JP2014153957A - センサ健全性診断装置、センサ健全性診断方法、該センサ健全性診断装置を備えるプラント診断装置、および該センサ健全性診断方法を用いたプラント診断方法 - Google Patents

センサ健全性診断装置、センサ健全性診断方法、該センサ健全性診断装置を備えるプラント診断装置、および該センサ健全性診断方法を用いたプラント診断方法 Download PDF

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【課題】センサの保守(メンテナンス)を容易化する技術を提供する。
【解決手段】センサ健全性診断装置は、入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するドリフト量算出部21と、ドリフト量算出部により算出されるドリフト量からドリフト速度を算出するドリフト速度算出部22と、前記センサのドリフト速度の予測曲線を算出するドリフト速度予測部25と、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間からドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ残存寿命算出部26とを備える。
【選択図】 図2

Description

本発明は、センサ健全性診断装置、センサ健全性診断方法、該センサ健全性診断装置を備えるプラント診断装置、および該センサ健全性診断方法を用いたプラント診断方法に関する。
プラント内でプロセス計装に用いられるセンサは多数存在しており、その健全性はプラントの運転が停止している際に行われる定期検査時に確認される。定期検査時に行われるセンサの試験は、現場から基準信号を入力すると同時に、中央制御室の計器に出力される指示値を確認する必要があり、一台ずつ試験を行うには多大な労力と時間が掛かる。
ここで、センサの健全性判断の方法の1つとして、ドリフト量による劣化判定がある。センサは経年変化によってドリフト量が増加する。そこでドリフト量を所定時間ごとに計測、算出し、しきい値と比較することによってセンサの劣化判定をすることができる。そして、プラントに用いられるセンサのドリフトをオンラインで検知する技術が複数提案されている。これらの方法は、ドリフトを検知することで真値の推定精度を上げ、機器の診断精度を向上させることを目的としている。
例えば、特許文献1には、SPRT法(逐次確率比検定)を用いた対数尤度比の計算によって、プロセスデータが増加しているか否かを判定し、ドリフトの検知を行う技術が記載されている。また、特許文献2には、センサの校正データに基づいてドリフト分布を算出し、ドリフトの有無の判定を行う技術が記載されている。
特許第4786670号公報 特開2011−75373号公報
しかしながら、上述した特許文献1,2等に記載される従来のセンサ劣化判定方法では、ドリフト量がある一定のしきい値を超えるか否かで判定を行っているため、しきい値に達するまでセンサの劣化予兆や異常傾向を検知できないという課題がある。
上記課題に対して、しきい値を下げる、または2段階で判定を行う等の方法を採用すれば、劣化予兆や異常傾向はより検知しやくなると考えられる。ところが、しきい値を下げる、または2段階で判定を行う等の方法を採用した場合、検知できる回数は上がるものの、処理に要する手順が増えてしまい、処理が煩雑になるという別の課題が生じてしまう。
すなわち、従来のセンサ劣化判定方法に対して単にしきい値を下げる、または2段階で判定を行う等の方法を採用することは、従来技術が持ち合わせる前記課題を解決するのに十分とはいえない。
本発明は上述した事情を考慮してなされたものであり、センサの保守(メンテナンス)を容易化するセンサ健全性診断装置、センサ健全性診断方法、該センサ健全性診断装置を備えるプラント診断装置、および該センサ健全性診断方法を用いたプラント診断方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係るセンサ健全性診断装置は、上述した課題を解決するため、入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するドリフト量算出部と、このドリフト量算出部により算出される前記ドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出するドリフト速度算出部と、前記センサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて、時間に対するドリフト速度の予測曲線を算出するドリフト速度予測部と、このドリフト速度予測部により算出される前記ドリフト速度の予測曲線、および前記ドリフト速度算出部により算出される前記ドリフト速度に基づいて、前記センサの前記ドリフト速度の予測曲線上で前記ドリフト速度算出部により算出される前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間からドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ残存寿命算出部とを備えることを特徴とする。
本発明の実施形態に係るセンサ健全性診断方法は、上述した課題を解決するため、入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出し、算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出し、診断実施時の前記ドリフト速度を得る一方、前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を得て、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ健全性診断装置を用いて前記センサの健全性を診断する方法であり、前記センサ健全性診断装置が、前記入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するステップと、このドリフト量を算出するステップで算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出するステップと、前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を算出するステップと、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるステップとを備えるセンサ劣化診断工程を行うことを特徴とする。
本発明の実施形態に係るプラント診断装置は、上述した課題を解決するため、前記センサ健全性診断装置を、前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ劣化診断手段として具備し、前記センサ劣化診断手段は、前記プラントに実装されるセンサの健全性を診断し、診断した結果から前記プラントの健全性を診断することを特徴とする。
本発明の実施形態に係るプラント診断方法は、上述した課題を解決するため、入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出し、算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出し、診断実施時の前記ドリフト速度を得る一方、前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を得て、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ健全性診断装置を用いて前記センサを実装するプラントの健全性を診断する方法であり、前記センサ健全性診断装置が、前記入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するステップと、このドリフト量を算出するステップで算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出するステップと、前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を算出するステップと、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるステップとを備えるセンサ劣化診断工程を行い、このセンサ劣化診断工程で求められる前記プラントに実装されるセンサの残存時間から前記プラントに実装されるセンサの健全性を診断し、診断した結果から前記プラントの健全性を診断することを特徴とする。
本発明によれば、センサの保守(メンテナンス)を容易化することができる。
本発明の実施形態に係るプラント診断装置の基本構成を概略的に示す構成図。 本発明の第1の実施形態に係るプラント診断装置の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図。 本発明の実施形態に係るプラント診断装置に入力されるセンサ出力データから該センサ出力データを出力するセンサのドリフト量を算出する一例を示す説明図。 本発明の実施形態において、センサのドリフト量に基づき該センサのドリフト速度を時系列に逐次算出して算出する例を示す説明図。 本発明の実施形態に係るプラント診断装置において、センサのドリフト量の時系列データに対して最小二乗法で求めた曲線を微分して該センサのドリフト速度を算出する例を示す説明図。 本発明の実施形態において、ドリフト量の実測値に基づき算出されるドリフト速度の実測値を示す説明図であり、(A)は時間に対するドリフト量の実測値を示すグラフ、(B)は時間に対するドリフト速度の実測値を示すグラフ。 本発明の第1の実施形態において、ドリフト量の予測曲線をセンサの構成要素ごとの劣化による出力変化のデータを用いて算出する例を示す説明図。 本発明の第1の実施形態において使用される使用履歴DBに格納されるセンサの使用履歴の情報の例を示す説明図。 本発明の実施形態において、ドリフト量の予測値に基づき算出されるドリフト速度の予測値を示す説明図であり、(A)は時間に対するドリフト量の予測値を示すグラフ、(B)は時間に対するドリフト速度の予測値を示すグラフ。 本発明の実施形態において算出されるセンサ残存寿命を説明する説明図。 本発明の第1の実施形態に係るプラント診断方法の一例として実行される第1のプラント診断処理手順の処理の流れを示す処理フロー図。 本発明の第2の実施形態に係るプラント診断装置の機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図。 本発明の第2の実施形態において使用されるセンサ校正DBに格納される情報の例を示す説明図。 本発明の第2の実施形態において、ドリフト量の予測曲線を算出する例を説明する説明図であり、(A)は校正データに基づいて該校正データにない校正点における時間に対するドリフト量を算出する手法を説明する説明図、(B)は時間に対するドリフト量(校正点30%)の予測曲線を示すグラフ。 本発明の第2の実施形態に係るプラント診断方法の一例として実行される第2のプラント診断処理手順の処理の流れを示す処理フロー図。
以下、本発明の実施形態に係るセンサ健全性診断装置、センサ健全性診断方法、該センサ健全性診断装置を備えるプラント診断装置、および該センサ健全性診断方法を用いたプラント診断方法について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプラント診断装置の一例であるプラント診断装置10(10A,10B)の基本構成を概略的に示す構成図である。
プラント診断装置10は、プラントにおける流量、温度、圧力、液位等のプロセス値を検出する各センサに対して、現時点(診断実施時)からドリフト量の許容限界値である指示精度に達する時点(経過時間)までに残されている残存時間を計算し、計算結果から各センサの劣化状態(劣化程度)を判断し、該判断結果に基づいてプラントの健全性を診断する装置である。
プラントの健全性は、例えば、各センサの残存時間の多少、設定値以下の残存時間となっているセンサの数量等を考慮した判断基準を予め設定しておき、この判断基準を満たすか否かで判断される。少なくとも、残存時間がマイナスになっている(既にドリフト量の許容限界値である指示精度に達している状態にある)センサが実装されている場合、そのプラントは、健全でないと判断される。
ここで、センサとは、少なくとも上記プロセス値を検出するセンサ本体を備える装置をいう。すなわち、センサ本体のみならず、センサ本体から出力される信号に対して、該信号を変換する信号変換部や、該信号を増幅する増幅部をさらに備える場合もある。プラント診断装置10は、プロセス値のセンシングを行う装置(センサ)全体として所望の指示精度を維持しているか否か、および所望の指示精度を維持できなくなる時期はいつかを予測する。
このようなプラント診断装置10(10A,10B)は、例えば、入力手段11と、出力手段12と、I/F手段13と、記憶手段14と、センサ出力データ入力手段15と、センサ劣化診断手段16(16A,16B)と、交換数量算出手段17と、保守計画策定手段18と、制御手段19とを具備する。
入力手段11は、例えば、コンピュータとインターフェイスを介して接続される入力装置またはコンピュータ自身が備えるキーボードやマウス等の入力手段によって実現される。入力手段11は、情報の入力を受け付け、受け付けた情報を制御手段19に与える。
出力手段12は、例えば、コンピュータとインターフェイスを介して接続される表示装置またはコンピュータ自身が備えるディスプレイ等の表示手段、コンピュータとインターフェイスを介して接続されるプリンタ等の印字手段等によって実現される。出力手段122は、表示要求を受け取ると、該表示要求に応じた内容を画面表示する。また、出力手段12は、印字要求を受け取ると、該印字要求に応じた内容を印字出力する。
I/F手段13は、プラント診断装置10以外の他の装置(外部装置)とのインターフェイス機能を有し、プラント診断装置10と外部装置との間で情報の相互伝送を可能とする手段である。なお、I/F手段13は、必ずしも、プラント診断装置10に具備されていなくても良い。
記憶手段14は、制御手段19がアクセス可能な記憶手段であり、データの読み出し(リード)および書き込み(ライト)が可能な記憶領域を備える。記憶手段14は、自己の記憶領域にデータを保持する機能を有し、プラントにおいてプロセス値を検出する各センサに対する劣化状態を診断するための処理ステップの実行に必要な情報を保持する。
例えば、後述するプラント診断装置10A,10B(図2,図12)において、記憶手段14は、センサ出力変化データベース(以下、データベースを「DB」と省略する。)27、センサ使用履歴DB28、作業見積DB29、およびセンサ校正DB33(図2,図12)等の電子的な情報を保持する記憶領域を提供する。
センサ出力入力手段15は、プラント診断装置10が劣化診断の対象となるプラントに設置されるセンサから該センサの出力データをプラント診断装置10に入力する手段である。プラント診断装置10に入力されるセンサの出力データは、センサ出力入力手段15から制御手段19によってセンサ劣化診断手段16に与えられる。
センサ劣化診断手段16は、センサの出力と該センサのドリフト量の予測曲線とに基づいて、該センサに対して、現時点からドリフト量の許容限界値である指示精度に達する時点(経過時間)までに残されている残存時間を計算する機能を有する。センサ劣化診断手段16が計算した結果は、センサ劣化診断手段16から制御手段19に与えられる。
交換数量算出手段17は、センサ劣化診断手段16が計算した結果と、指定される交換作業日(予定)とに基づいて、指定される交換作業日(交換作業実施時)に交換が必要になるセンサを特定し、その数量を算出する。プラント診断装置10では、少なくとも、予定される直近の交換日が到達する前にセンサが寿命に達することのないように、交換数量算出手段17がセンサの数量を算出する時点で指定されている交換作業日の中から交換作業すべき交換日を決定し、各交換日で交換すべきセンサの数量を集計する。
例えば、センサ劣化診断手段16が計算したあるセンサの残存時間が計算時から50日後であり、指定されている交換作業日が計算時から30日後と120日後である場合、このセンサの交換を120日後の交換とすると、その交換作業日前にこのセンサのドリフト量は、許容限界値を超えてしまう。従って、その前に実施される30日後の交換作業日で交換すべきと判断し、30日後の交換作業で交換すべきセンサとしてカウントする。
交換数量算出手段17は上記のような計算を行い、センサ劣化診断手段16から計算結果の得られた各センサについて、交換作業すべき日を決定し、交換作業日ごとのセンサの数量を集計する。交換数量算出手段17が集計した結果は、交換数量算出手段17から制御手段19に与えられる。
なお、前記交換作業日の計算は一例であり、前記条件以外にさらなる条件を付加して交換数量を算出しても良い。
例えば、指定されている交換作業日が計算時から30日後、120日後、210日後であり、センサの残存時間の計算結果が計算時から120日未満の個数が10個、120日以上210日未満の個数が150個である場合を想定する。
この場合、30日後の交換作業に交換が予定されている数量と120日後交換作業に交換が予定されている数量とでは大きな差が生じている。人員配置や予算等の関係から交換数量をなるべく均一にしたい要請がある場合、「各交換作業における交換数量の差がx個以内」、または「各交換作業における交換数量はy個以上」等の条件をさらに付加して交換作業すべき交換日を決定することもできる。
また、通常想定されない事態であるが、センサの残存時間が直近の交換日まで残っていない、または既になくなっている(既にドリフト量の許容限界値である指示精度に達している)事態が生じた場合にその旨を警告する手段を、プラント診断装置10に追設しても良い。
保守計画策定手段18は、交換数量算出手段17が決定した交換作業日(交換作業実施時)ごとのセンサの交換対象に基づいて、保守計画を策定する。保守計画策定手段18は、保守計画の策定として、少なくとも、診断対象であるプラントのセンサの交換作業日と、該交換作業日における作業対象とを決定する。また、保守計画策定手段18は、併せて、交換数量算出手段17が決定した交換作業日ごとのセンサの交換数量に基づいて、交換作業日ごとの交換数量を決定する。
なお、保守計画策定手段18は、交換数量算出手段17が決定した交換作業ごとのセンサの交換対象および交換数量以外の情報も加味してさらに詳細な保守計画を策定することもできる。
例えば、保守計画策定手段18が参照可能なセンサの交換作業の見積計算用の情報(図2,12に示される作業見積DB29に相当、図1において図示せず)として、センサのストック数、リードタイム(発注から納品される迄の期間)、単価、および交換作業に必要な人数(または工数)等の情報を劣化診断するプラントで使用されるセンサと対応付けた情報を格納する作業見積DB29を用意しておく。
この場合、保守計画策定手段18は、作業見積DB29を参照することで、交換数量算出手段17が決定した交換作業に係るセンサと対応するストック数、リードタイム、単価、および交換作業に必要な人数(または工数)等の情報を抽出することができるので、交換作業に必要な人数や費用等も盛り込んだより詳細な保守計画を策定することができる。
制御手段19は、プラント診断装置10の全体の処理を制御する手段である。プラント診断装置10において、制御手段19は、入力手段11、出力手段12、I/F手段13、記憶手段14、センサ出力データ入力手段15、センサ劣化診断手段16、交換数量算出手段17、および保守計画策定手段18と相互にデータを授受し、これらを制御する。
また、制御手段19は、入力手段11から情報を受け取ると、入力手段11が受け付けた情報の種類に応じて、出力手段12、I/F手段13、記憶手段14、センサ出力データ入力手段15、センサ劣化診断手段16、交換数量算出手段17、および保守計画策定手段18の何れかに、入力を受け付けた情報に基づいて要求を与える。
なお、図1に示されるプラント診断装置10は、一例であり、図示される例に限定されるものではない。例えば、プラント診断装置10を、入力手段11、出力手段12、I/F手段13、記憶手段14、センサ出力データ入力手段15、およびセンサ劣化診断手段16を具備する構成とし、プラントに実装される各センサに対して該センサの許容限界値に到達するまでの残存時間を算出して該センサの劣化を診断する工程(センサ劣化診断工程)までを行う装置として構成することもできる。
また、他の例として、プラント診断装置10を、入力手段11、出力手段12、I/F手段13、記憶手段14、センサ出力データ入力手段15、センサ劣化診断手段16、および交換数量算出手段17を具備する構成とすることもできる。
さらに、プラント診断装置10が具備する少なくとも一部の手段を、プラント診断装置10が具備するハードウェアと、該ハードウェアをプラント診断装置10が具備する手段として機能させるソフトウェア(プログラム)とを協働させることによって実現しても良い。
さらにまた、上述したセンサ劣化診断手段16は、プラント診断装置10の一構成要素として説明しているが、センサの健全性を診断する一つの独立した装置、すなわち、センサ健全性診断装置としても良い。
一方、本発明の実施形態に係るプラント診断方法は、現時点からドリフト量の許容限界値である指示精度に達する時点(経過時間)までに残されている残存時間をプラントの各センサに対して計算し、その結果から各センサに対する劣化状態を診断する方法である。
すなわち、本発明の実施形態に係るプラント診断方法は、現時点からドリフト量の許容限界値である指示精度に達する時点(経過時間)までに残されている残存時間をプラントの各センサに対して計算し、該計算結果から各センサに対する劣化状態を診断する工程(センサ劣化診断工程)を具備する。
本発明の実施形態に係るプラント診断方法は、例えば、センサ劣化診断工程を具備するプラント診断処理手順をプラント診断装置10(より詳細には、センサ劣化診断手段16)に実行させることで行うことができる。
なお、本発明の実施形態に係るプラント診断方法は、各センサの劣化診断結果から次のセンサ交換作業予定時にセンサの交換が必要か否かを判断し、交換数量を算出する工程(交換数量算出工程)と、将来予定されるセンサ交換作業に必要とされるセンサの種類、数量、作業人員、工数等を算出して保守計画を策定する工程(保守計画策定工程)とをさらに具備しても良い。
この場合、プラント診断処理手順が交換数量算出工程および保守計画策定工程を具備していれば、プラント診断装置10(より詳細には、交換数量算出手段17および保守計画策定手段18)に交換数量算出工程および保守計画策定工程をさらに実行させることができる。
さらにまた、本発明の実施形態に係るプラント診断方法が具備するセンサ劣化診断工程を、センサの健全性を診断する一つの独立した方法とすることもできる。すなわち、本発明の実施形態に係るプラント診断方法の一工程であるセンサ劣化診断工程を、本発明の実施形態に係るセンサ健全性診断方法として適用することができる。
このような本発明の実施形態に係るプラント診断装置およびプラント診断方法によれば、従来よりもドリフト傾向が変化するタイミングを捉え易く、また、従来よりも軽微なセンサの劣化兆候や異常傾向を検出できるようになるため、センサの保守(メンテナンス)を容易化することができる。
続いて、本発明の各実施形態に係るプラント診断装置およびプラント診断方法について説明する。
なお、本発明の各実施形態に係るセンサ健全性診断装置およびセンサ健全性診断方法の説明は、本発明の各実施形態に係るプラント診断装置およびプラント診断方法におけるセンサ劣化診断手段16(16A,16B)およびセンサ劣化診断工程(第1,2のセンサ劣化診断工程)の説明をもって代えるものとする。
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態に係るプラント診断装置の一例であるプラント診断装置10Aの機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。また、図3〜図10は、プラント診断装置10Aのセンサ劣化診断手段16である第1のセンサ劣化診断手段16Aが備える各処理部21〜26の処理内容を説明する説明図である。
プラント診断装置10Aは、例えば、第1のセンサ劣化診断手段16Aを具備し、さらに、交換数量算出手段17と、保守計画策定手段18とを具備して構成される。また、第1のセンサ劣化診断手段16Aは、例えば、ドリフト量算出部21と、ドリフト速度算出部22と、センサ出力予測部23と、ドリフト量予測部24と、ドリフト速度予測部25と、センサ残存寿命算出部26とを備える。
第1のセンサ劣化診断手段16Aの各処理部21〜26について説明すると、ドリフト量算出部21は、受け取ったセンサ出力データ(プロセスデータ)を出力したセンサのドリフト量を算出する。ドリフト量算出部21はセンサのドリフト量を算出すると、算出したセンサのドリフト量をドリフト速度算出部22へ与える。
ここで、ドリフト量算出部21が行うプロセスデータのドリフト量の算出、すなわち、ドリフト量の算出処理ステップ(図12に示されるステップS11に相当)について、具体的に説明する。
図3は、プラント診断装置10に入力されるセンサ出力データから該センサ出力データを出力するセンサのドリフト量を算出する一例を示す説明図である。
例えば、一定のプロセス圧力を2つのセンサA,Bで測定した場合、正常データの分布の中心値(図3に示される破線の円の中心)を真値と仮定し、仮定した真値を用いてセンサA,Bのドリフト量D,Dを求める。
ドリフト速度算出部22は、ドリフト量算出部21から受け取るプロセスデータのドリフト量に対して単位時間当たりの変化量(以下、「ドリフト速度」と称する。)を算出する。ドリフト速度算出部22は、プロセスデータのドリフト速度を算出すると、算出したプロセスデータのドリフト速度をセンサ残存寿命算出部26へ与える。
ここで、ドリフト速度算出部22が行うプロセスデータのドリフト速度の算出、すなわち、ドリフト速度の算出処理ステップ(図12に示されるステップS12に相当)について、具体的に説明する。
図4,5は、本発明の実施形態において、センサのドリフト速度を算出する例を示す説明図である。より詳細には、図4はセンサのドリフト量に基づいて、該センサのドリフト速度を時系列に逐次算出して算出する例を示す説明図、図5センサのドリフト量の時系列データに対して最小二乗法で求めた曲線を微分して該センサのドリフト速度を算出する例を示す説明図である。
また、図6は、本発明の実施形態において、ドリフト量の実測値に基づいて算出されるドリフト速度の実測値を示す説明図であり、より詳細には、図6(A)は時間に対するドリフト量の実測値を示すグラフ、図6(B)は時間に対するドリフト速度の実測値を示すグラフである。
ドリフト速度算出部22は、例えば、センサのドリフト量に基づいて、該センサのドリフト速度を時系列に逐次算出したり、時間の関数であるセンサのドリフト量曲線を時間で微分したりすることで、センサのドリフト速度を算出することができる。
図4に示されるように、ドリフト量の時間変化、すなわち、ドリフト速度を時間ごとに逐次算出する場合、図3に示されるセンサAのドリフト速度Vr(TAN)は、下記式(1)に基づいて計算することができる。
Figure 2014153957
一方、図5に示されるようなセンサのドリフト量曲線は、ドリフト量の時系列プロットから最小二乗法等により、測定点を補間することによって得ることができる。ドリフト速度は、このようにして得られたドリフト量曲線を時間微分することによっても得ることができる。
上述した手法により得られたドリフト量曲線の時間微分から求められるドリフト速度Vr(T)は、ドリフト速度算出部22からセンサの劣化診断を行う(残存寿命を算出する)センサ残存寿命算出部26に与えられる。なお、図6(B)に示されるドリフト速度Vr(T)は、時間Tにおけるドリフト速度の実測値である。
センサ出力予測部23は、センサごとに該センサの構成要素ごとの劣化による出力変化の情報を有するセンサ出力変化DB27と、センサごとの出力変化データを示す使用履歴の情報を有するセンサ使用履歴DB28とを参照し、実際のセンサ使用履歴に合致するセンサ出力変化データに基づいて、センサ出力変化DB27に格納されるセンサの出力変化のデータの中から実際の劣化傾向に近いセンサ出力変化データをピックアップし、センサ出力変化の予測値を得る。センサ出力予測部23は、センサ出力変化の予測値を得ると、得られたセンサ出力変化の予測値をドリフト量予測部24へ与える。
また、センサ出力予測部23は、センサ出力変化DB27に格納されるセンサの出力変化のデータの中から実際の劣化傾向に近いセンサ出力変化データをピックアップできない場合、すなわち、実際のセンサ使用履歴に対して実際の劣化傾向に近いセンサ出力変化データが存在していない場合には、センサ出力のデータを内挿して任意のセンサ使用履歴に対するセンサ出力データを得る。そして、センサ出力予測部23は、得られたセンサ出力データをドリフト量予測部24へ与える。
なお、センサ出力予測部23で実行される内挿によるセンサ出力変化データの補間処理機能は、付加的な機能であり、必ずしも有していなくても良い。
ドリフト量予測部24は、センサ出力予測部23から与えられるセンサ出力データに基づいて、該センサのドリフト量を予測し、時間に対するドリフト量の予測値(予測曲線)を得る。ドリフト量予測部24は、センサのドリフト量の予測曲線を得ると、得られたドリフト量の予測曲線をドリフト速度予測部25へ与える。
ここで、センサ出力予測部23が行うセンサ出力の予測(センサ出力変化の予測値を得ること)、およびドリフト量予測部24が行うセンサのドリフト量の予測、すなわち、センサ出力の予測処理ステップ(図12に示されるステップS13に相当)、およびドリフト量の予測処理ステップ(図12に示されるステップS14に相当)について、具体的に説明する。
図7は本発明の第1の実施形態においてドリフト量の予測曲線をセンサの構成要素ごとの劣化による出力変化のデータを用いて算出する例を示す説明図であり、図8は本発明の第1の実施形態において使用される使用履歴DB28に格納されるセンサの使用履歴の情報の例を示す説明図である。
図7に示される例は、センサが、ダイアフラム部、圧力検出部、およびアンプ部を備える圧力伝送器の場合である。ここでは、ダイアフラム部、圧力検出部、およびアンプ部の3箇所における劣化による出力変化を用いて、センサ全体の出力変化の算出を行う場合を説明する。
センサ出力変化DB27は、センサの構成要素ごとの劣化による出力変化のデータを保有している。従って、センサ出力予測部23は、センサの個体が特定されると、センサ出力変化DB27を参照することによって、個体が特定されたセンサの構成要素ごとの劣化による出力変化のデータを特定し、抽出することができる。
ここで、センサの構成要素ごとの劣化による出力変化のデータとは、それぞれの構成要素が単独で劣化し、それ以外の構成要素が劣化していない場合のセンサ全体の出力変化のデータを指している。実際のセンサ全体の出力は、構成要素の劣化による出力変化を全て含んでいるが、それぞれの構成要素の劣化を分離して評価し、それぞれの出力変化の線形結合でセンサ全体の出力変化を表せるようにするため、センサの指示精度に影響を与える主要構成要素の各々に対して、劣化による出力変化のデータを用意する。
図7に示される例では、圧力伝送器の劣化を診断するため、ダイアフラム部、圧力検出部、およびアンプ部の劣化による出力変化のデータをセンサ出力変化DB27に格納しておく。
一方、センサ使用履歴DB28は、センサごとの使用履歴の情報として複数のパラメータ(変数)の情報を有する。センサ使用履歴DB28は、例えば、図8に示されるような時間t[h]、圧力についてのプロセス値であるプロセス圧力P[MPa]、外部温度T[℃]、外部湿度H[%]の4つのパラメータの情報を有する。
センサ出力予測部23は、センサ使用履歴DB28を参照し、センサ使用履歴DB28が有するセンサ使用履歴の情報に合致したセンサの出力変化データをセンサ出力変化DB27から抽出する。図8に示される例では、時間t、プロセス圧力P、外部温度T、外部湿度Hの4つの変数を用いてセンサの出力変化データを抽出する。なお、センサ出力のデータを内挿して任意のセンサ使用履歴に対するセンサ出力データを得る。
例えば、時間t[h]、プロセス圧力P[MPa]、外部温度T[℃]、外部湿度H[%]の変数の組であるf(t,P,T,H)に対し、実際のセンサ使用履歴がf(100,1,33,50)であり、センサ出力変化DB27にf(100,1,30,50)とf(100,1,40,50)のデータが保存されている場合には、下記式(2)を計算してセンサ使用履歴の情報に合致したセンサの出力変化データを求めることができる。
Figure 2014153957
続いて、前記例において、時間t、プロセス圧力P、外部気温T、外部湿度Hを基に、ダイアフラム部、圧力検出部およびアンプ部の出力変化が、それぞれa(t,P,T,H)、b(t,P,T,H)、c(t,P,T,H)と求まる場合を考える。この時、センサ全体の出力変化の予測値F(t,P,T,H)は、下記式(3)のように求まる。
Figure 2014153957
続いて、ドリフト量の実測値が、下記式(5)のように表せる場合を考える。
Figure 2014153957
仮に、予測値と実測値が一致する場合には、ΔF(t,P,T,H)はゼロ(=0)になる。この関係を利用することで、実測値に対応した補正係数を求めることができる。以下、具体的な手法を説明する。
まず、α=β=1と仮定すると、上記式(6)は下記式(7)のように表すことができる。
Figure 2014153957
プラント診断装置10Aでは、このようにして得られるドリフト量の予測曲線がドリフト速度予測部25へ与えられる。
なお、その際、ドリフト量予測部24はセンサ全体のドリフト量の予測曲線のみならず、センサ構成要素ごとのドリフト量の予測曲線をドリフト速度予測部25へ与えることもできる。この場合、プラント診断装置10Aでは、センサ構成要素ごとにドリフト速度の予測曲線を得ることができ、センサ構成要素ごとの劣化診断(残存寿命の算出)が可能となる。
ドリフト速度予測部25は、センサのドリフト量の予測曲線を時間微分してドリフト速度の予測曲線を算出する。
図9は、本発明の実施形態において、ドリフト量の予測値に基づき算出されるドリフト速度の予測値を示す説明図である。より詳細には、図9(A)が時間に対するドリフト量の予測値を示すグラフであり、図9(B)が時間に対するドリフト速度の予測値を示すグラフである。
上述するプラント診断装置10Aの場合、ドリフト速度予測部25は、ドリフト速度の予測曲線(図9(B))を求める際に使用されるドリフト量の予測曲線(図9(A))をドリフト量予測部24から受け取る。ドリフト速度予測部25は、ドリフト速度の予測曲線を求めると、求めたドリフト速度の予測曲線をセンサ残存寿命算出部26へ与える。
センサ残存寿命算出部26は、ドリフト速度算出部22から入力された時間におけるドリフト速度の実測値が、ドリフト速度予測部25から入力されたドリフト速度の予測曲線上において、どの程度の経過時間に対応するのかを算出し、ドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間との差、すなわち、センサを使用可能な限界時間までに残されている残存時間であるセンサ残存寿命を算出する。
図10は、本発明の実施形態において算出されるセンサ残存寿命を説明する説明図である。
センサ残存寿命算出部26は、図10に示されるように、ドリフト速度の予測曲線において、時間Tにおけるドリフト速度の実測値Vr(T)に対応する経過時間T’を求め、求めた経過時間T’とドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間Tlimとの差を求める。ここで、求まる差は、経過時間T’から経過時間Tlimに到達するまでに残されている残存時間、すなわち、センサ残存寿命である。なお、Vlimは、ドリフト速度の予測曲線において、時間Tlimに対応するドリフト速度である。
このようにして、センサ残存寿命算出部26がセンサ残存寿命を算出すると、第1のセンサ劣化診断手段16Aで算出されたセンサ残存寿命の情報が第1のセンサ劣化診断手段16Aから交換数量算出手段17に与えられる。その後は、交換数量算出手段17が指定される交換作業日に交換が必要になるセンサの数量を算出し、保守計画策定手段18が交換作業ごとのセンサの交換対象および交換数量に基づいて、保守計画を策定する。
次に、本発明の第1の実施形態に係るプラント診断方法について説明する。
本発明の第1の実施形態に係るプラント診断方法は、例えば、センサ劣化診断工程を具備する第1のプラント診断処理手順(図11)を実行するプラント診断装置10Aを用いて行うことができる。
図11は、プラント診断装置10Aが実行する第1のプラント診断処理手順の処理の流れを示す処理フロー図である。
第1のプラント診断処理手順は、第1のセンサ劣化診断手段16Aが実行する第1のセンサ劣化診断工程(ステップS1A)と、交換数量算出手段17が実行する交換数量算出工程(ステップS2)と、保守計画策定手段18が実行する保守計画策定工程(ステップS3)と、を具備する。
第1のプラント診断処理手順は、処理手順の実行要求を受けて、処理ステップの実行が開始される(START)。第1のプラント診断処理手順では、ステップS1A、ステップS2、およびステップS3の流れで順次実行される。
ステップS1Aの第1のセンサ劣化診断工程は、現時点からドリフト量の許容限界値である指示精度に達する時点(経過時間)までに残されている残存時間をプラントの各センサに対して計算し、該計算結果から各センサに対する劣化状態を診断する工程である。
第1のセンサ劣化診断工程は、例えば、ドリフト量算出ステップ(ステップS11)と、ドリフト速度算出ステップ(ステップS12)と、センサ出力予測ステップ(ステップS13)と、ドリフト量予測ステップ(ステップS14)と、ドリフト速度予測ステップ(ステップS15)と、センサ残存寿命算出ステップ(ステップS16)と、を備える。
ドリフト量算出ステップ(ステップS11)は、ドリフト量算出部21が、受け取ったセンサ出力データ(プロセスデータ)に基づいて、該センサのドリフト量を算出する処理ステップである。
ドリフト速度算出ステップ(ステップS12)は、ドリフト速度算出部22が、ドリフト量算出ステップで算出されたプロセスデータのドリフト量に基づいてドリフト速度を算出する処理ステップである。
センサ出力予測ステップ(ステップS13)は、センサ出力予測部23が、センサ使用履歴DB28を参照し、センサ使用履歴DB28が有するセンサ使用履歴の情報に合致したセンサの出力変化データをセンサ出力変化DB27から抽出して、センサ出力変化の予測値を得る処理ステップである。
ドリフト量予測ステップ(ステップS14)は、ドリフト量予測部24が、センサ出力データに基づいて、該センサのドリフト量を予測し、時間に対するドリフト量の予測値(予測曲線)を得る処理ステップである。
ドリフト速度予測ステップ(ステップS15)は、ドリフト速度予測部25が、センサのドリフト量の予測曲線を時間微分してドリフト速度の予測曲線を算出する処理ステップである。
センサ残存寿命算出ステップ(ステップS16)は、センサ残存寿命算出部26が、ステップS15で得られたドリフト速度の予測曲線において、ステップS12で得られたセンサの劣化診断(プラントの劣化診断)時におけるドリフト速度の実測値となる時間を求めることで、センサの残存寿命を算出する処理ステップである。
このような処理ステップを備える第1のセンサ劣化診断工程では、ステップS11,S12と、ステップS13〜S15とが、並列的に(独立に)実行され、ステップS12およびステップS15が完了すると、ステップS16が実行される。
すなわち、第1のセンサ劣化診断工程では、まず、センサの出力データから算出されるドリフト量(実測値)に基づいて時間に対するドリフト速度の実測値が算出され(ステップS11,S12)、実際のセンサ使用履歴に該当するセンサ出力変化データに基づいて実際の劣化傾向に近いセンサ出力変化データを抽出することで得られるセンサ出力変化の予測値に基づいて時間に対するドリフト量の予測値(予測曲線)が算出され(ステップS13,S14)、このドリフト量の予測曲線に基づいて時間に対するドリフト速度の予測値(予測曲線)がさらに算出される(ステップS15)。
続いて、得られたドリフト速度の予測曲線上でセンサの劣化診断(プラントの劣化診断)時におけるドリフト速度の実測値となる時間を求め、該時間とドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間との差、すなわち、センサの残存寿命が算出される(ステップS16)。
このようにして、ステップS16が完了すると、第1のセンサ劣化診断工程の処理ステップは完了する。そして、第1のセンサ劣化診断工程に続いて、交換数量算出工程(ステップS2)が実行される。
交換数量算出工程(ステップS2)は、交換数量算出手段17が、第1のセンサ劣化診断工程(ステップS1A)で得られた計算結果と、指定される交換作業日(予定)とに基づいて、指定される交換作業日(交換作業実施時)に交換が必要になるセンサの数量を算出する工程である。
本工程では、交換数量算出手段17が、第1のセンサ劣化診断工程で残存寿命が算出された各センサについて、交換作業すべき交換日を決定し、交換作業日ごとにセンサの数量が集計される。集計が終わると、交換数量算出工程は完了し、続いて、保守計画策定工程(ステップS3)が実行される。
保守計画策定工程(ステップS3)は、保守計画策定手段18が、交換数量算出工程で決定された交換作業日ごとのセンサの交換対象および交換数量に基づいて、保守計画を策定する工程である。
本工程では、保守計画策定手段18が、交換数量算出工程(ステップS2)で決定された交換作業ごとのセンサの交換対象に基づいて、少なくとも、診断対象であるプラントのセンサの交換作業日と、該交換作業日における作業対象を決定した保守計画を策定する。このとき、保守計画策定手段18は、交換数量算出工程で決定された交換作業ごとのセンサの交換数量に基づいて、交換作業日ごとのセンサの交換数量を保守計画に盛り込むこともできる。
なお、本工程において、保守計画策定手段18がセンサの交換作業の見積計算用の情報(例えば、図2に示される作業見積DB29等)を参照し、取得することができれば、取得した情報をさらに加味してより詳細な保守計画を策定することもできる。
保守計画策定工程において、保守計画の策定が完了すると、ステップS3の処理実行は完了する。そして、ステップS3が完了すると、第1のプラント診断処理手順は、全処理ステップの実行を完了する(END)。
プラント診断装置10Aおよびプラント診断装置10Aを用いて行うプラント診断方法によれば、センサのドリフト速度を診断に用いることにより、単にドリフト量のみで診断する場合と比較してドリフト傾向が変化する時刻をより容易に捉えることができる。
これは、一定の割合でドリフト量が増えていく場合、ドリフト速度は一定となるが、ドリフト量の増える割合、または減る割合(ドリフト量増減割合)が変化すると、ドリフト速度が増加、または減少し、傾向の変化が分かりやすくなるためである。
また、プラント診断装置10Aおよびプラント診断装置10Aを用いて行うプラント診断方法によれば、劣化診断の対象となるセンサのドリフト速度の実測値と予測値とを比較することによって行う該センサの劣化診断により、ドリフト値がしきい値を超えるか否かで診断する場合よりも軽微なセンサの劣化兆候や異常傾向を検出できるようになる。
さらに、プラント診断装置10Aおよびプラント診断装置10Aを用いて行うプラント診断方法によれば、軽微なセンサの劣化予兆や異常の傾向を検知することができるので、センサの交換時期および将来予定される交換作業時において必要となる交換数量を予測することができる。
さらにまた、プラント診断装置10Aおよびプラント診断装置10Aを用いて行うプラント診断方法によれば、センサの構成要素ごとの劣化傾向を用いてドリフト量の予測曲線を算出するので、実際の劣化に即したセンサ出力のドリフト予測値を得ることができる。また、その際に、各構成要素のドリフト量の予測値を用いて各構成要素の残存寿命を算すれば、センサ全体だけでなくセンサの構成要素ごとに劣化傾向や交換時期を推定することができる。
故に、プラント診断装置10Aおよびプラント診断装置10Aを用いて行うプラント診断方法によれば、プラントに実装されるセンサの保守(メンテナンス)の容易化を図ることができる。
なお、上述するプラント診断装置10Aは、ドリフト速度予測部25がドリフト量予測部24からドリフト量の予測曲線を受け取っている例であるが、必ずしもドリフト量の予測曲線を算出して取得する必要はない。
例えば、他装置で算出する等して予め用意したデータを記憶手段14(図1)等の読み出し可能な記憶領域に保持しておき、該記憶領域から読み出す、または直接入力されたものを受け取る等してドリフト速度予測部25がドリフト量の予測曲線を取得するようにしても良い。この場合、上述した第1のプラント診断処理手順において、ステップS13およびステップS14を省略することができる。
[第2の実施形態]
図12は、本発明の第2の実施形態に係るプラント診断装置の一例であるプラント診断装置10Bの機能的な構成を概略的に示す機能ブロック図である。
プラント診断装置10Bは、プラント診断装置10Aに対して、センサ劣化診断手段16Aの代わりに、センサ劣化診断手段16Bを具備する点で相違するが、その他の点については実質的に相違しない。そこで、第2の実施形態の説明では、上記相違点を中心に説明し、プラント診断装置10Aと実質的に相違しない構成要素および処理ステップについては同じ符号を付して省略する。
プラント診断装置10Bは、例えば、第2のセンサ劣化診断手段16Bを具備し、さらに、交換数量算出手段17と、保守計画策定手段18とを具備して構成される。第2のセンサ劣化診断手段16Bは、センサ出力変化の予測曲線を算出する手法が第1のセンサ劣化診断手段16Aと相違するが、センサ出力変化の予測曲線に基づいて得られるドリフト速度を用いて該センサの劣化診断を行う点では共通する。
第2のセンサ劣化診断手段16Bは、例えば、ドリフト量算出部21と、ドリフト速度算出部22と、センサ校正データ内挿部31と、センサドリフト量算出部32と、ドリフト速度予測部25と、センサ残存寿命算出部26とを備える。
すなわち、第2のセンサ劣化診断手段16Bは、第1のセンサ劣化診断手段16Aに対して、センサ出力予測部23およびドリフト量予測部24の代わりに、センサ校正データ内挿部31およびセンサドリフト量算出部32を備える。なお、符号33は、定期検査等で実施されるセンサの校正実施回ごとにセンサを校正した際に測定されるセンサ出力値およびドリフト量の情報(センサ校正データ)を有するセンサ校正DBである。
センサ校正データ内挿部31は、例えば、センサ校正DB33を参照することで校正データを取得する。そして、センサ校正データ内挿部31は、得られる校正データを補間(内挿)して、校正実施回ごとに校正点(0〜100%)に対するドリフト量の情報を得る。得られたドリフト量の情報は、センサ校正データ内挿部31からセンサドリフト量算出部32に与えられる。
図13は、本発明の第2の実施形態において使用されるセンサ校正DB33に格納される情報の例を示す説明図である。
センサ校正DB33は、例えば、図13に示されるように、例えば過去に実施された第1回〜第K(Kは2以上の整数)回までの校正データが格納される。校正データとしては、センサが計測できる範囲に対し、25%ずつ変化させながら、各校正点における校正前の出力値およびドリフト量、校正後の出力値およびドリフト量の情報が記録されている。校正データは、センサの個体または型式ごとに記録される。
なお、ドリフト速度の算出に用いられるドリフト量は、第2回目の校正実施回の場合、第2回目の校正前のドリフト量から、第1回目の校正後のドリフト量を同一校正点ごとに差し引くことで求められる。
センサドリフト量算出部32は、ある任意の校正点に対して、センサ校正データ内挿部31から受け取る校正実施回ごとの校正点に対するドリフト量の情報を時系列にプロットし、プロットされる点と点との間を補間することで、ある任意の校正点に対して、時間に対するドリフト量の予測値であるドリフト量の予測曲線を得る。センサドリフト量算出部32がドリフト量の予測曲線を得る校正点は、プラント診断装置10Bに入力される実際のセンサ出力データに合わせた校正点が選択される。
ここで、センサ校正データ内挿部31およびセンサドリフト量算出部32が行うドリフト量の予測曲線を算出する処理(図15に示されるステップS18,S19に相当)について具体的に説明する。
図14は、本発明の第2の実施形態において、ドリフト量の予測曲線を算出する例を説明する説明図である。より詳細には、図14(A)は校正データに基づいて該校正データにない校正点(ここでは校正点30%)における時間に対するドリフト量を算出する手法を説明する説明図であり、図14(B)は時間に対するドリフト量(校正点30%)の予測曲線を示すグラフである。
図14に示される例は、入力されるセンサ出力データが校正点30%の場合である。この場合、該校正点の校正データはセンサ校正DB33に存在しないので、センサ校正データ内挿部31がセンサ校正DB33に格納される校正点25%,50%の校正データを用いて校正点30%のドリフト量をデータ補間して取得する(図14(A))。このとき、校正点25%,50%の校正データにドリフト量の平均値と標準偏差(σ)が含まれている場合には、校正点30%のドリフト量の平均値と標準偏差も算出される。
続いて、センサドリフト量算出部32は、得られた校正実施回ごとの校正点30%のドリフト量を用いて時系列にプロットする。そして、プロットされる点と点との間のドリフト量をデータ補間することによりドリフト量の予測曲線を得る。
ドリフト量の予測曲線を得る際に採用されるドリフト量の値は、例えば、ドリフト量の平均値、最小値、最大値、中央値、最頻値、平均値に標準偏差の倍数を加減した値(例えば、平均値+σや平均値+3σ)等から選択される代表値である。
第2のセンサ劣化診断手段16Bでは、何れの代表値を採用することができるが、プラントをより安全に運用する観点から、平均値に標準偏差を加えた値(平均値+σ)を採用する。すなわち、センサドリフト量算出部32は、ドリフト量の平均値に標準偏差を足した値に対して最小二乗法等を適用してドリフト量の予測曲線を得ている。
なお、さらに安全側でセンサの劣化程度を予測する場合には、平均値に標準偏差の2倍または3倍を加えた値(平均値+2σまたは平均値+3σ)を採用してドリフト量の予測曲線を求めることもできる。
このようにして、センサドリフト量算出部32がドリフト量の予測曲線を得ると、得られたドリフト量の予測曲線をドリフト速度予測部25に与える。ドリフト速度予測部25から後段での処理内容は、第1のセンサ劣化診断手段16Aと同様である。
なお、上述したプラント診断装置10Bは、第2のセンサ劣化診断手段16Bがセンサ校正データ内挿部31と、センサドリフト量算出部32とを備える例を説明しているが、実際のセンサ出力データ(プロセスデータ)に該当する校正点のデータがセンサ校正DB33に格納されている場合には校正データの補間は不要であり、センサドリフト量算出部32がセンサ校正DB33を参照する構成とすることで、センサ校正データ内挿部31を省略することもできる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るプラント診断方法について説明する。
本発明の第2の実施形態に係るプラント診断方法は、例えば、センサ劣化診断工程を具備する第2のプラント診断処理手順(図15)を実行するプラント診断装置10Bを用いて行うことができる。
図15は、プラント診断装置10Bが実行する第2のプラント診断処理手順の処理の流れを示す処理フロー図である。
第2のプラント診断処理手順は、第1のプラント診断処理手順に対して、第1のセンサ劣化診断工程(ステップS1A)の代わりに第2のセンサ劣化診断工程(ステップS1B)を具備する点で相違するが、その他の工程については実質的に相違しない。そこで、第2のプラント診断処理手順の説明では、第1のプラント診断処理手順に対する相違点を中心に説明し、第1のプラント診断処理手順に対して実質的に相違しない工程については同じ符号(ステップ番号)を付して説明を省略する。
第2のセンサ劣化診断工程(ステップS1B)は、第1のセンサ劣化診断工程(ステップS1A)が備えるセンサ出力予測ステップ(ステップS13)およびドリフト量予測ステップ(ステップS14)の代わりに、センサの校正データを内挿するセンサ校正データ内挿ステップ(ステップS18)およびセンサのドリフト量を算出するセンサドリフト量算出ステップ(ステップS19)を備える点で相違する。
センサ校正データ内挿ステップ(ステップS18)は、センサ校正データ内挿部31が得られる校正データを補間して、センサの校正実施回ごとに校正点に対するドリフト量の情報を得る処理ステップである。センサ校正データ内挿部31がセンサの校正実施回ごとに校正点に対するドリフト量の情報を得ると、ステップS18は完了する。ステップS18が完了すると、第2のセンサ劣化診断工程は、ステップS19に進む。
センサドリフト量算出ステップ(ステップS19)は、センサドリフト量算出部32が、プラント診断装置10Bに入力される実際のセンサ出力データに対応する校正点に対して、センサ校正データ内挿部31から受け取る校正実施回ごとの該校正点に対するドリフト量の情報を時系列にプロットし、プロットされる点と点との間を補間することで、該校正点におけるドリフト量の予測曲線を得る処理ステップである。
センサドリフト量算出部32がプラント診断装置10Bに入力される実際のセンサ出力データに対応する校正点におけるドリフト量の予測曲線を得ると、ステップS19は完了する。ステップS19が完了すると、第2のセンサ劣化診断工程は、ステップS19からステップS15に進み、第1のセンサ劣化診断工程と同様に、ステップS15,S16の処理ステップが実行される。
プラント診断装置10Bおよびプラント診断装置10Bを用いて行うプラント診断方法によれば、校正データに基づいて、各型式のセンサの劣化傾向を反映したドリフト速度の算出ができる。また、センサのドリフト速度を診断に用いることにより、単にドリフト量のみで診断する場合と比較してドリフト傾向が変化する時刻をより容易に捉えることができる。従って、ドリフト量をしきい値のみで判定する場合よりも、軽微なセンサの劣化予兆や異常の傾向を検知することができる。
さらに、プラント診断装置10Bおよびプラント診断装置10Bを用いて行うプラント診断方法によれば、軽微なセンサの劣化予兆や異常の傾向を検知することができるので、センサの交換時期および将来予定される交換作業時において必要となる交換数量を予測することができる。
故に、プラント診断装置10Bおよびプラント診断装置10Bを用いて行うプラント診断方法によれば、プラントに実装されるセンサの保守(メンテナンス)の容易化を図ることができる。
以上、上述したセンサ健全性診断装置、およびセンサ健全性診断方法によれば、センサの保守(メンテナンス)の容易化を図ることができる。また、該センサ健全性診断装置、および該センサ健全性診断方法をプラントに実装されるセンサの健全性診断に適用すれば、該プラントの健全性(劣化)を診断することができるので、プラントに実装されるセンサの保守容易化を図ることができる。
すなわち、上述したプラント診断装置等では、従来のようにドリフト量をしきい値のみで判定する場合よりも、軽微なセンサの劣化予兆や異常の傾向を検知することができる。また、上述したプラント診断装置等では、軽微なセンサの劣化予兆や異常の傾向を検知することができるため、センサの交換時期および将来予定される交換作業時において必要となる交換数量を予測することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行うことができる。
例えば、センサ劣化診断手段16の一例として、第1のセンサ劣化診断手段16Aに対して、センサ校正データ内挿部31と、センサドリフト量算出部32とをさらに備える構成を採用することもできる。また、他の例として、第1のセンサ劣化診断手段16Aに対して、センサ出力予測部23、およびドリフト量予測部24を省略した構成を採用することもできる。
また、上述した実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10(10A,10B)…プラント診断装置、11…入力手段、12…出力手段、13…I/F手段、14…記憶手段、15…センサ出力データ入力手段、16(16A,16B)…センサ劣化診断手段、17…交換数量算出手段、18…保守計画策定手段、19…制御手段、21…ドリフト量算出部、22…ドリフト速度算出部、23…センサ出力予測部、24…ドリフト量予測部、25…ドリフト速度予測部、26…センサ残存寿命算出部、27…センサ出力変化DB、28…センサ使用履歴DB、29…作業見積DB、33…センサ校正DB。

Claims (11)

  1. 入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するドリフト量算出部と、
    このドリフト量算出部により算出される前記ドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出するドリフト速度算出部と、
    前記センサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて、時間に対するドリフト速度の予測曲線を算出するドリフト速度予測部と、
    このドリフト速度予測部により算出される前記ドリフト速度の予測曲線、および前記ドリフト速度算出部により算出される前記ドリフト速度に基づいて、前記センサの前記ドリフト速度の予測曲線上で前記ドリフト速度算出部により算出される前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間からドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ残存寿命算出部とを備えるセンサ健全性診断装置。
  2. 前記センサごとに該センサの構成要素ごとの劣化による出力変化の情報を有するセンサ出力変化データベースと、前記センサごとの出力変化データを示す使用履歴の情報を有するセンサ使用履歴データベースとを参照し、前記使用履歴の情報に合致するセンサ出力変化データに基づいて、前記センサ出力変化データベースに格納される前記センサの出力変化のデータの中から実際の劣化傾向に近いセンサ出力変化データを抽出し、センサ出力変化の予測値を得るセンサ出力予測部と、
    前記センサ出力変化の予測値に基づいて、前記センサ出力変化の予測値を与えるセンサのドリフト量の予測曲線を算出するドリフト量予測部とをさらに備え、
    前記ドリフト速度予測部は、前記ドリフト量予測部により算出される前記ドリフト量の予測曲線を用いることを特徴とする請求項1記載のセンサ健全性診断装置。
  3. 前記センサ出力予測部が前記センサ出力変化データベースから抽出するセンサ出力変化データは、前記センサの構成要素ごとのセンサ出力変化データであり、
    前記センサ出力予測部は、前記センサの構成要素ごとのセンサ出力変化データに補正係数を掛けた後、それらを足し合わせることでセンサ出力変化の予測値を得るように構成されることを特徴とする請求項2記載のセンサ健全性診断装置。
  4. 前記センサ出力予測部は、実際のセンサ使用履歴に対してセンサ出力変化データベースに該当する条件のセンサ出力変化データが存在しない場合、実際のセンサ使用履歴に最も近いデータとそれ以外のデータとを用いて内挿するように構成されることを特徴とする請求項2又は3記載のセンサ健全性診断装置。
  5. 前記センサの校正実施回ごとの校正データを格納するセンサ校正データベースを参照し、健全性を診断するセンサと同一の個体または型式のセンサの前記校正実施回ごとの校正データに基づいて、前記健全性を診断するセンサと同一の個体または型式のセンサのドリフト量の平均値と標準偏差を算出するセンサドリフト算出部を、さらに備え、
    前記ドリフト速度予測部は、前記ドリフト量予測部により算出される前記ドリフト量の予測曲線を用いることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のセンサ健全性診断装置。
  6. 実際のセンサ出力データに該当する校正点データが前記センサ校正データベースに存在しない場合、前記実際のセンサ出力データに最も近い校正点データとそれ以外の校正点データとを用いて内挿するセンサ校正データ内挿部をさらに備えることを特徴とする請求項5記載のセンサ健全性診断装置。
  7. 請求項1から6の何れか1項に記載のセンサ健全性診断装置を、前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ劣化診断手段として具備し、
    前記センサ劣化診断手段は、前記プラントに実装されるセンサの健全性を診断し、診断した結果から前記プラントの健全性を診断することを特徴とするプラント診断装置。
  8. 前記センサ劣化診断手段が求めた前記残存時間と、指定される前記センサの交換作業実施時とに基づいて、前記指定される前記センサの交換作業実施時に交換が必要になるセンサを特定し、その数量を算出する交換数量算出手段をさらに具備する請求項7記載のプラント診断装置。
  9. 前記交換数量算出手段が決定した前記交換作業実施時に交換が必要となる前記センサの交換対象に基づいて、少なくとも、前記プラントのセンサの交換作業実施時と該交換作業実施時に交換作業を行う対象とを決定した保守計画を策定する保守計画策定手段をさらに具備する請求項8記載のプラント診断装置。
  10. 入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出し、算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出し、診断実施時の前記ドリフト速度を得る一方、前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を得て、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ健全性診断装置を用いて前記センサの健全性を診断する方法であり、前記センサ健全性診断装置が、
    前記入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するステップと、
    このドリフト量を算出するステップで算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出するステップと、
    前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を算出するステップと、
    前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるステップとを備えるセンサ劣化診断工程を行うことを特徴とするセンサ健全性診断方法。
  11. 入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出し、算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出し、診断実施時の前記ドリフト速度を得る一方、前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を得て、前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるセンサ健全性診断装置を用いて前記センサを実装するプラントの健全性を診断する方法であり、前記センサ健全性診断装置が、
    前記入力されるセンサの出力データのドリフト量を算出するステップと、
    このドリフト量を算出するステップで算出されるドリフト量に基づいて前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の単位時間当たりの変化量であるドリフト速度を算出するステップと、
    前記出力データを出力するセンサの時間に対するドリフト量の予測曲線に基づいて前記ドリフト速度の予測曲線を算出するステップと、
    前記ドリフト速度の予測曲線上で前記診断実施時の前記ドリフト速度となる時間を求め、求めた時間から前記センサのドリフト量の許容限界値である指示精度に到達するまでの経過時間となるまでに残されている残存時間を求めるステップとを備えるセンサ劣化診断工程を行い、このセンサ劣化診断工程で求められる前記プラントに実装されるセンサの残存時間から前記プラントに実装されるセンサの健全性を診断し、診断した結果から前記プラントの健全性を診断することを特徴とするプラント診断方法。
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