JP2014152631A - 油量調整装置 - Google Patents

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Takahiro Kawahara
賢大 川原
Norio Imai
紀夫 今井
Genichi Murakami
元一 村上
Akihiro Honda
暁拡 本田
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Abstract

【課題】クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部に供給されるオイルの流量を、局所的に、温度に応じて調整可能な油量調整装置を提供する。
【解決手段】油量調整装置1は、オイル経路のクランクシャフト用幹通路に配置される。油量調整装置1は、ハウジング2と、バルブ本体40を有するバルブ4と、バルブ本体40の表側に区画される導入室22と、バルブ本体40の裏側に区画される圧力室23と、導入室22と圧力室23との間に配置される内部通路400と、導入室22と外部との間に配置される第一流出通路210と、圧力室23と外部との間に配置される第二流出通路Bと、を備える。冷間時においては小流量経路L2を経由してオイルOが複数の摺動部S1、S2に供給される閉弁状態に、温間時においては少なくとも大流量経路L1を経由してオイルOが複数の摺動部S1、S2に供給される開弁状態に、切り替わる。
【選択図】図4

Description

本発明は、クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部に供給されるオイルの流量を調整する油量調整装置に関する。
エンジンには、複数の摺動部が存在する。これらの摺動部には、オイル経路を介して、オイルパンからオイルが供給されている。例えば、特許文献1に開示されているオイル経路には、リリーフバルブが配置されている。同文献の第1図に示すように、オイルポンプとメインオイルギャラリとの間には、リリーフ通路が分岐接続されている。リリーフバルブは、リリーフ通路に配置されている。同文献記載のリリーフバルブの開弁圧は、低温時において高く、高温時において低くなるように設定されている。このため、中速回転域における開弁圧を低くすることができる。したがって、中速回転域におけるエンジンの摩擦抵抗を小さくすることができる。
特開平4−17708号公報
しかしながら、同文献記載のリリーフバルブによると、オイル経路に配置されている全ての摺動部に供給されるオイルの流量(単位時間あたりに流れるオイルの体積)を、統合的に調整している。このため、個々の摺動部ごとに、オイルの流量を調整することはできない。
クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部の場合、いち早く摩擦抵抗を小さくすることが望まれる。ここで、摩擦抵抗を小さくするためには、摺動部に供給されるオイル、または摺動部に介在するオイルの粘度を下げればよい。オイルの粘度を下げるためには、オイルの温度を上昇させればよい。
このため、クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部の場合、いち早く摩擦抵抗を小さくするために、エンジン始動直後に、意図的に当該摺動部の冷却を制限して、オイルの温度を上昇させるという方法が考えられる。ここで、冷却を制限するためには、当該摺動部に供給されるオイルの流量を小さくすればよい。
ところが、従来のオイル経路の場合、オイルの流量は、リリーフバルブにより、一括調整されている。このため、クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部だけ、局所的に、オイルの流量を小さくすることはできない。
そこで、本発明は、クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部に供給されるオイルの流量を、局所的に、温度に応じて調整可能な油量調整装置を提供することを目的とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の油量調整装置は、オイルフィルタの下流側に配置されるクランクシャフト用幹通路と、該クランクシャフト用幹通路に分岐接続され、クランクシャフトと、該クランクシャフトに環装される複数の軸受と、の間に介在する複数の摺動部にオイルを供給する複数のクランクシャフト用枝通路と、を有するオイル経路の、該クランクシャフト用幹通路に配置され、筒状のハウジングと、該ハウジングの内部に配置され、該ハウジングの軸方向に往復動可能なバルブ本体を有するバルブと、該ハウジングの内部において、該バルブ本体の表側に区画され、該オイルが導入される導入室と、該ハウジングの内部において、該バルブ本体の裏側に区画される圧力室と、該導入室と該圧力室との間に配置される内部通路と、該導入室と該ハウジングの外部との間に配置され、該オイルが流出する第一流出通路と、該圧力室と該ハウジングの外部との間に配置され、該オイルが流出する第二流出通路と、を備え、エンジン始動直後であって、該エンジンの暖機が未完了の冷間時においては、小流量経路を経由して、該オイルが複数の該摺動部に供給される閉弁状態に、該エンジンの暖機完了後の温間時においては、該小流量経路、および該第一流出通路を有し該小流量経路よりも経路断面積が大きい大流量経路のうち、少なくとも該大流量経路を経由して、該オイルが複数の該摺動部に供給される開弁状態に、切り替わることにより、該冷間時と該温間時とで、複数の該摺動部に供給される該オイルの流量を、一括して調整することを特徴とする。
ここで、小流量経路、大流量経路の「経路断面積」とは、経路(小流量経路、大流量経路)の延在方向に対して直交する方向の断面積の最小値をいう。
本発明の油量調整装置は、クランクシャフト用幹通路に配置されている。クランクシャフト用幹通路は、クランクシャフトと、当該クランクシャフトに環装される複数の軸受と、の間に介在する全ての摺動部に、オイルを供給している。
油量調整装置は、冷間時においては、小流量経路を経由して、オイルを、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、供給することができる。すなわち、冷間時においては、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を小さくすることができる。このため、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部の冷却を抑制することができる。したがって、当該摩擦熱を利用して、これらの摺動部に供給されるオイルの温度を上げることができる。すなわち、当該オイルの粘度を下げることができる。よって、これらの摺動部の摩擦抵抗を小さくすることができる。
これに対して、油量調整装置は、冷間時よりもオイルの温度が高い温間時においては、小流量経路および大流量経路のうち、少なくとも大流量経路を経由して、オイルを、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、供給することができる。すなわち、温間時においては、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を大きくすることができる。このため、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、充分な量のオイルを供給することができる。したがって、これらの摺動部を冷却することができる。また、これらの摺動部の摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、本発明の油量調整装置によると、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を、局所的に、かつ総括的に、温度に応じて調整することができる。
また、例えば、冷間時において、油量調整装置がない場合と比較して、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を、小さくすることができる。
また、例えば、冷間時において、オイル経路に接続される他の摺動部と比較して、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に供給されるオイルの流量を、小さくすることができる。
また、本発明の油量調整装置によると、圧力室の上流側に内部通路が、圧力室の下流側に第二流出通路が、各々配置されている。圧力室の内圧は、オイルの温度に応じて変化する。このため、当該内圧の変化を利用して、開弁位置(開弁状態におけるバルブの位置)と閉弁位置(閉弁状態におけるバルブの位置)との間で、バルブを往復動させることができる。
(2)好ましくは、上記(1)の構成において、さらに、前記バルブ本体に配置され、前記第一流出通路よりも、通路断面積が小さい切替通路を備え、前記冷間時においては、該バルブ本体が該第一流出通路を閉じ、該切替通路が前記導入室と該第一流出通路との間に差し込まれることにより、該導入室、該切替通路、該第一流出通路を有する前記小流量経路が形成され、前記温間時においては、該バルブ本体が該第一流出通路を開き、該切替通路が該導入室と該第一流出通路との間から抜き出され、該導入室、該第一流出通路を有する前記大流量経路が形成される構成とする方がよい。
ここで、第一流出通路、切替通路の「通路断面積」とは、通路(第一流出通路、切替通路)の延在方向に対して直交する方向の断面積の最小値をいう。本構成によると、閉弁状態においては、導入室、切替通路、第一流出通路を有する小流量経路を経由して、オイルを、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、供給することができる。すなわち、切替通路を経由させることにより、オイルの流量を小さくすることができる。
これに対して、開弁状態においては、導入室、第一流出通路を有する大流量経路を経由して、オイルを、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、供給することができる。すなわち、オイルの流量を大きくすることができる。
また、第二流出通路は、本来、圧力室の内圧を制御するために設けられている。言い換えると、第二流出通路は、バルブの動作を制御するために設けられている。このため、第二流出通路の通路断面積の許容範囲は、内圧調整の観点から、ある程度制限されてしまう。したがって、仮に、第二流出通路を利用して小流量経路を設定すると、小流量経路を流れるオイルの流量設定に対する自由度が低くなってしまう。
この点、本構成によると、第二流出通路を利用しないで小流量経路を設定している。言い換えると、切替通路を利用して小流量経路を設定している。このため、小流量経路を流れるオイルの流量設定に対する自由度が高い。
(3)好ましくは、上記(1)の構成において、前記第一流出通路よりも、前記第二流出通路の方が、通路断面積が小さく設定されており、前記冷間時においては、前記バルブ本体が該第一流出通路を閉じ、前記導入室、前記内部通路、前記圧力室、該第二流出通路を有する前記小流量経路が形成され、前記温間時においては、該バルブ本体が該第一流出通路を開き、該導入室、該第一流出通路を有する前記大流量経路が形成される構成とする方がよい。
ここで、第一流出通路、第二流出通路の「通路断面積」とは、通路(第一流出通路、第二流出通路)の延在方向に対して直交する方向の断面積の最小値をいう。本構成によると、閉弁状態においては、導入室、内部通路、圧力室、第二流出通路を有する小流量経路を経由して、オイルを、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、供給することができる。すなわち、第二流出通路を経由させることにより、オイルの流量を小さくすることができる。
これに対して、開弁状態においては、導入室、第一流出通路を有する大流量経路を経由して、オイルを、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に、供給することができる。すなわち、オイルの流量を大きくすることができる。
また、第二流出通路は、本来、圧力室の内圧を制御するために設けられている。この点、本構成によると、第二流出通路を利用して小流量経路を設定している。このため、第二流出通路を利用しないで小流量経路を設定する場合と比較して、油量調整装置の構造が簡単になる。
(4)好ましくは、上記(1)ないし(3)のいずれかの構成において、前記内部通路は、オリフィスを有し、前記第二流出通路は、開口幅が該オリフィスよりも小さく、総開口面積が該オリフィスよりも大きいリーク隙間である構成とする方がよい。本構成によると、オイルの油温に応じて、圧力室の内圧を簡単に調整することができる。
(5)好ましくは、上記(1)ないし(4)のいずれかの構成において、さらに、前記内部通路に配置され、前記第二流出通路を通過できない異物を前記オイルから除去するフィルタを備え、該内部通路は、前記バルブ本体に配置されている構成とする方がよい。
本構成によると、フィルタにより、オイル中の異物(例えば、スラッジ、摩耗粉、ゴミ、エンジン製造時の加工粉など)を除去することができる。このため、第二流出通路が異物により閉塞するのを、抑制することができる。また、フィルタは、内部通路(つまりバルブ本体)に配置されている。フィルタに異物が詰まると、オイルがフィルタを、表側(導入室側)から裏側(圧力室側)に通過しにくくなる。つまり、フィルタの通過抵抗が大きくなる。このため、表側からバルブに加わる荷重が大きくなる。したがって、バルブは裏側に移動し、油量調整装置は開弁状態に切り替わる。このように、本構成によると、フィルタに異物が詰まった場合であっても、開弁状態を確保することができる。このため、フィルタに異物が詰まった場合であっても、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部を冷却、潤滑するのに充分な、オイルの流量を確保することができる。
ところで、オイルは、エンジンを、一例として、オイルパン→オイルポンプ→オイルフィルタ→シリンダブロック→再びオイルパンというオイル経路で循環している。エンジン製造直後においては、シリンダブロックに、エンジン製造時の加工粉が残留している場合がある。このため、エンジン製造直後にエンジンを駆動すると、加工粉は、オイルフィルタを通過する前に、クランクシャフトと複数の軸受との間に介在する全ての摺動部に流れ込んでしまう。したがって、これらの摺動部に異物が詰まりやすくなる。この点、本構成によると、エンジン製造直後にエンジンを駆動する場合であっても、オイルに混入した異物を、フィルタにより除去することができる。
また、仮に、バルブ本体にフィルタが配置されていない場合、内部通路を通過した異物が、第二流出通路に詰まることも考えられる。この場合、圧力室の内圧が高くなる。このため、裏側からバルブに加わる荷重が大きくなる。したがって、油量調整装置が開弁状態に切り替わりにくくなる。
この点、本構成によると、フィルタは、第二流出通路を通過できない異物を除去することができる。このため、異物が、第二流出通路に詰まりにくい。したがって、油量調整装置が開弁状態に切り替わりやすくなる。
(6)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、さらに、前記バルブの裏側に配置され、隔壁側孔を有する隔壁と、該バルブの裏側に配置され、該隔壁側孔に挿通される固定シャフトと、を備え、前記第二流出通路は、該隔壁側孔の内周面と該固定シャフトの外周面との間に区画されている構成とする方がよい。本構成によると、相対的に移動不可能な隔壁側孔と固定シャフトとにより、第二流出通路を形成することができる。
(7)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、さらに、前記バルブ本体の裏側に配置され、隔壁側孔を有する隔壁を備え、前記バルブは、該バルブ本体から裏側に突設され、該隔壁側孔に挿通される可動シャフトを有し、前記圧力室は、該バルブ本体と該隔壁との間に区画され、前記第二流出通路は、該隔壁側孔の内周面と該可動シャフトの外周面との間に区画されている構成とする方がよい。
本構成によると、第二流出通路は、バルブの可動シャフトの外周面と、隔壁の隔壁側孔の内周面と、の間に区画されている。すなわち、第二流出通路を形成する部材のうち一つは、バルブと一体化されている。このため、可動シャフトとバルブとが別体である場合と比較して、部品点数が少なくて済む。また、ハウジング延いては油量調整装置の表裏方向長さ(軸方向長さ)を短くすることができる。すなわち、油量調整装置を小型化することができる。このため、油量調整装置の搭載性が向上する。
(8)好ましくは、上記(7)の構成において、前記隔壁側孔の内周面および前記可動シャフトの外周面のうち、少なくとも一方は、該隔壁側孔に対して該可動シャフトが移動するのに伴って、前記第二流出通路から異物を排出する異物排出部を有する構成とする方がよい。
本構成によると、ハウジングの内部をバルブが往復動する際、可動シャフトが隔壁側孔の径方向内側を移動する。この際、異物排出部は、第二流出通路に詰まった異物を排出することができる。このため、第二流出通路に異物が詰まりにくい。したがって、圧力室の内圧を、確実に調整することができる。
(8−1)好ましくは、上記(8)の構成において、前記異物排出部は、径方向に突出する環状リブである構成とする方がよい。隔壁側孔の内周面に配置されている場合、環状リブは、径方向内側に突出している。一方、可動シャフトの外周面に配置されている場合、環状リブは、径方向外側に突出している。本構成によると、バルブの往復動に伴って、異物を、第二流出通路から排出することができる。
(8−2)好ましくは、上記(8−1)の構成において、前記環状リブが前記可動シャフトの外周面に配置されている場合、前記環状リブの表面は、裏側から表側に向かって縮径するテーパ面状を呈している構成とする方がよい。
本構成によると、異物が、表側(圧力室側)から裏側(外部側)に移動しやすい。一方、異物が、裏側(外部側)から表側(圧力室側)に移動しにくい。このため、異物を、圧力室から外部に排出しやすい。
(8−3)好ましくは、上記(8−1)の構成において、前記環状リブが前記隔壁側孔の内周面に配置されている場合、前記環状リブの表面は、表側から裏側に向かって縮径するテーパ面状を呈している構成とする方がよい。
本構成によると、異物が、表側(圧力室側)から裏側(外部側)に移動しやすい。一方、異物が、裏側(外部側)から表側(圧力室側)に移動しにくい。このため、異物を、圧力室から外部に排出しやすい。
(8−4)好ましくは、上記(8)の構成において、前記隔壁は、前記圧力室に露出する表面に、前記隔壁側孔に向かって凹む異物収集凹部を有している構成とする方がよい。本構成によると、圧力室の異物を、異物収集凹部に集めることができる。また、集めた異物を、異物排出部により、隔壁側孔を介して、外部に排出することができる。このように、本構成によると、第二流出通路のみならず、圧力室から、簡単に異物を排出することができる。
(9)好ましくは、上記(1)ないし(5)のいずれかの構成において、前記第二流出通路は、前記内部通路の延在方向に対して、交差する方向に延在している構成とする方がよい。
本構成によると、内部通路から流れ出た異物が、第二流出通路に流れ込みにくい。このため、第二流出通路に異物が詰まりにくい。したがって、圧力室の内圧を、確実に調整することができる。
(9−1)好ましくは、上記(9)の構成において、前記内部通路は、前記ハウジングの軸方向に延在し、前記第二流出通路は、該ハウジングの側壁を、該ハウジングの該軸方向に対して交差する方向に貫通する構成とする方がよい。
本構成によると、内部通路は、ハウジングの軸方向に延在している。一方、第二流出通路は、軸方向に対して交差する方向に延在している。このため、第二流出通路に異物が詰まりにくい。
(9−2)好ましくは、上記(9−1)の構成において、前記ハウジングの前記軸方向は、上下方向である構成とする方がよい。異物は、自重により、圧力室を下側に移動しやすい。これに対して、第二流出通路は、ハウジングの側壁を貫通している。このため、本構成によると、第二流出通路に異物が詰まりにくい。
(9−3)好ましくは、上記(9)の構成において、前記バルブは、前記圧力室に配置され、前記内部通路の下流側の開口と、前記第二流出通路の上流側の開口と、が直線的に連通するのを遮断する仕切壁を有する構成とする方がよい。本構成によると、第二流出通路に対する異物の流入を、仕切壁が抑制することができる。このため、第二流出通路に異物が詰まりにくい。
本発明によると、クランクシャフトと軸受との間に介在する摺動部に供給されるオイルの流量を、局所的に、温度に応じて調整可能な油量調整装置を提供することができる。
第一実施形態の油量調整装置の配置図である。 同油量調整装置の斜視断面図である。 同油量調整装置の分解斜視断面図である。 同油量調整装置の閉弁状態の上下方向断面図である。 同油量調整装置の開弁状態の上下方向断面図である。 図4の枠VI内の拡大図である。 図4の枠VII内の拡大図である。 第二実施形態の油量調整装置の閉弁状態のオリフィス付近の上下方向断面図である。 第三実施形態の油量調整装置の閉弁状態のリーク隙間付近の上下方向断面図である。 第四実施形態の油量調整装置の閉弁状態のリーク隙間付近の上下方向断面図である。 第五実施形態の油量調整装置の閉弁状態の上下方向断面図である。 第六実施形態の油量調整装置の閉弁状態の上下方向断面図である。 同油量調整装置の開弁状態の上下方向断面図である。
以下、本発明の油量調整装置の実施の形態について説明する。
<第一実施形態>
[油量調整装置の配置]
まず、本実施形態の油量調整装置の配置について説明する。図1に、本実施形態の油量調整装置の配置図を示す。図1に示すように、エンジン9は、シリンダブロック(図略)と、複数のピストン91と、複数のコンロッド92と、クランクシャフト93と、複数のピストンクーリングジェット94と、複数のメイン軸受84と、複数のクランク軸受85と、を備えている。メイン軸受84、クランク軸受85は、各々、本発明の「軸受」の概念に含まれる。
クランクシャフト93は、複数のメインジャーナル930と、複数のクランクピン931と、複数のクランクアーム932と、を備えている。複数のメインジャーナル930に対して、複数のクランクピン931は、複数のクランクアーム932を介して、偏心して接続されている。
メイン軸受84は、メインジャーナル930に回転可能に環装されている。メイン軸受84の内周面とメインジャーナル930の外周面との間には、メイン摺動部S1が設定されている。メイン摺動部S1は、本発明の「摺動部」の概念に含まれる。メイン軸受84は、シリンダブロックの支持部900と、キャップ901と、の間に取り付けられている。すなわち、複数のメイン軸受84は、シリンダブロックに対して、クランクシャフト93を、回転可能に支持している。
クランク軸受85は、クランクピン931に回転可能に環装されている。クランク軸受85の内周面とクランクピン931の外周面との間には、ピン摺動部S2が設定されている。ピン摺動部S2は、本発明の「摺動部」の概念に含まれる。
コンロッド92は、クランク軸受85を介して、クランクピン931に回転可能に環装されている。ピストン91は、コンロッド92に取り付けられている。ピストンクーリングジェット94は、ピストン91の裏面に、オイルOを噴射可能である。
オイル経路8は、吐出通路80と、クランクシャフト側通路81と、カムシャフト側通路(図略)と、を備えている。吐出通路80には、オイルパン800と、オイルポンプ801と、リリーフバルブ802と、オイルフィルタ803と、が配置されている。オイルOは、オイルパン800に貯留されている。
オイルポンプ801から吐出されるオイルOの流量は、リリーフバルブ802により、統合的に調整されている。すなわち、リリーフバルブ802の開弁圧を低く設定すると、リリーフバルブ802が開きやすくなる。このため、オイルポンプ801からオイルフィルタ803側に流れるオイルOの流量を小さくすることができる。一方、リリーフバルブ802の開弁圧を高く設定すると、リリーフバルブ802が開きにくくなる。このため、オイルポンプ801からオイルフィルタ803側に流れるオイルOの流量を大きくすることができる。
クランクシャフト側通路81は、メインオイルホール810と、複数のクランクシャフト用枝通路811と、複数のメイン軸受内部通路812と、複数のクランクシャフト内部通路813と、サブオイルホール819と、を備えている。メインオイルホール810は、本発明の「クランクシャフト用幹通路」の概念に含まれる。
メインオイルホール810と後述するサブオイルホール819とは、オイルフィルタ803の下流側に分岐接続されている。クランクシャフト用枝通路811は、支持部900の内部に形成されている。クランクシャフト用枝通路811は、メインオイルホール810に分岐接続されている。メイン軸受内部通路812は、メイン軸受84の内部に形成されている。メイン軸受内部通路812は、クランクシャフト用枝通路811に接続されている。メイン軸受内部通路812は、メイン摺動部S1に接続されている。
複数のクランクシャフト内部通路813は、クランクシャフト93の内部に形成されている。クランクシャフト内部通路813は、メイン摺動部S1とピン摺動部S2とを連結している。
ピストンクーリングジェット94は、サブオイルホール819に分岐接続されている。このように、オイル経路8のオイルフィルタ803の下流側には、メイン摺動部S1およびピン摺動部S2にオイルOを供給するメインオイルホール810と、ピストンクーリングジェット94にオイルOを供給するサブオイルホール819と、が並列に接続されている。
本実施形態の油量調整装置1は、メインオイルホール810に配置されている。言い換えると、本実施形態の油量調整装置1は、複数のクランクシャフト用枝通路811の上流側に配置されている。
[油量調整装置の構成]
次に、本実施形態の油量調整装置の構成について説明する。以下の図において、上側は、本発明の「表側」に対応している。また、下側は、本発明の「裏側」に対応している。また、上下方向は、本発明の「ハウジングの軸方向」に対応している。
図2に、本実施形態の油量調整装置の斜視断面図を示す。図3に、同油量調整装置の分解斜視断面図を示す。図4に、同油量調整装置の閉弁状態の上下方向断面図を示す。図5に、同油量調整装置の開弁状態の上下方向断面図を示す。図6に、図4の枠VI内の拡大図を示す。図7に、図4の枠VII内の拡大図を示す。図2〜図7に示すように、油量調整装置1は、ハウジング2と、プラグ3と、バルブ4と、コイルスプリング70と、を備えている。
(ハウジング2)
ハウジング2は、鋼製であって、エンジン9のチェーンカバー99と一体的に形成されている。ハウジング2は、T字筒状を呈している。すなわち、ハウジング2は、幹管部2aと、枝管部2bと、を備えている。
幹管部2aには、幹孔20aが穿設されている。幹孔20aは、上下方向に延在している。幹孔20aは、流入通路200と、段差部201、202と、導入室22と、圧力室23と、を備えている。流入通路200は、幹孔20aの上端開口付近に配置されている。
段差部201は、幹孔20aの上下方向中間部分の内周面に配置されている。段差部201を境に、幹孔20aの内径は、上側から下側に向かって拡径している。段差部201は、後述するバルブ4の上死点(閉弁位置)を決定している。すなわち、図4に示す閉弁状態において、段差部201は、バルブ本体40に上側から当接している。段差部202は、幹孔20aの下端開口付近に配置されている。段差部202を境に、幹孔20aの内径は、上側から下側に向かって拡径している。
導入室22および圧力室23は、幹孔20aの内部に区画されている。導入室22と圧力室23とは、後述するバルブ本体40により、仕切られている。すなわち、導入室22は、バルブ本体40の上側に配置されている。一方、圧力室23は、バルブ本体40の下側に配置されている。バルブ4の動きに応じて、導入室22および圧力室23の体積は、変化する。
枝管部2bには、枝孔20bが穿設されている。枝孔20bは、左右方向に延在している。枝孔20bの左端は、幹孔20aの上下方向中間部分(段差部201の下側部分)に、接続されている。枝孔20bは、第一流出通路210を備えている。
メインオイルホール810は、流入通路200、導入室22、第一流出通路210を経由している。図1に示すように、流入通路200の上流側(図4における上側)には、オイルフィルタ803が接続されている。一方、第一流出通路210の下流側(図4における右側)には、複数のクランクシャフト用枝通路811、つまり複数のメイン摺動部S1および複数のピン摺動部S2が、分岐接続されている。
(バルブ4)
バルブ4は、バルブ本体40と、可動シャフト41と、を備えている。バルブ本体40は、鋼製であって、上側に開口するカップ状を呈している。バルブ本体40は、内部通路400と、環状溝408と、切替通路409と、を備えている。内部通路400は、バルブ本体40を上下方向に貫通している。内部通路400の水平方向(幹孔20aの径方向)断面は、真円状を呈している。図6に示すように、内部通路400の下端部分には、オリフィス(絞り部)Aが配置されている。オリフィスAは、バルブ本体40の底壁に穿設されている。オリフィスAの水平方向断面は、真円状を呈している。内部通路400の通路断面積(水平方向の断面積)は、オリフィスAにおいて、局所的に縮小されている。切替通路409は、バルブ本体40の側壁に穿設されている。切替通路409の垂直方向(幹孔20aの軸方向)断面は、真円状を呈している。切替通路409の通路断面積(垂直方向の断面積)は、第一流出通路210の通路断面積(垂直方向の断面積)よりも、小さく設定されている。環状溝408は、バルブ本体40の外周面に、全周的に凹設されている。環状溝408の溝底面には、切替通路409の径方向外端側の開口が形成されている。
可動シャフト41は、バルブ本体40の下面から、下側に向かって突設されている。可動シャフト41は、バルブ本体40の径方向中心に配置されている。可動シャフト41は、上下方向に延びる長軸円柱状を呈している。可動シャフト41の水平方向断面は、真円状を呈している。
(プラグ3、コイルスプリング70)
プラグ3は、鋼製であって、取付部30と、円筒部31と、隔壁32と、を備えている。取付部30は、円環状を呈している。取付部30は、幹孔20aの段差部202に取り付けられている。円筒部31は、取付部30の上面から、上側に向かって突設されている。
隔壁32は、円筒部31の上端開口に配置されている。隔壁32は、円板状を呈している。隔壁32は、隔壁側孔320と、支持リブ321と、を備えている。隔壁側孔320は、隔壁32の径方向中心に配置されている。隔壁側孔320は、隔壁32を上下方向に貫通している。隔壁側孔320の水平方向断面は、真円状を呈している。支持リブ321は、隔壁32の上面の外周縁付近から、上側に突設されている。支持リブ321は、バルブ4の下死点(開弁位置)を決定している。すなわち、図5に示す開弁状態において、支持リブ321は、バルブ本体40に下側から当接している。
バルブ4の可動シャフト41は、隔壁側孔320の径方向内側を貫通している。可動シャフト41と隔壁側孔320とは、同軸上に配置されている。図7に示すように、リーク隙間Bは、可動シャフト41の外周面と、隔壁側孔320の内周面と、の間に区画されている。リーク隙間Bは、円環状を呈している。リーク隙間Bの径方向幅(開口幅)は、オリフィスAの直径(開口幅)よりも、小さく設定されている。また、リーク隙間Bの水平方向の通路断面積(総開口面積)は、オリフィスAの水平方向の通路断面積(総開口面積)よりも、大きく設定されている。
コイルスプリング70(図2においては、透過して示す。)は、鋼製であって、バルブ4のバルブ本体40の下面と、プラグ3の取付部30の上面と、の間に介装されている。コイルスプリング70は、バルブ4を、上側(開弁状態から閉弁状態に切り替える方向)に付勢している。
[油量調整装置の動き]
次に、本実施形態の油量調整装置の動きについて説明する。図4、図5に示すように、バルブ4の上面には、上側から、メインオイルホール810のオイルOの圧力による荷重Fuが加わる。一方、バルブ4の下面には、下側から、コイルスプリング70の付勢力による荷重Fd1が加わる。並びに、バルブ4の下面には、下側から、圧力室23の内圧(オイルOの圧力)による荷重Fd2が加わる。
このように、バルブ4には、上側から荷重Fuが、下側から荷重Fd1、Fd2が、加わる。これらの荷重の大小関係に応じて、バルブ4は、上下方向に往復動する。なお、バルブ4には、油量調整装置1の取付方向に応じて、バルブ4の自重や浮力などによる荷重も作用するが、ここでは、説明の便宜上、割愛する。
荷重Fu、Fd1、Fd2の大小関係に応じて、バルブ4は、上下方向に往復動する。つまり、油量調整装置1は、図4に示す閉弁状態と、図5に示す開弁状態と、に切り替わる。
荷重Fd2を決定しているのは、圧力室23の内圧である。圧力室23内の内圧は、圧力室23に流入するオイルOの流量Q1と、圧力室23から流出するオイルOの流量Q2と、の関係により変化する。
すなわち、圧力室23には、オリフィスAを経由して、オイルOが流入する。このため、オイルOの密度をρ、導入室22内(つまりメインオイルホール810内)のオイルOの圧力をPa、圧力室23内のオイルOの圧力をPb、流量係数をK1、オリフィスAの流路断面積をSとすると、ベルヌーイの定理により、オリフィスAを通過するオイルOの流量、つまり圧力室23に流入するオイルOの流量Q1は、以下の式(1)から導出される。
Figure 2014152631
式(1)から、圧力室23に流入するオイルOの流量Q1は、オイルOの密度ρの影響を受けることが判る。ここで、オイルOの密度ρは、オイルOの温度が変化しても、あまり変化しない。このため、冷間時から温間時に至るまで、オイルOの密度ρは、あまり変化しない。したがって、冷間時から温間時に至るまで、圧力室23に流入するオイルOの流量Q1は、あまり変化しない。
これに対して、圧力室23からは、リーク隙間Bを経由して、オイルOが流出する。このため、オイルOの粘度をη、係数をK2、大気圧をPcとすると、ハーゲン・ポアズイユの法則により、リーク隙間Bを通過するオイルOの流量、つまり圧力室23から流出するオイルOの流量Q2は、以下の式(2)から導出される。
Figure 2014152631
式(2)から、圧力室23から流出するオイルOの流量Q2は、オイルOの粘度ηの影響を受けることが判る。ここで、オイルOの粘度ηは、オイルOの温度が変化すると、大きく変化する。このため、冷間時から温間時に至る際に、オイルOの粘度ηは、大きく変化する。したがって、冷間時から温間時に至る際に、圧力室23から流出するオイルOの流量Q2は、大きく変化する。具体的には、オイルOの温度が上昇すると粘度ηは低下する。このため、式(2)から、流量Q2は増加する。
このように、オイルOの温度の変化に対する流量Q1の変化に対して、オイルOの温度の変化に対する流量Q2の変化は、大きい。このため、オイルOの温度が高いほど、リーク隙間BからオイルOが漏れやすくなる。したがって、オイルOの温度が高いほど、圧力室23内の内圧が小さくなる。よって、オイルOの温度が高いほど、荷重Fd2は小さくなる。
オイルOの温度が低い冷間時においては、荷重Fd2が大きい。このため、油量調整装置1を、図4に示す閉弁状態から、図5に示す開弁状態に、切り替える際、大きな荷重Fuが必要になる。つまり、開弁圧が大きくなる。したがって、冷間時においては、図4に示すように、油量調整装置1は閉弁状態になりやすい。
閉弁状態においては、バルブ4は、段差部201に当接した位置(閉弁位置)で停止している。このため、導入室22と第一流出通路210との間に、バルブ本体40が介在している。導入室22と第一流出通路210とは、バルブ本体40の切替通路409、環状溝408を介して、連通している。
閉弁状態においては、図4に太線(実線)示す小流量経路L2を経由して、メインオイルホール810からメイン摺動部S1に、オイルOが供給される。すなわち、小流量経路L2は、上流側から下流側に向かって、流入通路200、導入室22、内部通路400、切替通路409、環状溝408、第一流出通路210を備えている。メインオイルホール810のオイルOは、当該小流量経路L2、複数のクランクシャフト用枝通路811、複数のメイン軸受内部通路812を介して、複数のメイン摺動部S1に供給される。また、複数のメイン摺動部S1(左右方向中央のメイン摺動部S1以外の複数のメイン摺動部S1)に供給されたオイルOは、複数のクランクシャフト内部通路813を介して、複数のピン摺動部S2に供給される。
一方、オイルOの温度が高い温間時においては、荷重Fd2が小さい。このため、油量調整装置1を、図4に示す閉弁状態から、図5に示す開弁状態に、切り替える際、小さな荷重Fuで足りる。つまり、開弁圧が小さくなる。したがって、温間時においては、図5に示すように、油量調整装置1は開弁状態になりやすい。
開弁状態においては、バルブ4は、支持リブ321に当接した位置(開弁位置)で停止している。このため、導入室22と第一流出通路210との間に、バルブ本体40が介在していない。
開弁状態においては、図5に太線(実線)示す大流量経路L1を経由して、メインオイルホール810からメイン摺動部S1に、オイルOが供給される。すなわち、大流量経路L1は、上流側から下流側に向かって、流入通路200、導入室22、第一流出通路210を備えている。メインオイルホール810のオイルOは、当該大流量経路L1、複数のクランクシャフト用枝通路811、複数のメイン軸受内部通路812を介して、複数のメイン摺動部S1に供給される。また、複数のメイン摺動部S1(左右方向中央のメイン摺動部S1以外の複数のメイン摺動部S1)に供給されたオイルOは、複数のクランクシャフト内部通路813を介して、複数のピン摺動部S2に供給される。
ここで、図4に示す小流量経路L2と、図5に示す大流量経路L1と、を比較すると、小流量経路L2の方が、大流量経路L1よりも、切替通路409が介在している分だけ、経路断面積(経路全長における経路断面積の最小値)が小さい。このため、小流量経路L2の方が、大流量経路L1よりも、オイルOの流量が小さい。したがって、図4に示す閉弁状態の方が、図5に示す開弁状態よりも、メイン摺動部S1に供給されるオイルOの流量が小さくなる。つまり、冷間時の方が、温間時よりも、メイン摺動部S1に供給されるオイルOの流量が小さくなる。同様に、冷間時の方が、温間時よりも、ピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量が小さくなる。
なお、図4に示す閉弁状態においても、図5に示す開弁状態においても、常時、油量調整装置1には、太線(点線)で示すリーク経路L3が確保されている。すなわち、リーク経路L3は、上流側から下流側に向かって、流入通路200、導入室22、内部通路400(オリフィスA)、圧力室23、リーク隙間Bを備えている。メインオイルホール810のオイルOは、当該リーク経路L3を介して、常時、ハウジング2の外部に排出されている。
[作用効果]
次に、本実施形態の油量調整装置の作用効果について説明する。図1に示すように、本実施形態の油量調整装置1は、メインオイルホール810に配置されている。図4に示すように、油量調整装置1は、冷間時においては、小流量経路L2を経由して、オイルOを、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に、供給することができる。すなわち、冷間時においては、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量を小さくすることができる。このため、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2の冷却を抑制することができる。したがって、摺動部の摩擦熱を利用して、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に介在するオイルOの温度を上げることができる。すなわち、当該オイルOの粘度を下げることができる。よって、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2の摩擦抵抗を小さくすることができる。
これに対して、油量調整装置1は、冷間時よりもオイルOの温度が高い温間時においては、図5に示すように、大流量経路L1を経由して、オイルOを、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に、供給することができる。すなわち、温間時においては、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量を大きくすることができる。このため、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に、充分な量のオイルOを供給することができる。したがって、これらの摺動部を冷却することができる。また、これらの摺動部の摩擦抵抗を小さくすることができる。
このように、本実施形態の油量調整装置1によると、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量を、局所的に、かつ総括的に、温度に応じて調整することができる。
また、冷間時(図4に示す閉弁状態)において、油量調整装置1がない場合と比較して、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量を、小さくすることができる。
また、冷間時(図4に示す閉弁状態)において、オイル経路8に接続される他の摺動部と比較して、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量を、小さくすることができる。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、圧力室23の内圧が、オイルOの温度に応じて変化する。このため、当該内圧の変化を利用して、図5に示す開弁位置(開弁状態におけるバルブの位置)と図4に示す閉弁位置(閉弁状態におけるバルブの位置)との間で、バルブ4を上下方向に往復動させることができる。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、バルブ本体40に切替通路409が配置されている。このため、バルブ4の往復動に連動させて、切替通路409を、導入室22と第一流出通路210との間に、差し込むことができる。並びに、切替通路409を、導入室22と第一流出通路210との間から、抜き出すことができる。
また、リーク隙間Bは、本来、圧力室23の内圧を制御するために設けられている。言い換えると、リーク隙間Bは、バルブ4の動作を制御するために設けられている。このため、リーク隙間Bの通路断面積の許容範囲は、内圧調整の観点から、ある程度制限されてしまう。したがって、仮に、リーク隙間Bを利用して図4に示す小流量経路L2を設定すると、小流量経路L2を流れるオイルOの流量設定に対する自由度が低くなってしまう。
この点、本実施形態の油量調整装置1によると、リーク隙間Bを利用しないで小流量経路L2を設定している。言い換えると、切替通路409を利用して小流量経路L2を設定している。このため、小流量経路L2を流れるオイルOの流量設定に対する自由度が高い。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、図4、図5に示すように、オイルOの温度に応じた流量調整を、オリフィスA、リーク隙間B、コイルスプリング70を用いて実行することができる。このため、油量調整装置1の構造が簡単である。また、部品点数が少ない。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、図5に示すように、隔壁32の上面に支持リブ321が配置されている。このため、開弁状態において、確実に、オリフィスAと、リーク隙間Bと、を連通させることができる。すなわち、開弁状態において、圧力室23に、内圧調整用のオイルOを供給することができる。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、図5に示すように、開弁状態において、バルブ本体40の下面が、支持リブ321に着座する。このため、コイルスプリング70の最大圧縮量を規制することができる。したがって、コイルスプリング70がへたりにくい。
また、本実施形態の油量調整装置1のリーク隙間Bは、可動シャフト41の外周面と、隔壁側孔320の内周面と、の間に区画されている。すなわち、リーク隙間Bを形成する部材のうち一つは、バルブ4と一体化されている。このため、可動シャフト41とバルブ4とが別体である場合と比較して、部品点数が少なくて済む。また、ハウジング2延いては油量調整装置1の上下方向長さを短くすることができる。すなわち、油量調整装置1を小型化することができる。
<第二実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置との相違点は、バルブの内部通路にフィルタが配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図8に、本実施形態の油量調整装置の閉弁状態のオリフィス付近の上下方向断面図を示す。なお、図6と対応する部位については、同じ符号で示す。
図8に示すように、バルブ本体40の底壁には、フィルタ75が配置されている。フィルタ75は、短軸円柱状であって、鋼製のメッシュを備えている。フィルタ75は、オリフィスAの上側(上流側)に配置されている。フィルタ75は、内部通路400を通過するオイルから、異物Pを除去している。ここで、フィルタ75のメッシュは、リーク隙間の径方向幅(開口幅)よりも、小さく設定されている。このため、リーク隙間を通過できない異物P(リーク隙間に詰まってしまう異物P)は、フィルタ75により、濾し取られる。
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の油量調整装置によると、フィルタ75が、オリフィスA、リーク隙間の上流側に配置されている。また、「フィルタ75のメッシュ」<「リーク隙間の径方向幅(開口幅)」<「オリフィスAの直径(開口幅)」という大小関係が成立している。このため、オリフィスA、リーク隙間Bに、異物Pが進入するのを、抑制することができる。
また、フィルタ75は、バルブ本体40に配置されている。フィルタ75に異物が詰まると、オイルがフィルタ75を、表側から裏側に通過しにくくなる。つまり、フィルタ75の通過抵抗が大きくなる。このため、上側からバルブ本体40に加わる荷重が大きくなる。したがって、バルブ4は下側に移動し、油量調整装置は開弁状態になる。このように、本実施形態の油量調整装置によると、フィルタ75に異物Pが詰まった場合であっても、開弁状態を確保することができる。このため、フィルタ75に異物Pが詰まった場合であっても、メイン摺動部、ピン摺動部を冷却、潤滑するのに充分な、オイルの流量を確保することができる。
また、エンジンの製造直後においては、シリンダブロックに、製造時の加工粉が残留している場合がある。このため、製造直後にエンジンを駆動すると、加工粉は、オイルフィルタを通過する前に、油量調整装置に流れ込んでしまう。したがって、油量調整装置に異物Pが詰まりやすくなる。
この点、本実施形態の油量調整装置によると、製造直後にエンジンを駆動する場合であっても、オイルに混入した異物Pを、フィルタ75により除去することができる。このため、異物Pが、オリフィスAやリーク隙間に詰まりにくい。
また、仮に、バルブ本体40にフィルタ75が配置されていない場合、内部通路400を通過した異物Pが、リーク隙間に詰まることも考えられる。この場合、圧力室23の内圧が高くなる。このため、下側からバルブ本体40に加わる荷重が大きくなる。したがって、油量調整装置が閉弁状態に切り替わりやすくなる。
この点、本実施形態の油量調整装置によると、フィルタ75は、リーク隙間を通過できない異物Pを除去することができる。このため、異物Pが、リーク隙間に詰まりにくい。したがって、油量調整装置が開弁状態に切り替わりやすくなる。
<第三実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置との相違点は、バルブの可動シャフトに複数の環状リブが配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図9に、本実施形態の油量調整装置の閉弁状態のリーク隙間付近の上下方向断面図を示す。なお、図7と対応する部位については、同じ符号で示す。
図9に示すように、隔壁32の上面には、隔壁側孔320に向かって尖るテーパ面状の異物収集凹部320bが形成されている。可動シャフト41の外周面には、複数の環状リブ410が形成されている。環状リブ410は、本発明の「異物排出部」の概念に含まれる。環状リブ410は、可動シャフト41の外周面から径方向外側に突出している。環状リブ410は、可動シャフト41の外周面を一周している。環状リブ410は、断面三角形状を呈している。具体的には、環状リブ410の上下方向断面は、下向きの直角三角形状を呈している。複数の環状リブ410は、閉弁状態から開弁状態に亘って、隔壁側孔320の径方向内側に配置され続けるように、可動シャフト41の外周面の軸方向所定区間に配置されている。
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の油量調整装置によると、バルブ4が上下方向に移動するのに伴って、可動シャフト41は、隔壁側孔320に対して、相対的に上下方向に移動する。このため、例えば、閉弁状態において、リーク隙間Bに異物Pが詰まっている場合であっても、開弁状態に切り替わる際に、可動シャフト41が下降するのに伴って、複数の環状リブ410により、異物Pを、リーク隙間Bから外部に排出することができる。
同様に、開弁状態において、リーク隙間Bに異物Pが詰まっている場合であっても、閉弁状態に切り替わる際に、可動シャフト41が上昇するのに伴って、複数の環状リブ410により、異物Pを、リーク隙間Bから圧力室23に排出することができる。したがって、本実施形態の油量調整装置によると、リーク隙間Bに異物Pが詰まりにくい。よって、圧力室23の内圧を、確実に制御することができる。
また、環状リブ410の上下方向断面は、下向きの直角三角形状を呈している。すなわち、環状リブ410の上面410aは、下側から上側に向かって縮径するテーパ面状を呈している。一方、環状リブ410の下面410bは水平面状を呈している。上下方向に隣り合う一対の環状リブ410間の隙間410cは、上側の環状リブ410の下面410bと、下側の環状リブ410の上面410aと、の間に区画されている。下面410bが水平面状に、上面410aがテーパ面状に、各々延在しているため、当該隙間410cは、径方向外側および下側に開口している。このため、可動シャフト41が上昇する際よりも、可動シャフト41が下降する際の方が、異物Pを、リーク隙間Bから外部に排出しやすい。したがって、圧力室23に異物Pが溜まりにくい。
また、隔壁側孔320の上端には、椀状の異物収集凹部320bが配置されている。このため、圧力室23内の異物Pを、隔壁側孔320に収集しやすい。この点においても、圧力室23に異物Pが溜まりにくい。
また、エンジンの製造直後においては、シリンダブロックに、製造時の加工粉が残留している場合がある。このため、製造直後にエンジンを駆動すると、加工粉は、オイルフィルタを通過する前に、油量調整装置に流れ込んでしまう。したがって、リーク隙間Bに異物Pが詰まりやすくなる。この点、本実施形態の油量調整装置によると、製造直後にエンジンを駆動する場合であっても、リーク隙間Bから異物Pを排出することができる。
<第四実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第三実施形態の油量調整装置との相違点は、可動シャフトの外周面ではなく、隔壁側孔の内周面に、環状リブが配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図10に、本実施形態の油量調整装置の閉弁状態のリーク隙間付近の上下方向断面図を示す。なお、図9と対応する部位については、同じ符号で示す。
図10に示すように、隔壁側孔320の内周面には、複数の環状リブ320aが形成されている。環状リブ320aは、本発明の「異物排出部」の概念に含まれる。環状リブ320aは、隔壁側孔320の内周面から径方向内側に突出している。環状リブ320aは、隔壁側孔320の内周面を一周している。
本実施形態の油量調整装置のように、隔壁側孔320の内周面に環状リブ320aを配置しても、第三実施形態の油量調整装置と同様の作用効果を奏する発揮することができる。
<第五実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置との相違点は、リーク隙間がハウジングの幹管部に配置されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図11に、本実施形態の油量調整装置の閉弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。
図11に示すように、プラグ3は、円板状を呈している。プラグ3は、幹孔20aの下端開口を封止している。幹管部2aの側壁の内周面には、円環状の支持リブ73が配置されている。幹管部2aの側壁であって、支持リブ73の下側には、四つのリーク隙間Bが穿設されている。リーク隙間Bは、幹管部2aの周方向に延びる、長孔状を呈している。四つのリーク隙間Bは、周方向に90°ずつ離間して配置されている。リーク隙間Bは、幹管部2aの径方向(水平方向)に延在している。これに対して、内部通路400は、上下方向に延在している。バルブ本体40の下面からは、円筒状の仕切壁45が突設されている。仕切壁45は、内部通路400を全周的に囲んでいる。
本実施形態の油量調整装置1と、第一実施形態の油量調整装置とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の油量調整装置1によると、内部通路400とリーク隙間Bとが、互いに直交する方向に延在している。このため、内部通路400から流出した異物Pが、リーク隙間Bに流入しにくい。
また、幹管部2aの軸方向は、上下方向である。このため、異物Pは、自重により、圧力室23を下側に移動しやすい。これに対して、リーク隙間Bは、幹管部2aの側壁を貫通している。この点においても、異物Pがリーク隙間Bに流入しにくい。
また、バルブ4は、仕切壁45を備えている。仕切壁45は、オリフィスAの下端開口とリーク隙間Bとが直線的に連通するのを防止している。この点においても、異物Pがリーク隙間Bに流入しにくい。
また、本実施形態の油量調整装置1によると、開弁状態において、バルブ本体40が支持リブ73に着座する。このため、コイルスプリング70の最大圧縮量を規制することができる。したがって、コイルスプリング70がへたりにくい。
<第六実施形態>
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置との相違点は、小流量経路がリーク隙間を含んで形成されている点である。すなわち、図4、図5に示すリーク経路L3が、小流量経路として利用されている点である。ここでは、相違点についてのみ説明する。図12に、本実施形態の油量調整装置の閉弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図4と対応する部位については、同じ符号で示す。図13に、本実施形態の油量調整装置の開弁状態の上下方向断面図を示す。なお、図5と対応する部位については、同じ符号で示す。
図12、図13に示すように、バルブ本体40には、切替通路が穿設されていない。このため、図12に示すように、閉弁状態においては、導入室22と第一流出通路210との連通が、完全に遮断されている。また、幹孔20aの下端開口は、第一流出通路210と同様に、図1に示す複数のクランクシャフト用枝通路811の上流側に接続されている。
閉弁状態においては、図12に太線(実線)示す小流量経路L2を経由して、メインオイルホール810からメイン摺動部に、オイルが供給される。すなわち、小流量経路L2は、上流側から下流側に向かって、流入通路200、導入室22、内部通路400(オリフィスA)、圧力室23、リーク隙間Bを備えている。メインオイルホール810のオイルは、当該小流量経路L2、図1に示す複数のクランクシャフト用枝通路811、複数のメイン軸受内部通路812を介して、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給される。
これに対して、開弁状態においては、図13に太線(実線)示す大流量経路L1および小流量経路L2を経由して、メインオイルホール810からメイン摺動部に、オイルが供給される。すなわち、大流量経路L1は、上流側から下流側に向かって、流入通路200、導入室22、第一流出通路210を備えている。メインオイルホール810のオイルは、当該大流量経路L1、図1に示す複数のクランクシャフト用枝通路811、複数のメイン軸受内部通路812を介して、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給される。並びに、メインオイルホール810のオイルは、小流量経路L2、図1に示す複数のクランクシャフト用枝通路811、複数のメイン軸受内部通路812を介して、複数のメイン摺動部S1、複数のピン摺動部S2に供給される。
ここで、小流量経路L2と大流量経路L1とを比較すると、小流量経路L2の方が、大流量経路L1よりも、オリフィスA、リーク隙間Bが介在している分だけ、経路断面積(経路全長における経路断面積の最小値)が小さい。このため、小流量経路L2の方が、大流量経路L1よりも、オイルの流量が小さい。したがって、図12に示す閉弁状態の方が、図13に示す開弁状態よりも、図1に示すメイン摺動部S1に供給されるオイルOの流量が小さくなる。つまり、冷間時の方が、温間時よりも、メイン摺動部S1に供給されるオイルOの流量が小さくなる。同様に、冷間時の方が、温間時よりも、ピン摺動部S2に供給されるオイルOの流量が小さくなる。
本実施形態の油量調整装置と、第一実施形態の油量調整装置とは、構成が共通する部分に関しては、同様の作用効果を有する。本実施形態の油量調整装置1によると、リーク隙間Bを利用して小流量経路L2を設定している。このため、リーク隙間Bを利用しないで小流量経路L2を設定する場合と比較して、油量調整装置1の構造が簡単になる。
<その他>
以上、本発明の油量調整装置の実施の形態について説明した。しかしながら、実施の形態は上記形態に特に限定されるものではない。当業者が行いうる種々の変形的形態、改良的形態で実施することも可能である。
図4に示すように、上記実施形態においては、油量調整装置1以外の部材(チェーンカバー99)とハウジング2とを一体的に形成した。しかしながら、他の部材からハウジング2を独立して配置してもよい。すなわち、メインオイルホール810の径方向内側に、筒状のハウジング2を挿入、固定してもよい。
また、図5に示すように、第一実施形態においては、開弁状態の際に圧力室23にオイルを導入するために、隔壁32の上面に支持リブ321を配置した。しかしながら、支持リブ321を、バルブ本体40の下端面に配置してもよい。
図4、図5に示す導入室22、圧力室23、内部通路400、第一流出通路210、オリフィスAの、通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、真円状、楕円状、多角形状(三角形、四角形、五角形、六角形など)などであってもよい。
図4、図5、図11に示すリーク隙間Bの通路方向に直交する方向の断面形状は、特に限定しない。例えば、環状(真円環状、楕円環状、多角形環状など)、スリット状、真円状、楕円状、多角形状などであってもよい。
リーク隙間Bは、複数配置してもよい。この場合、本発明の「開口幅」とは、単一のリーク隙間Bの開口幅をいう。また、本発明の「総開口面積」とは、全てのリーク隙間Bの開口面積の総和をいう。
また、オリフィスA、リーク隙間Bの開口形状が長尺状(例えば、スリット状、環状など)の場合、本発明の「開口幅」とは、オリフィスA、リーク隙間Bの短手方向幅をいう。
また、オリフィスA、リーク隙間Bの開口形状が真円状、楕円状、多角形状の場合、本発明の「開口幅」とは、オリフィスA、リーク隙間Bの図形重心を通る直線長をいう。例えば、オリフィスA、リーク隙間Bが真円状の場合、本発明の「開口幅」とは、直径長をいう。
図8に示すフィルタ75の濾材の種類は特に限定しない。例えば、濾紙、合成繊維、金属製のメッシュなどを用いて、オイルOを濾過すればよい。リーク隙間Bを通過できない異物Pを、オイルOから除去できればよい。
フィルタ75の配置場所は特に限定しない。内部通路400の外部であってもよい。フィルタ75の配置数は特に限定しない。例えば、内部通路400に、メッシュ(濾過孔幅)の異なる複数のフィルタ75を、上流側から下流側に向かってメッシュが細かくなるように、直列に並べて配置してもよい。フィルタ75の濾過孔幅は特に限定しない。例えば、50μm以下であればよい。
図11に示すように、第五実施形態においては、無端環状の支持リブ73を配置した。しかしながら、支持リブ73の代わりに、単一または複数の、径方向内側に突出する突起を配置してもよい。複数の突起を配置する場合、幹孔20aの内周面に、等角度ごとに突起を配置してもよい。
上記実施形態においては、図4、図5に示すように、内部通路400にオリフィスAを配置した。しかしながら、内部通路400にオリフィスAを配置しなくてもよい。上記実施形態においては、図5、図11に示すように、バルブ4の下死点を決定する部材(支持リブ321、73)を配置した。しかしながら、バルブ4の下死点を決定する部材を配置しなくてもよい。すなわち、コイルスプリング70および圧力室23の内圧により、バルブ4の下死点を規制してもよい。
1:油量調整装置。
2:ハウジング、2a:幹管部、2b:枝管部、20a:幹孔、20b:枝孔、200:流入通路、201:段差部、202:段差部、210:第一流出通路、22:導入室、23:圧力室。
3:プラグ、30:取付部、31:円筒部、32:隔壁、320:隔壁側孔、320a:環状リブ(異物排出部)、320b:異物収集凹部、321:支持リブ。
4:バルブ、40:バルブ本体、400:内部通路、408:環状溝、409:切替通路、41:可動シャフト、410:環状リブ(異物排出部)、410a:上面、410b:下面、410c:隙間、45:仕切壁。
70:コイルスプリング、73:支持リブ、75:フィルタ。
8:オイル経路、80:吐出通路、800:オイルパン、801:オイルポンプ、802:リリーフバルブ、803:オイルフィルタ、81:クランクシャフト側通路、810:メインオイルホール(クランクシャフト用幹通路)、811:クランクシャフト用枝通路、812:メイン軸受内部通路、813:クランクシャフト内部通路、819:サブオイルホール、84:メイン軸受(軸受)、85:クランク軸受(軸受)。
9:エンジン、900:支持部、901:キャップ、91:ピストン、92:コンロッド、93:クランクシャフト、930:メインジャーナル、931:クランクピン、932:クランクアーム、94:ピストンクーリングジェット、99:チェーンカバー。
A:オリフィス、B:リーク隙間、L1:大流量経路、L2:小流量経路、L3:リーク経路、O:オイル、P:異物、S1:メイン摺動部(摺動部)、S2:ピン摺動部(摺動部)。

Claims (9)

  1. オイルフィルタの下流側に配置されるクランクシャフト用幹通路と、
    該クランクシャフト用幹通路に分岐接続され、クランクシャフトと、該クランクシャフトに環装される複数の軸受と、の間に介在する複数の摺動部にオイルを供給する複数のクランクシャフト用枝通路と、を有するオイル経路の、該クランクシャフト用幹通路に配置され、
    筒状のハウジングと、
    該ハウジングの内部に配置され、該ハウジングの軸方向に往復動可能なバルブ本体を有するバルブと、
    該ハウジングの内部において、該バルブ本体の表側に区画され、該オイルが導入される導入室と、
    該ハウジングの内部において、該バルブ本体の裏側に区画される圧力室と、
    該導入室と該圧力室との間に配置される内部通路と、
    該導入室と該ハウジングの外部との間に配置され、該オイルが流出する第一流出通路と、
    該圧力室と該ハウジングの外部との間に配置され、該オイルが流出する第二流出通路と、
    を備え、
    エンジン始動直後であって、該エンジンの暖機が未完了の冷間時においては、小流量経路を経由して、該オイルが複数の該摺動部に供給される閉弁状態に、
    該エンジンの暖機完了後の温間時においては、該小流量経路、および該第一流出通路を有し該小流量経路よりも経路断面積が大きい大流量経路のうち、少なくとも該大流量経路を経由して、該オイルが複数の該摺動部に供給される開弁状態に、
    切り替わることにより、
    該冷間時と該温間時とで、複数の該摺動部に供給される該オイルの流量を、一括して調整する油量調整装置。
  2. さらに、前記バルブ本体に配置され、前記第一流出通路よりも、通路断面積が小さい切替通路を備え、
    前記冷間時においては、該バルブ本体が該第一流出通路を閉じ、該切替通路が前記導入室と該第一流出通路との間に差し込まれることにより、該導入室、該切替通路、該第一流出通路を有する前記小流量経路が形成され、
    前記温間時においては、該バルブ本体が該第一流出通路を開き、該切替通路が該導入室と該第一流出通路との間から抜き出され、該導入室、該第一流出通路を有する前記大流量経路が形成される請求項1に記載の油量調整装置。
  3. 前記第一流出通路よりも、前記第二流出通路の方が、通路断面積が小さく設定されており、
    前記冷間時においては、前記バルブ本体が該第一流出通路を閉じ、前記導入室、前記内部通路、前記圧力室、該第二流出通路を有する前記小流量経路が形成され、
    前記温間時においては、該バルブ本体が該第一流出通路を開き、該導入室、該第一流出通路を有する前記大流量経路が形成される請求項1に記載の油量調整装置。
  4. 前記内部通路は、オリフィスを有し、
    前記第二流出通路は、開口幅が該オリフィスよりも小さく、総開口面積が該オリフィスよりも大きいリーク隙間である請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の油量調整装置。
  5. さらに、前記内部通路に配置され、前記第二流出通路を通過できない異物を前記オイルから除去するフィルタを備え、
    該内部通路は、前記バルブ本体に配置されている請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の油量調整装置。
  6. さらに、前記バルブの裏側に配置され、隔壁側孔を有する隔壁と、
    該バルブの裏側に配置され、該隔壁側孔に挿通される固定シャフトと、を備え、
    前記第二流出通路は、該隔壁側孔の内周面と該固定シャフトの外周面との間に区画されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の油量調整装置。
  7. さらに、前記バルブ本体の裏側に配置され、隔壁側孔を有する隔壁を備え、
    前記バルブは、該バルブ本体から裏側に突設され、該隔壁側孔に挿通される可動シャフトを有し、
    前記圧力室は、該バルブ本体と該隔壁との間に区画され、
    前記第二流出通路は、該隔壁側孔の内周面と該可動シャフトの外周面との間に区画されている請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の油量調整装置。
  8. 前記隔壁側孔の内周面および前記可動シャフトの外周面のうち、少なくとも一方は、該隔壁側孔に対して該可動シャフトが移動するのに伴って、前記第二流出通路から異物を排出する異物排出部を有する請求項7に記載の油量調整装置。
  9. 前記第二流出通路は、前記内部通路の延在方向に対して、交差する方向に延在している請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の油量調整装置。
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