JP2014157212A - 偏光膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学特性を保持しながら、製造効率に優れた偏光膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の偏光膜の製造方法は、樹脂基材11を第1の方向に延伸する工程と、樹脂基材11を加熱する工程と、樹脂基材11上にポリビニルアルコール系樹脂層12を形成して積層体10を作製する工程と、積層体10を第2の方向に延伸する工程とをこの順で含む。
【選択図】図2

Description

本発明は、偏光膜の製造方法に関する。
代表的な画像表示装置である液晶表示装置には、その画像形成方式に起因して、液晶セルの両側に偏光膜が配置されている。偏光膜の製造方法としては、例えば、樹脂基材とポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層とを有する積層体を延伸し、次に染色処理を施して、樹脂基材上に偏光膜を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1)。このような方法によれば、厚みの薄い偏光膜が得られるため、近年の画像表示装置の薄型化に寄与し得るとして注目されている。
ところで、偏光膜を製造する際、延伸により延伸方向と略垂直方向に収縮することが一般的に知られており、収縮することで光学特性が向上し得ることが知られている。しかし、収縮率が高すぎると、製造効率が不十分であり、例えば、所望のサイズ(製品幅)を有する偏光膜が得られないという問題がある。
特開2000−338329号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、光学特性を保持しながら、製造効率に優れた偏光膜の製造方法を提供することにある。
本発明の偏光膜の製造方法は、樹脂基材を第1の方向に延伸する工程と、上記樹脂基材を加熱する工程と、上記樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程と、上記積層体を第2の方向に延伸する工程とをこの順で含む。
好ましい実施形態においては、上記第1の方向への延伸温度は70℃〜150℃である。
好ましい実施形態においては、上記加熱温度は70℃〜150℃である。
好ましい実施形態においては、上記樹脂基材は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂から形成されている。
好ましい実施形態においては、上記加熱後の樹脂基材のΔnは0.0016以下である。
本発明の別の局面によれば、偏光膜が提供される。この偏光膜は、上記製造方法により得られる。
本発明のさらに別の局面によれば、光学積層体が提供される。この光学積層体は、上記偏光膜を有する。
本発明のさらに別の局面によれば、積層体が提供される。この積層体は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂から形成され、Δnが0.0016以下の樹脂基材と、該樹脂基材上に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層とを有する。
本発明によれば、樹脂基材を延伸した後に加熱することにより、効率良く、光学特性に極めて優れた偏光膜を製造することができる。具体的には、樹脂基材を第1の方向に延伸することで生じる残存応力を緩和した状態でPVA系樹脂層を形成して積層体を作製することにより、この積層体を第2の方向に延伸する際に、第1の方向への収縮率を低下させることができる。その結果、製造効率を向上させることができる。
第1の延伸工程および加熱工程の一例を示す概略図である。 本発明の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。 本発明の偏光膜を用いた光学フィルム積層体の概略断面図である。 本発明の偏光膜を用いた光学機能フィルム積層体の概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.偏光膜の製造方法
本発明の偏光膜の製造方法は、樹脂基材を第1の方向に延伸する工程(第1の延伸工程)と、樹脂基材を加熱する工程(加熱工程)と、樹脂基材上にポリビニルアルコール(PVA)系樹脂層を形成して積層体を作製する工程(積層体作製工程)と、積層体を第2の方向に延伸する工程(第2の延伸工程)とを、この順で含む。以下、各々の工程について説明する。
A−1.第1の延伸工程
上記樹脂基材の形成材料としては、任意の適切な熱可塑性樹脂が採用され得る。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重体樹脂等が挙げられる。これらの中でも、非晶質の(結晶化していない)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましく用いられる。中でも、非晶性の(結晶化しにくい)ポリエチレンテレフタレート系樹脂が特に好ましく用いられる。非晶性のポリエチレンテレフタレート系樹脂の具体例としては、ジカルボン酸としてイソフタル酸をさらに含む共重合体や、グリコールとしてシクロヘキサンジメタノールをさらに含む共重合体が挙げられる。
1つの実施形態においては、樹脂基材は、その吸水率が、好ましくは0.2%以上であり、さらに好ましくは0.3%以上である。後述の延伸において水中延伸方式を採用する場合、上記樹脂基材は水を吸収し、水が可塑剤的な働きをして可塑化し得る。その結果、延伸応力を大幅に低下させることができ、高倍率に延伸することが可能となり、空中延伸時よりも延伸性に優れ得る。その結果、例えば、優れた光学特性を有する偏光膜を製造することができる。一方、樹脂基材の吸水率は、好ましくは3.0%以下、さらに好ましくは1.0%以下である。このような樹脂基材を用いることにより、製造時に寸法安定性が著しく低下して、得られる偏光膜の外観が悪化するなどの不具合を防止することができる。また、水中延伸時に樹脂基材が破断したり、樹脂基材からPVA系樹脂層が剥離したりするのを防止することができる。なお、樹脂基材の吸水率は、例えば、構成材料に変性基を導入することにより調整することができる。吸水率は、JIS K 7209に準じて求められる値である。
樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、好ましくは170℃以下である。このような樹脂基材を用いることにより、PVA系樹脂層の結晶化を抑制しながら、積層体の延伸性を十分に確保することができる。さらに、水による樹脂基材の可塑化と、水中延伸を良好に行うことを考慮すると、120℃以下であることがより好ましい。1つの実施形態においては、樹脂基材のガラス転移温度は、好ましくは60℃以上である。このような樹脂基材を用いることにより、後述のPVA系樹脂を含む塗布液を塗布、乾燥する際に、樹脂基材が変形(例えば、凹凸やタルミ、シワ等の発生)するなどの不具合を防止して、良好に積層体を作製することができる。また、PVA系樹脂層の延伸を、好適な温度(例えば、60℃程度)にて行うことができる。別の実施形態においては、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布・乾燥する際に、樹脂基材が変形しなければ、60℃より低いガラス転移温度であってもよい。なお、樹脂基材のガラス転移温度は、例えば、構成材料に変性基を導入する、結晶化材料を用いて加熱することにより調整することができる。ガラス転移温度(Tg)は、JIS K 7121に準じて求められる値である。
樹脂基材(延伸前)の厚みは、好ましくは20μm〜300μm、さらに好ましくは50μm〜200μmである。
上記第1の方向は、所望の偏光膜に応じて、任意の適切な方向に設定され得る。好ましい実施例形態においては、第1の方向は、長尺状の樹脂基材の幅方向である。この場合、代表的には、テンター延伸機を用いて延伸する方法が採用される。別の実施形態においては、第1の方向は、長尺状の樹脂基材の長手方向である。この場合、代表的には、周速の異なるロール間に積層体を通して延伸する方法が採用される。
樹脂基材の延伸方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、固定端延伸でもよいし、自由端延伸でもよい。樹脂基材の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、後述の樹脂基材の延伸倍率は、各段階の延伸倍率の積である。また、本工程における延伸方式は、特に限定されず、空中延伸方式でもよいし、水中延伸方式でもよい。
樹脂基材の延伸温度は、樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定され得る。延伸温度は、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)に対し、好ましくはTg−10℃〜Tg+80℃である。樹脂基材の形成材料としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いる場合、延伸温度は、好ましくは70℃〜150℃、さらに好ましくは90℃〜130℃である。このような温度で延伸することにより、製造効率を向上させることができる。具体的には、延伸温度が高すぎると、樹脂基材の延伸方向端部の厚みが厚くなって、樹脂基材の有効幅を十分に確保できないおそれがある。延伸温度が低すぎると、後述のΔnが高くなるおそれがあり、後述の加熱による効果を十分に得られないおそれがある。
樹脂基材の延伸倍率は、樹脂基材の元長に対して、好ましくは1.5倍〜3.0倍である。樹脂基材を第1の方向に延伸することにより、樹脂基材を有効に利用することができる。
延伸後の樹脂基材のΔnは、代表的には、樹脂基材の材料および延伸条件に応じて変化し得る。例えば樹脂基材の形成材料としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いる場合、延伸後の樹脂基材のΔnは、代表的には0.1以下であり、好ましくは0.01以下である。一方で、延伸後の樹脂基材のΔnは、好ましくは0.0002以上である。なお、本明細書において樹脂基材のΔnは、下記式(1)から算出される値である。
Δn=R0/d ・・・・・(1)
R0:23℃における波長590nmの光で測定した樹脂基材の正面位相差(nm)
d:樹脂基材の厚み(nm)
A−2.加熱工程
上記第1の方向への延伸後、樹脂基材を加熱する。樹脂基材を加熱することにより、上記第1の方向への延伸により樹脂基材に生じた残存応力を緩和し、後述の第2の方向への延伸における第1の方向への縮率を低下させることができる。その結果、製造効率を向上させることができる。さらに、加熱によって樹脂基材のΔnが低下する。
好ましい実施形態においては、所定のΔnが得られるように加熱条件を制御する。樹脂基材の形成材料としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いる場合、樹脂基材のΔnが0.0016以下となるように加熱することが好ましい。このような範囲であれば、上記収縮を良好に抑制することができる。一方で、加熱後の樹脂基材のΔnは、好ましくは0(ゼロ)以上である。
加熱温度は、樹脂基材のガラス転位温度(Tg)に対し、好ましくはTg−10℃〜Tg+80℃、さらに好ましくはTg℃〜Tg+60℃である。具体的には、樹脂基材の形成材料としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いる場合、加熱温度は、好ましくは70℃〜150℃、さらに好ましくは80℃〜130℃である。
加熱時間は、好ましくは10秒〜60秒、さらに好ましくは20秒〜40秒である。
加熱工程は、上記第1の延伸工程の後、連続的に行ってもよいし、間欠的に行ってもよいが、連続的に行うのが好ましい。
図1は、上記第1の延伸工程および加熱工程の一例を示す概略図である。図示例では、入口側から、予熱ゾーン2、第1の延伸ゾーン3、加熱ゾーン4および冷却ゾーン5がこの順で設けられたテンター延伸機1内を、長尺状の樹脂基材11をその長手方向に搬送する。
予め、ロール状に巻回された長尺状の樹脂基材11を巻き出して、樹脂基材11の幅方向端部11a,11aを把持手段(クリップ)6,6により把持する。左右のクリップ6,6で把持された樹脂基材11を、所定の速度で搬送して、第1の延伸ゾーン2に導き、樹脂基材11を上記延伸温度まで加熱する。延伸温度への加熱手段としては、任意の適切な手段が採用され得る。例えば、熱風式、パネルヒーター、ハロゲンヒーターなどの加熱装置等が挙げられる。好ましくは、熱風式が用いられる。
次に、第1の延伸ゾーン3において、樹脂基材11を上記延伸温度にて幅方向に延伸する。具体的には、樹脂基材11を所定の速度で搬送しながら、端部11a,11aを把持しているクリップ6,6を幅方向外方に移動させる。第1の延伸後、連続的に、加熱ゾーン4において、樹脂基材11を上記加熱温度に加熱する。加熱の際、クリップ6,6は幅方向には実質的には移動させず、延伸後の幅に保持されている。ここで、「実質的に」とは、加熱工程においてフィルムのバタつきを抑制したり、厚み、位相差、軸方向等を微調整する目的でクリップを短い距離(例えば、全幅の1%程度)移動させて幅を拡縮させることを許容する趣旨である。加熱ゾーン4の加熱手段としては、予熱ゾーン2と同様の加熱手段が採用され得る。加熱後、冷却ゾーン5において、所定の温度まで樹脂基材11を冷却し、次の工程に供される。なお、各ゾーンは、実質的に樹脂基材が予熱、延伸、加熱および冷却されるゾーンを意味し、機械的、構造的に独立した区間を意味するのではない。
A−3.積層体作製工程
図2は、本発明の好ましい実施形態による積層体の概略断面図である。積層体10は、樹脂基材11とPVA系樹脂層12とを有し、樹脂基材11上に、PVA系樹脂層12を形成することにより作製される。PVA系樹脂層の形成方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、樹脂基材上に、PVA系樹脂を含む塗布液を塗布し、乾燥することにより、PVA系樹脂層を形成する。
上記PVA系樹脂層を形成するPVA系樹脂としては、任意の適切な樹脂が採用され得る。例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。PVA系樹脂のケン化度は、通常85モル%〜100モル%であり、好ましくは95.0モル%〜99.95モル%、さらに好ましくは99.0モル%〜99.93モル%である。ケン化度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。このようなケン化度のPVA系樹脂を用いることによって、耐久性に優れた偏光膜が得られ得る。ケン化度が高すぎる場合には、ゲル化してしまうおそれがある。
PVA系樹脂の平均重合度は、目的に応じて適切に選択され得る。平均重合度は、通常1000〜10000であり、好ましくは1200〜5000、さらに好ましくは1500〜4500である。なお、平均重合度は、JIS K 6726−1994に準じて求めることができる。
上記塗布液は、代表的には、上記PVA系樹脂を溶媒に溶解させた溶液である。溶媒としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、各種グリコール類、トリメチロールプロパン等の多価アルコール類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類が挙げられる。これらは単独で、または、二種以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、好ましくは、水である。溶液のPVA系樹脂濃度は、溶媒100重量部に対して、好ましくは3重量部〜20重量部である。このような樹脂濃度であれば、樹脂基材に密着した均一な塗布膜を形成することができる。
塗布液に、添加剤を配合してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、界面活性剤等が挙げられる。可塑剤としては、例えば、エチレングリコールやグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。界面活性剤としては、例えば、非イオン界面活性剤が挙げられる。これらは、得られるPVA系樹脂層の均一性や染色性、延伸性をより一層向上させる目的で使用され得る。
塗布液の塗布方法としては、任意の適切な方法を採用することができる。例えば、ロールコート法、スピンコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ナイフコート法(コンマコート法等)等が挙げられる。
上記塗布液の塗布・乾燥温度は、好ましくは50℃以上である。
上記PVA系樹脂層(延伸前)の厚みは、好ましくは3μm〜20μmである。
PVA系樹脂層を形成する前に、樹脂基材に表面処理(例えば、コロナ処理等)を施してもよいし、樹脂基材上に易接着層を形成してもよい。このような処理を行うことにより、樹脂基材とPVA系樹脂層との密着性を向上させることができる。また、樹脂基材のPVA系樹脂層が形成されていない側には、任意の適切な機能層(例えば、帯電防止層)が形成されていてもよい。
A−4.第2の延伸工程
上記第2の方向は、所望の偏光膜に応じて、任意の適切な方向に設定され得る。好ましくは、第2の方向は、上記第1の方向と直交する。例えば、上記第1の方向が長尺状の樹脂基材の幅方向である場合、第2の方向は、好ましくは、長尺状の積層体の長手方向である。なお、本明細書において、「直交」とは、実質的に直交する場合も包含する。ここで、「実質的に直交」とは、90°±5.0°である場合を包含し、好ましくは90°±3.0°、さらに好ましくは90°±1.0°である。また、第2の方向が、実質的に、得られる偏光膜の吸収軸方向となる。
積層体の延伸方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、固定端延伸でも、自由端延伸でもよいが、自由端延伸を採用することが好ましい。自由端延伸は、通常、一方向のみに延伸する延伸方法を意味する。積層体をある一方向に延伸すると、当該延伸方向に対して略垂直方向に積層体が収縮し得るが、この収縮を抑制することなく延伸する方法を自由端延伸という。
延伸方式は、特に限定されず、空中延伸方式でも、水中延伸方式でもよいが、水中延伸方式を採用することが好ましい。水中延伸方式によれば、上記樹脂基材やPVA系樹脂層のガラス転移温度(代表的には、80℃程度)よりも低い温度で延伸し得、PVA系樹脂層を、その結晶化を抑えながら、高倍率に延伸することができる。その結果、優れた光学特性を有する偏光膜を製造することができる。
積層体の延伸は、一段階で行ってもよいし、多段階で行ってもよい。多段階で行う場合、例えば、上記自由端延伸と固定端延伸とを組み合わせてもよいし、上記水中延伸方式と空中延伸方式とを組み合わせてもよい。また、多段階で行う場合、後述の積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、各段階の延伸倍率の積である。
積層体の延伸温度は、樹脂基材の形成材料、延伸方式等に応じて、任意の適切な値に設定され得る。空中延伸方式を採用する場合、延伸温度は、好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)以上であり、さらに好ましくは樹脂基材のガラス転移温度(Tg)+10℃以上、特に好ましくはTg+15℃以上である。一方、積層体の延伸温度は、好ましくは170℃以下である。このような温度で延伸することで、PVA系樹脂の結晶化が急速に進むのを抑制して、当該結晶化による不具合(例えば、延伸によるPVA系樹脂層の配向を妨げる)を抑制することができる。
水中延伸方式を採用する場合、延伸浴の液温は、好ましくは40℃〜85℃、より好ましくは50℃〜85℃である。このような温度であれば、PVA系樹脂層の溶解を抑制しながら高倍率に延伸することができる。具体的には、上述のように、樹脂基材のガラス転移温度(Tg)は、PVA系樹脂層の形成との関係で、好ましくは60℃以上である。この場合、延伸温度が40℃を下回ると、水による樹脂基材の可塑化を考慮しても、良好に延伸できないおそれがある。一方、延伸浴の温度が高温になるほど、PVA系樹脂層の溶解性が高くなって、優れた光学特性が得られないおそれがある。延伸浴への積層体の浸漬時間は、好ましくは15秒〜5分である。
水中延伸方式を採用する場合、積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することが好ましい(ホウ酸水中延伸)。延伸浴としてホウ酸水溶液を用いることで、PVA系樹脂層に、延伸時にかかる張力に耐える剛性と、水に溶解しない耐水性とを付与することができる。具体的には、ホウ酸は、水溶液中でテトラヒドロキシホウ酸アニオンを生成してPVA系樹脂と水素結合により架橋し得る。その結果、PVA系樹脂層に剛性と耐水性とを付与して、良好に延伸することができ、優れた光学特性を有する偏光膜を製造することができる。
上記ホウ酸水溶液は、好ましくは、溶媒である水にホウ酸および/またはホウ酸塩を溶解させることにより得られる。ホウ酸濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜10重量部である。ホウ酸濃度を1重量部以上とすることにより、PVA系樹脂層の溶解を効果的に抑制することができ、より高特性の偏光膜を製造することができる。なお、ホウ酸またはホウ酸塩以外に、ホウ砂等のホウ素化合物、グリオキザール、グルタルアルデヒド等を溶媒に溶解して得られた水溶液も用いることができる。
後述の染色により、予め、PVA系樹脂層に二色性物質(代表的には、ヨウ素)が吸着されている場合、好ましくは、上記延伸浴(ホウ酸水溶液)にヨウ化物を配合する。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化錫、ヨウ化チタン等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、ヨウ化カリウムである。ヨウ化物の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは0.05重量部〜15重量部、より好ましくは0.5重量部〜8重量部である。
積層体の延伸倍率(最大延伸倍率)は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上である。このような高い延伸倍率は、例えば、水中延伸方式(ホウ酸水中延伸)を採用することにより、達成し得る。なお、本明細書において「最大延伸倍率」とは、積層体が破断する直前の延伸倍率をいい、別途、積層体が破断する延伸倍率を確認し、その値よりも0.2低い値をいう。
好ましい実施形態においては、上記積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸した後、上記ホウ酸水中延伸および後述の染色を行う。このような空中延伸は、ホウ酸水中延伸に対する予備的または補助的な延伸として位置付けることができるため、以下「空中補助延伸」という。
空中補助延伸を組み合わせることで、積層体をより高倍率に延伸することができる場合がある。その結果、より優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を製造することができる。例えば、上記樹脂基材としてポリエチレンテレフタレート系樹脂を用いた場合、ホウ酸水中延伸のみで延伸するよりも、空中補助延伸とホウ酸水中延伸とを組み合せる方が、樹脂基材の配向を抑制しながら延伸することができる。当該樹脂基材は、その配向性が向上するにつれて延伸張力が大きくなり、安定的な延伸が困難となったり、破断したりする。そのため、樹脂基材の配向を抑制しながら延伸することで、積層体をより高倍率に延伸することができる。
また、空中補助延伸を組み合わせることで、PVA系樹脂の配向性を向上させ、そのことにより、ホウ酸水中延伸後においてもPVA系樹脂の配向性を向上させ得る。具体的には、予め、空中補助延伸によりPVA系樹脂の配向性を向上させておくことで、ホウ酸水中延伸の際にPVA系樹脂がホウ酸と架橋し易くなり、ホウ酸が結節点となった状態で延伸されることで、ホウ酸水中延伸後もPVA系樹脂の配向性が高くなるものと推定される。その結果、優れた光学特性(例えば、偏光度)を有する偏光膜を製造することができる。
空中補助延伸における延伸倍率は、好ましくは3.5倍以下である。空中補助延伸の延伸温度は、PVA系樹脂のガラス転移温度以上であることが好ましい。延伸温度は、好ましくは95℃〜150℃である。なお、空中補助延伸と上記ホウ酸水中延伸とを組み合わせた場合の最大延伸倍率は、積層体の元長に対して、好ましくは5.0倍以上、より好ましくは5.5倍以上、さらに好ましくは6.0倍以上である。
A−5.その他の工程
本発明の偏光膜の製造方法は、上記工程以外に、その他の工程を含み得る。その他の工程としては、例えば、染色工程、不溶化工程、架橋工程、洗浄工程、乾燥工程等が挙げられる。その他の工程は、任意の適切なタイミングで行い得る。
上記染色工程は、代表的には、PVA系樹脂層を二色性物質で染色する工程である。好ましくは、PVA系樹脂層に二色性物質を吸着させることにより行う。当該吸着方法としては、例えば、二色性物質を含む染色液にPVA系樹脂層(積層体)を浸漬させる方法、PVA系樹脂層に当該染色液を塗工する方法、当該染色液をPVA系樹脂層に噴霧する方法等が挙げられる。好ましくは、二色性物質を含む染色液に積層体を浸漬させる方法である。二色性物質が良好に吸着し得るからである。
上記二色性物質としては、例えば、ヨウ素、二色性染料が挙げられる。好ましくは、ヨウ素である。二色性物質としてヨウ素を用いる場合、上記染色液は、ヨウ素水溶液である。ヨウ素の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜0.5重量部である。ヨウ素の水に対する溶解度を高めるため、ヨウ素水溶液にヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは0.02重量部〜20重量部、より好ましくは0.1重量部〜10重量部である。染色液の染色時の液温は、PVA系樹脂の溶解を抑制するため、好ましくは20℃〜50℃である。染色液にPVA系樹脂層を浸漬させる場合、浸漬時間は、PVA系樹脂層の透過率を確保するため、好ましくは5秒〜5分である。また、染色条件(濃度、液温、浸漬時間)は、最終的に得られる偏光膜の偏光度もしくは単体透過率が所定の範囲となるように、設定することができる。1つの実施形態においては、得られる偏光膜の偏光度が99.98%以上となるように、浸漬時間を設定する。別の実施形態においては、得られる偏光膜の単体透過率が40%〜44%となるように、浸漬時間を設定する。
上記不溶化工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。不溶化処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。不溶化浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜50℃である。
上記架橋工程は、代表的には、ホウ酸水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。架橋処理を施すことにより、PVA系樹脂層に耐水性を付与することができる。当該ホウ酸水溶液の濃度は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜4重量部である。また、上記染色工程後に架橋工程を行う場合、さらに、ヨウ化物を配合することが好ましい。ヨウ化物を配合することにより、PVA系樹脂層に吸着させたヨウ素の溶出を抑制することができる。ヨウ化物の配合量は、水100重量部に対して、好ましくは1重量部〜5重量部である。ヨウ化物の具体例は、上述のとおりである。架橋浴(ホウ酸水溶液)の液温は、好ましくは20℃〜60℃である。
上記洗浄工程は、代表的には、ヨウ化カリウム水溶液にPVA系樹脂層を浸漬させることにより行う。上記乾燥工程における乾燥温度は、好ましくは30℃〜100℃である。
B.偏光膜
本発明の偏光膜は、実質的には、二色性物質が吸着配向されたPVA系樹脂膜である。偏光膜の厚みは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは7μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。一方、偏光膜の厚みは、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1.5μm以上である。偏光膜は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光膜の単体透過率は、好ましくは40.0%以上、より好ましくは41.0%以上、さらに好ましくは42.0%以上、特に好ましくは42.8%以上である。偏光膜の偏光度は、好ましくは99.8%以上、より好ましくは99.9%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
上記偏光膜の使用方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。具体的には、上記樹脂基材と一体となった状態で使用してもよいし、上記樹脂基材から他の部材に転写して使用してもよい。
C.光学積層体
本発明の光学積層体は、上記偏光膜を有する。図3(a)および(b)は、本発明の好ましい実施形態による光学フィルム積層体の概略断面図である。光学フィルム積層体100は、樹脂基材11’と偏光膜12’と粘着剤層13とセパレータ14とをこの順で有する。光学フィルム積層体200は、樹脂基材11’と偏光膜12’と接着剤層15と光学機能フィルム16と粘着剤層13とセパレータ14とをこの順で有する。本実施形態では、上記樹脂基材を得られた偏光膜12’から剥離せずに、そのまま光学部材として用いている。樹脂基材11’は、例えば、偏光膜12’の保護フィルムとして機能し得る。
図4(a)および(b)は、本発明の別の好ましい実施形態による光学機能フィルム積層体の概略断面図である。光学機能フィルム積層体300は、セパレータ14と粘着剤層13と偏光膜12’と接着剤層15と光学機能フィルム16とをこの順で有する。光学機能フィルム積層体400では、光学機能フィルム積層体300の構成に加え、第2の光学機能フィルム16’が偏光膜12’とセパレータ14との間に粘着剤層13を介して設けられている。本実施形態では、上記樹脂基材は取り除かれている。
本発明の光学積層体を構成する各層の積層には、図示例に限定されず、任意の適切な粘着剤層または接着剤層が用いられる。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。接着剤層としては、代表的にはビニルアルコール系接着剤で形成される。上記光学機能フィルムは、例えば、偏光膜保護フィルム、位相差フィルム等として機能し得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。なお、各特性の測定方法は以下の通りである。
1.厚み
デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC−351C」)を用いて測定した。
2.ガラス転移温度(Tg)
JIS K 7121に準じて測定した。
3.吸水率
JIS K 7209に準じて測定した。
4.正面位相差(R0)
Axometrics社製のAxoscanを用いて測定した。測定波長は590nm、測定温度は23℃であった。
[実施例1]
樹脂基材として、長尺状で、吸水率0.35%、Tg75℃のシクロヘキサンジメタノールを共重合成分として含む非晶質ポリエチレンテレフタレート(A−PET)フィルム(三菱化学社製、商品名「ノバクリアー SH046」、厚み:100μm)を用いた。テンター延伸機を用いて、この樹脂基材を長手方向に搬送しながら、105℃で横方向に2倍に延伸した。この時点(延伸後かつ加熱前)での樹脂基材のΔnは0.00249であった。
続いて、テンター延伸機のクリップで実質的に延伸幅に保持された状態で、樹脂基材を120℃で30秒間加熱した。加熱後の樹脂基材のΔnは0.00124であった。
次に、樹脂基材の片面に、重合度4200、ケン化度99.2モル%のポリビニルアルコールの水溶液を60℃で塗布および乾燥して、厚み10μmのPVA系樹脂層を形成し、積層体を作製した。
得られた積層体を、130℃のオーブン内で周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に2倍に自由端一軸延伸した(空中補助延伸)。
次いで、積層体を、液温30℃の不溶化浴(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(不溶化工程)。
次いで、液温30℃の染色浴(水100重量部に対して、ヨウ素を0.2重量部配合し、ヨウ化カリウムを1.0重量部配合して得られたヨウ素水溶液)に60秒間浸漬させた(染色工程)。
次いで、液温30℃の架橋浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを3重量部配合し、ホウ酸を3重量部配合して得られたホウ酸水溶液)に30秒間浸漬させた(架橋工程)。
その後、積層体を、液温70℃のホウ酸水溶液(水100重量部に対して、ホウ酸を4重量部配合し、ヨウ化カリウムを5重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させながら、周速の異なるロール間で縦方向(長手方向)に一軸延伸を行った(水中延伸)。ここで、積層体が破断する直前まで延伸した(最大延伸倍率は6.0倍)。
その後、積層体を液温30℃の洗浄浴(水100重量部に対して、ヨウ化カリウムを4重量部配合して得られた水溶液)に浸漬させた後、60℃の温風で乾燥させた(洗浄・乾燥工程)。
こうして、樹脂基材上に、厚み4.5μmの偏光膜を形成した。
[実施例2]
樹脂基材の加熱時間を40秒としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
[実施例3]
樹脂基材の加熱時間を50秒としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
[実施例4]
樹脂基材の加熱温度を125℃、加熱時間を40秒としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
[実施例5]
樹脂基材の延伸温度を115℃としたこと、加熱温度を105℃、加熱時間を40秒としたこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。本実施例において、延伸後かつ加熱前の樹脂基材のΔnは0.00093であった。
[比較例1]
樹脂基材の延伸温度を90℃としたこと、延伸後に加熱しなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
[比較例2]
樹脂基材の延伸温度を100℃としたこと、延伸後に加熱しなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
[比較例3]
延伸後に加熱しなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
[比較例4]
延伸後に加熱しなかったこと以外は、実施例5と同様にして偏光膜を形成した。
[比較例5]
樹脂基材に対し、延伸・加熱を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして偏光膜を形成した。
各実施例および比較例について、幅残存率、膜厚分布および偏光膜の光学特性を評価した。評価方法および評価基準は以下のとおりであり、評価結果を表1に示す。なお、表1中のΔnは、実施例に関しては加熱後の値を示し、比較例に関しては横延伸後の値を示す。
1.幅残存率
上記空中補助延伸後の樹脂基材の幅を計測し、樹脂基材の元長(幅)に対する幅残存率を算出することにより幅残存率を評価した。
(評価基準)
良好:120%以上
不良:120%未満
2.膜厚分布
樹脂基材延伸後、幅方向両端部を除いた幅方向中央部(85%)における膜厚を測定し、最大値と最小値との差を算出することにより膜厚分布を評価した。
(評価基準)
良好:10μm未満
不良:10μm以上
3.光学特性
紫外可視分光光度計(日本分光社製、製品名「V7100」)を用いて、偏光膜の単体透過率(Ts)、平行透過率(Tp)および直交透過率(Tc)を測定し、偏光度(P)を次式により求めた。
偏光度(P)(%)={(Tp−Tc)/(Tp+Tc)}1/2×100
なお、上記Ts、TpおよびTcは、JIS Z 8701の2度視野(C光源)により測定し、視感度補正を行ったY値である。
(評価基準)
良好:単体透過率99.99%における偏光度が42.8%以上
不良:単体透過率99.99%における偏光度が42.8%未満
Figure 2014157212
各実施例では、幅残存率も高く、横延伸後の厚みの均一性にも優れて樹脂基材の有効幅を十分に確保できた。これに対し、比較例1,2、3および5では幅残存率が低く、比較例4では、横延伸後の幅方向端部の厚みが厚く、樹脂基材の有効幅を十分に確保できなかった。
本発明の偏光膜は、液晶テレビ、液晶ディスプレイ、携帯電話、デジタルカメラ、ビデオカメラ、携帯ゲーム機、カーナビゲーション、コピー機、プリンター、ファックス、時計、電子レンジ等の液晶パネル、有機ELパネルの反射防止膜として好適に用いられる。

Claims (8)

  1. 樹脂基材を第1の方向に延伸する工程と、
    前記樹脂基材を加熱する工程と、
    前記樹脂基材上にポリビニルアルコール系樹脂層を形成して積層体を作製する工程と、
    前記積層体を第2の方向に延伸する工程と
    をこの順で含む、偏光膜の製造方法。
  2. 前記第1の方向への延伸温度が70℃〜150℃である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記加熱温度が70℃〜150℃である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記樹脂基材が、ポリエチレンテレフタレート系樹脂から形成されている、請求項1から3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記加熱後の樹脂基材のΔnが0.0016以下である、請求項4に記載の製造方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の製造方法により得られた、偏光膜。
  7. 請求項6に記載の偏光膜を有する、光学積層体。
  8. ポリエチレンテレフタレート系樹脂から形成され、Δnが0.0016以下の樹脂基材と、
    該樹脂基材上に形成されたポリビニルアルコール系樹脂層と
    を有する、積層体。
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