JP2014154113A - 光源推定装置、画像処理システム及び光源推定プログラム - Google Patents

光源推定装置、画像処理システム及び光源推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】表示されるCG画像の違和感を低減する。
【解決手段】光源推定装置は、画像を撮像する撮像部と、光源推定の基準である基準物体の形状を示す形状情報が予め記憶されている記憶部と、撮像部が撮像した画像に含まれる基準物体の画像と、記憶部に記憶されている形状情報とに基づいて、撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する推定部とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源推定装置、画像処理システム及び光源推定プログラムに関する。
近年、例えば、CG(Computer Graphics)で作成した仮想物体を実写画像中に合成する、いわゆる拡張現実感(Augmented Reality;AR)技術を用いた表示方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2005−250950号公報
しかしながら、上記のような表示方法においては、実写画像の光源位置とCG画像の光源位置とが一致しない場合があり、この場合には表示されるCG画像に違和感が生じてしまうという問題があった。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、表示されるCG画像の違和感を低減することができる光源推定装置、画像処理システム及び光源推定プログラムを提供することにある。
本発明の一実施形態は、画像を撮像する撮像部と、光源推定の基準である基準物体の形状を示す形状情報が予め記憶されている記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記形状情報と、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する推定部とを備えることを特徴とする光源推定装置である。
また、本発明の一実施形態は、上記の光源推定装置において、前記基準物体とは、少なくとも一部の表面が乱反射面である物体であり、前記推定部は、前記記憶部に記憶されている前記形状情報と、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像の輝度分布とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、上記の光源推定装置において、前記基準物体とは、円柱または多角形柱である物体であり、前記記憶部には、前記基準物体の円柱または多角形柱の形状を示す形状情報が予め記憶されており、前記推定部は、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像の輝度分布と、前記記憶部に記憶されている前記円柱または多角形柱の形状を示す形状情報とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、上記の光源推定装置において、前記推定部は、前記撮像部が撮像した前記基準物体の画像が示す前記円柱または多角形柱の側面の輝度に基づいて前記基準物体の画像の輝度分布を正規化し、当該正規化した輝度分布と、前記記憶部に記憶されている前記円柱または多角形柱の形状を示す形状情報とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、上記の光源推定装置において、前記撮像部の姿勢を検出する検出部を備え、前記推定部は、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像と、前記記憶部に記憶されている前記形状情報と、前記検出部が検出した前記撮像部の姿勢とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定することを特徴とする。
また、本発明の一実施形態は、上記の光源推定装置と、前記光源推定装置によって推定された前記光源環境を示す情報に基づいて、画像を生成する画像生成部と、前記画像生成部が生成した画像と、前記撮像部が撮像した画像とが合成された画像を表示する表示部とを備えることを特徴とする画像処理システムである。
また、本発明の一実施形態は、光源推定の基準である基準物体の形状を示す形状情報が予め記憶されている記憶部を備える光源推定装置のコンピュータに、画像を撮像する撮像ステップと、前記撮像ステップにおいて撮像された画像に含まれる前記基準物体の画像と、前記記憶部に記憶されている前記形状情報とに基づいて、前記撮像ステップにおいて撮像された画像の光源環境を推定する推定ステップとを実行させるための光源推定プログラムである。
この発明によれば、表示されるCG画像の違和感を低減することができる。
本発明の実施形態におけるAR画像の一例を示す模式図である。 本実施形態の画像処理システムの構成の一例を示す構成図である。 本実施形態の光源推定装置に用いられる基準物体の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるキャリブレーション円柱の上面および側面の法線ベクトルの一例を示す模式図である。 本実施形態における光源環境モデルの座標系の一例を示す模式図である。 本実施形態のキャリブレーション円柱の表面の輝度の一例を示す模式図である。 本実施形態におけるキャリブレーション円柱の輝度の第1の例を示すグラフである。 本実施形態におけるキャリブレーション円柱の輝度の第2の例を示すグラフである。 本実施形態におけるキャリブレーション円柱の輝度の第3の例を示すグラフである。 本実施形態の光源推定装置の動作の一例を示すフローチャートである。 本実施形態の環境光がない場合の画像の一例を示す模式図である。 本実施形態の環境光がない場合の推定部による推定結果の一例を示すグラフである。 本実施形態の環境光がある場合の画像の一例を示す模式図である。 本実施形態の環境光がある場合の推定部による推定結果の一例を示すグラフである。 本実施形態の変形例である画像処理システムの構成の一例を示す構成図である。
[実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。本実施形態の画像処理システム1(図2を参照)は、実写画像RPとCG(Computer Graphics)画像CGPとを合成した画像であるAR(Augmented Reality)画像を表示する。本実施形態の画像処理システム1は、実写画像RPに基づいて、実写画像RPの光源環境を推定し、推定した光源環境に応じたシェーディングをCG画像CGPに施すことにより、AR画像の違和感を低減する。ここで、光源環境には、光源の方向、光源の強度、光源の大きさ、および環境光の強度が含まれる。まず、図1を参照して、本実施形態におけるAR画像の一例について説明する。
図1は、本発明の実施形態におけるAR画像の一例を示す模式図である。ここで、AR画像とは、実写画像RPとCG(Computer Graphics)画像CGPとを合成した画像である。このうち、図1(A)は、実写画像RPの光源の方向と、CG画像CGPの光源の方向とが一致している場合のAR画像の一例を示す模式図である。また、図1(B)は、実写画像RPの光源の方向と、CG画像CGPの光源の方向とが一致していない場合のAR画像の一例を示す模式図である。ここで、実写画像RPの光源の方向と、CG画像CGPの光源の方向とが一致している場合のAR画像を、光学的整合性がある画像という。また、実写画像RPの光源の方向と、CG画像CGPの光源の方向とが一致していない場合のAR画像を、光学的整合性がない画像という。すなわち、光学的整合性があるAR画像の一例が、図1(A)に示す画像である。また、光学的整合性がないAR画像の一例が、図1(B)に示す画像である。
この図1の例においては、実写画像RPとは、キャリブレーション円柱CSYの画像を含む画像であり、CG画像CGPとは、このキャリブレーション円柱CSYの上に載置されているように表示される球状の仮想物体の画像である。このキャリブレーション円柱CSYの構成については後述する。この図1の各図を比較すると、図1(B)に示す光学的整合性がないAR画像は、図1(A)に示す光学的整合性があるAR画像に比べて違和感が生じやすい。したがって、違和感の生じにくいAR画像を表示するためには、実写画像RPに対して、光学的整合性を有するCG画像CGPを表示することが求められる。次に、図2を参照して、本実施形態の画像処理システム1の構成について説明する。
(光源推定装置の構成)
図2は、本実施形態の画像処理システム1の構成の一例を示す構成図である。画像処理システム1は、光源推定装置10と、AR表示装置20とを備えている。この光源推定装置10は、実写画像RPの光源環境を推定し、推定した光源環境を示す情報をAR表示装置20に供給する。ここで、推定した光源環境を示す情報とは、光源環境情報LIである。AR表示装置20は、光源推定装置10が推定した光源環境に基づいてCG画像CGPにシェーディングを施す。ここで、シェーディングとは、CG画像CGPに対して陰影を付与する処理である。AR表示装置20は、シェーディングを施したCG画像CGPと、実写画像RP(例えば、撮像部11が撮像した画像)とを合成したAR画像を表示する。すなわち、光源推定装置10によれば、推定した光源環境を示す情報をAR表示装置20に供給することができるため、AR表示装置20は、光学的整合性があるAR画像を表示することができる。以下、画像処理システム1のより具体的な構成について説明する。
光源推定装置10は、撮像部11と、記憶部12と、推定部13とを備えている。
撮像部11は、カメラ等を備えており、画像を撮像する。この画像とは、実写画像RPである。撮像部11は、撮像した実写画像RPを、推定部13と、AR表示装置20とに供給する。
記憶部12は、ハードディスクや半導体メモリなどの記憶装置を備えている。この記憶部12には、基準物体COの形状を示す形状情報が予め記憶されている。この基準物体COの一例としての、キャリブレーション円柱CSYについて、図3を参照して説明する。
図3は、本実施形態の光源推定装置10に用いられる基準物体COの一例を示す模式図である。以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。キャリブレーション円柱CSYの上面の直交方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向とし、キャリブレーション円柱CSYの高さ方向をZ軸方向とする。また、このキャリブレーション円柱CSY上面の円の中心をこのXYZ座標系における原点とする。
このキャリブレーション円柱CSYは、上面および側面が乱反射面である。ここで、乱反射面とは、理想的な完全拡散面(以下、均等拡散面、またはLambertian surfaceとも記載する。)に近い反射特性を有する面である。キャリブレーション円柱CSYの上面には、ARマーカーARMが付されている。このARマーカーARMには、CG画像CGPを表示する際の、表示の基準位置を示す模様が付されている。AR画像を表示する画像処理システム1は、このARマーカーARMを撮像することにより、CG画像CGPの表示位置を算出する。
図2に戻り、記憶部12についての説明を続ける。上述したように、基準物体COがキャリブレーション円柱CSYである場合には、記憶部12には、キャリブレーション円柱CSYの半径および高さを示す形状情報が予め記憶されている。
推定部13は、撮像部11が撮像した画像の光源環境を推定する。この場合、推定部13は、撮像部11が撮像した実写画像RPに基準物体COの画像が含まれている場合、記憶部12に記憶されている基準物体COの形状情報と、撮像部11が撮像した基準物体COの画像とに基づいて、撮像部11が撮像した画像の光源環境を推定する。すなわち、推定部13は、記憶部12に記憶されている形状情報と、撮像部11が撮像した画像に含まれる基準物体COの画像とに基づいて、撮像部11が撮像した画像の光源環境のパラメータを推定する。推定部13は、推定した光源環境のパラメータを示す情報を、光源環境情報LIとしてAR表示装置20に供給する。この推定部13による光源環境のパラメータを推定する方法については、後述する。
AR表示装置20は、不図示のCG生成部と、表示部とを備えている。AR表示装置20のCG生成部は、撮像部11が撮像した実写画像RPと、推定部13が推定した光源環境のパラメータを示す光源環境情報LIとに基づいて、CG画像CGPを生成する。また、AR表示装置20の表示部は、撮像部11が撮像した実写画像RPと、生成したCG画像CGPとを合成したAR画像を表示する。上述の例において、AR表示装置20の表示部は、AR画像として図1(A)に示した画像を表示する。
ここで、AR表示装置20のより具体的な構成について説明する。ここでは、一例として、AR表示装置20が、図1(A)に示したAR画像を表示する構成について説明する。すなわち、キャリブレーション円柱CSYの上面に付されたARマーカーARMの位置に、CG画像CGP(ここでは、球の画像)を表示する構成について説明する。
AR表示装置20は、撮像部11が撮像した実写画像RPを取得する。この実写画像RPには、キャリブレーション円柱CSYの画像が含まれている。このキャリブレーション円柱CSYの上面にはARマーカーARMが付されている。この場合、AR表示装置20は、キャリブレーション円柱CSYの上面に、球のCG画像CGPを合成して表示する。AR表示装置20は、取得した画像の中に含まれるARマーカーARMの画像を抽出し、抽出したARマーカーの画像に基づいて、CG画像CGPを表示する位置(座標)を算出する。
また、AR表示装置20は、推定部13が推定した光源環境のパラメータを示す光源環境情報LIを取得する。AR表示装置20は、取得した光源環境情報LIに基づいて、球のCG画像CGPに対してシェーディングを施す。次に、AR表示装置20は、シェーディングを施した球のCG画像CGPと、実写画像RPとを合成して、AR画像として表示する。このとき、AR表示装置20は、ARマーカーARMの画像に基づいて算出した位置に、球のCG画像CGPを表示する。このようにして、画像処理システム1は、光学的整合性があるAR画像を表示する。
次に、図4〜図9を参照して、光源推定装置10の推定部13が光源環境のパラメータを推定する仕組みについて説明する。まず、図4および図5を参照して、本実施形態における座標系について説明する。
図4は、本実施形態におけるキャリブレーション円柱CSYの上面および側面の法線ベクトルの一例を示す模式図である。ここで、上面の単位法線ベクトルntopの各成分は(0,0,1)であり、x軸を基準にしたz軸周りの角度ηの位置の側面の単位法線ベクトルnη(エヌ・イータ)の各成分は(cosη,sinη,0)である。
図5は、本実施形態における光源環境モデルの座標系の一例を示す模式図である。光源環境の座標系は、キャリブレーション円柱CSYのXYZ座標系と同一に設定され、その方向を(θ,φ)で表す。ここで、θ(シータ)はxy平面に対する天頂角、φ(ファイ)はx軸を基準にしたz軸周りの方位角である。例えば、天頂角θ0、方位角φ0の方向にある光源Lは、光源L(θ0,φ0)として表される。
ここで、本実施形態の光源環境について説明する。本実施形態の光源環境には、無限遠方にある1個の主光源(光源L)と、環境光とが存在する。ここで、光源Lは、大きさを有する。この光源Lの大きさは、立体角によっても表すことができる。図5において、この光源Lの大きさの一例を、破線WLによって示す。この光源Lの大きさの内部の明るさは、一様ではない。すなわち、光源Lの大きさの内部の明るさとは、中心部が最も明るく、中心方向とのなす角度に対して明るさの分布が2次元ガウス関数になる明るさである。環境光は、方向に依存しない明るさを有する。キャリブレーション円柱CSYは、この光源環境によって照明される。上述したように、キャリブレーション円柱CSYは、乱反射面を有している。以下においては、この乱反射面を均等拡散面として近似することにより、光源環境の各パラメータを求める。このキャリブレーション円柱CSYの輝度は、光源Lの方向と、キャリブレーション円柱CSYの光源の方向と、キャリブレーション円柱CSYの各面の法線ベクトルとに基づいて求めることができる。すなわち、キャリブレーション円柱CSYの輝度は、実写画像RPを撮像する撮像部11の位置および方向には依存しない。
ここで、方向(θ,φ)の単位ベクトルは(cosφsinθ,sinφsinθ,cosθ)である。したがって、方向(θ,φ)にある光源Lの強度をL’(θ,φ)と表す場合、方向(θ,φ)にある光源Lの強度を示す光源ベクトルs’は、式(1)によって示される。
ここで、光源Lの強度L’(θ,φ)を、式(2)および式(3)によって主光源モデルとしてモデル化する。
ここで、α’は環境光の強度であり、σは光源Lの大きさを表す定数であり、Φは光源Lの中心方向(θ0,φ0)と方向(θ,φ)とのなす角度である。
なお、この主光源モデルは、次の式(4)によって定義される球面ガウス関数を用いて定義することもできる。
ここで、vは方向ベクトルを、pは光源Lの中心方向ベクトルを、λは光源Lの大きさを、μは光源Lの強度L0を、それぞれ表す。この球面ガウス関数によれば、鋭さをベクトルの内積、すなわち角度の余弦を用いて表すことができる。このように、主光源モデルは種々の式によって表すことができるが、以下の説明においては、光源Lの大きさを式(2)によって表す。
また、以下の説明においては、光源Lが1個の場合について、光源Lの位置を推定する仕組みについて説明する。なお、光源Lが複数の場合には、光源の広がり定数σ、または環境光αの少なくとも一方を大きくした近似によって光源Lの位置を推定することができる。
次に、図6を参照して、キャリブレーション円柱CSYの表面SFの輝度について説明する。
図6は、本実施形態のキャリブレーション円柱CSYの表面SFの輝度の一例を示す模式図である。上述したように、キャリブレーション円柱CSYの表面SFは、均等拡散面であるとして光源環境のパラメータを算出している。したがって、撮像部11によって撮像したキャリブレーション円柱CSYの上面の画像は、均一な輝度(または、画素値)を有している。また、撮像部11によって撮像したキャリブレーション円柱CSYの側面の画像は、キャリブレーション円柱CSYの座標系による光源Lの方向に応じて変化する輝度を有している。
図6に示すように、表面SFの法線方向に対して、天頂角θの方向にある光源Lによって、表面SFが照らされている場合、光源Lの強度をL0、表面SFの反射率をρとすると、この面の輝度xは、式(5)によって示される。
ここで、面の単位法線ベクトルをベクトルnとし、式(1)の光源ベクトルをs’とすると、式(5)は、式(6)のように簡略化される。
ここで、ある光源環境に置かれたキャリブレーション円柱CSYの輝度は、式(6)を天頂角θおよび方位角φについての、すべての方向に積分することにより、式(7)〜式(9)によって表すことができる。
ただし、式(7)におけるxtop(エックス・トップ)とは、キャリブレーション円柱CSYの上面の輝度である。以下の説明においては、キャリブレーション円柱CSYの上面の輝度を、上面輝度xtopと記載する。また、式(8)におけるxside(η)(エックス・サイド・イータ)とは、角度η方向のキャリブレーション円柱CSYの側面の輝度である。以下の説明においては、角度η方向のキャリブレーション円柱CSYの側面の輝度を側面輝度xside(η)と記載する。また、式(8)におけるDηは、式(9)によって示される値である。すなわち、Dηは、キャリブレーション円柱CSYの側面の表側が光源Lに照らされている場合にDη=1であり、その他の場合にDη=0である。
この式(7)と、式(8)との環境光α0に関する成分は、次の式(10)および式(11)のように計算できる。
以上より、キャリブレーション円柱CSYの輝度は、次の式(12)および式(13)に示すようになる。
これらの式(12)および式(13)においては、光源環境のパラメータ(θ0,φ0,σ,α)が含まれている。この光源環境のパラメータのうち、面の反射率ρは未知である。例えば、この面の反射率ρは、撮像された画像全体の明るさに関する定数(ゲイン)に含まれる。本実施形態における光源環境パラメータの推定過程では、撮像された画像全体の明るさに関する定数(ゲイン)についての正規化を行うことにより、推定過程のパラメータとしては、面の反射率ρの推定を不要にしている。
次に、キャリブレーション円柱CSYの上面輝度xtop、および側面輝度xside(η)の具体例について説明する。
(具体例1:無限遠方の点光源の場合)
光源Lが無限遠方の点光源である場合の、光源ベクトルを次の式(14)によって示す。この光源ベクトルを用いることで、上面輝度xtop、および側面輝度xside(η)を、次の式(15)および式(16)によって示す。
この式(14)および式(15)が示す輝度の一例を図7に示す。
図7は、本実施形態におけるキャリブレーション円柱CSYの輝度の第1の例を示すグラフである。この例は、光源Lの方向を(θ0,φ0)=(45,30)[deg]としたときのキャリブレーション円柱CSYの上面および側面の正規化輝度を示している。
ここで、実線の波形W1−1が側面輝度xside(η)を、実線の波形W1−2が上面輝度xtopを、それぞれ示している。この例においては、側面の輝度の最大値が1となるように、輝度を正規化している。同図に示すように、角度ηが30[deg]において、側面の輝度の最大値と上面の輝度は同じになる。
(具体例2:大きさのある光源の場合)
次に、光源Lが大きさのある光源である場合の、キャリブレーション円柱CSYの上面輝度xtop、および側面輝度xside(η)について、図8を参照して説明する。
図8は、本実施形態におけるキャリブレーション円柱CSYの輝度の第2の例を示すグラフである。この例は、中心方向が(θ0,φ0)=(45,30)[deg]であり、大きさはσ=9[deg]である大きさのある光源Lによる、キャリブレーション円柱CSYの上面および側面の正規化輝度を示している。ここで、実線の波形W2−1が側面輝度xside(η)を、実線の波形W2−2が上面輝度xtopを、それぞれ示している。
(具体例3:大きさのある光源と環境光とがある場合)
次に、光源Lが大きさのある光源であり、さらに環境光がある場合の、キャリブレーション円柱CSYの上面輝度xtop、および側面輝度xside(η)について、図9を参照して説明する。
図9は、本実施形態におけるキャリブレーション円柱CSYの輝度の第3の例を示すグラフである。この例は、光源Lの方向を(θ0,φ0)=(45,30)[deg]とし、光源Lの大きさをσ=9[deg]とし、環境光の強度をα=0.2とした場合の、キャリブレーション円柱CSYの上面および側面の正規化輝度を示している。ここで、実線の波形W3−1が側面輝度xside(η)を、実線の波形W3−2が上面輝度xtopを、それぞれ示している。
次に、光源環境パラメータを推定する仕組みについて説明する。キャリブレーション円柱CSYの側面のうちの半分、すなわち角度ηの範囲が180[deg]である側面は、撮像部11によって撮像することができる。この撮像部11によって撮像された画像の輝度(画素値)は、光源環境パラメータに基づいて変化する。ここでは、撮像された画像の輝度に基づいて、式(17)に示す評価関数を最小化することにより、光源環境パラメータ(θ0,φ0,σ,α)と全体の明るさに関する定数ρを推定する。
ここで、x^top(エックス・ハット・トップ)とは、キャリブレーション円柱CSYの上面を撮像した画像の輝度である。以下の説明においては、上面輝度x^topと記載する。また、x^side(ηi)(エックス・ハット・サイド・イータ・アイ)とは、キャリブレーション円柱CSYの座標系において、i番目の角度ηiに位置する側面を撮像した画像の輝度である。以下の説明においては、側面輝度x^side(ηi)と記載する。光源Lの方向は、キャリブレーション円柱CSYの表面が均等拡散面であれば、撮像部11の撮像位置には依存せず、図5に示すキャリブレーション円柱CSYの座標系の方位角φと天頂角θとによって求められる。
上述したように、撮像部11は、キャリブレーション円柱CSYの側面の半分の領域を撮像することができる。したがって、キャリブレーション円柱CSYの側面の画像の輝度について、方位角φを10[deg]おきにして測定すると、17個の測定値が得られる。つまり、キャリブレーション円柱CSYの上面と合わせて18個の測定値が得られる。推定部13は、この18個の測定値に基づいて、式(17)に示す5個の未知パラメータを推定する。ここで、5個の未知パラメータとは、光源Lの中心位置を示す天頂角θ0および方位角φ0と、光源Lの大きさσと、環境光の強度α、ならびに画像全体の明るさに関する定数ρである。
ここで、キャリブレーション円柱CSYの上面に配置されるARマーカーARMの座標系と、撮像された画像面との平面射影変換行列とを決定することにより、方位角φについて、10[deg]おきに測定することができる。すなわち、ARマーカー座標系における指定位置を、撮像された画像の座標系に射影することにより、画素値を測定することができる。
なお、測定した画素値にノイズが含まれている場合においても、上述した5個の未知パラメータを推定可能である。しかしながら、式(17)に示す評価関数には、式(12)と式(13)とが含まれており、これらの式に示される数値積分は演算量が多い。すなわち、式(17)に示す評価関数を最小化する演算についても演算量が多くなる。したがって、式(17)に示す評価関数を最小化して未知パラメータを求める場合、少なからず時間がかかる。
そこで、式(12)と式(13)との近似式を用いることにより、演算量を低減する。この近似式は、式(18)および式(19)によって示される。
ここで、式(18)および式(19)中のδは総和計算の刻み幅である。本実施形態においては、δ=3[deg]として計算する。また、式(18)および式(19)において、δ/2のオフセットを加える理由は、刻み幅δによって切り取られる立体角の中心における輝度を代表輝度として利用するためである。また、式(18)および式(19)中の縦線右側の式の意味は、次のとおりである。すなわち、左矢印(←)の右辺の式に対して、縦線左側の総和記号の演算を適用した値を、左矢印(←)の左辺θおよび左辺φに代入し、さらにこのθおよびφの値を、縦線右側のLの関数のθおよびφに代入することを意味する。
次に、画像全体の明るさに関する定数ρの正規化について説明する。キャリブレーション円柱CSYの座標系のある角度ηiにおいて測定された側面輝度x^side(ηi)は、光源Lの中心方向の方位角φ0と、角度ηiとが一致したときに最大になる。そこで、推定部13は、側面輝度x^side(ηi)が最大値になる角度ηmaxに基づいて、側面輝度の最大値L~max(エル・チルダ・マックス)を推定する。具体的には、推定部13は、側面輝度x^side(ηi)が最大値になる角度ηmaxと、その前後の測定位置における角度ηの合計3つの角度における側面輝度を用いて、側面輝度の最大値L~maxを推定する。ここでは、推定部13は、式(20)および式(21)に示すように、2次関数フィッティング(パラボラフィッティング)によって、方位角φと、側面輝度の最大値L~maxとを推定する。
ここで、キャリブレーション円柱CSYを撮像する際に、必ずしも等間隔の角度ηによって側面輝度を測定できるとは限らない。このため、本実施形態の2次関数フィッティングにおいては、式(20)および式(21)に示すd(ディー・プラス)と、d(ディー・マイナス)との関係について、d=−dに限定することなく2次関数フィッティングを行う。
ここで、式(12)および式(13)は、側面輝度x^side(ηi)の最大値L~maxに基づいて、上面輝度x^topと、側面輝度x^side(ηi)とを正規化することができる。これにより、推定部13は、式(17)に示す評価関数に代えて、式(22)に示す評価関数を最小化することによって、4個の光源環境パラメータ(θ0,φ0,σ,α)を推定することができる。この式(22)は、側面輝度の最大値L~maxによって正規化することにより、推定すべきパラメータから環境光の強度ρを除外することができることをも示している。
本実施形態においては、正弦波の重み付け総和である式(13)の極大付近を2次関数によって近似することにより得られる極大の位置と値とを推定に利用する。ここで、フィッティング関数と、推定すべきモデルとが同一であることが好ましいが、光源環境パラメータによって式(13)の形が変わるので、フィッティング関数を一意に定めることが困難である。そこで、本実施形態においては、少ない測定点数によるフィッティングが可能な2次関数フィッティングを利用する。
パラボラフィッティングで推定できる主光源の方位角φ~0(ファイ・チルダ・ゼロ)は、式(22)の評価関数を最小化する場合の初期値として利用できる。しかし、側面輝度x^side(ηi)の極大付近における側面輝度の値は、方位角φに対して値がわずかに変化するだけなので、推定した方位角φ~0には大きな誤差が含まれることがある。これに対して推定した最大輝度L~maxに含まれる誤差は、相対的に小さくなる。なお、式(22)の評価関数を最小化するにあたっては、共役勾配法を利用することができる。
(側面の輝度に極大が見つからない場合の例外処理)
側面輝度x^side(ηi)に極大が見つからない場合には、以下のように例外処理を行うことができる。側面輝度x^side(ηi)に極大が見つからない場合の一例としては、キャリブレーション円柱CSYに対して、光源Lの方向とカメラの撮像方向とのなす角が、90度近傍であるか、または180度近傍である場合がある。このように、側面輝度x^side(ηi)に極大が見つからない場合には、推定部13は、光源Lの大きさの推定をせず、光源Lの大きさをσ=9[deg]に固定することにより、光源環境を推定することができる。この場合には、推定部13は、式(23)に示す評価関数を最小化することにより、4個の光源環境パラメータ(θ0,φ0,α,Lmax)を推定する。ここで、Lmaxとは、撮像部11では撮影できなかった円柱側面の輝度の極大値である。
ここで、式(23)の右辺第3項はパラメータの推定を安定化するためのものである。この右辺第3項がない場合には、推定するLmaxが大きければ大きいほど評価関数の値が小さくなるため、適切なパラメータが推定できないことがある。また、式(23)のβは重みの調整パラメータである。ここでは、一例としてβ=0.5である。
この式(23)の評価関数によれば、キャリブレーション円柱CSYの側面輝度x^side(ηi)の中の最大値max(x^side(ηi))と、撮像部11からは撮影できなかった側面の輝度の極大Lmaxとが、大きくは値が異ならないことを前提としている。この前提は不確かな観測からパラメータを推定する上で有効である。
なお、側面輝度x^side(ηi)は、光源Lによって照明されている領域について方位角φとともに輝度が変化し、環境光のみで照明されている領域について一定の輝度になる。そこで、推定部13は、まず側面輝度の中からほぼ一定の輝度の領域を抽出し、抽出した領域内における輝度を最小2乗法で推定する。次に、残りの領域を式(22)に2次関数フィッティングすることにより、光源環境を推定することができる。このときに、推定部13は、光源Lの中心の方位角φを、側面輝度x^side(ηi)が一定である領域と、側面輝度x^side(ηi)が変化する領域との境界の角度ηに対して、π/2[rad]を加算または減算した角度として推定する。すなわち、推定部13は、側面輝度x^side(ηi)が一定である領域が、観測輝度の左側(角度が小さい)領域にあるか、右側(角度が大きい)領域にあるかにより、π/2[rad]を加算するか、減算するかが選択される。このようにして、推定部13は、光源環境の各パラメータを推定する。なお、推定部13は、上述した複数の方法を組み合わせることによりパラメータを推定してもよい。
次に、この光源推定装置10の推定部13が光源環境のパラメータを推定する動作の具体例について、図10を参照して説明する。
図10は、本実施形態の光源推定装置10の動作の一例を示すフローチャートである。
まず、推定部13は、撮像部11が撮像した実写画像RPを取得する(ステップS10)。
次に、推定部13は、ステップS10において取得した実写画像RPの光源環境を推定するか否かを判定する(ステップS20)。具体的には、推定部13は、ステップS10において取得した実写画像RPの中に、ARマーカーARMの画像がある場合には、光源環境を推定すると判定し(ステップS20:YES)、処理をステップS30に進める。一方、推定部13は、ステップS10において取得した実写画像RPの中に、ARマーカーARMの画像がない場合には、光源環境を推定しないと判定し(ステップS20:NO)には、光源推定の処理を終了する。
ステップS30において、推定部13は、ステップS10において取得した実写画像RPに含まれるキャリブレーション円柱CSYの画像を抽出する。
次に、推定部13は、ステップS30において抽出したキャリブレーション円柱CSYの画像に基づいて、キャリブレーション円柱CSYの上面輝度x^topを算出する(ステップS40)。
次に、推定部13は、ステップS30において抽出したキャリブレーション円柱CSYの画像に基づいて、キャリブレーション円柱CSYの側面輝度x^side(ηi)を所定の角度ごとに算出する(ステップS50)。具体的には、推定部13は、キャリブレーション円柱CSYの側面輝度x^side(ηi)を10[deg]ごとに算出する。これにより、キャリブレーション円柱CSYの側面のうち、17点における側面輝度x^side(ηi)が算出される。
次に、推定部13は、ステップS50において算出した17点の側面輝度x^side(ηi)のうちの最大値になる角度ηiを検索する(ステップS60)。
次に、推定部13は、ステップS50において検索した角度ηiの前後の角度における側面輝度、すなわち側面輝度x^side(ηi−1)、側面輝度x^side(ηi)、および側面輝度x^side(ηi+1)を取得する。さらに、推定部13は、取得した各側面輝度の値と、上述した式(20)および式(21)とに基づいて、側面輝度の最大値L~maxを算出する(ステップS70)。
次に、推定部13は、ステップS70において算出した側面輝度の最大値L~maxに基づいて、上述した式(22)に示す評価関数が最小値になる光源環境の各パラメータを算出する(ステップS80)。
次に、推定部13は、ステップS80において算出した光源環境の各パラメータを、光源環境情報LIとしてAR表示装置20に出力して、光源環境推定処理を終了する(ステップS90)。
AR表示装置20は、ステップS10において撮像された実写画像RPと、ステップS90において算出された光源環境情報LIとに基づいて、CG画像CGPを生成し、生成したCG画像CGPと、実写画像RPとを合成することによりAR画像を表示する。
このようにして推定部13が推定した光源環境のパラメータの具体例を、図11〜図14を参照して説明する。
図11は、本実施形態の環境光がない場合の画像の一例を示す模式図である。この図11に示す画像とは、LED照明を点灯して撮像した画像の画素値から、LED照明を点灯しない状態で撮像した画像の画素値を減算することにより、環境光成分を除去したキャリブレーション円柱CSYの画像である。このうち、図11(A)は、光源Lの方向(θ0,φ0)を(60,120)[deg]にした場合のキャリブレーション円柱CSYの画像を示す模式図である。また、図11(B)は、光源Lの方向(θ0,φ0)を(60,180)[deg]にした場合のキャリブレーション円柱CSYの画像を示す模式図である。
図12は、本実施形態の環境光がない場合の推定部13による推定結果の一例を示すグラフである。このうち、図12(A)は、図11(A)に示すキャリブレーション円柱CSYの画像に対する推定部13の結果を示すグラフである。同図に示すように、光源Lの方向(θ0,φ0)=(60,120)[deg]に対して、推定結果が(θ0,φ0,σ)=(57.8,123.9,1.7)[deg]である。また、図12(B)は、図11(B)に示すキャリブレーション円柱CSYの画像に対する推定部13の結果を示すグラフである。図11(B)に示す光源環境おいては、光源Lの方向と、撮像部11が撮像する撮像方向とのなす角が、90[deg]であるため、側面輝度の最大値L~maxを算出することができない。このように側面輝度の最大値L~maxを算出することができない場合には、環境光の強度をσ=9[deg]に固定して式(23)の最小化によりパラメータ推定を行う。図12(B)に示すように、光源Lの方向(θ0,φ0)=(60,180)[deg]に対して、推定結果が(θ0,φ0)=(58.8,180.8)[deg]である。
図13は、本実施形態の環境光がある場合の画像の一例を示す模式図である。このうち、図13(A)は、光源Lの方向(θ0,φ0)を(60,60)[deg]にした場合のキャリブレーション円柱CSYの画像を示す模式図である。また、図13(B)は、光源Lの方向(θ0,φ0)を(45,30)[deg]にした場合のキャリブレーション円柱CSYの画像を示す模式図である。
図14は、本実施形態の環境光がある場合の推定部13による推定結果の一例を示すグラフである。このうち、図14(A)は、図13(A)に示すキャリブレーション円柱CSYの画像に対する推定部13の結果を示すグラフである。同図に示すように、光源Lの方向(θ0,φ0)=(60,60)[deg]に対して、推定結果が(θ0,φ0,σ)=(44.0,47.8,6.0)[deg]である。また、図14(B)は、図13(B)に示すキャリブレーション円柱CSYの画像に対する推定部13の結果を示すグラフである。同図に示すように、光源Lの方向(θ0,φ0)=(45,30)[deg]に対して、推定結果が(θ0,φ0、σ)=(43.2,16.9,5.9)[deg]である。
以上、説明したように、本実施形態の光源推定装置10は、撮像部11と、記憶部12と、推定部13とを備えている。これにより、光源推定装置10は、実写画像RPの光源環境のパラメータを推定することができる。AR表示装置20は、光源推定装置10が推定した光源環境のパラメータに基づいて生成したCG画像CGPを、実写画像RPとともに表示することができる。したがって、これら光源推定装置10およびAR表示装置20によれば、実写画像RPとCG画像CGPとの光学的整合性があるAR画像を表示することにより、表示されるCG画像の違和感を低減することができる。すなわち、光源推定装置10は、表示されるCG画像の違和感を低減することができる。
また、本実施形態において、撮像部11が撮像する基準物体COとは、少なくとも一部の表面が乱反射面である物体である。これにより、光源推定装置10は、基準物体COの上面の単位法線ベクトルntopおよび側面の単位法線ベクトルnηの方向に基づいて、撮像部11が撮像した実写画像RPの光源環境のパラメータを推定することができる。
なお、本実施形態において、基準物体COがキャリブレーション円柱CSYである場合、すなわち基準物体COが円柱である場合を一例として説明したが、これに限られない。例えば、基準物体COが多角形柱(例えば、6角形柱)であっても、基準物体COが円柱である場合と同様にして、光源推定装置10は、光源環境のパラメータを推定することができる。すなわち、基準物体COとは、円柱または多角形柱である物体である。これにより、光源推定装置10は、基準物体COの上面の単位法線ベクトルntopおよび側面の単位法線ベクトルnηの方向に基づいて光源環境のパラメータを推定することができる。このため、本実施形態の光源推定装置10によれば、基準物体COが他の形状である場合に比べて推定すべきパラメータの個数または種類を低減することができる。
また、本実施形態の推定部13は、撮像部11が撮像した基準物体COの画像が示す円柱の側面の輝度に基づいて基準物体COの画像の輝度分布を正規化し、当該正規化した輝度分布と、記憶部12に記憶されている円柱の形状を示す形状情報とに基づいて、撮像部11が撮像した画像の光源環境を推定する。すなわち、本実施形態の推定部13は、側面輝度の最大値L~maxによって基準物体COの画像の輝度分布を正規化する。これにより、推定部13は、推定すべきパラメータから環境光の強度ρを除外することができる。すなわち、本実施形態の推定部13によれば、基準物体COの画像の輝度分布を正規化しない場合に比べて、推定すべきパラメータの種類を低減することができる。
なお、推定部13は、光源Lの強度1に対する環境光成分の強度がαであるとして推定する。この光源Lの強度算出において、推定部13は、光源Lの強度を1/(1+α)として、環境光の強度をα/(1+α)として、それぞれ強度を算出してもよい。
[変形例]
次に、上述した実施形態の変形例である画像処理システム1aについて図15を参照して説明する。
図15は、本実施形態の変形例である画像処理システム1aの構成の一例を示す構成図である。画像処理システム1aは、光源推定装置10aが推定部13aと、検出部15とを備える点において、上述した画像処理システム1と異なる。以下、推定部13aと、検出部15とについて説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
検出部15は、姿勢センサを備えており、撮像部11の姿勢を検出する。ここで、撮像部11の姿勢とは、基準物体CO(例えば、キャリブレーション円柱CSY)の座標系における、撮像部11の撮像方向の天頂角θおよび方位角φである。
推定部13aは、撮像部11が撮像した画像に含まれる基準物体COの画像と、記憶部12に記憶されている形状情報と、検出部15が検出した撮像部11の姿勢とに基づいて、撮像部11が撮像した実写画像RPの光源環境のパラメータを推定する。
これにより、光源推定装置10aは、撮像部11の姿勢と、基準物体COの上面の単位法線ベクトルntopおよび側面の単位法線ベクトルnηの方向とに基づいて、撮像された実写画像RPの光源環境のパラメータを推定することができる。すなわち、光源推定装置10aは、基準物体COの表面が理想的な完全拡散面に近い反射特性を有していない場合であっても、撮像された実写画像RPの光源環境のパラメータを推定することができる。
以上、本発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。上述した各実施形態に記載の構成を組み合わせてもよい。
なお、上記の実施形態における光源推定装置10(または、光源推定装置10a。以下の説明において同じ。)が備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
なお、光源推定装置10が備える各部は、メモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、光源推定装置10が備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
また、光源推定装置10が備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部が備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
1,1a…画像処理システム、10,10a…光源推定装置、11…撮像部、12…記憶部、13,13a…推定部、14…検出部、20…AR表示装置、CO…基準物体、L…光源

Claims (7)

  1. 画像を撮像する撮像部と、
    光源推定の基準である基準物体の形状を示す形状情報が予め記憶されている記憶部と、
    前記記憶部に記憶されている前記形状情報と、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する推定部と
    を備えることを特徴とする光源推定装置。
  2. 前記基準物体とは、少なくとも一部の表面が乱反射面である物体であり、
    前記推定部は、
    前記記憶部に記憶されている前記形状情報と、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像の輝度分布とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光源推定装置。
  3. 前記基準物体とは、円柱または多角形柱である物体であり、
    前記記憶部には、前記基準物体の円柱または多角形柱の形状を示す形状情報が予め記憶されており、
    前記推定部は、
    前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像の輝度分布と、前記記憶部に記憶されている前記円柱または多角形柱の形状を示す形状情報とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源推定装置。
  4. 前記推定部は、
    前記撮像部が撮像した前記基準物体の画像が示す前記円柱または多角形柱の側面の輝度に基づいて前記基準物体の画像の輝度分布を正規化し、当該正規化した輝度分布と、前記記憶部に記憶されている前記円柱または多角形柱の形状を示す形状情報とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する
    ことを特徴とする請求項3に記載の光源推定装置。
  5. 前記撮像部の姿勢を検出する検出部
    を備え、
    前記推定部は、前記撮像部が撮像した画像に含まれる前記基準物体の画像と、前記記憶部に記憶されている前記形状情報と、前記検出部が検出した前記撮像部の姿勢とに基づいて、前記撮像部が撮像した画像の光源環境を推定する
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光源推定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の光源推定装置と、
    前記光源推定装置によって推定された前記光源環境を示す情報に基づいて、画像を生成する画像生成部と、
    前記画像生成部が生成した画像と、前記撮像部が撮像した画像とが合成された画像を表示する表示部と
    を備えることを特徴とする画像処理システム。
  7. 光源推定の基準である基準物体の形状を示す形状情報が予め記憶されている記憶部を備える光源推定装置のコンピュータに、
    画像を撮像する撮像ステップと、
    前記撮像ステップにおいて撮像された画像に含まれる前記基準物体の画像と、前記記憶部に記憶されている前記形状情報とに基づいて、前記撮像ステップにおいて撮像された画像の光源環境を推定する推定ステップと
    を実行させるための光源推定プログラム。
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