JP2014149176A - 原子力プラントの熱輸送装置及び熱輸送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱輸送装置の稼働中において、冷媒量を常時に把握し、冷媒量が所定の冷媒量となるように冷媒を注入又は排出することで、熱輸送装置の冷却能力、信頼性を向上させる。
【解決手段】冷却対象となるプール21内に設置され少なくとも一つの受熱管1aを有する受熱器1と、前記受熱器で発生した気相の冷媒5aを放熱器2へ移送する気相冷媒移送配管3と、前記放熱器で凝縮した液相の冷媒5bを前記受熱器へ移送する液体冷媒移送配管4と、前記受熱器1の上端よりも低い位置における前記冷媒の液位を測定可能に設けられた液位測定装置8と、前記液体冷媒移送配管4に接続された少なくとも一つの冷媒注入管6及び冷媒排出管7とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】冷却対象となるプール21内に設置され少なくとも一つの受熱管1aを有する受熱器1と、前記受熱器で発生した気相の冷媒5aを放熱器2へ移送する気相冷媒移送配管3と、前記放熱器で凝縮した液相の冷媒5bを前記受熱器へ移送する液体冷媒移送配管4と、前記受熱器1の上端よりも低い位置における前記冷媒の液位を測定可能に設けられた液位測定装置8と、前記液体冷媒移送配管4に接続された少なくとも一つの冷媒注入管6及び冷媒排出管7とを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、発熱部を有する原子力プラントや産業用及び民生用機器を冷却するための熱輸送装置に関し、特に、外部動力を使用しない受動的な原子力プラントの熱輸送装置及び熱輸送方法に関する。
例えば、原子力プラントや産業用及び民生用機器の多くは、通常使用時に発熱する機器を有しているが、苛酷事故時の冷却のため、又は、通常時の装置の省エネ化や小型化・軽量化等のため、外部動力を使用しない冷却装置の要望が高まっている。
特に、原子力プラントでは、原子炉設備の信頼性や安全性を一層高めるため、仮に津波により3つの機能(全交流電源、海水冷却機能、使用済み燃料貯蔵プールの冷却機能)を全て喪失したとしても、炉心損傷や使用済み燃料の損傷を防止し、放射性物質の放出を抑制しつつ冷却機能を持続可能な熱輸送装置が求められている。このうち、使用済み燃料貯蔵プールの冷却については、既設の冷却系の喪失を想定し、外部動力が利用不可の状況においても、プール水を冷却できる装置が求められる。このような冷却設備としてヒートパイプを用いた熱輸送装置を用いることが提案されている(特許文献1)。
ヒートパイプは、冷媒の潜熱を利用し、無動力かつ受動的な熱輸送を実現し、対象の発熱体が発生する熱を除熱する。代表的なヒートパイプは、循環力に基づき、ウイック式と熱サイフォン式が挙げられる。ウイック式は、毛細管構造を有する物体(ウイック)を密閉容器に内包し、これを循環力の発生源として利用する。一方、熱サイフォン式は、重力を循環の駆動力として、液相状態の冷媒とこれを沸騰させ生成した気相状態の冷媒との密度差で作動流体を循環させる。
使用済み燃料貯蔵プール等の熱輸送量が大きい条件では、ウイック式及び熱サイフォン式の両方式とも、気相状態の冷媒と液相状態の冷媒の流路を分離したループ型のヒートパイプが用いられることが多い。このループ型のヒートパイプからなる熱輸送装置は、装置が大型化するため、通常、装置納入先で装置が組み立てられる。
上述したよう熱輸送装置では、ヒートパイプ内に冷媒を注入した後ヒートパイプが密閉されるため、ヒートパイプ内の冷媒量を増減調整する際には、熱輸送装置を停止させヒートパイプの密閉を解除して行うことが考えられる。したがって、上記の手法にてヒートパイプ内の冷媒量を増減調整する際には、熱輸送装置を停止させる必要がある。しかし、ヒートパイプを用いた熱輸送装置は、上述したように発熱体の熱を常時除熱することが求められる環境への適用が考えられることから、装置を停止することなく冷媒量を調整可能とすることが求められる。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、熱輸送装置の稼働中において、冷媒量を常時把握し、冷媒量の増減調整を行うことにより、冷却能力及び信頼性を向上させた原子力プラントの熱輸送装置及び熱輸送方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本実施形態に係る原子力プラントの熱輸送装置は、冷却対象となるプール内に設置され少なくとも一つの受熱管を有する受熱器と、前記受熱器で発生した気相の冷媒を放熱器へ移送する気相冷媒移送配管と、前記放熱器で凝縮した液相の冷媒を前記受熱器へ移送する液体冷媒移送配管と、前記受熱器の上端よりも低い位置における前記冷媒の液位を測定可能に設けられた液位測定装置と、前記液体冷媒移送配管に接続された少なくとも一つの冷媒注入管及び冷媒排出管とを備えることを特徴とする。
また、本実施形態に係る前記熱輸送装置を用いた原子力プラントの熱輸送方法は、熱輸送装置を用いた原子力プラントの熱輸送方法であって、前記液位測定装置の測定結果に基づいて前記熱輸送装置内の液相の冷媒量を求め、前記液相の冷媒量が所定の許容範囲を超えて多い又は少ない場合、前記液相の冷媒量が所定の許容範囲内と冷媒量となるように前記冷媒注入管又は冷媒排出管から冷媒を注入又は排出することを特徴とする。
本実施形態によれば、熱輸送装置の稼働中において、冷媒量を常時に把握し、冷媒量が所定の冷媒量となるように冷媒を注入又は排出することで、熱輸送装置の冷却能力、信頼性を向上させるとともに、原子力プラント設備及び周囲環境の安全性を向上させることができる。
以下、本発明に係る原子力プラントの熱輸送装置及び熱輸送方法の実施形態を、図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態に係る熱輸送装置を、図1及び図2を参照して説明する。
なお、本実施形態では熱輸送装置としてループ型ヒートパイプを用い。冷却対象が燃料貯蔵プール内に貯蔵された使用済核燃料である例について説明する。
第1の実施形態に係る熱輸送装置を、図1及び図2を参照して説明する。
なお、本実施形態では熱輸送装置としてループ型ヒートパイプを用い。冷却対象が燃料貯蔵プール内に貯蔵された使用済核燃料である例について説明する。
(全体構成)
本実施形態の熱輸送装置は、使用済み燃料を貯蔵する原子力プラントの燃料貯蔵建屋20の燃料貯蔵プール21内に配置された受熱器1と、燃料貯蔵建屋20の放熱室22内に設置された放熱器2と、使用済燃料25からの受熱11によって沸騰し気相となった受熱器1内の冷媒5aを放熱器2へ移送する気相冷媒移送配管3と、放熱器2で周囲の大気に放熱12することで冷却され液相となった冷媒5bを重力で受熱器1へ戻す液相冷媒移送配管4と、液相冷媒移送配管4に接続され、液相の冷媒5bを注入及び排出する冷媒注入管6及び冷媒排出管7と、から構成される。なお、放熱室22は壁に設けられた複数の開口23を介して外部の大気が導入され、受熱後の空気を外部に放出する。
熱輸送装置内に封入される冷媒量は使用済燃料の発熱量や冷媒の種類、熱特性等に応じて所定の量に設定される。
本実施形態の熱輸送装置は、使用済み燃料を貯蔵する原子力プラントの燃料貯蔵建屋20の燃料貯蔵プール21内に配置された受熱器1と、燃料貯蔵建屋20の放熱室22内に設置された放熱器2と、使用済燃料25からの受熱11によって沸騰し気相となった受熱器1内の冷媒5aを放熱器2へ移送する気相冷媒移送配管3と、放熱器2で周囲の大気に放熱12することで冷却され液相となった冷媒5bを重力で受熱器1へ戻す液相冷媒移送配管4と、液相冷媒移送配管4に接続され、液相の冷媒5bを注入及び排出する冷媒注入管6及び冷媒排出管7と、から構成される。なお、放熱室22は壁に設けられた複数の開口23を介して外部の大気が導入され、受熱後の空気を外部に放出する。
熱輸送装置内に封入される冷媒量は使用済燃料の発熱量や冷媒の種類、熱特性等に応じて所定の量に設定される。
また、受熱器1の直上流側の液相冷媒移送配管4aの少なくとも上方及び下方に液相冷媒移送配管4a内の液位を測定するために液位測定装置(本実施形態では圧力計8)が設けられている。その際、液相冷媒移送配管4aは発熱体である使用済核燃料25からの受熱量が少ない位置、例えば使用済核燃料25から離間したプール壁に沿って設置することが望ましい。また、液位測定装置は少なくとも液相冷媒移送配管4aにおいて受熱器1の上端よりも低い位置での液位を計測できるよう設けられている。
また、本実施形態では、放熱室22において大気により気相の冷媒を冷却する構成としているが、これに限定されず、放熱室22に冷却用の液体が貯蔵されたタンクを配置し、この液体と熱交換することで気相の冷媒5aを冷却するようにしてもよい(図示せず)。これにより放熱能力をさらに向上させることができる。
(受熱器)
図2(a)は受熱器1及び液相冷媒移送配管4aの拡大図で、受熱器1は複数の受熱管1aとそれらの上端部及び下端部を連結する上部連結管1b、下部連結管1cから構成される。各放熱管1aでは使用済燃料25から放出される熱を受熱11し、液相の冷媒5bが沸騰し気相状態の冷媒5aとなる。
図2(a)は受熱器1及び液相冷媒移送配管4aの拡大図で、受熱器1は複数の受熱管1aとそれらの上端部及び下端部を連結する上部連結管1b、下部連結管1cから構成される。各放熱管1aでは使用済燃料25から放出される熱を受熱11し、液相の冷媒5bが沸騰し気相状態の冷媒5aとなる。
受熱器1の直上流側の液相冷媒移送配管4aの内部は、上方が気相状態、下方が液相状態となっており、液相冷媒移送配管4aの下方及び上方に設けた圧力計8a、8bにより、液相冷媒移送配管4aの気相及び液相の圧力を測定することで液相冷媒移送配管4a内の液相の冷媒5bの水位を測定する。なお、圧力計8a、8bの数、配置は適宜増減可能である。例えば、圧力測定器8bは、液位の測定範囲を広くするため、少なくとも一つは、液相冷媒移送配管4aの下端近傍に設置することが好ましい。また、評価精度を向上させるために、液体の冷媒5bが存在すると想定される範囲に多数設置するようにしてもよい(図2(a)参照)。
また、液相冷媒移送配管4aの水位は、圧力計による測定に限定されず、液相冷媒移送配管4aに連通管を並列に設け、当該連通管の水位を超音波水位計等により測定することによって求めるようにしてもよい(図示せず)。
(冷媒)
本実施形態では冷媒5として水が用いられ、熱輸送装置の稼働前に飽和蒸気圧が所望の圧力に調整される。水は、仮に移送配管が破損した場合においても、周囲に及ぼす影響は小さい。また、使用済燃料25の発熱量等に応じて飽和蒸気圧を熱輸送装置の稼動前に調整することで、熱輸送装置の沸騰開始温度を変更し、冷却能力を最適化することができる。
なお、冷媒として水以外の媒体を使用できることはもちろんである。
本実施形態では冷媒5として水が用いられ、熱輸送装置の稼働前に飽和蒸気圧が所望の圧力に調整される。水は、仮に移送配管が破損した場合においても、周囲に及ぼす影響は小さい。また、使用済燃料25の発熱量等に応じて飽和蒸気圧を熱輸送装置の稼動前に調整することで、熱輸送装置の沸騰開始温度を変更し、冷却能力を最適化することができる。
なお、冷媒として水以外の媒体を使用できることはもちろんである。
(作用)
このように構成された熱輸送装置において、各放熱管1a内の液相の冷媒5bは使用済燃料25からの熱を受熱11して沸騰し、気相となった冷媒5aは上部連結管1b、気相冷媒移送配管3を通して放熱器2へ移送される。そして、放熱器2で冷却され凝縮して液相となった冷媒5bは液相冷媒移送配管4、4aを通して、下部連結管1cに戻る。
このように構成された熱輸送装置において、各放熱管1a内の液相の冷媒5bは使用済燃料25からの熱を受熱11して沸騰し、気相となった冷媒5aは上部連結管1b、気相冷媒移送配管3を通して放熱器2へ移送される。そして、放熱器2で冷却され凝縮して液相となった冷媒5bは液相冷媒移送配管4、4aを通して、下部連結管1cに戻る。
受熱器1の直上流側の液相冷媒移送配管4aの内部は、上方が気相状態、下方が液相状態となっており、液相冷媒移送配管4aの下方及び上方に設けた圧力計8a、8bにより、液相冷媒移送配管4aの気相及び液相の圧力を測定し、その測定値から液相冷媒移送配管4a内の液位を求める。
一方、受熱器1の放熱管1a内の液位は周囲のプール水温度、熱輸送装置内の圧力、冷媒5の沸点等に基づいて予測可能であり、これらの水位情報から熱輸送装置内の冷媒量を求める。
なお、放熱管1aの水位は、当該放熱管1aに連通管を並列に設置し、当該連通管の水位を超音波測定器8c等によって測定することで求めるようにしてもよい(図2(b))。この場合、より直接的に受熱器1内部の液位を計測することができる。
このようにして求められた放熱管1a及び液相冷媒移送配管4aの水位情報から熱輸送装置内の冷媒量を求める。そして求められた冷媒量が予め定められた設定値以下の場合は冷媒注入管6から所定量の冷媒5を補充し、設定値以上の場合は冷媒排出管7から所定量排出する。
さらに、使用済燃料の発熱量が急増又は急減するような場合にも、当該発熱量の急増、急減に応じて冷媒量を適切に調節する。使用済燃料の発熱量は、例えば燃料貯蔵プールのプール水温度の時間変化から求めることができる。
(効果)
熱輸送装置による除熱効率は受熱器内部の状態に左右され、例えば受熱器内部が冷媒の液相で満たされる、あるいは冷媒の気相で満たされるような状態だと、熱交換効率の点で好ましくない。図2(a)、(b)では、比較的受熱管1aの液面近くで沸騰する状態を示しているが、基本的には、冷媒量が同じで燃料貯蔵プールの温度が高くなるほど低位置から沸騰し、受熱器内部で気相が占める割合が増加する。
熱輸送装置による除熱効率は受熱器内部の状態に左右され、例えば受熱器内部が冷媒の液相で満たされる、あるいは冷媒の気相で満たされるような状態だと、熱交換効率の点で好ましくない。図2(a)、(b)では、比較的受熱管1aの液面近くで沸騰する状態を示しているが、基本的には、冷媒量が同じで燃料貯蔵プールの温度が高くなるほど低位置から沸騰し、受熱器内部で気相が占める割合が増加する。
本実施形態によれば、熱輸送装置の稼働中において、受熱器1の上端よりも低い位置における放熱管1a及び液相冷媒移送配管4aの水位情報をモニタすることで熱輸送装置内の冷媒量を常時監視し、冷媒量の増減及び/又は発熱量の増減に応じて冷媒量を適切に調整することができる。これにより、熱輸送装置を停止させることなく、適切な冷却能力を維持できるため、プラント設備及び周囲環境の安全性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態に係る熱輸送装置を、図3乃至図5を参照して説明する。
本実施形態は冷媒注入管6に関する。
冷媒注入管6は液相冷媒移送配管4に少なくとも一つ以上設置される。冷媒量を増やす場合には、図3に示すように、2つのバルブ9a、9bの間に蓄えた冷媒5bを、下方のバルブ9bを開放することで、液相冷媒移送配管4内に注入する。この際、上方のバルブ9aは開放しないため、熱輸送装置の密閉は保持される。また、下方のバルブ9bを閉止し、上方のバルブ9aを開放することで、熱輸送装置の密閉を解除せずに、繰り返し冷媒5bを注入することができる。
第2の実施形態に係る熱輸送装置を、図3乃至図5を参照して説明する。
本実施形態は冷媒注入管6に関する。
冷媒注入管6は液相冷媒移送配管4に少なくとも一つ以上設置される。冷媒量を増やす場合には、図3に示すように、2つのバルブ9a、9bの間に蓄えた冷媒5bを、下方のバルブ9bを開放することで、液相冷媒移送配管4内に注入する。この際、上方のバルブ9aは開放しないため、熱輸送装置の密閉は保持される。また、下方のバルブ9bを閉止し、上方のバルブ9aを開放することで、熱輸送装置の密閉を解除せずに、繰り返し冷媒5bを注入することができる。
図4は本実施形態の変形例で、バイパス管6aを並列に設け、液相冷媒移送配管4に冷媒5bを注入する際は、バルブ9b、9cを開放する。これにより。冷媒5bの注入を容易に行うことができる。
図5は本実施形態の他の変形例で、冷媒注入管6は冷媒貯蔵容器6bを備え、冷媒量を増やす際には、下方に取り付けたバルブ9dを開放することで冷媒5bを注入する。本変形例は注入操作が容易であり、装置の密閉性も維持しやすい。
上記図3〜図5に示した冷媒注入管は一例であり、種々の変形、組合せ、設置数の増減が可能である。例えば、注入量に即した配管数、配管径、または配管形状を構成することで、注入を一層容易にできる。また、冷媒注入管6に放熱器を取り付けてもよい。また、冷媒注入管6を燃料貯蔵建屋20の外に設置することで、立入を容易にし、保守点検機能を向上させることもできる(図示せず)。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る熱輸送装置を、図6及び図7を参照して説明する。
本実施形態は冷媒排出管7に関する。
冷媒排出管7は液相冷媒移送配管4に少なくとも一つ以上設置される。冷媒量を減らす場合には、図6に示すように、図示する2つのバルブ10a、10bのうち、上方のバルブ10aを開放することで、冷媒排出管7に冷媒5bを排出する。この際、下方のバルブ20bは閉鎖しているため、熱輸送装置の密閉は保持される。また、下方のバルブ10bを開放し、上方のバルブ10aを閉鎖することで、熱輸送装置の密閉を解除せずに、冷媒5bを外部へ排出することができる。
第3の実施形態に係る熱輸送装置を、図6及び図7を参照して説明する。
本実施形態は冷媒排出管7に関する。
冷媒排出管7は液相冷媒移送配管4に少なくとも一つ以上設置される。冷媒量を減らす場合には、図6に示すように、図示する2つのバルブ10a、10bのうち、上方のバルブ10aを開放することで、冷媒排出管7に冷媒5bを排出する。この際、下方のバルブ20bは閉鎖しているため、熱輸送装置の密閉は保持される。また、下方のバルブ10bを開放し、上方のバルブ10aを閉鎖することで、熱輸送装置の密閉を解除せずに、冷媒5bを外部へ排出することができる。
その際、2つのバルブ10a、10bの間の圧力を、稼働中の熱輸送装置内の圧力より低くなるように調整しておくことで、熱輸送装置に与える外乱を小さくし、冷却能力に影響を及ぼさないようにする。さらに、2つのバルブ10a、10bの間の気体は冷媒のみにしておくことが好ましい。また、冷媒排出管7に放熱器に取り付けてもよい。また、冷媒排出管7を燃料貯蔵建屋20の外に設置することで、立入を容易にし、保守点検機能を向上させることができる(図示せず)。
図7は本実施形態の変形例で、冷媒注入管7は冷媒排出容器7aを備え、冷媒量を減らす際には、下方に取り付けたバルブ10cを開放することで冷媒5bを排出する。本変形例は排出操作が容易であり、装置の密閉性も維持しやすい。なお、冷媒排出容器7a内の圧力は、熱輸送装置の稼動前に、稼働中の熱輸送装置内の圧力より低く又は少なくとも同等となるように調整される。これにより、冷媒排出容器7a内の圧力を、稼働中の圧力よりも低くすることで、熱輸送装置に与える外乱を小さくし、冷却能力に影響を及ぼさないようにできる。さらに、冷媒排出容器7a内の気体は冷媒のみにしておくことが好ましい。
上記図6、図7に示した冷媒排出管は一例であり、種々の変形、組合せ、設置数の増減が可能である。例えば、排出量に即した配管数、配管径、または配管形状を構成することで、冷媒の排出を一層容易にできる。
以上、第1乃至第3の実施形態で説明したように、本実施形態の熱輸送装置は、燃料貯蔵プール21内に収容された使用済燃料25からの発生熱を、外部動力を用いずに、プール水、受熱器1、気相冷媒移送配管3を介して自動的に放熱器2へと輸送できる。すなわち、プール水の温度が上昇した場合、自動的にこの温度上昇を抑制することができる。
さらに、熱輸送装置内の冷媒量を常時監視し、熱輸送装置を停止することなく冷媒量の調節を行うことができるため、長期にわたって原子炉設備や周囲環境の安全性及び信頼性を向上させることができる。
また、放熱器2の一部を燃料貯蔵建屋20の外に配置することで、放熱器2への立入を容易にし、保守点検性能を向上させることができる。なお、本実施形態の熱輸送装置は、複数台用いてもよいことはもちろんである。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、組み合わせ、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、液位測定装置は実施形態で説明したものに限られず、冷却性能を維持するための冷媒量調整を行うにあたって必要最低限の精度を有していればよい。例えば、図2(a)に示す液相冷媒移送配管4aの上端や下端からレーザ、超音波、マイクロ波等を送信して測定を行う水位計や、液相冷媒移送配管4aの側面に超音波振動子を設け、内部に超音波を送信してその反射波や透過波を観測することで気相か液相かを判定する水位計等を液位測定装置として用いてもよい。また、液位測定装置は、液相冷媒移送配管4aではなく受熱器1に直接設けてもよい。
また、例えば各バルブの開閉は遠隔制御(例えば電磁弁を用いる等して)による開閉と作業員による開閉何れも可能であることが望ましい。また、事故時であっても作業員のアクセスが容易となるよう原子炉建屋の外側に設けることが望ましく、さらに放熱室外部からバルブ近傍までを周囲と隔離するように通路及びバルブ操作室を形成してもよい。また、バルブの遠隔制御を行う場合は、液位測定装置の出力を受けて自動的にバルブの開閉を行うような制御部を設けてもよく、バルブの開閉や制御部について電源喪失に備える予備バッテリーを設けてもよい。
1…受熱器、1a…受熱管、1b…上部連結管、1c…下部連結管、2…放熱器、3…気相冷媒移送配管、4、4a…液相冷媒移送配管、5…冷媒、5a…冷媒(気相)、5b…冷媒(液相)、6…冷媒注入管、6a…バイパス管、6b…冷媒貯蔵容器、7…冷媒排出管、7a…冷媒排出容器、8、8a、8b…圧力計、8c…超音波測定器、9a〜9d…バルブ、10a、10b…バルブ、11…受熱、12…放熱、20…燃料貯蔵建屋、21…燃料貯蔵プール、22…放熱室、23…開口、25…使用済燃料。
Claims (8)
- 冷却対象となるプール内に設置され少なくとも一つの受熱管を有する受熱器と、前記受熱器で発生した気相の冷媒を放熱器へ移送する気相冷媒移送配管と、前記放熱器で凝縮した液相の冷媒を前記受熱器へ移送する液体冷媒移送配管と、前記受熱器の上端よりも低い位置における前記冷媒の液位を測定可能に設けられた液位測定装置と、前記液体冷媒移送配管に接続された少なくとも一つの冷媒注入管及び冷媒排出管とを備えることを特徴とする原子力プラントの熱輸送装置。
- 前記冷媒注入管は2つのバルブを有し、前記2つのバルブを開閉することで所定量の冷媒を前記液体冷媒移送配管に注入可能に構成されたことを特徴とする請求項1に記載の原子力プラントの熱輸送装置。
- 前記冷媒注入管は冷媒貯蔵容器とバルブを備え、前記バルブを開閉することで冷媒を前記液体冷媒移送配管に注入可能に構成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原子力プラントの熱輸送装置。
- 前記冷媒排出管は2つのバルブを有し、前記2つのバルブを開閉することで所定量の冷媒を液体冷媒移送配管から排出可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項に記載の原子力プラントの熱輸送装置。
- 前記冷媒排出管は冷媒排出容器とバルブを備え、前記バルブを開閉することで前記液体冷媒移送配管から前記冷媒排出容器に排出可能に構成されたことを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項に記載の原子力プラントの熱輸送装置。
- 前記液位測定装置は圧力計からなり、当該圧力計を前記受熱器の直上流の液体冷媒移送配管の上方及び下方にそれぞれ少なくとも一つ設けたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の原子力プラントの熱輸送装置。
- 前記受熱管に連通管を並列に設け、前記連通管の液位を測定することで前記受熱管の液位を求めることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項に記載の原子力プラントの熱輸送装置。
- 請求項1乃至7いずれか1項に記載の熱輸送装置を用いた原子力プラントの熱輸送方法であって、前記液位測定装置の測定結果に基づいて前記熱輸送装置内の液相の冷媒量を求め、前記液相の冷媒量が所定の許容範囲を超えて多い又は少ない場合、前記液相の冷媒量が所定の許容範囲内と冷媒量となるように前記冷媒注入管又は冷媒排出管から冷媒を注入又は排出することを特徴とする原子力プラントの熱輸送方法。
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JP (1) | JP2014149176A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018538509A (ja) * | 2015-11-18 | 2018-12-27 | エンバイロンメント アンド エナジー テクノロジー | ヒートパイプを利用した使用後核燃料受動冷却システム |
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2013
- 2013-01-31 JP JP2013016907A patent/JP2014149176A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018538509A (ja) * | 2015-11-18 | 2018-12-27 | エンバイロンメント アンド エナジー テクノロジー | ヒートパイプを利用した使用後核燃料受動冷却システム |
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