JP2014154917A - 無線端末装置、無線制御装置、および無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 重畳通信時の通信効率の向上を可能とする。
【解決手段】 送信信号の変調の際にサイクリックプリフィクスを用いた信号を出力する変調部と、他の無線端末装置が送信する信号に含まれるサイクリックプリフィクスのタイミングを検出するサイクリックプリフィクス検出部と、前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングと異なるタイミングでサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する制御部を備える。
【選択図】 図4
【解決手段】 送信信号の変調の際にサイクリックプリフィクスを用いた信号を出力する変調部と、他の無線端末装置が送信する信号に含まれるサイクリックプリフィクスのタイミングを検出するサイクリックプリフィクス検出部と、前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングと異なるタイミングでサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する制御部を備える。
【選択図】 図4
Description
本発明は、無線通信技術に関する。
近年センサーネットワークを、無線を使用して構築する事が一般化している。センサーネットワークを構成する無線端末局(センサーノード)は人が普段立ち入らない所に配置される等の理由でバッテリーによる運用が多く、稼働時の消費電力が少ない事が望まれている。また、管理コストの低減のために1つの無線制御局(シンクノード)で広範囲をカバーする事が望まれる事が多く、広範囲に散らばっている多数の無線端末局から送信されるデータを1つの無線制御局が受信する事になる。CSMA(Carrier Sense Multiple Access)ベースのアクセス制御を行った場合、1つの無線端末局が送信を開始すると、他の無線端末局が送信を開始するためには現在送信を行っている無線端末局が送信を終了する事を監視する必要があり、その間受信部を動作させる必要がある。複数の無線端末局が同時期に送信を開始しようとすると、送信機会を得られない無線端末局は送信機会が得られるまで受信部を動作させる事になり、結果消費電力を増大させるという問題が発生する。この無線端末局における送信前の受信動作による消費電力増大を避けるためには送信データが発生した後、アクセス制御無しに送信してしまえば良いが、アクセス制御無しで各無線端末がデータを送信してしまうと非同期で複数の送信データが多重されて送信される事になり、無線制御局でシンボル間干渉が発生し、いわゆるMIMO(Multi Input Multi Output)復調する事が困難となる。
このような非同期多重環境で無線制御局が送信データを復調する技術として、ブラインドビームフォーミング技術がある。ブラインドビームフォーミング技術は伝搬路情報などの事前情報無しでビームフォーミングを行い、所望の信号を取り出す技術の総称で、一例としてガードインターバルを付加したOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)信号のようなサイクリックプリフィクス(Cyclic Prefix:CP)を使用した信号に使用するアダプティブアレー技術が提案されている(非特許文献1)
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 J85-B(9), 1608-1615, 2002-09-01
非特許文献1はサイクリックプリフィクスの周期性をアダプティブアレーの参照信号として使用する方式であるため、複数の無線端末局が非同期に送信を開始し、複数の無線端末局が送信した信号のサイクリックプリフィクスが重なった場合に干渉波を抑圧する能力が劣化するという問題がある。
本発明の一観点によれば、無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用し、送信信号の変調の際にサイクリックプリフィクスを用いた信号を出力する変調部と、他の無線端末装置が送信する信号に含まれるサイクリックプリフィクスのタイミングを検出するサイクリックプリフィクス検出部と、前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングと異なるタイミングでサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する制御部を備える事を特徴とする無線端末装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、更に他の無線端末装置が送信しているかどうかを判断するキャリアセンス部を更に備え、前記制御部は、更に他の無線端末装置が送信していない場合はすぐに送信を開始する事を特徴とする無線端末装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、前記制御部は、更に前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングが所定の間隔以上の時に送信を開始するように制御する無線端末装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、前記制御部は、更に前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングのいずれか1つから所定の時間後にサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する事を特徴とする無線端末装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、前記制御部は、更に前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングのいずれか1つから所定の時間後にサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する事を特徴とする無線端末装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、前記無線制御装置から送信される制御情報を受信する受信部を備え、前記制御部は、更に受信した制御情報と前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングによって送信を開始するように制御する事を特徴とする無線端末装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用する無線制御装置で、複数の無線端末装置から同時に送信される信号を受信する受信部と、前記受信した信号の受信品質に基づいてどれだけの数の信号が重畳送信されても良いかを示す制御情報を生成する制御部と、前記生成された制御情報を送信する送信部を備える事を特徴とする無線制御装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、更に前記生成される制御情報が同時に受信できる信号の数に基づく事を特徴とする無線制御装置が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用し、送信信号の変調の際にサイクリックプリフィクスを用いた信号を用い、他の無線端末装置が送信する信号に含まれるサイクリックプリフィクスのタイミングを検出するサイクリックプリフィクスを検出し、前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングと異なるタイミングでサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する事を特徴とする無線送信方法が提供される。
また、本発明の他の観点によれば、無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用し、複数の無線端末装置から同時に送信される信号を受信し、前記受信した信号の受信品質に基づいてどれだけの数の信号が重畳送信されても良いかを示す制御情報を生成し、前記生成された制御情報を送信する事を特徴とする無線送信方法が提供される。
無線端末局が送信開始時に他の無線端末局が送信した信号のサイクリックプリフィクスを検出し、送信タイミングを設定する事で、無線制御局における干渉抑圧能力を向上し、通信効率の向上が可能となる。
以下、本発明の実施の形態による無線通信技術について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施例の概要を図1に示す。本実施例で示す無線通信システムは、1つの無線制御局101と3つの無線端末局(102、103、104)から構成される。無線端末局(102、103、104)から送信データが発生する都度、送信データを含むデータパケットが無線制御局101に対して送信される。無線制御局は無線制御装置ともいい、無線端末局は無線端末装置ということもある。
(第1の実施の形態)
本実施例の概要を図1に示す。本実施例で示す無線通信システムは、1つの無線制御局101と3つの無線端末局(102、103、104)から構成される。無線端末局(102、103、104)から送信データが発生する都度、送信データを含むデータパケットが無線制御局101に対して送信される。無線制御局は無線制御装置ともいい、無線端末局は無線端末装置ということもある。
図2にデータパケットの概要を示す。データパケットは先頭に同期、伝搬路推定を行うために既知の符号で構成されたプリアンブル201が配置され、プリアンブル201に続いてデータ部202が配置される。データ部は実際の送信データの他に、無線端末局のアドレスや無線制御局のアドレス、データ長などのネットワークを管理するための情報が含まれても良い。
プリアンブル201やデータ部202は変調されて送信されるが、この際に変調後の送信データの一部をサイクリックプリフィクスとして付加して送信する。サイクリックプリフィクスの付加方法の概要を図3に示す。302、305、307は変調後の送信データで、301、304、306がサイクリックプリフィクスである。301、302を例にサイクリックプリフィクスの生成方法を説明する。変調後の送信データである302の末端部分303を使用し、送信データ302の先頭にサイクリックプリフィクス301として付加する。以降、サイクリックプリフィクス301と変調後の送信データ302を合わせた単位を送信シンボル(受信信号においては受信シンボル)と呼び、サイクリックプリフィクス301を除いた送信データ302を有効シンボルと呼ぶ事にする。このようなサイクリックプリフィクスを用いる事による利点の一例として、OFDM信号を使用する時に適切な長さのOFDMシンボルのサイクリックプリフィクスをガードインターバルとして使用する事で、遅延波がある環境においても信号復調時に有効シンボル内の信号の周期性を確保する事が可能となり、シンボル間干渉を避ける事が可能となる事などが挙げられる。
無線端末局の構成の一例を図4に示す。412はRF信号を送受信するためのアンテナ、401はアンテナ401の接続先を制御部413の指示に従って切り替える送受切替部、408は受信したRF信号をベースバンド信号に変換する受信部、409はアナログのベースバンド信号をA/D(Analog to Digital)変換するA/D部、410は受信した信号に変調信号が含まれているかどうかを検出するキャリアセンス部、411は受信したベースバンド信号の異なる区間の相関を検出する相関検出部、407は送信データから送信パケットを生成するパケット生成部、406は生成された送信パケットを送信タイミングまで蓄積する事が出来る送信信号記憶部、405は制御部413からの指示で送信タイミングを決定し、決定したタイミングに従って送信パケットのデータを変調部に送出する送信タイミング決定部、404は入力されたデータに変調をかけ、ベースバンド信号を生成する変調部、403は入力されたデジタルのベースバンド信号をアナログのベースバンド信号にD/A(Digital to Analog)変換するD/A部、402は入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、送信に必要な電力まで増幅する送信部、413は各ブロックの入出力を監視し、必要に応じて各ブロックを制御する制御部である。本実施例では信号の変調方式としてサイクリックプリフィクスを付加したOFDMを使用する。
次に無線制御局の構成の一例を図5に示す。501、502はRF信号を受信するアンテナ、503、504は受信したRF信号をベースバンド信号に変換する受信部、505、506は入力されたアナログのベースバンド信号をA/D変換し、デジタルのベースバンド信号を出力するA/D部、507、508は入力された信号を所定の時間記憶し、指定された時間から記憶している信号の情報を取り出す事が出来る受信信号記憶部、509、510はベースバンド信号の異なる区間の相関を検出する相関検出部、515は相関検出部509、510の出力から受信信号に含まれるサイクリックプリフィクスを検出し、受信信号に含まれる受信シンボルの区間を推定するサイクリックプリフィクス(CP)検出部、516、517はサイクリックプリフィクス検出部515で推定された受信シンボル区間の受信データに対し重みをかけ、ビームフォーミング処理を行うビーム合成部、518、519はビーム合成部516、517で使用した重みと受信信号に含まれるプリアンブルから伝搬路情報を推定する伝搬路推定部、520、521は伝搬路推定部518、519で得られる伝搬路情報を利用して受信信号に含まれるデータ部の復調を行う復調部、522は接続を図示していないが各ブロックの入出力を監視し、各ブロックを制御する制御部である。受信アンテナとビーム生成部、復調部が2つずつあるため、一度に2つの信号が重畳送信されていても1つの信号を干渉として抑圧し、2つの信号をそれぞれ所望の信号として復調する事が可能である。
以下、無線端末局の動作を説明する。無線端末局は、無線制御局に対して送信するデータが発生する度に送信処理を開始する。送信処理の制御フローを図8に示す。ステップS801で送信データを含む送信パケットを生成し、続いてステップS802でキャリアセンスを行う。ステップS803でキャリアが検出されたかどうかを判断し、キャリアが検出されなかった時はステップS809に進んですぐに送信を開始する。キャリアが検出された時はステップ804に進む。ステップS804で受信信号に含まれるサイクリックプリフィクスを検出し、続くステップS805で検出したサイクリックプリフィクスのタイミングから現在受信している信号に重畳して送信して良いか判断し、重畳して送信できないと判断した時はステップS806に進み、重畳して送信できると判断した時はステップS807に進む。ステップS806では所定の時間待機し、ステップS802に戻る。待機する時間は特に指定されない。待機中は受信部を停止させる事が可能となるため、消費電力と送信データに対して許容される遅延時間等の条件から待機時間を決めて良い。ステップS807では検出したサイクリックプリフィクスから送信タイミングを設定し、送信開始タイミングまで待機した後、S809に進んで送信を開始し、送信が終了した時点で一連の送信処理を終了する。
サイクリックプリフィクスの検出方法の一例を、図6を用いて説明する。サイクリックプリフィクス604はデータ部の末端部部分605と同じ信号を使用している。そのため、受信信号が直達波のみで雑音が無視できる環境を仮定した時に、受信信号のある時刻からサイクリックプリフィクス604長の区間と、ある時刻の有効シンボル長606後からサイクリックプリフィクス604長の区間の相関を求めると、波形1のような値が得られる。相関は受信信号の受信シンボル先頭である時刻T601、T602、T603等でピークとなり、これらピークの時刻からサイクリックプリフィクスが始まると判断する事ができる。受信信号に遅延波が含まれる場合は相関のピークが複数観測され、波形2のようになるが、一般的な環境では主要な遅延波がある程度の時間内に収まる事が殆どであるため、最初のピークが現れてから一定の区間内に現れるピークを無視すれば良い。OFDMを用いる場合は想定される主要な遅延波がガードインターバル長に収まるようにシステム設計を行う事が一般的であり、前記ピークを無視する区間としてガードインターバル長を目安として使用する事が可能となる。ピークの誤検出を避けるために、ある値以下のピークを無視しても良い。なお、サイクリックプリフィクスは受信シンボルの先頭に配置されるため、サイクリックプリフィクスの始まるタイミングを検出する事は受信シンボルの開始タイミングを検出する事と等しい。
続いて検出したサイクリックプリフィクスから重畳送信が可能であるかどうかを判断する方法の一例を説明する。重畳送信が可能かどうかの判断は無線制御局が一度に復調できる信号の数に依存するため、この一度に復調できる信号の数によって判断方法を変えて良い。本実施例では無線制御局が一度に復調できる信号の数が2を想定した判断方法の一例を示す。先に示した方法でサイクリックプリフィクスの検出を行った後、検出したサイクリックプリフィクスの間隔が受信シンボル長とほぼ等しいかどうかを調べる。サイクリックプリフィクスの間隔が受信シンボル長とほぼ等しい場合、またはサイクリックプリフィクスの間隔が受信シンボル長より長い場合は複数の信号が重畳されていない状態と見なし、重畳送信が可能と判断する。サイクリックプリフィクスの間隔が受信シンボル長より短い場合は複数の信号が重畳されている状態とみなし、更なる重畳送信はできないと判断する。この時遅延波の影響などで誤判断する事を防ぐために、受信シンボル長よりある程度短い間隔の時のみ複数の信号が重畳されているとみなしても良い。
続いて重畳して送信する際の送信タイミングの設定方法の一例を説明する。送信タイミングの設定方法も無線制御局が一度に復調できる信号の数によって決めて良い。本実施例では無線制御局が同時に復調できる信号の数が2を想定した設定方法の一例を示す。まず、検出した複数のサイクリックプリフィクスの時刻から受信している一連の信号の送信時刻と送信シンボルの送信間隔を推定する。サイクリックプリフィクスの検出には誤差が含まれるため、送信時刻と送信シンボルの送信間隔の推定時に最小二乗法などを適用しても良い。送信時刻と送信シンボルの送信間隔を推定した後、送信する送信シンボルの開始時刻が、受信している信号の受信シンボルの開始時刻から送信シンボル長の半分経過した時刻になるように設定する。受信している信号の送信シンボルの開始時刻が図6のT601、T602、T603となることが推定出来た場合、重畳して送信する送信シンボルの開始時刻をT607と設定する。これにより信号が重畳された時に互いのサイクリックプリフィクスが重ならないようにする事が可能となる。
次に無線制御局の受信動作を説明する。無線制御局は受信信号に含まれるサイクリックプリフィクスを利用して受信シンボルを検出し、受信シンボル単位でビームフォーミングを行い、ビームフォーミングに使用した重みとビームフォーミング後の信号に含まれるプリアンブルを利用して受信信号を復調する。図9にビームフォーミングのフローを示す。ステップS901で受信信号のある時刻からサイクリックプリフィクス長の区間と、ある時刻の有効シンボル長後からサイクリックプリフィクス長の区間の相関を求める。ステップS902は求めた相関から受信信号中のサイクリックプリフィクス位置を検出する。ステップS903は検出したサイクリックプリフィクスからビームフォーミングを行うシンボルタイミングを設定する。検出したサイクリックプリフィクスから複数の送信信号が重畳されていると判断された時は、複数のシンボルタイミングを設定する。本実施例では復調部を2つ使用するため、2つまで信号の重畳を検出する。ステップS904で設定したシンボルタイミングからビームフォーミングに使用するデータを受信信号記憶部507、508から取得する。ステップS905で取得したデータを用いて受信信号をビームフォーミングする。
図7を使用してサイクリックプリフィクスの検出、受信シンボルの設定、ビームフォーミング用データの取得について補足する。図7は無線端末局1と無線端末局2から異なるタイミングで信号が送信されている時の一例を示している。無線端末局1からは時刻T701に送信シンボル先頭がくるタイミングで送信され、無線端末局2からは時刻T702に送信シンボルの先頭が配置されるタイミングで送信されている。このような状況で信号の相関を求めると、波形3のような相関が得られる。得られた相関信号のピークの時刻を受信信号に含まれるサイクリックプリフィクスの開始時刻とし、また受信シンボルの開始時刻とする。この例のように複数の信号が重畳されている場合、相関信号のピークの間隔は受信シンボル長より短いため、複数の信号が重畳されている事がわかる。このような場合、受信シンボル長と等しい、もしくはほぼ同等の間隔のピークを一つの信号の受信シンボルタイミングとする。図7の例では707、708と続くタイミングを1つめの信号の受信シンボルタイミングとし、709、710と続くタイミングを2つめの信号の受信シンボルタイミングとする。なお遅延波がある場合、波形3のように送信シンボル開始タイミング以外の時刻にピークが得られる事がある。一般的な受信環境では主要な遅延波がある程度の時間内に収まる事が殆どであるため、最初のピークが現れから一定の区間内に現れるピークを無視すればよい。OFDMを用いる場合は想定される主要な遅延波がガードインターバル長に収まる事が殆どであるため、前記ピークを無視する区間としてガードインターバル長を目安にする事が可能である。ピークの誤検出を避けるために、一定値以下のピークを無視しても良く、時間方向の誤差を少なくするために最小二乗法などによる補正を行っても良い。
受信シンボルタイミングが設定された後、ビームフォーミング用のデータを取得する。ビームフォーミングはサイクリックプリフィクスと有効シンボルの末端が同じ信号である事を利用するため、このサイクリックプリフィクスと有効シンボルの末端の信号をビームフォーミング用信号として取得する。図7に示した例の場合、サンプル取得部511、513で取得する区間は711、712で、サンプル取得部512、514で取得する区間は713、714になる。サンプル取得部511、512で取得したデータを用いて1つめの信号に対するビームフォーミングを行い、サンプル取得部513、514で取得したデータを用いて2つめの信号に対するビームフォーミングを行う。シンボル開始時刻の誤検出によってサイクリックプリフィクスと有効シンボルの末端の信号をビームフォーミング用信号として取得する際に周期性の無い部分を取得する事を避けるためにサイクリックプリフィクス長よりも短い期間だけ取得しても良い。
次にビームフォーミングの方法を説明する。ビームフォーミングには様々アルゴリズムが使用できるが、本実施例では非特許文献1に示されているSMI(Sample Matrix Inversion)を用いるアルゴリズムを使用する。ビームフォーミングに使用する重みWとして
を使用する。ただしWは
であり、wkはk番目のアンテナに使用する重みである。k番目のアンテナの受信信号をxk’(t)、受信信号のベクトル表現を
とし、受信信号のサイクリックプリフィクス区間の信号をxk(t)、ビームフォーミング後の信号、すなわちX’WHの有効シンボル末端のサイクリックプリフィクス長区間のk番目の信号をrk(t)としたときに(kはそれぞれアンテナ番号)、それぞれのベクトル表現は
となり、
Rxx、rxrは
Rxx、rxrは
より求められる。上添字Tは転置、上添字Hは共役、上添字*エルミート共役、E[]は期待値演算である。なお、Wを所定の初期値、例えば全て1を用いてrxrを計算して重みを求めた後に、更新後のWを使用してrxrを再度計算し、繰り返しWを求める事でWを最適な値に近づける事が可能となる。
ビームフォーミングを行った後の信号は干渉信号が抑圧された状態となっている。この干渉が抑圧された信号から所望の信号を復調する。復調は受信信号に含まれるプリアンブルから伝搬路を伝搬路推定部518、519で推定し、復調部520、521でプリアンブルに続くデータ部を等化し、復調処理をすることで行う。ただし、ビーム合成部516、517で受信シンボル毎にビームフォーミングが行われ、みかけの伝搬路が変動している状態となっているため、パケット内でみかけの伝搬路を一定にするためにパケット先頭の受信シンボルでビームフォーミングに使用した重みの逆行列を2つめ以降の受信シンボルに対して使用した重みに対して乗じ、伝搬路推定、等化、復調を行う。
このビームフォーミングにより信号を分離するためには、分離する信号のサイクリックプリフィクスが完全に重ならなければ良い。分離する信号のサイクリックプリフィクスが全く重ならない事が望ましいが、一部が重なる場合においても干渉抑圧能力が低下するもののビームフォーミングが動作する。以上に示した例では干渉抑圧能力とサイクリックプリフィクス検出の容易性からサイクリックプリフィクスが完全に重ならないように制御する一例を示したが、プリアンブルを利用するなどの方法で一部が重なったサイクリックプリフィクスの検出(受信シンボルの検出)が可能である場合はサイクリックプリフィクスが一部重なるように送信タイミングを制御しても良い。
以上に示した処理を行う事で図7に示したように複数の無線端末装置から重畳して送信する際にサイクリックプリフィクスが重ならないように処理する事が可能となり、無線制御局においてブラインドビームフォーミングによる受信を行う際に干渉波を抑圧する能力が劣化する事を防ぐ事が出来る。
(第2の実施の形態)
本実施例の概略を図10に示す。本実施例で示す無線通信システムは、1つの無線制御局1001と3つの無線端末局(1002、1003、1004)から構成される。無線制御局は無線制御装置ともいい、無線端末局は無線端末装置ということもある。無線基地局1001は定期的に無線端末局(1002、1003、1004)に対して制御データを報知し、無線端末局(1002、1003、1004)は送信データが発生する都度、送信データを含むデータパケットが無線端末局(1002、1003、1004)から無線制御局1001に対して送信される。データパケットの構造、送信シンボルの構造、変調方式は第1の実施例と同じものを使用し、無線制御局1101と無線端末局(1002、1003、1004)で同じものを使用する。ただし、本実施例では最大で3つの無線端末局からの送信信号を重畳するために、サイクリックプリフィクスの長さに対するデータ部の長さは十分長い事を想定する。
(第2の実施の形態)
本実施例の概略を図10に示す。本実施例で示す無線通信システムは、1つの無線制御局1001と3つの無線端末局(1002、1003、1004)から構成される。無線制御局は無線制御装置ともいい、無線端末局は無線端末装置ということもある。無線基地局1001は定期的に無線端末局(1002、1003、1004)に対して制御データを報知し、無線端末局(1002、1003、1004)は送信データが発生する都度、送信データを含むデータパケットが無線端末局(1002、1003、1004)から無線制御局1001に対して送信される。データパケットの構造、送信シンボルの構造、変調方式は第1の実施例と同じものを使用し、無線制御局1101と無線端末局(1002、1003、1004)で同じものを使用する。ただし、本実施例では最大で3つの無線端末局からの送信信号を重畳するために、サイクリックプリフィクスの長さに対するデータ部の長さは十分長い事を想定する。
無線端末局の構成の一例を図11に示す。1101はRF信号を送受信するためのアンテナ、1102はアンテナ1101の接続先を制御部1115の指示に従って切り替える送受切替部、1103は受信したRF信号をベースバンド信号に変換する受信部、1104はアナログのベースバンド信号をA/D変換するA/D部、1105は受信したベースバンド信号の異なる区間の相関を検出する相関検出部、1106は受信した信号に変調信号が含まれているかどうかを検出するキャリアセンス部、1107は受信した信号に含まれるプリアンブルから伝搬路を推定する伝搬路推定部、1108は推定した伝搬路情報を利用し、受信信号のデータ部を復調する復調部、1109は送信データから送信パケットを生成するパケット生成部、1110は生成された送信パケットを送信タイミングまで蓄積する事が出来る送信信号記憶部、1111は制御部1116からの指示で送信タイミングを決定し、決定したタイミングに従って送信パケットのデータを変調部に送出する送信タイミング決定部、1112は入力されたデータに変調をかけ、ベースバンド信号を生成する変調部、1113は入力されたデジタルのベースバンド信号をアナログのベースバンド信号にD/A変換するD/A部、1114は入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、送信に必要な電力まで増幅する送信部、1115は各ブロックの入出力を監視し、必要に応じて各ブロックを制御する制御部である。
次に無線制御局の構成の一例を図12に示す。1201、1202、1203はRF信号を受信する受信アンテナ、1204、1205、1206は受信したRF信号をベースバンド信号に変換する受信部、1207、1208、1209は入力されたアナログのベースバンド信号をA/D変換し、デジタルのベースバンド信号を出力するA/D部、1239、1240、1241は入力された信号に変調信号が含まれるかどうかを検出するキャリアセンス部、1207、1208、1209は入力された信号を所定の時間記憶し、指定された時間から記憶している信号の情報を取り出す事が出来る受信信号記憶部、1210、1211、1212はベースバンド信号の異なる区間の相関を検出する相関検出部、1222は相関検出部1210、1211、1212の出力から受信信号に含まれるサイクリックプリフィクスを検出し、受信信号に含まれる受信シンボルの区間を推定するサイクリックプリフィクス(CP)検出部、1223、1224、1225はサイクリックプリフィクス検出部1222で推定された受信シンボル区間の受信データに対し、重みをかけ、ビームフォーミング処理を行うビーム合成部、1226、1227、1228はビーム合成部1223、1224、1225で使用した重みと受信信号に含まれるプリアンブルから伝搬路情報を推定する伝搬路推定部、1229、1230、1231は伝搬路推定部1226、1227、1228で得られる伝搬路情報を利用して受信信号に含まれるデータ部の復調を行う復調部、1232は制御部で生成される制御データから送信パケットを生成するパケット生成部、1233は生成された送信パケットを送信タイミングまで蓄積する事が出来る送信信号記憶部、1234は制御部1242からの指示とキャリアセンス部1239、1240、1241からの出力によって送信タイミングを決定し、決定したタイミングに従って送信パケットのデータを変調部に送出する送信タイミング決定部、1235は入力されたデータに変調をかけ、ベースバンド信号を生成する変調部、1236は入力されたデジタルのベースバンド信号をアナログのベースバンド信号にD/A変換するD/A部、1237は入力されたベースバンド信号をRF信号に変換し、送信に必要な電力まで増幅する送信部、1238は送信部1237から出力されたRF信号を送信するための送信アンテナ、1242は接続を図示していないが各ブロックの入出力を監視し、各ブロックを制御する制御部である。受信アンテナとビーム生成部、復調部が3つずつあるため、一度に3つの信号が重畳送信されていても2つの信号を干渉として抑圧し、3つの信号をそれぞれ所望の信号として復調する事が可能である。
以下、無線端末局の動作を説明する。無線端末局は、無線制御局に対して送信するデータが発生すると送信処理を行い、送信データが無い時は無線制御局から送信される制御情報が送信される事を待機し、制御情報が送信された時は無線端末局内の制御情報を受信した制御情報で書き換える。これらの制御フローを図14に示す。最初にステップS1401で無線端末局内の制御情報を初期化する。この制御情報は無線制御局がその時点で復調可能な信号数である。後述するフローによりこの制御情報は無線制御局から定期的に送信されるが、ステップS1401の時点では制御情報を受信していないため、予め決められた値が使用される。この値は特に制限されないが、無線制御局が備えている復調部の数を超えない値である事が望ましい。本実施例では無線制御局が3つの復調部を備えるため、初期値として3を使用する。
続いてステップS1402で無線端末局に無線制御局に対する送信データがあるかどうか調べ、送信データがある場合はステップS1403に進み、無い場合はステップS1404に進む。ステップS1403では図8に示したフローと同様の手順で送信処理を行う。ただし、ステップS805の重畳送信可の判断と、ステップS807の送信タイミング設定は、無線制御局の受信部が3つで、制御情報を用いる後述の処理に置き換えるものとする。
続いてステップS1402で無線端末局に無線制御局に対する送信データがあるかどうか調べ、送信データがある場合はステップS1403に進み、無い場合はステップS1404に進む。ステップS1403では図8に示したフローと同様の手順で送信処理を行う。ただし、ステップS805の重畳送信可の判断と、ステップS807の送信タイミング設定は、無線制御局の受信部が3つで、制御情報を用いる後述の処理に置き換えるものとする。
ステップS1404ではキャリアセンスを行い、ステップS1405でキャリアが検出された場合はステップS1406に進み、検出されなかった場合はステップS1409に進む。ステップS1405では受信信号に含まれるパケットを復調し、ステップS1407で復調したパケットに送信先の無線制御局から送信された制御情報が含まれているかどうかを調べ、含まれていた場合はステップS1408へ、含まれていなかった場合、もしくはパケットの復調に失敗した場合はステップS1409に進む。ステップS1408では無線端末局内の制御情報を受信した制御情報で置き換え、ステップS1409に進む。ステップS1409では所定の時間待機し、ステップS1402に戻り、以下送信処理と制御情報の更新処理を繰り返す。ステップS1409で待機する場間は特に指定されない。待機中は受信部を停止させる事が可能となるため、消費電力と送信データに対して許容される遅延時間等の条件から待機時間を決めて良い。
次に重畳送信が可能かどうかの処理と、送信タイミング設定の処理について図15を用いて説明する。図15では制御情報が3の状態で、無線端末局1002、無線端末局1003、無線端末局1004の順に送信要求が発生し、重畳送信を行う場合を一例として示している。最初はどの無線端末局も送信していないので、無線端末局1002は時刻T1501に送信シンボル先頭がくるタイミングで送信を開始する。その後無線端末局1003に送信要求が発生し送信を開始しようとするが、無線端末局1002が送信を開始している事でキャリアセンス時にキャリアを検出し、その後重畳送信が可能かどうかを判断する事になる。全ての無線端末局は相関検出部1105で受信信号のある時刻からサイクリックプリフィクス長の区間と、ある時刻の有効シンボル長後からサイクリックプリフィクス長の区間の相関を求める事で受信信号中のサイクリックプリフィクス位置を検出する。この時の相関検出部1105の出力は波形4のようになるため、時刻T1501、時刻T1504を受信信号のサイクリックプリフィクス位置として検出する。実施例1に示したようにサイクリックプリフィクスの検出時に最初のピークが現れてから一定の区間内に現れるピークを無視したり、一定値以下のピークを無視したり、最小二乗法などによる補正を行っても良い。送信シンボル長の区間内に検出したサイクリックプリフィクスがいくつ含まれるかによって現在受信している信号の重畳数を判断し、受信している信号の数が制御情報未満の時に重畳送信が可能かどうかを判断する。
重畳送信が可能かどうかの判断方法の一例として、本実施例ではサイクリックプリフィクスの間隔の中で一番長い間隔が所定の値以上であるかどうかによって判断する。この値は様々な値が使用可能であるが、該当するサイクリックプリフィクスの間隔の中心時刻に、他の無線端末局が送信シンボルを開始した時にサイクリックプリフィクスが重複せず、無線制御局の相関検出部が出力する相関信号が遅延波によって広がった時に重畳している信号のサイクリックプリフィクスによるピーク検出が可能となる値を使用する事が望ましく、例えばサイクリックプリフィクス長の4倍を超える値などを使用する。図15ではサイクリックプリフィクス長の5倍を使用している。
重畳送信が可能かどうかの判断方法の一例として、本実施例ではサイクリックプリフィクスの間隔の中で一番長い間隔が所定の値以上であるかどうかによって判断する。この値は様々な値が使用可能であるが、該当するサイクリックプリフィクスの間隔の中心時刻に、他の無線端末局が送信シンボルを開始した時にサイクリックプリフィクスが重複せず、無線制御局の相関検出部が出力する相関信号が遅延波によって広がった時に重畳している信号のサイクリックプリフィクスによるピーク検出が可能となる値を使用する事が望ましく、例えばサイクリックプリフィクス長の4倍を超える値などを使用する。図15ではサイクリックプリフィクス長の5倍を使用している。
送信タイミング設定方法は様々な方法が使用できるが、重畳して送信する際にサイクリックプリフィクスが重複せず、無線制御局の相関検出部が出力する相関信号が遅延波によって広がった時に重畳している信号のサイクリックプリフィクスによるピーク検出が可能となる事が望ましい事から、一例として受信している信号の送信シンボル開始時刻から重畳送信が可能かどうかを判断するために使用する値の半分の時間後に送信を開始する方法が使用できる。図15では無線端末局が時刻T1501からサイクリックプリフィクス長の2.5倍の時間1509後のT1502に送信シンボルの開始タイミングを設定している。
無線端末局1003が送信を開始した後に無線端末局1004に送信要求が発生し、キャリアが検出されるため、無線端末局1003と同様に受信信号の相関信号からサイクリックプリフィクスを検出する。相関信号は波形5のようになるので、サイクリックプリフィクスは時刻T1501、T1502、T1504、T1505から開始するとして検出し、受信信号の重畳数を判断した後に送信信号のサイクリックプリフィクスの間隔を調べる。これらのサイクリックプリフィクスの間隔の中で最も広いのは時刻T1502、T1504間であるため、この間隔が前記の重畳送信が可能かどうかを判断するために使用する値以上であるか調べ、図15の場合はこの値以上であるため、無線端末局1003同様にT1502から時間1509後の時刻T1503に送信シンボルの開始タイミングを設定する。
制御情報の値が3より小さい場合、例えば2である場合、図15の例では無線端末局1004は送信できない。また、制御情報が1である場合は無線端末局1003、1004の送信は出来ず、無線端末局1002のみが送信可能となる。
次に無線制御局の動作を説明する。ビームフォーミング、ならびに復調動作は実施例1とほぼ同様で、復調部1229、1230、1231が3つある事が異なる。サイクリックプリフィクス検出部1222では最大3つまで信号の重複を検出し、最大3組のビームフォーミング用データを取得するための情報を生成する。図15のような送信タイミングで3つの無線端末局が送信した場合、無線制御局の相関検出部1210、1211、1212の出力波形は波形6のようになり、1つめの信号の送信シンボル開始時刻がT1501、T1504、2つめの信号の送信シンボル開始時刻がT1502、T1505、3つめの信号の送信シンボル開始時刻がT1503、T1506であると検出できるため、それぞれの送信シンボルに対応した受信信号をビーム合成部1223、1224、1225でビームフォーミング処理する。ビームフォーミング処理後の信号は、信号に含まれるプリアンブルを用いて伝搬路推定部1226、1227、1228で伝搬路情報の推定が行われ、推定された伝搬路情報を用いて復調部1229、1230、1231で等化、復調される。なお、実施例1と同様にビームフォーミング処理により受信シンボル毎にみかけの伝搬路が変動するため、ビームフォーミングに用いた重みを考慮して伝搬路推定、等化、復調を行う。
また、無線制御局は信号の受信品質を考慮し、無線端末局に対して定期的に制御情報を報知する。この制御情報は、無線制御局がその時点でどれだけの数の信号が重畳送信されても良いかを示す情報で、無線制御局が受けている干渉、無線制御局と無線端末局の伝搬路の状態、雑音の量など受信品質によって変わる。例えば無線制御局に収容している無線端末局以外の無線送信装置から強い干渉を受けている場合、ビームフォーミング処理によって干渉発生源からの信号を抑圧し、受信品質を向上させる必要があるが、この干渉源からの信号を抑圧してしまうと、他に抑圧可能な信号数が減るため復調可能な所望信号の数が減ってしまう。このような状態では重畳される信号数を減らす必要がある。本実施例では一例として、受信品質として現在受信している信号数を用い、制御情報として(基地局が備えている復調部の数)−(現在受信している信号数)の値を使用する。現在受信している信号数の検出方法の一例として、受信シンボル長内にサイクリックプリフィクス検出部1222で検出されるサイクリックプリフィクスの数を使用する事ができる。制御情報の値はこれに限らず、伝搬路の状態、雑音の量、復調に失敗した受信パケットの数、自無線制御局以外の宛先である受信パケットの数などによって決めても良い。
制御情報送信のフローを図13に示す。最初にステップS1301で制御情報を初期化する。本実施例では制御情報の初期値として復調部の数、すなわち3を使用する。続いてステップS1302で制御情報を無線端末局に対して送信(報知)する。次にステップS1303で所定の時間待機し、ステップS1304で受信品質を測定する。ステップS1305で受信品質が変化して制御情報の値が変わるかどうかを調べ、変わる場合はステップS1306で制御情報を再生成し、制御情報の値が変わらない場合はステップS1303に戻る。ステップS1306で制御情報を再生成した後はステップS1302に戻り、再生成後の制御情報を送信する。
制御情報の送信はキャリアセンス部1239、1240、1241でキャリアが検出されなくなるまで待ってから送信を開始する。これにより無線端末局から送信される信号に重畳して送信する事を防き、無線端末局で制御情報が重畳されて受信される事を防ぐ。また、受信品質の測定は1受信シンボル長ではなく、更に長い時間測定した結果を用いても良い。これによりフェージングなどの影響で現在受信している信号数を誤る可能性を低下させる事が出来る。
以上に示した処理を行う事で、図15に示したように複数の無線端末装置から重畳して送信する際にサイクリックプリフィクスが重ならないように処理する事が可能となり、無線制御局においてブラインドビームフォーミングによる受信を行う際に干渉波を抑圧する能力が劣化する事を防ぐ事が出来る。また、無線制御局が干渉を受けている際に、無線端末局から重畳して送信される信号数を減らす事で無線制御局の干渉抑圧能力を超えないようにし、干渉によって通信品質が劣化する事を防ぐ事が可能となる。
また、上記の実施の形態において、添付図面に図示されている構成等については、これらに限定されるものではなく、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。また、本発明の各構成要素は、任意に取捨選択することができ、取捨選択した構成を具備する発明も本発明に含まれるものである。
また、本願発明の端末装置は、移動局装置への適用に限定されるものではなく、屋内外に設置される据え置き型、または非可動型の電子機器、たとえば、AV機器、キッチン機器、掃除・洗濯機器、空調機器、オフィス機器、自動販売機、その他生活機器などに適用出来ることは言うまでもない。
また、本実施の形態で説明した機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。尚、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また前記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。機能の少なくとも一部は、集積回路などのハードウェアで実現しても良い。
本発明は、無線通信装置に利用可能である。
101…無線制御局、102…無線端末局1、103…無線端末局2、104…無線端末局3、401…送受切替部、402…送信部、403…D/A部、404…変調部、405…送信タイミング決定部、407…パケット生成部、408…受信部、409…A/D部、410…キャリアセンス部、411…相関検出部、412…アンテナ、413…制御部、511〜412…アンテナ、503〜504…受信部、505〜506…A/D部、507〜508受信信号記憶部、509〜510…相関検出部、515…サイクリックプリフィクス検出部、516〜517…ビーム合成部、518〜519…伝搬路推定部、520〜521…復調部、522…制御部、1001…無線制御局、1002…無線端末局1、1003…無線端末局2、1004…無線端末局3、1101…アンテナ、1102…送受切替部、1103…受信部、1104…A/D部、1105…相関検出部、1106…キャリアセンス部、1107…伝搬路推定部、1108…復調部、1109…パケット生成部、1110…送信信号記憶部、1111…送信タイミング決定部、1112…変調部、1113…D/A部、1114…送信部、1115…制御部、1201〜1203…受信アンテナ、1204〜1206…受信部、1207〜1209…A/D部、1210〜1212…相関検出部、1222…サイクリックプリフィクス検出部、1223〜1225…ビーム合成部、1226〜1228…伝搬路推定部、1229〜1231…復調部、1232…制御パケット生成部、1233…送信信号記憶部、1234…送信タイミング決定部、1235…変調部、1236…D/A部、1237…送信部、1238…送信アンテナ、1239〜1241…キャリアセンス部
Claims (9)
- 無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用する無線端末装置で、
送信信号の変調の際にサイクリックプリフィクスを用いた信号を出力する変調部と、
他の無線端末装置が送信する信号に含まれるサイクリックプリフィクスのタイミングを検出するサイクリックプリフィクス検出部と、
前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングと異なるタイミングでサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する制御部を備える事を特徴とする無線端末装置。 - 他の無線端末装置が送信しているかどうかを判断するキャリアセンス部を更に備え、
前記制御部は、他の無線端末装置が送信していない場合はすぐに送信を開始する事を特徴とする請求項1記載の無線端末装置。 - 前記制御部は、前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングが所定の間隔以上の時に送信を開始するように制御する事を特徴とする請求項1または請求項2記載の無線端末装置。
- 前記制御部は、前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングのいずれか1つから所定の時間後にサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する事を特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の無線端末装置。
- 前記無線制御装置から送信される制御情報を受信する受信部を備え、
前記制御部は、受信した制御情報と前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングによって送信を開始するように制御する事を特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の無線端末装置。 - 無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用する無線制御装置で、
複数の無線端末装置から同時に送信される信号を受信する受信部と、
前記受信した信号の受信品質に基づいてどれだけの数の信号が重畳送信されても良いかを示す制御情報を生成する制御部と、
前記生成された制御情報を送信する送信部を備える事を特徴とする無線制御装置。 - 前記生成される制御情報が同時に受信できる信号の数に基づく事を特徴とする請求項6記載の無線制御装置。
- 無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用する無線送信方法で、
送信信号の変調の際にサイクリックプリフィクスを用いた信号を用い、
他の無線端末装置が送信する信号に含まれるサイクリックプリフィクスのタイミングを検出するサイクリックプリフィクスを検出し、
前記検出したサイクリックプリフィクスのタイミングと異なるタイミングでサイクリックプリフィクスを送信するタイミングで送信を開始するように制御する事を特徴とする無線送信方法。 - 無線制御装置と、複数の無線端末装置から構成される無線通信システムに使用する無線送信方法で、
複数の無線端末装置から同時に送信される信号を受信し、
前記受信した信号の受信品質に基づいてどれだけの数の信号が重畳送信されても良いかを示す制御情報を生成し、
前記生成された制御情報を送信する事を特徴とする無線送信方法。
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JP2013020475A JP2014154917A (ja) | 2013-02-05 | 2013-02-05 | 無線端末装置、無線制御装置、および無線通信方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10856336B2 (en) | 2015-09-10 | 2020-12-01 | Nec Corporation | Communication system |
-
2013
- 2013-02-05 JP JP2013020475A patent/JP2014154917A/ja active Pending
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