JP2014149507A - 光リング共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】広い波長帯域において、選択される共振波長を変更可能であるとともに、その波長変更に伴う損失を小さくすることができる、波長選択性に優れた光リング共振器を提供する。
【解決手段】線状導波路11と環状導波路12とが、光学的に結合可能に近接して配置されている。環状導波路12は、環状部12aの2箇所に、上流側および下流側の導波路が光学的に結合可能に近接して配置された光結合部12bを有している。光結合部12bは、それぞれ上流側および下流側の導波路が所定の長さの範囲で所定の間隔をあけて互いに平行を成すよう配置され、さらに各光結合部12bの導波路全てが平行を成すよう配置されている。第1移動手段23aおよび第2移動手段23bが、それぞれ環状導波路12の環状部12aの長さ、および、光結合部12bでの各導波路の間隔とを変更可能に、環状導波路12の一部を移動させるよう設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光リング共振器に関する。
一般的な光リング共振器は、一端から信号光が入力され、他端から出力される線状導波路と、その線状導波路と光結合可能に近接して配置された環状導波路とを有している。光リング共振器では、線状導波路を信号光が伝播すると、その信号光の一部または全部が光結合部から環状導波路に入り、環状導波路を周回する。このとき、環状導波路内では、環状導波路の周長Lで決定される波長λ=L/N(N:整数)で、信号光が定在波を形成するため、この波長の信号光のみが選択的に環状導波路内に存在した状態になる。このように、光リング共振器は、共振波長による波長選択性を有しており、光フィルタや光スイッチ等として利用されている。
従来の光リング共振器として、熱光学効果や電気光学効果により誘電率が温度とともに変化する誘電体材料を利用して環状導波路の周長を変化させ、共振波長を可変にしたものがある(例えば、非特許文献1または2参照)。しかし、このような環状導波路の周長を温度で制御する光リング共振器は、誘電体材料を100℃以上に加熱する必要があり、エネルギー消費が大きくなりすぎるという問題があった。
このような問題を解決するため、本発明者等は、図9に示す、静電マイクロアクチュエータを利用した周長可変のマイクロリング共振器を開発している(例えば、非特許文献3参照)。すなわち、図9に示すように、環状導波路が、2つの方向性結合器(カプラー)によりリング状に結合された有限長の2つの導波路で構成されており、一方の有限長導波路は固定され、他方の有限長導波路はアクチュエータに接続されて、各方向性結合器の間隙を一定に保ったまま環状導波路の周長を変更可能に、線状導波路の伸長方向に対して垂直方向に移動するよう構成されている。また、環状導波路では、2つの方向性結合器により、特定波長において、理想的には100%の結合で、2つの有限長導波路の間を信号光が損失なく伝搬して周回するよう構成されている。
なお、本発明者等により、2つの導波路を光学的に結合する方向性結合器(カプラー)について、理論的モデルに基づいた解析が行われている(例えば、非特許文献4または5参照)。すなわち、2つの導波路が同じ矩形断面を有しているとき、最低次のTEモードを仮定すると、一方の導波路の透過光の強度Iおよび他方の導波路の出力光の強度Iは、次の(1)式で表される。
ここで、Iは入力光の強度、κは導波路の結合係数、lは結合長である。
また、結合係数κは、次の(2)式で表される。
ここで、gは導波路同士の間隔、Δは各導波路の比屈折率差、aは導波路の幅の半分の長さ、kは波数ベクトルに関する係数、rは屈折率の分散、vは正規化された周波数である。
また、本発明者等により、マイクロマシンの製造技術を利用して、Si基板と、Si基板上に配設したSiOから成る犠牲層と、犠牲層上に配設したSi層とで構成されるSOI(Silicon on Insulator)基板を用いて、方向性結合器(カプラー)を利用した光カプラースイッチを製造する方法が開発されている(例えば、非特許文献5参照)。
A. H. Atabaki, E. Shah Hosseini, A. A. Eftekhar, S.Yegnanarayanan, and A. Adibi, "Optimization of metallic microheatersfor high-speed reconfigurable silicon photonics",Optics Express, 16 August 2010, Vol. 18, No. 17, p.18312-18323 Sasikanth Manipatruni, Kyle Preston, Long Chen, and Michal Lipson,"Ultra-low voltage, ultra-small mode volume silicon microringmodulator", Optics Express, 16 August 2010, Vol. 18, No. 17, p.18235-18242 Taro Ikeda, Yoshiaki Kanamori, Kazuhiro Hane, "Si Photonic nano-wiretunable micro-ring resonator composed of triply-liked variable couplers",International workshop of MEMS 2012 Paris FRANCE, 29 January - 2 February 2012, p.660-663 岡本勝就著、「光導波路の基礎」、コロナ社、1992年、p.141-143 Yuta Akihama,Yoshiaki Kanamori, and Kazuhiro Hane, "Ultra-small silicon waveguide couplerswitch using gap-variable mechanism", Optics Express, 21 November 2011, Vol.19, No. 24, p.23658-23663
非特許文献3に示すマイクロリングフィルタは、環状導波路の2つの方向性結合器の間隙が一定であるため、特定の波長においてのみ損失のない環状導波路を構成することができる。しかし、波長を光通信帯域内で広く変えたときには、各方向性結合器の結合率が低下するため、環状導波路での周回損失が増加し、波長選択性が劣化するという課題があった。
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、広い波長帯域において、選択される共振波長を変更可能であるとともに、その波長変更に伴う損失を小さくすることができる、波長選択性に優れた光リング共振器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光リング共振器は、一端から信号光が入力され、他端から出力される線状導波路と、前記線状導波路と光学的に結合可能に、前記線状導波路と近接して配置された環状導波路と、移動手段とを有し、前記環状導波路は、環状部の1箇所または複数箇所に、導波路が直接接続されず、上流側および下流側の導波路が光学的に結合可能に近接して配置された光結合部を有し、前記移動手段は、前記環状導波路の前記環状部の長さと、前記光結合部での各導波路の間隔とを変更可能に、前記環状導波路の一部を移動させるよう設けられていることを特徴とする。
本発明に係る光リング共振器は、環状導波路が環状部の1箇所または複数箇所に光結合部を有しており、移動手段が環状導波路の一部を移動させることにより、環状導波路の環状部の長さ(周長)と、光結合部での各導波路の間隔とを変更可能になっている。本発明に係る光リング共振器は、移動手段で環状導波路の環状部の長さを変更することにより、環状導波路の環状部で選択される共振波長を変更することができる。また、選択される共振波長を変更すると、光結合部での結合効率が変化して環状部での周回損失が増加してしまうが、光結合部での結合効率を最適にするよう、光結合部での各導波路の間隔を変更することにより、周回損失を抑制することができる。このように、本発明に係る光リング共振器は、光通信帯の広い波長帯域において、選択される共振波長を変更可能であるとともに、その波長変更に伴う損失を小さくすることができ、波長選択性に優れている。
本発明に係る光リング共振器またはその光結合部は、Si基板と、Si基板上に配設したSiOから成る犠牲層と、犠牲層上に配設したSi層とで構成されるSOI基板に形成されていてもよい。また、コアが上層のSi層から成り、クラッドが空気から成ることが好ましい。移動手段は、環状導波路の一部を移動可能であればいかなるものから成っていてもよく、例えば、静電マイクロアクチュエータから成っている。また、移動手段は、環状導波路の環状部の長さと、光結合部での各導波路の間隔とを、1台で変更するよう構成されていても、複数台で変更するよう構成されていてもよい。また、移動手段は、環状導波路の環状部の長さを、1台で変更しても複数台で変更してもよく、光結合部での各導波路の間隔を、1台で変更しても複数台で変更してもよい。
本発明に係る光リング共振器で、前記光結合部は2つから成り、それぞれ上流側および下流側の導波路が所定の長さの範囲で所定の間隔をあけて互いに平行を成すよう配置され、さらに各光結合部の前記導波路全てが平行を成すよう配置されており、前記環状導波路は、各光結合部に挟まれた前記環状部の一方の側から成る第1環状構成部と、各光結合部に挟まれた前記環状部の他方の側から成る第2環状構成部とを有し、前記移動手段は、前記環状導波路の前記環状部の長さを変更可能に、各光結合部の一方の導波路が他方の導波路に対して相対的に平行移動するよう、前記第1環状構成部または前記第2環状構成部の少なくともいずれか一方を移動させる第1移動手段と、各光結合部での各導波路の間隔を変更可能に、前記第1環状構成部または前記第2環状構成部の少なくともいずれか一方を、前記第1移動手段による移動方向に対して垂直方向に移動させる第2移動手段とを有することが好ましい。
この光結合部が2つから成る場合、第1移動手段により環状導波路の環状部の長さを変更して、環状導波路の環状部で選択される共振波長を変更することができる。このとき、第1移動手段により、各光結合部の一方の導波路を他方の導波路に対して相対的に平行移動させるため、各光結合部での各導波路の間隔を一定に維持したまま、共振波長を変更することができる。また、第2移動手段により、光結合部での結合効率を最適にするよう、各光結合部での各導波路の間隔を変更することができ、周回損失を抑制することができる。このとき、第2移動手段により、第1移動手段による移動方向に対して垂直方向に移動させるため、環状部の長さを変化させることなく、周回損失を抑制することができる。第1移動手段および第2移動手段は、第1環状構成部および第2環状構成部のうち、同じ方を移動してもよく、それぞれ異なる方を移動してもよい。
また、この光結合部が2つから成る場合、前記第1環状構成部の各光結合部の各導波路が、前記第2環状構成部の各光結合部の各導波路に対して、同じ側に、同じ長さの範囲で、同じ間隔をあけて配置されていることが好ましい。この場合、第1移動手段および第2移動手段で移動させても、2つの光結合部同士で、各導波路が近接した範囲の長さおよびその間隔が同じになるため、2つの光結合部で常に同じ結合効率を有している。このため、結合効率の調整を容易かつ正確に行うことができる。
本発明に係る光リング共振器は、前記線状導波路と前記環状導波路との間隔を変更可能に、前記線状導波路の全体または一部を移動可能に設けられた分岐制御手段を有していてもよい。この場合、分岐制御手段により、線状導波路から環状導波路に流れる信号光の割合を表す分岐比を制御することができる。また、分岐制御手段により、線状導波路から環状導波路への信号光の入出力のスイッチ動作を行うこともできる。分岐制御手段は、線状導波路の全体または一部を移動可能であればいかなるものから成っていてもよく、例えば、静電マイクロアクチュエータから成っている。
本発明によれば、広い波長帯域において、選択される共振波長を変更可能であるとともに、その波長変更に伴う損失を小さくすることができる、波長選択性に優れた光リング共振器を提供することができる。
本発明の実施の形態の光リング共振器を示す平面図である。 本発明の実施の形態の光リング共振器の製造方法を示す断面図である。 図2に示す方法で製造された光リング共振器の光結合部を示す上面からの顕微鏡写真である。 図3に示す光リング共振器の光結合部の(a)出力強度(カプラー出力強度)の波長依存性、(b)結合位相の波長依存性(結合係数κ×結合長l)の数値計算結果を示すグラフである。 図3に示す光リング共振器の光結合部の、出力強度(カプラー出力強度)の波長依存性の測定結果を示すグラフである。 図2に示す方法で製造された光リング共振器の、第1移動手段のアクチュエータへ加える電圧を変えて環状部の長さ(周長)を変えたときの、出力光の波長依存性の測定結果を示すグラフである。 図2に示す方法で製造された光リング共振器の、第1移動手段のアクチュエータの変位に対して、図6の共振ピーク波長のシフト量を測定した結果を示すグラフである。 図2に示す方法で製造された光リング共振器の、波長のずれ(シフト)が変化したときの共振曲線の変化を示すグラフである。 従来の、静電マイクロアクチュエータを利用した周長可変のマイクロリング共振器を示す(a)斜視図、(b)平面図である(非特許文献3から引用)。
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至図8は、本発明の実施の形態の光リング共振器を示している。
図1に示すように、光リング共振器10は、線状導波路11と環状導波路12と移動手段13と分岐制御手段14とを有している。
線状導波路11は、線状に真っ直ぐ伸びるよう配置され、一端11aから信号光が入力され、他端11bから出力されるよう構成されている。
環状導波路12は、S字型に形成されたS字型導波路21と、U字型に形成されたU字型導波路22とを有している。環状導波路12は、S字型導波路21の一方の円弧状の部分21aとU字型導波路22とで環状部12aを形成するよう、それらの開口を互いに対向させ互い違いに噛み合わせるようにして配置して構成されている。環状導波路12は、環状部12aを構成するS字型導波路21の円弧の中央付近で、線状導波路11と光学的に結合可能に、線状導波路11に近接して配置されている。
環状導波路12は、S字型導波路21とU字型導波路22とが近接した環状部12aの2箇所に、光結合部12bを有している。光結合部12bは、S字型導波路21とU字型導波路22とが直接接続されず、光学的に結合可能に近接して配置されており、方向性結合器(カプラー)になっている。光結合部12bは、S字型導波路21とU字型導波路22とが所定の長さの範囲で所定の間隔をあけて互いに平行を成すよう配置され、さらに各光結合部12bでの全ての導波路が平行を成すよう配置されている。また、環状導波路12は、各光結合部12bでのS字型導波路21が、各光結合部12bでのU字型導波路22に対して、同じ側に、同じ長さの範囲で、同じ間隔をあけて配置されている。なお、各光結合部12bに挟まれた、環状部12aを構成するS字型導波路21の一方の円弧状の部分21aが第1環状構成部を成し、各光結合部12bに挟まれた、環状部12aを構成するU字型導波路22の部分が第2環状構成部を成している。
移動手段13は、いずれも静電マイクロアクチュエータから成る第1移動手段23aと第2移動手段23bの2つを有している。第1移動手段23aは、U字型導波路22の円弧部分の外側に配置され、U字型導波路22を移動可能に構成されている。第1移動手段23aは、各光結合部12bでのU字型導波路22が、各光結合部12bでのS字型導波路21に対して平行移動するよう、U字型導波路22を移動させるよう構成されている。これにより、第1移動手段23aは、環状部12aの長さを変更可能になっている。なお、環状導波路12は、第1移動手段23aによりU字型導波路22を移動させても、光結合部12bでのS字型導波路21とU字型導波路22との近接部の長さは変化しないようになっている。
第2移動手段23bは、S字型導波路21の他方の円弧状の部分21bの外側に配置され、S字型導波路21を移動可能に構成されている。第2移動手段23bは、S字型導波路21を、第1移動手段23aによる移動方向に対して垂直方向に移動させるよう構成されている。これにより、第2移動手段23bは、各光結合部12bでのS字型導波路21とU字型導波路22との間隔を変更可能になっている。
分岐制御手段14は、静電マイクロアクチュエータから成り、線状導波路11に対して環状導波路12とは反対側に配置されている。分岐制御手段14は、線状導波路11と環状導波路12との間隔を変更可能に、線状導波路11をその伸長方向に対して垂直方向に移動可能に構成されている。これにより、分岐制御手段14は、線状導波路から環状導波路に流れる信号光の分岐比の制御、および、線状導波路11と環状導波路12との間の光信号の入出力を行うスイッチ動作を行うようになっている。
図2(a)に示すように、光リング共振器10は、Si基板(Si substrate)31と、Si基板31の上に配設したSiOから成る犠牲層32と、犠牲層32の上に配設したSi層33とで構成されるSOI基板(SOI wafer)30を用いて、非特許文献5に記載の方法により製造することができる。すなわち、SOI基板30の表面に、図2(b)に示すように、レジスト層34を形成した後(Resist coating)、図2(c)に示すように、電子ビーム露光を行い、マスクパターンを形成する(Electron beam patterning)。その後、図2(d)に示すように、高速電子線エッチング(FAB)により、Si層33のマスクパターンがない部分をエッチングする(Si etching)。さらに、図2(e)に示すように、レジスト層34を取り除いた後(Resist removing)、図2(f)に示すように、SOI基板30をダイシングして個々のチップに分割する(Wafer cutting)。最後に、図2(g)に示すように、気相フッ酸(vapor−HF)により、SiOから成る犠牲層32の領域を除去する。
Si基板31から開放されたSi層33が、線状導波路11および環状導波路12、ならびに、移動手段13および分岐制御手段14の駆動部を成すよう設計することにより、図2に示す方法を利用して、光リング共振器10を製造することができる。このとき、線状導波路11および環状導波路12のコアはSi層33から成り、クラッドは空気から成っている。こうして製造された光リング共振器10の光結合部(方向性結合器)12bを、図3に示す。なお、図3に示す具体的な一例では、導波路の厚さは260nmで幅は400nmである。また、SiOから成る犠牲層32のエッチングにより、Si基板31から2μm上方に光結合部12bが自立している。
次に、作用について説明する。
光リング共振器10は、環状導波路12が環状部12aの2箇所に光結合部12bを有しており、第1移動手段23aにより環状導波路12の環状部12aの長さを変更して、環状導波路12の環状部12aで選択される共振波長を変更することができる。このとき、第1移動手段23aにより、各光結合部12bでのU字型導波路22を、各光結合部12bでのS字型導波路21に対して平行移動させるため、各光結合部12bでのS字型導波路21とU字型導波路22との間隔および近接部の長さを一定に維持したまま、共振波長を変更することができる。
また、選択される共振波長を変更すると、光結合部12bでの結合効率が変化して環状部12aでの周回損失が増加してしまうが、光結合部12bでの結合効率を最適にするよう、第2移動手段23bにより光結合部12bでのS字型導波路21とU字型導波路22との間隔を変更することができ、周回損失を抑制することができる。このとき、第2移動手段23bにより、第1移動手段23aによる移動方向に対して垂直方向に移動させるため、環状部12aの長さ、すなわち共振波長を変化させることなく、周回損失を抑制することができる。このように、光リング共振器10は、光通信帯の広い波長帯域において、選択される共振波長を変更可能であるとともに、その波長変更に伴う損失を小さくすることができ、波長選択性に優れている。
光リング共振器10は、第1移動手段23aおよび第2移動手段23bで移動させても、2つの光結合部12b同士で、各導波路が近接した範囲の長さおよびその間隔が同じになるため、2つの光結合部12bで常に同じ結合効率を有している。このため、結合効率の調整を容易かつ正確に行うことができる。光リング共振器10は、分岐制御手段14により、線状導波路11から環状導波路12に流れる信号光の割合を表す分岐比を制御することができる。また、分岐制御手段14により、線状導波路11から環状導波路12への信号光の入出力のスイッチ動作を行うこともできる。
なお、光リング共振器10で、移動手段13は、環状導波路12の環状部12aの長さと、光結合部12bでの各導波路の間隔とを、1台で変更するよう構成されていても、3台以上で変更するよう構成されていてもよい。また、移動手段13は、環状導波路12の環状部12aの長さを複数台で変更してもよく、光結合部12bでの各導波路の間隔を複数台で変更してもよい。また、第1移動手段23aおよび第2移動手段23bは、S字型導波路21およびU字型導波路22を別々に移動させなくとも、いずれか同じ方を移動させるよう構成されていてもよい。
[光結合部(方向性結合器)12bの特性]
図3に示す光結合部(方向性結合器)12bについて、出力強度(カプラー出力強度)の波長依存性、および、結合位相の波長依存性(結合係数κ×結合長l)を、(1)式を用いて数値計算で求め、その結果を図4に示す。なお、数値計算では、信号光の波長が1550nmのとき光結合部12bの結合効率が100%になるよう各導波路の間隙を設定し、間隙を一定にして波長を変化させながら計算を行っている。
図4(a)に示すように、リングを構成する導波路(ドロップポート)への移行が100%となるとき、すなわち波長が1550nmのとき、リングを構成しない導波路(スルーポート)への移行は0%となり、損失は最低(理論的に0%)となる。しかし、波長が1550nmから変化すると、リングを構成しない導波路(スルーポート)への光の漏れが増加する。例えば、波長が1540nmのとき、図4(a)から、約−30dBの損失となる。このとき、図1に示す光リング共振器10では、環状部12aに2つの方向性結合器が存在するため、損失が2倍の−15dBとなる。選択性の高いリングフィルタを構成するためには、この損失の大きさが問題となる。また、図4(b)に示すように、方向性結合器の結合位相は、光通信帯の全域において、波長依存性が大きいことがわかる。
図3に示す光結合部12bについて、出力強度(カプラー出力強度)の波長依存性を実測した結果を、図5に示す。図5に示すように、出力強度の波長依存性の実測結果は、図4に示す数値計算による理論値と同様の傾向が認められることがわかる。これらの結果から、選択波長を可変にした場合、フィルタ特性を高めるためには、方向性結合器の結合率を最適にする必要があるといえる。
[光リング共振器10の特性]
図3に示す光結合部(方向性結合器)12bを含む光リング共振器10について、環状部12aの長さ(周長)を変えたときの出力光の波長依存性を測定し、図6に示す。図6に示すように、環状導波路12に特有の共振ピークが現れていることから、S字型導波路21とU字型導波路22とを光結合部12bにより結合する方法で環状導波路12が形成できていることが確認できる。また、光リング共振器10は、第1移動手段23aのアクチュエータへ加える電圧の値を0V、10V、20Vと変えることにより、共振ピークの波長位置がシフトしていることから、特定波長を選択するための波長可変マイクロリングフィルタとして利用可能であるといえる。
第1移動手段23aのアクチュエータの変位に対して、図6の共振ピーク波長のシフト量を測定した結果を、図7に示す。なお、図1に示す光リング共振器10では、第1移動手段23aのアクチュエータの変位を大きくすると、環状部12aの周長は短くなるよう構成されている。図7に示すように、第1移動手段23aのアクチュエータが動いて環状部12aの周長を短くすると、同じモードの共振ピークの波長が短くなっていることがわかる。具体的には、約1μmのアクチュエータの変位に対して、約10nmの波長の変化が認められる。
しかし、図4および図5に示すように、波長のずれ(シフト)とともに、光結合部12bでの波長特性が最適から外れていくため、このままでは光リング共振器10の損失が増加してしまう。損失が増加すると、共振の深さが浅くなり、先鋭度(Qファクター)が低下してしまう。最適波長からの波長のずれが0nm、15nm、30nmと変化した場合の共振曲線の変化の一例を、図8に示す。図8に示すように、波長のずれとともに、共振の深さが浅くなることがわかる。このように、波長のずれとともに光リング共振器10の特性が劣化してしまうため、波長が変化したときに光結合部12bの結合効率が最適値を保つよう、第2移動手段23bによりS字型導波路21とU字型導波路22との間隔を調節する。これにより、常に共振の深さが浅くならない最適のリング共振条件を維持したフィルタを実現することができる。
10 光リング共振器
11 線状導波路
12 環状導波路
12a 環状部
12b 光結合部
21 S字型導波路
22 U字型導波路
13 移動手段
23a 第1移動手段
23b 第2移動手段
14 分岐制御手段
30 SOI基板
31 Si基板
32 犠牲層
33 Si層

Claims (4)

  1. 一端から信号光が入力され、他端から出力される線状導波路と、
    前記線状導波路と光学的に結合可能に、前記線状導波路と近接して配置された環状導波路と、
    移動手段とを有し、
    前記環状導波路は、環状部の1箇所または複数箇所に、導波路が直接接続されず、上流側および下流側の導波路が光学的に結合可能に近接して配置された光結合部を有し、
    前記移動手段は、前記環状導波路の前記環状部の長さと、前記光結合部での各導波路の間隔とを変更可能に、前記環状導波路の一部を移動させるよう設けられていることを
    特徴とする光リング共振器。
  2. 前記光結合部は2つから成り、それぞれ上流側および下流側の導波路が所定の長さの範囲で所定の間隔をあけて互いに平行を成すよう配置され、さらに各光結合部の前記導波路全てが平行を成すよう配置されており、
    前記環状導波路は、各光結合部に挟まれた前記環状部の一方の側から成る第1環状構成部と、各光結合部に挟まれた前記環状部の他方の側から成る第2環状構成部とを有し、
    前記移動手段は、前記環状導波路の前記環状部の長さを変更可能に、各光結合部の一方の導波路が他方の導波路に対して相対的に平行移動するよう、前記第1環状構成部または前記第2環状構成部の少なくともいずれか一方を移動させる第1移動手段と、各光結合部での各導波路の間隔を変更可能に、前記第1環状構成部または前記第2環状構成部の少なくともいずれか一方を、前記第1移動手段による移動方向に対して垂直方向に移動させる第2移動手段とを有することを
    特徴とする請求項1記載の光リング共振器。
  3. 前記第1環状構成部の各光結合部の各導波路が、前記第2環状構成部の各光結合部の各導波路に対して、同じ側に、同じ長さの範囲で、同じ間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項2記載の光リング共振器。
  4. 前記線状導波路と前記環状導波路との間隔を変更可能に、前記線状導波路の全体または一部を移動可能に設けられた分岐制御手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光リング共振器。
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