JP2014148267A - 四輪駆動車両 - Google Patents

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大岳 伊藤
Akinori Homan
昭徳 宝満
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Abstract

【課題】従動輪側断接機構と従動輪差動装置とにそれぞれ異なるオイルを供給できるようにする。
【解決手段】後輪デファレンシャル装置70(従動輪差動装置)をその回転軸方向において後輪側の多板クラッチ60(従動輪側断接機構)の支持部よりも外側に配置し、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とを分けて配置する。このような構造により、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とに、それぞれの機構の潤滑等に適したオイルを供給することが可能となり、多板クラッチ60及び後輪デファレンシャル装置70の両方の潤滑性等を確保することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力源の動力を左右の主動輪のみに伝達して走行する二輪駆動状態と、動力源の動力を左右の主動輪及び左右の従動輪の両方に伝達して走行する四輪駆動状態とに切り替えることが可能な四輪駆動車両に関する。
四輪駆動車両の一例として特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載の四輪駆動車両にあっては、図11に示すように、フロントデファレンシャル装置501とプロペラシャフト503との間に設けられた第1断接機構502、プロペラシャフト503から動力が伝達されるリングギヤ504、及び、リングギヤ504からの動力を入力可能なリアデファレンシャル装置506などを備えており、リングギヤ504がアウターケース505の外周に取り付けられている。そして、アウターケース505とリアデファレンシャル装置506のデフケース506aとの間に、リングギヤ504からリアデファレンシャル装置506への動力伝達を切断または接続する第2断接機構507(以下、多板クラッチ507ともいう)が設けられている。
このような四輪駆動車両によれば、第1断接機構502と第2断接機構507とを切断することにより二輪駆動状態とすることができ、また、第1断接機構502と第2断接機構507とを接続状態にすることにより四輪駆動状態とすることができる。
特開2011−143790号公報
ところで、多板クラッチとリアデファレンシャル装置とは使用するオイルの特性が異なるが、図11に示す構造の四輪駆動車両では、アウターケース505内に後輪側の多板クラッチ507とリアデファレンシャル装置506とが収容されているため、多板クラッチ507とリアデファレンシャル装置506とにそれぞれ異なるオイルを供給することは困難である。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、従動輪側に断接機構及び差動装置を備えた四輪駆動車両において、その従動輪側の断接機構と差動装置とにそれぞれ異なるオイルを供給することが可能な構造を実現することを目的とする。
本発明は、動力源の動力を左右の主動輪のみに伝達して走行する二輪駆動状態と、前記動力源の動力を前記左右の主動輪及び左右の従動輪の両方に伝達して走行する四輪駆動状態とに切り替え可能な四輪駆動車両を前提としている。このような四輪駆動車両において、前記動力源の動力を左右の主動輪に配分する主動輪差動装置と、前記動力源の動力の一部を入力可能なプロペラシャフトと、前記動力源から前記プロペラシャフトへの動力伝達を切断または接続することが可能な主動輪側断接機構と、前記プロペラシャフトから動力が伝達される従動輪側のリングギヤと、前記リングギヤから入力される動力を左右の従動輪に配分する従動輪差動装置と、前記リングギヤから前記従動輪差動装置への動力伝達を切断または接続することが可能であり、多板クラッチによって構成される従動輪側断接機構とを備えている。そして、前記従動輪差動装置は、当該従動輪差動装置の回転軸方向において前記従動輪側断接機構の支持部よりも外側に配置されていることを技術的特徴としている。
本発明によれば、従動輪差動装置をその回転軸方向において従動輪側断接機構の支持部よりも外側に配置している。つまり、多板クラッチである従動輪側断接機構と従動輪差動装置とを分けて配置しているので、これら従動輪側断接機構と従動輪差動装置とに、それぞれ異なるオイル(それぞれの機構の潤滑等に適したオイル)を容易に供給することが可能になる。
本発明において、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、従動輪側断接機構を接続して、プロペラシャフト側と主動輪側との回転同期を行うようにする。こうすれば、車両走行中に、主動輪側断接機構を同期(入力側と出力側とを回転同期)して接続することができる。
本発明において、プロペラシャフトの回転軸上に制御クラッチを設け、その制御クラッチを用いて主動輪と従動輪とへの動力配分制御(前後輪への動力分配制御)を行い、従動輪側断接機構で動力伝達経路の断接を行うようにすることで、従動輪側断接機構の引き摺りトルクを低減することができる。この場合、例えば、プロペラシャフトとリングギヤとの間の動力伝達経路に制御クラッチを設けてもよいし、また、主動輪側断接機構とプロペラシャフトとの間の動力伝達経路に制御クラッチを設けておいてもよい。
ここで、本発明は、主動輪が前輪であり従動輪が後輪であるFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両をベースとする四輪駆動車両、及び、主動輪が後輪であり従動輪が前輪であるFR(フロントエンジン・リアドライブ)車両をベースとする四輪駆動車両のいずれの四輪駆動車両にも適用可能である。
本発明によれば、従動輪側断接機構及び従動輪差動機構を備えた四輪駆動車両において、従動輪差動装置をその回転軸方向において従動輪側断接機構の支持部よりも外側に配置しているので、従動輪側断接機構と従動輪差動機構とにそれぞれ異なるオイルを供給することが可能になる。
本発明の四輪駆動車両の実施形態を示す概略構成図である。なお、図1では二輪駆動状態を示している。 本発明の四輪駆動車両の実施形態を示す概略構成図である。なお、図2では四輪駆動状態を示している。 制御クラッチの一例を示す縦断面図である。 本発明の四輪駆動車両の変形例を示す概略構成図である。 本発明の四輪駆動車両の他の変形例を示す概略構成図である。 四輪駆動車両の他の構成例を示す概略構成図である。 四輪駆動車両の他の構成例を示す概略構成図である。 四輪駆動車両の他の構成例を示す概略構成図である。 四輪駆動車両の他の構成例を示す概略構成図である。 本発明の四輪駆動車両の他の実施形態を示す概略構成図である。 従来の四輪駆動車両の一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1及び図2は本発明を適用する四輪駆動車の一例を示す概略構成図である。
この例では、エンジン横置き型のFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両をベースとする四輪駆動車両に本発明を適用した場合について説明する。
図1に示すように、この例の四輪駆動車両V1には、車両走行用の動力源であるエンジン(E/G)1と、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)の回転を変速するトランスミッション(T/M)2とが搭載されており、このトランスミッション2の出力側に動力伝達装置100が連結されている。
以下、エンジン1、トランスミッション2、及び、動力伝達装置100の各部について図1を参照して説明する。
−エンジン−
エンジン1は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料等を燃焼させて動力を出力する公知の動力装置(動力源)であって、例えば、燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調整制御などの運転状態を制御できるように構成されている。
−トランスミッション−
トランスミッション2は、例えば、クラッチ及びブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機が用いられている。なお、トランスミッション2については、変速比を無段階に調整する無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)や、マニュアルトランスミッション(手動変速機)などの他の方式のトランスミッションを用いてもよい。
トランスミッション2の出力軸(図示せず)には出力ギヤ2aが一体回転可能に設けられている。この出力ギヤ2aは、後述する前輪デファレンシャル装置10のデフドリブンギヤ12に噛み合っており、トランスミッション2の出力軸に伝達された動力(エンジン1の動力)が前輪デファレンシャル装置10及び前輪ドライブシャフト3L,3Rを介して左右の前輪(主動輪)4L,4Rに伝達される。また、四輪駆動状態のときには、後述するように、トランスミッション2の出力軸に伝達された動力の一部が、トランスファ20、プロペラシャフト5、制御クラッチ40及び後輪側動力伝達装置50を介して左右の後輪(従動輪)8L,8Rに伝達される。
−動力伝達装置−
動力伝達装置100は、前輪デファレンシャル装置10(主動輪差動装置)、トランスファ20、プロペラシャフト5、制御クラッチ40、及び、後輪側動力伝達装置50などによって構成されている。
<前輪デファレンシャル装置>
前輪デファレンシャル装置10は、左右の前輪4L,4Rへのトルクの差動配分を行う差動動作が可能な装置であって、デフケース11、このデフケース11の一端部(左の前輪4L側の端部)に一体回転可能に設けられたデフドリブンギヤ12、デフケース11にピニオンシャフト13を介して回転自在に支持された一対のピニオンギヤ14,14、及び、それら一対のピニオンギヤ14,14に噛み合う一対のサイドギヤ15,15などを備えており、その各サイドギヤ15,15に、それぞれ、前輪ドライブシャフト3L,3Rを介して前輪4L,4Rが連結されている。また、この例の前輪デファレンシャル装置10には、デフケース11の他端部(デフドリブンギヤ12とは反対側の端部)にドライブギヤ16が一体回転可能に設けられている。
<トランスファ>
トランスファ20は、入力軸21、出力軸22、ドリブンギヤ23、ドライブギヤ24、ドライブピニオンギヤ25、及び、前輪側断接機構(主動輪側断接機構)30などを備えている。
入力軸21は、前輪ドライブシャフト3Rと同心状に配置された中空軸である。また、出力軸22は、入力軸21(前輪ドライブシャフト3R)と同心状に配置された中空軸である。
入力軸21の一端部(左の前輪4L側の端部)にはドリブンギヤ23が一体回転可能に設けられている。このドリブンギヤ23は、前輪デファレンシャル装置10のドライブギヤ16に噛み合っている。これにより前輪デファレンシャル装置10のデフケース11の回転(エンジン1の回転)に連動して入力軸21が回転するようになっている。出力軸22の一端部(左の前輪4L側の端部)にはドライブギヤ24が一体回転可能に設けられており、このドライブギヤ24にはドライブピニオンギヤ25が噛み合っている。ドライブピニオンギヤ25は等速自在継手111を介してプロペラシャフト5に連結されている。
(前輪側断接機構)
前輪側断接機構30は、スプライン結合方式のクラッチ(歯車式断接機構)であって、上記入力軸21(動力源であるエンジン1)から出力軸22(プロペラシャフト5)への動力の伝達を行う接続状態と、入力軸21から出力軸22への動力伝達を行わない切断状態とを切り替える機構である。
具体的に、前輪側断接機構30は、入力軸21の他端部(右の前輪4R側の端部)に一体回転可能に設けられた入力軸側ハブ31、出力軸22の他端部(右の前輪4R側の端部)に一体回転可能に設けられた出力軸側ハブ32、これら入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32との係合及び非係合を切り替えるスリーブ33、及び、アクチュエータ34などを備えている。
上記入力軸側ハブ31及び出力軸側ハブ32は入力軸21及び出力軸22の回転軸線を中心軸とする円筒形状のハブであり、これら入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32とは互いに同一径である。また、入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32とは軸方向(入力軸21及び出力軸22の軸方向)に沿って互いに隣接して配置されている。入力軸側ハブ31及び出力軸側ハブ32の各外周面には、それぞれ、軸方向に沿って延びるスプライン外歯が形成されている。
スリーブ33は、入力軸21及び出力軸22の回転軸線を中心軸とする円筒形状の部材(ハブ31,32よりも直径が大きな部材)である。スリーブ33は、軸方向(入力軸21及び出力軸22の軸方向)にスライド移動が可能である。スリーブ33の内周面には、上記入力軸側ハブ31及び出力軸側ハブ32の各外周面に形成されたスプライン外歯に嵌合可能なスプライン溝が形成されている。
スリーブ33はアクチュエータ34によって軸方向にスライド移動され、入力軸側ハブ31のみにスプライン嵌合する位置(図1に示す位置:切断位置)と、入力軸側ハブ31及び出力軸側ハブ32の両方にスプライン嵌合する位置(図2に示す位置:接続位置)とに移動する。このスリーブ33が入力軸側ハブ31のみに嵌合する位置にあるときには、エンジン1から出力軸22つまりプロペラシャフト5に動力が伝達されない状態となる(切断状態)。これに対し、スリーブ33が入力軸側ハブ31及び出力軸側ハブ32の両方に嵌合する位置にあるときには、エンジン1からプロペラシャフト5への動力伝達が可能な状態となる(接続状態)。
以上のスリーブ33の移動を行うアクチュエータ34の駆動はECU9によって制御される。アクチュエータ34としては、例えば、電動モータを駆動源とする電動式アクチュエータ、ソレノイドを駆動源とする電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、負圧式アクチュエータなどを挙げることができる。
<制御クラッチ>
制御クラッチ40は、多板クラッチであって、プロペラシャフト5の回転軸上(プロペラシャフト5とリングギヤ51との間の動力伝達経路)に配置されている。
なお、以下の説明において、「プロペラシャフト5の回転軸上の制御クラッチ40」を「プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40」という場合もある。
制御クラッチ40は、図3に示すように、プロペラシャフト5に連結される入力軸としての略円筒形状のハウジング41、そのハウジング41に対して相対回転が可能な出力軸42、この出力軸42の一体回転可能に設けられたインナーシャフト42a、カム43、パイロットクラッチ44、上記出力軸42とハウジング41との接続及びその接続の開放が可能なメインクラッチ45、ピストン46、及び、電磁コイル48などを備えている。
パイロットクラッチ44は、クラッチディスク44a、クラッチプレート44b及びアーマチュア44cを備えている。アーマチュア44cは、クラッチディスク44aとピストン46との間に配置されている。アーマチュア44c及びクラッチディスク44aは、ハウジング41の内周にスプライン嵌合されている。パイロットクラッチ44は電磁コイル48が発生する電磁力により係合・解放される。
カム43はインナーシャフト42aの外周に配置されている。カム43はインナーシャフト42aに対し相対回転可能に設けられている。このカム43の外周に上記パイロットクラッチ44のクラッチプレート44bがスプライン嵌合されている。
メインクラッチ45は、複数のクラッチディスク45a・・45a、及び、複数のクラッチプレート45b・・45bを備えている。クラッチディスク45aとクラッチプレート45bとは交互に配置されている。クラッチディスク45a・・45aはハウジング41の内周にスプライン嵌合されており、クラッチプレート45b・・45bはインナーシャフト42aの外周にスプライン嵌合されている。
ピストン46は、メインクラッチ45とパイロットクラッチ44との間に配置されている。ピストン46はインナーシャフト42aの外周にスプライン嵌合されている。このピストン46とカム43との間に複数のボール47(図3では1つのみ示す)が嵌め込まれている。
なお、制御クラッチ(多板クラッチ)40の詳細な構成については、例えば、特開2011−247306号公報、特開2012−187954公報などを参照。
そして、この例の制御クラッチ40のハウジング(入力軸)41は等速自在継手112を介してプロペラシャフト5に連結されている。また、出力軸42の端部(後輪8L,8R側の端部)にはドライブピニオンギヤ6が一体形成されている。出力軸42は2つのベアリング121,122によって支持されている。
このような構成の制御クラッチ40にあっては、電磁コイル48が非通電状態にあるときには、パイロットクラッチ44が開放状態でありメインクラッチ45も開放状態となっている。したがって、電磁コイル48が非通電状態(駆動電流=0)にあるときにはハウジング41(プロペラシャフト5)の動力(トルク)は出力軸42に伝達されない。
一方、電磁コイル48が通電状態になると、その電磁コイル48が発生する電磁力によって、アーマチュア44cが電磁コイル48側(パイロットクラッチ44側)に移動し、このアーマチュア44cの移動によりパイロットクラッチ44が係合される。これによりハウジング(入力軸)41のトルクがパイロットクラッチ44を介してカム43に伝達される。
カム43にトルクが伝達されるとカム43とピストン46とが相対回転し、これによりボール47を、カム43とピストン46との凹部の外部に押し出すような力が作用し、カム43とピストン46とが軸方向において相互に離反する向きのスラスト荷重が生じる。このスラスト荷重によりピストン46がメインクラッチ45側に押し付けられて、メインクラッチ45のクラッチディスク45aとクラッチプレート45bとが係合する。この場合、パイロットクラッチ44の係合力が、カム43とボール47とピストン46とによって増幅されて、メインクラッチ45に伝達されるようになっている。そして、メインクラッチ45が係合すると、プロペラシャフト5からハウジング(入力軸)41に伝達された動力がインナーシャフト42aを介して出力軸42に伝達される。
この例の制御クラッチ40においては、上記電磁コイル48に供給する励磁電流を制御することによって当該制御クラッチ40の伝達トルク(伝達動力)が制御されるようになっており、全動力に対する後輪8L,8R側への動力配分率を調整することができる。制御クラッチ40の電磁コイル48への励磁電流はECU9によって制御される。
<後輪側動力伝達装置>
次に、後輪側動力伝達装置50について図1〜図3を参照して説明する。
後輪側動力伝達装置50は、リングギヤ51(従動輪側のリングギヤ)、後輪側断接機構60(従動輪側断接機構)、及び、後輪デファレンシャル装置70(従動輪差動装置)などによって構成されている。
リングギヤ51は、後述する後輪側断接機構(多板クラッチ)60のハウジング(入力軸)61の一端部(左の後輪8L側の端部)に一体回転可能に設けられている。リングギヤ51は上記ドライブピニオンギヤ6に噛み合っている。リングギヤ51の回転軸線は後輪ドライブシャフト7Lの回転軸線と一致している。
後輪側断接機構60は、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70への動力の伝達を行う接続状態と、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70への動力伝達を行わない切断状態とを切り替える機構である。
この例において、後輪側断接機構60は多板クラッチによって構成されている。以下、後輪側断接機構60を多板クラッチ60ともいう。
多板クラッチ60は、入力軸としてのハウジング61及び出力軸62を備えている。ハウジング61は略円筒形状であって、その回転軸線はリングギヤ51の回転軸線(後輪ドライブシャフト7Lの回転軸線)と一致している。出力軸62は、ハウジング61(後輪ドライブシャフト7L)と同心状に配置された中空軸である。
この後輪側の多板クラッチ60は、図3に示した制御クラッチ40(多板クラッチ)と基本的に同じ構造であり、後述するようにハウジング61の両端部がベアリング123,124によって支持される点、及び、出力軸62が中空軸である点などの構成が、図3に示した制御クラッチ40と相違しているだけであり、それ以外の構造(機構部分)は図3に示した制御クラッチ40と同等である。つまり、後輪側の多板クラッチ60は、図3に示す、インナーシャフト42a(上記出力軸62の一体回転可能に設けられた部材)、カム43、このカム43とハウジング61との接続及びその接続の開放が可能なパイロットクラッチ44、上記出力軸62とハウジング61との接続及びその接続の開放が可能なメインクラッチ45、ピストン46、及び、電磁コイル48などを備えている。
そして、この後輪側の多板クラッチ60にあっては、上記したようにハウジング61の一端部(左の後輪8L側の端部)にリングギヤ51が一体回転可能に設けられている。このハウジング61の両端部はベアリング(例えばスラストベアリング)123,124によって回転自在に支持(2点支持)されている。また、出力軸62の他端部(右の後輪8R側の端部)は、後述する後輪デファレンシャル装置70のデフケース71に連結されており、これら出力軸62とデフケース71とが一体回転可能となっている。
この後輪側の多板クラッチ60においても、電磁コイル48が非通電状態にあるときには、パイロットクラッチ44が開放状態であり、メインクラッチ45も開放状態となっている。したがって、電磁コイル48が非通電状態(駆動電流=0)にあるときには、多板クラッチ60は切断状態であり、ハウジング61(リングギヤ51)の動力(トルク)は出力軸62(後輪デファレンシャル装置70)に伝達されない(切断状態)。
一方、電磁コイル48を通電状態にすると、その電磁コイル48が発生する電磁力によってパイロットクラッチ44が係合され、その係合力がカム43によってメインクラッチ45に伝達されて、当該メインクラッチ45が係合状態となる。これにより、多板クラッチ60が接続状態となってハウジング61(リングギヤ51)から出力軸62(後輪デファレンシャル装置70)に動力が伝達される。なお、電磁コイル48の通電はECU9によって制御される。
ここで、本実施形態において、後輪側の多板クラッチ60は、上述したように、上記リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70への動力伝達を切断または接続する断接機構とする(トルク配分(動力配分)は行わない断接機構とする)。また、後述するように、車両走行中に、後輪側の多板クラッチ60を接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(前輪側断接機構30の入力側と出力側との回転同期)を行うことができる。
なお、オートディスコネクト4WDを達成させるだけであれば、後輪側の多板クラッチ60を、電磁コイル48への通電量制御により、トルク配分を行う制御クラッチとしてもよい。
そして、後輪デファレンシャル装置70は、上記後輪側の多板クラッチ60のハウジング61の両端部を支持する2つのベアリング123,124の支持スパンの外側(図1及び図2の例では、右の後輪8R側)に配置されている。つまり、後輪デファレンシャル装置70(従動輪差動装置)は、その回転軸方向において後輪側の多板クラッチ60(従動輪側断接機構)の支持部(ベアリング123,124による支持部)よりも外側に配置されており、この後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70との配置(多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とを分けて配置する構造)が本実施形態の特徴的構成である。
後輪デファレンシャル装置70は、左右の後輪8L,8Rへのトルクの差動配分を行う差動動作が可能な装置であって、デフケース71、このデフケース71にピニオンシャフト72を介して回転自在に支持された一対のピニオンギヤ73,73、及び、一対のピニオンギヤ73,73に噛み合う一対のサイドギヤ74,74などを備えており、その各サイドギヤ74に、それぞれ、後輪ドライブシャフト7L,7Rを介して後輪8L,8Rが連結されている。また、上述したように、この例の後輪デファレンシャル装置70には、デフケース71の一端部(左の後輪8L側の端部)に、上記後輪側の多板クラッチ60の出力軸62が一体回転可能に連結されている。なお、後輪デファレンシャル装置70(デフケース71)は2つのベアリング125(片方のベアリングは図示せず)を介してリアケース53に回転自在に支持されており、リングギヤ51の回転軸線を中心としてデフケース71が回転可能となっている。
<切替動作>
以上の構成の四輪駆動車両の動力伝達装置によれば、エンジン1の動力を左右の前輪(主動輪)4L,4Rのみに伝達して走行する二輪駆動状態と、エンジン1の動力を左右の前輪4L,4R及び左右の後輪(従動輪)8L,8Rの両方に伝達して走行する四輪駆動状態とに切り替えることが可能である。
具体的には、二輪駆動状態で走行する場合には、図1に示すように、前輪側断接機構30及び後輪側の多板クラッチ60の両方を切断状態とするとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を開放状態(非伝達状態)とする。この二輪駆動状態のときには、プロペラシャフト5を含む動力伝達部材(トランスファ20の出力軸22から後輪側の多板クラッチ60のハウジング(入力軸)61までの部材)を、前輪4L,4R及び後輪8L,8Rなどの回転系から切り離すことができ(ディスコネクト)、それら切り離したプロペラシャフト5を含む動力伝達部材のイナーシャがエンジン1の負荷とならなくなる。これによって燃費(燃料消費率)の向上を図ることができる。
また、このような二輪駆動状態で走行しているときに、例えば、四輪駆動走行条件(例えば、前後輪の回転速度差が所定の判定閾値以上であるという条件)が成立した場合や、ドライバによって2WD/4DW切替スイッチ(図示せず)が操作された場合には、四輪駆動状態に切り替える。具体的には、後輪側の多板クラッチ60を接続するとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を動力伝達状態としてプロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(上記前輪側断接機構30の入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32との回転同期)を行う。そして、その回転同期状態で前輪側断接機構30を接続することにより四輪駆動状態に切り替える。
四輪駆動状態のときには、トランスミッション2の出力軸に伝達された動力(エンジン1の動力)の一部が、トランスファ20、プロペラシャフト5、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40、リングギヤ51、後輪側の多板クラッチ60、及び、後輪デファレンシャル装置70を介して左右の後輪ドライブシャフト7L,7R(左右の後輪8L,8R)に伝達される。
なお、四輪駆動状態のときには、例えば、前後輪の回転速度差(スリップ率)に応じてプロペラシャフト軸上の制御クラッチ40の電磁コイル48(図3参照)への励磁電流を制御し、当該制御クラッチ40の伝達トルク(後輪8L,8R側への動力配分率)を調整することによって、車両の走行安定性を適切な状態に維持することができる。
そして、このような四輪駆動状態から二輪駆動状態に切り替える場合(例えば、四輪駆動走行条件が不成立になった場合や、2WD/4DW切替スイッチが操作された場合)には、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40及び後輪側の多板クラッチ60の両方を開放状態(非伝達状態)とするとともに、前輪側断接機構30を切断するという動作にて二輪駆動状態にする。
以上の二輪駆動状態と四輪駆動状態との切替動作、つまり、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40、前輪側断接機構30、及び、後輪側の多板クラッチ(後輪側断接機構)60の各制御はECU9によって実行される。
なお、本実施形態では、後輪断接機構として多板クラッチ60を用いているが、これに替えて単板クラッチを用いてもよい。
<効果>
まず、図11に示す四輪駆動車両(従来技術)では、上述したように、同一のアウターケース505内に後輪側の多板クラッチ507とリアデファレンシャル装置506とが収容されているため、後輪側の多板クラッチ507とリアデファレンシャル装置506とにそれぞれ異なるオイルを供給することは困難であるという課題がある。また、後輪側の多板クラッチ507はトルク配分器として機能するようになっているため、多板クラッチ507の引き摺りトルクが問題となる。特に、多板クラッチ507が電磁式クラッチである場合、小電流で駆動しようとすると、カム増幅を大きくする必要があって引き摺りトルクが大きくなってしまう。
これに対し、本実施形態によれば、後輪デファレンシャル装置70をその回転軸方向において後輪側の多板クラッチ60の支持部(ベアリング123,124の支持スパン)よりも外側に配置し、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とを分けて配置する構造としているので、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、後輪側の多板クラッチ60にクラッチ専用のオイルを供給することができ、また、後輪デファレンシャル装置70にはハイポイドギヤオイル等を供給することが可能になるので、多板クラッチ60及び後輪デファレンシャル装置70の両方の潤滑性等を確保することができる。
また、本実施形態では、プロペラシャフト軸上に制御クラッチ40を設け、その制御クラッチ40を用いて前後輪への動力配分制御を行い、後輪側の多板クラッチ60にて動力伝達経路の断接を行うようにしているので、後輪側の多板クラッチ60(従動輪側断接機構)の引き摺りトルクを低減することができる。
さらに、本実施形態にあっては、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、後輪側の多板クラッチ60を接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(前輪側断接機構30の入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32との回転同期)を行うことが可能であるので、前輪側断接機構30にシンクロナイザ機構などを設ける必要がなくなる。
<変形例1−1>
上記した[実施形態1]では、プロペラシャフト5とリングギヤ51との間の動力伝達経路に制御クラッチ40を配置しているが、これに替えて、トランスファ20とプロペラシャフト5との間の動力伝達経路に制御クラッチ40を配置してもよい。
<変形例1−2>
図4は本発明の四輪駆動車両の変形例を示す概略構成図である。
この例では、上記した[実施形態1]の構成において制御クラッチ40を省略した点に特徴があり、それ以外の構成については[実施形態1]と同じとしている。
この例の四輪駆動車両VAにあっては、ドライバによる2WD/4DW切替スイッチ(図示せず)の操作により二輪駆動状態と直結四輪駆動状態とに切り替えることが可能である。
この例において、二輪駆動状態で走行する場合には、前輪側断接機構30及び後輪側の多板クラッチ60(後輪側断接機構60)の両方を切断する。この二輪駆動状態のときには、上記した[実施形態1]と同様に、プロペラシャフト5を含む動力伝達部材(トランスファ20の出力軸22から後輪側の多板クラッチ60のハウジング(入力軸)61までの部材)を前輪4L,4R及び後輪8L,8Rなどの回転系から切り離すことができるので燃費の向上を図ることができる。また、このような二輪駆動状態で走行しているときに、ドライバによって2WD/4DW切替スイッチ(図示せず)が操作された場合には、前輪側断接機構30及び後輪側の多板クラッチ60(後輪側断接機構)の両方を接続することによって直結四輪駆動状態に切り替えることができる。
この例においても、上記した[実施形態1]と同様に、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、後輪側の多板クラッチ60にクラッチ専用のオイルを供給することができ、また、後輪デファレンシャル装置70にはハイポイドギヤオイル等を供給することが可能になるので、多板クラッチ60及び後輪デファレンシャル装置70の両方の潤滑性等を確保することができる。
また、この例においても、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、後輪側の多板クラッチ60を接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(前輪側断接機構30の出力側と入力側との回転同期)を行うことが可能であるので、前輪側断接機構30にシンクロナイザ機構などを設ける必要がなくなる。
<変形例1−3>
図5は本発明の四輪駆動車両の他の変形例を示す概略構成図である。
この例の四輪駆動車両VBは、上記した[実施形態1]に対し、スプライン結合方式の前輪側断接機構30に替えて、ローラクラッチ30Bを用いている点が相違しており、それ以外の構成については[実施形態1]と同じとしている。
ローラクラッチ30Bは、公知のクラッチ(例えば特開2011−27123号公報、特開2005−30424号公報、特開2001−182759号公報、特開平11−159545号公報等を参照)であって、ローラ33Bを利用して内輪31Bと外輪32Bとの間で動力の伝達を電磁的に接続または切断する電磁式ローラクラッチである。なお、ローラクラッチ30Bは、図示しない電磁コイル及びアーマチュアなどを備えており、その電磁コイルへの通電により発生する電磁力によってクラッチ接続を行う構成となっている。
この例において、ローラクラッチ30Bの内輪31Bは上記トランスファ20の入力軸21に一体回転可能に連結されている。また、ローラクラッチ30Bの外輪32Bに外周に上記ドライブギヤ24(プロペラシャフト5側のドライブピニオンギヤ25に噛み合うギヤ)が一体回転可能に設けられている。そして、ローラクラッチ30Bが切断状態であるとき(電磁コイルが非通電状態であるとき)には、エンジン1からプロペラシャフト5に動力が伝達されない状態となる。一方、ローラクラッチ30Bが接続状態であるとき(電磁コイルが通電状態であるとき)には、エンジン1からプロペラシャフト5への動力伝達が可能な状態となる。なお、このローラクラッチ30Bの電磁コイルへの通電はECU9によって制御される。
この例の四輪駆動車両VBにおいて、二輪駆動状態で走行する場合は、前輪側のローラクラッチ30B(主動輪側断接機構)及び後輪側の多板クラッチ60(従動輪側断接機構)を切断状態とするとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を開放状態(非伝達状態)とする。また、四輪駆動状態に切り替える場合には、前輪側のローラクラッチ30B及び後輪側の多板クラッチ60を接続するとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を動力伝達状態する。
この例の四輪駆動車両VBにおいても、上記した[実施形態1]と同様に、後輪側の多板クラッチ60と後輪デファレンシャル装置70とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、後輪側の多板クラッチ60にクラッチ専用のオイルを供給することができ、また、後輪デファレンシャル装置70にはハイポイドギヤオイル等を供給することが可能になるので、多板クラッチ60及び後輪デファレンシャル装置70の両方の潤滑性等を確保することができる。
また、この例においても、プロペラシャフト5の回転軸上に制御クラッチ40を設け、その制御クラッチ40を用いて前後輪への動力配分制御を行い、後輪側の多板クラッチ60で動力伝達経路の断接を行うようにしているので、後輪側の多板クラッチ60(従動輪側断接機構)の引き摺りトルクを低減することができる。
さらに、この例においても、車両走行中に、後輪側の多板クラッチ60を接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期を行うことが可能である。また、前輪側断接機構としてローラクラッチ30Bを用いているので、トランスファ20側から回転同期を行うことも可能になる。
なお、この<変形例1−3>に用いる前輪側のローラクラッチ30Bは、ワンウェイクラッチまたはツーウェイクラッチのいずれであってもよい。
また、この<変形例1−3>において、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を省略した構成としてもよい。
<他の構成例1>
四輪駆動車両の他の構成例について図6を参照して説明する。
この例の四輪駆動車両VCは、上記した[実施形態1]に対し、後輪側の多板クラッチ60に替えて、ローラクラッチ60Cを用いている点が相違しており、それ以外の構成については[実施形態1]と同じとしている。
この後輪側のローラクラッチ60Cは、上記した<変形例1−3>と同様に、公知のクラッチであって、ローラ63Cを利用して外輪61Cと内輪62Cとの間で動力の伝達を電磁的に接続または切断する電磁式ローラクラッチである。なお、ローラクラッチ60Cは、図示しない電磁コイル及びアーマチュアなどを備えており、その電磁コイルへの通電により発生する電磁力によってクラッチ接続を行う構成となっている。
この例においては、ローラクラッチ60Cの外輪61Cの一端部(左の後輪8L側の端部)にリングギヤ51が一体回転可能に設けられている。この外輪61Cの両端部はベアリング(例えばスラストベアリング)123,124によって回転自在に支持(2点支持)されている。また、内輪62Cの他端部(右の後輪8R側の端部)は、後輪デファレンシャル装置70のデフケース71に連結されており、これら内輪62Cとデフケース71とが一体回転可能となっている。そして、ローラクラッチ60Cが切断状態であるとき(電磁コイルが非通電状態であるとき)には、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70に動力が伝達されない状態(切断状態)となる。一方、ローラクラッチ60Cが接続状態であるとき(電磁コイルが通電状態であるとき)には、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70への動力伝達が可能な状態(接続状態)となる。なお、このローラクラッチ60Cの電磁コイルへの通電はECU9によって制御される。
そして、この例において、後輪デファレンシャル装置70は、上記後輪側のローラクラッチ60Cの外輪61Cの両端部を支持する2つのベアリング123,124の支持スパンの外側(図6の例では、右の後輪8R側)に配置されている。つまり、後輪デファレンシャル装置70(従動輪差動装置)は、その回転軸方向において後輪側のローラクラッチ60C(従動輪側断接機構)の支持部(ベアリング123,124による支持部)よりも外側に配置されている。
この例の四輪駆動車両VCにおいて、二輪駆動状態で走行する場合は、前輪側断接機構30及び後輪側のローラクラッチ60Cを切断状態とするとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を開放状態(非伝達状態)とする。また、四輪駆動状態に切り替える場合には、後輪側のローラクラッチ60Cを接続するとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を動力伝達状態としてプロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(上記前輪側断接機構30の入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32との回転同期)を行う。そして、その回転同期状態で前輪側断接機構30を接続することにより四輪駆動状態に切り替える。
この例の四輪駆動車両VCにおいても、後輪デファレンシャル装置70をその回転軸方向において後輪側のローラクラッチ60Cの支持部よりも外側に配置しているので、後輪側のローラクラッチ60Cと後輪デファレンシャル装置70とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、後輪側のローラクラッチ60Cにクラッチ専用のオイルを供給することができ、また、後輪デファレンシャル装置70にはハイポイドギヤオイル等を供給することが可能になるので、ローラクラッチ60C及び後輪デファレンシャル装置70の両方の潤滑性等を確保することができる。
また、この例においても、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、後輪側のローラクラッチ60Cを接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期を行うことが可能である。さらに、後輪側断接機構としてローラクラッチ60Cを用いているので、後輪側断接機構の引き摺りトルクを低減することができる。
なお、この<他の構成例1>に用いる後輪側のローラクラッチ60Cは、ワンウェイクラッチまたはツーウェイクラッチのいずれであってもよい。
また、この<他の構成例1>において、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を省略した構成としてもよい。
<他の構成例2>
四輪駆動車両の他の構成例について図7を参照して説明する。
この例の四輪駆動車両VDは、上記した[実施形態1]に対し、後輪側の多板クラッチ60に替えて、スプライン結合方式の後輪側断接機構60Dを用いている点が相違しており、それ以外の構成については[実施形態1]と同じとしている。
この例の後輪側断接機構60Dは、リングギヤ51と後輪デファレンシャル装置70との間に設けられている。後輪側断接機構60Dは、リングギヤ51(リングギヤ軸52)から後輪デファレンシャル装置70への動力の伝達を行う接続状態と、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70への動力伝達を行わない切断状態とを切り替える機構である。
具体的に、後輪側断接機構60Dは、リングギヤ軸52の他端部(右の後輪8R側の端部)に一体回転可能に設けられたリングギヤ側ハブ61D、後輪デファレンシャル装置70のデフケース71の一端部(左の後輪8L側の端部)に一体回転可能に設けられたデフ側ハブ62D、これらリングギヤ側ハブ61Dとデフ側ハブ62Dとの係合及び非係合を切り替えるスリーブ63D、シンクロナイザ機構64D、及び、アクチュエータ65Dなどを備えている。
上記リングギヤ側ハブ61D及びデフ側ハブ62Dはリングギヤ51の回転軸線(リングギヤ軸52の回転軸線)を中心軸とする円筒形状のハブであり、これらリングギヤ側ハブ61Dとデフ側ハブ62Dとは互いに同一径である。また、リングギヤ側ハブ61Dとデフ側ハブ62Dとは軸方向(リングギヤ軸52の軸方向)に沿って互いに隣接して配置されている。リングギヤ側ハブ61D及びデフ側ハブ62Dの各外周面には、それぞれ、軸方向に沿って延びるスプライン外歯が形成されている。
スリーブ63Dは、リングギヤ51の回転軸線(リングギヤ軸52の回転軸線)を中心軸とする円筒形状の部材(ハブ61D,62Dよりも直径が大きな部材)である。スリーブ63Dは軸方向(リングギヤ軸52の軸方向)にスライド移動が可能である。スリーブ63Dの内周面には、上記リングギヤ側ハブ61D及びデフ側ハブ62Dの各外周面に形成されたスプライン外歯に嵌合可能なスプライン溝が形成されている。
スリーブ63Dはアクチュエータ65Dによって軸方向にスライド移動され、リングギヤ側ハブ61Dのみにスプライン嵌合する位置と、リングギヤ側ハブ61D及びデフ側ハブ62Dの両方にスプライン嵌合する位置とに移動する。このスリーブ63Dがリングギヤ側ハブ61Dのみに嵌合する位置にあるときには、リングギヤ51(プロペラシャフト5)から後輪デファレンシャル装置70(デフケース71)へ動力が伝達されない状態となる(切断状態)。これに対し、スリーブ63Dがリングギヤ側ハブ61D及びデフ側ハブ62Dの両方に嵌合する位置にあるときには、リングギヤ51の回転に連動してデフケース71が回転(リングギヤ軸52の回転軸線まわりの回転)し、リングギヤ51(プロペラシャフト5)から後輪デファレンシャル装置70への動力伝達が可能な状態(接続状態)となり、左右の後輪ドライブシャフト7L,7Rを介して左右の後輪8L,8Rに動力が伝達される。
なお、スリーブ63Dが切断位置から接続位置側(デフ側ハブ62D側)に移動する際に、その移動過程においてシンクロナイザ機構64Dによってスリーブ63Dの回転速度がデフ側ハブ62Dの回転速度と同期し、その同期状態でスリーブ63Dがデフ側ハブ62Dに嵌合する。
以上のスリーブ63Dの移動を行うアクチュエータ65Dの駆動はECU9によって制御される。アクチュエータ65Dとしては、例えば、電動モータを駆動源とする電動式アクチュエータ、ソレノイドを駆動源とする電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、負圧式アクチュエータなどを挙げることができる。
そして、この例において、リングギヤ軸52は、後輪ドライブシャフト7Lと同心状に配置された中空軸であって、その両端部がベアリング(例えば、スラストベアリング)123,124によって支持(2点支持)されている。後輪デファレンシャル装置70は、上記リングギヤ軸52を支持する2つのサイドベアリング123,124の支持スパンの外側(図7の例では、右の後輪8R側)に配置されている。つまり、後輪デファレンシャル装置70(従動輪差動装置)は、その回転軸方向において後輪側断接機構60D(従動輪側断接機構)の支持部(ベアリング123,124による支持部)よりも外側に配置されている。
この例の四輪駆動車両VDにおいて、二輪駆動状態で走行する場合には、前輪側断接機構30及び後輪側断接機構60Dを切断状態とするとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を開放状態(非伝達状態)とする。また、四輪駆動状態に切り替える場合には、後輪側断接機構60Dを接続するとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を動力伝達状態としてプロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(前輪側断接機構30の入力軸21と出力軸22との回転同期)を行う。そして、その回転同期状態で前輪側断接機構30を接続することにより四輪駆動状態に切り替える。
この例の四輪駆動車両VDにおいても、後輪デファレンシャル装置70をその回転軸方向において後輪側断接機構60Dの支持部よりも外側に配置しているので、後輪側断接機構60Dと後輪デファレンシャル装置70とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、後輪側断接機構60Dにスプライン係合等に適したオイルを供給することができ、また、後輪デファレンシャル装置70にはハイポイドギヤオイル等を供給することが可能になるので、後輪側断接機構60D及び後輪デファレンシャル装置70の両方の潤滑性等を確保することができる。
また、この例においても、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、後輪側断接機構60Dを接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(前輪側断接機構30の入力側と出力側との回転同期)を行うことが可能である。さらに、後輪側断接機構としてスプライン結合方式の後輪側断接機構60Dを用いているので、後輪側断接機構の引き摺りトルクを低減することができる。
なお、この例において、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を省略した構成としてもよい。
<他の構成例3>
四輪駆動車両の他の構成例について図8を参照して説明する。
この例の四輪駆動車両VEは、上記した<他の構成例1>(図6)に対し、後輪デファレンシャル装置70を後輪側のローラクラッチ60Cに対して左の後輪8L側(外側)に配置した点、及び、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を省略するとともに、後輪ドライブシャフト7Lの回転軸上に多板クラッチ80を配置した点が相違しており、それ以外の構成については<他の構成例1>と同じとしている。
この例において、ローラクラッチ60Cの外輪61Cの両端部がベアリング(例えばスラストベアリング)123,124によって回転自在に支持(2点支持)されている。また、内輪62Cの一端部(左の後輪8L側の端部)は、後輪デファレンシャル装置70のデフケース71に連結されており、これら内輪62Cとデフケース71とが一体回転可能となっている。
多板クラッチ80は、上記した[実施形態1]で用いた制御クラッチ40(多板クラッチ60)と基本的に同じ構造であり、入力軸としてのハウジング81及び出力軸82を備えている。この多板クラッチ80のハウジング81は後輪デファレンシャル装置70のサイドギヤ74に一体回転可能に連結されており、出力軸82は右の後輪ドライブシャフト7Rに一体回転可能に連結されている。
そして、上記ローラクラッチ60Cが切断状態であるとき(電磁コイルが非通電状態であるとき)には、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70に動力が伝達されない状態(切断状態)となる。一方、ローラクラッチ60Cが接続状態であるとき(電磁コイルが通電状態であるとき)には、リングギヤ51から後輪デファレンシャル装置70への動力伝達が可能な状態(接続状態)となる。なお、上記多板クラッチ80が切断状態であるとき(電磁コイルが非通電状態であるとき)には、後輪デファレンシャル装置70から右の後輪ドライブシャフト7Rに動力が伝達されない状態(切断状態)となり、左の後輪ドライブシャフト7Lにも動力が伝達されない。一方、ローラクラッチ60Cが接続状態であるきに、多板クラッチ80が接続状態であるときには左右の後輪ドライブシャフト7L,7Rに動力が伝達される。
なお、これらローラクラッチ60C及び多板クラッチ80の各電磁コイルへの通電はECU9によって制御される。
この例の四輪駆動車両VEにおいて、二輪駆動状態で走行する場合は、前輪側断接機構30及び後輪側のローラクラッチ60Cを切断状態とするとともに、後輪ドライブシャフト7Rの回転軸上の多板クラッチ80を開放状態(非伝達状態)とする。また、四輪駆動状態に切り替える場合には、後輪側のローラクラッチ60Cを接続するとともに、後輪ドライブシャフト7Rの回転軸上の多板クラッチ80を接続状態としてプロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(上記前輪側断接機構30の入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32との回転同期)を行う。そして、その回転同期状態で前輪側断接機構30を接続することにより四輪駆動状態に切り替える。
この例の四輪駆動車両VEにおいても、後輪デファレンシャル装置70をその回転軸方向において後輪側のローラクラッチ60Cの支持部よりも外側に配置しているので、後輪側のローラクラッチ60Cと後輪デファレンシャル装置70と多板クラッチ80とにそれぞれ異なるオイル(各機構に適したオイル)を容易に供給することができる。
また、この例においても、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、後輪側のローラクラッチ60Cを接続状態にすることで、プロペラシャフト5側と前輪側との回転同期を行うことが可能である。さらに、後輪側断接機構としてローラクラッチ60Cを用いているので、後輪側断接機構の引き摺りトルクを低減することができる。
なお、この例に用いる後輪側のローラクラッチ60Cは、ワンウェイクラッチまたはツーウェイクラッチのいずれであってもよい。
<他の構成例4>
四輪駆動車両の他の構成例について図9を参照して説明する。
この例の四輪駆動車両VFは、上記した<他の構成例1>(図6)に対し、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40及び後輪ドライブシャフト7Lの回転軸上に多板クラッチ80を省略するとともに、左右の後輪ドライブシャフト7L,7Rのそれぞれの回転軸上(ローラクラッチ60Cを挟んだ両側)に多板クラッチ70Fと多板クラッチ80Fとを配置している点が相違しており、それ以外の構成については<他の構成例1>と同じとしている。
ローラクラッチ60Cは、上記した<他の構成例1>と同様に、外輪61C、内輪62C及びローラ63Cなどを備えており、その外輪61Cの外周にリングギヤ51が一体回転可能に設けられている。この外輪61Cの両端部はベアリング(例えばスラストベアリング)123,124によって回転自在に支持(2点支持)されている。
各多板クラッチ70F,80Fは、上記した[実施形態1]で用いた制御クラッチ40(多板クラッチ60)と基本的に同じ構造であり、それぞれ、入力軸としてのハウジング71F,81F及び出力軸71F,82Fを備えている。これら左右の多板クラッチ70F,80Fのハウジング71F,82Fは共にローラクラッチ60Cの内輪62Cに一体回転可能に連結されている。また、左後輪8L側の多板クラッチ70Fの出力軸72Fは左の後輪ドライブシャフト7Lに一体回転可能に連結されており、右後輪8R側の多板クラッチ80Fの出力軸82Fは右の後輪ドライブシャフト7Rに一体回転可能に連結されている。
この例の四輪駆動車両VFにおいて、二輪駆動状態で走行する場合は、前輪側断接機構30及び後輪側のローラクラッチ60Cを切断状態とするとともに、後輪ドライブシャフト7L,7Rの回転軸上の左右の多板クラッチ70F,80Fの両方を開放状態(非伝達状態)とする。また、四輪駆動状態に切り替える場合には、後輪側のローラクラッチ60Cを接続するとともに、後輪ドライブシャフト7L,7Rの回転軸上の左右の多板クラッチ70F,80Fの両方を接続状態としてプロペラシャフト5側と前輪側との回転同期(上記前輪側断接機構30の入力軸側ハブ31と出力軸側ハブ32との回転同期)を行う。そして、その回転同期状態で前輪側断接機構30を接続することにより四輪駆動状態に切り替える。
[実施形態2]
図10は四輪駆動車両の他の実施形態を示す概略構成図である。
この例では、エンジン縦置き型のFR(フロントエンジン・リアドライブ)車両をベースとする四輪駆動車両に、本発明を適用した場合について説明する。
図10に示すように、この例の四輪駆動車両V2には、車両走行用の動力源であるエンジン201(E/G)と、エンジン201の出力軸(クランクシャフト)の回転を変速するトランスミッション(T/M)202とが搭載されており、このトランスミッション202の出力側に動力伝達装置200が連結されている。
以下、エンジン201、トランスミッション202、及び、動力伝達装置200の各部について図10を参照して説明する。
−エンジン−
エンジン201は、上記した[実施形態1]と同様に、ガソリンまたは軽油等の炭化水素系の燃料などを燃焼させて動力を出力する公知の動力装置(動力源)であって、例えば、燃料噴射制御、点火制御、吸入空気量調整制御などの運転状態を制御できるように構成されている。
−トランスミッション−
トランスミッション202は、上記した[実施形態1]と同様に、例えば有段式(遊星歯車式)の自動変速機が用いられている。なお、トランスミッション202については、変速比を無段階に調整する無段変速機(CVT)や、マニュアルトランスミッション(手動変速機)などの他の方式のトランスミッションを用いてもよい。
トランスミッション202の出力軸(図示せず)には、後述するトランスファ220の伝達軸221が連結されている。トランスファ220の伝達軸221にはリアプロペラシャフト205Rを介してリアドライブピニオンギヤ215Rが連結されている。このリアドライブピニオンギヤ215Rは、後述する後輪デファレンシャル装置210のデフドリブンギヤ212に噛み合っており、トランスミッション202の出力軸に伝達された動力(エンジン201の動力)が、トランスファ220の伝達軸221、リアプロペラシャフト205R、後輪デファレンシャル装置210及び後輪ドライブシャフト207L,207Rを介して左右の後輪(主動輪)208L,208Rに伝達される。また、四輪駆動状態のときには、後述するように、トランスミッション202の出力軸に伝達された動力の一部が、トランスファ220、制御クラッチ40、フロントプロペラシャフト205F及び前輪側動力伝達装置250を介して左右の前輪(従動輪)204L,204Rに伝達される。
−動力伝達装置−
動力伝達装置200は、トランスファ220、リアプロペラシャフト205R、後輪デファレンシャル装置210(主動輪差動装置)、制御クラッチ40、フロントプロペラシャフト205F、及び、前輪側動力伝達装置250などによって構成されている。
<トランスファ>
トランスファ220は、上記トランスミッション202の出力軸に連結された伝達軸221、出力軸222、ドライブスプロケット223、ドリブンスプロケット224、これらドライブスプロケット223とドリブンスプロケット224との間に巻き掛けられたチェーン225、及び、後輪側断接機構230(主動輪側断接機構)などを備えている。
トランスファ220の出力軸222は伝達軸221と同心状に配置された中空軸であって、この出力軸222の他端部(後輪208L,208R側の端部)にドライブスプロケット223が一体回転可能に設けられている。このドライブスプロケット223はチェーン225を介してドリブンスプロケット224に連結されている。ドリブンスプロケット224は制御クラッチ40のハウジング(入力軸)41に連結されており、トランスファ220の出力軸222が回転したときには、その回転に連動して制御クラッチ40のハウジング41が回転するようになっている。
上記伝達軸221は等速自在継手311を介してリアプロペラシャフト205Rに連結されている。リアプロペラシャフト205Rは等速自在継手312を介してリアドライブピニオンギヤ215Rに連結されている。このリアドライブピニオンギヤ215Rは、後輪デファレンシャル装置210のデフドリブンギヤ212に噛み合っている。これによりリアプロペラシャフト205R(エンジン201)から後輪デファレンシャル装置210に動力が伝達される。
なお、後輪デファレンシャル装置210は、上記した[実施形態1]のデファレンシャル装置10,70と基本的に同じ構成であり、デフケース211に回転自在に支持された一対のピニオンギヤ、及び、それら一対のピニオンギヤに噛み合う一対のサイドギヤなどを備えており、その各サイドギヤに、それぞれ、後輪ドライブシャフト207L,207Rを介して後輪208L,208Rが連結されている。
(後輪側断接機構)
後輪側断接機構230は、上記伝達軸221(動力源であるエンジン201)から出力軸222への動力の伝達を行う接続状態と、伝達軸221から出力軸222への動力伝達を行わない切断状態とを切り替える機構である。
具体的に、後輪側断接機構230は、伝達軸221に一体回転可能に設けられた伝達軸側ハブ231、出力軸222の一端部(トランスミッション202側の端部)に一体回転可能に設けられた出力軸側ハブ232、これら伝達軸側ハブ231と出力軸側ハブ232との係合及び非係合を切り替えるスリーブ233、及び、アクチュエータ234などを備えている。
上記伝達軸側ハブ231及び出力軸側ハブ232は伝達軸221及び出力軸222の回転軸線を中心軸とする円筒形状のハブであり、これら伝達軸側ハブ231と出力軸側ハブ232とは互いに同一径である。また、伝達軸側ハブ231と出力軸側ハブ232とは軸方向(伝達軸221及び出力軸222の軸方向)に沿って互いに隣接して配置されている。伝達軸側ハブ231及び出力軸側ハブ232の各外周面には、それぞれ、軸方向に沿って延びるスプライン外歯が形成されている。
スリーブ233は伝達軸221及び出力軸222の回転軸線を中心とする円筒形状の部材(ハブ231,232よりも直径が大きな部材)である。スリーブ233は軸方向(伝達軸221及び出力軸222の軸方向)にスライド移動が可能である。スリーブ233の内周面には、上記伝達軸側ハブ231及び出力軸側ハブ232の各外周面に形成されたスプライン外歯に嵌合可能なスプライン内歯が形成されている。
スリーブ233は、アクチュエータ234によって軸方向にスライド移動され、伝達軸側ハブ231のみにスプライン嵌合する位置と、伝達軸側ハブ231及び出力軸側ハブ232の両方にスプライン嵌合する位置とに移動する。このスリーブ233が伝達軸側ハブ231のみに嵌合する位置にあるときには、伝達軸221から出力軸222つまりドライブスプロケット223に動力が伝達されない状態となる(切断状態)。これに対し、スリーブ233が、伝達軸側ハブ231及び出力軸側ハブ232の両方に嵌合する位置にあるときには、伝達軸221からドライブスプロケット223への動力伝達が可能な状態となる。
以上のスリーブ233の移動を行うアクチュエータ234の駆動はECU209によって制御される。アクチュエータ234としては、例えば、電動モータを駆動源とする電動式アクチュエータ、ソレノイドを駆動源とする電磁式アクチュエータ、油圧式アクチュエータ、負圧式アクチュエータなどを挙げることができる。
<制御クラッチ>
制御クラッチ40は、上記した[実施形態1]の制御クラッチ40と同じ構成であり、図3に示すように、入力軸としてのハウジング41、出力軸42、インナーシャフト42a、カム43、このカム43とハウジング41との接続及びその接続の開放が可能なパイロットクラッチ44、上記出力軸42とハウジング41との接続及びその接続の開放が可能なメインクラッチ45、ピストン46、及び、電磁コイル48などを備えている。
この例では、制御クラッチ40のハウジング41が上記トランスファ220のドリブンスプロケット224に一体回転可能に連結されている。また、出力軸42が等速自在継手313を介してフロントプロペラシャフト205Fに一体回転可能に連結されている。フロントプロペラシャフト205Fは等速自在継手314を介してフロントドライブピニオン215Fに連結されている。
<前輪側動力伝達装置>
次に、前輪側動力伝達装置250について図10を参照して説明する。
前輪側動力伝達装置250は、リングギヤ251(従動輪側のリングギヤ)、前輪側断接機構としての多板クラッチ260(従動輪側断接機構)、及び、前輪デファレンシャル装置270(従動輪差動装置)などによって構成されている。
リングギヤ251は、後述する後輪側の多板クラッチ260のハウジング(入力軸)261の一端部(左の前輪204L側の端部)に一体回転可能に設けられている。リングギヤ251は上記フロントドライブピニオン215Fと噛み合っている。リングギヤ251の回転軸線は前輪ドライブシャフト203Lの回転軸線と一致している。
前輪側の多板クラッチ260は、入力軸としてのハウジング261及び出力軸262を備えている。ハウジング261は略円筒形状であって、その回転軸線はリングギヤ251の回転軸線(前輪ドライブシャフト204Lの回転軸線)と一致している。出力軸262は、ハウジング261(前輪ドライブシャフト204L)と同心状に配置された中空軸である。
この前輪側の多板クラッチ260は、図3に示した制御クラッチ40(多板クラッチ)と基本的に同じ構造であり、後述するようにハウジング261の両端部がベアリング323,324によって支持される点、及び、出力軸262が中空軸である点等の構成が、図3に示した制御クラッチ40と相違しているだけであり、それ以外の構造(機構部分)は図3に示した制御クラッチ40と同等である。つまり、前輪側の多板クラッチ260は、図3に示す、インナーシャフト42a(上記出力軸262の一体回転可能に設けられた部材)、カム43、このカム43とハウジング261との接続及びその接続の開放が可能なパイロットクラッチ44、上記出力軸262とハウジング261との接続及びその接続の開放が可能なメインクラッチ45、ピストン46、及び、電磁コイル48などを備えている。
そして、この前輪側の多板クラッチ260にあっては、上記したようにハウジング261の一端部(左の前輪204L側の端部)にリングギヤ251が一体回転可能に設けられている。このハウジング261の両端部はベアリング(例えばスラストベアリング)323,324によって回転自在に支持(2点支持)されている。また、出力軸262の他端部(右の前輪204R側の端部)は、後述する前輪デファレンシャル装置270のデフケース271に連結されており、これら出力軸262とデフケース271とが一体回転可能となっている。
この前輪側の多板クラッチ260において、電磁コイル48(図3参照)が非通電状態にあるときには、パイロットクラッチ44が開放状態であり、メインクラッチ45も開放状態となっている。したがって、電磁コイル48が非通電状態(駆動電流=0)にあるときには、多板クラッチ260は切断状態であり、ハウジング261(リングギヤ251)の動力(トルク)は出力軸262(前輪デファレンシャル装置270)に伝達されない。
一方、電磁コイル48を通電状態にすると、その電磁コイル48が発生する電磁力によってパイロットクラッチ44が係合され、その係合力がカム43によってメインクラッチ45に伝達されて、当該メインクラッチ45が係合状態(接続状態)となる。これにより多板クラッチ260が係合状態となってハウジング261(リングギヤ251)から出力軸262(前輪デファレンシャル装置270)に動力が伝達される。なお、電磁コイル48の通電はECU209によって制御される。
ここで、本実施形態において、前輪側の多板クラッチ260は、上述したように、上記リングギヤ251から前輪デファレンシャル装置270への動力伝達を切断または接続する断接機構とする(トルク配分(動力配分)は行わない断接機構とする)。また、後述するように、車両走行中に、前輪側の多板クラッチ260を接続状態にすることで、フロントプロペラシャフト205F側と後輪側との回転同期(後輪側断接機構230の入力側と出力側との回転同期)を行うことができる。
なお、オートディスコネクト4WDを達成させるだけであれば、前輪側の多板クラッチ260を、電磁コイル48への通電量制御により、トルク配分を行う制御クラッチとしてもよい。
前輪デファレンシャル装置270は、上記前輪側の多板クラッチ260のハウジング261の両端部を支持する2つのベアリング323,324の支持スパンの外側(図10の例では、右の前輪204R側)に配置されている。つまり、前輪デファレンシャル装置270(従動輪差動装置)は、その回転軸方向において前輪側の多板クラッチ260(従動輪側断接機構)の支持部(ベアリング323,324による支持部)よりも外側に配置されており、この前輪側の多板クラッチ260と前輪デファレンシャル装置270との配置(前輪側の多板クラッチ260と前輪デファレンシャル装置270とを分けて配置する構造)が本実施形態の特徴的構成である。
前輪デファレンシャル装置270は、上記した[実施形態1]のデファレンシャル装置10,70と基本的に同じ構成であり、デフケース271に回転自在に支持された一対のピニオンギヤ、及び、それら一対のピニオンギヤに噛み合う一対のサイドギヤなどを備えており、その各サイドギヤに、それぞれ、前輪ドライブシャフト203L,203Rを介して前輪204L,204Rが連結されている。なお、前輪デファレンシャル装置270(デフケース271)は2つのベアリング325(片方のベアリングは図示せず)を介してフロントケース253に回転自在に支持されており、リングギヤ251の回転軸線を中心としてデフケース271が回転可能となっている。
−切替動作−
以上の構成の四輪駆動車両の動力伝達装置によれば、エンジン201の動力を左右の後輪(主動輪)208L,208Rのみに伝達して走行する二輪駆動状態と、エンジン201の動力を左右の後輪208L,208R及び左右の前輪(従動輪)204L,204Rの両方に伝達して走行する四輪駆動状態とに切り替えることが可能である。
具体的には、二輪駆動状態で走行する場合には、後輪側断接機構230及び前輪側の多板クラッチ260の両方を切断するとともに、フロントプロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を開放(非伝達状態)とする。この二輪駆動状態のときには、フロントプロペラシャフト205Fを含む動力伝達部材(トランスファ220の出力軸222から前輪の多板クラッチ260のハウジング(入力軸)261までの部材)を、後輪208L,208R及び前輪204L,204Rなどの回転系から切り離すことができ、それら切り離したフロントプロペラシャフト205Fを含む動力伝達部材のイナーシャがエンジン201の負荷とならなくなる。これによって燃費の向上を図ることができる。
また、このような二輪駆動状態で走行しているときに、例えば、四輪駆動走行条件(例えば、前後輪の回転速度差が所定の判定閾値以上であるという条件)が成立した場合や、ドライバによって2WD/4DW切替スイッチ(図示せず)が操作された場合には、四輪駆動状態に切り替える。具体的には、前輪側の多板クラッチ260を接続するとともに、プロペラシャフト軸上の制御クラッチ40を動力伝達状態としてフロントプロペラシャフト205F側と後輪側との回転同期(上記後輪側断接機構230の伝達軸側ハブ231と出力軸側ハブ232との回転同期)を行う。そして、その回転同期状態で前輪側断接機構30を接続することにより四輪駆動状態に切り替える。
なお、四輪駆動状態のときには、例えば、前後輪の回転速度差(スリップ率)に応じて制御クラッチ40のコイル47(図3参照)への励磁電流を制御し、当該制御クラッチ40の伝達トルク(前輪204L,204R側への動力配分率)を調整することによって、車両の走行安定性を適切な状態に維持することができる。
そして、このような四輪駆動状態から二輪駆動状態に切り替える場合(例えば、四輪駆動走行条件が不成立になった場合や、2WD/4DW切替スイッチが操作された場合)は、フロントプロペラシャフト軸上の制御クラッチ40及び前輪側の多板クラッチ260の両方を開放状態(非伝達状態)とするとともに、後輪側断接機構230を切断するという動作にて二輪駆動状態にする。
以上の二輪駆動状態と四輪駆動状態との切替動作、つまり、制御クラッチ40、後輪側断接機構230及び前輪側の多板クラッチ260の各制御はECU209によって実行される。
なお、この実施形態にあっては、前輪断接機構として多板クラッチ260を用いているが、これに替えて単板クラッチを用いてもよい。
<効果>
この実施形態によれば、前輪デファレンシャル装置270をその回転軸方向において前輪側の多板クラッチ260の支持部(ベアリング323,324の支持スパン)よりも外側に配置し、前輪側の多板クラッチ260と前輪デファレンシャル装置270とを分けて配置する構造としているので、前輪側の多板クラッチ260と前輪デファレンシャル装置270とにそれぞれ異なるオイルを容易に供給することができる。これにより、前輪側の多板クラッチ260にクラッチ専用のオイルを供給することができ、また、前輪デファレンシャル装置270にはハイポイドギヤオイル等を供給することが可能になるので、多板クラッチ260及び前輪デファレンシャル装置270の両方の潤滑性等を確保することができる。
また、この実施形態では、フロントプロペラシャフト軸上に制御クラッチ40を設け、その制御クラッチ40を用いて前後輪への動力配分制御を行い、前輪側の多板クラッチ260で動力伝達経路の断接を行うようにしているので、前輪側の多板クラッチ260(従動輪側断接機構)の引き摺りトルクを低減することができる。
さらに、この本実施形態にあっては、車両走行中(二輪駆動状態での走行中)に、前輪側の多板クラッチ260を接続状態にすることで、フロントプロペラシャフト205F側と後輪側との回転同期(後輪側断接機構230の伝達軸側ハブ231と出力軸側ハブ232との回転同期)を行うことが可能であるので、後輪側断接機構230にシンクロナイザ機構などを設ける必要がなくなる。
<変形例2−1>
上記した[実施形態2]では、トランスファ220とフロントプロペラシャフト205Fとの間の動力伝達経路に制御クラッチ40を配置しているが、これに替えて、フロントプロペラシャフト205Fとフロントドライブピニオン215F(リングギヤ251)との間の動力伝達経路に制御クラッチ40を配置してもよい。
また、上記した[実施形態1]の<変形例1−2>と同様に、トランスファ220とリングギヤ251との間の動力伝達経路に制御クラッチを設けない構成としてもよい。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の各実施形態及び各変形例では、主動輪側断接機構として、スプライン結合方式のクラッチまたは電磁式ローラクラッチを用いているが、本発明はこれに限定されず、主動輪側断接機構として、例えば、シンクロ方式のクラッチや、ドグ歯を利用した電磁式ドグクラッチなどの他の方式の断接機構を用いてもよい。なお、従動輪側断接機構については、電磁式多板クラッチのほか、多板式の油圧式摩擦クラッチを用いてもよい。
以上の各実施形態及び各変形例では、動力源として内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等)を採用しているが、本発明はこれに限られることなく、電動機(モータジェネレータ等)を動力源とする四輪駆動車両や、内燃機関と電動機(モータジェネレータ等)とを動力源とするハイブリッド四輪駆動車両にも適用可能である。
本発明は、二輪駆動状態と四輪駆動状態とに切り替え可能な四輪駆動車両に利用可能であり、さらに詳しくは、従動輪側に断接機構及び差動装置を備えた四輪駆動車両に有効に利用することができる。
100,200 動力伝達装置
1,201 エンジン
2,202 トランスミッション
2a 出力ギヤ
4L,4R 前輪(主動輪)
208L,208L 前輪(従動輪)
5 プロペラシャフト
205F フロントプロペラシャフト
215F フロントドライブピニオンギヤ
6 ドライブピニオンギヤ
8L,8R 後輪(従動輪)
208L,208R 後輪(主動輪)
10,270 前輪デファレンシャル装置
20,220 トランスファ
30 前輪側断接機構
40 制御クラッチ(多板クラッチ)
50 後輪側動力伝達装置
51 リングギヤ(従動輪側のリングギヤ)
60 後輪側断接機構(多板クラッチ)
250 前輪側動力伝達装置
251 リングギヤ(従動輪側のリングギヤ)
260 前輪側断接機構(多板クラッチ)
70,210 後輪デファレンシャル装置
123,124,323,324 ベアリング

Claims (5)

  1. 動力源の動力を左右の主動輪のみに伝達して走行する二輪駆動状態と、前記動力源の動力を前記左右の主動輪及び左右の従動輪の両方に伝達して走行する四輪駆動状態とに切り替え可能な四輪駆動車両であって、
    前記動力源の動力を左右の主動輪に配分する主動輪差動装置と、
    前記動力源の動力の一部を入力可能なプロペラシャフトと、
    前記動力源から前記プロペラシャフトへの動力伝達を切断または接続することが可能な主動輪側断接機構と、
    前記プロペラシャフトから動力が伝達される従動輪側のリングギヤと、
    前記リングギヤから入力される動力を左右の従動輪に配分する従動輪差動装置と、
    前記リングギヤから前記従動輪差動装置への動力伝達を切断または接続することが可能であり、多板クラッチによって構成される従動輪側断接機構とを備え、
    前記従動輪差動装置は、当該従動輪差動装置の回転軸方向において前記従動輪側断接機構の支持部よりも外側に配置されていることを特徴とする四輪駆動車両。
  2. 請求項1記載の四輪駆動車両において、
    車両走行中に、前記従動輪側断接機構を接続して、前記プロペラシャフト側と主動輪側との回転同期を行うことを特徴とする四輪駆動車両。
  3. 請求項1または2記載の四輪駆動車両において、
    前記プロペラシャフトの回転軸上に制御クラッチが設けられており、前記制御クラッチを用いて前記主動輪と従動輪とへの動力配分制御を行うことを特徴とする四輪駆動車両。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の四輪駆動車両において、
    前記主動輪が前輪であり、前記従動輪が後輪であることを特徴とする四輪駆動車両。
  5. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の四輪駆動車両において、
    前記主動輪が後輪であり、前記従動輪が前輪であることを特徴とする四輪駆動車両。
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