JP2014156417A - オキシムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ケトンのアンオモキシム化反応によるオキシムの製造において工業的に有利な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のオキシムの製造方法は、イソブタンを酸化することによりt−ブチルヒドロペルオキシドを得る工程(1)と、工程(1)で得られたt−ブチルヒドロペルオキシドと、アンモニアと、ケトンとを、触媒の存在下、アンモオキシム化反応させることによりオキシム及びt−ブチルアルコールを得る工程(2)と、工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、触媒の存在下、水素化することによりイソブタンを得る工程(3)と、工程(3)で得られたイソブタンの少なくとも一部を工程(1)へリサイクルする工程(4)とを含むことを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ケトンをアンモオキシム化反応させてオキシムを製造する方法に関するものである。オキシムは、アミドやラクタムの原料等として有用である。
ケトンをアンモオキシム化反応させてオキシムを製造する方法として、特許文献1及び2には、触媒の存在下に、ケトンをt−ブチルヒドロペルオキシド及びアンモニアとアンモオキシム化反応させてオキシムを製造する方法が記載されている。
特開2010−24144号公報 特開2011−21006号公報
特許文献1及び2に記載の方法においては、オキシムとともにt−ブチルアルコールが副生するが、副生するt−ブチルアルコールを有効利用する方法が切望されている。そこで、本発明の目的は、副生するt−ブチルアルコールを有効利用し、t−ブチルアルコールをイソブタンへと変換し、該イソブタンをt−ブチルヒドロペルオキシドに変換して繰り返し使用することができる工業的に有利なオキシムの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
[1]下記工程(1)〜(4)、
(1):イソブタンを酸化することによりt−ブチルヒドロペルオキシドを得る工程、
(2):工程(1)で得られたt−ブチルヒドロペルオキシドと、アンモニアと、ケトンとを、アンモオキシム化触媒の存在下、アンモオキシム化反応させることによりオキシム及びt−ブチルアルコールを得る工程、
(3):工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、触媒の存在下、水素化することによりイソブタンを得る工程、
(4):工程(3)で得られたイソブタンの少なくとも一部を工程(1)へリサイクルする工程、
を含むことを特徴とするオキシムの製造方法。
[2]工程(3)が、工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、触媒の存在下、脱水及び水添することによりイソブタンを得る工程である前記[1]に記載の製造方法。
[3]工程(3)で使用される触媒が、パラジウム、白金、銅、パラジウム化合物、白金化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が固体酸に担持されてなる触媒である前記[2]に記載の製造方法。
[4]前記固体酸が、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[3]に記載の製造方法。
[5]工程(3)における水素の使用量が、t−ブチルアルコール1モルに対して0.7〜1.5モルである前記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]工程(2)で使用される触媒が、チタン及びケイ素酸化物を含む触媒である前記[1]〜[5]のいずれかに記載の製造方法。
[7]ケトンが、シクロアルカノンである前記[1]〜[6]のいずれかに記載の製造方法。
[8]シクロアルカノンがシクロヘキサノンである前記[7]に記載の製造方法。
本発明によれば、ケトンをt−ブチルヒドロペルオキシド及びアンモニアとアンモオキシム化反応させる際に副生するt−ブチルアルコールを有効利用し、t−ブチルアルコールをイソブタンへと変換し、該イソブタンをt−ブチルヒドロペルオキシドに変換して繰り返し使用することができるため、工業的に有利にオキシムを製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明においては、工程(1)として、イソブタンを酸化してt−ブチルヒドロペルオキシドを得る。
イソブタンの酸化は、通常、イソブタンと酸素含有ガスとを接触させることによる自動酸化により行われる。酸素含有ガスの酸素源としては、通常、空気や純酸素が用いられ、必要に応じて不活性ガスで希釈される。該自動酸化は、添加剤の存在下に行ってもよく、その添加剤としては、例えば、塩基等が挙げられる。塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;アンモニア;炭酸アンモニウム等が挙げられる。また、イソブタンの酸化は、溶媒の存在下に行ってもよい。
イソブタンの酸化における反応温度は、通常50〜200℃であり、反応圧力は、通常0.1〜10MPaである。
本発明においては、工程(2)として、工程(1)で得られたt−ブチルヒドロペルオキシドと、アンモニアと、ケトンとを、触媒の存在下にアンモオキシム化反応させることによりオキシム及びt−ブチルアルコールを得る。
工程(2)で使用する原料のケトンは、脂肪族ケトンであってもよいし、脂環式ケトンであってもよいし、芳香族ケトンであってもよく、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。ケトンの具体例としては、アセトン、エチルメチルケトン、イソブチルメチルケトンのようなジアルキルケトン;メシチルオキシド等のアルキルアルケニルケトン;アセトフェノン等のアルキルアリールケトン;ベンゾフェノン等のジアリールケトン;シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロオクタノン、シクロドデカノン等のシクロアルカノン;シクロペンテノン、シクロヘキセノン等のシクロアルケノン;等が挙げられる。中でもシクロアルカノンが本発明の好適な対象となる。
工程(2)で使用する原料のケトンは、例えば、アルカンの酸化により得られたものであってもよいし、2級アルコールの酸化(脱水素)により得られたものであってもよいし、アルケンの水和及び酸化(脱水素)により得られたものであってもよい。
工程(2)で使用するアンモニアは、ガス状のものを用いてもよいし、液状のものを用いてもよく、また有機溶媒の溶液として用いてもよい。ガス状のアンモニアを使用する場合は、必要に応じて不活性ガスで希釈される。前記不活性ガスとしては、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられる。アンモニア使用量は、ケトン1モルに対して、通常1モル以上、好ましくは1.5モル以上である。
工程(2)において、工程(1)で得られたt−ブチルヒドロペルオキシドの使用量は、ケトン1モルに対して、通常0.5〜3.0モルであり、好ましくは0.7〜2.0モルである。
工程(2)においては、触媒の存在下に前記アンモオキシム化反応を行う。工程(2)で使用する触媒としては、チタン及びケイ素酸化物を含む触媒が好ましい。かかるチタン及びケイ素酸化物を含む触媒を用いることにより、良好な収率でオキシムを製造することができる。チタン及びケイ素酸化物を含む触媒としては、例えば、チタンを含有するシリケート等が挙げられる。
チタンを含有するシリケートとしては、例えば、チタンを含有する非晶質シリケート、チタンを含有する結晶性シリケート等が挙げられる。非晶質シリケートとしては、例えば、MCM−41、MCM−48、HMS、SBA−15、FSM−16等のメソポーラスシリケート、アモルファスシリカ等が挙げられる。結晶性シリケートとしては、例えば、シリカライト−1(MFI型)、シリカライト−2(MEL型)、ITQ−1(MWW型)、YNU−2(MSE型)等のゼオライト、層状ケイ酸塩等が挙げられる。層状ケイ酸塩としては、層状粘土鉱物、層状ポリケイ酸塩等が挙げられる。層状粘土鉱物としては、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト;カオリン石等のカオリナイト;イライト、白雲母等のマイカ;等が挙げられる。層状ポリケイ酸塩としては、カネマイト、マガディアイト、ケニヤアイト等が挙げられる。チタンを含有するシリケートの中でも、チタンを含有するメソポーラスシリケート、チタンを含有する層状ケイ酸塩が好ましく、チタンを含有する層状ケイ酸塩がより好ましい。チタンを含有するメソポーラスシリケートとしては、例えば、チタンを含有するMCM−41、チタンを含有するHMS等が挙げられる。チタンを含有する層状ケイ酸塩としては、チタンを含有する層状粘土鉱物が好ましく、チタンを含有する層状粘土鉱物の中でも、チタンを含有するスメクタイトが好ましい。
チタンを含有するシリケートにおけるチタンは、シリケート骨格中に組み込まれていてもよく、細孔中に組み込まれていてもよく、シリケートと別の酸化物相を形成していてもよく、シリケート骨格表面に担持されていてもよい。
チタン及びケイ素酸化物を含む触媒に含まれうる、チタン、ケイ素及び酸素以外の元素としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、鉄、クロム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、スズ、ハフニウム、スカンジウム、バナジウム、ニオブ、モリブデン、タングステン等が挙げられる。該触媒がチタンを含有するシリケートの場合、チタン、ケイ素及び酸素以外に含まれうる元素は、シリケート骨格中に組み込まれていてもよく、シリケートと別の酸化物相を形成していてもよく、細孔中に組み込まれていてもよく、シリケート骨格表面に担持されていてもよい。
上記チタン及びケイ素酸化物を含む触媒におけるチタンの含有量は、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜10重量%である。
尚、工程(2)で使用する触媒は、粒状やペレット状等の形状に成形してから使用してもよいし、担体に担持して使用してもよい。成形する際には、必要に応じてバインダーを用いてもよい。
工程(2)のアンモオキシム化反応においては、溶媒を使用してもよい。溶媒の例としては、ブタン、ペンタン、へキサン、シクロへキサン、ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン等の炭化水素;アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、トリメチルアセトニトリル、バレロニトリル、イソバレロニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、2,2−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、イソオクチルアルコール、2−エチルヘキサノール等のアルコール;等が挙げられ、必要に応じそれらの2種以上を用いることもできる。尚、工程(1)で得られるt−ブチルヒドロペルオキシドが溶媒との混合物である場合、該溶媒を工程(2)の溶媒として使用することができる。
溶媒を使用する場合、その量は、ケトン1重量部に対して、通常2〜300重量部、好ましくは3〜100重量部である。
工程(2)におけるアンモオキシム化反応は、回分式で行ってもよく、半回分式で行ってもよく、連続式で行ってもよく、回分式、半回分式及び連続式の組み合わせで行ってもよい。中でも、半回分式、連続式又はその組み合わせが好ましく、連続式がより好ましい。半回分式の場合、攪拌混合式又はループ式の反応器内に反応原料を供給しながら前記反応を行うのが好ましい。連続式の場合、攪拌混合式又はループ式の反応器内に反応原料を供給しながら、反応混合物の液相を抜き出す方式や、触媒を充填した固定床反応器に反応原料を流通させる固定床流通方式で前記反応を行うのが、生産性及び操作性の点から望ましい。尚、反応器は、t−ブチルヒドロペルオキシドの分解を防ぐ観点から、グラスライニングされたものやステンレススチール製のものが好ましい。
攪拌混合式反応器を使用する半回分式の反応は、例えば、前記反応器内に触媒が懸濁した混合物を存在させるようにして、この中にケトン等の反応原料を供給することにより、好適に行うことができる。攪拌混合式反応器を使用する連続式の反応は、例えば、前記反応器内に触媒が懸濁した混合物を存在させるようにして、この中にケトン等の反応原料を供給しながら、反応器からフィルターを介して反応混合物の液相を抜き出すことにより、好適に行うことができる。
前記の攪拌混合式反応器を使用する半回分式又は連続式の反応は、あらかじめ溶媒、触媒及びt−ブチルヒドロペルオキシドを入れた反応器内に、ケトン及びアンモニアを供給するのが好ましく、あらかじめ溶媒、触媒、t−ブチルヒドロペルオキシド及びアンモニアを入れた反応器内に、ケトン、t−ブチルヒドロペルオキシド及びアンモニアを供給するのがより好ましい。具体的には、まず、攪拌混合式反応器内に、溶媒、触媒及びt−ブチルヒドロペルオキシドを導入する。これらの導入順序には特に制限はない。これらを反応器内に導入した後、攪拌して触媒を懸濁させ、次いで、ケトン及びアンモニアを供給する。ケトン及びアンモニアは、それぞれ単独で供給(いわゆる共フィード)してもよいし、これらの混合物を供給してもよい。また、あらかじめ溶媒、触媒及びt−ブチルヒドロペルオキシドとともにアンモニアを反応器内に入れておき、次いで該反応器内にケトン及び追加のアンモニアを供給してもよいし、あらかじめ溶媒、触媒及びt−ブチルヒドロペルオキシドを反応器内に入れておき、次いで、ケトンやアンモニアとともに、t−ブチルヒドロペルオキシドを追加で供給してもよいし、あらかじめ溶媒、触媒及びt−ブチルヒドロペルオキシドとともにアンモニアを反応器内に入れておき、次いで、ケトンや追加のアンモニアとともに、t−ブチルヒドロペルオキシドを追加で供給してもよい。尚、前記供給に使用されるケトン、アンモニア及びt−ブチルヒドロペルオキシドは、溶媒で希釈されていてもよい。
攪拌混合式反応器を使用する半回分式又は連続式の反応に使用する前記触媒の量は、反応器内の混合物総量に対して0.1〜20重量%程度であればよい。なお、触媒活性の低下を抑制することを目的として、例えば特開2004−83560号公報に示される如く、シリカやケイ酸等のケイ素化合物を反応系内に共存させてもよい。
攪拌混合式反応器を使用する半回分式又は連続式の反応において、反応器内にあらかじめt−ブチルヒドロペルオキシドを入れておく場合、あらかじめ入れておくt−ブチルヒドロペルオキシドの量は、反応器内の混合物における液相中のt−ブチルヒドロペルオキシド濃度が0.01〜50重量%になるように調整される。また、攪拌混合式反応器を使用する半回分式又は連続式の反応において、反応器内にあらかじめアンモニアを入れておく場合、あらかじめ入れておくアンモニアの量は、反応器内の混合物における液相中のアンモニア濃度が0.1〜15重量%になるように調整される。
固定床流通方式での反応は、例えば、触媒が充填された固定床反応器に、反応原料であるケトン、t−ブチルヒドロペルオキシド及びアンモニアを、必要に応じて溶媒とともに、アップフロー又はダウンフローで通液することにより反応を実施できる。アンモニアとしてガス状のアンモニアを使用する場合には、ガス状のアンモニアは、必要に応じて不活性ガスで希釈され、その供給方向は、アンモニア以外の原料の供給方向に対して並流、向流のいずれでもよい。反応は、加圧条件下で行うのが好ましい。加圧条件の制御により、触媒と反応原料の接触時間の調整が可能である。
尚、固定床反応器は、反応器に原料供給口と反応液取り出し口が設けられた流通式の各種固定床反応器を使用することができる。反応管の本数は特に限定されるものではなく、単管式固定床反応器、多管式固定床反応器のいずれも使用することができる。また、断熱方式又は熱交換方式の固定床反応器が使用可能である。
アンモオキシム化反応の反応温度は、50〜150℃程度が好ましく、より好ましくは70〜120℃である。また、反応圧力は、通常、絶対圧で0.1〜1.5MPa、好ましくは0.2〜1.2MPaである。反応混合物の液相にアンモニアが溶解し易くするために、加圧下に反応を行うのが好ましく、この場合、窒素やヘリウム等の不活性ガスを用いて、圧力を調整してもよい。
工程(2)のアンモオキシム化反応により、反応生成物として、オキシム及びt−ブチルアルコールが得られる。得られたオキシム及びt−ブチルアルコールを含む反応混合物の後処理操作については、適宜選択されるが、例えば、反応混合物から前記触媒を濾過やデカンテーション等により分離した後、得られた液相について蒸留、抽出、晶析等の処理を施すことにより、反応混合物に含まれるオキシム及びt−ブチルアルコールをぞれぞれ分離することができる。分離した触媒は、必要に応じて洗浄、焼成、イオン交換処理等の処理が施された後、再使用することができる。また、反応混合物中に溶媒や、未反応のケトンや、未反応のアンモニアが含まれる場合、前記蒸留、抽出、晶析等の処理により回収された溶媒や、未反応のケトンや、未反応のアンモニアは、工程(2)において再使用することができる。得られたオキシムは、例えば、ベックマン転位反応により対応するアミド化合物を製造するための原料として好適に使用される。
本発明においては、工程(3)として、工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、触媒の存在下に水素化することによりイソブタンを得る。t−ブチルアルコールを水素化してイソブタンを得る方法としては、(A)t−ブチルアルコールを水素化分解する方法、(B)t−ブチルアルコールを脱水及び水添する方法が挙げられるが、得られるイソブタンの収率や触媒寿命の観点から、前記(B)の方法が好ましい。
前記(A)の方法は、水素化分解触媒の存在下、t−ブチルアルコールと水素とを接触させることにより行われる。水素化分解反応においては、溶媒を使用してもよい。尚、工程(2)で得られるt−ブチルアルコールが溶媒との混合物である場合、該溶媒を水素化分解反応の溶媒として使用してもよい。水素化分解反応は、液相反応条件下又は気相反応条件下に実施される。
前記(B)の方法において、触媒として、脱水反応及び水添反応の両反応に対して触媒として作用する脱水/水添触媒や、後述する脱水触媒と後述する水添触媒との混合触媒を用い、t−ブチルアルコールと水素とを接触させることにより、t−ブチルアルコールが脱水及び水添され、イソブタンを得ることができる。該脱水/水添触媒としては、得られるイソブタンの選択性の点で、パラジウム、白金、銅、パラジウム化合物、白金化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が固体酸に担持されてなる触媒が好ましく、パラジウム及びパラジウム化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が固体酸に担持されてなる触媒がより好ましい。該固体酸としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト等が挙げられ、中でも、アルミナが好ましい。尚、本発明の製造方法に用いられる固体酸とは、表面が酸性(ルイス酸、ブレンステッド酸)を示す固体をいう。
前記の脱水/水添触媒あるいは脱水触媒と水添触媒との混合触媒の存在下における脱水及び水添を行う場合、脱水及び水添は、かかる触媒の存在下にt−ブチルアルコールと水素とを接触させることにより行われる。脱水及び水添においては、溶媒を使用してもよい。尚、工程(2)でt−ブチルアルコールが溶媒との混合物である場合、該溶媒を脱水及び水添の溶媒として使用してもよい。脱水及び水添における反応温度は、通常50〜550℃、好ましくは100〜450℃であり、反応圧力は、通常0.01〜10MPaである。t−ブチルアルコールに対する水素の使用量が多いと反応が進行しやすいが、生産性と製造コストのバランスの観点から、水素の使用量は、t−ブチルアルコール1モルに対して0.7〜1.5モルが好ましく、0.9〜1.2モルがより好ましい。
また、前記(B)の方法において、工程(3)は、工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、脱水触媒の存在下に脱水することによりイソブテンを得る工程(3a)と、工程(3a)で得られたイソブテンを、水添触媒の存在下に水添してイソブタンを得る工程(3b)とから構成されてもよい。
工程(3a)で使用される脱水触媒としては、例えば、硫酸、リン酸等の無機酸や、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸や、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ、ゼオライト等の固体酸等が挙げられるが、中でも、得られるイソブテンの選択性、反応後の分離の容易さ及び触媒寿命の観点から、固体酸が好ましく、固体酸の中でも、アルミナが好ましい。
脱水反応は、t−ブチルアルコールと脱水触媒とを接触させることにより行われる。脱水反応においては、溶媒を使用してもよい。尚、工程(2)でt−ブチルアルコールが溶媒との混合物である場合、該溶媒を工程(3a)の溶媒として使用してもよい。脱水反応における反応温度は、通常50〜550℃、好ましくは100〜450℃であり、反応圧力は、通常0.01〜10MPaである。工程(3a)においては、工程(3b)で使用される水素を予め存在させ、イソブテンと水素とを工程(3b)に供してもよい。また、得られるイソブテンには、脱水反応により生成した水が含まれるが、そのまま工程(3b)に供してもよいし、水を分離してから工程(3b)に供してもよい。
工程(3b)で使用される水添触媒としては、パラジウム、白金、銅等の金属を含む触媒又はパラジウム化合物、白金化合物、銅化合物等の金属化合物を含む触媒が挙げられ、中でも、得られるイソブタンの選択性の観点から、パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒、銅又は銅化合物を含む触媒が好ましい。パラジウム又はパラジウム化合物を含む触媒としては、例えば、パラジウム又はパラジウム化合物が担体に担持されてなるパラジウム担持触媒等が挙げられ、銅又は銅化合物を含む触媒としては、例えば、銅又は銅化合物が担体に担体に担持されてなる銅担持触媒等が挙げられる。担体としては、例えば、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、活性炭等が挙げられる。水添触媒は必要に応じて2種以上を使用してもよい。
水添反応は、水添触媒の存在下、イソブテンと水素とを接触させることにより行われる。水添反応においては、溶媒を使用してもよい。尚、工程(3a)で得られるイソブテンが溶媒との混合物である場合、該溶媒を工程(3b)の溶媒として使用してもよい。水添反応における反応温度は、通常0〜550℃、好ましくは30〜450℃であり、反応圧力は、通常0.1〜10MPaである。水添反応において使用される水素は、イソブテン1モルに対して、0.7〜1.5モルが好ましく、より好ましくは0.9〜1.2モルである。
工程(3)の水素化は、回分式で行ってもよく、半回分式で行ってもよく、連続式で行ってもよく、回分式、半回分式及び連続式の組み合わせで行ってもよい。中でも、連続式が好ましい。連続式の場合、触媒を充填した固定床反応器に反応原料を流通させる固定床流通方式で前記水素化を行うのが、生産性及び操作性の点から望ましい。固定床流通方式での水素化は、例えば、触媒が充填された固定床反応器に、反応原料を、必要に応じて溶媒とともに、アップフロー、ダウンフロー又はトリクル流にて供給することにより実施できる。工程(3)が上述の工程(3a)と工程(3b)とから構成される場合、工程(3a)の脱水反応と工程(3b)の水添反応とは、それぞれ単独の反応器を使用して実施してもよいし、同じ反応器を使用して実施してもよい。
本発明においては、工程(4)として、工程(3)で得られたイソブタンの少なくとも一部を工程(1)へリサイクルする。工程(1)〜(4)により、アンモオキシム化反応させる際に副生するt−ブチルアルコールを有効利用し、t−ブチルアルコールをイソブタンへと変換し、該イソブタンをt−ブチルヒドロペルオキシドに変換して繰り返し使用することができる。
以下、本発明の実験例を示すが、本発明はこれらによって限定されるものではない。尚、反応液中のt−ブチルアルコール、イソブタン及びイソブテンの分析はガスクロマトグラフィーにより行い、この分析結果から、t−ブチルアルコールの転化率、イソブタンの選択率及び収率並びにイソブテンの選択率及び収率を算出した。
実験例1
16.0gのパラジウム/アルミナ触媒を、内径0.6cmのSUS製反応管中に充填して触媒層を形成させ、該反応管に窒素ガスを流通させることにより気相部を窒素ガスで置換した後、水素ガスを反応管内に供給し、水素ガスをアップフローで流通させながら、反応管内の圧力を0.3MPa(絶対圧)に保ち、触媒層の温度を260℃まで昇温した。次いで、反応管に供給する水素ガスの流量を600ml/hとし、t−ブチルアルコールと水との混合溶液(水含有量:12.5重量%)を2.4g/hの流量で反応管に供給し、アップフローで流通させ、反応を開始した。尚、供給した水素/水/t−ブチルアルコールのモル比は、0.94/0.59/1.0(モル比)であった。
反応開始から412分までの間、反応管出口より導出された反応ガスを、保圧弁を通じて室温、減圧下に真空タンク内に回収した。真空タンク内で一部液化した反応液を真空タンク下部から抜き出し、真空タンク内のガスと、抜き出した液のそれぞれをガスクロマトグラフィーで分析したところ、t−ブチルアルコールの転化率は98.2%、イソブタンの選択率は94.2%%、イソブテンの選択率は5.8%であり、イソブタンの収率は92.5%、イソブテンの収率は5.7%であった。

Claims (8)

  1. 下記工程(1)〜(4)、
    (1):イソブタンを酸化することによりt−ブチルヒドロペルオキシドを得る工程、
    (2):工程(1)で得られたt−ブチルヒドロペルオキシドと、アンモニアと、ケトンとを、触媒の存在下、アンモオキシム化反応させることによりオキシム及びt−ブチルアルコールを得る工程、
    (3):工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、触媒の存在下、水素化することによりイソブタンを得る工程、
    (4):工程(3)で得られたイソブタンの少なくとも一部を工程(1)へリサイクルする工程、
    を含むことを特徴とするオキシムの製造方法。
  2. 工程(3)が、工程(2)で得られたt−ブチルアルコールを、触媒の存在下、脱水及び水添することによりイソブタンを得る工程である請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程(3)で使用される触媒が、パラジウム、白金、銅、パラジウム化合物、白金化合物及び銅化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種が固体酸に担持されてなる触媒である請求項2に記載の製造方法。
  4. 前記固体酸が、アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカアルミナ及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の製造方法。
  5. 工程(3)における水素の使用量が、t−ブチルアルコール1モルに対して0.7〜1.5モルである請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 工程(2)で使用される触媒が、チタン及びケイ素酸化物を含む触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. ケトンが、シクロアルカノンである請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. シクロアルカノンがシクロヘキサノンである請求項7に記載の製造方法。
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