAT継続するか否かが判定される。AT継続当選しておらず、AT継続されると判定されなかったときには、Ss115においてATが終了する旨を報知するAT終了報知を設定し、ART中処理を終了する。
一方、Ss113においてAT継続当選しておりAT継続されると判定されたときには、Ss114において次回ATの残りゲーム数に、終了したAT中におけるAT継続当選回数に、1回のAT当選あるいは継続当選により制御可能となる30ゲームを乗じた値が設定され、ART中処理を終了する。たとえば、終了したAT中において2回AT継続当選していた場合には、2×30=60ゲームがAT残りゲーム数に設定される。これにより、AT抽選でAT当選した後は、当該AT中に実行されるAT継続抽選で当選した回数に応じた期間に亘りARTに制御可能となる。すなわち、継続分のATゲーム数と、上乗せ分のATゲーム数との合計ゲーム数が報知される。なお、次以降のATに制御させる権利であるAT継続当選回数は、Ss103においてYESと判定される毎に1加算されるAT継続当選回数カウンタの値から特定される。AT継続当選回数カウンタは、RAM91cの所定領域に格納される。
[ART信号出力フラグ制御処理]
次に、図18のSb7で実行するART信号出力フラグ制御処理について図24を用いて説明する。
図24に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41からART信号を受信したことを示すART信号出力フラグがセットされているか否かを判定する(Sf1)。ART信号出力フラグがセットされていない場合には、メイン制御部41からART信号出力コマンドを受信したか否かを判定する(Sf2)。ART信号出力コマンドを受信していない場合には処理を終了する。ART信号出力コマンドを受信した場合には、ART信号出力フラグをRAM91cの所定領域にセットして処理を終了する(Sf3)。
また、Sf1においてART信号出力フラグがセットされていると判定された場合には、ARTが終了したか否かを判定する(Sf4)。Sf4での判定は、1セットのAT(30ゲームのAT)が終了したか否かを判定する。よって、ARTが継続するとしても、1セットのARTが終了するときはARTの終了と判定される。ARTが終了しない場合には処理を終了する。ARTが終了する場合にはART信号出力フラグをクリアして処理を終了する(Sf5)。以上の処理により、ART信号出力フラグは、1セットのART内でART信号を出力してからARTが終了するまでセットされるので、ART信号出力フラグがセットされているか否かを判定することにより、ART信号を出力してからARTが終了するまでの期間であるか否かを判定できる。
[判定用ナビ演出処理]
次に、図18のSb8で実行する判定用ナビ演出処理について図25を用いて説明する。
図25に示すように、サブ制御部91は、メイン制御部41から判定用役当選コマンドを受信したか否かを判定する(Se1)。判定用役当選コマンドを受信していない場合には処理を終了する。判定用役当選コマンドを受信した場合にはARTの実行中か否かを判定する(Se2)。ARTの実行中でない場合には処理を終了する。
ARTの実行中である場合には、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいて判定用役であるリプレイGR21〜23に当選したか否かを判定する(Se3)。リプレイGR21〜23に当選していない場合には、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいて判定用役であるベルに当選したか否かを判定する(Se4)。ベルに当選していない場合には処理を終了する。ベルに当選した場合には、2セット目以降のARTであるか否かを判定する(Se5)。2セット目以降のARTでない、すなわち1セット目のARTである場合には処理を終了する。なお、この場合、右下がりベルや中段ベルが入賞する第1停止のみを特定可能な情報を報知する3択のナビ演出が実行される。
2セット目以降のARTである場合には、図24のSf3でART信号出力フラグがセットされたか否かを判定する(Se6)。ART信号出力フラグがセットされている場合、すなわち2セット目以降のART中であるがART信号を出力した後の所定期間である場合には処理を終了する。なお、この場合、右下がりベルや中段ベルが入賞する第1停止のみを特定可能な情報を報知する3択のナビ演出が実行される。
ART信号出力フラグがセットされていない場合、すなわち2セット目以降のART中でありART信号を出力する前の特定期間であるには、判定用役当選コマンドに付加された停止順種別の情報(図16のSg3で選択する停止順種別に関する情報)から判定用の押し順を特定し、特定した押し順に基づいてベルに対する判定用ナビ演出を実行する(Se7)。なお、図16のSg3では6択の押し順が決定されるので、Se7の判定用ナビ演出では6択のナビ演出を実行する。
具体的には、左ベル1〜4の当選時に停止順種別0が選択された場合には左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、左ベル1〜4の当選時に停止順種別1が選択された場合には左右中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、中ベル1〜4の当選時に停止順種別0が選択された場合には中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、中ベル1〜4の当選時に停止順種別1が選択された場合には中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、右ベル1〜4の当選時に停止順種別0が選択された場合には右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、右ベル1〜4の当選時に停止順種別1が選択された場合には右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。
一方、Se3においてリプレイGR21〜23に当選したと判定された場合には、図24のSf3でART信号出力フラグがセットされたか否かを判定する(Se8)。ART信号出力フラグがセットされている場合、すなわちART中(1セット目か2セット目以降かは問わない)であるがART信号を出力した後の所定期間である場合には、リプレイGR21〜23に対して通常のナビ演出を実行する(Se8)。すなわち、特殊リプレイが入賞する第1停止のみを特定可能な情報を報知する3択のナビ演出を実行する。
また、ART信号出力フラグがセットされていない場合、すなわちART中でありART信号を出力する前の特定期間である場合には、前述したように6択の判定用ナビ演出を実行する(Se7)。このときには、特殊リプレイが入賞する第1停止に加えて第2、第3停止まで特定可能な情報を報知するナビ演出を実行する。
具体的には、リプレイGR21の当選時に停止順種別0が選択された場合には左中右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、リプレイGR21の当選時に停止順種別1が選択された場合には左右中の停止順を報知するナビ演出を実行する。なお、リプレイGR21の当選時にART信号出力フラグがセットされている場合には左第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。また、リプレイGR22の当選時に停止順種別0が選択された場合には中左右の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、リプレイGR22の当選時に停止順種別1が選択された場合には中右左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、リプレイGR22の当選時にART信号出力フラグがセットされている場合には中第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。また、リプレイGR23の当選時に停止順種別0が選択された場合には右左中の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。また、リプレイGR23の当選時に停止順種別1が選択された場合には右中左の停止順を報知する判定用ナビ演出を実行する。なお、リプレイGR23の当選時にART信号出力フラグがセットされている場合には右第1停止のみを報知する通常のナビ演出を実行する。
以上のように、本実施例では、ARTにおいてART信号が出力されるまでの特定期間では、リプレイGR21〜23に対して6択の判定用ナビ演出が実行され、特定期間の経過後は、3択の通常のナビ演出が実行されるので、ART信号を出力した後は6択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
なお、本実施例では、RT2において特殊リプレイが入賞しても特典が付与されないが、たとえば、今回のATのゲーム数を延長する、または、AT継続抽選の当選確率を他のリプレイ当選・入賞時よりも高くするなど、特典を付与するように設定してもよい。これにより、ARTでリプレイGR21〜23に当選したときにナビ演出に従って特殊リプレイを入賞させる意欲を高めることができる。
[所定入賞当選時演出実行処理]
次に、サブ制御部91が行う所定入賞当選時演出実行処理を図26のフローチャートに基づいて説明する。サブ制御部91は、所定入賞当選時演出実行処理を実行することにより、当選役の種類や判定用ナビ演出の実行期間であるか否かなどに応じて当選役示唆演出、および代替演出を実行する。
図26に示すように、サブ制御部91は、まず、ART中であるか否かを判定する(Sp1)。サブ制御部91は、ART中でないと判定したときには所定入賞当選時演出実行処理を終了する。一方、サブ制御部91は、ART中であると判定したときには、メイン制御部41から内部当選コマンドを受信したか否かを判定する(Sp2)。サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信していないと判定したときには所定入賞当選時演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信したと判定したときには、チェリー役(弱チェリーまたは強チェリー)に当選したか否かを判定する(Sp3)。サブ制御部91は、チェリー役に当選したと判定したときには、当選役示唆演出を実行し(Sp4)所定入賞当選時演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、チェリー役に当選していないと判定したときには、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したか否かを判定する(Sp8)。サブ制御部91は、リプレイGR21〜23のいずれにも当選していないと判定したときには、所定入賞当選時演出実行処理を終了する。なお、チェリー役やリプレイGR21〜23のいずれにも当選していないときであっても、図22に示したAT継続抽選契機のいずれかが成立したときにおいても、当選役示唆演出を実行するとともに、判定用ナビ演出の実行可能期間内であるときでAT継続抽選契機となる当選した入賞役が押し順を示唆するナビ演出を実行する入賞役である場合には、当選役示唆演出の実行を規制して代替演出を実行するように構成してもよい。
一方、サブ制御部91は、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したと判定したときには、判定用ナビ演出の実行可能期間内であるか否かを判定する(Sp9)。サブ制御部91は、判定用ナビ演出の実行可能期間内でないと判定したときには、判定用ナビ演出が実行されることがないため、当選役示唆演出を実行し(Sp11)、所定入賞当選時演出実行処理を終了する。
一方、サブ制御部91は、判定用ナビ演出の実行可能期間内であると判定したときには、当選したリプレイ21〜23のいずれかに対して判定用ナビ演出が実行されるため、当選役示唆演出の代わりに代替演出を実行する(Sp10)。つまり、サブ制御部91は、Sp8の処理でリプレイGR21〜23のいずれかに当選したと判定し、さらに、Sp9の処理で判定用ナビ演出の実行可能期間内であると判定することを条件として、当選役示唆演出の実行を規制し、所定入賞当選時演出実行処理を終了する。
[当選役示唆演出および代替演出の演出内容]
次に、図27を用いて、サブ制御部91により実行される当選役示唆演出および代替演出の演出内容を説明する。
図27(a)は、当選役示唆演出の演出内容を説明する図である。図27(a)に示すように、当選役示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にリプレイGR21〜23を連想させる「リ」を示す文字画像51aと、チェリー役を連想させる「チ」を示す文字画像51bとが表示される。そして、当選役示唆演出においては、文字画像51aと文字画像51bとを指差すキャラクタの画像が表示されるとともに、リプレイGR21〜23のいずれか、またはチェリー役に当選していることを連想させる「どっちかな?」という文字画像51cが表示される。これにより、当選役示唆演出が実行されたときには、遊技者は、液晶表示器51の画面を確認することによって、チェリー役、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選したことを認識することができる。
このように、当選役示唆演出においては、液晶表示器51の画面上にキャラクタ画像および文字画像51a〜51cを表示することによって、遊技者に対して、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆することができる。
図27(b)は、代替演出の演出内容を説明する図である。また、代替演出は、ナビ演出が実行されるときに、当選役示唆演出の代わりに実行される演出であるため、図27(b)においては、代替演出および判定用ナビ演出の演出内容が示されている。なお、判定用ナビ演出の一例としては、リプレイGR21当選時の判定用ナビ演出の演出内容が示されている。
図27(b)に示すように、代替演出においては、液晶表示器51の画面上にキャラクタの画像が表示されるとともに、「チャンス!」という文字画像51dが表示される。そして、代替演出と同時に行われるナビ演出においては、液晶表示器51の画面上に、リール2Lの操作手順を示す左操作手順画像51eと、リール2Cの操作手順を示す中操作手順画像51fと、リール2Rの操作手順を示す右操作手順画像51gとが表示される。つまり、判定用ナビ演出の実行期間内であるため、判定用ナビ演出(6択ナビ)が実行される。これにより、代替演出および判定用ナビ演出が実行されたときには、遊技者は、液晶表示器51の画面を確認することによって、少なくともナビ対象役ではないチェリー役には当選していないことを認識することができる。
[ARTに関するタイミングチャート]
次に、図26および図27で説明したART内での各種演出におけるタイミングチャートの一例について、図28を用いて説明する。
図28には、ARTと、判定用役に対する押し順正解と、ARTカウントの外部出力と、判定用ナビ演出と、リプレイGR21〜23当選時のナビ演出と、ベル当選時のナビ演出と、判定用以外のナビ演出と、判定用役に対する当選役示唆演出と、代替演出とにおけるタイミングチャートの一例が示されている。なお、ARTについては、ARTに制御されている状態ではONで立ち上がる旨が示され、ARTに制御されていない状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。判定用役に対する押し順正解については、判定用役に対して遊技者が押し順正解したときにはOFFからONで立ち上がる旨が示されている。ARTカウントの外部出力については、ARTのセット数(たとえば、連チャン回数)を示す情報を含む外部出力信号(ART信号)がメイン制御部41から外部へ出力されたときにはOFFからONで立ち上がる旨が示されている。
また、判定用ナビ演出については、判定用ナビ演出を実行可能な状態ではONで立ち上がる旨が示され、判定用ナビ演出を実行不可能な状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。また、判定用役であるリプレイGR21〜23またはベルについて、判定用ナビ演出(6択ナビ)や通常のナビ演出(3択ナビ)が実行されるタイミングが示されている。判定用以外のナビ演出については、判定用以外のナビ演出を実行可能な状態ではONで立ち上がる旨が示され、判定用以外のナビ演出を実行不可能な状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。ここで、判定用以外のナビ演出とは、判定用役であるリプレイGR21〜23やベル以外のナビ対象役に当選したときに、サブ制御部91が実行するナビ演出、あるいはリプレイGR21〜23やベルに当選したときに判定に用いられない通常のナビ演出(3択ナビ)のことである。代替演出については、代替演出を実行可能な状態ではONで立ち上がる旨が示され、代替演出を実行不可能な状態ではOFFで立ち下がる旨が示されている。なお、図28ではARTが1セットで30ゲーム行われ、ARTが2セット目まで行われた場合を例に挙げて説明する。
図28に示すように、タイミングt1から開始されたARTは、1セット50ゲームの期間に亘って制御され、タイミングt3で1セット目が終了する。その後、タイミングt3から続けて2セット目のARTが開始され、タイミングt5で2セット目が終了する。また、ARTにおいては、判定用ナビ演出と判定用以外のナビ演出とが実行されるようになっている。
1セット目のARTにおいてメイン制御部41がARTか否かを特定する特定期間では、メイン制御部41は、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、所定の停止順種別を抽選によって選択し、当該停止順種別を特定する情報を内部当選コマンドに含ませてサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、内部当選コマンドに含まれる情報から特定される停止順種別に基づき判定用ナビ演出を実行する。たとえば、サブ制御部91は、リプレイGR21の当選時に停止順種別0を選択した場合、停止順種別0に対応付けられた判定用の押し順(左中右)を特定可能な判定用ナビ演出(6択ナビ)を実行する。メイン制御部41は、停止順種別と実際に遊技者によって操作された押し順とが一致する場合に、判定用役に対する押し順が正解した旨を特定する。そして、メイン制御部41は、1セット50ゲームのART内で押し順正解を3回判定したときに、タイミングt2で示すようにその後ART1セット目であることを特定する情報を外部出力する。これにより、外部機器において、ARTの1セット目であることを特定することが可能となる。このように、1セット目のARTにおいては、判定用役としてリプレイGR21〜23が対応する。なお、1セット目のARTにおいては、判定用役としてベルは用いられないため、ベルに当選したとしても通常のナビ演出(3択ナビ)が実行される。
ここで、ARTの1セット内で、メイン制御部41がARTのセット回数を特定することができた後には、再度、判定用役に対する押し順正解の判定をする必要がない。そのため、サブ制御部91は、メイン制御部41がART1セット目であることを特定する情報を外部出力したタイミングt2からART1セット目が終了するタイミングt3までの間は、判定用以外のナビ演出のみを実行する。たとえば、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときでも判定用ナビ演出(6択ナビ)を実行することなく通常のナビ演出(3択ナビ)を実行する。より具体的には、リプレイGR21の当選時であれば、左第1停止のみを報知する通常のナビ演出(3択ナビ)が実行され、判定用ナビ演出の6択より押し順の択数が減少する。
その後、ARTの1セット目が終了して、2セット目が制御されたときには、再び判定用ナビ演出が実行される。また、メイン制御部41は、2セット目のARTではベルまたはリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、所定の停止順種別を抽選によって選択し(図16のSg3の処理)、当該停止順種別を特定する情報を判定用役当選コマンドに含ませてサブ制御部91に送信する。これにより、2セット目のARTにおいてメイン制御部41がARTか否かを特定する所定期間では、リプレイGR21〜23に加えてベルに当選したときにも、判定用ナビ演出を実行する。つまり、2セット目のARTでは、1セット目とは異なり、判定用役にベルも加えられることで、判定用役の種類が1種類から2種類に増加する。そして、メイン制御部41は、判定用役に対する押し順が正解したか否かを判定し、今度は1セット50ゲームのART内で押し順正解を2回したと判定したときに、タイミングt4で示すようにその後ART2セット目であることを特定する情報を外部出力する。つまり、2セット目のARTでは、1セット目とは異なり、押し順正解である旨の判定回数が2回となったときに、ART2セット目であることが特定される。
これにより、外部機器において、ARTの2セット目であることを特定することが可能となる。そして、サブ制御部91は、メイン制御部41がART2セット目であることを特定する情報を外部出力したタイミングt4からART2セット目が終了するタイミングt5までの間は、判定用ナビ演出を実行することなく、判定用以外のナビ演出を実行する。たとえば、リプレイGR21〜23のいずれか、またはベルに当選したときでも判定用ナビ演出(6択ナビ)を実行することなく通常のナビ演出(3択ナビ)を実行する。
このように、本実施例のARTにおいては、ARTの1セット内で、サブ制御部91の演出制御状態(たとえば、ARTのセット数)をメイン制御部41が判定するための判定用ナビ演出と、判定用以外のナビ演出である通常のナビ演出とが実行される。そして、一旦、メイン制御部41がサブ制御部91の演出制御状態を特定した後には、そのセット内のARTにおいては、判定処理をする必要がないため、判定用ナビ演出は実行されないようになっている。
また、本実施例では、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やし、1セット目においてARTが開始されたことを特定するための特定期間より短い所定期間でARTが開始されたことを特定している。これにより、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれを小さくすることが可能になり、たとえば、外部機器でARTの移行回数を表示する場合において、ARTが開始されたにもかかわらずARTの移行回数がカウントアップされるまでに時差が生じるなど、ARTが開始されたタイミングとART信号が出力されたタイミングとのずれが大きくなることによる遊技者の不満を解消することができる。
また、ART1セット目であることが特定された場合には、ARTに制御されていないときに偶然に押し順が3連続で一致したわけではなく、ART1セット目において判定用ナビ演出に従った結果、3連続で押し順が一致した可能性が高い。したがって、通常状態(非AT)から移行した初回のARTから引き続いて移行した2セット目以降のARTでは、1セット目のARTにおいて判定用ナビ演出および判定用ナビ演出以外の通常のナビ演出を経ているので、判定用ナビ演出に従ってストップスイッチを操作することへの遊技者の意識がすでに高まっており、判定用ナビ演出に従わずにストップスイッチを操作するようなことは起こりにくい。このため、2セット目以降のARTでは、ARTであることを特定する期間を短くすることができる。これにより、1セット目のARTにおいてARTであることを偶然に特定してしまうことを防止しながらも、2セット目以降のARTにおいてARTが開始するタイミングとARTであることを特定するタイミングとのずれを小さくすることができる。
さらに、本実施例では、ARTにおいてARTが開始されたことが特定されるまでの特定期間では、リプレイGR21〜23に対して6択の判定用ナビ演出が実行され、特定期間の経過後は、3択の通常のナビ演出が実行されるので、ART信号を出力した後は6択の操作を選択してストップスイッチの操作を行わなくてもよくなり、遊技者の負担を軽減できる。
また、上記のようなARTにおいて、サブ制御部91は、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出が、判定用ナビ演出が実行されるときに規制されるようになっている。図28の一例では、サブ制御部91は、ART1セット目のタイミングt1〜t2の間と、ART2セット目のタイミングt3〜t4の間とで当選役示唆演出を規制する。たとえば、ART1セット目のタイミングt1〜t2の間でリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときには、当選役示唆演出と判定用ナビ演出とが同時に実行されてしまうため、サブ制御部91は、当選役示唆演出の実行を規制する。そして、当選役示唆演出の実行を規制する代わりに、サブ制御部91は、代替演出を実行することにより、次のATに継続する可能性がある旨を示唆して遊技者の期待感を向上させる。一方、ART1セット目のタイミングt2〜t3の間でリプレイGR21〜23のいずれかに当選したときには、判定用ナビ演出は実行されないため、当選役示唆演出と判定用ナビ演出とが同時に実行されてしまうことがない。そのため、サブ制御部91は、当選役示唆演出の実行を規制しない。なお、ART2セット目のタイミングt3〜t4においては、判定用役にベルも追加されるため、この間にベルに当選したときにも、当選役示唆演出の実行が規制される。
このように、本実施例においては、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出が実行されるため、遊技者にチェリー役当選によってAT当選あるいはAT継続当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、リプレイGR21〜23やベルに当選したときに判定用ナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制されるため、当選役示唆演出を実行したにもかかわらず判定用ナビ演出によってリプレイGR21〜23やベルに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまい遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
また、本実施例においては、チェリー役に当選したときにはAT当選あるいはAT継続当選を獲得できる可能性がある点で遊技者にとって有利である。そのため、AT当選あるいはAT継続当選の獲得を期待できる点で、チェリー役に当選したときの方が、リプレイGR21〜23やベルに当選したときよりも遊技者にとって有利であるといえる。また、判定用ナビ演出は、リプレイGR21〜23やベルに当選したときに行われるようになっている。そのため、仮にリプレイGR21〜23やベルに当選したときに、判定用ナビ演出と当選役示唆演出とが同時に実行されてしまう場合、リプレイGR21〜23やベルに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまう。言い換えると、より有利なチェリー役に当選していないことが遊技者に確定的に認識されてしまう。この場合、当選役示唆演出によって、いくら遊技者に対してチェリー役当選を期待させようとしても、遊技者がチェリー役当選を期待できるはずがなく、遊技の興趣が低下してしまう。しかしながら、本実施例においては、リプレイGR21〜23やベルに当選したときに判定用ナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制されるため、遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
また、本実施例においては、リプレイGR21〜23やベル(ベルの場合はART2セット目以降のとき)に当選したときに判定用ナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制される代わりに、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときのゲームにおいて制御中の演出制御状態の有利度に関する情報、本実施例では、ATが継続するか否かを示唆する代替演出が実行されるため、代替演出によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、このように、当選役示唆演出の実行が規制される代わりに代替演出が実行されることによって、当選役示唆演出が実行されないときに間延びした期間を代替演出によって埋めることができ、遊技者の遊技に対する興味を持続させることができる。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施例によれば、図22および図23で示したように、AT継続当選確率が異なる複数種類のAT継続抽選契機に応じた振分率でAT継続当選報知演出のパターンを決定する。つまり、複数種類のAT継続抽選契機とAT継続当選報知演出のパターンとに関連性を持たせることができる。その結果、AT継続抽選で当選し、今回のATが終了した後もATへの制御が継続されることに対する期待感を、AT継続当選報知演出のパターンによって異ならせるといった面白みを付加でき、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 前述した実施例によれば、図22で示すように、通常時あるいは継続確定時のいずれにおいても、1枚、強チェリー、単独ベル、弱チェリー、リプレイの順番でAT継続当選確率が高くなるように当選確率が定められている。また、図23で示すように、AT継続当選確率が高く設定されているAT継続抽選契機が成立したとき程、AT継続当選報知演出のパターンとして先報知パターンが決定される割合が高くなるように振分率が定められている。つまり、第2特定条件の成立として、たとえば単独ベル、弱チェリー、強チェリーなどに当選したときには、第1特定条件の成立として、たとえばリプレイ当選したときよりも高い割合でAT継続当選し、これら第2特定条件が成立したときには、第1特定条件が成立したときよりも高い割合で先報知パターンに決定される。このため、AT継続当選確率が高いAT継続抽選契機が成立し、停止出目などから当該AT継続抽選契機が成立していることを遊技者が特定しているにもかかわらずなかなかAT継続当選報知演出が実行されないことにより、間延びしてしまい期待感を減退させてしまうといった不都合の発生を防止できる。また、ATの途中でAT継続当選報知演出が実行されない場合でも、当該ATが終了して後報知パターンによるAT継続当選報知演出が実行されるタイミングまで、AT継続抽選で当選していることに対する期待感を持続させることができる。
(3) 前述した実施例によれば、図22で示すようにAT継続抽選で必ず当選する1枚役当選によりAT継続抽選契機が成立したときには、図23で示すように、AT継続当選報知演出のパターンとして必ず先報知パターンが決定される。これにより、1枚役当選によりAT継続することが確定しているにもかかわらず、AT継続当選しているか否かがなかなか報知されないことにより、遊技者を困惑させてしまうといった不都合の発生を防止することができる。
(4) 前述した実施例では、AT継続抽選で当選している継続確定時には、図22の継続確定時の振分率に示されるように、通常時よりも高い割合でAT継続抽選を行うことにより所定の有利制御を行う。これにより、継続確定時における遊技の興趣を向上させることができる。
(5) 前述した実施例では、AT継続抽選で当選する前における通常時には行われることのない振分率でのAT継続抽選を、継続確定時には行うことができ、継続確定時にはAT継続当選報知演出が実行された後に継続確定中である旨を報知する特典付与演出を実行する。このため、AT継続当選報知演出よりも先に特典付与演出が実行されてしまうことを防止できる。その結果、AT継続当選報知演出によりAT継続が報知されていないにもかかわらず特典付与演出が実行されることにより間接的にAT継続することを遊技者に特定されてしまう不都合の発生を防止することができる。
(6) 前述した実施例では、図26で示したように、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆する当選役示唆演出が実行されるため、遊技者にチェリー役当選によってナビストック獲得を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときにナビ演出が実行される場合には、当選役示唆演出の実行が規制されるため、当選役示唆演出を実行したにもかかわらずナビ演出によってリプレイGR21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまい遊技の興趣が低下してしまうような不都合を防ぐことができる。
(7) 前述した実施例において、第1特定条件の一例として説明したリプレイ当選時におけるAT継続確率は、1%や2%といった低確率に定められており、当該AT継続確率はいずれも1セット分のATのゲーム数である30の逆数である1/30よりも低くなるように設定されている。このため、リプレイに高確率で当選しAT継続抽選契機が高確率で当選するとしても、1セット分のATのゲーム数を消化する間にリプレイ当選してAT継続当選してしまう割合が高まり過ぎないようにすることができる。
[変形例]
以上、本発明における主な実施の形態を説明してきたが、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[有利状態の制御について]
前述した実施例では、次のATが継続する可能性が高い抽選条件が成立していたとき程、高い割合でAT継続当選報知演出のパターンが先報知パターンに決定される例について説明した。しかし、AT継続当選報知演出のパターンを決定する割合は、成立した抽選条件が次のATが継続する可能性が高い抽選条件であるか否かに応じて異なるものであれば、これに限らず、たとえば、次のATが継続する可能性が高い抽選条件が成立していたとき程、高い割合でAT継続当選報知演出のパターンが後報知パターンに決定されるようにしてもよい。
[有利状態の制御について]
前述した実施の形態における有利状態は、継続確率にしたがった継続抽選の結果によって制御される例について説明した。しかし、有利状態は、継続確率に限らず、たとえば、(i)抽選条件が成立したときに有利状態に制御可能なゲーム数を決定し、当該決定されたゲーム数消化するまで制御するものであってもよく、(ii)所定のストック数を1消費することに応じて所定期間(たとえば30ゲーム)有利状態に制御するスロットマシンにおいては、付与するストック数(ナビストック数)を決定し、当該決定されたストック数を消費するまで制御するものであってもよく、(iii)有利状態がATである場合にはナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまで制御するものであってもよく、(iv)上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまで制御するものであってもよい。
上記(i)のように構成した場合には、30ゲームのATを1セットとして、1セット分のATが終了した後においてもATが継続する旨を報知するAT継続当選報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、ゲーム数を決定した契機が、平均的に付与されることを期待できる期待ゲーム数が所定数である第1抽選条件の成立であったときと、期待ゲーム数が所定数よりも多い特定数である第2抽選条件の成立であったときとで、異なる割合でAT継続当選報知演出のパターンを決定するようにしてもよい。
上記(ii)のように構成した場合には、1ストック分のATを1セットとして、1セット分のATが終了した後(たとえば30ゲーム消化後)においてもATが継続する旨を報知するAT継続当選報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、ストック数を決定した契機が、平均的に付与されることを期待できる期待ストック数が所定数である第1抽選条件の成立であったときと、期待ストック数が所定数よりも多い特定数である第2抽選条件の成立であったときとで、異なる割合でAT継続当選報知演出のパターンを決定するようにしてもよい。
上記(iii)のように構成した場合には、特定回数分のナビ演出を実行する間におけるATを1セットして、1セット分のATが終了した後においてもATが継続する旨を報知するAT継続当選報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、ナビ演出の実行回数を決定した契機が、平均的に付与されることを期待できる期待実行回数が所定数である第1抽選条件の成立であったときと、期待実行回数が所定数よりも多い特定数である第2抽選条件の成立であったときとで、異なる割合でAT継続当選報知演出のパターンを決定するようにしてもよい。
上記(iv)のように構成した場合には、特定付与量分の遊技用価値が付与される間におけるATを1セットして、1セット分のATが終了した後においてもATが継続する旨を報知するAT継続当選報知演出を実行するようにしてもよい。この場合、上限付与量を決定した契機が、平均的に決定されることを期待できる期待付与量が所定量である第1抽選条件の成立であったときと、期待付与量が所定量よりも多い特定量である第2抽選条件の成立であったときとで、異なる割合でAT継続当選報知演出のパターンを決定するようにしてもよい。
[有利制御について]
前述した実施例では、AT中においてAT継続当選してから当該ATが終了するまでの継続確定時には、図22に示すように、通常時であるときよりもAT継続当選する割合を高める有利制御を行う例について説明した。しかし、継続確定時に行う有利制御は、これに限らず、たとえば、継続確定時における純増枚数(払い出されたメダルから賭数に用いたメダルを差し引いた値)を増加させるための制御(たとえば、RT2よりもリプレイ確率が高確率となる有利RTにするための制御や、押し順ベル当選時にナビ演出を実行する確率が通常時よりも継続確定時であるときの方が高くなるようにする制御など)や、ATの残りゲーム数を増大(所定ゲーム数を加算など)させるための制御などを行うものであってもよい。
また、有利制御を開始するタイミングは、AT継続当選した後であれば、AT継続当選したときからであってもよく、また、当該AT継続当選がAT継続当選報知演出により報知された後であってもよい。
[AT中における2回目以降のAT継続当選報知演出のパターンについて]
前述した実施例では、AT中における2回目以降のAT継続当選報知演出のパターンは、1回目のAT継続当選報知演出のパターンと同じにする例について説明した。しかし、これに限らず、たとえば、AT中における2回目以降となる今回のAT継続当選の契機となったAT継続抽選契機の種類に応じて異なる割合で、AT継続当選報知演出のパターンを決定するようにしてもよい。たとえば、AT中における2回目以降となるAT継続当選についても、1回目のAT継続当選と同様に、図23のパターン決定用テーブルを参照してAT継続当選報知演出のパターンを決定するようにしてもよい。この場合には、さらに、パターンを決定する割合を、通常時であるか継続確定時であるかに応じて異ならせてもよい。
[AT継続抽選について]
前述した実施例では、AT当選した後であって、特殊リプレイに当選した後において、所定のAT継続抽選契機が成立したときにAT継続抽選を行う例について説明した。しかし、AT継続抽選が実行可能となるタイミングは、これに限らず、たとえば、AT当選後であればAT継続抽選が実行されるものであってもよく、また、特殊リプレイに当選して入賞した後、当該特殊リプレイ入賞が発生して実際にRT2に制御された後にAT継続抽選が実行されるものであってよい。
[有利状態について]
前述した実施の形態においては、有利状態として、ナビ対象役に当選したときに対応するナビ演出を実行するATを例示した。しかし、有利状態は、ATに限らず、遊技者にとって有利な状態であればよく、たとえば、メイン制御部41側において制御される遊技状態であって、リプレイの当選確率が通常遊技状態であるときよりも向上するRTであってもよく、また、サブ制御部91側において制御されるモードであって、通常モードよりも遊技者にとって有利な有利モード(たとえば、通常モードよりもAT抽選においてAT当選する確率が高い、あるいはAT当選するときに決定される継続確率が高いなど)であってもよい。
[1セットの有利状態について]
前述した実施の形態においては、予め定められたゲーム数(30ゲーム)消化することにより1セット(1回)の有利状態が終了し、AT継続当選に応じてその後も継続させる例について説明した。しかし、1回の有利状態は、予め定められたゲーム数消化することにより終了するものに限らず、有利状態に制御あるいは有利状態を継続すると決定されたときにその都度当該有利状態に制御するゲーム数を決定し、該決定されたゲーム数を消化することにより当該有利状態を終了し、継続抽選では当該決定されたゲーム数消化した後に有利状態を継続するか否かを決定するようにしてもよい。
[有利状態の継続について]
前述した実施の形態では、継続抽選で継続当選しているときには、1回の有利状態が終了すると即座に次の有利状態に制御する例について説明したが、これに限らず、有利状態を所定期間延長することによりその後も継続させるようにしてもよい。また、継続抽選で継続当選しているときであっても、一旦有利状態を終了させた後、所定の開始条件が成立したときに有利状態への制御を再開して継続させるものであってもよい。所定の開始条件としては、たとえば、所定ゲーム数(たとえば10ゲーム、あるいはその都度決定されるゲーム数)消化することにより成立するものであってもよく、また、有利状態がATである場合などにおいてはナビ対象役に当選することにより成立するものであってもよい。
[継続抽選について]
前述した実施の形態のおいては、設定されている継続確率にしたがって、有利状態を継続させるか否かを抽選する例について説明した。しかし、継続させない率、すなわち有利状態を転落させる転落率にしたがって、有利状態を終了させて転落させるか否かを抽選する転落抽選を行うものであってもよい。
[AT継続当選報知演出について]
前述した実施例では、先報知パターンのAT継続当選報知演出を実行する継続当選に関連するタイミングが、当該継続当選したゲーム終了時である例について説明した。しかし、先報知パターンのAT継続当選報知演出を実行する継続当選に関連するタイミングは、これに限らず、継続当選したゲーム開始時、継続当選したゲーム以降に開始される所定ゲーム(2ゲーム目、3ゲーム目など)の開始時あるいは終了時など、AT終了するまでのAT途中となるタイミングであればよい。
また、前述した実施例では、後報知パターンのAT継続当選報知演出を実行するAT終了に関連するタイミングが、AT終了するゲーム終了時である例について説明した。しかし、後報知パターンのAT継続当選報知演出を実行するAT終了に関連するタイミングは、これに限らず、AT終了するゲーム開始時、AT終了するゲームよりも所定回数前に実行されるゲーム開始あるいは終了時、AT終了するゲーム以降に開始される所定ゲーム(2ゲーム目、3ゲーム目など)の開始時あるいは終了時など、AT終了に関連するタイミングであればよい。
また、AT継続当選報知演出は、1ゲームにおいて実行されて終了するものであってもよく、また、複数ゲームに亘り実行されて終了するものであってもよい。
また、AT継続当選報知演出のパターンとして、先報知パターンと、後報知パターンとの2種類について説明したが、これに限らず、報知タイミングの異なるパターンが3種類以上設けられているものであってもよい。たとえば、報知タイミングが、先報知パターンと後報知パターンとの間に設けられている中間報知パターンを含むものであってもよい。この場合であっても、AT継続当選報知演出のパターンとして先報知パターンが選択される割合が、成立したAT継続抽選契機の種類に応じて異なるように定められており、さらに、当該AT継続抽選契機が第1特定条件であったときよりも第2特定条件であったときの方が高くなるように定められているものであれよい。この場合、たとえば後報知パターンが選択される割合が第1特定条件成立時と第2特定条件成立時とで同じとなるように設定されており、中間報知パターンが選択される割合が第1特定条件成立時と第2特定条件成立時とで異なるように設定されているものであってもよい。
[判定用ナビ演出について]
本実施例では、判定用ナビ演出が行われるための判定用役として、リプレイGR21〜23やベルを用いるものであったが、これに限らず、その他の役であってもよい。また、本実施例では、メイン制御部41は、所定の判定用ナビ演出をサブ制御部91にさせることによって、ART中であるか否かを特定していたが、その他の演出状態を特定するものであってもよい。たとえば、メイン制御部41は、サブ制御部91側における、AT抽選での抽選モード(高確率モード、低確率モード)などの有利な遊技状態に関する抽選確率、獲得されたナビストック数やナビストックの有無などの有利な遊技状態へ移行させるための権利に関するもの、有利な遊技状態のゲーム数や継続率、プレミア演出や設定示唆演出の実行されやすさ、演出種類、遊技者に携帯端末の壁紙や音楽を付与するための二次元コードの表示の有無、携帯端末の壁紙や音楽の付与の有無など、本実施例と異なる態様の演出制御状態を特定するものであってもよい。さらには、メイン制御部41が、サブ制御部91の制御する有利度以外の制御状態、たとえば、サブ制御部91側が判定した異常、不正行為の可能性、時間などをメイン制御部41が特定するものであってもよい。
[判定期間に関する変形例]
本実施例では、2セット目以降のARTでは、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させるとともに判定用役の種類を増やすことにより、2セット目のARTにおいて1セット目における特定期間より短い期間でARTが開始されたことを特定する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、所定ゲーム数の間に所定役が所定回数連続入賞している場合(たとえば5ゲーム中3回連続など)に所定制御を行うように構成し、2セット目以降のARTでは1セット目よりも所定ゲーム数を少なくする(たとえば5ゲームを3ゲームにする)、あるいは、判定の時間を1セット目よりも2セット目は短くするなど、上記実施例と異なる方法で2セット目のARTにおいて1セット目における特定期間より短い期間でARTが開始されたことを特定するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して本発明を実現することが可能である。また、押し順が一致したか否かを判定する回数を減少させる、あるいは、判定用役の種類を増やす方法のうちいずれかのみを適用してもよい。
また、本実施例では、3リールのスロットマシンを例に挙げて説明したが、この実施の形態に限らず、たとえば、2リールのスロットマシンなど、リールの数が異なるスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して本発明を実現することが可能である。また、上記実施例では、特定手順やARTを特定するための手順として押し順を例に挙げて説明したが、この実施の形態に限らず、たとえば、ストップスイッチの操作タイミング、押し順と操作タイミングを組み合わせなど、手順が異なるスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して本発明を実現することが可能である。
たとえば、2リールのスロットマシンにおいて、特定期間では判定用ナビ演出を行うとともに特定期間の経過後はナビ演出のみを行う場合について説明する。この場合には、判定用ナビ演出では、押し順対象役が入賞する押し順を特定手順として報知(すなわち第1停止させるリールの報知)するとともに、残りのリールに対してはARTが開始されたことを特定するための図柄を導出させる操作タイミングを報知する。判定用ナビ演出に従うと、残りのリールにおいて導出された図柄の種類にかかわらず、押し順役が入賞して同一の利益が得られる。そして、特定期間経過後のナビ演出においては押し順対象役が入賞する押し順のみを特定手順として報知する。なお、押し順対象役が入賞する押し順とは異なる押し順で操作された場合には、ARTが開始されたことを特定するための図柄以外の図柄が引き込まれるようにリールの停止制御を行うことにより、特定手順で操作されていないにもかかわらずARTであることが特定されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに判定用ナビ演出を6択にするとともに通常のナビ演出を3択にする例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、ARTにおいて判定用ナビ演出では3択にするとともに、ARTを特定する特定期間の経過後は通常のナビ演出で押し順を問わない報知を行うなど、上記実施例と異なる態様でARTを特定する特定期間の経過後にストップスイッチの操作手順を少なくする報知を行うスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
また、本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91による制御状態(たとえば、ARTのセット数)を判定するタイミングとして、ARTのセットが始まった直後からメイン制御部41がサブ制御部91の制御状態を特定するまで(図28の例では、1セット目がt1〜t2の特定期間、2セット目がt3〜t4の所定期間)であることを説明した。しかしながらこれに限らず、判定するタイミングは、その他のタイミングであってもよい。たとえば、実行中のARTのセット内での終了から所定ゲーム数目を実行開始タイミングとしてもよい。そして、所定ゲーム数(たとえば、ラスト5ゲームの期間)の判定期間が設けられているものであってもよい。より具体的には、1セット目のラスト5ゲームの期間に特定期間を設けて判定用ナビ演出を実行し、押し順正解したか否かによって次の2セット目が開始されるか否かを特定するものであってもよい。そして、次のセットが開始されたと同時にARTカウントの外部出力を実行するものであってもよい。その後、2セット目においても、2セット目のラスト5ゲームの期間に所定期間を設けて判定用ナビ演出を実行し、押し順正解したか否かによって次の3セット目が開始されるか否かを特定するものであってもよい。この場合、1セット目、2セット目のラスト5ゲームの期間において、当選役示唆演出の実行が規制されることになる。
[当選役示唆演出について]
本実施例では、「決定結果示唆演出」の一例として、チェリー役、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選したことを示唆する当選役示唆演出について説明したが、これに限らず、当選役を示唆する演出であればその他の演出であってもよい。
たとえば、当選役示唆演出は、図27(a)に示す演出内容に限らず、スピーカ53、54などを用いて音声によって当選役を示唆するものや、LEDなどの点灯手段を用いて光によって当選役を示唆するものであってもよい。
また、当選役示唆演出によって示唆する対象は、「所定結果」の一例であるチェリー役、および「特定結果」の一例であるリプレイGR21〜23に限らない。たとえば、「所定結果」としては、チェリー役当選の代わりに遊技者にとって有利なボーナスと同時当選する可能性のあるスイカ役当選など、その他のチャンス役当選を用いてもよいし、1種類の役当選に限らず複数種類の役当選を用いてもよい。また、「特定結果」としては、リプレイGR21〜23当選の代わりにリプレイGR11〜13やベルなど、その他のナビ対象役当選を用いてもよい。なお、所定結果となったときよりも特定結果となったときの方が遊技者にとって有利度が高い方が好ましい。
また、本実施例においては、チェリー役に当選したときにはAT当選する可能性があるのに対し、リプレイGR21〜23やベル(左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4)に当選したときにはAT抽選が行われないため、リプレイGR21〜23やベルよりもチェリー役の方が有利となるものであった。しかしながら、チェリー役が有利となる方法は他のものであってもよい。たとえば、チェリー役に入賞したときには、リプレイGR21〜23やベルに入賞したときよりも、より多くのメダルが払い出されるために(たとえば、チェリー役入賞は10枚であるのに対し、リプレイGR21〜23やベルは10枚より少ない払い出し枚数となる)、リプレイGR21〜23やベルよりもチェリー役の方が有利であるものであってもよい。
[代替演出について]
本実施例では、代替演出は、当選役示唆演出の実行が規制されたときのゲームにおいて制御中の演出制御状態の有利度に関する情報を示唆する演出であればその他の演出であってもよい。
たとえば、代替演出は、図27(b)に示す演出内容に限らず、スピーカ53、54などを用いて音声によって有利度に関する情報を示唆するものや、LEDなどの点灯手段を用いて光によって有利度に関する情報を示唆するものであってもよい。
代替演出によって示唆する有利度に関する情報は、次のATに継続する可能性に関する情報に限らない。たとえば、特定演出は、現在所有しているATゲーム数や前述したナビストック数に関する情報を示唆するものであってもよいし、次のATに継続する抽選における継続確率に関する情報を示唆するものであってもよい。また、代替演出は、遊技者にとって有利なボーナス当選を示唆するものであってもよいし、実行後に有利度が向上するフリーズ演出の実行を示唆するものであってもよい。さらに、代替演出は、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない特典の付与(たとえば、プレミア演出の実行、設定値の示唆、画像や曲のダウンロードを可能とするポイントの付与など)を示唆するものであってもよい。
また、代替演出によって示唆する有利度に関する情報は、サブ制御部91側で制御される状態の有利度に関する情報に限らず、メイン制御部41側で制御される状態の有利度に関する情報であってもよい。たとえば、代替演出は、メイン制御部41側で設定される設定値を示唆するものであってもよいし、実行後に遊技者にとって有利な状態となる演出(たとえば、メイン制御部41のリール制御によるフリーズ演出など)の実行確率を示唆するものであってもよく、その他の情報を示唆するものであってもよい。
[当選役示唆演出の規制について]
本実施例では、当選役示唆演出が、判定用ナビ演出が実行されるときには100%規制されるものであったが、これに限らず、抽選などによって所定確率で規制されるものであってもよい。これによれば、抽選によって規制される場合に限り、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したことが遊技者に確定的に認識されてしまうことを防ぐことができる。
また、当選役示唆演出の実行が規制される期間は、判定用ナビ演出が実行される期間内に限らず、AT中であれば常に規制されるものであってもよい。
また、AT中のゲームであっても、判定用ナビ演出を実行しない間は当選役示唆演出の実行を規制しないものとして、判定用ナビ演出と当選役示唆演出との実行タイミングが重なるときには当選役示唆演出の実行を規制するものであってもよい。たとえば、AT中のゲームの開始後にサブ制御部91がリプレイGR21〜23のいずれかに当選したことを示す内部当選コマンドを受信したときには、まず当選役示唆演出を実行して、その後、判定用ナビ演出を実行するものであってもよい。これによれば、当選役示唆演出を実行している間は、遊技者に対して、チェリー役に当選した旨、またはリプレイGR21〜23のいずれかに当選した旨を示唆することができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらには、判定用ナビ演出に限らず、通常のナビ演出が実行されるゲームでも当選役示唆演出の実行が規制されるものであってもよいし、AT中である限りは常に当選役示唆演出の実行が規制されるものであってもよい
[外部出力に関する変形例]
本実施例では、RT2信号を最低でも2000msにわたり出力する構成であるが、少なくとも外部機器側で特定可能な時間であればよく、接続が想定される外部機器に合わせて出力時間は適宜に選択可能である。また、スロットマシン側でRT2信号の最低出力時間を設定するための設定手段を備え、接続される外部機器に合わせて任意に設定できる構成としてもよい。また、本実施例では、RT2の開始時および終了時にRT2信号を出力する構成であるが、開始時または終了時の一方のみRT2信号を出力する構成でもよく、さらには、RT2の制御を特定可能な構成であれば、RT2の開始から終了までの所定のタイミング(たとえば、RT2の開始して所定ゲーム数後など)、RT2の開始前のタイミング(たとえば、RT2の開始よりも所定ゲーム数前など)、RT2の開始後のタイミング(たとえば、RT2の開始よりも所定ゲーム数後など)でRT2信号を出力する構成でもよく、これらの構成により少なくとも外部機器側でRT2に制御された回数を特定することが可能となる。
また、本実施例では、所定期間にわたり外部出力信号を出力することで外部機器にその状態が通知される遊技状態として再遊技役の当選確率が高いRT2を適用しているが、他の遊技状態、たとえば、BBやRB、すなわち通常よりも小役の当選確率が高まる状態、全ての小役が許容される状態(リールの引込が一部制限されるとともに、全小役の入賞が許容されるCB(チャレンジボーナス)やCT(チャレンジタイム)など)、さらには、これら遊技者にとって有利な状態への移行確率が通常よりも高い遊技状態などを適用してもよい。さらに、遊技者にとって有利な遊技状態に限るものではなく、たとえば、その遊技状態自体は、遊技者にとって不利であるが、一定ゲーム数後に有利な状態に移行し得るなど、当該遊技状態の開始や終了などを特定することで有用な情報を得られる遊技状態であれば不利な遊技状態を適用してもよい。
また、本実施例では、所定制御としてART信号を外部出力する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、フリーズ(制御の進行を所定時間遅延させる制御状態)に制御する、ART信号とは異なる信号を外部出力する、演出を実行するなど、上記実施例と異なる態様の制御を所定制御として実行するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
[本実施例におけるその他の変形例や実施の形態の特徴点について]
(1) ATの残りゲーム数が残存している状態でボーナス当選したときにおける当該ATについて、クリア(たとえば「0」)する処理を行うものであってもよく、当該ボーナス終了後まで持ち越す処理を行うものであってもよく、所定数減算する処理を行うものであってもよく、所定数上乗せ加算する処理を行うものであってもよく、また当該ボーナス当選ごとにいずれの処理を行うかを決定し、該決定された処理を行うものであってもよい。これにより、ATの残りゲーム数が残存している状態においてボーナス当選したときのバリエーションが増加し、遊技の興趣を向上させることができる。
(2) 本実施例では、賭数の設定や入賞に伴なう遊技用価値の付与に用いる遊技媒体としてメダルを適用したスロットマシンを例として説明した。しかしながら、本発明を具現化するスロットマシンは、パチンコ遊技機で用いられている遊技球を遊技媒体として適用したスロットマシン(いわゆるパロット)であってもよい。遊技球を遊技媒体として用いる場合は、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記の実施の形態で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
また、本実施例では、メダルならびにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、これに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。遊技球を遊技用価値として用いる場合には、たとえば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、上記実施の形態で賭数として3を設定する場合は15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、本実施例では、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のうちのいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、たとえばメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値を併用できるものであってもよい。すなわち、メダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダルおよび遊技球などの複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るものであってもよい。
(3) 本実施例では、3つのリール2L、2C、2Rを有する可変表示装置を備え、全てのリールが停止した時点で1ゲームが終了し、3つのリールに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生するスロットマシンについて説明した。すなわち、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域のすべてに前記表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として前記複数の可変表示領域のそれぞれに導出された前記表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンについて説明した。しかし、各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであれば、3つのリールを有する可変表示装置を備えるものに限らず、1のリールしか有しないものや、3以外の複数のリールを有する可変表示装置を備えるスロットマシンであってもよい。
(4) 本実施例では、各々が識別可能な複数種類の識別情報(図柄)を変動表示可能な複数の可変表示領域(透視窓3)のそれぞれに表示結果を導出させることが可能な可変表示装置を備え、遊技用価値(メダル、クレジット)を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、複数の可変表示領域のすべてに表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、1ゲームの結果として複数の可変表示領域のそれぞれに導出された表示結果の組合せに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであってもよい。
(5) 本実施例では、AT継続抽選で当選したときに再度のARTに移行する権利が付与されるようにした例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、ART中の所定条件の成立で再度のARTに移行する権利が付与される、ARTの終了時の抽選に当選すると再度のARTに移行する権利が付与されるなど、上記実施例と異なる態様で再度の有利状態に制御するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。なお、再度のARTに移行する権利が付与されている場合には一旦終了させずにARTを連続的に継続してもよいし、セットの区切りで一旦ARTを終了させてもよい。
(6) 本実施例では、1セットのARTを抽選で決定したゲーム数を消化したときに終了する例を挙げたが、この実施の形態に限らず、たとえば、固定された所定ゲーム数のゲームを行うと1セットのARTが終了する、ART中に所定役に当選または所定役が入賞すると1セットのARTが終了する、ART中に実行する抽選に当選すると1セットのARTが終了するなど、上記実施例と異なる態様で有利状態の終了条件が成立するスロットマシンに上記の実施例で示した構成を適用して、本発明を実現することが可能である。
(7) なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。