JP2014156444A - 有機基で置換された含フッ素オレフィンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機基で置換された含フッ素オレフィンの製造方法であって、
ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、及びコバルトから選択される遷移金属を含有する有機遷移金属触媒の存在下で、含フッ素オレフィンを有機ケイ素化合物と
反応させる工程を含むことを特徴とする製造方法。
【選択図】なし
Description
しかしながら、カルボニル化合物がケトンである場合には、Wittig試薬を過剰量(4〜5等量以上)用いても収率が低く、さらにはリン化合物として、発癌性のヘキサメチル亜リン酸トリアミドの使用が必須であることから、この方法は問題を有している。
PhMgBr+CF2=CF2→PhCF=CF2(非特許文献7、8)
これらの方法は、目的物を高い選択性で得るためには、反応を低温で行うと共に、原料のTFEを大過剰に用いる必要があるという不利点がある。反応温度が上がると反応の進行が制御出来なくなり、目的物とともに、1,2−付加体や更なる多置換体が生成してしまう。このため、目的物の収率は大きく低下する。一方、求核性の低い有機ランタニド試薬を用いた場合も、目的物の収率は向上しない(非特許文献9)。
一方、遷移金属触媒存在下に炭素−炭素結合を進行させる反応において、有機ホウ素試薬が多用されている。これら有機ホウ素試薬は他の有機金属試薬と比較して毒性が低く、また試薬自身が安定であり、なかでもボロン酸誘導体は水中でも扱えるなど際立って有利な特徴を有している。このような性質から、ボロン酸誘導体は、上記有機亜鉛試薬をはじめとする求核性の高い他の試薬が共存できない水酸基等が存在しても、選択的に望む位置に炭素−炭素結合を形成出来る。
有機ホウ素試薬のこの様な利点を活かして、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)およびトリフルオロエチレン(TFE)とのカップリング反応による、トリフルオロビニル誘導体の合成方法が最近報告された(特許文献2,3、非特許文献13)。しかしながら、CTFEではコストの面で、またTFEでは収率の面で、まだ課題が残されている。
しかし、有機ケイ素試薬を用いた反応の応用例は少なく、これを含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子上のフッ素原子の置換反応に用いることは報告されていない。
有機ケイ素試薬の利点を活かしつつ、含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子上のフッ素原子の置換反応を進行させることが出来れば、非常に多くの種類の置換基を有する含フッ素オレフィンの製造が可能になる。
本発明者らは、特定の遷移金属触媒の存在下、TFE等の含フッ素オレフィンを有機ケイ素化合物と反応させたところ、含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合したフッ素原子が有機ケイ素化合物の有機基で置換されたオレフィンを製造できることを見いだ
した。
ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、及びコバルトから選択される遷移金属を含有する有機遷移金属触媒の存在下で、含フッ素オレフィンをケイ素化合物と反応させることにより、有機基で置換された含フッ素オレフィンを簡便かつ効率的(高収率、高選択性、低コスト)に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
有機基で置換された含フッ素オレフィンの製造方法であって、
ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、及びコバルトから選択される遷移金属を含有する有機遷移金属触媒の存在下で、含フッ素オレフィンを有機ケイ素化合物と
反応させる工程を含むことを特徴とする製造方法。
項2
前記遷移金属がニッケル、及びパラジウムから選択される項1に記載の製造方法。
項3
有機ケイ素化合物が式(1):
R−SiY3 (1)
(式中、
Rは置換されていてもよいアリール基、炭素を介して結合する置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいアルキニル基を示す;Yは、各出現において同一又は異なって、ヒドロキシ基、ヒドロキシド基、アルコキシ基、アルキル基又はフルオロ基を示す。
それぞれYで示される2個又は3個のアルコキシ基、又はアルキル基は互いに連結して隣接するケイ素原子と共に環を形成していてもよい。)
で表される有機ケイ素化合物である項1又は2に記載の製造方法。
項4
Rが置換されていてもよい単環式、二環式又は三環式のアリール基である項3に記載の製造方法。
項5
前記含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合した少なくとも1個のフッ素原子が、前記Rで示される基で置換される項3又は4に記載の製造方法。
項6
前記工程が塩基の存在下で実施される項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
項7
前記有機遷移金属触媒が有機パラジウム錯体である項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
項8
前記有機基で置換された含フッ素オレフィンが、式(2):
で表される化合物である項3〜7のいずれかに記載の製造方法。
本明細書中、「置換基」とは、分子中の1個以上の水素原子又はフッ素原子と置き換わる別の原子又は基を意味する。
本明細書中、「低級アルキル基」(置換基中の低級アルキルを含む)としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−メチルペンチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル等のC1〜6アルキル基が挙げられる。
)を含む。
炭素原子上のフッ素原子を置換し得る有機基を有する化合物であり、求核試薬として働く。
れる有機ケイ素化合物である。以下に、式(1)中の記号を説明する。
アリール基上の置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ基、
(c)シアノ基、
(d)アミノ基、
(e)カルボキシ基、
(f)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、(g)低級(特にC2〜6)アルケニル基、
(h)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(i)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(j)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルファニル基、
(k)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルホニル基、
(l)ホルミル基、
(m)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニル基(低級アルカノイル基)、
(n)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニルアミノ基、
(o)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ−カルボニル基
等が挙げられる。
アリール基は、1個以上(例えば、1〜4個(特に1〜2個))の前記置換基で置換されていてもよい。
ヘテロアリール基上の置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ基、
(c)シアノ基、
(d)アミノ基、
(e)カルボキシ基、
(f)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、(g)低級(特にC2〜6)アルケニル基、
(h)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(i)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(j)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルファニル基、
(k)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルホニル基、
(l)ホルミル基、
(m)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニル基(低級アルカノイル基)、
(n)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニルアミノ基、
(o)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ−カルボニル基
等が挙げられる。
ヘテロアリール基は、1個以上(例えば、1〜4個(特に1〜2個))の前記置換基で置換されていてもよい。
シクロアルキル基上の置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ基、
(c)シアノ基、
(d)アミノ基、
(e)カルボキシ基、
(f)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、(g)低級(特にC2〜6)アルケニル基、
(h)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(i)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(j)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルファニル基、
(k)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルホニル基、
(l)ホルミル基、
(m)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニル基(低級アルカノイル基)、
(n)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニルアミノ基、
(o)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ−カルボニル基
等が挙げられる。
シクロアルキル基は、1個以上(例えば、1〜4個(特に1〜2個))の前記置換基で置換されていてもよい。
アルキル基上の置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ基、
(c)シアノ基、
(d)アミノ基、
(e)カルボキシ基、
(f)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(g)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(h)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルファニル基、
(i)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルホニル基、
(j)ホルミル基、
(k)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニル基(低級アルカノイル基)、
(l)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニルアミノ基、
(m)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ−カルボニル基
等が挙げられる。
アルキル基は、1個以上(例えば、1〜3個(特に1〜2個))の前記置換基で置換されていてもよい。
アルケニル基上の置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ基、
(c)シアノ基、
(d)アミノ基、
(e)カルボキシ基、
(f)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル基、(g)低級(特にC2〜6)アルケニル基、
(h)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(i)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(j)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルファニル基、
(k)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルホニル基、
(l)ホルミル基、
(m)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニル基(低級アルカノイル基)、
(n)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニルアミノ基、
(o)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ−カルボニル基
等が挙げられる。
アルケニル基は、1個以上(例えば、1〜3個(特に1〜2個))の前記置換基で置換されていてもよい。
アルキニル基上の置換基としては、
例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ基、
(c)シアノ基、
(d)アミノ基、
(e)カルボキシ基、
(f)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ基、
(g)アリール基(例、フェニル、ナフチル)、
(h)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルファニル基、
(i)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−スルホニル基、
(j)ホルミル基、
(k)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニル基(低級アルカノイル基)、
(l)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルキル−カルボニルアミノ基、
(m)1個以上(特に1〜3個)のハロゲン原子で置換されていてもよい低級アルコキシ−カルボニル基
等が挙げられる。
アルキニル基は、1個以上(例えば、1〜3個(特に1〜2個))の前記置換基で置換されていてもよい。
Yで示される「アルキル基」としては、例えば、低級アルキル基が挙げられる。
Yは、好ましくはアルコキシ基(好ましくは、、メトキシ基、エトキシ基)、ヒドロキシ基、又はフルオロ基である。
それぞれYで示される2個又は3個のアルコキシ基、又はアルキル基が互いに連結して隣接するケイ素原子と共に形成する環としては、例えば、下記の、ケイ素を含んだ4員環構造であるシラシクロブタン環が形成される。当該環は、その歪みにより反応性が高いので、好ましい。
換反応するフッ素原子の数に応じ適宜設定することができる。通常、含フッ素オレフィンの使用量は、通常、有機ケイ素化合物1モルに対して、0.1〜100モル程度、好まし
くは0.5〜10モル程度を用いることができる。
1)Kanbaraら、Macromolecules、2000年、33巻、657頁
2)Yamamotoら、J. Polym. Sci.、2002年、40巻、2637頁
3)特開平06−32763号公報
4)特開2005−281454号公報
5)特開2009−527352号公報
に示す文献に記載のポリマーホスフィンも利用可能である。
トリアルキルホスフィンとしては、具体的には、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリテキシルホスフィン、トリアダマンチルホスフィン、トリシクロペンチルホスフィン、ジt−ブチルメチルホスフィン、トリビシクロ[2,2,2]オクチルホスフィン、トリノルボルニルホスフィン等のトリ(C3−20アルキル)ホスフィンが挙げられる。
トリアリールホスフィンとしては、具体的には、トリフェニルホスフィン、トリメシチルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン等のトリ(単環アリール)ホスフィンが挙げられる。
これらの中でも、トリシクロペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリt−ブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン及びジt−ブチルメチルホスフィンが好ましい。またこれ以外にも、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンのような二座配位子も有効である。
、通常、0.0001〜1モル程度、より好ましくは0.001〜0.2モル程度、更に好ましくは0.01〜0.2モル程度である。
また、投入する配位子と有機遷移金属触媒のモル比は、通常2/1〜10/1であり、好ましくは2/1〜4/1である。
炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩化合物;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のリン酸塩化合物;酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム等の酢酸塩化合物;
リチウムメトキシド、リチウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウム−t−ブトキシド等のアルコキシド
等が挙げられる。
くは、0.1〜5モルである。
また前記反応工程においては、置換反応において発生するフッ素アニオンが塩基として作用するので、他の塩基の添加無しの条件でも、反応が好ましく進行する。この条件の反応は、反応操作およびコスト面で有利である。
で表される化合物である。
Cyp:シクロペンチル(cyclopentyl)
TFE:テトラフルオロエチレン(tetrafluoroethylene)
THF:テトラヒドロフラン(tetrahydrofuran)
dba:ジベンジリデンアセトン(dibenzylideneacetone)
グローブボックス中、不活性雰囲気下(窒素雰囲気下:以下の実施例で同様)で、Pd2(dba)3(10mg、0.01mmol)、PCy3(5.6mg、0.02mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のC6D6(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で22時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが44%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(10mg、0.01mmol)、PCy3(5.6mg、0.02mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で2時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが85%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(10mg、0.01mmol)、PCy3(5.6mg、0.02mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のDMF−d7(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で18時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが22%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(10mg、0.01mmol)、PCy3(5.6mg、0.02mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を80℃で49時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが80%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(10mg、0.01mmol)、PCy3(5.6mg、0.02mmol)、トリエトキシフェニルシラン(24.0mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で19時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが50%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、PCy3(2.8mg、0.01mmol)、トリメトキシ(4−メトキシフェニル)シラン(22.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で58時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、1−メトキシ−4−(1,2,2−トリフルオロビニル)ベンゼンが40%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、PCy3(2.8mg、0.01mmol)、トリメトキシナフチルシラン(24.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で17時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、2−(1,2,2−トリフルオロビニル)ナフタレンが65%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、PCy3(2.8mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが78%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、Pt−Bu2Me(1.6mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが5%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、P(n−Bu)3(2.0mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが3%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、P(t−Bu)3(2.0mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが少量得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、P(i−Pr)3(1.6mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが73%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、P(i−Bu)3(2.0mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で20時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが6%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、P(Cyp)3(2.4mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で7時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが84%の収率で得られたことを確認した。
グローブボックス中、不活性雰囲気下で、Pd2(dba)3(5mg、0.005mmol)、Pt−Bu2Me(1.6mg、0.01mmol)、トリメトキシフェニルシラン(19.8mg、0.1mmol)のTHF−d8(0.5mL)溶液を耐圧チューブ(容量2ml)中に調製し、これにα,α,α−トリフルオロトルエン(0.01mmol:19F−NMR測定時の内部標準)を加えた。さらにここにTFE(0.313mmol:上述の容器容量と導入圧力0.35MPaから算出した。)を加えた。この反応溶液を100℃で7時間放置した。反応を19F−NMRで追跡し、内部標準より、α,β,β−トリフルオロスチレンが5%の収率で得られたことを確認した。
Claims (8)
- 有機基で置換された含フッ素オレフィンの製造方法であって、
ニッケル、パラジウム、白金、ロジウム、ルテニウム、及びコバルトから選択される遷移金属を含有する有機遷移金属触媒の存在下で、含フッ素オレフィンを有機ケイ素化合物と
反応させる工程を含むことを特徴とする製造方法。 - 前記遷移金属がニッケル、及びパラジウムから選択される請求項1に記載の製造方法。
- 有機ケイ素化合物が式(1):
R−SiY3 (1)
(式中、
Rは置換されていてもよいアリール基、炭素を介して結合する置換されていてもよいヘテロアリール基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基又は置換されていてもよいアルキニル基を示す;Yは、各出現において同一又は異なって、ヒドロキシ基、ヒドロキシド基、アルコキシ基、アルキル基又はフルオロ基を示す。
それぞれYで示される2個又は3個のアルコキシ基、又はアルキル基は互いに連結して隣接するケイ素原子と共に環を形成していてもよい。)
で表される有機ケイ素化合物である請求項1又は2に記載の製造方法。 - Rが置換されていてもよい単環式、二環式又は三環式のアリール基である請求項3に記載の製造方法。
- 前記含フッ素オレフィンのsp2混成炭素原子に結合した少なくとも1個のフッ素原子が、前記Rで示される基で置換される請求項3又は4に記載の製造方法。
- 前記工程が塩基の存在下で実施される請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
- 前記有機遷移金属触媒が有機パラジウム錯体である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記有機基で置換された含フッ素オレフィンが、式(2):
で表される化合物である請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法。
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