JP2014154333A - コンセントの刃受構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、コンセントの刃受構造において、刃受と栓刃との接触部における異常発熱の際に栓刃への通電回路を遮断するための設計容易で信頼性の高い構造を実現する。
【解決手段】刃受構造1は、栓刃9を挟持する2枚のバネ性を有する導電性の刃受2と、導電性のバイメタルから成る一対の熱変形部3と、各熱変形部3に導通する電源供給部材21とを備えている。栓刃9が、刃受構造1に挿入されると、刃受2が外側に移動し、熱変形部3に接触し、栓刃9と刃受2と熱変形部3とが互いに導通する。刃受構造1の使用状態において、接触部2aに熱Qが発生すると、熱Qは熱変形部3に伝導し、熱変形部3を加熱する。異常発熱の際には、熱Qによって熱変形部3のバイメタルが動作し、熱変形部3を刃受2から離間させる方向に変形させる変形力Fが発生して栓刃9へ回路が遮断される。
【選択図】図3
【解決手段】刃受構造1は、栓刃9を挟持する2枚のバネ性を有する導電性の刃受2と、導電性のバイメタルから成る一対の熱変形部3と、各熱変形部3に導通する電源供給部材21とを備えている。栓刃9が、刃受構造1に挿入されると、刃受2が外側に移動し、熱変形部3に接触し、栓刃9と刃受2と熱変形部3とが互いに導通する。刃受構造1の使用状態において、接触部2aに熱Qが発生すると、熱Qは熱変形部3に伝導し、熱変形部3を加熱する。異常発熱の際には、熱Qによって熱変形部3のバイメタルが動作し、熱変形部3を刃受2から離間させる方向に変形させる変形力Fが発生して栓刃9へ回路が遮断される。
【選択図】図3
Description
本発明は、プラグの栓刃が挿入されるコンセントの刃受構造に関する。
従来から、コンセントの刃受とプラグの栓刃という2つの導体が機械的に接触する部分の電気的な接触抵抗を低減して、通電確保とエネルギロスの低減が図られている。ところが、刃受と栓刃との間に異物が介在するなどの何らかの原因で接触抵抗が増大して異常発熱すると、コンセントに不測の事態を招く虞がある。図19は、従来の刃受構造を備えたコンセント10を示す。コンセント10は、樹脂ケース11に設けた空洞に、プラグ90の栓刃9を挟持する刃受92を備えて構成されている。この刃受構造は、厚さ0.4mm、幅1.4mmの断面形状を有する黄銅(C2680)のバネ板材による刃受92によって構成されている。この刃受構造は、黄銅板のバネ性によって、栓刃9との接圧、および、栓刃9の挿抜に必要な負荷が確保されており、その定格通電による通常の使用には何ら問題はない。ところがこの刃受構造には、過剰電流や接触抵抗異常などによる刃受92と栓刃9との接触部における異常発熱に対する考慮はなされていない。そこで、形状記憶合金を用いて刃受を構成し、刃受部分で接触不良が生じて発熱した場合に、刃受が開いて栓刃との電気的接触を解除するようにした刃受構造を有するコンセントが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上述した特許文献1に示されるようなコンセントの刃受構造においては、一般に銅合金等に比べて導電率が低い形状記憶合金によって刃受そのものを構成しており、形状記憶合金の導電率が一般に銅合金等に比べて低く、刃受の設計が複雑になる。すなわち、刃受は、栓刃に対する接圧確保と通電確保の機能を備える必要があり、これらに加えて、形状記憶合金に電気的接触解除の機能を持たせ、信頼性の高いものを設計することは難しい。
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成により、設計容易で信頼性の高い、刃受と栓刃との接触部における異常発熱の際に栓刃への通電回路を遮断するコンセントの刃受構造を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明のコンセントの刃受構造は、プラグの栓刃が挿入され、栓刃と導通状態となる刃受を有したコンセントの刃受構造において、刃受と栓刃との間の通電時に刃受と栓刃との接触部に発生する熱を受けて変形する熱変形部を備え、熱変形部は、刃受または刃受への電源供給部材に設けられており、熱変形部の熱変形によって刃受と電源供給部材との間の回路、または、刃受と栓刃との間の回路を遮断することを特徴とする。
このコンセントの刃受構造において、熱変形部が、バイメタルによって構成されていてもよい。
このコンセントの刃受構造において、熱変形部が熱変形したときに係合して回路を遮断した状態を保持する手段を備えていてもよい。
このコンセントの刃受構造において、熱変形部が、形状記憶合金によって構成されていてもよい。
本発明のコンセントの刃受構造によれば、熱変形によって電源供給部材から栓刃に至る回路を遮断する熱変形部を刃受とは別に備えるので、構造設計を容易に行うことができ、従って、異常発熱対応への高信頼性を実現できる。
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態に係るコンセントの刃受構造について、図面を参照して説明する。図1乃至図5は、第1の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。刃受構造1は、図1(a)に示すように、プラグ90の栓刃9が図中のx方向から挿入されるコンセント10に組み込まれている。コンセント10は、樹脂成形体から成る樹脂ケース11を備えている。樹脂ケース11には、栓刃9が挿抜される開口11aと、開口11aに連通する空間11bと、が形成され、樹脂ケース11の後方には外部接続端子部91が接続されている。刃受構造1は、空間11bに内蔵され、刃受構造1に導通するための導電回路1aが外部接続端子部91に電気的に接続されている。外部接続端子部91は、例えば、商用電源に通じる電力線を挿入してワンタッチで接続する機構を有する速結端子装置である。
以下、本発明の一実施形態に係るコンセントの刃受構造について、図面を参照して説明する。図1乃至図5は、第1の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。刃受構造1は、図1(a)に示すように、プラグ90の栓刃9が図中のx方向から挿入されるコンセント10に組み込まれている。コンセント10は、樹脂成形体から成る樹脂ケース11を備えている。樹脂ケース11には、栓刃9が挿抜される開口11aと、開口11aに連通する空間11bと、が形成され、樹脂ケース11の後方には外部接続端子部91が接続されている。刃受構造1は、空間11bに内蔵され、刃受構造1に導通するための導電回路1aが外部接続端子部91に電気的に接続されている。外部接続端子部91は、例えば、商用電源に通じる電力線を挿入してワンタッチで接続する機構を有する速結端子装置である。
刃受構造1は、図1(b)に示すように、挿入される栓刃9を挟持する2枚のバネ性を有する導電性の刃受2と、導電性のバイメタルから成る一対の熱変形部3と、各熱変形部3に導通する電源供給部材21とを備えて構成されている。電源供給部材21は、導電回路1aに導通している。刃受2は、長方形の板材の長さ方向の一端側を自由端として栓刃9の挿入方向の奥方に向け、他端側を樹脂ケース11の空間11bにおける開口11a側の側壁に、片持ち梁状に保持されている。刃受2の自由端側は、湾曲され、湾曲形状の凸部表面が栓刃9への接触部2aとなるように構成されている。一対の刃受2は、互いの接触部2aが対向するように、かつ、その接触部2a間の間隙が栓刃9の厚みよりも狭くなるように配置されている。一対の熱変形部3は、一対の刃受2の全体を挟持するように各刃受2の外側に、各刃受2から離間して配置されている。各熱変形部3の奥方側は電源供給部材21に一体的に固定され、その電源供給部材21は樹脂ケース11内の空間11bの奥方壁に固定されている。従って、各熱変形部3は、空間11bの内部の一定位置に保持されている。この電源供給部材21は、熱変形部3を一定位置に保持する機能を有する導電性のものであればよく、バネ性を有する必要はない。
図1(c)に示すように、栓刃9が、刃受2のバネによる付勢力に抗して刃受構造1に挿入されると、一対の刃受2の間隔が広げられて各刃受2が外側に移動し、それぞれ、熱変形部3に接触し、栓刃9と刃受2と熱変形部3とが互いに導通する。この状態で、刃受2の接触部2aを形成した湾曲部は、栓刃9と熱変形部3との間に挟まれて圧縮されている。従って、栓刃9には、刃受2の片持ち梁の変形に基づく付勢力と、湾曲部の変形に基づく付勢力とを合わせた付勢力が刃受2からの接圧として作用する。また、熱変形部3には、湾曲部の変形に基づく付勢力が刃受2から作用する。これにより、電源供給部材21から熱変形部3と刃受2と圧接された接点とを経由して栓刃9に至る導電回路が形成される。刃受構造1において、熱変形部3は刃受2への電源供給部材21に設けられており、さらに、熱変形部3そのものも電源を供給する部材としての機能を有している。栓刃9がさらに挿入されると、図2(a)(b)に示すように、栓刃9が刃受構造1の定位置に挿入されて通電可能な使用状態になる。
図3(a)に示すように、刃受構造1の使用状態において、刃受2の接触部2aと栓刃9との間に異物が介在したり、栓刃9の表面に酸化層が存在していたりするなどの何らかの原因で接触抵抗が増大すると、電流と抵抗による通常以上のジュール熱が発生する。また、接触抵抗の増大がない場合であっても、プラグ側に過電流が流れると、接触部2aが異常発熱する。このようなジュール熱Qは、接触部2aに近接して設けられた熱変形部3に効率良く伝導し、熱変形部3を加熱する。ジュール熱が異常に大きく発生した場合に、図3(b)に示すように、熱変形部3を構成するバイメタルが動作し、熱変形部3を刃受2から離間させる方向に変形させる変形力Fが発生する。図4(a)(b)は、熱変形部3が動作して、栓刃9へ回路が遮断され、通電が遮断された状態を示す。バイメタルが変形して回路が遮断され、バイメタルへの通電がなくなっても、バイメタルの変形は熱時定数によって一定時間保持される。このため、チャタリングを起こすことはない。
熱変形部3を構成するバイメタルは、線膨張率の異なる金属を用いて構成されるので、その一種類の金属として電気伝導率の高い金属を用いることができる。従って、熱変形部3は、電源を供給する部材として有効に用いることができる。また、熱変形部3が、ジュール熱Qの発生源である接触部2aに近接して設けられているので、熱Qの放熱の影響を抑えて感度良く発熱を検知でき、異常発熱に的確に対処することができる。本発明の刃受構造1によれば、簡単な構成により、刃受2と栓刃9との接触部2aにおける異常発熱の際に栓刃9への通電回路を遮断する設計容易で信頼性の高いコンセントの刃受構造を提供することができる。
図5(a)(b)(c)は、刃受構造1の変形例を示す。この刃受構造1は、熱変形部3が刃受2に固定されており、熱変形部3と電源供給部材21との間に電気接点が設けられている点で、上述の図1に示した刃受構造1と異なり、その動作は上述と同様である。
図6、図7は、刃受構造1の他の変形例を示す。この刃受構造1は、図6(a)(b)に示すように、上述の図1(a)(b)(c)に示した刃受構造1における刃受2と電源供給部材21とを一体化したものであり、電源供給部材21に熱変形部3を備えたものである。電源供給部材21は、刃受2の接触部2aを栓刃9の表面に圧接する接圧を発生するために導電性のバネ板材で構成される。また、熱変形部3は、バイメタルで構成されている。このバイメタルは、バネ板材で構成される電源供給部材21の互いに対向する内側の面に、バネ板材の線膨張率よりも大きな線膨張率を有する板材を接合して構成することもできる。
図7(a)に示すように、刃受構造1の使用状態において、刃受2の接触部2aにおいてジュール熱Qが異常に大きく発生すると熱変形部3のバイメタルが動作する。すると、図7(b)に示すように、接触部2aを刃受2から離間させる方向に変形させる変形力Fが熱変形部3に発生する。これにより、刃受構造1は、刃受2と栓刃9との接触部2aにおける異常発熱の際に栓刃9への通電回路を遮断することができる。
(実施例1)上述の図1(a)(b)(c)に示した刃受構造1において、厚さ0.6mm、幅1.4mmの断面形状を有する錫入り銅(C1441−H)板をバネ板材として用いて刃受2を構成し、刃受構造1を製作した。熱変形部3にバイメタルを用いて、電源供給部材21と組み合わせて、栓刃9に対する接触圧に寄与しない導電回路を形成した。この実施例において、接触部2aにおける接圧が刃受2の錫入り銅板のバネ性によって適切に付与され、栓刃9の挿抜時の負荷が適切であることが確認された。また、この実施例において、表面に酸化層を有する栓刃9を刃受構造1に挿入して定格通電動作試験を行ったところ、異常発熱の後に、熱変形部3のバイメタルが作動して栓刃9への通電回路が開放、遮断されることが確認された。
(第2の実施形態)
図8乃至図10は、第2の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。この刃受構造1は、図8(a)(b)に示すように、上述の図6(a)(b)に示した刃受構造1の刃受2と電源供給部材21の構成において、バイメタルによる熱変形部3に代えて、コイル状の形状記憶合金によって構成された熱変形部3を備えるものである。形状記憶合金による熱変形部3は、コンセント10の樹脂ケース11の内壁に一端を固定され、他端を、刃受2における接触部2aとは反対側の面に固定されている。熱変形部3のコイル長は、例えば、刃受2に付勢力を及ぼさない程度の初期長とされている。また、このコイル長は、電源供給部材21による付勢力と形状記憶合金による弾性力との釣り合いのもとで、一対の接触部2a間の間隙が栓刃9の厚さよりも狭い所定の間隙となるように設定される。形状記憶合金は、変形後に特定温度以上に加熱すると変形前の形状に回復する性質を有している。そこで、形状記憶合金を、特定温度以上に加熱し、その状態で上述の初期長よりも圧縮した状態に変形させ、その状態で形状記憶合金を冷却することにより、高温時の形状を記憶した形状記憶合金が得られる。熱変形部3は、このような形状記憶合金を冷却した後に初期長まで伸張して変形させた構成とされている。
図8乃至図10は、第2の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。この刃受構造1は、図8(a)(b)に示すように、上述の図6(a)(b)に示した刃受構造1の刃受2と電源供給部材21の構成において、バイメタルによる熱変形部3に代えて、コイル状の形状記憶合金によって構成された熱変形部3を備えるものである。形状記憶合金による熱変形部3は、コンセント10の樹脂ケース11の内壁に一端を固定され、他端を、刃受2における接触部2aとは反対側の面に固定されている。熱変形部3のコイル長は、例えば、刃受2に付勢力を及ぼさない程度の初期長とされている。また、このコイル長は、電源供給部材21による付勢力と形状記憶合金による弾性力との釣り合いのもとで、一対の接触部2a間の間隙が栓刃9の厚さよりも狭い所定の間隙となるように設定される。形状記憶合金は、変形後に特定温度以上に加熱すると変形前の形状に回復する性質を有している。そこで、形状記憶合金を、特定温度以上に加熱し、その状態で上述の初期長よりも圧縮した状態に変形させ、その状態で形状記憶合金を冷却することにより、高温時の形状を記憶した形状記憶合金が得られる。熱変形部3は、このような形状記憶合金を冷却した後に初期長まで伸張して変形させた構成とされている。
図9(a)(b)に示すように、電源供給部材21による付勢力に抗して刃受構造1に栓刃9を挿入し、刃受2の接触部2aを介して栓刃9への通電が行われる。刃受構造1は、図10(a)(b)に示すように、何らかの原因で刃受2の接触部2aと栓刃9との間で異常発熱が発生した場合、熱変形部3の動作によって刃受2と栓刃9との間の回路を遮断する。この遮断の動作を説明する。刃受2と栓刃9との間の接触部2aで発生した熱Qは、熱変形部3に伝導し、熱変形部3の形状記憶合金を加熱する。形状記憶合金が加熱されて特定温度以上になると、形状記憶合金が記憶している形状に戻る動作がなされ、コイル状の形状記憶合金が収縮する。刃受2は、形状記憶合金の収縮に基づく変形力Fにより、栓刃9から引き離される。これにより、刃受2と栓刃9との間の回路が遮断される。高温時に記憶した熱変形部3のコイル長は、このような遮断が可能な長さである。
なお、一般に、形状記憶合金は、低温時に変形させるための力よりも、特定温度以上で記憶による形状が復帰するときに発揮される力の方が数倍大きいとされている。また、形状記憶合金は、冷却することのみによって自ら変形することはない。そこで、刃受2と電源供給部材21を構成するバネ板材による付勢力と、コイル状の形状記憶合金の弾性力と、特定温度以上で記憶による形状が復帰するときに発揮される力と、を調整することにより、刃受構造1の使用形態を設定することができる。例えば、回路が遮断されて通電が停止し、形状記憶合金の温度が下がったときに、回路の遮断状態を維持する設定にしたり、または、回路を再接続する設定にしたりすることができる。
(実施例2)上述の図8(a)(b)に示した刃受構造1において、厚さ0.4mm、幅1.4mmの断面形状を有する黄銅(C2680−3/4H)板をバネ板材として用いて刃受2および電源供給部材21を一体的に構成し、刃受構造1を製作した。熱変形部3として、特定温度95℃で収縮方向に変形するようにした形状記憶合金のコイルを用いた。この実施例において、接触部2aにおける接圧が刃受2と電源供給部材21の黄銅板のバネ性によって適切に付与され、栓刃9の挿抜時の負荷が適切であることが確認された。また、この実施例において、表面に酸化層を有する栓刃9を刃受構造1に挿入して定格通電動作試験を行ったところ、異常発熱の後に、熱変形部3の形状記憶合金が収縮変形して栓刃9への通電回路が開放、遮断されることが確認された。
(第3の実施形態)
図11、図12、図13は、第3の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。この刃受構造1は、図11(a)(b)に示すように、上述の図8(a)(b)に示した刃受構造1の形状記憶合金による熱変形部3の配置を変えて、電源供給部材21の間に設置し、かつ、形状記憶合金が特定温度以上で伸張するようにしたものである。刃受構造1は、図12(a)(b)に示すように、刃受2と電源供給部材21による付勢力に抗して刃受構造1に栓刃9が挿入され、刃受2の接触部2aを介して栓刃9への通電を行う。刃受構造1は、図13(a)(b)に示すように、何らかの原因で刃受2の接触部2aと栓刃9との間で異常発熱が発生した場合、熱変形部3の動作によって刃受2と栓刃9との間の回路を遮断する。この遮断の動作を説明する。刃受2と栓刃9との間の接触部2aで発生した熱Qは、刃受2と電源供給部材21を伝導して熱変形部3の形状記憶合金を加熱する。形状記憶合金が加熱されて特定温度以上になると、形状記憶合金が記憶している形状に戻る動作がなされ、コイル状の形状記憶合金が伸張する。刃受2は、形状記憶合金の伸張に基づく変形力Fにより、栓刃9から引き離される。これにより、刃受2と栓刃9との間の回路が遮断される。
図11、図12、図13は、第3の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。この刃受構造1は、図11(a)(b)に示すように、上述の図8(a)(b)に示した刃受構造1の形状記憶合金による熱変形部3の配置を変えて、電源供給部材21の間に設置し、かつ、形状記憶合金が特定温度以上で伸張するようにしたものである。刃受構造1は、図12(a)(b)に示すように、刃受2と電源供給部材21による付勢力に抗して刃受構造1に栓刃9が挿入され、刃受2の接触部2aを介して栓刃9への通電を行う。刃受構造1は、図13(a)(b)に示すように、何らかの原因で刃受2の接触部2aと栓刃9との間で異常発熱が発生した場合、熱変形部3の動作によって刃受2と栓刃9との間の回路を遮断する。この遮断の動作を説明する。刃受2と栓刃9との間の接触部2aで発生した熱Qは、刃受2と電源供給部材21を伝導して熱変形部3の形状記憶合金を加熱する。形状記憶合金が加熱されて特定温度以上になると、形状記憶合金が記憶している形状に戻る動作がなされ、コイル状の形状記憶合金が伸張する。刃受2は、形状記憶合金の伸張に基づく変形力Fにより、栓刃9から引き離される。これにより、刃受2と栓刃9との間の回路が遮断される。
図14(a)(b)(c)は、第3の実施形態の刃受構造1の変形例を示す。この刃受構造1は、上述の図11(a)(b)に示した刃受構造1の刃受2を電源供給部材21とは別体とし、使用時に刃受2と電源供給部材21とが導通し、使用中の異常発熱時に刃受2と電源供給部材21との導通が遮断される構成としたものである。刃受2の構成は、第1の実施形態における刃受2の構成と同様である。
(実施例3)上述の図11(a)(b)に示した刃受構造1において、厚さ0.4mm、幅1.4mmの断面形状を有する黄銅(C2680−3/4H)板をバネ板材として用いて刃受2および電源供給部材21を一体的に構成し、刃受構造1を製作した。熱変形部3として、特定温度95℃で伸張方向に変形するようにした形状記憶合金のコイルを用いた。この実施例において、実施例2と同様の結果および効果が確認された。
(第4の実施形態)
図15、図16は、第4の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。この刃受構造1は、図15(a)(b)に示すように、上述の図1(a)(b)に示した第1の実施形態の刃受構造1に、熱変形部3が熱変形したときに熱変形部3に係合して回路を遮断した状態を保持する保持部4を備えるものである。熱変形部3は、その自由端に、自由端部方向に突出した係合突起3aを有している。保持部4は、樹脂ケース11の空間11bの側壁に一端を固定され、他端を自由端として、熱変形部3の外側、すなわち、栓刃9が挿入された場合に栓刃9に対向しない側に配置されている。保持部4は、例えば、樹脂ケース11と共に一体成形して構成される。熱変形部3の外側は、熱変形部3が変形したときに、その自由端の移動方向に位置する側である。保持部4の自由端は、熱変形部3の係合突起3aに係合するための係合突起4aを有している。係合突起4aは、係合突起3aの突出方向とは反対向きに、係合突起3aに対向する向きに突出している。また、係合突起4aの頂部面は、係合突起3aの頂部面に、保持部4の弾性力によって摺動自在に圧接されている。係合突起3aと係合突起4aとは、互いに、スナップフィット構造を構成している。
図15、図16は、第4の実施形態に係るコンセントの刃受構造1を示す。この刃受構造1は、図15(a)(b)に示すように、上述の図1(a)(b)に示した第1の実施形態の刃受構造1に、熱変形部3が熱変形したときに熱変形部3に係合して回路を遮断した状態を保持する保持部4を備えるものである。熱変形部3は、その自由端に、自由端部方向に突出した係合突起3aを有している。保持部4は、樹脂ケース11の空間11bの側壁に一端を固定され、他端を自由端として、熱変形部3の外側、すなわち、栓刃9が挿入された場合に栓刃9に対向しない側に配置されている。保持部4は、例えば、樹脂ケース11と共に一体成形して構成される。熱変形部3の外側は、熱変形部3が変形したときに、その自由端の移動方向に位置する側である。保持部4の自由端は、熱変形部3の係合突起3aに係合するための係合突起4aを有している。係合突起4aは、係合突起3aの突出方向とは反対向きに、係合突起3aに対向する向きに突出している。また、係合突起4aの頂部面は、係合突起3aの頂部面に、保持部4の弾性力によって摺動自在に圧接されている。係合突起3aと係合突起4aとは、互いに、スナップフィット構造を構成している。
図16(a)(b)に示すように、栓刃9が刃受構造1に挿入された使用状態において、接触部2aに異常発熱があると、熱変形部3の動作によって刃受2と栓刃9との間の回路が遮断される。この遮断の際に、係合突起3aは、熱変形部3の変形に従って保持部4の係合突起4aに接したまま外側に移動し、相互の摺動面が途切れた位置で、係合突起3aと係合突起4aとが係合する。係合突起3aは、係合突起4aに係合することによって、もとの方向に移動することができなくなり、これにより、刃受構造1における回路を遮断した状態が保持される。従って、熱変形部3を構成するバイメタルが冷却しても、遮断した回路は導通状態に復帰することはない。
図17(a)(b)、図18(a)(b)は、第4の実施形態の刃受構造1の変形例を示す。この刃受構造1は、上述の図6(a)(b)に示した第1の実施形態の変形例に、熱変形部3が熱変形したときに刃受2に係合して回路を遮断した状態を係合によって保持する保持部4を備えるものである。その係合による構成、および、動作は、上述の図15、図16に示した第4の実施形態と同様である。
なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、上述した各実施形態や変形例の構成を互いに組み合わせた構成とすることができる。上記において、栓刃9として平行平刃の栓刃を想定して説明したが、刃受構造1は、円柱状の栓刃に適用することができる。刃受構造1は、より一般的に、任意の本数、形状の栓刃を有するプラグに適用することができる。刃受2は、栓刃9を挟持する構成を示したが、栓刃9を挟持することなく、単一の刃受2が栓刃9に片側から接触して導通する構成としてもよい。熱変形部3は、上述のように刃受2または刃受2への電源供給部材21に設けられるが、発熱に対してより応答性良く動作するように、熱が発生する接触部2aにより近くなる位置に設けられる。
1 刃受構造
10 コンセント
2 刃受
2a 接触部
21 電源供給部材
3 熱変形部
4 保持部(保持する手段)
9 栓刃
90 プラグ
10 コンセント
2 刃受
2a 接触部
21 電源供給部材
3 熱変形部
4 保持部(保持する手段)
9 栓刃
90 プラグ
Claims (4)
- プラグの栓刃が挿入され、該栓刃と導通状態となる刃受を有したコンセントの刃受構造において、
前記刃受と栓刃との間の通電時に該刃受と栓刃との接触部に発生する熱を受けて変形する熱変形部を備え、
前記熱変形部は、前記刃受または該刃受への電源供給部材に設けられており、前記熱変形部の熱変形によって前記刃受と前記電源供給部材との間の回路、または、前記刃受と栓刃との間の回路を遮断することを特徴とするコンセントの刃受構造。 - 前記熱変形部が、バイメタルによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンセントの刃受構造。
- 前記熱変形部が熱変形したときに係合して前記回路を遮断した状態を保持する手段を備えることを特徴とする請求項2に記載のコンセントの刃受構造。
- 前記熱変形部が、形状記憶合金によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載のコンセントの刃受構造。
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2013
- 2013-02-07 JP JP2013022638A patent/JP2014154333A/ja active Pending
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