JP2014152589A - 防塵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防塵ネット12は、盛土工事が行われる堤体2に沿って張設される。散水手段14は、水源1402からの水をポンプ1404、給水管1406、散水ノズル1408を介して防塵ネット12に散水し、防塵ネット12を濡らして防塵ネット12に水分を付着させる。制御手段18Aは、防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、ポンプ1404の動作をオンとして防塵ネットに散水手段14による散水を行なわせるものである。散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する。これにより防塵ネット12に散水により水分が付着され、その状態が維持される。
【選択図】図2
Description
防塵ネットには、目合が1〜2mmのポリエチレンなどの合成樹脂製のものが、高さが1〜3mとなるように張られる。
また、従来の防塵ネットでは、ネットで一旦捕集した粉塵が、風により巻き上げられ、ネットの上から回り込んで飛散するという不具合もあり、この不具合を解消するには、防塵ネットの高さを大きくしなければならない。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、防塵ネットを高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置を提供することにある。
以下、本発明の実施の形態を、盛土工事を行なう場合について説明する。
防塵装置10Aは、図1〜図3に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、制御手段18Aとを備えている。
防塵ネット12の目合は、例えば、1〜2mmであり、その素材は問わない。
図2、図3に示すように、散水手段14は、水源1402、ポンプ1404、給水管1406、散水ノズル1408を含んで構成されている。
水源1402としては、雨水あるいは水道水を溜めるタンクが使用される。
ポンプ1404は、タンク内の水を汲み上げ、給水管1406に圧送する。
給水管1406は、防塵ネット12の張設方向に沿って延設されている。
散水ノズル1408は、給水管1406の長手方向に間隔をおいた箇所に連結して複数設けられ、それら複数の散水ノズル1408により防塵ネット12の全域に散水する。散水ノズル1408は、固定式でも旋回機能付きのいずれの形式も適用可能である。
なお、散水ノズル1408に換え、給水管1406に多数の孔を設け、それら孔から散水させるようにしてもよい。
制御手段18Aは、前記の制御プログラムを実行することにより、防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、ポンプ1404の動作をオンとして防塵ネットに散水手段14による散水を行なわせるものである。
本実施の形態では、散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する。
制御手段18Aは、第1のタイマ1801と第2のタイマ1802とを備えている。
また、制御手段18Aに、防塵装置10Aの動作のオン、オフを操作するための操作スイッチ20と、第1のタイマ1801、第2のタイマ1802を設定する設定手段22Aとが接続されている。
例えば、現場での工事がなされる曜日が月〜金であり、工事の時間帯が8:00から17:00まで、設定時間が10分であれば、それら曜日、時間帯、設定時間が第1のタイマ1801に設定手段22Aを用いて予め設定される。
第2のタイマ1802は、設定手段22Aを用いて予め散水時間が設定されることにより、第1のタイマ1801が設定時間が経過した旨の情報を生成する毎に散水時間の計時を行ない散水時間が経過したならば散水時間が経過した旨の情報を生成するものである。
例えば、散水時間が10秒であれば、この散水時間が第2のタイマ1802に予め設定される。
したがって、本実施の形態において、設定手段22Aは、時間帯および設定時間を変更可能に設定する条件設定手段として機能すると共に、散水時間を変更可能に設定する散水時間設定手段として機能する。
また、制御手段18Aは、散水時間が経過して第2のタイマ1802から散水時間が経過した旨の情報を受け付けると、ポンプ1404の動作をオフとして散水手段14による散水を終了する。
したがって、前述のように曜日と時間帯が設定され、設定時間が10分、散水時間が10秒と設定されていれば、工事がなされる曜日の工事がなされる時間帯において、10分毎に10秒の散水が実施される。これにより防塵ネット12に散水により水分が付着され、その状態が維持される。
また、制御手段18Aは、操作スイッチ20がオフにされると、防塵装置10Aの全ての動作を停止する。
(試験設備)
内径300mmのダクトを3本用意し、粉塵として粉体(JIS試験用紛体1、7種 関東ローム)を用意した。
ダクトの一端である入口に送風機を配置した。
2本のダクトの他端である出口に、防塵ネット12(光陽マテリアル株式会社 1mm目合)を張った。
ダクトの出口から離れたダクトの出口の近傍箇所に、粉塵計(柴田科学レーザー粉塵計 LD−1H型)を配置した。
(1)防塵ネット12無しの場合、(2)防塵ネット12を張った場合、(3)防塵ネット12を張りスポンジで水を塗布した場合、(4)防塵ネット12無しの場合の順に、ダクトの入口から粉塵を均一の量で連続して供給し続け、ダクトの出口の風速が1.3m/secとなる状態を作り、粉塵計により粉塵濃度を測定した。
ダクトの供給する粉塵の量に若干のばらつきがあるため、1分間の粉塵濃度測定を10回ずつ繰り返して行い、最大値と最小値を除いて測定値とし、粉塵濃度を比較し粉塵捕集率を算出した。
出口に防塵ネット12を張った場合、粉塵濃度は安定し、防塵ネット12を張らない場合に比べて55〜72%低減(捕集)できた。
防塵ネット12に水を塗布した場合は、さらに粉塵濃度は安定し、防塵ネット12を張らない場合に比べて80〜88%低減(捕集)できた。また、水を塗布しない防塵ネット12の場合に比べて、捕集率は1.22〜1.45倍向上した。
そして、この散水により、防塵ネット12上で水分を吸収した粉塵が洗い落とされ、防塵ネット12の下方に流れ落ち、粉塵は散水された水により地面に付着し、防塵の飛散を防止できる。
また、同時に散水により防塵ネット12が洗浄され、防塵ネット12は優れた防塵効果が発揮される状態に戻される。
したがって、盛土工事を行なっている間、防塵ネット12により防塵効果を高めた状態に維持することが可能となり、防塵ネット12を高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置10Aが得られる。
しかしながら、本実施の形態のように、散水時間を設定する設定手段22Aを設けると、汚れの度合によって、散水によって防塵ネット12を洗浄する時間を調節することができ、防塵ネット12を粉塵の付着していない当初の状態に復帰させ、防塵効果を高める上でより有利となる。
次に、第2の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる箇所、部材を重点的に説明する。
第2の実施の形態の防塵装置10Bは、図1、図2、図4に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、水分検出手段16と、制御手段18Bを備え、防塵ネット12の付着水分が減少した場合に防塵ネット12に散水させるようにしたものである。
水分検出手段16は、防塵ネット12の代表的な1箇所、または、防塵ネット12の間隔をおいた複数箇所に設けられる。
第2の実施の形態において、散水実施条件は、予め定められた時間帯において水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下となることである。
また、制御手段18に、防塵装置10Bの動作のオン、オフを操作するための操作スイッチ20と、第3のタイマ1803、第4のタイマ1804を設定する設定手段22Bとが接続されている。
第4のタイマ1804は、設定手段22Bを用いて予め散水時間が設定されることにより、起動される毎に散水時間の計時を行ない散水時間が経過したならば散水時間が経過した旨の情報を生成するものである。
また、第3のタイマ1803、第4のタイマ1804は、第1の実施の形態の第1のタイマ1801、第2のタイマ1802と同様に、ソフトウェアであるいはハードウェアで実現することができ従来公知のさまざまな構成が使用可能である。
したがって、第2の実施の形態において、設定手段22Bは、時間帯を変更可能に設定する条件設定手段として機能すると共に、散水時間を変更可能に設定する散水時間設定手段として機能する。
制御手段18Bは、散水実施条件が成立したと判定したならば、ポンプ1404の動作をオンとして散水手段14による散水を開始する。
また、制御手段18Bは、散水実施条件が成立したと判定すると同時に第4のタイマ1804を起動させる。制御手段18Bは、第4のタイマ1804から散水時間が経過した旨の情報を受け付けると、ポンプ1404の動作をオフとして散水手段14による散水を終了する。
したがって、第1の実施の形態の場合と同様に曜日と時間帯が設定され、散水時間が10秒と設定されていれば、工事がなされる曜日の工事がなされる時間帯において、水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下であることが検出される毎に10秒の散水が実施される。これにより防塵ネット12に散水により水分が付着され、その状態が維持される。
また、制御手段18Bは、操作スイッチ20がオフにされると、防塵装置10Bの全ての動作を停止する。
そして、この散水により、防塵ネット12上で水分を吸収した粉塵が洗い落とされ、防塵ネット12の下方に流れ落ち、粉塵は散水された水により地面に付着し、防塵の飛散を防止できる。
また、同時に散水により防塵ネット12が洗浄され、防塵ネット12は優れた防塵効果が発揮される状態に戻される。
したがって、盛土工事を行なっている間、防塵ネット12により防塵効果を高めた状態に維持することが可能となり、防塵ネット12を高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置10Bが得られる。
この場合、散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する第1の散水実施条件と、予め定められた時間帯において水分検出手段で検出された水分の値が所定値以下となることで成立する第2の散水実施条件とを含む。
制御手段は、第1の散水実施条件および第2の散水実施条件の一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、防塵ネット12に散水手段14による散水を行なわせる。
このようにすれば、盛土工事時、制御手段は、操作スイッチ20がオンされると、設定時間が経過する毎に防塵ネット12に散水し、防塵ネット12に水分を付着させるので、防塵効果を高めることが可能となる。
さらに、水分検出手段16で検出された水分の値が所定値以下となった場合もポンプ1404が一定の時間駆動され、散水ノズル1408から散水される。
したがって、防塵ネット12により防塵効果を高めた状態に維持する上でより有利となり、防塵ネット12を高くすることなく、粉塵の捕集効果に優れる防塵装置を得る上でより一層有利となる。
次に第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態の防塵装置10Cは、第2の実施の形態の変形例であり、風があるときに、防塵ネット12の風上側に配置された散水ノズル1408から防塵ネット12に散水させるようにしたものである。
第3の実施の形態の防塵装置10Cは、図5、図6に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、水分検出手段16と、制御手段18Cとに加え、更に風向計24を備え、散水手段14は、防塵ネット12の両面の前方にそれぞれ配置された散水ノズル1408を備えている。
また、散水手段14は、給水管1406の長手方向に間隔をおいた箇所にそれぞれ設けられた電磁弁1410を備え、防塵ネット12の張設方向に間隔をおいて配置された複数箇所において、第1の散水ノズル1408Aと第2の散水ノズル1408Bは電磁弁1410に接続されている。
そして、制御手段18Cは風向計24により測定した風向きから電磁弁1410を作動させ、防塵ネット12の風上側に位置する第1の散水ノズル1408Aあるいは第2の散水ノズル1408Bから防塵ネット12に向けて散水させる。
このような第3の実施の形態によれば、風があるときに、散水による防塵ネット12への水分の付着を効率良く行なえ、また、粉塵が付着した防塵ネット12の洗浄も効率良く行なえるので、防塵効果を高める上でより一層有利となる。
また、第3の実施の形態と第1の実施の形態を組み合わせ、第1の散水実施条件および第2の散水実施条件の一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、防塵ネット12に散水手段14による散水を行なわせるようにしてもよい。
次に、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態の防塵装置10Dも、第2の実施の形態の変形例であり、第3の実施の形態の防塵装置10Cと同様に、風があるときに、防塵ネット12の風上側に配置された散水ノズル1408から防塵ネット12に散水させるようにしたものである。
第4の実施の形態では、第3の実施の形態のように散水ノズル1408を防塵ネット12の両面の前方にそれぞれ配置せず、移動機構により散水ノズル1408を防塵ネット12の風上側に移動させるようにしたものである。
第4の実施の形態の防塵装置10Cは、図7、図8に示すように、防塵ネット12と、散水手段14と、水分検出手段16と、制御手段18Dと、風向計24を備え、散水手段14は、散水ノズル1408を防塵ネット12の風上側に移動させる移動機構26を備えている。
旋回台2602は、地面に設置される基台2606の上に旋回可能に配置され、基台の内部に収容された電動モータなどのアクチュエータ2604により180度旋回される。
給水管1406に接続された散水ノズル1408は各旋回台2602の上に取着されている。
そして、制御手段18Dは風向計24により測定した風向きからアクチュエータ2604を制御することにより旋回台2602を旋回させ、散水ノズル1408を防塵ネット12の風上側に位置させ、散水ノズル1408から防塵ネット12に向けて散水させる。
このような第4の実施の形態によれば、第3の実施の形態と同様に、風があるときに、散水による防塵ネット12への水分の付着を効率良く行なえ、また、粉塵が付着した防塵ネット12の洗浄も効率良く行なえるので、防塵効果を高める上でより一層有利となる。
また、第4の実施の形態と第1の実施の形態とを組み合わせ、第1の散水実施条件および第2の散水実施条件の一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、防塵ネット12に散水手段14による散水を行なわせるようにしてもよい。
界面活性剤としては、陽イオン系のものや陰イオン系のものなど種類を問わず、1リットルあたり1〜10ミリリットル程度混合させれば十分である。特に、陰イオン系の石鹸等は生分解速度が高く、環境影響が低く、低コストであるため、工事現場では使用しやすい。
Claims (8)
- 粉塵が生じる工事域に沿って張設される防塵ネットと、
前記防塵ネットに散水する散水手段と、
前記防塵ネットへの散水を実施する散水実施条件が成立したか否かを判定し、前記散水実施条件が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる制御手段とを備える、
ことを特徴とする防塵装置。 - 前記散水時間を変更可能に設定する散水時間設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1記載の防塵装置。 - 前記散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の防塵装置。 - 前記時間帯および前記設定時間を変更可能に設定する条件設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項3記載の防塵装置。 - 前記防塵ネット上の水分を検出する水分検出手段をさらに備え、
前記散水実施条件は、予め定められた時間帯において前記水分検出手段で検出された水分の値が所定値以下となることで成立する、
ことを特徴とする請求項1または2記載の防塵装置。 - 前記時間帯を変更可能に設定する条件設定手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項5記載の防塵装置。 - 前記防塵ネット上の水分を検出する水分検出手段をさらに備え、
前記散水実施条件は、予め定められた時間帯において予め定められた設定時間が経過する毎に成立する第1の散水実施条件と、前記時間帯において前記水分検出手段で検出された水分の値が所定値以下となることで成立する第2の散水実施条件とを含み、
前記制御手段は、前記第1の散水実施条件および前記第2の散水実施条件の何れか一方が成立したらならば、予め定められた散水時間、前記防塵ネットに前記散水手段による散水を行なわせる、
ことを特徴とする請求項1または2記載の防塵装置。 - 前記散水には、界面活性剤が混合された水が使用される、
ことを特徴とする請求項1〜7に何れか1項記載の防塵装置。
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