JP2014156430A - 除草組成物 - Google Patents

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龍 山田
Noriyuki Okamoto
啓之 岡本
Takashi Terada
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Abstract

【課題】 現在、数多くの除草組成物が開発され使用されているが、防除の対象となる雑草を初めとする望ましくない植物を防除するには必ずしも十分でない場合があり、高活性な除草組成物の出現が望まれている。
【解決手段】フラザスルフロン又はその塩と、インダジフラム又はその塩とを含有する除草組成物並びにそれを用いた除草方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、除草組成物及び望ましくない植物の防除方法に関する。
特許文献1及び特許文献2には、インダジフラムを含む式(I)の化合物と他の除草剤との組成物が記載されている。
しかしながら特許文献1及び特許文献2には、化合物Aと化合物Bとの組合せることにつき具体的な記載は見られない。
国際公開第2006/007947号 国際公開第2009/103451号
現在、数多くの除草組成物が開発され使用されているが、防除の対象となる雑草をはじめとする望ましくない植物を防除するには必ずしも十分でない場合があり、高活性な除草組成物の出現が望まれている。
本発明者らは種々検討を重ね、特定の化合物を組合せることにより高活性な除草組成物が得られるとの知見を得、本発明を完成した。
即ち本発明は、(A)フラザスルフロン(一般名:flazasulfuron、化学名:1-(4,6-ジメトキシピリミジン-2-イル)-3-[3-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニルスルホニル]尿素)又はその塩(以下化合物Aと略す)と(B)インダジフラム(一般名:indaziflam、化学名:N-[(1R,2S)-2,3-ジヒドロ-2,6-ジメチル-1H-インデン-1-イル]-6-[(1RS)-1-フルオロエチル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン)又はその塩(以下化合物Bと略す)とを有効成分として含有する除草組成物に関する。また本発明は、化合物Aの除草有効量と、化合物Bの除草有効量とを望ましくない植物又はそれらが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法に関する。
本発明により、高活性な除草組成物を提供することができる。
2種の有効成分を組み合わせた場合の除草活性が、その2種の有効成分各々の除草活性の単純な合計(期待される活性)よりも大きくなる場合、これを相乗作用という。2種の有効成分の組合せにより期待される活性は、次のようにして計算することができる(Colby S.R.、「Weed」15巻、20〜22頁、1967年を参照)。
E=α+β−(α×β÷100)
α;除草剤Xをxg/haの量で処理した時の生育抑制率
β;除草剤Yをyg/haの量で処理した時の生育抑制率
E;除草剤Xをxg/ha及び除草剤Yをyg/haの量で処理した時に期待される生育抑制率
すなわち、実際の生育抑制率(実測値)が上記計算による生育抑制率(計算値)より大きい場合には、組合せによる活性は相乗作用を示すということができる。本発明の除草組成物は、上記式で計算した場合、相乗作用を示す。
化合物A又は化合物Bは、塩を形成する場合や異性体が存在する場合があるが、農業上許容されるものであれば本発明に含まれる。
化合物Aと化合物Bの混合比率は、製剤形態、気象条件、望ましくない植物の種類や生育状況などに応じ適宜調整する必要があり一概に定めることはできないが、例えば重量比で1:0.2〜1:28であり、望ましくは1:0.25〜1:14である。
化合物Aと化合物Bの除草有効量は、化合物Aと化合物Bの混合比率、製剤形態、気象条件、望ましくない植物の種類や生育状況などに応じ適宜調整する必要があり一概に定めることはできないが、例えば化合物Aは5〜100g/ha、望ましくは10〜100g/haであり、化合物Bは20〜140g/ha、望ましくは25〜140g/haである。
本発明の除草組成物の施用は、望ましくない植物への施用又はそれらが生育する場所への施用のいずれでもよい。また、望ましくない植物の発生前後いずれの時期に施用してもよい。そして、土壌処理、茎葉処理、灌水処理、湛水処理のような種々の散布形態を選択することができ、畑地、果樹園、水田等の農耕地、或いは畦畔、休耕田、運動場、ゴルフ場、空き地、森林、工場敷地、線路脇、道路脇等の非農耕地への適用が可能である。
本発明の除草組成物は、一年生雑草や多年生雑草などの広範囲の望ましくない植物を防除することができる。具体的には、例えばヒメクグ、ハマスゲ、カヤツリグサのようなカヤツリグサ科雑草;シバムギ、カモジグサ、コヌカグサ、カモガヤ、ホソムギ、ススキ、キシュウスズメノヒエ、アメリカスズメノヒエ、カラスムギ、スズメノテッポウ、カズノコグサ、ウマノチャヒキ、ネズミムギ、ギネアキビ、クサヨシ、ヨシ、イヌビエ、メヒシバ、エノコログサ、オヒシバ、セイバンモロコシ、ギョウギシバ、チガヤ、スズメノヒエ、シマスズメノヒエ、スズメノカタビラ、キビ、ブラキャリア、ツノアイアシのようなイネ科雑草;オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリのようなゴマノハグサ科雑草;センダングサ、アレチノギク、ヒメムカシヨモギ、セイヨウタンポポ、オナモミのようなキク科雑草;セスバニア、シロツメクサのようなマメ科雑草;オランダミミナグサ、ハコベのようなナデシコ科雑草;シマニシキソウ、エノキグサのようなトウダイグサ科雑草;オオバコのようなオオバコ科雑草;カタバミのようなカタバミ科雑草;チドメグサのようなセリ科雑草;スミレのようなスミレ科雑草;ニワゼキショウのようなアヤメ科雑草;アメリカフウロのようなフウロソウ科雑草;ヒメオドリコソウ、ホトケノザのようなシソ科雑草;イチビ、アメリカキンゴジカのようなアオイ科雑草;マルバアサガオ、セイヨウヒルガオのようなヒルガオ科雑草;シロザのようなアカザ科雑草;スベリヒユのようなスベリヒユ科雑草;アオゲイトウのようなヒユ科雑草;イヌホオズキのようなナス科雑草;オオイヌタデ、サナエタデのようなタデ科雑草;タネツケバナのようなアブラナ科雑草;アレチウリのようなウリ科雑草、ツユクサのようなツユクサ科雑草などが挙げられる。
本発明の除草組成物は実用場面で非常に有用なものである。例えば、本発明の除草組成物は顕著な相乗効果を奏し、化合物A及び化合物B双方の施用量が少量であっても良好な除草効果を奏することから、周辺環境に与える影響が抑えられる。
また、本発明の除草組成物は果樹園等の農耕地、或いはゴルフ場、線路脇、道路脇等の非農耕地において強害雑草として問題となっているスズメノカタビラ、メヒシバ等のイネ科雑草、キク科、シソ科、タデ科、ナデシコ科等の広葉雑草、ヒメクグ、ハマスゲ等のカヤツリグサ科雑草を発生前から発生後まで幅広い処理時期で防除が可能である。また、長期の残効を有する。
さらに、作用性の異なる除草剤の組み合わせであるため、多くの除草剤に対する感受性の低下した雑草の防除が可能となる。
本発明の除草組成物は、本発明の目的に適合するかぎり、適用場面、望ましくない植物の種類や生育状況などを勘案し、前記した有効成分以外に他の除草剤、殺菌剤、抗生物質、植物ホルモン、殺虫剤、肥料、薬害軽減剤などと混用或は併用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。
前記他の除草剤は、例えば(1)植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの、(2)植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの、(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているもの、(4)植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの、(5)カロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの、(6)イネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの、(7)植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの、(8)植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの、(9)植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの、(10)植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの、などが挙げられる。
本発明の除草組成物は、有効成分である化合物A、化合物Bを、通常の農薬の製剤方法に準じて各種補助剤と配合し、粉剤、粒剤、顆粒水和剤、水和剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(水溶性フィルムで包装する形態を含む)、水性懸濁剤、油性懸濁剤、マイクロエマルジョン製剤、サスポエマルジョン製剤、水溶剤、乳剤、液剤、ペースト剤などの種々の形態に製剤調製し、施用することができるが、本発明の目的に適合するかぎり、通常の当該分野で用いられているあらゆる製剤形態にすることができる。
製剤調製に際しては、化合物Aと化合物Bとを一緒に混合し製剤調製しても、或はそれらを別々に製剤調製し施用時に混合してもよい。
製剤に使用する補助剤としては、カオリナイト、セリサイト、珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、カオリン、ベントナイト、クレー、炭酸ナトリウム、重曹、芒硝、ゼオライト、澱粉のような固形担体;水、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、アルコールのような溶剤;脂肪酸塩、安息香酸塩、ポリカルボン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルアリール硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアリールエーテルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物の塩のような陰イオン系の界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤;オリーブ油、カポック油、ひまし油、シュロ油、椿油、ヤシ油、ごま油、トウモロコシ油、米ぬか油、落花生油、綿実油、大豆油、菜種油、亜麻仁油、きり油、液状パラフィンのような植物油や鉱物油などが挙げられる。これら補助剤の各成分は、本発明の目的から逸脱しないかぎり、1種又は2種以上を適宜選択して使用することができる。また、前記した補助剤以外にも当該分野で知られたものの中から適宜選んで使用することもできる。例えば、増量剤、増粘剤、沈降防止剤、凍結防止剤、分散安定剤、薬害軽減剤、防黴剤、発泡剤、崩壊剤、結合剤など通常使用される各種補助剤も使用することができる。本発明の除草組成物における有効成分と各種補助剤との配合割合は重量%比で0.001:99.999〜95:5、望ましくは0.005:99.995〜90:10程度とすることができる。
本発明の除草組成物の施用方法は、種々の方法を採用でき、施用場所、製剤形態、望ましくない植物の種類や生育状況などの各種条件に応じて適宜使い分けることができるが、例えば以下のような方法が挙げられる。
1.化合物Aと化合物Bとを一緒に混合し、製剤調製したものをそのまま施用する。
2.化合物Aと化合物Bとを一緒に混合し、製剤調製したものを水等で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して施用する。
3.化合物Aと化合物Bとを別々に製剤調製し、各々をそのまま施用する。
4.化合物Aと化合物Bとを別々に製剤調製し、必要に応じて各々を水等で所定濃度に希釈し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して、各々施用する。
5.化合物Aと化合物Bとを別々に製剤調製したものを水等で所定濃度に希釈する時に混合し、必要に応じて各種展着剤(界面活性剤、植物油、鉱物油など)を添加して施用する。
以下に本発明における望ましい態様の一例を記載するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
(1)(A)フラザスルフロン又はその塩と(B)インダジフラム又はその塩とを、重量比1:0.2〜1:28の混合比率で含有する除草組成物。
(2)(A)フラザスルフロン又はその塩を5〜100g/ha、(B)インダジフラム又はその塩を20〜140g/haの割合で望ましくない植物又はそれらが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
(3)望ましくない植物がイネ科、キク科、カヤツリグサ科雑草である前記(2)に記載の方法。
本発明をより詳しく述べるために、以下に実施例を記載するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
試験例1
1/300,000haポットに畑作土壌をつめ、セスバニア(Sesbania rostrata Bremek. & Oberm.)の種子を播種した。その1日後、フラザスルフロンを有効成分とする水和剤(商品名:シバゲンDF、石原産業(株)製)とインダジフラムを有効成分とする水溶剤(商品名:Specticle 20WSP、Bayer Environmental Science)の所定量を水(300L/ha相当)に希釈し、小型スプレーで土壌処理した。
薬剤処理後、14日目にセスバニアの生育状態を肉眼で観察調査し、下記評価基準に従って評価した。生育抑制率(%)〔実測値〕及びコルビー(Colby)の方法により算出した生育抑制率(%)〔計算値〕を第1表に示す。
生育抑制率(%)=0(無処理区同等)〜100(完全枯殺)の抑草率(%)
Figure 2014156430
試験例2
1/1,000,000haポットに畑作土壌をつめ、スズメノカタビラ(Poa annua L.)の種子を播種した。スズメノカタビラが6.5〜8.0葉期に達したとき、シバゲンDF(商品名)とSpecticle 20WSP(商品名)の所定量を水(300L/ha相当)に希釈し、小型スプレーで茎葉処理した。
薬剤処理後、31日目にスズメノカタビラの生育状態を肉眼で観察調査し、前記試験例1と同様に算出した生育抑制率(%)を第2表に示す。
Figure 2014156430
試験例3
1/1,000,000haポットに畑作土壌をつめ、メヒシバ(Digitaria ciliaris Koeler.)の種子を播種した。メヒシバが4.5〜5.0葉期に達したとき、シバゲンDF(商品名)とSpecticle 20WSP(商品名)の所定量を水(300L/ha相当)に希釈し、小型スプレーで茎葉処理した。
薬剤処理後、28日目にメヒシバの生育状態を肉眼で観察調査し、前記試験例1と同様に算出した生育抑制率(%)を第3表に示す。
Figure 2014156430
本発明により、幅広い殺草スペクトルを持ち、高活性で且つ持続効果の長い除草組成物を提供することができる。また、本発明により、特にイネ科草種に対する殺草スペクトラムの拡大及び除草剤に対する感受性が低下した雑草の防除も可能となり、適用場面の拡大が期待される。

Claims (5)

  1. (A)フラザスルフロン又はその塩と(B)インダジフラム又はその塩とを含有する除草組成物。
  2. (A)と(B)との混合比率が重量比で1:0.2〜1:28である、請求項1に記載の組成物。
  3. (A)フラザスルフロン又はその塩の除草有効量と(B)インダジフラム又はその塩の除草有効量とを望ましくない植物又はそれらが生育する場所に施用し、望ましくない植物を防除又はその生育を抑制する方法。
  4. (A)を5〜100g/ha、(B)を20〜140g/ha施用する、請求項3に記載の方法。
  5. 望ましくない植物がイネ科、キク科、カヤツリグサ科雑草である請求項3に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024052911A1 (en) * 2022-09-06 2024-03-14 Adama Agan Ltd. Agrochemical herbicidal composition

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