JP2014156371A - 金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法 - Google Patents

金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
触媒として有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】
特定のカーボンナノチューブ(A)、金属前駆体(B)、及びアルコール化合物(C)を含有する混合物に、電磁波を照射することにより、カーボンナノチューブ(A)に、金属ナノ粒子を担持させる工程を有する、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、触媒として有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造する方法に関する。
近年、エネルギー問題や環境問題を解決するために、各種触媒、例えば、炭素系触媒担体の表面に金属ナノ粒子が担持されてなる触媒が注目されている。
かかる触媒として、例えば、特許文献1には、炭素系触媒担体とこの炭素系触媒担体の表面に吸着された金属粒子層とを含む触媒が記載されている。
また、マイクロ波等を利用して、金属ナノ粒子を製造する方法が知られている。例えば、特許文献2には、金属前駆物質とアルコール溶媒とを含有する混合物に、マイクロ波等を照射することで前記混合物を加熱し、金属前駆物質を還元して、金属ナノ粒子を製造する方法が記載されている。
特開2007−75811号公報 特表2006−517260号公報
上述のように、近年、エネルギー問題や環境問題を解決するために、各種触媒が注目されてきており、より高性能な触媒の開発が要望されている。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、触媒として有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた。その結果、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)とが特定の関係にあるカーボンナノチューブ、金属前駆体及びアルコール化合物を含有する混合物に電磁波を照射すると、金属前駆体とアルコール化合物とが反応して前記金属前駆体が金属に還元され、結果として、カーボンナノチューブに金属ナノ粒子が担持された金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(4)の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法が提供される。
(1)平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(A)、金属前駆体(B)、及びアルコール化合物(C)を含有する混合物に、電磁波を照射することにより、カーボンナノチューブ(A)に、金属ナノ粒子を担持させる工程を有する、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
(2)照射する電磁波の周波数が、0.003〜3000GHzである、(1)に記載の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
(3)金属ナノ粒子が、平均粒径が0.5〜15nm、粒径の標準偏差が1.5nm以下のものである、(1)または(2)に記載の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
(4)金属ナノ粒子の担持量が、カーボンナノチューブ(A)100質量部あたり1〜30000質量部である、(1)〜(3)のいずれかに記載の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
本発明によれば、触媒として有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造する方法が提供される。
実施例1で得られた白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブの電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)像を示す図面代用写真である。
本発明の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法は、平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(A)、金属前駆体(B)、及びアルコール化合物(C)を含有する混合物に、電磁波を照射することにより、カーボンナノチューブ(A)に、金属ナノ粒子を担持させる工程を有するものである。
〔カーボンナノチューブ(A)〕
本発明に用いるカーボンナノチューブ(A)は、その平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすものである。
なお、本発明において、「カーボンナノチューブ(A)」とは、それを構成する所定のカーボンナノチューブの集合の総称であり、「直径」とは当該所定のカーボンナノチューブの外径を意味する。
本発明においてカーボンナノチューブ(A)の平均直径(Av)及び直径の標準偏差(σ)は、それぞれ標本平均値及び標本標準偏差である。それらは、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択されたカーボンナノチューブ100本の直径を測定した際の平均値及び標準偏差として求められる。前記関係式における3σは得られた標準偏差(σ)に3を乗じたものである。
平均直径(Av)と標準偏差(σ)とが、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(A)を用いることにより、触媒として有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを得ることができる。
ここで、3σ/Avは、カーボンナノチューブ(A)の直径分布を表し、この値が大きいほど直径分布が広いことを意味する。本発明において直径分布は正規分布をとるものが好ましい。
カーボンナノチューブ(A)の直径分布は、透過型電子顕微鏡を用いて観察して算出することができる。すなわち、透過型電子顕微鏡での観察下に、無作為に選択された100本のカーボンナノチューブの直径を測定し、その結果を用いて、横軸に直径、縦軸に頻度を取り、得られたデータをプロットし、ガウシアンで近似することで得られる。異なる製法で得られたカーボンナノチューブなどを複数種類組み合わせることでも3σ/Avの値を大きくすることはできるが、その場合正規分布の直径分布を得ることは難しい。本発明においてカーボンナノチューブ(A)は、単一製法で得られたカーボンナノチューブからなるものであっても、又は当該カーボンナノチューブに、その直径分布に影響しない量の他の製法で得られたカーボンナノチューブを配合してなるものであってもよい。
カーボンナノチューブ(A)の平均直径(Av)は、触媒として有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを得る観点から、0.5nm以上、15nm以下が好ましい。
カーボンナノチューブ(A)の平均長さは、好ましくは0.1μm〜1cmである。カーボンナノチューブ(A)の平均長さが上記範囲内であることで、触媒としてより有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを形成し易くなる。
カーボンナノチューブ(A)の平均長さは、例えば、透過型電子顕微鏡を用いて、無作為に選択された100本のカーボンナノチューブを測定することで、算出することができる。
カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、好ましくは100〜2500m/gである。カーボンナノチューブ(A)の比表面積が上記範囲内であることで、触媒としてより有用な金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを形成し易くなる。
カーボンナノチューブ(A)の比表面積は、窒素ガス吸着法により求めることができる。
カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、単層のものであっても、多層のものであってもよい。
また、カーボンナノチューブ(A)を構成するカーボンナノチューブは、表面にカルボキシル基等の官能基が導入されたものであってもよい。官能基の導入は、過酸化水素や硝酸等を用いる公知の酸化処理法により行うことができる。
カーボンナノチューブ(A)は、公知の方法、例えば、表面にカーボンナノチューブ製造用触媒層(以下、「CNT製造用触媒層」ということがある。)を有する基材(以下、「CNT製造用基材」ということがある。)上に、原料化合物及びキャリアガスを供給して、化学的気相成長法(CVD法)によりカーボンナノチューブを合成する際に、系内に微量の酸化剤を存在させることで、CNT製造用触媒層の触媒活性を飛躍的に向上させるという方法(スーパーグロース法)により、得ることができる(WO2006/011655号パンフレット)。
CNT製造用基材においてCNT製造用触媒層を支持するための支持体は、その表面にCNT製造用触媒層を担持することができるものであれば、特に限定されない。
前記支持体の材質としては、鉄、ニッケル、クロム、モリブデン、タングステン、チタン、アルミニウム、マンガン、コバルト、銅、銀、金、白金等の金属;これらの金属を含む合金;前記金属を含む酸化物;シリコン等の半導体;石英、ガラス、マイカ、グラファイト、ダイヤモンド等の非金属;等が挙げられる。
前記支持体の形状としては、平板状、薄膜状、ブロック状等が挙げられる。
CNT製造用触媒層を構成する触媒としては、従来公知のカーボンナノチューブ製造用触媒を用いることができる。具体的には、塩化鉄、鉄、鉄−モリブデン、アルミナ−鉄、アルミナ−コバルト、アルミナ−鉄−モリブデン等の金属触媒が挙げられる。
原料化合物としては、メタン、エタン、プロパン、エチレン、プロピレン、アセチレン等の炭化水素化合物;メタノール、エタノール等のアルコール化合物;アセトン等のケトン化合物;一酸化炭素;等が挙げられる。
キャリアガスとしては、ヘリウム、アルゴン、水素、窒素、ネオン、クリプトン、二酸化炭素、塩素等が挙げられる。
酸化剤としては、水蒸気、酸素、オゾン、硫化水素等が挙げられる。気相中の酸化剤の含有量は、通常、10ppm以上10000ppm以下である。
反応系内の圧力は、好ましくは10Pa〜10Pa(100大気圧)である。
カーボンナノチューブ(A)の製造時の反応系内の温度は、触媒、原料化合物、酸化剤に応じて適宜決定することができる。通常は、400〜1200℃である。
〔金属前駆体(B)〕
本発明に用いる金属前駆体(B)は、還元反応により金属ナノ粒子を生成する化合物である。金属前駆体(B)は、用いる溶媒に溶解し、かつ、目的の金属ナノ粒子を生成するものであれば、特に限定されない。
金属前駆体(B)としては、周期律表第4族〜第14族の金属の塩(溶媒和物を含む)や錯体が挙げられる。
より具体的には、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、インジウム、スズ、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、及び水銀から選ばれる一種または二種以上の金属の、塩又は錯体が挙げられる。これらの中でも、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、オスミウム、イリジウム、白金、及び金から選ばれる一種または二種以上の金属の、塩又は錯体が好ましい。
金属前駆体(B)を構成する配位子や対イオンとしては、水、一酸化炭素、塩化物イオン、臭素化物イオン、水酸化物イオン、アルコキシドイオン、硝酸イオン、硫酸イオン、酢酸イオン、酸化物イオン、炭酸イオン、アセチルアセトネートイオン、シュウ酸イオン等が挙げられる。
また、前記金属元素が負の電荷を有する錯体中に含まれる場合、金属前駆体(B)には、陽イオンが含まれる。かかる陽イオンとしては、水素イオン;ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;カルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;アンモニウムイオン;等が挙げられる。
金属前駆体(B)の具体例としては、(NH[RuCl]、(NH[RuCl(HO)]、HPtCl、HPtCl、KPtCl、KPtCl、H[AuCl]、(NH[AuCl]、H[Au(NO]HO等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
金属前駆体(B)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔アルコール化合物(C)〕
本発明に用いるアルコール化合物(C)は、分子内に水酸基を1以上有する化合物である。
本発明において、アルコール化合物(C)は金属前駆体(B)を還元し、また、生成した金属ナノ粒子を安定化し、凝集を防ぐ役割を担うものである。
アルコール化合物(C)は、これらの役割を担えるものであれば、特に限定されない。
アルコール化合物(C)の具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のモノアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のジオール類;2−メトキシエタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のセロソルブ類;等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、ジオール類やセロソルブ類が好ましい。
アルコール化合物(C)は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔その他の成分〕
本発明に用いる混合物は、本発明の効果を妨げない範囲において、その他の成分を含有してもよい。その他の成分としては、溶媒(ただし、アルコール化合物(C)を除く。)、分散剤、界面活性剤、pH調整剤等が挙げられる。これらは、公知のものを適宜使用すればよい。
〔混合物〕
本発明に用いる混合物は、例えば、カーボンナノチューブ(A)、金属前駆体(B)、アルコール化合物(C)やその他の成分を混合し、カーボンナノチューブを分散させることで得ることができる。
混合処理や分散処理は、公知の方法を利用することができる。例えば、ナノマイザー、アルティマイザー、超音波分散機、ボールミル、サンドグラインダー、ダイノミル、スパイクミル、DCPミル、バスケットミル、ペイントコンディショナー、高速攪拌装置等を用いる方法が挙げられる。
カーボンナノチューブ(A)の含有量は、特に限定されないが、混合物全体中、好ましくは0.001〜10質量%である。
金属前駆体(B)の含有量は、特に限定されないが、混合物全体中、好ましくは1.0×10−10〜1.0×10−8質量%である。
アルコール化合物(C)の含有量は、金属前駆体(B)を還元して金属ナノ粒子を生成させ得る量である限り特に限定されない。アルコール化合物(C)は、溶媒を兼ねて用いることもできる。
〔電磁波照射〕
本発明においては、上記混合物に電磁波を照射する。
混合物に電磁波を照射することで、カーボンナノチューブ(A)が電磁波を吸収して熱が発生し、混合物が効率よく加熱される。これにより、金属前駆体(B)がアルコール化合物(C)によって還元され、当該混合物中、金属ナノ粒子が、遊離の形ではなく、カーボンナノチューブ(A)の表面に選択的に析出し、該表面に均一かつ密着性よく担持される。
電磁波を照射する方法としては、公知の方法を採用することができる。例えば、特表2006−517260号公報に記載されるような方法に準じ、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造することができる。金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造はバッチ式で行っても連続式で行ってもよい。
具体的には、前記公報の図に示されるような管型反応器内に混合物を注入するか、又は混合物を設置し、外部から電磁波を照射することで、混合物が加熱され、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブが得られる。
電磁波は、マグネトロンやジャイロトロンを用いて発生させることができる。
照射する電磁波の周波数は、混合物を加熱して金属前駆体(B)がアルコール化合物(C)によって還元され、結果として金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを得ることができるものであれば、特に限定されないが、0.003〜3000GHzが好ましい。このような範囲の周波数を有する電磁波を照射することで、より効率よく目的とする金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを得ることができる。
電磁波を照射することにより混合物を加熱する温度は、用いる溶媒にもよるが、通常、85〜350℃である。
照射時間は、用いる溶媒にもよるが、通常、10秒〜120分である。
上記方法により、カーボンナノチューブ(A)に金属ナノ粒子を担持させた後においては、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを含む反応液を、遠心分離法等により上澄み液と沈殿物(金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブ)とに分け、上澄み液を除去することで、目的とする金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを単離することができる。
また、必要に応じて、単離した金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブをさらに洗浄してもよい。洗浄処理は、例えば、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを洗浄用溶媒に再分散させた後、この分散液を遠心分離処理により上澄み液と金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブとに分け、上澄み液を除去する方法により行うことができる。
本発明の方法によって、カーボンナノチューブ(A)に担持される金属ナノ粒子は、平均粒径が小さく、かつ、均一な粒子径を有する。金属ナノ粒子の平均粒径は、好ましくは0.5〜15nmであり、粒径の標準偏差は、好ましくは1.5nm以下である。
本発明の方法によって得られる金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブは、金属ナノ粒子の担持量が、カーボンナノチューブ(A)100質量部あたり、好ましくは1〜30000質量部のものである。金属ナノ粒子の担持量がかかる範囲にあれば、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの触媒性能が向上し、好ましい。
本発明によれば、金属ナノ粒子が、カーボンナノチューブ(A)に、均一、かつ、密着性よく担持されてなる金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブを効率よく製造することができる。
本発明により得られる金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブは、酸化還元触媒として機能し、各種用途に有用である。例えば、金属ナノ粒子が白金ナノ粒子である場合には、燃料電池のカソード触媒層やアノード触媒層を構成する触媒、色素増感型太陽電池の対向電極の触媒層を構成する触媒、窒素酸化物除去触媒等として有用である。
〔実施例1〕
三口フラスコに、エチレングリコール15mLとカーボンナノチューブ0.03gを加えた。
なお、前記カーボンナノチューブは、以下の特性値を有した:
平均直径(Av):3.3nm、直径の標準偏差(σ):0.64nm、3σ/Av:0.58、平均長さ:100μm、比表面積:800m/g、主に単層。
この三口フラスコの内容物に対して、バス型超音波洗浄機〔BRANSON社製、5510J−MT(42kHz、180W)〕を用いて、超音波を室温にて10分間照射し、次いで、攪拌子を三口フラスコ内に入れて内容物を攪拌した後、再度、超音波を10分間照射した。次いで、HPtCl水溶液を当該化合物濃度が2mMになるように添加して、反応用分散液を得た。
得られた反応用分散液に、特表2006−517260号公報の実施例の方法(照射した電磁波の周波数:2.45GHz)に準じ、マイクロ波を照射することで、担持処理を行った。
上記の担持処理の後、反応後の分散液を、遠心分離処理(13,000rpmで5分間)により無色透明の上澄み液と沈殿物(白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブ)とに分け、上澄み液を除去することで、白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブを単離した。
次いで、単離した白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブをエタノールと混合し、室温下での超音波処理(42kHz、180W、10分間)により白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブを分散させた。この分散液を遠心分離処理(13,000rpmで5分間)により上澄み液と白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブとに分け、上澄み液を除去することで、白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブを洗浄した。
〔顕微鏡観察〕
洗浄した白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブをエタノールと混合し、室温下での超音波処理(42kHz、180W、10分間)により分散させることで顕微鏡観察用試料を得た。電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)を用いて白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブを観察し(図1)、無作為に選択された100個の白金ナノ粒子の画像から、白金ナノ粒子の平均粒径と粒径の標準偏差を求めた。白金ナノ粒子の平均粒径は3nm、粒径の標準偏差は1nmであった。また、白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブにおける、白金ナノ粒子によるカーボンナノチューブ表面の被覆率は80%であった。
〔密着性〕
上記方法によりエタノールに分散させた白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブに対し、再度、室温下での超音波処理(42kHz、180W、10分間)を行った。この分散液を試料として用いて、FE−TEMで白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブを観察し、再度の超音波処理の前後における白金ナノ粒子によるカーボンナノチューブ表面の被覆状態の変化を調べた。
観察の結果、白金ナノ粒子の被覆状態が実質的に変わらなかったことから、白金ナノ粒子担持カーボンナノチューブは、白金ナノ粒子が強固に担持されているものであることが確認された。

Claims (4)

  1. 平均直径(Av)と直径の標準偏差(σ)が、関係式:0.60>3σ/Av>0.20を満たすカーボンナノチューブ(A)、金属前駆体(B)、及びアルコール化合物(C)を含有する混合物に、電磁波を照射することにより、カーボンナノチューブ(A)に、金属ナノ粒子を担持させる工程を有する、金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
  2. 照射する電磁波の周波数が、0.003〜3000GHzである、請求項1に記載の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
  3. 金属ナノ粒子が、平均粒径が0.5〜15nm、粒径の標準偏差が1.5nm以下のものである、請求項1又は2に記載の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
  4. 金属ナノ粒子の担持量が、カーボンナノチューブ(A)100質量部あたり1〜30000質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の金属ナノ粒子担持カーボンナノチューブの製造方法。
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