JP2014155903A - 感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法 - Google Patents

感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014155903A
JP2014155903A JP2013027885A JP2013027885A JP2014155903A JP 2014155903 A JP2014155903 A JP 2014155903A JP 2013027885 A JP2013027885 A JP 2013027885A JP 2013027885 A JP2013027885 A JP 2013027885A JP 2014155903 A JP2014155903 A JP 2014155903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbide
waste
chamber
pyrolysis
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013027885A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuo Ajisaka
泰雄 鯵坂
Yoshihisa Kumai
慶尚 熊井
Hidenobu Oki
秀信 大木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIZEN RECYCLE CO Ltd
Chemical Auto KK
Original Assignee
SHIZEN RECYCLE CO Ltd
Chemical Auto KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIZEN RECYCLE CO Ltd, Chemical Auto KK filed Critical SHIZEN RECYCLE CO Ltd
Priority to JP2013027885A priority Critical patent/JP2014155903A/ja
Publication of JP2014155903A publication Critical patent/JP2014155903A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Accommodation For Nursing Or Treatment Tables (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

【課題】感染性医療廃棄物を非感染性産業廃棄物にするとともに減量化を行って処理コストを削減するための、医療廃棄物処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】感染性医療廃棄物を無酸素乃至低酸素雰囲気下で電気ヒーター22とマイクロ波照射口24からのマイクロ波照射による加熱手段を用いて熱分解し炭化物にする熱分解処理部と、熱分解により発生した熱分解ガスを酸化触媒によって浄化する熱分解ガス処理部から構成される感染性医療廃棄物処理装置であって、前記熱分解処理部は、医療廃棄物を投入し一時収納する廃棄物投入室1と、この廃棄物投入室からの医療廃棄物を熱分解し炭化物にする熱分解室2と、生成した炭化物を一時収納する炭化物収納ホッパー3と、炭化物を外部に取り出す炭化物収納ボックス4を備えていることを特徴とする、感染性医療廃棄物処理装置及びこの装置を用いる感染性医療廃棄物処理方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法に関し、さらに詳しくは、廃棄物を外気と密閉した熱分解室で、電気ヒーターによる加熱とマイクロ波を照射して急速加熱し、火炎燃焼を伴わない熱分解処理により水分を蒸発、乾燥して滅菌された炭化物にし、熱分解で発生したガス類は酸化触媒による事前処理とガス燃焼室で完全燃焼させる感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法に関するものである。
法では、一般家庭の日常生活に伴って生ずる一般廃棄物の処理は市町村の責任で行うことになっているが、事業活動に伴い生じた産業廃棄物については排出事業者が適正に処理する責務があり、自ら処理するか、都道府県知事の許可を受けた産業廃棄物処理業者に処理を委託しなければならない。
病院、診療所、各種医療検査機関等の医療関係機関から排出される医療廃棄物には、医療行為等に伴って発生する廃棄物と医療行為以外の事業活動によって排出される非感染性廃棄物があり、前者はさらに感染性廃棄物と非感染性廃棄物とに区分される。
感染性廃棄物は、医療行為等により廃棄物となった脱脂綿、ガーゼ、包帯、ギブス、紙おむつ、注射針、注射筒、輸液点滴セット、体温計、試験管等の検査器具、有機溶剤、血液、臓器・組織等のうち、人が感染し、若しくは感染するおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着し、又はこれらのおそれがあるものである。
発生時点において感染性廃棄物であっても、法に定められた方法で滅菌処理することにより感染性が失われたものは非感染性の廃棄物となり通常の廃棄物と同様な処理ができる。
現在、医療関係機関等の多くは、産業廃棄物処理業者に処理を委託しているのが現状である。過去に遡ると医療関係機関等では、感染性廃棄物処理専用の小型焼却炉を設置して自ら処理することが主流であった。焼却方式は、感染性廃棄物の形態を残さず完全処理できたからである。ところが、焼却に伴うダイオキシン類の生成が問題となり、感染性廃棄物処理専用の小型焼却炉は、法の基準に適合しないものが多く、焼却方式は次第に姿を消すに至った。現在の焼却設備は技術的に高度化されているが、感染性廃棄物を処理する場合には、炉内の厳密な温度管理が伴い、適正処理を行うためには、通常の産業廃棄物に比較して処理費用は高価なものとなり構造的に設備も大型化し、施設単位で焼却処理するには多大なコストがかかり普及し難いのが現状である。
しかし、感染性廃棄物の処理に関しては、施設内で処理して非感染性の廃棄物にすることが安全性の面で望まれており、また、感染性廃棄物を処理業者に委託する場合、処理費用の負担増大と、管理者責任で多大な労力が掛かっている。
感染性廃棄物を施設内で処理する中間処理装置として重要な点は、安全性と処理費用低減であり、そのために廃棄物の滅菌処理が完全に行えること、環境に負担を与えないこと、廃棄物を減量化して安定化すること等である。
このような状況の中、近年感染性廃棄物処理に関して、焼却方式以外の非焼却方式が注目され始めている。
これらの医療廃棄物には、患者等から排出される感染性病原菌が付着している恐れがあり、廃棄物処理法に基づいて適正に処理されなければならないとされている。そのため、病院などでは、加熱滅菌処理装置を独自に導入し、感染性医療廃棄物を自前で処理できるようにしていることが多い。
特許文献1には、マイクロ波照射と熱風循環により廃棄物を180℃程度になるよう内外部を加熱し、滅菌処理した後、カッターにより破砕し減容する感染性廃棄物の加熱滅菌装置が記載されている。
特許文献2には、マイクロ波照射と熱風循環により廃棄物を170〜180℃になるよう内外部を加熱し、滅菌処理と減容化する医療廃棄物の処理方法及び装置が記載されている。
特許文献3には、主に使用済み紙おむつ等の含水率の高い廃棄物を、マイクロ波により火炎燃焼を伴わず加熱炭化し、発生ガスは、触媒酸化して浄化する廃棄物の炭化装置が記載されている。
特開2008−188267号公報 特開平5−57268号公報 特開2007-136328号公報
特許文献1は、感染性廃棄物のうち樹脂類の処理を主体として滅菌処理に重点が置かれ、廃棄物がポリエチレン袋に入れられていることを条件にしており、加熱の際にポリエチレン袋が溶融軟化する対策として、処理室に投入する前に高融点を有するポリエステル不織布専用袋に入れられる。この問題点は、発生時点でポリエチレン袋に入れること、及びポリエステル不織布専用袋に入れて処理すること等、条件付きのため使用者側から見ると処理が煩雑となる。また、処理する上限温度は180℃程度であるが、処理時に廃棄物からのガスや悪臭の発生が危惧されるがその対策等には触れられておらず、さらに破砕を行う場合、破砕機のカッターのメンテナンスが必要であり、騒音、振動が大きく、減量化が不十分であるという課題がある。
特許文献2は、大気へ排出するガス処理の対策は施されているが、温度を制限し熱分解を伴わないため減容化率については不十分であり、また、処理後の樹脂類が医療廃棄物収納容器内に溶融して密着し、大きな塊になり、その取扱等に課題が残る。
特許文献3では、処理室内を400℃以上にしているので、廃棄物は炭化物になり、熱分解ガスが発生することは避けられないので、触媒により酸化して浄化するようにしているが、現行法律ではガス化燃焼炉に該当するため、ガス処理を触媒で処理する以外に、法律に定められた800℃以上で完全燃焼させる必要があるがその記載はない。また、処理室内ではスクリュウコンベアにより炭化物を破砕するため、粉塵等の発生で触媒が目詰まりし、そのまま大気に排出される課題がある。
従って、本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、医療関係機関等で発生する感染性医療廃棄物を発生元において安全、安定及び環境に負荷を与えない中間処理装置としての医療廃棄物の処理装置及び処理方法を提供することにより、感染性医療廃棄物を非感染性の産業廃棄物にし、同時に大幅な減量化を行い廃棄物処理業者の収集回数の低減を図る医療廃棄物の処理装置及び処理方法を提供することを目的としている。
また、感染性医療廃棄物の廃棄システムの効率向上を目指し、処理費用のコスト削減を実現して、広く普及することのできる医療廃棄物の処理装置及び処理方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記課題を解決するために、
請求項1の発明は、感染性医療廃棄物を無酸素乃至低酸素雰囲気下で、電気ヒーターとマイクロ波照射による加熱手段を用いて熱分解し、炭化物にする熱分解処理部と、この熱分解処理部で発生した熱分解ガスを酸化触媒による浄化処理する熱分解ガス処理部から構成される感染性医療廃棄物処理装置であって、前記熱分解処理部は、医療廃棄物を投入し、一時収納する廃棄物投入室と、この廃棄物投入室からの医療廃棄物を熱分解し、炭化物にする熱分解室と、この熱分解室の炭化物を一時収納する炭化物収納ホッパーと、この炭化物収納ホッパー内の炭化物を収納し、外部に取り出す炭化物収納ボックスを備えていることを特徴とする前記感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項2の発明は、前記熱分解室は、感染性医療廃棄物を搭載し、熱を与える電気ヒーターと、マイクロ波を照射するマイクロ波照射口を有することを特徴とする請求項1記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項3の発明は、前記熱分解室は、窒素ガスを充填して前記熱分解室内を無酸素乃至低酸素雰囲気下で廃棄物を熱分解することができる窒素ガス充填口を有することを特徴とする請求項1項又は2に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項4の発明は、前記熱分解室は、電気ヒーターが通過でき、通過の際に電気ヒーター上の炭化物が落下する丸孔が穿設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項5の発明は、前記熱分解室は、炭化物収納ホッパーが通過でき、通過の際に炭化物収納ホッパー内の炭化物が炭化物収納ボックスに落下する角孔が穿設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項6の発明は、前記電気ヒーターは、複数の電気ヒーターが互いに離間して平行に配列されて火格子を形成していることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項7の発明は、前記電気ヒーターは、水平方向に往復移動(スライド)し、炭化物を炭化物収納ホッパーに落下させるスライド機構を備えていることを特徴とする請求項1〜4に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項8の発明は、前記スライド機構は、熱分解室から隔離されたスライド駆動室にあり、火格子電気ヒーター取付プレートと、同火格子電気ヒーター取付プレートに取付けられたローラーガイドとローラーとから構成され、ローラーガイドに対して、火格子電気ヒーター取付プレートに取付けられたローラーが、ローラーガイドの上下面を挟み込み、ローラーガイドに案内されてそれぞれ回転して、火格子電気ヒーター取付プレートを水平方向に往復移動(スライド)させることを特徴とする請求項7に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項9の発明は、前記炭化物収納ホッパーは、火格子電気ヒーターの炭化物を収容するため熱分解室の下部に位置し、同熱分解室と隣接し、かつ同熱分解室から隔離されたスライド機構室の間を往復移動(スライド)するスライド機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項10の発明は、前記スライド機構は、熱分解室から隔離されたスライド駆動室にあり、炭化物収納ホッパー取付プレートと、同炭化物収納ホッパー取付プレートに取付けられたローラーとから構成され、ローラーガイドに対して、炭化物収納ホッパー取付プレートに取付けられたローラーが、ローラーガイドの上下面を挟み込み、ローラーガイドに案内されてそれぞれ回転し、炭化物収納ホッパー取付プレートを水平方向に往復移動(スライド)させることを特徴とする請求項9に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項11の発明は、前記炭化物収納ボックスは、炭化物収納ホッパーのスライド端下部に配置し、熱分解室からは分離し、独立していることを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項12の発明は、前記廃棄物投入室は、廃棄物を投入する載せる廃棄物投入口扉と廃棄物投入口扉から投入された廃棄物を搭載する受台とからなり、前記廃棄物投入口扉は、その開閉により外気と遮断又は開放できると共に、前記受台は熱分解室扉の開閉に連動して廃棄物を熱分解室に投入できる搖動機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項13の発明は、熱分解ガス処理部は、熱分解室で発生した熱分解ガスを酸化触媒の使用により浄化できる酸化触媒ガス浄化室と、前記酸化触媒ガス浄化室での未燃焼ガスを燃焼するガス燃焼室とを有することを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項14の発明は、前記酸化触媒ガス浄化室は、熱分解室から発生する熱分解ガスを昇温する電気ヒーターと、外部からの空気を取り入れる空気流入調節弁と、熱分解ガスと酸化反応する酸化触媒層を形成する酸化触媒ケーシングとから構成されていることを特徴とする請求項13に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項15の発明は、前記ガス燃焼室は、ガス浄化室の未燃焼ガスを昇温する電気ヒーターと、上部に位置し、燃焼ガスを冷却するために燃焼室に取り入れる空気流入調節弁と、燃焼ガスを外気に排出する吸引ファンを備えていることを特徴とする請求項13又は14に記載の感染性医療廃棄物処理装置である。
請求項16の発明は、感染性医療廃棄物を無酸素乃至低酸素雰囲気下で、電気ヒーターとマイクロ波照射による加熱手段を用いて熱分解し、炭化物にする熱分解処理工程と、この熱分解処理工程で発生した熱分解ガスを酸化触媒による浄化処理する熱分解ガス処理工程を有する感染性医療廃棄物の処理方法である。
請求項17の発明は、前記熱分解処理工程は、医療廃棄物を投入する工程と、この投入した医療廃棄物を熱分解する工程と、この熱分解した炭化物を炭化物収納ホッパーに一時収納する工程と、この一時収納した炭化物を炭化物収納ボックスに収納する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法である。
請求項18の発明は、前記熱分解ガス処理工程は、熱分解ガスを酸化触媒で浄化処理する工程と、未燃焼ガスを燃焼する工程を有することを特徴とする請求項16〜17のいずれか1項に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法である。
請求項19の発明は、炭化物を炭化物収納ホッパーに一時収納する工程は、火格子電気ヒーターを水平方向に往復移動(スライド)してスライド端で、廃棄物が炭化物収納ホッパー内に強制的に落下することを特徴とする請求項16〜18項のいずれか1項に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法である。
請求項20の発明は、炭化物を炭化物収納ボックスに収納する工程は、炭化物収納ホッパーを水平方向に往復移動(スライド)してスライド端で、廃棄物が炭化物収納ボックスに自然落下することを特徴とする請求項16〜19項のいずれか1項に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法である。
(1) 本発明では、感染性医療廃棄物の処理装置は、廃棄物投入室、熱分解室、酸化触媒ガス浄化室、ガス燃焼室から構成された安全で安価でコンパクトな装置を提供することができる。
(2) 本発明の処理装置における熱分解室は、熱分解ガス等の排ガス出口以外は完全に外気と密閉遮断し、マイクロ波照射と火格子電気ヒーターにより廃棄物を熱分解し炭化物としている。このため、廃棄物は重量的に80%程度の減量化を図ることができる。
(3) 本発明では、火格子電気ヒーターで加熱された炭化物は、火格子電気ヒーターを電動モーターによる駆動装置でスライドさせて炭化物収納ホッパー内に強制的に落下するようにしたので、熱分解後の炭化物が火格子電気ヒーターに残存して堆積することがなく、新たな廃棄物を熱分解室に受入れて効率よく熱分解することができる。
(4) 本発明では、火格子電気ヒーターで熱分解した直後の炭化物は、廃棄物に含まれる樹脂等により熱分解によるガス化に時間を要するものがあるため、決めた時間後、又はガスの発生が少なくなった時点で、火格子電気ヒーター直下に位置する炭化物収納ホッパーに落下させ、そこで炭化物から発生する残留ガスを完全に揮発させると同時に、火格子電気ヒーターには新たな廃棄物を受入れて熱分解するようにした。この方法によると、廃棄物の種類に影響されることなく、一定時間内の短時間処理が効率良く行え、残留ガスの発生がない完全炭化処理することができる。
(5) 本発明では、廃棄物の熱分解が完了すると炭化物を一時的に収納した炭化物収納ホッパーは、電動モーターによる駆動装置により、炭化物収納ボックスの位置まで移動し、炭化物収納ホッパー内の炭化物を炭化物収納ボックスに自然落下させ、再び火格子電気ヒーターの位置に戻るようにした。炭化物の収納を、熱分解室から分離した部屋に配置することで、熱分解室のコンパクト化が可能となり、処理物に対する急速加熱等の熱効率の向上が図れ、また、熱分解処理中に外部への炭化物の移し替え等の炭化物収納ボックスの出し入れが可能となり、その際に装置を停止させる必要がなく、装置の稼働率の向上が図れる。
(6) 本発明では、炭化物収納ホッパーは、炭化物を炭化物収納ボックスに自然落下した後、火格子電気ヒーターからの炭化物を受け入れるために再び元の位置に戻って待機する。次の熱分解完了後の炭化物を載せた火格子電気ヒーターがスライドし、炭化物を炭化物収納ホッパーに落下させ収納する。炭化物落下後の火格子電気ヒーターは、再び定位置に戻り、新たな廃棄物を熱分解室に受入れるので、長時間に亘り廃棄物処理を継続して行うことができる。
(7) 本発明では、廃棄物の熱分解が完了すると炭化物を収納したホッパーは、電動モーターによる駆動装置で強制的に熱分解室から炭化物収納ボックスに移動し、そこで炭化物を落下させ定位置に戻る。次いで火格子電気ヒーターがスライドし、熱分解完了後の炭化物を落下させて炭化物収納ホッパーに収納して、火格子電気ヒーターが定位置に戻り、新たな廃棄物を熱分解室に受入れるので、長時間に亘り廃棄物処理は継続して行うことができ、装置の運転を継続的に効率よく続けることが可能である。本実施例では、例えば、10kgの廃棄物を1時間処理すれば8時間の運転で80kgの処理が継続的に処理することができ、炭化物は80%程度の減量化で炭化物収納ボックスに16kg程度収納させることが可能である。また、炭化物収納ホッパーから炭化物収納ボックスに炭化物を移動する際には、炭化物は脆くなっているため移動中の衝撃等で簡単に崩れるので、炭化物収納ボックスの容積は小さくできる。
(8) 廃棄物の熱分解最終工程では、マイクロ波照射により廃棄物は既に水分が蒸発・乾燥しており、減量化が進んでいるので、火格子電気ヒーターを450℃程度に温度制御して比較的短時間に炭化物になるが、燃焼ガスの発生が完全に終息するまでは、熱分解室から炭化物を外部に取出すのは不十分である。そこで、本発明では、処理時間の短縮を図るため、火格子電気ヒーター上で炭化物になった時点で、火格子電気ヒーターをスライドして下部の炭化物収納ホッパーに強制落下させ、火格子電気ヒーターに次の廃棄物を受入れ、熱分解室では火格子電気ヒーターでの新たな廃棄物の熱分解処理を行うと共に、炭化物収納ホッパーでは熱分解処理後の炭化物の完全炭化処理を行う二つの処理を同時間で進行させて、処理時間を短縮できる。
(9) また、炭化物収納ホッパー内で残留ガスの揮発を行う際、火格子電気ヒーターで樹脂類が炭化する前の溶融状態にあった場合、熱分解室底板に溶着する恐れがあるので、燃焼ガスの浄化処理を行う酸化触媒層を熱分解室の下部に配置し、そこでの反応熱を利用して炭化物の溶着を防止すると共に残留ガスの揮発を促進させることができる。
(10) 熱分解室内において、火格子電気ヒーターをスライドして強制落下させ、熱分解完了後の炭化物収納ホッパーに一時収納して残留ガスを揮発させ完全炭化物とした後、熱分解室と隔離した別室にある炭化物収納ボックスに炭化物を毎回収納することができるので連続稼働が可能であり、加えて、その炭化物の取出しに当たっては、装置を停止せずに熱分解中でも可能である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1において、Aは本発明の実施形態における感染性医療廃棄物処理装置の外観を表す。
1は感染性医療廃棄物を投入する廃棄物投入室を表し、11は廃棄物を載せて廃棄物投入室1に投入する廃棄物投入口扉を表し、11aは廃棄物を載せた廃棄物投入口扉11を回転させ廃棄物投入室内に廃棄物を移動させるための廃棄物投入口扉開閉モーターを表す。
8は吸引ファンを表し、82は排ガス出口を表す。
24aは熱分解室内の廃棄物にマイクロ波を照射するマイクロ波導波管を表す。
41は廃棄物の処理において満載になった炭化物の取出しを行う炭化物収納ボックス出し入れ扉を表す。
図2において、廃棄物投入室1は、廃棄物を載せる廃棄物投入口扉11を有し、その開閉により廃棄物投入室1は外気と遮断又は開放される。また、廃棄物投入口扉11の上に載せられた廃棄物は、廃棄物投入口扉11が閉じられた際に廃棄物投入室1内に投入される。
廃棄物投入口扉11の開閉は、図5に示すように、廃棄物投入口扉開閉モーター11aの出力軸が、カップリング11dを介して、回転軸11bに接続されており、その回転軸11bは搖動可能な軸受11cで受けられており、回転軸11bに固定された廃棄物投入口扉11は、廃棄物投入口扉開閉モーター11a
の動作に従って搖動できるように構成されている。
尚、図示していないが、廃棄物投入口扉11の開閉両端の停止は、リミットスイッチ等を取付けて検知し、廃棄物投入口扉開閉モーター11aを制御できるようになっている。
廃棄物投入室1内には、廃棄物投入口扉11から投入された廃棄物を受け入れ、一時収納して待機する受台12が設けられている。
受台12は、図4及び図5に示すように、駆動軸12bに固定されおり、受台駆動モーター12aの出力軸が、カップリング12d、軸受12cを介して、揺動できるように構成されている。尚、図示されていないが、受台12の揺動両端の停止は、リミットスイッチ等を取付けて検知し、受台駆動モーター12aを制御できるようになっている。
廃棄物投入室1は、処理物である廃棄物を、後述する熱分解室内に自動又は手動で投入する際、熱分解完了後の残留ガスが一時的に排出されるため、そのガスを一時留めて外気漏れを防止する部屋でもあり、熱分解室扉21を囲う上部に位置している。
また、図8(a)〜(d)に示すように、廃棄物投入室1内は、廃棄物投入口扉11を閉じると外気とは密閉される構造(図8(d))である。廃棄物投口入扉11に載せた廃棄物9(図8(a))は、廃棄物投入室1の受台12に受け渡され、そこで待機(図8(b))する。待機中の廃棄物投入口扉11は閉じられた状態にある。これは、熱分解室に廃棄物を投入する際に、熱分解室扉21を開放しても、熱分解室からの残留ガスが外気へ漏れることを防止(図8(c))するためである。
これらの構造と動作で、廃棄物投入室1には残留ガスが一時的に排出されるが、外気には漏れることはない。また、廃棄物投入室1に排出され貯留した残留ガスは、図示されていないが、廃棄物投入室1の上部位置に排気口を設けて配管等で、ガス燃焼室前の排気流路に接続しておくことで、吸引ファン8で吸引することで一定時間後には除去できる。
廃棄物投入室1の残留ガスが除去された後、廃棄物投入口扉11を開放し、次の廃棄物を受け入れるようにする。廃棄物投入口扉11を開放するタイミングは、廃棄物投入室1に貯留した残留ガスが完全に排出された後としなければならないが、受台12により廃棄物を熱分解室へ投入し、受台12が元に戻ったことを知らせる指令により、残留ガス排出量に見合う一定時間に設定したタイマーにより行うことができる。
図2及び図3において、2は本発明の本体部分を構成する熱分解室を表し、ステンレス等の金属製箱型構造からなり、複数個配列した上部付近に設けられた熱分解室ガス出口穴25以外は、熱分解中は外気とは完全密閉されている。そのため、外気の進入がなく熱分解中はガスや水蒸気等で充満し、空気を追出し低酸素雰囲気になっている。
熱分解室2の上部には熱分解室扉21が設けられている。この熱分解室扉21は、廃棄物投入室1に連通しており、廃棄物投入室1の受台12の開閉動作と連動する開閉機構を備えている。
熱分解室扉21の開閉機構は、図2及び図5に示すように、熱分解室扉開閉モーター21aの出力軸に、カップリング21dを介して、回転軸21bが接続されており、その回転軸21bを回転可能な軸受21cで受け、回転軸21bに固定された熱分解室扉21が、熱分解室扉開閉モーター21aの動作に従って開閉する。図示されていないが、熱分解室扉21の開閉両端の停止は、リミットスイッチ等を取付けて検知し、熱分解室扉開閉モーター21aを制御するようになっている。熱分解室扉21は、熱分解室扉開閉モーター21aを駆動源として廃棄物が供給される時のみ自動開閉し、熱分解処理中はガス・臭気漏れに対しては耐熱パッキンを介して密閉し、同時にマイクロ波エネルギーの漏えい防止構造が施されている。
熱分解室2の下部には、窒素ガス充填口28aが設けられており、窒素ガス充填用電磁バルブ28bを開けると、窒素ボンベや窒素発生器から窒素を充填することができ、熱分解室2内を無酸素に近い雰囲気で廃棄物を熱分解することができ、廃棄物や発生ガスを火炎燃焼させることなく安全に処理できる。
また、熱分解室2の中段付近には、マイクロ波照射口24が設けられており、
マグネトロン24bから発せられたマイクロ波は、導波管24aを経て、マイクロ波照射口24から熱分解室内に照射される。マイクロ波の照射により、廃棄物内部の水分を選択的に加熱、蒸発、乾燥でき、感染性廃棄物を滅菌処理することができる。
マイクロ波照射口24は、マイクロ波を透過するが熱分解で発生するガス類を遮断するセラミック製であり、マグネトロン24b等に対して悪影響を及ぼさない。また、マイクロ波の金属面での反射で、マグネトロン24bに戻ってくるマイクロ波が、マグネトロン24bを破損しないように、図示しないアイソレーターを導波管24aの経路に設置して、戻りマイクロ波を処理するようにしてもよい。
熱分解室2の中間付近には、火格子を構成する火格子電気ヒーター22が設けられており、搭載した廃棄物に直接熱を与える。
火格子電気ヒーター22は、丸型棒状形をしており、複数の電気ヒーターが互いに所定の間隔で離間して平行に配列されており、すのこ状の火格子を形成している。
火格子電気ヒーター22の一方の自由端は水平に伸びて熱分解室2の内壁付近まで達しており、他端は火格子電気ヒータースライド機構23を構成する火格子電気ヒーター取付プレート23aに固定されている。この火格子電気ヒーター取付プレート23aは、水平方向に往復移動(スライド)し、右側のスライド端で、廃棄物は炭化物収納ホッパー内に強制的に落下する。
また、図2において、熱分解室2の一方の側壁には、火格子電気ヒーター22が通過できる丸型形状のスライド孔23nが穿設されている。このスライド孔23nは、火格子電気ヒーター22の寸法、例えば直径25mmに対して直径30mm程度にして、スライドによって金属面どうしが接触して摩耗しないように一定の隙間を有して穿設されおり、火格子電気ヒーター22の表面に熱分解時に付着した炭化物等が積層した場合でも、スライド孔23nによって簡単に剥ぎ落とすことができるため、熱伝導の阻害にはならない。また、スライド孔23nの隙間からの熱分解ガスやマイクロ波の漏洩防止に対しては、火格子電気ヒーター22が取付けられた火格子電気ヒーター取付プレート23aの垂直面全体と、そこに接触する熱分解室2の側壁裏面とが密着して気密を保てるように平滑に加工されているので漏れのない構造である。
火格子電気ヒーター22のスライド機構について説明する。
図4及び図6に示すように、熱分解室2から隔離された火格子電気ヒーター取付プレート23aのスライド駆動室23m(図2参照)の側壁面の両面には、角型断面形状の2本のローラーガイド23cが取付けられており、このローラーガイド23cに対して、火格子電気ヒーター取付プレート23aに取付けられた4個のローラー23bが、ローラーガイド23cの上下面を挟み込み、ローラーガイド23cに案内されてそれぞれ回転し、火格子電気ヒーター取付プレート23aは水平方向に往復移動(スライド)するスライド機構を備えている。
火格子電気ヒーター取付プレート23aの上面中央には、図2に示すように、チェーン取付プレート23dが取り付けられており、そこにチェーン23eの両端面が張設されている。チェーン23eは、駆動軸23fと回転軸23hに固定されたスプロケット23g、23iに噛み合わされており、駆動軸23fの回転により、火格子電気ヒーター取付プレート23aはローラーガイド23cに沿って往復移動(スライド)する。
図6に示すように、火格子電気ヒーター22の往復移動(スライド)は、火格子電気ヒータースライドモーター23lの出力軸の回転を、カップリング23kを介して、駆動軸23fに伝え、この駆動軸23fは回転可能な軸受23jで受けられており、スプロケット23gを回転させることによって行われる。
尚、図示されていないが、火格子電気ヒーター取付プレート23aのスライド両端の停止は、リミットスイッチ等を取付けて検知し、火格子電気ヒータースライドモーター23lを制御することによって行われる。
熱分解室2の上部には、図2、図3に示すように、多列穴の熱分解室ガス出口穴25が設けられている。この熱分解室ガス出口穴25は熱分解ガスを排出するがマイクロ波電波は漏洩しない穴径に穿設されている。熱分解室ガス出口穴25の近傍には、熱分解ガスの出口温度を測定する熱分解ガス出口温度測定用熱電対25aが配置されており、ここで熱分解ガスは常時温度測定される。熱分解ガスは熱分解ガス通路5を経て、酸化触媒ガス浄化室6、ガス燃焼塔72で所定の処理を行った後吸引ファン8により大気に排出される。
図2において、熱分解室2の下部には、炭化物収納ホッパー3が配設されている。この炭化物収納ホッパー3は火格子電気ヒーター22で処理した熱分解直後の炭化物を収納して二次処理する場所で、次の廃棄物の熱分解処理と同時処理して、炭化物から幾分発生する残留ガスを完全に揮発させる働きをする。炭化物収納ホッパー3は、
炭化物収納ホッパー取付プレート31aに固定されており、炭化物収納ホッパー取付プレート31a
を往復移動(スライド)するスライド機構を有することにより、熱分解室内を出入りすることができる。炭化物収納ホッパー3内の炭化物は、図中右側スライド端(スライド駆動室23m内)で、炭化物収納ボックス4に自然落下して移される。その炭化物収納ホッパー3の一端は、熱分解室2に隣接したスライド駆動室23m内に接続しており、炭化物収納ホッパー移動モーター31kの駆動により往復する。
さらに、熱分解室2の側壁には、炭化物収納ホッパー3が通過できる角孔32が穿設されており、炭化物収納ホッパー取付プレート31aの垂直面と熱分解室外壁面の接触面はその角孔32からスライド駆動室23mに熱分解ガス及びマイクロ波が漏洩しないように、平滑加工され密閉されている。
図2、図4及び図7において、炭化物収納ホッパー取付プレート31aのスライド駆動室23mの側壁面の両面には、角形断面形状の2本のローラーガイド31cが取付けられており、このローラーガイド31cに対して、炭化物収納ホッパー取付プレート31aに取付けられた4個のローラー31bが、ローラーガイド31cの上下面を挟み込み、ローラーガイド31cに案内されてそれぞれ回転し、炭化物収納ホッパー取付プレート31aは水平方向に往復移動(スライド)する。
炭化物収納ホッパー取付プレート31aの上面中央には、チェーン取付プレート31dが取り付けられており、そこにチェーン31eの両端面が張設されている。チェーン31eは駆動軸31fと回転軸31hに固定されたスプロケット31g、31iに噛み合い、駆動軸31fの回転動作により、炭化物収納ホッパー取付プレート31aはローラーガイド31c
に沿って往復移動(スライド)する。
炭化物収納ホッパー3の往復移動(スライド)は、図7に示すように炭化物収納ホッパー移動モーター31kの出力軸の回転を、カップリング31lを介して、駆動軸31fに伝え、この駆動軸31fは回転可能な軸受31jで受けられており、スプロケット31gを回転させることによって行われる。
尚、図示されていないが、炭化物収納ホッパー取付プレート31aのスライド両端の停止は、リミットスイッチ等を取付けて検知し、炭化物収納ホッパー移動モーター31kを制御することによって行われる。
図2において、4は炭化物収納ボックスを表し、熱分解が完了した炭化物を収納した炭化物収納ホッパー3が電動モーターによる駆動装置で移動して落下する炭化物を受け入れる容器であり、炭化物収納ホッパー3が図中右側にスライドした下部に配置され、熱分解室からは分離した部屋として独立しているので熱分解処理中でも炭化物を炭化物収納ボックス出し入れ扉41から取り出すことができる。
図3において、6は酸化触媒ガス浄化室を表し、その空間部の酸化触媒64の入口付近には、酸化触媒入口昇温用電気ヒーター61と空気流入調節弁63がそれぞれ設置されており、150℃程度で流入する熱分解ガスを350℃程度に昇温させると共に空気流入調節弁63から必要な空気量を取り入れ混合し酸化触媒64で浄化処理され、酸化触媒出口ガス通路68を経てガス燃焼室入口通路71に流入する。
酸化触媒入口昇温用電気ヒーター61の配置された上部には、触媒交換時などに酸化触媒64ごと着脱が容易にできる構造の酸化触媒ケーシング66が配置されており、この中に酸化触媒64が充填されている。酸化触媒64は粒状セラミック製で、熱分解ガスに含まれるタール成分等による目詰まりが起きにくく熱分解ガス類と外気の空気は、酸化触媒64内で接触や衝突を繰返し良好な混合ガスとなり適切な酸化反応が得られる。また、分解ガスの入口付近と出口付近には熱電対62、67が配置されており、分解ガスの入口温度と出口温度を測定して、酸化反応熱の監視を行うと同時に、酸化反応熱の推移による温度変化を廃棄物の熱分解完了信号に利用している。酸化触媒入口昇温用電気ヒーター61の上部には、酸化触媒ケーシング66を形成し、熱分解ガスの流路となる多数の孔を有する金属製の酸化触媒入口パンチングメタル65が配置されている。
図3において、72はガス燃焼塔を表し、最終ガス処理を行う場所で、ガス燃焼塔72の下部には、酸化触媒出口ガス通路68と接続するガス燃焼入口通路71が有り、この部分でガス燃焼塔72が本体とボルト接続されている。
7はガス燃焼室を表し、ガス燃焼室入口通路71
からの未燃焼ガスを800℃以上に制御したガス燃焼室内昇温用電気ヒーター73で完全燃焼する。ガス燃焼室7には、ガス燃焼温度を常時測定するガス燃焼室出口温度測定用熱電対74が取付けられており、ガス燃焼温度を監視している。
ガス燃焼塔72の上部には、吸引ファン8が設けられており、燃焼ガスが外気に排出される温度を冷却するために空気流入調整弁76から外気を取入れ、ガス冷却室75で一定温度に冷却し、吸引ファン入口管81、排ガス出口82から外気に排出している。
また、ガス燃焼室では燃焼温度を確認するため、温度センサーを室内と燃焼室出口に設置して、常時、温度表示を記録するようにしている。
また、ガスの大気排出では、図示していないが吸引ファン出口にCO濃度測定センサーを取り付けて、常時表示を記録している。
次に本発明の感染性医療廃棄物の処理装置を用いた処理工程を、図9を参照して説明する。
なお、図中の(1)は火格子電気ヒーター22を正面から見た図、(2)は火格子電気ヒーター22を側面から見た図である。
(1) 熱分解初期時に、熱分解室内へ投入された直後の廃棄物9(図9(a))は熱分解して廃棄物9から熱分解ガスが発生し、減量化して炭化物になる(図9(b))。なお、図中の矢印細線は熱分解ガスの流れを示し、矢印水平太線はマイクロ波照射を示し、矢印上向太線は火格子電気ヒーター22からの熱源を示している。
(2) 熱分解後の炭化処理された炭化物9は火格子電気ヒーター22の水平移動(スライド)により、炭化物収納ホッパー3内に落下する(図9(c))。
(3) 火格子電気ヒーター22上に次の廃棄物9が投入され、炭化物収納ホッパー3内には、熱分解処理後の炭化物が収納され、熱分解が開始する(図9(d))。
(4) 火格子電気ヒーター22上で熱分解が完了した後、炭化物収納ホッパー3
内の炭化物はスライド移行し、自然落下して炭化物収納ボックス4に収納される(図9(e))。
(5) 炭化物収納ホッパー3内の炭化物が、炭化物収納ボックス4に収納されると炭化物収納ホッパー3は元に戻る(図9(c))。以降の処理工程は、図9(d)、図9(e)、図9(c )を繰り返し行う。
図10は、廃棄物の熱分解時間をタイマー制御により1 時間に設定した事例のタイムチャートを示す。タイムチャートには装置の動作に基づく、火格子電気ヒーターの制御温度(A)、マイクロ波の照射時間(B)、触媒入口電気ヒーター制御温度(C)、ガス燃焼室電気ヒーター制御温度(D)を示し、それらの制御によって推移する熱分解室出口温度(E)、酸化触媒出口温度(F)、ガス燃焼室出口温度(G)のグラフを表したものである。
図10において、熱分解室出口温度(E)の推移予測グラフは、廃棄物の熱分解で発生する熱分解ガス温度の推移を示している。
廃棄物の熱処理時間は、処理重量や廃棄物の種類が一定している場合、概ねの処理時間は安定するので、タイマー設定で行うことができる。
本発明では、感染性廃棄物10kg
を1時間で処理することを予定しており、これに基づいて熱分解時間を1時間タイマーで処理することにしている。
滅菌タイマーは、熱分解タイマー作動中の監視タイマーとして役割を担っている。滅菌処理に対して、熱分解タイマー設定範囲内で滅菌タイマーがOFFになると正常処理とし、熱分解は熱分解タイマーの設定時間で進行する。
熱分解タイマーがOFFになり、滅菌タイマーがONになった
場合、滅菌タイマーを優先し熱分解タイマーOFF 指令はキャンセルされて、滅菌タイマーのOFFまで熱分解は自動的に延長するように制御する。熱分解で発生するガスは、熱分解室ガス出口穴から排出され、酸化触媒、ガス燃焼室を通過し、吸引ファンにより吸引され大気に排出される。
感染性医療廃棄物には樹脂、紙、布類、及び血液等の水分が含まれており、熱分解室では、外気と遮断された密閉空間構造で熱処理されるため、有機ガス類や一酸化炭素及び水蒸気が充満して低酸素雰囲気になり、燃焼することなくガス類は熱分解室ガス出口穴から排出される。また、廃棄物が投入された後の熱分解開始時から一定時間、不活性ガスの窒素充填(図10のタイムチャート参照)をして熱分解室を無酸素雰囲気にすることが好ましい。
本発明の感染性医療廃棄物の処理方法において、廃棄物投入室に投入され、熱分解処理される感染性医療廃棄物には、使用済み紙おむつ及び付着した汚物類、チューブ等樹脂が混入した透析等回路及び残渣血液、血液検査用樹脂試験管及び検査後の血液、血液が付着した包帯、ガーゼ、脱脂綿、紙オムツ、輸液点滴セットなどの水分含有率が比較的高いものが含まれる。これらの感染性医療廃棄物は、ポリエチレン袋や段ボール箱に密閉収納され、廃棄物投入室に自動又は手動で供給される。
本発明の実施形態では、医療廃棄物は、最初に廃棄物投入室の廃棄物投入口扉が手前側に倒され、その上に載置される。その後、廃棄物投入口扉を閉めて廃棄物を廃棄物投入室内に設けられた受台に載せる。この受台に載せられた廃棄物は、受台と連動して開閉する熱分解室扉の開口に伴い熱分解室の火格子電気ヒーターの上に投下される。
熱分解完了後に、受台の処理物を熱分解室に供給する動作と共に熱分解室入口扉が開く時には、外気と通じた廃棄物投入扉は閉められている二重扉構造のため、外気に対するガス漏れが防止できる。また、熱分解室入口扉から廃棄物投入室に排出された残留ガスは、吸引ファンにより図示していないがガス燃焼室を通過させ浄化して大気へ排出する。残留ガスの排出時間は、熱分解が完了した後の熱分解室扉が開いた10秒程度の間に排出されるガス量であるため、数分程度で吸引できる。
残留ガス吸引後は廃棄物投入口扉を開けても外気に対して影響がないため、残留ガス吸引時間を想定した時間をタイマー設定して、廃棄物投入口扉を開き、処理される廃棄物が載せられるまで待機する。廃棄物が載せられるとセンサーで感知して廃棄物投入口扉は閉じて処理物は室内の受台に移され、熱分解が完了するまで待機する。本発明の体実施形態ではこれらの扉開閉等の一連の動作は全て電動モーターで自動運転制御される。
投入された廃棄物は、供給された時点では廃棄物温度は常温である。その廃棄物をマイクロ波による照射と火格子電気ヒーターにより450℃程度まで昇温するため、最終的には400℃程度に廃棄物は加熱される。
加熱処理を開始すると水分の加熱に熱は奪われる。水分が100℃に昇温するまでは、その他の組成物も水分の昇温に概ね依存して昇温し、廃棄物は同時並行的に100℃に達する。この過程では、一部蒸気の発生を伴うがガス等の発生はほとんどない状態である。
廃棄物中の水分が100℃に達すると蒸気が盛んに発生し、処理物は蒸気で満たされた中で処理される。廃棄物全体の蒸発が概ね終了すると、滅菌処理が行われた乾燥状態となり、例えば、処理前重量10kgは水分含有率が60%とすると4kg程度の大幅に減量された廃棄物となる。
本発明の実施形態における処理方法では、廃棄物中の水分の蒸発に伴う加熱処理にマイクロ波による照射を利用することが好ましい。この処理過程では、蒸気が主体となり熱分解ガスも排出される。廃棄物中の水分の昇温過程では、廃棄物が同時に100℃になることが予想されるが、廃棄物中の水分の蒸発及び乾燥の過程では、火格子電気ヒーターに近い方から早期に乾燥を始め、火格子電気ヒーターから離れた廃棄物の上部付近は最後に乾燥する。
本発明の実施形態における処理方法では、廃棄物の蒸発・乾燥により減量した廃棄物は半分程度の重量に減量しており、廃棄物はこれまで以上の早い温度で上昇し、熱分解が開始され、ガスが発生し始める。
本発明における廃棄物の熱分解は、空気を遮断し、窒素ガスを充填した低酸素雰囲気下で行われ、廃棄物中の樹脂類は、軟化、溶融した状態からその後の温度上昇により250℃付近から可燃ガスが発生する熱分解が生じる。廃棄物を450℃付近の温度に保つと、熱分解した廃棄物中の樹脂類は炭化物になりガスの揮発も終息する。また、熱分解によるガス化量は例えば、樹脂類を700℃以上に温度を昇温するとほとんどはガス化して揮発するが、本発明の処理装置で処理する温度帯の450℃程度では、20〜30%がガス化するため、熱分解の終了時点では紙・布類の熱分解と併せて50%程度がガス化して減量化する。従って、処理前の重量10kgは8kg程度が減量化(減量率80%)し、残渣としての炭化物は2kg程度になる。
本発明の処理装置における廃棄物の滅菌の確認方法としては、熱分解室から排出される熱分解ガス出口温度(熱分解室上部の温度帯)が180℃以上を30分間継続した時を滅菌の正常処理としている。熱分解ガス出口温度を測定することで、熱分解室内の温度と熱分解廃棄物の温度の推測が可能であり、これを滅菌温度の管理に利用している。処理完了時間のタイマー設定で処理完了指令が出ても180℃に達していない場合は、異常信号を出して装置を一旦停止し、その原因等を点検する。特に熱分解処理に問題がないと判断した場合、火格子電気ヒーターの温度設定450℃を高くすること等で廃棄物の温度を上昇させて再処理する。また、180℃に達した後に30分経過せずに処理完了信号が出た場合は、残り時間分を延長して処理することにしている。
その制御方法は、熱分解処理開始から180℃に達した時点の温度指令をもとに、常時30分に設定したタイマーをスタートさせ、そのタイムアップで終了する方式としている。処理完了指令前にタイムアップした場合、処理完了指令を優先する。
本発明の実施形態において、熱分解後の炭化物は、熱分解直後の炭化物からは、幾分、ガスの発生があるため、その炭化物は、熱分解室火格子下部の炭化物収納ホッパー内に、次の廃棄物の熱分解が完了するまで一旦留めておき、熱分解室内で残留ガスを完全に揮発させた後、炭化物収納ボックスに移される。火格子電気ヒーターから炭化物収納ホッパーへの炭化物の移動は、火格子電気ヒータースライドモーターの駆動による炭化物収納ホッパースライド機構の往復移動により行われる。
廃棄物の熱分解処理中は炭化物収納ホッパースライド機構の室内と、熱分解室は互いに密閉されており、処理中の熱分解室からのガス漏れやマイクロ波エネルギーの漏えいはない。また、炭化物の移動中の熱分解室の残留ガスは、常時、吸引ファンにより吸引しているため、炭化物収納ホッパースライド機構の室内への進入はない。さらに、炭化物の移動中のマイクロ波照射は停止されている。
本発明の実施形態では、熱分解室2の下部にある炭化物収納ホッパー3内の炭化物は、火格子電気ヒーター上で熱分解された直後では、幾分残留ガスが発生するため、新たに熱分解室2に廃棄物を投入して熱分解するまでの間、残留ガスが完全に揮発するまで炭化物収納ホッパー内に貯留しておくことが好ましい。
熱分解完了後に炭化物収納ホッパーに収納した炭化物は、炭化物収納ホッパーを、炭化物収納ホッパー移動モーターで炭化物収納ボックスの真上まで駆動して、自然落下することにより行われる。炭化物収納ホッパーに収納された炭化物は、収納直後では炭化物の一部は150℃程度の高温状態であるため、取出し後の不慮の事故を防止する観点から、充分な冷却時間が必要である。従って、装置の稼働終了後は全作業を終了して、炭化物は装置内で充分に冷却されてから炭化物収納ボックス扉を開けて取出すことが好ましい。
熱分解室2の熱分解で発生した熱分解ガスは、熱分解室2の熱分解室ガス出口穴25から排出され、熱分解室ガス通路5で熱発散して温度が下がり酸化触媒64に流入するときは150℃以下程度になる。酸化触媒64による反応を維持するために、酸化触媒入口昇温用電気ヒーター61を制御して熱分解ガスを300〜350℃程度に昇温させる。
また、酸化反応に必要な酸素は、空気流入調整弁63を開いて、外気を酸化触媒64
の入口で取り入れられる。空気流入調整弁63は、吸引ファン8の吸引力で、酸化触媒64
の入口付近も負圧になっており、空気流入調整弁63の開度を適切に調整して必要な空気量を外気から取り入れる。
本発明の実施形態において、酸化触媒64による浄化処理を行うと、酸化反応熱による温度上昇(500〜700℃程度)により、次の燃焼行程で行うガス燃焼室7の温度維持は比較的に容易に行えると共に、ガス燃焼室7に供給される未燃焼ガス量が少なくて済む。
本発明の実施形態において、酸化触媒ガス浄化室6に用いられる酸化触媒64は、熱変形に強いコーディライト製の粒径10mm程度の粒状セラミック(気孔率70%の多孔質体)の表面に貴金属Pt、Pd等が担持されているものを使用するのが好ましい。この酸化触媒64を用いると熱分解ガス中に含まれるタール成分等による目詰まりが起きにくく、ばいじん等が含まれていても多孔質内部で捕捉が行え、熱分解ガスと外気の空気は、酸化触媒64
から構成される触媒層内で接触や衝突を繰返し良好な混合ガスとなり適切な酸化反応が行われ、無害な水蒸気や二酸化炭素に浄化できる。
酸化触媒入口付近の熱分解ガスは350℃程度に電気ヒーターで昇温制御されるが、自然発火温度には至らないため、酸化触媒入口側での異常燃焼や爆発等の危険性はなく、また、酸化触媒が熱分解室2とガス燃焼室7の中間に位置しているので、熱分解ガスの多くは酸化処理されて未燃焼ガスは少なくなっており、加えて、酸化反応熱により500℃程度に昇温しているのでガス燃焼室7での昇温範囲が少なくてすむ。
次に、本発明の実施形態における廃棄物の熱分解完了の制御を具体的に示す。熱分解ガスが発生する以前の触媒出口温度は、熱分解ガス反応がなく触媒入口の酸化触媒入口昇温用電気ヒーター61で温度調整した温度に依存して推移し、入口温度よりやや低い温度帯(300℃程度)であるが、熱分解ガスの発生と共にガス量に見合った温度帯(500〜700℃)に昇温する。また、熱分解完了と共にガス量が減少して終息すると、ガス発生前の温度帯まで下降する。下降途中の例えば「350℃」を温度指令とし、その温度を通過した時点を熱分解完了とする。実際の温度設定に当たっては、処理物を熱分解して確認した上で適切な温度に決めてもよい。
タイマー設定の処理は、同種・同重量の処理物を連続して行う時に適用し、温度指令の処理は、1回の標準処理量10kgに満たない廃棄物でその都度廃棄物の重量がばらつく時に適用してもよい。
本発明の方法における実施形態では、酸化触媒64による熱分解ガスの浄化処理後に残存する未燃焼ガスは、酸化触媒出口ガス通路71(この通路は、熱分解室底板27が酸化触媒64の反応熱で約500℃程度の高温に加熱されている。)で予備加熱され、ガス燃焼室7に供給される。
ガス燃焼室入口通路71から供給された未燃焼ガスは、800℃以上に昇温制御されたガス燃焼室内昇温用電気ヒーター73で完全燃焼され、ガス燃焼室出口温度測定用熱電対74で常時監視されたうえ、ガス冷却室75で一定温度に冷却された後、吸引ファン入口管81から吸引ファン8によって、排ガス出口82から外気に排出される。
本発明の感染性医療廃棄物の処理装置全体の外観を示す斜視図を表し、 本発明の医療廃棄物処理装置の図1のB‐B矢視断面図を表し、 本発明の医療廃棄物処理装置の図2のA−A矢視断面図を表し、 本発明の図2の同医療廃棄物処理装置のC-C矢視断面図を表し、 本発明の同医療廃棄物処理装置の図2のD-D矢視断面図を表し、 本発明の同医療廃棄物処理装置の図2のE-E矢視断面図を表し、 本発明の図2のF‐F矢視断面からの炭化物収納ホッパー及び同収納ホッパー駆動部の平面断面図を表し、 本発明の廃棄物を廃棄物投入扉に載せ処理装置内へ投入する前の概略図を表し、そのうち、 (a)は廃棄物投入室の扉開閉の動きを示し、廃棄物を廃棄物投入口扉に載せ処理装置内へ投入する前の概略図を表し、 (b)は廃棄物投入口扉が閉まり廃棄物を廃棄物投入室内の受台に載せて熱分解完了待機中の概略図を表し、 (c)は熱分解完了後熱分解室扉が開いて受台上の廃棄物を熱分解室内に投入する概略図を表し、 (d)は熱分解室から廃棄物投入室内に流入した残留ガスが排出される間待機時の廃棄物投入室の概略図を表し、 本発明の廃棄物の熱分解による状態変化と処理工程の推移を示す概略図を表し、そのうち、 (a)は熱分解室の火格子電気ヒーター上に廃棄物が投入された概略図を表し、 (b)は火格子電気ヒーターからの外部加熱とマイクロ波照射による水分等の選択加熱で、廃棄物を内外部から熱処理し、水分の蒸発及びガス化により廃棄物が減量化された熱分解後の概略図を表し、 (c)は熱分解完了信号により火格子電気ヒーターを水平方向に移動させ、炭化された廃棄物を熱分解室下部にある炭化物収納ホッパーに落下させた状態を示す概略図、 (d)は次の廃棄物が熱分解室に投入された後、熱分解がスタートし、炭化物収納ホッパー内の炭化物が酸化触媒の反応熱で加熱された熱分解室底板からの熱を受けて残留ガスの揮発で完全炭化物になる状態を示す概略図を表し、 (e)は熱分解処理の2回目以降は、熱分解完了信号により、先に炭化物収納ホッパー内の炭化物を移動し、炭化物収納ボックスに収納する状態を示す概略図をそれぞれ表し、 本発明の廃棄物の熱分解時間をタイマー制御により1 時間に設定した事例のタイムチャートを表す。
1 廃棄物投入室
2 熱分解室
3 炭化物収納ホッパー
4 炭化物収納ボックス
5 熱分解ガス通路
6 酸化触媒ガス浄化室
7 ガス燃焼室
8 吸引ファン
9 廃棄物
11 廃棄物投入口扉
12 受台
21 熱分解室扉
22 火格子電気ヒーター
23 火格子電気ヒータースライド機構
24 マイクロ波照射口
28a窒素ガス充填口
31 炭化物収納ホッパースライド機構
64 酸化触媒
72 ガス燃焼塔
75 ガス冷却室
91 炭化物
また、図8(a)〜(d)に示すように、廃棄物投入室1内は、廃棄物投入口扉11を
閉じると外気とは密閉される構造(図8(d))である。廃棄物投入口扉11に載せた廃
棄物9(図8(a))は、廃棄物投入室1の受台12に受け渡され、そこで待機(図8(
b))する。待機中の廃棄物投入口扉11は閉じられた状態にある。これは、熱分解室に
廃棄物を投入する際に、熱分解室扉21を開放しても、熱分解室からの残留ガスが外気へ
漏れることを防止(図8(c))するためである。

Claims (20)

  1. 感染性医療廃棄物を無酸素乃至低酸素雰囲気下で、電気ヒーターとマイクロ波照射による加熱手段を用いて熱分解し、炭化物にする熱分解処理部と、この熱分解処理部で発生した熱分解ガスを酸化触媒によって浄化処理する熱分解ガス処理部から構成される感染性医療廃棄物処理装置であって、
    前記熱分解処理部は、医療廃棄物を投入し、一時収納する廃棄物投入室と、
    この廃棄物投入室からの医療廃棄物を熱分解し、炭化物にする熱分解室と、
    この熱分解室の炭化物を一時収納する炭化物収納ホッパーと、
    この炭化物収納ホッパー内の炭化物を収納し、外部に取り出す炭化物収納ボックスを備えていることを特徴とする前記感染性医療廃棄物処理装置。
  2. 前記熱分解室は、感染性医療廃棄物を搭載し、熱を与える電気ヒーターと、マイクロ波を照射するマイクロ波照射口を有することを特徴とする請求項1記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  3. 前記熱分解室は、窒素ガスを充填して前記熱分解室内を無酸素乃至低酸素雰囲気下で廃棄物を熱分解することができる窒素ガス充填口を有することを特徴とする請求項1項又は2に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  4. 前記熱分解室は、電気ヒーターが通過でき、通過の際に電気ヒーター上の炭化物が落下する丸孔が穿設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  5. 前記熱分解室は、炭化物収納ホッパーが通過でき、通過の際に炭化物収納ホッパー内の炭化物が炭化物収納ボックスに落下する角孔が穿設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  6. 前記電気ヒーターは、複数の電気ヒーターが互いに離間して平行に配列されて火格子を形成していることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  7. 前記電気ヒーターは、水平方向に往復移動(スライド)し、炭化物を炭化物収納ホッパーに落下させるスライド機構を備えていることを特徴とする請求項1〜4に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  8. 前記スライド機構は、熱分解室から隔離されたスライド駆動室にあり、火格子電気ヒーター取付プレートと、同火格子電気ヒーター取付プレートに取付けられたローラーガイドとローラーとから構成され、ローラーガイドに対して、火格子電気ヒーター取付プレートに取付けられたローラーが、ローラーガイドの上下面を挟み込み、ローラーガイドに案内されてそれぞれ回転して、火格子電気ヒーター取付プレートを水平方向に往復移動(スライド)させることを特徴とする請求項7に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  9. 前記炭化物収納ホッパーは、火格子電気ヒーターの炭化物を収容するため熱分解室の下部に位置し、同熱分解室と隣接し、かつ同熱分解室から隔離されたスライド機構室の間を往復移動(スライド)するスライド機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  10. 前記スライド機構は、熱分解室から隔離されたスライド駆動室にあり、炭化物収納ホッパー取付プレートと、同炭化物収納ホッパー取付プレートに取付けられたローラーとから構成され、ローラーガイドに対して、炭化物収納ホッパー取付プレートに取付けられたローラーが、ローラーガイドの上下面を挟み込み、ローラーガイドに案内されてそれぞれ回転し、炭化物収納ホッパー取付プレートを水平方向に往復移動(スライド)させることを特徴とする請求項9に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  11. 前記炭化物収納ボックスは、炭化物収納ホッパーのスライド端下部に配置し、熱分解室からは分離し、独立していることを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  12. 前記廃棄物投入室は、廃棄物を投入する廃棄物投入口扉と廃棄物投入口扉から投入された廃棄物を搭載する受台とからなり、前記廃棄物投入口扉は、その開閉により外気と遮断又は開放できると共に、前記受台は熱分解室扉の開閉に連動して廃棄物を熱分解室に投入できる搖動機構を備えていることを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  13. 熱分解ガス処理部は、熱分解室で発生した熱分解ガスを酸化触媒の使用により浄化できる酸化触媒ガス浄化室と、前記酸化触媒ガス浄化室での未燃焼ガスを燃焼するガス燃焼室とを有することを特徴とする請求項1に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  14. 前記酸化触媒ガス浄化室は、熱分解室から発生する熱分解ガスを昇温する電気ヒーターと、外部からの空気を取り入れる空気流入調節弁と、熱分解ガスと酸化反応する酸化触媒層を形成する酸化触媒ケーシングとから構成されていることを特徴とする請求項13に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  15. 前記ガス燃焼室は、ガス浄化室の未燃焼ガスを昇温する電気ヒーターと、上部に位置し、燃焼ガスを冷却するために燃焼室に取り入れる空気流入調節弁と、燃焼ガスを外気に排出する吸引ファンを備えていることを特徴とする請求項13又は14に記載の感染性医療廃棄物処理装置。
  16. 感染性医療廃棄物を無酸素乃至低酸素雰囲気下で、電気ヒーターとマイクロ波照射による加熱手段を用いて熱分解し、炭化物にする熱分解処理工程と、この熱分解処理工程で発生した熱分解ガスを酸化触媒によって浄化処理する熱分解ガス処理工程を有する感染性医療廃棄物の処理方法。
  17. 前記熱分解処理工程は、医療廃棄物を投入する工程と、この投入した医療廃棄物を熱分解する工程と、この熱分解した炭化物を炭化物収納ホッパーに一時収納する工程と、この一時収納した炭化物を炭化物収納ボックスに収納する工程を有することを特徴とする請求項16に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法。
  18. 前記熱分解ガス処理工程は、熱分解ガスを酸化触媒で浄化処理する工程と、未燃焼ガスを燃焼する工程を有することを特徴とする請求項16〜17のいずれか1項に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法。
  19. 炭化物を炭化物収納ホッパーに一時収納する工程は、火格子電気ヒーターを水平方向に往復移動(スライド)してスライド端で、廃棄物が炭化物収納ホッパー内に強制的に落下することを特徴とする請求項16〜18項のいずれか1項に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法。
  20. 炭化物を炭化物収納ボックスに収納する工程は、炭化物収納ホッパーを水平方向に往復移動(スライド)してスライド端で、廃棄物が炭化物収納ボックスに自然落下することを特徴とする請求項16〜19項のいずれか1項に記載の前記感染性医療廃棄物の処理方法。
JP2013027885A 2013-02-15 2013-02-15 感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法 Pending JP2014155903A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013027885A JP2014155903A (ja) 2013-02-15 2013-02-15 感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013027885A JP2014155903A (ja) 2013-02-15 2013-02-15 感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014155903A true JP2014155903A (ja) 2014-08-28

Family

ID=51577168

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013027885A Pending JP2014155903A (ja) 2013-02-15 2013-02-15 感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014155903A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106734117A (zh) * 2017-02-10 2017-05-31 中国科学院过程工程研究所 工业废醋酸钠渣的处理方法
CN108356062A (zh) * 2018-05-07 2018-08-03 王惠珍 一种医疗废物收运装置
JP2020175347A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 義麟 黄 有機物分解機
JP2020189752A (ja) * 2020-08-11 2020-11-26 株式会社寺岡精工 物品回収装置
CN113044431A (zh) * 2021-02-03 2021-06-29 宁波市疾病预防控制中心 一种医疗废弃物收容箱
JP2022019802A (ja) * 2020-08-11 2022-01-27 株式会社寺岡精工 物品回収装置
CN114789188A (zh) * 2022-03-04 2022-07-26 长兴力亿纺织有限公司 一种放置用涤纶布纺织机余料处理装置
CN115386387A (zh) * 2022-09-01 2022-11-25 周一新 一种医疗废弃物处理系统及工艺
US11642708B2 (en) 2019-02-25 2023-05-09 Panasonic Holdings Corporation Used paper diaper processing apparatus
US11731177B2 (en) 2019-09-19 2023-08-22 Panasonic Corporation Used paper diaper processing apparatus

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106734117A (zh) * 2017-02-10 2017-05-31 中国科学院过程工程研究所 工业废醋酸钠渣的处理方法
CN108356062A (zh) * 2018-05-07 2018-08-03 王惠珍 一种医疗废物收运装置
CN108356062B (zh) * 2018-05-07 2019-02-15 深圳市瑞连晟环保科技有限公司 一种医疗废物收运装置
US11642708B2 (en) 2019-02-25 2023-05-09 Panasonic Holdings Corporation Used paper diaper processing apparatus
JP2020175347A (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 義麟 黄 有機物分解機
US11731177B2 (en) 2019-09-19 2023-08-22 Panasonic Corporation Used paper diaper processing apparatus
JP2020189752A (ja) * 2020-08-11 2020-11-26 株式会社寺岡精工 物品回収装置
JP2022019802A (ja) * 2020-08-11 2022-01-27 株式会社寺岡精工 物品回収装置
CN113044431A (zh) * 2021-02-03 2021-06-29 宁波市疾病预防控制中心 一种医疗废弃物收容箱
CN114789188A (zh) * 2022-03-04 2022-07-26 长兴力亿纺织有限公司 一种放置用涤纶布纺织机余料处理装置
CN115386387A (zh) * 2022-09-01 2022-11-25 周一新 一种医疗废弃物处理系统及工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2014155903A (ja) 感染性医療廃棄物の処理装置及び処理方法
JP3729204B2 (ja) 危険廃棄物の処理装置・処理方法
KR101293675B1 (ko) 감염성 폐기물의 분쇄 및 멸균장치
JPH03173566A (ja) 医療廃棄物の処理方法並びに装置
JP2006234371A (ja) 熱分解ガス化方式の燃焼制御を特徴とする医療廃棄物専用小型焼却炉と医療廃棄物専用焼却システム
ITBA20070060A1 (it) "dispositivo per la disinfestazione e l'inattivazione, mediante un'azione combinata raggi uvc - ozono, di microrganismi contenuti nei rifiuti ospedalieri e relativo procedimento".
World Health Organization Overview of technologies for the treatment of infectious and sharp waste from health care facilities
US6262405B1 (en) Medical waste treatment and decontamination system
KR200314296Y1 (ko) 감염성 폐기물 소각/ 용융 일체형 처리 시스템
KR20120045200A (ko) 로타리킬른형 플라즈마 열분해-용융 시스템을 이용한 의료폐기물 복합처리장치 및 방법
JPH05154188A (ja) 医療廃棄物滅菌装置
US10378761B2 (en) Hospital waste plasma incinerator
JP2004183989A (ja) 廃棄物処理方法及び廃棄物処理装置
JP2010005581A (ja) 有機系被処理物分解処理装置及びそれを使用した有機物の分解処理方法
US11253894B1 (en) Waste destruction device
KR20130134315A (ko) 마이크로 웨이브를 이용한 탄화기
JPWO2005075119A1 (ja) 医療廃棄物処理装置
WO2016209092A2 (en) Method and apparatus for treating waste material
JP2013011407A (ja) 水分を含有する廃棄物の処理装置及び処理方法
JP3621053B2 (ja) ゴミ処理システム及びゴミ炭化処理方法
JP2015036606A (ja) 使用済み紙おむつの処理装置及び処理方法
JP2525506B2 (ja) 高温発熱体を用いる電子焼却炉
Mosse et al. Plasma furnaces for toxic waste processing
RU179774U1 (ru) Аппарат для термической дезинфекции и деструкции медицинских отходов
JP2001341129A (ja) 廃棄物・有価物の炭化処理装置及び炭化処理方法