JP2014158023A - 加熱装置、基板処理装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

加熱装置、基板処理装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発熱体のずれを抑制すると共に、発熱体の熱変形による保持具の剪断を抑制する。
【解決手段】山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成され、両端が固定される発熱体と、谷部の末端にそれぞれ設けられ、谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部と、発熱体の外周に設けられる断熱体と、保持体受け部内に配置されて断熱体に固定される保持体と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、加熱装置、基板を処理する基板処理装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
DRAM等の半導体装置の製造方法の一工程として、シリコンウエハ等の基板を加熱して処理する基板処理工程が実施されている。係る工程は、基板を収容して処理する処理室と、該処理室内を加熱する加熱装置と、を備えた基板処理装置により実施されている。加熱装置は、処理室の外周を囲う環状の発熱体と、発熱体の外周に設けられた環状の断熱体と、を備えていた。発熱体は、上下端のそれぞれに山部と谷部(切り欠け部)とが交互に複数連なることで、蛇行状に形成されていた(例えば特許文献1参照)。
特開2007−88325号公報
上述の発熱体は、環状の発熱体の両端が断熱体の側壁を貫通して固定されると共に、発熱体の各谷部が断熱体の内周側壁にそれぞれ固定されることにより、断熱体の内周側に保持されていた。発熱体の各谷部を断熱体の内周側壁に固定するには、例えばブリッジ型のピンとして構成された保持体が用いられてきた。すなわち、保持体の両端を隣接する各谷部の末端部(谷底部)にそれぞれ挿入して断熱体の内周側壁に固定することにより、発熱体のずれを抑制していた。
しかしながら、上述の構成では、昇温に伴い発熱体が熱変形を起すと、谷部の隙間が狭くなって保持具が剪断されてしまう場合があった。
そこで本発明は、発熱体のずれを抑制すると共に、発熱体の熱変形による保持具の剪断を抑制することが可能な加熱装置、基板処理装置、及び半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、
山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成され、両端が固定される発熱体と、前記谷部の末端にそれぞれ設けられ、前記谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部と、前記発熱体の外周に設けられる断熱体と、前記保持体受け部内に配置されて前記断熱体に固定される保持体と、を備える加熱装置が提供される。
本発明の他の態様によれば、
山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成され、両端が固定される発熱体と、前記谷部の末端にそれぞれ設けられ、前記谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部と、前記発熱体の外周に設けられる断熱体と、前記保持体受け部内に配置され、前記断熱体に固定される保持体と、を備える加熱装置と、該加熱装置の内部に設けられ基板を処理する処理室と、を有する基板処理装置が提供される。
本発明のさらに他の態様によれば、
加熱装置の内部に設けられる処理室内に基板を搬入する工程と、前記加熱装置に備えられ山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成された発熱体の両端を、前記発熱体の外周に設けられた断熱体に固定すると共に、前記谷部の末端にそれぞれ設けられ、前記谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部内に保持体を配置して前記断熱体に固定することで前記前記発熱体の位置を保持しつつ、前記発熱体を昇温させて前記処理室内の基板を加熱処理する工程と、を有する半導体装置の製造方法が提供される。
本発明に係る加熱装置、基板処理装置、及び半導体装置の製造方法によれば、発熱体のずれを抑制すると共に、発熱体の熱変形による保持具の剪断を抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。 本発明の第1の実施形態に係るヒータユニットの斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るヒータユニットの部分拡大図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る環状部を構成する線状材料を例示する概略図であり、(b)は該環状部を構成する板状材料を例示する概略図である。 (a)は本発明の第1の実施形態に係る環状部の部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。 (a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係る環状部の部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。 (a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係るヒータユニットの部分拡大図であり、(b)は符号A1で示す領域における環状部の部分拡大図であり、(c)は符号A2で示す領域における環状部の部分拡大図である。 (a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係るヒータユニットの部分拡大図であり、(b)は符号A3で示す領域における環状部の部分拡大図であり、(c)は符号A4で示す領域における環状部の部分拡大図であり、(d)は符号A5で示す領域における環状部の部分拡大図である。 本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る発熱体の斜視図である。 (a)は本発明の第2の実施形態に係る環状部の部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。 本発明の第2の実施形態に係る環状部を保持した断熱体の部分拡大図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子をそれぞれ示している。 本発明の第2の実施形態に係る収納部の変形例を示す概略図であり、(a)は環状部を収容した収納部の部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。 本発明の第3の実施形態に係る昇温前のヒータユニットの水平断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る昇温後のヒータユニットの水平断面図である。 保持体受け部を備えていない環状部の熱変形の様子を示す部分拡大図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子を、(c)は熱変形により保持体の剪断、環状部の割れ、環状部の短絡が生じた様子を、(d)は熱変形により保持体の抜けが生じる様子をそれぞれ示している。 本発明の第1の実施形態に係る発熱体の熱変形の様子を示す概略図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子をそれぞれ示している。 室温状態において収納部と環状部とが同心円状になるようにした場合の環状部の熱変形の様子を示す概略図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子をそれぞれ示している。 保持体受け部を備えていない環状部内における電流経路を例示する概略図である。 本発明の第1の実施形態に係る発熱体内における電流経路を例示する概略図である。 環状部の膨張方向を示す概略図である。 環状部の熱膨張に関する測定結果を示す概略図である。
<第1の実施形態>
以下に本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。図2は、本発明の第1の実施形態に係るヒータユニットの斜視図である。図3は、本発明の第1の実施形態に係るヒータユニットの部分拡大図である。図4(a)は本発明の第1の実施形態に係る環状部を構成する線状材料を例示する概略図であり、図4(b)は該環状部を構成する板状材料を例示する概略図である。図5(a)は本発明の第1の実施形態に係る環状部の部分拡大図であり、図5(b)は拡大部分の側面図である。
(1)基板処理装置の構成
以下、本発明の一実施に係る基板処理装置の構成について説明する。本実施形態に係る基板処理装置は、図1に例示するようにバッチ式縦形ホットウオール形減圧CVD(Chemical Vapor Deposition)装置として構成されている。
本実施形態に係る基板処理装置は、垂直に支持された縦形のプロセスチューブ11を備えている。プロセスチューブ11は、アウタチューブ12とインナチューブ13とを備えている。アウタチューブ13及びインナチューブ13は、例えば石英(SiO)や炭化珪素(SiC)等の耐熱性の高い材料によってそれぞれ一体成形されている。アウタチューブ12は、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。インナチューブ13は、上下両端が開口した円筒形状に形成されている。アウタチューブ12の内径は、インナチューブ13の外径よりも大きく構成されている。アウタチューブ12は、インナチューブ13の外側を取り囲むように、インナチューブ13に対して同心円状に設けられている。インナチューブ13内には、基板保持具としてのボート22によって水平姿勢で多段に積層されたウエハ1を収納して処理する処理室14が形成されている。インナチューブ13の下端開口は、ボート22を出し入れするための炉口15を構成している。
アウタチューブ12とインナチューブ13との間の下端部は、円形リング形状に形成されたマニホールド16によってそれぞれ気密に封止されている。マニホールド16は、例えばステンレス鋼(SUS)により形成される。マニホールド16は、インナチューブ13およびアウタチューブ12についての交換等のために、インナチューブ13およびアウタチューブ12にそれぞれ着脱自在に取り付けられている。マニホールド16がヒータベース19により水平姿勢で支持されることで、プロセスチューブ11は垂直に据え付けられた状態になっている。
マニホールド16の側壁には、排気管17の上流端が接続されている。排気管17内は、インナチューブ13とアウタチューブ13との間に円筒形状の中空体(隙間)として形成された排気路18内に連通している。排気路18の横断面形状は、例えば一定幅の円形リング形状になっている。排気管17は、円筒形状の中空体である排気路18の最下端部に接続された状態になっている。排気管17には、上流から順に、圧力センサ17a、圧力調整バルブとしてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ17b、真空排気装置17cが設けられている。真空排気装置を作動させつつ、圧力センサにより検出された圧力に基づいてAPCバルブの開度を制御することで、処理室14内の圧力が所定の圧力(真空度)とすることが可能ように構成されている。主に排気管17、圧力センサ17a、APCバルブ17b、真空排気装置17cにより、処理室14内の雰囲気を排気する排気ラインが構成されている。圧力センサ17a、APCバルブ17b、真空排気装置17cは、制御部としてのコントローラ280に接続されている。コントローラ280は、圧力センサ17aにより検出された圧力情報に基づいて、APCバルブ17bの弁開度を制御することで、処理室14内の圧力を所定の処理圧力とすることが可能なように構成されている。
マニホールド16には、マニホールド16の下端開口を閉塞する円盤形状のシールキャップ20が、垂直方向下側から当接されるようになっている。シールキャップ20の外径は、アウタチューブ12、マニホールド16の外径と略等しく構成されている。シールキャップ20は、プロセスチューブ11の外部に設備されたボートエレベータ21(一部のみが図示されている。)によって垂直方向に昇降されるように構成されている。シールキャップ20の下方には回転機構25が設けられている。回転機構25の回転軸はシールキャップ20を垂直に貫通している。回転機構25の回転軸上には、上述のボート22が垂直に立脚されて支持されている。上述したように、ボート22は、複数枚のウエハ1を水平姿勢かつ互いに中心を揃えた状態で多段に積層させて保持するように構成されている。回転機構25を作動させることで、処理室14内でボート22を回転させることが可能なように構成されている。
シールキャップ20には、ガス導入管23が垂直方向に接続されている。ガス導入管23の上流側端(下端)には、原料ガス供給装置23aおよびキャリアガス供給装置23bがそれぞれ接続されている。ガス導入管23の下流側端(上端)は、処理室14内に向けてガスを供給(噴出)するように構成されている。ガス導入管23から処理室14内(インナチューブ13内)に供給されたガスは、処理室14内に保持された各ウエハ1の表面を流通した後、インナチューブ13の上端開口から排気路18内に流出して排気管17から排気される。主に、ガス導入管23、原料ガス供給装置23a、キャリアガス供給装置23bにより、処理室14内にガスを供給するガス供給ラインが構成されている。原料ガス供給装置23a、キャリアガス供給装置23bは、コントローラ280に接続されている。コントローラ280は、原料ガス供給装置23aおよびキャリアガス供給装置23bを制御することで、処理室14内へ所定のタイミングで所定の流量の原料ガス及びキャリアガスを供給することが可能なように構成されている。
また、アウタチューブ12とインナチューブ13との間の隙間には、温度センサ24が鉛直方向に配設されている。温度センサ24は、コントローラ280に接続されている。コントローラ280は、温度センサ24により検出された温度情報に基づいて、後述するヒータユニット30が備える各発熱体42への通電具合(一対の給電部45,46による電力供給)を制御することで、処理室14内に保持されているウエハ1の表面温度を所定の処理温度とすることが可能ように構成されている。
(2)ヒータユニットの構成
アウタチューブ12の外部には、プロセスチューブ11の内部を加熱する加熱装置としてのヒータユニット30が、アウタチューブ12の周囲を囲うように設けられている。ヒータユニット30は、発熱体42と、断熱体33と、保持体41と、ケース31と、を備えている。
発熱体42は、アウタチューブ12の周囲を囲うように、鉛直方向に少なくとも1つ以上設けられている。図2、図3に示すように、発熱体42は、環状部42Rと、一対の給電部45,46と、をそれぞれ備えている。環状部42Rは、アウタチューブ12の外周を囲うように環状に構成されている。環状部42Rの両端部は、接触することなく近接して固定されており、電気的には非接触の状態となっている。すなわち、環状部42Rは、電気的には完全な円形ではなく、例えばC字状のリング形状に構成されている。環状部42Rを構成する材料としては、例えばFe−Cr−Al合金、MOSi、SiC等の抵
抗発熱材料を用いることが可能であり、その形状は、図4(a)に示すような線状材料であっても良く、(b)に示すような板状材料であっても良い。一対の給電部45,46は、後述する断熱体33(側壁部35)を貫通して断熱体33に固定されると共に、その端部は環状部42Rの両端部にそれぞれ接続されている。一対の給電部45,46は、金属などの導電性材料により構成されている。一対の給電部45,46を介して環状部42Rの一端から他端に向けて電流を流すことで、環状部42Rが加熱されてプロセスチューブ11内が昇温されるように構成されている。一対の給電部45,46は、コントローラ2
80に接続されている。
断熱体33は、環状部42Rの外周を囲うように設けられている。断熱体33は、上下端が開口した円筒状の側壁部35と、側壁部35の上部開口を覆う天井壁部34と、を備えており、下端が開口した円筒形状に形成されている。断熱体33は、アウタチューブ12及び環状部42Rに対してそれぞれ同心円状に設けられている。側壁部35と天井壁部34とは、例えば、繊維状または球状のアルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の断熱材料により形成されている。側壁部35と天井壁部34は、それぞれ例えばバキュームフォーム法等によって一体成形されている。なお、側壁部35は、一体成型されている場合に限らず、複数の円形の断熱材が複数積み上げられることで構成されていてもよい。このように構成することで、側壁部35に応力が加わったときの側壁部35の破損を抑制したり、メンテナンス性を向上させたりすることが可能となる。
図5(a)に、環状部42Rの中心側から見た(プロセスチューブ11側から見た)環状部42Rの部分拡大図(平面図)を示す。環状部42Rの上下端には、山部(突出部)42aと谷部(切り欠け部)42bとがそれぞれ交互に複数連なっている。すなわち、環状部42Rは蛇行状(波状)に形成されている。環状部42Rの上下端に設けられた各谷部42bの末端(谷底部)には、例えば楕円状の切り欠け部として形成された保持体受け部42cが設けられている。保持体受け部42cの幅(環状部42Rの周方向に沿った幅であり、以下第2幅(b)とも呼ぶ)は、谷部42bの幅(環状部42Rの周方向に沿っ
た幅であり、以下第1幅(a)とも呼ぶ)よりも広く構成されている。
環状部42Rは、一対の給電部45,46が断熱体33(側壁部35)を貫通して固定されると共に、図5に示すように複数個の保持体41によって各谷部42bが断熱体33(側壁部35)の内周面にそれぞれ固定されることにより、断熱体33の内周側に保持されている。各保持体41は、保持体受け部42c内に配置されて断熱体33に固定されるように構成されている。保持体41は、ブリッジ型(鎹(かすがい)形状)のピンとして構成されている。ブリッジ型のピンとして構成された保持体41の両端は、環状部42Rの中心側から外側(側壁部35側)に向けて、隣接する保持体受け部42c内にそれぞれ挿入され、断熱体33(側壁部35)の内周面に突き刺さるように固定される。環状部42Rの外周面と側壁部35の内周面とは、接触することなく所定の間隔(環状部42Rの半径方向に沿った幅であり、以下第3幅(c)とも呼ぶ)を保持して固定されるように構成されている。なお、保持体41は、上述のブリッジ型に限定されず、その一端部が断熱体33(側壁部35)の内周面に挿入されて固定されるL字型のピンとして構成されていてもよく、その中央部が断熱体33(側壁部35)の内周面に挿入されて固定されるT字型のピンとして構成されていてもよい。
以上の様に構成された結果、環状部42Rの周方向に沿った動き代が、従来よりも大きく確保される。すなわち、環状部42Rは、環状部42Rの周方向に沿って最大で保持体受け部42cの幅(第2幅(b))分に相当する動き代が確保されつつ固定される。また、環状部42Rの半径方向に沿って所定の大きさの動き代が確保される。すなわち、環状部42Rの半径方向に沿って最大で第3幅(c)に相当する動き代が確保されつつ固定される。
蛇行状の環状部42Rは、加熱されると熱膨張により周方向や半径方向に伸びる特性がある。本実施形態によれば、環状部42Rが熱膨張により周方向に伸びたとしても、係る伸び量が上述の動き代(最大で第2幅(b))未満であれば、環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)してしまうことが抑制される。その結果、保持体41の抜け等が抑制される。また、環状部42Rに加わる圧縮応力が低減され、環状部42Rの変形、割れ、或いは短絡等が抑制される。
なお、環状部42Rの伸び量が一定量を超え、環状部42Rの周方向に沿った動き代がなくなると、環状部42Rの各部に塑性応力が加わり、環状部42Rが変形することがある。例えば、環状部42Rは、谷部42bの幅(第1幅(a))が狭くなるように変形することがある。本実施形態によれば、保持体41が配置される保持体受け部42cの幅(第2幅(b))を、谷部42bの幅(第1幅(a))よりも広く構成している。そのため、環状部42Rが変形して谷部42bの幅(第1幅(a))が狭くなったとしても、保持体41と環状部42Rとは干渉(接触)し難く構成されており、保持体41の剪断が抑制される。
また、環状部42Rが熱膨張により半径方向に伸びたとしても、係る伸び量が上述の動き代(最大で第3幅(c))未満であれば、環状部42Rと断熱体33の内周壁との接触が抑制される。そして、環状部42Rの局所的な温度上昇(異常温度上昇)や環状部42Rの溶断を抑制でき、環状部42Rや断熱体33の寿命を延ばすことが可能となる。また、処理室14内の温度分布を均一化させることが可能となる。
ケース31は、断熱体33の外周を囲うように設けられている。ケース31は、例えば上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。ケース31は、例えばステンレス鋼(SUS)より形成されている。断熱体33の外周面とケース31の内周面との間の隙間32は、空冷のための空間として機能する。なお、天井壁部34およびケース31の天井壁を貫通する排気口を設け、断熱体33とアウタチューブ12との間の雰囲気を強制空冷させるように構成してもよい。
(3)基板処理工程
次に、上述の基板処理装置により実施される基板処理工程の一例としての成膜工程を簡単に説明する。以下の説明において、基板処理装置の各部の動作はコントローラ280によって制御される。
図1に示すように、複数枚のウエハ1を装填(ウエハチャージ)したボート22を、ボートエレベータ21によって持ち上げて処理室14内に搬入(ボートローディング)する。この状態で、シールキャップ20はマニホールド16の下端開口をシールした状態となる。
プロセスチューブ11の内部が所定の圧力(真空度)となるように排気管17を介して真空排気する。また、プロセスチューブ11の内部が所定の温度となるようにヒータユニット30によって加熱する。すなわち、一対の給電部45,46を介して環状部42Rの一端から他端に向けて電流を流すことで、蛇行状の環状部42Rを加熱してプロセスチューブ11内を昇温する。この際、処理室14内が所定の温度分布となるように、温度センサ24が検出した温度情報に基づきヒータユニット30の発熱体42への通電具合をフィードバック制御する。続いて、ボート22を回転機構25によって回転させて、ウエハ1を回転させる。
蛇行状の環状部42Rは、加熱されると熱膨張により周方向や半径方向に伸びる。本実施形態によれば、環状部42Rの周方向及び半径方向に沿った動き代が、従来よりも大きく確保されている。そして、環状部42Rが熱膨張により周方向に伸びたとしても、係る伸び量が上述の動き代(最大で第2幅(b))未満であれば、環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)してしまうことが抑制される。その結果、保持体41の抜け等が抑制される。また、環状部42Rに加わる圧縮応力が低減され、環状部42Rの変形、割れ、或いは短絡等が抑制される。
次いで、所定の流量に制御された原料ガスを、処理室14内へガス導入管23を通じて導入する。導入した原料ガスは、処理室14内を流通した後、インナチューブ13の上端開口から排気路18内に流出して排気管17から排気される。原料ガスは処理室14内を通過する際にウエハ1の表面と接触し、この際に、ウエハ1が処理され、例えば熱CVD反応によってウエハ1の表面上に薄膜が堆積(デポジション)される。
予め設定された処理時間が経過したら、不活性ガス供給源(図示せず)から不活性ガスを供給し、処理室14内を不活性ガスに置換するとともに、処理室14内の圧力を常圧に復帰する。
その後、ボートエレベータ21によりシールキャップ20を下降して、マニホールド16の下端を開口するとともに、処理済のウエハ1を保持したボート22を、マニホールド16の下端からプロセスチューブ11の外部に搬出(ボートアンローディング)する。その後、処理済のウエハ1をボート22から取り出す(ウエハディスチャージ)。
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す(a)〜(e)のうち一つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態に係る環状部42Rの上下端に設けられた各谷部42bの末端(谷底部)には、切り欠け部として形成された保持体受け部42cが設けられている。保持体受け部42cの幅(第2幅(b))は、谷部42bの幅(第1幅(a))よりも広く構成されている。環状部42Rは、一対の給電部45,46が断熱体33の側壁を貫通して固定されると共に、保持体41によって各谷部42bが断熱体33の内周側壁にそれぞれ固定されることにより、断熱体33の内周側に保持されている。保持体41は、各保持体受け部42c内に配置されて断熱体33に固定されるように構成されている。
蛇行状の環状部42Rは、熱膨張により周方向に伸びる特性がある。そして、環状部42Rの周方向の伸び量が一定量を超えて動き代がなくなると、環状部42Rの各部に塑性応力が加わり、環状部42Rが変形することがある。例えば、環状部42Rは、谷部42bの幅(第1幅(a))が狭くなるように変形することがある。本実施形態によれば、保持体41が配置される保持体受け部42cの幅(第2幅(b))を、谷部42bの幅(第1幅(a))よりも広く構成している。そのため、環状部42Rが変形して谷部42bの幅(第1幅(a))が狭くなったとしても、保持体41と環状部42Rとは干渉(接触)し難く構成されており、保持体41の剪断が抑制される。
なお、仮に各谷部42bの末端に保持体受け部42cが設けられておらず、各谷部42b内に保持体41が直接配置されることとすると、谷部42bの幅(第1幅(a))が狭くなることにより環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)していずれかが損傷を受けたり、保持体41が谷部42bに挟まれて剪断されたりしてしまう場合がある。
(b)また、上述のように構成された結果、環状部42Rの周方向に沿った動き代が、従来よりも大きく確保される。すなわち、環状部42Rの周方向に沿った動き代が、最大で保持体受け部42cの幅(第2幅(b))に相当する大きさまで確保される。その結果、環状部42Rが熱膨張により周方向に伸びたとしても、環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)してしまうことが抑制され、保持体41の抜け等が抑制される。また、環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)し難いため、環状部42Rに加わる圧縮応力が低減され、環状部42Rの変形、割れ、或いは短絡等が抑制される。
図17は、本発明の第1の実施形態に係る発熱体の熱変形の様子を示す概略図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子をそれぞれ示している。図17によれば、領域A10に示すように、幅広の切り欠け部として構成された保持体受け部42cを設けることにより、環状部42Rの周方向に沿った動き代が大きく確保され、環状部42Rと保持体41との干渉(接触)が抑制され、保持体41の抜け等が抑制される。また、環状部42Rに加わる圧縮応力が低減され、環状部42Rの変形、割れ、或いは短絡等が抑制される。なお、上述したとおり、仮に環状部42Rが変形したとしても、保持体41を保持体受け部42cに配置することにより保持体41は谷部42bに挟まれ難く構成されており、保持体41の破損や剪断は抑制される。
参考までに、保持体受け部42cを備えていない発熱体の熱変形の様子を、図16を用いて説明する。
図16(a)は、保持体受け部42cを備えていない環状部42R’の昇温前の様子を示している。環状部42R’の上下端には、山部42a’と谷部42b’とがそれぞれ交互に複数連なっており、環状部42R’は蛇行状(波状)に形成されている。環状部42R’は、保持体41’によって各谷部42b’が断熱体の内周側壁にそれぞれ固定されることにより、断熱体(図示しない)の内周側に保持されている。なお、保持体41’は谷部42b’内に直接配置されている。図16(b)は、環状部42R’の昇温後の様子を示している。上述したように、蛇行状の環状部42R’は熱膨張により周方向に伸びることになる。図16(b)は、環状部42R’の周方向の伸び量が一定量を超え、環状部42R’の周方向に沿った動き代がなくなった様子(保持体41’と環状部42R’とが干渉している様子)を示している。
環状部42R’が更に伸びると図16(c)に示す状態となる。図16(c)は、熱変形により保持体41’の剪断、環状部42R’の割れ、環状部42R’の短絡が生じた様子を示している。上述したように、周方向の伸び量が一定量を超えると、保持体41’が環状部42R’に干渉し、環状部42R’に塑性応力が加わり、環状部42R’が変形することになる。符号A6に示す領域には、保持体41’が谷部42b’により両側から挟まれて剪断される様子を、符号A7に示す領域には、環状部42R’に割れが発生した様子を、符号A8に示す領域には、環状部42R’に短絡が発生した様子をそれぞれ示している。図16(d)は、図16(c)に示す環状部42R’の側面図であり、熱変形により保持体41’の抜けが生じる様子を示している。符号A9に示す領域には、環状部42R’の変形により保持体41’が断熱体から持ち上げられ、引き抜かれようとしている様子を示している。
(c)本実施形態によれば、環状部42Rの外周面と側壁部35の内周面とは、図5(b)に示すように、接触することなく所定の間隔(第3幅(c))を開けて固定されるように構成されている。
このように構成された結果、環状部42Rの半径方向に沿って所定の大きさの動き代が確保されることとなる。すなわち、環状部42Rは、環状部42Rの半径方向に沿って最大で第3幅(c)に相当する動き代が確保されつつ固定されることとなる。その結果、環状部42Rが熱膨張により半径方向に伸びたとしても、係る伸び量が上述の動き代(最大で第3幅(c))未満であれば、環状部42Rと断熱体33の内周壁との接触が抑制される。そして、環状部42Rの局所的な温度上昇(異常温度上昇)や環状部42Rの溶断を抑制でき、環状部42Rや断熱体33の寿命を延ばすことが可能となる。また、処理室14内の温度分布を均一化させることが可能となる。
(d)本実施形態によれば、環状部42Rの上下端に設けられた各谷部42bの末端(谷底部)の幅を広げて保持体受け部42cを設けることにより、上述の効果のうち少なくとも1つ以上の効果を得ることが可能となる。すなわち、環状部42Rの表面積(発熱面積)を大きく減ずることなく(ヒータユニット30の加熱性能を低下させることなく)、上述の効果のうち少なくとも1つ以上の効果を得ることが可能となる。
(e)本実施形態によれば、各谷部42bの末端(谷底部)の幅を広げて保持体受け部42cを設けることにより、各谷部42bの末端(谷底部)における電流密度の分散を図ることができ、環状部42Rの長寿命化を図ることが可能となる。また、環状部42R内における温度差を小さくでき、基板処理時の基板の温度均一性を向上させることが可能となる。
図19は、保持体受け部を備えていない環状部42R’内における電流経路Cを例示する概略図であり、図20は、本発明の第1の実施形態に係る環状部42R内における電流経路Cを例示する概略図である。
図19によれば、谷部42b’の末端(谷底部)において電流は急なカーブを描くように流れることが分かる。すなわち、谷部42b’の末端(谷底部)では電流密度が高くなり、末端以外の部分と比べて発熱量が大きくなり、局所的に温度が上昇し易くなることが分かる。環状部42R’内における温度差が大きくなると、熱膨張量の差によって環状部42R’に塑性応力が加わり、環状部42R’が変形して破損する可能性がある。
図20によれば、谷部42bの末端(谷底部)において径の大きな保持体受け部42cが設けられており、谷部42bの末端において電流は比較的緩やかなカーブを描くように流れることが分かる。すなわち、谷部42bの末端(谷底部)では図19の場合と比較して電流密度を低くでき、他の部分の発熱量との差を小さくし、局所的な温度上昇を抑制できることが分かる。環状部42R内における温度差が小さくなると、熱膨張量の差によって環状部42R’に加わる塑性応力が小さくなり、環状部42Rの変形や破損が抑制される。また、環状部42R内における温度差を小さくでき、基板処理時の基板の温度均一性を向上させることが可能となる。
尚、好ましくは、保持体受け部42cの形状を楕円形にするとよい。このように構成することで、電気密度をよりいっそう分散させることが出来る。また、保持体受け部42c周辺の強度を増大させることが出来る。また、発熱体42の面積を増大させることが出来る。
(6)変形例
以下に、本実施形態の変形例について説明する。
(変形例)
本発明に係る保持体受け部42cは、上述の実施形態のように楕円形状である場合に限定されず、谷部42bの幅(第1幅(c))よりも大きな直径(第2幅(b)と同じ大きさの直径)を有する円形の切り欠け部として形成されていてもよい。図6(a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係る環状部42Rの部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。
本変形例によれば、環状部42Rの上下方向に沿った動き代が、従来よりも大きく確保される。すなわち、環状部42Rの上下方向に沿った動き代を、最大で保持体受け部42cの直径(第2幅(b))に相当する大きさとすることが可能となる。その結果、環状部42Rが熱膨張により上下方向にずれたとしても、係るずれ量が上述の動き代(最大で第2幅(b))未満であれば、環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)してしまうことが抑制される。その結果、保持体41の抜け等が抑制される。また、環状部42Rに加わる圧縮応力が低減され、環状部42Rの変形、割れ、或いは短絡等が抑制される。
また、本変形例によれば、保持体受け部42cが谷部42bの幅(第1幅(c))よりも大きな直径(第2幅(b)と同じ大きさの直径)を有する円形の切り欠け部として形成されることにより、各谷部42bの末端(谷底部)における電流密度のさらなる分散を図ることができる。すなわち、各谷部42bの末端において電流はさらに緩やかなカーブを描くように流れることとなり、環状部42Rの変形や破損がさらに抑制され、基板に伝導する温度を均一にすることができ、基板処理の温度均一性がさらに向上される。
(他の変形例)
発明者等の検討によれば、一対の給電部45,46が断熱体33に固定されている場合、熱膨張による環状部42Rの各部の位置ずれ量は、一対の給電部45、46から離れるに従って累積されて大きくなる。係る場合、環状部42Rの動き代は、環状部42Rの全周に渡って均等である必要はなく、位置ずれ量や位置ずれ方向に応じて適宜調整すればよい。本変形例では、保持体受け部42cの幅(あるいは直径)を、環状部42Rの全周に渡って均等な大きさとせず、位置ずれ量や位置ずれ方向に応じて局所的に変動させている。例えば、保持体受け部42cの幅を、一対の給電部45,46から遠のくに従って大きくなるように設定している。
図7(a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係るヒータユニット30の部分拡大図であり、(b)は符号A1で示す領域における環状部42Rの部分拡大図であり、(c)は符号A2で示す領域における環状部42Rの部分拡大図である。図7によれば、一対の給電部45,46から遠い領域(例えば符号A2で示す領域)における保持体受け部42cの幅(第1幅(a2))は、一対の給電部45,46に近い領域(例えば符号A1で示す領域)における保持体受け部42cの幅(第1幅(a1))よりも大きく設定されている。
本変形例によれば、環状部42Rの各部において必要な動き代をそれぞれ確保し、環状部42Rと保持体41との干渉(接触)を抑制しつつ、環状部42Rの各部において無駄な動き代をそれぞれ減らし、環状部42Rの保持の安定性を高めることが可能となる。なお、仮に図7において、保持体受け部42cの幅を環状部42Rの全周に渡って均等に第1幅(a2)とすれば、一対の給電部45,46近傍の環状部42Rの伸び代が大きくなりすぎ、環状部42Rの保持が不安定となってしまう。また、保持体受け部42cの幅を環状部42Rの全周に渡って均等に第1幅(a1)とすれば、一対の給電部45,46から離れた環状部42Rの伸び代が小さくなりすぎ、環状部42Rと保持体41とが干渉(接触)し易くなり、環状部42Rに塑性応力が加わり易くなってしまう。
また、本変形例によれば、各保持体受け部42cの大きさをそれぞれ必要最小限とすることで、環状部42Rの表面積(発熱面積)を無駄に減ずることがなくなり、ヒータユニット30の加熱性能の低下を抑制できる。
参考までに、環状部42Rの熱変形の様子を図21、図22を参照しながら説明する。
図21は、環状部42Rの膨張方向を示す概略図である。図21に示すように、一対の給電部45,46が断熱体33に固定されているため、環状部42Rの各部は、同心円状に膨張するのではなく、一対の給電部45,46付近の領域(符合A13で示す領域)を基点に図中矢印で示す各方向にそれぞれ膨張することとなる。このため、環状部42Rの各部の位置ずれ量は、一対の給電部45,46から離れるに従って累積されて大きくなる。
図22は、環状部42Rの熱膨張に関する測定結果を示す概略図である。図22に示す測定では、20℃〜1000℃の温度領域で線膨張係数が15×10−6であるカンタルAPM(登録商標)により環状部42Rを作成した。なお、20℃時の環状部42Rの直径は481mmとした。そして、一対の給電部45,46付近の領域を固定しつつ、環状部42Rを20℃から1020℃にまで昇温した。昇温による直径の伸び量=(環状部42Rの長さ)×(1020−20)×15×10−6mmであり、1020℃時の環状部42Rの直径は488.2mmであった。環状部42Rの各部の位置ずれ量は、図示するとおり、一対の給電部45,46から離れるに従って徐々に大きくなり(符合A13で示す領域を基点に3.0mm、5.1mm、6.7mm)、一対の給電部45,46から最も離れた箇所で最大(7.2mm)となった。なお、一対の給電部45,46から最も離れた箇所では、周方向にはほとんど位置ずれせずに、半径方向にのみ位置ずれすることとなる。そのため、一対の給電部45,46から最も離れた箇所では、保持体受け部42cの幅を図7(c)で示すほどには拡大しなくてもよい。
(さらに他の変形例)
本変形例においては、保持体受け部42cと保持体41との相対位置を、環状部42Rにおける全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定している。すなわち、保持体受け部42cの幅を局所的に変動させるのではなく、保持体受け部42cに配置する保持体41の位置を調整することにより、環状部42Rの周方向に沿った動き代を局所的に変動させている。
図8(a)は本発明の第1の実施形態の変形例に係るヒータユニット30の部分拡大図であり、(b)は符号A3で示す領域における環状部の部分拡大図であり、(c)は符号A4で示す領域における環状部の部分拡大図であり、(d)は符号A5で示す領域における環状部の部分拡大図である。
図8(b)に示すように、符号A3で示す領域(一対の給電部45、46付近)では、環状部42Rの周方向に沿った動き代は最小でよいため、保持体受け部42cの中心に保持体41の端部を配置することとしている。係る場合、符号A3で示す領域における環状部42Rの周方向に沿った動き代は、保持体受け部42cの幅(第2幅(b))の半分程度となる。
また、図8(c)に示すように、符号A4に示す領域(一対の給電部45、46付近より離れた箇所)では、環状部42Rの周方向に沿った動き代が必要になるため、保持体受け部42cの中心ではなく、位置ずれ方向に沿って偏った位置に保持体41の端部を配置することとしている。保持体41の端部を保持体受け部42cの縁部にまで偏らせることで、環状部42Rの周方向に沿った動き代を最大で第2幅(b)確保することが可能となる。
また、図8(d)に示すように、符号A5で示す領域では、環状部42Rの周方向に沿った動き代は最小でよいため、保持体受け部42cの中心に保持体41の端部を配置することとしている。上述したように、符号A5で示す領域(一対の給電部45、46から最も離れた箇所)では、周方向にはほとんど位置ずれせずに、半径方向にのみ大きく位置ずれするためである。係る場合、符号A3で示す領域における環状部42Rの周方向に沿った動き代は、図8(b)の場合と同様に保持体受け部42cの幅(第2幅(b))の半分程度となる。
本変形例によれば、環状部42Rの各部において必要な動き代をそれぞれ確保して環状部42Rと保持体41との干渉(接触)を抑制し、環状部42Rに加わる塑性応力を低減できる。また、環状部42Rの各部において無駄な動き代をそれぞれ減らし、環状部42Rの保持の安定性を高めることが可能となる。また、保持体受け部42cの大きさを環状部42Rの全周に渡って一定とすればよいため、環状部42Rの製造コストを低減させることが可能となる。
<第2の実施形態>
以下に、本発明の第2の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る基板処理装置の垂直断面図である。図10は、本発明の第2の実施形態に係る発熱体の斜視図である。図11は、(a)は本発明の第2の実施形態に係る環状部の部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。図12は、本発明の第2の実施形態に係る環状部を保持した断熱体の部分拡大図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子をそれぞれ示している。
(1)発熱体及び断熱体の構成
本実施形態に係る基板処理装置は、発熱体42及び断熱体33の構成が上述の実施形態と異なる。その他の構成は上述の実施形態と同じである。
本実施形態に係る発熱体42は、上述の実施形態と同様に、山部42aと谷部42bとが交互に複数連なる箇所で形成される環状部42Rと、断熱体33を貫通して断熱体33に固定され環状部42Rの両端にそれぞれ接続される一対の給電部45,46と、を有している。本実施形態に係る環状部42Rが上述の実施形態と異なる点は、図10、図11に示すように、環状部42Rのうち山部42aの先端42dが、環状部42Rの中心に向くように、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eに対して鈍角にそれぞれ傾斜している点である。
本実施形態にかかる断熱体33は、上述の実施形態と同様に、環状部42Rの外周面を囲うように筒状に形成されている。本実施形態に係る断熱体33が上述の実施形態と異なる点は、図9、図12に示すように、環状部42Rを収容する溝状の収納部40が断熱体33の内周面に設けられている点である。溝状の収納部40は、各環状部42Rにそれぞれ対応するように、垂直方向に複数設けられている。
収納部40の底面40eの内径(水平方向の径)は、環状部42Rの外形(水平方向の径)よりも大きく構成されている。収納部40の開口部の上下方向の幅は、山部42aを含む環状部42Rの上下方向の幅よりも大きく構成されている。収納部40の底面40eの上下方向の幅は、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eの上下方向の幅よりも小さく構成されている。収納部40の両側壁(上下の一対の側壁)40dは、溝状の収納部40の底面40eに対して鈍角にそれぞれ傾斜している。すなわち、収納部40は、その上下方向の幅が円筒形状の断熱体33の外径方向(円筒の中心と反対方向)に進むに従って(底面40eに近づくに従って)漸次狭くなるように形成されている。言い換えれば、収納部40の両側壁40dはテーパ面として形成されており、両側壁40d間の距離は底面40eに近づくほど小さくなっている。
断熱体33の側壁部35は、例えばドーナツ形状の断熱ブロック36が垂直方向に複数積層されることで構成されている。断熱ブロック36は、例えば繊維状または球状のアルミナ(Al)やシリカ(SiO)等の断熱材料により形成されている。断熱ブロック36は、例えばバキュームフォーム法等によって一体成形されている。このように、断熱体33の側壁部35が複数の断熱ブロック36により構成されることで、溝状の収納部40の形成やヒータユニット30の組み立てが容易になると共に、側壁部35に応力が加わったときの側壁部35(断熱ブロック36)の破損を抑制することが可能となる。また、多段に積層された断熱ブロック36や発熱体42の一部を部分的に取り出して交換したりメンテナンスしたりすることも容易となる。但し、側壁部35はこのような構成に限らず、一体成型されていてもよい。また、断熱ブロック36は一体成型される場合に限らず、複数のドーナツ形状の断熱材により構成されていてもよい。
環状部42Rのうち山部42aの先端42dの傾斜角度と、収納部40の両側壁40dの傾斜角度とは、同等の角度になるように設定されている。すなわち、山部42aの先端42dと収納部40の両側壁40dとは略平行になるように構成されている。また、図12(a)に示すように、環状部42Rが昇温前の状態(少なくとも室温状態)において、山部42aの先端42dと収納部40の両側壁40dとは所定の間隔dを保って接触しないように構成されている。そして、図12(b)に示すように、環状部42Rが昇温されて半径方向に伸びた時に、山部42aの先端42dと収納部40の両側壁40dとがそれぞれ面で接触するように構成されている。このとき、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eと、収納部40の底面40eとは、所定の間隔d2を保って接触しないように構成されている。
(2)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す効果のうち一つ又は複数の効果を奏する。
(a)本実施形態によれば、環状部42Rのうち山部42aの先端42dの傾斜角度と、収納部40の両側壁40dの傾斜角度とは、同等の角度になるように設定されている。すなわち、山部42aの先端42dと収納部40の両側壁40dとは略平行になるように構成されている。そして、環状部42Rが昇温されて半径方向に伸びた時に、山部42aの先端42dと収納部40の両側壁40dとがそれぞれ面で接触するように構成されている。その結果、環状部42Rに圧縮応力が加わり難くなり、環状部42Rの変形が抑制される。
(b)本実施形態によれば、環状部42Rが昇温されて半径方向に伸びた時に、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eと、収納部40の底面40eとは、所定の間隔d2を保って接触しないように構成されている。そして、環状部42Rが断熱体33に接触することによる環状部42Rの局所的な温度上昇(異常温度上昇)や環状部42Rの溶断を回避でき、環状部42Rや断熱体33の寿命を延ばすことが可能となる。また、処理室14内の温度分布を均一化させることが可能となる。
(3)変形例
上述の実施形態では、収納部40の底面40eの上下方向の幅は、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eの上下方向の幅よりも小さく構成されていたが、本発明は係る形態に限定されない。例えば、収納部40における底面40eの上下方向の幅が、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eの上下方向の幅より大きく形成され、収納部40における底面40eに、中央部42eの上下方向の幅より小さい幅で形成された段差部を設けることとしてもよい。
図13は、本発明の第2の実施形態に係る収納部の変形例を示す概略図であり、(a)は環状部を収容した収納部の部分拡大図であり、(b)は拡大部分の側面図である。図13によれば、収納部40における底面40eの上下方向の幅E2は、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eの上下方向の幅E1より大きく設定されている。また、収納部40における底面40eには、中央部42eの幅E1より小さい幅で形成された段差部40fが設けられている。
本変形例によれば、環状部42Rが昇温されて半径方向に伸びて、環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eと、収納部40の底面40eとの距離d2がゼロになったとしても、中央部42eは段差部40fにのみ接触することになり、中央部42eと底面40eとの接触面積を小さくすることができる。その結果、中央部42eの局所的な温度上昇(異常温度上昇)や溶解を回避することが可能となる。特に、段差部40fを、中央部42eにおける電流密度の低い領域に接触させるように設けることとすれば、中央部42eの局所的な温度上昇(異常温度上昇)をより効果的に回避することが可能となる。
<第3の実施形態>
以下に、本発明の第3の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態に係る昇温前のヒータユニット30の水平断面図である。図15は、本発明の第3の実施形態に係る昇温後のヒータユニット30の水平断面図である。
本実施形態に係る基板処理装置では、図14に示すように、底面40eと中央部42eとの間の距離が、少なくとも環状部42Rが室温状態の時に、一対の給電部45,46から遠のくに従って大きくなるように設定されている(すなわち、室温状態の時に図中A<B<Cとなるように設定されている)。また、図15に示すように、底面40eと中央部42eとの間の距離が、少なくとも環状部42Rが基板処理時の温度状態の時に、熱膨張により収納部40および環状部42Rにおける全周各部が同等の距離となるように設定されている(すなわち、基板処理時の温度状態の時に図中A≒B≒Cとなるように設定されている)。
発熱体42の環状部42Rは、温度上昇により熱膨張したり、半径方向及び周方向に伸長したりする。そして、環状部42Rの半径方向への伸長により、底面40eと中央部42eとの間の距離が環状部42Rの全周に渡り不均一となると、環状部42Rの温度分布の均一性が周方向に渡り低下してしまう場合がある。すなわち、底面40eと中央部42eが近い箇所で環状部42Rの温度が異常上昇したり、底面40eと中央部42eが近い箇所で環状部42Rの温度が低下したりする場合がある。これに対して本実施形態によれば、環状部42Rが基板処理時の温度状態の時に、熱膨張により収納部40および環状部42Rにおける全周各部が同等の距離となることから、環状部42Rの周方向に渡り均一な加熱を実現することが可能となる。
参考までに環状部42Rの熱変形の様子を、図18を参照しながら説明する。
図18は、室温状態において収納部40と環状部42Rとが同心円状になるようにした場合の環状部42Rの熱変形の様子を示す概略図であり、(a)は昇温前の様子を、(b)は昇温後の様子をそれぞれ示している。図18(a)によれば、昇温前においては底面40eと中央部42eとの間の距離が環状部42Rの全周に渡り均一である。しかしながら、図18(b)に示すように、環状部42Rを基板処理時の温度にまで昇温すると、環状部42Rは径方向へ伸長し、収納部40における底面40eと、底面40eに隣接する環状部42Rのうち山部42a先端を除く中央部42eとの間の距離が環状部42Rの全周に渡り不均一となる(図中A>B>Cとなる)。すなわち、一対の給電部45,46は断熱体33に固定されているため、環状部42Rの各部は、一対の給電部45,46付近の領域(符合A11で示す領域)を基点に膨張する。そして、一対の給電部45,46から離れるに従って底面40eと中央部42eとの距離が徐々に短くなり、一対の給電部45,46から最も離れた領域(符号A12で示す領域)では底面40eと中央部42eとの距離が最小(本事例ではゼロ)となる。その結果、環状部42Rの局所的な温度上昇(異常温度上昇)が発生し、環状部42Rが溶断してしまう。また、環状部42Rの温度分布の均一性が周方向に渡り低下してしまう。
<本発明の他の実施形態>
本発明の第3の実施形態は、上述の実施形態のように、谷部42bの末端に切り欠け部として形成された保持体受け部42cが設けられている場合に限定されない。すなわち、図19に例示するように、山部42a’と谷部42b’とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部42R’と、断熱体33を貫通して断熱体33に固定され環状部42R’の両端にそれぞれ接続される一対の給電部45,46と、を有する発熱体を備えた加熱装置であれば、保持体受け部42cが設けられていない場合であっても、本発明は好適に適用可能である。また、山部42a’と谷部42b’とが交互に複数連ならない形態の環状部、例えばコイル状形状の環状部と、断熱体を貫通して断熱体に固定され環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を備えた加熱装置であっても、本発明は好適に適用可能である。
本発明は半導体製造装置に限らず、LCD装置のようなガラス基板を処理する装置であっても好適に適用できる。また、プロセスチャンバの構成も上述の実施形態に限定されない。すなわち、基板処理の具体的内容は不問であり、成膜処理だけでなく、アニール処理、酸化処理、窒化処理、拡散処理等の処理であってもよい。また、成膜処理は、例えばCVD、PVD、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理であってもよい。さらには、フォトリソグラフィで実施される露光処理や、レジスト液やエッチング液の塗布処理であってもよい。
以上、本発明の実施の形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
<本発明の好ましい態様>
以下に、本発明の好ましい態様について付記する。
本発明の第1の態様は、
山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成され、両端が固定される発熱体と、
前記谷部の末端にそれぞれ設けられ、前記谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部と、
前記発熱体の外周に設けられる断熱体と、
前記保持体受け部内に配置されて前記断熱体に固定される保持体と、を備える加熱装置である。
好ましくは、
前記保持体受け部は、前記谷部の幅よりも大きな直径を有する円形の切り欠け部として形成されている。
また好ましくは、
前記発熱体は、
前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され、前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記保持体受け部の幅は、前記一対の給電部から遠のくに従って大きく設定されている。
また好ましくは、
前記発熱体は、
前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され、前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記保持体受け部と前記保持体との相対位置は、前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている。
本発明の第2の態様は、
前記発熱体は、前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記断熱体は、前記環状部の外周面を囲うように筒状に形成され、前記環状部を収容する溝状の収納部を前記断熱体の内周面に有し、
前記環状部のうち前記山部の先端が、前記環状部の中心に向くように、前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部に対して鈍角にそれぞれ傾斜し、
前記収納部の両側壁が、前記収納部の底面に対して鈍角にそれぞれ傾斜し、
前記山部先端の傾斜角度と、前記収納部の両側壁の傾斜角度とは、同等の角度に設定されている第1の態様に記載の加熱装置である。
好ましくは、
前記収納部における前記底面の幅が、前記中央部の幅より大きく形成され、
前記収納部における前記底面には、前記中央部より小さい幅で形成された段差部を有する。
本発明の第3の態様は、
前記発熱体は、前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記断熱体は、前記環状部の外周面を囲うように筒状に形成され、前記環状部を収容する溝状の収納部を前記断熱体の内周面に有し、
前記収納部における底面と該底面に隣接する前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部との間の距離は、前記収納部および前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている第1の態様に記載の加熱装置である。
好ましくは、
前記距離は、少なくとも前記環状部が室温状態の時に、前記収納部および前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている。
また好ましくは、
前記距離は、少なくとも前記環状部が基板処理時の温度状態の時に、熱膨張により前記収納部および前記環状部における全周各部が同等の距離となるように設定されている。
また好ましくは、
前記距離は、前記一対の給電部から遠のくに従って大きく設定されている。
本発明の第4の態様は、
山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成され、両端が固定される発熱体と、前記谷部の末端にそれぞれ設けられ、前記谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部と、前記発熱体の外周に設けられる断熱体と、前記保持体受け部内に配置され、前記断熱体に固定される保持体と、を備える加熱装置と、
該加熱装置の内部に設けられ基板を処理する処理室と、を有する基板処理装置である。
好ましくは、
前記保持体受け部は、前記谷部の幅よりも大きな直径を有する円形の切り欠け部として形成されている。
また好ましくは、
前記発熱体は、
前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され、前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記保持体受け部の幅は、前記一対の給電部から遠のくに従って大きく設定されている。
また好ましくは、
前記発熱体は、前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記断熱体は、前記環状部の外周面を囲うように筒状に形成され、前記環状部を収容する溝状の収納部を前記断熱体の内周面に有し、
前記環状部のうち前記山部の先端が、前記環状部の中心に向くように、前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部に対して鈍角にそれぞれ傾斜し、
前記収納部の両側壁が、前記収納部の底面に対して鈍角にそれぞれ傾斜し、
前記山部先端の傾斜角度と、前記収納部の両側壁の傾斜角度とは、同等の角度に設定されている。
また好ましくは、
前記収納部における前記底面の幅が、前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部の幅より大きく形成され、
前記収納部における前記底面には前記中央部より小さい幅で形成された段差部を有する。
また好ましくは、
前記発熱体は、前記山部と前記谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部と、
前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部と、を有し、
前記断熱体は、前記環状部の外周面を囲うように筒状に形成され、前記環状部を収容する溝状の収納部を前記断熱体の内周面に有し、
前記収納部における底面と該底面に隣接する前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部との間の距離は、前記収納部および前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている。
また好ましくは、
前記距離は、少なくとも前記環状部が室温状態の時に、前記収納部および前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている。
また好ましくは、
前記距離は、少なくとも前記環状部が基板処理時の温度状態の時に、熱膨張により前記収納部および前記環状部における全周各部が同等の距離となるように設定されている。
また好ましくは、
前記距離は、前記一対の給電部から遠のくに従って大きく設定されている。
本発明の第5の態様は、
加熱装置の内部に設けられる処理室内に基板を搬入する工程と、
前記加熱装置に備えられ山部と谷部とが交互に複数連なることで蛇行状に形成された発熱体の両端を、前記発熱体の外周に設けられた断熱体に固定すると共に、前記谷部の末端にそれぞれ設けられ、前記谷部の幅よりも大きな幅を有する切り欠け部として形成された保持体受け部内に保持体を配置して前記断熱体に固定することで前記前記発熱体の位置を保持しつつ、前記発熱体を昇温させて前記処理室内の基板を加熱処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法である。
本発明の他の態様は、
山部と谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部を有する発熱体と、
前記環状部の外周面を囲うように筒状に形成され、前記環状部を収容する溝状の収納部を前記断熱体の内周面に有する断熱体と、を備え、
前記発熱体は、前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され、前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部を有し、
前記環状部のうち前記山部の先端が、前記環状部の中心に向くように、前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部に対して鈍角にそれぞれ傾斜しており、
前記収納部の両側壁が、前記収納部の底面に対して鈍角にそれぞれ傾斜し、
前記山部先端の傾斜角度と、前記収納部の両側壁の傾斜角度とは、同等の角度に設定されている加熱装置である。
好ましくは、
前記収納部における前記底面の幅が、前記中央部の幅より大きく形成され、
前記収納部における前記底面には、前記中央部より小さい幅で形成された段差部を有する。
本発明の更に他の態様は、
山部と谷部とが交互に複数連なる箇所で形成される環状部を有する発熱体と、
前記環状部の外周面を囲うように筒状に形成され、前記環状部を収容する溝状の収納部を前記断熱体の内周面に有する断熱体と、を備え、
前記発熱体は、前記断熱体を貫通して該断熱体に固定され、前記環状部の両端にそれぞれ接続される一対の給電部を有し、
前記収納部における底面と該底面に隣接する前記環状部のうち前記山部先端を除く中央部との間の距離は、前記収納部および前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている加熱装置である。
好ましくは、
前記距離は、少なくとも前記環状部が室温状態の時に、前記収納部および前記環状部における全周各部のうちの少なくとも一部で異ならせて設定されている。
また好ましくは、
前記距離は、少なくとも前記環状部が基板処理時の温度状態の時に、熱膨張により前記収納部および前記環状部における全周各部が同等の距離となるように設定されている。
1 ウエハ(基板)
14 処理室
30 ヒータユニット(加熱装置)
33 断熱体
40 収納部
40d 収納部の両側壁
40e 収納部の底面
41 保持体
42 発熱体
42R 環状部
42a 山部
42b 谷部
42c 保持体受け部
45,46 給電部

Claims (10)

  1. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、
    前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、
    前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置であって、
    少なくとも前記発熱体が室温状態の時に、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定されている加熱装置。
  2. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、
    前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、
    前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置であって、
    少なくとも前記発熱体を昇温させる前の状態において、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定されている加熱装置。
  3. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、
    前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、
    前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置であって、
    前記固定部が前記発熱体の周方向に沿って複数設けられ、
    少なくとも前記発熱体が室温状態の時に、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、隣接する前記固定部間の中央位置から前記固定部に近づくにつれて小さくなるように設定されている加熱装置。
  4. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、
    前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、
    前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置であって、
    前記固定部が前記発熱体の周方向に沿って複数設けられ、
    少なくとも前記発熱体を昇温させる前の状態において、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、隣接する前記固定部間の中央位置から前記固定部に近づくにつれて小さくなるように設定されている加熱装置。
  5. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置の前記発熱体の内側に設けられた処理室内に基板を搬入する工程と、
    前記発熱体を昇温させて前記処理室内の基板を加熱して処理する工程と、を有し、
    少なくとも前記発熱体が室温状態の時に、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定する半導体装置の製造方法。
  6. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置の前記発熱体の内側に設けられた処理室内に基板を搬入する工程と、
    前記発熱体を昇温させて前記処理室内の基板を加熱して処理する工程と、を有し、
    少なくとも前記発熱体を昇温させる前の状態において、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定する半導体装置の製造方法。
  7. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、
    前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、
    前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置であって、
    少なくとも前記発熱体が室温状態の時に、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定されている加熱装置と、
    該加熱装置の内部に設けられ基板を処理する処理室と、を有する基板処理装置。
  8. 山部と谷部とが交互に複数連なることで形成された環状部を有する発熱体と、
    前記発熱体の外周を囲うように設けられる断熱体と、
    前記発熱体を前記断熱体の内壁に固定する固定部と、を備えた加熱装置であって、
    少なくとも前記発熱体を昇温させる前の状態において、前記発熱体と前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定されている加熱装置と、
    該加熱装置の内部に設けられ基板を処理する処理室と、を有する基板処理装置。
  9. 外周を断熱体により囲われ、前記断熱体の内壁に固定部により固定される環状部を有する発熱体であって、
    少なくとも前記発熱体が室温状態の時に、前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定される発熱体。
  10. 外周を断熱体により囲われ、前記断熱体の内壁に固定部により固定される環状部を有する発熱体であって、
    少なくとも前記発熱体を昇温させる前の状態において、前記断熱体の内壁との間の距離が、前記固定部から離れるにつれて大きくなるように設定される発熱体。
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